リプレイ
袁・雀蜂
※アドリブ歓迎
・行動
【怪力無双】を使用して辺りの岩を敵陣の目の前を投げて転がしたり、
直接敵兵を持ち上げて味方の方へ押しやって戦線の状況を調整する。
督戦させる蟲兵が居たら選んで倒し、一般兵の動揺を誘って双方の撤退を促す。
(技能「気絶攻撃、グラップル、投擲」)
・心情
陸遜……
その名を関するからには関羽と伍する力を持っているんだろうね
そんな戦場に於いては、一般兵の命なんて焚き付けの如く消費されてしまうんだろう
少しでも多く人を逃がして被害を小さくしないと、
蟲兵の戦いに巻き込まれて死ぬなんて最低の死に方だ……
●戦場という異常
……ズズン!!
「「「ひっ
!?」」」
突然の地響きともうもう立ち込める土煙に、一触即発状態だった両軍の最前線で悲鳴が上がった。
すわ、敵軍の投石機か何かか? そう考える者もいたようだが、互いに困惑しているところを見ると違うらしい。
「岩だ、岩が転がってきたぞ!?」
誰かが叫んだ。土煙のなかからごろりと現れたのは、なるほど人なんて軽く押し潰せそうな巨大な岩だ。
では、誰がこんなものを投げたのか……その答えは、別の兵士の悲鳴ではっきりした。
「うわあああっ!?」
なんと、かなり恰幅のいい男の兵士が、少女によって持ち上げられているのだ。
勇み足で戦端を開きかけた男兵士は、そのまま友軍のほうへ滑るように投げつけられる。
一見乱暴に見えるし、兵士もごろごろと地面を転がったが、実際は落下の衝撃を喰らわないよう計算された投げ方だ。
「ここで戦おうとする者がいるなら、まずウチが相手になる! この怪力に勝てる自信があるなら、かかってこい!」
袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)は、びりびりと空気を震わせる大音声で、両軍の兵士を威圧した。
「な、なんて怪力だ」
「あんなのに勝てるわけが……!」
デモンストレーションの効果はじゅうぶんにあったようで、両軍の兵士は槍を構えてこそいるが引け腰だ。
これが、鍛え上げられた精兵ならば話は違ったかもしれない。だが、彼らは所詮、徴兵された農民に過ぎないのだ。
(「陸遜……関羽と伍する力を持ってるであろうアイツが現れたら、一般兵の命なんて焚き付けみたいに消費されるはずだ」)
雀蜂は周囲を威圧しながら、頭の中で考える。
(「少しでも多く、人を逃さなきゃ。蟲将の戦いに巻き込まれて死ぬなんて、最低の死に方……ウチは絶対認めないぞ!」)
戦場という異常な場所においては、どちらの在り方が正しいのだろうか。
その答えは、すぐに出るだろう。すでにかなりの兵士が、怯えて戦意を喪失していたのだから。
大成功🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
天夜・理星
…へえ。それが兵士だって?
じゃあ、あなたたちが兵士である必要は別に無いね。
かといって、死ぬ必要の方がもっと無い。
まず声をかけて兵士たちを引き付け、時間稼ぎ…
ああ、そうだ、あったねこれ。
ご希望に応えよう。
迸る聖剣…音を繋げ。
このパラドクスならアタシたちが望む通信を繋げることが出来る。
そしてこれは、一般人の兵士たちの動きを痺れさせることができる。
ほら、今も情報が伝わってきた。
アタシも共有するよ!
後はこのパラドクスで命を奪ってしまわないように気をつけようか。
これなら味方のみんなも戦況の把握がしやすい筈だよ。
死人が出ないようにコントロールしよう!
…何度も言ってるよね。
ただ見てるだけなのは飽きたってさ。
一角・實生
兵士達のおかしな方向に振り切れた士気や戦意を正しくマイナスに下げてみよう
少し胸が痛いけど必要なことだ
自分と哭戒が溜め込む呪詛――呪いの力を使う
対峙中でも待機中でもいい、兵士達が集合している場所へ向かうよ
飛翔の効果があれば使いたい
パニッシャーを振り回せば震える手から武器は簡単に跳ね飛ぶだろう
戦場を駆け自分がいた場所周辺に呪詛を撒き散らしていくよ
元々恐怖に支配されている彼等になら簡単に効果は表れる筈
耳元で囁く声、いる筈のない人物、地面から伸び足を掴む手――これは泥濘の地の効果に呪詛をのせられたら
一部の兵士を戦意喪失状態にして隊を機能不全に陥らせよう
ごめんな、でも早く帰った方が良い
胸の内で謝るよ
呉鐘・承李
【アドリブ・連携歓迎】
「さぁ、これからお前たちが相手にするのは剣戟の極致。恐れぬ者から、その線を踏み越えてこい」
乱戦の最中に飛び込み、両軍の前線を作っている兵士たちの武器を両断。
数歩引かせた後に地面に自分を挟んで二本、深い切れ込みを入れる。
あえて殺気を全力でだし、蹈鞴を踏ませる。
切れ込みを踏み越えてくる奴が居れば、武器のみを両断しそのまま峰内で意識を刈り取る。
味方の行う情報操作や補給線の破壊工作などが終わり、敵が引かざるを得なくなるまで、前線の注意を引きつける。
誰一人として、無駄に死なせはしない。
「もう寝てろ。次に起きる時までに……全て、終わらせておく」
●乱戦を切り裂き
「さあみんな、ご注目!」
戦場に似つかわしくない、明るく溌剌とした声。
自信と覇気、そして希望に満ち溢れた声の主、天夜・理星(復讐の王・g02264)に、両軍の兵士は視線を奪われた。
「なんだ? あの女……」
「敵の兵士か? にしては妙だぞ」
両軍はそれぞれに相手の増援かといぶかしんだが、理星が纏う気配は兵士のそれではない。
「そう身構えなくてもいいよ? アタシは戦いに来たわけじゃない。この無意味な戦いを止めに来ただけなんだからさ」
理星は大きく手を広げ、演説を打った。よく通る声が、戦場の遠くまで響く。
「だから、どうしても殺し合いたいというのでもなければ、今すぐ武器を下げて逃げてくれればそれでいいんだよ。
あなたたちが兵士である必要は、別にない。かといって、死ぬ必要はもっとない……そうでしょ?」
戦いたくて戦っているわけではない両軍の兵士は、理星の言葉にぐらりと心が揺れた。
しかし、誰かもわからない女の言葉に従って武器を放り捨て、敵前逃亡したとあれば、間違いなく蟲将に殺される。
……という逡巡を、理星は彼らの反応から察した。
「なるほど。アタシの言葉だけじゃ、逃げる理由には出来ないか」
理星は、当然これを予期していた。彼女は聖剣を掲げ、叫ぶ。
「迸る聖剣……音を繋げ。この戦場で起きていることを、アタシに届けて!」
聖剣技により、パラドクス通信が繋がり、他方の戦場で起きている事態を理星に伝える。
力自慢のディアボロスによって、退いた部隊がいることを。そして、ディアボロスの介入は、それだけではないのだと。
たとえば、理星のいる前線から南では。
「うわっ!?」
パキン! と、突然槍を真っ二つにされた若い兵士が、思わずへたり込んだ。
しかもそれは、敵軍でも同じことが起きている。目にも留まらぬ早業に、両軍の兵士はざわつき、足を止めた。
「今の斬撃は、お前たちには見えなかったはずだ。つまりそれが、俺とお前たちとの力量差、ということだ」
突如として乱戦に飛び込んできた呉鐘・承李(剣鬼・g06193)の、刃のように鋭い瞳が、ぎらりと両軍の兵士を睨む。
よく見れば、兵士たちが退いたことで生まれた空白には、まるで境界線を示すように2本の切れ込みが入っている。
「俺はこの戦いを止めに来た。だから、これ以上戦おうとする輩がいるなら、そいつとだけ俺は戦う」
「な、なんなんだ、お前は……」
「これからお前たちが相手にするのは剣戟の極致。恐れぬ者から、その線を踏み越えてこい。……意味がわかるな?」
承李のすさまじい殺気を浴びた兵士たちは、それ以上踏み出すことが出来なかった。
その気になれば、承李は首を刈れる。それが、今の手加減の一撃で、理屈ではなく本能として、彼らにはわかっている。
そして注目を集めたことで、仮に襲いかかられたとしても、承李はそのすべてに反撃できる状態にあった。
つまり、承李の言葉は、ブラフではない。もちろん、兵士を殺すつもりはないが、最悪の場合峰打ちを決めるつもりだ。
さらに別の最前線。
そこは、豪雨のあとの湿地帯めいて、乾いた土がどろどろとした泥濘に変わり、兵士たちの足を絡め取っていた。
「あ、歩きにくい……! 何がどうなってんだ!?」
「不幸は足元から這い寄るものだよ。無理に進もうとするなら、相応の覚悟をしたほうがいい」
パラドクスを発動した当人、一角・實生(黒頭鷲・g00995)
が、いつもの無表情で兵士たちに忠告をした。
警告ではない、忠告だ。その気になれば、實生は、すでに彼らを殺せているのだから。
「この武器なら、近づかれる前に撃てる。矢よりも疾くその命を奪うことが出来るんだ。そんなことはさせないでくれ」
大口径狙撃銃『パニッシャー』を、手足のように操る實生。足元には、跳ね飛ばした武器がいくつも転がっている。
「た、助けてくれ! 死にたくないだけなんだ、戦いたくなんてないんだぁ!」
兵士たちは口々に叫んだ。彼らには、ぬかるみはまるで地獄の底から這い出した、死者の群れの手のように思えていた。
おかしな方向に振り切れていた士気が完全に反転し、もはや幻聴でも聞いてしまいそうな勢いで怯えている。
「……俺も、脅かしたいわけじゃないんだ」
實生は無表情だが、その言葉は淡々としていながらわずかに沈んでいて、本意でないということがわかる。
これは必要なことだ。實生は己に言い聞かせ、胸の痛みをこらえて、さらに兵士たちを諭した。
「早く帰ったほうがいい。死にたくないというなら、それが一番利口なことだ」
心のなかで謝罪を述べて、ジャキッと銃口を向ける。
「ここはじきに、本当の戦場になる。巻き込まれてしまったら、俺の脅しは脅しじゃなくなるんだから」
「「「……!」」」
兵士たちが武器を放り捨て、ぬかるみの中をほうぼうの体で逃げ出すのに、時間はかからなかった。
「……こっちはおおかた逃がした。聞き分けのいい連中で助かったよ」
理星のもとに、承李の声が届いた。
「こちらもだ。これが、『信仰』のもとに戦う奴らならこうはいかなかったかもしれないな。だが、逃げてくれたみたいだ」
続く實生の報告に、理星はうんうんと頷いた。
他方で発動した残留効果は、理星のもとへも伝搬する。すでに、ぬかるみが兵士たちの足元を不安定にさせ、理星の身体には大岩をも持ち上げるほどの怪力が宿っていた。
「お、おい。南の部隊が総崩れになったらしいぞ。戦ったわけでもないのに……!」
「あっちの奴ら、てんでばらばらの方に逃げ出してないか? 何がどうなってるんだ!」
最前線のあちこちで起きた瓦解は、徐々に兵士たちにも伝わっていた。
「ほら、言った通りでしょ? あなたたちも、逃げていいんだよ」
理星は穏やかな声で、兵士たちを諭した。
「一体、あんたはなんなんだ? どうしてこんなことを!?」
それぞれの戦場で、誰かが問うた。まず、理星はこう答えた。
「ただ見てるだけなのは、飽きた……何度問われたって、アタシはそう答えるよ。観客でいるつもりはないんだ」
別の場所で、承李はこう答えた。
「誰一人として、無駄死にをさせるつもりはない。それだけだ」
彼らは本気なのだと、兵士たちにはわかった。だから両軍の兵士たちは、この無謀な奴らの素性も知らぬまま、敵わぬことを悟って武器を放り出し、ぬかるみの中を逃げ出したのだ。
「……それでいいさ。殺し合うつもりもない人間同士で、殺し合う必要なんかないんだ」
實生は内心で安堵し、ぽつりと呟いた。
まずは第1段階、無事に成功といったところ。だが、逃げる兵士たちは、蟲将にとってのいい的だ。
殺戮を敢行せんとする奴らを根こそぎ倒さなければ、結局兵士たちは死んでしまう。
「こっちも動くから、よろしくね!」
理星はパラドクス通信を通じて、仲間たちに声を届けた。ディアボロスたちの戦いは、ここからだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
光道・翔一
※連携・アドリブ歓迎
…年明け間もないって時に、事態が急変したモンだ。
……まぁ、無駄口叩くヒマは到底ないな。
ここは気張る必要がありそうだ。
使用パラドクスでの【高速詠唱】及び【連続魔法】で敵を攻撃していく
水を使ったパラドクスで敵を濡らせば、火を使った反撃を上手いこと弱体化できるだろうからな
可能なら背中の羽側を狙っての【不意打ち】も仕掛けたい所だ
●ディアボロスに休息なし
クロノヴェーダの悪虐に、年末も新年も関係ない。
人間らしい営みなど不要とばかりの蛮行。ディアボロスとして見過ごせるわけもなかった。
「ずいぶん事態が急変したモンだ。まぁ、無駄口叩くヒマは到底ないな」
珍しく、光道・翔一(意気薄弱なりし復讐者・g01646)は気張っていた。
戦場での威圧ではなく、逃げる兵士たちを襲おうとするクロノヴェーダの迎撃を選んだのも、そのためだろう。
敵は呉軍鋭蜂兵。油断ならぬ槍の使い手が、3体。いかにして立ち回るか?
「よくも我らの戦乱を邪魔立てしてくれたな!」
「その罪を、命で贖ってもらうぞ。貴様らを殺せば、逃げた兵もおとなしく戻ってくるであろうからな!」
鋭蜂兵は三方を取り囲み、じりじりと間合いを詰めてくる。
背後からの不意打ちは、数の利ゆえに難しかったようだ。しかし、翔一に焦りはない。
「弱い者いじめしか出来ない奴らが、ずいぶんと偉そうじゃないか」
「何を! 戦いの場に冷水を浴びせるような真似をしておいて!」
「……冷水か。いいたとえだな。なら、本当にそうしてやるよ」
翔一が鋼鉄製の魔法杖を掲げると、杖の先端部に水分が凝縮され、巨大な水の塊が生まれた。
「「「なっ
!?」」」
「さあ、水の質量に押し潰されろ」
ばしゃん! と、巨大な質量が一体の鋭蜂兵を飲み込み、ぺしゃんこに押し潰した。
翔一はさらに水を集めて、残る二体に攻撃を仕掛ける。反撃の炎が翔一を襲うが、ダメージは大きいほどではない。
「俺の水は、そんな小さな種火も飲み込むぞ。死にたくないなら、お前らこそ逃げたほうがいいと思うがな」
「おのれ……!」
なおも武器を構える敵を、翔一は冷たい瞳で睨んだ。
「命で贖うのは、お前らのほうだ」
そして残る一体も、あえなく水の質量に叩き潰され、宣言通り命で贖うことになったのである。
成功🔵🔵🔴
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
孫・リア
絶対に阻止するわ…こんなひどい戦!
『乱舞』を使って敵陣へ【突撃】【ダッシュ】槍の毒に当たったら厄介だろうし敵と槍の動きを冷静に【観察】して【精神集中】して避けて行ってその避けた切り返しに偃月刀と槍で【強打】して【薙ぎ払う】して敵を減らしていくわよ
それと【火炎使い】と【爆破】で上に炎を飛ばしたり派手に爆発させて敵を燃やしていくわよ!
こんな爆発とか見たら一般兵も逃げ出したくなるだろうしね
逃げる一般兵達に遭遇したりしたら乱暴だけど【殺気】で圧をかけてこの戦場から逃げろっ!って叫ぶわね、そしてその逃げる一般兵に蟲将が気が付いて攻撃をしそうならその蟲将を優先的に攻撃していくわよ!
【アドリブ共闘歓迎】
●戦の是非
「うわああああっ、助けてくれええ!!」
ディアボロスの威圧で戦意を失い、逃げ出した兵士を追いかける蟲将。
兵士は悲鳴を上げて、全力で走り続けるが、距離はまったく離れていない。
そもそも逃げることなど不可能なのだが、呉軍鋭蜂兵はわざと追い立て、兵士の恐怖を煽っていたのだ。
「そうだ、もっと悲鳴を上げろ。逃げることが愚かなのだと、他の兵士に教えてやるがいい!」
このままでは、せっかく戦意を失ってくれた兵士たちが、再び恐怖から武器をとってしまうかもしれない……!
そんな見せしめじみた殺戮を、孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)が見逃すはずもなかった。
「ひどい戦を繰り広げるような連中は、やってることまで最悪ね……! そこまでよ!」
兵士と蟲将の間に割って入ったリアは、怒りを燃やして突撃を仕掛けた。
「来たか! 邪魔者め!」
「それはこちらの台詞よ! こんなひどい戦、絶対に阻止してやるわ……誰も殺させたりしないッ!」
双方の槍ががぎんと撃ち合い、リアは反発力を利用して追撃を躱した。
滑るように地を駆けるさまは舞のようで、そこから繰り出された偃月刀の一撃は敵の虚を突いた。
「何っ!? 槍だけではないだと!?」
「こちらを甘く見たわね!」
すらりと涼やかな横薙ぎの一閃が、蜂兵の首元を薙いだ。ごろりと生首が落ちるのも構わず、リアはさらに疾駆!
「死ねぇ!」
毒槍の一撃をギリギリで躱す! 脇腹を穂先がわずかにかすめ、毒が体内に回るが、リアの勇武の炎はその程度では揺るがない。
「燃え尽きなさい!」
炎纏う斬撃と刺突を浴びた蜂兵は、盛大な火柱を上げて爆散した。
唖然とする兵士を振り返り、リアは「逃げろっ!」と叫ぶ。兵士は泡を食って、こけつまろびつ駆け出した。
「戦う気概もない農民を兵士に仕立てて殺し合わせるなんて……こんなもの、戦ですらないわ。私は絶対に認めない……!」
柄を握る手に力がこもる。特にリアの思いは並々ならぬものだ。
奪われた者の怒りを背負って、リアは再び風となる!
成功🔵🔵🔴
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
雅諒院・基経
…まさか呉と蜀が魏に同時攻撃とは…歴史家もたまげよう…
そして大都督は陸遜か、夷陵の名采配は伺っている。…そういえば火計をよく用いていたな。
だがそれは虫将としての思惑だ、史実ではない。であれば止めねばなるまい。
…孫策…武勇に優れたとされる、その戦ぶり…本物の同じか拝見したいがため、貴様らには退いてもらうぞ。
ほう、炎か、残念ながら利用させてもらおうか。
羽団扇から風を巻き起こし、敵を【クリーニング】させてもらおう。
風で炎を巻き取り、炎の風を起こして相手にぶつけさせてもらう。
さて…もしかすれば。この炎に呼応され…くるかもしれんな?
…その顔、拝見させていただこう。
ア・ンデレ
「りくそんか。はじめてきくなまえだね。
かんうとどっちがつよいのかな。
もとつねちゃんしってる?」
雅諒院・基経(g00191)さんに話しかけながら、砲兵の幻影を使って、敵を砲撃していく。
アンデレにとって、トループス級は本気になるに値しない敵だ。
戦っているのはトループス級でも、見据えるのはジェネラル級。
敵が強くなれば強くなるほどアンデレは熱くなる。
「こんなざこども、さっさとやっつけちゃお!」
槍で攻撃される前に、弾幕で広範囲の敵を倒す。
どんな強力な毒でも当たらなければ問題ないね。
●歴史に非ざる戦いの行方
呉と蜀の同時攻撃。それに対する魏の籠城戦。
もしも人類史が存続し、歴史家たちがこのディヴィジョンの現状を耳にしたなら、驚きのあまりひっくり返ることだろう。
「これも、僕(やつがれ)たちが介入した結果……か」
雅諒院・基経(はぐれ者の元天狗・g00191)はひとりごちた。奪われた歴史は、すでに予期せぬ方向に向かっている。
ある意味では、兵士たちの殺し合いは(もちろん、すべての根源はクロノヴェーダなのだが)ディアボロスたちが差し金の一端になったと言ってもいい。
戦いは避けられぬ。だがこの選択は正しかったのか? ここからどのように波及していく?
基経には……いや、おそらくはクロノヴェーダにすらも、それはわからない。もはや歴史はなんのアテにもならないのだ。
「りくそんか。はじめてきくなまえだね。かんうとどっちがつよいのかな。もとつねちゃん、しってる?」
ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)の無邪気な問いに、基経は意識を戻した。
「夷陵の名采配は伺っているよ。火計をよく用いた智将だとも」
「ふうん。かんうとは、またちがったつわものなんだね」
「ああ。そして前線指揮官は武勇に優れたとされた孫策。その戦ぶり、僕も興味深い」
ぎろり。基経は頷きながら、トループス級を睨んだ。
「ゆえに、貴様らには退いてもらうぞ。これ以上の横暴は出来ぬと知れ」
「こんなざこども、さっさとやっつけちゃお!」
「吠えたな、邪魔者ども。陸遜様が出るまでもないわ!」
鋭蜂兵が武器を構え、襲いかかる。敵は戦意十分、されどふたりもまた意気軒昂だ!
アンデレにとっては、トループス級は本気になるには値しない敵だ。
しかしそれは、決して手を抜いたり、わざと不利を演じるような酔狂に走ることを意味しない。
あくまで戦いは戦いとして、真面目にこなす。砲兵の幻影の降り注がせる砲火が、その証拠だ。
「アンデレちゃん、りくそんっていうのにはやくあってみたいんだよね。だから、ふきとんじゃえ!」
KRA-TOOM!! また一体、鋭蜂兵が砲火に飲まれ、四散した。
「おのれ、よくもぉ!!」
辿り着いた敵の刺突がアンデレの肌を裂くが、戦闘に支障が出るほどのダメージではない。
毒はその体に回る前に、アンデレが力むとビュッ、と体外に排出される。アンデレはさらなる砲撃を見舞った。
「こうなれば、我らも火計を起こすしかあるまいか!」
「ほう、炎か。だが、貴様らの火計なぞ、大都督とは比べようもあるまいな」
基経は羽団扇を振るい、鋭い烈風を起こした。
剃刀じみた風は敵の身体を切り裂き、残骸を吹き飛ばし、敵が起こした炎を逆に強く巻き上げ、火柱じみて空に舞い上げる。
飛び散る火の粉と熱が基経にも降り注ぐが、これもやはり取り立てるほどのダメージではない。
「「「ぐわああっ
!!」」」
「そら、どうした。羽根があるなら受け身をとってみせろ!」
ごうごうと渦巻く、竜巻じみた烈風のなかで、トループス級ごときが態勢を整えられるわけもない。
しかもそこには、アンデレが容赦なく降り注がせる砲火が落ちてくるのだ。巻き上げられた敵は、砲弾をまともに喰らい花火のように爆散する!
「おお、たまやー」
アンデレは手でひさしを作り、空を見上げた。
「派手に爆ぜてくれたものだ。さて、どうやらこれでトループス級は蹴散らしたようだが……」
基経がそう呟いた瞬間、彼は弾かれたように別の方角を見やった。
「……来たか!」
「お?」
アンデレも遅れてそちらを見……そして、鬼の笑みを浮かべた。
赤兎馬のいななきが、雷鳴のように響き渡る。
「これはまた、手ひどくやられたものですね。兵士の士気は下がりに下がり、蟲将も蹴散らされましたか」
燃えるような赤髪と灼眼、しかしてその左半面は、醜悪な蟲将の本性を現している。
「……大都督、陸遜とお見受けする。さきほどの"花火"は、お気に召していただけたかな?」
「やってくれましたね。この僕が自ら駆けつけなければならないとは」
基経の挑発を、陸遜は涼やかに受け流した。
「……いいね」
アンデレは笑みを深めた。ジェネラル級として、奴は相違ない実力を有していると、肌で感じ取れたからだ。
「これ以上好きにはさせません。相手をしてもらいましょう」
再び赤兎馬がいななく。炎将・陸遜が、ついにディアボロスたちの前に立ちはだかった……!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
●
陸遜の参戦により、『【攻略旅団】騎乗するアヴァタール『小覇王・孫策』』の執筆は行われません。
アヴァタール級と戦うには、『陸遜を撤退させる』か、『誰かが時間稼ぎしている状態で孫策を叩く』しかないでしょう。
雅諒院・基経
【公園】の方と共闘する。
…陸遜…智略に優れ、彼がいたら後々の呉の崩壊も起こらなかったかもしれないという人物…
…封印していた外法を使う相手にとって不足なし…いざ参る。
不意はつけないと見るべき、思考回路を読まれているのだ、だからこそ力でぶち抜くしかないが…
「…外法を使う、あまり、近づくでないぞ」
外法である塵の槍を起動し、塵を舞わせながら錫杖で読まれるであろう攻撃を繰り返す。
陸遜の体に付着したり、吸い込んで十分に時間が経ったら塵の槍を起動する。
既にその身を貫く槍は埋伏しているよ。
起動後は味方の援護にまわり、属性攻撃を起こして陸遜の目を潰したり、水をぶつけて消化したりして支援を行う。
ア・ンデレ
【公園】
「あれが、りくそん? かんうよりはくりょくないね。ほんとうにつよいのかな。」
アンデレはネメシスモードにより新たな腕が二本生える。
「なぐればわかるか。あまりがっかりさせないでね。」
四本の腕にそれぞれ、こーえんまる、弾は出るけど基本的に殴る砲、超合金ピコピコハンマー「ホムコン2022」、重くて振り回すと楽しい棒、といった個性的な鈍器を持ち、それらを振るい、精鋭部隊の影を打ち払いながら近づく。
近づいたら、それらを投げ捨て、自身の巨大化した腕で思いっきり殴る。
●強敵、来たる
「あれが、りくそん? かんうよりはくりょくないね。ほんとうにつよいのかな」
「アンデレさん、油断は禁物だ。あれは、関羽討伐戦で名を挙げたとされる、智謀に優れる将なのだからな」
雅諒院・基経(はぐれ者の元天狗・g00191)の言葉に、ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)は「へえ」と目を眇めた。
事実、陸遜の個としての武勇だけは、このディヴィジョン最強とまで言われる関羽に比べれば一歩劣る。
しかし戦いは、武勇だけで決まるものではない。陸遜には……それがクロノヴェーダであれ……武勇を補う智謀があるのだ。
「まあ、なぐればわかるか。あまりがっかりさせないでね」
アンデレはネメシスモードを発動し、新たな腕を一対生やした。
「僕を測る側のつもりですか? なるほど、この戦いに介入してくるだけあって、身の程を知らないようですね」
陸遜の口調は、ディアボロス相手でも丁寧だが、そこには少なからぬ怒気が感じられた。
あくまで強気なアンデレに対し、基経は心中で警戒を強める。
(「不意は……突けないな。力でぶち抜くしかない。その点、アンデレさんの存在は心強い」)
だが、それでは足りないだろう。いかにして敵の牙城を打ち砕くか。
考え抜いた末に、基経はぽつりと言った。
「……外法を使う。アンデレさん、立ち位置に気をつけてくれ」
「わかった。でもアンデレちゃんはがんじょうだから、あんしんしてね」
四つの腕にそれぞれ武器を構えたアンデレは、陸遜に戦いを挑む。
「本来であれば、あなた達をこうして真正面から迎え撃つのは、僕の流儀に反するのですがね」
陸遜は嘆息し、パラドクスを発動。すると陸遜の周囲に、呉の精鋭部隊の影が、いくつも出現した。
「かずをそろえたからって、アンデレちゃんはまけないぞ」
アンデレはあくまで力押しで進む。だがそもそも陸遜は強敵であり、ディアボロスとの攻防においては常に反撃側たる敵が優勢を握っている、と言ってもいい。
アンデレは武器を振り回し影を払うが、それ以上のダメージが彼女に蓄積していく。このままでは危険だ!
「こちらも忘れてくれるなよ、陸遜よ!」
「来ますか」
そこで基経は、錫杖に塵を纏わせ、別の角度から陸遜に打ってかかった。
基経の狙いは、あえて読まれるであろう攻撃を繰り出し、より確実にパラドクスのダメージを通すことである。
ゆえに彼は大振りな攻撃を繰り返し、アンデレの進攻を助けようとした。が……。
(「やはり、こちらの動きを読まれているか。まるで他心通が如し
……!」)
陸遜は涼しい顔を崩さず、淡々と基経の打撃を受ける。追い込めている気がしない。
並の戦士であれば、己の手の内を見透かされていることへの恐怖と絶望から、意気が萎えダメージを受けずして膝を突いていてもおかしくない。だが、基経は、気力を振り絞る!
「どれだけ涼しい顔をしていようが、外道にかける情けなぞなし。我が奥義、味わってみよ!」
「……!」
陸遜は咄嗟に口元を覆い、素早く距離を取った。が、塵はすでにその身体に付着しており、黒い槍がずん! と肌から飛び出す。
「なる、ほど……これがあなたの言う外法、ですか。いかに孫策といえど、これはひとたまりもないでしょうね」
陸遜は冷静に、基経の戦力を測る。それゆえに、その言葉は純粋な評価であり、ディアボロスの力を認めていた。
「臓腑を貫くつもりであったが、一手早く僕(やつがれ)の手を読んだな。易くない敵よ」
基経はしかし、にやりと笑った。陸遜は振り返る……アンデレの拳!
「アンデレちゃんのパンチ、いくぞ!」
「この連携は、なるほど……!」
陸遜は、鬼神変のダメージを最小限にまで抑えようとした。しかし、まったくの無に出来るわけではない。
どうん! と拳の衝撃が大気を震わせる。精鋭部隊の猛攻を受けたアンデレはそこら中に傷を負っていたが、表情は不敵だ。
「やはり、あなたがたを孫策のもとへ向かわせるわけにはいきませんね。僕ともうしばらく遊んでもらいましょうか」
「そこまで買ってもらえるとは本望だ。だが、遊びのつもりでいるなら、火傷をするやもしれぬぞ?」
しゃりん、と錫杖が音を鳴らす。陸遜は警戒の眼差しで基経を睨んだ。ふたり、ジェネラル級を相手に一歩も退かず!
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
天夜・理星
…ああ、どうも。
色合いが炎っぽいのに、なるほど冷たいね。
好きにさせないって、どっちのセリフなんだか!
…ああ、向こう、
もしかして反撃にしか徹しないか?
それとも突然何かをぶち上げるか?
いずれにせよ戦場の炎を一刀両断で斬り払い、水源もお借りして川を敷いて炎の範囲を狭めながら陸遜に迫るか。
それでも自分に降りかかる分は…火炎使い技能でささっと、聖剣の焔をちょっとだけ流して、火傷しないように護れたらいいな。
で、近づけたらだ、
士気高揚に怪力無双を載せて、パラドクスを陸遜に届かせる!
託されし願いも手伝ってくれるはずだ、きっと!
早急に去ってくれ。
この戦場はもうあなたにはどうにも出来ないはずだからさ。
一ノ瀬・綾音
ちゃろー、陸遜。
君に恨みはないけど、綾音ちゃんの旅団の団員が君と因縁あるらしいからね。それだけで君と戦う理由には十分だ。
――通りすがりのディアボロスの一ノ瀬綾音、気軽に綾音ちゃんと呼んで構わないよ!
【パラドクス通信】で他復讐者と連携を取りやすいようにしつつ、【泥濘の地】で敵軍を足止め。
陸遜は羽あるし効かなそうだね。そこで「しまったー!プレミした!」ってような『演技』をするよ。こうすれば相手はそこに弱点があると思い込むはず。
でもそれは演技だ。
相手が決めに来るところを狙い【星光】で『吹き飛ばし』狙い!
拮抗するならさらに魔力を注ぐ、『全力魔法』だ!
勢いが途中で増すのは想定外でしょ!
一角・實生
俺がすべきことは隙作り
自らに強く言い聞かせるよ
【泥濘の地】の効果で赤兎馬の速度を低下させる
動いていようが的と決めたものを撃つのは得意なんだ
赤兎馬の脚をパニッシャーで徹底的に狙っていくよ
己の戦闘知識を基に動きを観察・補足
回避や受け流し後に反撃を入れていきたい
白鷲のお守りと結界術の障壁で灼熱の炎を耐えられる間にパラドクスを発動
己と武器に宿る呪詛も放出
呪い塗れの大熱波で炎を払い彼等への道を切り拓く
一層悪化した泥濘に赤兎馬が対応する時間が生まれる筈
陸遜が飛んでも問題ない
俺の狙いは最初からお前なんだ
狙撃後は残る力で障壁を張り戦場から離脱したい
少しの綻びでいい
それはやがて修復不可能なものとなるだろう
袁・雀蜂
※アドリブ歓迎、共闘希望
・行動
現場で味方の行動を見つつ連携して奇襲を仕掛け、陸遜の行動を阻害
相手の戦術の流れを断つことで時間を稼ぐようにして
指揮官を撃破できる隙を作ります
・戦闘
【飛翔】で火計の上昇気流に乗り舞い上がってから
【託されし願い】で一般兵たちの「死にたくない」という願いを乗せて
急降下による一撃離脱の空中戦で奇襲を仕掛けます
・セリフ
貴方が出てくるのはこう少し後だと思ったけど
呂蒙将軍はどうしたのかな?
まあウチとしては相手が誰だろうとやることに違いは無いんだけどね
我が名は袁・雀蜂
この三国の地に生きる全ての人々の願いを受けて
貴様たちから正しき歴史を奪い返すために戦う者なり!
呉鐘・承李
【アドリブ・連携歓迎】
……さて、ようやく親玉のお出ましか。
呉の英雄だか知らないが……それは、指揮官としてのお前だ。
決して、戦場の駒としてではない。
が、油断はしない。
仲間達と共に、一手一手詰めていく。
決して大ぶりの攻撃をせず、仲間の攻撃の隙を突かれぬよう、攻撃を差し込んでいく。
陸遜に大きな隙が生まれるようなら、必殺の一撃を叩き込む。
【陸遜を撤退させられなかった場合】
さて、そろそろ頃合いか……
三度剣を振り、地面を三角に切断。
同時に精霊刀の力で属性の結界を作り、仲間が蟲将を倒すまでの時間稼ぎをする
「さて、こう見えて舞踏は得意でね。暫く俺と踊ってもらおうか」
「……さっさと行け、長くは持たないぞ」
●戦場の焔舞
「……さて、ようやく親玉のお出ましか。てっきり盛大な歓迎を受けると思ったが」
呉鐘・承李(剣鬼・g06193)は、陸遜を睨んだ。敵が、先制攻撃を仕掛けてくる様子はない。
「……あくまで反撃に徹するつもり、みたいだね。にしても、あの冷たい瞳。隙のひとつも感じられない」
天夜・理星(復讐の王・g02264)は、嘆息混じりに言った。陸遜を出し抜いてアヴァタール級を攻撃する、というのは、現状ではまだ不可能のようだ。
陸遜は、その能力のすべてを、ディアボロスによる敵将撃破の妨害に注いでいる。
もしも奴が、ジェネラル級としてその力を純粋に振るっていたならば、ディアボロスとてタダでは済まなかっただろう。
「君に恨みはないけど、君と因縁あるらしい人を知っててね。綾音ちゃんにとっては、それだけで君と戦う理由には十分だよ」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は、気さくに……だが一切の油断なく語りかけた。
陸遜は、見せかけの態度には騙されない。その目は、人としてのものも蟲としてのものも、どちらも警戒の色を浮かべる。
ここに現れたディアボロスたちが、一筋縄ではいかない難敵であることを、奴はその鋭い慧眼で見抜いているからだ。
「あなたが出てくるのは、こう、少しあとだと思ったけど……呂蒙将軍はどうしたのかな?
まあ、ウチとしては、相手が誰だろうとやることに違いはないんだけど、ね」
袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)が槍を構えると、バチバチと稲妻が迸った。
並々ならぬ敵だ。関羽は豪放磊落にして万夫不当たる武勇を誇っていたが、陸遜はまた違った意味での強敵だと、彼女は察する。
こちらに対して一切油断をせず、また心の奥底まで見抜いているかのような冷たい瞳。相対するだけで背中が汗をかいた。
(「……俺がすべきことは、隙作りだ。今、ここで奴を倒すことは出来ない。逸るなよ、實生」)
一角・實生(黒頭鷲・g00995)は、無言で敵をにらみながら、心のなかで自分に強く言い聞かせた。
陸遜は、あくまで蟲将を生かそうとしている。そこに突くべき隙がある……いや、生み出せるはずだと。
残留効果により、戦場の足元は深い泥濘と化していた。
だが、ジェネラル級の用いる赤兎馬は、この程度の悪環境に不足を取ることはない。
「呉の英雄だか知らないが……それは、指揮官としてのお前だ。決して、戦場の駒としてではあるまい?」
「それは確かです。僕も、本来であればこうして最前線に出るのは不得手なもので」
陸遜は承李の言葉に嘯くが、だからといって蟲将として戦いが不得手なのかと言えば、もちろんそれは否だ。承李も、それを冷静に感じ取った上で、身構えた。
「行くぞ」
瞬間、承李の姿が消えた。雀蜂も鋭い飛翔で空のアドバンテージを得て、眼下に敵を見据えた!
「我が名は袁・雀蜂! この三国の地に生きる全ての人々の願いを受けて、貴様たちから正しき歴史を奪い返すために戦う者なり!」
まず雀蜂の、宙を舞う燕のような鋭角的刺突が戦端を切り開いた。
これを当然読んでいた陸遜は、火計を用いて灼熱の炎を生み出し、雀蜂を迎え撃つ。
同時に實生は、赤兎馬を狙い撃つが、逆説連鎖戦の中において、特定の部位を狙い撃つことは極めて至難だ。
ましてや赤兎馬の足を止めることなど不可能に等しい。實生の狙いは、あくまで敵の回避ないし受け流しを誘発すること。
陸遜は呉の精鋭部隊を召喚し、實生へけしかけた。大熱波が迸る!
「僕の赤兎馬を、その程度の小手調べで落とせると思いましたか?」
「いいや。俺の狙いは、最初からお前なんだ」
翼のはばたきから生まれた呪詛まみれの大熱波が、精鋭部隊による反撃を越えて陸遜にダメージを与える。
それはけしてクリーンヒットとは言いがたいが、陸遜は實生の攻撃に対処をせざるを得ず、さらに攻め込む機をディアボロスたちにもたらした。
「あかしま流……秘奥、十の型。暴風の一撃、受けてもらうぞ」
「刻は昨夜、剣を取れ! この戦場は、もうあなたにはどうにも出来ないのさ!」
ごうっ、と燃え盛る灼熱を切り裂いて、承李と理星が同時攻撃を仕掛ける。
身を灼く炎の熱さえも意に介さぬふたりの剣は、まさに凄烈。空間すらも断ち、間合いを無視する矛盾の剣に乗せられたのは、この戦場に駆り出された兵士たちの無念だ。
「……! これは……!」
陸遜は、驚愕に目を見開いた。ふたりの剣は重く、苛烈で、陸遜が予想していた以上の衝撃をもたらしたのである。
「どうだい? これが、あなたに利用された、なんの罪もない人々の怒りだよ」
「こう見えて舞踏は得意でね。しばらく、俺と踊ってもらおうか……!」
勢いそのままに、承李は地面を斬ることで決闘場めいた線を引くと、小刻みな薫風の太刀で畳み掛けた。
陸遜の顔に、わずかな渋面が浮かぶ。それは、手強い敵にじりじりと余裕を奪われている表情だ。ディアボロスたちの猛攻は、たしかに奴の隙を引きずり出しつつある。
「くっそー、赤兎馬の足さえ止められればなー! それがうまくいかなかったんなら……あとはこうするしかないよね!!」
綾音はわざとらしく嘯いて、陸遜の攻撃を引きつけようとした。が、陸遜はあくまで反撃に徹しているため、挑発めいた演技は空振りに終わる。
ならばそれはそれで好都合と、綾音は魔力を高め、『究極魔法【星光】を発動!」
「その炎も全部、吹き飛んじゃえー!!」
「なんという魔力……!」
陸遜はその砲撃の威力を冷静に受け止め、直撃を避けた。かすめた熱はさらに陸遜の余勢を削る。応報の斬撃が綾音を捉え斬り裂くが、重傷にはまだ遠い。こちらの攻撃は効いている!
「やはり、厄介ですね、あなた達は。断じて、孫策のもとへ行かせるわけにはいかなくなりました」
「通りすがりのディアボロスの一ノ瀬綾音、気軽に綾音ちゃんと呼んで構わないよ? さあ、もう一発ーっ!」
優勢を掴む陸遜を相手に、星光の威力が拮抗したとは言いがたいが、それでも綾音の全力魔法は陸遜の余力を大きく削る。
孫策を守るための力が、徐々に、じりじりと失われていくのだ。これは、陸遜にとって面白いことではない。
「早急に去ることをおすすめするけどね。好きにさせないっていうのは、アタシたちの台詞だよ!」
「人々から託された願いと怒りがある限り、ウチらは絶対に諦めない。それを、思い知れ!」
「どうした? 本気でかかってきてもいいんだぞ。お前の目的には適わないだろうが、な」
理星、雀蜂、承李の挑発にも、陸遜は冷静沈着な態度を崩すことはない。しかし……。
「ディアボロス……これほどのものとは」
その眼はたしかな智謀を持つがゆえに、奴は冷静に、そして事実として理解していた。
ディアボロスとは、油断ならぬ敵。決して嘗めてかかれる相手ではない、ということを!
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【一刀両断】LV2が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV1が発生!
孫・リア
【虎】
……来たわね、思惑通りになんてさせないからっ!
『流星』で星星に騎乗して【ダッシュ】
目的は「彼」の撤退か時間稼ぎそして一撃をお見舞すること!
紅花殿と明殿が援護してくれるなら行ける!
【火炎使い】を使えるから行く手を阻まないように炎を動かし【完全視界】で視界を確保しつつ、精鋭部隊の影も現れたら【薙ぎ払う】!
火傷や怪我はもう許容範囲、それと火が燃え広がらないように【水源】か【泥濘の地】で通った場所だけでも使えたら使う!
今は彼に全部は届かない、だけどこの一撃だけならっ!!
……その冷静さに物腰の柔らかさ…そっくり過ぎて本当にっ…!!
……いっそ奪ったのが名前と顔だけなら良かったのに…
【アドリブ歓迎】
平良・明
【虎】
前回は乗っていなかった、赤兎馬とは贅沢な
その顔、殻ごと叩き割って中身を見てみたいものです
リアさんと星星さん、紅花さんが接近できるように援護します
小型拳銃とこの貫き通す力で空間ごと炎を射貫いて吹き飛ばし
音もなく鉛の欠片を撃ちだすだけの技ではありません
何が何でも陸遜に燃える一矢を突き立てる
何かを届けれたなら、この戦場はひと欠片、この流星は種火
リアさんの顔を見る限り、私の出来る事は迷いなく進む事でしょう
この前会って、私はこの蟲を叩き殺すと決めたので、その地図を描く二歩目です
杏・紅花
【虎】
陸遜サン、会うのは二回目だねっ!覚えてないだろうけど
あの時は痛いのくらっちゃったけど、今回も怪我を恐れず立ち向かうよお
星星に乗ったリアサンを援護する
ワイヤーソーで引っ掻き回しておじゃま虫。赤兎馬の意識を散らして、移動に集中させない
その隙に、管狐を放して忍び足で影を捕縛させる
火が地面を覆うなら、影がたくさんできるということだから
その影のどれかひとつでも、天が縫い付けてくれたらいい
あたしはリアサンの攻撃が届くようにディフェンスしつつ援護
詳しいことはね、実は知らないの
でも、リアサンの顔を見てれば
きっと、多分
苦しいの、分かるから
あたしはあたしの、できることをする
●活路、拓けたり
クロノヴェーダは、人類から多くのものを奪い取った。
世界を、歴史を、そして誰かの大切なひとを。
奴らのその肉体は、奪われた者の肉体であることも少なくはない。
……そう、顔も名も、その智謀も、冷静沈着な振る舞いも何もかも。「彼」そっくりだった。
「……そっくりすぎて、本当に……っ!!」
「リアサン……」
ぎり、と奥歯を噛みしめる孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)の横顔を、杏・紅花(金蚕蠱・g00365)は気遣うように見つめた。
だが、ここで優しい言葉をかけたところで、リアの心中にわだかまる怒りを、無念を慰めることなど出来ないだろう。
そもそも、そんないたわりを、彼女は求めていない。事情を知らない紅花に出来るのは、肩を並べて戦うことだ。
たとえその事情を知らずとも、苦しいことはわかるのだ。だから、出来ることをやる。今はそれで、十分なのだと。
「私は、あなたを叩き殺すことに決めましたので。いわばこれは、その地図を描く二歩目、というところです」
平良・明(時折の旅行者・g03461)は、あえてリアを気遣うようなふりをせず、自らの心のなかの怒りを吐露した。
迷いなく進むこと。紅花と同じように、彼は自分の「出来ること」を貫くと決めているのだ。
「その顔、殻ごと叩き割って中身を見るときが楽しみですよ。まあ、今はその時ではないでしょうがね」
「……あくまでも、狙いは僕ですか」
「いいえ。私たちの目的は、「その思惑通りにはさせないこと」よ」
リアは決然と言った。
「だから、これ以上戦乱を広げさせることも、続けさせることも、アヴァタール級を守らせることも、私は絶対にさせない。
……紅花殿、明殿、力を貸して。あと一歩押し切れば、あちらは撤退させられるはず……!」
「わかってるよ、リアサン。そのために来たんだからね」
「ええ。この戦場はひとかけら、種火のようなもの。けれど、それは必ず「いつか」に届く。いえ、届かせますからね」
ふたりの力強い言葉に、リアはようやく笑顔を垣間見せた。
陸遜は、あくまで反撃に徹する。すでにディアボロスが、油断ならない敵であることを、奴は冷静に評価していた。だが。
(「このすさまじい闘志、これまでのディアボロスとも何かが違うようですね」)
……と、こちらをじっと測るその瞳が、リアにとってはさらなる怒りの薪となることを、奴は知らない。
「行くわよ、星星! 赤兎馬なんて、何するものぞ!」
リアは自らの無双馬に跨ると、まっすぐな矢のように一気呵成の勢いで陸遜に戦いを挑んだ。
最初から火傷も怪我も許容範囲だ。この一撃を届かせるまで体力が残れば、それでいい。あとのことなど知らぬ。
それほどの意気でなければ一撃を届かせられないことを、リアは重々承知でいる。そしてその心意気は、正しかった。
「我が火計で、その体を焼き尽くしてさしあげましょう!」
ごうっ!! と、すさまじい熱を孕んだ炎が燃え上がる。
だが、リアは止まらない! 陸遜は瞠目した!
「何……」
「紅花さん、リアさんともども援護します。何がなんでも、近づかせてみせますよ」
「ありがとう、明サン! よーし、おじゃま虫しちゃうぞー!」
紅花はワイヤーソーを取り出すと、リアとは別の角度、回り込む用意して陸遜に攻撃を仕掛ける。
それに合わせる形で、明は『インスタントトーチカη』を発動、明らかに危険なパラドクス発動の予備動作を、陸遜は見逃さない。
「後ろからなら、安全に攻撃できると思いましたか?」
「いいえ、そんなことは思っていませんよ。ただし、この燃える一矢、是が非でも突き立ててみせます!」
明の言葉は嘘や強がりではなかった。陸遜は恐るべき速度で明に反撃を仕掛けたが、明の攻撃もたしかに陸遜の身体を貫いていたからだ。
優勢を握っていてなお、身を劈かれるほどのダメージ! 遅れて炎が、まるで預言者の奇跡めいてふたつに割れる!
「ぐ
……!?」
「言ったはずですよ。私は、あなたを必ず叩き殺すと決めたと」
明は冷たい表情で、陸遜を睨んだ。
明の援護射撃で怯んだ隙を狙い、紅花は天を死角に放ち、影に牙を突き立てさせる。
陸遜の動きが、びくりと止まった。燃え盛る灼熱が紅花の身体を灼くが、彼女は逆にさらに突っ込む!
「リアサン! 反撃はあたしが抑えるから、気にせず突っ込んでね!」
「……わかったわ!」
紅花はその身を犠牲に、リアの突撃を支援したのだ。
燃え盛る炎を自ら受け止め、さらに仲間を進ませる。そんな自己犠牲的な戦いなど、クロノヴェーダには理解出来ない。
(「何故だ? どうしてディアボロスは、ここまでして僕を討とうとする?」)
沈着冷静で、いかなる戦術をも心得た陸遜をして、心に当惑が広がった。
孫策を討つために全力を注ぐというなら、わかる。それは、この大戦乱を未然に防ぐ上でもっとも重要だ。
だが、あえて陸遜を攻撃し続けることなど、戦略上は不要なこと。攻撃の隙さえ作れれば、それ以上はオーバーダメージといっていい。
そう、理解できない。陸遜はたしかに智謀に優れた蟲将だが、クロノヴェーダであるがゆえに、理解出来ない。
「殺すなら、あたしから殺してみなよ! 絶対に離さないし、死にもしないけどねっ」
紅花と明の、リアのために意を貫こうとする意味が。そして。
「今は届かなくても、だけど……この、一撃だけならっ!!」
己の命をも厭わぬリアの、その怒りが!
「ぐ……ッ!?」
強烈なチャージを受けた陸遜は、大きく怯んだ。
リアの流星じみた一撃が叩き込まれた瞬間、さすがの紅花も体力が尽きかけたと見え、がくりと膝を突く。
好機である。だが、その好機を突こうとすること自体が、もはやディアボロスの意のままなのだ。
「……これ以上、あなたがたを足止めするのは、消耗するばかりですね。致し方ない。あとは、彼の武勇を信じます」
陸遜は落ち着いて状況を俯瞰し、この戦場から手を引くことを即断した。
「……本当に、似てるのね。いっそ、奪ったのが名前と顔だけならよかったのに」
リアは、高速で撤退する陸遜の背中を、いつまでも睨んでいた。
「二歩目は刻みました。その時は遠くないですよ、リアさん」
「うん……でも、まずは、孫策をなんとかしなきゃ……」
「お疲れさまです、紅花さん。ですが無理はしないでください、浅くないダメージですよ」
明の言葉に、紅花は顔を上げ、にへっと笑った。
受けた損害は、少なくない。だがその結果として、ディアボロスたちは孫権を撤退に追い込むことに成功した。
将たるアヴァタール級を撃破しさえすれば、この戦場の戦乱は取り除ける。本懐まで、あと一歩……!
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV3が発生!
珠々院・アンジュ
※連携・アドリブ可能です。
「敵ですね。殺しましょう」
無表情で淡々と喋りますが無口ではありません。
他の人ともコミュニケーションは取れます。
敵に対しても淡々としたですます口調ですが内容が過激になります。
成功のため自身の持てる技能は惜しみ無く使います。
表情には出しませんが、相手を呪詛で侵食することに愉悦を感じています。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。自身の怪我は疎く気にしません。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
レオネオレ・カルメラルメルカ
『イヒヒヒ。あっしはしがないウィザードでさぁ……』
一人称は「あっし」
二人称は年上・同年代「(名前)のダンナ(姐サン)」
年下「(名前)の坊っちゃん(お嬢ちゃん)」
他者との連携やアドリブOKです。
言動は三下ですが演技であり、相手を油断させてからの攻撃が好きです。
演技が通じないと粗暴になり、一人称も「オレ」になります。
技能を使い、できることは何でもやります。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我でも積極的に行動します。卑怯者ですが、他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●小覇王の名
「イヒヒヒ、頼みの綱の陸遜は撤退いたしたようですぜ? 小覇王どの」
レオネオレ・カルメラルメルカ(陰竜・g03846)は陰気に笑い、ギョロギョロと小覇王・孫策を見据えた。
あざ笑うような、媚びるような……癪に障る顔だ。宮廷道化師のように、その奥には賢しらな知性が光っている。
「元よりこの戦場は、オレのものだ。都督が下がったからといって怖気づくわけもなかろうよ!」
「イヒヒ……たいそう自信があるようでいらっしゃる。いやあ、おっかねぇ」
いいながらも、レオネオレは一切油断していないし、本気でビビっている様子もない。孫策は目を眇めた。
敵にもへりくだり油断を誘う。まったくもって卑怯卑劣な策士だ。ゆえに、殺す相手としては実によい。
「では殺しましょう。あれの相手は慣れています」
珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)は、そんなふたりの腹のさぐりあいを、ばっさりと一蹴した。
その表情に人間性は感じられない。ただ敵を殺す、そのことを考えている、抜身の刃物じみた殺意が漲っている。
「そうだ。ここは戦場だ。オレの首欲しくば、全力で来い。ディアボロスども!」
「ああ厭だ厭だ、そういう暑ッ苦しいのは……嫌いなんだよなァ!!」
本性をむき出しにしたレオネオレが、吠える! それが火蓋を切る鬨の声となった!
孫策は赤兎馬に拍車をかけ、まっすぐに突撃した。
将たるもの、退くことはしない。立ちはだかる者挑む者、これなべて蹴散らし平らげる。覇王の相である。
「オレに毒牙を使わせるなよ? それでは興ざめだ」
「お前を楽しませる趣味などありません。民衆を兵士に駆り立てておいて強者ごっこですか。こちらのお前も愚かですね」
アンジュは孫策の覇気に付き合わない。敵に向けるのは殺意と侮蔑だけ……それが、彼女だ。
刃こぼれしたなまくらな妖刀を鈍器のように力任せに振るい、孫策の打撃と打ち合う。小覇王は瞠目した。
「小娘にしてはいい太刀筋をしている! その刃もなかなか趣味が悪いな。苦しませ痛めつけることに特化しているとはな!」
「別のお前もそうして殺しましたよ。せいぜい怯えなさい」
「イヒヒヒ! お嬢ちゃん、上から失礼しやすぜェ!」
アンジュはレオネオレの意図を問い返すこともなく、素直にしゃがんだ。すると、魔術で生み出された凍てつく氷の針が、彼女の立っていた場所を貫くように降り注ぐ。
もちろんこの『アイスニードルガトリング』は、味方に誤射するようなことはない。パラドクスとはそういうものだ。
いわば一種のフェイント。孫策は瞬時に大きく息を吸い、呼気でもってオーラを強化、氷の針を迎撃する!
「盲撃ちか? 小賢しい!」
ドウッ! と迸るオーラが氷の針を吹き飛ばし、レオネオレの鱗をざくりと裂いた。
手痛い反撃だ。しかしレオネオレは嗤っている。
「この程度がオレの弾幕だと思ったかよ?」
「!」
氷の針の弾幕は終わっていない! さらなる大量の氷の針が降り注ぎ、オーラ防御をも貫いて小覇王の体を裂いた!
「ハハッ! 油断なんてさせずとも、十分強いじゃないか、大根役者め!」
「クロノヴェーダなんざに褒められても嬉しくねえなあ」
レオネオレは吐き捨てる。そして死神めいて宣誓した。
「そら、お嬢ちゃんが懐に潜り込んでるぜ!」
「チィ!」
アンジュのなまくら刀が鞘から放たれた。斬るのではなく抉るような、高速呪詛抜刀術!
同時に叩き込まれた小覇王の一撃。全力の拳はアンジュの骨を持っていったが、彼女にとっては軽傷だ。
「ぐ、お……ッ!」
「私が単純な苦痛を与えるとでも? 甘いですね、チョコレートケーキのように甘いですね」
アンジュは淡々と敵を罵る。孫策は脂汗を浮かべ……呵々大笑した。
「ハハハッ! 毒牙を使わずに済んで嬉しいぞ。さあ、続きだ!」
「あーあ、やだやだ。こういう暑苦しいタイプはほんと鬱陶しいぜ」
ダメージは入っている。しかし敵も、戦場を任せられるだけはあるということ。
嘆息し気だるそうに身構えるレオネオレ。そして、アンジュは。
「好都合です。もっと痛めて殺せますから」
ただ殺意を研ぎ澄ませ、ギザギザの妖刀を構えて、呪詛を高めるだけだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
天夜・理星
…で?
なんで強弱の判断をそうやってしてるんだあなたは?
流石は将と言ったところだけど――毒は何か違うんじゃないかね何かが。
自分で強くならなくちゃ、だーめ♩
毒を打たせる暇なんざ与えないよ?
ましてや精神集中の技能はこっちが上なんだ。そこに神速反応が加わったら、あなたの毒牙が繰り出される前にそれを挫いちゃうかもよ?
そしたらほら、時間がずれる。
自分だけが通常の時間で動いて、ダッシュで一気に通り過ぎる。
で、出来た時空の歪みを修正し、そこに敵を巻き込む。
あまりにも毒牙の鋭さが異常ならば途中は聖剣を使って、怪力無双と一刀両断を載せて破壊する勢いで、残留効果と技能での攻撃をしよう。
王様舐めんなって言ったよね!!
●『王』の意地
……ガキィッ!! という、甲高い金属音と、衝撃波。
打ち合いを続けていた孫策と天夜・理星(復讐の王・g02264)は、互いに放った攻撃の威力で弾かれ、そして数メートルの距離を置いて構える。
「ハハッ! お前もなかなかに強者のようだな」
「……で?」
純粋に褒め称える孫策の言葉を、理星は喜びもせず、ただ首を傾げることで答えた。
「なんで強弱の判断を、"そうやって"してるんだ、あなたは? さすがは将、といったところではあるけれどさ」
「オレにとって、戦いとは強者との命のぶつかりあい。命を賭すがゆえに、敵にも全力を求めるのは当然だろう?」
小覇王は悪びれもせずに言う。毒牙が、ぎらりと垣間見えた。
「もっとも今回の任務で、その機会があるとは思っていなかったがな。雑兵を皆殺しにするのは、また別の「いくさ」だ」
「……はぁ~」
理星は、これみよがしに嘆息した。挑発だ。
「毒は何か違うんじゃないかね、何かが。自分で強くならなくちゃ、だーめ♩」
「否よ! オレはすでに強いのだ!」
両者の距離が再び近づく! 孫策は理星を全力で相対すべき敵と認め、そして事実そのようにした……!
理星は強く精神を集中させ、ただ敵の一挙一動に全神経を注ぐ。
たしかに、奴は言うだけはある。小覇王と仇名されるに相応しい実力と覇気。アヴァタール級の中でも油断ならぬ敵だ。
「王様ナメんな……!」
されど、王を名乗るは彼女も同じ。歪められた逆説連鎖の時空のなかで、理星の意志力によってさらに時間流がズレる。
恐るべき速度の連撃を弾き、受け流し、そのまま……駆け抜けた!
「何ッ!?」
時間の歪みが孫策に牙を剥く! 動きを妨げられたその刹那、理星の聖剣がびゅんと真一文字を切り裂いた。鮮血!
「刻は刹那、だよ。言ったでしょ? "王様ナメんな"ってさ!」
「ぐは……!」
脇腹を斬られた孫策は吹き飛び、地面を転がった。理星は少なからぬダメージを、気力でこらえる。
損耗は敵がやや上といったところ。陸遜を退けたとて、それで終わりではない。だが理星は、小覇王を上回ってみせたのだ!
成功🔵🔵🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
孫・リア
あとは貴殿だけ……父様の名を持つ貴殿も…こんな酷い戦も…全部全部超えるわ!
(ネメシスの姿に変わる)
戦うに相応しくない姿かもしれないけど……油断しないことね!
【ダッシュ】して『乱舞』を繰り出すわ【火炎使い】で炎を最大限にだして【蹂躙】するように炎を飛ばすわ
だけどこれは【錯乱】させる為、本当の狙いはこの偃月刀と槍の【強打】に【薙ぎ払い】!
貴殿のその攻撃も当たると厄介だろうから【観察】してしっかり【看破】して避けるわよ
【ネメシス:妖狐ではなく、人間の30代くらいの普通の武家の貴婦人】
【アドリブ共闘歓迎】
袁・雀蜂
※アドリブ歓迎、共闘希望
・ネメシスモード演出
腰に『転神帯』を巻き宝珠部分に『金印』を押印すると全身が生体甲殻に包まれ、胸の『女王蜂紋』で蟲将の力を掌握し人としての貌を残した完全変態モードに変身する
・行動
【飛翔】しながらの空中戦で
敵の攻撃を全身の装甲と浮いた状態で受けることで力を逃がして耐え
積み重なった『逆説連鎖戦』の残留効果を生かして反撃の【震天雀蜂破】(ネメシスカードver:体から直接雷撃の針を撃ち込む)を叩き込む。
自分は敵の動きを止める事を重視してとどめは他の人に任せる。
・心情
陸遜との決戦も近い
何れお前も本体の所にまでディアボロスの手は届く
その時を震えて待っているがいい蟲将ども!
一角・實生
人々を恐怖で意のままに操っているかと思えば今度は毒を用いた傀儡作りか
ことばにすると一層酷い
その名の本来の持ち主が見たら何と言うだろうか
赤兎馬に騎乗しているのならば機動力と衝撃力は相当なもの
真正面から攻撃を受けることのないよう常に動きを観察
動きを看破していくよ
地から地へ、或いは地から空中に【飛翔】、その逆も
立体的な動きを意識しよう
すれ違いざまに繰り出される攻撃を己の戦闘知識で見切りパラドクスを発動
回避と同時に攻撃を叩き込む
毒撃を受けたら即座に宿る浄化の力で解除を
他者から齎される偽りの強さなど必要ない
連続で銃弾を放つことで俺に意識の大半を向ける時間を生み出そう
この場で最も怒りを滲ませる仲間の為に
●猛撃のあとに
「ここがオレの死地か。もう少し派手に屍を積み上げたかったものだが、お前らが相手なら格としては悪くはあるまい」
孫策はあっさりと言った。
「人々を恐怖で操り、挙句に毒まで用いているくせに、清清しいようなことを言う」
一角・實生(黒頭鷲・g00995)は無表情で指摘した。
「ことばにすると、いっそう酷い。その名の本来の持ち主が見たら、なんというやら」
「……」
實生の何気ない呟きに、孫・リア(勇武と炎を胸に秘めて・g03550)がぴくり、と反応した。
癪に障った、というわけではない……むしろそう、心のなかに渦巻く怒りなどの様々な感情を、押し殺しているような表情。
「……そうね。父様の名を持つ貴殿を倒しさえすれば、こんなひどい戦は終わる。少なくともこの戦場は、終わらせられるわ」
リアはぽつりと溢して、深く息を吸った。
「だから、全部全部超えてみせるわ。これ以上、無益な戦いはさせない……!」
「陸遜との決戦も近いからね。それにウチらディアボロスの手は、クロノス級にだって届かせられるんだ」
袁・雀蜂(ホーネットガール・g01434)が、こくりと頷く。
「その時を震えて待っているがいい、蟲将ども。まずはここで、お前を倒す! 完全変態(へんしん)ッ!」
雀蜂は、腰に『転神帯』を巻くと、取り出した金印を中央の宝珠部分に勢いよく押印した。
すると宝珠に、金印の謎の紋章が浮かび上がり、そこからバチバチと稲妻が迸る! そして彼女の姿は一変した!
生命の危機に瀕したことで、応報(ネメシス)の力が発動したのだ。雀蜂を包んでいた稲妻が、バァン! と爆ぜる。
そして全身を生体甲殻に包まれた、人の貌を残した完全変態モードと化した雀蜂は、碧色の瞳で孫策を睨む!
陸遜との激闘は、リアの眠れる姿をも呼び起こした。
「戦うにふさわしくない姿かも、それないけど……」
雀蜂のそれと違い、彼女のネメシスモードにおける姿は、むしろ逆に異種族の相を失った、人らしい姿に『戻る』ものだ。
その年頃は、10代の若々しい普段のリアよりも一回りは上……ざっと30代ごろを思わせる、美しい貴婦人のものである。
風が、赤茶色の髪をなびかせた。普通、という表現は適切ではないかもしれないが、ディアボロスが生命の危機に変じて見せる姿にしては、それは奇妙なまでに『人間』だ。
「ほう」
孫策が、目を細める。強者を求める小覇王として、なにか感じるところがあったか。
「油断しないことね。私はいま……とっても怒っているんだから!」
偃月刀『千紫』馬上槍『万紅』の双槍を構え、気力を漲らせるリア。
「……お前は、誇り高き強者なんかじゃない。人々を苦しめ、多くを奪った、ただのクロノヴェーダだ。それを証明してやる」
「面白い! オレの首級、安くはないぞ!」
孫策の膨大な覇気が、波のようにディアボロスたちに叩きつけられた。
それは奴が、毒など用いることなく、全力で殺しにかかることを意味している!
赤兎馬の嘶きが木霊し、戦いの火蓋を切る。
瞬間、雀蜂と實生は高く飛翔し、上空アドバンテージを得た。
ふたりの狙いは、孫策の機動力を奪うこと。だが、関羽や陸遜のそれとは違うとはいえ、逆説連鎖戦の中で赤兎馬のみを狙うことはほとんど不可能である。
ゆえに全力の攻撃で、孫策の余力を削ぐ。立体的な動きで敵を翻弄し、出来るだけ威力を逃がして耐えられるように空を舞う!
「行くわよ! これが私の、勇武の炎ッ!」
一方リアは、まっすぐに孫策に向かった。双つの槍と偃月刀で繰り出されるのは、燃えるような乱舞。
パラドクスの力でその切っ先は炎を纏い、踊るような回転でつむじを描いて、とぐろ巻く龍めいてリアを包む。
「正面から来るか。いいだろう!」
孫策は次々に繰り出される刺突と斬撃を両腕の鎌で受け流し、弾く。炎の中に、いくつもの火花が星のように生まれ、散った。歪められた時空の中においてすら、両者の攻防は神速。見切れるのは一流の戦士だけだ。
「むろん、お前たちもだ。オレの全力を味わえ!」
「ウチだって全力だ! この軌道、見切れると思うなよ!」
「疾いな。だが、陸遜の疾さを味わった今なら、目が追いつかないわけじゃない」
雀蜂と實生は、空に向けてすら繰り出される攻撃をなんとか躱し、受け流す。時には一度地面に降りて、足場をしっかりと踏みしめることで守勢に回り、敵の隙を見出そうとした。
四人は高速戦闘を繰り広げながら、兵士の大半がいなくなったことでがらんと空いた戦場を駆け抜ける。
ガガガガガッ! という衝撃音とともに、いくさ場を吹き抜ける風、まさしく烈風。砂埃が渦を巻いて散る!
(「言うだけはある。俺ひとりでは、被弾は避けられなかったな」)
戦いの中でも冷静に、實生は孫策の動きを見切りつつあった。
たしかに奴は、強い。だがここで退けるわけもないのだ! 立体的な動きで、徐々に敵を包囲していく!
「もらったぞ!」
「!」
(「ここか……」)
雀蜂は瞠目、實生はすっ、と目を眇めた。孫策が決着を求めて、致命的斬首攻撃を仕掛けてきたのだ。
しかし機動力で孫策を上回ったふたりは、それぞれに鎌の斬撃を受け流し、躱した。ぶつかり合う独楽のように、三者は弾かれ離れる……いや、そのままただ離すふたりではない!
「この戦場に集められた人々の苦しみと痛み……その万分の一でも、味わうといい」
反発力を殺すほどの加速! 實生は翼をはためかせて、地を滑るように飛翔することで、『哭戒』を叩き込んだ。
「ぐッ!?」
そして衝撃とともに、強力な呪詛が孫策の体内に流し込まれる。血流に乗って全身に蔓延った呪詛は、返しのついた棘と化して実体を得る。肉を裂いて生える瘴気の角!
「他者からもたらされる偽りの強さなど、俺には必要ない。言ったはずだ、お前はただのクロノヴェーダだと」
小覇王など、所詮は奪い取っただけの名。ここで命運尽きて死ぬ蟲であることを知れと、實生はさらに銃弾を叩き込む。
「お、オレの体内に、呪詛を流し込むとは……! だ、が!」
「満足できないなら、ウチの雷も……持っていけ!」
「がはッッ!?」
そこへ雀蜂の震天雀蜂破が続いた! これまで積み上げられた残留効果が味方し、反撃の嚆矢めいて孫策に突き刺さる!
ドォン! という大音声とともに、稲妻が轟く。ましてやその熱量と高速からくる質量突進攻撃をまともに喰らったのだ。
この一撃で終わらぬ孫策のタフネスたるや。呪詛と稲妻に蝕まれ、しかし奴は生きている!
「……うおおおおッ!!」
「その攻撃は、もう読んだわ」
死に際の一撃。それはまさしく死物狂いの反撃だ。だが、リアには見えていた。
乱舞で敵を混乱させ、いたずらな反撃を誘う。すでに實生と雀蜂の攻撃で余力を削られていた孫策の打撃は、あえなく空を切った。
「バカ、な」
「……終わりよ。勇武の炎に飲まれなさい」
リアの怒りは、いっそ氷のように冷たく澄んでいた。
ただ終わりをもたらすために放たれた斬撃と刺突。双槍の、強力で薙ぎ払うような攻撃が、乱舞の終端だ。
「孫権よ、すまぬ、オレは……」
人々を恐怖で縛り、奪われた名のもとに君臨せんとしたクロノヴェーダの最期は、あっけないものだった。
呟こうとした言葉は、すべて紡がれる前に偃月刀によって刎ねられ、生首がごろごろと虚しく戦場に転がる。
勝利の鬨の声も、敗北を嘆く兵士たちの弔慰もない。そして犠牲もまた、蟲将のみ。
この戦場におけるディアボロスの戦いは、完全なる勝利に終わったのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV2になった!