リプレイ
積商・和沙
ジメジメしたところね。
こんなところだから、キノコも大量発生しているのよ。
捕まっているエルフたちにキノコが生える前に助け出すわよ。
まずはあちこちにいるキノコの突破すればいいのね。
統制は取れていないから、集団に囲まれる心配はなさそうね。
素早く突っ切るわよ。
これは爆発するキノコの弾幕ね。
こちらに撃ち出してくる前に双翼魔弾で撃ち落として誘爆も狙ってこちらへの被弾を減らすわ。
峰谷・恵
「攻略するにもエルフ助けるにもまずこいつらを片付けないと」
他のディアボロスと連携を取る。
初手で敵集団にパラドクスを撃ち込み地形認識を狂わせて地の利で優位に立つ。敵の反撃は胞子を吸い込まないよう魔闘気で防ぎながら【風使い】で風向きを把握、風上に退避する。胞子の視界妨害は完全視界効果で対処。
その後は距離をとって敵の攻撃を回避しながらLUSTビームマシンガンの連射を撃ち込んで一体ずつ敵を処理していく。距離を詰めてくる敵は竜骸剣での飛びかかり斬りから闘気を集中させたLUSTクンフーブーツでの蹴り上げ→のけぞった所にLUSTビームマシンガン連射で撃破する。
「ドラゴンが来る前にエルフの救出は済ませないと」
赤薙・夜明
エルフさん達を助ける為にもキノコさんを倒しておかないと!
彼らも元はエルフだったのでしょうか?
そうであっても、そうであるからこそ ここで倒して解放する必要がありますね。
キノコ包囲網を花葬転生で対抗します
【植物活性】でキノコが生えるより早く土の養分を奪ってしまいましょう
キノコに花が育つのかと聞かれれば腐生植物というのがあります。
有名な所は蘭科や銀竜草。菌類に根を伸ばし栄養を吸い取ります
それがマイコニドさんを食べつくしはしないでしょうが
その身に生えれば邪魔にはなるでしょう
包囲には包囲で対抗させていただきます
●
妖精郷の奥地。そこは鬱蒼とした森だった。
日差しという日差しほぼ木々に遮られ、かろうじて振りくる木漏れ日で森の中がほんのりと明るいという状況。
こんなところにいたら気分まで落ちてきそうだと、ツインテールを揺らしながら積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)は微かに顔を顰めた。
「ジメジメしたところね……。こんなところだから、キノコも大量発生しているのよ」
と足元を見れば、至る所に様々なキノコがにょきにょきと生えている。
このキノコたちに罪はないが、あのキノコには罪がある。
そう、マイコニドには罪があるのだ。
聞くところによるとマイコニドは、ヤシの実に入れられ囚われたエルフを運ぶという仕事もしているという。
こんなジメジメしたところで保管などされたら、ヤシの実にもキノコが生えかねない。
そうなったら――。
「捕まってるエルフたちにキノコが生える前に助けに行くわよ!」
と意気込んだその時。
早速、獣道をのろのろと徘徊しているマイコニドの集団を発見する。
マイコニドの集団は前情報どおりに統制は全く取れてはいない様子で、お互い出会っても話すわけでもなく、ディアボロスを見つけても共闘するわけでもなく。
ただ前に向かってのそりのそりと歩を進めていた。
「防衛要塞を攻略するにもエルフ助けるにもまずこいつらを片付けないと」
峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)が言うと。
「そうですね。まずはキノコさんを倒しましょう!」
赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)も、むんと意気込む。
「囲まれる心配はなさそうね、なら素早く突っ切るわよ!」
計算記号が散りばめられた翼を羽搏かせた和沙は、マイコニドを指さす。自分が狙われたと察知したマイコニドも、どこからともなくキノコ爆弾を構え――。
和沙とマイコニドは、各々の弾を同時に打ち出したように見えた。
が、和沙の放った弾丸のスピードの方が上。弾丸はマイコニドのキノコ爆弾を空中で撃ち落とし、さらにマイコニドも撃ち倒す。
爆弾の煙幕が晴れたころ。
夜明は輪郭をあらわにしたマイコニドを見据えた。
(「彼らも元はエルフだったのでしょうか?」)
そうであっても。いや、そうであるからこそ。
(「ここで倒して解放する必要がありますね」)
悲しき末路をたどったエルフに、癒しの花を――。
「大地は屍を花で抱き 命は影に等しき物となる 死よ光を抱く影となれ」
夜明が唱えると、鬱蒼とした森に一条の光が差す。するとマイコニドを包み込んだ光の下に、花の芽が次々と開いた。
芽は植物活性の力を得ながらぐんぐんと芽を伸ばし茎を太くしていく。それはマイコニドが発生させるキノコの成長よりも早く――いや、キノコの養分も吸い上げん勢いで育ってゆく。
「キノコに花が育つのかと聞かれれば腐生植物というのがあります。有名な所ですと、蘭科や銀竜草。菌類に根を伸ばし栄養を吸い取ります」
植物たちはマイコニドも養分にして伸びてゆき、やがて各々の花を開かせる。
決して美しいとは言えない花たちだが、その身に生えれば邪魔にはなるようで、マイコニドたちは花を除けようともがき暴れだした。そのうち養分も吸い取られてしまうのだろう。
夜明はマイコニドたちをキッと見据える。
「キノコの包囲には、花の包囲で対抗させていただきます」
暴れ散らすマイコニドたちに、さらなる光が降り注がんとしていた。
「地の理乱す天光よ降れ」
漆黒の髪を揺らした恵が天を指さして唱えると、木漏れ日さえも届きにくいこの森に明るい光弾の雨が降る。
光弾の雨はマイコニドにも容赦なく降り注ぎ、マイコニドたちは急な明暗の変化からか、はたまた光弾によるダメージからか。全身から毒の胞子を放出しながらあちこちに逃げ惑いはじめた。
マイコニドから放出されている胞子だ。明らかに害があるものだろう。
「ボクはお前たちの胞子になんか、惑わされない!」
恵は、魔力と闘気を融合させた気を纏うと、瞬時に風向きを察知した。
現在、風向きは無風。だが、空中にばらまかれた胞子は低く広く拡散するだろう。
ということは、地上は危険。恵は小悪魔の翼を羽搏かせて上空に逃げると、得物のビームマシンガンを構えた。
恵の脳裏をよぎるのは、防衛要塞のこと。囚われたエルフのこと。
だけどもう一つ、懸念材料が存在していた。
それは、生贄砲が発射できないと解れば再び侵攻してくる可能性もあるというドラゴン勢力。
「ドラゴンが来る前にエルフの救出は済ませないと」
せめて。
手が届く命は救いたい。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
プレシア・アルニラム
◎共闘、アドリブ等歓迎
エルフさん達を助けなければですね
まずは目前のマイコニドから
※エルフの入ったヤシの実を誤爆しない様に注意
気付いた点は随時味方に声掛けや手振りで連絡する
◆行動
良く知るキノコは原木からそっと伸びて来ますが
地面直生えの茸は少し危険な予感がします
あっ、言う側からこの成長具合が危険です
まだ潰される訳にはいきません
生えるキノコ群は技能の「風使い」+「斬撃」で軽減
また、生え方の法則等を「記憶術」で一時的に覚えて
回避に動く等で対抗を図る
周囲を一通り刈り終わったら
タイミングを見て
パラドクス【リングスラッシャー】を発動して伐採します
塩代わりに「砂使い」で砂を撒いて浄化の補助にしてしまいましょう
ベアトリス・リュウフワ
汚物は駆除対象です。例外はありません。
疾く、転がしている其れから手を放しなさい。
【壁歩き】により、樹木などを利用して高所を確保。
タイミングを見計らい、背後をとるように落下して、降り際に【斬撃】を見舞います。
統率が取れていない存在に対しては、この手の攪乱が一番効きますの。
そのまま、剣舞を展開。
目にも留まらぬ【連撃】と、【残像】を残すほどの【ダンス】のように洗練された所作を組み合わせて、連中をかき乱しましょう。
どうせ、散り際にその胞子をばら撒くのでしょう?
その瞬間に、それらを吸い込まぬよう息を止め、【斬撃】の衝撃を【爆破】させて、味方に影響がない方向へ吹き飛ばします。
一方。
プレシア・アルニラム(天使の風塵魔術師・g00844)とベアトリス・リュウフワ(強欲と傲慢のミルフィーユ・g04591)は大きなヤシの実を転がしているマイコニドたちを見つけた。
「エルフさん達を助けなければですね。まずは目前のマイコニドから……」
プレシアが小声で言うと、ベアトリスも頷いた。
マイコニドの重い足取り合わせてゆっくりと歩を進めていたのに、やはり相手はクロノヴェーダ。二人の気配に気が付くとのっそりと振り返った。
ならば好都合と、ベアトリスはマイコニドたちを指さす。
「汚物は駆除対象です。例外はありません。疾く、転がしている其れから手を放しなさい」
プレシアも咄嗟に光の輪を自分の周囲に出現させた。
マイコニドの一体がプレシアの足元に目線を落とす。するとプレシアの足元に出現したのは、フェアリーリングなんて可愛らしいものではない毒々しいキノコの包囲網。
食べられるキノコは原木や石突から生えることが多い。
しかし、足元のキノコは体中の苔から生えている――地面直生えなのだ。
そんな直生えキノコたちは、急速ににょきにょきと背を伸ばし体を太らせ、ふっくらと傘を開いてゆく。
「あっ、この成長具合が危険です。まだ潰される訳にはいきません」
プレシアは愛用の剣を構えると、風を纏いながらキノコを柄から斬りおとす。すると、斬られたキノコたちの傘がぼとりぼとりと地面に落ちた。
だが、次から次へと生えてくるキノコたち。
「……これはきりがないかもしれませんね」
プレシアは今一度、風を纏いながらキノコを斬りおとすなり、地面を蹴ると腰から生えた翼を羽搏かせて空中へと飛んだ。そして、自分の周りを飛んでいる光の輪を手のひらに乗せると、マイコニド目がけて放出した。
光の輪はプリズムを放ちながらマイコニドの体を切り刻み、その標的が地面に伏せて動かなくなるなり、どこかへと飛んで行ってしまった。
地面を蹴ったベアトリスは、密に植えられている木の幹を足掛かりに飛び上がり続け、マイコニドの丁度真上にまで上がってきた。
マイコニドはというと、突然消えた標的を探してきょろきょろとしている。そして、ヤシの実に向かい合ったその瞬間、ベアトリスは愛用の剣を構えて枝から飛び降り、その背をぱっくりと割いた。
統率が取れていないマイコニドを攪乱するためには予想外の動きをして見せるのが効くと読んだが、思惑はぴしゃりと当たった形だ。
ベアトリスは上品に口角を上げると。
「さあ、踊りましょう。その命、尽きるまで――」
黒い髪を靡かせながら、まるで舞踊のように剣を振るい始める。
優雅な動きであるにもかかわらず、その所作は残像を残すほど素早く、目にも止まらぬ連撃はマイコニドを切り刻んでゆく。
「――どうせ、散り際にその胞子をばら撒くのでしょう?」
ベアトリスの思惑通り。マイコニドは倒れ際に大量の胞子を噴出させた。
だが、ベアトリスはその一瞬前に息を止めると、剣を振るって空を斬る。その斬撃は一瞬にして風を生み、毒の胞子を誰もいない方向へと飛ばしてしまった。
「……これでエルフさんお二人、救出できますね」
安堵の笑みを浮かべたプレシアだったが、ふと目線を地面に落とした。
そこには朽ちたキノコとマイコニドの亡骸。
このままではこの周囲の土壌が汚染されたまま。
「これで浄化されればいいんですけど……」
呟きながら撒いていくのは、清めの塩の代わりの、柔らかな砂だった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
金森・椿
行きがけの駄賃です。
私もマイコニドの掃討に加わるとしましょう。
森の木々に隠れながら徘徊しているマイコニドを探し、見つけたら手裏剣で攻撃して仕留めていきます。
元々は自由意志を奪われた何者かなのかもしれませんが、クロノヴェーダと化した今となっては討ち取るしかありません。
お覚悟を。
大量の胞子には口元を袖口で覆いながら離脱します。
けほっけほっ……ただの埃と違ってキノコの毒胞子は堪えますね。
後で手当てしませんと。手持ちの解毒剤が効くと良いのですが。
セリフや動きなどは流れで適当に合わせてください。
金森・椿(薬売り・g02220)は森の木々の影を渡り歩きながらフローラリアの補給基地へと向かって歩を進めていたが、ふと足を止めた。
目の前に、キノコ頭のフローラリア・マイコニドが現れたためだ。
マイコニドがそのまま通り過ぎてくれたら見逃したものの、マイコニドはその場を行ったり来たりと彷徨っている。
「……行きがけの駄賃です。私もマイコニドの掃討に加わるとしましょう」
手裏剣を構えた椿はマイコニドへの攻撃タイミングを計りながらも、思う。
マイコニドも、元々は自由意志を奪われた何者かなのかもしれない、と。
だが――。
(「クロノヴェーダと化した今となっては討ち取るしかありません」)
お覚悟を。
マイコニドが近づき背を向けたタイミングで、椿は影からの一撃――手裏剣を投げつけた。
手裏剣はマイコニドの首から背中にかけて命中し、力なくその場に倒れる。と同時に、全身から毒を帯びた胞子を大量に噴出させた。
「……っ!」
椿は口元を袖口で覆いながら駆け出す。
走りながら払える胞子はすべて払い落とすが、それでもただの埃ではないキノコの毒胞子の影響か。苦しくなって足を止めてしまう。
「……これは後で手当てしませんと。手持ちの解毒剤が効くと良いのですが……」
咳をしながら振り返れば、自分が倒したマイコニドは遥か後ろで微動だにしない。
そして未だに空中を漂う胞子が霞んで見えていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
金森・椿
さて、城攻めですね。
まずは前哨戦とばかりにまわりを押さえてしまいましょう。
周囲をうろつくマイコニドは他の方にお任せしまして、私はエルフのみなさんを救出するといたします。
補給基地へ押し入ってヤシの実を割り、中のエルフのみなさんを救助しますね。
人間用の医薬品が役に立つか分かりませんが【活性治癒】の力も借りて手当をいたしましょう。
助けに来ましたよ。もう大丈夫ですからね。
必要に応じて丸薬を飲ませたりサプリで栄養補給です。
敵がいるようならちゃっちゃと手早く片付けてしまいましょう。
雑用係といえど戦場でまみえたなら容赦はしません。
セリフや動きなどは流れで適当に合わせてください。
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
例え攻略を中断しても、助けられる命は多い方が良いわ
…人一人助けられなくて魔法の竜神を名乗るなんて、それこそ詐欺師の所業じゃない
補給地点の探索を行うわ
魔法角に魔力光を灯し(光使い)光源を確保
森の中を背の竜翼で低速飛行(空中戦)
地面を●観察し集積地点を●看破するわ
巨大なヤシの実、転がして運べば必ず轍が生まれる筈…
発見出来れば【虚構爪】で解体
気を確かに持ちなさい!
魔法の竜神が助けに来たわよ!
エルフ達を●戦闘知識の中の応急処置の知識で手当て
打ち身等は兎も角、衰弱は【活性治療】の効果が及ぶかどうか…
●火炎使いで火を焚いて暖め、新宿島から持ち込んだチョコレート差出し
食べて御覧なさい、甘いわよ
…もう大丈夫
●
魔法角に光を灯し、低空飛行で森を行くツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は、地面の様子に目を凝らしていた。
人を入れることができる大きさのヤシの実を転がして運ぶのならば、その重さで草は倒れ木の根は削れ、地面に轍ができるはず。
そう読んで獣道を重点的に知らべていけば、やがて轍が集まってできた道を見つけた。
ツィルニトラが道を辿って飛んでいくと、目の前に現れたのは大きなヤシの実の貯同施設――フローラリアの補給基地。
「ここね」
地上にそっと降り立ったツィルニトラは柵の向こうに転がされているヤシの実に駆け寄りたい気持ちを、一旦ぐっと抑えて、辺りを注意深く見渡す。
が、マイコニドや他のクロノヴェーダの存在は確認することはできない。
「それにしても、『補給基地』って聞いたからどんなすごい施設かと思えば……」
ツィルニトラの呟き通り、その施設は『補給基地』とは名ばかり。広場を柵で囲っただけの非常に簡素な造りだった。
この程度の造りでも、この補給施設は破られることはないと読んでのことなのだろう。
本来ならば、このまま防衛要塞へ向かうべきなのだろう。だけど――。
「……例え攻略を中断しても、助けられる命は多い方が良いわ……人一人助けられなくて魔法の竜神を名乗るなんて、それこそ詐欺師の所業じゃない」
捕らえられているエルフの存在を、聴いて聴かぬ振りはできなかったのだ。
ツィルニトラが柵を飛び越えるなり、ヤシの実に駆け寄った。
ヤシの実は1メートル30センチ程度。ちょうど人が蹲って余裕のある大きさだ。
「さて」
片手に虚構の爪を宿したツィルニトラは、やや加減してヤシの実の上部に爪を立てた。すると、爪がぐっと奥に入る感覚を覚える。
さらにもう片手も爪を宿して両手に力を込めて穴をこじ開ければ、粘液で満たされたヤシの実の中に衣類を着たままのエルフを発見した。
ツィルニトラはヤシの実を傾けて粘液ごとエルフを解放する。
出てきたのは、自分と同じ年頃の少女だった。
まず、胸に耳を当てる。すると、弱弱しくはあるが鼓動が打つのが聞こえる。
「……気を確かに持ちなさい! 魔法の竜神が助けに来たわよ!」
頬をぺちぺちと叩き、体内に入りこんだ粘液を吐き出せるように横向きに寝かせ、背中をさすったり叩いたりする。
すると意識を取り戻した少女は、派手に咳き込みだした。
「よかった……」
安堵で思わず笑みを零すツィルニトラは、この少女とこの後に助け出すエルフのために一帯を生命力溢れる世界に変えた。
ツィルニトラに続いてフローラリアの補給基地にたどり着いたのは、マイコニド戦の傷を癒しながら探索を続けていた金森・椿(薬売り・g02220)。
やっと着いたとばかりに息を吐く。
城攻めの前哨戦は、補給基地に捕らえられているエルフの開放だ。
「ちょうどよかったわ、椿さん」
と椿に声をかけたツィルニトラの後ろには、指を折って数えられるほどの数の大きなヤシの実がゴロンと転がっていた。
椿は柵を飛び越えると、エルフを解放しているツィルニトラの前まで進み出た。
「ツィルニトラさん、お待たせしてしまって申し訳ありません」
「いいのよ大丈夫。さぁ、エルフたちを助けましょう」
「えぇ」
相槌を打った椿。今度はヤシの実の前に進むと忍者刀を逆手に構え、その硬い皮に刃を突き立てていく。
何度か刀を突き立てていくうちに、刀身が実の内部にズッと呑まれる感覚を覚える。
椿は刀を持ち変えるなり穿ってできた穴をさらに大きく広げ、人が出られる大きさになったところでヤシの実を一気に傾けた。
すると粘液とともに出てきたのは、まだあどけない少年のエルフ。
少年は救出されるとすぐに咳をして粘液を吐き出し、弱弱しくも椿を見上げた。
「……誰?」
問われ、椿は微笑んだ。
「通りすがりの行商人です。が、エルフの皆さんを助けに参った者です。もう大丈夫ですからね」
人間用の医療行為が通じるかはわからなかったが、施さないよりはましである。意識を取り戻したエルフの警戒心を微笑みで解いて滋養作用のある丸薬を手渡せば、エルフは素直にそれを飲み込んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV2が発生!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
赤薙・夜明
やっと助ける事ができますね。
実を割りエルフの人達を助けて行きましょう。
実をよく観察して中に衝撃を伝えないよう解体
持ち込んだ経口補水液を口福の伝道者でみんなに供給します。
ディアボロスは瀕死になると新宿島へ漂着するといいますが。
私達も砲弾に使われるともう助からないのでしょうか?
助けた人の中に話ができる人が居れば、一緒に連れてこられた人で他に行方の分からない人が居ないか聞いてみましょう。
一方。
ヤシの実を運んでいたマイコニドを撃退した赤薙・夜明(白蛇の手の後裔・g00805)も、愛用のナイフでヤシの実をこじ開けて始めていた。
観察の結果、ヤシの実の頭から穴を開けて救出すれば比較的簡単、安全に救出できると読んだのだ。
ヤシの実を斜めに安置し、内部に衝撃を与えないように慎重かつ迅速にヤシの実を穿っていくと、やがてナイフの刃が粘液に届く。
さらに穴を、ひと一人が通ることができるまでに大きく広げ、ついにその手を掴んで引っ張り上げた。
出てきたのは、粘液にまみれた男性のエルフ。捕らえられてまだ徐幹が経っていなかったためか、すぐに呻き声を上げて意識を取り戻す。
「よかったです……」
ほっと安堵の笑みを浮かべた夜明は荷物から経口補水液のボトルを取り出して、まずは自分が一口飲んだ。
するとエルフの前に現れたのは、夜明のものと同じボトルの経口補水液。
「これ、飲んでてください。毒ではなく安全なものですから」
夜明がボトルのキャップを開けてエルフに差し出すと、エルフはゆっくりと起き上がって小さく頭を下げるなりボトルに口を付けはじめた。
その様子に満足げに頷いて、夜明はもう一つのヤシの実の解体に取り掛かる。
ヤシの実にナイフを突き立てながら思うこと。それは、もしもの話。
(「ディアボロスは瀕死になると新宿島へ漂着するといいますが……私達も砲弾に使われるともう助からないのでしょうか?」)
砲弾に使われるまでもなく、戦いの中で本当に命を落としてしまったら――。
結論に行きつく前にヤシの実を解体し、少女のエルフを救出した夜明は経口補水液のボトルを彼女にも手渡す。そして、彼らがボトルから口を放して一息ついたタイミングで尋ねる。
「一緒に連れてこられた人で、他に行方の分からない人っていませんか?」
夜明の問いにエルフたちは顔を見合わせ。
「……すまない、そこまで把握してないんだ」
「わたしたちも何がなんだかわからないうちに捕まってしまったから……」
と、申し訳なさそうに答えた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
フローラリアの補給基地に安置されていたヤシの実の全てがディアボロスのよって解体され、囚われていたエルフは全員救助された。
ヤシの実の中で息絶えるエルフの存在も危惧されたが、そこまで重傷のエルフがいなかったことは不幸中の幸いだったと言えよう。
ディアボロスたちはエルフたちに『街に帰る方法』を指示すると、フローラリアの補給基地、または道端を離れてゆく。
彼らが向かう先、それは。
堅牢な防衛要塞である。
●
森の奥深くに、その防衛要塞は存在した。
防衛要塞はクロノ・オブジェクト化しており、大木のうろをくりぬいてできた穴は大量の蔓で塞がれている。それを守るように無駄に唸り声をあげたり蔓の鞭で地面を叩いたりしているのは、ヴァインビーストの群れだ。
ヴァインビーストがここまでして守りたいこの防衛要塞は、フローラリアにとって重要な拠点であることを如実に表していた。
積商・和沙
ここが防衛拠点のようね。
うじゃうじゃいるわね。
【光学迷彩】を使って隠れたまま接近し、ある程度の距離を取った状態で双翼魔弾で狙撃するわ。
【壁歩き】や【飛翔】で距離を取りつつ双翼魔弾の狙撃を繰り返していくわ。
それにしても、あの全身から出てるのって胞子とか危ない粉よね。
近くで攻撃を受けていたらマイコニドになっちゃうところだったわ。
峰谷・恵
「統制を乱せば付け入る隙が出来るはず…」
他のディアボロスと可能な限り連携を取る。
地面スレスレを飛翔最高速で一気に敵集団に近寄り、急停止しつつ炸裂気功撃を叩き込んで敵が敵集団近くの自分へ反撃のガスを放つよう誘導する。敵の反撃はLUSTオーラシールドで防ぎながら直撃を避け、魔闘気で吸い込まないよう遮断。すぐに飛翔効果+飛行魔術式で後退してガス範囲から離脱。
後は通信遮断効果で敵の連絡を阻害しながら敵のガスで敵の視界を遮りながら(自分は完全視界効果でガス越しに敵を捕捉)LUSTビームマシンガン連射で敵を一体ずつ倒していく。敵の攻撃は飛翔+飛行魔術式で飛び回って回避。突撃してくる敵は竜骸剣の突きで迎撃
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
あれが防衛要塞の一つ…クロノ・オブジェクトとはいえ、本当に大きな木ね
【千変竜体】の肉体改造で背中の竜翼を一対の黒竜の首に変換
中で敵が待ち構えているのなら、炙り出して迎撃の足並みを崩すとしましょうか
…せめて、延焼には気を付けましょう(森林破壊が気まずい
竜の首を自在に動く砲台として活用し、パラドクスの効果乗せた火炎弾ブレスで拠点を砲撃、焼き払って●破壊してゆくわ
(火炎使い、ブレス、制圧射撃、砲撃)
此方に【完全視界】がある以上、炎と煙は相手の視界を塞ぐ煙幕にもなる筈よ
飛び出してきたビーストのガスに対しては尻尾を変換した黒竜の首の吐息で●吹き飛ばし
首を伸ばして喰らい付き【怪力無双】で引き寄せ槍斧で撃破
金森・椿
周囲は押さえました。
この勢いのままここを陥落させてしまいましょう。
防御拠点に立て籠もるヴァインビーストの図にものすごく既視感がありますが、今回は残留効果が良い感じに揃っているので積極的に攻撃といきましょう。
森や騒ぎで巻き起こるであろう炎やガスを活用して【光学迷彩】で身を隠しながら【完全視界】で敵を確認し、【飛翔】の機動力と手裏剣で味方を援護していきます。
危険を顧みず敵を崩してくれたみなさんに合わせますね。
そして反撃にも既視感がありますが、慎重に苦無でさばいて急所は避けつつ控えめに感心してます。
この視界の悪さでよく見つけてくれました。
セリフや動きなどは流れで適当に合わせてください。
「あそこが防衛拠点のようね」
防衛要塞を遠巻きに眺めながら、積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)が呟いた。
フローラリアの防衛要塞はクロノ・オブジェクト化した大木。視線を上にあげていくと、目に映ったのは、木々の緑に紛れたヴァインビーストの群れ。
「……うじゃうじゃいるわね」
パッと見ただけでも数匹は確認でき、各々威嚇の金切り声を上げたり牙をむき出しにしたりしている。
その様子から、この防衛要塞が如何に彼らにとって重要な拠点であるかがうかがえた。
クロノ・オブジェクトと化した大木と言えば。森に聳えるどんな木々よりも高く、木の天辺は周りの木々の葉の向こう。この大木が果たして何メートルの高さであるのかなど、皆目検討が付かない。
「……クロノ・オブジェクトとはいえ、本当に大きな木ね……」
木を見上げたツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)も、思わず感嘆の声を漏らす。
だが、今直ぐに手を打つべき存在は防御拠点に立て籠もるヴァインビースト。
「この図、ものすごく既視感がありますね」
金森・椿(薬売り・g02220)は思わずつぶやいた。
彼女の脳裏をよぎるのは、つい先日の記憶。
ヴァインビーストはスタペリアケージへ向かう林の中でも、けたたましく吠え蔓の鞭を振るいディアボロスを威嚇していた。
だけどここまでたどり着いたのだからディアボロスも後には引けない。
「補給基地も押えましたし、こちらも陥落させてしまいましょう」
と口角を上げた椿には勝算があった。それはディアボロスたちが刻んだ軌跡――残留効果が巧い具合に揃っているためだ。
たとえ地の利に関しては相手方が有利でも、使える軌跡は存分に利用させていただく。
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させた和沙は一瞬にして森の木々に紛れると、木々の幹を足掛かりにヴァインビーストに近づいていく。そして、ヴァインビーストから適度に離れた位置の木の幹を蹴った次の瞬間、大きく羽搏くと突き出した手から魔法の弾を発射させた。
魔法の弾は真っ直ぐヴァインビーストの体を穿つ。
対するヴァインビーストはものすごい速さで大木を駆け上がる。気付けば、飛翔した和沙と同じ高さ。
早い。
和沙が息を呑んだとほぼ同時に、ヴァインビーストも咆哮直後に体内からガスを噴射した。
「わ……っ!」
このガスが危険なものだと察知した和沙は咄嗟に口と鼻を腕で庇いながら翼を羽搏かせ、さらに上空へと逃げたが、あのほんの一瞬だけ吸い込んでしまったのかゴホゴホと咳き込んでしまう。
「……これ……まだ逃げられたからよかったけど……」
もっと近くで攻撃を受けていたら――。
想像するだけで身の引き締まる思いがした。
上空を心配そうに見つめていた峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)だったが、すっと目線を真正面に向けた。
目線の先ではディアボロスたちを見つけたヴァインビーストが、さらにけたたましく吠え散らかしていたからだ。
「……統制を乱せば付け入る隙が出来るはず……」
その付け入る隙を作り出すためには、自分たちディアボロスが連携を密にしなくてはならない。
恵は小悪魔の翼を羽搏かせると、地面スレスレのところを時速100キロ近くいスピードで飛んで行く。
この速さで飛べばクロノ・オブジェクト化した大木まではあっという間で、恵は大木と衝突ギリギリの距離で急停止するや否や小手を胸の前に突き出して――。
「破ァッ!!」
サキュバスのフェロモンを乗せた闘気塊を敵陣に叩きつけた。
闘気塊はヴァインビーストたちを揺さぶるのには十分で、炸裂した塊は敵を混乱させる。
その混乱のためなのか。それとも正当な反撃なのか。恵の思惑通りにヴァインビーストたちは次々と植物性のガスを噴射しだす。
が、恵はその毒ガスを手の甲に着けた発振器から発生させたピンク色の闘気の盾で防ぎながらも、サキュバス生来の魔力と鍛えて身に宿した闘気を融合させたオーラを纏い、毒ガスから身を護る。
もちろん本人もその瞬間にぐっと息を止めていたが、息を止めたままの状態で翼に装着した飛行魔術式の力も借りつつ即時後退する。
後退しながら恵の目に映ったものは、ガスを噴出した直後に動かなくなったヴァインビーストたち。
毒だㇲの範囲外まで後退してきた恵は、ぷはっと大きく呼吸をするなり。
「とりあえず、数は減らせたかしら……」
と、息を吐いて得物を構えた。
あと何体のヴァインビーストがこの大木を守っているのかはまだはっきりしていない。
ならば。と、ツィルニトラは自身の黒い翼に力を込める。
「魔を司りし竜の名の元に命ず! 移ろい変われ、我が竜体!」
唱えると、翼は一対の黒竜の首となる。
「中で敵が待ち構えているのなら、炙り出して迎撃の足並みを崩すとしましょうか」
続けたツィルニトラのすぐ後ろ、黒竜の口元からは赤々とした炎が漏れていて、その時を今か今かと待ちわびるように炎が辺りを赤く照らす。
「……せめて、延焼には気を付けましょう」
環境問題や山火事のことを考えると少し手加減も必要かもしれない。そう考えながらもツィルニトラは、黒竜の顔を大木に向けた。
それはさながら、砲台である。
「準備はいい? じゃぁ、焼き払うわよ!!」
ツィルニトラの言葉を言い合図に黒竜の口から発射されたのは、轟々と燃え盛る火炎弾。
火炎弾は真っ直ぐ大木に突っ込んでいくと、根本付近にめり込んで周りのっ草や葉を燃料に煙を発生させた。
だがクロノ・オブジェクトの力なのか、大木までは燃えていない。
ディアボロスたちが暗闇や霧などで邪魔されない世界と化した森の中、煙で燻されたヴァインビーストが転がり出てくるのが見えた。
ヴァインビーストは転がり出た勢いのまま、植物性も毒ガスを噴霧しているのもありありと見える。
「出てきたわね!」
ツィルニトラは瞬時に己の尻尾を黒竜の頭に変化させると毒ガスを吐息で吹き飛ばすや否や、そのままぐっと首を伸ばしヴァインビーストを引き寄せ――。
最後は愛用の斧で、その体を切り裂いた。
周辺は、炎や毒ガスで煙っている。
椿がこれらを利用しふっと景色に紛れると、炎に燻されて木の上から降りてきていたヴァインビーストが、突然消えた敵に辺りをきょろ距離と見まわし始める。
だが椿には、煙の中に身を置いてもその姿がしっかり見える。
(「危険を顧みず敵を崩してくれたみなさんに続かねば、です」)
強い決意で地面を蹴ってふわりと舞い上がると、ヴァインビースト目がけて空中から手裏剣を連続投擲する。
椿の手裏剣は寸分も狂わずにヴァインビーストの体に食い込んだ。
だが手裏剣の軌道から位置を読んだのか。最後の力を振り絞ったヴァインビーストは大木の餌だから飛び上がると、鋭い牙をむき出しに椿にまっすぐ襲い掛かってきた。
「……っ!」
目前に迫る牙に息を呑み。
苦無を構えて後ろに下がるが一手喰らい、得物を構えた手に鮮血が走る。
椿はそのまま腕を振るうと、事切れたヴァインビーストは地面へと落ちて行った。
「この視界の悪さでよく見つけてくれましたね……」
椿は一つ息を深くついて、ヴァインビーストの亡骸に目を落とす。
地の利は彼方にあった。故に大いに反撃を喰らう覚悟も傷を負う覚悟もしていた。
だが此方には、軌跡と同じディアボロス同士の結びつきがあるのだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】がLV3になった!
【通信障害】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【光学迷彩】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
●
ヴァインビーストの亡骸の後ろ。クロノ・オブジェクトと化した大木のうろの中から、ぶちりぶちりと音がする。
その音に、誰ともなく口元に人差し指を当てその音に耳を聳て、大木のうろをを守るように張り巡らされていた蔓に目を向けた。
ぶちりぶちり。
それはうろの内部から、蔓を引きちぎる音。
音は次第に近くなり、やがて蔓と蔓の隙間から緑色の指と鋭い紫色の爪が伸び、ぐっと蔓と掴むなり力任せに蔓を引きちぎると、ぬるりと存在を露にした。
緑色の体に無佐々木の花を携えた、花の魔女・ブルームウィッチ。
ブルームウィッチはディアボロスを見渡すと、ディアボロスの目的を見透かすように目を細め。
「なにをしに来た……って聞くのも野暮ね。ここは崩させないわよ」
と、妖艶に笑んだ。
峰谷・恵
「ここも早く終わりにさせてもらおうか。なにせ先が長い」
他のディアボロスと可能な限り連携を取る。
飛翔効果+飛行魔術式で一気に敵との距離を詰めながら腕に装着したLUSTビームマシンガンを連射し牽制、距離が詰まったら森羅万象のマナと気を集中させた竜骸剣に飛翔速度も乗せて極光撃を叩き込み切り抜けざまにそのまま距離を取る。敵の反撃は魔闘気を集中させたLUSTオーラシールドで防御。
後は飛翔効果で移動し続けながら他のディアボロスがパラドクスで攻撃を仕掛けやすいようLUSTビームマシンガンを数発ずつ撃って敵を牽制し隙を作る。
(この調子だとドラゴンが動き出したら防衛拠点群はすぐ突破されそうだ…)
金森・椿
アドリブ歓迎
絡みOK
そうですね。ここに城があり寄せ手として城主と相対した以上、もはや問答無用。
推して参ります。
派手な動きをする味方に敵が注意を向けている隙に【モブオーラ】も活用して死角から【飛翔】の速度で迫り不意打ちを仕掛けます。
両手で刀を構えて全力で刺突です。
生憎とここは崩させてもらいますよ!
予想通りに大量にばらまかれる花粉にうんざりしながら咳き込みつつ、離脱に際しては紙風船爆弾を置き土産にして退散です。
毒胞子に続いて今度は呪毒花粉とは、この森の瘴気が濃いわけです……。
「崩させない?」
峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)はブルームウィッチの言葉を反芻し、真剣な表情で彼女を見据えると、LUSTビームマシンガンの銃口をブルームウィッチに向けた。
「いや、ここも早く終わりにさせてもらう。なにせ先が長い」
恵と並ぶように金森・椿(薬売り・g02220)も忍者刀を両手に構え、強気に笑んでみせる。
「そうですね。ここに城があり寄せ手として城主と相対した以上、もはや問答無用――推して参ります」
自分を倒そうと刃を向けるディアボロスを目の前にブルームウィッチはにやりと笑むなり、威嚇とばかりに鞭で地面を叩きつけた。
「わたしを倒そうというの? ならば、返り討ちにしてあげるわ!」
ブルームウィッチが言い終わるか否か。恵は小悪魔の翼を羽搏かせるとブルームウィッチとの間合いを一気に詰め、LUSTビームマシンガンからビームを連射する。
ビームは真っ直ぐブルームウィッチに飛んでいくが、ブルームウィッチは地面を蹴るなり、大木の太枝に飛び移る。
だが恵は得物の竜骸剣を振り上げると、そのままブルームウィッチとの間合いを詰めた。振り上げている竜骸剣に込めるのは、森羅万象の気とマナの力。
「――森羅万象の力よ集い砕け」
オーロラの色を宿した軌跡を靡かせた竜骸剣を振りぬけば、飛行時に溜めた重力も相まって重厚な一撃はブルームウィッチの体を斬る。
「……っ!」
恵の圧倒的な気迫にも押され一瞬怯んだブルームウィッチだったが、体勢を立て直すとさらに上の枝に跳び映った。そして、体勢を立て直す間もなく恵を指させば、放たれたのは緑色に輝く魔力の弾丸。
だが弾丸は、恵が展開させたオーラの盾に阻まれ散った。
恵は自分を撃ち抜かんとした弾丸が消えたことを確認すると、またLUSTビームマシンガンの銃口をブルームウィッチに向けて微かな息を吐いた。
(「この調子だとドラゴンが動き出したら防衛拠点群はすぐ突破されそうだ……」)
目の前の敵に全神経を向けつつも、訪れるかもしれない招かれざる客人にも注意しなければならない。
恵はさらにマシンガンからビームを数発ずつ放ち、ブルームウィッチを翻弄する。
ビームの雨に右往左往するブルームウィッチを横目に、モブオーラを纏った椿は飛翔の力も借りて大木のすぐそばまで翔けてきた。
(「恵さんが派手の動いてくれて、助かります」)
でなければ今頃、目視で太刀筋を読まれていたであろうから。
椿は大木の太枝に跳び移るなり、ビームから逃れて自分の目の前に降りてきたブルームウィッチの背を二刀流に構えた忍者刀で刺突した。
「……っ!」
突然背を刺され、ブルームウィッチは声にならない声を上げた。
「生憎とここは崩させてもらいますよ!」
全力を乗せた椿の刃は、ブルームウィッチの肉をぐぐっと食んでゆく。
恵の派手な援護が無ければ、椿の隠密による攻撃は効果を発揮しなかっただろう。
椿がブルームウィッチの体から刀を引き抜くと、樹液のような体液がどろりとあふれ出す。
「……小賢しい真似を……」
ブルームウィッチは恵と椿を交互に睨みつけるなり、全身に咲く紫色の花から大量の花粉を放出させた。それは強烈な呪毒を帯び、浴びた人物の体を侵食してしまうという。
椿は、予想通りに大量にばらまかれる花粉にうんざりとした表情を見せながら袖で鼻と口を覆うと、咳き込みながらも懐から取り出した紙風船爆弾を炸裂させてブルームウィッチと大木から距離をとる。
「……毒胞子に続いて今度は呪毒花粉とは……道理でこの森の瘴気が濃いわけです……」
ひとつ深呼吸してみてもスッキリとせず。
この森の重い空気に椿はますます顔を顰めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
積商・和沙
ちょ、ちょっと、なんか出てきたわよ。
いかにもかっこよさげに出て来たけど、大丈夫なの?
その蔦とかいろいろ大事なものだったりとかしないの?
敵のことだけど、気になっちゃうのよね。
でも、あいつは倒すわよ。
そのパラドクスは、やっぱりさっきのトループスと同じような技よね。
なんだかヤバそうだけど【飛翔】で一気に接近して超!機械音痴を撃ち込むわよ。
花粉による浸食は【活性治癒】で癒すわ。
戦いが終わったら、外のおいしい空気を吸いたいわ。
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
貴女がこの防衛拠点の要という訳ね
この地の護りは崩させてもらうわ、エルフ達へのこれ以上の非道を防ぐ為にも。
さあ、魔法の竜神がお相手するわ!
(ドラゴニアン風情が何を世迷い言を…という怪訝な視線に)
……神に足る実績はこれから築くのよ!
相手が距離を取るなら追い詰めるまで
竜翼広げての【飛翔】で追いかけ、魔力弾を●空中戦機動での回避やハルバードでの強打で弾きつつ距離を詰めるわ
闇雲に追いかけるだけでは消耗するだけ
全ての魔力弾と敵が視界に収まるように誘導して…
右目の【邪眼】で凝視
「虚偽という情報の押し付けと否定」で魔力弾を●吹き飛ばし
さあ、もう逃がさない!
邪眼による消滅で傷を負った魔女に肉薄
ハルバードを一閃
大量の花粉の向こうで樹液を垂れ流しながら自分たちを睨んでいるブルームウィッチ。
「貴女がこの防衛拠点の要という訳ね」
ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)は得物をブルームウィッチに向けて告げる。
「この地の護りは崩させてもらうわ、エルフ達へのこれ以上の非道を防ぐ為にも――さあ、魔法の竜神がお相手するわ!」
ブルームウィッチをキッと見据えるツィルニトラ。
対してブルームウィッチは苦痛に顔を歪めながらも怪訝な視線をツィルニトラに向ける。
「……ドラゴニアン風情が、何を世迷い言を……」
「……神に足る実績はこれから築くのよ!」
ブルームウィッチと掛け合うツィルニトラの横で、積商・和沙(四則演算の数秘術師・g02851)には気になることがいくつかあるという表情。
蔓をブチブチ引きちぎってかっこよさげに出てきたけど、あの蔓は大事なものじゃなかったのか? とか……。
敵のことだが気になるし細かいところまで上げたらキリがないが、ツッコむ時間はもうなさそうだ。
「こうなったら、倒すしかないわね!」
と和沙は、計算記号が散りばめられた翼を羽搏かせると一気にブルームウィッチへと迫った。
その緑の魔女に迫れば迫るほど、先の交戦で放出させた花粉がまだ漂っていることがわかる。木漏れ日に照らされた花粉がキラキラと瞬いていたためだ。
(「この花粉、マイコニドの胞子やヴァインビーストのガスと同じ感じね……」)
危険なものだと認識しながらも。
和沙はブルームウィッチの目前まで辿り着くなり、手にした改造スマートフォンにありったけの力を込めた。すると、『階乗『!』』の魔力によって増殖した過電流がスマートフォンに流れ、バチバチッと派手な音を立てる。
その派手な音と共にショートした改造スマートフォンから放電された電流は、至近距離にいたブルームウィッチを痺れさせた。
「……!」
突然自分を襲った電流と破裂音になす術もなく。ブルームウィッチは力なく太枝に膝を着いたが、すぐに顔を上げるとまたしても紫色の花から大量の花粉を放出させた。
「……っ!」
手で鼻と口を覆った和沙は翼を一つ羽搏かせると、一気にブルームウィッチから距離をとる。そしてこんこんと咳き込むと、この一帯に溢れる生命力の恩恵に与りながら呟いた。
「……戦いが終わったら、外のおいしい空気を吸いたいわ」
一方。
「逃げて無駄よ!」
ツィルニトラは、自分から距離を取ろうと逃げるブルームウィッチを、黒く大きな翼を広げながら追いかけていた。
ブルームウィッチは今までに戦闘で追った傷の痛みに歯を軋ませながら、大木の枝から枝へと飛び移っていく。
ツィルニトラも肉薄するが、ここは相手のテリトリー。喰らいついていくのがやっと。
「……闇雲に追いかけるだけでは消耗するだけだわ……ならば!」
意を決したツィルニトラは、大木の天辺まで上昇した。見下ろせば、クロノオブジェクト化した大木もブルームウィッチも視界の中。
今だ――。
ツィルニトラは反撃に備え、黒竜のバルバードを盾にしながら告げる。
「――魔を司りし竜の名の元に命ず! 虚偽を暴け、我が眼!」
ツィルニトラの金色の右目がクロノ・オブジェクト化した大木とその守護者であるブルームウィッチを凝視する。それは、この世界において『クロノ・オブジェクト化した大木』と『その守護者であるブルームウィッチ』の存在を完全に否定すること――。
ツィルニトラが邪眼を放つとほぼ同時にブルームウィッチ側からも緑色に輝く魔力の弾丸が放たれたが、黒竜のバルバードで弾き返し。
次の瞬間、ディアボロスたちが目にした光景。
それは、ディアボロスたちの猛攻により絶命したブルームウィッチと、存在を全否定され瓦礫と化した防衛要塞の哀れな姿だった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!