砂の嵐に守られたスフィンクス

【!期限延長により状況が困難になっています!】
 ディアボロス達の活躍で、クロノヴェーダに襲撃されたオアシス都市の一般人達を避難させる事に成功しました。
 しかし、このままクロノヴェーダがオアシス都市を襲撃し続ければ、いずれ、全てのオアシス都市が制圧され、避難した一般人達も追い詰められて滅亡してしまうでしょう。
 それを阻止する為には、クロノヴェーダの襲撃そのものを止める必要があります。

 サハラ砂漠のオアシス都市を襲撃して滅ぼしているクロノヴェーダ軍は『巨大なスフィンクス型の砂上船』で進軍しています。
 しかし、この『巨大砂上船スフィンクス』の周囲は、常に砂嵐が吹き荒れ、近寄る事も出来ません。

 まずは、砂漠の砂嵐を超え、砂嵐を生み出しているクロノヴェーダを撃破する必要があるでしょう。

ストーム・ブレイカー(作者 唐揚げ
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#獣神王朝エジプト  #砂の嵐に守られたスフィンクス  #寵愛の少年ファラオ 


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 ごうごうと、テレビのノイズを数千倍ひどくしたような音を立てて、見渡す限りに砂嵐が渦巻く。
 もちろんこれは自然のものではない。その証拠に、砂嵐の中心に聳える威容。
 全長はざっと100メートルを軽く越え、全高・幅ともに40メートルはあるだろうか。巨大だ。
 その構造物は、ずばり……スフィンクスである。我々がよく知る、あの前脚を置いて横たわる姿そのままのもの。
 それが、砂漠を進む。ホバークラフトのように、なんらかの超自然的な力で浮かび上がって、推進している。

 巨大砂上船と呼ぶべきスフィンクスの巨大な姿も、もちろん驚異的ではある。
 だがそれ以上に注目すべきは、スフィンクスの頭の上……そこに立つ、一見すると可愛らしい少年だろう。

 無論、ただの子供ではない。名を『寵愛の少年ファラオ』。その手には丸めた鞭。
 あどけない見た目と体躯には、紅顔の美しい子だけが持つ中性的な美が宿る。妖艶ですらあった。
 足元に侍る奴隷達の顔は、熱に浮かされ陶然としたもの。
 ファラオの頬に沿って垂れる横髪は、黒光りする獰猛な蛇に変じており、しゅうしゅうと喉を鳴らしている。
 時折、小蛇というべき群れが現れては消え、流れ落ちる汗の代わりに肌を這う。
 楽しげな笑みを浮かべるファラオは美しく……そして、強大な力の片鱗を、オーラめいて纏っている。
「もっとスピードを上げよう! 待ちきれないからね!」
 子供らしく弾んだ声音は、身より漂う邪悪なプレッシャーにまったくそぐわなかった。

●新宿駅:パラドクストレイン前
「あの子供、明らかにただのアヴァタール級じゃないんスよね。やっぱりジェネラル級のクロノヴェーダなのかも……と、まあそれはいいッス」
 七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)は気を取り直すと、ディアボロスらと手元のメモ帳を交互に見る。
「今回は、獣神王朝エジプトに向かってもらいたいッス。やることはずばり、今話した巨大砂上船の破壊……では、なくて~」
 少し歯がゆそうな表情。
「……その船を護ってる、砂嵐を消し去るために、原因となってるクロノ・オブジェクトを破壊してもらいたいッス!」
 オアシス都市襲撃の軍勢を叩くための、前哨戦といったところだろうか。

「ウチの予知によると、船を守る砂嵐は、『セト』っていう砂漠の神の力を持つクロノ・オブジェクトによって発生してるみたいッス」
 セト。ラーの宿敵にして、エジプト神話最大の悪神。
 正常な歴史においては、信仰の変遷でそうなったとされるが、改竄世界史においては無関係な話だ。
「もちろんクロノ・オブジェクトだけじゃなくて、アヴァタール級と、その配下のトループス級もいるッス。なにより砂嵐が問題ッス。
 先輩達には、砂嵐の突破と、トループス級とアヴァタール級の撃破……つまり、3つの仕事をやってもらうことになるッスね!」
 排斥力を突破すれば、巨大砂上船に直接攻撃することも可能となるはず。
 そのためには、けして手の抜けない戦いになるだろう。

 ナナは、親指で後ろのパラドクストレインを指し示した。
「こいつは、砂嵐からけっこう離れた安全な場所に到着するッス。いきなり中に突っ込んだら、突破どころじゃないッスからね。
 逆に言うと、砂嵐は普通ならどんだけ頑張っても絶対に突破出来ない、ハイパーヤバい自然災害……ってことッス!」
 これを切り拓くには、パラドクスの力がカギを握る。と、ナナは語った。
「向こうも襲撃は警戒してるみたいで、防衛戦力のトループス級は砂嵐の中にいる上、そういう状況に慣れた連中みたいッス。
 こっちも上手く砂嵐を利用しないと、トループス級とはいっても苦戦しちゃうッスよ。なあに、先輩ならハイパー楽勝ッス!」
 ナナは気楽に言うが、やる側としてはそれなりに警戒が必要だろう。
 なお、問題のトループス級クロノヴェーダの名は、『雪豹神群』。
 エジプトには存在しないはずの雪豹の力を宿したエンネアドで、使用するパラドクスも冷気に由来するものばかりだ。
「こんな奴らが適応できてるだけあって、砂嵐の中はハイパー冷たくてサム~いみたいッス。砂漠って、暑いだけじゃないんスね」
 現場は昼だが、砂嵐の中だけは砂漠の夜の如き極寒……というわけだ。

「そんで、この砂嵐の中心だけは風が吹いてなくて、そこにクロノ・オブジェクトを持ったアヴァタール級が居るッス。
『火祭のオノフリア』っていう、見かけは小さな女の子なんスけど、今度はハイパーあっちー炎を使うエンネアドッスよ!」
 極寒から極熱へ。なんとも忙しい話だが、砂嵐がないだけに首魁との戦いは純粋な力比べになる。
 アヴァタール級を撃破しない限り、クロノ・オブジェクトの破壊は不可能。戦いは避けられないのだ。

「先輩がたのおかげで、オアシス都市の人達を避難させられたのに、これをほっといたら避難先までなくなっちゃうッス」
 ナナは、クロノヴェーダの陰惨な企みに、実に不服そうな顔で腕を組んだ。
「砂漠のオアシスを全部なんとかしたいみたいッスけど、そんなことは認められないッス。先輩も、そうッスよね?
 相手がジェネラル級だとしたら、こんなところで足踏みはしてられないッス。だから、カッケー先輩の力を貸してほしいッス!」
 彼らならば、勝てる。ナナはそう信じるがゆえに、時先案内人として事態を伝えているのだ。
 彼女の信頼のように、強く高らかなベルの音が鳴り響いた。

●獣神王朝エジプト:砂嵐の只中
「ガァルルルッ!!」
 雪豹の頭部を持つたくましい体つきの女……『雪豹神群』が、雄叫びを上げて跳ぶ。
 砂嵐の勢いを追い風にした跳躍は、まさしくカミソリのように鋭く、そして疾い。
 加えて厄介なのが、冷気だ。これが連中の、凍てつくようなパラドクスの威力を強めているらしい。
「いつ敵が来てもおかしくないように、訓練は怠るなよ。常に多数で相手することを意識しろ!」
「「「はい!」」」
 戦士としても油断ならぬ、精強な軍団だ。実戦形式に、互いに爪牙を尖らせて跳躍し、もつれ合う。
 凍てつく息吹で砂の一部を凍らせ、それを足場に自在な軌道を描く……といった、曲芸的な動きを決める者もいる。
 戦いは空中戦の様相を呈するだろう。もしかすればこの足場も、逆に利用することが出来るかもしれない……。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
2
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
1
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

唐揚げ
 フルーツアイスです。いえ、唐揚げです。
 今回は選択肢が3つのみの、比較的シンプルな純戦シナリオをお送りします。
 とはいえ戦闘にギミックがガッツリ絡んでいるので、そこを意識してプレイングするといいでしょう。

 では、皆さんのカッケープレイング、お待ちしてるッス!
198

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


グレン・ゲンジ
エジプトに雪豹〜?クロノヴェーダってのはやりたい放題だな!今更だがよ〜

うっわ、確かに凄え砂嵐だぜ。ディアボロスでも普通に飛び込めばサクッと死ぬなこりゃ

そうだな…ヒートグレイブだ!灼熱の氷塊を生み出し、嵐から身を守る盾として使うぜ!
しかもこの氷は暑いほど強化される…しまった嵐の中はクソ寒いんだった!熱波の支配者で温度を上げるぜ!
ええい、念動力を全開だ!とにかく前に進まねえと!!

そうか、砂が横から吹きつける時、俺は中心に向かってるはずだ!つまり常に風の向きを気にしながら進めば、中央にたどり着くぜ!
そうとわかれば怖くねえ!…別に今まで怖がってたわけじゃねえからな!?


●竜の怒りで突き進め
 たとえるならそれは、カミソリの鋭さと濁流の如き激しさを併せ持つ、極めて危険な砂嵐だった。
「たしかにすげえなこりゃ……俺らディアボロスでも、迂闊に飛び込みゃサクッと死ぬんじゃねえか?」
 グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)は、いかにしてこの砂嵐を突破するかを思案する。
 横殴りの土石流とでも呼ぶべき砂嵐は、ただ盾だの防具を掲げれば凌げるというわけでもない。
 むしろ慣れていない防具を使ってしまうと、面積が増えた分逆に嵐に身体を攫われてしまう可能性もある。
 加えて厄介なのが、この冷気だ。灼熱の砂漠とは思えないほどの、ゲンジの鱗をひび割れさせそうなほどの寒さ!
「ったく、エジプトに雪豹なんぞ持ってきやがって、お次は凍てつく砂嵐かよ。クロノヴェーダってのはやりたい放題だな」
 それが、逆にゲンジの殺意と怒りを燃やす。
 内なる炎が輝かせるように、彼は赤い瞳を大きく見開いた。

「だが、俺の盾はただの盾じゃあねえぞ!」
 ゲンジは念動力を虚空に"凝らす"。すると何もない場所に、ぱきぱきと音を立てて巨大な氷塊が生まれた。
 ただしそれは、緋色の氷……なんと氷でありながら、並の火炎よりも高い高熱を宿しているという、まさしく矛盾(パラドクス)の産物なのだ!
「オアシス都市の制圧か……よほどご執心のようだが、避難先の襲撃なんざ絶対にさせねえぞ……!」
 ゲンジは、横殴りの嵐にまっすぐに突き進む。
 身を裂くような冷気をエフェクトの力でかき消し、前へ、前へ。見通すことも出来ない嵐の先へと。
 それは、旧き書に刻まれた殉教者のごとき、終わりの見えなず途方も無い困難な旅だ。
「風の向きを気にし続けるんだ……怖くねえぞ! 別に怖がっちゃいねえがな……!!」
 己を強いて皮肉げな笑みを浮かべて、紅蓮の竜は砂塵を征く。
 たとえその歩みは緩慢とて、まっすぐに進むさまは矢の如く。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

白蔵主・天狐
うぅむ……まさかの砂、砂、砂。毛の中に入り込んで、洗うの大変なんだよねぇ。なんとかせねば。

と、いうわけで。いつも助かってます『陰陽連環術式』。
呪力を金気に変換。風の呪術にて、私の周りだけ砂除けの風結界を貼っちゃおうか。ま、余裕あったら他の復讐者にもお裾分け―。
んでもって、金生水。大気中のわずかな水気を金気で増幅。歩きにくい砂をうすーく凍らせて、ざくざく進んでいこー。なんか似たようなことをクロノヴェーダもするんだっけ?それは後でのお楽しみ、ってとこかな。


●金は水を生じ、水は土を……
 ごうごう、びゅうびゅうと、うんざりする砂の音。
 きめ細やかな砂粒は、まるで雪のように冷たい……これが美しい粉雪であれば、どれほどよかったことか。
「うぅむ……砂、砂、砂。これ、どう考えても毛の中に入り込むよねぇ……」
 白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)が気にするのは、砂嵐の脅威よりも美容のことだった。
 しかし、これはこれで死活問題だ。なにせ彼女は妖狐である。髪はもちろん、尾や耳の毛並みはケアが大事。
 それをこんなミキサーじみた砂嵐の中に入ったら、小さすぎる砂粒が毛という毛の間に入り込んで大惨事だろう。
 まあそれ以前に身体的ダメージを気にするべきなのだが、さすがは熟練の陰陽師か。備えがあるようだ。

「灼熱の砂漠に極寒の砂嵐が吹き荒れる。なら、少しぐらいこっちも摂理を書き換えたっていいでしょ」
 天狐のパラドクス『陰陽連環術式(オーダー)』は、陰陽符を通じて、己の呪力を五行の術気に変換するというもの。
 水がなければ木は育たぬ。だがこのパラドクスは種もなしに木を生み出し、以て火を生ず。
 あるいはぼわっと妖しの炎を生み、以て土を生かす。
 五行は五行へ還る。そこにひとしずくの奇跡を足し、世界を己の意のままに騙す。なんとも狐らしい狡猾な術式。
「金気変換……風よ渦巻け、水よ増えよ、っとね」
 天狐を包むように、はじめはゆるく、やがて力強い小さな風の帳が生まれた。
 しかもそれは金生木の法則に従い、水気……つまり大気中のごくわずかな水分を急速に増幅させる。
 するとどうなるか? 風の帳に垂直にぶつかってくる砂粒が、己の孕んだ冷気によって水分と混ざりあい、凍りつく!
「にしても、これは本当にすごい勢いだね……どういう原理で起こしてるんだか。こっちも真似できたらいいのに」
 エジプトのディヴィジョンというだけあって、敵は奇怪な儀式に長じているのだろう。術士として興味がある。
 だが砂塵を進む天狐に燃えるのは、それ以上の怒りだ。なにせ……。
「それはあとのお楽しみ、として。せっかくお手入れした髪が台無しにされそうになった恨みは晴らさないとねえ」
 ……なんだかだいぶ個人的な怒りだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【傀儡】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

竜城・陸
人々が一時取り戻した安寧を、再び脅かさせるわけにはいかない
敵の攻め手は、ここで潰しておくべきだろうな

流砂を踏むのは避けるべきだろう
【飛翔】の効果で上空から砂嵐内に突入するよ

……さて
風の流れがこちらを阻むのなら、その流れを変えてやればいい
“百芸を為す”などと云われはしたのだからね
砂嵐程度、斬り伏せられなくては

創出した刃で、風の壁を突き抜けるように斬り伏せるよ
よく風の流れを[観察]して
逆らわずその間隙を抉じ開けるように切り開いて進む
([斬撃][貫通撃][吹き飛ばし])

所々にある氷の足場はうまく利用させてもらうよ
風除けにも、一時の足場にもなる
……敵も黙っていないだろうし
油断はしないように進むよ


●風を切り裂き翼を広げ
 砂嵐は当然のこと、砂漠の脅威は横からだけでなく足元にも横たわる。
「この流砂、足を取られたら抜け出せなさそうだな……」
 竜城・陸(蒼海番長・g01002)は、どろどろのマグマめいて巡る流砂を見下ろし、顔を顰めた。
 厄介なのは、勢いや脱出のしにくさもさることながら、流砂の流れがまったく読めないことだ。
 つまり一度絡め取られてしまうと、どういう方向に力を逃せばいいのかわからない。
 底なし沼めいて、もがけばもがくほど砂の底へ引きずり込まれてしまうのである。
「オアシス都市の一件は、俺が関わったわけじゃないけど……人々が取り戻した一時の安寧を、脅かさせるというのはね」
 敵の砂上船は強力だ。適宜迎撃していても、この大元を叩き潰さねば同じことが繰り返されるだろう。
「……征こうか」
 陸は翼を広げ、残留効果の力でふわりと浮かぶ。
 この激しい砂嵐の中、飛行するのは危険だ。踏ん張りがまったく効かず、翼膜を広げればそのぶん被弾面積も増す。

 ただしそれは、尋常の鳥類であればの話。
「ふ――!」
 陸は魔力を、光を剣に凝り固め、鋭い呼気とともに空を薙いだ。
 ただ闇雲に振ったわけではない。彼は目で見えない風の流れを読み、肌で変化を感じ、かすかな音の違いから空気の層を聞き取っている。
 熟練の医者が筋肉の繋ぎ目を見切るように、一件無造作に見える斬撃は大気の『隙間』を突いている。
 事実、見よ……ごぉうっ! と激しい大気の流れがこじ開けられ、砂嵐の中につかの間の空白を生み出した。
「"百芸を為す"などと云われはしたんだ。砂嵐程度、斬り伏せられなければ龍は名乗れないさ」
 そして自らが生じさせた風の流れに乗り、陸は滑るように砂嵐の中を進む……いや、切り抜けるというべきか。
 暗雲をすいすいと飛び抜ける渡り鳥めいて。あるいは……。
「……感じるな。近づいてくる敵意を。いいだろう、受けて立つよ」
 空を己の領域と断じ、君臨する強大な龍めいて。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

クラマ・レインコート
コウキ(g04512)と

よく勉強してんだな。そういやお前さん歴史好きだったっけか。
ま、神でも仏でも相手してやるが…期待はすんなよ?

こういう時のための風除け、砂除け、雨合羽。
そんじゃコウキ、道案内は任せたぞ。

唵 迦楼羅 蘇婆訶……
万象の風を操る[鞍馬天狗羽団扇]で周囲の砂嵐を操作し[吹き飛ばし]、
[クリーニング]で自分達の視界を確保しつつ砂嵐に紛れながら進む。
足元の流砂なんざ風で一跳びだ。

真似するコウキに[風使い]らしくレクチャーしてやるか。
戦闘のために直接冷気が当たらないよう風で温度調整し十全の状態で辿り着けるようにし、さらに風を操り砂嵐の暴風を纏いて姿を隠し、標的へ音も無く近づく

アドリブ歓迎


不知火・紘希
クラマくん(g04916)と

うわぁ、ここ、本当にエジプトなの?
いつも暑いのに、風が冷たいよ…。

歴史のお勉強だと、せ、せと?って悪い神さまだけど、
守り神っていうお話もあるよね。
どっちにしても戦いの神さまだから強いってことだ!
豹さんも怖いし…。でも、今日はクラマくんが一緒なんだよ!
砂嵐除けのフード被って、準備万端!

クラマくんの攻撃をマネして、砂嵐を切り拓いてみるよ。
僕は【過去視の道案内】で仲間が突撃できるようにするね。
凍った足場とか「せと」の位置をよく観察して、
僕も案内するために突撃!
残像で避けながら、豹さんたちの位置も知らせるよ。
光る靴で僕の場所がわかるようにしておくね。

アドリブ・連携は歓迎だよ


●戦神の御手を越え
 肌を刺すような冷たい風が、太陽を覆い隠す。灼熱の砂漠でここだけが寒い。
「うわぁ、ここ、本当にエジプトなの? いつもなら暑いのに……風だけが冷たいって、変な感じ」
 不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)は、なんとも気味の悪い反自然的な気温に困惑した。
「こういう時の風除け、砂除け、雨合羽……ってな。何、砂嵐の突破ぐらいなら、俺でも余裕さ」
 などとクラマ・レインコート(雨合羽の運び屋・g04916)は嘯く。自信があるのかないのか、判然としない笑み。
 彼の表情はいつもそうだ。人当たりはいいが、どこか近いようで決して人を寄せない、ある一定のラインがある……。
 幼い紘希は、本能的にそれを感じ取っていた。が、言語化することはない。そういうのは彼の世界に「不要」だからだ。
「ぐらいなら、って、クラマくんが一緒なら怖い豹さんも炎使いの女の子も心配ないよ!」
「期待はすんなよ? 危なくなったらさっさと尻尾巻いて逃げちまうかもしれないぜ」
「あははっ! そんなことないって、信じてるから!」
 無邪気に笑う紘希の顔を、クラマはフードの下で悟られないように一瞥する。口元の笑みは変わらない。
「それにね、せ、せと? だっけ……話に出てた神さまって、悪い神さまだけど、守り神っていうお話もあるんだって」
「へえ、よく勉強してんだな。そういやお前さん、歴史好きだったっけか」
「うん! でね、その神さまは戦いの神さまなんだよ。きっととっても強いよね」
「そのものが居るわけじゃないだろうが……それがどうした?」
 紘希はにっと笑う。
「そんな神さまの力が相手なのに、一緒に来てくれたんだから……やっぱりクラマくんは頼れるってこと!」
「……どうだかね。ま、神だろうが仏だろうが、相手はしてやるよ」
 クラマは紘希のフードをぐいと被せてやると、自らのフードも目深に被り直した。
「そろそろ行こうか。道案内は任せたぞ、コウキ」
「うん! 行こう!」
 少年は楽しげに、青年は相変わらず変わらぬ笑みで。
 カミソリじみたきめ細やかな砂粒の嵐へと、身を沈めて挑む。

 たとえどれだけ鋭く激しかろうが、嵐は嵐。つまりは風である。ならば。
「唵 迦楼羅 蘇婆訶……道を拓くぜ、止まるなよ」
「わかったよ、クラマくん!」
 クラマが羽団扇を振るうと、万象の風はその意に従う。
 風とは一見ひと繋がりの流れに思えるが、実際はまったく違う。無数の糸が束ねられたような、「流れ」の塊だ。
 ことに嵐ともなれば、それをただ吹き飛ばすだけでも至難の業。たやすく「拓いて」みせたクラマの技量は見事である。
 爆ぜるように飛び散ったきめ細やかな砂粒は、残留効果の力で掃けられ、先へ進む紘希の視界を遮ることはない。
「えっと、こうやって……えいっ!」
 紘希は『リピートペイン』を発動し、クラマが起こした風の操作現象を"再生"する。
 こうして互いに風の道をこじ開け、先へ進んだ紘希が【過去視の道案内】で、道筋を辿るための影を生み出す。
 どんな場所へも辿り着く運び屋と、どんなものでも描いてみせる幸福の絵描きの力を合わせた、見事な連携だ。
「上手いな。お前さんならもしかしたら、真似事じゃなく天狗の神通力だって身に付けられるかもしれないぞ?」
「え、ほんと? クラマくんとおそろいになるってことかな。やったあ!」
 多少はリップサービスもしたが、紘希は筋がいい。無邪気に喜ぶ様子は、年頃の子供そのものである。
「ま、天狗に直接教わればの話だがな。言っておくが、俺にそのレベルを期待するなよ? 出来るのはレクチャーぐらいだ」
「そんなことないよ、教えてクラマくん!」
「あいよ。大事なのは、ただ風を吹き飛ばすことじゃない。それを利用して、身を隠すことだって重要だ」
 クラマはお手本のように羽団扇を振るい、自らと少年とを風の力でふわりと浮かび上がらせる。
 そうして流砂を飛び越えると、撒き散らされた砂粒に新たな道筋を与えてやる。
「わあ……!」
 するとふたりを飲み込むように小さな風のヴェールが生まれ、ひととき姿を覆い隠した。
「……とまあ、こんな感じだ。これで"姿は"隠せるだろ?」
「うん、やっぱりすごいやクラマくん!」
「そりゃどうも。もっとも、戦いに使うなら音も気配も消さなきゃならん。こいつはまた別の科目、だな」
 クラマは当然、それが出来る。彼の運ぶものは物体だけではない――死を運ぶ者でもあるゆえに。
「獣の息遣いだ。近づいてきてるぞ、コウキ」
「……!」
 少年は息を潜ませた。たしかに見えない砂嵐の向こうに、凍てつくような極寒の殺意を感じる。
「さっそく実践タイミング、みたいだな」
「……大丈夫! 豹さんは怖いけど、こっちにはクラマくんがいるんだから!」
 相変わらずの言葉に、クラマは苦笑めいた表情を浮かべた。
 紘希は勇気を振るって、見えざる敵を誘い出さんと前へ進む。
 戦神の生んだ砂嵐を切り裂いて、いよいよ獣と復讐者とがぶつかろうとしている!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

●砂嵐の只中にて
 先を急ぐディアボロスらは、様々な方向から突き刺すような殺意を感じた。
「来たか、ディアボロス」
 それは頭上から神のごとく響く声であり、
「待っていたぞ、我らの支配を揺るがす敵め」
 あるいは真横から囁く死神の先触れであり、
「此処は我らの狩場。迂闊に踏み込んだことを後悔せよ……!」
 はたまた、背中に押し付けられた銃口のようでもあった。

 四方八方。
 通常であれば比喩に過ぎぬこの言葉が、渦巻く砂嵐の中では正確な意味を発揮する。
 警戒を怠るな! 凍れる豹どもはあらゆる場所に潜み牙を研いでいる。
「――死ね、ディアボロス!!」
 そして来るぞ。死神の鎌じみた爪を研ぎ澄ませ、殺意を漲らせたけものどもが!
 砂粒の合間に見え隠れする氷塊。あるいは、風に乗りて猛禽めいて飛翔するたくましい身体。
 その兆しを見逃さず、風に乗りそして切り裂き、猛るけものを退けろ!
ネフェル・アンケセナーメン
※アドリブ歓迎

・行動
【熱波の支配者】で寒さをしのぎつつ
【エアライド】【飛翔】を使用して凍らせた砂の足場による
敵の立体的な攻撃に対処。
自身はそのまま敵の合間をすり抜けるように
バリザイの偃月刀で切り払っていく
(技能:斬撃、呪詛、観察)

・パラドクス演出
『魔法の石笛』を吹くと人間の可聴領域外の音が鳴り響き、
風が巻くとともにビヤーキーの幻影が召喚される。
自身の動きが早くなり、まるで幻影のように辺りに影響されずに移動していく

・セリフ
私はあのスフィンクス船にいらっしゃる御方に用があるのです、
あなた方如き有象無象にはかまっていられません。
……押し通らせていただきます。


●星間宇宙より来たる
 砂漠で生まれ育ったネフェル・アンケセナーメン(永遠の愛・g01408)にとって、この寒波は非常に堪える。
 だが残留効果があれば、煩わしい防寒具を纏わなくとも凌ぐことは可能だ。
 それでもなお肌を刺すほどの冷気だが、飛翔し跳ね回る分には支障はなさそうである。
「……私は、あのスフィンクス船にいらっしゃる御方に用があるのです」
 ネフェルは、最初から雪豹どもを視界に入れてさえいなかった。
 砂嵐の打破さえも、ネフェルにとっては副次的な目的でしかない。
「ここは通さんぞ!」
 背後。砂嵐に姿を隠していた雪豹が、弾丸めいて飛び出した。
 今の飛翔の速度では、抱きつき攻撃を回避できない。ゆえにネフェルは、魔法の石笛を吹き鳴らす。
「黄衣の王よ!」
 高らかなる口訣が、ごう、とカミソリめいた風を起こした。
 やがて風は内側に向けて窄まり、奇怪なる奉仕種族の形を得る。ゆらめく幻影を。

「これは!?」
 見よ。ネフェルは一瞬にして、霞のような速度で空を蹴った。
 四肢でもってネフェルを圧迫粉砕しようとした雪豹の攻撃が、空を切る。そればかりか。
「き、斬られている、だと……」
 ずるりと、雪豹の上半身と下半身が分かれ、砂嵐のなかへ堕ちていく。
 斬撃が「置かれていた」のだ。女の手には偃月刀。
「あなたがたごとき有象無象には、構っていられません」
 ネフェルは砂嵐の彼方、これだけの距離でもたしかに感じる邪悪な気配に意識を絞っている。
 今は彼奴に挑むことは叶わず。そのための砂嵐の打破である。そして彼女にとって、それはただの強敵を意味しない。

 ああ、尊き御方。わがきみ。わが夫。愛すべきひと――その身体、その存在!

「……押し通らせていただきます」
 ぎらりと、ネフェルの瞳が剣呑に輝いた。
 立ちはだかる一切を、病んだ妻は許さない。有象無象の関わりなく。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

竜城・陸
ここがお前たちの狩場?
――“竜”を前にして、面白いことを言うものだね

【飛翔】は風の間隙を縫って
周囲に点在する足場を風除けや方向転換に利用しながら交戦

生み出すは氷雪の嵐
停滞と静寂、生命の終端を司る氷の権能
同時、握った『鋼薪塔』の刃のない柄に、両刃の直剣を生み出して携える

振り下ろされる腕や肢、尾の一撃は武具で受け流し
僅かでも相手が動きを止めたならば、生み出した氷槍や氷剣を以て突き穿つ
味方があれば互いに死角を埋めるよう動き、援護しあうよう心掛ける
氷雪の扱いならば此方に利がある
状況に応じて味方を庇うことも考慮しよう

そんな子供遊びのような冷気などで、潰えるこの身ではない
後悔と共に死ぬのは、そちらの方だよ


●風の間隙を縫う
 砂粒に混じり、きらきらと煌めく光の粒子がある。
 それは実際には、砂嵐に差し込むごくわずかな太陽光を反射する、非常に細かくかつ鋭い氷片だ。
(「迂闊に砂嵐に飛び込めば、奴らの爪牙だけじゃなくあれで細々とした傷を与えられるか。獣にしては狡猾だな」)
 竜城・陸(蒼海番長・g01002)には見えている。乱舞するすさまじい風の流れも。
 足場を蹴立てて猛禽めいて加速し、空中できりもみ回転して敵の爪を退ける。雪豹どもは実際、手を焼いていた。
「訓練を重ねた我らを一顧だにしないとは……!」
「ならば、凍てつかせるまで! 我らの息吹を浴びるがいい!」
 ぎろりと、レンズ越しに陸が敵を睨む。
「"竜"を前にして、面白いことを言うものだね」
 狩場。なるほどたしかにここは狩場である。
 されど、奴らにとっての狩場ではない。なぜならば!

「かああっ!!」
 敵は連携攻撃に出た。
 まず一体が息吹を吐きかけ、これで陸の身体を完全凍結、ないし部分的に凍らせて動きを麻痺させる。
 この一撃で凍り付けばそれで終い。躱したとしても残る敵が近接攻撃を仕掛け、確実にとどめを刺すというわけだ。
 高い練度だった。いかな陸とて、無傷でこれを凌ぐのは不可能だと、即座に直感するほど。
「環境が異能にあぐらをかかず、磨き上げようとするその精神性は、敵ながら感心するよ」
 だが陸は、多少の手傷を厭うような臆病者ではない。
 片手をかざして息吹を受ける盾とし、利き腕に握りしめた刃のない柄に直剣を形成、まず足止め役の喉を串刺しにした。
「がはっ!!」
 雪豹の吐いた血は、空中で凍りつき、ぱらぱらと陸の頬に当たって散っていく。
「ば、かめ……動きを、止めたな……!」
 死に際でありながら女は笑った。陸の眉がぴくりと動く。
(「捨て身も織り込み済みか」)
 戦士としての覚悟を決めている。それは純粋に敬意を払うべき点だった。
 背後――氷の爪を構えた獣が! 迫る!

「か――」
 されどその爪が骨に達するよりも先に、円弧を描いた斬撃が冷たい輝きを放っていた。
「そんな子供遊びのような冷気などで、潰えるこの身ではない」
 突き刺した刃を、半月を描いて振るったのだ。なんたる斬撃速度。
 刎ねられた首がふたつ、砂嵐に呑まれていく。
「最初に挑んできた奴らは、幸運だったね。何も感じずに死ねただろう。
 残るお前達――後悔とともに死ぬのは、そちらのほうだよ」
 この空間にあって、なにより冷たきもの。
 それは、睥睨する竜の瞳だ。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

エンデ・トロイメライ
つまりは本丸を落とすための下準備。敵も一筋縄ではいかないってことか。
ほんと厄介だねぇ……まあ潰すしかないなら潰すけど。

FLUGEL起動。風が強いならそれを利用しようか。
風の流れに逆らわずに勢いに乗って飛ぶことで速度を上げて
その速度を活かしてヒット&アウェイで攻める。
すれ違い様に首を切り裂くなり頭を撃ち抜くなりして数を減らすよ。
この機械の体には寒さも長居しなければどうってことないしね。
捕まえようとしてきたらその隙間を縫うように躱し反撃して更に倒す。
そう簡単に捕まるつもりはないよ。

ぶっちゃけキミたちに構ってる暇ないからさぁ、さっさとくたばってよ。


●交錯
 砂嵐の中は、さながら乱気流のような有様だ。
 上下左右、あらゆる方角に風の流れが生まれ、しかも数秒も維持されない。すぐに流れが激変するのである。
「っと、激しいなあこの風の流れは……! けど、これならスピードを上げる必要もないよね」
 エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)はその流れに逆らわず、身体の重心を少しだけずらすことで多少のコントロールを行い、四方八方から襲いかかる雪豹と戦っていた。
「この荒れ狂う風の中で混乱せずに戦えるとは、敵ながら中々やる!」
「だが、お前達を迎撃するため、訓練を重ねた我々の連携には勝てまい!」
 エンデは苛立ちを覚えた。ヒット・アンド・アウェイはまさしく敵の戦術だ。
 そこで同じ土俵に上がろうとすれば、必然的に数の差で徐々に押し込まれることになる。
 加えて厄介なのが、あの冷気で凍りついた四肢であろう。
(「牽制を打とうとしても、あの氷で弾かれちゃうな……鬱陶しい」)
 こんな雑魚に構っている暇はない。エンデはそう考えていた。
 しかしその認識が少々甘かったことを、彼女は痛感させられている。
 交錯のたびに手傷を増していくのは彼女の方だ。徐々に、趨勢が敵に傾いている。

 であれば、勝負を決するには一撃必殺を臨むしかない。
 エンデの狙いを読んでいた雪豹どもは、ベアバックによる拘束ではなく、爪を使った一撃離脱戦法を繰り返していた。
 体力切れを狙っているわけだ。これが効果的なのがなおさらに厄介だった。
「もらった!」
 そこで、一匹の雪豹がエンデに襲いかかる。
 近づかれるということは、近づく必要もないということ。エンデはナノマシンをナイフ型に生成し、加速!

 交錯した影が、3つになった。
「何!?」
 エンデと切り結んだ仲間が、真っ二つになって落ちていくのを見て、様子を伺っていた雪豹が驚愕する。
「ほんと厄介だねぇ、クロノヴェーダって。でも、潰すしかない以上、容赦はしないし……傷つくのだって厭わないよ」
 爪で裂けた頬の内側から、バチバチとスパークが這い出した。その光が、鋭い眼光をさらに剣呑に輝かせる。
「さっさとおいでよ。全員くたばらせてあげるから」
 たとえ敵が手強くとも、エンデは立ち止まらない。
 その技量すらも利用し、確実に息の根を止めてみせる。それが、彼女の戦い方だ。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

不知火・紘希
クラマくん(g04916)と
「魔法のクレヨン」を使用
【過去視の道案内】で出来た影も頼りにして、
クラマくんに乗って豹さんたちに立ち向かうよ!
僕は背負ってもらって、攻撃サポートするね!

「うん、わかったよクラマくん!今だね!」
豹さんたちが飛び掛かってきたら、
次々に手元から魔法のクレヨンを出して、
誘導弾で狙いを定めて、目いっぱい投げつけるよ。
冷たい風を逆に使って、氷魔法のクレヨンだ!
ちゃんと当たったら痛いんだからね!

クレヨンは戻ってくるようになってるから、
いざという時は【操作会得】も使って
クラマくんの足場になるようにするね。
戦い方はお勉強中だけど、
クラマくんがいてくれるから頑張るよ!

アドリブ・連携OK


クラマ・レインコート
コウキ(g04512)と
風のヴェールはまだ使えるか?
こいつで砂嵐の中へ潜んで首掻き切れれば楽なんだけどよ

さすがに戦い慣れてるな…
だが跳躍はお前らだけのお家芸ってわけじゃねぇんだよ。
[八艘飛び]で足場を逆利用し、コウキをおぶさり[飛翔]するかのように高速での跳躍機動。
[残像]混じりの跳躍を繰り返し、さながら移動砲台のように銃弾とクレヨンをバラ撒き、渦巻く砂嵐の中で戦いを展開する。

コウキ、今だ!
コウキが撃ち放ったクレヨンは「元の持ち主のところに戻る」…その能力を利用する!
戻ってきたクレヨンを足場に跳躍し斬撃、さらに敵に当てたクレヨンを再利用し別の敵へさらに跳躍、理外の軌道で接近し[連撃]を叩き込む


●空を支配せよ
 四方八方から突き刺さる殺気。そして、飛びかかる影。
 クラマ・レインコート(雨合羽の運び屋・g04916)の優れた感知能をもってしてさえ、敵の位置は把握しがたい。
「チッ……風のヴェールがまだ使えりゃあな」
 あれならば、砂嵐の中に潜み、逆に首を掻き切ることが出来るだろう。
 だが敵の変幻自在の連携攻撃は、風を操るための集中を著しく乱す。
 術式に集中すること自体が、奴らの思う壺だ。足を止めてはならない!

「大丈夫だよクラマくん、僕もサポートするから」
 クラマに背負われた不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)が言う。
 彼は、こうした立体戦闘に慣れていない。能力的には(他のディアボロス達の残してくれたエフェクトがあるとしても)可能だとしても、敵とは圧倒的に経験の差がある。
 であれば、子供であることを活かせばいい。そこでクラマが、紘希をおぶることにしたのだ。
「ああ、頼りにしてるぜコウキ。俺一人じゃちと荷が勝ちそうだ。捕まってろよ!」
「うん! 敵の動きは、僕がナビゲートする!」
 【過去視の道案内】があれば、少なくとも敵がどういう移動ルートを辿ったのかはなぞることができる。
 クラマの感知能と合わせ、「どこにいるのか」を探るのではなく、「どこへ行ったか」を予測するわけだ。
 あとは経験とカンが物を言う。その点、クラマはベテランである。状況は拮抗していた。

「敵は慣れているぞ、油断するな!」
「徐々に追い詰め、首を掻き切ってやる。狩人を甘く見るなよ……!」
 さりとて、雪豹どもも伊達ではない。
 訓練を重ねて得たチームワークで、まるで見えない網で二人を包み込むかのように、徐々に回避余剰空間を奪い取って機動力を削いでいく。
 事実、クラマのバラまく弾丸は、牽制程度の役割しか果たしていない。
「狡猾な連中だ。無謀な突撃をしてくる相手なら、まだ楽なんだが」
「でも、向こうは多分、僕らの狙いには気付いてないよ」
「気付いたところで、避けさせねえさ。だがこっちも油断はするなよ、コウキ。こんな搦手、二度は通用しねえ」
「もちろんだよ!」
 クラマに倣い、紘希は『魔法のクレヨン』を風に乗せて投擲している。
 だが弾丸よりも初速の遅いクレヨンが、この高速戦闘下で当たるわけもない。
 敵からすれば、手詰まりを感じた子供が、闇雲に攻撃しているようにしか見えないだろう。
 それで油断する相手ならば、クラマの銃撃が仕留めている。やりづらい連中だ、とクラマは感じた。
(「だが、布石は整ってきたな。その狡猾さを利用させてもらう」)
 注意深い相手には、注意深い相手なりのやり方がある。
 クラマは、投げ放たれたクレヨンの行き先をすべて記憶していた。
 一秒がもどかしく感じる。敵もそれは同じだろう。寄せ手の勢いがさらに苛烈さを増す……!

 そして!
「いい加減に仕留めるぞ、同時攻撃だ!」
「「「はい!」」」
 敵が仕掛けた。多数方角から同時に襲いかかることで、回避余地をなくし完全に殺す構えに入ったのだ。
 反撃で一体二体は殺されるのを承知の上の必殺連携。覚悟を決めている、ということだろう。だが!
「コウキ、今だ!」
「うん、わかったよクラマくん! ……戻ってこい、クレヨン!」
 魔法のクレヨンが、風の中から猛スピードで戻ってきたのである!
「何っ!?」
「小癪な……背後からの攻撃に、我らがやられると思ったか!」
 だが見事なもの、雪豹はこの不意打ちにも対応してみせた。

 クラマはフードの下で、薄笑いを浮かべた。
「悪いな。こいつは本命じゃねえんだ」
 クラマは魔法のクレヨンを足場に跳ぶ。魔力でコーティングされたクレヨンは、一度の足踏みであれば耐える!
「な――」
「あばよ」
『ZDA-2369[Suparna]』が、赤い斬光を描いた。驚愕の表情のまま、雪豹の首が落ちていく。
「クラマくん、あっちからくるよ!」
「ありがとよ、コウキ!」
 さらに別のクレヨンを使い、クラマは真下に跳躍。そして真下の氷塊を使いV字を描くように反射した!
「後ろを取られただと!?」
「跳ぶや八艘、飛燕の如くってな。跳躍はお前らだけのお家芸じゃねぇのさ。天狗の技、味わいな!」
 赤い半月! 疾風迅雷の刃、氷よりもなお凍てつき獣を裂いた!
 理外の軌道は敵も見極め難し。これがクラマの機動力!
(「僕もクラマくんの戦い方を勉強して、強くならなきゃ……!」)
 がっしと背中にしがみつき、少年は目を見開く。
 明日のために、そのすべてを糧にしようと、頼れる仲間の戦いぶりを目に焼き付けて。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!

グレン・ゲンジ
はん、ヒネリのねーセリフだぜ…殺してみろ、クロノヴェーダ!

熱波の支配者で温度を引き上げるのは当然として…問題はその後だ

氷の鎧で攻撃するというなら、どんな曲芸も見てやる必要はねー
目を閉じ、全身に念動力を滾らせて、その場に留まる。俺に敵が触れた瞬間、念動力を流し込み赤い氷漬けにしてやるぜ
大好きな氷の中で、蒸し焼きになりやがれ!

心配すんな豹ども。残りもすぐに同じ目にあわせてやるからよ
あ?嫌?じゃあ他のディアボロスに殺られてこい!その前に俺に殺られなけりゃあな!


白蔵主・天狐
うーん、相変わらずの砂嵐なわけで。
さっさと、クロノ・オブジェクト壊さんと髪がー。
ゆるすまじ、クロノヴェーダ。

っていうか、支配揺るがされてる自覚あったんだ。
今日もぐらぐら揺らしてあげるから、お楽しみにー。

さってと、奴さん凍らせた砂を足場にするっぽいか。
『陰陽連環術式』
私は優しい妖狐なので、自分の髪を守るために風の呪術を起こしつつ、金生水で砂の氷をカチカチにしておいてあげましょう。
ほらほら、こっちおいでー?

敵が足場を強く踏み込んだのなら、呪力を土気に変換。
土剋水、凍っていた砂をずぶずぶの泥水に変えたらどうなる?
きっと、一瞬でも体勢崩しちゃうんだろうなぁ。そしたらまぁ、見逃してはあげられないよね。


●雪豹死すべし
「くっ……過酷な訓練を続けた我々が、こうも数を減らされるとは」
「支配に逆らう愚か者ども、これ以上は好きにさせん!」
 牙を剥き、獣じみた殺意をあらわにする雪豹神群。
「支配揺るがされてる自覚あったんだ。ま、上のほうがどうかは知らないけど」
 白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)はからかうように言った。
「今日もグラグラ揺らしてあげるから、お楽しみにー」
「無礼るなよ、貴様らの存在など、いわばナイルに紛れた小粒のひとつに過ぎぬ」
 雪豹どもが唸った。
「されど盤石なる支配には、小石すらも不要。ゆえに貴様らは我らが狩るのだ!」
「はん、ヒネリのねーセリフだぜ」
 グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)は、その殺意を真正面から受けた上で鼻で笑う。
「殺してみろ、クロノヴェーダ! さもなきゃ俺がぶっ殺してやらぁ!!」
「「「言われるまでもない!!」」」
 敵が砂嵐に紛れる! その姿を五感で探し出すのはほぼ不可能に近い。
 しかも四方八方、文字通りどこからでも襲い来る敵に対して、二人はどう立ち向かう!?

「あーもー、さっさとクロノ・オブジェクト壊さんと髪がー」
「んなこと言ってる場合か! いつ襲われてもおかしくないぜ?」
「わかってるってば。でも、姿は隠せてもあの足場は丸見えでしょ」
 天狐は言い、陰陽符を取り出した。
 すると符はぼそぼそと枯れていく葉のように崩れ去り、散った霊力はふたりをそれぞれに包む風のうねりに変わる。
「おっと、こいつぁ快適だぜ。残留効果でひいこら温度を上げる手間が省けるな」
「ドラゴニアンって、やっぱり寒さは厳しいの? って、話してる暇はないか」
 天狐も余裕綽々に見えるが、その実警戒は怠っていない。
 姿なき襲撃者を常に意識し続けるのは、それ自体が精神を摩耗させる極めて困難な状況だ。
 できるだけ長く戦うには、適度に力を抜くのも大事なのである。

「ほらほら、こっちおいでー?」
 天狐は氷の足場に干渉し、五行相克の理を以て土の気を流し込んだ。
 するとどうだ。砂を冷気で凝り固めた足場が、どろりと泥水に変わってしまった!
「ううっ!?」
 足場を強く踏みしめていた雪豹が、突然の変化に態勢を崩した。
 瞬間、天狐はすさまじい速度で空を蹴立てる。『妖刀『魂喰らい』』がぎらりと煌めいた!
「もーらい」
 斬撃! しかして恐るべきは雪豹の執念か。
 致命的一撃を喰らいながらも、その身体はがしりと天狐を捉えていた!
「おっと」
「逃さん……! 私とともに死ね……!!」
「こんな寒いところで戦ってるくせに、暑っ苦しい精神してるねぇ。さて、どうしたもんか……ッ!」
 めきめきめき……と音を立てて、天狐の身体を獣の四肢が羽交い締めにする。逃れるにしても数秒は必要だろう。
 天狐は空を睨んだ。こちらめがけて来る影、3つ。一体は仕留められるだろう、だが残り二体はどうする!?

「そんなに氷が大好きならよお!」
 その時、問題の二体を、赤い氷が包み込んだ。
「「!?」」
「大好きな氷の中で、蒸し焼きになりな。これが、竜の怒りだ!!」
 敵がどうにかして足を止める瞬間を狙っていたゲンジの『ヒートグレイブ』が、雪豹を飲み込んだのである。
 氷でありながらすさまじい熱を孕んだこのパラドクスは、熱を受ければ受けるほど硬化する。
 ゲンジは片手をかざし、目を見開いた。氷は燃える炎めいて赤く染まる!
「「ぎ、ぎゃあああ!!」」
「へえ、やるじゃん。助けられちゃったね」
 天狐は言いつつ、襲いかかる残る一体を妖刀で斬首。獣の拘束から抜け出した。
「後ろ、最後のが来てるよ!」
 そして叫ぶ。ゲンジの背後、生き残りが爪を凍らせ飛びかかっていた!
「死ねぇええ!!」
「……悪いな。その曲芸、見てやるつもりもねー」
 ゲンジは、被弾覚悟で立ち止まっていた。爪が赤い鱗に突き刺さる。そして筋肉の緊張で動きを止めた!
「ぐ!?」
「仲間がやられて寂しいだろ? 同じ目に遭わせてやるよ。こいつで、終いだ!!」
 豪腕炸裂! 『デストロイガントレット改』の裏拳が、豹の頭部を吹き飛ばした!
 首なしのどさりと倒れたことで、爪が引き抜かれる。ゲンジは身体に力を込め、強引に傷口を閉じた。
「そっちも、暑っ苦しい反撃するねぇ」
「ハ! 殺しに来る奴を返り討ちにしただけだぜ。いまさら傷の一つや二つ、厭ってられっかよ」
 ゲンジは荒々しく天狐に返した。
「クソふざけた砂嵐なんぞ、さっさと叩き潰してやる。待ってやがれ、クロノヴェーダ……!!」
 ディアボロスの原動力とは怒りだ。ゲンジの身の裡に燃える炎は、まさにそれ。
 呆れたような表情を浮かべる天狐も、砂嵐の向こうを睨む目は鋭い。
 いよいよ、決戦の時が訪れようとしている。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
【傀儡】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

●砂嵐の目
「あれぇ? なんで敵がここにいるの?」
 怒りを燃やして嵐を突破したディアボロス達を見、『火祭のオノフリア』は首を傾げた。
「もしかして、雪豹のコ達、やられちゃった? やっぱり氷じゃダメだったのかなぁ。強かったと思うんだけど」
 配下の死にも、幼い少女のアヴァタールは大した悲しみを見せない。クロノヴェーダはそういうものだ。

 なによりも、この砂嵐の目――風のない空間に渦巻く熱気。
 さきほどまでの肌を突き刺すような極寒とはまったく逆。その炎の勢いたるや、砂漠の灼熱を超える。
「まあいいや。遊ぼうよ! 寒かったでしょ? だからあっためてあげるよ!」
 無邪気に言いながらも、高まる魔力はまったく油断ならない恐るべき熱量を秘めている。
 首元に巻かれた黒い蛇の首輪……あれが問題のクロノ・オブジェクトだろう。
 しかしオノフリアほどの強大な敵を相手に、そこを狙って攻撃するなど悪手も悪手。
 作戦の完遂には、奴を打破することが必須条件だ。そしてその戦いは……これまでよりも苛烈となる!
「みんなみーんな、仲良く丸焦げの炭にしてあげるからね~!」
 無邪気ゆえに曇りなき危険な殺意と、炎が! ディアボロスを襲う!
竜城・陸
氷であろうが、炎であろうが関係ない
お前がどれだけ強いとしても問題ではないよ

【飛翔】して相対
帯びたままの直剣に纏わせるは光の権能
《Claidheamh Soluis》――襲い来る炎の嵐を、正面から迎え撃つ

要領は砂嵐を斬り開いた時と変わらない
よく[観察]して、[斬撃]で斬り開くだけ

違いがあるとすれば――この手に在るのが友の打った一振りであることで
それはつまり、今ならどんなことでも為せるということだ
炎の嵐くらい斬って捨てられなければ
これを授けてくれたやつに顔向けができないからね

相応の負傷は織り込み済み
この程度で怯むものか
接近して一刀に斬り伏すよ
この怒りの絶えない限り――斃れるつもりなどないのだから


奉利・聖
さて…遅ればせながら、馳せ参じました
騒がしいゴミがうるいさですね そんなに踊りたいなら地の底でどうぞ
ゴミはゴミらしく埋まっているのが道理ですからね
嫌だと言うのなら──僕がそうしてあげましょう

火の鳥が巨大化したタイミングで行動開始ですね
【エアライド】をほぼ地面と平行──後ろ跳びで跳躍します
距離を出来るだけ稼ぎながら──『穿気功』
棒切れに貫通の気功を付与、<投擲>して<貫通撃>
火の鳥をぶち抜いて、その先のゴミを射貫くとしましょうか
勿論僕は、そのまま【飛翔】で逃げおおせますが

狙いは当然、頭です
頭部を破壊すれば大体の生き物は行動できなくなります
避けるのならば、手持ちの道具を投げて上空から打ち下ろしです


●渦巻く砂嵐の真ん中で
 明らかに不穏な黒い瞳をぱちぱちと瞬かせ、オノフリアは嬉しそうに、楽しそうに笑った。
「さあ、遊ぼ! アタシが燃やして、キミ達が死ぬ、楽しい楽しい火遊びだよ~!」
 ゴウ! ゴウウ! と、エグゾーストノートに似た燃焼音。
 オノフリアの身体を中心に、炎は燃え上がり、それは徐々に鳥めいた形を取る。
 翼を広げるような仕草……両翼に当たる部分が燃え上がる。燃え上がる! みるみるうちに巨大に!
「氷であろうが、炎であろうが関係ない。お前がどれだけ強いとしても、ね」
 竜城・陸(蒼海番長・g01002)は対抗するように翼を広げ、地面すれすれを高速飛翔して自ら戦いを挑んだ。
 やることは同じだ。砂嵐だろうが、炎の嵐だろうが、それを叩き切るまでのこと。
 この手に握るは友の一振り。ならば、どんな強敵が相手だろうと為せぬことはない!
「きゃははっ! 燃えちゃえ~!!」
 すさまじく巨大化した不死鳥めいたジンが、渦を巻いて陸を襲う。
 熱波がその体を蝕む。肌が焼けようと肉が焦げようと、陸は止まらない!

「あれぇ? どうしてアタシの炎で燃え尽きないの~? そんなのキラ~イ!」
 オノフリアは陸の健在に苛立ち、もう一体の炎の鳥を形作った。
 だが、それが陸めがけて放たれることはない。
「遅ればせながら、僕の相手もしていただきましょうか? 騒がしいゴミのあなた」
「! 誰!?」
 砂嵐を突き抜けて背後から飛び出したのは、奉利・聖(クリーナー/スイーパー・g00243)だ!
「ゴミはゴミらしく埋まっているのが道理ですよ。嫌だというのなら、僕が手ずから掃除して差し上げます!」
「邪魔しないで~!」
 ごう! オノフリアは、形成途中だった炎を手のような形に変え、近づいてくる聖を薙ぎ払った。
 だが、これは聖の狙い通りだ。彼はわざと攻撃を引き出したのである。
 弾かれるように後退した聖は、手に持った棒きれをもう片方の指先で撫で、気功を付与した。
「死んじゃえ~!」
 敵は炎を収束させ、陸に放ったものと同等のレベルの炎の嵐を、距離を稼ごうとする聖に解き放つ!
(「狙いは、頭。動きを止めれば、陸さんなら問題なく斬れるでしょう」)
 一瞬、陸と聖の視線が交錯する。
(「肝心の仕事を任された、というわけだ。仕方ないな」)
 その一瞬だけで、陸は聖の狙いを読んだ。
 空中で身体を捻り、すべての力を刃に籠める。炎の嵐が、聖を飲み込む!
「遊びの道具がほしいなら、これでもどうぞ!」
 聖はできるだけ被弾面積を抑えるため、空中で丸まるようにしながら、棒切れを擲った。
 炎の嵐の中心を飛鳥の如く貫いて、気功を纏った棒きれが……オノフリアの脳天を直撃!
「あぎゃあっ!?」
(「あとはおまかせしますよ、番長さん……!」)
 炎の嵐が聖を苛む。だがこの程度の負傷は織り込み済みだ。
 それは陸も同じ。業炎をもってしても溶かせぬ絶対零度の殺意を瞳に宿し、炎の嵐を切り払う。そして!
「どんな炎で焼かれ炙られようと、俺は斃れるつもりはないよ。この怒りが絶えない限りは……!」
「あ――」
 回転速度を載せた横薙ぎ斬撃が、オノフリアを斬った。
 甲高い悲鳴が、砂嵐の目に響き渡る。されどそれは邪悪の証。
 奴が奪い踏みにじってきたものに比べれば、応報はこの程度では物足りぬ!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【狐変身】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!

ネフェル・アンケセナーメン
※アドリブ歓迎

・行動
【エアライド】で熱された地面や敵のタールに触れないように移動
武器『アトラク=ナクアの糸』を移動経路に這わせて罠を作成
敵が踏み込んできた所でパラドクスを発動して一気に絡めとる。
(技能:呪詛、斬撃、罠使い)

・心情
黒瑪瑙の瞳にタールの翼……?
そのような神は寡聞にして存じませんね、
他の地方の神々もエンネアド化しているのでしょうか

まあ、そんなことはどうでもいいでしょう。
あの御方に近づく者は私が見定めなくては、
無邪気な方ゆえ気を配らないといけません。


●いと愛する御方へ
 気持ちが逸る。
 すぐにでも、今からでも、この砂嵐の向こうへ行きたい。
 おお、わが愛しの人! 必ずやおそばに!
「死んじゃえ! 死んじゃえ~~~!!」
 ネフェル・アンケセナーメン(永遠の愛・g01408)の執着を、血を吐くオノフリアの声が遮る。
 横薙ぎの斬撃を浴びたと思しき小娘は、呪われた黒瑪瑙の瞳をぎらつかせ、苛立ちに腸を煮えくり返らせていた。
「……騒がしい方ですね。その異貌、そのような神。寡聞にして存じません」
 異郷の神、あるいは神の力を宿すなんらかの神童?
 襲いかかる呪われた魔獣の爪を躱しながら、ネフェルは思考を巡らせる。敵の正体を探るように。

 だが、そんなことはどうでもよかった。
「あの御方に近づこうというのなら、私はあなたを見定めねばなりません」
「??? 何を言ってるの~?」
 オノフリアは理解できない。なぜなら彼女は幼い小娘そのもの。
 敵対者は、殺す。それしか頭にない、無邪気ゆえに邪悪なクロノヴェーダだ。
「あの方は無邪気ですから、気を配らないといけませんね」
 それでも、ネフェルの瞳の奥に渦巻く、病んだ炎よりはマシだ。
「!?」
 オノフリアはその赤い瞳を見た瞬間、本能的に警戒した。
 ネフェルは何かがおかしい……怒りを燃やすディアボロスどもとはまた違う病的な熱がある。
 それがたった一人の愛しい相手に向けられる、愛という名の炎であることなど、少女にわかるはずもない。
「そして、私を邪魔するなら……消えていただきますッ!」
「死ぬのは……そっちなんだからぁー!!」
 タールの爪が襲いかかる! だがネフェルのほうが疾い!
「灰色の織り手チィトカアよ、御身の仕える神の似姿を此処に!!」
 蜘蛛の神の幻影が背後に出現し、シュバァ! と糸を吐き出した。
 ネフェルはそれでいびつな巨大爪を作り出し、タールの爪もろともオノフリアを"削いだ"!
「ぎゃ……ッ!?」
「あの御方は、私だけのものですから」
 ぐるぐると瞳に渦巻く昏い炎を、少女は畏れた。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

ベアトリス・リュウフワ
舞台の熱気は十分。
しかし、主役は貴方ではありません。
この舞台を支配するのは、まぎれもない――【わたくし】ですわ。

見つめる、うふふ、本当にわたくしを視認できるとでも?
予測不能な所作の数々。それに【残像】を添えて。
どうせなら、この砂地をも利用いたしましょう。
我が【斬撃】を【爆破】させて、砂煙を上げて視界を遮りましょう。
考える暇など与えません。
無数の斬撃、その【連撃】を全方位から繰り出して、貴方の身体を削ぎ落します。

まあ、ここまで上手く事が運べれば御の字ですが、油断は禁物。
万が一、『不運の連鎖』が発動したのならば、それすら【ダンス】の種目に組み入れて――受け流したいですわね。


●死の剣舞
 ベアトリス・リュウフワ(強欲と傲慢のミルフィーユ・g04591)の剣舞は、彼女の気分とテンションによってまったく動作を変える。
 ゆえに予測不可能――当人さえ、舞ってみなければ何を思いつくかわからないのである。
 相当の強者でなければ、その動きを認識することは難しい。

 その強者が相手であったならば。
「見えてるよ、その動き! 呪われて、死んじゃえ……!」
 血まみれのオノフリアはぎょろりと黒瑪瑙の瞳を見開き、ベアトリスに不運の呪いを投げかけた。
 まず最初に起きたのは、すでに先遣のディアボロスによって滅ぼされた、雪豹神群の死体が砂嵐の中から飛び出してきたことである。
 まずありえない『不運』だ。しかもそれが偶然に爪をむき出しにし、まるで飛びかかるようにベアトリスを襲ったとあれば!
「甘いですわね」
 ベアトリスは、哂っていた。彼女は油断などしていない。
 たしかに己の技は強い。恐縮や謙遜など、ベアトリスには似合わない。
 だが彼女もまた強者である。油断や驕慢といった単語は、淑女とは無縁。
 この程度のことは想定し、警戒していた。回転から繰り出された剣戟が、死せる獣の爪を弾き飛ばす。
 どう! と砂を爆発させるほどの踏み込みで、オノフリアへ間合いを詰めた!
「く……!?」
 オノフリアの視界が霞む。これまでのダメージが重い。
 それに、ベアトリスの動きは疾い……もはや相打ち覚悟でなくば。
「この舞台を支配するのは、まぎれもないわたくし。あなたは主役の座にふさわしくありませんわ!」
「うるさいうるさい、うるさぁーい!!」
 第二の不幸が舞い降りた。はたしていつここで朽ちた盗賊のものか、砂に舞い上げられて襲いかかる刃の破片、無数。
 ベアトリスは微笑みを崩さない。屍の刃に切り裂かれながらオノフリアを斬り裂く。斬り裂く、斬り裂く!
「削ぎ落としてさしあげますわ……!」
 黒の髪に鮮やかな赤をアクセントに、あらゆる方向から斬撃を繰り出すさまは、まさしく漆黒の旋風と呼ぶべき有様。
 オノフリアの悲鳴が響く。趨勢を握るのは紛れもなくベアトリスだ。
 ここは彼女のための舞台だ。リードし、君臨し、踏みにじるのもまた、彼女なのだ!
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【壁歩き】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

白蔵主・天狐
あっつ!?
ってか、さっきとの気温差が半端ない。ほんと、髪に悪いからやめてほしいんだけど。もー。

あの首元のが砂嵐の元凶ってわけね。だったらやることはひとつ。そのそっ首落として、さっさと帰りましょ。

ふふ、そっか。たまちゃん(妖刀)もお腹すいちゃったね。
じゃぁ、派手に喰い散らかすとしますか!
──『永遠ヲ貪ル牙』
迫りくる不幸は、すべて斬って捨てる。物理的な脅威ならば、この刀に触れれば散り消えるのだから。

とはいえ、その目、鬱陶しいわね。
十分遊べたでしょ?なら、そろそろ終いに。
相手の光を奪う一突きを、放ちましょう。


●終局、迫る
「あっつ!?」
 ごうごうと渦巻く熱波が、白蔵主・天狐(空狐に至らんとする者・g05726)を苦しめる。
 さきほどまでの極寒とは、あまりに天地の差。髪質にも大ダメージだ。
「ほんと、髪にもお肌にもやめてほしいんだけど。もー」
「うるさい、うるさいっ! アタシを邪魔する奴ら、全員燃えちゃえ!」
 黒瑪瑙の瞳がどす黒く輝いた。暗黒の輝きだ。
「悪いけど、あなたのわがままに付き合うつもりはないのよ」
 天狐は駆け出した。そこへどこから飛んできたのか、空から落ちてくる巨大な岩!
「邪魔!」
 ざん!! と、砂岩が真っ二つになって砂の海に沈む。
 お次は……足元だ! 存在しないはずの流砂が天狐の足を絡みとった!
「たまちゃんがねぇ、お腹をすかせてるのよ。是が非でも、突き進ませてもらうわよ!」
 ざうっ!! と妖刀が砂を吹き飛ばす。オノフリアが叫びながら放った炎の飛礫はそのまま真っ二つに。
 砂嵐の中から別のクロノヴェーダの死体やら、いつのものかもわからぬ武具の破片が飛んでこようと、天狐は止まらぬ。
 すべてを斬って捨てる。魂を食らう妖刀は、ありとあらゆる物質・生物の寿命――つまりあるべき時間を奪う。
 刀身が喚いている。目の前の小娘より、こちらのほうがよほどじゃじゃ馬だ。
 天狐の双眸が炯々と輝く。血を求むるは彼女もまた同じか!
「こ、来ないで! 来るなぁー!!」
「十分遊んだでしょ? その目――鬱陶しいわ」
 ぎらりと、魂喰らいが突き出された。
 刃はオノフリアの片目をざくりと抉る。甲高い少女の悲鳴! 耳障りなそれは無邪気な邪悪の苦悶である。
 返り血が天狐の頬を染める。浮かべた表情は、喜悦の笑みだった。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

グレン・ゲンジ
(ネメシス形態・筋肉が膨れ上がり、真紅の怪獣のような姿になる)

クロノヴェーダは赦さねぇ…人を支配し殺す奴らは!俺だけじゃなく、ディアボロス全員がな!
大した炎だとは俺も思うが…だから何だって話なんだぜェ〜!

ガントレットを装着だ!そして『ストレングス』ッ!
溢れる念動力を『廻し』竜巻を起こす…それにより俺の居場所を、ちょうど砂嵐のような無風状態にするぜ!
炎は壁に阻まれて届かねえ…俺に付着したタールの炎も巻き込み、敵を巻き込む火炎になるぜ!

炎で焼け死ねるようにはできてねえかな…そうだよなァー…
だからよ!全身にありったけの拳を叩き込む!
おらおらおらおらァーッ!!!


●ストーム・ブレイカー
「ああああ……!!」
 片目を抑え、オノフリアは絶叫する。
 全身に傷を刻まれ、ついには目を潰され、少女の形をした邪悪は天を衝いて哭いていた。
「きらい、嫌い、キライ!! アタシの邪魔をするヤツ、痛いことするヤツ、全部きらい嫌いキライ!!」
「そうかよ。俺もテメエのことが嫌いだぜ」
 オノフリアの操るジンよりも、いや、この砂漠でもっとも熱き炎がそこに居た。
 グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)。めきめきと隆起した肉体は、一回り以上は膨れ上がっている。
 筋肉のパンプアップ。それに付随する異形化により、もはや竜というよりも怪獣じみた有様だ。
「クロノヴェーダは赦さねぇ……人を支配し殺す奴らは! 俺達ディアボロス全員が、絶対に赦さねぇ!!」
「うるさい! ちっぽけな虫みたいに弱い奴らのくせにぃいい!!」
「その虫けらが、今、テメエを追い詰めてんだぜ」
 怒りだ。怒りこそがディアボロスの原動力。
 今ゲンジの中で燃える怒りに比べれば、オノフリアの炎など種火にさえなるまい。

 ゲンジは『デストロイガントレット改』を装着し、念動力を限界まで凝らし、"廻し"た。
 見えざる力がゲンジの周囲を獄炎めいて巡り、加速し、さらに廻り、炎はおろか呪いさえも寄せ付けぬ壁を産む!
「な、なんで……どうしてアタシが、お前達なんかにぃ!!」
「なあ、お前の炎はすげえよ。大したもんだと褒めてやらぁ」
 付着したタールが燃える。いや、燃え上がらせる。呪いを飲み込む怒りの炎に変えて!
「ああああああッ!?」
「お前は炎使いだ、これじゃあ焼け死なねえよなあ!? だからよ!!」
 丸太じみた両腕がさらに一回りパンプアップする!
「全身に! ありったけの拳を!! 叩き込んでやらぁあああ!!」
「ぎゃ……ぎぃッ、あ、ァアアああAaアアあ!?!?」
 耳障りな断末魔をあげて、オノフリアはクォーク単位にまで分解され消滅した。
 あまりに強すぎる拳圧が、折るや抉るどころかその身体を消し飛ばしてしまったのである。

 そして首輪が砕けた瞬間、砂嵐が一瞬だけ裂けた。
「……あれが、クソ野郎の根城か」
 わずか数秒。はるか彼方にそびえる砂上船の巨影が顔を覗かせる。
「待ってやがれよ、クロノヴェーダ。そのスフィンクスを、お前らの墓標にしてやる……!!」
 再び砂のヴェールに消えた巨影に、ゲンジは背を向ける。今は。
 いつか必ず来る――いや、掴み取る決戦の時まで、この怒りを絶やすまいと誓って。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2021年11月20日