リプレイ
アマネ・モルゲンシュバルツ
【アドリブOK】
誘拐作戦を利用させてもらうとするか。
条件が健康な男女だって言うなら…まぁあたしは条件を満たしてるかな。
それにあたしって美少女なわけだし…ついでに奴らへの憎しみを忘れないように服もボロだしね。
「うー…めし…腹減って…しにそう…」
とりあえず物乞いのフリをしてあっちこっち回ってたら目をつけられるんじゃないかな。
その中で配給のウワサが聞けたら早速突入。
食事に睡眠薬が入ってるみたいだけど
周りの人間の分までガンガン食べてやろうかしら。
その後は寝たふりをしてトラックに運ばれる…
で、あたりの景色も注意深く眠ったフリして確認しておこうかな。
アンジェリカ・フォーゲル
そう。この国はこういうことがありふれてるところだったもの……。
……でも。これから減らしていくの。
今も前も、私の力が役に立つなら……!
■目標
「煉獄の邸宅」へ連れて行ってもらう。
そのために、ちゃんと運んでもらわないと。
■行動
私とニクセ(オラトリオ)で貧民街を進むよ。
12歳(私)と10歳(ニクセ)なら姉妹に見えるかも。
私はともかくニクセは綺麗な子よ。
……嫌な言い方だけど、「世間に放り出されたお嬢様」みたいなやりやすい相手に見えるかも。
私は私で【モブオーラ】を使って無害そうにするね。
「食べ物……お腹すいた……」
ううん、半分くらい素かも。お腹すいた……。
■その他
アドリブ歓迎。こっちの初仕事。頑張るよ。
草薙・美珠
「弱き人々を無理やり拉致しようなど、許すことはできません」
一般人の代わりに誘拐される囮役を買って出ましょう。
これも、クロノヴェーダと戦う退魔師としての使命です。
「……って、本当にこの格好で行かないといけないのでしょうか」
神社の祭神である神様から指示されたのは、普段の巫女装束ではなく、裾の短いスカートと胸元が大きく開いたシャツという服装です。(なお、胸はない)
この格好なら、囮として成功間違いなし、というのは本当でしょうか?
とにかく、一般人のふりをして貧民街を歩き回りましょう。
ならず者が出てきたら、素直に言うことを聞きます。
たとえ、どんなことを指示されても、決して逆らわずに従います。
アドリブ歓迎
長尾・七瀬
特に偽装はせず炊き出しの場に潜入(素が拉致対象)
食事を見つけたら、良い匂いに誘われたかのように接近、躓いたフリをして転倒、お鍋を倒すよ
※警戒が強ければパラドクス併用
(空腹を満たせなくて、ごめんなさい……)
内心は沈痛ですが、食事がなければ集まった人は解散するんじゃないかな?
私はお詫びとして片付けを手伝うと言い、一人残ります
捕まりさえすれば施設の場所は特定できるけど、攫われる人は少ない方が良いよね
その後は男達に鬱憤を晴らすべく欲望をぶつけられ、廃墟で、トラックで、休みなく身体を弄ばれ辱められ、泣き叫びながら拉致されます
(想定外の事態で、羞恥で弱弱しい抵抗しかできません)
・アドリブ歓迎
・ギャグ調NG
「……いい匂い」
オラトリオ『ニクセ』を連れたアンジェリカ・フォーゲル(サイボーグのレジスタンス諜報員・g01967)は、親切な口調の三人組に連れられ……廃墟となった元教会に到着していた。
「さあ、こっちだ。はらぺこそうなのは見てわかる。アンジェリカとか言ったな。そっちは? ……ニクセ? いい名前だ」
ナル……と名乗ったやせぎすの男が、アンジェリカとニクセに、『さあ、中へ』と促す。内部には、アイントプフ……粗末な煮込みスープの匂いが漂うが、同時に……、別の臭いも漂っていた。
わずかだが、『死臭』めいた、おぞましい何かの匂い……否、『臭い』が。
「おや、これはこれは。可愛い姉妹といったところね。大丈夫、もう心配はいらないわよ。あたいはヘクセ、あんたたちを助けてあげようじゃないか」
彼女は微笑みを浮かべつつ、鍋をかき回した。しかしその様子は、まるで……『罠に獲物がかかった』と、喜んでいる魔女にも見えた。
そして、
「うー、……めし……腹減って、……死にそう……」
アンジェリカたちに続き、アマネ・モルゲンシュバルツ(サイボーグのデストロイヤー・g00313)が、ずんぐりした体型の男に連れられてやってきた。
「トリンカーか? そっちは?」
「ああ、ヘクセ姉貴。この子も物乞いらしいです。飢え死にしそうなもんだから、連れてきやした」
ヘクセはアマネを一瞥すると、トレイを差し出した。
「ほう……こちらもなかなかの器量さね。さあ、お腹空いてるなら」
「いただきます!」
そのトレイを奪い取るように受け取り、がつがつと口に放り込み始めるアマネ。
「お、おいおい。食うんならせめて、こっちのテーブルに座ってから喰え……」
と、トリンカーに引っ張られていった。
「……ま、いいさ。たっぷり食べるといい。ほあ、あんたたちも」
と、にやりと笑みを浮かべたヘクセは、アンジェリカとニクセにもスープとパンを差し出した。
それらを受け取り、二人してテーブルに着くと。少しづつ口にし始める。
「…………」
アンジェリカとニクセを横目に見つつ、アマネはがつがつ食べ……三人を見た。
物乞いのふりをしてあちこち回っていたら、別の物乞いから配給の噂を聞いた。なのでそっちに行ってみたら、あのトリンカーという男が声をかけてきた。かくして、こうやって潜入できた次第。
あとは……このスープを口にして、わざと眠り、運ばれていけばいい。
そう思いつつ、次に目前のスープに注目する。
口にしているこのスープ……アイントプフ。正直なところ、美味いとは言えない代物。おそらく、店から腐りかけの野菜やソーセージ、レンズ豆などをただ同然でもらってきて、それを適当に切って煮ただけの代物だろう。薄い味付けで、ソーセージの量も少なく、入っているポテトでかろうじてかさ増しされているようなものだ。
皿の端から、小さな虫が這い出て、どこかに消えていったが、アマネはつとめてそれを無視した。
「……これは……」
アンジェリカは、パンを手に取り、ちぎって噛んだ。パンもまた、干からびて、硬い。においを嗅ぐと、かび臭さが漂う。チーズのそれと異なる、生ごみから漂うそれが。
これは『料理』などではない。腹を満たすためだけの『餌』だと、アンジェリカは感じていた。
そして、アマネとアンジェリカの皿の中身が、半分ほどに減ったころ。
「あ、あの……」
「おや……ほう、黒髪に黒い瞳とは、これまた美しいお嬢さんじゃないかい。あんたも困っているのか?」
「は、はいっ」
ヘクセは、入り込んできた数名、その先頭に立つ美少女へと言葉をかけていた。
「く、草薙・美珠(退魔巫女・g03980)と申します。よろしくお願いします……ひゃっ!」
美珠の後ろには、下卑た顔のナルとトリンカーが。
「へっへっへ、この可愛い嬢ちゃんが困ってるようだったからよ」
「だから、おれたちがここへ案内してやったのさ……ほら、まずは食いな」
二人は、美珠を案内するふりをしつつ、そのお尻や太腿に手をやり、撫でまわしていた。
「……くっ」
巫女である美珠は、今回の依頼に際し、祭神から指示を受けていた。
裾の短いスカートと、胸元が大きく開いたシャツ。といっても、自分の胸は豊かとは言えない大きさ。
この姿で貧民街を歩いていたら、この二人に誘われた。祭神の言った通り、囮の役割は果たせたが……、
「…………」
「ん? どうした? なにをにらんでる?」
「おいおい。お嬢さん、おれたちは何か睨まれるような事、してるかな?」
「……い、いえ。別に……」
こちらが逆らわない、逆らえないのをいいことに、二人は下卑た笑みを浮かべている。ここは耐えねば。
だが、美珠のその想いは、
「きゃあっ」
躓いた……ふりをした少女により、中断された。
長尾・七瀬(彷徨の少女・g03625)。美珠と異なり、豊かな胸と体つきの少女は……ふらつきつつ転倒、鍋をひっくり返してしまったのだ。
「なっ……おい! あんた、何するんだい!」
ヘクセが思わず声を上げると、
「ご、ごめんなさい……」
弱気な口調で、うつむいた。
「ああっ、せっかく用意したアイントプフが無くなっちまった! どうしてくれるんだい!」
七瀬のその行動に、後ろに居た何人かの貧民たちは、
『せっかく飯にありつけると思ったのに』『何てことしてくれたんだ』『てめえが飢え死にしやがれ』
彼ら彼女らから、呪詛の言葉を浴びせられるのを知った。
「す、すみません。お詫びに、片づけを手伝います……」
近寄る七瀬だったが、
「いらないよ! 引っ込んでな!」
ヘクセからも、きつい言葉が浴びせられる。
「……ほら、見りゃわかるだろ! 今日の配給は終わりだ!」
「……欲しけりゃ、こっちの固くなったパンを持って行きやがれ。それを取ったら、とっとと消えろ!」
ナルとトリンカーが怒鳴り、パンが入った籠を投げつける。
その中身を拾い、集まった者たちは立ち去って行った。
(……空腹を満たせなくて、ごめんなさい……)
七瀬は彼らを見つつ、心中で謝罪の言葉をつぶやく。
だが、いきなり。
「おい、お前!」
「え? わ、私、ですか?」
「来な。……無駄にした飯の分、弁償してもらう。……姉貴、いいだろ?」
ナルとトリンカーは、七瀬の手首を乱暴につかみ、扉へと引っ張っていった。
「……ま、いいだろう。あんま傷物にするんじゃないよ」
忌々しそうにヘクセが呟く。そのまま、七瀬は。
二人により、隣の部屋に引っ張っていかれた。
「な、何を……」
美珠が彼女を助けんと、向かおうとしたが、
「ちょっとしたお楽しみさ。悪いが、あんたも眠ってもらう」
いきなりヘクセに後ろから羽交い絞めにされ、その口元に布を押し付けられた。
布は湿り、薬品の匂いがした。それを吸い込むと、意識が失われていく。
後ろのアンジェリカたちを見ると。睡眠薬が効いたのか、彼女たちも突っ伏して眠っていた。
自分はスープを口にしていなかったので、こうやって強引に眠らせるつもりだったのだろう。
「(予定通り、ですね……)」
自分の実力なら、彼女の拘束など振りほどくのに造作もない。だが……これも作戦のうち。
抵抗するふりをしつつ、美珠は。
徐々に意識を失い、眠りに落ちて行った。
「きゃっ! な、なにを……」
倉庫らしき部屋に、七瀬は連れ込まれた。そこは隅の方に、藁やボロ布が積まれている。
そこに突き飛ばされ、七瀬は押し倒された。
「なにを? じゃねえんだよ! てめえ、おれたちの稼ぎの邪魔しやがって」
「お前を入れて四人……いや、五人か? それっぽっちじゃ、酒場や娼館に一度行けばおしまいだ。だから……」
その分、てめえの身体で弁償してもらう。
その言葉を聞き、七瀬は彼らの意図を悟った。
「い、いやああっ!」
逃れようとしたが、
「逃がすか! おら、大人しくしろ!」
トリンカーに、後ろから羽交い絞めにされ、
「……ふん、まだガキだが……なかなかの器量だ。悪く……ねぇ!」
ナルに上着を掴まれ、引きちぎるように脱がされ、はだけさせられた。
「……い、いやあああああっ!」
露わになった両胸を、肌を、隠そうとしても隠せない。そんな彼女を、二人の男は欲望のまま蹂躙していく。まるで、獣が獲物を貪るかのように。
おぞましく、強烈な感覚が、七瀬に襲い掛かった。
そして、二人の男の欲望を、無理やり受け続け、
そのたびに上げた悲鳴が、倉庫内に響き渡った。
「…………」
長く感じられた、地獄の時間が過ぎ。
「悪くはなかったぜ。へっ、こっちで稼いだ方が良かったんじゃねえか?」
「……そろそろトラックが来る。兄貴、こいつも運ぼうか? おら、立て」
二人がそう言っているのを、呆然とした思考で、七瀬は聞き流していた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【モブオーラ】LV2が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
草薙・美珠
「んん……」
気がつくとそこは暗い一室。
私、囮として捕まったんでしたっけ。
ここが『煉獄の邸宅』ですね。
「潜入には成功しました。
後は人々の救出です」
囚われた人々を助け出そうとしますが……
じゃらり、という鎖の音と共に、自分が壁に磔にされていることに気づきます。
こんな程度【建造物分解】で……
そこに兵士たちが入ってきて、私の服とスカートを脱がしてきて!?
「いやっ、やめてくださいっ!?」
恥ずかしさで真っ赤になり、パラドクスで倒そうと思った瞬間。
神様から、抵抗は人々が脱出してからと言われていたことを思い出します。
拉致された人々への監視の目を緩ませるため、兵士による責めに抵抗せずに時間を稼ぎます。
アドリブ歓迎
アンジェリカ・フォーゲル
……あんまり美味しくなかった。……ちょっと残念。
ともかく。潜入したばかりだけど脱出するね?
「救出」の道を作らないと。
とりあえず拘束を壊して。
ただの鉄扉くらいなら……うん、たぶん行ける。
一般人が同じ部屋にいるなら離れてもらって、扉を錠前ごと引き剥がすよ。
「せーの……!」
まったく。ゾルダートじゃないからってサイボーグを甘く見過ぎ。
どうせ見張りは来ると思うし、最初に来た奴に残骸を投げつけて。
ニクセ(オラトリオ)には一般人を守っていてもらって、私は陽動と他の牢屋の開放を兼ねて暴れるよ。
主武装が他の牢から剥がした扉になりそうだけど。まあ、なんとかする。
「悪いけど、帰らせてもらうから」
■アドリブ歓迎です
百花・たま
トラックに乗って施設を突き止めます。
皆には薬盛り食事を取らせず、逃げる力と勇気を。
到着次第、護衛しつつ逃がすね。
わたし【モブオーラ】で貧民演じてるんですよ。
主犯格見てない時に行動するね。
皆の食べ物・床の残骸に【神蝕呪刃】を掛け、腐った食物の臭いを覚えさせます。
この臭い…炊き出しは腐ってるんだよ!食べ物とは言えないね!
そこに女性の悲鳴(美珠さんか七瀬さん)!
ねえ起きて、悲鳴聞こえた?
みんなまだ体動くよね?
ここはおかしい。わたしが合図したら一緒に逃げよう。
貧民にはガッツと底力があるんだから!
まずは脱力&寝たフリよ!
百変化のたま、貧民A役として
上手いことトラック乗車1番になります。
※アドリブ連携歓迎
長尾・七瀬
施設には潜入できたものの……
「見ないで……ください……」
男性の牢に全裸で吊るされ、羞恥に弱りきっています
それでも必死に【建造物分解】で一般人の拘束や、牢の一部を分解
(一見してバレない様、切れ目を入れる程度に)
「これで……逃げられるはず、です」
崩壊に乗じた脱出をお願いしつつ、自分の拘束も分解しようとしますが……
(え、壊せない?)
欲情する男達の「同意」が得られないことに、私は気付かず混乱していると、看守達が……
「い……いや、来ないで!」
他の人々に見せつけるように、看守達は私に欲望をぶつけ、注ぎ込み、身体を弄びます
拘束され、弱った体ではトループスには抗えず、私はただ泣き叫び続けることしかできません
蘭田・みよ
【アドリブOK】
うーん、ここはどこでしょう……?
確か怪しい三人組がいたから尾行してみたものの見失って、急に口をガバってされたら眠くなって……ってこれ、拉致られてますよね!?
どこだか分かりませんが同じ境遇の人達と一緒に、さっさと脱出します!
檻を内側からあっさりと壊し、子供達を引き連れて出口を目指してみるものの、見張りが多過ぎてとても無理ですね……こうなったら私が囮になります。
目立つ様に暴れたおかげで隙を突いた子供達は無事に逃がす事は出来たものの、多勢に無勢で私は捕まってしまい、子供達を逃した罰として。
全裸にされ男達に組み伏せられ、欲望のままに身体を貪られてしまうのでした……。
そのトラック、ないしはその荷台には。『煉獄の邸宅』に運ばれる貧民たちが乗せられていた。
先刻に、長尾・七瀬(彷徨の少女・g03625)が鍋をひっくり返したため、貧民は集まらなかった。それでも、直接的な実力行使……路上で見つけた貧民を無理やりさらい、眠らせて運んできたため、獲物は数人に増えていた。
その中には、蘭田・みよ(砂岩鎧の使い手・g03972)の姿もあった。彼女もまた、あの三人に口元を薬品の布で覆われ、気絶させられ……ここに運ばれたのだ。
眠った状態の獲物たちを、トラックの荷台に運び込んでいく三人。
その奥には、『モブオーラ』で既に入り込み、目立たずに紛れ込んでいた少女、百花・たま(カラフルパレット・g00514)の姿もあった。
やがて、仕事を終えたヘクセらは、
「……じゃ、『今日の分』です。よろしくお願いしまさあ」
トラックの兵士へ、声をかけていた。
「少ない。明日はもっと、死ぬ気で働け。この低能どもが」
兵士たちは三人を見下すと、そのままトラックを発車。そのまま……道を走り始めた。
トラックは、数時間走り続けた。
そしてトラックは、市街地から離れた郊外に位置する、『目的地』に到着した。
そこには、トラックは一台だけではなく、数台が停まっていた。おそらくは別の場所から来ているのだろう。
建物は、急ごしらえの有刺鉄線に囲まれていた。どうやら元は教会に隣接した野戦病院か何からしい。
こここそが『煉獄の邸宅(フェーゲフォイアー・アパルトメント)』。
そして、あえて自ら囚われの身となったディアボロスたちは。
これから地獄を見る事となる。
七瀬は、目を覚ました。
目覚めると、自分が『吊るされている』事を知った。
両腕に手かせをはめられ、天井から長く伸びた鎖に繋がれ、吊るされている。
そして、
「え?……いやっ!」
自分の姿が、ほぼ全裸になっている事にも気付いた。服はほとんど、切れ端になって体にまとわりついているだけ。
「な、七瀬さん?」
すぐ近くには、草薙・美珠(退魔巫女・g03980)が。彼女は服をそのまま着ているが、七瀬と同じく壁から伸びた鎖に縛られ、磔にされている。
「だ、大丈夫、です。あの、ここは……?」
「潜入には成功したようです。ただ……なぜか、その……こんな姿にされて……」
美珠もまた、もじもじしている。
今彼女らが居る部屋は、広い牢の一室。
そして、片方の壁は頑丈な石造り。
真向かいの壁には、やはり壁があり、のぞき窓のある扉が。
房内には、七瀬と美珠以外は10人ほどの男が囚われていた。誰もがやせぎすでぐったりしている。
よく見ると。彼らは七瀬と美珠が囚われている壁の真向かいに、壁に沿って、横に並んでいた。
彼らは全員が首輪をはめられていた。そして壁から伸びた長い一本の鎖が、彼らの首輪の金具に通されている。
女性や子供の囚人はこの部屋には居ない。ふと、七瀬は気付いた。
「……アンジェリカさんたちは?」
「どうやら、隣の房に入れられたみたいです」
七瀬と美珠の居る28号室の隣。29号室。アンジェリカ・フォーゲル(サイボーグのレジスタンス諜報員・g01967)とニクセもまた、そこに囚われ、鎖で吊るされていた。アマネは床に転がされ、まだ眠っている。
こちらは、男女が一緒に収監されていた。男性は同様に、壁に鎖で虜にされている。女性と子供の囚人は、あちこちに固まっていた。
アンジェリカは、既にトラックから降ろされた時に目覚めており、建物内部の大体のレイアウトを頭に入れていた。
周囲を見回し、アンジェリカは両手に力を籠める。
「……!」
すぐに鎖は壊れ、彼女は解放された。続いてニクセも開放する。
続いて、廊下の方へと近づいてみた。
「扉は……」
ただの錆びた鉄扉。当然ながら、鍵がかけられているが、
「この程度の扉くらいなら……うん、たぶん行ける」
脱出の算段も付いた。後は……囚人たちに説明し、逃げるように促すのみ。
そして、アンジェリカらの隣り。30番室。
「ねえ、みんな。にげよう?」
そこに、みよとともに収監されたたまは、囚人たちを促していたが、
『どうせ逃げたって、撃たれるだけ』『逃げられるわけがない』『同じ死ぬなら、楽に死にたい』
などと、彼らの『逃げる気力』が萎えている事を思い知らされていた。
「ここでこうしていたら、みんなほんとうにしんじゃいますよ? わたしたちのなかまが、ここからにげる作戦をたててるの! だから……」
たまは説得を試みたが、それはあまり響いていなさそうだと、彼女自身感じ取っていた。
だが、それを見ていたみよは、
「……えいっ」
室内から、扉の鍵をあっさりと壊していた。
「ほら、ここから出られます。私たちが、みなさんを助けます! なので……」
どうか、諦めないで。みよはそう語り掛けるも、賛同する者はいない。
だめか……そう思ったが、
「……ぼく、こんなところから……出たい」
子供が一人、立ち上がった。
「……わたしも」「お、おれも!」「……もう、牢屋はいや。おうちに帰りたい」
子供たちのほとんどが、立ち上がった。
「……こっちも、後は脱出するだけ。けど……」
見張りが二人ほど、立っている。アンジェリカとニクセ、それにアマネは、タイミングを伺っていた。囚人たちをなんとか説得し、外へと逃げる算段は付けた。
後は、あの見張りたちを何とかしなければ。そのチャンスが訪れる事を願い、
そして、それは訪れた。
少女の『悲鳴』が、響いたのだ。
これぞ好機。アンジェリカは扉を錠前ごと引きはがした。
その扉を盾のように構え……彼女は囚人たちを連れて、外へと促した。
28番室。七瀬は『建造物分解』で、他の、男たちの拘束を分解……ばれないようにと、切れ目を入れた程度だが……していた。
「これで……逃げられるはず、です。後は……」
これから崩壊に乗じて、脱出してください。皆にそう言ったが、
男どもは、皆逃げようとしない。室内にあったボロ布を、全裸の上にまとっているだけの彼女を、彼らは欲情とともに見ていたのだ。
「み、見ないで……ください……」
思わず後ずさるが、
『おい! おまえ、何をやっている!』
トループス『インファントリー・ゾルダート』が、房内に入ってきた。
『抜き打ち検査だ。脱走しようと企んでいたな?』
そいつらは七瀬を捕まえ、その身体からボロ布をはぎ取る。
「い……いや! 来ないで!」
先刻二人のような『欲望』は無い。だが、乱暴に身体を掴まれ、さすられ、揉まれていると、
「……ああっ!」
七瀬の身体が、反応した。
それを認めたトループスたちは、石の床に彼女を押し倒し、手足を押さえつける。
『何か隠しているかもしれん。こいつの身体を確認する』
『両腕を押さえておく。両足を広げろ』
『膣内や肛門内を、特に徹底的に調べるのだ』
機械的に七瀬の身体を触り、撫でまわし始めるトループスたち。
「や、やめてっ! 見ないで……あああっ!」
大きく足を広げ、抱え上げられ、その身体を周囲に見せつけられる。男性の囚人たちも、その様子を喜んで見ていた。
「やめなさい! 彼女から離れて!」
美珠はそう言うも、
別の兵士たちは、鎖につながれたままの美珠にも襲い掛かってきた。
「え……? いやっ、やめてくださいっ!」
服の上から撫でられ、服の中に手を突っ込まれ、スカートを脱がされ、太腿を撫でられた。真っ赤になった美珠は、
(「ぱ、パラドクスで……いえ、だめです!」)
抵抗しようとして、止めた。
反撃するのは、人々が脱出してから。自分の祭神から、そう言われていた事を思い出したのだ。
『そちらの方は何か隠していたか?』
『現時点では不明。服の上からは何も確認できなかった』
『ならば、この囚人も服を剥がし、膣内及び肛門内に隠していないかを確認する』
トループスたちは美珠の服も引き裂き、その肌を露わに。
改造されているためか、その言動には『欲望』は無い。その代わりに、七瀬と美珠を、まるで家畜か実験動物かのように扱っていた。
七瀬と美珠は、一糸まとわぬ状態で。
後ろから両足を抱えられ、大きく足を広げた状態にされ、衆目に晒された。
「いやああっ! 見ないで! さ、触らないでぇぇぇっ!」
七瀬は、周囲に見られ、羞恥の前に叫び、
「や、やめてっ! 放して! ……ああああっ!」
美珠は、機械的にまさぐられ、それに体を反応させつつ叫ぶ。
二人の悲鳴に構わず、トループスたちは、彼女たちをまさぐり続けていた。
「さあ、こっち! ニクセ、皆を外へ!」
外へと囚人たちを逃がし、そして、前に見つけておいた、有刺鉄線に穴の開いた場所へと美奈を促したアンジェリカは。
ニクセに皆を導かせていた。アマネもそれに続く。
「みんなは、わたしにまかせて!」
たまの言葉に、
「お願い! 私は、陽動するわ……!」
アンジェリカは頷き、離れた場所へと駆け出した。
だが、
突然の火器の発砲音に、彼女は近くの資材の陰に隠れた。
「!?」
見ると、みよが捕まっている。
彼女を捕まえているのは、数体の『インファントリー・ゾルダート』。
それを、雑務用と思しき二人の男たちへと引き渡していたのだ。
『この囚人が、29および30号室の囚人たちを脱走させてしまった』
『我々は、脱走した囚人たちを追跡する。お前たちは彼女を尋問し、情報を引き出せ』
「へ、へい」
「了解しやした」
そのまま、彼女は再び邸内に。
そしてトループスらは。
アンジェリカの隠れている方へ、接近してきた。
「や、やめてぇ! ……いやあああああっ!」
数刻後。
みよは、先刻の男二人から、『尋問』を受けていた。
「へへっ、安賃金でトループスにこき使われまくってたけどよぉ」
「こんなオイシイ思いが出来るんなら、続けてもいい……な!」
二人にみよは、服を剥がされ、裸にされて、組み伏せられていた。そのまま、欲望のままに、みよは身体を貪られ、弄ばれ、
そして彼ら自身が、中にねじ込まれていった。
(「こ、子供たちは……無事に、逃がせた……それが、重要……ああっ!」)
みよは必死に耐えた。おぞましい快感に身体を汚されつつも、自分の目的は果たせた事を実感していた。
七瀬と美珠は、身体をひくつかせ、全裸で牢屋の床に転がされていた。
やがてそこに、あの二人の下働きの男たちにみよが連れられてきた。床に乱暴に放ると、
「なかなか、いい具合だったぜ」
「また、尋問してやるよ」
そう言って、そのまま去って行った。
七瀬と美珠は、呆然とするみよを見た。続いて、まだ牢の中にとどまっている男たちも見た。彼らはにやにやと、二人の凌辱の様子を見続けていたのだ。
「…………」
トループスは、七瀬と美珠をただ触って目視し、確認が終えると。そのまま放置して出て行った。改造されているためか、あるいは欲望を抑制させられているのか。欲望のままに女体を犯す……という事はしていなかった。
しかしそれでも、羞恥とともに凌辱された事には違いない。
(「けど、これで多くの囚人たちは逃がせたはず」)
と、七瀬と、
(「ならば、後は……」)
美珠は、気を新たに。
あとはトループスと交戦し、ボスと交戦し、これらを倒す。
(「あの、尋問室から……敵のボスの居る研究棟に続いてる。なら……」)
みよもまた、ただされるがままで終わってはいない。場所を既に確認し、敵の居る場所への行き方を付きとめていた。
今受けたこの屈辱は、反撃への嚆矢。ただ弄ばれ、犯されて終わると思ったら大間違いだ。
「そう、大間違い……ここからは、私たちの番よ」
外の資材置き場。その資材の陰には、アンジェリカと、オラトリオのニクセ、そしてたまが、隠れていた。
囚人たちは、泊まっていたトラックに乗り込み、そのまま逃げていった。あとはなんとか、自力で逃げてくれるだろう。
後すべきことは、この『煉獄の邸宅』に潜む、悪魔と機械兵士を叩く事。
「……たしか『れんごく』って、『じごく』とはちがうのよね?」
たまが、そんな事を口にした。
そう。『煉獄』とは、地獄と同様に死後に悪人が堕ちる場所。しかし地獄と違うのは、『その悪人が自らを省みて、罪を償う事で、天国に行く可能性が生じる』という点。
おそらく、ドクトル・マシーネは、貧民を罪人扱いし、その罪人を改造する事で、天国に行くにふさわしい存在にする……とでも思っているのだろう。だから、地獄ではなく『煉獄』。
トループスともども、本当の地獄に送り込んでやりたいわ。
そう思う、アンジェリカだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【操作会得】LV2が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
リーフ・フローレス
(「じゃまなの、おそーじする」)
敵を1体ずつ【暗殺】して、数を減らす。
敵の前に現れ、『夢魔魅了』で魅了。
「ねえ……リーフのこと、みて……」
かわいく、色っぽい声を出し、もともと露出度の高い服をはだけさせる。こぼれそうな豊満な胸をはじめ、スタイル抜群のボディを見せつける。
ゾルダートに色じかけなんて、ふつうは無意味だろうけど、これはパラドクス。改造された脳に異常を起こし、見惚れさせる。
敵の動きが止まった隙に、空飛ぶ魔法のナイフ『フライングナイフ』で攻撃。
【伝承知識】によれば、こういう敵も関節は弱いはず。腕の関節を攻撃し、武器を使いにくくさせ、そのまま倒す。
「ばいばい」
改造された人だし、最期は優しく。
アマネ・モルゲンシュバルツ
避難成功、人質のフリはたしかに効果があったみたいね。
んじゃあ後は楽しい報復の時間~っと!
【アドリブOK】
敵の動きを妨害できるような残留効果はうまく利用させてもらうわ。
足並みが揃っている兵隊はなんたって、一度足並み乱れれば
ぼろぼろになるだけだからね。
パラドクスの力を発動させ、発生した剣に呪詛と破壊の力を宿す。
足並み乱れた敵に次々切り裂いて蹂躙を重ねていくわ。
こいつらはきっと仇じゃないんだろうなあ~
でも、まぁ、敵なことには間違いないし、皆殺しにしなきゃ、いけないな。
蘭田・みよ
【アドリブOK】
先程までと違い遠慮なく暴れても良いのなら、私とて引けを取りません。
砂岩の鎧とガントレットを装着しトループス達を蹴散らして見せます。
順調に敵をあらかた倒し一息付くと、突如現れた敵の増援、しかしそれは先程私に尋問を仕掛けて来た下働きの男達でした。
敵方とはいえ相手はただの人間、容赦なく命を奪うのを躊躇した私は見逃す代わりにトループス達と縁を切る様に提案しますが、渋った彼らはあろう事かもう一度抱かせてくれたら従うと言ってきます。
普通なら絶対に断るその提案ですが、途中から尋問に快楽を感じていたのを既に男達には見破られており。
結局私は自ら、彼らの肉欲をその身の中に受け入れてしまうのでした。
草薙・美珠
「もう手加減の必要はありませんね」
引き裂かれた服をボロ布のように身につけると研究棟に向かいます。
まずは警備の兵士たちから倒しましょう。
「さっきはよくも恥ずかしい目に遭わせてくれましたね。
これはお返しですっ」
懐から陰陽符を取り出すと、兵士たちに向かって投げつけます。
兵士たちを取り囲んだ【攻性式結界】。
閉じ込められた敵に式神で攻撃しつつ、さらに結界内からの砲撃は【腐食】で溶かして防ぎましょう。
「って、この音は!?」
敵の【砲火の交響曲】の砲声が頭の中に鳴り響き【気絶攻撃】によって気絶させられてしまいます。
再び全裸にされて念入りに身体検査させられた上で研究棟の首領の元へ運ばれてしまうのでした。
アンジェリカ・フォーゲル
トラックは……うん。あれだけ離れれば大丈夫。
なら、私たちが暴れても問題ないはず。
つまり。反撃の時間!
トループスがこっちに来るならギリギリまで待って。
【怪力無双】で資材置き場の資材をトループスにぶん投げるよ。
パラドクスは込めていないけれど、土煙でちょっとでも視界を塞げば十分。
「さあ、行くよ! ニクセ!」
陽動はちゃんとやり遂げるよ。
飛び込め敵陣ど真ん中。私とニクセで敵集団を荒らして、アマネさん達に繋ぐよ。
『煉獄の邸宅』に潜入した人は、まだ内部にもいるはず。
合流したいけれど……まずは切り抜けるのが先。
けど、だいたい破壊音と銃声での【勝利の凱歌】でも、ひとりではないと示せるかも……!
■アドリブ歓迎です
トループス『インファントリー・ゾルダート』。
その姿は、魔界の住民にふさわしい、死神めいたもの。帝国一般兵と同じ軍服に身を包むが、両足と右腕を装甲で覆い、頭部を鉄兜とマスクで覆っている。
右腕は……完全に機械化された義手で、火器が内蔵。
彼らは、『煉獄の邸宅』内を走り回っていた。
『……襲撃者は?』
『まだ発見されません。現在、施設周辺を探索中』
『第17警備隊は探索を続行せよ。18部隊は研究棟の警護を強化、19部隊は、収容棟を引き続き警備せよ』
『ヤ・ヴォルー(了解)』
そして。第17警備隊が施設内、中庭部分を捜索していると。
「はぁい、そこの兵隊さん」
ふわり……と、『彼女』が現れた。
途端に、その場に居る『インファントリー・ゾルダート』全員が、右腕の火器を『彼女』に向けた。
『警告する。ここは軍の施設である。民間人は関係者以外立ち入り禁止だ』
『所属と姓名を述べよ。返答次第では即刻射殺する』
警告に対し、『彼女』は、
「そんなことよりも……ねえ、リーフのこと、みて……」
かわいく、色っぽい声で、返した。
『彼女』……リーフ・フローレス(ハラペコ夢魔姫・g03695)が着ているのは、ごく普通の服。だが、胸元や太腿が露わで、より色気を感じさせる。
「兵隊さん。リーフと、たのしいこと、しよっ♪」
その身体は、蠱惑的で扇情的。男の本能をくすぐり、心をそそらずにはいられない色気を醸し出していた。
『……お前、街娼か? 他を当たれ……』
トループスたちは、リーフを追い払おうとした。もとより彼らは脳改造を施されており、このような誘惑を受け付けない。
だが、
『……お、お前……』
彼らは明らかに……『混乱』の様相を見せていた。
「……おカタい兵隊さんなのね。かわいいっ」
動きを止めたトループス達に対し、
「……じゃ、とっとと煉獄から地獄に行けよ」
リーフは、隠し持っていたナイフを投擲した。
『!』
ナイフはトループスの関節部に切り込み、その腕を切断した。
数体が火器内蔵の右腕を失うも、すぐに左手の手斧で迎撃せんとする。が、ナイフは空中で急旋回し、加速し、予想外の方向からトループスたちに切り込んだ。
『撃て!』
数体のトループスは、それでもなんとか対処しようと発砲したが、
「遅いよ」
リーフの操る『フライングナイフ』は、トループスたち全員の喉を切り裂き、最後に隊長トループスの喉笛に深く突き刺さった。
「……ばいばい」
ナイフを引き抜いたリーフは、死者を悼むかのような眼差しを向けつつ、
鎮魂の言葉を、トループスたちへ手向けていた。
「避難成功。人質のフリは、たしかに効果あったみたいね」
アマネ・モルゲンシュバルツ(サイボーグのデストロイヤー・g00313)と、
「トラックは……うん、あれだけ離れれば大丈夫」
アンジェリカ・フォーゲル(サイボーグのレジスタンス諜報員・g01967)。
二人は資材置き場から、遠くに去っていくトラックの姿を認めていた。
これで……自分たちが暴れても、問題はない。
「これからは、反撃の時間! さあ行くよ、ニクセ!」
立ち上がったアンジェリカとともに、ニクセも立ち上がる。
アンジェリカは、その怪力で、近くに積まれていた資材を掴むと……、
隊列を組みつつ行進していたトループスの部隊へ投げつけた。
『敵襲!』
すぐに彼らは、右腕の火器を発砲した。
榴弾の銃撃が、アンジェリカのすぐ近く、地面を抉り土埃を上げる。
その土埃を割って接近したアンジェリカは、ひっつかんだ資材を振り回し、トループスの隊列を薙ぎ払った。
『接近戦に移行!』
トループス全員が、左手に手斧を構える。
「いいね、ここからは戦いのお時間! 鉄拳制裁タイムってやつだよっ!」
アンジェリカに続き、突撃したアマネは。
その胸部より火炎を吹きだした。それは巨大な剣を形作り、アマネの手に収まる。
「いや、正確には……『鉄剣』、いや『魔剣』制裁タイム、かな」
いつも浮かべているアマネの皮肉めいた笑みが、歪んだ笑みへと変わった。
「Entsiegelung……レーヴァテイン……すべてを、焼き尽くしてしまおうか。さあ……」
獄炎を受けるがいい。その言葉を終えぬうちに、火焔剣が叩き込まれた。トループス達は熔解しつつ両断され、肉の焼ける臭いと、鉄の熔ける臭いとが、その場に放たれる。
これぞ、『MagischesSchwert・レーヴァテイン』。アマネの、新たなる一刀が振り下ろされ……最後のトループスは頭部から両断された。
援軍が駆けつけたが、小柄なニクセが素早く動き回って翻弄。
「こっちよ、兵隊さんたち」
アンジェリカから受け取ったデリンジャー拳銃を発砲し、混乱を導き出す。
「私たちが……切り開くッ!」「……♪」
背中合わせになったニクセとアンジェリカは、そのまま……散弾銃とデリンジャーによるバトルステップを踏んだ。
『電撃戦奏(ブリッツ・ヴァルツァー)』、サイボーグとオラトリオ、美少女二人がもたす死の舞踏が、周囲のトループスたちを本物の地獄へと送り込む。
舞踏が終わると、改造兵士の死体の山が、その場にできていた。
「……へえ、なかなかやるね。びっくりだ」
アマネに感心されつつ、アンジェリカは周囲を見回した。
「……まだ、中に潜入した仲間はいるはず。合流したいけど……」
今の銃撃と破壊音、爆音を聞いて、新たなトループス部隊が接近してきた。
「まずは、切り抜けるのが先ね」
だが、この破壊音を聞けば……きっと内部にも聞こえているだろう。
そう判断すると、アンジェリカは新たな敵へと向かっていった。
28番室。
「!? 外が……」
外が騒がしい。座り込み、壁に寄りかかっていた七瀬の隣で、草薙・美珠(退魔巫女・g03980)は、立ち上がった。
引き裂かれた服を、ボロ布のように身に付け直し……、扉を破壊する。
「もう、手加減する必要もありませんね。皆さん……」
鋭い視線を、男性囚人たちへと向けると、美珠は、
「私たちはこれから、この施設を破壊します。なので……早く逃げて下さい」
鋭い口調と眼差しで、そう言い放った。先刻とは全く異なる彼女のその様子に、囚人たちは戸惑った様子を見せている。
そんな彼らに、美珠は、
「それと……先刻に私にした事は、不問とします。私は、貴方達の奥様や娘さんたちのような悲劇を……もう二度と起こさないために、ここに来ました」
そう付け加え、そして、
「七瀬さん? みよさん?」
「ええ、大丈夫です」
と、蘭田・みよ(砂岩鎧の使い手・g03972)も立ち上がった。
『警告! 侵入した敵勢力は二つ。片方は囚人収容棟にて、部隊を……』
連絡を入れようとしていたトループスを、みよは一撃で絶命させた。
彼女は今、先刻に二人に弄ばれた尋問室から続く、研究棟に向かう長い廊下に立っていた。
その身体には、砂岩鎧……砂を固めた鎧と、ガントレットを装着している。すでに足元には、トループスの一部隊が倒れていた。
『突撃する!』
が、一体の『インファントリー・ゾルダート』が、右腕の火器を発砲しつつ突進。放った弾丸がみよの身体に着弾するが、砂の鎧に弾かれ、ダメージはゼロ。
「世界に、変革を。皆さん、私はここにいますっ!」
建物の外にいるだろう仲間たちへの呼びかけと共に、みよは深く踏み込み、必殺の拳を叩きこんだ。
これぞ『レボルシオスラッシュ』。トループスの鉄兜が、頭部ごと吹き飛び、引導を渡した。
だが、更に接近してくる者たちの足音が。
「まだ、来るのですかっ!」
両拳を構えると、
「え?」
「あ、あんた、だったのかよ」
「え? あ、あんたが……これを?」
みよの視線の先には、尋問室で彼女を辱めたあの二人……下働きの男二人の姿があった。
「さっきはよくも恥ずかしい目に遭わせてくれましたね。これは……お返しですっ!」
研究棟に入った美珠は、懐から取り出した陰陽符をトループス達へと投げつけた。
それはそのまま、宙を舞い、兵士たちを取り囲む。
『警戒せよ! 不可視の障壁が発生!』
駆けつけた大勢のトループスを、陰陽符が発生させた結界が取り囲んだ。
続き、結界内部に、
『警告! 未確認の存在による攻撃……ガガガッ!』
「祓え給い、清め給え、聞こし召せと 恐み恐みも白す!」
『式神』が、放たれた。
もはや改造人間たちは、単なる籠の中の鳥と同様。結界内部から逃れられず、式神の手により一体、また一体と倒れていく。
死なばもろともと、結界内部から美珠へと発砲する者もいたが。
『腐食!』
美珠に届く前に、それは腐食し、消え果てた。
これぞ『攻性式結界』。
トループス一個大隊を倒した美珠は、このまま先に進まんと駆け出したが、
「……くっ……これは?」
先刻より、廊下の角や部屋の内部からの砲声を受け、頭の中に『音』が鳴り響いていた。
『砲火の交響曲』の残響が、美珠の判断能力を鈍らせる。先を急ぐ事に気を囚われ過ぎた美珠は、
「え? きゃあっ!」
不用意に飛び込んだ、巨大な吹抜けの部屋にて。階上から狙われている事に、気付けなかった。
近くに着弾した砲撃が、爆風を発生させる。それは美珠を直撃し、壁に叩き付け、彼女を気絶させた。
みよの前に居る二人は、手にしていた銃を捨てていた。トループスを倒した彼女を見て、逆らわない方がいいと判断したらしい。
「……あなた達は見逃します。その代わりに……トループスと縁を切り、二度と関わらないと約束して下さい」
そう申し出たみよだが、
「……けどよぉ……俺たちだって」
「ほ、他に仕事がねぇんだ。それに……」
裏切ったら、別のトループスに殺されちまうかもしれねえ。相棒のその言葉に、男は頷いていた。
「ですが! ここは罪なき人を攫い、改造するような場所です! こんなところに、いつまでもいたいのですか!?」
「そりゃ……俺たちも、こんなとこからは逃げてえさ」
「まあ、今のうちなら、逃げられるかもしれねえけどよ」
はっきりとせず、渋る二人に、
「では、どうしたら逃げて、縁を切ると約束してくださいますか?」
みよは怒りを込めつつ、声を荒げた。
しばらく経過し、二人は、
「……なあ、だったら……もう一度……あんたと、その……な?」
「いいだろ? あんたの身体、最高だった。どこの娼館でも、あんたほどの相手は居なかったぜ」
そう、申し出た。
「……えええっ!」
要は、先刻の尋問室での行いを、もう一度させろ。それが二人の条件。
「ふ、ふざけないで下さい!」
更に声を荒げるみよだったが、
「ふざけてねえよ。……さっきはご無沙汰だったから、つい乱暴に扱っちまった。その事は謝る」
「ああ。そ、それに……あ、あんたも途中から、気持ちよかったんじゃねえか?」
「なっ……」
それを聞き、みよは赤面した。
「…………」
普段なら、こんな提案など、絶対に断る。だが……、
「……約束を、必ず守るのなら……」
数刻後。
「あっ、あっ、あっ……ああああっ!」
「ああ、やっぱりあんた最高だ! ……くうっ!」
「つ、次は俺……し、締まるっ……」
「だ、だめえっ……ひああああっ! ……も、もっと、もっとぉ……あんっ!」
自ら、彼らの肉欲を受け止めるみよの嬌声が、尋問室内に響くのだった。
「や、やめて……見ないで……」
研究棟の、検査室。
そこで美珠は、再び全裸に剥かれ、うつぶせの状態で台の上で拘束されていた。
『先刻の正体不明の紙片は、どこから出したのか』
『まだ所有しているかもしれん。口内の検査結果、発見されなかった』
検査担当の数体のトループスが、美珠の裸体をじっくり検査している。
(「ま、また見られて……胸も、あそこも、お尻も……」)
屈辱的な身体検査だが、この程度は先刻と同じ。まだ大丈夫。
『胃の内部には隠していない。○内も確認したが、異常なし』
『次に、直腸内の体内残留物を強制排泄させ、確認する』
「え? きゃあああっ!」
美珠はお尻から、液体が注入されるのを感じた。
両腕は拘束され、逃れる事は出来ない。やがて……、
「お、お手洗いに……ああああっ!」
美珠をそう懇願させる、おぞましい感覚が襲い来る。だが、彼らは懇願を無視。
そして、
「だめ、出る……出ちゃう……いやああああっ! 見ないでっ、見ないでえええっ!」
お尻から噴き出す音と、美珠の悲鳴とが、室内に響き渡った。
『……確認した。直腸内にも当該の紙片は確認できず』
『了解。これよりドクトルの指示を仰ぐため、この者を連れて行く』
出し切って、ぼうっとなった美珠は。
霞がかかった思考の仲、トループスがそう会話しているのを聞いた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV2になった!
【ハウスキーパー】がLV2になった!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ラストリベンジ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
草薙・美珠
「うう……こ、ここは……?」
私が目を覚ましたのは手術台の上。
そういえば、兵士たちに身体検査をされて、連れてこられて。
起き上がろうとしますが、両手両足を固定されていて身動きが取れません。
目の前には、手術道具を持った白衣の男。
これがこの施設の長、ドクトル・マシーネですね。
退魔師として、煉獄の邸宅の長を許すわけにはいきません。
ですが、無数の機械腕に装着された手術器具が迫ってきて全身を攻め立てられてしまいます。
その攻撃に屈しそうになってしまいますが、【腐食】によって拘束から抜け出して【悪鬼粉砕撃】によって反撃します。
このような施設は絶対に許すわけにはいきません!
人々のためにもクロノヴェーダを倒します!
蘭田・みよ
【アドリブOK】
男性達との行為で味わった快感に酔いしれながらも、最終決戦としていざドクトル・マシーネがいる手術室へと入ると、そこには手術を受けられそうになっている美珠さんの姿が!
一体どこにナニを生やされてしまうのでしょうか?!
急いで助けだそうとしますがここで思わぬ伏兵、改造されて逆に知能が低下してしまった「失敗作」の方々に捕まってしまいました。
まさかガラクタにこんな使い道があったかと非道に笑うマシーネを睨みつけますが、本能でのみ動く彼らはすぐさま私の身体を蹂躙し始め、余韻が抜け切れていない私はすぐに感じ始めてしまい。
生殖実験を行われ再び淫欲に溺れながら、ただ手術を眺める事しか出来ませんでした。
藤永・えみり
遅ればせながらですけれど、助太刀させてもらいます。
望まない人を改造し、その思考まで奪って兵士に変えようとする。そんなの絶対に許せません。
T.M.Pコード031起動。【W.W】“Wilde Jagd”、全ドローンを全域観測装備で展開、同期情報解析開始……ドローンが収集した情報をAI補助で解析、相手の動作パターンや弱点を探ります……攻撃予備動作検知・光のメスによる投擲攻撃。来るとわかっていれば、どうという事はありません!
【迅雷】の電磁加速を駆使して攻撃を回避しつつ【DrachenklaueR/L】で射撃を加えながら接近、レンジに入ったらブレードを用いた連撃で畳みかけます。
アンジェリカ・フォーゲル
ドクトル・マシーネを探す手間は……なさそう。
【モブオーラ】も使って隠れつつ、美珠さんを運ぶトループスを追跡するよ。
工場棟のそれらしい部屋に入ったら、トループスはさっさと倒して突入するね。
「道案内ありがとう。助かったわ」
あ。一応、ニクセに外で見張りしていてもらうよ。
改造手術を続けているなら割り込んで、まずはドクトル・マシーネに鉄拳制裁ね。
手術用アームで反撃してくるなら正面から受け止めるよ。
あいにく、私の体は貴方ほど戦闘用じゃないの。
それでも力技なら……なんとかなる!
つまりノーガードの解体合戦よ。
この際、服くらいならくれてやるわ。
でも、バラバラになるのは私じゃない。貴方よ。
■アドリブ歓迎です
アマネ・モルゲンシュバルツ
Hallo?ドクトルマシーネ。
そんなブルストも満足に食えそうにない腕にして
一体何がたのしーんだろーね。
鼻だけは効いてそうだから、私がただの人間じゃないってことは分かるでしょ?
【アドリブOK】
マシーネのいる場所に近寄るまではモブオーラを使って近づく。
すぐ近くまで近寄ったら後は攻撃を仕掛けるのみ。
敵が私に掴みかかって近寄ってきたときには
パラドクスを発動させ、一気に敵の土手っ腹をぶち抜いてやるわ。
これはあんたのお仲間さんがくれたとっても素晴らしい遺物よ。
せっかくだからプレゼントしてあげる。ま、即座に私のもとに戻るけどね。
百花・たま
【モブオーラ】でドクトルの部屋に滑り込み、聞き耳。
身体も心配だけど、
紙片……って、何?
戦闘開始すぐ技出します
指輪が放つ光、手術台よりもっと輝く【照明】を……!
あなたに制裁を! 天国なんてありえませんから。
みなさんの攻撃が不意打ちに、決定打になるように!
こんな救いのないところ、この地に必要ない。
【建造物分解】で得た物資を、貧民の方に。
すぐに腹は膨れない。
あなたたちが手を体をうごかさなくちゃいけない。
それでも、きっといいことある。
この地に生まれた人の力で未来を切り開いてね。
みまもってるよ。
もう騙されませんように。
百変化のたま、貧民A役でした。
ぺこりとお辞儀をし、駆けて去ります。
※アドリブ連携歓迎
両脇を抱えられつつ、運ばれていく草薙・美珠(退魔巫女・g03980)。そんな彼女を後ろから見つつ、
モブオーラを用いた、アンジェリカ・フォーゲル(サイボーグのレジスタンス諜報員・g01967)と、オラトリオ少女のニクセ。そしてアマネ・モルゲンシュバルツ(サイボーグのデストロイヤー・g00313)は、美珠を運ぶトループスの後を追跡していた。
「こうやって、追跡していけば……」
この施設の責任者、討つべきボスの居る場所へとたどり着ける。
だが……、その後ろには数十名のトループスたちが、隊列を組みつつ続いていた。
「……まいったねー。この数じゃ……」
こっそりと付いていくのはともかく、こっそり部屋に入り込む事はちょっと難しいかもと、アマネは呟いた。
「そうですねー。……敵も、手をこまねいているわけではなく……」
「対策は立てている、という事でしょうか」
同様に、百花・たま(カラフルパレット・g00514)、蘭田・みよ(砂岩鎧の使い手・g03972)も、アマネら前方を進む彼女らに続いている。
(「はぁ、はぁ、はぁ」)
みよは、追跡しつつ……先刻のあの男どもの事を、まだ身体が覚えている事に、戸惑いと……ちょっとした物足りなさを感じていた。
やがて、一隊は巨大な両開きの鉄扉の前に辿り着いた。トループス数体が、壁に内蔵された鍵穴に鍵を差し込み、回すと。
扉が左右に、横に滑って開いた。
扉が閉まりかけるその時を見計らい。彼女たちは内部へ、
『フェーゲフォイアー・アパルトメント(煉獄の邸宅)』を支配する者が居るその部屋へ、自身の身体を滑り込ませていた。
「遅ればせながら、ですが……」
藤永・えみり(ヴンダー・カンマー・g01322)は、『煉獄の邸宅』を前にして、緊張と戦意高揚とを覚えていた。
サイボーグのガジェッティアである彼女は、今、ある想いに駆られていた。
『義憤』という想いに。
その身体は、脳以外を人造物に置き換えた、完全なる義体。しかし、身体は鋼の機械でも、心には赤く熱い血潮が通っていると自負している。
「……望まない人を改造し、その思考まで奪って兵士に変えようとする。そんなの絶対に許せません」
誓うような呟きとともに、
「……T.M.Pコード031起動、『Wilde Jagd』。全ドローンを全域観測装備で展開、同期情報解析開始」
ガジェッティアの彼女は、ガジェット・ドローンを己から発進させた。
ドローンの送ってくる映像を、同時に情報解析し始める。
「……解析中……観測、ドローン移動……」
そして、えみりは。探し求めるものを発見した。
「みなさん、今……参ります!」
「うう……こ、ここは……?」
美珠は、目を覚ました。
今いるのは、巨大なドーム状の部屋。美珠は手術台らしき寝床に横たえられ、天井を見上げていた。
視線の先の天井部に天窓があり、外の風景が見て取れる。周囲には、様々な機械や資材が鎮座していた。
「そういえば、兵士たちに身体検査をされて、連れてこられて……」
起き上がろうとしたら、自身の両手足が……丈夫なバンドで固定されている事に気付いた。今の自分は、手術台の上に、蟲の標本のように磔にされている。
服は、簡単な手術用の服をを羽織っているが……、
『おやおや、ようやく目覚めたか』
邪悪そのものといった声が、美珠を襲った。
目前に居るのは、血にまみれ赤く汚れた白衣を着た男。
その顔は、邪悪そのものと言った面相。両腕は、先端部が様々な機械の義手。そればかりか、背中には同様の腕が付き、手首はやはり機械装置。
さらには、背中からは手術用のロボットアームめいたものが十本ほど伸びていた。
『ふん、貧相な胸だが、器量は悪くない。直々に改造し、吾輩専用の愛玩用トループスとしてくれよう』
耳障りな、不快な声が響く。
「あなたが……ドクトル・マシーネですね!」
『ああ、その通り。お前の残る一生を、奴隷として使ってやるご主人様だ!』
そう言って、マシーネは機械腕の一部を伸ばし、その手首先の手術道具で……、
美珠の身体を、弄び始めた。
「ひあっ! くっ……や、やめなさい! 退魔師として、あなたを許すわけには……ひゃああん!」
『許さなければどうなのだ? お前のベッドの周りには、十数体の「インファントリー・ゾルダート」! そしてお前は手足を縛られ虜になり、仲間もいない、裸のまま、吾輩のなすがまま、だ!』
美珠を嘲笑い、マシーネはメスや注射器で、美珠の身体を突き始める。
「痛っ! や、やめなさい! ……や、やめてぇ!」
『いい反応だ。さて、そろそろ……』
びくびくと痙攣する美珠を見下ろしつつ、マシーネのメスは、美珠の体中を撫でまわす。突くだけでなく、刃で撫でまわしもした。
『ほう、へその下のここ……薄い繁みがあるではないか。吾輩が綺麗に剃ってやろう』
「え? や、やめてっ! ……くっ!」
ぞりぞりという音と感触が伝わり、同時に屈辱が美珠を襲う。
そして、
『さて、ムダ毛の処理も完了。それでは……』
「やめなさい!」
メスが突き立てられる直前。
みよが、その場に現れた。
「み、みよさん?」
「美珠さん、今助けます!」
雄々しくいきり立つみよだったが、
『……ふん、吾輩の目のサーモグラフで、股間と顔面部の温度が上がっているのが丸わかりだ。しかも、性的フェロモンの値も高い』
「え、えええっ!?」
見破られ、羞恥に赤面してしまった。
『お前には、このトループスどもが相手してやろう』
と、近くの扉が開くと……、
「な! なんですかこれは!」
みよを驚愕させたのは、多数の動く死体。
『これか? トループスの失敗作よ。脳改造がうまくいかず、知能レベルが低くなり、戦闘に使えぬ個体だ』
のろのろとよろめく失敗トループスは、まるで砂糖にたかる蟻のごとく、みよに集団でのしかかる。
「きゃあああっ! や、やめてええっ!」
悲鳴を無視し、無数の手がみよを押したおし、みよの身体を蹂躙していった。それは先刻の男たち二人と違い、容赦のない乱暴な愛撫。先刻の快感の余韻が蘇り、再び快楽がみよを襲った。
「や、やめてぇ! あっ……うあああっ! あひっ!」
『おうおう、まさかガラクタにこんな使い道があったか。ふむ、反抗的な女どもへの拷問や調教用道具として、活用するのも悪くはないな!』
非道に哄笑するマシーネだったが、
「あなたに! あなたたちに制裁を!」
誰かの叫びが、その場に響いた。
『あ?』
マシーネ、トループス、そしてみよの襲っている失敗トループスたちは、顔を上げ、その声の主……たまと視線を向ける。
次の瞬間。
「美珠さん、目をつぶって!」
突如として、強烈な光がだしぬけに放たれた。
「この輪に宿るは、希望の光! 天獄なんてありえませんから!」
『シャインザリング』、たまの指にはめた指輪が、強烈な光を放ったのだ。それはマシーネと、周囲のトループスどもの視覚に入り込み、
『警告、視覚に異常』
『許容範囲以上の光量により、瞳孔機能破壊』
『視覚機能停止、判断力低下』
トループスどもの視覚を潰した。
『ぐおおおっ! め、目がああっ』
マシーネは顔を手で押さえるも、
『予備視覚装置起動、視力切り替え! ……おのれぇっ! 誰だああっ!』
即刻回復した。
だが、
『ぐえっ! ぐはっ! ぐおおっ!』
間髪入れず、三発の攻撃が放たれ、彼はそれをもろに受けていた。
三撃を入れたのは、三人のディアボロスが、一撃ずつ。
「力技なら、なんとかなる!」
アンジェリカの、鉄拳制裁が顔に一撃。
「ブルストも満足に食えそうにない腕にして、何が……たのしーんだろーね!」
続き、アマネの右腕から展開した、『HeiligeLanze・ロンギヌス』の一突。それがマシーネの腕を何本か貫き、破壊。
そして、
「……はあぁぁぁぁぁっ!」
いつの間にか、拘束から解放されていた美珠が、全身の膂力を込めた拳の一撃を……その顔に撃ち込んでいた。
『悪鬼粉砕撃』。それは、マシーネの顔半分を吹き飛ばし、削ぎ落していた。そのまま、彼を後ろざまに吹き飛ばし、壁に叩き付ける。
『……この……な、なぜだ……なぜ、拘束から逃れられた……』
腕を数本失い、顔を半分失っても、マシーネはよろよろと立ち上がった。
「……簡単な事です。『腐食』によって拘束帯を破壊し、逃れたまでのこと」
みよも、混乱している失敗トループスの群れの中から、たまによって助け出された。
「あなたのような悪鬼外道、許すわけにはいきません!」
美珠が、武道の型の構えを取った。
「ええ。あいにく私の身体は、貴方ほど戦闘用じゃないけど……あなたを倒す程度は、わけないわ」
アンジェリカもまた、身構える。
「この槍は、アンタのお仲間さんがくれた、とっても素晴らしい遺物よ。せっかくだからプレゼントしてあげる。ま、即座に戻るけど」
アマネが、ロンギヌスの槍の穂先をちらつかせた。
「ええ。覚悟なさい!」みよと、
「ここが、あなたの墓場よ」たま。二人も言い放つ。
その『気迫』、そして『信念』は、
マシーネの半分しかない顔に、恐怖の表情を浮かべさせた。
『ふん。貴様ら如きがこの吾輩を倒そうなど、笑止千万! 「縫合手術」!』
だが、マシーネは再び笑みを浮かべ、残った手の一つから金属製の手術糸を伸ばす。
「ひっ!」
それは、たまをまず縛り上げた。
「たまさん!」
「ちょっと、何すんのさ!」
美珠とアマネが駆けつけようとするが、
『引っ込んでろ! 「レーザーメス」!』
駆けつけんとした二人へ、レーザーメスが投擲された。
「きゃああっ!」
「うわああっ!」
直撃は免れたが、二人の肌をメスが切り裂き、流血する。
「美珠さん! アマネさん! このおっ!」
アンジェリカが殴り掛かるが、
「邪魔だ!」
残された腕で殴り返され、後ろざまに吹っ飛ばされた。
「そ、そんな……うわあああっ!」
一瞬、呆然としたみよへ、縛り上げられたたまを叩き付けるマシーネ。
『お前らなど、我らが敵ではないわ!』
腕の半数を失い、顔も半分が吹き飛んでいるが、マシーネは残った半分の顔でにやりと微笑みながら……、
止めを差さんと、歩み寄ってきた。
目が見えずとも、周囲のトループス達も立ち上がる。
「……負け、ません! 気圧されません!」
だが、美珠は立ち上がった。
「そう、だよ! キミみたいなド外道がどんなに強くても……」
アマネと、
「……敵わなくとも、倒す事を! 諦めちゃいけないのよ!」
アンジェリカも、立ち上がった。
「……そ、そろそろほんき、ださなきゃね」
「ええ! ここからが本気の殲滅戦です!」
たまに肩を貸しつつ、みよも、足を震わせつつ立った。
だが、
『ふん……くだらんが……その精神力だけは認めてやろう。それに敬意を払い、お前らの死体は……念入りに改造してやるとしよう!』
マシーネは立ち止まり、腕を振り上げた。周囲のトループスたちが、右腕の火器の狙いを、彼女たちに付ける。
これまでか。皆の心に『絶望』が噛み付いた、その時。
天井の天窓が破壊され、数機の『ドローン』が入り込んできた。
それだけでなく、扉からもドローンが。
『!? なんだ!?』
予想外の状況に、戸惑ったマシーネに、
「戦術機動パッケージ・コード031――貴方の全て、見せてもらいました!」
『なっ……!』
藤永・えみり。彼女のドローンが解析した、回避不能の一撃必殺の攻撃が、マシーネの死角へと決まったのだ。
『が、ガガッ!』
両腕を、否、有している腕全てが、ドローンの攻撃の前に吹き飛ばされた。
『と、トループスども! 攻撃……』
「させません! 『悪鬼粉砕撃』!」
駆け出した美珠が、腰を落とし……マシーネの胸部へ、両腕を失った悪魔の科学者の胸へと……その拳を叩きこんだ。
今度は逆に、後ろざまに吹っ飛ばされたマシーネは、
待機しているトループスどもをも吹っ飛ばし、床に転がった。
『お、おのれ……小娘どもが……』
近づくと、胸部が大きく開き、
その中には、カプセルに納められた、醜い老人の頭部が収まっていた。
『これで終わりではない! 我が思想を受け継ぐ者はいくらでもいる!これで勝ちと思わぬ事だ!』
「……確かに、お前の同類と、戦う事もあるでしょうよ」
アンジェリカが言い放ち、
「ええ。次はあなたの仲間が勝つ事もあるかもしれません。いずれは、ね」
みよも、見下ろしつつ言った。
そして、
「でも今回は……あたしたちの勝ちだ!」
アマネから、『HeiligeLanze・ロンギヌス』……聖なる槍がパイルバンカーのように打ち出され……マシーネの頭部をぶち抜いた。
狂科学者の断末魔が響き渡り、そして、
「……逃げて。もうすぐここ、爆発する」
ニクセがアンジェリカの元へ近づくと、警告した。
「この施設内の一般人たちは、皆避難させました。あとは……」
皆さんが逃げるだけです。そう促すえみりの言葉が終わらぬうち、
あちこちから、爆発音が響き始めた。そしてトループスは、失敗作も含め……、全部が地面へと倒れ、その動きを止めた。
ディアボロスたち全員が、『煉獄の邸宅』から脱出し、数刻後。
施設全体が爆発し、崩れ落ち、やがて……炎が吹き上がり、包み込んだ。炎はまるで、穢れたその土地を清めるかのように、赤々と燃え続けていった。
数日後。
「おい、ヘクセ。お前らの仕事はもう終わりだ」
「あんな連中とはもう関わるな。別の仕事を探すんだな」
かの三人組に、職業変更を勧める、二人の男の姿があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV3になった!
【修復加速】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【建造物分解】がLV2になった!
【照明】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV7になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!