ロサンゼルス、幽霊屋敷の決戦

 ロサンゼルス上陸後に行方不明になっていた、第一次調査隊のディアボロスは、絆の救出作戦により、無事、全員の救出が確認されました。
 攻略旅団の作戦により、今回の幽霊屋敷の事件を引き起こした、ジェネラル級ワイズガイ『サラ・ウィンチェスター』の撃破に向かいます。
 サラ・ウィンチェスターの本拠地である幽霊屋敷は、不思議な力によって守られていますが、この困難を乗り越えて屋敷の探索に成功すれば、サラ・ウィンチェスターに決戦を挑む事が出来るでしょう。


サラ・ウィンチェスター

サラ・ウィンチェスター決戦~屋敷の奥に潜むもの(作者 坂本ピエロギ
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#空想科学コーサノストラ  #ロサンゼルス、幽霊屋敷の決戦  #ロサンゼルス  #ロサンゼルスの幽霊屋敷~絆の救出作戦  #サラ・ウィンチェスター 


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『何ですって! アタクシの可愛いコレクションたちが、奪われたですってェェェ!!』
 床も壁も天井も、四方すべてが人骨で造られた巨大な幽霊屋敷。その中枢にある一室で、白骨の椅子から身を起こした女性がヒステリックな金切り声を上げる。
 彼女の名は、サラ・ウィンチェスター。ここロサンゼルスの幽霊屋敷を支配する、ジェネラル級ワイズガイであった。
『嗚呼、なんてこと! 奴らの調教が終わったら、社交界で見せびらかす予定でしたのに!』
 思い出したことで怒りが再燃したのか、サラの癇癪は一層激しい。
 ワイズガイを始め、多くのクロノヴェーダが恐れる復讐者と言う存在。それを自分だけが従えるという野望が、あと一歩のところで潰えてしまったのだ。
 自身の計画をぶち壊した復讐者たちへ罵声を投げつけながら、しかしサラの胸中に灯る執念は消えていなかった。そう――取り逃がしたなら、再び捕まえれば良い。復讐者を操る技術を他者に漏らしていない今なら、それも容易である筈だと、彼女は信じて疑っていない。
『アッハハハ、我ながら最高のアイディアですわ! お前たち、今からディアボロスをこの屋敷に誘き寄せなさい!』
 命令を受けて飛び出していく配下のワイズガイには一瞥もくれず、サラは虚空を仰ぎ見ながらケラケラと笑う。
 いずれ復讐者たちは自分の命を狙って、この屋敷へ辿り着くだろう。
 その時こそが、奴らを捕える絶好のチャンスとなる。この屋敷は今までのものとは出来が違う、サラ・ウィンチェスターの最高傑作なのだから――。
『早く来なさいディアボロス。今度こそ全員、絶対に逃げられないお人形にしてあげますわ!!』

●新宿駅グランドターミナル
「皆、お疲れ様。空想科学コーサノストラで新しい動きがあったよ!」
 復讐者たちを前にそう告げると、リュカ・アルページュ(人間のサウンドソルジャー・g01327)は話を切り出した。
 ロサンゼルス方面で進行していた、幽霊屋敷の攻略。調査隊の復讐者を洗脳し、救出に来た仲間と殺し合わせる敵の計画が阻止されたことで、作戦はいよいよ大詰めを迎えつつある。
「今回、攻略旅団から提案されたのは、黒幕のジェネラル級『サラ・ウィンチェスター』の討伐だよ。皆には敵の拠点となる屋敷に突入して、中に潜んでいるサラを撃破して欲しいんだ」
 サラはロサンゼルス方面を拠点とする、有力なワイズガイの一体だ。今後ロサンゼルスの探索や攻略を進める上で、彼女の撃破は必須と言っても過言ではない。
 幽霊屋敷の内部へ突入し、屋敷の主であるサラを撃破すること。それが作戦の目標だとリュカは復讐者たちへ告げた。

 首魁であるサラは復讐者を幽霊屋敷に招き、直々に決着をつけようと目論んでいる。
 その為、屋敷への突入が邪魔されることは無く、入口の捜索などを行う必要もない。今回の作戦で注意すべきは、突入した後のことだとリュカは言う。
「屋敷内では、サラが待つ中枢への道を探索しながら進むことになる。けれど、この屋敷はサラの巣も同然で、道中では常に『心霊現象』として発生する彼女のパラドクスを浴び続けることになる」
 更に厄介なことに、この攻撃に復讐者は反撃を行うことが出来ない。降り注ぐパラドクスを一方的に受けつつ、屋敷の中枢にいるサラを探し出さねばならないのだ。
 ジェネラル級の攻撃を長く浴び続ければ、復讐者でも重傷は必至。道中ではサラの攻撃と屋敷の探索を並行して行う必要がある為、複数名での連携で臨めば成功率も上がる筈だとリュカは付け加えた。

 そうして中枢へ到達すれば、後はサラとの決戦を残すのみだ。
 サラは護衛の『バレル・ドレッド』を従えて待ち構えているが、戦闘で妙な仕掛けなどを用いて来ることはない。罠を張り巡らせた屋敷内をどう攻略するか――これが本作戦における最大の障害と言って良いだろう。
「嫌らしい手を使って来る敵だけど、幸いサラ自体の戦闘力は高くない。戦いに持ち込めれば、後はこっちのものさ!」
 サラはヒステリックで思い込みが激しく、調子に乗ると口が軽くなる性格を持っている。
 それ故、会話で情報を引き出す場合、無闇に質問するだけでは信憑性の低い情報しか得られない。彼女の性格を利用する形で問いを投げれば、有益な情報を得る目もあるだろう――そう告げて、リュカは作戦の説明を終えた。
「さあ、出発だ。卑怯な罠を仕掛けたサラを、きっちり片付けてやろう!」
 かくしてリュカが説明を終えると、新宿駅に発車のベルが鳴り響く。
 行先は空想科学コーサノストラ、ロサンゼルス。
 サラ・ウィンチェスターの罠が待つ危険な幽霊屋敷へ向けて、時空間移動列車が走り出す――。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【傀儡】
3
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
2
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【エアライド】
3
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【壁歩き】
1
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【パラドクス通信】
3
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV6 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV10(最大) / 【反撃アップ】LV3 / 【先行率アップ】LV3 / 【ドレイン】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

坂本ピエロギ
 坂本ピエロギです。今回は、空想科学コーサノストラのシナリオをお送りします。
 ロサンゼルス各地の幽霊屋敷で、卑劣な罠を用いて復讐者を苦しめたサラ・ウィンチェスター。
 彼女が待ち構える最後の屋敷に突入し、最後の決戦を挑みましょう。

🌎現地情報🌎
 ロサンゼルスの幽霊屋敷(空想科学コーサノストラ)

✏概要✏
 本作戦の目標は、ジェネラル級ワイズガイ『サラ・ウィンチェスター』の撃破です。
 仕掛けが張り巡らされた屋敷内部を探索し(①)、中枢で待ち構えるサラと護衛を撃破して下さい(③・④)。
 戦闘中、サラと会話を行うことも可能ですが、有力な情報を得るには多少の工夫が必要となります(②)。

※選択肢①について
 幽霊屋敷の探索は、(1)~(3)の攻撃を常に受ける形で進行します。
 攻撃は(1)→(2)→(3)の順に行われ、(3)終了時点で👑に達していない場合は(1)から繰り返されます。
 複数名で連携しながら探索することで、重傷の回避や成功率の上昇が見込めるでしょう(勿論、単独参加も可能です)。

 執筆の優先順位は①>③>(②・④)。成功条件は④の達成です。
 初回の執筆は7/14の8:30より開始し、以降は参加状況を見て適宜進行いたします。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしています。
78

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


 淀んだ空気をかき分けて進んだ先、殺風景な荒地の中にその建物はあった。無数の人骨を建材に築かれた巨大な幽霊屋敷が吹きすさぶ風に晒され、亡者の悲鳴めいた響きをカタカタと鳴らしている。
 空想科学コーサノストラ、ロサンゼルス郊外。
 その地を支配するジェネラル級『サラ・ウィンチェスター』に決戦を挑む決意を胸に、復讐者たちは今、屋敷の中へと足を踏み入れていった――。
一里塚・燐寧
【燐五】

サラ・ウィンチェスターだけは絶対にブッ殺すって決めてたよぉ
五月姫ちゃんを攫った落とし前をつけさせてやらないと、ねぇ?

探索は五月姫ちゃんに任せてサラの技の対処に集中
【ガードアップ】で身を高め、3種全ての対策を考えとく
「攻撃を度外視し、敵の技の初動を捉えるのに使うなら機能する」場合【神速反応】も使うねぇ

(1)
五月姫ちゃんの死角をカバーしながら銃撃に備えるよぉ
銃が一方の視野の外で出現したら相方が即伝える
≪テンペスト・レイザー≫の分厚い刀身を盾代わりに防御
五月姫ちゃんを狙うなら得物で庇うか、咄嗟に押す・引っ張る・しゃがませる等で一緒に直撃を逃れよう

(2)
調度品の影や曲がり角に隠れたり、急に通路脇の扉から飛び出したり、階段の踊り場で待ち伏せしたり……
周囲の状況に応じて攻撃を予測して刀身で防ぐよぉ
移動中は五月姫ちゃんより前を歩きクリアリングしながら進むけど、背後からの不意打ちも警戒しよう

(3)
増築する傍から得物の回転鋸刃でブッ壊しまくるっ!
五月姫ちゃんの周りが埋め尽くされないように注意だよぉ


瀧夜盛・五月姫
【燐五】

絶許……姫にあんなこと、許さない……
サラ・ウィンチェスター。カチコミカチコミ、ももうすよ

燐さんが騒霊への対処、してくれるなら、姫は探索を考える
ウィンチェスター・ミステリー・ハウス。最終人類史だと、増築を繰り返して迷宮のように、なった、幽霊屋敷か
目の前のこれは、パラドクスだけど、きっと「屋敷」であることには、違いない
だったら、いたるところに「部屋」や「廊下」、そして「吹き抜け」と呼べる、空間がある、はずだ
だったら姫はまっすぐでは、なく、【壁歩き】を使って、不可解な高窓や扉を中心に、探索しよう
大丈夫。姫たちはもっとでっかい、ベルリン地下迷宮だって踏破、したんだ
増築に気を付けて、マッピング、すれば、この屋敷はそれより小さい
開いた扉や窓には、表裏に、ペンで大きくマーキング、しておこう

燐さんの行動には、身をゆだねる
だけど、護られている、からって、油断はしない
敵のパラドクスを受ける、時は、【雀の人形 “えんちゃん”】を盾にして、【ガードアップ】で耐える
狙い撃ちにされないように、気を付ける、よ


「お邪魔しまーす。ディアボロスがブッ殺しに来たよぉ!」
 門扉を潜り抜け、正面玄関を堂々と蹴破った一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、突入した屋敷内の様子をぐるりと見回した。
 辺りに敵の気配は無く、ホール型の室内には奥部に扉が一つあるのみだ。復讐者が踏み入ったことは既に敵も把握しているのか、燐寧らを迎え入れるように扉が音を立てて開いていく。黒幕たる屋敷の主の顔を思い浮かべ、燐寧の顔には物騒な笑みが浮かんでいた。
「サラだけは絶対にブッ殺すって決めてたよぉ。五月姫ちゃんを攫った落とし前をつけさせてやらないと、ねぇ?」
「絶許……姫にあんなこと、許さない……カチコミカチコミ、もうすよ」
 瀧夜盛・五月姫(失つし世《うつしよ》の滝夜叉姫・g00544)は燐寧にも劣らず剣呑な気配を纏いながら、サラへの怒りを滾らせる。
 自分を洗脳し、燐寧と殺し合いを演じさせたワイズガイ――奴だけは、必ず始末せねばなるまい。
 かくして五月姫と燐寧は無言で頷きを交わし、ホールの扉を潜り抜ける。危険な罠が待つ幽霊屋敷、その中枢で待ち受けるサラを討つ為に。

 軋む廊下を突き進み、悪趣味なオブジェが並ぶ部屋を潜り、二人は屋敷の奥を目指して進む。
 ここは既に敵地の只中、いつ攻撃が来ても不思議では無い。五月姫が壁歩きで高窓や扉を中心に探索する中、燐寧は総動員した五感を頼りに、敵襲に備えていた。
(「五月姫ちゃんに手は出させない。どんな攻撃も凌いでみせるよぉ」)
 敵はジェネラル級のワイズガイ、油断は出来ない――気を引き締める燐寧が異変を察知したのは、まさに次の瞬間だった。天井の板が音も無く外れ、中からライフルの銃口が現れる。
「来るよ、頭上っ!」
 異変を察知すると同時、彼女は床を蹴っていた。鎖鋸剣テンペスト・レイザーを盾代わりに、燐寧が五月姫の死角へと割り込んだ矢先、発射された弾丸が降り注ぐ。嵐のような銃撃に晒されながら、燐寧は残留効果で肉体を硬化させ、何とかその場に踏み止まった。
「五月姫ちゃん、平気ぃ?」
「うん。助かったよ、燐さん」
 五月姫は頷きを返しつつ、被弾した燐寧を見遣った。
 霊障つきの弾丸を浴びたことで、燐寧の背中には赤い血がまだら模様となって滲んでいた。直撃を免れたのは、まさに幸いだったろう。二人分のガードアップがあっても油断は出来ない――その事実に改めて気を引き締めつつ、燐寧と五月姫は探索を再開する。
 立ち止まっている時間は無い。作戦は、まだ序盤も序盤なのだ。

 探索再開から数分後。五月姫が壁面に発見した通路を潜り抜け、二人は更に奥へと進んでいく。
 相変わらず襲い来る銃撃は執拗だが、互いの役割分担に加え、残留効果で増加した防御力もあって、探索は未だ終わることなく続いていた。
 そうして――立ち塞がるドアを蹴破り、彼女たちが飛び込んだのは廊下が続く道だった。
 分帰路の無い、曲がりくねった一本道。それまでと一変した粘りつくような気配に、二人は無言で視線を交わし合う。
「新しい区画に入ったみたいだねぇ。クリアリングは引き受けたよぉ」
「ん。背中の守りは、任せて」
 薄暗い廊下はシンと静まり返り、待ち受ける悪霊の存在を否応なく意識させる。不意打ちを許せば重傷は不可避だが、燐寧は堂々とした足取りで先頭を進む。恐怖を抱けば、敵の思うつぼだ。勇気を奮い立たせつつも、怪しそうな場所にヤマを張ることも彼女は忘れない。
「通路の曲がり角は注意だよねぇ。こういうとこは、特に――」
 果たして次の刹那、角の奥から飛び出す悪霊を、燐寧は鎖鋸剣の刀身で受け止めた。
 来ると分かっている攻撃ならば、対処は難しくない。傷を刻むことに失敗した悪霊が無念そうに消え去るのを確かめると、二人は探索を再開する。
 護衛の燐寧に身を委ねつつ、五月姫は探索に神経を集中していた。時間が無為に過ぎれば、復讐者たちが晒されるリスクはそれだけ増してしまう。
(「大丈夫。姫たちなら、出来る」)
 微かな焦りを燐寧への信頼で払拭しつつ、探索を続けること暫し。五月姫の眼が捉えたのは、壁面に残された微かな隠蔽の痕跡だった。慎重に近寄った彼女は、それが一枚の扉であることを確認すると、燐寧にそっと合図を送る。
「ここが怪しそう。進んで、みようか」
「オッケー。警戒頼んだよぉ!」
 後続の仲間の為に五月姫が扉のマーキングを終えると同時、燐寧は大きく深呼吸を一つ、両足に力を込める。
 協力しながら進んできたこともあって、体力には余裕がある状態だ。
 先に待つ危険は百も承知だが、その程度で止まることは無い。背中越しに感じる五月姫の温もりに勇気を貰いながら、燐寧は扉を蹴破った。

 扉を潜り抜けた先、二人が辿り着いたのは、奇妙な光景の広がる部屋だった。
 調度品、テーブル、食器、本棚――ホールをやや狭くした程度の室内に、様々な家具が統一感なく置かれている。その眺めに、ふと五月姫は史実に存在した幽霊屋敷のことを思い出した。
「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス。最終人類史だと、増築を繰り返して迷宮のように、なった、幽霊屋敷か……」
 と、次の刹那――彼女は周囲の家具をカタカタと揺らす微細な振動に気づく。
 地震などではない。その正体は、無数の人骨だった。サラのパラドクスで泉のように室内へ湧き出たそれが、新たな床を、天井を、壁を作り、屋敷の増築を始めたのだ。
 悪霊の呻きを洩らしながら増えゆく骨の山を前に、二人は同じ思いを抱いていた。
 このままでは、増築を続ける家に道を塞がれる。迷っている時間は、無かった。
「……燐さん、急ごう」
「了解だよぉ。それじゃ――ブッ壊しまくるっ!」
 命を吹き込まれた鎖鋸剣が咆哮し、鋭い刃が回転を開始する。
 此処から先、すべきことはシンプルだ。増築される地点を片端から破壊し、一刻も早く探索で道を探し出す――それのみ。嵐のごとき勢いで人骨を粉砕し、薙ぎ払い、暴れ狂う燐寧。一方の五月姫は、増築の対処を燐寧に任せ、先へと続く道の探索に全神経を集中した。
 五月姫も、燐寧も、長引く行動で着実にダメージが蓄積している。普通であれば、焦燥の一つ覚えても何ら不思議では無い状況に、しかし二人の眼は前だけを見据えていた。
「姫たちはもっとでっかい、ベルリン地下迷宮だって踏破、したんだ。この屋敷は、それより小さい!」
 襲い来る悪霊の攻撃を、雀の人形“えんちゃん”で捌きながら、五月姫は自信の漲る声で言う。
 そして――増築される人骨を粉砕し続けること数分。奥へに続く道を塞ぐように築かれていく骨の壁を指差して、五月姫は燐寧に告げた。
「見つけた、あそこ。一気に突破するよ」
「OK! 全力でブッ壊すよぉ!」
 五月姫と燐寧、心を一つに振るった一撃が、人骨の壁を跡形も無く粉砕する。
 尽きず、終わらず続く増築――そのエリアを二人は間一髪で突破したのだった。

 やがて危機を抜けると、五月姫と燐寧はひとまず危機の及ばない部屋の一つに滑り込む。
 二人の奮闘で、探索は一歩前進した状況だ。待ち受ける危機は未だ多いが、辿り着く時がそう遠くないことを、彼女たちは確信していた。
「……後続の人たち、来たみたい」
「だねぇ。じゃ、次は任せたよぉ!」
 そう言って手を振る五月姫と燐寧の笑顔は、揺るがぬ信頼に満ちている。
 悪霊と銃弾と増築が蔓延る、サラ・ウィンチェスターの幽霊屋敷。そこへ新たに駆け付けた仲間たちへ、二人の復讐者たちは願いと共にバトンを託した。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【神速反応】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!

マティアス・シュトローマー
【幽霊退治】

サラの方からお屋敷に招待してくれるなんて
いいね、望むところ
これでこの前のお礼が出来るよ

背中は任せて
探索はラトに任せ、俺は護衛役として心霊現象の対処に動こう
基本は仲間の死角を無くすように位置取り、ラトが探索に集中する場面では特に警戒を
【ガードアップ】の効果も纏っておく

本当、どこから狙ってくるんだか
息つく間も無いや
飛んできた銃弾はラトを庇いながらライオットシールドで受けるか、一緒に伏せる等で直撃を避けよう
P08から放つ弾丸で相殺し、軌道を変えてしまうのも手だろうか

また、悪霊の攻撃は物陰に潜んでの不意打ちか、屋敷内の物を利用したポスターガイストだと予想し、部屋や廊下に置かれた家具に注意を払う
こちらもライオットシールドシールドでのガードか、弾丸で軌道を逸らす等で対処
冷静に立ち回るためにレイラとは異なる視点でヤマを張りたいね

サラに会ったらまずこう言ってやりたいな
招いておきながら顔も見せないなんて、ホスト失格だって
屋敷の増築が始まったら、破壊はレイラに任せ、探索するラトの護衛を続けよう


レイラ・イグラーナ
【幽霊退治】

多数の復讐者を捕らえ陥れた難敵……
配下を排除しても、そう簡単に正面決戦とは参りませんか。
私も護衛に付きます。こちらはお任せを。
マティアス様とともにラト様のディフェンスを行い、探索に集中できるようにいたします。
こちらからサラ・ウィンチェスターへ反撃は不可能ですが、【ガードアップ】は残留させて受ける傷を減らしましょう。

こちらをどこからか見ている。あるいはこの館全体がサラ・ウィンチェスターの肉体のようなものなのでしょうか。
細剣「Дед мороз」を手に霊障が付与された弾丸を弾くことで防御を行います。
こちらの意表を付く攻撃は様々なところから来そうですね……ですが、2人で分担すれば死角も減らせます。
私は壁や床、天井などをすり抜けて悪霊が攻撃してくるとヤマを張り、それらを行ってきた敵を先手を打って切り払うことで被弾を抑えます。
増築し続ける屋敷に対しては私は破壊を担当、増築した片端からДед морозで切り払いお二人が進む道を切り開きます。

えぇ、お出迎えの流儀を教えて差し上げましょう。


ラト・ラ
【幽霊退治】

諦めの悪い方ですね
けれど、わたしもこう見えて執念深いほうなのです
きちんとお礼をしなくてはね

探索係としてマッピングを担当します
筆記用具と用紙をクリップボードに取り付け、屋敷内へ
探索の効率を上げるため
進んだ経路や分岐の数など最低限の情報を簡易的に記録していきましょう
分岐では右のルート(同じ方針の仲間がいれば左のルート)を優先して選び、通路の見落としがないように
道中では通過した廊下や部屋の壁に塗料で印を付け、目印を残すことも忘れず
新たな廊下や部屋に足を踏み入れる際には
敵の武器となり得るものがないか周囲を確認
【照明】を借りて照らす等、細心の注意を払います

別ルートを行く仲間とは【パラドクス通信】で適宜連絡を取り、探索場所が重ならないよう調整を
効率良く作戦を進めてまいりましょう

攻撃を引き受けてくれる二人が心配ですが…
わたしが冷静さを事欠いては元も子もありません
信じて自分の役目を務めなければ
攻撃を回避する必要があるときは
二人からの指示や警告を聞き逃さぬよう
できる限り素早く動けるように意識を


 幽霊屋敷の悪辣な罠を突破しながら、中枢目指して進んでいく復讐者たち。
 人骨で造られた屋敷内は複雑に入り組み、外観からは想像もつかぬ程に広大だ。無限に続くような錯覚すら覚える道程を、彼らは一歩一歩着実に進んでいく。幽霊屋敷の主たる、サラ・ウィンチェスターの下へ辿り着く為に――。

「サラの方からお屋敷に招待してくれるなんて……いいね、望むところ」
 救援機動力で現場に到着すると、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は戦意を滾らせながら言う。
 探索に臨むメンバーは、マティアスを含めて総勢三名。その多くが幽霊屋敷の事件に関わった者たちであり、サラとの決着を望む気持ちも一際強い。
「お礼は、きっちり返させて貰わないとな。その為にも、まずは屋敷の突破が最優先だ」
「ええ。多数の復讐者を捕らえ陥れた難敵……配下を排除しても、そう簡単に正面決戦とは参りませんか」
 首肯を返しながら、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は赤色の瞳を前方へと向ける。一枚の扉で隔てられた先の部屋には、幾重にも張り巡らされた罠が自分たちを待ち構えている筈だ。
 罠の対応と、屋敷の探索――単独でこなすには些か荷が重い作戦に、レイラたちは役割を分担する形で臨んでいた。
 レイラとマティアスは罠の対応を、そしてラト・ラ(*☽・g00020)は探索を。三人の復讐者は各々の準備を手早く完了すると、閉ざされた扉へ向かっていく。
「予定通り、俺は心霊現象の対処に動く。ラト、探索は任せるよ」
「私も、ラト様の護衛にお力添え致します。着実に中枢へ到達する為にも」
「連絡は密に取り合いましょう。……今日の作戦も、宜しくお願いします」
 マティアスとレイラ、頼もしい二人の仲間に守りを託し、ラトは屋敷の奥へ続く扉へと視線を向けた。
 これから自分たちが切り開くのは、サラの下へと続く道だ。そこに仕掛けた無数の罠で、あの女ワイズガイは復讐者を手玉に取れると思っているのだろう。
(「本当に、諦めの悪い方ですね。けれど――」)
 けれど、とラトは思う。あのワイズガイは一つだけ、重大な事実を見落としている。即ち、執念深さという点においては、ラトも少し――そう、ほんの少し自負があるということを。
(「幽霊屋敷の件……きちんとお礼をしなくてはね」)
 薄闇が漂う道の奥に、敵の姿は未だ見えない。
 サラを必ず討ち果たす決意を胸に、ラトとレイラ、そしてマティアスは屋敷の奥へ踏み入っていった。

 扉を抜けた先、三人の前に広がるのは大きな倉庫と思しき一室だった。
 訪れる者もいないの碌にいないか、中には淀んだ空気が充満している。うっすら埃が積もった家具の山をかき分けながら、復讐者たちは慎重に歩み始めた。
「薄暗くて視界が悪いな……遮蔽物も多いから気をつけないと」
「少々お待ち下さい。明かりを用意いたします」
 レイラが言うと同時、三人の周囲に漂う薄闇が瞬時に払拭された。彼女が発動した、照明の残留効果によるものだ。改めて視界の確保を完了すると、マティアスはレイラと共に、ラトを庇う構えで進む。
「嫌な空気だな……皆、気をつけろ」
「ええ。何ともいえない、不穏な気配を感じますね」
 注意を促すマティアスに頷きを返しつつ、ラトは先程からマッピング用の紙にペンを走らせ続けていた。
 探索効率を上げる為に必要と判断した最低限の情報を、手早く記していくラト。分帰路こそ無い倉庫内だが、辺りに積まれた家具の山は遮蔽物も多く、敵の銃撃に最適と言えるポイントだ。護衛の二人に全幅の信頼を寄せながら、彼女は尚も探索に全神経を集中する。
 そして――マッピング開始から数分後、何の前触れもなく“それ”は起こった。
「マティアス様、来ます!」
 レイラの声が飛ぶと同時、家具の隙間から、物陰から、次々にライフル銃が現れる。
 銃口が向いた先は、探索を行うラトだ。狙いを察知したレイラが動いた次の刹那、霊障を帯びた弾丸が一斉に放たれた。
「……っ。ラト様、お怪我は?」
「平気です。有難うございます」
「気をつけろ、まだ来るぞ!」
 弾丸の嵐を細剣「Дед мороз」で弾きながら、ラトを守り続けるレイラ。次の瞬間、その動きを見越したように天井から降り注ぐ銃撃を、マティアスが即座にライオットシールドで受ける。
「油断も隙もありませんね……この館全体がサラ・ウィンチェスターの肉体のようなものなのでしょうか」
「まったくだ。どこから狙ってくるんだか、息つく間も無いや」
 敵の銃撃をひとまず凌ぎ切り、レイラとマティアスが言葉を交わし合う。
 探索を担うラトに傷は無く、二人が受けたダメージも軽微だ。徹底的な警戒と、積み増したガードアップの効果が奏功したのだろう。一人なら苦戦は必至の作戦も、力を合わせれば立ち向かえる――その事実を、復讐者たちは改めて実感する。
「よし、先に進もう。まだまだ先は長そうだしな」
 歩き出すマティアスの言葉に頷いて、レイラとラトも再び動き出す。
 四方八方から迫る弾丸の雨霰。屋敷に巡らされた罠をそれからも巧みな連携で除けて、三人は奥へと向かっていった。

 銃撃の嵐を掻い潜り、程なく倉庫の一室を抜けると、次に待ち受けていたのは地下へと続く階段だった。
 ひんやりと肌寒い冷気に満ち、明かりが落とされた暗い通路。その只中を、先頭に立ったマティアスは照明の効果を頼りに進んでいく。
「お次は地下室か。そろそろ、悪霊の攻撃が来る頃合いかな」
「ええ。ですが照明が使える今ならば、対策も幾分容易かと」
 ラトの背後を守る形で後方を進むレイラが、周囲を警戒しながら呟いた。
 先程の倉庫内と異なり、地下室には家具の類は無い。代わりに室内からは複数の道が分岐しており、侵入者を迷わせる構造になっているようだ。マティアスは周囲を観察しつつ、“次の手”を冷静に予想する。
「家具や道具の類が見当たらないということは、物陰からの不意打ちがメインかな。暗闇の中なら、かなり嫌らしいトラップだけど……」
「ええ、レイラの照明があったのは幸いでした。ですが油断は禁物……注意深く参りましょう」
 最初の進路に選定した右側の分帰路にマーキングを施しつつ、ラトは改めて気を引き締めた。
 銃とは異なり、悪霊は物理法則の通じない相手だ。物音、囁き、気配――あらゆる手を使って来る事態を想定しなければ、思わぬ痛手を被りかねない。
「先程よりも、少々長丁場になるかもしれません。頑張りましょうね」
 信頼を込めたラトの言葉に、レイラとマティアスが頷きを返すと、三人は分岐した道を一つずつ探索していった。
 レイラは通路の壁や床、天井に、マティアスは曲がり角を始めとする死角にヤマを張りながら、ラトを援護する形で進む。進行速度こそ速くはないが、二人がかりで行う徹底的な警戒は、一歩間違えれば重傷をもたらす悪霊の攻撃を冷静かつ適切に捌き続けていた。
「――そこ」
「おっと! 残念、見え見えだ!」
 不意打ちを狙う悪霊が壁や床から現れれば、レイラの細剣が切り払った。
 死角から這い出て来れば、マティアスがライオットシールドで弾き飛ばした。
 そんな中、ラトは二人を案じる心をぐっと押し殺し、探索に集中する。ここで自分が冷静さを欠けば、それは作戦の不利に直結する。今は彼らを信じ、自分の役目を全うせねばならない。
(「……どうか、ご無事で」)
 マティアスとレイラの意識を乱さぬよう胸の内で祈り、ラトは再び意識を探索に集中する。
 罠、隠し扉、更には敵の武器となり得るものの有無――それらの確認を一つも怠ること無く、彼女と、そして二人の護衛は冷たい地下道を進み続けるのだった。

 そうして、幾本にも枝分かれした道を探索すること暫し。
 悪霊の猛攻を凌ぎ切った三人は、最後の地下室でラトが発見した隠し扉を潜り抜け、再び地上へ上がることに成功した。
 周囲に見えるのは、幾つものテーブルが並ぶ食堂に似た一室。やがて三人が身構えると同時、彼らの眼前には予想していた光景が広がり始めた。湧き出した無数の人骨が、俄かに増築を開始したのだ。
「始まったか……。レイラ、破壊は任せるぞ!」
「承知しました。お二人が進む道、切り開いてみせましょう」
 引き続きラトの護衛に回るマティアスに頷くと、レイラは増築を続ける人骨の山に細剣の切先を突き付けた。
 ラトが探索を行う“目”であり、マティアスが彼女を守る“盾”ならば、レイラは道を切り開く“剣”。三人の復讐者たちは心をひとつに、立ちはだかる脅威に立ち向かう。
「いざ――参ります」
 膨れ上がる風船のように屋敷を増築していく人骨の山めがけ、先陣を切ったレイラが突撃していく。
 間を置かずラトが捉えたのは、部屋の奥に設けられた脱出用の扉だった。その間も室内の構造は人骨で絶えず変化を続けており、眼を離せばすぐにでも扉の位置を見失ってしまいそうだ。
 先頭のレイラへ、向かう方向を誘導するラト。させじと人骨の山から溢れ出る悪霊の群れは、しかし次の瞬間、割り込んだ人影に阻まれた。ライオットシールドを手に、ガードアップで肉体を硬化させたマティアスだった。
「よし、このまま……! 一気に行くぞ!」
「ええ。――直進して下さい、レイラ。扉は目と鼻の先です」
「お任せを、ラト様」
 次の瞬間、レイラの剣が一閃し、増築を行う骨の壁を捉える。
 先端に凝縮されたエネルギーの爆発は、分厚い壁を粉微塵に破壊して、その向こうに隠された扉を暴き出した。
 三人は頷きを交わし合うと、勢いをそのままに突進。全力で扉を突き破り、復讐者を呑み込まんと迫る増築の波から間一髪で逃れることに成功した。

「……どうやら、全員無事のようですね」
 飛び込んだ先の部屋で安全を確認すると、ラトはほっと安堵の息を洩らす。
 どうやら、重傷を負った者は一人もいないようだ。皆で力を合わせて探索を進めたことで、屋敷の中枢には更に近づくことが出来たことだろう。
 決戦の時は着々と迫りつつある。未だ姿を現さないサラとの戦いに闘志を燃やしながら、マティアスはふと冗談めいた口調で言ってみせた。
「奴に会ったら、まずこう言ってやりたいな。招いておきながら顔も見せないなんて、ホスト失格だって」
「えぇ、お出迎えの流儀を教えて差し上げましょう」
 そんな彼に頷きを返しつつ、レイラもまた次なる戦いに向けて心の刃を研ぎ始める。
 人骨と悪霊が跋扈する幽霊屋敷、ウィンチェスター・ハウス。
 その攻略に向けた更なる一歩を、三人の復讐者たちは確かに刻んだのだ。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!

八雲・譲二
※アドリブ歓迎
勲(g10186)と組んで探索担当

相手は俺達を洗脳出来る能力持ちだ、絶対に油断出来ないが
人の命を奪い続けて増築を繰り返す幽霊屋敷なんぞ放っとくわけにはいかない
何より先日のお礼参りもしてやりたいしな

さてウィンチェスターハウスか
自分の歩数を数えつつマス目ノートへのマッピングを行おう
分かれ道は基本の優先を右に決めつつ、心霊現象の発生量も見て臨機応変に前進
効くなら【スーパーGPS】も使うか
常に方角を意識して迷わないようはぐれないよう探索に集中しつつ、勲の声にはすぐ反応できるようにしよう

降り注ぐパラドクスへの対応は勲に頼む
本音では俺が勲を守りたいが、フライパンで銃弾の雨を防ぐのは無理がある。どう考えても勲の方が適任だ
脅かしもあるんだっけ?急な爆音や飛び出す何かとか、落とし穴とか釣り天井とか?ポルターガイストなんかもあるかな
常に何かが来るもんだと考え落ち着いて対応しよう
場合によっては俺が勲を背負うなりして素早く前進、勲にはパラドクス対応に集中してもらうか
俺はフィジカルあるからな、任せろ


三間・勲
アドリブ歓迎、譲二さん(g08603)を守りパラドクスに対応

狼とカラスは一緒に狩りをする…ですよね
絆の力で一度館の罠を切り抜けた僕達なら、きっと乗り越えられます
惨劇を繰り返させない為にも『サラ・ウィンチェスター』を止めましょう!

【能力値アップ】で強化しつつ「氷盾」を最大まで拡大させ防御
可能なら召喚した小型駆逐艦群でも譲二さんの周囲を守り、ダメージを引き受けます
安心させる為に努めて笑顔で

銃撃の備えには声を掛け合い譲二さんが探索に集中するタイミングを共有
屋内の構造に着目し射線の通り易い場所に注意を払います

銃撃が落ち着き、安心したり視野が狭まった時は相手にとって意表を突く好機でしょうか
譲二さんに視野を広く持つよう促しつつ背後に周り物陰や天井、足元に気を配り死角を減らします
安心からの落差が大きいほど恐怖心は増します。静寂が訪れた時は特に警戒を厳に

部屋の変化の兆候を確認次第、悪霊の攻撃からの守りに集中
素早い探索の際、はぐれないよう状況に合わせ背負ってもらいつつ守ります

迷わないよう僕を導いて下さいね


「相手は俺たちを洗脳出来る能力持ちだ。絶対に油断出来ないな」
 復讐者たちの手で探索が続く、巨大な幽霊屋敷。その室内へ踏み込んだ八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)は、待ち受ける敵首魁との決戦に戦意を滾らせていた。
 幾多の幽霊屋敷をロサンゼルスに築き上げ、罪なき人々の命を奪い続けたサラ・ウィンチェスター。彼女も、彼女が築いた屋敷も、これ以上放っておく訳には行かない。
「……何より、先日のお礼参りもしてやりたいしな」
「ええ。狼とカラスは一緒に狩りをする……ですよね」
 譲二の言葉に、三間・勲(漁火・g10186)は迷いの無い声でそう返す。屋敷に待ち受ける数々の罠は知るところだが、彼に不安は一切ない。何故なら、彼は確信しているからだ――かつて館の罠を共に切り抜けた譲二となら、今回の作戦も必ず乗り越えられると。
「これ以上の惨劇を繰り返させない為にも、サラを止めましょう」
「そうだな。幽霊屋敷の惨劇も、今日でお終いだ!」
 復讐者たちの徹底的な探索は、目的地への距離を確実に縮めつつある。
 全ては、サラの下へ辿り着く為。揺るがぬ決意を共に抱きながら、二人は作戦を開始するのだった。

 先行した復讐者たちと同様、譲二と勲は役割を分担しながら屋敷の中を進んでいく。
 譲二はマス目ノートとペンを手に、探索の担当。勲は氷盾で守りを固めつつ、敵の攻撃への対処だ。
「……最初の攻撃は銃弾だったか。どこから来るか判らん、気をつけてな」
「はい。任せて下さい、譲二さん!」
 油断なく先頭を行きながら、そう返す勲は何とも頼もしい。
 二人が進むのは吹き抜けになった庭園で、周囲には人骨の破片で組み上げられた造花が咲き誇っている。分帰路の類は無い反面、どこから攻撃が来るか予想できない――そんなタイプのエリアだった。
「一本道だからと油断は出来ん。迷わないように注意しないとな」
 方角の把握は勿論のこと、隠し通路の類も見落とさないよう、譲二はノートを用いてマッピングを進めていく。敵の銃撃を浴びれば一たまりも状況で探索に集中できるのは、偏に勲へ寄せる信頼の為せる業だ。いつでも呼びかけには反応できるよう意識しつつ、庭園には二人の足音だけが響く。
「前方に射線の通り易い場所があります。注意を」
「ああ、分かった」
 前方を進む勲が警戒を呼びかければ、譲二はすぐさま敵の銃撃に意識を集中する。
 タイミング的にも、そろそろ攻撃が来てもおかしくない。そんな予感の的中を告げるように、花々の途切れた一角へ二人が足を踏み入れた次の刹那、花壇の中から姿を現した銃口が一斉に火を噴いた。

「来ましたね……! けど、直撃は避けてみせます!」
 飛来する弾丸を前に、氷盾を構えた勲が瞬時に跳躍する。
 彼が発動した能力値アップ、更には先行した仲間たちのガードアップもあって、その守りは正に鉄壁。譲二を庇う形で拡大した盾は、まるで雨粒を弾く傘さながら、敵の弾丸から二人を護り抜いた。
「大丈夫か、勲?」
「勿論。この程度、何ともありません!」
 事前の警戒、更には豊富な残留効果で臨んだことで、受けたダメージは軽微だ。勲が浮かべる頼もしい笑顔に、譲二もまた心強さを覚えた様子で頷くと、再びノートにペンを走らせ始める。
「とは言え、まだ油断は出来ん。慎重に進んで行こう」
「ええ、気を緩めずに……ですね。安心からの落差が大きいほど恐怖心は増しますし」
 銃撃の止んだ庭園を再び歩き出しながら、勲が頷いた。
 この先に待つであろう悪霊の攻撃では、こちらが驚異の感情を抱くほど大ダメージを受けてしまう。安堵したところで意表を突かれ、重傷を負う――そんな展開は避けたいところだ。
 作戦は、未だ道半ば。奇襲に対応できるよう神経を研ぎ澄まし、二人は庭園の先へ進んでいく。

 花壇に生い茂る人骨の造花をかき分け、探索を続ける譲二と勲。
 やがて庭を抜け、室内を進み、階段を昇った先の一室で彼らを迎えたのは、どろりと濁った濃密な気配だった。
「……来そうだな、これは」
 周囲をそれとなく見回して、譲二が注意を促す。
 そこは、書庫を思わせる広い部屋だった。辺りには大きな本棚が所狭しと並び、無言の威圧感を漂わせている。部屋の形状からして釣り天井や落とし穴は無さそうだが、さりとて気を抜ける状況では全くない。
「死角での待ち伏せか、ポルターガイストの類か……いずれにせよ、落ち着いて対応しないとな」
「足元も油断は出来ませんね。視野を広く持って行きましょう」
 勲は先頭で盾を構えると、譲二と共に室内を進んでいった。
 林立する本棚で方向感覚を失いそうになる中、的確なナビで勲を導く譲二。そうして部屋を進むこと暫し、行く手に見えたのは出口らしき大きな扉だった。
 これで次に進める――そんな思いと共に、一歩踏み出そうとした足を勲は反射的に止める。
 不穏な空気の中、探索の果てに見えた出口。安心からの落差が大きい程に驚異は膨れ上がる、つまりそれは――。
「譲二さん、床です!」
 叫ぶと同時、飛び下がった譲二と勲の床が音を立てて崩落する。
 そのまま踏み出していれば、地下へ真っ逆さまだったろう。間一髪でヤマが当たったことを、しかし二人が喜んでいる暇はなかった。重々しい音と共に本棚が次々に動き、そこに収められた本が宙を舞いながら襲い掛かって来たからだ。
「くそ、準備のいいことだ……!」
「時間がありません、走りましょう!」
 勲の合図と同時、譲二は弾かれたように走り出した。
 悪霊の力で迫る本の群れを振り払い、全力で疾駆。やがて間一髪で扉を抜けると、危機を逃れた実感を噛み締めるように、二人は今度こそ安堵の微笑を浮かべるのだった。

 咄嗟の機転で危機を脱した勲と譲二は、休む暇もなく次の難関へと挑む。
 周囲に広がるのは、ガランとした殺風景な大広間。そこが突如、不穏な響きと共に形を変えていく。四方の壁が、天井が、人骨を用いた増改築によって瞬く間に姿を変え始める。その光景に、二人はすぐさま行動を開始した。
「このままじゃ、揃ってペシャンコだな。急ぐぞ!」
 もはや、迷っている時間は無い状況だ。勲に邪魔な人骨の破壊を託すと、譲二は最短経路の探索に神経を集中させ、部屋の出口を目指して突き進む。
 そうする最中も周囲から襲い来る悪霊の群れを、勲は氷盾で防ぎ続けていた。
 被弾こそしているが、今まで体力を温存したことも奏功して深手には程遠い。迅速かつ的確な動きで増築物を次々突破し、いよいよ出口の扉が目前に迫った、しかし次の瞬間だった。
「っ、床が!」
 足元の床が突如として崩落を開始し、足の踏み場を二人から奪っていく。
 その速度が想像以上に早いことを察した譲二は、即座に勲の前に進み出ると、その身を屈めて言った。
「時間が惜しい、背負って進むぞ。俺はフィジカルあるからな、任せろ」
「分かりました。必ず、守り切ってみせます」
 普通の戦闘ならばリスクを伴う方法だが、この状況下ではそうも言っていられない。譲二に背負われた勲は、尚も迫る悪霊を氷盾で凌ぎながら、進路上の人骨を残さず破壊していく。
「この程度で、僕たちは止まったりしません」
「ああ。必ずサラの下まで辿り着いてみせる」
 攻撃と防御、そして探索。立ちはだかる障害を阿吽の呼吸で乗り越え、二人は広間を突破する。
 いかなる周到な罠を以て臨もうと、それに譲二と勲が屈することは無い。彼らの掴んだ成功によって、復讐者たちはサラの待つ中枢へ更なる歩みを進めたのだった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

四葩・ショウ
いきましょう、せんせい(g10846)

待っててよ、レディ
わたしを洗脳してくれた、お礼
たっぷり味わって貰うから

負担も分け合えるように
探索と、攻撃への対処はスイッチ分担
わたしは(2)と(3)に対処するよ

弾丸から護って貰う間
なるべく身を低くして駆け抜ける
――信じているから、振り返らない
探索は、見渡して観察しつつ
目に見えるものだけに頼らない
映画だとこういう所に階段が隠されてるよね

時には直感に従って
行き止まりでも焦らない
気になる所があったら
積極的に壊して、みたり?

ここはわたしの出番、ですね
まかせてください
ウインクぱちり
かっこ悪いところは見せられない

攻撃には
【ガードアップ】と防具纏って身を挺する

怪奇現象には心静めて
くるかもって予測して立ち向かう
たとえばポルターガイストやラップ音
驚かすなら足許や死角かな
何もなかったって安堵した時ほど
きっと、狙われやすい
飛翔物やせんせいへ伸びる魔の手を
レイピアで弾いてしまおう

増築がはじまればただなかへ
レイピアを揮って次々貫いて
さぁ、おいで
ぜんぶぜんぶ、壊してあげる!


伊吹・祈
同行者:四葩くん(g00878)

ええ。きちんと前を向いてなさい

無理をするなと言って、そうするあなたではないでしょうから
では(1)は僕が受け持とう
翼を広げ、教え子を背に庇う
降頻る銃弾の雨除けとなりましょう。あの日の様に

探索者を狙う銃弾の前に
魔晶剣を揮い、銃弾の排除を図り
守護の小手からは黄金の盾を展開する
反撃は叶わずとも
残留効果によるダメージ低下ならば発動するのではと期待して
「御遠慮願いましょうか。これ以上、この子に触れるな」

探索時には状況の観察と仕掛けの看破を
手早く行い、中枢を目指しましょう
特に(3)の最中に在る時には迅速に
上下左右問わず
不自然な痕跡があるならば何か仕掛けがあるのやも知れません
護衛がバレル・ドレッド故に、焦付きや酒精の芳香も手掛かりに

常に晒される心霊現象は、常に一定であるのか?
譬えば。僕等が進み、探索する方角に応じて心霊現象が激化する事があるならば
求める中枢に近付いている可能性が浮上するのでは

手を差し伸べ
どの様な悪路も、あなたと共に
置いていく事も
置いていかれる事も無い様に


 先行した仲間たちの後を継ぎ、一人の少女が幽霊屋敷に舞い降りる。
 ピンク色の双眸に旺盛な戦意を宿した彼女の名は、名を四葩・ショウ(After the Rain・g00878)。サラとの因縁に終止符を打つべく、この作戦に参加した復讐者だ。
「待っててよ、レディ。わたしを洗脳してくれた、お礼――たっぷり味わって貰うから」
 脳裏に蘇る記憶が、ショウの胸を怒りで焦がす。
 屋敷の中枢で待つサラは、今この瞬間も復讐者を捕えようと罠を巡らせているのだろう。その企みが無為に帰すことを、今から教えてやらねばなるまい。逸る心を宥めるようにショウは深呼吸を一つ、同行する伊吹・祈(アンヘル・g10846)を振り返って言う。
「いきましょう、せんせい」
「ええ。きちんと前を向いてなさい」
 ショウの呼びかけに祈は頷きを一つ、冷静な声でそう返す。
 無理をするなと言ったところで、目の前の少女は聞きはすまい。であるならば、ここは教え子たる彼女の道を拓くのが務めと言うものだろう。
 ――降頻る銃弾の雨除けとなりましょう。あの日の様に。
 祈の背中で、無言の決意を示すように翼が拓く。
 かくして――悪意に満ちた銃弾の待ち受ける屋敷の中へ、二人は足を踏み入れた。

 骨製の床を踏みしめる足音が、ギシギシと不吉な響きを帯びて木霊する。
 祈は魔晶剣を手に先頭を進み、彼に守られる形でショウは周囲に探索の視線を向ける。辺りに広がるのは、白骨で組まれた殺風景な廊下で、一見した限り怪しい物は見当たらない。
 とは言え、視覚だけに頼ることの危険性はショウとて十分承知だ。僅かな異変も逃すまいと、五体の神経を総動員しながら慎重に廊下を進んでいく。
「……映画だと、こういう所に階段が隠されてるよね」
「ええ、そして不意の襲撃もつきものです。――前方、来ますよ」
 探索に集中するショウへ祈が注意を呼び掛けたのは、そんな矢先だった。
 意識を切り替えた彼女の前方、突き当りの壁に開いた小穴から、長い筒状の武装が一斉にせり出す。それがライフル銃だと判った次の刹那、銃口から発射される銃弾の嵐。それを迎え撃つように廊下を照らすのは、祈の籠手が展開する黄金盾の眩い輝きだ。
「御遠慮願いましょうか。これ以上、この子に触れるな」
 祈の振るう魔晶剣が、迫る銃弾を弾き落とす。それを合図に、息を合わせてショウは動いた。
 姿勢を低く保ち、銃撃の続く廊下を駆け抜けていく。防戦を続ける祈を、振り返ることは無い。何故ならショウにとって、この攻防の結果は最初から自明だったから。
「せんせい。次の扉が見えました」
「良いペースですね。この調子で進みましょう」
 果たして、合流した祈は息一つ上がること無く、霊障の弾丸で受けた傷も僅かなものだ。そんな彼にショウは信頼の微笑を送り、新たなドアを潜り抜けた。

 二人の行く手に広がっていたのは、またしても長い廊下だった。
 ただし、今までとは明白に異なる点が一つある。両脇の壁に所狭しと掛けられた、無数の絵画だ。
 人物画、静物画、風景画――大小さまざまな額縁に収められた無数の絵には、見ているだけで不安を覚えるような重圧感が感じられる。
 悪霊が待ち構えていることは一目瞭然。ショウは祈にウインクを送り、役割を交代するように先頭へ進み出る。かっこ悪いところは見せられない――そんな思いに背を押されてか、足取りはいつになく自信に満ちていた。
「ここはわたしの出番、ですね。まかせてください」
「では、頼みましたよ。このまま中枢を目指しましょう」
 高レベルのガードアップで守りを固め、廊下を進み出すショウ。
 先程の銃撃と異なり、ここから先は悪霊の奇襲を予見した対応が必要だ。祈は周囲の状況を見渡し、敵は絵画を介した攻撃を仕掛けて来ることを確信する。
(「絵から悪霊が飛び出るか、絵そのものが襲って来るか、或いはそれ以外の方法か……いずれにせよ注意せねば」)
 焦燥を誘うように廊下を満たす重圧をかき分け、祈とショウはゆっくり奥へ進んでいく。
 時折、怪しそうな絵画をショウが観察してみるも、怪しい動きは見られないままだ。そして、直観に導かれるように、彼女が絵の一つをレイピアで破壊した次の瞬間、

『『『おおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』』』

 壁に掛かった絵という絵が、次々と悪霊の呻きを上げて降りかかって来た。
 一方、敵の仕掛けにヤマを張っていたショウと祈も、その攻撃に後れを取ることは無い。驚異の感情を最低限に抑えつつ、ポルターガイストめいて襲い掛かる無数の絵を弾きながら、ショウは放たれた矢のように駆け出した。
(「せんせいを傷つける魔の手は、残らず払ってみせる」)
 尚も執拗に追い縋る悪霊の絵画を叩き落とし、程なくショウは祈と共に廊下の突破を完了する。
 これで、残るは第三の罠のみ。未だ十分な余力を残しながら、二人の復讐者は次なる難関に挑むのだった。

「さて、次は増築ですか。果たして敵がどのような手で来るか……」
 新たに辿り着いた先、殺風景な部屋を見渡して祈は呟いた。
 広い部屋には人骨製の床が一面に広がり、家具や絵画といったオブジェの類は見て取れない。かつて居間として使われていたのか、火の落ちた暖炉が壁にあるだけだ。不自然な痕跡がないか祈はそれとなく調べてみるも、手掛かりになりそうなものは見当たらなかった。
 見遣った先、部屋の隅には奥へ続くであろう廊下が一本。恐らくは、あそこを通って先へと進むのだろう――そんな祈の思考を打ち切ったのは、部屋全体に響く不気味な地鳴りの音だった。
「せんせい、あれを」
「ええ……始まったようですね」
 ショウが指さす先、暖炉の中から溢れて来たのは、大量の人骨。それが今、白い波濤さながら雪崩を打って、部屋を作り替えんと動き始めていた。全てを破壊し、拡張し、部屋の増築を行おうと言うのだろう。この場に居るショウと祈、二人の復讐者を巻き込んで。
「時間がありません。行きましょう」
 無論、それに付き合う気などは更々無い。祈はショウに信頼を込めた微笑を浮かべ、急ぎ脱出に動き出す。
 置いていくことも、置いていかれることも無いように。どのような悪路も共に進む、揺るがぬ決意をその胸に秘めて。
「さぁ、おいで。ぜんぶぜんぶ、壊してあげる!」
 増築される骨の山も、襲い来る悪霊も、恐れるには値しない。ショウが振るうレイピアの切先は変幻自在の軌跡を描き、彼女と祈を阻む障害を一切合切穿ち貫いていく。
 微笑みと共に揮う剣は、いかなる敵にも止め得ず――最短経路を看破する祈が導くまま、二人は人骨によって増築される室内を難なく突破し。
「ふぅっ。何とか間に合いましたね、せんせい」
「ええ。見事でした」
 ここまでの道中、共に戦った教え子へ、祈が送るのは心からの賛辞だ。
 そうして辿り着いた新たな部屋で二人は頷きを交わし合うと、後方より救援機動力で駆けて来る新たな仲間たちへバトンを託すのだった。
 屋敷の探索はいよいよ佳境。サラが待つ中枢へ、復讐者たちは着実に迫りつつあった――。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【傀儡】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV6になった!

ゼキ・レヴニ
【轍炉】
(2)を想定

ここがうちの相棒をお人形遊びに使いやがったお嬢さんの家か
あん時のお人形がお礼に参りました、なんつって
下手なホラー映画よりも怖い思いをさせてやろうじゃねえの

おれが攻撃を引き付ける、ジズは探索の方を頼む
悪霊と言や、ポルターガイストで物を投げつけるとか?
壁が迫ってきて潰されたり、階段が平らになったり…
そもそも骨で出来てる家じゃ壁や床が直接襲ってきてもおかしくねえ

移動時は危険箇所の予測を立てつつ山刀を構えておき
【完全視界】と五感を駆使し全方向を警戒
家具や壁には近づき過ぎず、階段や狭い通路はさっと走り抜ける
ジズを【ディフェンス】、死角をカバーし
曲がり角や部屋への突入時は自分が先に行きクリアリング
時間稼ぎが必要なら目立つよう囮になり攻撃を引きつけるぜ

【未来予測】で攻撃が来る方向を察知し
【先行率アップ】で先んじて手を打てるよう備える
攻撃が来る時は冷静に、短い掛け声で危険を伝え
相棒が避けきれん攻撃は山刀や盾に変形させた『躯』で受けるように
(1)や(3)担当になった場合も基本動きは同様


ジズ・ユルドゥルム
【轍炉】
(2)を想定

はっ、可愛いコレクションか。その割に「手入れ」は雑だったがな
世話になったら家に行って礼をする。定番だな。

主たる攻撃への対処はゼキに任せ、私は探索に集中する
ゼキは一人で攻撃に対処することになるが、心配はしていない
心配していないが…手際よく進まねば

以前の幽霊屋敷でも入り口は隠されていた
室内の床や壁を注視し
家具などを引きずって動かした跡や、壁の向こうから漏れる光などを注意深く探す
【完全視界】で暗闇も見通しながら
音や匂い、隙間風にも感覚を研ぎ澄ませる
室内に傷などの目印をつけて、同じところを回らされていないかも確認する

特に激しい攻撃や、手の込んだ攻撃が行われた場所は
隠し扉や仕掛けが存在しないか入念に調べる

「意表を突く攻撃」が私に向かってくるなら…
おそらくサラは、復讐者には同士討ちさせるのが有効だといまだに思っているのだろう
おおかた、仲間や相棒の姿を真似た悪霊が襲ってくるんじゃあないか
その通りになったなら、迷わず斧で払い除ける

そんなもので驚きはしない。
私はゼキを信じているからな。


 幾重にも張り巡らされた罠を突破し、襲い来る悪霊たちを蹴散らし続け。
 そうして奥へ奥へと進み続けた復讐者たちは、いよいよ幽霊屋敷の中枢に近い区域に足を踏み入れようとしていた。無人の邸内に漂う、どんよりと重みを増していく空気。決戦の時がいよいよ近いことを感じ取りつつ、復讐者は尚も立ちはだかる罠を突破せんと進んでいく。

「どーも。あん時のお人形がお礼に参りました――なんつってな」
 静寂に満ちた屋敷に踏み込んだゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)は開口一番、おどけた口調でそう告げた。挨拶の言葉は、無論サラに対してのもの。先の事件で彼の相棒を“お人形遊び”に利用した意趣返しの為、彼と、相棒のジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)はこの場所に立っている。
「行こうぜ、ジズ。屋敷のお嬢さんには、下手なホラー映画よりも怖い思いをさせてやろうじゃねえの」
「ああ。世話になったら家に行って礼をする……定番だな」
 準備を終えて先頭に立つゼキへ、ジズが後方から同意を返した。
 今回の作戦では、襲い来る罠への対処はゼキの担当だ。敵の攻撃には彼一人で対処することになるが、心配はしていない。万全の信頼を置く相棒をサポートできるよう、探索に集中するとしよう。手際よく屋敷を進み、今も中枢で待っているサラに存分にお礼をしてやらねば。
 ――はっ、可愛いコレクションか。その割に「手入れ」は雑だったがな。
 荒ぶる心を感じながら、ジズの双眸に熱い炎が灯る。
 一時とはいえ、洗脳という手段で自分を操ったサラへ、彼女が抱く怒りは深い。同時に、屋敷に仕掛けられた罠を見縊る気も一切ない。先頭のゼキに襲撃の対処を託し、ジズは屋敷の奥へと突入していった。

「おっと。いきなりお出迎えか」
 扉を抜けた先、広い客間に二人が足を踏み入れると、一分も経たぬうちに襲撃は始まった。
 テーブルや家具の陰から一斉に飛び出した銃が、霊障を帯びた銃弾を復讐者めがけて一斉に発射する。探索開始と同時に、意表を突く形で攻撃を浴びせようと言うのだろう。
 だが――そんな敵の罠も、万全の態勢で臨む二人には通じない。
「ゼキ。側面からも来るぞ」
「おう。油断も隙もねえな、まったく」
 ゼキが盾に変形させた躯を構え、合図を送る。彼の冷静な掛け声に、ジズもまた防御態勢で応じた。
 次の刹那、銃口より銃弾の斉射が二人に降り注ぐ。隙を突かれれば大ダメージは確実の襲撃も、ジズがいち早く行っていた警戒の前にはさしたる脅威ではない。蓄積されたガードアップの効果もあって、受けたダメージは共に軽微な範囲に留まっていた。
「突入と同時に退場では、笑い話にもならないからな。……よし、行くぞ」
 銃弾の嵐を掻い潜り、ジズは探索を再開する。洗脳から解放され、ゼキとの絆を取り戻した彼女に、サラによる不意打ちの銃撃は失敗し――未だ十分に残る余力を以て、二人は屋敷の中を更に進む。

 最初の障害を難なく乗り越え、探索を続行するジズとゼキ。
 やがて客間を抜けた彼らが辿り着いたのは、長く薄暗い通路だった。道の左右には閉ざされたドアが幾つも並び、周囲には人影ひとつ見えない。
 人骨で造られた屋敷とドアに、物音ひとつない不気味な静寂。それが、二人の前に広がる光景だった。
「お次の相手は悪霊か。何が襲って来てもおかしくねえ、油断は禁物だな」
「以前の幽霊屋敷でも入り口は隠されていた。慎重に進まなければ」
「ああ。壁が迫って来るか、それとも床に穴でも開くのか……ぞっとしねえな、まったく」
 やれやれと呟きを洩らしつつ、ゼキが肩を竦める。
 屋敷に潜む悪霊が、果たしてどんな攻撃を仕掛けて来るのか――周囲の素材が素材だけに、常識が通じる期待はしない方が賢明だろう。
「敵はこちらの意表を突いて仕掛けて来る筈だ。視界は確保しておこう」
 完全視界を発動し、周囲に目を凝らしながら、ジズは探索を開始する。
 先行した仲間が準備した照明の効果も手伝って、辺りの暗闇は残らず払拭され、彼女とゼキの行く手には鮮明な光景が確保された。白昼と変わらぬ景色の中、ジズは感覚を研ぎ澄ませながら周囲を探っていく。床や壁の痕跡や、更には不審な匂い、隙間風の有無――いかなる些細な変化も一切逃さない構えだった。

「……ん? あれは――」
 調査済みのポイントに目印を刻みつつ、静寂に満ちた通路を進むこと暫し、前方の僅かな異変にジズは目を凝らした。
 進む先に見える扉の一つ、その隙間から僅かに光が洩れている。
 今までの扉はいずれも施錠され、光も洩れてはいなかった。もしかすると、あそこが――そう思い、ジズがゼキへと合図を送った、しかし次の刹那だった。
「ジズ。……来るぞ」
 山刀に変形した躯を構えた体勢で、ゼキが注意を促す。
 その声に応じてジズが身構えた矢先、通路に響くけ悪霊の呻き声と共に、閉ざされたドアが次々と開き始めた。異変はそこに留まらない。人骨製のドアは瞬く間にバラバラに散らばると、鋭い骨片を武器に、ゼキとジズへ襲い掛かって来たのだ。
「キリがねえな、これは。走り抜けるぞ!」
 骨の数は圧倒的で、防戦を続ければ物量で押し切られるのは時間の問題だった。ジズを庇う形で先頭に立つと、ゼキは迫る人骨を山刀で豪快に薙ぎ払って突き進む。その背中を追いかけながら、光が洩れる扉へあと一歩のところまで迫った、まさに次の瞬間、
「……!」
 ひとつ手前の部屋、扉が外れた室内から、いる筈のない顔が現れる。
 今この瞬間も先頭を走る、それはゼキの姿を真似た悪霊だ。暗闇の中であれば、或いは迫る攻撃に意識を取られていれば、意表を突かれても不思議では無い不意打ちは、しかしジズには一切通じることは無い。
「馬鹿め。そんな小細工で驚くものか」
 ジズが悲鳴の代わりに返したのは、得物の斧による一撃だった。
 躊躇なき刃の一閃に、悪霊が切り裂かれて消滅する。次の瞬間、灯りの洩れる部屋へと飛び込むゼキの背中を追いかけて、ジズは悪霊の蔓延る通路を無事に潜り抜けた。

「よし、何とか乗り切れたな」
 部屋への突入とクリアリングを完了したゼキは、すぐさま後続のジズへ安全確保の合図を送る。
 どうやらこの場所までは、悪霊の力は及ばないようだ。攻撃の止んだ室内で、二人はほっと吐息を洩らし、成功の手応えを噛み締めた。
「……進む程に空気が重くなって来てるな」
「ああ。サラがいる中枢も近そうだ」
 ジズは頷きを返しつつ、ふとゼキの横顔を見た。
 化けた悪霊とは違う、本物の顔。彼女が信じる相棒の、頼もしい顔がそこにはある。
 じきに着く中枢での決戦は、激しいものとなるだろう。だが、ジズに恐れはない。何故ならば――今の彼女は、けして一人ではないのだから。
(「もうすぐだ。待ってろよ、サラ・ウィンチェスター」)
 刻々と近づきつつある、戦いの時。
 そこで待つ幽霊屋敷の主に勝利する決意を、ゼキはジズと共に改めて誓うのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!

アンゼリカ・レンブラント
【蒼紅金】

相棒と恋人と挑むは
(3)
仲間が2回の攻撃を凌ぎ探索を進めた後で
さらに奥に踏み込む役割で動くよ!

コレクションとかよく言ってくれたね
でもサラ・ウィンチェスターには1つ感謝があるんだ
それを物理で直接伝える為にも突破しないとだよ!

しかし悪趣味な屋敷がどんどん増築されていくね
対抗してこちらはきっちり役割分担して攻略だよ!

増築されようとする地点を破壊し続けるシルと
探索を中心に動くミア
私は悪霊の攻撃を探索を進めるミアを護る役割で動くね!

ミアには【エアライド】 も駆使して素早く探索を行ってもらう為
彼女への悪霊の攻撃はきっちりディフェンスする
【ガードアップ】を重ね、致命打を防ぐ
シルが破壊を続けてくれるなら悪霊の攻撃も常に減っていくと思う
必ずミアを護り続けてみせるよ!

傷付くことなんて何も怖くはない
銃弾等を凌いだ仲間も覚悟を以て相対したはずだもの

それに、敵として最愛の人を相対することに比べれば
彼女を護り傷付くことの誇らしさはむしろ喜びというものさぁ!
重傷は恐れないけど、可能な限り突破まで立ち続けるよ


シル・ウィンディア
【蒼紅金】の3人で。
(3)
ここに、サラ・ウィンチェスターがいるんだね。
探して、これ以上の被害を出さないようにしないとね。


え、このお屋敷生きてる?
リアルタイムで増築って厄介なことをっ!!
…二人とも、わたしが進行を止めるから、そのうちに探索をお願いっ!!
大丈夫、殲滅スピードなら増築のスピードにも負けないからっ!!
…多分。

増築される場所に向って、高速詠唱で隙を減らした八芒星精霊収束砲を撃ち込んでいくよ。
広範囲攻撃で増築のポイント以外の所も撃ち抜いていくっ!
その分、増築速度が落ちないかな?
まぁ、過度の期待はせずにだね。

パラドクス通信で二人と状況を確認しつつ、増築ポイントへ攻撃を継続。
増築ポイントが移動したら、わたしも移動してその場所に向ってパラドクス砲撃をどんどん撃ち込んでいくよっ!
みんながあなたを見つけるまで、わたしがここでお相手をするからね。

しかし、サラ・ウィンチェスター、なかなか厄介な相手だね。
こういう絡めて相手は苦手なんだよなぁ…。
でも、捉えたらこっちのもの。
さ、覚悟してもらうよっ!!


ユーフェミア・フロンティア
【蒼紅金】の3人で挑みます。

(3)
サラ・ウィンチェスター、洗脳された御礼を返す時ですね。
皆さんと一緒ですが、油断せずにまいりましょう。
なにせ、どうやって仕掛けてくるかがわかりませんからね。

増築されるポイントへの対処は、シルさんにお任せして素早く探索ですね。
アンゼリカ、手早く行くよ。
背中は任せるからね。私も自分にできることを全力でするから。

手早く行きたいですけど、相手は狡猾ですから、単純に扉の向こうにすぐいる事はないはずです。
となると…。
聖杖を手にして、壁をこんこんっと叩いてみるとか、音や感触が違うなら、その壁に向ってパラドクスを放ちます。

一つずつ見るより、破壊して、見て確認するほうが早いときもありますしね。
マッピングは簡易的にして、方向や調べたポイントが重ならないように注意していきます。

中枢を発見したら、パラドクス通信で探索中の皆さんへ伝達を行いますね。
サラ・ウィンチェスターを発見しました。

貴女がサラ・ウィンチェスターですね。
洗脳させられたお礼をしに来ましたよ。


 広大な幽霊屋敷の探索を続け、着々と中枢に迫る復讐者たち。
 先行したゼキとジズに続き、屋敷へと駆け付けたのはアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)を始めとする三人の復讐者だった。
 銃撃と悪霊の襲撃を抜けた今、待ち受ける罠は後僅か。サラが待ち受ける決戦の舞台に辿り着く前哨戦、その大詰めとなる一幕が、これより開けようとしていた。

「さて、目的の場所まであと一息だね。このまま、奥まで踏み込んで行こう!」
 一行の先頭で、全身に気力を漲らせてアンゼリカが言う。
 かつて捕えた復讐者たちをコレクションと呼ばわったサラに、アンゼリカが抱く怒りは深い。だが同時に、彼女には只1つだけ感謝すべきこともある。それを存分に、徹底的に伝える為にも、まずは残すエリア――人骨と悪霊による増築が行われている区画の突破が最優先だ。
「こちらも役割分担して攻略していこう。頑張ろうね!」
「そうだね。サラ・ウィンチェスター……早く探して、きっちり撃破しないと」
 間近に迫る決戦に闘志を燃やし、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)が頷く。
 かのワイズガイが健在である限り、罪なき人々の犠牲は止まず、屋敷の素材である人骨も半永久的に齎され続けるだろう。長きに続いた悲劇に終止符を打つ為にも、負ける訳にはいかない。
 一方で、先の作戦で幽霊屋敷より救出されたユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)も、サラとの戦いに懸ける想いは並ならぬものがある。
「洗脳された御礼を返す時ですね。油断せずにまいりましょう」
 中枢が近いとなれば、仕掛けられた罠も容易くはあるまい。だが、それでなお、三人で力を合わせれば乗り切れることを、ユーフェミアは確信していた。
 今こそ幽霊屋敷の罠を乗り越え、サラの下へと辿り着く時。
 互いに頷きを交わし合うと、三人の復讐者たちは最後の難関が待つ部屋へと飛び込んでいった。

 踏み入った先に広がるのは、無人の大きな部屋だった。
 他の部屋と同様に無数の人骨で構成されたエリア。未だ作業中なのか、その随所には放置された構造物が見て取れる。
 と――次の刹那、復讐者という異物を察知したように、ホールの空気が突如震え始めた。
「っ、人骨が……動き始めた!?」
 アンゼリカの見遣る先、空間を構成する人骨が、一斉に蠢き出す。まるで意思を持ったように増築を始める骨の山と、その中から次々と溢れて来る悪霊たちを前に、シルも思わず息を呑んだ。
「え、このお屋敷生きてる? リアルタイムで増築って厄介すぎっ!!」
「……どうやら、素早い探索が必要のようですね。急ぎましょう」
 事前の打ち合わせに従って、ユーフェミアが持ち場へと移動する。
 動いた先はアンゼリカの前方。彼女に護衛を託し、自身は探索で二人をサポート――それがユーフェミアの役割だった。
「手早く行くよ。背中は任せるからね、アンゼリカ」
「OK。悪霊の攻撃、きっちり防いで見せるよっ」
「それじゃ、わたしは増築の進行を止めるね。二人は、その間に探索をお願いっ!!」
 阿吽の呼吸で役割を分担すると、シルは装着した世界樹の翼を人骨の山へと向けた。大火力を活かした殲滅は、彼女が得意とするところ。邪魔な人骨など、片っ端から消し飛ばして見せよう。
「大丈夫、殲滅スピードなら負けないからっ!! ……多分!」
 一人では困難な障害は、力を合わせて乗り越える。
 サラとの決戦に臨む決意を胸に秘めて、三人は迫り来る罠へ立ち向かうのだった。

 探索を担うユーフェミアを筆頭に、復讐者たちはホールの中を進んでいく。
 室内が絶えず変化を続ける中、発動したエアライドで最適な経路を探ることで、探索は序盤から順調な滑り出しを見せようとしていた。
 だが次の瞬間、それを阻むように襲い掛かる影があった。人骨の山より溢れ出た、膨大な悪霊の群れだ。
『『『おおおおぉぉぉぉぉ……!』』』
「来たね……! ミアに手は出させないっ、私が相手だ!」
 闘志に満ちた声を響かせ、アンゼリカが悪霊の前に立ちはだかる。
 ユーフェミアの盾である彼女の身は、積み上げた残留効果で防御力を大幅に増しており、多少の攻撃ではびくともしない。迫り来る敵の攻撃を片端から受け止め、弾き返し続けていた。
「片っ端から撃ち抜いていくっ!」
 一方のシルは『八芒星精霊収束砲』を発動、人骨の山めがけ砲撃を開始する。
 魔方陣より溢れた膨大な魔力の奔流は雪崩をうって標的に殺到し、増築されていく屋敷を片っ端から吹き飛ばした。いかに頑丈な構造物だろうと、シルの砲撃を前に無事でいられる筈も無い。行使したパラドクスが広範囲攻撃に特化した性能だったこともあり、その攻勢は嵐のように熾烈だ。
 増築地点を砲撃で薙ぎ倒していくシルと、悪霊の群れを前に一歩も退かないアンゼリカ。二人が幽霊屋敷の罠に大立ち回りを演じる中、ユーフェミアもまた着実に探索を進めていた。
(「目で見る限り、それらしい出口は無い……となると、隠し扉の類でしょうか」)
 ユーフェミアは紅蓮姫の聖杖を頼りに、探索の意識を壁と床に向けた。
 杖で叩いた時の手応えや音、それらの些細な違和感も逃さぬよう全神経を集中する。その間も悪霊の攻撃は続いているが、不安や恐怖は無い。
 ――私の背を、アンゼリカが守ってくれている。
 屋敷の罠など恐れるには足りない。自分たちは必ず、サラの下へ辿り着く――そんな決意を胸に、ユーフェミアはゆっくりと、そして着実に探索を進めていった。

 増築を続ける屋敷に、襲い来る悪霊の群れ。
 単独であれば真面な探索もままならない状況下にあって、役割分担を徹底して臨んだ三人は、サラの張り巡らせた罠をものともせずに、奥へ奥へと進んでいく。
「あなたの相手はわたし! 逃がさないよっ!」
 増築を続ける人骨の山に、間断なき砲撃を見舞いながらシルが告げる。
 サラの待つ中枢が近いことを示すかのように、増築の勢いはいよいよ強い。それを察したシルは、負けじと高速詠唱を続けながら、尚も強烈な砲撃を浴びせ続けた。
「……何となく、だけど。出口が近い予感がするね」
「うん。悪霊の攻撃も、どんどん激しくなって来てる」
 後から後から押し寄せる攻撃を防ぎながら、アンゼリカは頷いた。
 数分間に及ぶ攻防、更にはユーフェミアの護衛を意識した立ち回りで、彼女の身には浅からぬダメージが蓄積されている。体を動かす度、全身の傷跡からは激痛が走った。だが、この程度で止まる訳には行かない。自分に背中を託すユーフェミアの為にも、ここで倒れることは許されないのだ。
(「そう、傷付くことなんて何も怖くはない。他の仲間たちも覚悟を以て、屋敷の罠と相対したはずだもの」)
 踏み入った者の命を喰らう、幽霊屋敷の罠。
 それらは事実、復讐者にとっても脅威ではあるだろう。
 だが、同時にアンゼリカは思う。力を合わせて挑む自分たちにとって、それは決して越えられぬ壁ではないと。それに、
「敵として最愛の人と相対することに比べれば……! 彼女を護り傷付くことの誇らしさは。むしろ喜びというものさぁ!」
 先の幽霊屋敷を巡る作戦の一幕が、アンゼリカの脳裏に蘇る。
 肉体が訴える痛みを昂揚で抑え、悪霊の攻撃を防ぎ続ける彼女は、まさに不落の要塞そのものだった。
 そんな彼女の背後で、ユーフェミアは聖杖を握る手をぐっと握りしめ、中枢への隠し通路を懸命に探り続ける。
 被弾は皆無にも関わらず、時間が秒を刻む度に彼女の心は痛んだ。今こうしている間にも、アンゼリカは悪霊の攻撃で傷を負い続けているのだ。どうか無事でいて欲しい――喉まで出かかった言葉を無言で飲み込み、ユーフェミアは尚も意識を探索に集中した。
 ――逸らず冷静に、一秒でも早く道を見つける。それが、私に託された役目。
 そして。もう幾度目かも分からぬ程に振るった聖杖を、未だ残る真っ新な壁へと叩きつけた次の刹那――。

「……!」

 カツン、と。杖頭のルビーを介して、軽い手応えがユーフェミアに届く。
 今までの重いそれとは明白に異なる、乾いた音。鼓動の速さを増す心臓を宥めながら、手応えを確かめるように再び聖杖で壁を叩き――間違いない“当たり”の手応えに、遂に隠し通路を探り当てたことを彼女は確信した。
「見つけました。この壁です!」
 抜ける場所さえ発見すれば、そこから先はあっという間だった。
 通信機を介して仲間たちへ連絡を送ったユーフェミアが、浄化の炎を礫に変えて壁へと放つ。直後、礫を浴びた人骨の壁はガラガラと音を立てて崩れ去り、中から小さな通路が現れる。
 ユーフェミアの送った合図で三人は合流を果たすと、すぐさま通路へと飛び込んだ。悪霊と増築の力は通路までは及ばないのか、先程までの攻撃は嘘のように止んでいる。サラの待つ中枢はいよいよ目前――高鳴る鼓動を抑えながら、三人は静寂に満ちた一本道を進んでいく。
 そして――ふいに開けた視界の先、大きな部屋の中央に認めた人影を前に、ユーフェミアは口を開いた。
「貴女がサラ・ウィンチェスターですね。洗脳させられたお礼をしに来ましたよ」
「捉えたらこっちのもの。さ、覚悟してもらうよっ!!」
 戦闘態勢を取ったシルの声が、そこへ続く。
 遂に中枢へと到達し、首魁たる『サラ・ウィンチェスター』を追い詰めた復讐者たち。かくしてカリフォルニアの幽霊屋敷を巡る作戦は、次なるステージに向けて動き出す――。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【エアライド】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV7になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

 幾重にも仕掛けられた罠を潜り抜け、復讐者たちは遂に屋敷の中枢へと辿り着いた。
 広い応接間を思わせる、人骨製の家具が配された一室。そこで彼らを待っていたのは、配下の護衛たちを引き連れた女性型のクロノヴェーダだ。
 彼女こそ『サラ・ウィンチェスター』――この屋敷の主であり、ロサンゼルスで数々の事件を引き起こした、ジェネラル級ワイズガイに間違いない。復讐者を人形にし損ね、中枢への突入までも許した屈辱に、サラは顔を歪めて叫ぶ。

『ああぁぁぁぁぁっ!! どこまでも忌々しい奴等ですわね、ディアボロス!!』

 完全に追い詰められた状況下の彼女だが、その表情に未だ絶望の色は無い。
 罠を抜けて来たならば、再び人形に変えるまで――そう考えているのだろう。それが可能だと、信じているのだろう。
 夥しい人骨で組み上げた武装を身の回りに展開しながら、一層凶悪さを増した形相でサラは復讐者たちに言う。

『けれど問題はありませんわ。生意気なお前たちは、私がこの手で残らず人形に変えてやりましょうねぇぇぇぇぇ!!』

 絶叫と同時、周囲の人骨が一斉に蠢くと、応接間を広大なホールへと変えていく。
 邪魔する物のない場所で、復讐者たちの悶え苦しむ姿を観賞する気なのか、サラは護衛の『バレル・ドレッド』たちを引き連れて戦闘態勢を取る。
 だが無論、そんな敵の目論見を叶えてやる気など、復讐者たちには毛頭ない。
 復讐者とワイズガイ。互いの生存をかけた死闘が、いま幽霊屋敷の中枢で開始されようとしていた。
シル・ウィンディア
お人形、ねぇ…。
わたし、そんなにお上品じゃないし、黙って人形になるつもりはないからねっ!
まずは、取り巻きから倒させてもらうっ!!

消耗が激しい人もいるみたいだし、今回はこれで行くか。
世界樹の翼を構えて高速詠唱を開始。
使うのは竜雪光風撃。
狙いは、手近なところにいる敵を狙っていくよっ!
竜の息吹を受けてみてっ!!

撃った後は、動かず固定砲台みたいな立ち回りを行うよ。
狙いやすいって思ってくれるならこっちのもの。
その分他の人への攻撃は少なくなるからね。

敵攻撃は、左手に創世の光剣を構えて切り払いを行うね。
全部を庇えないのなら、顔とか肌の露出面が多いところを重点的にカバーするね。
顔狙い、いい手ではあるけど…。
出来ればノーサンキューですっ!!

初撃後はダメージの大きそうな敵を中心にパラドクス攻撃を仕掛けていくよ。
数を減らしていくのと、回復を重視しての立ち回りだね。

人形遊びはおしまい。
…次はあなたの番。
サラ・ウィンチェスター、そろそろ覚悟を決めてもらうよ。

わたし、洗脳とか使うの嫌いだから思いっきり行くよ!


 幽霊屋敷の中枢に、不穏な臭気が立ち込めていく。
 鼻腔を突き刺すような、それは甘く刺々しい臭いだった。夥しい人骨で築かれたホールで復讐者たちが対峙する敵群こそ、その匂いの源だ。
 毒々しい輝きを帯びたポットスチルを背負い、酒樽のような体を持つ『バレル・ドレッド』たち。主人であるサラの護衛である彼らは、錆びた金属の擦れるような声で言い放つ。
『ディアボロス……排除スル……』
 サラへの忠誠を胸に宿し、抹殺の意思を示すバレル・ドレッド。
 酩酊の狂気に満ちた蒸留所型ワイズガイを撃破すべく、復讐者たちは戦いに臨もうとしていた。

「お人形、ねぇ……わたし、そんなにお上品じゃないし。黙って人形になるつもりはないからねっ!」
 青い瞳に戦意を湛え、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)は対面の敵群を睨みつける。
 バレル・ドレッドも、サラも、逃す気は無い。ここで敗れれば、あの女ワイズガイは復讐者を再び『人形』として支配するだろう。そんな真似は絶対に許せない。
 一体残らず敵を殲滅し、幽霊屋敷を破壊する――不動の決意を胸に、シルは世界樹の翼を敵群へと向けた。
「手加減はしない。全力で行くよ」
 決意に応えるように、杖頭の藍鉱石が蕾を綻ばせる。
 これは、いわば開戦の狼煙。花開いた宝石に輝きを宿し、シルはバレル・ドレッドたちへ告げるのだった。
「まずは、取り巻きから倒させてもらうっ! 覚悟してねっ!!」

 漂う濃密なアルコールが、死の気配を纏って戦場を満たしていく。
 雪崩を打って殺到するバレル・ドレッドたち。その先頭を行く個体がシルを狙い、咆哮を響かせる。
『装填完了……バスタード・スピリッツ発射』
 次の瞬間、発射された違法アルコールが弾丸となって、シルの周囲に着弾。気化した毒霧が彼女の周囲を包む。
 吸い込んだ者の粘膜を焼き、地獄の苦しみを齎す『バスタード・スピリッツ』のパラドクス。それをシルは、左手に構えた創世の光剣で受け、被弾のダメージを最小限に抑え込んだ。通常戦闘なら脅威となり得る弾丸も、ガードアップを積み増した今なら豆鉄砲も同然だ。
「いい手ではあるけど……ノーサンキューですっ!」
 多少のダメージこそ受けたが、シルの戦意は健在。今こそ仕掛ける好機と、世界樹の翼へ魔力を注ぐ。

「行くよ――竜の息吹を受けてみてっ!!」
 シルの背中に純白の翼が広がる。宝石の花から光が溢れる。清冽で、眩い輝き。
 それは、『竜雪光風撃』の発動を告げる証だ。同時、敵群の足下より生じた風が、凍てつく吹雪となって荒れ狂う。彼女が繰り出す攻撃は、まさに固定砲台さながら圧倒的かつ無慈悲な火力を以て戦場を席巻し、標的となった敵を次々に蹂躙・破壊していく。
『セ、戦闘続行……不能……』
 荒れ狂う風と、肌を刺す冷気。ホールに木霊するのは、絶命していくワイズガイたちの叫び。
 猛吹雪の中、氷漬けとなった敵が次々と戦場に転がる。
 怒れるシルの猛攻を前に、歩く蒸留所の群れは一体また一体と討ち取られていった。

「うん、良い感じ。この調子で行くよ!」
 シルは世界樹の翼を構え直し、後続の仲間たちへ告げる。
 身に負った傷は、グロリアスの効果で殆どが癒えた後。勝利へと進む彼女の眼差しは、未だ色褪せることを知らない。
「サラ・ウィンチェスター。そろそろ覚悟を決めてもらうよ」
『くぅぅ……よくもアタクシに向かってそんな口を! そのガラクタの杖ごと、纏めてお人形にしてあげますわァ!!』
「生憎だけど、人形遊びはおしまい。あなたも、幽霊屋敷も、今日ここでわたしたちが片付けるっ!」
 響くサラの怒声に、シルが決然と言い返す。
 今は只、仲間と共に駆ける時。幽霊屋敷の女主人との決戦は、いよいよ目前だ――!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!

一里塚・燐寧
【燐五】

お人形遊びだの社交界でアピールだの……殺し合いを遊びでやるからこーなるんだよぉ
復讐者に爆弾を埋め込んで救出させるとか、本格的な研究機関に回すとか、もっといい方法があったのにさ
ま、きみ達が生ぬるいお陰で、五月姫ちゃんが無事だったのには感謝しとこっか
だからって見逃す気はないけどねぇ?

さっきはあたしが一方的に護ってたけど、今度は五月姫ちゃんと背中合わせに構える
ホールに変化した部屋のどこから敵が出てきても、互いの視野を補いあって不意を突かれないように
1回の攻撃で仕留めきれなかった奴は、自分や一緒に戦うメンバーの中の護衛組が優先して殺ろう
【グロリアス】の撃破ボーナスで傷を回復しときたいからねぇ

『呪式:雪魄氷死』で≪テンペスト・レイザー≫に冷たい紫炎を纏わせる
遠くの敵は炎波を飛ばして中のアルコールごと凍結させ、近くにいる奴には斬り付けて凍った体を粉砕しよう
冷気を残した得物で敵のアルコール弾を防ぐことで、気化に必要な熱を奪い威力を抑えるねぇ

あは。こんなのより五月姫ちゃんの匂いの方が酔えるよぉ!


瀧夜盛・五月姫
【燐五】
あなたたちは、復讐者に、復讐の理由を作った
火に油をまき、虎の尾をふみ、そして逆鱗に触れたんだよ
なんだか勝てる、自信はたっぷり見たい、だけど、その意味を解る、かな
ディアボロスに“奪還以上の大儀”、与えたんだ
あなただけは、確実に倒す。そこで黙って、待っていなよ

燐さんと背中合わせ
やっぱり護られてるだけ、よりも、こっちのほうが、しっくりくる
燐さんの背中の隙は、姫が、取らせないよ

ホールにお酒、用意してくれるなんて、意外と気、利くね。姫はお酒、飲めないけど
だけど、せっかくの歓待。応えないといけないね
地獄の門を開き、沢山の“手”を召喚。【先行率アップ】で、襲い来る敵を迎え、うつよ
敵の突進攻撃には【大薙刀無銘瀧夜叉一振・改】を横に持ち、【ガードアップ】で耐久を上げつつ、受け止める
止めてしまえれば、姫の“手”たちの、格好の的。みんなみんな、血の池の深く、底まで、引きずりこんじゃえ

さあ、サラ・ウィンチェスター。そろそろ大人になる、時間だよ
お人形あそびは、卒業、だね


 侵入者の到来に呼応するように増築が続く、幽霊屋敷のホール内。
 そこへ新たに駆けつけたのは、得物を手に満面の笑みを浮かべる二人の復讐者だった。
「あは。とうとう中枢に着いたねぇ」
 鎖鋸剣を手に告げるのは、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)だ。
 表情こそ笑顔の燐寧だが、眼は笑っていない。バレル・ドレッドを率いるサラに刃のように鋭い視線を向けて、挑発の言葉を叩きつける。
「お人形遊びだの社交界でアピールだの……殺し合いを遊びでやるからこーなるんだよぉ」
『あぁぁァァッ、お黙り! アタクシの大事な屋敷を壊した代償は、高くつきますわよ!』
 ヒステリックに喚き散らすサラの姿に、燐寧は今度こそ苦笑を浮かべた。
 頭の良くない敵だという前情報は、どうやら本当だったようだ。少なくとも自分なら、もっと効率的な方法を幾らでも思いつけたと燐寧は思う。
 尤も、それはある意味僥倖ではあった。敵の生温いやり方のお陰で、復讐者たちは一人の犠牲も出さずに済んだのだから。彼女の大事な相手――瀧夜盛・五月姫(失つし世《うつしよ》の滝夜叉姫・g00544)も。
「ま、だからって見逃す気はないよぉ。ね、五月姫ちゃん?」
「ふ、ふふ……。そうだね、燐さん」
 地獄の底から響くような声で、五月姫が頷く。
 かつて自分を洗脳し、燐寧と戦わせたサラ。そんな彼女を必ず葬るという執念が、その笑顔には満ちていた。

「あなたたちは、ディアボロスに、復讐の理由を作った。火に油をまき、虎の尾をふみ、そして逆鱗に触れたんだよ」
 居並ぶバレル・ドレッドと対峙しながら、五月姫は口元を吊り上げる。
 決戦の舞台に臨む前から、五月姫の戦意は最高潮だ。洗脳から解き放たれ、傍には燐寧がいる今、彼女の心には微塵の恐怖も存在しない。
 そんな五月姫と燐寧を前に、サラは歯軋りを鳴らしつつ、玉座めいた白骨椅子の上から傲然と言葉を返した。
『キャンキャンと五月蠅いですわねェ! お人形にしたら、アナタは首にリボンでも巻いてやりますわァ!』
「ふ、ふふ。勝てる、自信はたっぷりみたい、だけど――その意味を解ってる、かな」
 余裕を露わに言い放つサラへ、五月姫は静かな口調で言い返す。
 彼女も、燐寧も、そしてこの場に集う仲間たちも、“お人形”になる気は無い。
 復讐者が目指すは、完全勝利ただひとつ。その前哨戦を片付けるまで、サラには黙って待っていて貰おう――そう五月姫が決意すると同時、ホールの床が激しく揺れ始めた。
『突撃指令……酩酊開始……』
 重々しい足音を響かせ、バレル・ドレッドたちが動き出す。
 サラに害為す復讐者を、数に任せて踏み潰そうと言うのだろう。迫り来る敵群を前に、五月姫は好戦的な笑みを一層深め、燐寧へ視線を向けた。
「燐さん。いこう」
「オッケー。片っ端からブッ殺すよぉ!」
 命を吹き込まれた鎖鋸剣が、獰猛な唸りを上げる。緊張を帯びる空気に、回転する刃が戦いの序曲を奏でる。
 準備は万端、いざ死闘の始まりだ。

『突撃セヨ……後退ハ許可セズ……』
「あは。真っ向勝負、望むところだよぉ!」
 大挙するバレル・ドレッドの群れに、燐寧は鎖鋸剣を構えて立ち向かう。
 敵の数は未だ多勢だが、恐怖は無い。何故なら今の彼女は、五月姫と共にあるからだ。互いの背中を合わせ、迫り来る敵に立ち向かう今、敗北の二文字は二人とは無縁だ。
「さっきはあたしが一方的に護ってたけど……これなら、どこから敵が来ても平気だね!」
「うん。燐さんの背中の隙は、姫が、取らせないよ」
 燐寧の背中越しに、五月姫は頷きを返した。
 探索の時とは違い、今は共に戦える。ただ護られるだけの立場よりも、今の方が自分にとっては性に合っている――体の奥から込み上げて来る戦意と共に、彼女の心は歓喜に震えた。ひとたび火がつけば、燐寧にも劣らぬ勇猛な戦いぶりで敵を粉砕する復讐者、それが五月姫だ。
「せっかくの歓待、応えないといけないね。姫はお酒、飲めないけど――」
 酒樽型ボディを揺らして迫る敵を前に、大薙刀無銘瀧夜叉一振・改を構えた五月姫が悠然と笑う。
 同時、戦場を吹き抜けるのは先攻を齎す一陣の風。剣を掲げて突撃していく燐寧を援護するように、五月姫のパラドクスで顕現した地獄の門が今、重々しい軋みを立てて開かれていく。

 門が大きく開かれた次の瞬間、中から這い出て来たのは黒い無数の“手”だった。
 怪怨召喚『血池千手』――地獄より召喚した手で標的を拘束破壊する、それは五月姫の切札がひとつ。群れを成して現れた手を意のままに操りながら、狙う相手を指差して五月姫は告げる。
「みんなみんな、血の池の深く、底まで、引きずりこんじゃえ」
 ひとたび解き放たれれば、無数の手は獲物を選ばない。間近のバレル・ドレッドに次々絡みつくと、万力めいた力をもって敵の樽型ボディを粉砕していく。探索の道中で重ねて来た豊富な残留効果の支援もあって、パラドクスの火力は目を見張る程に圧倒的だ。
「これが姫式、サルガッソー……なーんて。止めてしまえれば、姫の“手”たちの、格好の的」
『被害拡大……再蒸留完了、噴射……』
 そんな五月姫めがけ、難を逃れた敵がすかさず反撃を繰り出した。
 体内で燃焼させたアルコールで得た推進力を武器に標的を圧殺する、必殺の突撃攻撃だ。
 爆発的な速度と圧倒的な目方。砲弾めいた威力を秘めた突撃は、しかし五月姫の大薙刀に難なく防がれた。残留効果で上昇した力は、守りにおいても十分に発揮される。
「いい感じ、だね。このまま、行こう」
 攻撃を凌ぎ切った五月姫が、燐寧へ合図を送る。
 それに応えるように、鎖鋸剣の刃は更に勢いを増して、雄叫びめいた響きで戦場を満たし始めた。

 飛来するアルコールの弾丸を、回転刃が千々に切り裂く。
 押し寄せる敵の群れを前に、戦い続ける燐寧のダメージは未だ軽微だった。グロリアスを始めとする効果で回復を得ているのも、理由の一つだろう。
 だが、敵を撃破し続ける彼女の旺盛な戦意は、別の所から来ていた。即ち、背中合わせで戦う少女の存在に。
「あは。こんなのより五月姫ちゃんの匂いの方が酔えるよぉ!」
 アルコールの濃密な刺激臭を物ともせずに言ってのけると、燐寧は鎖鋸剣をブンと振り被る。
 一刻も早い殲滅の為、今は一体でも頭数を減らす時。先頭を為すバレル・ドレッドたちを狙い定めると同時、鎖鋸剣の刃に冷たい紫炎が灯された。斬りつけた相手を凍結させる、『呪式:雪魄氷死』発動の瞬間だった。
「さーて。今回はちょっと寒い勝負になるだろーけど、許してよねぇ!」
 跳躍と共に叩きつけるは、怨念の炎。鎖鋸剣テンペスト・レイザーの刃に宿ったそれは、標的をたちまち切り裂き、体内の粗悪なアルコールもろとも紫炎で焼き尽くした。
「順調に減って来てるねぇ。いい感じだよぉ」
「うん。あと少し、だね」
 燐寧と五月姫の声に力がこもる。確かな勝利の手応えに二人が頷きを交わした次の刹那、
『何をぐずぐずしているんですの!? さっさと、やっておしまいなさァァァいッ!!』
 戦場に響いたのは、サラの甲高い声だった。
 次々に撃破される配下たちに、不甲斐なさを覚えたのだろう。苛立ちも露わに叫ぶサラへ、五月姫は笑みを浮かべて言う。
「お人形あそびは、卒業、だね。そろそろ大人になる、時間だよ、サラ・ウィンチェスター」
 決戦の時は、刻々と迫りつつある。その時まで、今はひたすらに戦うのみ。
 決して止まらぬ足取りで、二人は尚も仲間たちと共に歩みを進めていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV2になった!

伏見・逸
【秋逸】(タグ外との連携・アドリブ歓迎)(仲間は苗字呼び)
捌碁(g06403)をディフェンス
(自分の負傷は気にしないが、仲間の負傷には割とわかりやすくキレる)

(以前洗脳を受けて幽霊屋敷で捌碁と戦う事になったのを気にしており、捌碁に対する罪悪感と、敵と自分への強い怒りを抱えている)

お人形なんざ、なってやる気はねえ
(捌碁に目をやり)こいつも…いや、誰も渡さねえ
俺をいいように使おうとした礼も、嫌な事を思い出させやがった礼も、してやらなきゃならねえ
一発と言わず何発でも、潰れるまでぶん殴っておかねえと、気が済まねえ

捌碁を守る立ち位置をキープしつつ、声を掛け合い連携
【禍竜の鉄槌】使用。跳躍から蹴りを叩きつけ、地面ごと敵をぶっ壊す
【泥濘の地】を利用し、敵の足並みを乱す
倒せそうな個体を優先して狙い、手早く確実に数を減らす
該当する個体がいなければ、敵の連携妨害を狙って動く

敵の攻撃は【ガードアップ】を利用させて貰いつつ、翼を盾代わりに受け、ダメージを減らす
自分の負傷は然程気にせず、手早く敵を殲滅する方を優先


捌碁・秋果
【秋逸】(タグ外との連携・アドリブ歓迎)

ふふっ、やる気満々ですね伏見さん!
私も負けていられません
友人たちをお人形にした苦情をガンガンいれる所存です!

お相手は丸っとした酒樽?
サラってばこんなにカワイイお人形を持ってるのに。もーう、欲しがり屋さんなんだからあ…

たくさんの敵にダメージを与えることを念頭に動くよ
【能力値アップ】を盛って、より強くなった我々をお披露目です。ふふっ、次のサラ戦もこれでバッチリ!
パラドクスで会報を飛ばして敵の顔に…顔?あのゴーグルのちょい下あたりかな?あのあたりに貼りつけー!
そして聞いて、私の想い!
このディヴィジョンに来たからには!アメリカ印象派の描いた景色が見たああああい!!!
オンダードンクの描いたブルーボネットの花畑を!!!見せて!!!!!
さ、敵の視野が会報で潰れているうちにトドメをお願いしますよ伏見さん!

敵の火炎放射攻撃からは額縁を展開して身を守るよ
熱い!額縁溶けちゃいそう!
熱いけど…サラに一発いれるまでは退かないから…!
【ガードアップ】と気合で耐えてやりますよ!


アンゼリカ・レンブラント
人形人形とやっぱり此方の怒りを誘う言霊だなぁ
まぁ、そんな貴女には
ディアボロスに倒された最初のジェネラル級ワイズガイ
そんな名誉をプレゼントしてあげる!

ネメシス形態、天使モードに変化
仲間の仕掛けるタイミングに合わせ
パワー全開!星形状のパラドクスを放っていくよ

攻撃する相手は仲間と狙いを合わせ
波状攻撃となるように打ち込み確実に屠り、数を減らしていこう
【パラドクス通信】も積極的に連携に使わせてもらうね

初撃を叩き込んだ後も足を使い、
敵からの集中攻撃を浴びないよう動きつつ、
消耗の大きい敵から攻撃し、確実に数を減らしていく

ここまで重なった【ガードアップ】は頼もしく、
厚くなった障壁を押し出すようにして
相手からの火炎放射攻撃を凌ぎ、
反撃でさらに倒していっちゃおう!

連携こそ私達の力
飾られるコレクションには出来ないものだよ!

敵が少なくなってきたら、呼吸を整えパワー全開っ
《天輪輝星》を叩き込んで殲滅するね
輝くパラドクスの星々よ。
私の勇気と共に、最大まで輝けぇっ!

これで貴女だけ
覚悟してよね、サラ・ウィンチェスター!


 ワイズガイとの死闘が激しさを増す中、戦場のホールには、復讐者が続々と到着し続けていた。
 彼らが目指す先、サラの玉座へと至る道に立ち塞がるのは蠢く密造酒の従僕たちだ。
 バレル・ドレッド――樽型ボディに安酒を満載した彼らは、戦意旺盛に抵抗を続けている。対する復讐者たちも、その勢いは止まるところを知らない。
 全ては、この先に待つ真の悪意を滅ぼす為。次なる復讐者たちが、サラ決戦の前哨戦に臨む――!

 人骨で組まれたホールが、激戦の余波に軋みを上げる。
 撃破されたバレル・ドレッドの残骸が山と散らばる中、サラの金切り声に呼応するように、増築が続く屋敷のあちこちからは新手の敵が湯水のように湧き続けていた。
「……ふん。だったら、片っ端からぶちのめすまでだ」
 新たに戦場へ駆けつけた伏見・逸(禍竜の生き先・g00248)が、怒りを帯びた声で告げた。
 剣呑な光を湛えた双眸で見澄ました先、骨の玉座に見えるのは、ヒステリックに叫び続けるサラの姿だ。かつて自分を洗脳した怨敵に、逸の心が怒りに燃え上がる。
 ――俺をいいように使おうとした礼も、嫌な事を思い出させやがった礼も、してやらなきゃならねえ。
 ――一発と言わず何発でも、潰れるまでぶん殴っておかねえと、気が済まねえ!
 人形になどなってやる気は無い。そう改めて心に誓いながら、逸は隣の仲間へ目を向ける。共にこの戦場へと駆け付けた、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)へと。
「こいつも……いや、他の奴等も渡さねえ。誰ひとりだ」
「ふふっ、やる気満々ですね伏見さん。私も負けていられません!」
 逸の視線に微笑みを返し、秋果は言った。
 纏う空気こそ柔和な彼女だが、勝利への決意は他の仲間たちと何ら変わるところはない。逸のみならず、大事な友人たちを“お人形”にしたサラへ、彼女は徹底的に苦情を入れるつもりでいた――無論、復讐者としてのやり方でだ。
「サラってばこんなにカワイイお人形を持ってるのに。もーう、欲しがり屋さんなんだからあ……」
 対峙する敵群を見澄まして、秋果は悪戯っぽく笑う。
 丸い酒樽ボディのバレル・ドレッドは、確かにユーモラスと言えるかもしれない。とは言え、彼らが復讐者と相容れぬ敵であることも、秋果は当然承知している。
 見た目は愉快な敵だが、油断は禁物。張り詰めた空気が戦場を支配する中、秋果は逸と共に戦闘態勢を取るのだった。

 骨のフロアを踏み鳴らし、進軍する酒樽の群れ。
 未だ多勢を誇る彼らを玉座の上から指揮しながら、サラは眼下の復讐者たちへ叫ぶ。
『全員お人形にしてあげますわァ……! 覚悟なさいなディアボロスどもがァァァァ!!』
「人形人形と、やっぱり此方の怒りを誘う言霊だなぁ」
 そんな彼女を前に、淡々と言葉を返すのはアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)だ。
 狂態を見せつけるサラを軽くいなす彼女だが、その意識はバレル・ドレッドたちから片時も離れていない。逸や秋果と息を合わせ、全力で敵と叩き潰す――それが今回の方針だ。
「まぁ、今はそこで高みの見物を決め込めばいいさ。私たちはすぐに、そこまで辿り着いて見せるよ」
 戦いの勝利を堂々と告げると、アンゼリカはネメシス形態へと変身。秘めたる力を、天使モードで余すことなく開放する。ここまで来たなら手加減など無用、全力を以て決戦の舞台に向かうとしよう。
「貴女にはとっておきの名誉をあげる。ディアボロスに倒された、最初のジェネラル級ワイズガイ――そんな名称をね!」
『生意気なァァァ! 蹴散らしておやり、バレルちゃんたち!!』
 勝つのは復讐者か、それともワイズガイか。
 眩いパラドクスの光が満ちゆく中、三人の復讐者は死闘への一歩を踏み出した。

「二人とも、よろしく。切込み役は任せて!」
 連携用のパラドクス通信を発動し、アンゼリカが突撃を開始する。
 大火力を以て敵陣を切り拓き、そこへ追撃を浴びせる三人がかりの波状攻撃、その先鋒が彼女の役目だ。追撃組の秋果と逸が他メンバーとの連携を見据えた構えで臨んでいたこともあり、三人は互いに当意即妙の動きで隊形を整えると、敵群に攻撃を仕掛けていく。
「こちらこそ、よろしく。敵の戦力を少しでも削り取ろう!」
「片っ端から叩き斬る。手早く、確実にな」
 アンゼリカの後方から、通信機を介して秋果と逸が返事を返した。
 サラへの怒りは尽きないが、さりとて無意味に突出することはしない。冷静さを保ち、力を合わせて戦う――それが勝利に繋がることを、復讐者たちは理解しているからだ。
『ヘル・ブリュー発動準備……』『燃焼ヲ開始スル……』
 対するバレル・ドレッドたちが、アンゼリカへ迎撃の矛を向ける。
 単騎で迫る彼女を、集中攻撃で仕留めようというのだろう。だが、そんな敵の狙いは端から復讐者にとって想定の範囲内。火炎放射を繰り出そうとした敵の足下、骨の床が次々と水気を帯び、足を捉える泥濘に変化し始めた。敵の移動速度を奪う、泥濘の地。発動したのは逸だった。
「遠慮はいらねえ。――全力だ」
 生じた泥濘は瞬時に広がり、バレル・ドレッドたちの足下を覆い尽くしていく。
 効果が浅いこともあり、泥濘で乱れた敵の足並みは微々たるもの。とはいえそれは、復讐者が先手を打つには十分すぎる隙であり――逸の言葉に背を押されたアンゼリカは、眼前の好機を決して逃さない。
「連携こそ私たちの力。飾られるコレクションには出来ないものだよ!」
『グウゥ……!!』
 狙いすまして放つ星の光が、敵の隊列に降り注ぐ。
 立て続けに響く轟音の只中、粉砕されていくワイズガイたち。死闘の開幕を告げるように、星光はいよいよ輝きを増して、戦場を包み込んでいった。

 パラドクスが飛び交う戦場を、三人の復讐者たちが疾駆する。
 アンゼリカの攻撃が切り開いた敵隊列めがけ、逸と秋果が息を合わせて突撃していく。混乱に陥った敵を一体でも多く撃破すべく、二人は最高のタイミングで攻撃を仕掛けようとしていた。
「死にてえ奴からかかって来い。ぶっ壊してやる」
 秋果を背に守る形で突進しながら、逸がドラゴニアンの翼を展開。瞬時に宙へと飛翔を果たし、眼下の敵群めがけて急降下突撃を繰り出した。追撃の機は今、足並みを乱した敵を頭上より攻撃し、奴らの混乱を拡大させるとしよう。
「逃がさねえぞ」
 猛禽めいた突撃が、敵陣の只中に食らいつく。
 アンゼリカと逸、二人の攻撃を立て続けに喰らったことで、バレル・ドレッドたちの隊列は完全に崩壊しつつあった。酒樽ボディをぶつけ合い、軋むような絶叫を上げるワイズガイの群れ。そこを狙いすまし、秋果は『奇々会報』を発動する。
 叩く時は徹底的に――それが彼女の、そして復讐者たちの流儀だ。
「頑張って作りました! ちょっと見てっててください!」
 秋果が取り出したのは、美術鑑賞同好会の会報。経験と情熱をありったけ詰め込んだ結晶でもある冊子が、パラドクスの力で一斉に破け、紙吹雪のように戦場を舞う。ひとたび張り付けば、秋果が秘めたる美術の情熱を注ぎ込み、クロノヴェーダを活動停止に追い込む必殺技だ。
「このディヴィジョンに来たからには! アメリカ印象派の描いた景色が見たああああい!!!」
 相次ぐ攻撃で混乱していたこともあり、秋果の攻撃は狙いを過たず標的へと命中した。
 顔面に張り付いた紙面を介して注ぎ込まれる情熱が、洪水の如き勢いで敵の脳内へと流し込まれ、ワイズガイたちの精神を呑み込み、破壊していく。
『グ、ガガ……!?』『グワワーッ!!』
「オンダードンクの描いたブルーボネットの花畑を!!! 見せて!!!!!」
 次々に響く樽の爆砕音に、断末魔の絶叫が反響する。秋果の尽きぬ情熱に突き動かされるように、新たな獲物を求めて会報の紙片が戦場を舞う中、バレル・ドレッドたちは着実に頭数を削られ続けていた。

 人骨の大ホールを舞台に激戦を繰り返しながら、三人の間断なき攻撃がワイズガイを追い詰めていく。
 敵は火炎放射による抗戦をしぶとく続けているが、連携を分断された彼らの反撃など、既に脅威とはなり得ない。残留効果で強化された防御力で、復讐者たちは一人の脱落者も出さぬまま、敵群を尚も押し込んでいった。
「熱いけど……サラに一発いれるまでは退かないから……!」
 展開した額縁で火炎を受け止めながら、秋果が歯をくいしばって耐える。
 本番の決戦に臨む為にも、ここで倒れることは許されない。灼熱の業火を気合で耐えると、秋果は蒸留所型のワイズガイを睨みつけながら、通信機に向かって叫んだ。
「あと少し。このまま一気に押し込もう!」
「任せて! パワー全開っ、ペースを上げていくよ!」
 秋果の言葉に応じるように、敵群の側面から急襲を仕掛けるのはアンゼリカだ。
 呼吸を整え、精神を集中。天高く掲げた掌より、裁きの光が泉の如く溢れ出た。
 『天輪輝星』――滂沱たる光は、アンゼリカのパラドクスで星の形に姿を変えると、大ホールを照らす流星雨の如き輝きを放ちながら、バレル・ドレッドたちを呑み込んでいく。
「輝くパラドクスの星々よ。私の勇気と共に、最大まで輝けぇっ!」
 勇気を胸に放つ裁きの光は、決して標的を逃がさない。
 降り注ぐ輝星でアンゼリカが敵を片っ端から爆破していく中、続く二人の波状攻撃が更なる追撃となって、ワイズガイたちへ襲い掛かろうとしていた――。

 勇気に輝く星々が降り注ぐ。そこへ続くように、秋果の会報が千々に破れて戦場を満たし始めた。
 戦いの流れは、今や完全に復讐者にある。それは即ち、渾身の一撃を浴びせるチャンスと同義だ。
「さ、今のうちに! お願いしますよ伏見さん!」
 秋果は散発的に抵抗を続けるバレル・ドレッドを会報で撹乱しながら、逸へ合図を送った。秋果も、アンゼリカも、そして逸も、復讐者たちは肌で感じ取っている。即ち、今こそ千載一遇の好機だと。
「ああ。任せな」
 果たして――秋果に応えるように、逸の竜翼が大きく開かれた。
 『禍竜の鉄槌』の発動と同時、敵の頭上へ瞬時に飛翔した彼は、地上めがけて急降下。速度と体重を掛け合わせた蹴撃を、ワイズガイへの怒りと共に叩きつける。
「砕けて吹き飛べ」
 鉄槌――いや、隕石と呼ぶべきか。残留効果で怒りを増幅させた逸の火力は、まさに一撃必殺と呼ぶに相応しい。
 叩きつける蹴りは標的のバレル・ドレッドたちを消し飛ばして尚止まらず、クレーターめいた陥没孔を人骨の床に拵えた。それは、逸の明白な意思表示。彼の怒りとサラの撃破を誓う、号砲と呼ぶべきものだ。
『グギギィィィ……! 生、意、気、な……ッ!!』
「貴女は此処で仕留めてみせる。覚悟してよね、サラ・ウィンチェスター!」
 歯軋りを鳴らし、憎悪に燃えるサラ。そんな彼女を見澄まして、アンゼリカが勝利の誓約を堂々と告げる。
 バレル・ドレッドの数は後僅かだ。前哨戦の決着に向けて、復讐者たちの攻撃は更なる激しさを増して、ワイズガイたちを呑み込もうとしていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【照明】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ガードアップ】がLV8になった!

ゼキ・レヴニ
【轍炉】

おうおう、威勢がいいねえ。鼓膜が破けちまいそうだ
おれたちも負けていられねえ。なァ相棒
オバケ屋敷巡りで準備運動もバッチリだしよ
まずは手下から元気よくブッ倒して行こうじゃねえの!

酒樽野郎はこないだの館ぶりだな
マズい酒のおかわりを頼んだ記憶は無いがねえ
『躯』を変形させ、鉄片で編まれた旗槍に変形
【能力値アップ】で膂力を底上げして柄でブン殴り
【エアライド】で上からの刺突攻撃も織り交ぜ戦場を引っ掻き回す
ジズの攻撃時は、旗で敵の視界を遮り援護するぜ

敵の火炎放射は旗部分を翻して打ち払いつつ
旗を敵に巻き付けて姿勢を崩させ反撃に繋げる
後ろは相棒に任せてある、心置きなく暴れられるってモンよ!

【パラドクス通信】を利用し
ジズや他の仲間と、互いの隙を埋めるように声を掛け合う
弱った敵から狙って迅速に仕留めたい
あんまり長引いて酔いが回ったら、うちの相棒をまたおんぶして帰らにゃならんしな
…まァそれも悪くねえけど!

酒樽の残り火に吸殻を投げ
んじゃ、カワイイお人形”と”遊ぶ準備は出来たかい
サラお嬢さんよ


ジズ・ユルドゥルム
【轍炉】
奴め、だいぶヘソを曲げているな。せめて最後の戦いくらいは機嫌よく迎えてほしいものだが。
はは、元気のいい家主どのだ
威勢に呑まれてはいられんな。手下を倒して、家主どのに直接話をさせてもらわなくては。

この屋敷は奴が獲物を捕らえるための巣なのだろうが…
今この時だけは我らの狩場に作り変えよう。

「蛛網の糸」を起動。
近接戦を仕掛けるゼキから数歩離れた場所に立つ。
戦場を俯瞰するように周囲に注意を払い、死角からの敵の接近を警戒
接近を察知したなら声を張って伝えよう

彼が旗槍で敵を撹乱する間、戦場にケレイの糸を張り巡らせ
ゼキの援護を活かして複数体の敵へ糸を巻き付け、【ダメージアップ】を乗せて一息に糸で締め上げて損傷させたい。

反撃は、糸を操り敵の発射口を明後日の方向に向けさせ
弾丸の直撃を避けて威力の減衰を試みる。

仲間やゼキと狙いを合わせ、確実に敵の数を減らしていく。
戦闘が長引いて無駄に消耗するのは避けたいし…あまりこの場に酒気を充満させたくない。
サラ・ウィンチェスターにはしらふで礼を言いたいからな。


『ディアボロス風情がァ……! どこまでアタクシに盾突く気ですのォォォォォォ!!』
「はは、元気のいい家主どのだ。せめて最後の戦いくらい、機嫌よく迎えてほしいものだが」
 忠実な手駒を失っていく苛立ちを露わに、金切り声をあげるサラ・ウィンチェスター。着々と追い詰められてなお見苦しい彼女の姿に、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)の顔には思わず苦笑が浮かぶ。
 先行した仲間たちの奮闘が奏功し、戦況は復讐者が有利を手にしつつある。ここで更なる打撃を与えれば、戦いが殲滅戦に移るまでに大した時間はかからないだろう。
「家主どのの威勢に呑まれてはいられんな。手下を倒して、直談判といこうか」
「異議なしだ。……にしても威勢がいい家主だねえ、鼓膜が破けちまいそうだ」
 おどけるように耳を塞ぐ仕草を見せて、ゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)が笑う。
 幽霊屋敷の踏破もあって、準備運動は十分だ。幽霊屋敷の喧しい女主人に挑む為にも、まずは目の前のバレル・ドレッドを確実に始末せねばなるまい。旗槍に変形させた躯を構え、ゼキはジズに視線を送った。
「おれたちも負けていられねえ。なァ相棒」
「ふふ、そうだな。私たちの戦いぶり、サラの眼にしっかり刻んでやろう」
 数の上では未だ不利だが、負ける気などは無い。
 阿吽の呼吸で戦闘態勢を取り、逆説連鎖戦の火蓋を切る復讐者たち。戦場を満たす違法アルコールの刺激臭を、迸るような戦いの熱気が包み込んでいった。

 互いの息を合わせ、ゼキとジズがワイズガイの隊列へと駆けて行く。
 対する敵も、自分たちの窮地は承知らしい。軽やかな足取りで先陣を切って駆けて来るゼキを狙い、繰り出すのは火炎放射による迎撃だ。
『ヘル・ブリュー発動準備……メタノール混合完了。散布ヲ開始スル』
「こないだの館ぶりだな、酒樽野郎。マズい酒のおかわりを頼んだ記憶は無いがねえ!」
 戦場に充満するアルコールの霧が、着火と同時に紅蓮の炎に変わる。真面に浴びれば黒焦げ不可避の猛攻を、しかしゼキは物ともしない。
 残留効果で強化した膂力を武器に、エアライドで宙へ跳躍。見下ろす敵の頭めがけ、旗槍の柄をブンと振り下ろす。
「後ろは相棒に任せてあるんでな。心置きなく暴れられるってモンよ!」
『ウゥ……隊列ヲ、維持セヨ……!』
 豪快な打撃が、樽型ボディを強かに打ち据える。衝撃で飛び散る樽の破片にも構わず、懸命に隊列を押しとどめんと抵抗を続けるバレル・ドレッドたち。だが、そんな彼らの動きは、主たるサラの逆鱗に触れたようだ。骨の玉座を苛立たし気に踏み鳴らし、屋敷の女主人はいよいよヒステリックに喚き続ける。
『あぁぁ、もう! 本当に忌々しいッ! さっさと、やっておしまいなさァァァいッ!!』
「やれやれ、煩いことだ。あんな主人を持って、屋敷の連中も気の毒にな」
 癇癪を爆発させるサラに肩を竦めると、ジズは鋭い指笛を響かせた。
 応じるように、彼女の傍へ現れたのは巨大な蜘蛛。鷹のジン「ケレイ」が、ジズのパラドクスで変身した姿だ。大立ち回りを繰り広げるゼキを後方から援護するように、生命エネルギーで撚った糸をケレイが生成する。
(「今この時だけは、屋敷を我らの狩場に作り変えよう」)
 意のままに動く強靭な糸を張り巡らせながら、ジズは静かに攻撃の時を待ち始めた。
 けして目立つことは無い、しかし静かに戦場を支配する――それが、彼女が発動する『蛛網の糸』の力だ。
 ゼキが“動”ならば、ジズは“静”。気配を殺したパラドクスの糸が、抵抗を続ける敵の下へ忍び寄っていく。

『戦線ヲ維持セヨ……交戦続行……』
「いよいよ敵さんも必死だな。なら、ここは速攻で行かせて貰うぜ」
 死に物狂いで炎をまき散らすバレル・ドレッドに対し、ゼキは旗槍を用いた攻勢を更に強めていた。
 エアライドに泥濘の地、更には戦闘用の豊富な残留効果――今までに積み上げて来た力を余すことなく利用する彼に、敵が付け入る隙は絶無だ。
「あんまり長引いて酔いが回ったら、うちの相棒をまたおんぶして帰らにゃならんしな……まァそれも悪くねえけど!」
「ふ……まだ酔う訳にはいかないさ。サラには、しらふで礼を言いたいからな!」
 通信機でゼキに返事を返しつつ、ジズもまた、周囲の敵を巧みに追い込んでいく。
 ゼキの振るう旗槍に、次々と足並みを乱されるワイズガイたち。そうして誘導された彼らを、ジズの張り巡らせた糸が次々と絡め取った。
 ひとたび囚われれば、逃れる術はない。強度と硬度を増したケレイの糸を一息に締め上げれば、捕縛された敵の樽型ボディは一つ残らず切断されて、輪切りとなって転がった。中にはアルコールの弾丸で反撃を行う個体もいたが、この状況では只の悪足掻きに過ぎない。
「一気に追い込むぞ、ゼキ」
「ああ。家主どのへのご挨拶に、さっさと伺いたいしな!」
 糸と旗槍、二つの得物が狙いを合わせ、戦場を駆け巡る。
 後には只、樽の残骸が残るのみ。足音と呼吸を重ね、ジズとゼキは着実に敵を葬り続けるのだった。

 迸るような熱気が、戦場に充満するアルコールの臭気を払拭する。
 二人がパラドクスを行使する度、撃破されたバレル・ドレッドの残骸がホールに山と積み上げられていく。戦闘開始から約数分、復讐者は完全な優勢を手にしつつあった。
「あと一息だな。このまま畳みかける!」
 蛛網の糸を操りながら、ジズが言う。
 戦闘が長引けば、それだけ消耗のリスクは上昇する。何より、これ以上の酒気が充満するのは良い気分では無い――そんな彼女の意思に、ゼキはサムズアップで応えてみせた。
 サラとの決戦はもう目前。護衛のワイズガイには、さっさとご退場願うとしよう。
「武器を取れ。他の誰でもない、ここで生きて死ぬおれたちのために」
 ゼキの旗槍が、戦場に大きく翻る。敵の間合いで旗を振り回し、獲物を蹴散らす『浪の旗幟』のパラドクスだ。印なき旗槍が唸るたび、バレル・ドレッドたちはボディを貫かれ、粉砕され、断末魔の悲鳴を上げながら爆散していく。
「さて。後は仕上げを残すだけ、ってところか」
 連携を断たれた敵を確実に仕留め、残す敵はあと僅か。それが終われば、いよいよ決戦が始まるだろう。
 ゼキは酒樽の残り火に吸殻を投げ、骨の玉座を仰ぎ見る。そこに座す女主人へ彼が投げつける言葉は、喉元に突きつける刃のように鋭い。
「さぁて。カワイイお人形”と”遊ぶ準備は出来てるかい? サラお嬢さんよ」
『ぐぅぅぅぅ……! アタクシの優雅で完璧な作戦を、よくも……ッ!』
 バレル・ドレッドたちの掃討と共に、狭まっていく包囲網。
 復讐者たちの攻勢が、幽霊屋敷の女主人を一歩また一歩と追い詰めていく――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV5になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

マティアス・シュトローマー
【幽霊退治】

やっと会えたね
客を招いておきながら、屋敷の奥に引きこもって顔すら見せないなんてホスト失格じゃない?
君に人形遊びの趣味があろうと、俺達に付き合う義理はない
ウェルカムドリンクもいらないよ

仲間とはお互いの死角を補うように背中合わせで位置取り、声掛けには【パラドクス通信】を活用。攻撃のタイミングや狙いを仲間間で統一する

パラドクスを発動。銃に見立てた人差し指からパラドクスを込めた弾を放ち、貫いた箇所を爆破。ダメージアップの効果も乗せながら、体内のアルコールに引火させる事でその体ごと吹き飛ばしてしまおう
勲が作り出してくれた隙を逃さず、レイラの攻撃に畳み掛けるように、傷付いた敵かこちらに接近する個体から効率よく撃破していきたい
それに俺、まだアルコールを飲める年齢じゃないんだ

反撃の火炎放射はガードアップの効果を纏いながらライオットシールドで振り払い、丸腰で受ける事のないように
陣形を保ったまま、受けるダメージを軽減したい

仕掛けた罠は振るわず、護衛も倒され――それでもまだ、問題はないって言える?


レイラ・イグラーナ
【幽霊退治】

ホストはお客様に寛げる時間を提供するのが役目……貴女はパーティのホストに相応しくはありませんね。
共に戦う方々と、ロサンゼルスの人民の皆様の安寧のため……お覚悟を。

呪詛を込めた針を手に戦闘を行います。
マティアス様、勲様を始め、他の復讐者の方々とは背を預け合うことで数に勝る敵に包囲され死角を突かれることがないように。
中距離より針を投擲、七本の針で呪詛を刻み、八本目の死兆の呪詛で生命を刈り取る【天上奉仕・七星】で攻撃を行います。
攻撃は他の復讐者の攻撃で弱った者やこちらに接近しようと距離を詰めて来る者を優先。なるべく早期に数を減らし、数で押し切られないように
人間も、不死者も、生命なき機械であろうとも、死の呪詛よりは逃れられません。

反撃の体当たりに対しては接近させる前に足を狙い、勢いを弱めることで強烈な体当たりで陣形を崩されないように。
先ほどまでで積み重ねた【ガードアップ】で身体を保護し、堅実に戦います。


三間・勲
【幽霊退治】
他アドリブ連携歓迎

これも彼女なりの歓迎のつもり…なのでしょうか?ちょっと、やりすぎですけれど
彼女が纏うお骨も、館に使われた亡骸も、然るべき場所で静かに眠らせてあげなくては

まずは護衛の撃破からですね
共に戦う仲間と狙いを合わせて、着実に数を減らしていきましょう

複数の『バレル・ドレッド』に囲まれたり死角からの攻撃を狙われないように、仲間の背や側面を警戒するように立ち
【パラドクス通信】も活用して連携を試みます
通信で互いの状況をを知らせ合い、攻撃タイミングを計ります

今度は僕達が驚かせる番ですよ!
パラドクスの力で一時的に敵の周囲を暗闇に変えたら、幻影と火球を用いた攻撃を行います
一瞬でも敵の注意を引いて、積極的に隙を作り味方の攻撃へと繋ぎましょう

敵が放つアルコールの弾丸に備えて「雨衣」を羽織って肌の露出を極力減らしておきます
更に攻撃が集中しやすいと予測出来る範囲は「氷盾」で防御して致命傷を少しでも避けるよう努めます


 人骨造りの大ホールを舞台とする前哨戦は、いよいよ決着を迎えようとしていた。
 緻密な連携と共に繰り広げる復讐者たちの猛攻は、押し寄せるバレル・ドレッドの波を物ともしない。無限にも思えた敵の群れは、気づけば僅かな数を残すのみだ。
 復讐者の一糸乱れぬ足並みで、歩く違法蒸留所を蹴散らす復讐者たち。彼らの刃は未だ鈍ることを知らず、立ちはだかる敵を葬り続ける――。

「ホストはお客様に寛げる時間を提供するのが役目……そう私は考えます」
 未だ玉座から動こうとしないサラを見澄まして、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は告げた。
 銃弾に悪霊、更には密造アルコールの火炎放射。おおよそ“もてなし”の精神から程遠い手荒な歓迎は、メイドとしても許し難いものだ。
 復讐者として、メイドとして、サラは確実に葬らねばならない。得物の針を構えるレイラの双眸が、静かな怒りに燃える。
「サラ・ウィンチェスター。貴女はパーティのホストに相応しくはありませんね」
「全くだよ。客を招いておきながら、顔すら見せないなんて失礼じゃない?」
 レイラに続き、戦闘態勢を取ったマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)が進み出る。
 僅かに残ったバレル・ドレッドを蹴散らす前から、彼の戦意は大いに高まりを見せていた。あの女主人だけは、ここで確実に撃破せねばならない――他の仲間たちと同じ思いを、彼もまた抱いていた。
「君の人形遊びに付き合う義理はない。ウェルカムドリンクもいらないよ」
『客と言うなら、せめてドレスコードくらい守って欲しいですわねェ! バレルちゃんたち、黒焦げに変えておやり!!』
 サラの怒声を背に受けながら、歩く蒸留所たちが復讐者の前に進み出る。
 彼らが樽型ボディに貯蔵した違法アルコールは、火炎放射にも用いる危険な液体だ。下された命令を実行せんと蒸留ノズルを構える敵隊列の背後で、サラがけたたましく笑う。
『アタクシの屋敷を汚した罪は重いですわよ! コンガリ焼かれて、ベソかきながら後悔なさいなァ!!』
「屋敷を汚した、か。……罪なき人たちの尊厳を汚した君が言って良い台詞じゃないな、それは」
 サラの金切り声とは対照的に、マティアスの声は氷のように冷たい。
 会話が成り立つことなど、端から期待していない。これは彼にとって、決戦への戦意を確固とする儀式のようなもの。言うべきことを言い終えたマティアスは、レイラと共に戦闘態勢を整えると、眼前の敵に意識を集中し始めた。

 ホールに展開する敵群との距離を、復讐者たちがじわりと詰めていく。
 先行した仲間たちの奮戦により、戦場の敵は後僅かだ。万一の奇襲にも対応できるよう互いの死角を補いつつ、マティアスは手元の通信機に向かって告げる。
「最後まで油断は禁物だ。タイミング、きっちり合わせて行こう」
「任せて下さい。狙いを合わせて、着実に数を減らしていきましょう!」
 背中合わせに戦闘態勢を取った三間・勲(漁火・g10186)が、通信機を介して返事を返す。
 ワイズガイの暴虐に終止符を打つ為にも、この戦いに負ける訳には行かない。戦場を構成する夥しい人骨と、その為に犠牲となった人々の無念を思いながら。勲は改めて勝利を胸に誓った。
(「サラが纏うお骨も、館に使われた亡骸も、然るべき場所で静かに眠らせてあげなくては」)
 戦場を包む緊迫の空気。
 対峙するバレル・ドレッドと、その主たるサラに向かって、針を構えたレイラが告げる。
「共に戦う方々と、ロサンゼルスの人民の皆様の安寧のため……お覚悟を」
『撤退ハ許可セズ……戦闘続行……』
 人骨の床を踏みしめて、違法蒸留所の軍団が動き出す。
 サラの護衛たちを今こそ殲滅すべく、復讐者たちは戦場へ飛び込んでいった。

「攻撃開始だ。綺麗な花火をサラに見せてやろう」
「ええ。今度は僕たちが驚かせる番です!」
 マティアスに頷きを返し、先陣を切って敵陣へ仕掛けたのは勲だった。
 先行率アップの風が吹き抜ける中、突如として戦場に闇の帳が降ろされる。一瞬の出来事に虚を突かれた敵の群れへ、続けざまに降り注ぐのは灼熱の火球より生じる火炎だ。
 闇の中に次々木霊する、バレル・ドレッドたちの悲鳴。火を浴びて全身を炎上させる彼らの姿は、幽霊屋敷の悪霊より余程強烈に、ワイズガイたちの心に動揺を齎した。
「シュトローマーさん、イグラーナさん!」
「ああ。これは最高の舞台になりそうだ」
「お見事です、勲様。このまま攻め込んで参りましょう」
 勲に応えるように、続く二人が挨拶とばかり敵陣へパラドクスを発動する。
 先手を取ったのはマティアスだった。銃に見立てた人差し指より、発射するのは『ファイアーヴェルク』の弾丸だ。両手の指から放たれた二発の弾が、前方のバレル・ドレッドへ次々と牙を剥く。積み増した残留効果で火力を増した一撃は、標的に一切の抵抗を許さない。
「さあ、その目に焼き付けて」
『ダメージ甚大……危険……』『損害、拡大中……!』
 弾丸の貫いた箇所が、パラドクスの力で花火めいて炸裂する。
 体内に可燃性のアルコールを大量に蓄える相手だけに、炸裂の派手さは随一だった。被弾した個体が真っ赤な炎を上げて、一帯残らず爆発四散していく。
 それと同時、混乱が広がる闇の中で、レイラは得物の針を操りながら標的を葬り始めた。派手さとは無縁だが、その攻撃は冷徹にして精緻。ひとたび狙われれば、死を免れる術はない。
「逃がしはしません。早々にご退場願いましょう」
 投擲する七本の針が呪詛を刻み、八本目の死兆の呪詛で生命を刈り取る。幽霊屋敷の住人であるワイズガイたちも、レイラが浴びせる死の息吹からは逃れられず、全身を穴だらけにされて絶命するのだった。

 ホールを舞台に繰り広げられるバレル・ドレッドとの戦いは、いよいよ殲滅戦の様相を呈しつつあった。
 火炎放射を武器に襲い来る敵の反撃にも、復讐者たちの緻密な連携が乱れることは無い。暗闇の中にパラドクスが煌く度、戦場にはワイズガイの屍が転がっていく。
『メタノール混合……噴射ヲ開始スル……』
「おっと悪いね。俺、まだアルコールを飲める年齢じゃないんだ」
 ライオットシールドを構えるマティアスが、不敵な笑みと共に言った。
 敵が繰り出して来るアルコールの火炎放射は脅威だが、今までに積み重ねた残留効果の強化は、そんな脅威を物ともしない程に頼もしい。信じる仲間たちとの連携がある今は猶更だ。互いに背中を合わせて戦う二人の存在に頼もしさを覚えながら、マティアスは更なる追撃を敵群へと浴びせていった。
「邪魔するなら、容赦しないよ!」
「目標確認……今です!」
「――メイドの針仕事、存分にご覧下さい」
 勲の生成する闇の空間と、敵を撹乱するレイラの針。二人の攻撃と呼吸を合わせ、マティアスの発射する弾丸が次々と標的を射貫き、華々しい爆発と共に撃破していく。
 それは、正に百花繚乱と呼ぶに相応しい光景だった。
 突き刺すようなアルコールの刺激臭は、今や僅かに残るのみだ。
「よし――二人とも、このまま畳み掛けよう」
 決着の時は、今。好機を察知したマティアスの合図に、レイラと勲のパラドクスがホールを満たしていく。

「行きましょう、イグラーナさん!」
「ええ。終わりと致しましょう、勲様」
 足並みを揃えて駆け出した二人は、標的のバレル・ドレッドたちを瞬時に捕捉した。
 残る敵は、もはや片手で数えられる程度だ。速やかに殲滅を完了するべく、先陣を切ったレイラは先頭の敵群を狙い定め、『天上奉仕・七星』を発動。機関銃めいた勢いで、呪詛を込めた針を投擲する。
「冥き天蓋、漆黒の導。忘失の幽星が死を兆す。『貪狼』、『巨門』、『禄存』……」
『グワ……ッ!?』
 両手から音も無く擲たれる針の先端が、鈍い音を立てながら敵の樽型ボディを次々に貫いた。
 3本、4本、5本。狙いすました針は、一つたりとも狙いを過たず、命中したバレル・ドレッドたちに刻印を刻む。刺した相手の“命”を刈り取る、死の呪いの印を。
「『武曲』、『破軍』――『死兆』!」
 不死者だろうと機械だろうと、呪詛を逃れる手段は絶無だ。8本目の針が標的の体を穿つと同時、敵が次々に断末魔の絶叫を上げて地に斃れる。呪いの成就を示すように、絶命した敵の骸は瞬く間に灰へと変じ、跡形も無く崩れ去った。
「勲様、後は頼みます」
「はい。これで幕引きです!」
 仲間たちの想いに応えるように、そして、長き戦いを締め括るように。
 勲は『虚構の漁火』を発動すると、暗闇の戦場に召喚した船の幻影で、バレル・ドレッドたちを取り囲む。船の群れには、眩い火球が掲げられ、僅かに残った敵の姿を一体残らず映し出した。
 そして――。
「ありもしないものに目を奪われていると……」
 火球から放たれた火炎は、さながら竜の顎にも似て、敵の樽型ボディを残さず飲み込み。体内のアルコール諸共、彼らの体を灰も残さず蒸発せしめ。
「……やりました。撃破確認です!」
 闇の晴れたホールには、もはや動くバレル・ドレッドの姿は一つもなく。
 静寂に包まれたホールの只中、響き渡る勲の声が、復讐者たちの勝利を高らかに告げるのだった。

『あ……ああ……』
 ビキッ、と。勲の声に応えるようにホールに響いたのは、骨の砕ける重々しい音だった。
 護衛の全滅を目の当たりにしたサラの手が、玉座の人骨を握り砕く。新たな骨で再生した玉座を更に叩き壊して尚、彼女の激昂は収まらない。
『ああああああああああああああァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!! どこまで鬱陶しい連中ですの!!』
 もはや当たり散らす配下もおらず、ただひとり癇癪をまき散らすサラ。
 そんな彼女と対峙する仲間たちに交じり、マティアスは不敵な笑みを深めて言う。
「次は君の番だ、サラ。仕掛けた罠は振るわず、護衛も倒され――それでもまだ、問題はないって言える?」
『笑わせないで下さいますことッ! バレルちゃんたちを倒したくらいで、もう勝ったつもりですの? アナタたちなんて、今すぐヒネってやりますわァ!!』
 ヒステリックな叫びと共に、濃密な殺意がホールを満たしていく。
 屋敷の罠を突破され、護衛のバレル・ドレッドを喪い、遂に追い詰められたサラ・ウィンチェスター。
 怒り狂う彼女を相手に、次に選ぶ道は戦闘か、会話か。辿り着いた決戦の舞台で、復讐者は動き出す――!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【先行率アップ】がLV3になった!

四葩・ショウ
ああ――やっと、逢えた

一歩、進み出て
彼女の前に跪く

わたし……忘れられないんです
『サラ様』のお人形だった時のこと
どうかもう一度
わたしを貴女様の、人形に

うっとりと
恍惚に頬を赤く染めて
恋する乙女そのものの、演技で
思い込みが激しい彼女に
そう、思い込ませたい

演技のマスクの裏側で
観察して言葉を選ぶ
狡猾なワイズガイ相手だ
簡単には信じないだろうし
すぐ再洗脳しようとする危険もあるけど
リスクは覚悟の上だ
服の下には仕込んだ血糊
話の流れで役に立てばいい

『サラ様』が望むまま
愚かな復讐者を跪かせてみせましょう
なんて、レイピアを向けるけど
仲間を傷つけることはぜったい、しない

ああ、すてき
ぜひその『社交界』へ連れていってください!
ロサンゼルス?それともニューヨーク?
ソーシャライトたる『サラ様』に相応しい
サロンなのでしょうね

いいえ、誰も脅かせません
数多の復讐者を従える
クロノヴェーダは世界でただひとり、
『サラ様』だけなのですから

看破されればジ・エンド、だろうから
仲間が会話する素振りがあるうちだけは
『いい子』のフリを、続けよう


 護衛のワイズガイが一掃され、遂に追い詰められたサラ・ウィンチェスター。
 大広間で殺気立つ彼女の下へ現れたのは、屋敷の罠を突破して来た四葩・ショウ(After the Rain・g00878)だった。
「ああ――やっと、逢えた」
 感激に目を潤ませ、ショウがサラの前に跪く。
 その様子は紛れも無く、サラに心服する『人形』のそれ。知らない者が見れば、まさかショウの振舞いが演技とは思えないことだろう。
「わたし……忘れられないんです。『サラ様』のお人形だった時のこと。……どうかもう一度、わたしを貴女様の、人形に」
『……もう一度、アタクシの人形になりたいですってェ?』
 敵意も露わに口を開くサラに、ショウは静かに頷いた。
 恍惚に頬を染める彼女の姿は、まさに恋する乙女そのものだ。果たして、その演技が通じたか――全身を覆う殺気を微かに緩ませ、サラは無言で先を促した。

(「よし。門前払いは避けられたかな」)
 心中の安堵と緊張を演技のマスクで隠しながら、ショウはサラへ用心深く観察の目を向ける。
 未だサラは警戒を完全には解いていない様子だが、この程度はショウにとっても想定の範囲内。ここが勝負の時と、得物のレイピアを仲間に向け、更なる服従の言葉を紡いでいく。仲間は絶対に傷つけない――胸の内に秘めた不動の誓いを、サラに気取られぬことを願いながら。
「ああ、すてき。是非わたしも社交界へ連れていって下さい! ロサンゼルス? それともニューヨーク? ソーシャライトたる『サラ様』に相応しいサロンなのでしょうね!」
 幾多の復讐者を従えるクロノヴェーダは、世界でサラただひとり。誰も貴女を脅かすことは叶うまい。熱に浮かされた声で賛辞の言葉を送りつつ、ショウは注意深くサラを捉える。
 手応えは悪くない。演技を見抜かれた様子も無い。後は、鬼が出るか蛇が出るか――結果を見届けるだけだ。

『アッハハハハハ! “お人形”になりたい? ええ、ええ、構いませんわよォ!』
 そして――ほんの僅かの間を置いて、サラはけたたましい哄笑を響かせ、ショウを一瞥する。眼の前にいる復讐者の勘違いを教えてやろう、そんなニュアンスを含んだ様子で。
『ただし……アタクシの人形の居場所は、アタクシの屋敷だけ。外出なんて、分不相応ですわ!!』
「……!」
 演技が通じた上でサラが返して来た言葉に、ショウは内心で唇を噛んだ。
 この幽霊屋敷は、サラにとって一番安心できる拠点なのだろう。屋敷の外に出る気を彼女は持っていない――会話を通じて得た情報を胸に刻むショウへ、サラはけたたましい笑いと共に告げた。
『ずっとずっと屋敷の中で飼ってあげましょう。アタクシが飽きて捨てるまでねェ!!』
 これ以上、演技を続けるのは危険だ。そう判断したショウは即座に意識を切り替え、仲間たちへ目で合図を送る。
 会話を行えるのは、あと一回が限度だろう。このまま戦闘に移るか、或いは更なる会話を試みるか。示された選択を前に、復讐者たちが示す答えは、果たして――。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【傀儡】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV9になった!

一里塚・燐寧
4月にハリウッドの調査を行う提案が採択されてたんだけど、その後西海岸に上陸してみたら幽霊屋敷で足止めを喰らっちゃったんだよねぇ
この作戦が終わったら現地に行けるかも
地理的に近いから交流があってもおかしくないし、サラからハリウッドの様子や支配者の情報を聞き出そうとしてみる、ってのはどーだろ?

しっかしまぁ、復讐者を支配できる能力ってのがレアなのは確かだよねぇ
今まであたし達が戦ってきた相手の中には、断片の王ですら同じことが出来る奴はいなかったしさ
その特別な力、お屋敷から出なくたって色々使い道があると思うんだよぉ

例えば……集めた復讐者を操って、とびっきり面白い映画を撮って、ハリウッドに売り込むとかさ
そしたらお金は儲かりまくるし、ハリウッドを支配するジェネラル級にも尊敬されるよぉ
それに映画が大評判になれば街のあちこちから人が集まるワケで……
夜道を帰ってく所とか狙えば、お屋敷の材料が集めやすくなるかもねぇ?

会話を通じて、ハリウッドがコーサノストラでも映画の都かどうかや、サラの知る支配者の人物像を探ろう


「ディアボロスを支配できる能力かぁ。なかなかレアなのは確かだよねぇ」
 肌を刺すような緊迫の空気が漂う中、そう告げたのは一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)だった。
 サラとの会話に許された猶予はあと一回。即座に決戦が始まっても不思議では無い状況下、燐寧はどこまでも冷静に、サラへと視線を向ける。
「あたしたちが戦ってきた相手の中には、断片の王ですら同じことが出来る奴はいなかったしさ。ほんと凄いよぉ」
『アッハハハハ、よく分かっていますわね! その辺りの有象無象とは違うワイズガイ、それがアタクシですわ!』
 骨の玉座に腰かけたサラが上機嫌で笑う。その態度から伺い知れるのは、自身の能力に対する絶大な自信だ。この状況でも復讐者に勝利することは造作も無い――そんな自負が感じられる。
 今ならば、情報を得ることも可能かもしれない。サラが見せた僅かな隙を逃さず、燐寧は外堀を埋めるように少しずつ話を進めていった。

 サラとの会話で燐寧が求める情報。それは、この決戦の“後”に関するものだった。即ち、
 ――コイツをブッ殺した後の攻略先候補……ハリウッドの情報が欲しい。
 ――向こうの様子や支配者の情報も、サラなら持ってそうだしねぇ。
 ハリウッドとロサンゼルスは地理的にも近く、“上”同士の交流があっても不思議では無い。ここでハリウッド方面の情報を得ておけば、今後の攻略にも活用できる筈。ショウが掴んだサラの性格――屋敷の外に出たがらない点を利用し、燐寧は巧みにサラの意識を誘導していく。
「ねぇねぇ。その特別な力、お屋敷から出なくたって使い道があるんじゃない?」
『ふん、例えば何ですの?』
「例えば……集めた復讐者を操って、とびっきり面白い映画を撮って、ハリウッドに売り込むとか」
『――ハリウッド?』
 燐寧が口にした単語を聞いた途端、サラの笑みが凍り付く。
 それを見て、燐寧も確信した。この敵は、ハリウッドに関する何らかの情報を持っている。

「そ、ハリウッド。面白い映画を売ればお金は儲かるし、“向こうの支配者”にも尊敬されるよぉ」
『…………っ!!』
 そして――燐寧が内心をおくびにも出さずその台詞を口にした途端、サラの顔面が奇妙に歪んだ。
 そこに浮かんだ強烈な憎悪の感情に、燐寧の確信は一層揺るがぬものとなった。即ち、ハリウッドを治めるジェネラル級をサラが知っていることを。
 どうやら、ハリウッドの支配者をサラは嫌っているらしい。会話で得た情報を元に燐寧の誘導は尚も続き、そして、
「映画が大評判になれば街のあちこちから人が集まるワケで。お屋敷の材料も――」
『黙れええぇぇェェェッ! アタクシがハリウッドに!? キング・オブ・ポップの機嫌伺いなんて願い下げですわ!』
 落雷めいた絶叫が、人骨のホールに響き渡る。
 悪鬼の如き形相を浮かべるサラ。その口から語られた支配者の名前を、燐寧はしっかりと記憶に刻み込んだ。

「キング・オブ・ポップ……確か、グラハム・ベルの支援者だっけ。なるほど、貴重な情報ありがとねぇ」
『あの忌々しい小洒落た男……嗚呼、虫唾が走りますわァ! よくもアタクシに、奴の顔を思い出させましたわねェ!!』
 誰の言葉も耳に入らぬ様子で怒り狂うサラの様子に、燐寧は思わず苦笑した。
 改竄された歴史における“彼”の為人は不明だが、陽キャタイプである可能性は高いだろう。屋敷に籠るサラが嫌うのも、ある意味では当然かもしれない。
(「ま、今となっては関係ないか。だってサラは、ここでブッ殺すからねぇ」)
 燐寧の瞳に、獰猛な戦意の火が灯る。女主人の口から、呪いの絶叫が木霊する。
 かくして、今。ロサンゼルスの幽霊屋敷を巡る戦いは、決戦に向けて動き出す――!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

アンゼリカ・レンブラント
【蒼紅金】
サラ・ウィンチェスター、
1つお礼を言わないといけないかな

貴女の目論見が隙だらけだったおかげで
結果、恋人をとさらに仲を深めることができたよ!
もう二度と離しはしないとも――

ネメシス形態の聖女モードで挑むよ
共に戦うミアやシル、そして戦闘の仲間と
【パラドクス通信】を駆使し仕掛けるタイミングを合わせ
前に出ながらパラドクスの砲撃を思いきり叩き込むっ

重ねた【命中アップ】で攻撃の成功段階が上がると嬉しいね
反撃もしっかり堪え、ダッシュして脚を使い
相手を左右に揺さぶりつつ砲撃を撃ち込んでいくよ

相手からの巨大な家の怪物には障壁を全開に凌ぐね
貴女のパラドクス、呪いの幽霊屋敷を進む中で見ているし
【ガードアップ】も先ほどより積み上げているもの、負けるもんか!
気持ちは負けず、友を鼓舞する言葉をあげながら戦うよ

仲間と連携を意識し攻撃を重ね
今、必殺の一撃
《終光収束砲》を思い切り叩き込むねっ!
私達の奪還の志よ、光となりて最大まで輝けぇーっ!

まだまだ決着には至らないかもしれない
それなら倒すまでやるだけ。ね、みんな!


ユーフェミア・フロンティア
【蒼紅金】
ネメシスモードの金髪金目の聖女モードになります。

サラ・ウィンチェスター、貴女には御礼をしなければいけませんね。
洗脳はもう遠慮したいですが、おかげで素敵な絆を、愛を改めて感じ取れたこと。
これに関しては御礼を言いますよ。

でも、それ以外に関しては…。
ここでしっかりと断ち切らせて頂きます!

前に出るアンゼリカを支援するために神火収束砲を撃ちます。
近接の攻撃前なら支援に、攻撃後なら援護射撃になるとは思いますしね。

撃った後は、アンゼリカに追走して後ろを取らせないような位置取りを行います。
全体の動きは、シルさんが見ていただけるし、何かあればパラドクス通信からの伝達が来るかと思いますから。

敵の攻撃は、聖杖を回転させて防御体勢をとります。
痛打は浴びやすいですが、それでも、重ねたガードアップは裏切りませんっ!
なので、耐えきって、反撃もしっかり撃ち抜かせてもらいます。

まだまだ私達は立っていますよ。
貴女と私達、どちらが最後に立っているでしょうね。
それでは、続きを行いましょうか。


シル・ウィンディア
【蒼紅金】
愛する二人の熱い想いも聞いたし。
そろそろやりましょうか、サラ・ウィンチェスター!

ネメシスモード開放。
銀髪銀目の天使モードでお相手するよ!

今回のわたしは固定砲台モード。
前にはアンゼリカさん、フォローにミアさんだから。
全体の確認はわたしがするよ。
だから、目一杯行っちゃってっ!!

世界樹の翼type.Aを構えて高速詠唱。
使うのは十芒星精霊収束砲っ!
それじゃ、ドカンと一発号砲を上げさせてもらうよっ!!

撃った後も動かず、敵の動きをしっかり観察だね。
攻撃の動作とかそういうのがあればパラドクス通信で情報共有して警戒を呼び掛けるよ。

敵攻撃は、創世の光剣を左手に抜いて切り払い。
弾道変化ってことなら、当たる場所をこっちで誘導してあげたら!
胸当てや剣に当たるようにして防御を行うよ。

お人形遊びは楽しかった?
でも、そんな時間はもう終わりだよ。
…あなたにはこの先を見ることをさせないから。

全力魔法の十芒星精霊収束砲!
わたしの全力全開、遠慮せずにもってけーっ!

…まぁ、ジェネラルがこれだけで倒れることはないよね。


 決戦の舞台と化した大ホールで、復讐者たちは事件の黒幕と対峙する。
 屋敷の罠を突破し、違法アルコールをまき散らすトループスを排除し、そうして今や幽霊屋敷に残るのは、完全に孤立した女ワイズガイだけだ。
 サラ・ウィンチェスター。数多の幽霊屋敷を築き、数え切れぬ惨劇を齎し続けた元凶。
 ここで彼女を討ち果たさねば、ロサンゼルスが恐怖から解放されることはない。長き惨劇に終止符を打つ為、復讐者たちは最後の戦いに臨もうとしていた。

「……サラ・ウィンチェスター、あなたには、1つお礼を言わないとね」
 対峙する女ワイズガイに向かって、復讐者の少女がそう告げる。
 強い芯を秘めたその声の主は、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)。彼女の堂々とした態度からは、仲間たちへの揺るがぬ信頼が伺える。
 先の幽霊屋敷に纏わる事件において、大事な仲間との絆を深めた復讐者は少なくない。彼女もまた、その一人だった。
「私は、恋人と仲を深めることができたよ。貴女の目論見が、隙だらけだったおかげだ」
 もう二度と、彼女を離しはしないとも――誓いの言葉と共に、アンゼリカは微笑を送った。サラの洗脳から解かれ、深い絆を結ぶ恋人、ユーフェミア・フロンティア(光彩聖姫・g09068)へと。
「……サラ。私も、貴女には御礼をしなければいけませんね」
 春の日差しを思わせる微笑みを浮かべ、ユーフェミアがサラに言う。
 先の幽霊屋敷の事件を解決に導く中で、アンゼリカとの絆を、そして愛を、彼女は改めて感じ取ることが出来た。そのことについて、自分は掛け値なしの感謝を覚えている――。
 そう告げた後、ユーフェミアは大きく深呼吸を一つ。面持ちを決戦に臨む復讐者のそれへと一変させた。
「でも、それ以外に関しては別。貴女の野心は、ここで私たちが断ち切ります!」
『アッハハハハハ!! 大口を叩けるのも今の内ですわッ!! さっさと跪いて、お人形になる準備なさいなァ!!』
 戦場中の人骨という人骨を威嚇するように揺らしながら、サラが傲然と叫ぶ。
 自身の勝利を疑わないその姿に、ユーフェミアもまた得物の聖杖を構えることで応じた。この決戦は自分たちが勝利する。確かな予感と共に、そのことを信じていたからだ。

 張り詰める戦場の空気。その只中、復讐者たちの肉体が変異を始めた。
 アンゼリカとユーフェミア、聖女の装束を纏った二人の髪が金色の輝きを帯びて靡く。その後方、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)は青い長髪を銀一色に染め、銀目の天使へと姿を変える。クロノヴェーダへの復讐に特化した、ネメシス形態で決戦に臨もうと言うのだ。
「愛する二人の熱い想いも聞いたし。そろそろやりましょうか、サラ・ウィンチェスター!」
 最後方に陣取りつつ、世界樹の翼type.Aを手に取ったシルが言う。
 彼女の役割は、最前列のアンゼリカ、そしてフォロー担当のユーフェミアを固定砲台モードで援護すること。戦場の様子をリアルタイムで把握する上でも、最後方の立ち位置は最適だ。前衛の二人と連携する為のパラドクス通信で、彼女は攻撃開始の合図を送る。
「全体の確認はわたしがするよ。だから、二人とも目一杯行っちゃってっ!!」
「わかった。任せたよ、シル!」
「宜しくお願いします。共に勝利を掴みましょう」
 言葉を交わし、心を一つに立ち向かう復讐者たち。
 いざ決戦の嚆矢となるべく、三人は幽霊屋敷の主へと立ち向うのだった。

 ホールに木霊する悪霊たちの嘆き。それを振り払うように、アンゼリカが先陣を切って駆け出した。
 孤立状態とはいえ、標的のサラはジェネラル級だ。三人で力を合わせねば、全力の一撃を叩き込むことは望めないだろう。油断の心を排し、アンゼリカが秘めたる闘志を解き放つ。
「このまま前に出るっ! 援護お願いっ!」
 勇猛果敢な闘姫の声が、復讐者たちの心に勇気の火を灯す。
 ユーフェミアは中衛で攻撃準備を完了すると、『神火収束砲』の照準をサラに定めた。かつて彼女を洗脳したジェネラル級を前にしても、恐怖を覚えることは無い。今の自分には、頼もしい恋人が一緒なのだから。
「私にできることを、全力で」
 パラドクス発動と同時、空気が熱を帯びる。内に秘めたる魔力、そして平和を求める心。ユーフェミアの力が紅蓮の熱へと変換され、戦場を席巻していく。そして、
「――浄化の炎よ、悪しき者を清める力を……!」
 掲げた聖杖より発射されるは、燃え盛る魔力の砲撃だ。
 悪しき者を撃ち抜く力を秘めた砲弾は、アンゼリカへの最高の援護となって、恐るべき勢いでサラへ襲い掛かる。地響きの轟く中、被弾したサラの体が衝撃で後方へと押し下げられた。
『ぐううゥゥゥッ! やぁぁぁってくれましたわねェェェ、ディアボロス風情がァァァァ!!』
「シルさん、追撃をお願いします!」
「オッケー! ドカンと一発号砲を上げさせてもらうよっ!!」
 負傷した怒りに顔を染め、サラが呪いの言葉を叫ぶ。一方のユーフェミアは、降り注ぐ弾丸を聖杖で凌ぎながらアンゼリカの追走を開始。その後方では、高速詠唱を駆使するシルのパラドクス発動に応えるように、世界樹の翼に備わる風翼が静かに広がり始めていた。
 幽霊屋敷の主を、ここで逃がしはしない。
 疾駆、援護、そして追撃――まさに三位一体の動きを以て、復讐者たちは更なる猛攻を仕掛けていく。

 ユーフェミアの砲撃を皮切りに、シルとアンゼリカが怒涛の連携でサラへと迫る。
 それを迎え撃つように、シルの周囲に現れたのは無数のライフル銃だ。復讐者の攻撃など許さぬとばかり、一斉発射された弾丸が出鱈目な軌跡を描きながら、怨霊の呻きを上げてシルに降り注ぐ。
「流石はジェネラル級、油断大敵ってところかな。でも……!」
 対するシルは、装着した胸当てで弾丸の嵐を受け止める。全てを受けることは叶わずとも、ガードアップで上昇した防御は既に最高レベル。いかにジェネラル級の攻撃であろうと、易々と深手を負いはしない。ネメシス発動による強化も手伝って、受けた傷は未だ軽微だ。
 銃撃の嵐を力ずくで掻い潜ると同時、杖頭の藍鉱石が花開く。シルの攻撃準備が完了した証だった。
「お人形遊びは楽しかった? でも、そんな時間はもう終わり。……あなたにはこの先を見ることをさせないから!」
 決然たる言葉と共に、パラドクスに込めるのは不退転の覚悟だ。
 その想いに応えるように、『十芒星精霊収束砲』の発動と共に出現した魔方陣が、シルの前で回転を開始する。膨大な魔力を形成し、増幅。そして――眩い一対の光翼が彼女の背中に現れた瞬間、集束された魔力が発射された。
「わたしの全力全開、遠慮せずにもってけーっ!」
『ぐ……っ! 煩いですわね、小娘がァ!!』
 あらゆる障害を濁流のごとく押し流すシルの魔力に、しかしサラは怯まない。砲撃で身体が焼け焦げるのも構わず、怒りを露わに追加のライフルを次々生成し始めた。
 この決戦は死力を尽くした闘いであり、決着をつけるのは何れかの死のみ。斃れるのはサラか、それとも復讐者か――両者の死闘は尚も激しく、屋敷のホールを呑み込んでいった。

「このまま、サラを追い込む! 皆、頑張って行くよ!」
「はい。逃がしはしません……!」
「焦りは禁物だね。大丈夫、私たちなら勝てるっ!」
 それからも、三人の復讐者による猛攻は続いた。
 固定砲台としてシルが後方より浴びせる砲撃が、遊兵として戦場を駆けるユーフェミアの浄化の炎が、絶え間なくサラへと降り注ぎ、その身に傷を刻んでいく。
 対するサラも、その戦意は些かも衰えない。防戦に回ることを由とせず、幽霊屋敷の怪物を召喚すると、復讐者たちの連携を乱さんと戦場を増築し始めた。
『ふっふふふ! そのプライド諸共、叩き潰してあげますわァ!!』
 響き渡る轟音の只中、無数の人骨が悪霊の呻きと共に組み上がり、蠕動しながら拡張されていく。
 柱と壁は手足となり、せり出す床は牙となり、地響きを立てて迫る怪物に、しかしアンゼリカが止まることは無く。砲撃をフェイントで浴びせながら、ダッシュの速度を更に上げる。
「この程度で、止まるもんか……!」
 展開した障壁を頼りに怪物の猛攻を防ぎながら、アンゼリカが叫ぶ。
 そう、共に戦う二人の為にも、ここで止まることは許されない。燃え上がる闘争心を力に変えて、パラドクスの輝きで戦場を照らすアンゼリカ。それを合図に、後方よりユーフェミアとシルが放つ砲撃が、その勢いを更に増し始めた。

 そして――。

「行くよ皆。私たちの想い、サラにぶつけるっ!」
 闘姫の鼓舞に応えるように、ユーフェミアが、シルが、一斉砲火を開始する。
 どれだけ傷を負おうとも、戦う意思を失いはしない。間断なく降り注ぐ二人の猛攻に押し込まれ、ガードをこじ開けられるサラ。果たしてその瞬間を、アンゼリカは逃がさなかった。
「奪還の志よ、光となりて最大まで輝けぇーっ!」
 『終光収束砲』の発動と同時に発射された光は、標的であるサラを呑み込んで、その身を人骨の玉座もろともに蹂躙する。
 繰り出した渾身の一撃は、さしものサラも防ぎ切る術は無く。轟音と共にたなびく爆炎の只中で、女主人の絶叫が屈辱の色を帯びて響き渡った。
『アアアァァァッ! よくも、よくもアタクシのお気に入りの椅子を! 絶っっっっ対に許しませんわよォォォォ!!』
「流石にしぶといね。まぁ、ジェネラルがこれ位で倒れる訳もないか……けど!」
「ええ、戦いはまだまだこれから……最後に立っているのは私たちです」
 怒り狂うサラを前にシルとユーフェミアは戦意を奮い立たせ、再び杖を構える。
 屋敷に踏み込んだ時から、この激戦は承知の上だった。勝利を掴むまで戦い続ける覚悟を分かち合いながら、アンゼリカもまた力強く頷いて見せる。
「わたしたちは負けない。あなたを倒すまで、力を合わせて戦い続ける。ね、みんな!」
 この決戦を制し、ロサンゼルスを制圧する為、負けることは許されない。
 アンゼリカの言葉に応えるように、次なる復讐者たちが決意を胸にサラへと戦いを挑もうとしていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV10(最大)になった!

三間・勲
譲二さん(g08603)と
他連携アドリブ歓迎

ご心配をおかけしてしまうのは分かっていますが…時には傷付く覚悟を持たなくては勝てません
全力で僕を助けに来て下さった気持ちに報いる為にも、今は共に前に出て戦わせて下さい

先程の戦いによる負傷も考慮し、召喚した小型の駆逐艦達で周囲を、そして「氷盾」で正面を守り、銃撃に備えつつ戦います
僕自身に返って来るパラドクス攻撃に警戒した上で、連携を取りながら周囲の変化にも対応して動きましょう

前へ出る譲二さんに合わせるように、駆逐艦の砲撃で援護しながら『サラ・ウィンチェスター』に接近
仲間と狙いを合わせて砲弾で骨の装甲に損傷を与え、僅かにでも綻びが出た所に「軍刀」を突き刺し傷口を広げるように
一か所に留まり続けて銃の集中攻撃を受ける事を避ける為、攻撃後は素早く身を引き身を守る態勢へ
譲二さんもお気を付けて。機を見て一気に攻めましょう!

自身の衝動や欲のままに犠牲者を増やそうとする
…どこにでも困ったクロノヴェーダは居るのですね
貴方が縛り付けてきたものを、解放してもらいますよ


八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
基本は勲(g10186)と合わせる

ある程度の覚悟は常にしてるが、親しい友人が行方不明になるなんて正直もう御免だよ
なるべくならサラを可愛い仲間達に近寄らせたくない
【パラドクス通信】で連携を取りつつこっちにヘイトが向くよう誘導し、積極的に前に出る

おい骨女、黙って聞いてりゃヒステリックにキンキンと!
お前みたいな品のない女は社交界でも歓迎されねえよ
お上品気取って人形遊びしたがる前に、イチから熟女教育受け直してきやがれ!

サラの戦闘力はそこまで高くないと聞くが俺はジェネラル戦の経験自体が浅い。油断せず全力で当たるぞ
ネメシス解放、白翼を広げて巨大肉叩きハンマーを手に接近
[調理器具利用強打]で肉も骨も粉々に砕きにかかる
友人を守りたいのも本当だが同時に肩を並べて戦えるのが嬉しいとも思っちゃうな
攻撃箇所は遠慮なく合わせていこう

館の増築が反撃か。勲、巻き込まれないよう気を付けてな!
迫ってくるそれらもブッ叩いて壊す
建築物の解体工事にゃハンマーもよく使われるしな。全部瓦礫にしてやるぜ
粉骨供養だ!


 ついに決戦の幕が開けた、幽霊屋敷の大ホール。巧みな連携と豊富な残留効果を活用し、迫り来る銃弾と増築の猛攻を凌ぎながら、復讐者たちはサラ相手に一歩も退かず戦い続けていた。
『アッハハハ! 逃げ惑いなさい、ディアボロス! アタクシの屋敷で、ぜんぶ呑み込んであげますわァ!!』
 女主人の狂笑がけたたましく木霊する。笑い声が響く度、ホールに反響するのは無数の人骨がパイプオルガンめいて奏でる苦悩と無念の嘆きだ。
 手負いとなって尚、自身の力を誇示するように猛威を振るうサラ。
 そんな彼女を討ち取るべく、復讐者たちは更なる激戦へと身を投じていく――。

「よし、戦いは順調だな。ここは俺も、積極的に前に出るとするか」
 先行した仲間たちに続き、八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)はサラとの決戦に改めて気合を入れ直した。
 戦闘力は高くないサラだが、それはジェネラル級という括りでの話。並の相手とは桁の違う強敵であり、だからこそ油断は出来ない。大事な仲間を守る為、負傷も厭わぬ覚悟で譲二は死闘に臨んでいる。
「親しい友人が行方不明になるなんて、正直もう御免だからな。やるぞ、勲」
「ええ、宜しくお願いします。でも、ひとつだけ……今は共に、前に出て戦わせて下さい」
 譲二に首肯を返しつつ、隣に進み出るのは三間・勲(漁火・g10186)。柔らかい物腰ながら、彼が纏う空気には断固とした決意が備わっている。かつて助けに来てくれた譲二の気持ちに報いる為にも、この戦いは一歩も退く訳にはいかない。
「時には傷付く覚悟を持たなくては勝てません。ご心配をおかけしてしまうのは、分かっていますが……」
「今がその時、か。……分かった、だが無茶だけはするなよ」
 あえて多くを語らず、譲二は静かに頷いた。
 こうなった勲は梃子でも動かないことは、彼もよく理解している。ならばせめて、サラの狙いを引く位はやらせて貰おう。連携用にパラドクス通信を発動し、眼鏡越しに鋭い視線をサラへと向けた。

「おい骨女、黙って聞いてりゃヒステリックにキンキンと!」
 戦場に響く金切り声をかき消さん程の大声で、譲二がサラに啖呵を切る。
 果たしてサラの意識が瞬時に自分へと向けられた瞬間、彼は内心でほくそ笑んだ。その真意は、挑発の言葉でサラのヘイトを誘導、その狙いを引きつけることだ。怒りに歪む敵の顔面を真正面から見据え、譲二はダメ押しとばかり畳み掛けるように挑発を浴びせた。
「お前みたいな品のない女は、社交界でも歓迎されねえよ! お上品気取って人形遊びしたがる前に、イチから熟女教育受け直してきやがれ!」
『だァァァァァァァァァァァれがッ、骨女ですってェェェェ!? 血祭りに上げてやりますわァァァァァァァァァァ!!』
「……やれやれ。耳栓でも持って来れば良かったかな」
 あまりに覿面すぎる効果に苦笑しつつ、譲二は得物の巨大肉叩きハンマーを構えた。
 少なくともこれで、サラの敵意は完全に自分へと向いたことだろう。油断なく戦闘態勢を取った彼の隣では、勲もまた小型の駆逐艦群で周囲を固め、準備を終えていた。手にした氷盾は、正面からの銃撃を警戒してのものだ。
「それでは。始めましょう、譲二さん!」
「ああ。屋敷もろとも、あのワイズガイを木っ端微塵にしてやる!」
 肩を並べる二人は頷きを交わし合い、怒り狂うサラに戦いを挑む。
 敵は人骨の幽霊屋敷を支配する、忌まわしい女ワイズガイ。そんな彼女との次なる死闘が、いま幕を開けた。

 人骨で築かれた屋敷のホールを、譲二と勲が肩を並べて疾駆する。
 サラの哄笑に怯えるように、悪霊の呻きが木霊する。彼我の距離が縮まりゆく中、ハンマーを振り被って駆ける譲二の背中に眩い白翼がはためいた。
「油断はしない、全力だ。ネメシスの力を受けてみろ!」
「援護します! 目標、サラ・ウィンチェスター。砲撃開始!」
 駆逐艦の砲口をサラへと向け、勲が譲二を支援する。阿吽の呼吸の下に行われるサポートに頼もしさを覚えながら、白翼の特級厨師は疾駆の速度を更に上げた。
 それを迎え撃つように、ホールの床より巨大な屋敷が生み出される。サラによって召喚された、人骨と悪霊で造られた家型の怪物だ。並の者が聞けば竦み上がるような絶叫を上げて迫る屋敷を前に、譲二は尚も止まることなく。巨大肉叩きハンマーを振り被り、全力で床を踏みしめた。
「館の増築で迎撃か。勲、このまま突っ込むぞ! 巻き込まれないよう気を付けてな!」
「分かりました。お気を付けて、譲二さん!」
 パラドクス通信を介し、二人が息の合った動きでサラへ肉薄する。
 ハンマーで怪物を粉砕して進む譲二。そんな彼の血路を切り拓くべく、勲が敵側面へと旋回を開始した。
 『戮力協心の陣』の発動と共に、小型駆逐艦群に命じるのは砲撃による集中砲火。狙うは肩部の装甲、サラのガードをこじ開けることに、今は全力を注ぐ時だ。

「皆のために、皆と一緒に!」
 駆逐艦群の砲撃がサラを捉え、着弾の衝撃が木霊する。粉砕されて飛び散る骨片を振り払い、勲は瞬時にサラの懐目掛けて跳躍すると、抜刀した軍刀を一思いに突き刺した。
『う、ぎゃああアァァァァァァァッ!! よ、よくも! よくもアタクシの体に傷をォォォォ!!』
 軍刀を通じて感じる鈍い手応え。一拍遅れ、サラの絶叫が木霊した。砲撃を集中させた方へ切先を突き立て、傷口を広げる斬撃の齎したダメージを、それは雄弁に物語る悲鳴だ。反撃で降り注ぐライフルの銃弾を、勲は即座に身を引きつつ、構えた氷盾で受け止める。
 弾丸の何発かは盾をすり抜けたが、残留効果による肉体の効果もあって、受けたダメージは軽微だ。何よりも、心の底から湧き上がる怒りが、勲に痛みを忘れさせていた。
 自身の衝動や欲のままに犠牲者を増やそうとする、邪なワイズガイ。彼女の暴虐を、これ以上許す訳には行かない。
「サラ・ウィンチェスター! 貴方が縛り付けてきたものを、解放してもらいますよ!」
 守りを砕き、血路を拓き、今こそ全力で攻める時。
 勲の合図に応えた譲二が、ハンマーを構えてサラ目掛けて疾走する――!

「今です、譲二さん!」
「ああ。あの骨女に、とっておきをくれてやろう」
 勲に返事を返しながら、サラを狙う譲二の視線が鋭さを増した。
 危険を顧みずに勲が拓いた血路は、今や絶好の好機を齎している。これから叩き込む一撃は、間違いなくサラに大きな傷を与えるだろう。直撃の軌跡を導く命中アップの光と、そして何より、友人である勲と肩を並べて戦える嬉しさを噛み締めて、譲二はそのことを確信する。
「全部瓦礫にしてやるぜ。粉骨供養だ!」
『ふん、無駄な足掻きですわァ! アタクシの屋敷でペチャンコに――ッ!?』
 迫る譲二を叩き潰さんと、屋敷の怪物が巨大な拳を振り下ろす。だが次の刹那、豪快に唸るハンマーの殴打は、怪物の巨躯を只の一振りで粉砕した。
 そして次の刹那。絶句するサラの懐へ一気に飛び込んだ譲二の手で、肉叩きハンマーが振り下ろされる。増幅された怒りをありったけ込めて放つ、『調理器具利用強打』の一撃だ。
「これが――俺たちの力だ! どっせーーーい!!!!!」
『が、ぎッ、アアァァァァァァッ!!』
 人骨の砕ける派手な音と共に、サラの絶叫が木霊する。
 いかなる強敵も、肩を並べて乗り越えてみせる――その決意と矜持を、二人は確かに示したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV7になった!

ゼキ・レヴニ
【轍炉】

目線を受け、後ろは見てるぜとジェスチャー返し
口上を聞けば、ヒュウと口笛ひとつ
サラさんよ、うちの相棒を相当怒らせちまったなァ
まァ、おれはそれ以上に腹が立ってんだけどよ
あの程度でおれたちの絆を断ち切れると思ってたお前さんにな

戦場に満ちていく冷ややかな瘴気は、今はおれにとっても都合がいい
嘗て戦地で刻み込まれた恐怖の記憶を『躯』に注いで形作った鉄線を
瘴気に紛れて忍び寄らせ、【命中アップ】で狙いを澄まし
ジズの攻撃に合わせ、サラの足に絡みつかせるぜ
もがくほど食い込む鉄の荊で更に恐怖を煽ってやる
感じねえか?この屋敷中の人骨がお前さんを視てるのを
お前さんが呪い殺されんのを今か今かと待ってんだ

戦場を俯瞰できる位置をキープし、攻撃が来る方向をジズや仲間に警告
サラが反撃しようと動いた瞬間に【防衛ライン】を動線に引く
攻撃がそれで止められる訳は無えだろうが
一瞬でも動きを阻害して、防御態勢を取る時間を稼げりゃ上々
召喚された家の怪物には鉄条網を絡みつかせて動きを鈍らせ、破壊しつつ
【飛翔】で立体的に回避を狙うぜ


ジズ・ユルドゥルム
【轍炉】
ネメシス化。クロノス級マミーの姿をとる
獣神の面を軽く上げ、次は私が前に出るとゼキへ目線を送り
「不死模倣・死奉の斧」を起動

あの時の人形が礼を言いに来たぞ、サラ
貴様は、私の内心を、土足で踏み荒らしたな。
自らの行いを悔いろとは言わない。
私が望むのは、貴様に報いを受けさせることだけだ。

会話しながらも戦場を瘴気で満たし、サラの精神へ死の恐怖を忍び寄らせる
幽霊屋敷の家主殿の恐怖耐性がどれほどか、お手並み拝見といこう

【先攻率アップ】の風を吹かせて先手を狙うと同時に
「守護者の戦斧」を構え、至近距離からの近接戦を仕掛ける
よく研がれた長大な刃を迷いなく振るい続け、サラに眼前の私への対処を強いて
ゼキが忍び寄らせる鉄戦から奴の意識を逸らしたい

鉄線が絡みついたのを見計らい、奴の急所へ斧を振るい猛攻を仕掛けて
精神面と攻撃面で圧倒したい

反撃の弾丸は…いくら弾道が無軌道でも、命中の瞬間は必ずこちらへ向かってくる
私へ向かう弾道を見極め、斧で防御を試みる
弾道の見極めが霊障で撹乱されないよう、冷静さを保たなければな


 熱く乾いた一陣の風が、戦場を吹き抜ける。
 海に面するロサンゼルスの温暖な風とは違う、それは生命の営みを拒む砂漠の風。そこに乗って響くのは、ネメシスに変異したジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)の声だった。
「……あの時の人形が礼を言いに来たぞ、サラ。貴様は、私の内心を、土足で踏み荒らしたな」
 獣神の面を被ったマミーの姿で、ジズが厳かに告げる。かつて自分を洗脳したサラと対峙するジズは、砂漠の風よりも熱い苛烈な復讐心で、守護者の戦斧を静かに掲げた。触媒となった得物は長大な片刃斧へと具現化され、戦場を濃密な瘴気で包み込んでいく。
 あのワイズガイに示す情けなど、元より無い。自身の意思は力で示すと、ジズは既に決めているのだ。
「自らの行いを悔いろとは言わない。私が望むのは、貴様に報いを受けさせることだけだ」
『ふん、笑わせるじゃありませんの! 物分かりの悪いコは、二度でも三度でもお人形にしてあげましょうねェ!!』
 自信満々の態度を崩さないサラの姿に、ジズは口の端を小さく吊り上げた。
 やはり、奴は何も分かっていない。
 今の自分は、相棒と共に決戦に臨んでいるのだ。その意味を、今から存分に思い知らせてやらねばなるまい――。

 復讐者とサラ、互いの敵意が充満する屋敷の中枢。
 その只中で、ジズは獣神の面を軽く上げると、相棒のゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)に目線を送る。それにゼキは無言でウィンクを返し、一切承知と後方に陣取った。前列での戦いを望むジズの意思を汲み、彼女の後背を守る――それこそゼキが自身に課した役割だ。
「やれやれ……サラさんよ、うちの相棒を相当怒らせちまったなァ?」
 ゼキは軽く口笛を吹いて、同情の視線を敵に向ける。ジズがああなった時の恐ろしさを、彼は良く知っていたからだ。
 とは言え、見逃す気など更々無い。苦笑を浮かべつつ、燃える怒りを宿した双眸からも、それは明白すぎる程に明白だった。
「まァ、おれはそれ以上に腹が立ってんだけどよ。あの程度でおれたちの絆を断ち切れると思ってた、お前さんにな」
 ゼキが言葉を投げる間にも、ジズが生み出す瘴気は戦場に着々と満ちていく。
 無論、単なる瘴気ではない。『不死模倣・死奉の斧』が齎す、それは敵の精神を死の恐怖で蝕むパラドクスだ。人ならざるクロノヴェーダであろうと、その力からは決して逃げられない。
「――幽霊屋敷の家主殿の恐怖耐性がどれほどか、お手並み拝見といこう」
 戦場の風が残留効果となってジズに先手を齎す。熱く、そして苛烈な戦いが始まろうとしていた。

 サラとの遣り取りを終え、先行を得たジズが人骨の床を蹴って疾走する。
 一層濃さを増していく瘴気の中、ゼキに背後を任せた彼女は、戦斧の長大な刃を以てサラを狙い定めた。
「逃がしはしない」
 瞬時に肉薄を果たしたジズの連撃が、サラめがけて繰り出される。一気呵成の勢いで繰り出す戦斧の刃は、サラを瞬く間に防戦へ追い込んだ――かに見えた。
『アッハハハ!! この程度で、このアタクシを追い詰めようだなんて、とんだお笑いですわねェェェ!!』
 旺盛な戦意を溢れさせ、サラのパラドクスが戦場を包み込む。次の瞬間、四方より発射される怨霊の銃弾が、怒涛の勢いで降り注ぎ、ジズを押し返し始めた。
 手負いとは言え、腐ってもサラはジェネラル級。無秩序に起動を変える弾丸の嵐で傷を刻まれていくジズの姿に、サラの口からは一際けたたましい哄笑が零れ始める。
『アハハハハハハッ! もう終わりですの!? 口ほどにもありませんわねぇぇぇェェェ!!!!』
「……ふふっ」
 だが、そんなサラとは対照的に、ジズは至って冷静だった。
 少なからぬ銃弾を浴びていながら、未だ彼女には欠片ほどの焦りも滲んでいない。その様子に違和感を覚えたのか、ふいに警戒を強めるサラへ、ジズは今度こそ笑みを向ける。余りにも気づくのが遅い。もう少し周囲に注意を払っていれば、まだ勝負はどう転ぶか分からなかったろうに。
「正直、演技に自信はなかったが……もう少し、狼狽えるフリでもすべきだったかな?」
『ふん、何を言って――!?』
 再び勢いを取り戻し、更なる銃撃をジズに浴びせんとするサラ。そこで初めて、彼女は自身を襲う違和感に気が付いた。
 踏み出そうとした足が動かない。更に注意を凝らした彼女は、自身の身体が拘束されていることを悟る。
 拘束具の正体は、長く頑丈な鉄線だ。ジズの後方、ゼキの変形させた『躯』が、『走狗の檻』のパラドクスでサラの両足に大蛇のごとく絡みついているのだった。

『……!? ……っ!!』
「さァて。捕まえたぞ、家主殿」
 笑みの凍り付いたサラを前に、彼女の両足を拘束したゼキが不敵に告げる。
 幽霊屋敷の主たる彼女は、そこで初めて復讐者たちの狙いを悟った。ジズが銃撃で押し返されたのは、最初から自分の注意を引きつける為の陽動。その間に本命である鉄線は瘴気に紛れ、自分の両足を絡め取ったのだ。
「じゃ、始めるか。ジズ、準備はいいか?」
「無論だ。いつでも行ける」
 戦斧を構え、ジズが頷きを返す。どこまでも淡々とした彼女の声色が、今のサラには却って恐ろしい。その心は戦場を覆う瘴気によってじわりと膨れ上がり、屋敷の主から余裕の笑みを奪い去る。
 今までの戦闘は、二人にとって小手調べに過ぎない。
 そのことを示すように戦斧を振り被るジズの後方で、ゼキは無慈悲な声でサラへと告げた。
「覚悟しな。……こっから先は地獄だぜ」

 そうして始まった死闘は、まさにゼキの言葉に相応しいものとなった。
 戦斧を構えて迫るジズを前に、サラの両手が足元の鉄線へと伸びる。足を封じられたままでは、一方的に攻撃を受け続けるだけだ。一秒でも早く、この拘束より抜け出さねばならない。
『……~~ッッ!!』
 ゼキの鉄線が容赦なく食い込む間にも、ジズは着々と距離を詰めて来る。
 手足を血に染めながら、懸命に拘束を逃れんとするサラ。そんな彼女へ更なる追い打ちを掛けるように、ゼキは恐怖を煽る言葉を投げ始めた。
「感じねえか? この屋敷中の人骨がお前さんを視てるのを。お前さんが呪い殺されんのを、今か今かと待ってんだ」
『だァァァまァァァァァれェェェェェェェッ!!!!』
 そんなゼキの声を遮ったのは、サラのパラドクスで召喚された家の怪物だった。増築により生み出された骨と悪霊の塊が、唸りを上げながらゼキへと迫る。
 被弾を避けるべく、1秒でも時間を稼ごうというのだろう。あまりの往生際の悪さに苦笑を洩らしながら、ゼキは延長した鉄条網を頼りに怪物の動きを鈍らせに掛かる。ガードアップが最高レベルまで強化されている今、重傷の心配は皆無だ。憂慮すべきは、ジズを阻ませないことのみだった。
 そして――。
「道は開いたぜ。行け、ジズ!」
 熾烈な格闘の末、ゼキの鉄線が怪物を拘束粉砕し。
『ああァァァァァァッ!! やってくれましたわね、ディアボロスども!!!!』
 傷だらけの手足で、サラが鉄線を解いた刹那。ガードの開いた彼女目掛け、ジズの戦斧が振り下ろされる。
 無駄な言葉は必要ない。増幅した怒りと、必殺の意思を込めて、ジズがサラへと告げる言葉はただ一言、
「畏れよ」
『――ぐっ、がああァァァァァァァァッ!!』
 振り下ろす戦斧の刃が、サラの顔面に直撃する。
 掌から次第に零れゆく有利を嘆くように、女主人の絶叫は痛みと恐怖の響きを帯びて戦場に響き渡った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【傀儡】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV6になった!

一里塚・燐寧
【燐五】

さっき逆ギレして盛大に叫んだのに、よく喉が枯れないねぇ
あいつのぎゃんぎゃん喚く声にも飽きて来ちゃった
そろそろ全力で行こっか。五月姫ちゃん!

鎖鋸の尾を持つ大型肉食恐竜型ネメシス形態に変貌
五月姫ちゃんを背に乗せ人竜一体の連携で戦う
これが明日のハリウッドを震撼させる大怪獣、チェーンソーザウルスだよぉ!

あたしが乗騎として移動と前方確認を引き受ければ、五月姫ちゃんは周囲の様子や敵の動きに集中できる
一方が悪霊や銃の出現に気づいたら相方にすぐ注意し、不意打ちを予防するよぉ
銃弾は尻尾や角の回転鋸刃で断ち切るか弾き、あたし達の急所に当てさせない

攻撃の好機が来たら『屠竜技:大回転爆砕斬り』を仕掛けるっ!
体を大きく捻り、尻尾の鎖鋸を思いっきりブン回すよぉ
恐竜の強靭な筋肉の力を駆使した尻尾回転斬りを決め、敵の身体を鋸刃で斬り裂く
回る勢いのままぐるんと向き直り、五月姫ちゃんを敵に正対させて技を繋げて貰おう

あたし達の怒り、全部この尻尾に込めるよぉ
人の恋路を邪魔する奴は――恐竜に斬られて、地獄に落ちちゃえっ!


瀧夜盛・五月姫
【燐五】
その能力があれば、他のクロノヴェーダと協力、なんて、されてたら、姫はまだ、捕まってたかもしれない
他の作戦だって、危うかったかも、しれない
だから助かったよ、サラ・ウィンチェスター
引き篭もりのくせに、気位ばかり、高くて
ん、そうだね。燐さん
丑の刻三つすぎれば、おばけももう、眠る時間
深夜の騒音はご近所、迷惑、だよ

夜叉の姿にネメシス化
そして燐さんの背中に騎乗、する
手には【大薙刀無銘瀧夜叉一振・改】
【命中率アップ】をさらに重ね、【先行率アップ】【ダメージアップ】をこの薙刀に込めて、サラ・ウィンチェスターの胴を、分かつため、刃を打ち込む、よ

燐さんが脚となってくれている、かぎり、姫は敵の行動に集中する
敵が燐さんの死角を狙うよう、なら、姫はそれを見通す、第三の目となる。背中を叩いて合図をし、回避する
姫たちを取り囲むミステリーハウスは燐さんの脚で踏み壊すとともに、悪霊たちを薙刀で薙ぎ払うよ

もう一度言うよ、サラ・ウィンチェスター
おとなになりなよ。こども部屋からもう、出る時間、だよ


『ああああああああああアアアアアアアアアアァァァァァァァァァッ!!!!』
 激戦の幕が開けた戦場を、サラの絶叫が塗り潰す。
 下手な騒音など比較にならない、不快で耳障りな金切り声。怒りに燃える彼女の様子に、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は呆れ交じりに肩を竦めた。
「いや~……さっき逆ギレして盛大に叫んだのに、よく喉が枯れないねぇ」
 序盤戦で手負いとなったサラだが、その戦意は衰えるどころか尚も激しさを増しつつある。癇癪を爆発させ、玉座の人骨に当たり散らす様子は、正に暴君そのものだ。
『ぐううぅぅッ、存外しぶといですわねェ! けれど、最後に勝つのはアタクシ! 大人しく、さっさとアタクシのお人形におなりなさいなァァァ!!』
「“人形”……ね。二度となるのは御免だけど、能力自体は、とても厄介」
 淡々と呟きつつ、瀧夜盛・五月姫(失つし世《うつしよ》の滝夜叉姫・g00544)はサラを正面から見澄ました。
 先の作戦で一度は洗脳された身だけに、サラの能力に対する警戒心はけして低くない。勝利への決意は揺らいでいないが、油断の心は絶無だった。
「……助かったよ、サラ・ウィンチェスター。引き篭もりのくせに、気位ばかり、高くて」
 いかに恐るべき能力も、それを使いこなす能力が無ければ、所詮は宝の持ち腐れ。これ以上の暗躍を許さない為にも、サラには此処で引導を渡さねばなるまい。
「あいつのぎゃんぎゃん喚く声にも飽きて来ちゃった。そろそろ全力で行こっか、五月姫ちゃん!」
「ん、そうだね。燐さん」
 燐寧と五月姫は頷きを交わし合い、戦闘準備を完了した。
 ここから先、すべきことは至ってシンプル。幽霊屋敷の女主人を、一秒でも早く斬り捨てるのみだ。

「さぁて、ひと暴れするよぉ。準備はいい、五月姫ちゃん?」
「うん。いつでも行けるよ、燐さん」
 燐寧の声に、五月姫が跳躍の姿勢で応じた。
 ネメシス化を発動し、一心同体で戦う――それが二人の作戦だ。それも只のネメシスではない。未だ見ぬハリウッドの地を制圧する勇姿を、サラへ見せてやろうと言うのだった。
 燐寧の身体が、巨大な肉食恐竜の姿に変貌していく。人間の体など容易く踏み潰しそうな巨躯と、尻尾につけた鎖鋸剣は、まさに怪獣映画のモンスターそのもの。その背中へ、宙でくるりと一回転した五月姫が、大薙刀無銘瀧夜叉一振・改を得物にすぽりと収まる。
「これが明日のハリウッドを震撼させる大怪獣、チェーンソーザウルスだよぉ!」
「丑の刻三つすぎれば、おばけももう、眠る時間、だよ」
 燐寧と五月姫が誇る阿吽の呼吸は、まさに人竜一体。
 その異形とも言うべき佇まいに、対峙するサラは怯えの色ひとつ見せること無く、火のついたような勢いで叫ぶ。
『いい度胸ですわねェ! 馬鹿デカい図体のトカゲごと、纏めてお人形にしてあげますわァァァ!!』
「深夜の騒音はご近所、迷惑。……そろそろ、口を閉じる時間、だよ」
「あは。戦いの後に、閉じる口が残ってればねぇ!」
 燐寧の咆哮が木霊する中、鎖鋸剣が回転を開始する。五月姫の大薙刀が、ブンと勇猛な唸りを上げる。
 幽霊屋敷からの救出を経て、黒幕のサラを討たんと立ち向かう二人。その真の力を、今こそ示してみせよう――!

「遠からん者は、音にも、聞け! 近くば寄って目にも、見よ!」
 戮力協呪『一乗連理』で燐寧に騎乗した五月姫の声が、高らかに響き渡る。
 サラの繰り出す銃撃と怪奇現象を前に、二人が選択したのは人竜一体での突撃だった。乗騎である燐寧がサラへ猛進を開始する中、五月姫は大薙刀を振るい、天井から落下して来る悪霊の群れを豪快に斬り捨てていく。
「悪戯なんて、効かない、よ」
 直撃すれば深手は免れない猛攻も、限界にまで強化したガードアップの前では脅威たり得ない。五月姫は被弾のダメージを最低限に抑えると、大薙刀の切先をサラへと向ける。
 今こそ、渾身の一撃を叩き込む時――そう告げるように現れた命中アップの光に導かれて、彼女は燐寧の背中を力強く二度叩く。今回の作戦で決めておいた、全力突撃のサインだった。
「行こう、燐さん」
「オッケー、五月姫ちゃん。飛ばすよぉ!」
 攻撃の好機を察した五月姫の合図に、燐寧もまた判断を迷わなかった。
 四方から尚も降り注ぐ怨念の銃弾にも、その突撃は止まらない。残留効果で皮膚を硬化させ、骨の床を踏み砕きながら突進する様はブルドーザーの如く、真っ直ぐに彼我の距離を縮めていく。そして、
「どかーんと行ってブッタ斬っちゃうよぉ!」
 サラの眼前で、燐寧の巨躯が大きくねじれた。
 刹那――溜めた力の解放と共に、彼女の尾が鞭のようにしなる。
 突進の勢いと、ネメシス形態の巨躯。そして、尽きぬ怒りを込めた鎖鋸剣が、『屠竜技:大回転爆砕斬り』のパラドクスによって、鬼火の爆破で速度を増してサラへと振り下ろされた。

「人の恋路を邪魔する奴は――恐竜に斬られて、地獄に落ちちゃえっ!」
『ぐ……アァァァァァァァッ!!』
 爆風の衝撃がホールを揺さぶる只中、木霊する悲鳴。
 鎖鋸剣を浴びた身体から、どす黒い血を泉のように噴出しながら、サラは苦悶の呻きを洩らした。復讐者の力とは、まさかここまで強いのか。ならば、彼らを再び支配下に置けば、自分は更に力を得られるはず――。
「まだまだ……ここからだよぉ!」
 そんな妄想めいた執念を断ち切るように、燐寧の巨躯は尚も勢いを増して回転し始めた。
 そして、爆風と熱が尾の一振りで払われた次の刹那、サラは燐寧の――否、燐寧“たち”の真意を理解する。彼女の背より、間髪入れずに名乗りを上げる、五月姫の姿と共に。
「姫こそは……姫たちこそが! 復讐者《ディアボロス》、だよ!」
 回転する巨躯を通じて勢いを増し、サラと正対した彼女が正面より繰り出すは大薙刀の一閃だ。サラの胴へと食い込んだ刃を介して伝わる手応えに、敵の余力が着実に失われつつあることを五月姫は感じ取った。
「もう一度言うよ――おとなになりなよ、サラ・ウィンチェスター。こども部屋からもう、出る時間、だよ」
『ふ、ふふふ……焦ってなんかいませんわよ!? ええ、アタクシは余裕ですわッ!!』
 言い返すサラの声は、しかし、今や隠しようの無い焦燥に満ちている。それは即ち、五月姫の言葉が図星であることを示すものに他ならない。
 いかなる遊びも、いつかは終わりが訪れる。サラの遊戯に終止符を打つ戦いは、いよいよ佳境へと動き出そうとしていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【エイティーン】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!

四葩・ショウ
ああ、『サラ様』!
――なんて、ね
演技をやめて仕掛けるOldRose

ふふ、騙しただなんて人聞きがわるいな
それより――洗脳されてたとはいえ
だいじな友達を、よくも襲わせてくれたね
ゆるさないよサラ・ウィンチェスター

再び閉じこめられたって
大好きなせんせいと一度は乗り越えたんだ、なんてことない
積極的に仕掛けをレイピアで突いて駆けて
怪奇現象にはレイピアで弾いて凌ぎ
死角から迫れば天使の輪で身を護る
壁を壊すのもありかな?

わるいけど、鳥籠で飼われるのはうんざり
リューココリーネのあまい香り
あの日掴んだのは、優しい友達とのあたたかな絆
もう、なくさないさ

どれだけ傷ついたって止まれない
この手で傷つける痛みに比べたら、こんなもの!

敵味方の動きを見て、チャンスを逃さず
敵の視線を惹きつけるようにちょこまか戦場を駆けよう
幽霊屋敷が安全な場所なら、逃げる気もないだろう
でも、不審な動きがあれば薔薇色の鎖で邪魔をして

わからない?
皆、かけがえのない仲間との絆で結ばれてるんだ

人形遊びはもうおしまい
さよなら――ひとりぼっちのレディ!


伏見・逸
【秋逸】(タグ外との連携・アドリブ歓迎)
捌碁(g06403)をディフェンス
(自分の負傷は気にしないが、仲間の負傷にはキレる)

膝を折ればお人形さん、くたばれば骨だの悪霊だのの仲間入りってか
どっちもお断りだ…誰も、何も、てめえにはくれてやらねえ

仲間の隙や死角を減らす立ち位置を意識、声掛けで連携と情報共有を行う

思いきりやれ捌碁。他の奴の分まで怒ってるんだろうお前

【禍竜の雷霆】使用。【エアライド】を交えた立体的な動きからの攻撃
時には捌碁の靄に隠れて敵の死角を突き攻撃、時には自分が囮として動いたり敵に組み付いて、その隙に捌碁が攻撃…と攻撃役を入れ替えて敵を撹乱し、効率よく体力を削る

敵の攻撃は【エアライド】利用で回避するか、武器や翼で受け流す
ただし、自分が回避する事で敵の攻撃に仲間を巻き込むようなら、あえて避けず盾になる
「捌碁を傷つけさせない・倒れさせない」を目標に、動ける限り攻撃と仲間の守護優先
倒れるなら、「敵がこちらを倒したと確信した瞬間」を自分が作れる最大の隙として、仲間に攻撃を叩きこんで貰う


捌碁・秋果
【秋逸】(タグ外との連携・アドリブ歓迎)

私もお人形は好き。
人形に似合う洋服を見繕うのは楽しいし、精巧なドールハウスなんて見てるだけでため息が出ちゃう。
でも、お友達をお人形にしようとは思わない。
私は自分のしたいことを自分で決められるひとが好きだから。
なのに貴女は…洗脳なんてつまらないことで、大切な思い出を弄んだり、お友達の在り方を変えてくれましたね。
伏見さんとショウちゃん、二人の尊厳を傷つけた償いをしてもらうぞ!

伏見さんのディフェンスを頼りにし、サラの放つ弾丸から自身の身を護るよりも攻撃を重視する。
出し惜しみナシだ、あのパラドクスを使う!
感動のまま体を輪郭から解放する、ひとのかたちを捨てる。
靄となった体を密にして色を濃くし、伏見さんを隠す。
伏見さんがサラの注意を引いているうちに体を疎にして淡くなり、音もなく肉薄してサラを包み込んで攻撃する。
貴女と話したらきっとその言い分も感性も受け入れてしまいそうだから何も話さない。聞かない。
どうかひっそりと死んでくれ。


「ああ、『サラ様』! ――なんて、ね」
 復讐者たちの猛攻によって、着々と追い込まれていくサラ・ウィンチェスター。そんな彼女を前に、四葩・ショウ(After the Rain・g00878)が雰囲気を一変させて微笑んだ。
 会話の時とは一変し、その双眸に宿る光はショウ本来のもの。即ち、恋する乙女から復讐者のそれへと戻っている。演技に用いたレイピアの切先はサラの喉元へ突き付けられ、微塵も揺らぐことは無い。果たして、そんな彼女の華麗な変わり身に、怒りと屈辱でサラの顔が赤黒く染まる。
『小娘ェ……! アタクシを騙した代償、高くつきますわよォォォ!!』
「ふふ、騙しただなんて人聞きがわるいな」
 にべも無く言うショウとは対照的に、サラの怒りは紛れも無い本物のようだった。
 己の能力に絶対の自信を持つだけに、手玉に取られた悔しさも人一倍なのだろう。とは言え、気の毒だなどとは思わない。あの女ワイズガイには、相応しい末路を与えてやる――そうショウは決めている。
「洗脳されてたとはいえ、だいじな友達をよくも襲わせてくれたね。許さないよ、サラ・ウィンチェスター」
 静かな声色とは裏腹に、苛烈な怒りを心に秘めてショウが言う。
 これ以上の悲劇を防ぐ為にも、サラはここで確実に仕留めねばならない。共に戦場に立つ仲間たちへ軽く目配せを送ると、ショウは意識を戦いに集中させ始めた。

「……正念場だな。準備はいいか、捌碁」
「勿論です! 頑張りましょうね、伏見さん!」
 一方その頃。ショウから少し離れた場所では、伏見・逸(禍竜の生き先・g00248)と捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)の二人も戦闘準備を完了し、サラと対峙していた。
 逸の言葉通り、状況は正念場だ。復讐者たちの激戦を示す証として、サラの身体には今や無数の傷が刻まれている。彼女が余力を失いつつあることは一目瞭然であり、だからこそ詰めを誤ることは許されない。逸は日本刀のように鋭い視線をサラに投げ付けながら、重々しい口調で告げた。
「膝を折ればお人形さん、くたばれば骨だの悪霊だのの仲間入りってか。……どっちもお断りだ」
 誰も、何も、てめえにはくれてやらねえ――そう言葉を結び、逸は秋果に目を移した。サラとの戦いを始める前に、伝えておきたいことがあったからだ。
「思いきりやれ捌碁。……あの嬢ちゃんの分まで怒ってるんだろう、お前」
 逸の言葉に一拍置いて、秋果が無言で頷く。
 今回、同じ戦場に立っているショウは、秋果にとって大事な友達だ。同時に、だからこそ彼女は許せない。逸だけでなく、そんなショウまでも洗脳し、心を傷つけたサラのことが。
「……サラ・ウィンチェスター。伏見さんとショウちゃん、二人の尊厳を傷つけた償いをしてもらうぞ!」
『アハハハハッ、“尊厳を傷つけた”? アタクシはディアボロスを、お人形にしてあげたダケでしょォォォォッ!!』
 哄笑を迸らせるサラの態度に、改めて会話の無駄を悟った秋果は、口を閉ざして戦闘態勢を取る。
 彼女にとって、逸を、そしてショウを傷つけることは、即ち彼女自身を傷つけること。故に彼女もまた、サラに抱く怒りは尽きることを知らない。
 あの女ワイズガイを、ここで確実に葬る為。熱い怒りを胸に秘め、復讐者たちは戦いを開始するのだった。

 先手を取って仕掛けたのは、逸と秋果の二人だった。
 厳めしい竜翼を広げた逸が、先陣を切って空中へと跳びあがる。エアライドを重ね掛けした今、戦場の全てが彼にとっては足場と同義だ。床を、宙を、立体的な動きで距離を詰める彼に、サラは屋敷の怪物を召喚。人骨と悪霊を建材に体躯を巨大化させ、逸へとけしかけた。
『アハッ、アハハハハ! たぁっぷり人骨をご馳走してあげますわァ!!』
 サラの忠実な手足さながら、増築された屋敷が悍ましい呻き声を響かせて逸へと突進する。
 幾度にも渡る激戦でダメージを重ねながら、サラの闘争心は未だ一切の陰りを見せていない。ならば真正面から立ち向かうまでと、要塞めいて膨れ上がった人骨と悪霊の塊を相手に、逸は移動の速度を更に上げていく。
「……頃合いだ、捌碁」
「はい、伏見さん!」
 逸の声に応じるように、彼の背後より葡萄色の靄が音も無く飛び出した。
 その正体は、パラドクスで自身の肉体を変異させた秋果だ。囮役の逸が屋敷の怪物と立ち回りを演じる最中、息を合わせた彼女は音も無くサラへと肉薄。その全身を瞬く間に包み込む。
「出し惜しみナシだ! ここを貴女の墓場にする、サラ・ウィンチェスター!」
『ぐ、うぅ……っ!! 鬱陶しいですわねェ!!』
 全身を蝕む靄に悶絶の呻きを上げながら、サラは即座に反撃の銃弾を乱射した。
 傷を重ねた今も、その火力は健在で、真面に浴びれば大ダメージは必至。だが、限界まで上昇したガードアップで護られた秋果の体は、多少の弾丸など物ともしない。
 負傷は元より覚悟の上、退く気などは無い。内なる復讐心を燃え立たせ、サラを苛む靄は一層勢いを増していく――。

 逸が屋敷の怪物を相手に立ち回り、秋果が葡萄色の靄で攻め立てる。
 対するサラは、熾烈な攻防の間にも反攻の隙を狙い続けていたが、その瞬間は未だ訪れる気配が無い。先程から追撃の好機を狙い続けるショウの存在が、その理由だった。
「生憎だけど、余所見はさせないよ」
 サラを翻弄するように戦場を機敏に駆けながら、ショウが告げる。
 手中に隠し持った薔薇色の鎖は、万が一の逃走を阻む為の保険だ。宙を舞う羽根のように、軽やかな足取りでフェイントを仕掛けるショウに、対するサラは苛立ちも露わに戦場をパラドクスで作り替えていく。邪魔な相手は人骨の家に捕らえ、足を封じれば良いと考えたのだろう。
「――わるいけど、鳥籠で飼われるのはうんざり」
 だが、その程度でショウが止まることは無い。
 立ち塞がる壁を、襲い来る悪霊を、愛用のレイピアで斬り伏せながら、迷宮めいた造りの屋敷を彼女は難なく切り抜ける。せり上がる床に足を阻まれようとも、着き出す壁に身を切られようとも、彼女は止まらない。否――止まる訳にはいかない。かつてこの手で傷つけた時の痛みに比べれば、この程度は只のかすり傷だ。
(「リューココリーネのあまい香り。あの日掴んだのは、優しい友達とのあたたかな絆……もう、なくさないさ」)
 冴え渡るレイピアの切先は止まることを知らず、立ち塞がる障害を斬り伏せ続ける。
 全ては、その向こうに待つサラ・ウィンチェスターとの因縁を、この決戦で断ち切る為に。

 激戦の勢いが加速する中、復讐者たちは更なる攻勢でサラを押し込んでいく。
 ショウがレイピアを振るう傍ら、阿吽の呼吸で連撃を仕掛けるのは秋果と逸だ。靄に変じた秋果をサラはライフル銃の連射で仕留めんとするが、空中より襲撃を仕掛ける逸の猛攻は、射撃に集中する猶予を彼女に与えない。
(「もう二度と、捌碁を傷つけさせねえ。倒れさせもしねえ」)
 無言の決意を胸に秘め、逸は一秒たりとも止まらずにサラを攻め続ける。
 サラの攻撃には積極的に囮を引き受け、そうして生じた好機を秋果が活かし、盤石を誇る二人の連携がじわりと戦況を有利に傾けていく。
 そして――屋敷の怪物が繰り出す幾度目かの体当たりを、ガードアップで硬化した逸の体が受け止めた次の刹那。二人は、瞬時にサラへの攻撃に転じた。
「砕けて裂けて、塵にでもなれ」
 葡萄色の靄から、竜の双翼が宙高く跳び上がる。空中より急襲を仕掛け、標的を粉砕する『禍竜の雷霆』のパラドクスだ。突撃を仕掛ける逸の速度は一条の稲妻にも似て、防御の猶予を与えることなくサラを襲撃。重い一撃が、傷だらけの体を勢い良く踏み砕いた。
『う、ぎゃあああァァァァァッ!!』
 全身を駆け巡る激痛に、サラの口から絶叫が迸る。そこへ追撃を仕掛けるのは、葡萄色の靄――『見果てぬ秋』を発動した秋果だ。かつて見た作品の記憶を脳裏に呼び覚ました彼女は、その肉体を絵画に描かれた靄のように変化させ、音も無くサラへと迫る。
 逸の攻撃が剛ならば、秋果のそれは柔。逆説連鎖戦の力でサラを捉えた秋果は、靄の力でサラを苛みながら、囁くような声と共に圧の力を強めていく。
「私もお人形は好き。でも、お友達をお人形にしようとは思わない」
 万力に攻められる囚人の如く、苦悶の呻きをあげるサラ。そんな彼女を前に、尚も秋果は容赦しない。
 彼女にとって友達とは、好む相手とは、自分の生き様を自分で決められる者のことだ。そんな大事な友達を洗脳し、弄んだサラを、秋果が許せる訳も無い。
 言葉を交わせば、言い分も感性も受け入れてしまいそう――そんな予感が、サラとの会話を拒絶する。
 故に、秋果がすべきことは只一つ。決めていた言葉を、一方的に投げつけるのみだ。
「サラ……どうかひっそりと死んでくれ」
 その願いを叶える為に、自分はあらゆる力を尽くそう。
 言葉に出さない決意を胸に、秋果は尚も無慈悲にサラを蝕み、苛み続けるのだった。

『な、何故……! いったい何故! どうしてですのォォォ!!』
 一向に好転する兆しの無い戦況を目の当たりに、サラの口から洩れたのは動揺と驚愕の混じる悲鳴だった。
 これは負ける筈の無い戦いだと、少なくとも彼女は信じていたのだろう。幽霊屋敷の罠と、ジェネラルとしての自らの力があれば、復讐者に勝てる道理など絶無――そう考えていたのだろう。
 とは言え、クロノヴェーダであるサラの慢心も無理は無いと、ショウはレイピアを振るいながら思う。
 復讐者は決して無敵の存在ではない。単独での戦闘力がジェネラルに及ばない以上、サラの勝算にも相応の根拠と呼ぶべきものは確かに存在していたのだ。
 にも関わらず、サラは復讐者に敗れようしている。それを為し得た理由であり、彼女が見落とした決定的な敗因を、ショウはサラに告げた。
「わからない? 皆、かけがえのない仲間との絆で結ばれてるんだ」
 一人一人の力は弱くとも、力を合わせることでどこまでも強くなる。
 仲間との絆――それこそが、ショウや多くの仲間たちがサラの洗脳を破った理由であり、これからサラが敗北する理由だとショウは言う。勝利の決意を秘めて発動する、『OldRose』のパラドクスと共に。
「人形遊びはもうおしまい。さよなら――ひとりぼっちのレディ!」
 微笑むショウの輪郭より生じた光が膨れ上がり、薔薇の花弁に変じる。
 赤い薔薇の花弁は、たちまち花吹雪となって戦場を包み、心を縛る鎖となってサラへと襲い掛かった。炎よりも赤い薔薇に包まれるサラめがけ白焔を帯びたレイピアが一閃し、そして――。
「きれいな赤を、咲かせて」
『ぐ、あああァァァァッ!!』
 切先で貫いたサラの傷口より迸る血潮は、薔薇の花よりもなお鮮烈に、戦場を赤く染め上げる。
 長き死闘の決着はいよいよ近い。幽霊屋敷の女主人を今こそ討つべく、復讐者たちの攻撃は尚も熾烈に続くのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【エアライド】がLV3になった!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

マティアス・シュトローマー
【幽霊退治】
君がどんなに凄もうが、幽霊屋敷で対峙したラトの姿に比べたら屁でもないね
あの時のお礼とドレスコードを守れなかったお詫び――遠慮せずに受け取ってよ

二人とタイミングを合わせてパラドクスを発動
ラトの星影を追うように具現化した大鴉達を足場に戦場を駆け、ダメージアップの効果をのせた弾丸を撃ち込んでいく
レイラとはサラを挟撃するように位置取り、レイラの攻撃や敵の意識が銃に向いている隙を突いて蹴撃で足を掬いたい
これでバランスを崩してくれたら儲け物

この攻撃はさっき見せて貰ったよ
だからもう驚かない
増築部分に弾丸を撃ち込み破壊しながら、反撃は可能な限り体を捻って回避を試みる
難しければ構えたライオットシールドで攻撃を往なすように受け流し、その重量や勢いを軽減するよう後方に飛び退く
ガードアップの効果も纏って受けるダメージを最小限に
ラトとレイラをディフェンスし、チームの継戦能力も維持

こういうホラー映画の最後は元凶を倒して屋敷を脱出するって決まってるんだ
ハリウッドにまで評判が届くよう、華々しく散ってほしいな


ラト・ラ
【幽霊退治】

……それは褒め言葉なのよね?マティアス
こほん、と咳払いをひとつして気を取り直し
迷路屋敷を突破してここまで来たのです
晴らすべき因縁は、ここで晴らしましょう

二人とタイミングを揃えてパラドクス【星影】を発動
星々の導きで仲間の向かう先を照らします
空から無数に降り注ぐ星を操るように
白く細い指で落とす先を指し示して

わたしは後衛としての役目を果たしましょう
戦場全体を見渡せる位置にて
サラ自身と召喚される怪物の動きに注意を払います
必要であれば二人の死角を補うようにパラドクス通信による声掛けを
この光はただの道標ではないのですよ?
マティアスとレイラに攻撃を定める彼女へ
ダメージアップを乗せた星影を撃ち込む

もしも怪物がこちらにまで襲いかかるなら
攻撃を魔晶剣で受け止めつつ、
その間に真上から星影を落とします
弾丸による遠距離攻撃にはFlügelを構え、魔力の盾で防御を

最期には船長が船と共に沈むように
あなたも自身の“最高傑作”と共に
潔く終わりを迎えるべきだとは思いませんか?


レイラ・イグラーナ
【幽霊退治】

淑女への褒め言葉としては些か……仲がよろしい証でしょうか。
敵を利用し裏切らせるというのは有効な戦略ではあるでしょう。操る能力を持った貴女がそれを有効活用するのは道理。
ですが……打破された時に手痛いしっぺ返しを貰うことになるのも、また道理です。
これも因果応報。お覚悟を、サラ・ウィンチェスター。

白い軍服を纏うネメシス形態へと姿を変えて戦闘。
マティアス様と挟撃をするように左右に分かれ、ラト様の放つ遠距離攻撃の援護を受けながら接近。
白く輝く細剣「Дед мороз」による一閃を放つ【天上奉仕・白銀】で敵を切り裂きましょう。
サラの意識が私に向いているならば攻撃は止められる前提で鍔迫り合いに持ち込むことでマティアス様、ラト様の追撃に繋げ、お二人の攻撃で敵がよろめいているならば【命中アップ】で首や銅など急所に狙いを定め切り裂きます。
彷徨う悪霊や引き起こされる怪奇現象は物理で対処できるものは細剣で払い対処。大きなダメージを負わないように。

反攻もします。私たちは人形ではなく、人間なのですから。


 幽霊屋敷の中枢を舞台に死闘を繰り広げながら、サラを一歩一歩追い詰めていく復讐者たち。熾烈な応酬の末、遂に決戦は正念場を迎えつつあった。
 屋敷を増築し、怨霊の銃弾で暴れ狂うサラの抵抗を、復讐者たちは巧みな連携で凌ぎ続けている。そうする間にも、着々とサラは負傷を重ね、窮地に追い込まれている状況だ。
 勝つのは復讐者か、それともサラか。決着の時に向けて、戦いは白熱の度合いを増していく――。

『……アタクシが負ける? あ、ありえませんわッ! 最後に笑うのはアタクシですのよ、ぜぇぇぇぇったいにッ!!』
「負け惜しみも、そこまで行けば見上げたものだね。けど、もう年貢の納め時だよ。女主人さん」
 対峙するサラに向かって、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は自信たっぷりに告げた。
 幾度にも渡る戦いで傷だらけのサラには、既に開戦当初の余裕は残っていない。このままでは自分が敗北することを、否応なく理解しただろう。
 そんな彼女を前に、マティアスを筆頭とする三人の復讐者たちは油断を排した構えで臨んでいた。状況の有利は既に明らかだが、手心を加える気は毛頭ない。復讐者を、そして罪なき人々を、自身の欲望の為に弄んだ女ワイズガイを、ここで確実に仕留める覚悟だ。
「これだけは言っておくよ、サラ。君がどんなに凄もうが、幽霊屋敷で対峙したラトの姿に比べたら屁でもない」
「……それは褒め言葉なのよね? マティアス」
 微妙に困惑を含む口調で、ラト・ラ(*☽・g00020)は首を傾げた。
 無論彼女も、マティアスに悪意がないことは承知だ。とはいえ、言われた側としては素直に喜び難い――そんな彼女の内心を察したように、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が絶妙の間合いで合いの手を入れる。
「淑女への褒め言葉としては些か……仲がよろしい証でしょうか」
「……そうですね、そう考えることにします。晴らすべき因縁を、ここで晴らしましょう」
 レイラの言葉に頷くと、ラトはこほんと咳払いを一つ。改めて戦いに意識を集中するのだった。

 戦場の張り詰めた空気の中、三人は息の合った動きで戦闘態勢を組んでいく。
 後列には援護担当のラト、先頭にはマティアスとレイラが横に並ぶ形で立つ。己が復讐心を解き放つように、レイラは白い軍服姿のネメシスに変異すると、対峙するサラに言葉を投げた。
「私たちディアボロスを利用し、裏切りを働かせる……確かに有効な戦略ではあるでしょう。操る能力を持った貴女が、それを活用するのも道理。ですが――」
 仮にそれが打破されたなら、手痛いしっぺ返しを貰うのもまた道理――赤い瞳に怒りを宿し、レイラはそう告げる。
 大事な仲間を傷つけたクロノヴェーダを許す復讐者など、この場には一人もいない。この戦いを決着させるものはサラの死以外にないことを、彼女は細剣『Дед мороз』を構えることで示して見せた。
「これも因果応報。お覚悟を、サラ・ウィンチェスター」
「そういうこと。あの時のお礼と、ドレスコードを守れなかったお詫び――遠慮せずに受け取ってよ!」
「では、始めましょう。サラとの因縁に終止符を打つ為に」
 燃え上がる怒りに、マティアスが戦意を奮い立たせる。勝利の決意を胸に、ラトが怜悧な声で告げる。
 余計な問答は最早無用。最後の決着をつけるべく、三人の復讐者は戦いの火蓋を叩き斬った。

 始まりを告げたのは、戦場を照らす眩い光だった。
 先頭のマティアスとレイラの標を示すべく発動された、それはラトの『星影』が齎す星々の輝きだ。流星雨のように空より降り注ぐ星を操りながら、ラトは白い指先を標的たるサラへと向けた。
「道を示せ」
 人骨で造られたホールの天井を、硝子のように透き通ったオクタグラムの輝きが照らす。ラトの怒りを帯びた星々が向かう先は、マティアスとレイラを迎撃せんとするサラの頭上。疾駆する二人と息を合わせて発動された星影は、敵の狙いを見通すように次々と標的目がけて加速していく。
「この光はただの道標ではないのですよ?」
『妙な小細工を……ッ!! けれど、最後に笑うのはアタクシですわよォォォ!!』
 星々の光に照らされるサラの顔が、怒りに大きく歪んだ。
 彼女の前方からは、挟撃を仕掛けんとするマティアスとレイラが、今この瞬間も距離を詰めて来ている。ここで二人の迎撃に動けば、ラトの攻撃をもろに浴びることは避けられず――サラは迷う時間も惜しいとばかりに、無数のライフル銃を生成。星々の迎撃に舵を切った。
 そして無論、その隙を三人の復讐者は見逃さない。
「マティアス、レイラ。今です」
「ああ、任せろ!」
「援護感謝します、ラト様。必ずや攻撃を成功させましょう」
 ラトの導いた星々が、サラの銃弾と交錯する。
 次々に降り注ぐ光の雨に晒され、苦悶の呻きを上げるサラ。その前方、疾駆の速度を上げたマティアスとレイラは、サラを左右から挟み込むように、次々とパラドクスを発動していく。

「先手は任せた! レイラ、突っ込むぞ!」
「了解しました、マティアス様」
 パラドクスで具現化した大鴉たちを足場に加速するマティアスに頷く形で、レイラは視線をサラへと向けた。
 星影の対処に余力を割かれている今こそ、攻撃を仕掛ける絶好のチャンスだ。ラトが作り出してくれた好機を、絶対に無駄には出来ない。
「今までも、これからも……成すべきことを成しましょう」
 星々の光を浴びるサラを、レイラの構える細剣の切先が捉えた。次の刹那、宙へ跳躍したレイラは羽毛のように軽い動きで彼我の間合いを一気に詰め、輝く刃をサラめがけて一閃させる。
 レイラが発動する『天上奉仕・白銀』は、得物の細剣で標的を切り裂く能力だ。一見すれば何の変哲も無いパラドクスは、しかし剣が誇る鋭い切れ味と、更には豊富に蓄積された残留効果の強化によって、瞠目すべき威力を帯びてサラの胴を容易く斬り裂いた。
「――反攻もします。私たちは人形ではなく、人間なのですから」
『がッ、あああァァァァァ! 痛いじゃありませんのォォォォォッ!!』
 ラトの星光とレイラの斬撃、二人の攻撃で全身を血に染めたサラは、呪いの言葉を吐きながら新たなパラドクスの光を戦場にまき散らし始めた。
 人骨の床が隆起し、小型の家となってレイラを呑み込んだ。次々に襲い掛かる悪霊の怪奇現象を細剣で凌ぐ中、サラの怒りに怯えるように、ホールの人骨が更に振動を増していく。
 更なる追撃を浴びせんと身構えるサラ。そこへ跳躍したマティアスが蹴攻を浴びせて乱戦へと持ち込む中、ラトは接近戦を挑み続ける二人をフォローせんと、後衛より合図を送り続けていた。
「レイラ、大事はありませんか」
「問題ありません。間もなく家を抜けられます」
「分かりました。……マティアス、気をつけて。側面から家の怪物が来ます」
「オーケー。そう何度も、同じ手はくわないよ!」
 敵の熾烈な抵抗にも、三人の連携が乱れることは一切なく。復讐者たちは心を一つに、着実にサラを追い詰めていった。

 ラトの星影が戦いの火蓋を切って数分。復讐者たちの間断なき攻撃に、彼らの優勢は一層明白となりつつあった。
 人骨と悪霊、さらには怨霊の銃弾を駆使して抵抗を続けるサラだが、三人の連携と強固な残留効果は、彼女の猛攻をまるで受け付けない。被弾こそすれ、戦闘不能レベルの負傷者は未だ出ていない状況だ。
 マティアスの蹴りを浴びてサラが体勢を崩せば、すかさずレイラの細剣が襲い掛かる。ならばと接近戦組の二人に注力せんとすれば、頭上から降り注ぐのはラトの放つ星々の光だ。時間が経つ程に激戦の傷はサラへと刻まれ、そして――足を通じて感じた変化に、レイラはふと周囲へ意識を向けた。
「これは……屋敷が揺れている?」
「そのようですね。……では、幕引きに向けて動くとしましょうか」
 止まること無く響く振動が激しさを増しつつあるのを感じながら、ラトの視線がサラへと向けられた。
 骨の玉座は今や粉々に砕け、女主人の身は満身創痍。ドス黒い血に五体を染め、尚も立っているのは復讐者に対する執念の為せる業か。そこに一片の情けも示すこと無く、ラトは冷徹な声で告げる。
「最期には船長が船と共に沈むように。あなたも自身の“最高傑作”と共に潔く終わりを迎えるべきだとは思いませんか?」
『ふっ……アッハハハハハハ! このアタクシがいる限り! ウィンチェスター・ハウスは不滅ですわ!!』
「そうかい――だったら、君ごとバラバラにしてジ・エンドだ」
 刹那、哄笑を迸らせるサラの周囲を、漆黒の大鴉が群れを成して包囲する。その背を足場に走るのは、『フッケバイン』を発動したマティアスだ。ラトやレイラと息を合わせ、縦横無尽に戦場を掛け続けていた彼は、攻撃を仕掛ける好機を一秒たりとも見逃さなかった。
「こういうホラー映画の最後は、元凶を倒して屋敷を脱出するって決まってるからね――」
 お別れの餞別とばかり、マティアスが大量の銃弾を見舞う。
 ラトの星々とレイラの斬撃、そして十二人の復讐者たちがサラに刻み続けたダメージは、この時ついに頂点へと達し、
『あ――ァ……アタクシの屋敷が……お人形、が……』
「――ハリウッドにまで評判が届くよう、華々しく散ってほしいな!」
 続け様に放つ突き上げの蹴りが、サラの身体を軽々と宙に躍らせ――手を、足を、胴を、頭を、マティアスのアクロバットな蹴り技が、跡形も残らず粉砕する。
 その一撃をとどめに、サラ・ウィンチェスターは全身を灰のように崩壊させ、断末魔の絶叫を遺して消滅。塵の一つも遺すこと無く、この世界から消滅するのだった。

 かくして、復讐者たちの激闘が幕を下ろすと、主を喪った幽霊屋敷は重々しい音を立てながら崩壊を始めた。
 かつて攻略して来た屋敷と同じように、もうじき此処は跡形も残らず崩れ去るだろう。
「どうやら、時間はなさそうです。皆様、お急ぎ下さい」
 退路を確保したレイラの後に続き、一行は崩落するホールから急ぎ足で脱出していく。侵入者をさんざん苦しませた無数の罠も、サラ亡き今は一切動くことは無い。エアライドを駆使しながら全速力で駆けること数分、復讐者たちが一人残らず外へ飛び出すと、屋敷は落雷にも似た轟音と共に跡形も無く崩れ落ちた。
「ふぅ……これで、ミステリー・ハウスの事件も一件落着かな」
「ええ、マティアスもレイラもお疲れ様でした。……これで、亡くなられた方々も安らかに眠れることでしょう」
 作戦の成功を噛み締めつつ、マティアスが安堵の吐息を洩らす。その横でラトはそっと目を伏せると、サラの犠牲となった一般人の冥福を祈った。
 ロサンゼルスに根を下ろし、数々の惨劇をまき散らし続けたサラ・ウィンチェスター。彼女と、その幽霊屋敷が現れることは、もう二度と無い。
 復讐者たちの勝利を祝うように、青空の下を暖かな潮風が吹き抜けていく。
 世界の命運をかけた《戴冠の戦》を数日後に控える、ある夏の日の出来事だった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV3になった!
【パラドクス通信】がLV3になった!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2025年08月04日
宿敵 『サラ・ウィンチェスター』を撃破!