リプレイ
ノイン・クリーガー
敵は高所からこちらを見下ろせる位置に陣取っているようだ。
慎重にいこう。
敵の死角になる【地形の利用】を行いながら、【光学迷彩】と森林用偽装服で身を隠して【忍び足】で進む。
高い位置へはワイヤーショットを使って登る。
補給基地へたどり着いたら、今まで通り隠密行動を行いながら、死角からヴァインビーストに接近し、P218とファイティングカランビットで【不意打ち】して【暗殺】する。
牙は【一撃離脱】で躱わし、ガスはガスマスクで防ぐ。
蔦を伸ばす攻撃はワイヤーショットで絡めてもつれさせるか、カランビットの【早業】で切り裂く。
ドラウ・ブラックソーン
※アドリブ歓迎
・行動
自ら姿を現してから逃げ、ヴァインビーストが襲い掛かって来るところを【トラップヴァイン】で迎撃する。
一番離れたところに居る少数を釣ることで一度に大勢に囲まれない様にする。
・心情
ドラウが姿を表せば、逃げたエルフの一人と思って追って来るでしょう
そこを罠にかければ倒せるはず。
もうドラウもディアボロスとして戦う力はある、あとは勇気を出して
一歩を踏み出すだけ。(大きく息を吸って吐く)
……行こう!
一里塚・燐寧
んふふ。木を刈ることこそチェーンソーの本領
そして相手が足の生えた動き回る植物だろうと同じことだよぉ!
『鋭樹の牙』を伸ばして攻撃してくる敵に対して
【神速反応】と『呪式:悪念悪果』で対応するよぉ
急所に向けて狙いすました一撃だからこそ
敵意の流れや実際の攻撃の動きは、このパラドクスで読みやすいねぇ
迫る牙を巨大鎖鋸剣『テンペスト・レイザー』の回転する刃で斬り払うよぉ
牙を斬り払われた相手に隙ができたら
立て直す暇も与えずに素早く踏み込んで
『テンペスト・レイザー』を振り回して反撃の一閃
敵の樹皮をガリガリと削り斬りながら
【呪詛】と【毒使い】による腐敗毒で体内まで蝕んでいくよぉ
共闘・アレンジ大歓迎。よろしくー
アリシア・グレンヴィル
フローラリア。ドラゴンと敵対している勢力でしたね。
敵の敵は味方、などと都合のいい妄想を抱くつもりはありません。
何か少しでもドラゴンへとつながる情報を得られるならよし。そうでないなら、ただクロノヴェーダを滅するだけ。やることは変わりませんから。
まずは補給基地の破壊から、ですね。植物の獣ごときに、遅れを取るわけにはいきません。
≪神蝕呪刃≫
呪いの刃にて、そのことごとくを斬り捨てましょう。このようなところで足踏みをしている時間は、ないのですから。
ネーヴェ・ベルクウェルム
ふむ…つまりは拠点への兵站を潰す形でしょうか。その後に本命を攻めると。
微力ながら力添えします。
警備の敵と戦いつつも…ば余力があれば書簡の類いも気にしてみましょうか。
次の攻めに役だつ様な…地図や人員の出入りの情報などが得られれば良し。何もなければそれも、ここが本当に倉庫代わり以外の使われ方が無いことを示すでしょう。
●戦い方
魔法をばらまきながら槍を振るうテクニカルタイプ
ですが、油断すると脳筋になります
避けられない攻撃は魔法障壁と槍でガード
●その他
ガス欠しやすいキャラです。劣勢描写の際は魔力切れや体力切れを希望。逆転の際は気合と根性
鬱蒼と植物が生い茂る森をノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)が駆け抜ける。黒衣を纏った姿が時にはワイヤーショットで風を切るように跳び、そして時には先の様子を窺うように足音を消して影のように進む様子は彼が手練れの玄人であることを匂わせた。
「あれが補給基地か」
光学迷彩によって森に溶け込むノインをヴァインビーストはまだ発見できていないようだ。青く光る目を周囲に向け、ゆっくりと基地の前を行ったり来たりしている。
「植物の獣ごとき、呪刃の敵ではありません」
アリシア・グレンヴィル(亡国の騎士・g00397)の構えるのは身の丈よりも巨大な漆黒の大剣である。見たところ、ヴァインビーストはその名の通り獣そのものに見えた。会話が成り立つような気配は皆無となれば、やるべきことは何も変わらない。
「――滅しなさい」
大剣に宿る呪いがその瞬間、暗黒の闇のように迸った。ヴァインビーストが敵襲に気付くのと、その首を撥ね飛ばすのとが同時。
「はじまった……!」
ドラウ・ブラックソーン(茨姫:ドルンレースヒェン・g05823)は戦闘音が聞こえたのをきっかけに、補給基地からやや離れた場所を哨戒していた群れの前にその身を晒した。
――エルフ。
獰猛な瞳がドラウを見つめ、いまにも飛びかかるタイミングを計るかのように身構える。
「ッ……」
ドラウは一瞬だけ惑うように息を呑み、けれど勇気を出して深呼吸を繰り返した。力なら――ある。あとは戦う意思さえあれば、最初の一歩を踏み出せる。
そして、ドラウは足を踏み出す方を選び取った。
「私ならこっちよ!」
敵の気を引くように告げ、背を翻して駆け出す。狩猟本能を刺激された彼らは一直線にドラウへと襲いかかって、そして罠にかかったのだ。
「ガウッ!?」
突如、地面から伸びた無数の蔓がヴァインビーストに絡みついて自由を奪う。四肢にきつく絡みつき、もがくほどに締め付けがきつくなるばかりだ。
「やった!?」
ドラウは息せききって振り返り、快哉を叫んだ。
作戦がうまくいったのだ。
ヴァインビーストはドラウを逃げ出したエルフと勘違いして、無防備に襲いかかったところをあらかじめ仕掛けておいた罠に絡めとられてしまったのである。
「んふふ、コレを振るうにはおあつらえ向きの状況だよぉ」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の手には唸りを上げる巨大鎖鋸剣があった。その名の通り、嵐の如く敵を粉砕する刃が甲高い音を上げながら高速回転し始める。
「グルル――!!」
敵が攻撃態勢に入った。
ノインは死角に回り込みながら警告する。
「来るぞ、気を付けろ」
「ははーん、見え見えだよぉ」
片目を閉じて笑った燐寧は、軽々と背を逸らして牙の蔓を躱してしまった。
「!?」
「あはっ、何で外れたのかわかんないって顔してる? それはねぇ、狙いすました一撃だからこそ読みやすい負の思念なの。ほら、今度はこっちからいくよぉ」
武器の重さを感じさせない動きで鎖鋸剣を下から上へと跳ね上げれば、すぱッと樹木の牙が断ち切れた。燐寧は空いたスペースに向かって素早く突っ込む。
小柄な体と巨大な武器を最大限に生かしたまさしく特攻のような一瞬、自分の体を軸にして弧を描くように振り回した回転中の刃が敵の胴体に触れた途端に激しくその部位を削り取りながら埋まっていった。
「ギャンッ
……!!」
裁断された木くずが弾け、刃が更に深々と突き刺さる。これこそチェーンソーの本領であろう。相手が足の生えた動き回る植物だろうが同じこと、傷口から染みるように侵す呪詛と毒によって脆くなった組織を燐寧は容赦なく刈り取って敵の胴体を両断したのである。
「伐採完了だよぉ!」
補給基地への道が拓け、ネーヴェ・ベルクウェルム(元・騎士団副団長の魔法剣士・g03870)は張り巡らされた茨のバリケードの内側へと足を踏み入れた。
「ガウッ!」
「その手はくらいませんよ」
不意に飛び出したヴァインビーストを襲ったのは極寒の吹雪であった。ネーヴェは魔法によって敵の戦意を削いだところへ槍を繰り出し、牽制を続ける。
「グルル……」
「植物には、寒冷系の魔法が覿面でしょう?」
敵の放つ蔓を魔法障壁で逸らしながら、躱しきれないものは槍の柄に絡みつかせることで防御する。それから穂先をくるりと敵へ差し向け、急所を貫き止めを刺した。
「これが物資ですか……」
軽く点検すると、ほとんどは防御要塞を築き上げるための木材であることが判明する。あとは武器になりそうな金属類に、司令官であるミストルトゥ・ウィッチの私物と思しき占い道具も散見された。
「書簡の類は見当たりませんね。地図や人員の出入りなどを記録した帳簿なども、こちらには保管されていない、と――」
はっ、としてネーヴェはとっさに魔法障壁を展開する。いつの間にか忍び寄っていたヴァインビーストの牙が間近にあった。
「くッ、もうこれで最後ですよ……ッ!!」
ありったけの魔力を絞り出して、敵を吹雪に巻き込んだ。あとはもう、槍を振り回して突破するだけだ。敵の喉元を槍で貫き倒し、補給基地から脱出したネーヴェは息をついて振り返った。
「どうやら、本当に倉庫代わりの場所だったようですね。それがわかったこと自体、情報のひとつです。これで心置きなく本命を攻めに向かえますね」
「フローラリア。確か、ドラゴンと敵対している組織でしたね」
敵を屠るついでとばかりに、アリシアの振り回す大剣が補給基地を形成する樹木を叩き潰して二度と使えないように細工する。
「敵の敵は味方、などと都合のいい妄想を抱くつもりはありません。ドラゴンへと繋がる情報が得られないのであれば、ここに留まる意味はないでしょう」
早く先へ、とアリシアは森の奥へと視線を向けた。
「このようなところで足踏みをしている時間は、ないのですから」
そこに待つのは塔のような防衛要塞を守る魔女。高所からこちらを見下ろせる位置を最初から保持しているというのは脅威であるとノインは知っている。
「あとはそいつらだけよ」
端から敵陣を切り崩すように罠へ嵌めていたドラウは、ひと際大きなヴァインビーストを見つめて呟いた。
「群れのリーダーなのかしら。牙も、とても大きい……!」
先に別のヴァインビーストを拳銃とナイフによる不意打ちで仕留めたノインは、敵に居場所を悟られるより前に離脱して態勢を立て直す。さっきまでノインのいた場所を樹木の牙が抉り、地面に穴が穿たれていた。直撃をくらえば軽傷では済むまい。
タイミング勝負だ。湾曲したナイフを逆手に持ち、心臓を守るように体の前で構える。そしてほんの僅かに敵の気が別の仲間へ逸れた瞬間を逃さずに引き金を引いた。
「ギャッ――」
音もなく近づき、首筋に根本までナイフを突き立てる。頸動脈のように脈打つ部位を断つような手ごたえがあった。
「さて、次か」
敵の侵入を拒むように聳え立つ樹塔の防衛要塞を見上げ、ガスマスクの奥の瞳を細める。
「攻略しがいのありそうな場所だな」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
ネーヴェ・ベルクウェルム
続けて要塞破壊のためのアヴァタール級の討取りといきましょう
魔力は切れかけ、とはいえ味方も居ないわけではない。一撃でも入れられたなら良いでしょう
魔力障壁は左腕一点に集め丸い小盾として、竜骸剣で戦います
魔力残量と身に付ける補助アイテムから、敵からは魔法は守りの軽量化に用いるのみで不得意な様に見えるかもしれません
残留効果の神速反応も利用して盾を頭上に掲げて雹の雨をくぐり抜け接近を図ります
そして屠竜撃を。隙の作り方は…残る魔力で氷雪使いとしての魔法を叩き込み敵の足と床を氷で繋ぐことを狙ってみましょうか。相手の攻撃で周囲が冷えていれば凍結はより容易いはず
私も氷を操るのは得意なのですよ
珠々院・アンジュ
※連携・アドリブ可能です。
「敵ですね。殺しましょう」
無表情で淡々と喋りますが無口ではありません。
他の人ともコミュニケーションは取れます。
敵に対しても淡々とした口調ですが荒くなります。
成功のため自身の持てる技能は惜しみ無く使います。
表情には出しませんが、相手を呪詛で侵食することに愉悦を感じています。
パラドクスは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。自身の怪我は疎く気にしません。
他のディアボロスに迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ノイン・クリーガー
樹上の要塞か。
難攻不落だな。
それにあの魔女のルーンだか魔法だかも強力だ。
まいったね。
弱点に必中する矢ということは避けられんということか。
【地形の利用】により遮蔽するか、急所を庇いながら【神速反応】でMk45/Sによる【弾幕】を張り、撃ち落とす。
茨の壁を作り出すならそれを盾にして【光学迷彩】と【モブオーラ】を纏いながら【忍び足】で有利な位置に移動して死角から接近する。
至近距離まで近付けば雹は降ってこまい。
充分に接近したらP218かカランビットで【不意打ち】して【暗殺】する。
奉利・聖
遅ればせながら、馳せ参じました
…あれが此度のゴミですね?魔法使いのようですが
羨ましいですねぇ…この身はあまりに、魔法に向いてないものですから
そんな風にポイポイ使えたら、と羨んでしまいます
防御不可能の矢とは、いやらしいものを使いますね
【神速反応】にて、矢が放たれるのを待ちます
モーションに合わせ、こちらも<投擲>態勢
──『穿気功』
屍龍帝ノ魂を投げて、真っ向勝負といきましょうか
そちらに矢は僕の弱点とやらを目掛けて進んでいるのでしょう?
ならば撃ち落とす…もとい、消し飛ばすまで
この気功はあらゆるものを貫通し、そしてこの武器は壊れない
どちらが勝ち、進む資格を得るのかは…まぁ、自明の理というものでしょう
アリシア・グレンヴィル
さぁ、残すところはアヴァタール級のみ。奴を滅ぼして、フローラリアの本拠地への道を切り開きましょう。
敵は樹塔の天辺。下りてくる気がないのなら、こちらから出向いて引きずりおろすまでです。
茨の壁、ですか。その程度で私は止まりませんよ。
≪神蝕呪刃≫
全てを腐らせ、叩き斬ってあげましょう。
さぁ、逃げ回るのは終わりですよ。落ちてきなさい、魔女よ。
あなたには聞きたいことがあるんです。そう、ドラゴンのことについて。その行方や、あなたたちの関係性を。死ぬ前に一つでも役立つ情報を残してほしいものですね。
≪≫
ドラウ・ブラックソーン
※アドリブ歓迎
・行動
「ガーディアンローズ」による防御幕を張り、
雹の威力を削ぎながら何とか接敵する
近くに寄ったところで【破壊の棘】を敵の体の木目に打ち込み
樹木部分を裂いてダメージを与える
・心情
酷い……
体の内側からヤドリギに寄生されてほぼ表皮しか残っていない
これが森と一つに成ったエルフの末路ということ?
やはりフローラリアもドラゴンと変わりはしない
クロノヴェーダどもはドラウたちの敵だ!
・戦闘後
(【建造物分解】で守護者の居なくなった樹搭要塞を速やかに分解しながら)
ルーン占いのハガラズはあなたの破滅を示していたようだな……
ネーヴェ・ベルクウェルム(元・騎士団副団長の魔法剣士・g03870)は伸ばした左腕に魔力障壁を集め、丸い小盾を作り上げた。
「いよいよ、ですね」
「樹塔の天辺に座す魔女、ですか。下りてくる気がないのなら、引きずりおろすまでです」
アリシア・グレンヴィル(亡国の騎士・g00397)の構えた大剣がその時、禍々しい気を解き放って存在感を増す。
「できるものならやってごらんなさいな」
ミストルトゥ・ウィッチは呆れ混じりに呟いたが、アリシアが本当に向かってくるので少し驚いたように目を見張る。
「まあ?」
侵入を閉ざすように展開する茨の壁を、アリシアは剣に触れた場所から腐らせて引き千切るように斬り捨てた。
「止まらない――ならば」
次に掴んだのはハガラズのルーン。
「そうくると思っていました」
ネーヴェは左腕の丸盾を頭上に掲げ、降り注ぐ雹の雨を潜り抜ける。ディアボロスの反応速度が増した世界において、それらの間隙を見極めることは決して不可能ではないのだ。
「おあつらえな効果が残っているではありませんか。乗らせてもらいますよ」
さて、と奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)は遅ればせながら馳せ参じた戦場を眺め渡して状況を把握。
「……あれが此度のゴミですか。馬鹿となんとかは高いところが好きといいますが、それにしても距離がある」
見上げる際の邪魔にならないように帽子のつばを後ろへ回して被り直しつつ、どこまで本気から分からない声音で言った。
「羨ましいですねぇ……あんな風にポイポイ魔法を使ってみたいものです」
手にするのはどこまでも漆黒なる一本の棒である。聖はそれを軽く手のひらに打ち付けながらタイミングを計った。
「やれやれ、樹上の要塞か」
ノイン・クリーガー(ゴースト・g00915)は軽く頭をかき、情報を整理する。難攻不落であろうと、付け入る隙はどこかに残っているはずだ。
避けられないのなら、撃ち落とせばいい。シンプルに、ノインは建造物の陰に背を張り付かせて射線を遮るとサブマシンガンの銃身だけをそこから突き出して激しくそれを撃ち鳴らした。
「こわい鋼の雨ね」
ミストルトゥ・ウィッチは茨の壁を紡いで壁を作るが、ノインにとってもそれは身を隠す遮蔽物であることに違いはない。フードを目深に被り、周囲の気配に溶け込んで存在感をほとんど無にする。ミストルトゥ・ウィッチは気が付いていないようだが、この形状の塔ならば裏側へ回って背後から急襲することは十分に可能であった。
「敵までの距離、残り数メートルにまで到達しました」
珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)は太い蔓の上に立ち上がり、呪詛で覆われた体をミストルトゥ・ウィッチの前に晒して仁王立つ。
「あなたがこの防御要塞の司令官ですね」
「だったら?」
「殺します」
表情ひとつ変えず、アンジュは鋭い蹴りを敵に向かって放つ。その身に宿した呪いが力場のようなものを形成し、アンジュの髪をふわりと浮き上がらせた。
「つ……ッ」
「やはり、魔女は魔女。接近戦は苦手なようですね?」
振り返れば、アリシアの大剣が間近に迫っている。懇親の力でそれを振り回し、ミストルトゥ・ウィッチの杖ごと叩き割るような勢いでその身を穿った。
「落ちてきなさい、魔女よ」
「――く」
とっさに、ミストルトゥ・ウィッチは植物の幹と同化した下半身を樹塔に絡めて抵抗する。擲たれたハガラズのルーンが発動し、戦場全体に破滅の雹雨を降らせた。
「……お願い、ガーディアン・ミニローズ。あの雹からドラウを護って」
ドラウ・ブラックソーン(茨姫:ドルンレースヒェン・g05823)の髪と胸元を飾る小さな野ばらが温かい光を放って雹の矛先を僅かながらに逸らしてくれる。
「あと、少し……!」
ドラウは懸命に樹塔を登り、ルーンを操ることに夢中になっているミストルトゥ・ウィッチの足元にまで手を伸ばした。
「こ……の!」
「!?」
不意打ちを受けたミストルトゥ・ウィッチの眼が見開かれる。ドラウの鞭が破壊の棘となって獰猛なる牙のように敵の体の木目を穿ったのである。
「あッ――」
ドラウの攻撃によって幹は避け、しがみつく力が弱まった。態勢を崩した瞬間をノインは見逃さない。雹雨のまさしく“目”にあたる樹塔の天辺は平らかな屋上のような作りをしていた。音もなく忍び寄り、サイレンサーの付いた拳銃のトリガーを引く。
乾いた音がして、ミストルトゥ・ウィッチの片目が後頭部から貫かれた。
「あ……」
「難攻不落の樹塔も今日までだな」
ノインは告げた。
「よ……よくも……あぁッ!」
立て続けにアンジュが踊るように回し蹴りを見舞った。打撃を受けた場所から呪詛が侵食し、ミストルトゥ・ウィッチの全身にアンジュと同じ呪詛の刻印が浮かび上がる。
「いかがですか、呪詛に侵食される気分は」
「ふ……ふふ、さすがの私も、これは効きましたわよ……!」
しがみついていた部分から力が抜け、ミストルトゥ・ウィッチの体が数メートルほど滑り落ちた。露になった裂け目を見たドラウが悲痛な呻きを漏らす。
「なんて、酷い……ここまでだったなんて……」
それは体の内側からヤドリギに規制され、ほぼ表皮しか残っていない森と同化したエルフの末路であった。
「あなたには聞きたいことがあるんです」
アリシアが静かに尋ねる。
「聞きたいことですって?」
「そう、ドラゴンについて。あなたたちの関係性を。死ぬ前に言い残すことはありませんか?」
すると、ミストルトゥ・ウィッチは悔し紛れに微笑んだ。
「ふふッ……例え知っていたとして、それをどうして敵であるあなたたちに教えると思うの? 知りたければ勝手に調べるといいわ。汚らわしきドラゴン共など私の知ったことですか……!」
刹那、神話を彷彿とさせる無敵の矢が全方位に向けて解き放たれる。その時を聖は待っていたのだ。軽く助走をつけ、構えた棒――龍帝の骨から削り出されたそれを、真っ向から擲った。
「そんなもので……!」
「どうですかね?」
涼しい顔で聖は言った。
「そちらの矢が防御不可能であるなら、こちらの棒は決して壊れない。どちらが勝ち、進む資格を得るのかは……その目でお確かめ頂くのがよろしいかと」
聖の目算通り、弱点を目指して飛来する矢の軌道を読むのは容易い。
「あくまであなたの矢は“必中”であるだけ。“絶対に破壊できない”僕の武器とどちらが勝ち、進む資格を得るでしょうね?」
空中で、矢と棒が正面衝突した。
「まさか――」
必中を宿命づけられた矢を押し返すように棒が進み、ミストルトゥ・ウィッチの胸元に矢ごと貫き返すに至る。聖は軽く両手をはたき、串刺しになった魔女へと言い捨てた。
「魔法は使えなくても、こういう小細工なら得意なんですがねえ」
「あ、う……ッ」
苦痛に喘ぐ敵の前にブラウがふらりと歩み寄る。
「お前は、エルフ……?」
「そう。だからフローラリアにもまだエルフの意思が残っているんじゃないかと思ってた。でも……ッ」
ブラウはミストルトゥ・ウィッチを見据え、やるせなく首を左右に振り分ける。
「汚らわしきドラゴン共だって? フローラリアだって同じだ。クロノヴェーダはみんな、ドラウたちの敵だ!」
「わ、私が……ドラゴン共と同じですって
……!?」
衝撃に呑まれるミストルトゥ・ウィッチの足元があっという間に凍ってゆく。もともと、雹の冷気が残っていたところへ突如として氷に足を取られたのだ。
「動けない?」
「私も氷を操るのは得意なのですよ。そうは見えなかったかもしれませんが――」
ネーヴェの竜骸剣が轟音と共に薙ぎ払われ、ミストルトゥ・ウィッチを撃破する。ドラゴンを嫌っていた魔女が屠竜撃の名を持つパラドクスによって葬られたのは皮肉なことであった。
「あとはこの樹塔を破壊するだけね」
クロノ・オブジェクトである樹塔は構造物分解による破壊を拒んだ。ならばとドラウは鞭を振るう。守護者を失ったフローラリアの防御要塞はほとんど自壊するように崩れ落ち、跡には墓標のような残骸がうず高く積み上がるばかりであった。
「ミストルトゥ・ウィッチ。ヤドリギの魔女。ルーン占いのハガラズはあなたの破滅を示していたようだな……」
ドラウは目を閉じ、しばらくの間そうして天を仰いでいたという。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【腐食】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!