ディアボロス、攻城兵器を築く
虎牢関は、本来の歴史と異なる、巨大な虎を模した形の、難攻不落の大要塞です。
ディアボロスが前哨戦で敵軍を短期間に減らしたことで、虎の口から内部に突入する事も可能となりました。ですが、虎牢関の内部は蟻の巣のように迷宮化され、現状、単に攻め込むだけでは、内部の突破はほぼ不可能です。
そこで、『虎牢関を突破する為の攻城兵器』の作成が必要となります。
三国志時代に存在する技術や設計思想で作成した攻城兵器であれば、ディヴィジョンの排斥力の影響を受けず、しばらくは使用することが可能です。
まずは十分な性能を持つ攻城兵器を準備し、数が揃い次第、攻城兵器を利用した攻略戦を行い、一気呵成に虎牢関を抜く強襲作戦を行います。
虎牢関の敵軍が減少した事で、敵に気づかれずに攻城兵器の為の資材を切り出したり、建造する事が可能になっています。
攻城兵器は大きい為、敵軍の一部が反応して攻撃してくる事が予測されますが、その一部隊さえ撃破できれば、それ以上の妨害は無く、強襲作戦につなげることが出来るでしょう。
※シナリオ予定について
このシナリオタイプが成功した場合、シナリオで建造した攻城兵器を利用した、強襲作戦シナリオが一斉公開される予定です。
破城奔走劇(作者 唐揚げ)
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●新宿駅:パラドクストレイン前
時先案内人の七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)は、手元のメモを何度も何度も睨んでいた。
「……よし、オッケーッス。勉強バッチリしてきたんで! イケるッス!」
この娘、少々おつむがよろしくない。なにやら今回は、そんな彼女には案内が大変な仕事らしい。
「先輩がたのハイパーな頑張りのおかげで『虎牢関』に居た大量のトループス級はだいぶ数が減ったッス。
だから、今なら虎牢関を突破するための作戦が出来るッス! つまり、第二段階ってことッスね!
……でも、虎牢関の中はものすんごい迷宮になってて、外より大量のクロノヴェーダがうようよ居るッス。
そこで今回は! 『中に飛び込む』んじゃなくて、『外から突破』する作戦で行こうと思うッスよ!」
すなわち……攻城戦!
「高さ100メートルの大城塞、虎牢関をぶち抜く攻城兵器の建造作戦ッス!」
これこそが、虎牢関攻略の第二段階。ディヴィジョンでの楽しい楽しい工作タイムの始まりだ。
「もちろん、普通の攻城兵器じゃ、あの虎牢関はデカすぎてぶっ壊すどころの話じゃないッス。
けど、そこはカッケー先輩達ッス! ディアボロスの力があれば、不可能はない! ……はずッス、多分!」
言葉尻が少々不安だが、それはおいといて。
「虎牢関の周りには山も森もあるッスから、木とか石とか、そういうのを手に入れるのは簡単なはずッス。
なによりウチらディアボロスには、パラドクスがあるッス。それでハイパーな攻城兵器を作るッスよ!
向こうも攻城兵器を狙ってくると思うんで、嗅ぎつけてきたクロノヴェーダをぶっ倒すのも大事ッス!」
実際に攻城兵器を使うのは、突破に必要な兵器が出揃ってからになる、とナナは語る。
今度は波状攻撃ではなく、一斉に攻めることで虎牢関を突破するというわけだ。
「今回はさすがに、先輩がたそれぞれで一つずつ攻城兵器を作る……ってのは、ちょっと難しいッス。
だから最初に先輩がたで話し合って、皆でどんな兵器を一つ作るか、を決めてもらいたいッス」
パラドクストレインでの移動中、あるいは資材を集めながら、はたまた建造をしながら。
ディアボロス同士で意見交換をするチャンスは、いくらでもあるだろう。
「そして大事なことッスけど、作る兵器はあくまで『三国志時代にあるもの』じゃないとダメッス。
でないとディヴィジョンの排斥力で、思ったように働かなくなっちゃうッスからね。
どのぐらいまでなら排斥力の影響を受けないのかは、ウチにはちょっとワカんないッスけど……」
そこを工夫するのも、ディアボロスとしての発想力と応用力の見せどころ、ということか。
「虎牢関の前に残ってるクロノヴェーダは、こっちに邪魔しにくるようなことはないはずッス。
ただ巡回して警備に当たってる連中がいるんで、そっちとは戦うことになると思うッスね。
攻城兵器ってぐらいだから、ハイパーでっけーもんが出来ると思うッス。発見されたら大変ッス!」
ゆえに、攻城兵器を発見・攻撃される前に、こちら側から殲滅するのも手だろう。
「え? どんなの作ればいいのかわかんない、ッスか?」
先輩からの質問にきょとんとしたナナ。だが彼女は腕を組み、不敵に笑う。
「……ふっふっふ、よくぞ聞いてくれたッス。そのためにウチ、勉強してきたッスよ!」
ててーん! 愛用のメモ帳とは別に、スケッチもしてきたらしい。ルーズリーフを取り出した。
そこには様々な攻城兵器が……こう、少々独特のアレンジを加えて描写されている。
「えーと、これが雲梯車(うんていしゃ)。簡単に言うと、持ち運びできるおっきな階段? 梯子? ッスかね。
こいつをバーン! って城の壁にくっつけて、そんで兵士がワー! って乗り込むらしいッスよ! カッケーッス!」
絵はかなりアレンジメントされている。
「で、これが井闌車(せいらんしゃ)。こっちは弓を持った兵士を運ぶためのやぐら、だったらしいッス。
こう、エレベーターみたいにウィーンって上げ下げ出来るんスよ。カッケーッス! ウチも乗りたいッス!」
絵はかなりアレンジメントされている。
「あとは、台車に城の壁をぶち抜くための丸太を乗せた『衝車(しょうしゃ)』とか、
それを強化した『亀甲(きっこう)衝車』とか、石をぶーんって投げる『霹靂車(へきれきしゃ)』とかッス!」
一通り紹介すると、ナナは腰に手を当て胸を張り、むっふーと渾身のドヤ顔を浮かべていた。
「どーッスか! ウチだってちゃんと勉強出来るッス!」
絵はだいぶアレンジメントされていたが。
「あ、さっきも言ったッスけど、改造するにしても『三国志の時代にそぐうかどうか』は重要ッスよ!」
ナナは、さも自分が三国志のプロですみたいな顔で言う。別にプロではない。
「まあ、少しぐらいなら、パラドクスとかでなんとかしたってことになるかもッスけど……。
たとえばこう、丸太をロケットエンジンで叩き込むとか、台車の前のほうが芝刈り機みたいにヴィーンて動くとか、
なんかそういうのは、ヤバいと思うッス。一斉攻撃する前にぶっ壊れちゃったら、元も子もないッスからね!」
あくまで、『当時の技術力や知識で理解可能なもの』を作ることが、大事なようだ。
「いまだから言っちゃうッスけど……あの前哨戦は、成功する可能性が高いとは言えなかったッス」
ナナは少し落ち込んだ様子だ。時先案内人として、士気を案じて言うべきでないこともあるゆえに。
「けど! 先輩がたのハイパーな活躍のおかげで、見事成功したッス! やっぱ先輩はカッケーッス!
虎牢関そのものもハイパーにやべーッスけど、先輩がたのハイパーな知恵があれば大丈夫ッス!」
ディアボロスが使用することを前提とした様々な工夫が、不可能を可能に変えるはずだ。
「クロノヴェーダの奴らがあっ! と驚いちゃうような、ハイパーな兵器! 期待してるッス!」
その時、パラドクストレインのベルが高らかに鳴り響いた。
「ところで先輩、ウチの解説どうだったッスか!? 役に立つッスか? 立つッスか!? 絵とかどうだったッスか!?」
パラドクストレインのベルが、高らかに鳴り響いた(大事なことなので二回)
●大戦乱群蟲三国志:虎牢関、城門
「やぁれやれ。警備だ巡回だ、しち面倒くさくて敵わねえなあ」
黄金の大盾を携えた精兵、『板循黄金兵』を率いるのは、これまた黄金の硬殻を持つ、筋骨逞しい蟲将。
名を『管亥』。元となったのは、黄巾党の頭目であり、あの関羽とも一騎討ちを繰り広げたとする英雄だ。
「俺の専門は奪って暴れることだぜ? あーあ、退屈ったらねえ。関羽のような豪傑がいりゃあいいのによ」
仮にも門を守る部隊の指揮官としては、ありえない台詞だ。だがこの男は『こういう輩』なのだ。
奪い、殺し、好き放題に暴れる。それこそが、『管亥』の名を奪い取ったクロノヴェーダの本懐である。
「ま……あれだけ派手な襲撃をやらかした連中が、数を減らしておしまいってこたァねえわな。
どうせ、またぞろコソコソ小細工を企んでんだろ? 小賢しいが……俺としちゃあ燃えてくるね」
管亥はキシキシと鋏角を鳴らし、自慢の豪槍をぶんぶんと振り回した。
「ってわけだ。人気のねえ森や山のほうは特に重点的に調べろ。で、やり合う時は仲間に知らせるのを忘れるな。
お前らは耐えるのに向いた兵士だ。その防御力で耐えてりゃ、騒ぎを聞きつけて他の奴らも駆けつけられる。
うまくすりゃ俺も混ざれるし、なぁ? 間違っても速攻でやられたりすんなよ。わかったな!」
「「「はっ!」」」
「よぉし。じゃ、仕事に励むとすっかね」
どうやら巡回警備部隊は、一筋縄ではいかないようだ。
リプレイ
高遠・葉月
アレンジ、共闘歓迎。
攻城兵器作成の準備ね。うん。了解
じゃあ適当に岩とか木材取って来ましょう
ふむ、破城槌とか投石器みたいなやつかしら。ナナは勉強家ね
まあ、作るのは他に任せてあたしは沢山材料を用意すればいいわね
大き目の斧とロープを何本も借りて適当に近場の森へ。
斧やロープはデーモンの魔力で頑丈さを補強して、と。
【怪力無双】と自身の膂力でひたすら木を切り倒していく
何本か斬り倒したら雑にロープで括って引きずって持って帰る
岩も良い感じのがあれば回収
十二分に集まるまで黙々と繰り返していくわ
これって環境破壊とかそういうやつにならないかしら
……………まあ。いいわ。そこらへんはナナがなんとかするでしょう(丸投げた
魏・鋼
雲梯にしろ衝車にしろ、建造するためには素材がなくては絵に描いた餅、まずは材料集めに励みましょう
私は木材を集めましょう
まずはじめに【スーパーGPS】により、付近の地図と照らし合わせて近くの森林と、そこから虎牢関までのルートを確認します
どこで攻城兵器を作成するにしろ、運ぶ道筋を立てておいた方が速やかに作戦が進みます故
道筋がたったら森林へと馬を走らせ、切り倒す木々に目印と切れ込みをつけていきましょう
最後は助走をつけて無双馬で駆け抜けつつ戦騎疾駆で目印をつけた木々の間を槍を振るいつつ駆け抜けて、木々を切り倒し、必要量を確保しましょう
後は木々を板の上に木の車輪をつけた物に乗せ、馬で引っ張って運びましょう
穂村・夏輝
攻城兵器、順調に数が増えてるみたいだね。このまま行けば、虎牢関の攻略も上手くいきそうだ。
まずは何を作るにしても資材は大事だし、俺は石材の調達をしようかな。木材や重量の足りないパーツとかにも使えるだろうし。
【アイテムポケット】に程よいおおきさの岩をしまったり、仲間の【怪力無双】を利用するなどして運んでゆくよ
建設地の整地も,邪魔な石や雑草とかを【アイテムポケット】に収納して払ったりして場所を整えるかな
造る兵器は雲梯車でいいかな?高さはギリギリまで挑戦するとして、城壁の上まで届かなかった時の保険はどうしようか?壁を突き破れる攻撃力を何か搭載する?それとも他の攻城兵器が穴を開けるのを待つ?
諷和・もこ
大きな工作なんだよー!
わー、楽しそう……こほん、ちゃ、ちゃんと真面目にやるんだよ!
うん!
何を作るにしても材料の確保が大事だよね?
調薬するときもまずは薬草と器具を準備しなきゃだし
木材とか、石とか、岩とか
役に立ちそうなものをどんどん運んじゃうんだよ!
大きな物も【怪力無双】でひょいひょいっと担げちゃうから大丈夫
警備の人に見つからないよう、物音を立てないように、荷物を落とさないように、足音を立てないように
細心の注意でそーっと、そーっと運ぶんだよ(フラグ)
錣吹・しとら
建設ってもアタシャ工場兵器は流石に専門外だな……
まあ何か出来ることはあんだろ、やってみっか
パイルバンカーじゃねえか!(亀甲衝車を見て)
いやこれパイルバンカーじゃねえか完成度高いなオイ!
よーしやる気がわいてきた!一先ずできるとこからやってみっか!
材料調達は任せて、アタシは設置・組上げ場所の整地すっか
木を引っこ抜いて、土を突き固めたら【セルフクラフト】のコンクリブロックを敷いて石畳にすっぜ
これなら重い資材や兵器も運搬しやすいし、足元が安定するから事故も減るだろ
それじゃ、今日も安全作業ヨシ!よろしくお願いします!
エンデ・トロイメライ
工作っていうサイズじゃない気がするけど……まあいいや。
切ったり運んだりくらいはアタシでも出来るし、早速頑張りますか!
まずは材料が無いと始まらないよねー。
というわけで、木や岩を主に、使えそうな材料を片っ端から運んで行こうか。
例えば縛って固定したり使えそうな蔦とか。竹も加工しやすいし汎用性高そうだよね。
土も物によっては隙間を埋めたり接着剤代わりに使えるかも?
その他持っていける必要な材料があれば任せて!
物資を浮かして、更にフライトドローンも使って飛んで運ぶ!
これなら運搬ルートとか考えなくて済むし時間もかからない!
さてと、後は何を作ろうかな……?
●ご安全に!
パラドクストレインから降りたディアボロス達は、まずは集まって作業の分担を決めることにした。
攻城兵器を作るためには、闇雲に材料を集めればいい……というわけでもない。
巡回警備部隊も居る以上、一箇所に集まるのも効率が悪いのだ。
「じゃあわたし、適当に岩とか木材取ってくるわね」
「って待てぇーい!? 適当じゃ絶対材料余るだろ!」
……のはずなのに、フツーにその場を離れようとした高遠・葉月(猫・g04390)を、錣吹・しとら(鬼門の姫・g00929)が止めた。というか、ツッコミを入れた。
「? いいじゃない、足りないより余るほうがマシでしょ?」
「いやまあそうかもだけどよ、その余った材料を敵に見つかっちまったら……まずいだろ?」
「…………たしかにそうね」
葉月は納得した。彼女は少々、いやだいぶ話をシンプルに考えるタイプのディアボロスなのだが、こうして理詰めで説得すれば納得はする。けして考えなしのアレではない。
「それに、木材って言っても、木ならなんでもいいわけじゃないんでしょ? アタシ、そういうの詳しくないよ」
「石材も同じだね。より頑丈に、より精巧に作るなら、材質にはこだわりたいからね」
と、エンデ・トロイメライ(エピローグ・g00705)の言葉に、穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)が同意した。
「勇んで来てみたけれど、考えることが多そうね。切ったり運んだりは、アタシでも出来るわ。加工は任せて」
「大きな工作なんだよー! 楽しそう!」
「……いや、工作ってレベルの大きさじゃないと思うんだけど」
エンデにツッコまれた諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)は、無邪気に喜んでいた顔を、かあっと赤くする。
「あ、う、うん……ちゃ、ちゃんと真面目にやるんだよ、ほんとだよ?」
「ふふっ。まあ、元気なのはいいことだよ。体力勝負だからね」
そんな様子に、夏輝は穏やかに微笑んだ。雰囲気はいいようだ。
「早速ですが、資材を集められそうな場所と、虎牢関までのルートを確認してみました」
なにやら地図を広げてためつすがめつしていた魏・鋼(人間の無双武人・g05688)が言う。
「どこで攻城兵器を作るにしろ、運ぶまでの道筋を立てておいたほうが、突入のタイミングで慌てずに済みますゆえ」
「ありがたいね。資材は【アイテムポケット】なんかで運べるけど、完成させた攻城兵器の運搬は骨だろうから」
夏輝は、鋼の着眼点に感心した様子だ。
「調薬するときも、まずやくそうと器具を準備しなきゃだし、木材も石も岩も、全部必要そうな気がするんだよ!」
「木材については私におまかせを。無双馬とともに森を駆け抜け、木々を切り倒してまいりましょう。この様子なら、運搬は他の方にお任せしても問題なさそうですね」
「ええ。【フライトドローン】も使えば、大量の資材も空を飛んで運べるはず」
エフェクトを利用した作業は、ディアボロスの十八番だ。
誰が資材を確保し、誰が運ぶか……そういった分担作業は、誰かが音頭を取らずとも、自然と進んでいく。
それだけ、彼らにはやる気が満ちている、ということだろう。
そんな中、建築業の経験者であるしとらは、腕を組んで唸っていた。
「アタシャ攻城兵器は流石に専門外だな……いや、でも設置と組み上げ場所の整地は行けるぜ。むしろ、そういうのが専門だ」
「へえ、心強いね。作業中に事故があったら、元も子もないし」
夏輝は穏やかな笑みを浮かべる。しとらは胸を張った。
「おうよ! あのパイルバンカー、アタシも作りてえからな!!」
「……ぱいるばんかー???」
出身時代が時代ゆえに聞き馴染みのない言葉に、鋼は首を傾げた。
「え? あったじゃねえか、あの説明で見せてもらった絵の中に。こう、滑車に杭がついてて……」
「そ、それは亀甲衝車だと思うんだよー……」
「本当に炸薬なんて搭載したら、きっと動かなくなるだろうから、やめておきなよ?」
え、違うの!? と驚くしとらに、呆れるもことエンデ。
「ま、まあいいや……とにかく作業をするなら、『アレ』をやらないとな!」
「「「???」」」
と、気を取り直したしとらに、一同は首を傾げた。
「何不思議そうな顔してんだよ、攻城兵器ったって建造ってことは危険な仕事だぜ? つまり……」
しとらはなぜか片足を上げて、あらぬ方を指差す。
「今日も安全作業ヨシ! よろしくお願いします!!」
「……工事現場?」
黙る一同。首を傾げる夏輝。
「同じようなこったろ!? ヒヤリハットは危ないんだぞマジで!!」
色んな意味で実感の籠もっているしとらだった。
ともあれこうして、ディアボロス達の資材集めが始まった。
「さあ、行くぞ我が愛馬よ! はっ!」
鋼は無双馬を駆り、深い木々が生い茂る森の中を走り抜ける。
ヒュンヒュンッ、と彼の周りで火花めいた光が煌めく……それは実のところ、ものすごいスピードで振るわれた槍の穂先の煌めきだ。
遅れてずずずん……と音を立て、目印と切れ込みの入れられた木々が倒れていく!
「わお、すごいじゃない!」
ロープと斧を担いだ葉月は、ぱちくりと目を瞬かせた。
彼女も大概パワータイプなディアボロスだが、鋼の手際には無双武人としての洗練された武技がたしかに垣間見える。
ただ木を伐るといっても、一流の武人にかかれば芸術めいた手際になるというものだ。
「もったいないお言葉です。貴殿も……順調のようですね」
「ええ。わたしはあなたほど華麗には出来ないけど、こういう作業を黙々とやるのは慣れてるのよ」
葉月が担ぐロープには……大量の丸太がくくりつけられていた。どうやら持ってる斧で根こそぎ伐り倒したらしい。
「私としては、その量の木々を縄一本で引っ張っていることのほうが驚きですが……」
「そう? もう少し集めたほうがいいかなって思ってるのよね」
「こ、これ以上ですか」
「だって、あの虎牢関って100メートル以上はあるんでしょう? ぶっ壊すにせよ乗り込むにせよ、並の攻城兵器じゃダメだと思うのよね」
葉月はあまり物を深く考えないタイプだが、その指摘は実際正しい。
そう言われると鋼も腕を組み、残る木々を見やった。
「……となると、私ももう少し励むとしましょうか。足りないよりは余るほうがまだマシですし、材料があればそれで何か工夫が出来るかもしれませんからね」
「そういうこと。問題は……これ、環境破壊にならないのか、ってことなのよね」
葉月はうーんと考え込み、2秒するとケロッとした顔で「ま、なんとかするでしょ」であっさり答えを出してしまった。
「竹を割ったようなお方だ……」
鋼は、感心したような呆れたような微妙な顔をしつつ、木々の伐採に励んだ。
そこからやや離れた岩場では。
「よい、しょ! そっち、運ぶんだよー!」
「ええ! よろしく!」
岩という岩、石という石を、『鬼神変』で異形化した豪腕で引っこ抜いたり、めきめきと引っ剥がしたり、叩き割ったり、もこの怪力が大活躍していた。
やや乱暴に運ばれてきた石を石材に加工するのは、エンデの役目だ。
彼女がナノマシンで再構成したサーベルを振るうと、巨大な石の塊はスパスパとバターめいて切断され、決められた寸法の石材となり規則正しく積み重ねられていく。
「わー! すごいんだよ、かっこいいー!」
「ふふん、それほどでもないよ。このぐらいしか出来ないからね、アタシは」
謙遜するエンデだが、悪い気はしない。もこはそんな彼女にぱちぱちと拍手する。
「ボクは、そういう細かい作業が苦手なんだよー……」
「え? でも調薬とか言って……」
「……そ、そっちも、まだ慣れてないんだよ~」
もこは目を逸らした。彼女は医療従事志望者である。そう、志望者。大事なことなので2回言いました。
「で、でもいずれはちゃんとしたお薬とか、調合できるようになるんだよ!」
「ふふ、そうだね。だったらこういう切り詰める作業もやっておくことで、なにか見えてくるものもあるんじゃない?」
「むむむ……チョップしたらなんとかなるかな?」
「いや、さすがにそれはどうかな……」
刃物らしい刃物を持っていないもこは、異形化した片腕を手刀の形にしてヒュンヒュン振るう。エンデは苦笑した。
「そろそろいい感じの量になるし、一旦組み立て現場まで運びに行こっか」
「うん! 力仕事なら任せるんだよ! 半分持ったって問題ないんだよー!」
エンデともこは協力して、大量の石材を運ぶ。
その道中、竹林を見つけたエンデは、何かに使えれば……と考えて、それらも採集しておくのだった。
一方、攻城兵器の組み立て現場。
「みんな張り切ってんじゃねえか! アタシらもうかうかしてられねえな!」
「木材も石材も、どんどん集まってるね。俺もこっちを手伝いに来たよ」
石材の採集を切り上げた夏輝は、しとらと協力して場を整えていく。
邪魔な石や雑草は【アイテムポケット】に収納し、資材を置くためのスペースを確保。
その間にしとらは組み立て用のスペースの土を突き固め、 【セルフクラフト】でコンクリブロックを作り、それを敷く。
「これで即席の石畳完成よ。本当なら、もっと頑丈なコンクリで固めたいんだが……ま、贅沢は言ってられねえな」
本業のしとらとしては、やはり安全基準的に色々懸念がありはする。
が、作業に従事するのがディアボロスとなれば、通常の工事現場の尺度で考えるのはあまり意味がないだろう。むしろ注意すべきは、敵の襲来と……何を作るか、だ。
「俺としては雲梯車を作ろうかと思うんだ。あれだけ高い城塞なら、相当の高さになるだろうけど」
「え!? パイルバンカーじゃないの!?」
「だからあれはパイルバンカーじゃないし、そもそも話し合ってすらいないだろう……?」
完全に亀甲衝車を作るつもりだったらしいしとらは、また愕然としていた。
「だ、だって……かっけーじゃねえか! パイルバンカー!!」
「いやまあ、ロマンがあるとは思うし、別に俺も反対じゃないけどね?」
なにやら熱が入った様子のしとらに、夏輝は苦笑する。
「そのあたりも、採集が一段落したら話し合わないといけないね。勝手に作業を始めたら、資材を浪費する一方だ」
「まー、そうだな。これだけあっても、あんなバカでけえ城を攻めるとなりゃ、2つも3つも作ってられねえや」
しとらは、遠くに聳える猛虎の威容を一瞥した。
あの堅固な城壁を突破するための準備は、着々と整いつつある……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV2が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
攻城兵器の建造ねえ…俺は門外漢だし、その辺はやりたい奴に任せて、蟲連中にちょっかい出しに行くとするか。
先に見つかるのも癪だし、とりあえず突っ込んでみるかね。
警備ご苦労さん!遊びに来たからよ、職務を全うしてみせな!
連中が身構える前に鎖分銅の【投擲】で先制だ。
あの馬鹿デカい盾に防がれるかも知れんが、動きを止められりゃ十分だな。
とは言えあの盾、邪魔くせえな。
…奪っちまうか、便利そうなその盾、俺にもくれよ!
手近な奴から盾を引っぺがして御礼にぶっ叩いてやるぜ、ありがとよ!
守ってよし叩いてよし、おまけに蹴っ飛ばしゃいい弾にもなるとはな!
やる気のある奴はどんどん来い!全員相手になってやる!
カルン・ティミド
何でも歓迎
物作りは得意じゃないので皆さんにおまかせして、私は巡回の敵を倒しにいきます。
黄金な敵が多いって聞いたのでうきうきわくわくです。
キラキラしてるのが見えたら飛びつきにいきますよ!
素敵な盾ですね!ください!
虫は好きじゃないですが金色はとっても綺麗ですね!
欲望のままに突撃します!ロプト様に憑依してもらって強化ドラ状態でゴリ押しです!
あまり盾は傷つけたくないので…近付いて盾を無理やり剥がしにいきますよ。
鷲掴みにして振り回したり腕を尻尾で断ち切ったり、盾ゲットのためならなんでもします!反撃されても金ぴか優先です!
何個か確保できたら尻尾の刃で思い切り薙ぎ払って倒しちゃいます
●黄金の盾を砕け
「本当に、あの虎牢関を突破しようなどという考えを持つ輩が居るんだろうか?」
「管亥様の見立てはたしかだ。あのお方は、略奪のほうが得意だが、それゆえに戦を見る目がある」
『板楯黄金兵』達は言葉を交わしながら、森に向かって歩いていた。
「だとすれば、愚かだな……どんな兵器を用意しようが、あの城塞を突破できるわけがなかろうに」
「――そいつはどうかな?」
「「「!」」」
その行く手に立ち塞がる者あり。菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)だ!
「よう、警備ご苦労さん。遊びに来てやったぜ。先に見つかるのも癪なんでな」
「曲者!」
黄金兵が身構える……よりも早く、鎖分銅が空気を切り裂いた!
カーン! と小気味いい音。素早く構えた盾に弾かれた。
「ほう、なるほどね。防御力だけは一人前ってわけだ」
桐梧は慌てない。今のは相手の動きを止めるための牽制だ。
彼はすでに間合いに踏み込んでいる。強引に敵の足並みをかき乱すつもりだ!
「くっ、陣形を整えろ! 他の部隊が到着するまで持ちこたえるんだ!」
「管亥様も、この騒ぎには気付くはずだ。我らの得意な持久戦で凌ぐぞ!」
しかして、敵もひとかどの戦士。桐梧の猛攻は、分厚い黄金色の盾で的確に防がれてしまう。
「チッ、邪魔くせえなあその盾。いっそ奪って……」
「そうはさせませんよ!!」
「へ?」
まさかの味方からの制止に、桐梧はきょとんとして振り返る。
「あの素敵な盾は私のものです! あげません!!」
自信満々に、さも当然とばかりに言い放つカルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)。
「いや、俺ら味方だろ!? 奪い合ってどうすんだよ奪い合って!」
「たしかに私達は同じディアボロスですが、それ以前に金ピカは私のものなんですよ!!!」
「しかも防御力を削ぐとか、そういうレベルの話でもねえのかよ!!」
カルンの両目はドルマークになっていた。どこでも誰が相手でも、ブレない強欲略奪ドラゴンである。
「というわけで皆さん! その素敵な盾を私にください!!」
「「「あげるか馬鹿者!!」」」
「ギャー!!!!」
ジュワー! 金ピカ盾が太陽光を反射し、カルンをじゅうじゅう灼いた!
「おい、大丈夫か!?」
「だ、大丈夫です……それより、私には懸念があります……!」
「懸念、 そいつは一体……」
桐梧はごくりと生唾を飲み込んだ。何か戦術的な意味で気付いたことがあるのだろうか?
カルンはがばりと起き上がった。
「あの盾、傷ついてませんよね!? 金ピカに傷がついたら価値が!!」
「あ、うん。俺もう心配しねえでいいな」
桐梧は呆れ顔で無視した。
「えー!? だって金ピカですよ! できるだけ傷つけないでくださいね!」
「ああもううるせえな!? 邪魔したいのか手助けしたいのかどっちだよ!?」
「私があれを手に入れるのをサポートしてください!」
「横着にもほどがあんな!?」
などと漫才めいたやりとりをしつつ、2人は猛攻で黄金兵を追い詰める。
いくら敵が防御力に長けているとはいえ、『煙竜憑依(タグイール・ジンニーヤ)』で身体を強化したカルンと、乱戦に長けた桐梧の変則的な攻撃には、為すすべがない。
「ふふふ、その盾! いただきますよぉー!!」
「うおっ!?」
カルンは黄金兵の盾を掴み……真顔になった。
「黄金じゃない」
「は?」
「これ黄金じゃないですよ! 黄金色ですけど!!」
「そんなの見りゃわかるだろ!?!?」
おかしい、なんで俺がツッコミ役になってるんだ? 桐梧は心の中で頭を抱えた。
「ええいこんなの要りません! 私を期待させた罰を受けてくださーい!!」
「なんかもうメチャクチャだが、おかげで攻撃は通りやすくなったな!」
敵の守勢が乱れたところに、2人の滅多打ち攻撃が突き刺さる!
「お、おのれ、闖入者ども……!」
かくして兵士の部隊は、2人の活躍によって倒れた。
「やれやれ、思ったより手こずったな。次が来るかもしれねえぞ」
「迎え撃つ……のは分が悪そうですね。一旦場所を移動しましょう!」
「ああ。やるならこっちから仕掛けるのが一番だ。組み立て現場を見つかったら、さらに面倒なことになりそうだしな」
2人は素早く身を隠し、別の部隊を奇襲するために駆け出した。
徐々にだが、警備部隊の包囲網は縮まりつつあった……。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
穂村・夏輝
とりあえず、何作るか決める前の気分転換に、トループス退治でも言っておこうかな。ついでに、敵の盾とか入手できるようであったら、したいところ
「結構頑丈そうだし、攻城兵器の前面に貼り付けておくのアリなんじゃないかな?」
可能なら、他の人が戦闘した地点にも赴いて盾を【アイテムポケット】で回収したいな
戦闘では自分が敵の攻撃を引き付け、サーヴァントのアンジェローザを敵の背後に短距離ワープさせてシャイニングレイ(装備品)で攻撃させる。ワープする敵と戦ったことはあるかな?
「その盾は硬そうだからね。悪いけど、後ろを突かせてもらう」
それで相手が後ろを向けば、今度は自分が切り込めばいい
●気分転換の大暴れ
資材は十分に集まり、組み立て現場も確保できた。
となれば次は、作業の邪魔をしてくるであろう巡回警備隊の撃破だ。
指揮官の『管亥』は最後に回すとして、雑魚を蹴散らすのはいい気分転換になるだろう。
とまあ、そんな軽い気持ちで斥候に出た穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)。
ほどなくして彼は、伐採現場を物色する敵部隊を発見する。
「おや、めざといね……もうこちらの痕跡に気付いたか」
中性的な容姿が浮かべる笑みは、穏やかなもののように見える――が、実際は獣が牙剥くような獰猛なものだ。
「そこのキミ達! 探しているのは俺達、だろう?」
「「「!」」」
夏輝はわざと姿を晒す。不意打ちのたぐいは、彼の得手ではない。
加えて敵の防御力から考えて、万一不意打ちに失敗した時、次の攻撃のチャンスは得られないだろうと考えたのだ。
であれば最初に姿を表し、そこからパラドクスで意表を突けばいい。そういう思考があった。
「やはり居たか、闖入者め!」
「虎牢関の突破なぞ、出来ると思っているのか? ここで死んでもらうぞ!」
敵の数は多い。おそらく別のディアボロスらが小隊を撃破したことを受け、兵力を集めたのだろう。
一人で相手するには少々骨だが、夏輝は余裕の笑みを浮かべて敵を牽制した。
「かかれぇっ!!」
盾を前面に押し出し、敵部隊が迫る。生半可な反撃は弾かれてしまう、鉄壁の構えだ。
「うん、そうだね。その盾は硬そうだ。だから――」
敵がおもいっきり剣を振り上げた、その瞬間!
「……がはっ!?」
キィン! と、背後から光線が劈いた。そう、背後だ!
「悪いけど、後ろを突かせてもらうよ」
夏輝は自ら囮となり、サーヴァントであるオラトリオ『アンジェローザ』の存在を隠蔽していたのだ。
背後! 短距離ワープで回り込まれた死角だ。敵は振り返ろうとする、だがそれは夏輝にも隙を見せるということ!
「俺達の戦い方は、こういうことも出来るんだ」
夏輝は『天晶剣』を振るい、敵をばったばったと斬り倒していく。
意表を突かれた敵は脆い。力を合わせての作業で、残留効果が高まっていたおかげもあるのだろう。
「さて、これが利用できるといいんだけど……」
さっそく夏輝は、あたりに散らばった戦利品の物色を始めた。
これでひとまず、作業を邪魔されることはなくなっただろう。
幸い、夏輝の気分転換にもなったようである。
大成功🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
高遠・葉月
アレンジ、共闘歓迎。
あっと言わせる兵器…・
でかく作ればいいわね。頑丈ででっかくて硬くて強いやつ
ごりごりと他の人の製造に回せる材料の余裕を残しつつ
頑丈さ優先で可能な限りでっかく作っていく。
ぶつける杭もでっかく重く
高い屋根から長く吊るして大きく振れるようにする
元々あるやつの尺をそのまま大きくすればいいからあたしでもできるわ
あとは【怪力無双】でがんごん殴る感じでやればいいわよ(適当だ
虎戦車もカッコいいけど、
あれは合肥より未来の話だしそもそも攻城兵器じゃないわよね
………火は吐かないけど虎頭を前面に付ければいいかしらカッコいいし(2回言った)
(本人的にはカッコ良い虎の頭をつけました。出来はお任せ)
諷和・もこ
おっきな武器を作っちゃうんだよー!えいえいおー!
そういえばエンデさんが竹を見つけてたっけ…
これ、何かに使えないかなぁ?
確か竹って、丈夫でよくしなるんだよね
んー、そうだ!丸太を吊るす屋根の支柱に竹を束にしたものを使って建物全体がグイーンってしなるようにしたら、杭の振れ幅が大きくなって威力が増すかも?
試しにやってみようなんだよー(竹を数十本まとめてギュギュっと縛る)
おぉー、虎さんの頭、カッコいいんだよ…!
せっかくだからボクも何か…(ゴソゴソ)
……ハロウィン柄のシール(ハロウィンの雰囲気につられて沢山買ってしまった)の残りしかないんだよ……
…ん、せっかくだから、側面に貼っておこう…ぺたり
穂村・夏輝
よし、作ろうか
どうせなら衝車も雲梯車も作ろう。何なら、合体させよう。無理そうなら衝車に絞るけれども
雲梯車の梯子は立てかける角度をある程度変えられるようにして、折りたためる形にすれば、長さも稼げると思う
あとは、梯子の先端部分に重量のある鈍器をつけて、ハンマーみたいな感じで、勢いよく壁に立てかけた際に壁を叩き壊せるような構造にしたいな。そうすれば、上部まで届かなくても壁を破壊したところから侵入できる。竹とかも使えば、しなりが増して勢いが上がるかも
「雲梯車って言うよりハンマー車かな?」
あとは前面の攻撃の邪魔にならような箇所とかに戦闘で敵から手に入れた敵の盾とかをつけて防御力を上げる
●攻城兵器、建造開始
「どうせなら、衝車も雲梯車も作ろうか」
「「えっ!?」」
穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)の突然の提案に、さすがに驚く高遠・葉月(猫・g04390)と諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)。
「ふたつもみっつも作ったら逆効果……って、ナナが言ってなかった?」
「材料も足りない気がするんだよー、頑張って集めたけど……」
「ああいや、本当にふたつを完璧に作るわけじゃないよ」
夏輝はくすくす笑って、手を振った。
「合体させてしまえばいいんだよ。まあもちろん、どちらも100%の性能を発揮するのは難しいかもしれないけどね」
すべての攻城兵器の性能を併せ持った兵器……というのは、当然(技術的にも構造的にも)無茶な話だろう。
しかし衝車の要である槌の部分と、雲梯を組み合わせることは不可能ではないはずだ。
だが当然、ふたつの攻城兵器の構造を組み合わせることは、設計の時点でかなりのテクニックが必要になる。
「なら、でかく作ればいいのよ! 頑丈ででっかくて硬くて強い! これなら解決よ!」
葉月が身もふたもないことを言い始めた。
「た、たしかにそうかも! おっきな兵器を作ればいいんだね!」
「なんだか方向性がズレてるような気がするけど……うーん、まあそれも正しいね」
夏輝もあんまり深く考えなかった。……ん? 大丈夫かなこの建造計画??
「それじゃあやるわよ!」
「うん! えいえいおー!」
「よし、作ろうか」
先行き不安だが、とりあえず3人のやる気はピカイチだった。
この作戦で重要なのは、『三国志の時代の技術で再現可能な攻城兵器である』こと。
ではどこで工夫すればいいのか……それは、技術ではなく『発想』の問題だ。
「雲梯車の梯子を、ある程度角度を変えられるようにして、折り畳める形にするんだ。どうすれば長さも稼げるはずだよ」
夏輝が提案の参考にしたのは、現代の消防車などに使われている仕組みだ。
ロケットエンジンだのなんだのといった、排斥されそうな技術を使わずとも、長い歴史の中で考案されたテクニックを応用すれば、攻城兵器は劇的に変化する。
もちろんそれを実現するには、ディアボロス自身が精密な計算や繊細な作業を成し遂げねばならない。
「頑丈さ優先ででっかくするわよ。とにかくでっかくよ!」
……のだが、葉月を見ていると少々、いやだいぶ不安になってくる。仕事のほうはしっかりやっているようだが。
「んー、そうだ! 丸太を吊るす屋根の支柱に、竹を束にしたのを使ったら、建物全体がグイーンってしなって、杭の振れ幅が大きくなるんじゃないかな?」
「ちょっと強度に不安がありそうだけど、面白い提案だね。でも、そんな大量の竹を縛れるのかな?」
夏輝が首を傾げると、もこは笑顔で数十本の竹を並べ、それを強靭な縄で縛ろうとする。
「ためしにやってみようなんだよー」
ぎゅっ、めきめきめき……めりめりめり……!
かなりヤバげな音を上げる竹。だが縛れている。恐るべきはもこの膂力だ。
「……あ、うん。心配はなさそうだね」
提案しておいてなんだが、ディアボロスすげえな、と夏輝は思った。
かくして、非常に高く作り上げた屋根から杭を吊るした、なんとも奇妙な見た目の攻城兵器が出来上がりつつあった。
葉月がひたすら大きさと頑丈さを追い求めたおかげで、肝心の杭もビッグサイズである。支柱に利用した竹の束がみしみしと音を立てているのが若干不安だ。
「うーん、この見た目……雲梯車っていうより、ハンマー車だね」
「何か足りないわね……あっ、そうだわ!」
葉月はなにやら、余っている木材をギコギコと加工し始めた。
「……何してるのー?」
「虎戦車って知ってる? まあ、あれは合肥より未来の話だし、攻城兵器でもないんだけど……」
ギコギコ。葉月が削り出しているのは、なんとも……独特のセンスで造られた虎の頭だ。
「これを、攻城兵器の前面に装着すれば……!」
「「装着、すれば……?」」
「…………カッコいいわ!!!!」
火は吐かない。別にギミックもない。だがカッコいい!!
「おぉー! ぼ、ボクも何かつけるんだよー!」
もこはごそごそ懐を漁り……ハロウィン柄のシールを取り出した。しかも、半分ぐらい使ってるやつ。
「これを貼っておくんだよー!」
「なんか、ずいぶん見た目があべこべになっちゃったね」
夏輝は苦笑する。ギシギシしなるハンマーめいた巨大な杭と、消防車のように折りたたみ可能な雲梯。に、巨大な虎の頭とぺたぺた貼られたハロウィンシール。なんだこれは。
「名付けて……雲梯虎衝車っていうのはどうかしら!?」
「うん、全部の要素くっつけただけだね」
でもまあそれでいいか。夏輝は納得した。彼も大概適当なタイプだったようである。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【怪力無双】がLV4になった!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
「うおおい!? なんじゃこりゃ!!」
かくして攻城兵器を完成させたディアボロス達……だが、それを『管亥』が見咎めないはずがなく。
「いつのまにこんなデカブツを作りやがった! 部下どもが帰ってこねえと思ったらそういうことかよ!
ったく、出し抜かれちまったなあ……やっぱり、しち面倒臭い警備の仕事なんざ、俺向きじゃねえや」
ぶうんと槍を頭上で振り回し、管亥はにたりと笑う。
「最後は武力(こいつ)で決めようや。てめえらも戦いたくてウズウズしてんじゃねえか? なあ!」
獰猛なる略奪者が、いよいよ牙を剥く!
穂村・夏輝
雲梯虎衝車をやらせるわけには行かないよ
「しかし、黄巾党だから黄色くなったのか、黄色いクロノヴェーダだから黄巾党の武将になったのか」
ちょっとだけ気になるところではあるね
できるだけ正面から打ち合って味方に攻撃が向かないように引きつける
「関羽には遠く及ばないけどさ、相手してもらうよ」
関羽の装甲を模造した鎧を発現させ、こちらも【魔骸連刃】の刃を天晶剣や装甲に発生させ、【強打】【グラップル】で斬り合い、殴り合う
「腕の数だけこっちは不利だけど……!」
その分は仲間と連携して補えばいい
あとは攻城戦当日まで待てばいいだけかな?
「虎牢関の壁を打ち破る勇姿、期待してるよ」
シル・ウィンディア
なかなか気持ちいいくらいの考えだね。
せっかく作ってもらったものを壊されるのは遠慮しますっ!!
世界樹の翼をtype.Cに変形させてから、誘導弾で牽制をメインに動くね
ダメージはないのは承知の上
味方の攻撃のタイミングを見て、誘導弾を連射していくよ
敵が、味方に追撃をしようとしたら、誘導弾で吹き飛ばしを試みるね
ダメージが無くても、衝撃で体勢は崩せるでしょっ!
ダメージがないと思って、こっちを無視し始めたら…
これが、ねらっていたタイミング
詠唱を重ねて、精神集中も行い、通常の誘導弾をフェイントに使った
全力魔法の精霊収束砲っ!
わたしの本命は、こちら…
遠慮せずに、全部もってけーっ!!
ふぅ、疲れたぁ~
高遠・葉月
アレンジ、共闘歓迎。
黄巾党だっけ
あたしは何処の国にも味方しないわ
あたしが助けたいやつの味方であたしが気に食わないやつの敵よ
…あら。わたしもこっち(暴力)の方がお好みよ
気が合うけれど残念。短い付き合いになりそうね
あたしは前衛に。
【怪力無双】でさらに増大した筋力で兵器の材料の余りのでっかい丸太でがんごんと真正面から殴り合い
ただの木材だからがりごり削れていくのは気にしない。
折れたりダメになったら鉄パイプ、バールのようなものをとりだしてがんがん殴り倒していく。これらもひん曲がっても気にしない。
隙が出来たらパラドクスを使用。武器、または拳や足に赤黒いデーモンの魔力を纏わせてフルパワーでぶん殴るわ。
菱神・桐梧
アドリブ連携大好き
よお黄色いの、てめえんとこの手下も悪く無かったがちょいと物足りなくてよ。
そう言う訳で喧嘩売りに来たぜ、買ってくれよな!
まずはSRC大型ハンマーを盾にしながら突撃、懐に飛び込んでみるか。
潜り込まれたらあの槍も使いにくそうだしな。
邪魔なハンマーはぶっ叩くついでに放り捨てて【インスタント・ビルドアップ】で肉体強化、
乗ってくるまで至近距離からの乱打戦を仕掛けに行く、さあ殴り合いだ!
打ち込んでくる奴の腕を【強打】、攻撃の狙いを逸らしながらダメージを重ねていくぜ。
ガードが空いたらチャンスだ、【捨て身の一撃】をぶち込んでやる!
カルン・ティミド
また金ぴかな敵が!今度はきっと黄金ですよね!ね!
奪って暴れるのは私も好きですよ。略奪バトルです!
腕とか首をもげばオブジェに…じゃなくて戦力ダウンさせれるはずです!狙いますよ!
乱戦になりそうですし味方が作ってくれた隙をいいとこ取りしてスパッと持っていきたいですね。
尻尾に魔力を溜めて、飛翔で飛びつき一撃離脱です!
それを繰り返しますよ!金ぴかは好きだけど虫は嫌いだから蝗からはがん逃げします!
どんどん腕を切って奪ってやりますよ!
諷和・もこ
むむむ、せっかくみんなで(見た目はともあれ)頑張って作った雲梯虎衝車(ハロウィン延長戦ヴァージョン)
壊したらメ!なんだよ!
さっきの工作で余った竹を使って棒高跳び…に見せかけた【飛翔】で背後に回って
隙をついて【まくらでぽこぽこ】しちゃうんだよ!
【怪力無双】で力もアップしてるからきっと遠くまで飛ばせるんだよ!
あ、……【強運の加護】があるから雲梯虎衝車にはぶつからない…よね?(フラグ)
ボク…この戦いが終わったら…雲梯虎衝車(終わらないハロウィンヴァージョン)の梯子に乗せてもらうんだ…(さらにフラグ)
●破城奔走劇
「あら、奇遇ね。わたしも暴力(そっち)の方が好みよ」
パキポキと拳を鳴らし、高遠・葉月(猫・g04390)が一歩前に出る。
小細工なしのぶつかりあい、実に好ましい。物事はかくもシンプルにあるべきだ。葉月は心からそう思う。
「あたしは何処の国にも味方しない。あたしが助けたい奴の味方で、あたしが気に食わない奴の敵よ。
黄巾党にいたはずのあんたとは、きっと気が合うでしょうね。短い付き合いになるけれど」
「ハッハァ! 威勢のいい嬢ちゃんだ。ますます滾るね」
管亥は一笑に付す。豪傑同士のシンパシーがそこにあった。
「気持ちいいくらいの考えっていうのは同意するけど、せっかくみんなが作ってくれたものを壊されるのは遠慮します!」
シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は言った。
建設作業にこそ参加出来なかったものの、虎牢関を突破するためにはアレが必要不可欠だ。
どれひとつが欠けても、突破作戦の遂行は不可能になる。
ここで退くわけにはいかない……相手が剛の者であるならなおのこと。
「それに、どれだけ考え方があったとしても、クロノヴェーダはクロノヴェーダ。だから、戦いで決着をつけよう!」
「そうだなあ、俺らは"そうする"しかねえや。それ以外なんざ選ぶつもりもねえがな!」
管亥は愉快げに笑った。竹を割ったような豪放磊落とて、その本質は残虐なる略奪者であり、侵略者なのだ。
「てめえんとこの手下は悪くなかったぜ。だが……物足りなかったんだよなあ」
菱神・桐梧(喧嘩屋・g05613)は獰猛な笑みを浮かべた。全身から肉食獣の如きオーラが立ち上る。
アヴァタール級は油断ならぬ敵だ。しかし、ゆえにこそ面白い。戦いのスリルが、桐梧がなにより求めるもの。
「そうです! あんな金ピカな見た目をしておいて、黄金じゃないなんて詐欺ですよ!」
「えっいやそこじゃねえんだけど!?」
しかしカルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)にかかると、そんな喧嘩屋もツッコミに回らざるを得ない。
略奪ドラゴン(※さきほど似たような表現があったので誤解なきように付記しておくが、カルンはれっきとしたディアボロスである)は、あの板楯兵の盾が偽の黄金(?)だったことを未だに根に持っているらしい。粘着質だなこいつ!
「ええ、皆さんの言いたいことはわかっていますよ……今回も金ぴかな敵ですからね! 今度こそ黄金ですよ! ね!!」
「そんなこと一言も言ってないんだよ!?」
「腕とか首をもげばオブジェに……じゃないです、戦力ダウン出来るはずですよ! 頑張ります!」
「部位を狙う動機が、俺の知る限りもっとも低俗な感じになってるね……」
ふんすふんすと鼻を鳴らし、尻尾をフリフリやる気のカルン……に、呆れ返る諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)と穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)。
「あー……言っとくが俺ぁ別に金で出来てたりしねえぞ?」
「いちいちそこ訂正するとか、お前意外に細かいこと気にすんだな……ま、まあいいや」
まさか管亥までノってくるとは思っていなかった桐梧はややズッコケたが、咳払いして気を取り直す。
「とにかくだ、俺らからの喧嘩のお届けだ。買ってくれるよなあ!?」
「売られてるのはボク達な気がするけど……でも、やることは同じなんだよ! 負けないよー!」
もこもやる気だ。呪詛入りまくらをぶるんぶるん振り回し威嚇している!
「雲梯虎衝車をやらせはしない、ってね。これまでの苦労が水の泡になるのだけは勘弁だよ」
夏輝は相変わらず涼し気な物言いだが、漲る戦意は言うまでもない。
いよいよ戦いの幕が上がる……と思われたところで、夏輝は顎の下に人差し指を当てて考え込んだ。
「しかし、気になることがひとつあるね」
「「「え?」」」
「黄巾党だから黄色くなったのか、黄色いクロノヴェーダだから黄巾党の武将になったのか……」
「「「どうでもよすぎる!?」」」
カルン以外の全員が声を揃えたという。
「それは決まっています! 黄金だからですよ!」
「だから俺は黄金で出来てねえよ!?」
そして管亥も、カルンにツッコミを入れるハメになった。いまいち締まらない幕開けである。
とはいえ、互いに相容れぬ敵同士、始まるのは殺し合いだ。
「行くぜオラァ!!」
「エコの精神で攻めるわよ!」
桐梧は巨大な鉄骨製の『SRC大型ハンマー』を、葉月は……さきほどまでの建造作業で使った丸太の余り(!)を抱え、突撃!
「おいおい、めちゃくちゃしやがるなあ!!」
SMASH!! 大質量の左右同時攻撃を、管亥は跳躍回避。ハンマーと丸太がぶつかりあい、反発力で弾かれた!
「おっかねえおっかねえ。俺はお前らほど力自慢じゃねえんでな、利口にやらせてもらうぜッ!」
管亥は左右にハの字に開けたふたりの武器を足場に、だん、だだんと左右に飛び渡り、狙いを付けづらくする。なんたる身軽さ、まるで雑技団のようだ。
「このッ、すばしこいわね!」
「ちょこまか目ざとい野郎だ!」
葉月と桐梧はぶうんと大業物を振り回すが、ともに管亥に翻弄されている。
「そらよッ!」
「おっと、俺の相手もしてもらうよ。関羽には遠く及ばないけどさ!」
そこで、同じくふたりの武器を足場に夏輝が割り込んだ。
その姿は、まるで関羽の鎧を模造したかのようだ!
「ハハァ! とか言いつつやる気満々じゃねえか!」
鋭利な刃の生えた『天晶剣』と、豪槍が幾度にも打ち合う。ハンマーを跳び、丸太の上で一合、空中でさらに二合!
「そこ、もらったよ!」
シルが魔力の弾丸を放ち、夏輝を援護。だが、これは管亥に読まれている。そちらを見もせずに槍で撃墜!
「油断ならねえなあ。ああ、だがいいぜ。滾ってくらぁ!」
「あの感じ、関羽と戦った時を思い出しますね……うぅ~!」
カルンは呻いた。あのジェネラル級との死闘は、いまだに記憶に新しい。
その鬱憤を叩き込むかのように、魔力を帯びた刃がぶんぶんと空中を切り裂いて飛来する。
「へえ、あいつと戦ったことがあるって? 羨ましいねえ!」
だが管亥もさすがは黄巾党の英雄か。事実上の同時攻撃を、軽口を叩きながらいなし、弾き、躱す。身軽!
「てぇやぁ~!!」
「うおっ!?」
だがここで、意表を突く者が居た。もこである。
なんと彼女も、葉月同様に建造で余った素材を利用してきたのだ。それは……竹!
「頑張って作った雲梯虎衝車(ハロウィン延長バージョン)は、壊させないんだよ! メ! なんだよー!!」
竹を利用し、棒高跳びめいて勢いをつけると【飛翔】、滑空して背後からの強襲を仕掛ける。
呪詛入りまくらが、管亥に叩き込まれた! SMASH!!
「ぐはっ!!」
「もらったぜ! こいつはもう、いらねえよなあ!!」
さらに桐梧、持っていたハンマーをあっさり投げ捨て、管亥の落下地点に駆け込む。
ハンマーは最初から牽制のためのもの。桐梧がもっとも得意とするのは、槍の向かないインファイトにこそある。
「さあ殴り合いだ! オラオラオラオラァ!!」
ボン! と桐梧の全身の筋肉が、一回りはパンプアップする。パラドクスによる一時的な筋力強化!
怪力を乗せた乱打が管亥を襲う! 拳、拳、拳!!!
「ぬ、お……オオオオッ!!」
管亥、吠える! 四ツ腕が百撃の拳を繰り出し、さながらラッシュの速さ比べというべき素手ゴロ対決の始まりだ!
「こっちはいいの? どんどん邪魔しちゃうよ!」
「ちぃ……!」
シルはなおも魔力の弾丸を放ち、管亥をふっ飛ばそうとする。
パラドクスでもない攻撃であっさり隙を晒すほど、管亥は甘くない。魔力の弾丸は拳で打ち消されてしまった。
だが! インファイトを続ける桐梧にとっては、その一瞬があれば十分なのだ!
「胴ががら空きだぜ、黄色いの!!」
「ぐほ……ッ!?」
みぞおちにボディストレートがめり込む! 管亥はくの字に折れ曲がり吹っ飛んだ!
「よし、ここだ! 闇夜を照らす炎よ、命育む水よ……!」
シルは素早く詠唱を重ね、『精霊詠唱砲』を……発動!
「遠慮せずに、全部もってけーっ!!」
「そいつが、本命か! ぬおあああっ!!」
管亥は地面を転がりつつ体勢を取り直し、ぶんと矛を逆巻に振るった。
無数の蝗めいたオーラが波濤となり、多重魔力砲撃と激突! 膨大なエネルギーが束の間戦場を照らす!
「ぐっ! すげえ出力だ、やるじゃねえか……!」
桐梧のクリーンヒットもあり、黄蝗天上波との威力対決はシルが上回った。魔力砲撃が管亥をさらに吹き飛ばす。
「そこだよ! お空の彼方まで、ふっとばしてあげる!」
「!?」
いち早く追いついたもこ、まるでホームランバットめいてまくらを振るう! SMAASH!!
「グワーッ!?」
管亥、斜め上に吹き飛んだ! 向かう先は……雲梯虎衝車だ!?
「あ」
「「「あっ!?」」」
「……ボク、この戦いが終わったら、雲梯虎衝車(終わらないハロウィンヴァージョン)の梯子に乗せてもらうんだ……!」
「「「フラグを立てるな!?」」」
戦闘の余波で攻城兵器がぶっ壊れるなど、あってはならないオチである。
「回り込むよ! 挟み撃ちで決めよう!」
「ええ、わかってるわ!」
夏輝と葉月が加速、管亥を挟撃し、再び猛烈な打撃で攻め立てた!
「は、は、は! どこまでも面白え奴らだ……!」
恐るべきは管亥、これだけの猛攻を浴びていまだ健在。
空中で、夏輝のきめ細やかな斬撃を受け流し、残る二腕で力任せの葉月の打撃に対処する!
「腕の数だけ、こっちは不利だけど……!」
「そのぶんは、連携とパワーで補ってやるわ!」
丸太、破砕! バールのようなもの、折損! 鉄パイプ、摧破!
「とんでもねえ馬鹿力じゃねえか……!」
「悪いわね――これが本気よ」
「!!」
葉月、拳にデーモンの力を乗せ、力いっぱいに……殴りつけた!!
「がはっ!!」
管亥、垂直落下。夏輝はそこめがけ、翼をはためかせ加速すると天晶剣を突き降ろす!
「蟲にはこういうのが似合いだよね!」
ざくりと突き刺さる無数の刃のついた剣。壮絶な苦痛、地に標本めいて縫い留められる屈辱!
「や、やりやがる、じゃねえか……!!」
管亥は起死回生の一撃を繰り出そうと、オーラを無数の蝗に変えて反撃をしようとした。
だが。
「虫は嫌いです! でも金ぴかは好きです! だから……これで、終わりですよ!」
致死的タイミングを見計らっていたカルンだ! 魔力の刃による遠当てではなく、刃尾による急降下突撃!
一撃離脱戦闘を、あえて桐梧のそれを真似た捨て身の一撃で決めにかかる。地上から空へと沸き立つ蝗の群れを切り裂いて、魔力の尾が膨れ上がった!
「畜生、ここまでかよ……負けたぜ」
管亥はどこか清々しい笑みを浮かべた。
カルンは容赦しない。必殺の魔力を籠めた刃尾が……まず四ツ腕を切断、そして管亥を! 貫く!!
「奪っていいのも、壊していいのも私達だけです! 残念でしたね!」
カルンは、くるくると回転しながら着地し、ふんすと鼻を鳴らした。
その言葉の意義はさておき、クロノヴェーダはこれで完全に滅されたのである。
「なかなか手ごわい野郎だったぜ。楽しい喧嘩だった」
桐梧は流れ落ちた血を拭い、管亥の武に敬意を払った。
「ああ。でもこれで、あとは作戦決行の時を待つばかり、だね」
夏輝の言葉に、全員が頷く。いざや虎牢関、突破の時。
虎の頭持つ城塞は、なおもふてぶてしくその巨容でディアボロスらを見下ろしているかのようだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV2が発生!
【怪力無双】がLV6になった!
【飛翔】がLV2になった!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!