樊城の戦い~内に入り、内より破れ(作者 雷紋寺音弥
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#大戦乱群蟲三国志  #樊城の戦い:魏  #魏 

●魏軍進撃
 荒涼とした大地を進む、鎧兜に身を包んだ兵の列。
 否、彼らの身体を覆っているのは鎧や兜だけではない。陽光を受けて鈍く輝くそれらは、己の肉体より生じた甲殻だ。
「全軍、止まれ! どうやら、後続が遅れているようだが?」
「も、申し訳ございません! 最後尾の兵達は、我等とは異なりただの人間であるが故に……」
 巨大な甲虫を思わせる将に、先頭を行く兵の長が頭を下げた。だが、軍勢の将は険しい表情を変えることなく、長の言葉を一蹴した。
「下らぬ言い訳など不要だ。良いか……戦とは、期を誤れば敗北に繋がる。そして、状況は常に変わり、我等の都合など構ってはくれぬ」
 だからこそ、進軍の速度を落としてはならない。それだけ言って、軍勢の将は再び隊を動かし始める。
 蟲将曹純。魏王曹操の従弟が目指すのは、魏軍の拠点である樊城の地であった。

●戦乱の予感
「大戦乱群蟲三国志のデヴィジョンにて、魏、蜀、そして呉の三国による動きが確認された。どうやら、我等の力が必要な時が来たようだな」
 新宿駅のグランドターミナルにて、蒼・勝峰(インセクティアの無双武人・g03511)は集まったディアボロス達に、向かうべきデヴィジョンについての説明を始めた。
 場所は中国。時代は西暦219年。いわゆる『三国志』の時代である。このディヴィジョンのクロノヴェーダである蟲将は、大戦乱を引き起こす事で力を増して行く性質を持っている。
「現在、三勢力の一角である魏の大軍が、中国大陸の中央部にある『荊州』の北部へと移動している。恐らく、荊州を守る蜀の将軍『関羽』との戦いに備えているのであろう」

 今回の任務は、魏軍の軍勢の集結を妨害し、大戦乱が怒るのを未然に防ぐことである。そのために必要なこととして、まずは一般人の雑兵の中に潜入して欲しいと勝峰は告げた。
「敵の軍勢の大半は、一般人の兵から成っている。彼らが多数集まり、殺し合いを行うことで、蟲将の求める大戦乱を生じさせようというのだろう」
 敵の数からして、真っ向から戦いを挑み阻止するのは不可能。ならば、内部に潜入して流言飛語を流すなどし、軍勢を混乱させ撤退させるのが望ましい。敵軍が混乱すれば、隊を率いる敵将の曹純と精鋭部隊への攻撃が行えるようになるので、これを撃破すれば任務は完了だ。
「曹純さえ討ち取れば、残る軍勢は行動不能に陥るはず。流言飛語の工作が上手くいけば、軍勢の足並みは乱れ、兵達が離散するかもしれぬな」

 ディアボロスにとって、一般人の軍勢など敵ではない。だが、敵軍に真っ向から攻撃を仕掛ければ、多くの者の命を無駄に奪うことになってしまう。
「兵士達の多くは強引に徴用された村人だ。可能な限り被害を与えず、クロノヴェーダのみを撃破して欲しい。貴殿らの活躍に期待するぞ」
 この戦いが、正しき歴史を取り戻すための大いなる一歩にならんことを。そう言って、勝峰はパラドクストレインに乗車するディアボロス達を見送った。

●末端の者達
 行軍を続ける曹純の部隊。前衛を務める蟲将達の士気は高いものの、しかし最後尾を務める者達になれば、必ずしもそうとは限らない。
「あぁ……腹が減ったなぁ。おまけに鎧も兜もなく、こんな鍬や鎌なんかで戦えってのか!?」
「お前はマシだよ……俺なんか素手だぞ? それに、満腹には足りなくても食えるだけマシだろ?」
 まともな装備もなく、最低限の食料しか与えられなければ、おのずと士気も下がるもの。彼らの不安を煽って噂を流し、上手く内部に入り込むことができれば、曹純を討ち取ることに繋がるかもしれない。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【強運の加護】
2
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
2
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV5 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV2 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 今回は『大戦乱群蟲三国志』のデヴィジョンにて、魏軍の進行を食い止める依頼となります。
 行軍してくる魏の軍勢の一般兵に紛れ込み、虚報によって混乱を引き起こした上で、指揮官である『曹純』を、直属の親衛隊共々に撃破してください。

●選択肢①:流言飛語
 流言飛語によって、一般人の行動を制御する選択肢です。
 クロノヴェーダには効果がありませんが、一般人相手ならば、パラドクス効果を利用すれば、それほど難しくありません。
 部隊の最後尾を務める一般人の間に虚報を流し、隊列を乱させて混乱を起こしましょう。

●選択肢②:敵の配下に紛れ込む
 敵の内部に潜入する選択肢です。
 部隊の最後尾を務める一般人の集団に紛れ込んでください。
 なお、ディアボロスの能力は『種族や装備に違和感を与えない』ものですが、兵士という立場を偽装することはできないので、そこは工夫が必要となります。
 兵役志願者、左遷された兵士など、上手く設定を凝らして兵達の信用を得ましょう。

●選択肢③:護衛するトループス級(魏軍硬殻兵)
 指揮官の戦闘を支援する集団敵と戦います。
 この集団敵撃破前に指揮官である『曹純』と戦闘した場合、彼らが『曹純』の援護を行うことで、ディアボロスの行動が妨害される可能性があります。

●選択肢④:アヴァタール級との決戦(曹純)
 魏軍の部隊を率いる指揮官です。
 彼を撃破することで、シナリオは成功となります。
 いきなりこちらの選択肢を選ぶことも可能ですが、他の選択肢が攻略されていない場合は成功率が著しく下がりますので、プレイングを採用されずに終わる可能性も高くなります。
 ご了承ください。
53

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


村雨・ソフィア
サンキュー春風!!
頑張った春風をナデナデしてあげマース♪
グッドラックパワーを借りてウチも頑張りマース!

「Hey!Guys!!腹が減ってはナントヤラ!まずはみんなでハラゴシラエデース!」
敵陣営に潜り込んだらまずは【口福の伝道者】で皆んなにデリシャス!なSUSHIを振る舞いマスヨ!
ソーハングリーな一般ピーポーはこれでウチらを信用をしやすくなるはずデス!
「SUSHIだけじゃなくてみんなのハートも握っちゃうデスよ❤️」
高まった闘気はとりあえず前にいる虫将達の方に撃っときマース❤️
(使用PD:美味三昧砲)


桜之宮・春風
へー、中国ってこんななんだねー
私、初の海外デビュー☆
なーんて、喜ぶには雰囲気が最悪かも
仕方ないからお仕事しますかー

まず紛れ込むために手ごろな武器が落ちてないか探そっと
強運の加護もあるから見つかるでしょー
棒きれでもいいしね

なんで兵士じゃないのにいるかって?
……私、お父さんを探してるんです
お父さんは兵士で、もしかしたら生きて帰れないかもって……

だから、お父さんが生きて帰れるように私も戦うんです
あはは、力になんてなれないかもですけど

こんなところかな☆
同情心を誘いつつ紛れ込みますよー
狙い目は子供がいそうなおじさん!

後は知り合いってことでソフィアさんを引き入れましょー
姿を見かけたら嬉し気に近寄りますよ☆


●薄幸少女の計
 末端の兵とはいえ、それでも兵士。簡素な武器しか持たされていないとはいえ、その全員が男ばかり。
 だからこそ、そこに子どもが紛れていれば、否応なしに目立つというもの。ましてや、それが女ともなれば、目立たないはずがないわけで。
(「へー、中国ってこんななんだねー。私、初の海外デビュー☆」)
 棒切れ片手に辺りの様子を伺う桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)だったが、そんな彼女に向けられたのは好奇の視線。瞬く間に男達に取り囲まれてしまったが、それも春風にとっては計算の内。
「なんだぁ? おい、お嬢ちゃん。こんなところで、何やってる?」
 訝し気な表情で春風に問いかける男達。そんな彼らに、春風は少しばかり目に涙を浮かべる素振りを見せながら、ぽつり、ぽつりと語り出した。
「……私、お父さんを探してるんです。お父さんは兵士で、もしかしたら生きて帰れないかもって……」
 だから、父が生きて帰ってこれるよう、自分も戦わせて欲しい。もしかすると、この戦いに参加することで、父に合えるかもしれないと告げ。
「あはは、力になんてなれないかもですけど」
 軽く棒切れを振るって見せれば、その度に眩い輝きが起きたような気が。もっとも、男達はそれに気付かず、春風の身の上を聞いて勝手に涙を流し始めた。
「うぅ……実は、俺もお嬢ちゃんくらいの子を、故郷に残して来たんだ」
「親父さんを探しているんだろう? 手の空いた時で良ければ、俺達も手伝ってやるよ」
 春風の話を完全に信じ込んでしまった男達。そんな彼らの様子を前に心の中で笑みを浮かべつつ、春風は見知った顔を見つけて軽く手を振った。

●腹が減っては戦はできぬ
 春風が思わず手を振った相手。それは同じく末端の兵に接触を図った村雨・ソフィア(流離のBIKINI SUSHI WOMAN・g02103)だった。
「サンキュー春風!!」
 潜入を成功させた春風の頭を、ソフィアは何度も撫でてやった。もっとも、彼女は春風と違って大人の女なので、こんな場所にいるのは場違いなこと間違いなしなのだが。
「Hey! Guys!! 腹が減ってはナントヤラ! まずはみんなでハラゴシラエデース!」
 そう言うが早いか、ソフィアは瞬時に大量の寿司を用意すると、それらを男達に振る舞い始めた。
「なんだ、姉ちゃんは給仕係か。兵糧にしては少し変わった料理みたいだが……」
「……っ! う、美味い! なんだか知らねぇが、凄く美味いぞ、こいつは!」
 ソフィア自慢の寿司は、兵士達の胃袋とハートをしっかりゲット!
 彼らが食べれば食べる程に、だんだんと気が高まって行き……ソフィアはそっと、それを隊の前方目掛けて発射する。
(「これで準備は完了デース! さて、後はどう動きまショウカ?」)
 この様子なら、後はどんなディアボロスがやって来ても、兵達の中に紛れ込むのは容易なはず。このまま情報を操作して軍勢を撹乱するか、それとも一気に攻めに出るか。曹純の首を取るための、次なる行動はいかに?
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

柳谷・凪
モブオーラを纏って一般人のふりをして潜入、周りの人達に偽情報をばら撒いていくんだよ。
「旅の途中でここの大将・曹純の噂を聞いたんだけど、配下の一般人を肉の壁にして敵兵を消耗させて、疲れたところを精鋭部隊で蹂躙するとかって残虐非道な奴らしいんだよ。このままだとボク達も肉の壁にされて使い潰されちゃうかもしれないんだよ。そうなる前に逃げ出した方が絶対良いんだよ。」


アイ・リスパー
「兵士の間に嘘の情報を広め、軍の足並みを乱す。
それこそ、神算軍師たる私の専門分野ですね」(ドヤ顔

味方の援護で兵たちの中に紛れ込み、兵士のふりをしましょう。
これで情報を広めやすくなりますね。

【マックスウェルの悪魔】を使い【熱波の支配者】の効果で周囲の気温を上昇させます。
そして、周りの兵士たちに偽情報を流しましょう。

「この先は異常気象によって、とても暑くなっているらしいです。
このまま強行軍を続けたら、敵と戦う前に皆さんが倒れてしまいます。
こんな軍隊、すぐに逃げ出すべきです」

と、熱心に周囲の人たちを説得しますが……
私、インドア派なのでした。

「うう、あ、暑いです……水……」(環境ダメージは防げません


月下部・小雪
先に紛れ込んでいたディアボロスさんに手引きされて一般人の中に紛れ込みます。

【契約召喚】で魔犬型のアークデーモンを召喚。ボクのことを引っ張らせていきます。(自分で召喚した悪魔だけど、怖くて怖くて仕方ないです)
【友達催眠】の効果で周りの兵士さん達には昔からの友達みたいに思われてる、と思います。

手枷の鎖をじゃらじゃら鳴らしながら進んでいれば、きっと心配して声を変えてくれる……と思います、たぶん。
ボ、ボク罪人だからこの後最前線で使い潰され、ます。
そ、その後はたぶんみなさんの番だから……できるなら今のうちに逃げた方がいいですと忠告、です。


●流言の計
 敵の集団に、まんまと潜入することに成功したディアボロス達。ならば、作戦を次の段階へと進める時だ。今度は内部から偽の情報を流し、敵の足並みを乱すのだ。
(「兵士の間に嘘の情報を広め、軍の足並みを乱す。それこそ、神算軍師たる私の専門分野ですね」)
 荒野を行く兵士達の列を横目に、アイ・リスパー(電脳の天使・g02794)は自分が介入する機会を伺っていた。このまま突入しても良いのだが、それでは効果の程が低下する。物事には最適なタイミングが存在し、それを狙って行動することで、成功率を飛躍的に高められるのをアイは知っている。
 そんな中、アイより先に動いたのは、一般人のふりをして隊列に紛れ込んでいた柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー娘・g00667)だった。
「そういえば……旅の途中でここの大将・曹純の噂を聞いたんだけど、配下の一般人を肉の壁にして敵兵を消耗させて、疲れたところを精鋭部隊で蹂躙するとかって残虐非道な奴らしいんだよ」
 突然、何を言い出すのかと、その場にいた者達の視線が凪に集まる。しかし、凪は気にせず話を続け、更なる不安をあおって行く。
「このままだと、ボク達も肉の壁にされて使い潰されちゃうかもしれないんだよ。そうなる前に、逃げ出した方が絶対良いんだよ」
 そう言って凪が指差した先にいたのは、重たい手枷を嵌められて、鎖で犬に引っ張られる月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)だった。
 その様は、兵士というよりもまるで奴隷だ。おまけに、彼女を引く犬は見た目からして凶暴そうで、それこそ犬というよりも狼や虎と呼んだ方が相応しい。
「おい、大丈夫か、あんた?」
「見たところ、まだ子どもじゃねぇか。いったい、何があったんだ?」
 数人の者達が、見兼ねて小雪に語り掛けた。すると、小雪はさも悲しそうな表情を浮かべ、たどたどしい口調で語り出した。
「ボ、ボク罪人だから、この後最前線で使い潰され、ます。そ、その後は、たぶんみなさんの番だから……できるなら今のうちに逃げた方がいいです」
 年端も行かない少女が、枷を付けられて戦場に送られる。そんな光景をまざまざと見せつけられてしまっては、もう先の噂を信じる他にないという者も出てしまう。
「おい……やっぱり、さっきの話は本当なんじゃねぇか?」
「うぅむ……曹純様は、そんなことをするお方ではないと聞いているが……」
 何が真実なのか分からなくなり、兵士達の間に動揺が走っていた。これはチャンスだ。今こそ、最後のダメ押しをする時だと、ついに様子を伺っていたアイが動き出した。
「……おわっ! な、なんだ!?」
 突然、目の前に火矢が落ちて来たことで、周囲に緊迫した空気が漂い始めた。まさか、こんな場所で敵襲だろうか? 身構える兵達であったが、しかし彼らの前に現れたのは、敵軍ではなくアイだった。
「皆さん、この先は異常気象によって、とても暑くなっているらしいです。このまま強行軍を続けたら、敵と戦う前に皆さんが倒れてしまいます。こんな軍隊、すぐに逃げ出すべきです」
 万が一、熱波で体力を奪われてしまったが最後、後は肉壁にされるだけの運命しか待っていない。まあ、実際はこの熱波もアイが発生させているのだが、一般人である末端の兵士達は、当然のことながら気づかないわけで。
「うう、あ、暑いです……水……」
 唯一の誤算は、アイ自身がインドア派故に、自らも熱波に弱かったことだ。だが、これは今回に限っては、むしろ良い方向に作用した。
「おいおい、こんなクソ熱い場所を進軍するのに、水の補給もないってのか?」
「冗談じゃねぇぜ……。俺は飯を食いっぱぐれない生活に憧れて、武勲を立てて出世するために来たんだ。こんな場所で、ミイラにされて堪るかよ!」
 気の弱い者や己の命を第一に考える者達は、次々に武器を放り投げて進軍を放棄し始める。残っている者達も、どう判断して良いのか分からないまま、右往左往するだけだ。
 軍勢の最後尾は、瞬く間に大混乱へと陥った。やがて混乱は部隊全体へと伝播して、大きな隙を作り出すことになるだろう。
 その時こそ、曹純を筆頭とするクロノヴェーダを討つ時だ。末端の兵達が離散して行くのを横目に、ディアボロス達は敵の首魁を討つ機会を待つのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

青沢・屏
●目的
敵を撃破

●心情(セリフとしても使えできる)
「まず護衛を一掃し、あとは敵将を狙う。これは基本です」
神算軍師の出身地として、この場所での初戦、ちょっと綺麗勝ちたい欲しい。

●行動
イグジストハッキング使う。
敵を攻撃しながら自分たちを強化する。
時代の違う技法だが、虫にも未来の軍師の技を見せてやろう。

行動の合間にできるだけ敵の情報を集めて、初対面の相手ですから、情報が多ければ多いほど良いです。

(アレンジアドリブ大歓迎)


●量子の海に沈む
 流言と熱波にやられたことで、次々と離散して行く最後尾の兵達。それに気付いた魏軍の硬殻兵達が止めようとするも、あまりに数が違い過ぎるため、とてもではないが制止し切れていないようだ。
「まず護衛を一掃し、あとは敵将を狙う。これは基本です」
 そんな光景を横目に、青沢・屏(コーヒーアーティスト・g00202)は小さな声で呟いた。
 神算軍師としては、同じ勝利でも綺麗な勝利を目指したい。ならば、次はこの混乱に乗じ、敵将の護衛を減らすのだ。
「時代の違う技法だが、虫にも未来の軍師の技を見せてやろう」
 そう言って屏が軽く手をかざせば、逃亡者を追っていた硬殻兵の身体に異変が起き始めた。
「……っ! な、なんだ、これは!? 俺の身体が……消えて行く?」
「おい、どうした! しっかりし……ぐげぇぇぇっ! う、腕がぁぁぁっ!」
 ある者は身体の一部が粒子と化して消滅し、またある者はいきなり腕があり得ない方向にねじ曲がった。屏に存在情報を歪められた結果、彼らはこの世界において不確定かつ不安定な存在にされてしまったのだ。
(「さて……これで更なる混乱が見込めそうですね。私はその間に、更なる情報収集をさせていただきましょう」)
 敵に反撃する暇も与えず、屏は人混みの中へ消えて行った。狼狽する硬殻兵達は苦し紛れに槍から電撃を放つも、それは虚しく空を走るだけだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

羅・雪羽
先に向かった者達によって兵達が離散したようだ
この機を逃さず攻めるとならば……まずは護衛
曹純を攻める前に奴等を掃わなくては刃も届くまい

蓮風、私達の出番だ

無双馬の『蓮風』に騎乗し、戦覇横掃
自分の位置から近い敵に仕掛け、その周囲をなぎ払って攻撃
攻撃後は反撃が来る前に速やかに離れた後に次は別の方向から仕掛ける

奴等は集団、様々な方向から攻めることにより攪乱し指揮を乱していく
士気高揚の効果を活用し、他の者も抵抗なく戦いに向かえるように目立つ戦いをしよう
我等は無双の武人、この時こそ力を見せる時であろう


●無双の雪、参る!
 流言、熱波、そして奇襲。それらが波の如く重なった結果、既に曹純の軍勢は後方から崩壊を始めていた。
 離散を続ける兵達と、それを止めることのできない硬殻兵達。混沌が戦場を支配し始めた今こそが、一気に攻め入る好機だろう。
「この機を逃さず攻めるとならば……まずは護衛。曹純を攻める前に奴等を掃わなくては刃も届くまい。蓮風、私達の出番だ」
 愛馬の『蓮風』に騎乗したまま、羅・雪羽(嵐雪刹主・g00998)は一直線に戦場を駆ける。擦れ違い様に手近な敵を薙ぎ払い……しかし、中枢まで侵入することなく引き返す。
「敵襲だ! 曹純様をお守りしろ!」
「守りを固めろ! 相手は、たった一騎だぞ!」
 討ち漏らした硬殻兵達が一斉に槍で応戦して来たが、雪羽はそれをいなしつつ、少しばかり距離を取った。そして、人々が逃げ惑い混乱している個所を見つけ、再びそこへ突撃を開始する。
「死にたくなくば、下がるが良い! 我等は無双の武人……止められるものなら、止めてみよ!」
 陣形の乱れた個所へ一点集中で攻撃を仕掛けるのは兵法の基本。さすがに、何度も同じ攻撃を繰り返していれば、敵も守りを固めてしまうが。
(「そろそろ潮時だな。まあ、ここまで敵の目を引き付けられれば良いだろう」)
 自分の脇腹を敵の槍が掠め始めたところで、今度こそ雪羽は本当に撤退した。
 引き際を弁えた、鮮やかな身のこなし。残された硬殻兵達は、傷付いた身体を抑えつつ、去り行く雪羽を茫然と見つめることしかできなかった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!

村雨・ソフィア
ウチは仲間が攻殻兵と戦ってる間にしれっと大ボスに近づいちゃいマース!一足お先に敵の体力を削りに行きマスヨ!
【モブオーラ】【強運の加護】の効果を貰って給事係に扮して出前のつもりでボスまで行きマス
「ハァイ♪曹純のダンナにスペシャルSUSHIセットのお届けデース!!今日はサービス❤️100人前のMEGA盛りデース!これ食べて頑張って下サーイ♪」
アイのサポートももらってドーンとイッちゃいマスヨ!
そして敵がウチのデリシャスなSUSHIに気を取られてる間に妖刀パワーでフイウチデース!!
「最後のバンサンにウチのSUSHIが食べられるなんてハッピーデスヨ!」
村雨流抜刀術で素早く刀を抜いてチェストデース!!


アイ・リスパー
「ふふふ、私の策が上手くいったようですね」(熱中症気味

さて、硬殻兵は仲間が抑えてくれているようですので、私は敵将に向かった味方をサポートしましょう。
私の軍師としての策、見せてあげましょう。

「ふむ、味方は寿司職人のふりをして敵将に奇襲をかけるつもりのようですね。ならば!」

【モブオーラ】でついていきながら【口福の伝道者】を発動し、味方が握った寿司を食べます!
いや、別につまみ食いじゃないですよ?
これもれっきとした作戦なのです!(じゅるり

曹純の元に出現するのは、100人前に増えたお寿司!
いくら曹純でも一瞬で食べきることは不可能!

「さあ、今がチャンスです!」

私も【イグジストハッキング】で攻撃です!


●大量寿司の計?
 混乱の続く曹純の軍勢。唐突な襲撃に硬殻兵達の意識が向いている最中、アイ・リスパー(電脳の天使・g02794)は密かに敵の総大将である曹純の側へと近づいていた。
(「ふふふ、私の策が上手くいったようですね」)
 多少、熱気にやられた感はあるが、それも仕方のないことだ。見れば、他にも混乱に乗じて潜入した仲間が、曹純を相手に何かを仕掛けようとしている。
(「ふむ、味方は寿司職人のふりをして敵将に奇襲をかけるつもりのようですね。ならば!」)
 何かを思い立ったのか、アイはそのまま村雨・ソフィア(流離のBIKINI SUSHI WOMAN・g02103)の後ろを着いていった。ドサクサに紛れ、給仕係として曹純に近づき寝首を取る。確かに、作戦としては悪くなかったかもしれないが、問題なのは周りにいる硬殻兵達だ。
「なんだ、貴様は!? 今は食事どころではなぁい!」
「そもそも、まだ食事時ではないだろうに! 敵襲の最中、呑気に飯など食えるはずがなかろうが!」
 完全に守りが崩れていなかったため、曹純に接触するよりも先に、彼らによって行く手を阻まれてしまった。こうなったら、もう仕方がない。
「ハァイ♪ 曹純のダンナにスペシャルSUSHIセットのお届けデース!! 今日はサービス❤️ 100人前のMEGA盛りデース! これ食べて頑張って下サーイ♪」
 目の前に大量の寿司を並べ、ソフィアは強引に押し付けた。なお、アイはちゃっかり寿司のおこぼれを摘まみ食いしていたようだが……まあ、周囲に溶け込んでいるので、目立っていないから良しとしよう。
「まったく……あの娘、何を考えている?」
「給仕係の分際で、空気の読めぬやつだ」
 寿司の山を前にして、硬殻兵達は溜息混じりに文句を言っていた。そんな彼らの目を盗み、ソフィアは寿司の山を壁にすることで、一気に曹純へと攻め入ったのだが。
「最後のバンサンにウチのSUSHIが食べられるなんてハッピーデスヨ!」
「ふむ……給仕に紛して大将首を取らんとする、その覚悟や良し。しかし……」
 不意を討たれたにも関わらず、曹純は片手でソフィアの刀を受け止めていた。そんなことをすれば、当然のことながら自らも傷を負ってしまうが、敢えて片腕を犠牲にしつつ、彼は急所への攻撃を避けたのだ。
「奇襲を成すのであれば、当然のことながら、引き際も心得ていような、小娘!」
 次の瞬間、曹純の足下から巨大な影が現れると、それは突進でソフィアのことを寿司諸共に弾き飛ばした。曹純の駆る巨大甲虫、『甲豹騎』による反撃だ。
「SHIT! 流石はタイショー、一筋縄では行かないデス!」
 なんとか受け身を取るソフィアだったが、その周りに今度は硬殻兵達が集まって来る。このままでは拙いと、囲まれる前にアイが曹純の存在を書き換えることで、彼の手を大きく捻じ曲げた。
「……っ!」
「さあ、今がチャンスです!」
 倒れたソフィアの手を取って、撤退せんと走り出すアイ。だが、その後ろからは、腕を捻られた曹純が、なんと片手で巨大な剣を振るいながら追いかけて来た。
「おのれ、姑息な真似を!」
 刃こそ届かなかったが、それでも曹純の放った剣圧は、二人を軽々と吹き飛ばした。呪詛と現実改変を用いて敵の腕を侵食していなければ、首を刎ね飛ばされていたかもしれない。
「曹純様、お怪我を!?」
「誰か、早く薬師を呼んで来い!」
 片腕を抑える曹純の下に、次々と集まって来る硬殻兵達。曹純を討ち取ることができなかったソフィアとアイだったが、今の状況では彼の腕を一時的に使えなくさせただけでも、十分過ぎる戦果であろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【腐食】LV1が発生!
【無鍵空間】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!

月下部・小雪
さ、先に周りからやっつけた方がいいですよね。
降ってくる弓矢による射撃や、武器の投擲を念動力で逸らしたり、魔力障壁で防ぎながら反撃、です。

【契約召喚】で呼び出したのは自身に憑依・封印している殺人を唆すデーモンの現身。
犬耳、悪魔の翼の生えた少女の姿ですが、血まみれのワンピースを着たおどろおどろしい姿、です。
持っていた血まみれのナイフを振るうと斬撃の魔法が発動して、空中にいる硬殻兵達を切り刻んでいきます。
目に見える範囲の敵を倒しきったら、惨劇の様子にモーラットを抱えてガタガタ震えながら、も、もう十分ですと送喚します。

※アドリブや連携も大歓迎


桜之宮・春風
わー、見事な大混乱ですね☆
他のディアボロスさんが目立ってくれてるしフォローに回ろっかな

私ちゃんとべんきょーしてるから知ってますよ
敵前逃亡は銃殺刑! あれ? あっち銃持ってないし違う?
まぁいいや、とにかく危害を加えるのはNGでーす

拾った棒で不意打ち&挑発して引き付けますよー
ふふーん、貴方達なんてこの棒で十分だよ☆

一般人の兵士さんには逃げるようちゃんと言っておきますね
あ、それとさっきは騙してごめんなさーい

兵士さんが逃げたら本番!
棒をわざと折れるよう殴って目くらまししたりー
鎌を低く薙いで足を払ったりー
隙を作ったとこで遠心力に任せて鍬をずどーん

たーくさん武器が落ちてるんだから使わない手はないですよね☆


柳谷・凪
流言飛語も無事成功したから次は護衛を排除するんだよ。

敵は空中からの弓や投擲が得意みたいだけどボクだって飛べるんだよ。エアライドで飛翔して破軍衝でどんどん地面に叩き落としちゃうんだよ。
「飛べるのが自分たちだけだと思ったら大間違いなんだよ」


●残存兵を討て
 敵軍を混乱させることに成功したディアボロス達であったが、しかし敵将の首を取るためには、やはり周りの親衛隊が邪魔となる。
「さ、先に周りからやっつけた方がいいですよね」
 ならば、ここは王道の作戦で行くしかないと、月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)は自身に憑依している悪魔を呼び出した。
 人間の姿をしながら犬の耳を持ち、漆黒の翼を生やした少女。返り血に染まったワンピースは、彼女が人々に殺人を唆すデーモンの現身であることを物語っている。
「な、なんだ、貴様は!」
「えぇい、不埒なやつめ! さては貴様が騒ぎの元……っ!?」
 瞬間、硬殻兵達が小雪に襲い掛かろうとした矢先、彼らの身体に謎の斬撃が襲い掛かった。
「ぐぁぁぁぁっ! お、俺の腕がぁぁぁっ!」
「しっかりしろ! おのれ……面妖な術を使いおって!」
 悪魔の放った斬撃魔術で攻撃されたことで、いよいよ硬殻兵達は怒りに任せ、小雪を四方から攻撃し始めた。自慢の翅で空中に飛び上がり、上空から弓を放ってくるため、これでは小雪が一方的にやられてしまう。
「きゃぁっ! こ、こないでください!!」
 魔法の障壁で矢を防ぎながら、小雪は逃げた。攻撃の全てを悪魔に依存しているため、今の彼女は逃げるしかない。このままでは、いずれ追い詰められてしまうだろうが……しかし、硬殻兵達の前に現れたのは、小雪だけではなかった。
「ほらほら、余所見しない! 敵は地上にいるだけじゃないからね!」
「なにっ!? ぐぁぁぁぁっ!」
 突然、空から降り注いだ衝撃波が、硬殻兵達を叩き落す。見れば、空中に飛び上がった柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー娘・g00667)が、ドヤ顔で敵軍を見下ろしていた。
「そっちは空中からの弓や投擲が得意みたいだけど、ボク達だって飛べるんだからね。飛べるのが自分たちだけだと思ったら、大間違いなんだよ」
 先程から続く戦いの余波。その場に残されたパラドクスの残滓によって、今やディアボロス達は自由に空を飛び回れる。制空権の支配というアドバンテージがなくなれば、必ずしも硬殻兵達が有利とは限らない。
「くそっ! まず先に、あの煩いやつを叩き落せ!」
 必死に抵抗する硬殻兵達だったが、凪に攻撃を集中させれば、今度は下から斬撃の魔法が襲い掛かる。そちらに意識を集中すれば、反対に凪の放った衝撃波を受けてしまう。
 もはや、どこを狙って良いのかさえ分からず、硬殻兵達は完全に動きがバラバラになってしまっていた。

●羅刹の行軍
 硬殻兵達がディアボロスの迎撃に勤しむ中、周囲の村々から集められた一般人の兵達は、軒並み逃亡を開始していた。
「ひぇぇぇっ! お助けぇぇぇっ!」
「冗談じゃねぇぞ! あんな化け物と戦えるか!!」
 流言により不安を煽られていたのも相俟って、彼らは完全に戦意を喪失している。さすがに、そんな者達を討つわけにはいかないし、そもそも彼らは倒すべき敵でもない。
「わー、見事な大混乱ですね☆」
 人の流れに逆らう形で立ち、桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)は仕掛ける隙を伺っていた。
「私ちゃんとべんきょーしてるから知ってますよ。敵前逃亡は銃殺刑! あれ? あっち銃持ってないし違う?」
 とりあえず、適当なことを言って更に人々の不安を煽っておく。もはや、殆どの者は聞いてもいないだろうが、混乱が大きくなれば、それで良い。
「貴様! そこで何をやってい……うごっ!?」
 春風のことを不審に思って近づいて来た硬殻兵の頭に、棒切れの強烈な一撃が炸裂した。その一撃で棒切れは簡単に折れてしまったが、春風にとっては挑発できれば十分だった。
「ふふーん、貴方達なんてこの棒で十分だよ☆」
「なにを! 小癪な小娘が!」
 反撃に槍を繰り出して来る硬殻兵達。そこに合わせる形で、春風は落ちている鎌で足を払い、転んだ相手に鍬を叩き込んだ。なにしろ、逃亡した兵がその辺に武器を捨てているので、それらを拾って使えば武器に困ることはない。最悪、倒した硬殻兵の槍を拾って使えば、それもまた十分に強力な武器となる。
「な、なんというやつだ! まさか、このような敵が我が軍の懐に侵入していたとは!?」
 驚愕する硬殻兵達だったが、気づいた時には既に遅し。最後は上空から放たれた凪の衝撃波と、小雪の呼び出した悪魔の放つ斬撃魔術が、残る硬殻兵達を一網打尽にして叩き潰した。
「あ……がが……」
「そ、そんな……馬鹿……な……」
 手足を捥がれ、内臓が潰され、全身を痙攣させながら死んでゆく硬殻兵達。まさに、阿鼻叫喚の地獄絵図。その真っ只中に取り残され、小雪はモーラットを抱えたまま、震えながら悪魔を送還した。
「も、もう十分です……」
 かくして、曹純を守る硬殻兵達は大きく数を減らし、隊列もバラバラにされてしまった。
 時は来たれり。今こそ、軍の総大将である曹純を、総力を以て討つ時だ!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【強運の加護】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!

柳谷・凪
護衛も壊滅させたし後は敵将を討ち取るだけなんだよ。皆で頑張るのだー。
曹純の甲豹騎の突撃蹂躙を残像を残しながらエアライドも駆使して連続ジャンプでして回避し、そのまま天翔閃光脚で攻撃に繋げるのだ。
「その首、というか角、貰ったんだよ!」
そのでかくて派手な角を渾身の一撃でへし折ってやるんだよ。
曹純を倒したら声高々に
「敵将討ち取ったのだー」
と勝鬨を上げるんだよ。


月下部・小雪
あ、あとは一番えらい人をやっつければお仕事完了、です。

デーモンを再び呼び出すのはとっても怖いのでモーラットのコダマに頑張ってもらいます。
【モブオーラ】を纏ってコダマによる攻撃のチャンスを窺ってたけど……きゃっ、み、見つかっちゃったです。

怒ってカブトムシに乗って突撃してこようとする曹純さんをパラドクスで止めます。
抱えたコダマから【モラ・グローイング・シグナル】を発して地面から蔦が生えてきてカブトムシを拘束、です。
ひぃ、コ、コダマが止めてる間に攻撃しちゃってくださいです。

※アドリブや連携も大歓迎


カヤ・マジェスカ
野望を打ち砕くため、私も助太刀いたしますわ!
曹純、覚悟しなさい!

・行動
「甲豹騎」に「戦騎疾駆」で挑みます。
曹純の間合いに入らないよう、また曹純を見失わないよう無双馬で追いかけながら攻撃のチャンスを見ます。
曹純の隙を誘うよう、わざと近づいたり離れたりもします。
【エアライド】が発生しているので、上にも駆けましょう。

皆様や自分の行動で隙が出来たら、私は馬上からのアームキャノンで曹純の間合いの外からの砲撃を試みます。
騎士道を守らないと強くなる様な敵ならともかく、少しでも有利な条件で戦いたいですから。

そうして戦いながら、味方の有利になる位置へと曹純をおびき寄せます。


桜之宮・春風
それじゃー仕上げの総大将かな
さっきの攻防みてましたよ
お強いんですね☆

こういう相手には下手な小細工は逆効果
ってことで真っ向から行かせてもらいますよー?

虫の兵士さんが使ってた槍を拾ってー
じりじりと間合いを詰めて横薙ぎに一閃!

さっきダメになった腕の側から攻めますよ
弱った所を責めるのは当然ですからね
小細工じゃなく立派な戦法でーす

そのまま当たれば最高だけどそうはいかないですよね
握りは甘くして次の行動に素早く移れるようにしまーす

避けられたならそのまま突きで追撃
大剣で迎撃されたならわざと弾かれてそのまま反転
落ちてる武器を拾いながら勢いづいた大剣を押して弾き飛ばしますよ
残留効果で硬くなってるし多少の傷は我慢!


●激突、甲蟲将!
 それは、最初は小さな綻びだった。
 末端の兵士達の中で燻っていた不満。それらが水面下で広がり、制御できなくなったことで、完璧なる隊列は大きな乱れを生じさせた。
 その乱れを正すために兵を向かわせたが、その結果として多くの兵が各個に撃破されてしまった。気が付けば、曹純を守るべき硬殻兵達の大半は力尽き、あるいは彼を守るためには遠過ぎる場所まで誘導されてしまっていた。
「あ、あとは一番えらい人をやっつければ、お仕事完了、です」
「護衛も壊滅させたし、後は敵将を討ち取るだけなんだよ。皆で頑張るのだー」
 震える月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)の横で、柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー娘・g00667)が大きく腕を振り上げて叫んだ。もっとも、いくら戦況がこちらに有利な流れになっているからといって、いきなり真正面から仕掛けることはしない。
 敵の曹純は、本来の歴史においては知将として知られる男だ。史実においても、最も得意とする戦い方は『調子に乗った相手の隙を突いて戦況を引っ繰り返す』というものである。
 クロノヴェーダとなった今、本来の曹純の性格がどこまで残っているかは分からない。だが、迂闊に仕掛ければ各個撃破されるのは自明の理であり、最悪の場合は今まで積み重ねて来た勝利への布石が、全て粉々に砕かれてしまうだろう。
「野望を打ち砕くため、私も助太刀いたしますわ! 曹純、覚悟しなさい!」
 先の二人に代わり、先行して突っ込んだのはカヤ・マジェスカ(殲滅騎兵・g02706)だった。時折、目につく有象無象の雑魚を尻目に、カヤは果敢に曹純へと挑む。
「ほぅ……こちらを恐れずに向かって来るとは、余程腕前に自信があるようだな?」
 だが、曹純も然る者だ。彼もまた自慢の『甲豹騎』を呼び出すと、カヤのことを迎え討つ。地の利がカヤの方にあるとはいえ、実力だけなら曹純の方が上手。このままでは強引に押し切られてしまい兼ねない状態だったが……次の瞬間、突如として曹純の足下から無数の蔦が伸び、彼と甲豹騎をまとめて捕縛した。
「む……この術は……?」
 己の肉体を毒で蝕まれながらも、曹純は静かに周囲を見回した。未だ混乱して逃げ惑う兵達と、その間を縫って攻撃を仕掛けてくるディアボロス達。それらの中に、一人だけ奇妙な生き物を抱えて震えている少女を見つけ、曹純の瞳が鈍く輝いた。
「なるほど、貴様の仕業か、小娘」
「きゃっ、み、見つかっちゃったです!」
 術を仕掛けた主が小雪であると気付き、曹純は強引に蔦を引き千切りながら、彼女の方へと矛先を定める。
「ひぃ、コ、コダマが止めてる間に攻撃しちゃってくださいです!」
 このままでは蔦がもたない。拘束から解かれた瞬間、甲豹騎の角が自分の腹を貫く光景を想像してしまい、小雪は思わず顔を伏せたが。
「さっきの攻防みてましたよ。お強いんですね☆」
 その辺に落ちていた槍を投げ、桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)が割り込んで来た。咄嗟に槍を払い除け、狙いを小雪から春風に定め直す曹純だったが、春風は更に他の槍を拾うと、一気に距離を詰めて曹純の弱っている方の腕に攻撃を仕掛けて来た。
「弱った所を責めるのは当然ですからね。小細工じゃなく立派な戦法でーす」
「無論だ。それでこそ戦というものよ! 下らぬ情けなど無用なり!」
 一見、卑怯に見える春風の戦法にも、曹純はむしろ称賛の意を示す。やはりこの男、一筋縄ではいかない。勝つためには手段を選ばないのは相手も同じ。少しでも隙を見せたが最後、そこを突かれてやられるのはこちらだ。
 一度、攻撃を始めてしまったら、その手を休めるわけにはいかなかった。相手がこちらの攻撃を捌いた瞬間に別の武器を拾い、それでまた攻撃しての繰り返し。多少の傷は我慢する他になく、春風は少しでも曹純の動きを引き付けるため肉薄し。
「何処を見ているのです? 私のこと、お忘れですか?」
 その隙に、高々と跳躍したカヤが、空中から曹純目掛けて砲を放った。
 着弾と同時に広がる砂煙。それが晴れた先にいたのは、カヤでも春風でも、ましてや小雪でもなく。
「ボクが相手だ! 曹純、覚悟!」
 真正面から駆けて来たのは凪だった。ここに来て、まさかの正面突破。爆風を盾にしての奇襲だと考え、曹純もまた甲豹騎に乗ったまま凪へと向かって行く。
「甘いぞ、小娘! 名乗りなど挙げず、素直に奇襲を仕掛けていれば勝てたものを!」
 敢えて機会を棒に振った凪のことを、曹純は『調子に乗っている』と判断したのだろう。だが、それは凪の作戦だった。相手がこちらの隙を突いてくると分かっていれば、却って行動も読みやすい。
「その首、というか角、貰ったんだよ!」
 そう叫ぶが早いか、凪は大地を蹴って高々と跳躍し、曹純の真上を取った。咄嗟に甲豹騎を急停止させる曹純だったが、その時には既に、凪の強烈な脚が目と鼻の先に迫っていた。
「ぬぅっ! ……どうやら、調子に乗って目を曇らせていたのは、貴様達ではなく私の方だったようだな……」
 覚悟を決め、瞳を閉じた曹純の角を、凪の脚が粉砕する。その一撃は曹純の首さえも圧し折って、二度と再び立ち上がることを許さなかった。
「敵将、討ち取ったのだー」
 高々と勝鬨の声を上げ、凪は勝利を宣言する。かくして、ここに魏軍の将は討ち取られ、樊城の地にて大戦乱が起きる未来は阻止された。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年08月26日

樊城の戦い:魏

 『魏』の拠点、樊城には、首都・許都から、続々と援軍が集まり、『蜀』のジェネラル級クロノヴェーダ・関羽の侵攻に備えているようです。
 『蜀』の関羽の軍勢に対しては、別のディアボロスが大乱戦の阻止に動いているのですが、その作戦が成功したとしても『魏』の大群が樊城に集結していれば、『魏』が『蜀』に攻め込む大乱戦が発生してしまいます。
 大戦乱を阻止する為に、計略を用いて『魏』の援軍が樊城に到達するのを阻止してください。

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#大戦乱群蟲三国志
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#樊城の戦い:魏
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#魏


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選択肢『流言飛語』のルール

 一般人の集団に、嘘の情報や噂をばらまく事で、混乱させたり、ディアボロスが望む行動を取らせます。
 信憑性が高い嘘や、相手が信じたいと思っている嘘、或いは、相手の不安や不信に乗じるような噂を流せば、効果が高くなるでしょう。
 噂を流す対象の集団の情報や、流言飛語を流す目的については、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『敵の配下に紛れ込む』のルール

 クロノヴェーダの配下である、一般人の兵士などに紛れ込む選択肢です。
 ディアボロスの能力により、外見だけで怪しまれる事はありませんが、紛れ込む為には相応の作戦や行動が必要となるでしょう。
 なお、誰かがうまく紛れ込めれば、他のディアボロスを引き入れる事は難しくありません。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『魏軍硬殻兵』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『曹純』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「シメオン・グランツ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。