届かない祈り(作者 凪未宇
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#獣神王朝エジプト  #拒絶儀式の小ピラミッド  #大いなるトート 

「もっと、苦しめ。苦しむのだ」
 僅かな灯りが揺らめく小ピラミッド内の薄暗い祈りの間で、『黄金喰いアポピス』は石に黄金の砂時計を模した神具を祀った祭壇に、鎌首をもたげ、祈りを捧げていた。
「『大いなるトート』の儀式魔術は素晴らしい。これが完成すれば、我らに敵対する者は、メンフィスにもピラミッド神殿にも近づけぬ」
 生贄の苦しみが祭壇に集まり始め、何処からともなく砂金が現れ砂時計の中に溜まっていく。
 その砂を眺め、祭壇を独占するかのように巻き付いた。
「あぁ、いい。美しい。もっと喘げ、もっと苦しめ。お前達の苦しみが儀式魔術の力に、奴らの力を奪う糧となるのだ」

 スケッチブックに三つの鳥頭と翼を持つエンネアドの絵が描かれている。
「オベリスクの建造や、岩窟墳墓でリターナを争わせていた黒幕なのです」
 知恵を司るトート神。それが黒幕の正体だと、蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)は説明する。
 知恵の神としては、立て続けに計画を邪魔され憤慨しているのだろう。
 今度は『重要拠点へのディアボロスの侵入を禁止する儀式魔術』を行おうとしているようだ。
「この儀式が成功すると、ピラミッド神殿を中心に、皆さんが侵入出来なくなってしまうのです」
 儀式は、古代エジプトの旧都メンフィスの外壁の外に築かれた小ピラミッドで行われる。
 そこには、多くの一般人が生贄として運び込まれているらしい。
「小ピラミッドの中は、迷宮なのです。それを突破して儀式を止めて、生贄にされてる人達を助けてあげて欲しいのです」

 小ピラミッドは10階建てビルほどの高さがあり、旧都メンフィスの外壁の外にある。
 ピラミッドに近づくのは難しく無いが、内部は迷宮化しており、大量の『モフィンクス』が警戒している。
「迷宮上層には、アポピスが儀式を行ってる『祈りの部屋』があるのです」
 珠萌はザックリと、ピラミッドの断面図を描いていく。
 入り口から広がる迷宮。上には祈りの部屋と大蛇。そして下層には……。
「生贄になった人達を、生きたまま埋めようとしている『生贄の部屋』があるのです」
 儀式が始まると、祈りの部屋には『ディアボロスを拒絶する力』が強まり、時間がたつほど、ディアボロスの戦闘能力が抑制され、戦いが不利になる。
 生贄の部屋は儀式開始後、周囲の壁や床が崩れ砂と化し、次々と生贄を砂中に生き埋めにしていくらしい。
「上に向かって進めば、力を抑えられないうちに儀式を止められるかもしれないのです。でも、撃破するとピラミッドが崩壊してしまい生贄を救助出来なくなるのです」
 生贄の救出は、撃破前に終える必要があるようだ。
「下に向かって急いで進めば、壁が崩れ埋められる直前に間に合うかもしれないのです。でも、救出に掛かった時間だけ儀式が進んでボク達を拒絶する力が強まってしまうのです」
 迷宮の中にはモフィンクスの精鋭部隊という名の数の暴力が警備して待っている。
 小ピラミッド内にどの様に配置しているか分からないが、その数は最低でも5体編成の小隊が20程いるらしい。
「騒ぎを起こせばそちらに集まりやすいと思うのです。上手く陽動して探索を手助けられるといいかもしれないのです」
 警備がモフィンクスのせいか、ピラミッド内は踏むと下から冷気や槍が飛び出す仕掛けがあるようなので、探索する時は十分に気を付けて欲しい。
 アポピス撃破なのか、救出なのか。
 何を優先してどう行動するか考え、うまく連携して素早く探索を行って欲しい。

 重要拠点を防御する為、儀式を行おうとしているのは、追い詰められているということかとしれない。
「『大いなるトート』は、とっても厄介な能力を持っていそうなのです。気を付けて欲しいのです」
 そう言って、珠萌はスケッチブックを閉じた。

 100人程の人々が、部屋の中心に造られた祭壇向かって、膝を付き腕を顔の前に出すようにして、祈りを捧げている。
 途端、部屋が大きく揺れ始め、砂が降り始める。
 脱出しようと2つある部屋の出入り口に人々は向かうが、それを阻むように階段が砂と化し、壁に接していた床も崩落し数人が下の砂地の上に落ちた。
 そこでやっとこの部屋が、本当は高い位置に出入り口のある不自然な竪穴の部屋だと人々は気が付いた。
 下の砂地に落ちた者達は何とか這い出そうとするが、砂が流砂のように捕え脱することも出来ない。
 だから彼らは神に救いを求めて祈り続けた、その神が贄に捧げたとは知らずに。
 部屋の崩壊は続き、ゆっくりと中央に追い詰められていき、また一人更に一人と落ちて砂に埋もれていくのであった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
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周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【モブオーラ】
2
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV4 / 【フィニッシュ】LV3(最大) / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

凪未宇
皆様こんにちは、凪です。
獣神王朝エジプトにて、小ピラミッドで行われる儀式を止めてください。

※プレイング確定日ごとに、それぞれの選択に同時に進行した形で判定を致します。ご注意ください。

前半:②探索、③vsモフィンクスから同時進行で判定し進めていきます。
 こちらにプレイングをかける際は、冒頭に上に行くか下に行くかご指定下さい。
 【 ↑、上、 ↓、下】など(一文字でも構いません。冒頭に入れて改行して頂ければ拾います)
 ②攻略済みになった時点での、この2つの攻略内容によって、どの部屋に先に着くか決まります。

・ピラミッド内は、踏むと冷気や槍が下から飛び出してくる仕掛けがあります。ご注意ください。

・戦闘時は、どんな思いや言葉を口にして戦うのか、記載があると嬉しいです。
 また、陽動目的で動きたいのか、暗躍したいのか、キャラの目的もあるといいです。

後半:前半の結果を受けて状況が変動いたします。
 ①救出は、崩壊の進度が変わります。崩壊始めか、砂に埋まっている人の数などが変わります。
 部屋は縦横10m深さ3mの竪穴となっております。

 ④vsアポピスは、到達が遅れる程ディアボロスが不利に、戦闘判定時の技能修正が厳しくなったりします。

作業日や状況等は、マスターページにてご確認くださいませ。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
80

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


緋塚・ヤスオ

「さぁ景気よくいこうかっ!」
巡回中のトループス級を敢えて探すように行動。発見時はこちらから仕掛け、他の敵も引き付けるぐらいに派手に戦闘を行う
「ここで相手をすれば他の奴が少し動きやすくはなるだろうしな」

敵の間を駆け抜けるようにダッシュ。移動時を含め、踏むことで作動する罠に注意はするが、自身が怪我を負う事も許容。むしろ作動させてしまえば他の味方が引っかからなくて済むと考える。敵の巻き込みや急降下攻撃で作動すれば儲けもの

【パラドクス通信】で状況は共有

上方向に視線を向け
「まずは生贄になる前に下にいる奴等を助けてやりてぇ…その後で絶対ぶっ飛ばす!」

他のディアボロスの不利にならない範囲で連携
アドリブ歓迎


ラウム・マルファス

通信連携

歴史を取り戻せば死んだ人は生き返る、なんテ
割り切れればいーんだけどネ
目の前で死にそうな人がいるのに、後回しにはできないヨ
そんな覚悟は無いサ、ボク弱っちーカラ

お邪魔を倒しつつ下へ行くヨ
生贄が踏んだ場所は罠もないシ、最短経路のハズ
過去視の道案内を使って急いで追うヨ

帰り道にもなるなら罠を減らしておかないとネ
ドローンにアームを付けて、少し先の地面や壁を叩きながら進もウ
敵も寄ってくるけど、どのみち倒すから一石二鳥
…沢山来ないといいナ

敵はイバラの冠で牽制
可愛くても、生贄求める神様に仕えてるんでショ?
そう考えると怖いネ
光線は頑張って避けるヨ
怪我は覚悟しておこウ

PDで敵の光線を再現して攻撃
お返しだヨ


●小さな従軍
 ゾロゾロと列をなし、物言わぬ影が歩いていく。
 ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が過去視の道案内を使って呼び出した案内人達だ。
 この影は、生贄の部屋とは知らずに向かった人々のモノ。
「歴史を取り戻せば死んだ人は生き返る、なんテ……割り切れればいーんだけどネ」
 大人、子供、きっと性別もバラバラの様々な影達が、行儀よく列を成して薄暗い通路を進んでいく。
「目の前で死にそうな人がいるのに、後回しにはできないヨ。そんな覚悟は無いサ、ボク弱っちーカラ」
「そうだな、まずは生贄になる前に下にいる奴等を助けてやりてぇ……その後で絶対ぶっ飛ばす!」
 自然と緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)の視線は上へと向けられる。
 特に子供だと分かる影を見つけ、その想いはより一層高まった。
 影を追い生贄が歩かされた道を二人は進む。
 念のためラウムはアームを装着させた発明品の〈ドローン〉を先行させ床を調べていたが、やはり一般人を連れていった道だけあって、罠の類はなさそうだ。
 ついでに索敵もとドローンのカメラに、蒼いビー玉のようなつぶらな瞳がドアップになった。
「見つかったようだネ」
「よし、さぁ景気よくいこうかっ!」
 ヤスオは敢えて大きな声をあげ、モフィンクスらを引き付ける。
「……沢山来ないといいナ」
 そうドローンを戻しながら、ラウムは近くの脇道に別のドローンを飛ばし罠を作動させていく。
 戻ってくるドローンの姿が見えてくると、緋色の篭手〈巨鋼鳴動『フリングホルニ』〉を打ち鳴らしヤスオは身構えた。
 ドローンの向こう暗がりから、白い毛玉が現れる。
「ラウムくん、来ましたよ」
「うじゃうじゃ居るネ。前は任せたヨ、ヤスオ」
 短く言葉を交わすと、影の行列から離れ、横道へ一足先にラウムが逸れていく。
 まずは3小隊程だろうか。
「脱走者だ!」
「逃がしたら丸呑みにされちゃうよ」
「かかれー!」
 賑やかなモフィンクス小隊は、ヤスオ目掛けて真っ直ぐに突進していく。
 見た目には騙されず、先頭に拳をめり込ませモフィンクスの隊列を壊すと、一気に間を駆け抜けるように走り、パラドクス『影像電走(シルエットラン)』を発動する。
 電撃を纏った派手な蹴りの音に、更に巡回していたモフィンクらの増援がやってくる。
「さぁ、来い!」
 そのまま十分に引き付け、ヤスオは横道に飛び込む。
 彼を追うモフィンクスらは狭い通路に殺がするが、奥の暗がりより飛んできた黒い光輪〈イバラの冠〉が集団を突き抜けていく。
「気を付けろ、飛んでくるぞ」
「とんがってくるの?」
「違うよ、届くんだよ」
 どことなく緊張感のない事を口走りながら、モフィンクスは列になって二人を追って広い部屋へと誘い込まれる。
「可愛くても、生贄求める神様に仕えてるんでショ? そう考えると怖いネ」
 どれだけ倒せて増援されたか分からないが、少なくとも5小隊分はいるだろう。
 可愛い姿ではあるが、これだけ飛んでいると違う意味でも怖い。
 悪魔が宿ったメガネ〈Rewriter〉を通し、ラウムはモフィンクスらを見つめる。
「ここで相手をすれば、他の奴が少し動きやすくはなるだろうしな」
 ヤスオはモフィンクス小隊に向かって駆けだす。
「一斉攻撃です」
「モコモコ? ウルウル?」
「どっちもー」
 相変わらずの調子で、モフィンクスらは攻撃を仕掛けてくる。
 電撃を纏ったヤスオの蹴りが、モフィンクスらを蹴散らし。駆け抜ける速さで作動させた冷気などが噴出し、モフィンクスをも巻き込んでいく。
 一方、ラウムの方は追いかけられながら、目から光線を放ってくるモフィンクスらに密かに嘆息した。
「こうゆうのは、ボクの担当じゃないんだけどネ」
 次々と放たれる光線を走り続け、直撃にならないよう出来る限り躱していく。多少の怪我は覚悟しているとはいえ、この数を受け続ければ、危険だ。
 ある程度、モフィンクスらが集まるように誘導したところで足を止め、パラドクス『事象再現』をラウムは発動する。
「お返しだヨ」
 モフィンクスの放っていた光線を再現し、彼らに返してやる。さすがに目から放とうとはしなかったが……。
「さーて、もう一仕事頑張りますか」
「やれやれ、これでも結構なトシなんダヨ」
 おじさんぶりながらも、まだまだ十分戦う余裕はある。
 二人は通路からやってきた、次のモフィンクス小隊と迎え撃つのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

テクトラム・ギベリオ
ピラミッド内部に『生贄の部屋』か。全く王墓をなんだと思っているのだ。

犠牲者は見過ごせないが…敵が潜む『祈りの部屋』の事も気になる。まずは素早く【上層部の探索】から行い情報を集める。
迷宮化しているなら、なおさら敵と対峙する前に地理を把握しておきたい。

サーヴァントの毛玉を呼び、共に迷宮の探索を行う。
今後モフィンクス共を撃破する事になるだろうが…時間がかかってしまうな。
巡回ルートを確認し、効率の良い道がないか探しながら上へ向かう。
こちらも敵同様【飛翔】すれば罠の発動も最小限にできる。

おそらく敵の大きさや儀式の役割としてそれなりに広い場所が必要だろう。
入口となりそうな場所や広い廊下などはあるだろうか?


●迷宮の上へ
 小ピラミッド内を上へと向かい探索を始めたテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は、静かに憤慨していた。
「ピラミッド内部に『生贄の部屋』か。全く王墓をなんだと思っているのだ」
 足元の罠を警戒し、床に足を付かないよう飛翔しながら、スフィンクス『毛玉』と手分けをし上への道を探し進んでいく。
 恐らく足元に罠の仕掛けが集中しているのは、警備して回るモフィンクスらに合わせてのことだろう。
 今のところ、床以外に罠が仕掛けられている場所はない。
「犠牲者も見過ごせないが……『祈りの部屋』か……」
 今までも繰り返されてきた、大いなるトートの儀式魔術の一つ。この小ピラミッドはそれが施された、呪具のようなものだ。
 そして祈りの部屋で待つのは、黄金を好む巨大な毒蛇。
 財宝を分け与え信仰を集める存在である毒蛇が、あれだけの贄を集められるというのは、中々恐ろしい状況だ。
 巡回警備との戦闘が始まったことをパラドクス通信越しに受け取り、テクトラムは探索のペースをあげた。
 確かに迷宮は複雑に通路が分かれているが、彼が考えた通りあれだけの大蛇が通る道だ、いくつかの大きな通路に絞って進んでいくと、直ぐに上階へと繋がる通路に抜けた。
「やはりあの敵の大きさや、儀式の役割として、それなりに広い場所が必要ということか」
 巡回するモフィンクス小隊から身を隠しながら、次なる上へ階段を見つけた所で、辺りが騒がしくなる。
「侵入者だって」
「脱走したんじゃなかったの?」
「違う違う、侵入者。儀式を止めに来たんだよ」
 見つかったかとテクトラムは、守護者の鞭に手をかけ。毛玉もいつでも飛び出せるように身構えた。
 会話を聞く限り、半分は下層での話らしい。残りは……。
 その時、一際激しい雷の音が小ピラミッドを揺らした。
 パラドクス通信からの連絡で仲間の放った攻撃だと、直ぐに把握した。
 モフィンクスらは慌てた様子で、持ち場を離れ何処かへと立ち去っていく。
 その隙に、テクトラムは次の階層へと上っていく。
 突然、目の前に大回廊が広がった。
 どことなく、毒蛇が好みそうな黄金の装飾が施されている。
 どうやら道は合っていたようだ。この階層か、恐らくはもう一つ上か辺りが祈りの部屋で間違いがないだろう。
 幸い警備は仲間が引き付けてくれている。後は、どれだけ早く儀式の部屋に辿り着けるか……。
 テクトラムは、先を急ぎ迷宮内を飛んでいった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

ナディア・ベズヴィルド
【上層部探索】
生贄救出組の手を煩わせることなくなるべくこちらに誘導を試みる

道中、モフィンクスの目を掻い潜りながら
壁、床に不自然な点がないか注意深く観察をして、移動をし罠を見つけ次第印をつけていく
ある程度把握したら、奴らの目を惹く様に大きな音を立て(or声を出す)小隊をひきつけましょう
その際にパラドクス通信で下に向かう人と情報共有

罠のある位置まで誘導して、罠を起動させ相手の行動を阻害
その隙にこちらから攻撃をする

かわいい顔をしてても敵は敵。一匹残らず殲滅させるわ
蕁麻疹が出る人がいるから…ふふふ。

さっさとモフィンクスを片してクソ蛇のツラを拝んで、斬り裂いて、踏みにじってくれるわ

アドリブ・共闘歓迎


御守・樹
上へ。

ピラミッド内は偵察・看破で罠を探しながら忍び足で進む。
なるべく身を隠しながら進み、出会ったモフィンクスは確実に倒していく。
可能な限り敵の数を減らすのが目的だ。

モフィンクスに遭遇したら、引き続き身を隠しながらパラドクスで攻撃を。迷宮と化したピラミッド内ならいくら何でも急降下攻撃は無いか、威力を殺されてるんじゃないかな。
ギザのピラミッド並みにデカけりゃ大回廊みたいな部分もあるだろうけど、規模が小さい、且つ階層となってるならなおさら高さが十分にあるとは思えないし。
あったとしてもそういう場所はなるべく避けていくようにする。避けられないのならしょうがない、出来るだけ暗がりに身を隠して進む。


●進撃する者
 薄暗い小ピラミッドの内の通路を、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)と御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は慎重に進んでいた。
 注意深く壁に床にと警戒し、見つけた罠にナディアは印をつけた。
 暗い足元だけに仕掛けがあったのは、モフィンクスが飛んでいるせいだろうか。
 ある程度迷宮を把握したところで、挟み撃ちされないような位置に陣取り、ナディアは電撃の魔法を放ち、樹は壁の窪みに身を隠した。
 大きな音に誘われるように、小さな子供の様な声で騒ぎながら奴らが近付いてくる。
「あっちから、音がしました」
「侵入者だー、侵入者だぞー」
「どっち、どっち?」
 元気な声でパタパタと小さな羽をはばたかせて、モフィンクスの小隊が現れナディアを見つけ、更に仲間を呼ぶ。
 かなりの数の小隊が集まったのではないだろうか。恐らくここより上を警備しているモフィンクスは引き付けられたのではないだろうか。
 殺到したモフィンクスが通路いっぱいに溢れ、詰まりかけている。
「ここに居なくて良かったわね。誰かさんは、蕁麻疹が出るらしいから」
 やっと抜け出した数匹が、威勢よく突撃していく。
 そこを油断なく、樹が小型小銃〈伊耶那美〉で撃ち落していく。
「やっぱり、ここだと急降下するだけの十分な高さは取れないようだな」
 そのまま更に数匹を片付け、撃ち漏らしたモフィンクスを待ち受けるのは、フェイスベール越しに見える妖狐の微笑み。
「ふふふ……かわいい顔をしててもダメよ」
 ナディアのパラドクス『終焉の雷霆(ニハーヤ・バラク)』が容赦なく、裁きの雷を落としていく。
 攻撃の合間にパラドクス通信で出現させた、小型通信機でモフィンクスとの戦闘が始まったことを伝えるのも忘れない。
「もう一人いたよ! 他にもいるんじゃないかな」
「探さないと、大変。連絡しないと」
「周り込めるか? 消えたぞ」
 伝言ゲーム気味に騒がしく押し合い、通路の流れが良くなったところで、横の通路へ移動しようとしたモフィンクスの目の前に雷撃が落ち、床に仕込まれた罠を作動させる。
 無数の槍が飛び出し、数匹を貫き通路を塞いだ。
「こっちはダメだー!」
「向こうから応援を呼ぼう」
「誰か来るかな?」
 そう向きを変えようとするも、気配を消し周り込んでいた樹がモフィンクスを撃ち落しながら、既にこの場を塞いでいる。
「可能な限り減らさないとな」
 道を切り開く仲間達の邪魔をさせない為にも、目の前にいるモフィンクスらを逃すつもりはない。
 戦意を失った一部のモフィンクスらにとっては、前門の虎後門の狼といった心境なのであろう。
「怯むな、頑張れー!」
「数では負けてないぞー!」
「ここで捕えたら、褒めて貰えるぞー!」
 仲間を鼓舞しながら突撃しようとするモフィンクスらに、一際大きな裁きの雷が落ちた。
「さっさと片してクソ蛇のツラを拝んで、斬り裂いて、踏みにじってくれるわ……」
 軽く俯き前髪で表情の隠れたナディアの口から、何か聞こえた。
 一瞬、モフィンクスらの動きが止まり彼女に視線が集まる。
「……一匹残らず殲滅させるわ……ふふふ」
 ナディアは微笑み、モフィンクスは戦慄した。
「ぜ、全力で戦うのだー!」
 纏まって突撃していくモフィンクス。
 その合間を縫うように、パラドクス『アサシネイトキリング』を発動した樹が、確実に伊邪那美で仕留め。裁きの雷をいくつも轟かせ、この場を制した。
 繋いだパラドクス通信の向こうより、次なる動きの連絡が入ってくる。
 二人は死屍累々とかしたモフィンクスを超え、先を急ぐのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!

ヴェルゼ・バーガンディー
俺ら復讐者を入れなくする術式だぁ?面倒な事してんだな
『下層部を探索』

いくら敵をぶち倒したって、捕虜を死なせちゃ意味がねぇ、俺は下に向かうとする。
迷宮化してるから大量に持ってる包帯とそこらへんの石を組み合わせて使って、通って来た道が分かるように置いておこう、捕虜と脱出する際に
手早く進まねぇといけねぇしな、捕虜と心中なんて御免だぜ?
暗いところは【照明】で照らして進む、罠などに注意して進もう
敵の本陣だ、何があるかわかりゃしねぇ、罠があるところは
包帯をグー結びして置いておく。

生贄の部屋の入り口は施錠されてるかもだけど、パラドクスなんて使ったら
崩壊を早めるかもしれねぇ、おとなしく(?)腕力でこじ開けるぜ


プターハ・カデューシアス
【探索・下方面】
相変わらず反吐の出るやり方ですね
儀式阻止に勤しみましょうか

過去視の案内人が可能なら
生贄の足跡を追い
彼らの通ったルートを行く

墓守としての経験や勘も活かし
途中、罠があったら生贄救出の邪魔です。即座に解除
探索しながらも脱出の時、安全で最短の経路を計算しておきます
生贄の部屋は隠されている可能性もあるので
下手な開け方をして生贄達に危機が及ばぬよう細心の注意を

味方とは【パラドクス通信】で探索の進捗を相談しつつ連携
生贄救出と儀式阻止最善を尽くします

(モフィを毛嫌いしてます)
…モフィはなるべく近寄らせないで下さい、蕁麻疹が出ます
近寄ったら杖フルスイングで味方の方に吹き飛ばし、仲間にお任せします


●捧げられた人々
 大量の小動物が移動した気配を察し、そっとヴェルゼ・バーガンディー(紫色の狂魔・g02195)は照明の効果を使う。
 あたりが昼のように明るくなり、とても見通しが良くなった。
 小ピラミッド内の通路は然程大きくなく、5人程度が横に並べばいっぱいになりそうだ。
 特に下に続く通路はわざと狭くしてるようにも見える。
「相変わらず反吐の出るやり方ですね。儀式阻止に勤しみましょうか」
 プターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)は、過去視の案内人の効果を用いて、影の行列を追った。
 彼らの通った道を進む。これが最短で、もっとも罠の置いてある可能性が低いルートなのは間違いない。
「俺ら復讐者を入れなくする術式だぁ? 面倒な事してんだな」
「全くです。本来、王墓とはこのような役目を与えるものではございません」
 この非道な儀式に怒りを感じながらも冷静に、ヴェルゼは包帯を分岐の目印として設置していく。
 問題は帰り道だ。あの人数を助け避難させることを考えれば、彼らだけで道を辿って貰うことになるだろう。
 ディアボロスでない彼らには、ただの目印が必要。これは、その為の準備だ。
「手早く進まねぇといけねぇしな、心中なんて御免だぜ?」
 この目印があれば、一般人の人達も迷わず外に出られるはずだ。
 念のため、プターハは脇道に見えた近いところの罠を発動させつつ解除し、二人は脱出準備も念入りに考えながら先を急いだ。
 地下に下り、二人は更に狭い通路へと出た。
 影の行列は、まだその先へと歩み続けている。
 何処となく、逃げにくい構造にわざとしているように感じられた。
 そこへ何度目かの仲間からのパラドクス通信で、戦況が共有される。
 それぞれ順調なようだが、通路いっぱいのモフィンクスと聞こえ、プターハが身震いした。
 モフィンクスを毛嫌いしている彼にとって、その光景は地獄だ。
「皆様には、感謝するしかございません」
 先行してくれた仲間が、盛大にモフィンクスを引きつけてくれたおかげで、今のところ彼らに全く遭遇していないのだから。
 こんな狭い通路でもしも遭遇すれば、問答無用で杖のフルスイングで打ち飛ばしてしまうだろう。
 このままモフィンクスが出てこないことを願い、二人は先を急いだ。
 程なくして、2人は無事に生贄の部屋の前へと辿り着く。
 くぐり戸のような小さな扉だ。
「鍵はかかってないようでございます」
「後は罠の可能性か……」
 影達は、器用に小さな扉の向こうへと比内出来るよう位置を確認し、潜っていく。
「下手な開け方をして、生贄達に危機が及ばぬよう細心の注意を」
「……じゃぁ、腕力でこじ開けるぜ」 
 罠がなさそうなことを確認し、ヴェルゼは扉を力いっぱい開いた。
 燭台の灯りが揺れ、その異様な造りとなっている生贄の間を二人は見下ろした。
 天井に近い位置に開かれた出入り口からは、心許無い華奢な石段が伸びており、人々がひしめき合っている。
 彼らは信じている。ここで神へ祈りを捧げることを。
 まさか生贄として殺されようとしているなどとは、誰も思っていない。
 大きく小ピラミッドが揺れる。
 これはパラドクス通信の向こう、仲間の戦闘音だと分かった。
 部屋の崩壊はまだ始まっていない。だが、いつ壊れ始めてもおかしくない状況であるのは間違いない。
 生贄を救出するべく、一同は動き始めた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【照明】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!

●その頃
 遠く大回廊の終わりに大きな扉が見えてくる、恐らくその向こうが毒蛇の待つ祈りの部屋なのだろう。
 見上げる程の大きな扉から想像するに、中はあの毒蛇が自由に動けるだけの広さがありそうだ。
 下層へ向かった仲間から、生贄の部屋に到達した連絡は少し前に入った。
 恐らく救出作業も始まっている事だろうが、同時に儀式も始まる。
 人の苦しみを、命を捧げる儀式が……。
 扉の向こうでは、既にディアボロスを排斥する力が働き始めていると考えた方がいいだろう。
 時が経てばたつほど、儀式は進行し全ての者を苦しめる。
 ゆっくりと砂時計の砂が落ち始めようとしていた。
ラウム・マルファス
間に合っタ
けどゆっくり説得してる時間は無いネ

PDで罠を作るよ
階段から生贄たちの上まで、天井に複数の溝を生成
生贄の人たちの足元に、3m四方くらいの網をみっしり生成
網の四隅は天井の溝から出したワイヤーと繋いで、発動用のスイッチをボクの近くの壁に生成

準備できたらすぐスイッチオン
網が巾着みたいに締まって上昇
全員吊り下げたらこっそりプターハに合図

網は溝に沿って階段へ移動すル
捕獲して入口に戻すトラップだヨ
1つの網に5人くらいだから、怪我もしないネ
ちょっと怖いだろうケド、生き埋めは防げるサ

「この儀式は罠ダ。壁を崩してみんな生き埋めにするつもりだヨ。もうすぐピラミッド自体も崩れるから、早く逃げよウ」


プターハ・カデューシアス
【龍狐】生贄救出・説得?担当

さて説得ですが
彼らには自分の置かれた状況をご理解頂き
偽神に疑心と不信感をもつ火種となって頂きましょう!
「生き証人」として語って下さい

昇龍舞で完全龍化
入り口を広げ破壊しながらの突入
ここの神に呼ばれた者を名乗り口上

「お前達は信じる神に見捨てられたのだ、その証拠にこの部屋は
まもなく地獄に変わるだろう!」と高笑い
(実際仕掛けが動く頃なので効果ある筈)
ラウム様の合図で被害は最小限に

助けに来たラズロル様と戦闘を演じ、倒されている内に
部屋から出て行ってもらいましょう
(え、ちょ…それ、本気での攻撃ですよね!?)
相棒の強さを身をもって体感

役が役なので
実際の救出は味方の皆さんが頼りです


ラズロル・ロンド
【龍狐】でプターハ君と悪とヒーローのショーを開演するよ!
目的は生贄達の逃げる印象付けと
偽神の仕業でかつ反勢力アピール

僕はレジスタンスになり切り(嘘でも無いし)
悪役プターハ君撃退(演技)と避難誘導を
「悪事はここまでだ!思い通りにはさせんぞっ!」
「レジスタンスが助けに来た!皆、早く逃げるんだっ!」
崩壊が始まるまでなんちゃってバトルを繰り広げプターハ君を撃退
体術で蹴るなど派手に行こう♪
ただの風を使いプターハ君を出口とは反対側に吹き飛ばす
ノリノリな狐である

崩壊時はパラドクスで建物復元を
砂の手を作り生贄を救い上げ階段への足場になる
「出口はこっちだ!急げ!」
先導し出口まで誘導
こういう時は勢いが大事ダヨネ


●神か悪魔か
 眼下に広がるのは、神を信じ祈りを捧げ続ける大勢の人々。
(「間に合っタ……けどゆっくり説得してる時間は無いネ」)
 ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、パラドクス『悪魔の悪戯』を発動し、生贄とされる人々に対して仕掛けた。
 それを見届け、プターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)は、パラドクス『昇龍舞』を発動し、己の姿を龍と化し狭い入り口に突撃する。
 壁に敵にょる魔力が施されてるようで、一度の突進では壊せずもう一度助走をつけ突撃し、半身程が部屋に突入した。
 突然現れた龍の頭に、悪魔が現れたと人々から悲鳴があがりパニックを起こしている所に、ラウムの仕掛けた罠が発動する。
 足元より現れた大きな複数の網によって人々は包まれ、天井近くまで吊り上げた。
 全員を捕えることは出来なかったが、これでかなり救出作業は楽になるだろう。
「お前達は信じる神に見捨てられたのだ、その証拠にこの部屋は、まもなく地獄へと化すだろう!」
 想定より丈夫な壁に、詰まったと気取られないよう龍化したプターハは大きく口を開き、高笑いをあげる。
「全員、飲み込んでくれよう」
 そんな事情を知らない人々にとって、彼は出口を塞いだ悪魔だ。
 更に出入り口の方へと回収され始める網に、食べられると母と別々になってしまった子供が泣き叫ぶ。
 大抵の場合なら、ここで救助である意図を説明し安心させるのだが、今のとこ全てが龍となったプターハの仕業と思われているようだ。
 少し考えたラウムは、これが助けるための仕掛けだと説明するのを敢えて止め、口をつぐんだ。
(「後で、プターハにはそっとフォローをいれとこうかナ」)
 これも人命救助のためである。
 元凶も知らず神に助けを求める人々の姿に、もう一押しと入り口に詰まっていた龍と化したプターハを、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)のパラドクス『デザートウォール』によって出現した砂漠の手が、容赦なくお尻を押す。
 きっと押しただけだからダメージは無いはず……。
 その勢いで出入り口周囲の壁を壊し広げながら、龍化したプターハは生贄の部屋に躍り出す。
 いや、突き落とされた。
 龍と化したプターハが大きく部屋を揺らすとほぼ同時に、生贄の部屋が震えた。
 儀式の始まりだ。
 まず階段と床の一部が砂となり崩落し、何人かが巻き込まれ砂の中へと落ちた。
 それでもかなりの人々を事前にラウムが罠に捕えたおかげで、落ちた人の数は少ない。
 砂に埋もれ逃れられない男目掛け、龍化したプターハは急降下する。
「まずは、お前から頂こう」
 青ざめた顔で見上げる男に、内心何度も謝りながら龍化したプターハは迫る。
「悪事はここまでだ! 思い通りにはさせんぞっ!」
 トウッと言う掛け声と共に、見事な回転ジャンプで飛び込んだラズロルが、龍化したプターハの腹部にドロップキックを決め吹っ飛ばす。
(「え、ちょ……それ、本気での攻撃ですよね!?」)
 人々を背に庇うような位置に着地し、ラズロルはポーズを決めた。
「レジスタンスが助けに来た! 皆、早く逃げるんだっ!」
 何が起こっているのか戸惑う人々に、ラウムは手を伸ばす。
「この儀式は罠ダ。壁を崩して、みんな生き埋めにするつもりだヨ」
 ラウムは自分で仕掛けた罠を回収しただけだが、網から救い出された人々は助かったと口々に感謝した。
 やはり、この網もプターハが仕掛けたものと思われているのだろう。
「もうすぐピラミッド自体も崩れるから、早く逃げよウ」
 吊られた人々の救出が始まった様子を確認しながら、ゆっくりと龍化したプターハは身体を起こしもう一度飛び上がる。
「折角、集めた生贄を逃がすものか!!」
 まるでプターハの声に合わせるかのように壁が床が砂へと戻り崩壊が加速し、人々の恐怖心を、そしてここへ連れてこられたことへの不信感を煽る。
「こいつは僕がひきつける。その間に、皆の避難を頼んだよ!」
「こっちは、任せてくれて問題ないヨ」
 プターハの迫真の演技に、目の当たりにした崩壊に、人々たちはラウムの救出に素直に応じてくれている。
「さぁ、掛かってきな。悪しき蛇の化身♪」
(「何だか、ノリノリのような気がするのですが……」)
 挑発にのったかのように、プターハはラズロルに突進していった。
 跳ぶように飛翔し豊かな尾を活かした遠心力で、ラズロルは龍化したプターハに向かって強力な回し蹴りを入れ、ネックスローで下の崩落した砂地へと投げ飛ばす。
 まさに【龍狐】の迫真の大立ち回り。その場にいる人々は、誰もこれが演技だとは気付いていなかった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

御守・樹
救助は下の方に向かった人に任せて、やれることはやっておこう。
突入前に【パラドクス通信】で一応連絡を。時間は惜しいが人命の方を優先したい。

…扉から見るに相手でかそうだけど何とかなるかな。
【モブオーラ】纏いつつそっと扉を開けて様子見。室内が視界が確保できないほど暗いようなら【照明】で視界を確保して【ダッシュ】で一気に近づいてパラドクスを叩き込む。
視界が問題ないようなら【忍び足】で近づいて攻撃を。
相手の攻撃は【飛翔】もつかって回避。飛べば瓦礫とかでの足元の悪くなっても動きに支障でなさそうだし。
攻撃して見つかった後は【飛翔】に【ダッシュ】【一撃離脱】も活用して攻撃を重ねていく。


テクトラム・ギベリオ
パラドクス通信によれば何人かは救助に向かっているとの事、ここで儀式の邪魔をして時間を稼ぐ方が良いだろう。

どの様な規模の儀式か分からん以上飛び出すのは危険だが、モフィンクスたちが騒いでいたし私たちに気づいている可能性が高い。
…行くしかないな。用心しろよ毛玉。

敵影を確認し即座に厄介そうな複眼に向かって呪骨の杭を放つ。
同時に【腐食】で障害物を腐らせ、こちら側が動きやすいよう場を作る。
毒や尾に注意して【飛翔】しながら攻撃を避ける。

アポピス…忌まわしい毒蛇よ。貴様の祈りは届かない。
贄が必要というならまずは貴様からだ。

アドリブ・連携歓迎


ナディア・ベズヴィルド
【パラドクス通信】で適時、生贄救出班の状況を確認。
他メンバーとも足並みをそろえて行動をする

これはこれは…。この小さなピラミッドで何をこそこそやっている小心者がいるかと思えば…
見るに堪えない醜悪な蛇じゃないの
この胸糞悪い儀式を考えたやつもクソだけど、人々を苦しめるお前も十分クソね。
やぁね、誰かさんのせいで口が悪くなったわ。だけどしょうがないわね(と挑発はしっかりする)

さっさとその身を削り、肉も骨すらも残さぬように殺してしまいたいけれども
ピラミッドをを崩壊させないために、儀式の邪魔をする程度に攻撃は抑えておきましょう。
敵の攻撃に注視し、避けるのもそうだけども仲間にも声掛けは然りと。

アドリブ歓迎


●混沌の象徴
 大回廊の終わりに控える重厚な扉を、ディアボロス達は見上げた。
「……扉から見るに、でかそうな相手だけど何とかなるかな」
 気配を隠しながら、御守・樹(諦念の珪化木・g05753)扉に手をかけようとした樹をテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)が制する。
「モフィンクスたちが騒いでいたし、私たちに気づいている可能性が高い」
 大騒ぎをしていたモフィンクスらと数を思えば、侵入者が居ることは知られていると考える方が自然だ。
 それでも、祈りの部屋に動きを感じられないのは、余程この部屋に施されているディアボロスへの排斥力に自信があるからだろうか。
「時間は惜しいが人命の方を優先したい」
「どの様な規模の儀式か分からん以上、飛び出すのは危険だが……」
 そこへパラドクス通信を介して、救出作戦が始まった連絡が入る。
 この上層では全く揺れなど感じないが、どうやら儀式も始まってるらしい。
「ここで儀式の邪魔をして、時間を稼ぐ方が良いだろう……行くしかないな。用心しろよ毛玉」
 主の呼び掛けに、スフィンクス『毛玉』も小さく鳴き声をあげ身構えた。
 急襲を警戒しつつ、そっと重厚な扉を開ける。
 立派な無数の柱に支えられたその部屋の中央に、祭壇と黄金の砂時計を模した神具が祀られ。それらを護るようトグロを巻くアポピスの姿があった。
「ふははははは。罠とも知らず、飛び込んでくるとは愚かなり」
 人を丸呑み出来そうな大きな口を開け、アポピスが笑う。
「これはこれは……この小さなピラミッドで、こそこそやっている小心者がいるかと思えば……見るに堪えない醜悪な蛇じゃないの」
 蔑むように、ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は冷たい視線を向け。
「この胸糞悪い儀式を考えたやつもクソだけど、人々を苦しめるお前も十分クソね」
「仕方ない。元々太陽神であったが邪悪ゆえ、その座をラーに奪われたその程度の小物だからな」
「それじゃぁ、きっと神でもないのよね? 命じられたことしか出来ないザコでも仕方ないわけね……やぁね、誰かさんのせいで口が悪くなったわ」
「貴様ら放っておけば、好き勝手言いおって。我が鳥共に劣るというか! 貴様から喰ろうて、その財を全て剥いでくれよう!!」
 アポピスは威嚇するよう鎌首をもたげ、鋭い牙から毒を滴らせた。
 不意に腹部にはしる痛みに目を見開く。
「……!? 貴様、いつの間に」
 見下ろす先では、樹が深々と暗器のナイフ〈Atropos〉を突き立てていた。
「気付かなかったかようだな、俺が周り込んだのに」
 二人の挑発に気を取られ、樹がパラドクス『アサシネイトキリング』を発動したことに全く気が付いていなかったようだ。
 すかさず、テクトラムはパラドクス『紫贄呪刻(シシジュコク)』を発動し、呪いを纏った〈呪骨の杭〉を複眼目掛けて放つ。
 如何に身体が固かったとしても、目玉を鍛えられる物はそう居ない。
 8ある目のうち、右の2つに杭を穿たれアポピスは絶叫し、激痛にのたうち回った。
「アポピス……忌まわしい毒蛇よ。貴様の祈りは届かない。贄が必要というならまずは貴様からだ」
 次なる呪骨の杭で他の複眼を狙いながら、テクトラムは腐食の霧を発生させ紛れると、数本の柱を腐食させアポピスの動きを制限するよう倒した。
「よくも、よくも我の目をっ!!」
 怒りに吠えながら、アポピスは黄金の砂時計を尾で掴み取ると、天井近くまで飛び上がる。
「貴様らには過ぎた代物だが、見せてやろう。我が宝物を」
 砂時計の中に砂金が貯まり始めているのを確認すると、天に己の宝物庫の扉を開き、黄金に飾られた無数の武具が、散弾の雨となり豪快に降り注ぐ。
 二人は飛翔し、無数の武具を避け続けるが、直撃しないようにするので精一杯だ。
 思ったよりも数が多く感じるのは、やはり排斥力のせいか。
 それとも空中戦に関しては相手の技能の方が上という事か……。
 腕や足を攻撃が掠め血が流れ出すが、問題ない。
「ふははははは。存分に足掻くがいい」
「お前のようなものが、良く生贄を集められたな」
「フン。全てを整えたのはトートとあの騒がしい小物よ。我であれば、こんな賢しい真似はせぬ」
「そうでしょうね。こんな禍々しく小悪な神になんて、祈ろうとする人はいないわよね」
 さっさとその身を削りたいけどと、パラドクス通信から入ってくる救助状況を気にかけながらナディアは死の霧を立ち込めさせ、影の手を召喚する。
 パラドクス『嗜虐の惨禍(マズバハ・アラム)』を発動し、アポピスを引き摺り落としながらその皮の一部を剥ぐ。
「そういえば、誰が何を剥ぐっていっていたかしらね」
 一思いに、肉も骨すらも残さぬように殺してしまいたいけれども。
「思い上がるな、凡人の分際で!」
 アポピスは地に叩きつけられながらも、頭を持ち上げ大きく口を開き『腐毒の弾丸』を飛ばした。
 咄嗟にナディアは倒れた柱の影に飛び込み躱すが、左腕に猛毒の弾丸を受けてしまった。
 決して、アポピスに攻撃が効いていない訳ではない。
 ピラミッドを崩壊させないため、止めを差し切らない様立ち回ろうとしていたが、攻撃の手を緩めたつもりはない。
 与える一撃が思ったより弱く、受ける一撃が大きいように感じる。
 これが大いなるトートの仕掛けた術式の力なのか。
 場合によっては、全力を出し切る必要もあるかもしれない。
 まだ救出完了の知らせはないが、ディアボロス達の間に焦りが浮かんできた。
 再びアポピスは高く飛びあがり、高笑いと共に黄金の雨を降らせる。
 その姿は神と呼ぶには程遠く、闇と混沌を思わせる邪悪なものであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】がLV2になった!
【腐食】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

緋塚・ヤスオ
「助けにきたぜ!」
崩落した下の砂地に飛び込み着地。なるべく力強くはっきりと助けに来たことを言葉に

他の味方の救出方法の補助及びとりこぼした人の救出を主とする。

・救出方法
召喚できるだけの【フライトドローン】を使う
・部屋の入口までの間に階段状に固定配置(自力で動ける奴向け)
・しっかり掴まっているように言い聞かせ、一般人を上に乗せては入口目掛けて次々飛ばす(指示内容:入口目掛けて飛べ。次々と別のドローンに指示できるよう簡潔に片道の指示)

「こんなとこで砂に埋もれて死ぬのが望みなのか!」
周囲を励まし、生きたいと願う奴を少しでも多く助ける
既に砂に埋もれた人の場所がわかれば掘り起こす

自身の脱出には【飛翔】使用


ヴェルゼ・バーガンディー
「神に祈ってるだけじゃ奇跡なんか起こりゃしねぇ!奇跡っつーもんは、自ら起こすもんだろが!目開いてよく見ろ!このままだと生き埋めにされちまうぞ!アンタら死にてぇ訳じゃねぇよなぁ?!自らの明日は!自ら勝ち取ろうぜ!」
大きな声で言い放ち、【託された願い】を使用して一般人に、一般人たちと関係が深い人々、帰るのを待ち焦がれている人々を見せて
明日も明後日も生きたいと思わせる!
他の復讐者たちと連携し一般人の救出に専念
砂に流されそうになってる一般人の救出に当たるぜ
瓦礫が邪魔なら牙拳でぶっ壊す!
包帯を結んでロープ代わりにして一般人に捕まらせて引き上げよう!
手遅れになんてさせねぇぞ!鎖分銅も使って引き揚げてやる!


●生贄にされた人
 出口へと引き上げられたものの、まだ人々は戸惑いを浮かべていた。
 騙されていたという現実が、受け入れきれてなかった。
「何、ボーっとしてんだ。目を開いてよく見ろ! あのまま祈り続けていたら生き埋めにされてたんだぞ!」
 ヴェルゼ・バーガンディー(紫色の狂魔・g02195)は、吊り下がった網からの脱出に手を貸しながら一喝する。
 竪穴であった生贄の部屋の床は、半分ほど失われ崩れ行く壁や天井が砂へと戻り、降り注ぎ続けており。
 見放したという神の使いは、暴れまわりそれをレジスタンスだという狐の青年が抑え込んでいる。
「神に祈ってるだけじゃ奇跡なんか起こりゃしねぇ! 奇跡っつーもんは、自ら起こすもんだろが!」
 目が覚めた様子の人達にヴェルゼは、ここに来るまでに付けた目印のことと、逸れてしまうと罠がある事、ピラミッドが崩壊するかもしれないことなど、丁寧に説明を始めた。
 脱出路のことはヴェルゼに任せ、緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)は、崩落した砂地へと飛び込みフライトドローンを設置し、その上に着地した。
「助けにきたぜ!」
「あ、足が動かないんだ。助けてくれ、大蛇に食べられる」
 こちらは命の危険をヒシヒシと感じているのだろう、砂にはまっているだけではない。近くで自分達を食らおうとしている龍が暴れてるのだから。
 恐らく、今の彼らに龍と蛇の区別はついていないだろう。
「引き上げます。これに掴まって」
 そう多数のフライトドローンを召喚し、自ら乗って見せることで、どこに捕まるか言いきかせ教えると、後はドローン任せで指示しておいた通り出入り口まで運んで貰うだけ。
 そしてまだ崩れていない床の上に取り残され祈り続けていた人達には、階段代わりになるよう固定配置したフライトドローンを上り渡るよう声を掛ける。
「こんなとこで砂に埋もれたくないだろ!」
「アンタら死にてぇ訳じゃねぇよなぁ!? 手遅れになんてさせねぇぞ!」
「神は、本当に私達を見捨てたのでしょうか?」
「そんなの知らねぇよ! アンタの神はここに居るんじゃねぇのか。自分の未来は、自ら決めるもんだぜ!」
「生きたいと願うなら、俺は手を貸します」
 ヴェルゼは自分の胸を叩き、ヤスオは手を差し出した。
 祈りを捧げ続けていた人達も、一人また一人と出口に向かって動き出す。
 この事態になっても答えない神。
 目の前に駆け付け助けようとしてくれる人達。
 そして突き付けられたこの、生贄にされそうになったという現実。
 何を信じ頼るべきか、さすがにもう迷う人はいなかった。
 部屋の崩壊は半分ほど進んだだろうか、何とか確認できうる限りの人々を竪穴から助け出すことには成功した。
 最後に見落としがないか竪穴を確認したヤスオは飛翔で脱し、人々の脱出を後から追うのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

御守・樹
よし、救出も終わったみたいだし今度こそぶっ倒してやる。
排斥力はあるけど向こうに傷を負わせてきたし、こっちだってこのままじゃない。

動き自体はさっきまでとは変わらない。というかそれぐらいしかできないし。
【完全視界】で視界確保、【モブオーラ】【忍び足】で気配を殺して近づいて、時に【ダッシュ】または【飛翔】で一気に距離を詰めて【一撃離脱】でパラドクスでの攻撃。と、ある程度変則的に動き回り攻撃を重ねる。
…なんつーかピラミッドの崩壊とか他の人命を気にしなくていいのは精神的に楽だ。
目の前のこいつを倒すことに全力を尽くそう。
多少の怪我ぐらいとは思うが、状況としてはそれが命取りになりかねないから気を付けて。


ラウム・マルファス
排斥力が上がった戦場も何回か行ったことあるから、厄介なのは承知の上サ

「黄金喰いってことは、キミそれ食るんだよネ?食べ物で遊ぶのは良くないと思うヨ?」
挑発しながら飛翔で飛び回ル
催眠術は柱の陰に隠れて可能な限り視線をやり過ごすヨ
当たっちゃったら魔導ナイフで自分の腕を切って耐えル
操られるくらいなら、怪我した方がましサ

ボクの攻撃も視界に依るもの、いつまでも隠れてられないネ
トラップ作成で壁や天井から一定周期で煙が出る罠を設置
煙幕を張って完全視界で視界を確保
そーいえば、手持ちの薬品で煙幕作るのと、どっちが効果強いんダロ

相手が慌ててるうちに、PDで攻撃
丈夫な鱗と心臓をまとめて空気に変換するヨ


ナディア・ベズヴィルド
ネメシスモード(銀髪、尾は九尾。瞳は緋色に染まる)

無事に民の救出は終わったようですね
排斥力は在れども皆が力を合わせれば何とでもなります

――いくらでも毒を吐くがいい
――いくらでも瓦礫の雨を降らすがいい
――意のままに操ろうとも、そう簡単にはいかぬぞ?

さあ、覚悟はいいか

敵を倒す為なら負傷するのも厭わない

完全視界で視覚を確保しながら煙幕の隙を狙いPDを使用
その巨体をずたずたに切り裂いてやろう
骨まで砕いてやろう
鱗一枚も残さずに切り刻もう

ああ――誰よりもお前に因縁がある者もおろうな
止めは彼に任せるとして
自分が苦しむ側に立つのはどう?もっと、苦しんで、痛がって、断末魔の声を響かせなさい
お前にはそれが相応しい


テクトラム・ギベリオ
無駄に眼が多くて嫌になるな。2、3潰すだけでは足りぬか。
ともあれ良い知らせが来た。犠牲者は無事だな…よかった。

仕上げだな。全力で貴様を倒す。

【飛翔】しながら【トラップ生成】と【腐食】を組み合わせ、再びアポピスの動きを崩す罠を設置する。
他の者が作成したトラップと組み合わせて戦いの流れを変えるぞ。

隙を見せたところで【フライトドローン】に飛び乗り『腐毒の弾丸』を避けながら奴の脳天に我が曲刀を突き立てる。
多少負傷しても構わん。ドローンが壊されても【怪力無双】で瓦礫ごと叩き割ってやる。
黄金の砂と共に眠れ。

アドリブ・連携歓迎


緋塚・ヤスオ
「一撃でいい…それだけ奴にぶち込めれば充分だ」
下層での救出行動後、【飛翔】をさらに重ねて上層へ。
罠や移動時の負傷も構わねぇ。ただただ…奴にきつい一発をくれてやりてぇってだけだ!

目的の部屋へ到着後はそのままの勢いで突撃を。
奴の注意を俺へ。味方の仕掛けたトラップや攻撃から少しでも気を逸らせられれば良い。地面に叩きつけるようにするのか、頭を垂れさせるぐらいに体勢を崩すのが良いのか。とにかく体ごとぶつかるように右拳をくれてやるだけだ。

「ピラミッドの怪物ってのは退治されるってのがお約束だぜ」

トドメは他に任せる。悲劇を防ぐため…生贄の部屋にいた奴等の分も拳に込める。被弾覚悟の勢いで奴に一発いれてやる。


●喰らわれるモノ
 柱に己の身体を絡みつけ、ディアボロス達を睨みつけるように、アポピスは複眼を蠢かし見下ろす。
 光りを求め、黄金を求める混沌。闇の大蛇。
「無駄に眼が多くて嫌になるな。2、3潰すだけでは足りぬか」
 うっとうしそうにテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は見上げながらも、余裕と安堵を浮かべる。
「ともあれ良い知らせが来た。地下の生贄は救出したそうだ……残念であったな」
「なんだと!?」
 慌てて掲げた砂時計には、もう送られてくる砂金は降らない。
 人々の恐怖や苦痛が無くなったからだ。
「これで心置きなく、ぶっ倒してやれる!」
 排斥力はまだあるようだが、傷を負わせられなかったわけではない。
 アポピスが動揺している隙に、御守・樹(諦念の珪化木・g05753)は気配を消すようにして柱の外側から周り込み。
「仕上げだな。全力で貴様を倒す」
 複数のフライトドローンを、取り囲むように展開させ。テクトラムは鉤爪の様に湾曲し呪詛が刻まれた〈戦導者の曲刀〉を、抜き放ち飛翔した。
「この程度で動揺するなんて、やはり小物のようね」
 ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)は自分に引き付けるよう踏み出す。その紫の髪が、月光を帯びたような銀に染まっていく。
「――いくらでも毒を吐くがいい。いくらでも瓦礫の雨を降らすがいい」
 声音は変わらず凛と響き、豊かに揺れ広がる尾の数は九つに。
「――意のままに操ろうとも、そう簡単にはいかぬぞ?」
 睨み上げるその瞳は、鋭く緋色に染まり。
「さあ、覚悟はいいか」
 敵を倒す為なら負傷するのも厭わない。毒を受けたとは思えない堂々とした佇まいで、ネメシスモードを発動したナディアはアポピスに微笑んでみせた。
「この程度で、我が屈すると思うか!?」
 眩惑の複眼が怪しく輝き催眠術をかけようとするが、今のナディアは効かない。
 ならばとアポピスは、己の財宝を取り出し惑わしかける。
 非常に冷たい無数の視線が突き刺さる。
「黄金喰いってことは、キミそれ食るんだよネ? 食べ物で遊ぶのは良くないと思うヨ?」
「……お前には、この右拳をくれてやる!」
 ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)に続き、飛び込んできた緋塚・ヤスオ(探偵という名のなんでも屋・g01581)は、黒光の翼を顕現させ地下から飛んできた勢いのまま、パラドクス『漆黒の悪魔(ラーズグリーズ)』の右拳を叩き込む。
「どうだ、きつい一撃は!」
 柱ごとアポピスの身体が叩き落とされる間、ラウムは部屋を飛び回りながら、壁や天井から一定周期で煙が出るトラップを作成し設置していく。
「厄介なのは承知の上サ」
 表情こそ、ある意味ポーカーフェイスを作っているが、先程の複眼の催眠術に捕らわれないよう、咄嗟に魔導ナイフで自らの腕を斬り付けた傷口から滲む血が白衣の袖を染める。
(「操られるくらいなら、怪我した方がましサ」)
 引き続き罠の設置に専念した。
「おのれおのれおのれおのれぇ!!」
 生贄を失い増援が駆け付け、アポピスは怒りと屈辱に、大きく尾を振るい瓦礫を蹴散らし、腐毒の弾丸で飛び回るディアボロス達を狙い。
 狙いを定めきれず、暴れながら壁や柱を自ら傷つけていく。
 その愚かな振る舞いを横目に、ラウムが罠を作動させるタイミングに合わせ、腐食の霧を展開させる。
 祈りの部屋は罠の煙と腐食の霧が充満し、アポピスは視界を奪われた。
 一方ディアボロス達は、完全視界で視野は確保済みである。
 既に穿たれ穴の開いた柱は、腐食で簡単に倒れ、アポピスの動きを狭め。部屋の装飾も腐食し、黄金すら朽ちていく。
「どこに隠れようと逃しはせぬ! 我が財宝の力はこの程度ではないわ!」
 黄金に輝く財宝は豪雨のように降り注ぎ、霧を掻き消そうとする。
 だが遅い。
 霧が散るより早く、闘気を纏った樹の拳と共に衝撃波が叩き込まれる。
「……なんつーか、ピラミッドの崩壊とか他の人命を気にしなくていいのは精神的に楽だな」
 全力を遠慮なく叩き込めると、更に衝撃波を重ねる。
「まったくだ。ピラミッドの怪物ってのは退治されるってのがお約束だぜ! これは、生贄の部屋に囚われてた奴等の分だ!」
 急降下するヤスオは最大加速に達し、黒翼を散らしながら漆黒の悪魔の拳を叩き込み。
 その隙間より、ラウムは悪魔の魔法が宿ったメガネ〈Rewriter〉でアポピスを見つめ、パラドクス『万物解析』を発動し、鱗と心臓を空気へと変換する。
「丈夫な鱗を失えば、もう護るものは無いよネ」
 剥がれた鱗が、花弁のように散り霧散する。
「鱗はもう失ってしまったか。もがれた手足よ我が前に……流れた血潮よ我が前に……」
 刃のように研ぎ澄まされた砂礫が、銀狐を包むよう吹き荒れ切り刻む。
「歌うように空を裂き、奏でるように地を揺らす。砂礫は刃となり骸に刻まん!」
 肉片の一つも残させない勢いで、アポピスをパラドクス『砂礫の終止符(サンドストーム)』に巻き込み目を潰し。その巨体をずたずたに、骨まで砕こうと。
「自分が苦しむ側に立つのはどう? もっと、苦しんで、痛がって、断末魔の声を響かせなさい。お前にはそれが相応しい」
「ぐっ!」
 遅れて心臓を失った影響が出たか、アポピスは吐血し、瓦礫の中に倒れる。
 全身は血塗れの毒蛇は己を飾っていた黄金も何処かへ吹っ飛び、ギラギラと複眼を輝かせ眩惑しようとするも、満身創痍の残る3つの瞳では力は届かない。
「我はこんな所では、倒れぬ……!」
 足掻き放つ腐毒の弾丸も砂礫の風を破れず、のたうち仰いだアポピスは、何かの輝きを小ピラミッドの天に見つけた。
「ああ――誰よりもお前に因縁がある者もおろうな」
 この場は彼にと、ナディアは風の道を開く。
 それはフライトドローンを足場に、駆けあがり戦導者の曲刀を掲げたテクトラム。
「沈め」
 静かに告げられたパラドクス『金剛戮刄』の刃は、脳天から真っ直ぐに毒蛇を断ち捌く。
「黄金の砂と共に眠れ」
 着地したテクトラムの背後で、避けるようにアポピスは崩れ。最後まで大事に持っていた砂時計は割れ、慰み程度に毒蛇を砂金に埋めた。
 儀式は完全に止まり、小ピラミッドが崩れ始める。
 ディアボロス達が脱出すると、少し離れた位置より呆然と生贄にされかけてた人々が、この光景を見つめていた。
 これで、少しは彼らにも信じていたモノの正体が伝わったかもしれない。
 小ピラミッドは全てを呑み込み完全に崩れ去り、跡には何もない砂漠が広がるのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年02月02日

拒絶儀式の小ピラミッド

 岩窟墳墓での事件解決により、岩窟墳墓を利用して有力なクロノヴェーダを生み出そうとしていた、敵の首魁を突き止めることが出来ました。
 敵は、ジェネラル級エンネアドである『大いなるトート』です。
 排斥のオベリスクの建設、岩窟墳墓の事件の阻止と、ディアボロスによって作戦を妨害された『大いなるトート』は、ディアボロスに対する防御に重点を置き、ピラミッドを中心とする巨大建築物型クロノ・オブジェクトの強化を開始したようです。
 その目的は、重要拠点へのディアボロスの侵入阻止です。
 このままでは、敵の重要拠点の一つ『旧都メンフィス』『ギザのピラミッド神殿』が、攻略不能な状態になるのは間違いありません。

 幸い、『攻略旅団の提案』により、この危機を察知できました。
 現在、旧都メンフィスを囲む日干し煉瓦の壁の外に、儀式用の小ピラミッドが多数建設されています。
 この小ピラミッドの中に潜入し、内部で儀式を行っているクロノヴェーダの撃破を行ってください。


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#獣神王朝エジプト
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#拒絶儀式の小ピラミッド
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#大いなるトート


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選択肢『生き埋めにされた一般人』のルール

 なんらかの理由で生き埋めにされてしまった一般人を救出します。
 土砂崩れなどの災害、儀式の生贄にされてしまった、建物が崩壊したなど、状況に応じた方法で救出を行います。
 生き埋めにされた状況や、どんな人が何人くらい生き埋めにされているか等は、オープニングやリプレイで確認してください。
 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿をクリアするまでに、この選択肢の🔵が👑に達すると、捕らえられた対象の救出は成功する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『小ピラミッドの迷宮探索』のルール

 ジェネラル級エンネアド『大いなるトート』が、旧都メンフィスやギザのピラミッド神殿などへの、ディアボロスの侵入を拒むために行う、小ピラミッドの儀式を阻止します。
 小ピラミッドの内部は迷宮化されています。
 上層部には儀式を行うクロノヴェーダが居る『祈りの部屋』があり、下層部には生贄となる一般人が集めらえた『生贄の部屋』があります。
 上層部と下層部のどちらを優先して探索するかで、状況が変化するので、プレイングでは『上層部を探索』『下層部を探索』『同時に探索』の何れかを指定するようにしてください。
 詳細は、オープニングやリプレイを確認してください。
 
 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは👿のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾巡回警備のトループス『モフィンクス』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)と共に、周囲を巡回・警備するトループス級(👾)と戦闘を行います。
 敵は、巡回・警備を行っている為、うまくやり過ごして戦闘を避けたり、わざと発見されるようにして陽動するなど、状況に合わせた対応を行う事で、有利に戦う事が出来るでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『黄金喰いアポピス』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「テクトラム・ギベリオ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。