リプレイ
九重・古安
相手の価値観が俺たちと大きく異なるのは承知の上。説得するにしても言葉を選ばねば。
責任感と善意から立ち上がった者となれば、幸福の価値観を指摘したり事の善悪を説いたりでは上手くいくまい。
となれば、少々酷ではあるが……俺は、彼らのやり方では人々の幸福を守れないということを突き付ける。
新選組という支配体制は思い描いているほど絶対なものではなく、外の世界にある数多くの脅威から人々を守れるものではない。
現にキマイラウィッチという外敵に対処したのは俺たちディアボロスだ。
だから……どうか、人々を守るというその役目、俺たちに預けてくれ。それに値するだけの力をここで示そう!
トループス級かつ覚醒したばかりといえど油断はできん。
説得のためにははっきりとした実力の差を示すのが前提、なによりかかっているのは他ならぬ彼らの命なのだ。
倒さねば彼は救えない、そのつもりで決死の覚悟で挑もう。
一般人をここまで追い込んだことへの後悔や幸福を崩すことへの迷い……そういったものを『断迷の大祓』で纏めてここで祓い落とす!
八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
時先案内人の話を聞いて現場へ急行
正直、説得が上手くいくとは思えないんだよなぁ…
元に戻るように言うより新選組になった事への覚悟を問うてみるか
方針を考えつつ、連中の前に立つ
…なるほど、新選組に覚醒したか
はっきり言おう、気持ちはわかる
俺も元は一般人だった
俺なら…覚醒直後に一般人へ戻れなんて言われたら、しかもそれを敵が言ったら、侮辱と思ってブチギレるわ
だから俺はお前達に一般人へ戻るよう説得なぞしない。が…
俺達は一般人は殺さない。
だが新選組は、クロノヴェーダは殺す。
何が言いたいかわかるな?
新選組になったという事は、今後の人生全部打ち捨てて、新選組として死ぬ覚悟も出来ている。
そういう解釈でいいか?
手加減すべき場面じゃないとは思うが
あまり使わない[お冷やおかわり]を選択
このまま溺れさせちまったって良いんだが
頭を冷やした上での結論を聞かせてもらうぞ
反撃の本はフライパンで防ぐ。攻撃し慣れてない感をヒシヒシ感じるわ
さあ、どうする
新選組として死ぬ覚悟、本当に出来てるか?
どうだクロノヴェーダ!
「っ……何者だっ!?」
新選組と化したリーダー達が策を練る部屋へと乗り込んでいく、ディアボロス達。強い警戒体勢を取る相手からは、いざとなれば戦闘も辞さぬと言う覚悟が垣間見える。
(「相手の価値観が俺たちと大きく異なるのは承知の上。説得するにしても言葉を選ばねば」)
そんな相手の姿に対し、九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)は深く思案する。叶うならば、彼らを無事に戻してやりたいと言う思いは強く……だが同時に、説得が難しいと言う事も分かっている。
(「責任感と善意から立ち上がった者となれば、幸福の価値観を指摘したり事の善悪を説いたりでは上手くいくまい」)
リーダー達は、新選組の管理する幸福こそが正しいと信じている。そこを説得する上でディアボロスが用意した説得の手段は、大別すれば2つに分かれる。
「俺たちは、新選組に代わって君達を守りに来た。そのやり方では人々の幸福を守れないんだ」
「なんだと……!? 我らを侮辱する気か!」
1つは古安らが用意した、自分達が新選組に代わると言う主張。用意した説得の中では、穏当な方に当たる。もちろん穏当であろうとも、相手の反発は強いのだが。
「いや。だが、新選組の管理では、外の世界にある数多くの脅威から人々を守れるものではない」
そんなリーダー達に対して古安が示すのは、自分達が人々を守るに相応しいと言う、その意志、そして力。それをもって信頼を得るべく、言葉を尽くす。
「現にキマイラウィッチという外敵に対処したのは、俺たちディアボロスだ」
「確かに、何やら事件が起きたらしいと言う話はあるが……だが、それがお前達だと証明出来るのか?」
リーダー格とはいえ一般人であるゆえか、彼らはあまり詳細な情報を知らないようだ。とはいえ仮に知っていたとして、確かに証拠は何一つない。
「それは出来ない、が……だが、どうか、人々を守るというその役目、俺たちに預けてくれ。それに値するだけの力をここで示そう!」
「……それは、お前達が侵略者と言う事ではないか!?」
そして、強い言葉をもって否定される。リーダー達の抱く警戒心が、明確な敵意へと変化した。
「な、違っ――」
「何が違うと言うのだ! 力をもって、新選組に取って代わらんとしているのだろう!」
実際古安の主張は、紛れもなくそういう意味だ。それ以外の何でもない。実際にディアボロスはこの蝦夷で、何体もの新選組を倒してきたのだ。
絶句する古安に代わり、次に説得に歩み出るのは八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)。だが彼は、この状況に対して悲観的だ。
(「やっぱり、説得が上手くいくとは思えないんだよなぁ……」)
とはいえ先に述べた通り、ディアボロスの用意した説得の手段は大別して2通り。1つ目が失敗した以上、2つ目を試みるしかない。怒れるリーダー達の前に歩み出て、口を開く。
「……はっきり言おう、気持ちはわかる、俺も元は一般人だった。俺なら……覚醒直後に一般人へ戻れなんて言われたら、しかもそれを敵が言ったら、侮辱と思ってブチギレるわ」
「……? 何を言っている?」
その共感は、的を得た物ではない。リーダー達にしてみれば、そもそも一般人に戻れと言われる理由が分からない。
だが、譲二はそれに理解を求めない。ただ、己の意志を向けていく。
「が……俺達は一般人は殺さない。だが新選組は、クロノヴェーダは殺す。何が言いたいかわかるな?」
「っ……!?」
すなわち、殺意を。その鋭さに、相手はわずかにたじろいだように一歩を下がる。
1つ目の手段が穏当であったなら、2つ目の手段は強硬。すなわち脅迫だ。
「新選組になったという事は、今後の人生全部打ち捨てて、新選組として死ぬ覚悟も出来ている。そういう解釈でいいか?」
「お……おのれ、やはり侵略者ではないか!」
そしてそれは強い反発を受け、敵意はついに戦意へと代わる。相手はパラドクスによって、譲二へ攻撃を仕掛けて来た。こちらの脳天を砕かんと、その硬く分厚い本を振り下ろし。
「……戦い慣れてないな。頭を冷やせ!」
「ぐ、ぉぉっ!?」
それをフライパンで受け止めつつ、天使の光輪から大量の水流を放った。パラドクスは行使された時点でダメージを発生させ、相手を押し流して壁に叩きつける。
ディヴィジョンの国力を示すように、覚醒直後と言えど相手の力は相応だ。だが、ロクに訓練も積んでいない『成り立て』では、その力を振るう技量がついて来ていない。
「さあ、どうする。新選組として死ぬ覚悟、本当に出来てるか? どうだクロノヴェーダ!」
「ふざ……けるなっ……」
だが、相手は譲二の言葉を、決然として跳ね除ける。得た力に酔っている訳ではない。おそらく相手も、力量の差は理解している。
それでもこちらに屈する訳にはいかないと、強い意志を持って敵意を向けてくる。
「お前達のような侵略者から、人々を守るため……我々は、新選組としての力を授かったのだ……!」
「っ……侵略者はっ……お前達だろうがっ……!?」
その言葉に反発するように口にする譲二。それは彼の偽りない思いであり、だが、ディアボロスとしての思いだ。
古安の主張した『新選組に支配された人々を守りたい』と言う思いも、譲二が抱く『自分の故郷ではない偽りの北海道』に対する怒りも。
ディアボロスの感情は、蝦夷の人々の感情ではない。
「我々は新選組として、人々を守って見せる……!」
「くそっ……こうなっちまったか……!」
大地を恣にしようとする、侵略者への怒り。かつてディアボロスが抱いたその怒りを、今、ディアボロスがその身に受けている。それを実感し、忸怩たる思いで唇を噛み締める古安。だがここで退けば、多くのディアボロスが参加した1ヶ月の制圧作戦が無駄になる。
悔しさと憤りを鉄鎚に乗せ、鉄槌を振るう。重い一撃が、『新選組』の身体を叩き割る。迷いを祓い落とすはずの一撃は、けれど古安の心を晴らしてくれる事はない。
「ぐ、ぅ……われ、らは……負ける、訳……に、は……っ」
「そうか、なら……その通りにするだけだ」
なおも決死の覚悟で挑みかかってくる相手を、譲二の水流が押し流す。それに呑み込まれた彼らは、そのまま地に倒れ伏した。
起き上がる事は、なかった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
どんな形であれ、ディアボロスは統治の障害となる新選組を排除した。これで心置きなく、この都市での活動を行う事ができるだろう。
だが、実際に統治を行うためにはまだ、考えなければならない事、知らなければならない事が多くある。まずは統治のための情報収集からだ。
もちろん一般人と接触するなら、残留効果を使用すると良いだろう。
アンネローゼ・ディマンシュ
幸福度に関する資料…そもそも、ディヴィジョンは支配者であるクロノヴェーダに対して望み通りな歴史改竄が行われています
そこから逆算して『ディストピアによる幸福』が一番効率が良いと言う予想が出来ますわね
わたくしは『幸福の維持プロトコル』等の新選組と覚醒した一般人が遺した資料を探し出し、読み進めていきますわ
栄養素だけを考えた食事と、徹底的に最適化された無駄の無いスケジュール
余剰や無駄という概念の排除された世界における『幸福』…わたくしに言わせれば『死んでいないだけ』ですわね
他者を害さない不健全さと欲望……それもまた『幸福』の一つでしょう
本当に『幸福』であるなら何でも良いならば『並行して欲望に由来する堕落した”幸福”をテーマにした都市』等『多数のモデルケースをバックアップとする』事も出来る筈
ならば逆説的に言えば『管理して無駄の無い”幸福”でしか感情エネルギーを得られない』か『この形式でないと著しく回収効率が悪い』のどちらかでしょう
そう仮定し考察しながら資料を読み進めていきますわ
「さて、有用な情報があると良いのですが」
まずはアンネローゼ・ディマンシュ(『楽士大公』ディマンシュ大公・g03631)が中心となり、リーダーの遺した資料を読み進めていくディアボロス達。
このディヴィジョンは圧倒的に発達した文明を持つが、それでも紙面の資料が失われた訳ではない。そこにも有用な情報がある可能性は、低くないはずだ。
特に優先して確認すべきは、『幸福』を維持するためのプロトコルのようなもの。それを探しつつ、自身の考えを纏めるために口にしていく。
「本当に『幸福』であるなら何でも良いならば……他者を害さない不健全さと欲望もまた、『幸福』の一つでしょう」
だが、この社会は徹底的に管理されている。栄養素だけを考えた食事と、徹底的に最適化された無駄の無いスケジュール。クロノヴェーダたる新選組がこのような社会にディヴィジョンを改竄したのならば、この社会でしかエネルギーを得られないか、この形式でないと回収効率が悪いか……そのようなものだと仮説を立てる。
「余剰や無駄という概念の排除された世界における『幸福』……わたくしに言わせれば『死んでいないだけ』ですわね」
そんな嫌悪を呟きながら、一つの資料に興味を惹かれ、目を止めた。表題は、『覚醒直後の新選組に対する注意事項』。まさにこの部屋にいた彼らのための資料であったがゆえに、この場に持ち出されていたのだろう。
そしてその書類には、こんな事が書かれていた。
一般人に自由を許したり、特別扱いをした場合、その個人の幸福度が大きく上昇する場合がある。
しかし、自由な行動は他の一般人の幸福を邪魔してしまい、特別扱いも嫉妬により周囲の一般人の幸福を低下させる。
目先の幸福度に惑わされず、全体の幸福度を最大に保つ事が、最も大切な事である。
「つまり新選組は、『幸福度を最大に保つ』ために管理が行っている、と言う事ですわね……」
この注意事項は、自由や特別扱いを与えた『目先の幸福』からもエネルギーを得られるからこその記述のはずだ。管理しなければエネルギーが得られないなら、『目先の幸福』に惑わされるはずがない。
つまり新選組は、管理体制以外からも幸福のエネルギーを得る事ができる。にも関わらず徹底した管理体制を敷いているのは、『一般人の幸福量の総量が最も高くなるのが、この方式であるから』……と言う事が読み取れる。
「自由が、他人の幸福度を低下させる……」
新選組は、幸福度を計測する数値を持っているらしい。だとすればそれは、データとして実証された紛れもない事実なのだろう。
『死んでいないだけ』だと言ったその社会が、全体の最大幸福を実現している。その事に、言葉には言い表せぬ複雑な感情が込み上げてくるのを感じると、アンネローゼは小さく息を零した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
遠宮・秋
さーて、それじゃあお次は資料集めだね
日本語で書かれてるよね?
ディアボロスならどんな言語も理解して読めるとはいうけど、やっぱ馴染みがある方が読みやすいよね、気分的に
根室では他の都市との交流はない感じだったし、ここも似たようなもんかなー
それじゃあほとんどの人は他の都市のことは知らないよね。知ってそうな人は…………資料探そ
【無鍵空間】で新選組しかアクセスできない端末とかにもアクセスできるように
新選組が普段仕事をしてた管理部屋を調べるよ
援軍は……普通に考えれば根室から呼んでたかな
あ、そうだ。大天使
確かあいつらは本土から来てたよね
こっちの新選組とはちゃんと連絡取ってただろうし、あいつらとかあいつらがいる都市からの連絡はあるかも
あたしたちが歯舞管理都市の攻略を始めてから、イザベル・ロメとの戦いの間の記録を中心に探すよ
その中に大天使とかキマイラウィッチの事に関して遣り取りしてる記録がないかな
その中に大天使を~~から派遣する、みたいなあいつらの拠点が分かる情報があればいいね
「はーーーー……」
覚醒直後のリーダー達を元に戻せなかった事に、深く長い溜息を零す遠宮・秋(アブノーマル中学生・g11768)。
だが、いつまでもそれに囚われている訳にはいかない。手を下した人は、やるべき事をやったのだ。ならば、自分もやるべき事を……すなわち調査をやるだけだ。
「まあ、管理部屋を調べるのが一番良いよね」
以前の制圧作戦もそうだったと思い出しながら、そちらへと足を向ける。場所を突き止めるのは、難しくはない。
「な、なんですか、あなたは!」
「あー……そっか、居るか……ごめん、大人しくしててくれないかな?」
その管理部屋には、今もなお仕事をしている一般人達がいたが。新選組がいないので、刀を抜いて脅しをかけるだけで、容易に無力化する事ができた。
まあいずれは彼らが新選組に覚醒する可能性もあるが、そうならないためにも情報を得なければ。
「適当な残留効果でもあればもう少し穏当に接触出来たかもしれないけど……これを持って来ない訳にはいかなかったしね」
まず端末にアクセスし、発動するパラドクスは【無鍵空間】。1レベルだと1時間かかってしまうが、その程度の時間はある。
端末のパスワードロックを解錠し、早速データを集めていく。
「……うーん、これも、かぁ」
そして、結論から言えば。秋が発見出来た全ての交信記録は、既知である『根室』との物であった。その他の都市との交信記録は、一切存在しない。
「でも、根室が上位の都市に確認したっぽいんだよね。これとか、その指令を伝える……みたいな内容だし」
つまり、歯舞列島から根室へ。根室から、その上へ。さらにその上へ。そのように段階を踏んでの連絡が行われている、と考えられる。もちろん情報が下に降りてくる場合は、その逆だ。
逆に、歯舞から根室のさらに上に直接連絡を取る、と言うような事は行われていない。
「軍隊の指揮系統みたいな感じ、かな? これで問題なく連絡が回るって事は、十分に統制は取れてるみたいだね」
また、秋が最初に目当てにしていた大天使やイザベル・ロメに関する情報は、こちらには回ってきていなかった。末端に必要のない情報は伝達されず、必要な情報だけが通達される……と、これもまた厳格な管理の元にあるようだ。
「そこまで厳格に管理されてるなら、逆に言うと……『上位の管理要塞都市を支配下におけば、その下の都市に対して指示を出す事が出来るようになる』って事になる、のかな?」
重要拠点の事は一つも分からなかったが、代わりにこのディヴィジョンの指揮系統が判明した事は、それ以上の成果と言えるだろう。
蝦夷の都市を統治する上で、何かに利用出来るかもしれない。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】がLV2になった!
さて、必要な情報はある程度集まってきたが、幸福エネルギーについて、もう少し調査の余地があるだろうか。
何を調査するかはもちろん、その調査を実現する手段も重要だ。
常香・クロウエア
せざるを得ないとはいえ、あまり気持ちがいい結果ではありませんね。
力及ばずで悔しいです。
歯舞の時のように「管理部門」へ行きましょうか。
元々いた新選組となってしまった方々が使っていた端末もあるはずです。
資産は無駄にはしませんよ。
そこに幸福管理のスケジュール、管理簿と幸福の実測値の記録があるのではないでしょうか。
これだけ徹底しているのであれば指示するだけの管理をしているとは思えません。
計画し、実行し、測定し、そして改善する。
そういった幸福の品質改善をしているのではないかとあたしは思います。
管理簿を書物か管理端末から探しましょう。端末のセキュリティは残留効果「無鍵空間」を用いて開錠します。
目的の書類(あるいはデータ)を見つけたら残留効果「書物解読」を重ねて使用。
この程度の効果の強さでは心もとないかもしれませんが、関連知識としてスケジュールを組んだ意図や測定方法も得られるかもしれません。
そう、測定方法。
いつ、どこで、なにをつかって測定しているのかという管理簿に現れない関連知識が知れたら最良ですね。
「せざるを得ないとはいえ、あまり気持ちがいい結果ではありませんね」
倒してしまった相手の事を思い出し、表情を曇らせる常香・クロウエア(忘憂と嘱望のジョーカー・g11778)。だが切り替えなければと首を振り、管理部門での調査に赴く。
すでに【無鍵空間】によってパスワードは解除されており、調査に支障はない。とはいえデータは膨大で、まず当たりをつけない事には調査もままならない。
「なら……幸福管理のスケジュールを探してみましょうか」
新選組が、幸福のために市民を徹底的に管理しているのは間違いない。その管理の記録が残されていないはずがない……そう当たりを付けて、調査を進める常香。
実際その予想は当たっており、その推移は詳細に記録されていた。幸福管理のノウハウが大量に蓄積されているためか、記録されている幸福度は高止まりで、最近――つまりキマイラウィッチとディアボロスがやって来てから――を除いて、変化はあまり見受けられない。
「このデータ自体は、あまり面白みはないですけど……」
その中で常香が特に興味を示したのは、測定方法だ。このように幸福度が記録されていると言う事は、すなわち幸福度を測定する方法があると言う証。
それらの情報を重点的に探し集める事で、手段を特定していく。
「……これ、ですかね?」
そうして行き当たったのは、片手で持てるサイズの小さな装置で、メモリが取り付けられているシンプルなもの。特に秘匿されていると言う訳ではなく、割と乱雑に放置されているのがいくつか見つかった。
その扱いは、それだけこの装置が『普段使い』されていると言う事だろうか。実際、外部の損耗や汚れにも多少の差が見受けられる。
「この小さい装置で、どのように幸福を測定しているのでしょうか……」
試しに人に向けてみると測定針が振れるので、今も問題なく起動しているようだ。いくつかある上に、他の都市にも同じものがある事が想定されるので、ので試しに一つ分解してみる。
「……これは?」
内部はほとんど機械装置だったが、一点だけ目を引くのは、いかにも怪しい結晶で、ブルブルと微細な震動を発生させている。機械には見えないので、おそらくはクロノ・オブジェクトだろう。
「ええと、つまり……この結晶が幸福を感知して震動して……多分幸福が強いほど震動が強くて。だからその震動を機械で測定して数値として出力すれば、具体的な幸福度が算定出来る……みたいな感じですかね」
より正確な、あるいは詳細な所は実験なり研究なりを経る必要があるだろうが、まあ基本的には間違っていないだろう。機械にそこまで詳しくない常香でも、勘違いしようがないほどに単純な仕組みである。
「さて、これをどう使いましょうか……」
具体的な方法は分かったが、これだけでは、目の前の相手が『幸福』かどうか分かる装置、と言うだけに過ぎない。ディアボロスがこれを有効活用出来るかは、どのようなアイディアを出せるにかかっていると言えるだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【書物解読】がLV2になった!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
さて、情報収集はおおよそこんな所だろう。あとはこれらの情報を元に、『蝦夷の管理都市をどのように統治するか』の具体的な方法を考える必要がある。
管理端末へのアクセスは当然今も可能なので、その具体案が実現出来るかどうかなどは、端末の情報も調べながら検証していく事になるだろう。
情報と照らし合わせてあまりに実現不可能な案と判明すれば、その時は考え直せば良いだけなので、ひとまず案を出していくとしよう。
アンネローゼ・ディマンシュ
自由や特別
つまり『個々人に己の手の及ぶ範囲の裁量を任せる』事は総量の観点から、新選組にとってはマイナスなのですね
それでいてわたくし達がディアボロスとして管理都市を幸福にする方法……『個々人が自ら考えた『幸福の為のプロトコル』を日々自己提案して更新し続ける』というプロセスならやがて『自由』は勿論『優秀だから他よりも優遇される”特別”な人員』が健全に生まれ、幸福の総量の低下が健全に生じる事でしょう
これらの『自己提言式幸福総量低下プロトコル』を管理都市間の上下の権限の絶対性を利用し、制圧した上位の管理要塞都市にプロトコルを通達する事で効率的に幸福の総量は減らせる事でしょう
つまり、わたくし達は上位の管理要塞都市を支配化に置き、そこから下の都市に『自己提言式幸福総量低下プロトコル』を通達する事
其れが効率的で迅速な蝦夷共和国全土の制圧を目指す方法
なまじ『幸福にする事自体は満たしている』から新選組も、一部は騙せるかもしれませんわね?
上手く新選組を騙し通せるカバーストーリーを、考えてみましょうか
マリリン・モンロー
ふむふむ、幸福を計測する装置はクロノ・オブジェクト、と。
普段使いしている道具がクロノ・オブジェクトだったのは意外かも。
石、ということはどこかで発掘できたりするのかな。
と、まずはここの運用方法についてだったね。
マリちゃんからの意見としては、統治せずに放置することを提案するよ。
現状、全体方針を定めて十全に管理していこう、というのはそれ自体が非効率的、労力に見合わないコストだとマリちゃんは思うよ。
適時思い付いたことを試したり、実験場みたいな扱いをするのはいいと思うけれど……現状あれもこれも過不足なく行うにはデータから何まで足りないと思う。
放って置けば、色々と問題も起きてくるだろうけれど幸いにもここの文明レベルはかなり発達している。
これまで管理が徹底されていたとはいえ、他のディビジョンと比べればかなり死ににくい環境だと思うし。
そこまでして頭を悩ませたり、労力を割くのはマリちゃん的に効率的ではないよ。
まだ色々とやり方を試していく時間だと思うかな。
「ふむふむ、幸福を計測する装置はクロノ・オブジェクト、と」
幸福度の測定装置を興味深げに見回すマリリン・モンロー(偽物は人類の夢を見るか?・g11765)。普段使いしている道具がクロノ・オブジェクトなのは意外……と考えるも、そもそもディアボロスの個人装備もクロノ・オブジェクトである。
新選組にしてみれば、そのような扱いに近い、と言う事だろうか。
「と、まずはここの運用方法についてだったね」
ともあれ今の議題は、蝦夷をどのように運用するか、だ。まず最初に発言するのは、アンネローゼ・ディマンシュ(『楽士大公』ディマンシュ大公・g03631)。
「『個々人に己の手の及ぶ範囲の裁量を任せる』事は、幸福度の総量の観点から、新選組にとってはマイナスなのですね」
だとすれば一般人に自由や特別を与えれば、人々を傷つける事なく、『健全』に体制を移行出来るのではないか。彼女はそう考え、一つの方針を提案する。
「『個々人が自ら考えた『幸福の為のプロトコル』を日々自己提案して更新し続ける』、と言うのはいかがかしら」
そうして人々に自由を与えれば自然と、『他より優秀だからと特別視される人間』が現れる。そうなれば幸福の総量の減少が、健全に生じるに違いない。
「さらに管理都市間の上下の権限の絶対性を利用し、下位の都市にプロトコルを通達する事で、効率的に幸福の総量は減らせる事でしょう」
「うーん……どうだろう?」
そんなアンネローゼの提案に、首を傾げるマリリン。確かにそのように事態が推移すれば、ディアボロスにとっては理想的であるかもしれないが。
「ずっと管理されて来た人々が、そんなすぐに『自分で幸福を考える』事が出来るのかな?」
「それは……確かに啓発の必要があるかもしれませんわね」
そうしてその実現可能性を検証すべく、端末のデータを調査するアンネローゼ。だがそうしてデータを絞るほどに、その表情は曇っていく。
「これは確かに、難しいかもしれませんわね……」
彼女にそう言わせた、この案の最大の問題点。それは『人口』の壁だ。この暗黒世界蝦夷共和国は、すべてのディヴィジョンの中でも最大の人口と人口密度を有している。歯舞だけ見ても管理都市一つで数万人、それが都市の数だけ。攻略を進めれば、当然もっと増える。
その多数の人々の意識を穏当に改変するとなれば、管理都市の指揮系統を利用したとしてなお、どんな短くとも半年……現実的には数年単位の大事業となるだろう。しかもそれは、ディアボロスがそれのみに注力すれば、の話になる。
そしてこれはアンネローゼの案に限ったことではなく、『統治体制を大きく変化させる提案』すべてに当てはまる問題点である。どのような制度を選択するにせよ、取り入れる、受け入れられる、と二言で済ませられるものではない。
そうして大きな壁にぶち当たった所で、次はマリリンが提案を口にする。
「マリちゃんからの意見としては……統治せずに放置するってのはどうかな?」
現状、蝦夷の体制を大きく変化させるのが難しい……と言うことはつまり、その行為自体が非効率的で労力に見合わない。彼女は効率主義から、そう考える。
「放っておけば色々と問題も起きてくるだろうけれど、幸いにもここの文明レベルはかなり発達している。他のディヴィジョンと比べればかなり死ににくい環境なんじゃないかな」
「ですが、全くの放置というのも、やはり問題が起きるような気がしますわね……」
時先案内人の話では、『このままの体制では、遠からず破綻する』との事だった。もしディアボロスが完全に手を引けば、どのような形になるにせよ、あまり良い状況にはならないだろう。
あまり人々を酷い目に合わせたくない……と言う人道的な見地はもちろんとして、もっと即物的に大きな問題がある。
「放っておけば、今回のように新たな新選組への覚醒が多発する事になるのでは?」
「あー……それはまあ、確かに……」
その度にディアボロスが赴き逐一倒していく、それは心情・実利の両面から、好ましい事ではないだろう。加えて、ディアボロスが人々を守る意志を失う事には、もっと大きなリスクもあり得る。
ディアボロスとは、人々を虐げ歴史を奪うクロノヴェーダへの『怒り』をもって、復讐者に覚醒した存在だ。だがディアボロスが人々を救う意志を失った時、果たしてその『怒り』は――『力』は、正しく持続し得るのか。
ディアボロスのディアボロスとしてよって立つ基盤を失えば、あるいは、パラドクストレインが出現しなくなるような事すらあり得るかもしれない。
――蝦夷の攻略が進むにつれ、そんな危惧も囁かれるようになっている。
「とは言っても、放置する以外に方法はあるかな? 体制を変えるのは難しいんだよね?」
「それは、そうなのですわよね……」
実際のところ問題点はあれど、今回ディアボロスから提示された意見の中ではマリリンの意見が最も実行可能な提案であった、と言うのも事実だ。統治体制の変化と言うのは、それだけ大きな労力を伴う。
「現実的な所であれば……現状の統治体制を維持しつつ、一般人のリーダーの協力を得て援助する、と言う所でしょうか」
それならば混乱を抑えて一般人の被害を減らし、新選組への覚醒を抑止する事もできるだろう。先ほどアンネローゼが言った通り、上位の管理都市を制圧しつつ下位の都市は新選組に任せてしまうと言うのも、有用な手段となり得る。
あるいはディアボロスが攻略した下位の都市を新選組に再制圧させると言う事すら、手段としては有り得るだろう。
「でもそれじゃあ、幸福の総量や与えるエネルギーを低下させる事は出来ないよね?」
「そうですわね……人々のために不利を負う事は、ディアボロスの正しいあり方なのかもしれませんが」
このディヴィジョンの『幸福』を目的とした管理体制は、つくづくディアボロスにとって厄介極まりない。変えるのには困難を伴い、壊せば深い傷を負う。
だがそれでも、決断は必要だ。この議論と情報を踏まえた上で、蝦夷の市民にどのように当たるかを、再度決定しなくてはならない。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【書物解読】がLV3になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!
風見・茜
私が攻略旅団で都市の管理について提案した時は、一気に色々変えられると思ってなくてさ。
新選組との交渉案も出てたのを見て、都市管理の実績を積んでおけば、この先何かあった時に「代わりに市民の面倒見るぞ」て交渉材料にもできないかな~って考えたんだ。
こっちが市民を大事にしてたら向こうも下手に叩き辛そうだし。
市民の新選組への覚醒を止める為に、定期的にフィードバックを取りながら市民の生活の維持を手助けしたいな。
幸福エネルギー対策もしたいけど簡単に体制を変えるのは難しいのね。
我々がリーダー格に成り代わるのが無難だがどれくらい関与出来るか……人も多いし。
今の体制を基にして、役割や能力ごとに組織内部のグループを細分化させて市民が抱える負担や責任を分散できないかな!
こっちで指導・仲介役を担いつつ、現場で個人の自由意思と裁量に任される機会を段階的に増やしてく感じ。
生活の基盤になる食料を扱う機関辺りからモデルケースを作って他に浸透させてく?
攻略旅団や最終人類史の協力が必要になる要素も探っていきたいね。
「私が攻略旅団で都市の管理について提案した時は、一気に色々変えられると思ってなくてさ」
データや議論を前にしながら、そんな事を口にする風見・茜(廃品回収承ります・g10800)。今回の依頼の元となった都市運用方法の習得提案は、彼女によって攻略旅団に提案されたものだ。
「この先何かあった時に『代わりに市民の面倒見るぞ』て交渉材料にもできないかな~って考えたんだよね」
それが実現出来るかどうかは、今後の動向に関わるが。先に繋げるためにも、そして市民の新選組への覚醒を止めるためにも、市民を大事にして、その生活を維持したい。
幸福のエネルギー対策も、しておきたくはあるのだが……体制を変えるのは難しいと言うのはすでに結論がでている。
「このままやるとすれば、我々がリーダー格に成り代わるのが無難だけど、どれくらい関与出来るか……」
今の体制を土台とし、市民が抱える負担や責任を分散する。こちらで指導・仲介役を担いつつ、現場で個人の自由意思と裁量に任される機会を段階的に増やしていく。そんな方法はないものかと、データを調査しながら考え込む茜。
攻略旅団や最終人類史の協力を得られる要素もないかと考え……他のディアボロスから提案された、『最終人類史の専門家に統治を委託する』と言う案も検討していく。
「確かに《戴冠の戦》が始まれば、ディヴィジョンの境界は失われるし、そういう事もやりやすくなるのかな」
統治方法の知識については、ディアボロスより詳しい専門家も多いだろう。そうした人々によるシンクタンクを設立してもらい、具体的な統治は全て任せてしまう……それは存外、良い案のように思える。
何より、ディアボロスの負担を大きく減らせるのが良い。ディアボロスの目的は、ディヴィジョンを奪還する事……だが、都市運営に手を取られて攻略が進まなければ、それがいつになるか分からない。逆に運営の負担を減らせば、攻略が進めやすくなるだろう。
「まあ、完全に任せっきりって訳にはいかないけどね。特に、ディヴィジョンでの業務は私達でやらないと」
一般人をディヴィジョンに連れてくるのは、流石に危険が大きい。シンクタンクによる統治は通信を主としたものになり、それだけでは無理な事を、ディアボロスが行う……と言う形になるだろうか。
例えば調査したデータによると、都市内で支給されている食糧は原料となる液体から加工したもののようだ。つまり【液体錬成】を利用してこの原料液を大量生産し、安定供給する……そんな活動も必要となるだろう。
逆に最終人類史で行えて、残留効果も必要ない事は、全部任せてしまえば良い。
「うん、こんな感じ、かな」
この場のディアボロス達で頭を突き合わせ、具体的な案をまとめていく。基本方針はディアボロスが定める必要があるが、これは茜の案をベースとする、と言う事で良いだろう。
なんらかの形で方針転換などが必要となれば、その都度攻略旅団を通して提案すると言う事になる。
「それじゃあ、後はこれを持って帰って、然るべき所に依頼しようか」
そうして結論が出ると、新宿島に帰還するため都市を後にするディアボロス。まあ、シンクタンクが機能を始めるまでは、戻ってきてディアボロスだけで都市を維持する事になるだろうが。
それにしても、最終人類史にディヴィジョンの統治を依頼する――そんな事は、ディヴィジョンの境界があれば出来ない事であり。
「始まるんだね……いよいよ」
《戴冠の戦》の開戦までは、もう半月もない。改めてそれを実感し、呟きを零す茜。
果たしてこの新たな戦いは、ディアボロスに、最終人類史に、そしてこの蝦夷共和国に、何をもたらすのだろうか――。
大成功🔵🔵🔵🔵
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