雑魚に用はない！（作者 ゆうきつかさ）

2

リプレイ

●家老衆
「ヌシ等は強き者か？　それとも、腰抜けか？　……後者なら、ここから去れ。ザコと戦うつもりはない」
　家老衆が禍々しいオーラを漂わせ、吐き捨てるようにして呟いた。
「己の強さに自信があるゆえ、ザコは相手にしたくない、という訳ですか。なるほど、なるほど……はい、残念でしたー。どうも、ザコのディアボロスです。要するに、あなた方の相手など私のようなザコで十分という事です。大本命の調査部隊の姿を見る事すらなく、富士の山に散って頂きましょう」
　一騎塚・喜一（一騎刀閃・g04498）が自己紹介をした後、家老衆を煽りまくった。
「随分と馬鹿にされたものだな。……言ったはずだ。ザコと戦うつもりはないと！」
　それと同時に、家老衆が魔光刀（レーザーブレード）を十字に交差させ、勢いよく振るう事で光線を解き放った。
「魔光刀、悔しいけど格好良いですね。刀身がレーザーゆえに光線まで放てるとは……。遠近共に隙が無い、まさしく強者の立ち振る舞い。一方の私が扱うのは、ごく普通の太刀。ビームなど、とても、とても……」
　喜一が思いっきり残念そうにしながら、小さく首を横に振った。
「カカカカカッ、いまさら後悔しても手遅れだ。自分の愚かな行いを悔いつつ、逝くがいい！」
　家老衆が既に勝ったつもりで、高笑いを響かせた。
「……なーんて、はい残念でしたー。私の太刀だってビームが出るんですよ……！」
　それに合わせて、喜一が【太刀ビーム（タチビーム）】を発動させ、紫羅欄刀から光り輝くビームを放って相殺した。
「なんだと！？」
　家老衆が驚いた様子で、言葉を失った。
　一瞬、何が起こったのか分からず、その場から一歩も動こうとしない。
「それは、なんでやねん、でしょうがっ！」
　喜一が思わず、ツッコミを入れた。
　だが、家老衆は、シリアス系。
　空気が読めない者達ばかりのため、キョトンとした空気に支配されていた。
「まあ、いいでしょう。私など歴史の影に消えゆく名もなき屍のひとつに過ぎない。すぐに忘れ去られる程度の存在でしかない。でも、そんなザコでも意地ぐらいはあるんですよ。せめて秒でカタがつかない程度には粘って見せましょう。その絶対の自信が多少揺らぐぐらいにはね」
　そう言って喜一が紫羅欄刀を握り締め、家老衆と対峙した。
「家老衆よ、その堂々たる佇まい見事なり。我が太刀打ちいかほど通ずるか、ものの試しにいざ参ろう……！」
　そんな中、瀬鍔・頼門（あかとき闢く忌刀舎人・g07120）が無双馬『綾目草』に騎乗し、【春日ノ御太刀（カスガノオンタチ）】で家老衆に斬り込んだ。
「待ちかねたぞ、強者よ！　先程の敵も、まあ……そこそこ強かったが、おぬしはもっと強いのだろう……？」
　それに合わせて、家老衆が禍々しいオーラを展開し、強気な態度で魔光刀を十字に構えて、次々と光線を解き放った。
「お前達の太刀の輝きは、そんなものか！　さあさあ、お前達のつはものの魂より光を発せよ!　いずれの者がまことのつはものか、富士の峰にて顕そうではないか！」
　すぐさま、頼門が肉体改造を施して、精神を集中させ、残像を繰り出しながら、軽々と光線を避けていった。
「ぐ、ぐぬぅ、やるではないかっ！　だが、我等は……もっと強い！」
　家老衆が苛立ちを隠せない様子で、狂ったように魔光刀を振り回した。
　だが、その事で隙が生まれ、攻撃を先読みする事が容易になった。
　それが原因で家老衆が斬り捨てたのは、すべて残像。
「ええい、小賢しい！」
　動揺した気持ちを隠す事が出来なくなり、駄々っ子の如く魔光刀を振り回した。
「我等は、ここで負ける訳にはいかんのだっ！」
　家老衆が叫ぶ。
　気迫だけなら、大物級。
　気持ちだけが先走りしたせいで、さらに大きな隙が出来た。
「……愚かな」
　次の瞬間、頼門が再び【春日ノ御太刀】を発動させ、家老衆を薙ぎ払って両断した。
「ば、馬鹿な」
　その現実を受け入れる事が出来ぬまま、家老衆の身体が地面に落ちた。

最終結果:成功
完成日	2025年08月12日