【第一次東京奪還戦】333m根元の攻防戦(作者 離岸)
#TOKYOエゼキエル戦争
#【第一次東京奪還戦】東京タワー掃討戦
#第一次東京奪還戦
#ファーストアタック
#港区
#東京タワー掃討戦
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江東区から東京タワーへ続く道路に、何重にもわたるバイクの排気音が響いている。
バイクを駆る者たちはみな一様に人間離れした姿の持ち主ばかり。このディヴィジョンの東京には珍しくない、アークデーモンだ。
唯一変わっているところと言えば学ランにチェーン、赤いシミのついた釘バットといった旧時代的な、かつ物騒な出で立ちくらいであろう。
「オメーら、グラシャラボラスくんの言ったことちゃんと覚えてるんだろうなァ!!?」
バイク部隊の先頭に立つ一体のアークデーモンが、噛んでいたガムを吐き捨てながらやたらとドスの効いた声で後方の味方へ叫びかける。
「おうよぉ! ハルファスとかいうのがやられちまったってんで、港区を俺らの支配領域(シマ)にする絶好の機会だってんだろ!!?」
「よその区の連中も手ぇ出すってんだからそいつ等をヤっちまえって話だろ!!?」
「あァ!? ハルファスをノした連中をぶっ殺してこいって話じゃねえのか!!?」
「どいつも正解だァ!!」
先頭の悪魔……おそらくはこの一団のリーダー格なのだろう。彼は持っている釘バットを地面に擦り火花を散らしながら上機嫌に大笑いした。
「ハルファスをヤった奴らもよその区の連中も東京タワーに集まってんだろうよ! そいつら全員血祭りに上げろってのが命令(オーダー)だ!
気合い入れろよォ! グラシャラボラスくんの全国制覇への道(ロード)はこっから始まるんだぜェ!!」
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「港区を奪還するカギは、同区の象徴ともいえる東京タワーです」
集まったディアボロスへ、いつになく真剣な表情で綾小路・桜(人間の妖精騎士・g03314)はそう話を切り出した。
「説明は不要かもしれませんが、先日港区の支配者であるハルファスを撃破したことにより、港区を私たちの時代に取り戻すための戦いが行えるようになりました。
現在は、攻略旅団の皆さんの探索や調査提案によって、他のクロノヴェーダ勢力よりも先に東京タワーの制圧に成功している状態です」
このまま東京タワーを守り切れば、港区を最終人類史に奪還することが可能だと目されている。
だが、クロノヴェーダとて支配者不在の港区をただ黙って見ているはずもない。
「港区に隣接する5つの区から、すでに大天使やアークデーモンが東京タワーへ向けて軍勢を差し向けています。
皆さんには、それらの軍勢の一つ……江東区のアークデーモン、グラシャラボラスの先遣隊の迎撃をお願いしたいんです」
グラシャラボラスが放ったトループス級は『ヤンキーデーモン』と称される、2013年の日本でもおそらくはステレオタイプと言わざるを得ないような不良を模したアークデーモンである。
グラシャラボラスをリーダーとしてともに世界を獲る、そんな感じのノリで生きている存在である。
「大一番ですから士気はおそらく高いでしょうし、ノリから察するに根性みたいなものはありそうな気がしますね。
トループス級の相手ではありますが、いつも以上に油断しないよう、気を付けてください」
逆に、この進行を跳ね除けることができれば、【第一次東京奪還戦】と称される戦いに大きく弾みがつくだろう。少なくとも、東京タワーへの防衛に割くべき意識を攻勢に割り振る余地も出てくるはずだ。
「世界が新宿だけになってしまってから、もう4ヶ月くらい経つのですかね。今回の一戦は、寂しい世界に港区を取り戻すための……もっと言えば、世界を取り戻すための、大きな一歩になる筈です」
少しの間、これまでの日々を思い返すように桜は視線を他所へ向ける。奪い返せるかもしれない世界、そこに何かしら思うところはあるのだろう。
だが、それも数秒ほどにすぎない。視線を戻した時にはもう、彼女の眼はしっかりとディアボロスを見据えていた。
「失礼しました、焦りは禁物ですね。まずは目の前の先遣隊をきちんと追い払って、【第一次東京奪還戦】への弾みをつけましょう。今回も、よろしくお願いします」
こう言葉を締めると、彼女は姿勢を正しディアボロスたちへ深々と礼をするのであった。
リプレイ
魏・鋼
ほう、これが未来の戦車ですか
一人乗りで小回りも効きそうですな
ということは運用思想としては騎兵の発展形として速度を活かした運用をすべきものなのでしょう
であれば騎兵同士、少々文化は違えど同じ兵種同士での戦いにおいて負けてやるつもりはありません
我が愛馬よ、征きましょうか、速度(スピード)の向こう側へ…!
防具は薄そうですがそこは妖魔共の肉体、軽く見る訳にはいきません
大通りの広さを活かして愛馬と共に戦騎疾駆で駆け抜けつつ
懐から飛刀を取り出しバイクのタイヤ付近に投げつけます
パンクすれば上々、避けてくれればそれも良し
いずれにせよ体勢を少しでも崩させることができれば良いのです
そこを速度を伴った槍で貫きましょう
長月・夜永
んー、、、来たね
偵察+看破で
バイクで近づいてくる敵の戦力を見極めて罠を仕掛けます
危険走行は大変危険です
急なスリップ事故には十分ご注意下さい
さぁ先ずは挨拶代わり
結界術+氷雪使いの応用で道路を一瞬で凍結させスリップ事故を誘発させます
さらに滑って事故った追撃で
忍法・氷柱舞を連続魔法+誘導弾+早業で無慈悲に叩き込み
超低温の凍結効果で捕縛を狙います
チェーン攻撃は氷柱舞の巨大な氷柱を、器用に身代わりに使い回避を試みます
ほいさ、見え見えの攻撃は効かないぞ♪
お返し!氷の抱かれて眠っちゃえ!!穿て!!
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各区のクロノヴェーダが現地に到着し次第ディアボロスたちとの交戦が始まる。それは、敵味方を問わずこの攻防戦における一種の共通認識であるだろう。
だが、移動手段にバイクなんてものを使ったためか、現実は少しばかり違った形でヤンキーデーモンたちに会敵を強いる。
「ほう、これが未来の戦車ですか。一人乗りで小回りも効きそうですな」
「オイィ!? なんだこのジジイはよォ!!?」
ヤンキーデーモンが戸惑ったような声を上げたのは、いつの間にやら魏・鋼(一臂之力・g05688)の駆る無双馬がバイクと並走していたためである。
周囲のヤンキーデーモンからの罵声が聞こえていないように流しつつ、鋼は顎髭を撫でバイクをしばらく観察する。
この機動力を活かすとならば、運用思想としては騎兵のそれ、あるいはその発展形を想像すればよさそうだ。
であれば少々文化は違えど、同じ兵種同士での戦いにおいて負けてやるつもりなどない。
「リーダー! このジジイの馬(バイク)ヤベエぞ! 俺らのマシンでも振り切れねえ!!」
「ならちょっと痛めつけてやれやァ!」
先頭を走る一体の号令で、悠々とバイクの速度に並ぶ無双馬を挟み込むようにバイクを付けるヤンキーデーモン。
「スっこんでろコラァ!!」
左右から同時に振るわれた鞭のような鎖。片方を受ければもう片方は確実に鋼を捕らえるだろうそれを、鎖が放たれる直前に無双馬に更なる加速を命じ、すり抜けるようにして回避。
ヤンキーデーモンもそれを追うべくバイクを加速させようとするが、それよりも早く鋼は懐から飛刀を投げつけた。
「この程度で俺の相棒、破れるととでも
……!?」
タイヤを狙った刃物の軌道を読み切ると、ヤンキーデーモンはハンドルを切ってあっさりとそれを避けてみせる。
わずかにずれたバイクの軌道を修正すべくハンドルを逆に切り直し――突如タイヤが空転、そして屈辱の転倒。
転倒の衝撃に顔をしかめつつヤンキーデーモンはありえねェと呟きながら顔を上げる。他にも何台かのバイクが自分と同様に転倒しているのが見えた。
何でもないような場所で何台も同時に転倒なんて普通に考えればあり得ない話だ。と、すれば。
「危険走行は大変危険です。急なスリップ事故には十分ご注意下さい」
声とともに降ってきた、巨大な氷柱。転倒したヤンキーデーモンたちを狙いすまし降り注ぐそれを全力で回避しようとするが間に合わない。
体のあちこちに突き刺さっていく氷は釘バットでぶん殴られるよりも何倍も痛い。
そんな感想と共に突き刺さった氷柱を叩き折って立ち上がり、ようやくヤンキーデーモンは襲撃者の姿を視認できた。
立っていたのは、長月・夜永(は普通の女のコである・g03735)。
彼女はこれまでのバイクの動かし方や鋼との攻防を子細に観察することで相手に罠を仕掛けることができると判断。
鋼がタイヤを狙うことで強引にバイクを曲がらせた瞬間を見計らい、周囲の道路を一瞬で冬の雪道のように凍結させてしまったのだ。
「先行ってろ! すぐ追いつくからよォ!!」
「……ああ! 向こうで待ってるぜ!!」
東京タワーに向かっていくバイクの一団を見送り、同じく氷柱からの強襲から復帰した何体かのヤンキーデーモンが夜永を取り囲んだ。
「たっぷり可愛がってやろうじゃねえか!」
「死にさらせェ!!」
ドスの効いた声とともに放たれた三本の鎖が夜永を捕縛するようにその体へ巻き付いた……ように見えたのは一瞬。実際に勢い任せに放たれた鎖が捕えたの巨大な氷柱だ。
「見え見えの攻撃は効かないぞ♪」
ヤンキーデーモンたちを見下ろすように氷柱の上でしゃがみ込む夜永の笑みに、ヤンキーたちは目を見開く。
これも当然、彼女の術。攻撃に使っていた氷柱を一瞬で顕現させ回避に転用する様はまさに現代の忍びと言ったところだろう。
「お返し! 氷に抱かれて眠っちゃえ!」
「ぐぁああ!!」
反撃とばかり、さらに氷柱を生成させ目の前の相手に放てば、突き刺さる数多の氷柱にたまらずヤンキーデーモンは苦悶の声を上げた。
その背を目がけて別のヤンキーデーモンはもう一度攻撃に転じようとしたが、敵意に満ちた意識が、背後から近づいてくる力強い蹄の音への対応を鈍らせた。
「我が愛馬よ、征きましょうか、速度(スピード)の向こう側へ……!」
スリップの混乱に乗じて一度場を離脱した鋼が、戻ってきたのだ。
突進の速度と共に突き出された槍を避けられないヤンキーデーモンの腹部を貫き、薙ぐ動作に付随し別の個体へ放り投げることで夜永への攻撃の芽を潰す。
この場に残されたヤンキーデーモンはまだ何名もいる。鋼は無双馬を操り敵へ向き直ると、夜永の背を守るように位置取った。
「助太刀いたしますぞ」
「ありがとっ、これで百人力だね!」
「ナめてんじゃ、ねえぞォォォ!!!」
咆哮と共に突撃してくるヤンキーデーモンたちを迎え撃つべく、二人は再度武器を構えた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
シャルロット・アミ
すごいわ…本でしか読んだことのない「ヤンキー」が
悪魔とは言え見られるんですもの
スマホで写真撮ってもいいかしら
どうせ、本体は死んじゃうんだものね
一通り記念撮影が済んだところで
本気でいきましょうか
この時代だから持ってきたのはショルダーキーボード
アップテンポに騎士の讃歌を奏でるわ
いでよ、騎士たち 戦いの真髄を奴らに見せつけよ!
音楽で騎士たちを鼓舞しながら
威圧する目に対抗するわ
手が震えて時々演奏が止まるかもしれないけれども
けして諦めたりしない
倒して、この戦いに弾みをつけたい
その思いは本物だから
本気出していくわよ!(ヤンキー風)
アドリブ、連携歓迎です
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
東京奪還戦の趨勢を左右する東京タワー、貴方達クロノヴェーダに奪還される訳には行かないわ
押し通ると言うのなら…この私、魔法の竜神が神罰を下してあげる!
(「神とかフカシこいてんじゃねぇー!」等、当然の罵倒浴び)
…ま、まだ力を取り戻せていないだけよ!
何時か、人々を護って慕われる神様に返り咲いてやるんだから!(強がり)
戦旗を振るって【赤雷招来】
戦場に降り注ぐ雷を操り、悪魔達に落としてゆくわ
チェーンは槍斧で受け止め防御
巻き付いて拘束されても…
いいのかしら?“通り道”を作ってしまって
己に雷を落として放電
チェーンを介して流し込んであげる
(魔術知識と電撃使いで感電しない)
さあ、度胸があれば掛かって来なさい!
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東京タワーの近辺までたどり着いたヤンキーデーモンたちであるが、ディアボロスたちは既に彼らを迎撃すべく東京タワーへの道中で待ち構えていた。
「東京奪還戦の趨勢を左右する東京タワー、貴方達クロノヴェーダに奪還される訳には行かないわ」
威圧的な黒き翼を広げ、ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は静かに目を見開く。
ハルバードを力強く振るい、敵の群れを見据える視線がこの先へは決して通さないと強く叫んだ。
「押し通ると言うのなら……この私、魔法の竜神が神罰を下してあげる!」
「アァ!? 神だなんて痛々しいホラ吹いてんじゃねえよネーちゃんよォ!」
「……ま、まだ力を取り戻せていないだけよ! 何時か、人々を護って慕われる神様に返り咲いてやるんだから!」
たまらず言い返すツィルニトラ。この娘、どうにも素はこっちのようである。
「すごいわ……本でしか読んだことのない『ヤンキー』が悪魔とは言え見られるんですもの」
どうせ本体は死んじゃうしスマホで写真撮ってもいいかしらと、若干物騒な感想と共にシャッター音を鳴らすのはシャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)。
「見せもんじゃねえぞコラァ!!」
「大体女が二人で俺らに敵うとでも思ってんのか、アァ!?」
彼らの一人が発した挑発の言葉に他の個体たちも同調するように罵詈雑言を二人へ投げつける。
「女二人だなんて、本当に思っているのかしら?」
シャルロットはショルダーキーボードを構え、調子を確かめるように小さく鍵盤を鳴らして。
「いでよ、騎士たち。戦いの真髄を奴らに見せつけよ!」
魔法のように鍵盤の上を踊りだすシャルロットの白い指が、騎士の賛歌を歌いだす。
戦場の緊張感を高らかに奏でるアップテンポな曲に呼応するように、彼女の周囲には騎士の姿を取った幻影が現れた。
「さあ、度胸があれば掛かって来なさい!」
ハルバードの柄に黒い竜が描かれた戦旗を生成し、ツィルニトラがヤンキーデーモンへ向けて地を蹴った。幻影の騎士たちも各々の武器を構えそれに続く。
「魔を司りし竜の名の元に命ず! 迸れ、赤雷よ!」
ツィルニトラが旗を振るうと、それに呼応し空中に生まれた赤黒い稲妻が竜の形をとった。もう一度彼女が旗を振るえば、竜の稲妻はまるで意思を持っているかのようにヤンキーデーモンたちへと襲いかかっていく。
「不良ナめてんじゃねえぞ!!」
幻影の騎士との交戦の最中、降り注ぐ稲妻に次々と焼かれていくヤンキーデーモンたち。
けれど、古き良き時代の不良とはこういうもの、とばかりに歯を食いしばりながらも数体のヤンキーデーモンがツィルニトラへとチェーンを放つ。
咄嗟、ハルバードを盾にチェーンを受け止めるが、それはヤンキーたちの目論見通りでもあった。
「どおだァ! これでご自慢の旗は振れねえだろ!」
言われてハルバードを動かそうとするが、チェーンを介して数人がかりで押さえつけられた武器が動かせない。
「よく考えましたね……と、言いたいところですが。いいのかしら? 『通り道』を作ってしまって」
「ア? 何言って
、……!!?」
勝ち誇ったような表情を浮かべていたヤンキーデーモンを他所に、ツィルニトラが意志だけで世界に命じ雷を落とすと決めた対象は、自分。
彼女自身の生んだ雷だ。自分で受けた所でダメージにはならない。だが、チェーンを通じて繋がっているヤンキーデーモンたちへはどうだろうか。
結果は明確だ。流し込まれた電撃の衝撃に今度こそ耐えられなかったヤンキーデーモンたちは、口から黒い煙を吐き出すとその場に倒れ込んだ。
他方、演奏を続けるシャルロットはヤンキーデーモンたちの威圧感を籠めた眼光にさらされていた。
「その曲やめろっつってんだよオラァ! 演奏止めればこいつらも出てこねえんだろ!?」
何人かの騎士が彼女を守るように武器を振るってはいるが、視線を介した精神攻撃までは防ぐことができないでいるのだ。
――怖い。
震える指先が奏でる曲を乱し、それに呼応し騎士たちの動きも鈍る。それを感じとったヤンキーデーモンはさらにシャルロットへの圧を強めていく。
(でも、)
それでも、鍵盤を弾き続けることを、諦めない。
目の前の敵を倒し、世界を取り戻す戦いへの弾みをつけたい。その思いは、本物だから。
「本気出していくわよ!」
重圧を振り払うように張り上げた声は、ヤンキーデーモンたちを逆に威圧するには十分な鋭さを持っていた。
再び精密さを取り戻した演奏に騎士たちの動きも鋭さを増し、一転ヤンキーデーモンたちへの攻撃へ転じていくのであった。
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「くそ、グラシャラボラスくん……悪ィ……!」
結局、流れを引き寄せたディアボロスの猛攻を止めることはできず、ヤンキーデーモンたちは皆撃破された。
ひとまず東京タワーをめぐる戦いではこちらが一歩リードできたと考えていいだろう。
その確信とともに、ディアボロスたちはこの場を立ち去っていくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!