リプレイ
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
何度も経験した戦場
前線は総じて混沌とするものだが、この惨状はそれとは違う
戦に勝つための作戦ではないと感じ憤りから黒龍を持つ手に力が入る
「止めなければ」
両軍の境目を駆けて激化している一団が目につけば
まさに切りかかろうとしている間に割って入る
「復讐者の夏候・錬晏だ!双方手を退かれよ、この戦場は我らが受け持つ!」
半狂乱で切りかかってくる者がいれば
武器を<薙ぎ払う>か峰打ちで沈める
言葉での説得は不得手だが精一杯伝えよう
この戦いは未来の平穏につながるものではない
先の見えぬ戦いで命を散らす必要はない
生きるために必要な事は我らが支援しよう
だから勇気をもって、その手を止めて、退いてくれ
神田川・憐音
(サポート)
『あたしの歌を聴くか飯を食え! そして感動しろ!』
リターナーのサウンドソルジャー×特級厨師、15歳の女です。
普段の口調は「口数の多いギャル(あたし、あんた、ね、よ、なの、なの?)」、真剣な時は「口数の少ないクリエイター(あたし、アンタ、言い捨て)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
取り合えず歌うか飯を食わせるかして問題を解決しようとします。
敵味方は問いません。音楽か飯か、その前に在るものは全て平等です。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はせず寧ろ積極的に後押しします。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
その光景に、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)はいくばくかの覚えがある。
前線とは総じて混沌とするもの。血を血で洗いヒトが互いにヒトの様相を、手脚を首を尊厳を失いながら血肉と命を削りあう場所。
本来ならば誇りと忠義を胸に国へ殉ずる場所であったはずだが、残念ながらこの戦場にそのようなある意味で気高い理念や大義名分めいたものはない。ただただ命を命とも思わぬクロノヴェーダの薄暗いはかりごとが横たわるだけだ。
この戦いによって未来に平穏が訪れる可能性は万が一にもない。
まして先に待つものがさらなる混沌となれば、ここで命を散らす必要がどこにあるだろう。
「――双方、手を引かれよ!!」
止めなければという一念のもとに声をあげる。わあわあと無数の怒声と悲鳴と断末魔が交錯していて声が通りにくい。
「復讐者の夏候・錬晏だ! この戦場は我らが受け持つ!」
「同じく、神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)!! あたしの歌を聴くか飯を食え! そして感動しろ!」
この血みどろの修羅場でそんなばかな、と思う者もいたかもかしれない。しかし憐音の有無を言わさぬ怒声は兵士達を立ち止まらせるに充分だった。
狂乱ばかりが支配する戦場で道理を説いたところで、耳を貸す者はどうしたって少ない。まずは彼女のように目や興味を惹くなり錬晏のように圧倒するなり、まず我に返らせて説得はそこからだ。
波のように折り重なっていた兵士達の声が、憐音の歌声で押し返されるように引いていく。そこに魏兵か呉兵かの差はなかった。もとより彼女にとって音楽か食べ物か、その前にあるものはすべてが等しく、すべからく平等である。
「この戦いによって利するのは呉でも魏でも、ましてや蜀でもないのだ」
気圧され、呆けた表情の兵士達の口がぽかんと開いていた。そもそも国への忠義うんぬんなどは存在せず、死と上官である蟲将への恐怖が交互に作用して戦闘に駆り立てられていたのだから、戦いそのものに意味がないと聞けば戦意は簡単に失われるだろう。
「生きるために必要な事は我らが支援しよう。ゆえ、勇気をもって、その手を止め、今は退いてくれ」
「腹が減っているならあたしに任せな! 特級厨師の名にかけて美味い飯をたらふく食わせてやるからさ!」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
シル・ウィンディア
一般の人たちが戦っている
死なせないように、戦場コントロールか…。
頑張ってみますかっ!
世界樹の翼をtype.Cにして、飛翔で上空に舞い上がるよ
そのまま、上から誘導弾を連射して雨あられに降らせるね
狙うは、兵士の武器を狙っていくね
精密射撃だけど、きっとなんとかなるっ!
その後は、地上すれすれに降りてから
左手の創世の小剣で、兵士さんの武器を両断していくよ
両断できなくても、吹き飛ばしで無力化していくね
しばらくして、戦場の真ん中で声を上げるよ
はい、戦争はここでおしまい。
無駄に戦って命を落とすことはないんだから
それでもやるなら…
お相手するけど、どうする?
蟲将がちょっかいかけてくるなら、精霊乱舞連弾で牽制だね
アンゼリカ・レンブラント
仲間と共に魏と呉の乱戦に介入して
【避難勧告】を使いつつ戦場を駆け巡るね
戦場は至るところが危険な地域だ
一般兵が避難を始めてくれるだろうか
蟲将を投入しているのが呉軍側であれば、主に魏兵を守るような
立ち位置で動こう
魏兵にも可能な限り引いてくれるよう訴える
剣を振るう際は武器を落とし実力差を示すように動くよ
戦いを強要する蟲将がいて一般人の避難が進まない場合は
蟲将をパラドクスで牽制して指示を止めるよ
「命を無駄に散らすな!指揮官は君達の命を何とも思ってない。
私達なら、君達を可能な限り助けるからっ!」
声を張り上げ、助けさせて欲しいと心に念じ駆けまわる
一般兵の避難が終われば、呉の蟲将と相対
お前達の相手は私達だ!
どこかで物音や大勢の声が静まった、そんな気配を感じてシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は振り返る。
『一般人兵士を死なせることのないよう戦場をコントロールする』。言うは易し、という状況の代表格のようなものだが、それでもやるしかない。まずは上空から乱戦に介入し戦闘を停止させるため、シルは世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』を展開した。
兵士の武器を狙っていくことも考えたが、ただでさえ乱戦であるのに加え一般人相手にパラドクスによる誘導弾を降らせるのはさすがに危険が過ぎるなと考え直す。この手は相手が蟲将である時のために温存しておく事として、シルは怪我人が出ない程度に兵の密度が低い地面を選んで誘導弾を撃ちこんだ。兵士の無力化は望めないとしても、単純に派手な土煙をたちのぼらせる爆発で魏兵と呉兵がディアボロスという第三勢力の存在に気付きやすくはなるだろう。
地上ではアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)が魏兵に退却を訴えながら声をあげていた。
「ここで無駄に命を散らすな! 君達の指揮官は君達の命なんて何とも思っていない」
避難勧告が使えれば多少乱戦のるつぼから兵士達を退避させる事ができたかもしれないが、シル同様パラドクスを一般人相手に放つなどすればひとたまりもない。空撃ちにも意味がないとなれば、地道に脚で回るしかなかった。
「私達が君達を助ける! 助けさせてほしい!!」
しかしこういう乱戦時こそ、ディアボロスの一般法則破壊は実に便利なものだとアンゼリカは思う。ディアボロスの身はパラドクス以外のものには非常識なほど丈夫にできているので、半狂乱になった兵士に斬りかかられようが矢が射かけられようが、はたまた投石器の岩が飛んでこようが、傷らしい傷になることもない。何よりその特異な能力ゆえに、まるで傷つくことなく戦場を駆けるディアボロスはひどく目を惹いた。
その上で可能な限り実力差を誇示するべく、刃こぼれのひどい血濡れた剣や蛇矛をことごとくアンゼリカは打ちかえしていく。もし戦いを強要する蟲将がいようものならそちらを相手取ることも考えたが、それは蟲将へ向かった者のするべき役目だろう。今アンゼリカが注力すべきは一般人兵士の乱戦の犠牲を削ぐことのみ。
「戦争はここでおしまい!」
地上すれすれまで降下し、シルは滑空の慣性を殺すことなく互いに揉み合う兵士の一団へ突っ込んでいく。シルの乱入に気付いた兵士達が蜘蛛の子を散らすように散開した。
「こんなところで無駄に戦って命を落とすことなんかないし、それでもやるって言うなら――」
みなまでシルの言い分を聞くことなく、兵士達はそのままそれぞれの陣営へ向かって逃げていく。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
無辜の民を殺し合わせて利を得る……随分と虫唾が走るやり方ね。
お前達の一切を蹴散らして、止めさせてもらうわ。
槍刃を撃ち込み【爆破】で鱗粉を吹き飛ばし、なるべく鱗粉に身を晒さず、囲まれないように位置取り
初めは慎重に敵の予備動作を【観察】、動きを把握したら鱗粉を撒き散らす前に【連続魔法】【喰らいつく因果】で一気に仕掛け撃破を狙っていきます
百目木・京也
(サポート)
サポートでの参加よ♡
普段はたおやかで女性らしい口調や仕草を心がけているけど…戦場ではまぁ多少、荒事の真似をしなきゃいけない事もあるわよねぇ
というわけで、戦う時はルール無用の肉弾戦よ♡
きゃっ♡ちょっぴりはしたないかしら!恥ずかしいわ
普段はメイクアップアーティストを目指してメイクやスタイリングの勉強もしてるの
だから、変装したりドレスアップしたりする必要があるなら任せて!完璧なドレスアップから特殊メイクばりの変装までなんだってお手伝いしちゃうから♡
アタシ?アタシはシンデレラで言う魔法使い
だから目立たなくていーの!
(※なお、口調や仕草は女性的ですが、心は男です。が、女性と間違えられても気にしません)
きりりと複数の弓弦の音が耳に入り、アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は首をめぐらせると同時に槍を模した魔力の刃を音の方角へと撃ちこんだ。一般人兵同士の対応には誰か他のディアボロス達が向かってくれているのだろう、徐々に乱戦の騒音は弱くなりつつある気がする。
それだけにクロノヴェーダ対一般人という、まるで戦いにならない一方的な蹂躙を繰り広げている蟲将には虫唾が走るというものだ。無辜の民を恐怖で煽り、縛り、殺し合わせたあげく上澄みの利の部分だけをうまうまと吸う輩など、一切合切きれいに蹴散らしてやろうとさえ思う。
「さて? たしか東呉郡主侍女隊――とか、言ったかしら」
不意に投げ込まれてきたアイネリスの魔力の刃を前に、白い羽を背負い弓矢を構えていた蟲将達が向き直る。くるくると化粧筆をもてあそびながら誰何した百目木・京也(愛と美の伝道師・京ちゃん・g02036)へ、返答のかわり、敵意に満ちた視線と鏃が向けられた。
「あら怖い顔。やんごとなきお姫様に仕えるなら常に仕草はたおやかに、そして主を不安にさせぬよう笑顔であるべきじゃない?」
「どこの何者ですか。見るかぎり蟲将ではない様子。ならば私達の敵である可能性は高い」
「いい質問。そういう単刀直入なタイプは嫌いじゃないわ」
うふふ、と手の甲を口元へ沿わせるように笑いながら、京也は常に視界の端へアイネリスの姿を入れつつクロノヴェーダへ近付く。
「たとえお姫様付の侍女とは言っても、乱世となれば多少は荒事とも無関係ではいられないって事かしら。もっともこの時代の事情に通じてるってわけじゃないし、アタシのただの想像だけど」
油断なく矢をつがえ視線をそらさずにいる侍女隊へ、京也は笑みを強めてみせた。
「城の奥ならまだしも戦場なら確かに、ルール無用の肉弾戦――って事は、あるわよねぇ」
「やはりお前達――!!」
ぎっ、と弓弦がひときわ鋭く鳴った瞬間にアイネリスが動いた。
「『貫き、爆ぜろ』」
暴力的な勢いでアイネリスの足元からくろがねの槍が射出される。侍女四体のうち半分が『喰らいつく因果』に捉えられ、残りは捨て置かれ、焼け焦げた木杭を拾い上げた京也によって強かに打ち据えられた。煙を含む爆風に煽られる黒髪を抑えながら、アイネリスは鋭く、しかし大きく一歩を踏み込む。あまり武器らしい武器を所持していないように見える京也を侍女隊から遮ろうとして、――至近距離から中々に生々しく、そして鈍い音を聞いた。
「あらやだ、わざとじゃないのよ。ごめんなさいね」
きゃっ、と恥じらってみせた京也の指には一指用のメリケンサックが銀のきらめきを放っている。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
陳・桂菓
人間の兵同士の戦いを止めようにも、蟲将がいてはな。
敵の注意を一般兵から逸らしてこちらに引きつけること、迅速に撃滅することが肝要と見た。
というわけで、対集団戦で使える技の中で最速といえば【蚩尤超限暴】
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
弓を構える敵に一瞬で肉迫して斬り捨て、剣を抜いたころには一瞬で遠間となって別の敵を斬り捨てる、といった具合。
「武門と名高き孫呉の蟲将が、この程度か? あくびが出るぞ!」
大声で挑発しつつ、さらに敵陣の深くへと突入。
包囲殲滅されかねない、いささか危険な行為であるのは百も承知だが、これも人の兵から注意を逸らすため。
乱戦となったら、戟の薙ぎ払いでもって纏めて斬り捨てる。
霧宮・悠希
※戦闘中は黙々と戦います。ほぼ喋りません
死なせないために普通の人達と戦う……のは、難しい。
自分の力は、戦い方は、クロノヴェーダを仕留めるためのものばかりだから。
だから普通の人々を傷つけないように、殺してしまわないように注意しないと。
戦場を駆けながら蟲将を探す。
普通の人達から敵対されれば仕方ない、武器だけは叩き落とすなり叩き壊すなりさせてもらう。
ただし、蟲将を見つけられたのなら。
「――『復讐者の狩り』を見せてやる」
乱戦にあっては「執行人」を手に挑む。
武器の特徴を利用して間合いや攻撃の特性を変化させながら、追い込んでやる……、
……飛び上がった?
ならば、墜ちろ。「狩人」の機関砲を撃ち込んでやる!
見るからに肉弾戦には向かなそうなディアボロスに至近距離から殴られ、あげく地面を転がった東呉郡主侍女隊が見たものは新手の影だった。どこか中欧を思わせる年代物のデザインの両手剣を突きつけて、小柄な体躯には似合わぬ低い声が響く。
「そこから動くな」
這いつくばったまま霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)を見上げた侍女の背後には、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)の足音が迫っていた。
「――『復讐者の狩り』を見せてやる」
言い渡すべきことはこれで全部、とばかりに青い目がぎらりと輝く。動物的な勘で跳ね起き、少年ディアボロスから距離を取ったはずの四肢に鮮血が噴き、東呉郡主侍女は眼を剥いた。
これもまた有言実行の一つの形ではあるのだろう。文字通り『復讐者の狩り』の名を冠するパラドクスは悠希の裡に燃え、煮え滾っている復讐心を養分として吸い上げクロノヴェーダを追い詰める。ただひたすらに。
年端もゆかぬ少年の姿からは想像もできない、修羅とも表現すべき猛攻を目にして残りの侍女達が弓に矢をつがえた。そこに双短戟の嵐が躍り込む。
紋白蝶に似た白い羽を千々に引き裂かれながらも、侍女達はぎりぎりで踏みとどまった。そのまま凄まじいスピードで飛び込んできた桂菓へ応戦すべく剣を取る。
――が、彼女達の剣は虚空を切った。彼女達が繰り出した反撃よりも早く、桂菓は剣の間合いの外へ逃れている。ばかな、と愕然として呟いた声は再度襲いきた蚩尤超限暴の風切り音にかき消された。
「武門と名高き孫呉の蟲将が、この程度か!」
双短戟によって完膚なきまでに切り刻まれ、血と消し炭で赤黒く汚れた戦場に舞う白い何かが、もう鱗粉なのか羽の欠片なのかもわからない。もう背の羽は何の使いものにならぬと自覚したのだろう、渾身で飛び退き、唯一の有利である数の上位を活かすべく侍女隊は二人のディアボロスを矢で狙った。
悠希の能力と戦い方は基本的にクロノヴェーダを仕留めることに特化されている。
ゆえ、死なせないために乱戦のただ中で戦闘をコントロールする事には向いていない。悠希自身にもその自覚はある。しかし守らねばならない一般人が周囲にほとんど存在していないなら、遠慮は無用だった。
そしてそれは桂菓にとっても同じようなもので、一般人兵士よりも桂菓達を先に排除せねばならないと思い込ませられれば、一般人兵士の犠牲を減らすという目的は達せられる。
「それとも群主の侍女というのは、見てくれを繕っただけの絵に描いた餅か? 絵なら部屋の賑やかしにはなるが、正真正銘食えぬ餅なら役立たずにも程があるというもの!!」」
「言わせておけば……っ!!」
数の優位が侍女側にある以上、包囲殲滅の危険は常に桂菓の頭にはあった。
しかし一対四が二対四になればその危険もある程度は崩れる。まして全てがクロノヴェーダ殲滅に比重を置いた悠希であれば。
弓のレンジで来るならばこちらも、と火器めいた外見の複合兵器が悠希の手に握られる。くろがねの銃身が猛然と火を噴いたのと、裂帛の気を吐いた桂菓が地面を蹴ったのはほぼ同時だった。斉射の露払いを受けながら突進した一対の双短戟は、弓を構えた蟲将のことごとくを斬り捨てて荒れ狂う。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
見渡す限りの混乱は取り除いた
侍女隊に向かう仲間も確認し己の目標へ
幸い赤い馬は戦場でよく目立つ
「陳羣とお見受けする。いざ尋常に!」
混迷極まる戦場に不釣り合いな軽装が気になるが
幾千もの戦場を経験した身
<戦闘知識>で伏兵にも臨機応変に対応する
一般兵を盾にする卑劣な手を使うようなら
【罪縛りの鎖】で地面に縫い付けて戦闘に巻き込まないように
侵略者なら容赦なく偃月刀で薙ぎ払う
「その赤兎は本物か?『関羽の赤兎』とは随分見劣りするな」
旅団の情報だと赤い馬は複数体存在すると聞いた
半分カマだが違いは歴然
騎手の差か他に違う何かがあるのか
試しにこの赤馬にも【罪縛りの鎖】を仕掛けてみよう
視認できる範囲での混乱は取り除いたはずだと、夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)はそう判断した。侍女隊に向かう人影も確認したので陳羣の排除に取りかかる。
戦場のあちらこちらでくすぶっている黒煙と、炎。明瞭と言いがたいものの、赤兎馬の赤い馬身を探せないほどの視界でもない。
甲高い蹄の音が聞こえてきて錬晏は背後を振り返った。
思ったほど一方的な蹂躙になっていない事に気付いたのだろうか、指揮官であるクロノヴェーダは錬晏の姿を気にすることもなく特徴的な長い首をめぐらせている。そして黒を基調にした柔らか物の軽装、なにより鞍を乗せているのは兎耳の赤い馬。
「呉将、陳羣とお見受けする」
正史なら魏将であったはずなので、我ながら多少違和感のある問いではあった。もし一般兵を盾にされようものなら錬晏にも考えがあったが、さいわい利用されそうな兵は周囲に残っていない。
「……さて?」
呉兵であればするはずのない問いに小さく首を傾け、陳羣は興味深そうに隻腕の武人をながめやった。
「いかにも陳羣であると言えばどうする。もっとも、別人と言ったところで同じ事だろうが」
答えを聞くよりずっと前から、偃月刀が迷いなく中段へ据えられていることを言われたのだなと錬晏は気付いた。確かに、答えがどのようなものであろうと取るべき対応は同じだっただろう。
「いざ、尋常に」
吐いた声はそれまでより一段低く、陳羣は鋭く反応して手綱を手繰り寄せた。偃月刀の刃は赤兎馬の足元にくすぶっていた消し炭を叩き割り、見るからに不穏な毒気が土壌を侵す。
間一髪、切っ先を躱した陳羣の左手が振られ幻影の伏兵が身を起こした。兵を伏せるならば死角と相場が決まっていることを、錬晏はこれまでの戦場での経験で身に染みている。可能な限り身を低めて偃月刀を振り回すことで弓兵の矢を叩き落とした。
騎乗する赤兎馬についてカマをかけるか、あるいは鎖をかけられるかで情報を得ることも考えたが、そもそも陳羣が正直に答える保証はないし嘘を見破る方法もない。ここは赤兎馬の情報を得ようとするより、当初の目的通り面倒な援軍が現れる前に陳羣を撃破すべきだと錬晏は考え直した。
成功🔵🔵🔴
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
シル・ウィンディア
さぁ、覚悟はいいかな?ここで仕留めさせてもらうからねっ!!
しかし…。首長いなぁ~。
飛翔で低空飛行を行って速度を出していくよ
攻撃は、馬を狙って世界樹の翼type.Cからの誘導弾で吹き飛ばしを試みるね。
さすがに騎乗しているものまでクロノオブジェクトじゃないと思いたいけど…
敵の攻撃は、残像を生み出しつつ上空に逃れての攪乱回避
距離が関係なくても、体勢を立て直すためにも上空へだね
その後は、世界樹の翼をtype.Aに戻してから
高速詠唱を行って隙を減らしてからの精霊収束砲っ!
まだ先は長いから全力では撃たずに…
狙うは本体と馬をまとめて討ちぬくような位置で放つよっ!
さて、どう動くかな?ちょっと楽しみかも?
低空飛行からのシル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)の急襲を、陳羣は紙一重で避ける。
「さあ、覚悟はいいかな? ここで仕留めさせてもらうからねっ!」
「大人しくその言い分に従う道理はないな!」
さらに宙で反転して誘導弾を撃ちこんでくるディアボロスに対し、陳羣は不規則に赤兎馬を駆り立てることで弾幕を避けた。
クロノヴェーダは赤兎馬と共に傷一つない身で長い袖を一振りし、濃い土煙を払いのける。
シルとしては騎乗するアヴァタール級までクロノオブジェクトとは思いたくなかったが、赤兎馬とクロノヴェーダ相手に吹き飛ばしまでまとめて望むのは多少欲張りというものだろう。素直に精霊収束砲の特性に従った貫通を狙うべきであったかもしれないと改めて再確認し、シルは一度体勢を立て直すため残像を引き連れながら上空へ逃れた。
陳羣を相手取る最終段階に来たとは言え、まだ先は長い――ゆえにここで全力を出すのは下策と結論し、シルは上空で狙いを定めた。
世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』。口早な高速詠唱で杖頭に花を飾った白銀の杖を鋭く振り抜くと、青白く輝く魔力の翼が広がった。
精霊収束砲の光条が陳羣の着物を白く灼いていって、シルは内心快哉を叫んだ。
「さあ、ここからどう動くのかな?」
ちょっと楽しみかも、と続く台詞を胸の中で呟いたシルの耳に、高い蹄の音が聞こえてくる。陳羣との間に割り込んできた赤い馬は、同じく赤衣が特徴的なクロノヴェーダを乗せていた。
「何やら手間取っているようですね。陳羣」
面目次第もない、と陳羣は馬上で頭を下げる。見るからに陳羣より若年のはずだが、彼に向ける声音と態度はやはり明らかに上官へのもの。
「どうやらおかしな邪魔が入りましたか」
「その通りで。ですがご心配には及びません、すぐに蹴散らしてご覧にいれます」
「ここまで出張ってきたのです。何もせず帰還することこそ無駄骨というもの、気にしないで下さい」
平伏しそうな勢いの陳羣を振り返ることもせず、赤衣のクロノヴェーダは白い刃もまぶしい直剣を抜く。陳羣を振り返らないのも彼を軽視しているのではなく、目の前のディアボロスを警戒しての行為であると見て取れた。
「申し訳ございません。援軍、感謝いたします――陸遜殿」
援軍に現れた赤衣のジェネラル級。大都督、陸遜がそこにいた。
成功🔵🔵🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
――おかしい、と陸遜は眉根を寄せる。
本来なら今ごろは乱戦に継ぐ乱戦により、一般人兵士の骸が見渡すかぎり無数に横たわっているはずだった。少なくとも指揮官である陳羣の描いた策はそのようなもので、魏側に何かしら一騎当千の猛者が現れたような痕跡もない。もしそうだとしたなら、呉兵の死体がそこかしこに転がっていなければ辻褄があわなかった。
それどころか、戦闘で地面や陣地はすっかり荒れているものの死体の数は思い描いていたほどではない。乱戦どころか沈静化が進んでいる気配すらある。
一体、何が起こっている。その答えは今目の前にいる、陳羣と刃を交わしていた所属不明の武人達が握っているに違いなかった。
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
腐っても一団を率いる将
短期決戦とはいかなかったか
部下の危機を察して援軍が現れる可能性は聞いていたので驚きはない
ネメシスモードが発動し黒い闘気で籠手、佩楯、脛当て、胸当てを形成
生前の戦装束に近づき自然と身が引き締まる
横目に孫家の娘を捉える
他の任務で共闘した時も感じたが祖国の蹂躙に怒る気持ちは同じ
「援護する、俺を使え」
水流と雨に合わせて陸遜へ接近し強襲をかける
上空への移動は【フライトドローン】や【エアライド】を駆使して阻止
多少の傷は構わず絶えず攻撃を続ける
精鋭だろうが関係ない
影はまとめて〈薙ぎ払う〉
俺も復讐者である前に武人としての矜持がある
陳羣が倒れるまで付き合ってもらうぞ
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
出たわね……陸遜!
あなた達の思い通りにはさせないよ?例え自分が深手を負おうともね?
ネメシスモードを発動させ。
【フライトドローン】を空中へ出現させ《空中戦》を仕掛けていく。
《結界術》を展開して敵の攻撃は弾きつつフライトドローンを駆使して陸遜へ《連射》《連続魔法》《全力魔法》の魔弾を撃ちながら仲間たちの攻撃が通るように陸遜の気を引きつけていく。
フライトドローンが壊されたら残留効果の【飛翔】で変わらず空からの攻撃をしていきつつフライトドローンを再召喚。
フライトドローンは盾にしたりしていく。
あなた達と私達の違いは私達は協力したら更に強くなれるところよ!
使える効果は全て使用。
アイネリス・レナリィ
アドリブ絡み歓迎
こちらの意地を通す。邪魔立て出来るとは思わない事ね。
一撃を浴びせるのは味方に任せれば良さそうね
こちらは陽動作戦といきましょうか
【飛翔】で低高度を駆け回りながら【一撃離脱】
こちらを注視も軽視も出来ないよう、つかず離れずの距離で攻撃を仕掛ける
パラドクスを併用し複数方向からの同時攻撃も多用
なるべく味方が死角に回り込めるように【爆破】や【制圧射撃】で目眩し、誘導を狙って動く
味方の大技の予兆があれば援護のため一気に攻勢に出て足止めを行う
お前に拘っている暇など無いの。早々に退場して貰うわ。
阿賀崎・是枝
(サポート)
基本的に他のディアボロスの後方支援を手掛けるよ
戦闘であれば機動力を削いだり牽制したり
調査であれば地図や資料を手配し
説得や聞き取りは礼儀を尽くし穏やかな振舞いを心がける
細かいことは私に任せて構わない。後は頼むよ
寛ぐ時は音楽に触れていたいね。聞くのも演奏も好きだよ
あとは食事はどうしても惹かれてしまう
これでも結構健啖家なんだ
好き嫌いは特にないし、コース料理もジャンクフードも歓迎だ
迷惑行為、公序良俗に反することや人道に背くことはやれないな
あと下品な言動はお断りだ
私に出来ることがあれば力を尽くそう
*
ヒロイックシンフォニーはベートーヴェン交響曲第3番「英雄」を演奏、何の幻影かはお任せ
復讐の刃はナイフで攻撃
「やはり腐っても一団を率いる将、短期決戦とは行かなかったか……」
夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)の裡からにじみ出してくるような黒い闘気に、馬上の陸遜は表情をやや険しくする。
「来たわね……陸遜! あなた達の思い通りにはさせないよ?」
「……なるほど。あなた方が伊達や酔狂で戦場を掻き乱しに来たのではないことは理解しました。僕はあなた方を何も知らないが、少なくともあなた方は名も含めて僕が何者かを知っており、遂げたかった目標も知っている」
一度は険しくなった陸遜の表情が凪いだように引いていき、桜・姫恋(苺姫・g03043)は身構える。彼にとって未知の勢力に情報を掴まれていたことが知られようが、こちらの成し遂げるべき事には何も変わりがない。あるとしてもせいぜいが陸遜からの敵対心の振れ幅が上がる程度しかないので、ディアボロス達が懸念するべき話でもない。
何もかもが静かに凪いだ、いっそ無表情とも言える顔で陸遜はディアボロス達をひとりひとり見据えていく。
「――その上で悉くを妨害しに来た、と。それは危険な事です、非常に、ね」
陸遜が言及した危険とは、果たして『何』に対しての危険であったか。恐らくは複数の意味合いだろうなとアイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は考え、そして決断した。
「危険だから何だと言うの。こちらはお前に拘っている暇などないのよ」
荒れきった地面に落ちているアイネリスの影。そこから羽音もさせず使い魔の梟が顕現したのを見てとり、陸遜は素早く左手を上げた。それはまるで墜落してくるような使い魔の急襲、そして自らも飛翔しつつ複数方向からの同時攻撃を行うアイネリスへ向かっている。
陸遜の号令に従い、ぞろりと立ち上がった精鋭部隊の影が一斉に弓をつがえ、矢を放った。
「あなた達と私達が同じものだとは思わないことね――舞いなさい!」
「援護する!」
黒い闘気が手脚を覆う装甲のように変化しネメシス形態へ移行した錬晏が、姫恋が召喚したフライトドローンの連射の援護へ回る。結界術を展開してはいるものの、パラドクスを伴わない以上はクロノヴェーダに対し充分な防御は期待できない。ゆえに機体を長時間保たせることは早々に諦め、立て続けに魔弾を放たせることで陸遜の気を惹くことに注力する。
錬晏同様にネメシス形態となれれば多少なりとも、あるいは、という思いもなくはなかったが、いまここでそれを悔いても詮ないことだ。何より自分達にはクロノヴェーダには絶対に成せない切り札がある。
「あなた達との違いは、私達は協力によって更に強くなれる所よ!」
「協力、ですか」
撃墜されるごと矢継ぎ早に召喚されるフライトドローンを横目に、陸遜はやや首をかたむけた。利のために命を命とも思わぬクロノヴェーダにとって、『協力』の言葉など果たして彼等の辞書に存在しているかどうか。しかしながら陳羣を守るという強固な意志を感じさせる、ほとんど位置を変えない陸遜の立ち回りに阿賀崎・是枝(フラクタルワルツ・g03215)は素直に感嘆するしかない。
「わざわざここまで救援に来るだなんて、君は部下思いなのかな。そうだとするなら私の中のクロノヴェーダの印象とは随分違うよ」
「部下思い」
別に是枝とて何か聞けると思ってはいなかったが、帰ってきた平坦な鸚鵡返しの声は、まるで異国の言葉でも聞いたかのように反応が薄かった。
「……これは部下思い、なのでしょうか。僕はただこの大戦乱の目的を達したかっただけで、そのためには陳羣が必要です」
自嘲でも謙遜でもなく心の底からそう思っているのだろう、至極不思議そうな声が返ってくる。激昂することはなく口調も丁寧なせいで物腰は柔らかそうに思えるが、本質の部分はやはりクロノヴェーダそのものであるのだろう。
「……なるほど、駒を失うわけにはいかない、そういう事か」
返答は期待していないことを示すように言いきり、是枝は手元のナイフを閃かせた。弦楽器を奏でる繊手から投げられるには随分無骨にも思える、肉厚のナイフ。その投擲へ畳みかけるように錬晏の黒龍偃月刀が振るわれた。
がぎりと金属質の衝突音がして火花が散る。影の精鋭部隊が偃月刀の切っ先を蛇矛で絡め取り、そして是枝のナイフは陸遜の袖へひとすじ鋭い切れ込みを入れたのに炎へ飲まれた。
偃月刀で精鋭兵を薙ぎ払うようにしつつ、錬晏は声を上げる。
「俺も復讐者である前に武人としての矜持がある。陳羣が倒れるまで付き合ってもらうぞ、陸遜!」
「いつまでも邪魔立てできるとは思わない事ね。早々に退場してもらうわ」
ヒットアンドアウェイを繰り返しながらアイネリスは陸遜を注視していた。味方の大技の予兆があれば一気に攻勢をかけて援護し、足止めを行うつもりでいる。そのためには陸遜の目をつかず離れずの距離で、注視も軽視もできないように縫い止めておく必要があった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【フライトドローン】がLV2になった!
【飛翔】がLV2になった!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
味方が陳羣を討つ隙を作る
その為には大都督と陳羣を引き離さなければ
「まだまだ、これからだ」
偃月刀を構え直しネメシスモードは最終形態へ
額当てが発現し生前の戦装束となるが死人に戻り肌から血の気が引く
荒れた地面を<地形の利用>で砂ぼこりを発生させ陸遜の目を<攪乱>
一瞬の隙を突いて【トラップ生成】で陸遜と陳羣の間に拒馬を作り出し強引に二人を引き離すと同時に偃月刀で畳みかける
生涯武を磨くことに明け暮れたのだ
召喚された影の技量は見切ったし<両断>して無に帰すのは造作もない
陸遜にはありったけの武で〈薙ぎ払い〉を叩き込む
貴様ら侵略者の思い通りになどさせん
我ら復讐者の怒りを思い知れ
霧宮・悠希
「やってやる……!」
ジェネラル級の蟲将。あれを何とかしないと陳羣は倒せない。……厄介だ。
【飛翔】。出来れば【強運の加護】もつけて……戦場を包む炎や煙に巻かれる前に飛んで、戦場を駆け抜ける!
出来る限りの速さで、高さで。それでも炙られるような感覚。だけど!
限界の高さまで飛翔して……陸遜に狙いをつけたら、仕掛ける!
『超高速戦闘』! 急降下しつつ「狩人」の機関砲とミサイルランチャーで射撃!
そのまま地面に激突、なんかしない。【エアライド】。宙を蹴って方向転換、滑るように飛びながら射撃を継続。
ダメージを与えられれば良し。そうでなくとも陳羣から引き離していくように、こっちに注意を向けさせるように……!
平良・明
陸遜、4度目の相対、その名にたどり着くまで、もう一歩
もう、その名を刈り取るくらいの気持ちで臨ませて頂きます
今までこの戦場には居なかった私です
ここは奇襲というのもあり、かもしれません
味方の重なる攻撃に、意識も散ってきたころでしょう
戦火の中、不意打ちの走り込みから
「信」を用いて対応の上を行く変幻自在の蹴り
重い重いブーツ「アンカー」による特別な一撃です
どうしようもない怒りを振り下ろして、それを理解する
蹴っても潰れない蟲というのは珍しく
何回も蹴るうちに、なんとなくひととなりやら解ってきた気がしますが
でも、そろそろおとなしく、潰れてほしかったりします
陳羣を討つ隙を作らなければならない、それは理解している。
そのためには陸遜と陳羣を引き離さなければならない、それもわかっている。
問題はそのための有効な方策が夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)達には見つかっていないという事だ。今は、まだ。
「やってやる
……!!」
霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)が宙へ飛び出していくのを横目に、錬晏は偃月刀を構え直す。漆黒の額当てがじんわりと墨を流すように発現した。
「まだまだ、これからだ」
左様で、と陸遜は小さく首肯してみせる。その目を攪乱するかのように派手に砂煙を巻き上げつつ、錬晏は大きく歩を踏み出して肉薄した。
「貴様ら侵略者の思い通りになどさせん」
生涯、武を磨くことに明け暮れてきた自負がある。召喚される影の技量は見切ったし、偃月刀で断ち切り無へ還すなど造作もないはずだ。
――『アレ』を何とかしないと陳羣は倒せない。
空を駆けた悠希は時速100km、地上100mの高みへと到達する。
地上の陸遜へ狙いを定めると、そのまま力を抜いて自由落下するように降下へと転じた。みるみる迫ってくる地面とのランデブーまで、3.6秒。機関砲とミサイルランチャーがばらりと左右に展開するのと、錬晏が小型の四角錐から放出されるエネルギーを受けて振り下ろした一撃を、視界の隅にとらえた。
時間の流れが数瞬遅くなったような錯覚。ぎゃりぎゃりと派手な火花を散らして陸遜は襲いきた偃月刀を直剣で受ける。
その鍔まで滑っていく厚みのある刃を全身で支え、錬晏はさらに一歩を踏み込んだ。そのまま全身を捻り薙ぎ払いへ繋げようとして、しんと静まったままの目と視線が絡む。
その思惑の半分も読めない、否、読ませない目が細まり鋭く単音節の声が発せられた。ほぼ同時に、直上から叩き落とされてくる機関砲の銃弾が劫火に飲まれる。
凄惨と言いようのない熱気と濃密な火薬の匂い。双戟を振るう影の兵からバックステップを踏んで逃れた錬晏の目に、地面との激突をぎりぎりで避けて再び宙空へ戻っていく悠希の背中が見えた。
「僕にとってはあなた方のほうがよほど、戦場と策を侵してくれているのですが」
間合いを取り直しつつも、止むことのない銃弾の応酬。大きく衣の袖を振る陸遜の動作にのせて劫火が悠希を追った――その刹那。
炎の壁を突き破り三人目のディアボロスが乱入する。うねり、逆巻く紅蓮のただ中から飛び込んできた平良・明(時折の旅行者・g03461)を横目で薙ぎ、陸遜は無理な体勢のまま赤兎馬の手綱を引く。
それでも明の踵は鋭く、自重とブーツの重さの両方を乗せきったそれは陸遜をとらえた。味方が積み上げた波状攻撃と炎幕の向こうから走り込むという不意討ちの蹴りが、蟲将の上体を大きく揺らがせる。咄嗟に鞍を掴み振り落とされるのを回避した陸遜は、そのまま赤兎馬の腹を蹴りディアボロス達と距離を取った。
「蹴っても潰れない蟲というのは珍しいので」
明のひくい呟きを風切り音の向こうに聞きながら、悠希はあざやかに軌道を切り替え陸遜の背後へ迫る。怒濤の勢いで背後に迫ったロケットランチャーを肩越しに振り返り、そして。
「こちらが留守とは、舐められたものだ」
明との距離を取った隙に、守る陳羣との間に拒馬を具現化させた錬晏が畳みかける。ちょうど悠希と挟み撃ちになる位置取り、そして決して無視できない重さの蹴りを放ってくる明がもう一度距離を詰めてこようとしている。
明にとって陸遜との邂逅は他の戦場に現れたそれを数えれば四度目にもなっていた。その名にたどりつくまで、あと一歩。もう一歩が必要だ。
ここでその名を刈り取る、その気概でもって地面を蹴る。
「そろそろおとなしく、潰れてほしかったりします」
硝煙の白い尾を長くひいて悠希が突っ込んできた。錬晏を突破するか明を避けるか、それとも悠希と相討ち覚悟で止めにいくか。なおかつこれらの選択肢のどれもが、選んだ瞬間にもはやダメージを免れることはできない。
「ここまでのようですね」
しかし、結果的に陸遜はどの未来も選ばなかった。
選んだのは、大都督の己が身と陳羣の命を天秤にかけた上での、赤兎馬の脚にまかせた撤退。速度に持てる力を全振りしたときの赤兎馬は、ディアボロスとて追いつくのは難しい。眉をわずかにゆがめた陸遜は三人のディアボロス達からさらに距離をとり、すでに事態を悟った様子の陳羣を眺めやる。
「陳羣、」
「どうぞお行き下さい、大都督。援軍のうえ傷を負わせたとなれば、この陳羣の名折れというもの。すぐに片付けますので」
素早く赤兎馬の首をめぐらせ、陸遜はもう一度ディアボロス達を見回した。
「……なるほど、蜀でも魏でもない第三の脅威。油断ならない御仁達だ」
冷静に相手の脅威の度合いを測り、そのうえで火の匂いを色濃く纏ったままの蟲将は柔らかく笑ってみせる。そのまま赤兎馬に鋭く鞭をくれると、陸遜はもう振り返らなかった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
戦場に見切りをつけ去っていく陸遜を見送り、陳羣はあらためてディアボロス達と向き直る。形と経緯だけを見るならどう考えても大都督に見捨てられた格好のはずだが、彼に悲壮感のようなものは伺えない。
「大都督をもってしても脅威であると断ぜられたのならば、やはりここで散ってもらわなければならない」
まして絶望の狂乱に陥っているわけでもない。
「そしてそれはこの戦場の策を成らせるよりも、重要だ」
陳羣はつとめて冷静に戦況と力量を分析したうえでディアボロス達を排除するつもりでいる――。
孫・リア
……あの人は撤退したのね、まぁ脅威が伝わってるだけでもいいかな…?それに陳羣殿の覚悟も汲み取っての事だろうしね
さぁこの戦場も終わらせましょうか!
私の価値はどれほどかしら?まぁ分断とか断裂とかさせないしされないけどねっ!
赤兎馬の起動もあるししっかりと【観察】移動や攻撃の動作を見極めて分断や断裂するような攻撃は防いだり避けたりして一気に詰め寄って『乱舞』を繰り出して【連撃】して【薙ぎ払う】!
それにしてもあの人の赤兎馬と陳羣殿の赤兎馬ってやっぱり違うのかな?赤兎馬達の中でもランクがあるとか……?
……逃げちゃうかもしれないけど陳羣殿倒したら赤兎馬見れたら見てみようかな…?
【アドリブ共闘歓迎】
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
※残留効果活用
先の対峙で食えない奴かと思っていたら
陸遜に対しては敬意を払うという一面を見せた
…存外、軍として一枚岩のところがあるのだろうか?
そうだとしたら私利私欲ばかりの侵略者という認識は改めなければいけないかもしれない
「その言葉、そのまま返す。散るのはお前だ」
ネメシスモードはそのままに、言葉を放つと同時に偃月刀を振るい肉薄する
狙うはその長い首だがその前に馬の脚を鈍らせねば
仲間と連携して力押しをする
気がこちらに向いたところで【トラップ生成】でぬかるみを作る
馬の脚をからめとって体制が崩れればこちらのもの
馬から落馬させ間髪入れず攻撃を叩きこむ
「その首もらうぞ、陳羣!」
ヒルデガルド・シグルズスン
(サポート)
『守護者の尊厳を喪ったが、騎士の矜持は失しておらぬ。』
ドラゴニアンの撃竜騎士×無双武人、20歳の女です。
普段の口調は「誇り高き竜の女騎士(私、貴殿、~である、だ、~であろう、~であるか?)」、あわてた時は「ポンコツっぷりを呈する(私、貴殿、~である、だ、~であろう、~であるか?)」です。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
真崎・冬弥
(サポート)
オレはオレ自身の怒りの為だけに戦う事は赦されない
これは贖いの戦い。手助けさせて貰おうかな
◆対一般人
忘れている事を悲しく思いながら、優しく微笑み
『ディアボロス』が希望の名であると、思い出して貰える様に
かつてオレが戦う力ない頃、憧れたヒーローたるべく
◆対クロノヴェーダ
怒りを露わに、侮るような挑発を向けつつも、力量は常に自らが劣ると自覚し
いくら傷付き、血を流しても厭わず
痛みを負うことが己への罰のように。誰かの為に傷付く事が贖罪のように
「思い出せ。ディアボロスが来たぞ」と、その名がクロノヴェーダにとっての脅威である事を示す
無自覚ながらアークデーモンが畏怖、『畏れ』を集めるように
セリフはお任せ
どちらかと言えば陳羣という将は、いわゆる『食えない相手』。そう思っていた。
しかし上官である陸遜に対しては敬意を払う一面を見せたことから、意外にも私利私欲の寄せ集めではないのかもしれないと夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は考える。
とは言えアヴァタール級には個体差があるため、この戦場を任されていた陳羣がたまたまそういう特性だったのかもしれない。真相は闇の中だ。
「散ってもらわなければならない、か。その言葉、そのまま返させてもらおう」
「その通り。さぁ、この戦場も終わらせましょうか!」
無双馬・星星へ鋭く鞭をくれて、孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)は陳羣との間合いを測る。陸遜の撤退は陳羣の覚悟も読み取っての事だろうが、今はディアボロスの脅威があちら側に伝わっているだけでも良しとするべきかもしれない。
竜槍を掲げ、ヒルデガルド・シグルズスン(流浪の撃竜騎士・g00941)は荒れた地面を蹴る。手綱を引き距離を取ろうとする陳羣へ、赤竜の翼をはためかせ瞬く間に肉薄した。
「守護者の尊厳は失ったが、騎士の矜持は失しておらぬ――いざ尋常に!」
「尊厳を失った、か。ならばその価値、見定めてやろう!」
相手の価値に応じ不可視の斬撃で分解、断裂するパラドクス。『刻逆』において大きなものを失ったヒルデガルドの価値を、果たして陳羣はどのような評価としただろう。
「まさかクロノヴェーダに値踏みされようとはな」
ややほろ苦く笑い、ヒルデガルドは渾身の力で竜槍を振るった。そのまま突進してくるかと思いきや、赤兎馬へ衝突する寸前に翼で舞い上がり、下から急激に突き上げてくるような角度となり陳羣は唸る。
着物の袖を槍に引き裂かれながらも陳羣は何とか身を捩り、右手の竹簡を開いた。ばらりと宙にたなびいた竹簡へ書き付けられた墨字が瞬き、ヒルデガルドを襲う。
赤竜の翼を、尾を、引き裂き千々に断ち切るかと思われた斬撃は、突如射線へ割り込んできた真崎・冬弥(妖魔五剣・g02934)によって防がれた。
「――思い出せ」
怒りを露わに。しかし身を裂かれる痛苦は己への罰、あるいは誰かのために傷つく事が贖罪であるとでも主張するかのように、冬弥の表情はどこか自嘲するようだ。
「思い出せ」
低く繰り返される声に陳羣はやや訝しむような様子を見せる。切り刻まれた冬弥の上着、その袖の内側からぼたぼたと鮮血が落ちてきた。この戦場に至るまでに流されてきた血を凝らせたような目を上げて、冬弥は言い募る。
「思い出せ。ディアボロスが来たぞ」
「何を言うかと思えば……」
「散る椿の花の如く。――その首、貰う」
妖刀『散花』。
陳羣によって価値は低いと断じられたはずのカースブレイドは、腰だめに構えた刀から首落としの秘剣を放つ。人の価値は人によって付されるものに非ずと断罪するように。
命中精度を格上げされた太刀筋は黒光りするクロノヴェーダの首すじをとらえた。確かな手応えを感じバックステップで後退った冬弥の周囲へ伏兵が出現する。
「私が何の策もなくここにいると思ったか! 薙ぎ払え!!」
素早く振られた腕に従い、煙のように姿を現した槍兵達の刺突のことごとくを冬弥は手負いの身ながらも今度は避けきった。おびただしい体液を溢れさせている首元を押さえ、陳羣はヒルデガルドともども冬弥を追い詰めようと手綱をたぐる。
「な、」
赤兎馬を駆りたてて蹂躙しようとしたものの、荒れた地面はいつの間にかぬかるみに姿を変えていた。それでクロノオブジェクトたる赤兎馬の脚を封殺できるわけではないが、その罠を発動させた当人の狙いは他にある。
数瞬でも動きが止められるのならばそこに勝機は必ずあるはず。
「陳羣殿、だったかしら? 貴殿にとって私の価値はいかほどなのか、興味があるわ!」
ぬかるみを避け一気に攻勢をかけたリアの得物、偃月刀と槍が唸りをあげる。どれほどの価値となるのか興味があるとは言っても、分断だの断裂だのされに行くつもりは毛頭ない。当然無傷というわけにも行くまいが、自動的に自殺するような趣味はリアにはないのだ。
「――行くわよ」
星星を駆り陳羣はもちろん、その騎乗する赤兎馬もまとめて偃月刀の間合いへおさめる。目の前のすべての時間が遅くなるような錯覚。二つの得物から炎が吹いてリアの全身を覆った。
「これが私の勇武の炎!!」
蛍火のような光が、狙い所はここだと言わんばかりに攻撃を導く。紅蓮の業火を纏い放たれるリアの一撃を陳羣は避けられない。
赤兎馬もろとも炎に包まれ、そして爆発する。苦痛の呻きを聞き届けたリアは油断なく手綱を引き陳羣から間合いを取ろうとした。
「こんな所で……終われぬのだ……」
爆炎をかきわけるようにして再び姿を現す陳羣。
一体どれほどの執念を背負っているのか、見るからに上等そうな着物を焼け爛れさせ、幽鬼のようなありさまでまろび出る。
「こんな所で、私は、終わるわけにはいかぬのだ!!」
「離れろ、孫家の娘!」
はっと我に返ったリアは反射的に陳羣から逃れるべく星星の腹を蹴った。流れる視界の端に、黒鎧を纏う錬晏がかすめる。火の匂いが近い。鎧を構成している黒い靄のようなものの尾を引きながら、隻腕の武人は黒龍偃月刀を手に満身創痍の陳羣へと突進した。
「その首貰うぞ、陳羣」
「やれるものか!!」
怨念に満ちた怒号を浴びつつ錬晏は黒龍偃月刀を振りかぶる。もはや消し炭じみた竹簡を閃かせ己が価値を計ろうとするクロノヴェーダを、何のてらいもない大振りの横薙ぎで打ち払った。
がつりとひどく重く、そして鈍い手応え。
それきり陳羣の声は途絶え、糸の切れたらしい竹簡がばらばらとぬかるみに落ちていく音だけが残る。短く静かに息を吐き振り返った錬晏が見たものは、黒煙の向こうに消えてゆくクロノヴェーダの輪郭だけだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【士気高揚】がLV3になった!
【飛翔】がLV4になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV4になった!