リプレイ
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
なるほどなかなかに好戦的
いやしかしたしかにこの方法が相手の力量を図るにはてっとり早いでしょう
それにあなた方のテリトリーに踏み込ませて頂くのです
誠意を持ってお応えいたします
まだ不肖の身ながら…赤上イズル、参らせて頂きます
周囲に目配せし足場の状況を【記憶術】にて記憶
それを元にどこへ足場を持っていくか計算しつつ相手との間合いを図る
相手が素手であれば素手で
武器所持なら武器でと相手に合わせる
相手も飛翔などのパラドクス効果を使わないのなら同じく使用はしないが使うのであれば使用する
と、それが相手へのイズルの誠意
相手からかかってくるのを待ち、降り掛かる攻撃をいなした後に相手に攻撃を入れる
左右の見えぬ壁を押し広げるように腕を伸ばして、掌を返して上に向けると拳に変えて体の前へと腕を寄せる。息を吐くと同時に腕と肩に込めていた力を抜いた。
「もきゅ」と形容詞がたい声がしたと思えば、赤上・イズル(コードネーム:ミラージュ・g04960)の隣に浮かぶモーラット、マリコさんが凛とした目で岩山の中程にいるラウディクレストの若者を睨んでいた。
「あー、マリコさん?」
負けないぞ、と意気込んでいる彼女に気まずさを覚えながら浮かぶ毛玉に声をかけた。
「……マリコさんは観戦です」
「きゅ
……!?」
空中で静止するという器用なリアクションをしてみせたマリコさんにイズルは苦笑しながら、イズルを待っているらしき鳥人へと歩み寄る。数歩の距離、十分互いの間合いなのだろうか。常人には図り知れぬその境界線に両者は立つ。
肌が焼け付く感覚は、果たしてこの山の熱のせいか、それとも。
「おぅ、もう十分か?」
「ええ。この身まだ不肖の身ながら」
柄の悪い言葉に敬意すら込めて返す。始めの合図も無いのなら不意打ちも出来ただろうにしなかった。彼らの領域に踏み込んだ侵入者にすら正々堂々と立ち回る。好戦的な性根が些か強引な振る舞いに繋がっているようではあるが、それでも。
誠意を持って相対すべきだと、名乗る。
「赤上イズル、参らせて頂きます」
跳ねたラウディクレストが豪脚を振り下ろす。腕を交差させ受け止めれば、ビリビリと衝撃が腕を伝い足先を震わせた。
「サミだ。挑むぜ、イズルさんよぉ!」
イズルは足を滑らせるように軸を移し、奔る衝撃を逃して身を翻す。地面を砕き落ちる脚。跳ね上がる蹴爪が迫るのを眼前で掌打。下段に脚を突き出し、体勢を崩したラウディクレストの側頭を狙う。
「……ッ」
手応えは、ない。躱された、そう思考した瞬間に、イズルは既に次ぐ攻撃を躱していた。逸した顔の真横を過ぎる拳。合わせるようにしてイズルも、開いた脚の間に踏み込み、肘を打ち出した。口――嘴を避けた肘鉄が狙うのはその首。打ち込めば気道を潰す一撃に。
「だ、……らァ!」
だが、真下から打ち上げられた脚撃がその一撃を弾き出す。
拳蹴の絶え間ない応酬。イズルは剣士ではあるが、無刀の心得もある。逸し、弾き、追撃する。切り立つ岩場で上下すら立ち代わりながらの戦闘に、僅かにイズルの額に汗が滲み始めたその時。
打ち込んだ貫手を躱し肉薄したラウディクレストの蹴爪が、イズルの首を狙う。
それより速く、イズルの拳が駆け抜けた。蹴りを屈み抜けた先、一点、一瞬の間隙を。
「射貫くッ」
「かッ……ぁ……」
言葉通り矢のごとく射抜いた拳がラウディクレストを吹き飛ばす。
轟音、亀裂が開く音。立ち上る土煙を風が攫えば、意識を失った鳥人が岩の凹凸に引っかかるようにして崩れ落ちていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
イルヴァ・ヘレナ
...ああ!いいぞ、もっとだ!
情報を得るために戦えるとはなんと俺向きだろうか。
闘争はいい...魂が高揚し体が抑えられない...!
やるからには殺す気で行く。
パラドクスを使用し身体強化を行う。場所は岩場とのことだが岩を大剣で
粉砕し足場を崩したりして追い込むようにしよう。自身の怪我など気にせずに臆せず攻め立てる。
もしお互いの武器がなくなって相手がノーガードでの殴りあいが所望することがあればそれに乗ろう。
戦闘後だがいくつか聞きたいことがある。暴風竜の弱みか何かを知りたいな、それか大事にしているものを。その他攻略に役立つ情報ならいくらでも歓迎だ。
は、は、は。
小気味良い震動が体を揺らす。己の哄笑だ。崩れた岩、軋む砂。焼く熱風。攻め立てる衝撃。その全てが闘争の証だ。全身鎧の中で男は牙を剥くようにして笑う。
「……死んでくれるなよ」
「上等だゴラァ!」
ひとしきり笑った後大剣を握り呟けば、その返事は想像よりも間近から響いてきた。振り向けば、淀むような熱と砂塵を纏い肉薄するラウディクレストの蹴りが己の体へと突き立つ瞬間だった。まるで砲撃を受けたような衝撃が鎧を貫いて、その内部で爆ぜる。
「ぐ、ぬッ!」
イルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の戦士・g05698)は、衝撃に吐き出す声に苦悶をにじませながらも、しかし笑みを止めはしない。その痛みそのものがイルヴァの滾る情動を掻き立てる。
「ああ! いいぞ、もっとだッ!」
大剣を振るう。切り刻む刃が、岩も風も何もかもを区別せず力任せに食い千切る。躱される、踏み込む、刃を収める事はしない。振り切ったままに体を旋回させて再度構え――再装填。
「っ、んのッ」
アクロバットに不安定な足場で回避するラウディクレストが高低差を利用し、岩山の壁を蹴ってはイルヴァの背面へと降り立つ。と直後、振り切った大剣が岩山を砕き、衝撃がその槍の如き峰を吹き飛ばした。
並の肉体が受ければ、原型すら残らないだろう威力に、悪寒を伝わせるラウディクレストは、しかし、その瞳に炎を宿す。紛れもない強者、超えるべき山だ。
「……む」
地面に伏せるように岩を避けるラウディクレストを追おうとしたイルヴァは、動きを止めた。大剣が消え失せている。制御も疎かにして力任せに扱ったせいか、近くはない岩山の壁に突き立っているのが見えた。迫る影にそれを取りに行く時間もない。
「ぶっ飛ばす!」
「は!! やってみろ!」
そこからは泥臭い拳の応酬だった。いや、泥臭いと呼ぶには、岩を砕き、天を轟かすような拳撃は激しすぎるかも知れない。砂塵が吹きすさび、熱風さえ冷えて感じるような興奮の中。地面に叩きつけられたラウディクレストへと、イルヴァは拳を突き落とした。強化した肉体の全力。それは彼の顔面を潰すことはなかった。その真横へと突き刺さり、いつの間にか更地になっていた一面に罅を走らせる。
「……聞きたい事があった」
「……ああ、強えな」
殺気を漲らせながらも攻撃を外しそんな事を言ってのけたイルヴァに、ラウディクレストは嘆息とともに負けを認めるのだった。
「弱点だ? 知らねえよ」
ラウディクレストの返答は、簡素に過ぎた。
「弱者ばかりの世の中じゃ、欠伸一つ出来ゃしねえってんだとよ」
何か、弱みになるような要素は無い。だから、それは問いを無視した語りかけなのだろう。
「だから、こんな所で寝腐ってやがるドラゴン様をぶん殴ってやりてえんだ」
つまり、とイルヴァはその言葉を噛み砕く。
真正面からぶつかってやれば逃げることは無いらしい。彼はその言葉をそう捉えることにした。
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
衛守・長治
他PCとの絡み・アドリブ歓迎
驚いたな、こうも武闘派な種族がいたとは
だが嫌いではないぞ、その熱意
「武を示せば良いのだろう、望む所だ」
こうも解りやすい事柄、避ける事こそ無作法よ
相手は誰でも構わん、そこな族長であろうともな
「魅せろ、と言ったのだからな。容易く倒れてはくれるなよ」
我が望むはその一点のみよ。そして行う戦いは、
堂々と振る舞い、相手の攻撃を受け、反撃する様な振る舞いを優先する
培った武技を、それを振るう肉体を、先へ進む為の熱意を見せつけよう
「我らばかりが魅せるのではつまらんだろう。故にだ、我らにも魅せてみろ。培った武を、その信念を」
同時に問い誘おう、本気を出せと
仮にその結果倒れたとて悔いは無い
剣呑な視線に、衛守・長治(不確かなる赤竜武人・g03559)は胸中に疼く衝動を抑えるように一つ、笑いを吐き出した。
「おう、随分余裕じゃねェか、あァ?」
そんな長治の態度が癇に障ったのか、ラウディクレストが睨みつけてくる。ガンを飛ばすだのガンを垂れるだの、そういった部類の挑発なのだろう。武闘派とは聞いていたが、研いだ、というより叩いて尖らせたといった方が近しいような荒々しさだ。
だが、嫌いではない。
「さあ」
長治はその視線に笑って返してみせる。歴戦というのであれば、長治とて同じこと。長剣を地面に突き立てる。柄を握っていた手でラウディクレストに「早く来い」と指で招いてやった。
「魅せろ、と言ったからには容易く倒れてくれるなよ?」
「上等ォ!」
石火が弾けるかの如く、ラウディクレストの姿が掻き消える。地面を蹴ったのだろう砂塵と礫が勢いよく岩を打つ快音が長治の耳に届くよりも早く。長治が突き立てた剣の柄を握る。それよりもなお、早く。
ラウディクレストの蹴撃が長治に叩き込まれる。鈍い打撃音が衝撃となる。奔る痛みに、長治はしかし無事な頭部に開く目でラウディクレストを睨みつけていた。
鳥人の蹴りを防いだのは長治の腕、それも鎧の部位ではなく、赤き竜人の鱗腕。
「ぬ、うッ!」
踏みしめる。ラウディクレストの蹴りは強烈なれど、彼の体幹を崩せてはいない。握る長剣一つ。しかし、それが見た目以上の重量であることは、地面に突き刺した瞬間に見て取れるだろう。
その長剣の一閃が迫る。
「あ……たる、かよ!」
長治の腕に捕まるように体勢を変えたラウディクレストはそのまま長治の肩を跳ね、剣の軌跡から逃れていた。跳躍の最中に振り返り、その腰から短刀を引き抜く。
「どうした」
震えぬ声がラウディクレストに重圧の錯覚を思わせる。長治は己の肉体を見せつけるようにして腕を広げる。その鎧は大部分が欠けたように彼の体を覆わない。だと言うのに堅牢と感じるのは、彼の肉体そのものが強固な鎧として成り立っているからか。
「我らばかりが魅せるのではつまらんだろう……加減した技なぞ本意ではないだろうに」
竜尾が叱るように地面を打つ。技量を確かめるためか、だが、それを望んでいるものはここにはいない。
「魅せろというのなら、魅せてみろ。培った武を、その信念を」
「は、弱者上等」
返る言葉は弱さを肯定するもの、だが、込められた熱量は敗北の受容など一片とも感じさせないものだった。
激突する。駆け抜ける刃と体術と。吹き荒れる熱風すら貫くようなラウディクレストの猛攻に長治は反撃を繰り返す。腕が裂かれる、腹が打たれる、脚に傷が伝う。
それでも。
立つ勝者の背に沈むのは、ラウディクレストの姿だった。極度の集中から放たれる技を受けてみせた長治は痛みに覆われた己の体に興奮すら覚えていた。何も自虐的な快楽というわけではない。
ディアボロスでもクロノヴェーダでも無いはずの存在から与えられた痛み。それを為した武に。
「しまったな、本当に魅せられてしまったようだ」
ふわりと彼は笑って告げた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
太刀川・連雀
●絡みアドリブ全OK
そーだよ。
アンタ達より先にドラゴンサマをブッ殺す輩だよ。
話聞いてた時から思ってたんだ
オレとコイツらスゲー気が合いそうだって。
強ェヤツだって感じてもブッ倒されねーと認められねーよな!わかるぜ!
戦闘民族ならアッチの方から向かってくるだろ。
正々堂々やる気なんてない。勝てるように動くぜ。
いかにもコレが武器でございと刀を抜く。
でもオレからは仕掛けねー。躱して守っていなして 隙を突く。
この刀はマジの武器じゃねーよ。
岩場にある石を拾って[投擲]、脚と手を狙う。
怯んだところに近付いてその辺の石か刀の柄で[強打]。
降参するまで叩いてやるぜ。参りましたって言え。
そんでオレが強ェって認めやがれ!
あー、なんだっけ。
髪を乱すように頭を掻いて、スーツの男は顔を顰める。
何かを思い出そうとしているらしい彼は、目の前のラウディクレストを数秒見つめた後に、態とらしく手を叩いてぱちんと甲高い音を鳴らして言った。
「ああ、そーだよ。うん、オレ達がアンタ達より先にドラゴンサマをブッ殺す輩だよ」
太刀川・連雀(緋花散・g06045)は誂うような不快な笑みの中へと器用なことに有効的な雰囲気を滲ませて、ラウディクレストに軽く頭を下げた。
「よろしく」
すらりと言うや否や、手にしていた刀を抜く。刹那、眼前に迫るのは鳥の拳一つ。いきなりの顔面狙いを仰け反り回避しては、軸の定まっていない動きでよろめくように振り返る。
「おう、ヨロシクはしたくねェが、成程。気味悪ィな」
隙だらけに見えて、誘うような動き。不用意に近づけばあの刀で刻まれていただろうという確信がラウディクレストに警戒を覚えさせていた。
そんな鳥人の反応に連雀は心外とばかりにかぶりを振った。
「酷いなあ、オレら気が合いそうだって思ってたんだぜ?」
そうだよな、と頷く。
「強ェヤツだって感じてもブッ倒されねーと認められねーよな」
明るく笑うその影に潜むのは、猛獣がごとき凶暴性。その眼光が僅かににじみ出る。
「だから、ぶっ叩いて認めさせてやるよ」
「くたばれやッ!」
一喝、肉薄。刀を警戒するように僅かに回り込んでくるラウディクレストに刀を引くように動いた連雀。そして直後、ラウディクレストへと放たれたのはその刃ではなく。
「がッ、!?」
放たれたのは手頃なサイズの石だった。鋭い投擲によって凶器と化した礫は一つではない。次いで放たれた弾丸を躱すラウディクレストに連雀は嘲るように問うた。
「この刀マジの武器じゃねーよ。……なあ、卑怯だと思うか?」
「んなら、全部ぶっ飛ばすだけだろうが!」
石を躱し、弾き、そしてラウディクレストは言い切ってみせた。奇策を講じるならばそれをも破り捨てる強さを。
実直な答えだ。
「はは、キモチいー答えだ」
愚直な答えだ。
なら。と連雀は笑う。
存分に騙してやろうと、連雀は自ら距離を詰めた。石での投擲や殴打で接近戦を避けるような動きをしていたこれまでとは正反対の動き。
「刀を使わないなんて言っちゃねえぜ?」
迫り、そしてその手の刀を振り上げ――。
「――っ、か、ぁ
……!?」
そして振り上げるまま、連雀は手を離していた。空へとすっぽ抜ける刀。そして、ラウディクレストの鳩尾に突き立つのは、鞘。
「使うとも言ってねえけど……言ったっけ?」
貫いてはいないが、急所へと強烈な一撃を打たれたラウディクレストがよろめくそこへと連雀が手頃に掴んだ石でその側頭を殴り飛ばす。地面に転がったラウディクレストの胸を脚で踏みつけながら、手で石を弄んで連雀は鳥人を見下ろして笑う。
「さて、そんじゃオレが強ェって認めるまで、ぶん殴ってやろうか?」
それとも参りました、か。問う連雀にラウディクレストはまだ敵いはしないようだと、おとなしく敗北を認めていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
暑苦しい人達ね…だけど、好ましいわ
弱きを労わる情が少ないのは気に入らないけれど、『強さ』という“神”への信仰は真摯で敬虔
ただ庇護を求めるのではなく、至るべき理想として崇め、高みを目指してる
ドラゴンを屈服させ、その殺意の籠った信仰を得る事が出来れば、私は竜神として更なる高みに至れる…気がするわ!
私の名はツィルニトラ
人々護る強さ求める魔法の竜神よ!
格闘術の心得はあるわ(残留思念由来の戦闘知識)
斧槍を躱して懐に潜り込む相手の刃や蹴爪に対し、得物を捨て鎧の手甲やグリーブで防御
岩場に吹く強風を読み(風使い)
竜翼を広げて受け止めて相手の挙動の読みを外し、その隙に竜尾に装着したメイスのスイングを叩き込むわ
ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は微笑みをこそ湛えてみせる。
「弱きを労わる情が少ないのは気に入らないけれど」
「んだ? 説教でも垂れんのか」
「いいえ」
威嚇するラウディクレストに、ツィルニトラは穏やかに首を振り否定していた。
弱いものを篩い落とすような生活。それを言えばきっと彼らは、心底から無理解を語るだろう。彼らにとってこれは当たり前で、それに順応してきた種族なのだ。
そして、それは。
「強さという『神』への信仰によるもの」
その真摯さ、敬虔さは目を見張るものがある。強さに守られようとするのではなく、強さを求め目指す。
理想を追い、そして追うことを止めない。
「説教ではなく、感嘆……かしらね」
変わらず微笑みを零す。ラウディクレスト。暑苦しい人々ではあるけれど、しかし、好ましくもある。故に。
「私の名はツィルニトラ、人々護る強さ求める魔法の竜神よ!」
戦場に立つ。己の名を示す。ハルバードを手に、相対するラウディクレストは返る言葉を待ち。
「テンド、木っ端が一つってやつだ」
「いざ」
互いの距離が一気に詰まる。同時に飛び出したにも関わらず両者とも慌てることはない、そう来ると分かっていた、とばかりにツィルニトラは斧槍を振るい抜いた。熱風を刃が引き裂く。その真下を潜るように迫るラウディクレストを目で追う。
そう来るだろう。格闘術の知識はある。その基本である間合いを意識しないはずもない。その手に握られる短刀に、身をよじる。纏う鎧で刃を受け流し――翼を広げた。
風がその体を吹き攫う。
「――っ」
息を飲むのはラウディクレストだった。おそらくは防御を誘ってからのそれを躱して放つ攻撃が本命だったのだろう。鋭い蹴りが空を切る。吹き下ろす熱風を翼で受けたツィルニトラは、振るわれた蹴爪の一撃を舞うように避け、ラウディクレストの頭上へと踊り。
その尾に装着していたメイスが彼の無防備にさらされた胴体を強かに打ち抜いていた。
「ぐが、ッ!」
「翼を除いた進化は凄いけれどね」
それでも、風を利用できないわけではないでしょう? そう告げるツィルニトラに起き上がるラウディクレストは滾る目をして目の前の竜神とやらを睨んでいる。
敗北は彼らにとっての挫折ではないのだろう。その瞳から諦める事を知らぬ情熱が伝わってくる。
「……私も、竜神として更なる高みに近づいていけるかしらね」
呟いた声は、熱風と砂塵に攫われて誰の耳にも届くことはなかった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
コンスタンツ・トパロウル
ドラゴンを崇め、力があれば……崇めるドラゴンですら屠らんと欲する種族
分かりやすくはある
接触し一試合といこうか
力を示せばいいんでしょ?
その勝負、受けて立とう
「ほら、掛かってきな」
「その立派な鶏冠は飾りかい?」
等と挑発しつつ、無銘の太刀で敵の攻撃をいなしながら、大きな動きで攻撃を回避し、相手が苛立つのを待とう
大きな動きで撹乱しながら、相手が苛立ち攻撃が荒くなったときが勝負だ
相手の想定外のコンパクトな動きで、相手の大振りの攻撃を紙一重で回避し、太刀での峰打ちを叩き込む
もちろん、これは試合なんだろ
なら……命まで取る必要はない
結果如何に問わず、相手の健闘は称え、先に進むためとはいえ挑発した非礼は詫びよう
「ドラゴンを崇め、力があれば……崇めるドラゴンですら屠らんと欲する種族、か」
コンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)は岩山の硬質な感触を脚で確かめながら、接触したラウディクレストに独り言ちた。
そこに感嘆はなく、嘲りもない。ただ、分かりやすい。という感想が浮かぶ。
何をすべきかは明示されている。であるならば、コンスタンツは惑う事はない。
「さあ、始めようか」
「ぶちのめしてやるよッ!」
一気呵成に勝負を決めるとばかりにラウディクレストは、コンスタンツへと肉薄する。鋭い一撃。からの連撃。蹴り、拳に、蹴爪を絡めた独自の体術に、短刀を織り交ぜる多彩な武技。
言動とは裏腹に、鍛え抜かれ、磨き抜かれた洗練さを感じさせる連撃をコンスタンツは抜いた太刀によって弾き受け流していく。
「……く、の……ッ」
「どうした、そんなものかい?」
剣戟が跳ねる。蹴りがコンスタンツの髪を揺らしてその傍を通り過ぎるが、それでも、彼女の肌に傷一つつけることは敵わない。飛び退るように大きく回避しながら、コンスタンツは笑いを声に滲ませていく。
「掠りもしないな。その立派な鶏冠は飾りかい?」
その言葉はむしろ素直過ぎるほどにラウディクレストへの侮蔑の言葉だ。睨む視線に敵意を通り越して殺意すら芽生えていくのを感じ取っていた。
だが、まだだ。コンスタンツはその視線に、まだ満足行く程の乱れが無いのだと気付いていた。柄の悪い言動に騙されそうにはなるが、彼らの精神は思ったよりも安定している。
「遅いな、目を瞑っていた方がいいのかな」
挑発を重ねながら、コンスタンツは回避を続ける。その動きが荒々しく、そして精細に欠けたものに成っていく。その時。
大ぶりに突き込まれた拳に、コンスタンツは最小限の動きでそれを躱し、流れるような足さばきで間合いを完璧に取り。
これは試合だ。故に、命まで取る必要はない。と。
無防備に崩されたラウディクレストの首へと太刀の峰打ちが打ち下ろされた。
「済まなかったね」
その一撃でもって勝負は決していた。意識を失っていたラウディクレストが目を覚ましたすぐ後にコンスタンツがしたことは、彼に謝意を伝える、ということだった。
「先に進むためとはいえ、随分な非礼だったろう?」
そう告げた数秒後に、ラウディクレストがコンスタンツに向ける視線から剣呑な光が僅かに揺らいだ気がした。そして、疲れたように彼は目を閉じて、空へと顔を上げる。
「何言ってやがる、勝ったのはテメエだろ」
その言葉に許しというよりも、突き放すような響きを感じてコンスタンツは僅かに訝しんでみせるが、彼からそれ以上の言葉を受け取る事は出来なかった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
日金・陽洋
タイマンで魅せてくれ、な
ま、話し合いよりかはやりやすい
魅せられるかは…ま、見てのお楽しみってところか
格闘術なら俺も弁えてる
まずは岩場の足場を観察しつつ、【エアライド】【ジャンプ】【空中戦】で立ち回る
回避や【風使い】、【吹き飛ばし】でラウディクレストを攻めやすい場所に誘導するのもありかね
上手く敵の隙を突いて回り込み、間合いに入ったら一撃、だ
一発で終わらなきゃまた迎え撃つ
お前らにも、そしてドラゴンにも立ち向かう【情熱】は多少あるんでね
強さに憧れ…ね
強さを理由に好き勝手やってるドラゴン達は好まねえが、強い奴に挑むラウディクレストの熱い心意気は嫌いじゃねえよ
…こういう奴、前にいた気がするな
・アドリブ可
日金・陽洋(陽光・g05072)は大地を蹴った。不安定な足場が続く岩山を跳び駆けるようにして陽洋はラウディクレストと武踊が如く、相対していた。
タイマンで魅せてくれ。と言われてしまえば簡単ではあるが、実際己が魅せることができるかに関しては不明瞭でしかなかった。
話し合いよりかはやりやすい。とはいえ、陽洋にできることといえば、力を振るう事。それだけなのだ。
「オラッ!」
「……っ」
直角の斜面を一気に駆け下りてくるラウディクレストの蹴爪を避け、その脚を打ち弾いては下方へと叩き落とす。
体が覚えている。武術の記憶が染み付いている体は、こんな極端な状況ですら闘ったことがあるのかまでは定かではないが、相応に動けるというのはありがたいか。
「っ、く」
突き上げられる短刀の刃に、陽洋は壁を蹴って岩の峰を飛び移り、追撃を躱していく。旋回し、岩を削るような豪脚が削り飛ばす瓦礫の雨の隙間を縫い駆ける。
陽洋はこの場に訪れたときから周囲の足場を観察していた。どのように立ち回るか、どこが不安定で、どこが己にとって、敵にとって優位か。
そして、己が優位に立てる場所へと、攻撃を受け、逸し、そして弾き飛ばしながら誘導していたとラウディクレストは気づくだろうか。
「この位置」
拳を突き出す。
とっさの回避が難しい場所。そして陽洋は数歩、空中での踏み込みを残している体勢。熱風を砕くようにはじき出された拳、そしてそこから放たれた衝撃波は過たずラウディクレストの体を捉え、炸裂。
轟きを残し、ラウディクレストは向かいに聳える岩へと強かに叩きつけられていた。クレーターのように罅入る岩山の瓦礫のなか、ラウディクレストはしかしそれでも立ち上がる。
その目に消えぬ闘志を燃やしたままに。
「まだ……終わんねェぞ」
「ああ、いいさ」
構えを解くことなく、油断も慢心も無いままに陽洋はラウディクレストに笑みを返した。
「ドラゴンに、お前らに挑むんだ。それくらい受ける情熱は、俺にもあるさ」
強さを以て好き勝手振る舞うドラゴン達を好ましく思うことはないが、しかし、強い奴に挑むラウディクレストの熱い心意気は嫌いじゃない。
こういう奴、前にいた気がする。妙な感慨すら浮かぶ感覚。悪くはない。そうだ、彼らの気概に付き合うのも悪くはない。そう思えた。
拳が交差し、そして。
勝負が決するのは、それから長くはなかった。
「魅せれたか?」
力なく倒れたラウディクレストに問いかけた言葉に。
「ああ、……悔しいことにな」
返るのはそんな言葉だった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
「いやあ、流石じゃねえか。階層を抜けてきただけはあるってか?」
ラウディクレストの長は、ボロボロにされた仲間達を見ながら愉快げに笑う。それからディアボロスへと向けられた瞳には爛々と鋭い光が宿っていた。それは挑む者の目、だが彼が――彼らがディアボロス達に襲いかかることは無かった。
約定を果たしていない。それに背くことは彼らの矜持を損なうのだろう。
不安定な岩場を進む。
「そこだ」
ラウディクレストに案内された先、岩山の途上には、果たして、何かがあるわけではなかった。他の場所とは何も違わない。切り立った槍に囲まれ、滾る溶岩が眼下を流れる。
足を滑らせれば直下の溶岩にまっ逆さまに落ちるだろう崖の前で立ち止まったウディクレストは、その崖から親指を下に向けてにやりと笑ってみせた。
「ドラゴン様の足元に向かうにはな、岩山の中にある溶岩窟の入り口をみつけにゃならねェ」
そして、その入口は、直下にある溶岩溜まりの何処かに存在しているのだという。
「悪ィが場所は知らねぇ。俺も探したが、全身焼き焦げる前に見つけられた試しがねえんだ」
離れていても熱の放射を感じる溶岩、それに飛び込んだ事があるのかとディアボロスはラウディクレストに問いかける。
アレは見た目よりも熱くないのかもしれない。それとも、特殊な技法で無効化する手段でもあるのか。
活用できる手ならばと期待する彼らにもたらされたのは。
「気合に決まってんだろうが」
そんな情報だった。
常識だとばかりに言い、そして頷くラウディクレスト達。どうやら彼らがそこに疑問を持つ事は無いらしい。ディアボロスたちは参考にならなさそうだと嘆息を飲み込んだのだった。
●追加情報 ②ダンジョン第二階層の秘密の出入り口
深く地下に向かって無数に枝分かれする溶岩溜まり。その何処かに頂上に続く溶岩窟の入り口があります。
溶岩がディアボロスにダメージを与えることは無いですが、それはそれとして集中力を著しく削ぎ落とされるくらいに熱くはあり、一瞬で普通の物は焼け焦げたりもするので気をつけてください。
また、溶岩溜まりの中は溶岩によって完全に視界が遮断されているため、当シナリオのこの選択肢では完全視界は効果がないものと判定いたします。
それではよろしくお願いいたします。
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
溶岩浴は……最後の手段にしておきたいわね
いえ、竜神を名乗るなら、いつか涼しい顔で溶岩を泳いで口から光線を吐きながら上陸して見せるべきなのかしら……?
ともあれ、先ずは地道に探索しましょうか
高温による消耗対策の【温熱適応】
溶岩に近づけば流石に限度があるでしょうし、身体の表面に風を纏って熱を逃がすわ(魔法知識・風使い)
入り口が隠されているのなら、滝の裏の洞窟のように溶岩流で隠されているのではないかしら?
怪しい場所を見つけたら【光刃衝角爪】で槍斧の穂先に生成した光の刃を伸ばして手ごたえを確かめてみるわ
直ぐに見つかるとは思っていないわ
ラウディクレスト達が踏み込めなかった奥地を中心に捜索範囲を広げましょう
滾る黄赤色。黒ずむように固まった一部が眩い赤色の波に呑まれて巡る熱き血潮。吹き上がるような熱気が無いのは、そもそもがこの付近の空気が全て熱されきっているからだろう。
風に触れただけで燃えつくような熱では無いのは幸いといえるか。ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は考えながら、とはいえ、と触れれば感覚の喪失すら錯覚しそうな熱を煌々と見せつける粘りけを帯びた波を見下ろした。
「飛び込まなければだけど」
あまり極端に接近しなければ温熱適応によって今は快適な状態にある。だが、その大きな池に対策もなく飛び込むとなれば、そうはいかないことは明白。
「溶岩浴は……最後の手段にしておきたいわね」
血行が良くなるどころか、肉体的なストレスで全身の血管が悲鳴をあげてしまいそうだ、とツィルニトラは覗き込んでいた赤い絨毯から目を離して、岩山から流れ込んでくる溶岩の滝へとその視線を向けていた。
「まずは、見逃すしがちな所から探っていこうかしらね」
滝の裏。
定番といえば定番である、盲点をツィルニトラは巡っていく。奥に何かがありそうな滝へと光刃を伸ばして感触を確かめる。突き抜けた先に岩山以外の感触――なにもないという感触も含め――があれば、と探ってみるも。
「大凡はハズレ、ね」
天頂を見上げる。聳える中央岩槍。その中へと至る道は滝の裏にはなく、加えて浅い場所にも入り口は無いようだ。
ハルバードの戦旗を形作っていた魔力を霧散させたツィルニトラは、少し疲れたように腕を組む。
「最後の手段……ということかしら」
おそらく相当底の深い溶岩溜まりの奥、そこに入り口が埋まっているというのなら。吹き飛ばす――としても液状である溶岩、それも量が量だ。
竜神であると豪語するならば、溶岩程度悠々と泳いで欠伸混じりに光線でも吐き出して然るべきなのかも知れない、などと冗談まじりに考えていた事が、次第に現実味を帯びてくる。
「気合……ね」
ラウディクレストの言葉を思い返しながら、ツィルニトラは首を振る。彼らも入り口を探したという。ここに飛び込んだのなら、彼らが言う気合で、発火も蒸発も防いだのだろうか。
なにか策を講じたと考えたいが、彼らの性格を見るにそういった御為ごかしを胸を張って言うとは思えない。
「……とにかく、私は私のやり方で探ってみるしかないのよね」
自分に言い聞かせるように言葉に出してみる。少し、心積もりが定まったような気がした。
苦戦🔵🔴🔴
コンスタンツ・トパロウル
気合いねえ……そうは言っても、溶岩相手じゃあ、水浴びするみたいに気軽に潜ったりは……難しそうだよね
ラウディクレスト達が到達してないところにあるとすれば……崖から徒歩では行き辛い、岸から遠い溶岩溜まりのど真ん中や、足場がない場所の最奥が怪しいかな
【飛翔】で真ん中や最奥に向かい、まずは風哭きの槍で溶岩の中を探ってみる
手応えが他の場所と違ったり、底が探れない程に深そうなら……ここが、気合いの出しどころかな
ラウディクレスト達の【託されし願い】と勇気を胸に突撃
溶岩に飛び込むよ!
槍振り回して、少しでも手応えが違うところがないか探り、あれば重点的に手探りで調べる
服が焼けたりすることはないだろうし、我慢比べだ
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
*効果2はすべて使う
ここはやはりラウディクレストが気合いで飛び込んだように
こちらも気合いを見せなければですね
大丈夫ですよ、フライドデーモンにはなりませんから心配ご無用ですマリコさん
溶岩を見下ろしながらマリコさんに告げ彼女はお留守番
まずは【飛翔】で示された溶岩の上空を飛びつつ目星をつける
心頭滅却すれば溶岩もまた涼し、ですね。と気合を入れる
感情を失っているので怖いという感情はないが
溶岩に飛び込むという行為が普通であればただで済まないのは承知
【精神集中】し「後は【強運の加護】に任せます」と溶岩にダイブする
溶岩の中でも素早く動けるよう【神速反応】を使い岩壁に手を置きを手探りして探す
「気合ねえ……」とコンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)はラウディクレストが当然と言ってのけた策とも呼べないような解決法に思考を巡らせた。
飛び込むと言えば簡単だが、水浴びをするように気軽に潜ったりするようなものではない。溶岩、文字通り熱に溶けた岩だ。間違っても水着を用意したくはならない。
「心頭滅却すれば溶岩もまた涼し、ですね」
辟易とするコンスタンツに対して声をかけるのは、赤上・イズル(コードネーム:ミラージュ・g04960)だ。
「ほんとうに?」
「人によりけり、ですかね」
軽口を交わしながら、視線を合わせて互いに地上の探索が空振りに終わったらしいと悟った。
「そっちも収穫なかったみたいだね」
「残念ながら」
肩を竦めながら、イズルは溶岩を見つめる。「残念」という表情には見えないけど、という感想を飲み込んでコンスタンツは熱で歪み、砂塵に掠れた空を見上げる。
「ここが気合いの出しどころ、ってことかな」
残った可能性を試す段階まで来たのだとコンスタンツは、いい加減に慣れてきた溶岩の煮え滾る匂いを吐き出した。
「そうなりますね。……大丈夫ですよ、マリコさん」
イズルも同じく、その考えに至ったのだろう。怖がるモーラット・コミュに留守番を任せていた。
そこに唐突に何かの映像が周囲に浮かび上がる。コンスタンツが発動させたそれは、ラウディクレストの現状を映し出している。とはいえ、何か特別なことをしている様子は無かった。
彼らにとってディアボロスは願いを託す相手、というよりも同じ挑戦者という認識が強いのだろう。営みの中の鍛錬。送り出しながらも、すぐに己の生活に戻っているらしい彼らにコンスタンツは思わず拍子抜けするように脱力していた。
いや、それこそ彼らに認められたという証といえるだろうか。ともかく。
「もう少し気にして欲しかった気もするけど……、ま、いいか」
苦笑して、熱に浮かぶ汗の雫を拭い去る。それでも僅かに力は湧いたような気がした。コンスタンツはうねる火の波を見下ろし、槍を携える。
「これをただの岩にできたなら片っ端から削ってるのに」
「あとは結界やバリアですかね……そのようなパラドクスは生憎扱えないのですが」
「あたしも同じく、だね……管巻いてても仕方ない」
行こう。
「――ッ」
熱と呼ぶには知覚の域を飛び越えた激痛が全身に押し寄せる。粘る炎の固まりとも言うべき融けた岩がコンスタンツの全身を掴み取る。だが、その超常ならぬ豪熱は彼女の爪一つ、髪先一つ、その纏う衣服の端すら燃やすことはない。息はできない。視覚も無い。
でも動ける。
少し気になっていた服の無事も確認できたのならば、あとは我慢比べだ。熱光に包まれ、思考が瞬くような激痛の中で、コンスタンツは風哭きの槍を頼りに、イズルは集中を切らさぬようにと奥へ、奥へと炎の海を泳いでいく。
そして、絶えず襲い来る苦痛の嵐に思考が鈍麻し、精神が諦念を叫び始めた頃。イズルは枝分かれの奥で一気に上方へと伸びる場所を探し当てていた。
上昇し、飛び出た先は広い洞窟。
「ここが、そう……みたいですね」
周囲を観察していると纏わりついた溶岩が固まっていく。ゴムのようになったそれを剥がしながら、イズルは振り返り自らが飛び出した溶岩の水面を眺めてどうするかと思案していた。
コンスタンツの姿は無い。この場所を伝えようにも、そもそもの連絡手段がないのだ。再度飛び込んだ所で、出会えるか、ここにすぐ戻ってこれるかは強運を味方につけていても難しいところだろう。
とはいえ、手を拱いている時間もない。壁でも叩けば振動が伝わらないかと疲れからか脳筋的な考えが浮かんだその時。別の場所、壁から溶岩が溢れる亀裂を突き破り、見慣れた人影が飛び出してくるのをイズルは跳ねる溶岩を避けながら目撃する。
「よかった、無事でしたか」
「ええ、でも、もう二度とごめんかな」
同じく溶岩を剥がすコンスタンツにイズルは洞窟の奥へと目を凝らす。溶岩を剥がす場面を見るという特異な状況でマナーが存在するかは知らないが、まあ凝視するようなものでもないだろう。
見渡した洞窟は漏れ出る溶岩が光源となっている。閉ざされていながらも暗闇に覆われているということは無いらしい。そして所々に生活の跡。恐らくたどり着いたラウディクレストの痕跡なのだろうが、僅かな痕跡ばかりで熱に朽ちている。
ドラゴン様――ロンゴミニアドが倒されていないのならば、この先にラウディクレストが生き残っていることはないだろう。天頂へと至る関門。地響きのような足音が洞窟内にこだましていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
*効果2はすべて使う
本気でダメかと思いましたがなんとかなりましたね…
あとはこのまま進み頂上のロンゴミニアトを倒すのみ
ですがその前に片付けないといけないものがあるようですね
洞窟内の明るさに問題がない事を確かめつつ
警戒しつつ進み炎砕竜と会敵したら戦闘開始
炎砕竜の高熱の灰を含んだ爆風にはアイテムのゴーグルで目を保護
また熱いのですか
溶岩も熱かったですがこちらも炎を扱う剣士ですので
そう何度も音を上げてはいられません
今度はこちらの番です。摩利支天の加護の炎、味わってください!
【神速反応】にて迅速に間合いを詰めパラドクス【紅蓮雀】を放つ
【活性治癒】【ドレイン】にて次の戦いに備え傷を癒す
エルフリーデ・ツファール
※アドリブ&連携歓迎
※常に煙草を吸っています。
おおっと、竜か。イイじゃん竜。
炎吐いたりすんだろ? ちょうどいいからどっちが【火炎使い】として優れてるか勝負しようや。
全身を炎へと変え、ゆったりと近づいていくぜ。
反撃で周囲を融解させるみたいだが、私の温度がそっちに負けてりゃ同じようにバターみたいになるかもしれんがはてさて結果はどうなるかね?
「なんだ、炎以外も吐けるのかよ。多芸だねェ。それに比べて私はこれしかないもんでさァ。だからたっぷり喰らって逝けよ、《紫煙の炎》をさァ!」
咆哮か。それとも熱に揺れる風の音か。洞窟の奥から響く低い轟きに耳を傾けながら赤上・イズル(コードネーム:ミラージュ・g04960)は、辿り着いたディアボロス達を振り返った。
ディアボロスに火傷の一つも無いが、それでも、尋常ならざる高熱による疲弊は垣間見えている。イズル自身洞窟内に漂う獰猛な気配に気持ちを引き締め直さねば不覚を取ってしまいそうだ。
それだけあの環境下での地道な作業は中々に堪えるものがあった。
「とはいえ、前進はしましたね。あとは超常のロンゴミニアトを倒すのみ――と言いたいところですが」
「そうは言ってらんねェようだな」
言い淀むイズルにカラカラと笑いを返したのは、煙草を咥えた一人の女性。魔女然とした出で立ちの彼女、エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は感じる気配に刀へと手を添えるイズルの、その向こうへと視線を飛ばす。
「へえ」
ずん、とそれが脚を踏み出せば岩壁が揺れる。ごう、とそれが体を揺らせば喉が唸りあげる。
赤色の羽毛。広いとはいえ、開放的とはいえない洞窟の中で更に圧迫感を押し付けてくるような巨体。自らが発する熱気で羽をそよがせる異形。
「竜……か。イイじゃん、竜」
「早速とは、歓迎されたものですね」
楽しげに煙草のフィルターを噛むエルフリーデと、振り返り抜刀するイズルが同時に足を踏み出す。互いに先陣を切ろうとした思惑が重なり、互いに目を合わせた――竜から目を離した、その瞬間。
轟き。ゴ、と圧が駆け抜けた。
声ならぬ衝撃が空気を歪めて震わせる。耳を劈き頭蓋を圧し潰すような咆哮。否、それは咆哮とは呼べない、まさしく爆風そのものであった。竜の全身が急速に高温化し周囲を吹き飛ばし燃やし尽くす爆発が襲い来る。
同時に巻き込まれ跡形もなく吹き飛んだエルフリーデを案じる間もなく、イズルはその熱風の壁へと身を投じていた。火砕竜へと最短を切り裂く。風に混ざる灰がイズルに触れるや否や、瞬く間に火炎の尾を引いて焼き焦がす。
肺から溢れそうになる叫びを食い縛り、なおも竜を睨み駆ける。灰がゴーグルを防いでいる。二つの眼球が炎に塞がれることはなかった。刹那に過ぎる爆風を突き進む。斥力が掻き消える。爆風を飛び越え、イズルは灰炎の傷跡を残す腕で刀を握る。
焦げた指を刃に這わす。睨む竜を睨め上げる。払う刃に炎が盛る。柄を回せば舞う羽の如く火の粉が散る。炎熱ならば、何度も音を上げるわけにはいかない。炎を扱う剣士としえて。
「摩利支天の加護、とくと味わってください」
勢いを殺すことなく、跳躍。叩き潰してその動きを止めようとした竜の腕を掻い潜り、蹴り、紅蓮雀の片翼が羽ばたく。
火炎の一閃が竜の羽毛を燃やし、その肉を焦がした。深く、深く刻まれた傷から沸き立つ血潮が噴き出していく。
「ガ、ォアアッ!!」
苦悶の叫声が響く。
傷を負わせたイズルへと殺意を向ける。憎悪を向ける。宙空で風に煽られる彼の足が自由な地面を掴むより前に。
その周囲の地面が竜の怒りに呼応するようにマグマへと変わっていく。荒ぶマグマの嵐。細かい溶岩の飛沫。それが放たれる直前に。
「女の肌焼くなんて、やってくれんじゃねえか」
竜の眼下に紫煙が揺れた。
「火を吐く以外も出来んだな、竜ってのは」
その煙草が接敵の時に彼女が咥えていたものではないなどと竜に気付きようはない。竜から見れば、起こした火砕流に呑み込んだと言うのに傷一つなくエルフリーデはそこに立っているのだ。
「――ッ」
戦闘に特化した本能が優先順位を更新させる。烈風と共に溶岩の雨が駆け抜けると同時。エルフリーデは煙草を指で挟んで億劫げに煙を吐き。
「たっぷり喰らって逝け」
そしてその姿が消えた。
いや、消えたのではなく、煌々と輝く炎に溶けるのだ。
刹那、爆音。至近距離でぶつかる二つの爆風が洞窟内を揺らがしていた。岩は弾け、火が舞う。音が消え、空気圧に火が潰される一瞬の後。
「あーあ、火点けたばっかだったのに」
炎から人型へと形を取り戻していく。流石に火傷を負ったのか煤化粧をしたエルフリーデは新しい煙草を取り出しながら、倒れた竜へと呟いた。
「ま、次からは戦い易くなんだろ、なあ?」
「ええ、動きさえ分かれば対処は容易いでしょうから」
衝突する爆風の中着地してみせたイズルは、そう言って振り返るエルフリーデに頷き、納刀する。燃え尽く屍を越え、洞窟の奥へと。
「進みましょうか」
溶岩に照らされる熱波の道へと踏み込んでいった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
(冷えた溶岩を身体から剥がしつつ)
少し慎重になり過ぎたわ
ラウディクレスト達に倣えばもっと早く辿り着けたのに…
力と自信の有無で行動を変えて…竜神の名が泣くわね
だから、貴方達に構っている暇はないの
戦旗を一振りし【竜身変化】
●肉体改造で強化されるのは膂力だけでは無いわ
透明な覆いで目を鎧うは蛇の如く、巨体の黒竜に変身よ
あら、そっちも風を使うのね
私も少しは覚えがあるわよ(風使い・魔術知識)
灰混じりの風を背の竜翼の一打ちで迎撃
吹き散らした中を耐久力に任せ低空【飛翔】で肉薄
爪、爪、牙、尾!
真正面から打ちのめし、引き裂いて解体してゆくわ
(人間形態に戻り槍斧を一振り)
…やっぱり、この姿の方が動き慣れているわね?
コンスタンツ・トパロウル
ドラゴン様……にしては、聞いてた奴と違うね
守衛の一団……って奴かな?
まあ、丁度いい準備運動だ
【トラップ生成】で罠使いを活かし煙幕を張り、その隙に敵の側面や背後に回り竜滅戦技を叩き込む
敵が死角からの攻撃に気付いて、反撃してくるなら、岩陰や洞窟の分かれ道の先等に身を隠し、爆風をやり過ごす
その直後に罠使いを活かし再度煙幕を張り、敵が煙幕の中にあたしが隠れてると睨んで、敵が挑発に乗って突っ込んで来たらチャンスだ
更に落とし穴や、鎖で敵を拘束するトラップ
それも効かなきゃ……敵頭上の天井の岩を崩落させる罠で、敵の動きを止めよう
ここまで撹乱すれば、敵の戦列は崩れてるだろ
さあ、勇気を胸に突撃!
押し通らせて貰う!
初めの一体。それとの遭遇戦を繰り返す事だけならばそこまで大した敵ではない。だが、それが徒党を組んで狩りのごとく襲い来る、となれば話は別だった。
「ちょっと多くない!?」
「素通りなんてさせてはもらえないわよね」
「それはそれで背後が怖いかな!」
違いない。ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は軽口に興じながらも、ハルバードを振るい迫る竜の熱波を避けて肉薄を試みていく。洞窟に辿り着いた時には丁寧に剥がしていた溶岩も、動きに支障がなければそのままに放逐して駆ける。
竜の咆哮が反響する。いや、反響などしていなくとも、重なる竜の唸り声は相当な轟音だっただろう。
それだけで、常人ならば気を失っていただろう騒音をかき鳴らす戦場。
「でもまあ、丁度いい準備運動だ……ねっ!」
そこを彼女はそう言ってのけた。
コンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)は爆風をやり過ごしていた岩陰から飛び出し、竜の視線が集まったその瞬間、手にしていたランスを地面へと突き刺していた。弾けるのは僅かな石の破片。ただ致命的な隙を晒す行動。だが、その行動が齎したのは隙だけではなかった。
くぐもった炸裂音。何かが洞窟内に飛散して、視界を遮っていく。細かな粒子。煙幕。
「ありがたいわ、攻めましょう!」
コンスタンツが生成した煙幕の中を、ツィルニトラは駆ける。ドラゴンスレイヤーコンバット――竜を滅する為の戦技。ツィルニトラがその名を聞いた時には「なんて物騒な」と思わずにはいられなかったパラドクスではあるが、今は純粋にありがたいと思える。
慎重を期す事は重要だとは分かっているが、しかし、臆病や弱気とは別物だ。溶岩に飛び込む前に心の端に確かに存在したのは紛れもなくそれらだった。力と自信の有無、それに手をこまねいて幾らかの時間を無駄にした。
「竜神の名が泣くわね」
煙幕を駆ける。体を揺らしながらも、しかし、然程熱波を感じない衝撃。周囲全てを吹き飛ばしているように見えた爆風が狙いを定めていたものだったらしい。あちらからすれば人間一人の小さな的が煙幕に隠れれば多少やりづらくなってくれるようだ。対してこちらからすれば竜の巨体、それも複数体いる状況で精密な狙いを定める必要も無い。
大体の場所が分かれば、奇襲は容易い。
慎重に、それでいて大胆に。
「あまり貴方達に構っている暇もないの」
斧槍を振るう。旗が揺れる。火砕竜の連撃に魔力を練る時間もなかったが、今なら問題はない。魔力が彼女を包む。
そして、煙幕が割れた。
「グル
……!!」
煙を裂いたのは一体の黒竜。先ほどまで相手取っていたディアボロスと同じ存在であると見抜いた火砕竜が炎灰を巻き上げる爆風を起こすが、ツィルニトラは既にその動きを読んでいた。羽ばたき。凝縮された魔力を纏う翼の起こした烈風が爆風とぶつかり、相殺される。凪の刹那。それでも身を焼く熱が支配するその空間をツィルニトラは突き進む。黒竜の爪が、牙が、尾が。炎の竜を叩き、切り裂いていく。
その光景を横目にコンスタンツは、残る煙幕をうまく使いながら洞窟を転がるように走り抜けながらパラドクスで作り出す罠を張り巡らせていた。
巨大な鎖で首と手足を縛りあげる。熱に砕かれ、はじけ飛ぶ。
その図体を落とし穴へと沈めこむ。周辺地面ごと爆破し、翼が体を引き起こす。
巨刃が、閃光が。繰り出される罠の数々が炎熱の元に脆く崩れ去っていく。
「ああッ! もう!」
コンスタンツは赤熱しながら己へと迫る砕かれた刃の残骸の下敷きになる間一髪で身を投げるように転がっては、起き上がり声を張り上げた。煙幕を張れば突っ込んできてくれやしないかと考えもしたが、どうやら安全圏から爆風で追い詰めるのも得意らしい。ならば攻勢に出ていくべきだろうが、その隙も見せてくれやしない。
「……崩落しないでね」
不幸にも、その不穏な言葉を聞き取れた仲間はいなかった。再び煙幕にまぎれながら、彼女は罠を生成する。手足に鎖を巻き付け動きを阻むそれ。
「グルゥァア!!」
咆哮。舐めるなと竜が吠える。膂力だけで突破できると反射的に竜が鎖を引き絞る。それがどこに繋がっているかも見ないまま。
鎖が軋み弾けるよりも先に、歪な音が響いた。硬い何かが割れるような音。それは天井が砕ける音だった。罠の固定部から走る亀裂に沿って剥離する岩壁が降り注ぐ。だがそれが何になろう。どれほど鋭い瓦礫だろうとそれが竜を傷つけることはない。ただ煩わしいばかりのそれを吹き飛ばそうとしたその時。瓦礫の影に金の髪がなびく。
瓦礫を跳び、駆け抜ける。
「押し、通るッ!」
風が哭く。
槍の切っ先が竜の喉笛を切り裂いた。
「竜のままだったら巻き込まれてたのかな」
どうにか崩落せずに鎮まる震動に振り返ったツィルニトラは、動きやすさは人型の方だと違和感の無さに引っ掛かりを覚える事もなく、他のディアボロスと先へと進んでいく。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
鋭く、涼やかな風が、滴る汗を奪い去っていった。気化熱で全身が凍えたような錯覚すら覚える。
炎竜の巣を越え、ディアボロスは頂上へと辿り着いていた。岩山の頂上は風が削りとったのか平らに均されている。
空は蒼穹。砂塵に霞む空はなく、青く澄み切っている。この一度ダンジョンに潜った先の空が実在するものか、改竄された歴史の中で更に歪められた景色かは知れないが、少なくとも繋がっているはずの地上の熱さが、まるで嘘のようだ。風が熱気を押し留めているのか。むしろ肌寒さすら感じるような広い玉座、その上空にそれはいた。
侵入者を品定めするように旋回し、暴風竜ロンゴミニアトは地上へと降り立つと、翼を畳みディアボロスを睥睨する。
そして、再び翼を広げる。己が敵だと示すように、それは飛び立った。
●
暴風竜ロンゴミニアトとの戦闘です。
特に追加情報はありません。
赤上・イズル
■アドリブ・絡み歓迎
*効果2はすべて使う
やっとたどり着けました
ロンゴミニアト…アーサー王伝承に登場する聖槍
その名を冠したクロノヴェーダですか…
ここは全力で行かせて頂きます
【ネメシス形態】発動
クロノヴェーダのデーモンと見紛う姿に変化
炎の翼と化した翼で【飛翔】
あなたの爆風に打ち勝って見せます…!
【空中戦】を駆使し敵の魔力の籠った爆風を回避し【戦闘知識】で一瞬の隙を見極める
九字切流二刀式奥義・緋天覇斬!
【神速反応】を上乗せした速度で間合いに入りパラドクス【緋天覇斬】を放つ
ネメシス形態を解くと半裸状態だが本人何事もなく
早く戻ってマリコさんを安心させなくてはと。
ラウディクレストにも倒した事を報告しますか
コンスタンツ・トパロウル
憎らしい位の余裕っぷりだね
まあ、遮蔽物がない足場に、相手が飛び回れる空間
ここは……空からの狩人のための狩り場
簡単には倒せない相手だ
ちょっと仕込みが必要だね
敵が複数の暴風を飛ばしてくるなら、暴風から逃げつつ、追ってくる暴風が別の暴風にぶつかり打ち消し合うよう立ち回り、攻撃を凌ぎきる
敵がこちらを追ってくるなら、泥濘戦陣で応戦
多少の距離は【飛翔】で詰め、空中で攻撃を受けそうなら【エアライド】で緊急回避したり、【トラップ生成】で煙幕を張り、回避や立て直しの時間稼ぎ
敵が、こちらを追い詰めたとばかりに地上に降りてきたら……【泥濘の地】に叩き込み、罠使いを活かした【トラップ生成】で鎖の罠を仕込み一瞬でも拘束
エルフリーデ・ツファール
※常に煙草吸ってます。
※アドリブ連携、怪我描写歓迎。
※効果2全使用。
魔女も歩けば竜に当たる、ってな。
横入りみたいで気が引けるがその命、灰にさせてもらうぜ。
火力を上げると媒体の煙草が一気に消費されるので最初に新しい分を咥え直しておく。
【ダンス】でも躍るような足捌きで接近、全開にした【オーラ操作】で尻尾を一振りの槍のように捻じり上げて真向から【貫通撃】だ。
反撃に対しては自ら動かずとも【火炎使い】らしく、炎の尾達がデカい瓦礫なんかは叩き潰していく。竜巻には斬り刻まれるだろうけど、
「……温いなァ。そんなんじゃ復讐者は殺せねェよ糞蜥蜴が」
日金・陽洋
ラウディクレストとの戦いから随分出遅れちまったが…改めて、ここから手を出させてもらう
暴風竜と言うだけあるか
【風使い】で風や空気を読みつつ、【エアライド】などの効果や【地形の利用】などの技能活用で出来るだけの回避や有利な位置取りを図る
竜に掴まれるなら【グラップル】
竜の撃破に近づけるなら敢えて回避はせず【捨て身の一撃】
他有利な技能・効果は活用
仲間とは適時連携
仲間が倒れないように、有効なら攻撃を反らす一撃を放つ等極力配慮
ラウディクレスト達が随分とてめえを崇めていたな
強いのは認めるが…それでも負けるつもりはねえ
ここは捨て身でいかせてもらう
この時代で虐げられてもなお生きるもの達のためにな
アドリブ歓迎
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
貴方がこの迷宮の主ね
ラウディクレスト達は強者の権利と気にはしないのでしょうけれど…
罪なき人々を苦しめるクロノヴェーダの力を削ぐ為に、そして彼らの信仰得る為に、討ち取らせてもらうわよ
空の戦いを望むなら、魔法の竜神がお相手するわ!
【飛翔】しての●空中戦は此方も得手
身長差の小回り活かし●一撃離脱
槍斧の斬撃で出血を強いてゆくわ
追尾する暴風……躱すばかりじゃ攻撃に移れないわね
なら…
上昇して暴風へ真正面から急降下
過剰に恐れる必要はない
彼らの様な蛮勇を胸に、頭は冷静に…
魔力の風の流れを観察し看破(風使い、魔術知識)
紙一重ですれ違う様に躱し敵へ肉薄
さあ、地に墜ちてもらうわよ!
落下速度乗せた槍斧の一撃をお見舞い
●
ここは、彼が彼の為に誂えた戦場。その翼を悠々と広げ、風を浴び、鋭き風切りのごとく叫びを響かせる為の。
「そう、ここはあんたの狩場ってこと」
コンスタンツ・トパロウル(生き残りの撃竜騎士・g05674)は、過ぎる風に汗が冷えて皮膚が強張ったような感覚のある手を開閉しては、飛び立った竜を見上げる。火炎の竜が大挙して押し寄せてくる圧力は奥底の恐怖を呼び覚ましはするが、対処に集中すればそれを忘れることはできた。
だが、傲慢にもその大空を統べるが如く飛翔する姿は美しさすらあり、故に、恐怖に心が揺らぐ。乾いた心地良いはずの風が、刺々しく肌を引き・いていた。
「まったく、憎らしい位の余裕っぷりだね」
「強者の貫禄ってやつか。……ラウディクレストが崇めるだけある、のか?」
同じようにドラコンを見上げる日金・陽洋(陽光・g05072)が、コンスタンツにそう返した。疑問系になるのは、その実力をまだ知らぬせいもあるが、悠々たる姿とラウディクレスト達があまり重ならなかった為でもあった。
「ロンゴミニアト、だったか」
なんで聞くの、と視線で制された陽洋は、ラウディクレストにも伝え聞いた名を呟く。
「アーサー王伝承に登場する聖槍、ですね」
名槍と謳われるその槍の実態は伝承ですら曖昧に残されるのみ。円卓の騎士がその名を冠するドラゴンで構成されているならば、従えるドラゴンを槍と呼称していたとしてもおかしくはないか。赤上・イズル(コードネーム:ミラージュ・g04960)は届かぬはずの空に舞うドラゴン、それに躊躇うことなく刃を剥いた。届かぬならば、届かせる。その為の力はあるのだと。
敵は強大。だからこそ。
「全力で行かせてもらいます」
「ああ」
恐れはある。正面からぶつかったとて敵う相手だとは思えない。だとして、勝てないとも思っていない。コンスタンツと陽洋は槍を手に跳躍するように飛び立ったイズルの影に隠れるようにして動く。
「叩き落そう」
戦いが始まる。
否、戦いは既に始まっているのだ。合図もなく、号令もなく。それは既にその存在の一存で始まっている。
「……っ」
魔力を帯びる暴風がその全身を砕かんと。
四方から襲い来る。
●
それは炎を大火へと変える風か。いいや、それは違うと風鳴りが響く。それは、大火の一切を叩き潰す凄絶なる颪風。
爆風で持って火事を消火せんとする力技、それを行える威力。束なり纏まり、渦巻く烈風。岩を刃とし、石を鑢とする風に、この火の山は蓋をされている。風が火を制している。なればこそ。
「負けてはやれねぇよなア?」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は、その風の中心へと踏み出した。火すら付けない煙草を噛み、空を、地を駆けゆく仲間の背を見、そして暴風の帳の向こうに過る青の翼を見上げた。
「いい具合に、体が冷えてたトコだ」
まるで導火線に着火したがごとく、煙草に火が灯る。浮かべた笑みがそうさせたがごとく、その全身から火花が飛び散った。煙草が異様な速度で焼け焦げていく。散る火花が瞬く間に線を描き、現るは九尾。
竜巻がディアボロス達を包み込んだ。エルフリーデの腕が岩の欠片に抉られる。風に跳ぶ礫が炎の狐耳を揺らす頭蓋を激しく揺らす。煙草の味と血鉄の味。激痛に混ざり吐き気がこみ上げる。砂が肌を削る。だとして。
「ハッ、お生憎ッ!」
その被害を被ったのはエルフリーデのみだ。ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)が竜翼から魔力の煌めきを散らしながら竜巻をくぐり抜けた。風穴を開ける――という表現が風そのものに穴を穿つ事をも形容していいのか。火炎の尾が竜巻を貫き散らしたその道を抜け、二つの影が空へと駆け上がる。
「温いなァ、そんなんじゃあ」
それを見送れば尾で風を穿つ必要もない。襲いかかる岩を礫を尾で弾き落とし竜巻すらも焼き払う。
復讐者を殺すには足りない。僅かに軽くなったのだろうか、欠けた肌を千切った布で縛り染み出す赤色に、少し痙攣するような笑いを零す。
「だろうよ、なァ?」
エルフリーデの声は空には届かない。だが。ツィルニトラはそれをしかと受け取った。
加速、加速。先へ。大空の覇者へと。
「魔法の竜神に対して空の戦いを望むというのなら、受けて立つわ!」
大地を離れた空。そこは広く澄み、しかし、穏やかさとは無縁の空間だ。加速する。ディアボロスだけではなく、ロンゴミニアトとて鋭き竜鱗が風を切り裂き受け止め、巨体から想像し得ないほどの俊敏さを持って、空を駆ける。
「まるで槍のようね……っ」
追尾する暴風の塊を躱しロンゴミニアトへと迫りゆくツィルニトラは歯噛みする。緩急のある動き。それを叶える加速、減速性能。形状ばかりではない。その風を操る能力すらもその飛行能力を支えている。鋭角と見紛う曲線を描いたかと思えば、視覚を振り切るような直線。
上下もいつしか消え失せる。褐赤の天井と蒼穹の奈落の間。イズルと共にツィルニトラは、ロンゴミニアトの空を舞う。おそらくは数分も空を共にしていない。体感時間が凝縮されていくのを感じる。
長期戦は好ましくない。思考の端で冷静な声がする。早く終わらせたいし、その方がいいと告げる声。
「ええ、そうね」
ツィルニトラは呟きを過ぎる風に千切りとばして頷いた。どうやら恐怖している余裕はなさそうだ。魔力を散らす。最大速度まで一気に引き上げ、イズルとすれ違うようにしてロンゴミニアトの上空へと急上昇し、反転――切り返す。直下にロンゴミニアト。その間に迫る暴風。
ツィルニトラは臆さない。
放たれた暴風の弾丸がツィルニトラに追いつこうとした速度で殺到する。それに真っ向から接近する。瞬きすら出来ない。感知する。魔力を、風を。思考する暇もない。反射的に体が動く。
避けられない。風という名の衝撃の砲撃が全身を叩きつける。思考がそう叫ぶ時には、既にツィルニトラは砲弾を躱していた。全身が過ぎていった風の余波を浴びて飛翔が乱れる。
それでもツィルニトラは弾幕を越え、ロンゴミニアトへと肉薄する。
「さあ、地に堕ちて――ッ」
ハルバードを振るう。その硬い竜鱗は容易く斬り裂かれてはくれないだろう。引っ掛け、叩いて引きずり落とす。だが、振るった斧槍に手応えは無かった。予期していた衝撃が無く、体勢が崩れる。
躱された。
「……っ」
あれだけ目立てば警戒するだろう。
あれだけの攻撃を潜り抜ければ反撃を読み切るだろう。
地面へと激突する、その寸前体を急制動しながらツィルニトラは空を見上げる。影が落ちる。ロンゴミニアトが追撃せんと睨んでいる。その背。その更に上空。
その突撃は勇猛であって、断じて無謀ではない。
「奥義」
炎羽が蒼天を裂く。
●
イズルは、その寸前目があった。すれ違う一瞬、同じ年頃の少女の目に映った表情。助けるから、ミスした時は助けてねと。彼女の普段の振る舞いからは少し外れたような言動を思った。さながら転ばぬ先の杖にされたようなものだが、悪い心地はしない。邪魔な暴風とロンゴミニアトの注意を取り去ってくれた事には感謝しかない。
ロンゴミニアトを眼下に、イズルは己の力を開放する。宿すデーモンが肯定と拒絶を頭蓋の中で響かせる。内から弾けるようにして外骨格じみた装甲が身を包めば、完全に注意を逸らせていた訳ではなかったのだろう、ロンゴミニアトがイズルを睨みあげた。
駆ける。その目がイズルを捉える、と共に炎の翼が軌跡を描く。放たれた暴風を抉り込むような軌道で躱し、もう一刀を抜き放つ。肉薄。刃に火が奔る。
「緋天覇斬!」
青い空に緋閃が刻まれる。
ロンゴミニアトはそれを躱さない。いや、躱せない。全霊の一撃に喜びすら覚えて吼える。空を震わせる。双翼の炎刃を叩き込まれ大地へと叩き落される。泥濘に変わった大地がその身を捉える。瘴気を纏い衝撃が浸透する。
だが、ロンゴミニアトは猛る。
弱者に価値は無く、強者こそ空を覇せ。風よ、暴れよ。征してみせろ。故にこそ、この翼を広げんと。
「大人しく沈んでて!」
瘴気漂う泥濘。かの王座を変質せしめたコンスタンツがその泥の中に仕込んだ鎖罠でロンゴミニアトを足止めしようとするが、瞬く間に鎖は砕かれ拘束にまでは至らない。
煙幕も息をするように即座に吹き飛ばされては意味を成してはくれない。
苛烈。叩き落されてからのロンゴミニアトは、その一言に尽きた。憤怒と悦楽、渇望。吹き荒ぶ風が轟音となって鼓膜を揺らす。その全身の青に相反するように、燃えるような激情が力となっている。
「ああ、強いな」
不思議と動きを邪魔しない泥を蹴り、陽洋が跳躍する。飛び立ったロンゴミニアトへと空中を蹴りつけ、拳を握る。猛るそれはまさしく災害だ。地を全て吹き飛ばすトルネード。理解する。ラウディクレストはこれをこそ崇めたのだと。
「だが、負けるつもりはねえ……!」
全身を巡る毒が、陽洋の体そのものを定外の存在へと変える。放たれる風が泥を巻き上げる。それを裂いて火炎が渦巻き風を喰らえば、竜鱗がそれを砕いてディアボロスの喉元へと迫る。
上空へと飛び立つことはない。上空へと飛び立たせることはない。低空から引き剥がすこと無くディアボロスは暴れながらも狂いはしない災害そのものと闘争する。
飛びかかる、その死角から放たれた暴風が陽洋を吹き飛ばした。巨大な棍棒にでも殴打されたような衝撃が全身に伝って弾ける。斜めに飛び込んだ泥が爆発を起こしたように跳ね上がる。
陽洋に空を得意といえる翼はない。
陽洋にあの暴風を抑える魔術はない。
故に、彼はその両脚を踏みしめる。滑る体を跳ね起こし、慣性をバネに突き進む。
エルフリーデの九尾をまとめ上げた一撃が翼を焼く。翼に穴が空いたとて、風で補い翔ぶのだろう。翼を広げる事をやめはしない。
「でも、させやしねェわな」
その一瞬の隙でいい。それを他のディアボロスが繋いでくれる。一瞬は一秒に、一秒を重ねて更に長く。イズルとツィルニトラが風を刻み、鎖がロンゴミニアトに絡みつく。始めこそ瞬く間に解かれたそれは、竜を僅かに繋ぐ事に成功している。それは、その鎖が強くなっているわけではない。
「それだけ瘴気の泥に塗れてさ」
コンスタンツは疲弊を露わにする竜へと言い放つ。
「何も影響ないなんて思ってないよね?」
詰めの一手足りえなくとも、彼女の仕込みは、その攻撃は確かにロンゴミニアトを追い詰めている。
極論を言うならば、ロンゴミニアトが地面へと叩き落されたその時から大勢は決していたのだ。
陽洋が迫る。この期を逃すなと理性も本能も口をそろえて叫んでいる。鎖を砕き、空を掴んだなら脅威は更に跳ね上がるだろう。
あぎとが開かれる。それを知りながら陽洋は止まらない。回避すら考えない。考えるのはより打撃を与える方法。
陽洋を食いちぎらんと閉じる牙の狭間で陽洋は跳んだ。牙がその過ぎる腕を、胴体を、足を、切り裂いて蝕む。その全身を引き絞る。髪の毛先から足の爪先にまで意識を浸透させて行き渡らせ。
「打つ」
渾身を、武器と化す。
●
槍は砕けた。
地鳴りのごとく、大気が唸り上げる。微かな震動が続いた後、周囲を――いや、山全体を豪風が包み込んでいた。
押しつぶされていた熱気が解放されて、強烈な上昇気流と化したのだ。雨雲に覆われそうではあったが、どこかへと流れていったか。いくらかの雲を湧き出させるだけに留まって、風は消えていた。
「それで、第三階層への道は……」
コンスタンツは思い出したように呟けば、どこか下の方で岩が盛大に崩れるような音を聞いた。
「下ってェ事は……また溶岩潜れって?」
「攻撃される心配はないのなら、崖を下りた方が楽じゃない?」
ツィルニトラが答えれば、そりゃそうか、と肩を竦めてエルフリーデは新しい煙草に火をつける。
「マリコさんを迎えに行かないといけませんし、ついでにラウディクレストの方にも報告しましょう」
告げるイズルに陽洋は少し眉をひそめる。デーモンの力を解放した際に服のおおよそが吹き飛んだらしいイズルは半裸と言って差し支えない状態だ。
「……服も必要だろうからな」
「まあ、そう……ですかね?」
気にしていなさそうなイズルに、陽洋はまた少し眉間の皺を深めた。
●
空は開かれていた。
神は消え、しかし、教えは遺る。
強者たれ、と。
ラウディクレストは拳を握った。
高みは開かれた先に。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【泥濘の地】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!