リプレイ
獅子城・羽鳥
連携アドリブ歓迎
トレインで持てるだけ荷車や物資持参
可能なら仲間にも頼む
事前に《偵察・地形の利用・情報収集》で避難経路を割り出し地図作成
魏軍高官の格好
効果1と《演技・情熱》で説得
芳しくなければ勇壮な曲を《演奏》し
逃げる勇気を呼び掛ける
魏王の密命を受け救出に来た
樊城は取り返せても民の命は戻らぬ
再起の為にも許昌まで避難させよとの仰せだ
関羽共を足止めする策も授けられた
我等とてむざむざ民を見殺しにする腑抜けではない
命に代えても時間を稼ぐ
地図と僅かだが荷車と物質も持参した
蜀軍も人間の雑兵だけなら逃げ隠れも出来るし
万一出会しても少数ならば
多少の勇気と腕力がある者で退ける事も可能だ
命あっての物種だ
生き延びよ!
穂村・夏輝
逃げ出すのに、それらしい希望とか与えられればいいけど
【プラチナチケット】の力で軍関係者に思わせることできる。あとは「これ」が奴に立つかな?
「キミ達の中で関羽の姿を見た者はいるかな?」
そう言って尋ねた後、『関羽の緑甲』を取り出して、見せる(あらかじめ破損させられればなお良し)
「これは我が軍の勇士が打ち砕いた関羽の鎧の一部だ。そして、その勇士はすぐそこまで来ている。だから暫しの間だけ、この場を離れて待っていて欲しい」
本当は過去に関羽と戦った際にできたかすり傷から採取した血液からデーモンイーターの力で再現した装甲なんだけどね
あとは物資の輸送とかに【アイテムポケット】とかが役立てばいいかな
月下部・小雪
こ、このままこの町にいたら、みんな全滅しちゃいます。
なんとかみんなに逃げてもらわなきゃですね。
可能なら【プラチナチケット】を借りてボクも軍関係者に成りすまします。
えっと、さ、さすがにボクだと小さすぎるので軍関係者の姪っ子とかでしょうか。
ボクの説得の対象は町の子供たち、です。
【友達催眠】で話しかけて、子供達経由で大人の人達に逃げるようにお願いします。
お父さんやお母さんは子供の無事を一番に願うはず、です。
今も蜀の軍隊を足止めしてくれてる人たちがいます。
許昌に行くまでの時間はみんなが稼いでいてくれます!
※アドリブや連携も大歓迎
白水・蛍
アドリブ、連携歓迎。
「お手伝い致しますわ」
トレインで持てるだけの荷物や物資持参いたします。
また、人々の前にてパラドクス使用して、【勝利の凱歌】を残留させます。
そして、≪ブレイドハープ≫での<演奏>と<歌唱>を使い、皆様に語り掛けましょう。
下記、台詞。改変可。
「あなた方は此処を離れるのを好まないかと存じます。
ただ、此処にいては危険なのです。
私たちはあなた方の命を失う事を望みません。
私達が時間を稼ぎます。その間にどうか、お逃げください。
どうか生き延びてください。我々も魏王もあなた方を生き延びる事を望みます」
●魏軍に扮せよ、嘘も方便!?
荊州の街に迫る蜀の部隊。その大半は一般の兵であるとはいえ、町に残されているのは何の力も持たない人々ばかり。
彼らが武器を取り抵抗したところで、それは虚しい反抗にしかならない。ましてや、相手が蟲将ともなれば、もはや勝ち目はないに等しい。
「こ、このままこの町にいたら、みんな全滅しちゃいます。なんとか、みんなに逃げてもらわなきゃですね」
少しでも犠牲を減らすべく町の人々を避難させようとする月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)だったが、そのためには、まず彼らの信頼を得なければならない。なにしろ、不安と絶望で疑心暗鬼になっている者達だ。そう簡単には、こちらの言うことを素直に聞いてはくれないだろう。
「逃げ出すのに、それらしい希望とか与えられればいいけど……」
頭を悩ませる穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)。これが並の戦であれば、ほんの少し鼓舞する程度で人々は活気を取り戻せたかもしれない。
だが、今回ばかりは少しばかり旗色が悪い。なにしろ、敵はあの関羽なのだ。勇猛果敢で情け無用の蟲将が、ともすれば自ら出陣して来るかもしれないとなれば、人々が何も信じられなくなるのも当然だった。
「あなた方は此処を離れるのを好まないかと存じます。ただ、此処にいては危険なのです。私達はあなた方の命を失う事を望みません」
物資を片手に白水・蛍(鼓舞する詩歌・g01398)が人々に告げるも、やはりそれだけでは効果は薄い。勇壮なる凱歌で人々の心を鼓舞しようにも、そもそもパラドクストレインで持ち込める物資の量など高が知れている。
「危険は百も承知なんだよ、姉ちゃん……。けどなぁ……どっちにしろ、逃げたって同じだろ?」
「あの関羽が、俺達をむざむざ逃がすとは思えねぇよ。それに、それっぱかしの荷物で、どうやって町の全員が逃げればいいってんだ?」
自分が逃げるだけなら構わない。だが、顔見知りを囮にし、妻や親兄弟を見捨ててまで逃げるほど、人情のない者はいない。それは人として誇るべきことなのかもしれないが、しかし今はむしろ人々の枷となってしまっている。
やはり、どれだけ発破をかけたところで、まともな説得では駄目なのだ。ならば、ここは少しばかり計を案じてやろうと、獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)が前に出た。
「我等は魏王の密命を受け救出に来た者だ。樊城は取り返せても民の命は戻らぬ。再起の為にも許昌まで避難させよとの仰せだ」
魏軍の高官のふりをして、羽鳥は人々に撤退を命じた。外ならぬ魏王の言葉ということで、町の者達の中にも少しずつディアボロス達の言葉に耳を傾ける者が現れ始めた。
「関羽共を足止めする策も授けられた。我等とて、むざむざ民を見殺しにする腑抜けではない。命に代えても時間を稼ぐ」
力強い言葉で断言し、羽鳥は改めて人々に撤退を促す。倒すことはできずとも、足止めさえできれば、せめて後ろから討たれることはあるまいと。
「足止めって……具体的には、どうするんで?」
「それに、もしそれを突破されたら……その時は……」
もっとも、中には未だ希望を捨てている者達もおり、彼らの腰は一向に上がらない。勝機のない戦いな上に、どう足掻いても誰かを犠牲にしなければならないという現実に、完全に絶望しきってしまっているのだ。
この状況を打破するのは至難の技。ならば、更なる嘘を重ねても仕方がないと、今度は夏輝が緑色の欠片を取り出して人々に尋ねた。
「キミ達の中で関羽の姿を見た者はいるかな?」
そう言って彼が取り出したのは、他でもない関羽が装備している鎧の一部。そんなものの破片を見せられれば、さしもの人々も夏輝達の実力を疑うことはなく。
「これは我が軍の勇士が打ち砕いた関羽の鎧の一部だ。そして、その勇士はすぐそこまで来ている。だから暫しの間だけ、この場を離れて待っていて欲しい」
勝つことはできずとも、痛手を与え、そして生き延びることくらいなら可能だと夏輝は告げた。もっとも、彼の用意した破片は実際には単なる模倣品でしかなかったのだが、絶望の淵に立たされている人々を鼓舞するのには十分だった。
「お父さんやお母さんは子供の無事を一番に願うはず、です。今も蜀の軍隊を足止めしてくれてる人たちがいます。許昌に行くまでの時間は、みんなが稼いでいてくれます!」
流れに乗って、小雪も不安そうにしている子ども達へと声をかける。今、こうしている間にも、戦ってくれている人々がいる。その想いを無駄にしないためにも、早くここを離れるべきだと。
「おい、どうする?」
「そうだな……ここまでされちゃ、二の足踏んでる方が申し訳ないぜ」
だんだんと、人々の意思が一つにまとまり始めた。そんな彼らの背を推すべく、蛍と羽鳥が更に後押しを。
「どうか生き延びてください。我々も魏王もあなた方を生き延びる事を望みます」
「万一、蜀軍に遭遇したとて、少数ならば多少の勇気と腕力がある者で退ける事も可能だ。命あっての物種だ。生き延びよ!」
後のことは、逃げ延びてから考えれば良い。そんな言葉に背中を押され、重い腰を上げた人々は一目散に町を捨てて逃げ出したのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
水戸・宗一郎
さて
では関羽を引きずり出す為に一手計略をめぐらせようではないか
強い敵が必要ならば私が手配しよう
呼び水の騒乱が必要だと言うのならば作り出そうではないか
まずはこの辺一帯の防衛を対価に土地を一時購入し
戦う為の陣を敷こう
土地の龍脈から力を引き出し
仲間の強化を行う
後は強化した味方が暴れまわれば向こうからやって来るだろう
黙ってはいない筈さ
こっちもただ強者に飢えた獣を呼んでいるのだからな
奴が来ても強化の手は一切緩める気は無い
どうせ私の所まで来られた時は全滅する時なのだ
なら極限まで味方の強化と敵の弱体化に専念した方が良いだろう
これしかお見せできるような芸当が無いのでな
だが生憎と私も
強い奴は潰したい性質なのだよ
佐藤・六咲
人の命など知らぬ
世界の危機も関係ない
有るのはただ美味いものを食いたいという欲
「眼鏡の旦那ぁコイツら殺せばご馳走が来るんですよねえ?」
水戸に誘われてご馳走=関羽を付け狙う
関羽を引き摺り出すために水戸の支援を受け一般兵に殴り込む
戦場にある己の肉体そのものを武器と成す
爪で引き裂き足で蹴潰し顎で噛みちぎる
血を啜り肉を喰み
魔骸連刃を展開
纏った外套を蜘蛛の脚めいた槍に変え、敵を四方八方串刺しにして高らかに吊るす
さあこい
こい関羽
お前の敵はここだと
お前を食わんとする愚か者が名乗りをあげているぞと
関羽が釣れたならば一才の躊躇なく踊りかかる
勝敗も痛みも死も、関羽という美味そうな肉の前には微塵も気にならない
ペリドット・ノーゲンナルガ
関羽か
お前はこちらの顔を覚えちゃいないだろうが
ボクはお前の顔を覚えてる
記念とか義務感じゃない
また挑ませて貰おうか
かつて見た関羽を影法師で再現し、巨大な関羽像を作り
それを影の槍で貫いて処刑して挑発
戦場のどこに居ても気づくくらいの大きさ
覚えられてなくても自分の巨大な虚像を作るだけの出力の持ち主
そしてそれを処刑する思想っていうのは狙う理由にはなるだろ
集ってきた一般兵を散らし
本物の関羽を見つけた瞬間
己の持ちうる全リソースを費やして強い再現力の偽関羽を生成する
じゃあ、この間の続きだ
偽者でもお前だ
再現率を上げさせてくれよ
一連の流れは他の挑戦者の傍で行い
偽関羽は主に術の時間稼ぎ、隙の生成に使わせる
鎌夜・神月
関羽が大喜びで出て来たくなるよう
最初から全霊を示す
宗一郎の支援を受け
念動力で補正強化したこの両腕と思念の腕で
ペリドットに集ってる蟲兵共を一匹ずつ丁寧に丁寧にバラバラに破壊してやる
テメェらの関羽サマに届くようイイ声上げろよ蟲畜生共
関羽が現れたら最速で接敵
ツラ合わせんのは初めてじゃねぇだろ
御託はいらねぇ
殺し合おうや
真っ向からの全身全霊
捨て身の一撃の覚悟を以て【怨技・惨月】で殺し合う
そもジェネラルと殺し合おうってんだ
初めから片道上等のトップギアだぜ
無数の突きが俺の体を微塵に貫いても止まらねぇ
念動力で死に体を無理くり動かしてでも前へ
例えこの戦場で俺が消滅するとしても
その刹那に破壊の一撃を叩き込んでやる
●龍脈より力を
猛将、関羽。労なくして樊城を手に入れた将ではあるが、しかしその実力は、今までに現れたどの蟲将よりも高く、恐ろしい相手。
別に、ここで無理をして戦う必要などない。だが、それでも強敵を前にして、退くことを良しとしない者達もいる。
「さて……では、関羽を引きずり出す為に、一手計略をめぐらせようではないか」
敵の狙いが、己が戦うに値する存在の有無であることを、水戸・宗一郎(金の亡者・g00253)は気付いていた。単に前線の兵が全滅した程度では、関羽は姿を現さない。しかし、そこに強大な力を持った戦士がいれば、あるいは自ら姿を現すのではないかと。
手始めに、宗一郎は周辺の土地を町の者達から購入していた。もっとも、元から放棄する予定の土地だった故、無料同然で貰い受けたに等しかった。
「契約成立だ! 対価をくれてやろう!」
宗一郎が土地の龍脈より力を引き出せば、それは周りにいる仲間達を強化する。己の中に凄まじい力の奔流が入り込んで来るのを感じ、佐藤・六咲(糞虫・g01156)は思わずニヤリと笑みを浮かべた。
「眼鏡の旦那ぁ、コイツら殺せばご馳走が来るんですよねえ?」
無言で頷く宗一郎を横目に、六咲は目の前に群がる敵を見て舌なめずりをする。人々を襲わんと現れた蜀の兵達も、今の彼からすれば単なる餌に過ぎないわけで。
(「関羽か……。お前はこちらの顔を覚えちゃいないだろうが、ボクはお前の顔を覚えてる。記念とか義務感じゃない……また挑ませて貰おうか」)
ペリドット・ノーゲンナルガ(シェイプシフター・g01924)が影を伸ばせば、それは巨大な関羽像となり、嫌でも蜀の兵士達の目に留まった。それを合図に、ディアボロス達は一斉に、蜀の兵士達を駆逐すべく戦場へと駆けだした。
●美髯公、降臨
町に繰り出し、略奪の限りを尽くす蜀の兵。だが、その様相はディアボロス達が現れると一転して、蜀軍の方が狩られる側へと回って行った。
「テメェらの関羽サマに届くよう、イイ声上げろよ蟲畜生共!」
相手が誰であろうとお構いなしに、鎌夜・神月(慇懃無礼千万・g01128)は暴れ回る。トループス級とはいえ、蟲将は小隊を率いる下級士官。戦いになれば最初に遭遇するのは一般人の兵なのだが、パラドクスもクロノ・オブジェクトも持たない彼らなど、ディアボロスの敵ではない。
「うわぁっ! な、なんだ、こいつは!?」
「魏軍は撤退したんじゃなかったのか!? こんなやつがいるなんて、聞いてないぞ!!」
仲間を容赦なく蹂躙される様を目の当たりにして、蜀の軍勢は総崩れだ。中には早々に逃げ出す者も現れる始末だったが、それさえも六咲が許さなかった。
「へへっ……どこへ行こうってんだ?」
「なっ……ぐぼぉぉぉ……」
相手が一般の兵でもお構いなしに、六咲は爪で彼らの身体を引き裂き、食らいついて肉を抉った。それだけでなく、倒れた彼らの亡骸を槍状に変化させた外套で貫き、高々と掲げて晒し者にした。
(「ここまでされても、現れないか。ならば……」)
未だ姿を現さない関羽に業を煮やし、ぺリドットは影で作り出した関羽の像を影の槍で容赦なく貫く。
それは、死してなお晒し者にされた兵達と同じ末路を暗示させるもの。次はお前だ、という意味の挑発だ。
さすがに、そこまでされれば黙ってもいられなかったのだろう。瞬間、一陣の風が巻き起こり、戦場に駆け込んで来たのは赤兎馬。その上に跨る蟲将こそ、他でもない関羽その人だ。
「フヘヘヘ……御馳走だぁぁぁぁっ!!」
「ツラ合わせんのは初めてじゃねぇだろ? 御託はいらねぇ。殺し合おうや」
相手が何かを仕掛けるよりも先に、六咲と神月が関羽へと飛びかかる。だが、関羽は何ら動じることもなく赤兎馬を止め、敢えて二人の攻撃をその身で受けた。
「ふん……性懲りもなく挑むというわけか? 己が力量を弁えられぬのは、勇気ではなく無謀と知れ!」
並のクロノヴェーダであれば、一撃で粉砕されてもおかしくないであろう膂力。それを余すところなく生かした攻撃を受けても、関羽の甲殻は微動だにしない。それどころか、次の瞬間に関羽が槍を構えたと思った矢先、二人の身体は無数の刺突で全身を貫かれてしまっていた。
「……ぐあっ!?」
「へへ……こ、こいつは……洒落にならねぇ……」
龍脈の力を得ていなければ、間違いなく今の攻撃で死んでいた。それだけ関羽の攻撃は苛烈で、寸分の隙もないものだった。
「く、くそっ……動き……やがれ……」
強引に念で身体を操ろうとする神月だったが、ともすればその動きは、中途半端に糸が切られた操り人形のようだ。既に限界を迎え、己の意思では動かすこともできない肉体を念だけで動かしているのだから、これ以上の無理は本当に命に関わってしまう。
「意気込みは良し。だが、我が相手をしたければ、せめて己の力だけで立っていられるだけの強さを身に付けよ」
まともに戦える状態でなくなった二人に、関羽はもはや興味を示さなかった。純粋な自分の力ではなく、宗一郎によって強化された肉体を以て襲い掛かったことで、それ以上は武人として関心も抱かなかったようだ。
この戦場に、もっと強い者はいないのか。そんな関羽の問いに答えるようにして、前に出たのは関羽の似姿をした何かを連れたぺリドット。
「また会ったな。この間の続きだ」
相手が覚えているか否かは関係ない。彼女にとって、これは雪辱戦でもある。以前は軽くあしらわれたかもしれないが、その際の記憶を糧に、彼女は己の可能な限り、関羽の存在を再現していた。
「偽者でもお前だ。再現率を上げさせてくれよ」
「ふっ……笑止! 強敵を再現する術は見事だが、それで勝った気になるとはな!」
ぺリドットの操る模倣体を前にしても、やはり関羽は驚く素振りさえ見せなかった。それどころか、敢えて模倣体が繰り出した攻撃を受けつつ、お返しとばかりに偃月刀を振るい、無数の龍の如きオーラを放って一撃の下に吹き飛ばした。
「なっ……! そんな、馬鹿な!?」
100%の再現ではないにしろ、同じ存在を模倣したのに、ここまで差が出るものなのか。改めて驚愕するぺリドットだったが、しかし関羽は当然と言わんばかりに、彼女へと槍の先を向け。
「……甘いな。己のことは、己が一番良く知っているものよ。どれだけ模倣し、再現しようとも、己の太刀筋さえ読めぬほど耄碌はしておらぬ」
未知の相手ではなく自分自身だからこそ、その攻撃も読み易い。それだけ告げて、関羽はもはやぺリドットにも興味を示さず更に奥へと進んで行く。
「我を倒したくば、己を磨き、精進せよ。他者の力を借りることなく、真似ることなく、己の力だけで勝利せよ。我の相手が務まるのは、その気概がある者だけだ」
悔しければ、自分の力だけで肉薄してみせろ。それだけ言って、関羽は宗一郎が陣取る最後尾へと赤兎馬を進めるが。
「貴様が将か! いざ、勝負
……!?」
いよいよ槍を振るわんとしたところで、関羽は訝しげな表情を浮かべ、思わず槍を降ろしてしまった。
「……貴様、将ではないな? だとすれば、軍師か?」
それにしても、自ら戦う意思が見られない。そんな宗一郎に、関羽はどこか失意を抱き、踵を返して去って行く。
「興が醒めた。貴様もまた、他人に力を与えるだけで、自らの身を以て戦おうとはせぬのだな」
戦争であれば役割を分担した連携も悪手ではないが、しかし関羽の求める強者ではない。誰にも頼らず、誰かを宛にすることもなく、己の力だけで未来を切り開いて行く者。そういった勇猛なる戦士を求めていた関羽としては、これ以上、望まぬ戦いをして心に燻りを残すつもりはなかったようだ。
「……次に、我の前に姿を見せることがあれば……その時は、是非とも己が身一つで打ち合ってもらいたいものよ」
それでこそ、心が滾る戦いができる。そんな日が訪れるのを待っているとだけ告げ、関羽は赤兎馬に乗ったまま颯爽と戦場から去って行った。
苦戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
獅子城・羽鳥
命に換えても、なんて言ったけど勝ち目のない戦いは避ける主義なんだ
嘘で悪い
超戦闘狂なんかに付き合ってられっか
万一遭遇したら
町や住民から離れた方向へ誘導・挑発しながら逃げる!
連携アドリブ歓迎
残留効果活用
自分のパラドクスと敵の攻撃方法の特性を考慮して戦う
可能なら味方を援護、体力の少ない者を庇う
勝利のためある程度のダメージは仕方ないが仲間を不利にする行動はしない
攻防共に《臨機応変・地形の利用・一撃離脱・幸運》活用
防毒仕様のマスク、ゴーグル、防護服装備
完全視界で毒霧と蜂の大群に備え《制圧射撃・爆破》で吹き飛ばす
水流攻撃は敵をしっかり観察して大地を攻撃する前に即猛攻をかけて防ぐか
《ダッシュ》で水流をかわす
和道院・終雪
いつの世も、歪を受けるは力なき者、か。
戦においてどちらが正しいかなどわからないが……
弱者を虐げ、奪い、蹂躙するのは、許される行為ではない。
避難が済むように、拙は足止めをして時間稼ぎを図ろう。
【泥濘の地】で彼奴等の足を遅らせ、結界術で侵攻方向を遮断する。
その上で、対峙して立ちはだかろう。
これより先、進ませる訳にはいかないのでな。
『序式、顕現――不退三昧耶』
拙は和道院・終雪、お相手仕る!
敵が遠かったり空を行くなら、大弓を構えて射貫き穿つ。
地を駆けるなら、槍で突き穿ち薙ぎ払い、杖で強打し叩きのめし、
剣で切り払い、斧で叩き斬ろう。
それでも寄らば、衝撃波を以て吹き飛ばす!
月下部・小雪
町のみなさんは避難してくれましたが……ここで足止めしなきゃ、ですね。
ま、まずは下級指揮官さんをやっつけておかないと大変なことに、なるのですよね?
関羽が来ないかとちょっとびくびくしながら、下級指揮官さんの様子を伺います。
や、やっぱりあっちも怖いのに怒られないために必死、なのでしょうか?
で、でも、だからって町の人から略奪するなんてダメ、です!
【パラドクス通信】で連絡して、仲間の行動に合わせてボクも攻撃、です。
コダマにお願いしてトループス級の一団に飛び込んでもらって【ワイファイスパーク】です。
反撃の毒蜂の群れもまとめてびりびりしちゃいます!
※アドリブや連携も大歓迎
●力無き者の盾となりて
蜀軍の襲撃を受け、混乱の続く荊州の町。避難を始めた住民を追うような形で戦闘が始まる中、獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)は敢えて前に出ることを良しとせず、人々を守るため籠って戦うことを選択していた。
(「命に換えても、なんて言ったけど、勝ち目のない戦いは避ける主義なんだ。嘘で悪い……」)
もっとも、その瞳に宿るのは、少しばかりの罪悪感。前線の騒ぎは、恐らく関羽が現れたことによるものだろう。命懸けで守ると言った以上、本来ならば自分の関羽と戦うべきなのかもしれないが、それで負けては元も子もない。
時を遡り、この時代にやって来たのは、魏領に生きる人々を蜀軍の手から救うため。超戦闘狂の相手など、必要に迫られない限りはしない方が無難なのだ。
「町のみなさんは避難してくれましたが……ここで足止めしなきゃ、ですね」
「いつの世も、歪を受けるは力なき者、か。戦においてどちらが正しいかなどわからないが……弱者を虐げ、奪い、蹂躙するのは、許される行為ではない」
幸いにも、月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)と和道院・終雪(金剛夜叉・g01178)の二人もまた、羽鳥と同じく人々を守るための壁となることを選択してくれたようだった。
ここから先へは、誰が相手であろうと進ませない。関羽が現れないことを祈りつつ、それでもディアボロス達は、最後まで町の人々を逃がすべく立ちはだかる。
「おい、いたぞ!」
「こんなところに隠れてやがったか! 町に誰もいないから、夜逃げしたのかと思ったぜ?」
こちらの姿に気付いた蟲将達が、一斉に武器を構えて襲い掛かって来た。情報にあった、蜂の姿をした略奪兵だ。
「これより先、進ませる訳にはいかないのでな。序式、顕現――不退三昧耶! ……拙は和道院・終雪、お相手仕る!」
名乗りも高らかに、最初に仕掛けたのは終雪だ。彼が地を駆けると同時に、周囲の大地が泥と化し、足を取られた蟲将達は途端に動きを封じられてしまい。
「な、なんだ、これは……ぐえっ!」
「気をつけろ! やつは強……がはっ!!」
手近な者から槍で突き、穿ち、そして薙ぎ払い。それでも倒れない者には、槍の柄で強打して叩きのめし。
剣、斧、そして弓。持てる限りのあらゆる武器を使って、終雪は獅子奮迅の立ち回りを見せる。その、悪鬼羅刹さえも震え上がらんばかりの勢いに、蟲将達は完全に気勢を削がれてしまっていた。
「おい、誰かやつを止めろ!」
「毒だ! 毒を使って目を潰せ!!」
まともに戦っても勝ち目はないと悟り、蟲将達は搦め手によって、終雪の動きを封じる策に出た。だが、その程度では、やはり終雪は止まらない。距離を放したところで、剣を振るった際に巻き起こる剣圧が、衝撃波となって蟲将達へと襲い掛かってくるのだ。
「や、やっぱりあっちも怖いのに怒られないために必死、なのでしょうか? で、でも、だからって町の人から略奪するなんてダメ、です!」
終雪の勢いに押されているのを好機と判断し、続けて小雪がモーラットのコダマを戦場に解き放つ。モフモフの愛らしい外見に反し、その全身は雷鳴轟く雷の弾丸。少しでも触れようものなら、全身から放たれる電撃によって、瞬くまに黒焦げにされてしまう。
「おい、なんだあの毛玉は!?」
「わからん! 敵の操る妖獣かもしれんぞ……気をつけろ!」
緊迫した戦場に似つかわしくないコダマの姿に、蟲将達は却って警戒を強めながら叫んだ。油断してはいけないと、本能の内に知っているのかもしれないが……とりあえず、偵察も兼ねて蜂を飛ばしたところで、今のコダマには通じない。
「モキュキュキュー!!」
「「「うがぁぁぁぁっ! な、なんだ、これはぁぁぁぁぁっ
!!」」」
突然、コダマが全身から電撃を放ったことで、蟲将達はたちまち全身に電流を流され痺れて動けなくなってしまった。
飛んでいた毒蜂が、一匹、また一匹と落ちて行く。そこはかとなく香ばしい匂いが漂っているのは、電撃で程よくバーベキューにされた蜂からのものだろうか。
(「そういえば、蜂さんって焼くとエビさんみたいな味がするって聞いたことが……いえ、今はそんなこと、考えている場合じゃないですね」)
実にどうでもよい豆知識が頭に浮かんだところで、小雪は首を横に振って、それを咄嗟に追い出した。エビに似た香りは食欲をそそるが、今はそれよりも目の前の敵だ。それに、見た目はどう見ても虫のままなので、さすがに食べたいとは思わない。
「後は任せろ。害虫は、一気に殲滅するに限る」
もはや、痺れて動くこともできない蟲将達に、内蔵火器を展開した羽鳥が迫る。サイボーグの彼にとっての最大の武器は、己の肉体に仕込まれた多数の重火器。その身に火砲を搭載した人間など見たことがなかったのか、これには蟲将達も戦慄し。
「な……なん……だ……あれ……は……」
「カラクリ……人間……だと……? そんな……ものが……」
目の前に光景に理解が追い付かないまま、羽鳥の砲撃によって駆逐されて行く。電撃で痺れた身体では、高速で飛来する銃弾を避けることは、さすがの蟲将達でも不可能であり。
「これでも動けるか? そして耐えられるか?」
甲殻諸共に敵を爆ぜ、それでもなお動く者達には、接近してから鋼の腕で殴り飛ばした。いかに堅牢な甲殻を持つ蟲将であっても、鉄の塊に等しい拳で殴られれば、外傷はなくとも内臓が持たない。
「嘘だろ……俺達が……こんなところで……」
「き、聞いてないぜ……こんなやつらが……いるなんてよ……」
関羽からの話では、魏軍は既に撤退し、町にいるのは力のない民衆だけという話だったのに。そんな恨み節にも似た言葉を吐きつつ、蟲将達は殆ど何もできないまま、ディアボロス達の猛攻の前に崩れ落ちて行った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
水戸・宗一郎
我々への興味は消えたか
ならばそんな小物を無視できなくしてやろう
次の一手だ
ご親切に奴が悠々と私を無傷で返してくれたからな
お陰で更に土地を買う時間ができ
使える地脈も広がった
ならば次は奴の城落としと洒落込もう
奴が来た方角は確認している
そして奴は不完全燃焼な以上
直接城には戻らん可能性が高い
我々には興味を失ったんだよな?
ネメシス化し
ペリドットの大量の偽関羽を上方修正で強化
敵の城へと突っ込ませる
本物よりは弱いが
本物が居ない場合は負けん
本物が出て来たら後はまた強化に徹して殴り合いだ
私は武人ではなく商売人なのでな
蔑まれようと生き方は簡単に曲げないさ
今回まではな
今回までは強化に徹し
汚名と屈辱はあえて被ってやろう
佐藤・六咲
水戸に追従して嫌がらせ
虫である己に難しいことはわからない
敗北も悔しさも、生きて食って寝るのに比べたら些事も些事だ
あの肉(関羽)虫みてえな見た目のくせに人みてえな賢しい生き方してやすねえ
幸い傷ついたことにより力が湧いた
食った血肉が手足を動かす
すいやせんね。オレは頭も良くなきゃ武人でもねえんでさ
ネメシス化、別のどこかで口にした関羽の力、再度受ける水戸のバフ
合わせて重ねて関羽にぶつける
届くまで齧りつく
首だけになっても食らいつく
関羽が釣れなきゃそれでもいい
お城で楽しく食い放題
やりたいことへ真っ直ぐに
虫ってなそういうもんだよ
ペリドット・ノーゲンナルガ
真似ることなく
己の力だけで勝利、ねぇ
…屁理屈でしかないが
真似ることなく武を極めた者なんているわけがない
武の術なり道には先行者がいる
ボクのは蛇の道だが、"その先"を見せてやるよ
興味を失ってくれたのだから根城を荒らしにいく
多少認められる程度の再現度なら
ネメシス化も合わせて荒らし放題だろ
再遭遇時は前回と同じと見せかけ
貫かれそうなら腹に腕を生やす
刎ねられそうなら首に槍を生やす
振るわれる武術はお前自身だが
攻撃の太刀筋もありえない角度に
間接はぐるぐる
筋肉のバネを形成する距離を伸ばして足りえない膂力を補う
じゃあ今度は
お前をベースにした化け物だ
キミが認めぬ猿真似の意地を見せてあげよう
あぁそうそう
一匹で済むかよ
鎌夜・神月
無謀がなんだ
勝てる奴にしか吠えねぇ賢しらな犬になるくらいなら
蛮勇紛いの狂犬の方がまだマシなんだよ
俺を雑魚と見限った関羽が戦場に現れるか分からねぇ以上
確実にやり合う為樊城へ殴り込む
門番も衛兵も蟲将共はバラバラに破壊して関羽へと突き進む
テメェのお膝元で馬鹿な野郎がもう一度殺し合えと息巻いてんだ
一度倒した相手だから、なんて腑抜けた理由で引き籠ったりはしねぇよなァ?
こっちは初めから全力でな
別の手なんてねぇ
だから馬鹿の一つ覚えだ
もう一度真っ向からの全身全霊
捨て身の一撃の覚悟を以て【怨技・惨月】
そして一撃を叩き込むと同時
関羽の体にグラップルでしがみ付きベアハッグ
自力で立てなくなろうが腕だけで殺し合ってやる
●怒りの美髭公
蜀軍が陣取る樊城の地。関羽を追う形で敵の本拠地を攻めようとしたディアボロス達は、しかし次から次へと送り込まれて来る蜀の軍勢に、完全に足を止められてしまっていた。
「うぉぉぉっ! 敵が来たぞぉぉぉっ!」
「魏軍の生き残りか? 構わねぇ! 全部蹴散らせ!」
出鼻を挫かれた蜀の軍勢は、数に物を言わせてディアボロス達を押し潰さんと迫って来る。彼らの大半は一般人の兵であり、それ故に相手にもならないのは幸いだったが、数の暴力はどうにもならない。彼らはディアボロスやクロノヴェーダに対して無力とはいえ、それでも行く手を阻み、道を塞ぐだけならば十分なのだ。
「くそっ! 邪魔すんな、雑魚どもが!」
「ふひひひ……鴨が葱を背負って来やしたぜ」
鎌夜・神月(慇懃無礼千万・g01128)と佐藤・六咲(糞虫・g01156)が、次々と一般人の兵士を屠っていった。しかし、倒せど倒せど、兵士達は次から次へと現れる。敵の本拠地が近付けば、それだけ兵の数も増えるのは当然だ。
これでは、まともに進むことさえままならない。街に兵士を送り込まれることは阻止できても、先のこちらの体力の方が尽きてしまう。
「ちっ……! まったく、数だけは多いね!」
ペリドット・ノーゲンナルガ(シェイプシフター・g01924)が舌打ちをしつつ、兵士達を薙ぎ払う。反撃の形で攻撃すれば、相手が何十人いようと一網打尽にできるのだが、それでも地の利が全くない場所で、先の見えない戦いを続けていては消耗戦だ。
(「街から離れたのは失敗だったか……。土地を買おうにも、所有者がいないのではな……」)
地脈より力を引き出すことを得意とする水戸・宗一郎(金の亡者・g00253)の策も、街から離れてしまえば、それだけ力も落ちてしまっていた。彼の場合、技の行使に必要なのは土地の購入。だが、所有者不在の荒野も多い時代ともなれば、常に都合よく土地を買い漁れるわけでもない。
ここは、かつて魏領だった。そして、今では蜀の手に落ちている土地。購入するとなれば、魏王かあるいは蜀王に謁見して頭を下げる必要が出て来るが、当然のことながら、そんなことは不可能だ。
樊城に辿り着くこともできないまま、時間だけが過ぎて行った。唯一の幸いは、これだけ大量の兵士を街に向かわせていないことだが……果たして、そんな彼らを更に追い詰めるべき修羅が、ついに戦場へと舞い戻って来た。
「ほう……この儂を追って来たか? 力無き民のために戦う者達だと思っていたが、名誉欲に憑かれて無謀に走ったか?」
赤兎馬に跨ったまま、関羽はディアボロス達を見下ろして言った。相変わらず、こちらに興味や関心はなく、さっさと去れと言わんばかりの口調だったが。
「すいやせんね。オレは頭も良くなきゃ武人でもねえんでさ」
「無謀がなんだ! 勝てる奴にしか吠えねぇ賢しらな犬になるくらいなら、蛮勇紛いの狂犬の方がまだマシなんだよ」
六咲も神月も、何を言われても一歩も退かぬ覚悟だった。そもそも、勝てないと言われて『はい、そうですか』と引き下がるくらいなら、最初から関羽になど挑んではいない。
「フフフ……ガハハハハ!」
突然、関羽が高らかに笑い出した。いったい、これは何事か。戦場にあって、なおこの余裕。それは圧倒的な強者であるからこそ、見せることのできる豪胆さ。
「戦いに勝つことではなく個人の勝負を優先するとは、愚か! 実に愚かなり! だが、その愚かさ、嫌いではないぞ!」
強敵がいれば、挑みたくなるのも分からないではない。しかし、己の強さも弁えずに挑むのは匹夫の勇。今からそれを証明してやらんと迫り来る関羽だったが、それでも神月は全く退かず。
「愚かだと? 馬鹿で結構! こっちは初めから全力でな。別の手なんてねぇ! だから馬鹿の一つ覚えだ!」
勢いに任せて関羽に飛び掛かると、そのまま身体を引き裂きにかかった。しかし、関羽の甲殻は神月が今までに戦ったどの蟲将よりも固く、念動力で強化された肉体を以てなお、引き裂くことはできなかった。
「どうした? それで終わりか?」
「そんなわけねぇだろ! こいつで……どうだぁ!」
攻撃が通用しないと分かっても、神月は最後まで関羽に組み付き、少しでも動きを封じようとする。その上で、両腕を封じられた関羽に挑む六咲。
別のどこかで口にした関羽の力。宗一郎からの、僅かばかりの支援。それら、ひとつひとつは小さな物でも、全て集めて関羽にぶつけるが。
「……手緩いわ!!」
神月の拘束を軽々と振り解き、果ては自らの甲殻に食らいついた六咲を力任せに引き剥がし、関羽はそれぞれを固い大地へと叩きつけ。
「戦とは命の奪い合い。故に、将を落としたくば一撃で落とせ。人真似、人頼みの力では、儂には勝てぬ!」
頭上から無数の突きを繰り出すことで、相手の反撃を許さない。一撃、一撃が致命傷に匹敵する攻撃だ。瞬く間に全身を貫かれ、痛みさえ覚えぬほど感覚が消えて行く。
「ま、まだだ……立てなくなろうが……腕だけで殺し合ってやる」
それでも、なお立ち上がって戦おうとする神月だったが、そんな彼の身体を更なる追い打ちが貫いた。ならば、本当に首だけになってでも戦ってやろうと六咲が関羽に噛みついたが、関羽は全く意に介さず、六咲の身体を今度こそ五体が弾けんばかりに滅多刺しにした。
「無謀を働くからこそ、少しは期待しておったのだがな。こうも直線的に向かってくるだけでは、何の面白みもない」
既に口で噛みついているだけが精一杯の六咲を、関羽は鬱陶しそうに振り払う。甲殻に歯形こそついていたが、それだけだ。幾重にも肉体の強化を重ね、復讐に身を焦がした姿となってもなお、関羽には届かないというのだろうか。
「やりたいことへ真っ直ぐに……虫ってなそういうもんだよ」
「貴様如き人間が蟲将である儂に蟲を語るか? ……笑止!!」
苦笑する六咲を、関羽は槍で突き刺し、放り投げた。これでもう、戦える者はペリドットしかいない。彼女の場合、あくまで自分自身ではなく、関羽の模倣体で戦うようだが。
「真似ることなく己の力だけで勝利、ねぇ……。屁理屈でしかないが、真似ることなく武を極めた者なんているわけがない。武の術なり道には先行者がいる。ボクのは蛇の道だが、『その先』を見せてやるよ」
「ふん……ならば、見せてみよ。お主が我が力、我が技を超えられるというのであればな!」
あくまで模倣でしかないペリドットの技に、関羽はさしたる興味も見せない。力量の差から、どれだけ型を真似したところで、自分が負けるはずがないと分かっているからだ。
「じゃあ今度は、お前をベースにした化け物だ。キミが認めぬ猿真似の意地を見せてあげよう」
それならば、その驕りが命取りになることを教えてやろうと、ペリドットは多数の偽関羽を召喚した。しかも、ただの偽物ではない。
腹から腕が生えた者。首から槍が生えた者。関節はあり得ない方向に曲がり、一部の筋力は限界を超えて強化されている。これだけの数で襲い掛かれば、いかに本物との間に差があれど、押し返せると……そう、思っていたのだが。
「……痴れ者が! 確かに、武の道は模倣の道よ! だが……だからこそ、それを語るのであれば、力も技も……我が武を『完璧』に習得してみせよ!」
異業化した己が大量に襲い掛かって来るのを見て、関羽は喜ぶどころか怒号を発し、刀を振るって竜を呼ぶ。首や腹を武器化して守ろうと関係ない。関羽に取り付いていた偽関羽は気迫だけで吹き飛ばされ、殺到する竜の如き気は濁流のように、次々と偽関羽を飲み込んで行く。
「敵わないと知り、安易に数を増やす! 技を真似できぬ故、異形化に走る……笑止千万! そのような蛇足で、我が武を知ったような口を利くでないわ!」
完璧に模倣できないまま、その先を行くと語ったペリドットの言葉。それは、己の武に誇りを持つ関羽を激高させるのに十分だった。本気を出した彼の攻撃は、周囲の何もかもを怒りに任せて叩き伏せ、後には一本の草さえも残らない。
「終わりだな、軍師よ。少しは頭の切れる男かと思っていたが……まさか、このような無謀を働くとは、興が醒めるどこるの話ではないぞ」
最後に関羽は、後ろで仲間に力を与えているだけの宗一郎に、冷めた視線を向けて呟いた。直接、戦う力を持たない宗一郎に興味はないようだが、そのような者に勝ち目のない戦いを挑まれたことは、関羽にとっては舐められているも同然のことだった。
「私は武人ではなく商売人なのでな。蔑まれようと生き方は簡単に曲げないさ」
「ふん……ならば、その生き方に準じて、貴様はここで逝くがいい! 貴様達のような者の相手は、儂も腹に据えかねるわ!」
苦笑する宗一郎に向け、関羽は大きく刀を振り上げる。今までの戦い方から、完全に馬鹿にされたと感じたのだろう。未だ怒りの収まらぬ関羽は再び刀を振るって竜の気を発し……それらが全てを蹂躙した後、その場に立っている者は、関羽以外は誰もいなかった。
苦戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
神山・刹那
蜀が誇る五虎大将軍が筆頭、関羽雲長、相手にとって不足なし!
俺の武が通じるかどうか、試さずにはいられねぇ!
これが武人の性よ。いざ、尋常に勝負!
赤兎馬天駆で赤兎馬で空をかけて攻撃してくるのなら、空を移動していようが、それは普通の騎馬対歩兵と変わらない、ヒットアンドアウェーなので、一撃に集中し、何合か打ち合ってタイミングがわかってきたら、関羽の一撃に自分の渾身の一撃をあわせ、カウンターの一撃を打ち込む
「さすが天下の豪傑。今はこれが限界だが、いずれあんたに必ず届かせてみせる!」
●一騎当千、虎の筆頭
怒りのままに暴れ回った関羽だったが、それは彼の居場所を他のディアボロス達にも教えることになっていた。
「蜀が誇る五虎大将軍が筆頭、関羽雲長、相手にとって不足なし! 俺の武が通じるかどうか、試さずにはいられねぇ!」
関羽の居場所を突き止めて、次に挑んだのは神山・刹那(梟雄・g00162)だ。関羽は赤兎馬で天を舞いつつ、そんな刹那を冷たく見下ろし。
「……貴様も儂の首を狙う愚か者か? 大口を叩くのであれば、己の力量を弁えてするのだな」
端から相手にならないと考えているのだろう。もっとも、そんなことは刹那とて百も承知。敵わないと知りながら、それでも強者に挑みたくなるのは仕方がない。
「これが武人の性よ。いざ、尋常に勝負!」
狙いは、敵が攻撃を仕掛けて来る瞬間。どれだけ自由に空を飛べようと、攻撃する際は地上に降りて来るはずだ。そこを狙って打ち合えばと考えていた刹那だったが……何故か、関羽は自ら仕掛けて来ようとしなかった。
「どうした? 口では大層なことを言いながら、まさか怖気づいたのではあるまいな?」
(「こいつ……誘ってやがるのか?」)
一向に仕掛けて来ない関羽に業を煮やし、仕方なく刹那は自ら仕掛けた。最初の攻撃は、あくまでフェイント。真の目的は敵と何度か戦うことで、相手の技のタイミングを見切り、そこに反撃を食らわせることだったが。
「……ぐはっ!」
刀を振り下ろした瞬間、同時に繰り出された関羽の一撃は刹那の身体を一刀の下に断ち切った。
想像していた以上の、凄まじい威力。受け太刀など、絶対に許されない。直撃を食らえば、それだけで太刀諸共に持って行かれる。あまりに力量の差があり過ぎて、様子見や牽制などは意味を成さない。
「我が太刀筋、見切れるとでも思っていたか? そうされる前に、儂は多くの強者を屠ってきた。だからこそ、今、ここに儂が在ると知れ!」
何度か打ち合い、攻撃のタイミングを計ろうなど、最初から無理だったのだ。攻撃のチャンスは一度だけ。次を逃せば、その先はない。未だ相手の太刀筋さえ読めない刹那だったが、それでも意を決し、再び関羽に斬り掛かり。
「さすが天下の豪傑。今はこれが限界だが、いずれあんたに必ず届かせてみせる!」
擦れ違い様に相手の甲殻へ刃を届かせた手応えを感じながら、しかし己の受けた傷の深さに、刹那は仕方なく身を退いた。
苦戦🔵🔴🔴
穂村・夏輝
蜀の一般兵達を【浄化】で弔っておく。化けて出られても怖いし。あと、瀕死の兵に卵を産みつけられていても困るしね
関羽に遭遇したら挑む
「俺は、どうしても強くならなくちゃいけない。だから、その為の手段は選んでいられない。その強さをもらうよ!」
俺の天使としての力も元々は大天使から奪ったもの。元々借り物だらけの力なのだから、なりふり構わない
【記憶術】で覚えた関羽の太刀筋や攻撃を精一杯かわし、【リングスラッシャー】の光輪の一部や天晶剣、緑甲で受け止める。
残りの光輪を多方向から【不意打ち】を仕掛ける。血一滴、甲殻の一欠片でも奪って糧にしたい
「俺達は断片の王へ挑む!その為にも、その力、絶対モノにしてみせる!」
●美髯公の情け
死屍累々と重なる人々の亡骸。関羽を追い、誘き出すために倒された一般人の兵達を、穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)は二度と利用されぬよう丁寧に弔っていた。
蟲将は、戦乱で犠牲となった人間に卵を産み付けることで誕生する。人間同士で争い、死傷者が増えれば増えるほど、蟲将にとっては都合が良いのだ。
このまま放置しておけば、敵の戦力をむしろ増強してしまう。それを知って亡骸を弔う夏輝の前に、颯爽と現れたるは赤兎馬と関羽。
「ほぅ……お主は、少しばかり他の者とは違うようだな。我等が目的を知り、それを害するか?」
猛き者であれば、その武を見せよ。弱き者であれば、今すぐに去れ。敢えて撤退するだけの時間を夏輝に与えてくれた関羽だったが、夏輝はそれでも退かなかった。背を見せて逃げることは容易だが、それでも退けぬ理由がある。
「勝てぬと知って抗うか? その命、このような場所で散らす必要もあるまい」
「俺は、どうしても強くならなくちゃいけない。だから、その為の手段は選んでいられない。その強さをもらうよ!」
元より、大天使から力を奪っている夏輝にとって、相手から力を奪うことに抵抗はない。もっとも、関羽とてそう容易く力を奪わせるつもりもなく、むしろ隙を晒しながら夏輝の前で胸を叩いた。
「フハハハハ! 面白い! 奪えるものなら、奪ってみよ!」
夏輝の放った無数の光輪を前にしても、関羽は何ら怯まない。竜の如き気を放ち、それらを用いて光輪を弾きながら、余裕の表情で夏輝に迫る。
「……っ!?」
かつての戦いの記憶から太刀筋を思い出して避けようにも、身体が相手の速度に追い付かなかった。光輪の一部や剣に甲殻まで重ねて攻撃を防ごうとするも、関羽はそれらも全て打ち砕き夏輝の身体を弾き飛ばした。
「この程度で儂の力を奪うだと? 実に御し難いもの……?」
いよいよ、止めを刺さんと迫る関羽だったが、しかしその背に光輪が刺さっていたことで手を止める。一方的に蹂躙されているように見えた夏輝だったが、彼は自らを囮にすることで、関羽に攻撃を届かせたのだ。
「俺達は断片の王へ挑む! その為にも、その力、絶対モノにしてみせる!」
「フフフ……面白いやつよ。ならば、此度の戦いで奪った力、次に出会った際には物にしておくがいい」
踵を返し、去って行く関羽。情けをかけられた上での勝利だったが、それでも夏輝にとっては、これが大きな一歩だった。
成功🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
月下部・小雪
ふぅ、あ、あとは部隊長さんをやっつければ避難した人達は大丈夫、ですよね。
関羽がこっちにこない間に、速攻、でいきます。
こ、こわいけどここから先には通しません。足止めをするって約束したの、です!
ダンゴムシさんが来たら、まずは【泥濘の地】を使って足止めしてしまいますね。
泥に足を取られているところに【モーラット・サンダー】を、コダマの口から雷をお見舞いしてやります!
反撃の衝撃波がきたら、地面に伏せて「ピンポイント魔力障壁」で身を守ります。
うぅぅ、か、簡単に吹き飛ばされたりはしません!
敵の足元が泥んこで踏ん張りが効かないといいのですが……
※アドリブや連携も大歓迎
獅子城・羽鳥
味方が関羽を足止めしてくれてる間に手早く略奪部隊に止めだ
……くたばる前にさっさと逃げてくれよ
連携・アドリブ歓迎
残留効果活用
可能なら味方を援護
勝利のためある程度のダメージは仕方ないが仲間を不利にする行動はしない
万一関羽が来たら一旦退いて仕切り直し
攻防共に《臨機応変・一撃離脱・幸運》活用
可能な場合は《地形の利用》も使用
飛翔しながら《投擲・貫通撃・制圧射撃・爆破》で内蔵火器を撃ち込む
雄猛華敢には銃声砲声で対抗しつつ《忍耐力》で受け流し、飛翔と一撃離脱で回避を試みる
俺は武人肌じゃないし史実や伝承の名将や豪傑ならまだしも
蟲将と正々堂々渡り合う気はないさ
臆病でもなんでも住民を逃せばこっちの勝ちだ
神山・刹那
伝説の豪傑との勝負か
関羽に引き続き、楽しませてくれる
関羽に一歩でも近づくため、お前には糧になってもらう
じゃ、楽しもうか
閃薙衝破で衝撃波を飛ばしてきたら、大刀の起動から攻撃を予測し、避けながら自分の間合いまで持ち込んで、相手が吹き飛ばそうと武器を振るなら、その武器ごと斬り捨てる覚悟で渾身の一撃を打ち込む
「なかなか楽しかったよ。お前との勝負、糧にさせてもらうぜ」
穂村・夏輝
「関羽、次に会う時までに、その力をモノにしてみせる。けど、今は略奪部隊を退けないとね」
関羽にやられてボロボロだけど、少し休めば結構怪我が治るのがディアボロスの便利なところだね
相手の一騎打ちには【勝利の凱歌】で勇気を奮い立たせて挑むよ
「俺はまだまだ未熟者だけど、それを乗り越えるためにも、挑ませてもらうよ!」
真正面から【魔骸連刃】による【強打】を叩き込んでゆく。打ち勝てなかったとしても、味方が攻撃する隙ができるのなら、それでよし。味方の攻撃で出来た傷や損傷化があれば利用させてもらうし、【解体】で甲殻を更に破壊する
倒したら、一般兵に威圧する
「敵将は討ち取った! このことを知らせにでも帰ることだね!」
●勇猛なる都督
蜀軍に狙われた街の者達が逃げる中、退路を確保するべく残った月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)と獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)。だが、多くの者が関羽との戦いに向かってしまった今、残されているのは彼ら二人だけだった。
「うぅ……み、みなさん、外に行ってしまいました……」
気が付けば、この場にいるのは自分と羽鳥の二人だけ。おまけに、目の前に立っているのは猛将として有名な華雄。そんな状況に気圧されし、小雪はすっかり震えていた。
「ふん、誰かと思えば小娘に優男か。この華雄も、随分と甘く見られたものよ」
たった二人だけで、止められると思うな。そう言って迫る華雄の気迫は本物だ。アヴァタール級とはいえ、あの関羽から命を受け、街を襲う部隊の指揮を任される程なのだから。
「こうなったら、やるしかないだろう。味方が関羽を足止めしてくれている間にな」
その一方で、羽鳥は随分と冷静だった。
正直、この戦いで勝てるとは思っていない。しかし、そもそも目的は敵を倒すことではなく、街の人間を逃がすこと。せいぜい、それまでの時間が稼げれば良い。
「行くぞ、小童ども! 貴様達を蹴散らし、街の者どもを皆殺しにしてくれる!!」
防御の姿勢を取りながら、華雄がこちらに向かって来た。咄嗟に距離を取り、銃撃で牽制する羽鳥だったが、華雄の堅牢な甲殻は、その全てを悉く跳ね返していた。
「おのれ、逃げるか! 卑怯者め!!」
「俺は武人肌じゃないし、史実や伝承の名将や豪傑ならまだしも、蟲将と正々堂々渡り合う気はないさ。臆病でもなんでも住民を逃せばこっちの勝ちだ」
相手の間合いに入るのは拙いと距離を取る羽鳥だったが、華雄の怒号はそれだけで空気をつんざき、衝撃波の如く羽鳥の身体を揺らす。少しでも気を抜いたが最後、あっという間に間合いを詰められ、叩き伏せられてしまうと思われたが。
「……おわっ!? な、なんだ、これは!?」
突然、足元がぬかるんだことで、華雄は盛大に転倒してしまった。今までの戦いで、街の中の一部は泥沼のような地形に変わっていた。そこへ上手いこと誘い込まれ、動きを封じられてしまったのだ。
「こ、こわいけどここから先には通しません。足止めをするって約束したの、です!」
そんな華雄の前に立ち、小雪は勇気を振り絞る。相手がどれだけ強敵であろうと、ここで退いてなるものか。
「えとえと、モーラット・サンダー、です!」
スマホに表示された呪文を読み上げれば、彼女の連れているモーラット・コミュのコダマが強烈な電撃を口から放った。電撃は動けない華雄に直撃し、周囲に泥水が跳ね上がる。
「ぬわぁぁぁぁっ!」
「や、やった……のでしょう、か?」
泥と土塊が周囲に飛び散り、華雄の様子が良く見えない。それでも、確実に攻撃を直撃させた自身はあり、勝利を確信する小雪だったが。
「……おのれ、この私を愚弄しおって! 許さんぞ、小娘!!」
果たして、泥の中から現れたのは、怒り狂った華雄だった。
「もう、容赦はせん! 食らぇぇぇっ!」
巨大なダンビラを振り回し、華雄が怒りのままに衝撃波を呼ぶ。慌てて身を伏せ、魔力障壁で耐えようとする小雪だったが、しがみつくので精一杯。
「うぅぅ、か、簡単に吹き飛ばされたりはしません!」
指をしっかりと大地に食い込ませて踏ん張るものの、徐々に彼女の身体は大地から引き剥がされていった。
●抗う者達
街の人々を逃がすため、決死の戦いを繰り広げる小雪と羽鳥。だが、相手はアヴァタール級とはいえ、猛将華雄。たった二人で押し止められるわけもなく、気が付けば街の外れに追い込まれていた。
「ふふふ……どうやら、勝負あったようだな。こうなっては、逃げるも防ぐもできまいて」
これ以上は、戦いが長引けば命に関わる。遺憾ではあるが、ここで退くもやむなしか。歯噛みする羽鳥と小雪だったが、しかし運命の女神は、まだ二人を見捨ててはいなかったようだ。
「そこまでだ! ここから先、一歩たりとも通すつもりはないよ!」
「伝説の豪傑との勝負か……。関羽に引き続き、楽しませてくれる」
突然、華雄の後ろから声がした。思わず振り向けば、そこに立っていたのは穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)と神山・刹那(梟雄・g00162)の二人。関羽との戦いを終え、負傷も完全に治りきらない身体ではあったが、それでも街を守るために舞い戻って来たのだ。
「ほぅ……まだ、生き残りがいたか。だが、そのような身体で、何ができる? 大方、無謀にも関羽殿に挑み、這う這うの体で逃げ出して来たのであろうが!」
突然の増援にしばし驚く華雄だったが、しかし夏輝と刹那の姿を見て、直ぐに考えを改めた。
こいつらであれば、数が増えたところで大した脅威ではない。華雄は、そう判断したのだろう。もっとも、それは夏輝や刹那とて分かっている。この状態で長くは戦えないのだから、勝負は短期で決するべきだと。
「俺はまだまだ未熟者だけど、それを乗り越えるためにも、挑ませてもらうよ!」
「関羽に一歩でも近づくため、お前には糧になってもらう。じゃ、楽しもうか」
臆することなく、二人は華雄へと向かって行った。対する華雄も、そんな彼らの挑戦を真っ向から受けて立つ。
「ほざけ、半人前どもが!」
まずは強烈な衝撃波が刹那を襲うが、刹那は高々と跳躍してそれを避け、そのまま勢いに任せて刃を振り下ろす。誰よりも高く、誰よりも速く、防御の姿勢を取る暇も与えない程に。
「この切っ先に一擲を成して乾坤を賭せん! 届け、雲耀の速さまで!」
「な、なにっ!?」
咄嗟に大剣で受けようとした華雄だったが、受け太刀などできるはずもなかった。衝撃に剣が圧し折られ、そのまま回転して大地へと突き刺さる。
刹那の剣技は示現流。一の太刀を疑わず、そして二の太刀要らずの必殺剣。彼自身の名が示す通り、瞬きする程の僅かな時間に全神経を集中させて、乾坤の一擲を叩き込むのだ。
「えぇい、小癪な! ならば、今度は貴様と一騎打ちで勝負だ!」
刹那に砕かれた大剣を放り捨て、華雄はなんと素手で夏輝に挑んで来た。武器などなくとも、空気をも振るわせる怒声と、蟲将由来の強固な身体があれば勝てると踏んだのだろうが。
「悪いね。俺も殴り合いは……苦手じゃないんだ!」
全身から鋭利な刃を発生させ、夏輝もまた正面から華雄へと挑んだ。堅牢な甲殻を前に、刃での攻撃は一見して不利だ。が、しかし、それでも構わない。なぜなら夏輝の目的は、あくまで華雄の足止めなのだから。
「今だ! 腹を狙うんだ!」
刃を背中の甲殻で受けようと華雄が自身に背を向けたところで、夏輝が叫んだ。見れば、華雄が振り向いた先には、既に詠唱を終えた小雪が立っており。
「こ、今度こそ、やっつけ、ます! コダマ!!」
「ぬぉぉぉっ! ま、また、これかぁぁぁっ!!」
無防備な腹に、モーラット・サンダーが直撃した。自慢の甲殻も腹部は覆っていなかったのか、これには華雄も耐えられなかったのか、ついに口から黒い体液を吐いて膝を崩した。
「うぐぐ……なんという失態。だが、ここで死ぬわけには……」
腹を押さえながら身体を丸め、華雄はそのまま転がって逃げようとする。もっとも、そんな隙を見逃すはずもなく、空中から羽鳥が狙いを定め。
「逃すか!」
ここ一番で、内蔵火器を全て展開し、圧倒的な火力で敵を撃つ。銃撃は甲殻で跳ね返せても、爆風による衝撃や、戦車の装甲をも貫く徹甲弾の攻撃には耐えられない。
「ぐぁぁぁぁ! そ、そんな馬鹿なぁぁぁぁっ!!」
最後は背中の甲殻を飛散させ、華雄は爆風の中に散っていった。関羽を倒すことはできなかったが、それでも今回の略奪部隊を任されている指揮官が倒れたのであれば、撤退中の人々が襲われる心配もなさそうだ。
「なかなか楽しかったよ。お前との勝負、糧にさせてもらうぜ」
刃を納め、呟く刹那。その横では夏輝が残る一般人の蜀軍兵に、華雄の被っていた兜を高々と掲げて告げるのだった。
「敵将は討ち取った! このことを知らせにでも帰ることだね!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ドレイン】LV1が発生!