リプレイ
「みんなー! 野乃、やりましたよっ」
ぶつかる勢いで扉を開けて、野乃は子どもたちに呼びかける。
「恰好いいディアボロスさんも、可愛いディアボロスさんも、楽しいディアボロスさんも、いっぱい来てくれました。お庭の木も1本だけじゃなく、ぜーんぶツリーにできるかもしれないですし、お菓子おかわりってなるかもですし、たくさんお話ができるかもですよっ」
野乃の勢いにあっけにとられていた子どもたちだったが、続いて姿を見せたディアボロスたちを目にすると、飛び上がって歓声をあげた。
今日はクリスマス。
楽しくて、特別な日をはじめよう。
ミシェル・ロメ
刻逆によって親と引き裂かれた子供たち……
ある意味では僕と同じだ
力になってあげたいな
ツリーの飾りつけを手伝ってほしいんですね
僕に任せて
【無限の翼】を広げ飛翔
子供たちには手の届かないツリー上方の飾りつけをお手伝いします
素朴であったかいクリスマス
ああ、教会にいた頃を思い出すな
似た境遇の友達と、優しい神父様
みんなみんないなくなってしまったけれど
でもこの子達は、今後の戦いで奪われた時を取り戻せば
再び両親に会える可能性がある
僕はこの子達の希望になりたい
あの悲しみを繰り返さないために
ひと段落ついたら、一緒に歌いましょう
在りし日の聖夜に皆で歌ったキャロルを
時代が変わっても、歌は、人の想いは受け継がれるのだから
庭の木の下で、子どもたちがぴょこぴょこ跳ねている。
何をしているんだろう。
興味をひかれ、ミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)は、そちらに向かって歩いて行った。
どうやら子どもたちは木に飾りをつけようとしているらしい。下のほうはすでに飾りつけがされているけれど、上のほうは背が届かない。椅子を持ってきたり、飛び上がったりしているが、その程度では全然高さが足りない。
うまくいかないことに苛立ったのだろう。椅子に乗っていた男の子がジャンプして、木にモールを引っかけようとした。そのはずみで椅子がひっくり返り、大きくバランスを崩した男の子は、その上に……。
「危ない!」
次の瞬間、ミシェルは【無限の翼】で飛翔し、男の子を受け止めた。ぱさり、とその子の持ったモールの端が地面に垂れる。
「天使様だ……」
男の子は何度もまばたきして、純白の翼を広げたミシェルを仰ぎ見た。
「無理をしたらケガをしますよ」
「うん。ありがとう。でもこれをツリーにかけたくって」
転びかけながらもしっかり手に持っていたモールを男の子はミシェルに見せた。
「僕に任せてください」
男の子を地面に下ろすと、ミシェルはモールを手に羽ばたいた。ツリーの周りを回りながら、モールを絡めてゆく。
「すごい、あんな上に!」
子どもたちは嬉しそうに、ツリーを見上げた。
「天使様、これも飾って」
「あ、陽菜だけずるーい」
押し合う子どもたちに、ミシェルは手を差し出す。
「ぜんぶ飾りますよ」
手の上にオーナメントが山となってゆく。どれも子どもたちの手作りのようだ。
白い翼で飛翔しながら、ミシェルは教会にいたころのことを思い出す。
素朴であったかいクリスマス。
似た境遇の友だちと、優しい神父様。
みんなみんないなくなってしまったけれど。
「天使様?」
物思いに沈みかけたミシェルを、子どもたちの声が引き戻す。
「今飾りますね。この辺りでいいですか?」
刻逆によって親と引き裂かれた子供たち。けれど、奪われた歴史を取り戻していけば、この子たちは再び親に会える可能性がある。
(「この子たちの希望になりたい」)
願いながらミシェルはサンタクロースの人形を枝に引っかける。
悲しみは繰り返させない。その悲しみを知っているミシェルだからこそ、想いは強かった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
アドリブ・連携歓迎
いや降誕祭ってそういうのじゃ……ってのは野暮だね
飾り付けを手伝えば良いんだろう?場所を教えてもらえるかな
子供達の手が届かないところに気づかれないようにマーカーを仕掛けて、準備ができたら『演技』と【口八丁】で皆の注目を集めよう
さあさあ皆、他じゃ見られないディアボロスの早業だ!見逃さないように手を止めてこっちを見てごらん!
そう言ったら【呪法・矢舞】の瞬間移動で施設を駆け抜けながら素早く飾りつけを行っていこう
まあこれ凄い疲れるのだが、『呼吸法』で息切れを防いで余裕な感じに見せておこう
見世物はここまで、皆も飾りつけに戻った戻った
俺はマルタ派だからね、怠け者には厳しいよ?
天瀬・初名
ふふー、私バルーンアートできるんだよ!
一週間もしたらしぼんじゃうけど、それまでツリーに乗せてみたらどうかな?
ほら、お花のブレスレットー♪
風船の余った部分のゴムで付けられるからクリスマス終わったら自分で付けてもいいよ?
ウサギ、クマ、ダックスフンドと次々作っていく
トンボや剣の形のはツリーには向かないけど……男の子の遊び相手にはなれるよね
子供って風船好きだよねー……まぁ私も子供ですけど
長細い風船が膨らんでいくだけで喜ぶ子供の顔が見えます
そしてやる気になって調子に乗り始める
時々割れたりするけどご愛嬌
みんなでクリスマスの飾り付けって楽しいよね!
星は作れるけど高い所は格好良いディアボロスさんに任せよっか!
クリスマスツリーを飾って、ケーキ食べて、チキン食べて、クリスマスソングを歌って……。
「いや降誕祭ってそういうのじゃ……」
ついツッコミたくなったのを、刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)はぐっと呑み込んだ。
なんだかもうすっかり別物になっているが、楽しんでいる子どもたちの前でそれを指摘するのは野暮というものだ。
「で、飾り付けを手伝えば良いのか?」
飾りはどこだと刻切陽丸が見渡せば、
「ちょっと待っててねー。すぐ作るから」
天瀬・初名(カオス処方箋・g00765)がポンプを押して風船に空気を入れる。
「ふふー、私バルーンアートできるんだよ!」
子どもに風船を見せると、初名はそれをぐりぐりとねじった。
「ひゃー、割れる!」
叫ぶ子、耳をふさいでしゃがみこむ子、面白がって手を叩く子。それぞれの性格がよく分かる。
「と、思うよね。でもほらほら」
きゅきゅきゅ、と音を立てて初名は丸を繋げるように風船をねじり、余った部分を継ぎ目に巻いて留める。花びらのようにまとめたら、真ん中に別の色の風船を固定して、はい、できあがり。
「お花のブレスレットー♪」
興味津々で見ている女の子の手に、風船の余った部分を巻きつけてブレスレットを固定する。腕に大きな花が咲いたようだ。
「わあ、可愛い」
「クリスマスが終わったら、みんなで飾りを分けて遊べるよ。1週間ぐらいでしぼんじゃうけどね」
しゃべりながら、初名はウサギ、クマ、ダックスフンド、とバルーンで様々なものを作っていった。最初は風船が割れるんじゃないかと怖がっていた子も、出来上がっていくバルーンアートに、おおはしゃぎだ。
「へぇ、いろいろ出来るんだな」
刻切陽丸はクマを手に取り、しげしげと眺めた。
「こんなものも出来るよ」
長く伸びた風船に、別の色で持ち手をつけて。
「はい、剣だよー」
「お、ちょっと貸してくれ」
バルーンの剣を手に、刻切陽丸は振ってみる。へにゃっとしなる風船の手ごたえが頼りなくも新鮮だ。
「ボクも欲しい」
「あたしは赤い剣ー」
「はいはい、順番ね。よかったら作るの手伝って」
大急ぎで風船を膨らませながら初名が頼むと、あちらからもこちらからも手が出てくる。複雑ではないから、子どもでも作れるだろう。小さな手にバルーンを渡すと、初名は手本を見せながら、剣の作り方を説明した。
できない子は手を取って教えてやり、みんな自分の剣を作る。
「うまくできたな。よーし、かかって来い!」
挑発する刻切陽丸に、四方八方からぽかぽかとバルーンの剣が振り下ろされた。
剣ではツリーの飾りつけには向かないから、初名は年長の子どもと一緒に、ツリーにつけるための飾りを作ってゆく。時折風船が割れて楽し気な悲鳴があがるのも、またご愛敬というものだ。
「これくらいでいいかな」
最後にお星さまを作って、バルーンオーナメントの完成だ。
「なら、そろそろ飾りつけるか」
刻切陽丸はすぅと息を吸いこんだ。
「さあさあ皆、他じゃ見られないディアボロスの早業だ! 見逃さないように手を止めてこっちを見てごらん!
高らかに口上を述べると、別の場所にいた子どもたちも気づいて振り返る。
両手に飾りを抱えると、刻切陽丸はこっそりと仕掛けておいた呪詛マーカーを目で確かめた。
「はっ!」
瞬時にマーカーへと移動してバルーンを飾ると、また次へ。
「え、どこ?」
「あそこ!」
飛び回って飾りをつけてゆく刻切陽丸を、子どもたちは懸命に目で追う。
「さあ、恰好良いディアボロスさんが、お星さまを飾ってくれるよ」
初名の声に、子どもたちははっと木の上を見た。
と、そこに刻切陽丸が現れ、バルーンの星を飾る。
「見世物はここまで、皆も飾りつけに戻った戻った。俺はマルタ派だからね、怠け者には厳しいよ?」
地上に降り立った刻切陽丸は余裕の笑みを浮かべてみせるが、その実、息切れを防ぐのに苦心していた。これはかなり体力を消耗するのだ。
「はーい」
駆け寄って飾りつけをする子供たちによって、木の下の方はバルーンで埋め尽くされていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
四十万・八千代
もこ(g01739)と
頑張ってる子供達が一時でも喜ぶなら、何かしたい
まずは招待してくれた事に感謝を
ケーキやお菓子を頬張って、
これ手作りなのか凄いなと滅茶苦茶幸せそうな表情に
いや、食べるの好きなもんで……
雑談出来るようになれば子供たちの親の事なんかを聞いて、
必ず取り戻すからなと励まそう
こっちのお姉さんとか指先ひとつで敵をひと捻り、強くて凄いんだぞ
なんて、もこの事を少しだけ話を盛って話したり
子供から何かリクエストされれば危険でない限り応える
もこも何かして欲しいことある?
柄じゃない事してる自覚はあるが、俺も施設出なもんで……
今日は頑張る子供の味方のつもり
クリスマスだし良い子の為にサービスするよ
諷和・もこ
やちよお兄さん(g00584)と
ボクたちのためにパーティ?
わぁ、すごいんだよ!うれしいなぁ
お菓子もツリーも、とっても素敵!
ねぇ、キミはどれを担当したの?って近くの子供に訊ねてみたり
パーティの合間に、まわりをきょろきょろ
…もしかして、弟がここにいないかな、なんて
残念ながら居ないみたいだけど
気を取り直して笑顔、笑顔
ほら、やちよお兄さんだってあんなに幸せそう
美味しいお菓子に、ボクもしあわせ
って、流石にちょっと話を盛りすぎ…
…え?すごい?かっこいい?
……。
…そ、そうなんだよ!
ボクたちは強いから、もう大丈夫なんだよ!(えっへん)
お願いごと?…そうだなぁ
折り紙を教えて欲しい、かな
それで、皆で折り紙しよう!
会場の壁にはサンタクロースや雪のモチーフと、さっき作ったばかりのバルーンアート。
小さな小さなクリスマスツリーが立てられたテーブルには、料理とお菓子。
「クリスマスパーティに招待してくれてありがとう」
四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)が礼を言うと、子どもたちは恥ずかしがってもじもじする。憧れのディアボロスを前に、頬が真っ赤だ。
「わぁ、すごいんだよ! お菓子もツリーも、とっても素敵! ボクたちのためにパーティだなんて、うれしいなぁ」
手放しで喜ぶ諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)に、子どもたちはほっとしたように笑った。
「ねぇ、キミはどれを担当したの?」
上級生の後ろから顔を出している子に、もこは尋ねた。
「あたしは、まだおかし、つくれないから、サンタさんにお顔をかいたの」
その子が指さしたサンタクッキーは、目は大きく描きすぎて鼻に重なり、ひげの上に描かれた赤は盛大にはみだして、口裂け状態。ちょっと見ホラーなサンタだったが、もこはすごいと手を叩く。
「サンタさんが、思いっきり笑ってるみたい!」
「これはおいしそうだ。食べてもいいか?」
その子が頷くと、八千代はぱくりとクッキーをほおばった。
「スパイシーでおいしい。この香りはしょうがかな?」
「ジンジャークッキー。アイシングはちっちゃい子たちにやってもらったけど、焼いたのはボクなんだ」
自慢げに口をはさんできたのは、中学生ぐらいの男の子。
「しょうがの他にも、クローブ、シナモンも入ってるんだよ」
「こんなクッキーが手作りできるなんて凄いな」
感心する八千代に、こっちも食べてと子どもたちから次々にお菓子の皿が差し出される。
そんな微笑ましい光景を眺める合間に、もこはパーティ会場をきょろきょろと見回した。もしかしたら、弟がここに居はしないかと。
(「いない、よね」)
分かってはいたけれど、少し期待してしまった分、寂しくて。
「お姉ちゃん?」
子どもに見上げられて、もこははっと気を取り直した。
「なぁに?」
笑顔で聞き返したけれど、子どもは笑い返さない。
「お姉ちゃんも、だれかとはぐれたの?」
誰かを探す顔に敏感になってしまうくらい、そんな表情をした子をたくさん見てきたのだろう。
言葉に詰まったもこの代わりに、八千代がその子に話しかける。
「君はご両親とはぐれてしまったのかい?」
「うん……」
「寂しいよな。けど、必ず俺たちディアボロスがすべてを取り戻すから、もうしばらく待っていてくれ」
そう励ますと、八千代はもこを視線で指し。
「こっちのお姉さんとか指先ひとつで敵をひと捻り、強くて凄いんだぞ」
「えっ?」
さすがに指先ひとつは盛りすぎだろうと、もこは言おうとしたが、
「そうなの? 恰好いいね!」
子どもが目をきらきらさせて見てくるから、その言葉を呑みこんだ。代わりに、えっへんと胸を張る。
「……そ、そうなんだよ! ボクたちは強いから、もう大丈夫なんだよ!」
横目でちらりと八千代のほうを窺えば、笑いだしそうな顔をしている。
「そんなすごいお姉さんに、シュトレンのプレゼントだ」
シュトレンをひと切れ取って、半分こ。その片方を八千代はもこに差し出した。
ほんとにもう、と口の中で呟いて。けれど八千代に負けないくらい自然な笑顔で、もこはシュトレンを受け取った。
「楽しいパーティを開いてもらったお礼をしたいな。何かしてほしいことがあったら、遠慮なく言っていいよ」
八千代の提案に、子どもたちはどうしようと顔を見合わせるが、すぐには出てこないようだ。
「もこも何かして欲しいことある?」
「そうだなぁ……折り紙を教えて欲しい、かな」
「折り紙!」
「私、持ってくる!」
その提案は子どもたちにとっても、嬉しいものだったようだ。
カラフルな紙を折って、何を作ろう。
ベル。ツリー。サンタブーツにお星さま。
そしてもちろんサンタさん。
次々に折りあげられるクリスマスモチーフに、誰もが笑顔だった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
湯上・雪華
【奴崎組】
アドリブ、連携等大歓迎
楽しいクリスマスですからね。みんなでパーティするのが一番!
お二人のお手伝いしつつ、楽しんでもらえるように頑張りますよ
ふふ、今日はとっておきの子達を連れてきたのですよ
サンタさんとトナカイさん、小さめのお人形ですが、ちょっとした劇をするには問題ないはずです!
リューちゃんの歌をBGMに頑張ります!聖なる夜に頑張る人達のお話ですよ
プレゼントもあるんですよ!
これからも使えるように、とハンカチとランチョンマットです
いろんな色あるので、好きな色を選んでくださいな
サンタさんとトナカイさんが渡してくれますよ
空中散歩のお手伝い
光使いを使って幻想的な風景に
思い出として心に残るように
リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】参加用。
我こそは龍、我こそはドラゴン!
かっこよく飛ぶとなればドラゴンよ!
我自身も幼子ではあるが、我が翼と尾の迫力なら幼子たちにとっても見応えのある飛翔であろう!
星を飾るのは我でなくとも構わぬ。
幼子達が喜んでくれるのが一番よ!
とはいえ幼子達の守護竜として飛ぶからには、かっこよく&氷雪使いで羽撃きに合わせて雪も降らしてくれようぞ!
雪華の人形劇も手伝うぞ。
劇に合わせて歌うのだ。クリスマスの歌が良いの!
そしてうむ、我からもプレゼントよ。
龍の鱗と龍玉……を模したクッキーと飴よ!
劇を見ながら食べても構わぬぞ!
空の散歩時には光使いで雪を輝かせようぞ。
うむ。必ず、ぬしらの家族も取り戻す。約束だ!
金刺・鞆
【奴崎組】のみなさまと。
やはり、そうしたこどもたちもおりますよね……。むん、今日はみなで楽しめるよう。とも、頑張るですよ!
ぱーてぃーはいぬも一緒、です。いぬのふわふわ感はきっと動物好きなこどもたちにも気に入ってもらえるはず。
湯上さまの劇に合わせて、電撃でぱちりときらめかせるような演出……いぬ、できそうですか?
他には、島の残留効果【浮遊】を用いて、ぱらどくすの体験をぷれぜんと、です!
みなさま、手をつないでいてくださいませね。どらごんさまのごと、びゅんとはできませぬが……こうしてたすけあえば、みなで空を飛ぶことも叶います。
ともたち、もっとがんばります、ゆえ。みなさまの家族も、とりもどします、ゆえ!
白水・蛍
【奴崎組】の皆様と共に。
アドリブ連携歓迎。
クリスマスですもの。楽しみましょう。
雪華さんが人形劇を行い、
リューロボロスさんが歌うそうなので、
私はその伴奏を行います。
<演奏>を使って、劇も盛り上げましょう。
他にはそうですね。皆様と共に空を飛ぶようですので、そっとお手伝いいたしましょう。
<風使い>をそっと使って、飛ぶのをお手伝いです。
皆様の心に残るようなクリスマスに。思い出を。
コリーン・アスティレーゼ
【奴崎組】
子どもたちに素敵なクリスマスの思い出を……
いいですね、私もお手伝いさせていただきます。
湯上様は人形劇をなさるのですね。
舞台を光らせたりと演出に凝られるのであれば、
舞台装置は私にも手伝わせていただけますか?
普段から技師見習いとして修理屋で働いておりますので、
この手のものは何とかなります。
(光ったり音を出したりの仕掛けを仕込んでいく)
お人形も繕えますよ。(チクチク)
リンドラゴ様の歌に白水様の演奏、聴き入ってしまいます。
ふふ、子どもたちと金刺様、いぬ様が戯れあって、とても楽しそう。
さて、そろそろシュトレンを準備しましょう。
我がアスティレーゼ家伝統の味、お楽しみ下さいませ。
刻逆で世界が変貌してしまっても、それでもクリスマスはやってくる。
クリスマスカラーに彩られた新宿に、クリスマスソングが流れる。
第一次東京奪還戦を勝利した余韻もあいまって、会場へ向かう道にもクリスマスを楽しむ人々の姿が多く見られた。
両手をそれぞれ両親に繋がれて、ぴょんぴょん飛ぶように歩く子どもがとても楽しそうで、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)はその姿をこれから向かう場所にいる子どもたちに重ねずにはいられない。
「新宿島に取り残される……やはり、そうしたこどもたちもおりますよね……」
ほんのわずかな巡り合わせの差で、あちら側とこちら側に分かたれて。その子たちの目には、幸せなクリスマスの風景はどう映るのだろう。
「今日が子どもたちにとって、素敵なクリスマスの思い出になるといいですね。私もせいいっぱいお手伝いさせていただきます」
コリーン・アスティレーゼ(機械油のお嬢さん・g02715)は、今日のために、いろいろと仕掛けを準備してきている。これが子どもたちを喜ばせる一端となるようにと。
「むん、今日はみなで楽しめるよう。とも、頑張るですよ!」
鞆は胸の前でぎゅっと『いぬ』と名付けたモーラット・コミュを抱きしめた。
「今日はとっておきの子達を連れてきてますし、みんなが手伝ってくれれば、成功間違いなしですよ。みんなでパーティして、楽しくクリスマスしましょう」
心に残る思い出作りを、と言う湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)に、
「そうですね。せっかくのクリスマスですもの。楽しみましょう」
子どもたちも私たちも、と白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)はほほ笑んだ。
会場に入ってしばらくの間子どもたちと触れ合うと、奴崎組の面々はさっそく人形劇の準備に取り掛かった。
アイテムポケットから必要なものを取り出して、まずは舞台づくり。
「子どもは光ったり音が鳴ったりする分かりやすい演出を好みますからね」
コリーンは舞台装置に演出のための仕掛けを施してゆく。普段から技師見習いとして修理屋で働いているから、こういうことはお手の物だ。
「我が歌う位置はここにしよう。ここなら翼を広げても舞台にはかからぬ」
リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は満足そうに位置を確かめているが、リューロボロスの背丈ならもっと近づいても実は大丈夫……なことは、誰も口に出したりしない。
「よし、では椅子を並べるぞ! 鞆も手伝うのだ」
鞆は頷いて椅子並べを手伝おうとした。
――しかしいぬを抱いた鞆は子どもたちに回り込まれてしまった!
「椅子は私が並べますからいいですよ」
妖弓琴を置いて、蛍は舞台の前に椅子を並べていった。
人形劇の準備が整うと、蛍の妖弓琴が明るい曲を奏で、子どもたちを人形劇の舞台へと呼び寄せる。
「それは弓なの?」
不思議そうに妖弓琴を眺める子どもに、楽器がよく見えるように蛍は立つ角度を変えた。
「弓に弦を張った琴です。興味があるなら、舞台のあとでお見せしますよ」
「うん、見せてー」
「ではあとで」
蛍はそう言って、静かな曲へと切り替えた。小刻みに弦を弾いて、子どもたちの期待感を膨らませる。
そして――人形劇の幕が開いた。
ひょこっと小さなトナカイ人形が顔を出すと、それだけで子どもたちから大きな歓声があがる。
「きょうはクリスマス。いそがしくなるぞー!」
雪華が裏声を使ってトナカイを喋らせる。
リューロボロスが翼を広げて歌いだし、蛍が伴奏をつける。
タイミングをあわせてコリーンがスイッチを入れると、舞台がふわっと輝いた。
物語のはじまりだ。
劇の内容は、クリスマスにがんばる人たちのお話。
急いでプレゼントを届けに行きたいのに、トラブル発生。
待っている子のために、トナカイもサンタもがんばって、その様子に子どもたちから応援の声がかけられる。
クライマックスは、トナカイとサンタが空へと飛び出すシーン。
舞台にはきらきらと音を立てて星が輝き、蛍の演奏が物語を盛り上げる。
大団円を迎えると、リューロボロスがクリスマスソングを歌い、子どもたちも合唱した。子どもたちといっしょに身体を揺らす鞆といぬ、いぬに手を伸ばして触っている子もいる。
「ふふ。子どもたちと金刺様、いぬ様が戯れあって、とても楽しそうです」
目を細めるコリーンもまた、クリスマスの楽しさに包まれた。
人形劇が終わると、子どもたちへのプレゼントタイム。
「いろんな色あるので、好きな色を選んでくださいな」
雪華からのプレゼントは、ハンカチと、お揃い柄のランチョンマット。これならいつでも使えるだろうし、使うたびにこのクリスマスのことを思い出してくれるかもしれない。
迷って迷って、この色、と決めた子どもへ、雪華が操るサンタさんとトナカイさんがプレゼントを渡してゆく。
「我からもプレゼントよ」
リューロボロスからは、龍の鱗と龍玉……を模したクッキーと飴をプレゼント。子どもたちは龍玉の色を比べあって、ぱくりと口に入れた。
人形劇で生まれた熱を冷ますように、子どもたちと庭に出る。
「ほう、あのツリーにはまだ星がついておらんのか」
飾りかけのツリーがあるのを見つけ、リューロボロスは任せておけとばかりに飾りを手に取った。
「我こそは龍、我こそはドラゴン! かっこよく飛ぶとなればドラゴンよ!」
今のリューロボロスは幼子といってよい歳だが、龍の翼と尾の迫力をもってすれば、子どもたちを唸らせることなど造作もない。そう信じて力強く飛翔する。
「わぁー! 恰好いい!」
賞賛の声が耳に快い。が、今は耳を傾けるよりも子どもたちを喜ばせるパフォーマンスをするのが先だ。
リューロボロスは大きく羽ばたいて飛び、ツリーに飾りを引っかけてゆく。
「それ!」
一気に上昇してツリーの先に星を飾るのとあわせ、空からふわりと雪が舞い降りた。
口を開けて見上げている子どもたちへ、鞆は手を差し出す。
「みなさま、手をつないでいてくださいませね。どらごんさまのごと、びゅんとはできませぬが……たすけあえば、みなで空を飛ぶことも叶います」
鞆が両手に1人ずつ子どもの手を取って、その子の手を別の子が取って。しっかりとみんなで手を繋いで一列になると、鞆はそっと宙に浮かび上がった。手を繋いでいる子どもたちも、鞆といっしょに浮かび上がる。
「ぱらどくすの体験をぷれぜんと、です!」
ふわりふわふわ。
歩く速度で空中散歩。
子どもたちに強い風が当たらぬようにと、蛍がそっと手助けする。
雪華とリューロボロスが光をまたたかせて、周囲は幻想のように輝く。
最初はこわごわ、しかしすぐに子どもたちは楽しそうに笑い声をあげ始めた。ディアボロスたちに家族の代わりはできないけれど、クリスマスを楽しく過ごすための手伝いはできる。
そしていずれは。
「ともたち、もっとがんばります、ゆえ。みなさまの家族も、とりもどします、ゆえ!」
「うむ。必ず、ぬしらの家族も取り戻す。約束だ!」
鞆とリューロボロスが言うように、子どもたちに家族とのクリスマスが過ごせるような世界を取り戻す。
その日のために、ディアボロスたちは挑み続けるのだ。
「さて、そろそろ冷えてきましたね。シュトレンを準備しますので、お茶にしましょう。我がアスティレーゼ家伝統の味、お楽しみ下さいませ」
コリーンは皆に呼びかけて、一足先に会場へと戻って行った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【壁歩き】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【フィニッシュ】がLV2になった!
姫乃・葵
※即席連携、アドリブお任せ
お話ししよ!
僕お話だいすきだよ!
準備してくれてありがとね
僕からも何かお返ししたいな
みんな食べたいものある?
なんでもいいよ! なんでも言って!
あ、でも甘いお菓子の方が得意です
リクエストを貰ってパラドクス発動
【料理】スキルで瞬時に料理を出してみせる
ちゃんとおいしいよ、食べて食べて!
僕は皆が用意してくれたお料理食べるね
んん、おいしい!
僕たちの方こそ、ありがとね
そんなに気使わなくていいよ
僕もただの子供だし
君たちとはお友達、ね?
あおちゃんって呼んで!
歳のわりに幼い精神年齢を生かして
子供目線で常に笑顔で対応
どんな要望にも無邪気に答える
お歌もいっしょに歌お!
パーティーだもんね!
フィリス・ローラシア
※アドリブok
子供達主催のクリスマスパーティですか。こんな時くらい、暗い話は忘れて明るく笑っていて貰いたいですね。
防寒その他で、ワンピースの内側に下着着用、後はコートを羽織っておきます。子供達の前でだらしない格好は何ですしね。
リュカも連れて行きますが、精霊さん達(出来ればサンタ風にして)も呼び出してみます。良い余興になりそうです。
パーティ中は子供達と話をしてみましょう。聞いてみたい事があれば、答えられそうなら答えるつもりです。
後はケーキも頂いてみましょう、甘い物は好きですから。
希望があれば、リュカや精霊さんと触れ合わせるのも良さそうです。
あ、序でに、精霊さんにお願いして雪も降らせてみましょう。
刻逆が起きてから、多くのことがあった。
嬉しいこともあったし、そうでないことももちろんあった。
新宿に取り残された子どもたちにとっては、嬉しいことよりもそうでないことのほうが多かったかもしれない。
けれどクリスマスを迎えたこんなときくらい、暗い話は忘れて子どもたちには明るく笑っていてほしい。
そんな願いをこめて、フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)はパーティー会場を訪れた。
外は歩く息が白かったけれど、会場の中は暖かで、フィリスは着てきたコートを脱いで、ワンピース姿になった。
会場にはすでに他のディアボロスも訪れ、飾り付けを手伝っていたり、料理を食べていたりと、思い思いに過ごしている。
「クリスマスパーティーへの招待ありがとね」
フィリスとほぼ同時に到着した姫乃・葵(青の純真・g01627)が、元気に子どもたちに挨拶した。
「こんにちは。今日はいっしょに楽しみましょうね」
フィリスも子どもたちに声をかける。
「ディアボロスさん、クリスマスパーティーへようこそ」
子どもたちは丁寧に挨拶を返してくる。ちゃんと手を前で重ねてお辞儀して。誰かに教えられた迎え方なのだろう。
「そんなに気使わなくていいよ」
僕もただの子どもだし、と葵は広げた両手をぱたぱたと振った。
「かしこまらなくてもいいですから、気軽にお話ししてくださいね。よろしければ、リュカとも遊んでください」
フィリスはミニドラゴンの『リュカ』をそっと前に押し出す。
「触っても噛みつかない?」
「ええもちろん。でも、そっと触ってくださいね」
興味を持った子供たちは恐る恐るリュカに手を伸ばし、指先でちょんと触れた。フィリスの顔を見上げてくるので、大丈夫ですよと頷くと、今度はもう少し長く撫でる。
「精霊さんもいますよ。こちらのほうがクリスマスらしいでしょうか」
フィリスが呼び出した精霊が、ふわふわと漂う。
「僕はシロとクロを連れてきてるんだよ」
葵はスフィンクスの『シロ』といつもいっしょの黒猫のぬいぐるみの『クロ』を子どもたちに紹介した。
サーヴァントたちの存在は、子どもたちをなごませたらしい。最初よりずっとほぐれた笑顔で、子どもたちは2人を会場の中にある料理やお菓子の載ったテーブルへと案内してくれた。
「すごいねー。こんなに準備してくれたんだ」
葵はテーブルを見渡すと、料理に手を伸ばした。
「んん、おいしい!」
「よかった。ディアボロスさんはいっぱい美味しいもの食べてるだろうから、この料理でいいのかどうか、心配だったんです」
中学生ぐらいだろうか。しっかりしていそうな女の子がほっとした様子で言う。
「僕も新宿で暮らしてるから、そんなにみんなと違うものは食べてないと思うよ」
「そうなんですか?」
たとえば、と葵が普通の食べ物を例に挙げてみせると、子どもたちはいっしょだーと喜んだ。
「何か知りたいことがあれば聞いてください。答えられることなら答えますよ」
クリスマスケーキを食べながらフィリスが言うと、子どもたちは興味津々で質問をしてきた。
「ディアボロスさんはビルをひとっ飛びできるってほんと?」
みたいな能力に対する質問もあれば、
「ディアボロスさんは、一般人と恋をすることはありますか?」
なんて質問も。
それにフィリスと葵はかわるがわる答えていき、逆に子どもたちにここでの生活のことや、最近の話題などの話を聞いた。
気づけば2人の周りには、子どもたちのにぎやかな輪が出来ていた。
「どうしたらディアボロスさんのお友だちができるかなぁ?」
そんな質問に葵はとびっきりの笑顔で答える。
「もう君たちとはお友だち! ね、あおちゃんって呼んで!」
「あお、ちゃ……」
言いかけて、女の子がきゃあっと笑い崩れ、周りの子は照れて真っ赤な女の子をつついた。
一緒に話して、歌って。
たわいない時間がなにより楽しくて、貴くて。
そんな2021年のクリスマス――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
相原・相真
アドリブ・連携歓迎
【ヨアケ】の方たちと一緒に参加します
…やっぱり、こういう子たちもいるんですよね
だったら、俺も何かできることをしてあげたいな
小さい子たちに対して他のディヴィジョンについて話をしてみます
きつい話に聞こえないように、
「しゃべる植物や空を飛ぶ竜が本当にいる世界」や
「昔話のような鬼や妖怪が出てきて人を困らせてる世界」みたいに話したら面白いかな?
(普段無表情だけど、ちょっとだけ笑顔になって)
ここに来てくれた人の他にもたくさんの人が色んな場所に行って頑張っているんだよ。だから大丈夫。
まだ少し時間はかかるけど、きっと取り戻すよ、みんなの家や家族も。
神山・刹那
【ヨアケ】
子供だけでか
逞しいもんだな。俺の子供の頃の記憶なんて思い出したくもないものばっかだが
それでも、絶望に沈まなかったのは、あねきが生きててくれたおかげなんだよな
さて、こういうところで料理を作るのは無粋だな
精一杯のおもてなしを、楽しませてもらおう
子供たちが用意した料理(主に肉料理)を食べる
体の大きさから怖がられがちだが、値は優しくて力持ち
子供たちを肩車したりして何人まで一度に背負えるかしたりしてみる(危険だと思ったらやらず一人ずつ順番に肩車する)
黒城・廉也
【ヨアケ】
アドリブ連携歓迎
凄い色々用意してくれてるッス…(かがんで子供の目線に立ち)ありがとうッス!俺、凄い嬉しいッスよ!
ん?俺の羽が気になるんスか?ふっふっふ…勿論飛べちゃうッス!
桜さん、調月さんにトバリさんもサキュバス仲間だから飛べるッスよ!
高い所の飾りつけ、抱えて飛んであげるッス!
飾り終わったら乾杯!作ってくれたケーキやお菓子を食べてお話して…とっても楽しいクリスマス!俺、初めてのクリスマスをこんな風に子供たちやヨアケの皆と過ごせて凄い…うん、暖かい気持ちッス。
(人鳥さんの様子…っと、俺よりも適任がいるッスね。…よし)
皆今日は本当にありがとうッス!現役アイドルの俺から歌の一曲でも…
桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎。
【ヨアケ】で参加
子供って可愛いわよね
皆で乾杯した後は子どもたちの用意した料理を食べながら子供たちと話す。
「お菓子やケーキは手作りなのね。頑張ったのねありがとう♪」と子供たち1人1人を褒める。
小さい子たちを中心に折り紙を使いながらヨアケの面々のモチーフなどを模したものを折り紙で一緒に教えながら折っていく。(人鳥ならペンギン、アオイなら音符など)
完成したら子供たちと一緒に周り渡し渡した子1人1人の頭を撫でる
廉也に野映も私と同じサキュバスだから飛べるわよと危なくない程度に【飛翔】を使い1人ずつ抱えて飛んであげる。星の幻覚を降らせたら綺麗かしら?
復讐者として覚醒しない事を願いながら
天夜・理星
もうクリスマスか。はっや。
子供たちがはしゃぐ姿、見ててほんと楽しいよね。
…あれだけのことがあったのに、
記憶は一遍も戻らないばかりかさらに薄まった…
でも、子供たちを笑顔にする為だ、今はちゃんと、…何を、
いっけね、【ヨアケ】のみんなもちゃんといるわ。
アタシなら…そうだね、やっぱ演説っつか、お話か。
今と未来のお話だ。復讐者がどんなにかっこいいか、この先どんな世界が戻ってくるか、友達催眠と士気高揚で簡単に分かりやすく教えよう。
未来展望ならきっとお話も楽しくなるよね? ほら、みんなも楽しいことしてくれてる。
…アタシも、将来新宿に国作るって未来図、考えてるし。
ね? わくわくするよね。
未来を楽しく語らおう…
調月・野映
【ヨアケ】
ここの子ども達は親や家族が不明なのか
胸がきゅっとなってしまうな
しかしそんな子どもは刻逆のせいでここにいる以外にも……
今はここにいる子ども達を精一杯褒めたい
これみんなで用意してくれたのか?
偉いな!その団結力素晴らしい
きっとみんないい子なんだろう
お兄さん胸が熱くなってしまうぞ
お、みんなサキュバスの翼に興味あるのか
俺も飛べるぞ(ひらひらと翼を持ち)
姫恋くんの折り紙かわいいし
栄一くんの紙芝居もいいな
あとはリアライズペイントで描いた
小さくデフォルメされたサンタやトナカイや踊る雪だるまをふわっと実体化させて浮かばせよう
その実体化させたサンタ達にツリーの飾り付けの仕上げ頼んだりしてもいいかもな
ゼット・ノアール
「…人民を守る戦士、サイボーグゼットだ」
【ヨアケ】の皆と
家族と離れ離れになってしまった子供達か…
サイボーグであるし、ゼットエイビスに花火でもつけて
大袈裟に空を旋回してから登場してみるか…
俺は見た目的にはメカメカしくはないが
こういうのが好きな子供もいるだろう
飛んでくれる者は他にもいるが、
―――乗ってみるか?
自分にできる事を考えた飾り付けや料理に賞賛を送ろう
ヨアケの皆と乾杯し、子供達と共にお菓子を頂き、じっくりと話を聞こう
この固まった顔では笑う事はないが笑顔を守る事はできる
皆の顔を焼き付け、俺は明日も戦うだけだ
…眉立 その顔は子供達には見せるな(軽く肩パン)
アイネリス、任せた
※アドリブ大歓迎です
眉立・人鳥
アドリブ・絡み歓迎
【ヨアケ】で参加
うお!すげぇじゃん、お前達〜〜
これ皆で準備してくれたのかァ〜〜!
めちゃ豪華じゃねぇか!と笑顔で目線を合わせて身を屈めて
子供達をまとめて抱きしめつつ頭を撫でくり回してやろ
ヨアケの皆や子供達と乾杯
一通り用意して貰った食べ物を楽しみながら話したら
光使いと天魔の魔力を用いて、光の鳥なんか複数羽ばたかせて楽しませてやりてぇな
野乃ちゃんのくーこやアイネちゃんの使い魔と合わせて即興のショーでもしてみるか?歌ってくれ、アオイちゃん
生み出す物は子供達のリクエストなんか聞いてもいい
楽しそうにしてる子供達を見ると、どうしても過去に失った物が重なる……
っと悪い、変な顔してたか?
アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】の皆さんと
正直他人事じゃないんですよね
私も家族誰もいなくなったし
家はあったから施設にいないだけで
だから、楽しみましょう🎵
スゴいですね、こんなに豪華なパーティとは思いませんでした🎵
え、いやいや私もディアボロスですよ!
証拠? ならこれはどうです?
とデュアルを何丁か具現化しますよ
これならモデルガンと同じだし
壊してもいいけど後で回収しますからねー?
人鳥さんすごい子供の扱い上手いですね
野映さんのもキレイだし
おー、歌もみんな上手ですね🎵
うーん、自分より小さい子たちだし可愛いですねぇ
この子たちの為にも日本を、世界を取り戻さないと、ですね
山岡・栄一
【ヨアケ】旅団の仲間と参加
親も友達もいきなり居らんくなって、大人でも参ってんのに子供は余計寂しいやろうなぁ。でも健気に頑張る子ら見てると勇気もらえるわ。
リアライズペイントで動く紙芝居でもやってみようか。題材は何がええかなー。家に来た泥棒を留守番の子供だけで退治するって話はどうかな?ドタバタコメディって分かりやすくて良さげ!楽しんでくれるとええなぁ。
今日の御礼に焼いて来たクッキーあげる。美味三昧砲の効力あるかは分からんけどな、もし泣きそうになった時は今日の事思い出してほしいねん。
挫けそうになった時の敵は自分自身やと思うから皆で励まし合って頑張ろうや。俺らと一緒や、今日から君らも幸福の伝道者やで!
トバリ・ナイトライト
【ヨアケ】
「わぁ……こんなに立派な会場を用意してくれるなんて、本当にありがとうございます」
皆と一緒ににこりと笑って、会場を見渡しましょう。
それにしてもなんだか微笑ましい光景です。
折角なんだから、楽しませていただきましょう。
ツリーのてっぺんにお星さまを付けるのですね?
では、颯爽と翼を広げて、【飛翔】で飾り付けをしちゃいましょう
翼に魔力を溜めて、きらきらと輝かせたらもっと格好良くできますかね?
さらに、【アイテムポケット】からするするとモールを取り出して、壁にかけていったり、スタイリッシュにいきましょう
歌や紙芝居の催しは一緒に手を叩いたりして楽しみます
「彼らの家族、きっと、取り戻してあげましょうね」
アイネリス・レナリィ
【ヨアケ】
アドリブ絡み歓迎
今日は素晴らしいパーティをありがとうございます
一緒に楽しみましょうね
怖がらせないように笑顔多めで接しましょう
【念動力】で小物達を浮かせちょっとしたパレードを
隊列を組んで子供達の間をゆっくり行進
ツリーや仲間たちに目線が向くよう誘導します
触っても構いませんよ
一回りさせたら元の位置へ
ショーですか?良いですとも
【見つめる双眸】ここは黒猫の出番ですね
──おいで
子供達の影から影へ跳び回っておいで
ちょっと小突いたりしてイタズラしちゃいましょう
人懐っこい子ですから遠慮なく遊んであげて下さい
人鳥さん?
(表情の変化を察し子供達の視線を遮るように寄り添う)
誰も見ていませんから、大丈夫ですよ
●
新宿に吹く風が、街路樹の散らした葉をかさかさと巻き上げる。
ぐっと冷え込んだ街を歩く人々の足取りが、いつもより軽やかに感じるのは、今日がクリスマスだからだろうか。
「もうクリスマスか。はっや」
世界が変貌したあの日は夏真っ只中だったのにと、天夜・理星(復讐の王・g02264)は町の風景に目をやった。
去年と変わらぬように見える、けれど確実に違うクリスマスの街。
これから向かう会場にいる子どももまた、去年とは違う境遇に置かれている。
「家族と離れ離れになってしまった子供達か……」
ゼット・ノアール(群青の傭兵・g01952)から漏れた呟きを、相原・相真(人間のガジェッティア・g01549)がやっぱり、と受ける。
「……そういう子もいるんですよね」
当然のことではあるが、実際その境遇にある子と過ごすとなると、その事実を突きつけられる気分になる。
「親も友達もいきなり居らんくなって、大人でも参ってんのに子供は余計寂しいやろうなぁ」
まだまだ親に甘えたい頃だろうに、それを突然断ち切られる。大学生である自分でも、友だちや実家の家族に会いたいと思うのだから、もっと小さな子どもなら尚のことだろうと、山岡・栄一(おのぼりさん・g00962)は刻逆の残酷さを改めて思う。
この世界に親がいない。そう知ったときの衝撃はいかばかりだったろうと考えると、調月・野映(ホリゾンブルー・g00586)の胸に締め付けられるような痛みが走る。だがそれは、これから向かう場所の子どもに限った運命ではない。
「正直他人事じゃないんですよね」
そう言うアオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)とて、13歳にして世界から家族が誰もいなくなってしまった。新宿に家があったからそこで暮らしているけれど、そうでなければ自分も施設で暮らしていたかもしれない。
だからこそ。
今日が子どもたちにとって楽しい日となるように、ヨアケの星の面々は会場へと足を急がせるのだった。
●
庭には飾りかけのツリーたちが並ぶ。
飾りつけが完了している木もあるが、下の方にしか飾りがついていない木もある。中途半端にしか飾りがついていない木は、ディアボロスを迎えるために子どもたちが今も精いっぱい背伸びして飾りつけている。
そこに。
「あれは何だ?」
「大きな鳥さん?」
「飛行機だよ」
空を指さして子どもが騒ぐうち、飛来物はどんどん近づいて。
「人民を守る戦士、サイボーグゼットだ!」
鳥の翼を模した飛行補助ユニットに花火を取り付けたゼットは、火花をまき散らしながら上空を旋回する。
子どもたちの悲鳴のような歓声が、冬の空をつんざいた。
にぎにぎしく登場してツリーの前に降り立ったゼットを、子どもたちが憧れのまなざして見上げてくる。
「乗ってみるか?」
親指をしゃくってゼットエイビスを指すと、あちらからもこちらからも子どもが飛びついてきた。
ゼットが登場シーンを演出し終えたのを見計らって、他のメンバーも庭に入る。
「ゼットくん、大人気だな」
声をかけた野映の翼を、ゼットにしがみつけなかった子どもがじっと凝視する。
「サキュバスの翼に興味あるのか? 俺も飛べるぞ」
「ふっふっふ。俺も勿論飛べちゃうッス!」
黒城・廉也(後輩サキュバス・g02175)は子どもに背を向けて、翼がよく見えるようにした。
新宿島ではディアボロスならば翼の有無によらず誰でも飛ぶことが可能なのだが、子どもたちには翼があるほうが、分かりやすいだろう。
「そう、たとえばこんな風に」
トバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)は子どもが取り付けられず持て余していた星の飾りを受け取ると、颯爽と闇色の翼を広げた。
すぐには星を飾らず、空を高速で飛び回ってから急上昇。翼から小さな閃光を散らしながら急降下すると、ツリーのてっぺんに星を載せた。と、次の瞬間。
きらきらのモールが頂上の星から垂れ下がるように、ツリーにかかる。トバリがアイテムポケットにしのばせておいたものを取り出してかけたのだが、子どもたちには魔法のように見えただろう。
「上から見てみたい? あんな速度は危ないけれど、1人ずつなら抱えて飛んであげられるわよ」
桜・姫恋(苺姫・g03043)はわっとたかってくる子どもたちを、はい順番ね、と手際よく並べると、最初の1人をしっかりと抱えた。
幸い、子どももひしっと姫恋にしがみついてくれている。万が一にも落とすわけにはいかないから、姫恋は慎重に翼でバランスを調整しながらツリーの上へと飛んだ。
「おほしさま……」
「そう。きれいね」
金色の大きな作り物の星を姫恋は子どもといっしょに空中から眺めた。
「よーし、近づくから手を伸ばして枝に引っかけるッスよ」
すぐ隣では、廉也がサンタのオーナメントを持った子どもを抱き上げていた。子どもをぶつけないように枝に近づき、紐を引っかけるのを補助する。
「できた!」
「一度で成功とは、やるッスね。この高さはサンタ人形最高記録ッスよ」
廉也に褒められて、子どもは顔をくしゃくしゃにして笑った。
子どもが嬉しそうにしている姿は、見ていてほんとうに楽しい。そう思いながら上を見上げていた理星は、いつしか自分の物思いへと沈んでゆく。
(「……あれだけのことがあったのに、記憶は一片も戻らないばかりかさらに薄まった……」)
理星が取り戻したいのは、世界だけではない。自分の生きてきた道のりそのものであり、自分が作り自分を作ってきた過去。いつかまた、取り戻せる日は来るのだろうか。
そのまま落ちていきそうな思考を、理星は息を詰めて振り払った。
理星にはヨアケの星の仲間たちがいる。だから、今は子どもたちを笑顔にすることだけを考えよう。きっとその先にこそ、未来はあるのだろうから。
●
ツリーの飾りを完成させて、子どもたちといっしょに暖かな室内へと入る。
壁にはモールやバルーン、折り紙の飾り。テーブルにはささやかな料理と、手作りのお菓子。
案内してきた子どもたちは、喜んでくれるかと不安そうにディアボロスを窺った。
「わぁ……こんなに立派な会場を用意してくれるなんて、本当にありがとうございます」
会場を見渡したトバリが、にこりと笑った。
「うお! すげぇじゃん、お前達〜〜! これ皆で準備してくれたのかァ〜〜!」
眉立・人鳥(鳥好き兄ちゃん・g02854)は手放しで賞賛を叫ぶと、近くにいた子どもたちをまとめて抱きしめた。
「めちゃ豪華じゃねぇか! どんだけ頑張ったんだ? すげぇよ!」
ぐりぐりと頭を撫でくり回すと、子どもたちがきゃっきゃとはしゃいだ声を挙げて身をよじる。もみくちゃのぐしゃぐしゃだが、さっきまでの心配そうなまなざしが嘘のように、子どもたちみんなが思いっきり笑っている。
「これみんなで用意してくれたのか? 料理も? お菓子も? 壁の飾りつけも?」
野映は会場のもの1つ1つに目を留めてゆき、全部に子どもが頷くと、偉いなと感心した。
「その団結力素晴らしい。きっとみんないい子なんだろう。お兄さん胸が熱くなってしまうぞ」
野映の言葉に嘘はない。手作り感満載で、きらびやかなところはないけれど、子どもたちが一生懸命準備してくれたかと思うと、熱いものがこみあげてくる。
子どもだけ残されても逞しいもんだなと、神山・刹那(梟雄・g00162)は褒められてぴょんぴょん跳ねている子どもたちを見た。
刹那の子供の頃の記憶は思い出したくもないものばかりだが、それでも絶望に沈まずに済んだのは、姉が生きていてくれたおかげだ。今もあれやこれやと刹那の面倒を見てくれる姉。その姉がもし刻逆でこの世界から消えていたら……その先は想像もしたくない。
ここの子どもたちはその先にいるのだと思うと、元気で笑っている姿が胸に迫った。
「凄い色々用意してくれたんッスね」
ちまちまと細かいところに絵が描いてあったりで、子どもたちの努力が見える会場を一渡り眺め渡すと、廉也はかがんで子どもと目の高さを合わせた。
「ありがとうッス! 俺、凄い嬉しいッスよ!」
憧れの人に喜んでもらえる喜びに、子どもたちは騒ぎまくりだ。
「もう~。ちゃんとご挨拶教えたのに」
誰も挨拶してない、と女の子が呆れた。この中では最年長だろうか。他の子とくらべて大人びた雰囲気だ。
「みんな浮かれてしまってすみません。ディアボロスの皆さま、ようこそ。ささやかなパーティですが、楽しんでいただけると嬉しいです」
女の子が頭を下げると、思い出したように他の子からも、ようこその声があがる。
「今日は素晴らしいパーティをありがとうございます。一緒に楽しみましょうね」
アイネリス・レナリィ(黒鉄の魔女・g01781)は笑顔を載せて、女の子に挨拶を返した。
●
大騒ぎしていた子どもたちは、少し落ち着くと皆を料理のテーブルへと案内してくれた。アルコールはおいていないから、ジュースをコップに注いで。
「メリークリスマス!」
子どもたちのコップとも触れ合わせ、乾杯する。
「クリスマスに食べる肉はやっぱりチキンがメインなのか」
刹那はチキン、ローストビーフなどの肉料理を中心に、もりもりと食べる。刹那自身、普段は姉に任せてはいるのだが料理はできる。だがここは、もてなされておくのが正解なのだろう。
「鮭もありますね」
トバリはスモークサーモンのカナッペを嬉しそうに口に運んだ。
「制限も多々あるだろうに、その中でこれだけの物を準備するのは素晴らしい」
親とはぐれて初めてのクリスマス。そこにディアボロスを招いてもてなそうという子どもたちの思いが貴く、ゼットはありがたく菓子を口にする。
粉砂糖のかかった丸いクッキーはほろほろと、ゼットの口中でほどけた。
「お菓子やケーキは手作りなのね」
「うん。これはあたしが作ったの」
恥ずかしそうに子どもが指したツリーの形のカップケーキは、一番上にこんぺいとうのお星さま。姫恋は目でも楽しんでから、大切に口に運ぶ。
「頑張ったのねありがとう♪」
ものすごく間近で子どもたちが見ているので、実はちょっと食べづらかったりもするのだが、それを気取らせない笑顔のままアイネリスはジンジャークッキーを食べた。
「いっしょに食べましょう」
せっかくだからとアイネリスが促すと、子どもたちもお菓子をつまむ。見られているよりも、このほうがずっと気分が楽だ。
緊張がとけてきたのか、子どもたちからもディアボロスたちに話しかけてくる。
「ディアボロスさんは、新宿じゃないとこにいけるって、ほんと?」
「ああホントや。良く知っとるな」
栄一が答えるとその子は身を乗り出し、それなら、と言いかけてやめる。
「えっと……どんなとこにいくの?」
「不思議な世界ですよ」
小さな子にとってきつい話にならないよう、相真は言葉を選んでディヴィジョンのことを話した。
「しゃべる植物がいたり、空を飛ぶ竜が本当にいたりする世界とか」
「えー」
「昔話みたいに、鬼や妖怪が出てきて人を困らせてる世界とかもあります」
「えーえーえー」
ディアボロスが言うことだから嘘とは思えない。でもあるとは信じられない世界の話に、子どもたちは顔を見合わせる。
その反応に、確かに変わった世界を訪れているのだと改めて感じられた。
「そういう世界で、ディアボロスは活躍してるんだよ」
理星が言うと、
「騎士みたいに?」
「魔法使いみたいに?」
「桃太郎みたいに?」
子どもたちがイメージを口にする声が幾重にも重なりあった。
「それよりもっと格好いいよ」
理星は友達催眠と士気高揚を使って、子どもたちに熱くディアボロスの活躍を語った。ディアボロスがどんなに恰好良く敵を倒し、困難を乗り越えていっているのか。そしてこの先、どんな世界が戻ってくるのか。
小さい子もいるから、理星はできるだけ簡単に、分かりやすく話すように心がけた。
第一次東京奪還戦があったばかりだから、世界が戻ってくる話は、子どもたちにも実感があるのだろう。
どんな世界が戻ってくるのかと、子どもたち同士でも話しだす。
最初は新宿だけだった。
そこに6区が戻ってくる。
次は一体どこが戻ってきて、そしていつかは家族と会える日が来るのか。
子どもたちの目は、未来への展望に輝いていた。
●
すっかり打ち解けた子どもたちは、ディアボロスへとまとわりついてきた。
よじ登ってくる子どもの1人を肩車し、肩や背中に掴まってくる子どもたちごと、刹那はゆっくりと立ち上がる。
「すごーい、力持ち!」
「暴れるなよ。落ちてもしらないからな」
言いながらも刹那は腕を回し、万が一にも子どもたちを落とさぬように支える。
「いいなー。ぼくもディアボロスさんと遊びたい―」
「私もディアボロスですよ」
「……」
「疑われてるっ?」
じとっと見上げられ、アオイは何か証拠となるものは……と考え、
「ならこれはどうです?」
とバレットボイス・デュアルを見せた。
「かっけー!」
叫ぶ子どもに、はい、とアオイはデュアルを手渡した。この子には絶対に弾丸を発射することができない拳銃だから、モデルガンを渡すのと同じだ。
「バンバンバーン!」
大喜びで銃を構える子どもに、
「壊してもいいけど後で回収しますからねー?」
アオイが注意するが、さてどこまで耳に入っていることやら。子どもは口でバンバン言いながら、床を転がっている。
姫恋は年少の子どもたちといっしょに折り紙。折るのは、ヨアケの星のメンバーをモチーフとした折り紙だ。
「次はここを谷折りしてね。わからない子は手を挙げてー」
折れない子を取りこぼしてしまわないように、一折り一折り確認しては、次へ。
子どもたちの小さな手が、たどたどしく、けれど真剣にカラフルな紙を折ってゆく。
折りあがると姫恋は子どもたちを連れて、ヨアケの星の仲間たちを回った。
「はい、プレゼント」
子どもたちはアオイに音符の形の折り紙を差し出した。
「これはすごい。音符のカーブがきれいに折れてますね。ラーララー♪」
口から音符が飛び出しているように折り紙を構えて、アオイは声を出す。
「アタシにもくれるの? ありがと!」
理星には、剣の形の折り紙を。剣先の部分が上手に折れなくて、何度も折り直した跡がある。恰好良い剣にするんだと、満足いくまで妥協しなかった子どもの力作だ。
「おじ、おにいちゃんには、これ!」
人鳥に渡されたのは、折り紙のペンギンだ。
「今この口は、おじちゃんって言いかけなかったかァ?」
頬をぷにっと軽くつまむと、子どもは大きな口を開けてあははと笑った。
「おじちゃんって呼んでもいいんだぞ。へェー、折り紙で作ったペンギンか。上手く折れてるじゃねぇか。本物のペンギンそっくりだ」
褒められて嬉しそうな子どもの頭を、姫恋は撫でる。どうかこの子が復讐者として覚醒するほどの怒りとは無縁でいられるようにとの、願いをこめて。
「パーティや折り紙の礼をしないとな。即興のショーでもしてみるか?」
子どもたちに何か披露してみせようと、人鳥はディアボロスを呼び集めた。
「ショーですか?」
「そ。アイネちゃんの使い魔と野乃ちゃんのくーこで合わせられるか?」
「良いですとも」
アイネリスは躊躇なく答えた。
「くーこは、へろへろダンスができますよー」
野乃の口にするダンス名は微妙に不安を掻き立てるが、本人はいたって自信ありげなので、まあよしとしておこう。
「リアライズペイントで動く紙芝居でもやってみようか。題材は何がええかなー」
子どもたちが喜んでくれる話はなんだろうと、栄一は考える。子どもが活躍する話で、楽しく笑ってもらえるものがいい。
「折り紙もここに並べていいかしら」
子どもたちの折った折り紙を、姫恋は飾りのように並べた。
簡単に打ち合わせただけの即興ショー。
あとはヨアケの星のメンバーの団結力次第だ。
「歌ってくれ、アオイちゃん」
人鳥に言われたアオイがクリスマスソングを歌うと、子どもたちが何だろうと集まってきた。
『おいで』
アイネリスの影から使い魔の猫が現れる。
「子供達の影から影へ跳び回っておいで」
しなやかに身をくねらせて、黒猫は子どもたちの間へと入っていった。
「くーこ、ダンスですっ」
野乃のクダギツネが、やや危なっかしい足取りで踊る。その粗が目だたぬように、人鳥は光を使ってカバーしてやった。
「さあさお立会い!」
栄一が始めた紙芝居は、クリスマスの日に家に侵入してきた泥棒を、留守番の子供だけで退治する話。
はじめはドキドキ。どうなるんだろうと手には汗。
ちょっとまぬけな泥棒がおたおたドタバタ。それをコメディタッチでいざ成敗。
栄一がさらりと空中に描いた絵が、実体化しては子どもたちを湧かせる。
演じていると、子どもたちの反応がありありと感じられ、栄一のほうも楽しくなってくる。
安心感のある盾に見えるのか、刹那は怖がりな子どもたちにぎゅうぎゅうしがみつかれて、身動きもままならない。窮屈な中で手を伸ばし、子どもの頭を順番にぽんぽんと叩いて、落ち着かせてやる。
「他の世界にもクリスマスはあるの?」
さっき相真がした世界の話を覚えていたのだろう。小声で尋ねてくる子に説明しながら、この子のためにも世界を取り戻さなければと相真は思う。
「なんだか微笑ましい光景ですね」
輪の一番後ろに立って拍手をしながら、トバリは旅団のメンバーと子どもたちの様子を眺めた。普段通りだったり、普段とは違ったり。メンバーの見せるどの面も興味深い。
「クリスマス、楽しいッスね」
新宿で迎えた初めてのクリスマス。それをこんな風に、子どもたちや旅団の皆と過ごせることが楽しくて、温かくて、廉也はそっと胸に手を当てた。
紙芝居が終わると、子どもたちは手が痛くなるほど拍手をしてくれた。
楽しい紙芝居の余韻を残すように、野映は小さくデフォルメされたサンタやトナカイや踊る雪だるまをリアライズペイントで描き、浮かばせる。
それを捕まえようとあげる子どもたちの手が、波のように揺れた。
屈託なく笑う子どもたち。
楽しそうな子どもたちの様子に、人鳥は過去に失ったものをつい重ね見る。
その肩が軽く叩かれた。
「……眉立。その顔は子供達には見せるな」
いつに変わらぬゼットの表情。だが、人鳥を案じていることが伝わってくる。
「っと悪い、変な顔してたか?」
人鳥はつるりと顔を撫でたが、そんなことで憂いの色はぬぐいきれない。
「アイネリス、任せた」
ゼットは人鳥の背を、アイネリスがいるほうへと押しやった。
「人鳥さん?」
アイネリスは子どもたちの視線から人鳥の姿を隠すように寄り添う。
人鳥のことが気にかかるが、ここはアイネリスという適任にまかせておくのが一番だ。そう判断した廉也は、子どもたちの目をひくように、アイドルとしての顔で進み出る。
「皆今日は本当にありがとうッス! 現役アイドルの俺から歌をプレゼントするッスよ。なんと新曲ッス!」
子どもたちの歓声に囲まれて、廉也は歌を披露する。
「……誰も見ていませんから、大丈夫ですよ」
囁くアイネリスのショールが、人鳥の姿をその物思いごと人の目から隠した。
●
楽しい時間もいつかは終わりが来る。
「帰っちゃうの……?」
「うん。世界を取り戻すために頑張ってくる」
寂しそうな子どもに、相真はちょっとだけ笑顔を見せた。
「ここに来てくれた人の他にも、たくさんの人が色んな場所に行って頑張っているんだよ。だから大丈夫。まだ少し時間はかかるけど、きっと取り戻すよ、みんなの家や家族も」
だから、子どもたちにはその日を、笑って待っていてほしい。
「世界を取り戻せるって思うと、わくわくしない?」
理星が未来への希望を話すと、
「桃太郎より恰好いいディアボロスさんが取り戻してくれるんだよね」
子どもはちょっと元気になって答えた。
その表情を、ゼットは胸に焼き付ける。ゼットには子どもたちに笑ってやることは出来ないけれど、笑顔を守ることはできる。
栄一は今日のお礼にと、焼いてきたクッキーを子どもたちに配った。
「もし泣きそうになった時は、今日の事思い出してほしいねん。挫けそうになった時の敵は自分自身やと思うから、皆で励まし合って頑張ろうや」
ディアボロスと違い、一般人であるこの子たちはクロノヴェーダと戦うことはできない。けれど、誰もが自分自身と戦い、勝利することはできる。
「俺らディアボロスと一緒や、今日から君らも幸福の伝道者やで!」
今日のひとときが子どもたちに勇気と力を与えたのなら、今度は子どもたちがそれを周囲に与え、広げていってほしい。
「この子たちの為にも日本を、世界を取り戻さないと、ですね」
「ええ。彼らの家族も、きっと、取り戻してあげましょうね」
アオイの言葉に、トバリも頷く。
――新たな夜明けを取り戻す星となる。
その誓いを新たに、彼らはまた戦う日々へと戻ってゆくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【飛翔】がLV6になった!
【友達催眠】がLV2になった!
【液体錬成】がLV4になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
プターハ・カデューシアス
【河原】の皆様と
久住様お招き有難うございます
子供には怖がられるのでサンタの衣装で参加
顔も隠れますし、少しは子供達も打ち解けてくれる…筈?
これでも、怖い?
幼子に大泣きされ、オロオロしながら仲間にSOS!の目配せ
仲間の活躍で次々笑顔になって行く子供達にほっとします
心強い仲間と来られて、本当に良かった
妙にテンション高めの兎が…え、シャムス様っ!?
サンタよりお礼の贈り物
氷雪使いで
飛翔し冷気の支配者で上空を零下に冷やした上で
青龍を数体召喚
空中を舞わせます
大量の水の青龍を少しずつ水飛沫が舞うよう工夫し
最後に互いにぶつけて壊す事により「雪」を演出できたら
悲しみの傷残る心を
一時でも
この雪が覆えれば良いのですが
ネリリ・ラヴラン
【河原】と一緒。
服装はドレス衣装の方だよ。
良い子のみんな。今日は招いて頂けて、嬉しいわ!
手を振って明るくご挨拶。
うさぎのシャムスさんを連れて子供達の輪に入っていくよ。
元気な子達は、ヘルマニビスさんにお任せ!
わたしは、物静かな子達と一緒に飾りを眺め、これは誰が作ってくれたの?じゃあ、こっちは…。
なんてお話しながら、一人づつ褒めてあげたり、歌詞を教えて貰って一緒にお歌を唄ったりするよ。
プターハさんやラズさんの芸の時は、子供と一緒に並んで眺めて拍手してるね。
お二人共とても芸達者なのね、驚いてしまったわ。
雪だって、みんな。見に行きましょ。
ソードさんの声があったら、揃って眺めに行くわ。
アドリブ歓迎だよ
ソード・エアノルド
【河原】の皆と
子供だけ残されたとは心細いだろう
僕より幼い者が大半だろう?
一人で働く事が多かった僕もふと寂しくなることがあるというのに
彼らのもてなしを全力で受けよう、おそらく一番喜んで貰える
服装は普段着
黒の服に軽鎧、青のマント姿
幻想竜域ではありふれた格好だがここでは珍しく
格好良く見えるらしい
招待感謝する
と傅くポーズを披露
シャムス、その格好は?
声まで変えるのか(困惑)
無表情のため喜びが相手に伝わりにくいと推測している
故に極力言葉にするつもりだ
懸命に作ったであろう料理も飾りも好ましく思う
美味だ、よく出来ていると口にする
ネリリのように上手く言えれば良かったのだが
雪だ
見ろ、綺麗だぞ
子供達に声をかけ見入る
ヘルマニビス・キィーノウイ
【河原】のみなさんと!
祝い事は皆で楽しんでこそです!
もてなしてくださる方々にも最高の思い出を!
シャムスさんもラズさんもプターハさんも仮装を!?
私も何か・・・・・・でもソードさんはいつもの服装でもかっこよく振る舞っていらっしゃる・・・・・・! 私もこのまま勝負です!
あまり変わったことは出来ませんが、元気と体力なら自信があります!
ネリリさんがお話をしてくれているので、活発な子達は私がお相手して差し上げましょう!
肩車をしたり、追いかけっこをしたり、勿論加減はしますよ!
おお! 雪です!
元気な子達を引き連れて雪遊びしたりしたいですね!
寒さ等楽しさの前では気になりません!
ラズロル・ロンド
【河原】の皆と参加
子供達のおもてなしに嬉しくて
最高の笑顔で子供達に戯れにいくよ!
ディアボロスらしい所が見たい?
よろしい、よく見ててね?
バク転をする途中で狐変身
白狐姿で部屋を駆け次の瞬間には
両手を上げて人の姿に
化かしちゃうゾと狐ポーズ
人化、狐化を繰り返しヘルマ君に合せて子供を翻弄してみたり
プターハ君の悪人面に泣く子がいれば
狐ですり寄って気を向けたり
狐でシャムス君の兎頭に乗ったり
容赦なく撫でくり回されるのも耐えよう!
ネリリ君の所に行く頃には尻尾に子供を付けてゼィゼィ言うかも
でも子供達が喜ぶ顔は嬉しい
野乃君の尻尾は無事だろうか?
ソード君の雪の声に見に行こう
初めて見た。綺麗~
でも、寒いので狐姿で丸まる
シャムス・ライラ
【河原】の皆さんと
子ども達の心根が嬉しい
諜報員の私が、一般人の前に素顔を!?
…着ぐるみにしましょう、うん
兎の着ぐるみで参加
想像していたディアボロスと違う?
いやこれ(素顔をさらすのが苦手な私の為の)防具なので!
(以下、裏声でフレンドリーに子ども達とお話)
ディアボロスにもいろんな人がいるんだぴょん!
お歌を歌って聞かせてくれるぴょん?
わぁ、とっても上手だぴょん!
困惑顔のソード殿とプターハ殿にサムズアップ
白狐と戯れつつ
ネリリ殿、ヘルマニビス殿も楽しそうで何より
皆さん、芸達者ですね
皆が雪に気を取られた隙に
素早く天井の雨漏りと、戸の立て付け等を素早く修繕
寒くないように
そして願わくばその笑顔をいつまでも
「久住様お招き有難うございます」
会場を訪れたプターハ・カデューシアス(エジプトの龍人・g03560)は、出迎えた野乃に丁寧に頭を下げた。
まとう衣装は赤と白のサンタクロース。あごにはふさふさの付けひげをして。
子どもに怖がられないようにと考えた、クリスマスの訪問としては満点の衣装……ではあるけれど。
ワイルドな見た目を隠すため深めにかぶったサンタ帽。そこから飛び出す龍の角。そして銀のうろこに覆われた龍の尾がどーん。
「ようこそです」
野乃はにこにことプターハを迎え入れると、子どもたちを振り返った。
「みんなー、サンタさんの来襲ですよー」
「らい、しゅう……?」
呼びかけに応えてやってきた子は、なぜか距離を取った扇形となってプターハを見上げる。
「ふぇっ……」
ひとりの子どもがしゃくりあげようとした。誰かひとりが泣いたら、連鎖的に子どもたちが泣き出しかねない。
「これでも、怖いですか?」
付けひげと帽子の隙間を片手で覆うと、プターハは一緒に来た仲間たちにSOSの目配せを投げた。
視線を受けたラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は、するりと狐に姿を変えると、しゃくりあげようとしている子どもにすり寄った。温かい毛皮の感触に、子どもは泣くのを忘れて狐に目を奪われる。
そこに。
ぴょんと登場したのはウサギの着ぐるみ。
「今日はお招きありがとぴょん!」
着ぐるみショーに登場するような裏声で挨拶すると、ウサギは子どもたちに向かって手を振った。この声……裏声なので分かりにくいが、どこかで……。
「え、シャムス様っ!?」
まさかとプターハが名を呼ぶと、ウサギ――シャムス・ライラ(極夜・g04075)はぐっとサムズアップした。
「諜報員たる私が、一般人の前に素顔をさらすわけにもいきませんから」
もっともらしく小声で説明するシャムスだが、それがどんぐりまなこの着ぐるみから発せられると、説得力も何もない。
「声まで変えるのか……」
困惑顔のソード・エアノルド(破滅の剣・g05544)に、それはもちろんとシャムスは頷く。
「これでいつもの声を出すほうが、違和感があるでしょう」
「道理だな」
それだけでソードは納得した。
「クリスマスには着ぐるみの仮装をすべきでしたか! 私も何か……」
ヘルマニビス・キィーノウイ(彷徨い歩く王墓・g01899)は探したが、身にまとえそうなものは、王の寝所ぐらい。だがその中に我が身を納めることなど出来かねる。
あたふたしているヘルマニビスの背後から、ソードがさっと進み出た。
黒の服に軽鎧、青のマントというソードの姿は、幻想竜域ではありふれた格好で普段着のようなものだ。だが、
「招待感謝する」
マントを翻して傅くと、子どもたちの間から感嘆のため息が漏れた。
「良い子のみんな。今日は招いて頂けて、嬉しいわ!」
手を振って明るく挨拶するネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)も、華やかなドレス姿が、着ぐるみは着ていない。
「よし、私も私もこのまま勝負です!」
洒落たストリートファッションを身に着けたヘルマニビスが、メリークリスマスと挨拶すると、子どもたちからも元気な同じ返事がかえってきた。
●
壁を飾る手作りのペーパークラフトやモール。
ネリリは着ぐるみウサギの手を引きながら、子どもたちといっしょに飾りを見て行った。
もともとは殺風景な広間を、少しでもパーティらしくしようと飾り付けた子どもたちの苦心の跡が見える。
「この飾りは誰が作ってくれたの?」
切り紙細工の雪の結晶をネリリが指さすと、小さな男の子がちょっとだけ手を挙げた。折り紙を折ったものを切って結晶の形にして、開いたのだろう。上手とはいえないが、ちまちまと何か所にもハサミが入っていて、手がかかっている。
「ゆき……」
「そうね。こんな雪が空から降ってくると思うと素敵だわ」
ネリリが褒めると、男の子は恥ずかしがってうつむいた。
「このサンタさんも可愛いわ。これは誰が作ってくれたのかしら?」
どの飾りも誰かがこの日のために作ったものだから、ひとつひとつ丁寧に見て、尋ねて。ネリリが子どもに話を聞いている間に、別の子がシャムスの着ぐるみをぺたぺたと触りまくる。
「どうして着ぐるみ着てるの?」
「これは防具だぴょん」
素顔を晒さないための防具、とするならば、かなり防御力は高い。
「中に入ってるの、ほんとにディアボロスさん?」
「もちろんだぴょん。ディアボロスにもいろんな人がいるんだぴょん!」
「そうなの?」
「むしろディアボロスだからこそなのかもしれま……ぴょんっ」
素で答えそうになったのを、シャムスは身振りつきのジャンプでごまかした。
おとなしい子どもたちを連れてネリリとシャムスが話をしてくれているので、ヘルマニビスは活発な子どもの相手を引き受けることにした。
「肩車をしましょうか」
ヘルマニビスが腰を落とすと、子どもたちはじゃんけんをして順番を決めた。そのあたりスムーズなのは、普段から何かを決める際にじゃんけんをしているから。施設で集団生活をするにあたって、子どもなりに定めたルールだ。
肩車をして立ち上がり、会場を回る。いつもと違う高い視点に、子どもは興奮してヘルマニビスの肩の上で身体をゆすった。
会場を行き来する子どもたちは、誰もがソードよりも幼く見えた。屈託ない彼らの言動によって、より年下に見えていることもあるのかもしれない。
子どもだけで新宿島に残されたとはさぞ心細いだろう。ひとりで働くことが多かったソードでも、ふとした拍子に寂しくなることがある。親と共に過ごす時間が多かった子どもにとってはなおさらだろう。
「騎士様、お菓子食べますか?」
小学校高学年ぐらいの子が、お菓子を盛り合わせた皿を差し出してくる。
「騎士ではないが、いただこう」
認められなかった自分が騎士と名乗ることはできないが、子どもたちからのもてなしは全力で受けよう。もてなす側としては、それが一番嬉しいことだろうから。
ツリーのカップケーキに、スノーボールクッキーを重ねた雪だるま。ベルの形のジンジャークッキー。上手くできたものを選んで載せてきたのだろう。どれも形が良い。
「美味だ、よく出来ている」
表情に出ない分、極力言葉にしようとしても、ソードから出てくるのはそれくらいが限度。もてなしをとても好ましく思っていることを、どう伝えれば良いのだろう。
子どもに肩を寄せるようにして語らっているネリリを、ソードは横目で見る。あのように上手く言えれば良かったのだが。あるいは、いかにも嬉しそうに子どもたちの中に立ち交じっているヘルマニビスのように、楽しんでいることを明らかにできたのなら。
そんなソードの歯がゆい思いと裏腹に、お菓子を褒められた子どもは友だちにつつかれながら、ゆるむ口元を押さえていた。
●
「それっ」
ラズロルが見事なバク転を決める。
身体が回転し終えたあと、動きをなぞるように尻尾がふさり……と見たときには、ラズロルの姿はすでに白狐と化している。
そのまましなやかに会場を駆け、くるりと回ったと思いきや、今度は人の姿に戻って両手をあげる。
「化かしちゃうゾ」
手首を丸めて狐ポーズを取ると、きゃあ、と子どもたちが笑った。
「もーいっかい! もーいっかい!」
「よろしい、よく見ててね?」
人から狐に、狐から人に。
「狐です。追いかけましょう!」
ヘルマニビスに指されて、ラズロルはまた狐になって子どもたちから逃げる。
「そっちに回り込んで追い詰めるのです! 捕まえたら、撫でくり回しの刑に処しましょう!」
「え? 本格的にキツネ狩り?」
ヘルマニビスの的確な指示で追い詰めにかかる子どもたちは結構強敵だ。
「とても芸達者なのね」
鮮やかな狐変身に感心して見物しているネリリのもとへとラズロルは走り、エアライドで軽々とジャンプ。着ぐるみシャムスのウサギ頭に着地した。
「たーすーけーてー」
「尻尾で前が見えないから無理だぴょん」
「そもそもシャムス君はどこから前を見てるんだい?」
「それは重要機密なので……」
「なんで機密……わぁ」
追いついた子どもにたかられて、ラズロルはシャムスの頭からずり落ちた。すかさず子どもたちが狐ラズロルを取り囲み、撫でくり回す。
「尻尾が……擦り切れるぅ」
やっと解放されると、ラズロルはゼィゼィ息を切らして、プターハのもとへと逃げ込んだ。
「ラズロル様、お疲れ様です」
プターハが供えられている食べ物を取り分けて、ラズロルの前に置いた――供え?
「なんだか崇められているようです」
邪魔にならないようにと会場の隅で立っているうちに、テーブルが置かれ、飲食物が載せられた。そこまでは、立っているプターハへの配慮であったのだろうが、面白がった子どもたちが、花や謎の像を飾りだし、捧げ持ったお菓子を供え始めた。
「だからここは安全地帯です。少し休憩していかれるとよろしいでしょう」
「じゃ、お言葉に甘えて」
乱れた尻尾の流れを整えながら、ラズロルはすぐ近くの壁際でにこにこと会場を眺めている野乃を見やった。
「野乃君の尻尾は無事?」
「はい。きっとみんな、見飽きてしまってるんだと思います。野乃、ちょっと前までここにいましたから」
親とはぐれたわけではないけれど、新宿に慣れるまではここで暮らした。自分の身の回りのことは出来るから今は一人で暮らしているが、ここには未だによく顔を出している。
「野乃の尻尾だって、負けないくらい魅力的ですよー」
六尾をほらほらと野乃は揺らしてみせたが、子どもたちの目には全く留まらないのだった。
●
庭に出ると、きりりと冷えた風が覆われていない目元を撫でた。
「散歩か?」
プターハが外に出るのに気づいて追ってきたソードが尋ねる。
「子どもたちに何かお礼が出来ないかと思いまして」
ただでさえ寒い冬の外気。飛翔したプターハは冷気の支配者を使って、一層温度を低下させる。
パラドクスで呼び出した聖なる清流は、青龍の形を取って空中を泳ぎ、水飛沫をまき散らす。
「うまく行きますかどうか」
氷雪を操って降らせるのは、空からの白い贈り物。
ふわふわ舞い降りる雪を見ると、ソードはすぐに会場へと取って返し、庭への扉をあけ放った。
「雪だ。見ろ、綺麗だぞ」
「雪?」
子どもたちが扉へと駆けてくる。
「雪だって、みんな。見に行きましょ」
ネリリはおとなしい子どもたちを誘って、外へと促した。
それを追い抜く勢いでヘルマニビスは外に飛び出し、空を仰ぎ見る。
「おお! 雪です! みんなで遊びましょう!」
大人ならば寒くなるかと首をすくめたくもなる雪も、子どもにとってはイベントでありおもちゃでもある。ヘルマニビスに続けとばかりに、元気な子どもたちは庭へと飛び出す。寒さと楽しさなら当然、後者が勝ち。
ひらひら落ちる雪をいくつ捕まえられるか、誰が一番大きな雪片をキャッチできるか、競争が始まる。
「これが雪か。綺麗だね~」
初めて見る雪にラズロルは目を奪われた。が、鼻先に留まった雪の冷たさに、慌てて狐姿になって、尻尾でくるっと身を包んだ。
雪の歌を歌う子どもから歌詞を教えてもらって、ネリリが歌う。
「わぁ、お歌とっても上手だぴょん!」
このパーティの間に、ぐんぐん着ぐるみの仕草がさまになってきているシャムスが、音の鳴らないふかふかの手を打ち合わせ、拍手を贈った。
そんな賑やかな雪遊びに皆が気を取られている間に、ソードは施設を回り、天井にシミを作りかけていた雨漏りと、蝶番が緩んでひずみが出かけていた扉の建付けを素早く修繕した。
子どもたちが寒くないように。寒さは寂しさと似ているから。
プターハの降らせた雪に呼ばれたのか。
クリスマスの空から、間断なく天花が降る。
悲しみの傷を白く埋め、その上に笑顔を咲かせよう。
ディアボロスが必ず春を呼び戻す、その日まで。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【狐変身】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV8になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
天夜・理星
…そういや、あったんだっけクライマックス。
ちょっとアタシにお礼言わせてよ。
アタシたち復讐者が、このようなパーティに立ち会えて本当に嬉しかったことを伝えるよ。
だってアタシもそうだもん!
こんな風に準備もいっぱいしてくれて、あったかい気持ちを貰った!
それだけでアタシは…本当に、
…ああ、貰ってばっかりで、悪いね。
王様からもプレゼントをしよう。
刻源……解明。
実際にパラドクスを使い、新たな可能性を分けてあげよう。
あったかい気持ちも一緒に。
これでもっと、喜んでくれるといいな。
…誰かが言った。
新たな夜明けを取り戻す星となる。
そうしてこの世界が輝く。
マジで楽しみにしててよ。
この世界は必ず。
アタシたちが取り戻す!
刀匠其之他一切不明・刻切陽丸
アドリブ・連携歓迎
そろそろお開きか、はしゃいでお眠な子もいるだろうしそういう子を見つけたら寝床まで運んでいこう
子どもはよく眠ることも仕事のうちだしね
そんなことを続けて皆が寝静まったのを確認したら……サンタの真似事でも始めようか
【口福の伝道者】を使って年末年始を過ごすためのごちそうを用意して食卓に並べておこう
俺の生まれた国じゃあ降誕祭ってのは一日で終わるものじゃなからね、本場の気分ってのを味わってもらおう
それにまあ、久しぶりに楽しませてもらったからね。こちらもお返ししなきゃ無作法ってもんだ
メリークリスマス&ハッピーニューイヤー
せいぜい楽しんで、健やかに育つといいさ
楽しい時間はすぐに過ぎる。
クリスマスパーティーの時間もあとわずか。
名残惜しそうにディアボロスにまとわりついている子もいれば、テーブルの上の皿をてきぱきと片付け始めている子もいる。
走り回って遊んでいた子は、壁際の椅子でうつらうつらし始めていたり。
「はしゃいでお眠か」
すっかり寝入ってしまった子を見つけると、刀匠其之他一切不明・刻切陽丸(かざすその名に決意を込めて・g01258)は起こさないように抱きかかえた。自分と変わらないぐらいの身長の子どもだが、ディアボロスである刻切陽丸にとっては運ぶのに何の苦もない。
「この子の部屋はどこだ?」
「ありがとうございます。こっちです」
ひんやりとした廊下を案内されて着いた部屋に、刻切陽丸は子どもをそっと寝かせ、ふとんをかけてやった。子どもは眠ることも仕事のうち。じゅうぶんに遊んで、いろんなことを学んで、ぐっすり眠る。世界が変貌しても、子どもに必要なことは変わらない。
刻切陽丸が会場へと戻ると、野乃が近づいてきて頭を下げた。
「今日はありがとうございましたっ」
「いや、久しぶりに楽しませてもらったよ」
クロノヴェーダと戦う日々の中で、新宿島で暮らす子どもたちと過ごせたクリスマスは、ほっと一息つける時間だった。
「パーティーに来てくださって、ほんとうにありがとうございました。ちゃんとおもてなし出来てましたか?」
大人びた雰囲気の女の子はディアボロスたちに礼を言ったあと、心配そうに尋ねてきた。
「出来てた出来てた。アタシたち復讐者、このパーティーに立ち会えて本当に嬉しかったと思ってるよ。だってアタシもそうだもん!」
天夜・理星(復讐の王・g02264)は断言して、会場をぐるりと見渡した。
「こんな風に準備もいっぱいしてくれて」
ささやかだけれど、心づくしのクリスマスパーティー。
会場いっぱいの飾りつけも、精一杯そろえた料理やお菓子も嬉しかったけれど、なによりも。
「あったかい気持ちを貰った!」
子どもたちが笑っていて。
ディアボロスをきらきらした目で見つめて。
未来を信じていてくれる。
そのことが何よりのもてなしだ。
「……ああ、貰ってばっかりで、悪いね」
王様からもプレゼントをしよう、と理星は胸に手を当てた。
……誰かが言った。
新たな夜明けを取り戻す星となる。
そうしてこの世界が輝く、と。
『刻源……解明』
心に満ちる感情の波を一度逆流させ、アップデートする。『仲間を、この世界を救いたい』との想いをこめて。それを光として放出する。そのパラドクスは、敵から可能性を奪い、自分たちにとっての可能性を増やす、理星の創造の復讐だ。
「マジで楽しみにしててよ。この世界は必ず――アタシたちが取り戻す!」
理星の言葉に呑まれたように子どもたちは静まり返り、次の瞬間拍手が湧き上がった。
小さな手が懸命に鳴らすその音を聞きながら、理星は誓う。
いつかこの音をすべての世界に満たすと。
●
クリスマスパーティーが終わった施設。殺風景な食堂で、刻切陽丸は1人分のご馳走を前にして座った。
「俺の生まれた国じゃあ降誕祭ってのは1日で終わるものじゃなからね、本場の気分ってのを味わってもらおう」
クリスマスパーティーは楽しかったから、そのお返しを。
サンタクロースは子どもたちが寝静まった夜に訪れるものだから。
刻切陽丸が食事をすると、食堂中に同じご馳走が出現する。明日もあさってもパーティができそうなくらいに。
「せいぜい楽しんで、健やかに育つといいさ。――メリークリスマス&ハッピーニューイヤー!」
新宿島のクリスマス。
すべての子どもたちに。
そしてディアボロスにも、幸せの魔法を――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【モブオーラ】がLV3になった!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【フィニッシュ】がLV3(最大)になった!