リプレイ
ルチルーク・フレンツェン
安房国という一国の軍勢がまるまる下野国にいるのは厄介極まりないですね……。
佐野城を攻略するにしても、別のルートの為に足止めするにしても、
こちらも支援砲撃をするとしましょう。
塹壕の為の横や斜めに広く掘るスコップと
土留の為の土嚢袋をパラドクストレイン貨物車に乗せて現地に持参致しました。
今の為の簡易の陣地であっても、塹壕が広ければ広い程
支援砲撃のしやすさや、砲撃した後の安全な移動で
次の砲撃をまたしやすくなるはずですから
忍耐強く地道に掘っては積み上げて掘っては積み上げていきます!
形になってきたら最後に【セルフクラフト】で
小さいですけれど1㎥のコンクリート壁を土嚢の一部の前に1個置いてダメ押しとさせて頂きます。
支援砲撃をする時は、随時塹壕内を移動しつつ最初は見える敵の塹壕に
手当たり次第【ウォールオブローマ】での砲撃してあえて敵の支援砲撃を誘発。
敵部隊の砲撃の、砲撃する瞬間や砲撃の角度や間隔を見聞きして
塹壕の中にいても動きの鈍い敵の配置を見つけ出して
その鈍い配置に徹底的に砲撃してやりますとも!
天正大戦国、下野国の国境。佐野城へ向かう復讐者を阻むように広がるのは、一面に設けられた塹壕陣地だった。
地面を掘って造られた塹壕に身を潜め、待ち構えるのは天魔武者『大筒入道』の群れだ。真正面から陣地へと突撃すれば、彼らの砲撃で苦戦を強いられることは間違いない。
塹壕には塹壕を、砲撃には砲撃を。敵陣へ突撃する仲間たちを援護すべく、ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は塹壕陣地の構築に動き出す――。
「城を預かるのは、里見の勢力ですか。厄介極まりないですね……」
陣地の彼方、佐野城の方角へ視線を向けながら、ルチルークは呟いた。
『里見義堯』は家康の命令で安房国を追われ、佐野城に配されている。元大名の彼が擁する軍勢は一国規模に匹敵する程に大きく、加えて兵の士気も高い。激戦は必至となりそうだ。
「とは言え、こちらに退く理由も無し。早速、準備を始めましょう」
佐野城を落とすにしても、別ルートの為に足止めするにしても、この陣地を攻略する価値は大きい。新宿島より持ち込んだ道具類を担ぎ、ルチルークは急ぎ足で目的地へと歩き出した。
突撃する仲間の支援として、最初に着手したのは陣地の構築だった。
地面を掘るスコップ、土留の為の土嚢袋――作業道具を揃えたルチルークの手慣れた動きによって、復讐者用の簡易陣地が着々と築かれていく。
「たとえ簡易陣地でも、塹壕が広ければ広い程有利になります。手は抜けませんね」
速度こそ目を見張るものはないが、作業に手抜きは一切ない。より容易な支援砲撃が出来れば、砲撃後の移動もより安全となる。それは次の砲撃を、より容易なものへと変えてくれるだろう。
良い成果を得る為には、焦りこそが大敵であることをルチルークは知っている。距離を開けた先、前方の塹壕に今も潜む敵の重圧をものともせず、彼女は淡々とスコップを握る手に力を込めていく。
土を掘っては土嚢を積み上げ、更に掘ってはまた積み上げ。
やがて塹壕を完成させたルチルークは、最後の仕上げにセルフクラフトでコンクリート壁を生成する。設置したのは1立米の塊が一つ。土嚢の前に置いて、ダメ押しに用いる形だ。
「さて……準備も整ったようです。次の仕事を始めましょうか」
陣地の構築が完了すれば、後は砲撃支援で仲間たちの道を切り開くのみ。『ウォールオブローマ』を発動したルチルークは挨拶代わりとばかりに、塹壕の上空にローマの城壁を具現化し始めた。
「ローマの力、ワールドハッキングでお借りします」
同時、大筒入道たちの周囲がふいに影で覆われる。不審に思った彼らが頭上を見遣れば、そこに浮かぶのは圧倒的な質量を誇る分厚い城壁。それが今、ルチルークのパラドクスによって、次々と塹壕目掛けて降り注ぎ始めた。
「鈍い配置は見逃しません。――そこです!」
ルチルークの察知した先、僅かに動きの遅れた入道たちを、天より降り注ぐ城壁が圧し潰す。
高所から加速して落下する質量が齎す破壊は、シンプルにして強烈だ。耳をつんざく轟音が大地を揺さぶる中、敵陣地より入道たちの怒声が響く。
『ぐわっ!』『くそ、あそこだ! 撃ち返せ!』
かくして幕を開けたのは、ルチルークと入道の壮絶な砲撃戦だった。
敵は未だ多勢だけあり、その砲撃も熾烈そのものだが――ルチルークにとっては、それこそ正に望んだ展開だ。敵の注意を引きつけたことで、塹壕へ駆け抜ける勝機が生まれたことを、彼女は決して見逃さない。
「敵の砲撃が弱まりました。今です!」
合図と同時、後続の仲間たちが一斉に敵の塹壕目掛けて駆けて行く。
砲弾の雨を掻い潜り、狙うは敵部隊の撃破。その嚆矢となる役目を、ルチルークは見事果たしたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
シメオン・グランツ
(トレインチケット)
構築陣地から行われる復讐者の援護砲撃が、天魔武者の陣地へ突入する隙を作り出す。
砲弾の勢いが弱まった今こそ、敵将を撃破する絶好の好機。一方、迫り来る復讐者の気配を察知した大筒入道たちもまた、死に物狂いの勢いで抵抗を続けていた。
『撃て撃て!』『ディアボロスを近づけるな!』
大筒型の魔光砲より発射されるのは、巨大な対物砲弾の雨霰だ。
攻城戦を想定したそれは破壊力も抜群、並の人間ならば掠っただけで肉片と化すだろう。追放された安房国へ舞い戻る為、入道たちは決死の覚悟で砲撃を浴びせて行く。
だが――後方からの援護砲撃を受ける復讐者にとって、入道の抵抗は最早脅威たり得ない。
轟音と衝撃が席巻する戦場に立ち込める濃密な土煙の彼方、現れた一つの人影が冷徹な声で入道たちへ告げる。
「……お前たちの命運はここで潰える」
声の主はシメオン・グランツ(人間のレジェンドウィザード・g01467)。歴史改竄者への怒りを胸に戦う復讐者だ。
齢百を超える老人ながら、その佇まいには微塵の隙も無い。更なる砲撃が飛来するより早く、シメオンのパラドクスは入道の群れを完全に捉えていた。仲間の援護がある今、トループスの抵抗など脅威からは程遠い。
「凍りつけ」
居並ぶ入道の群れを、シメオンの魔術が瞬時に包む。
発動したのは『アイスエイジブリザード』――荒れ狂う吹雪で、標的を凍結せしめるパラドクスだ。その勢いは凄まじく、戦場を白く染める氷雪は、たちまち入道たちを蝕んでいく。
『う、ぐ……!』『か、体が……動か……』
クロノヴェーダへの怒りを帯びたシメオンの攻撃は、決して標的を逃がさない。
瞬時のうちに機体から魔力を奪われた入道たちが、機能を喪ったスクラップと化して戦場に転がり始める。その数は一機、二機と尚も増え続け、止まることなく増え続けるのだった。
やがてパラドクスの応酬が終わると、戦場には入道の残骸が残された。
塹壕陣地からの砲撃は未だ健在だが、勢いは確実に衰えつつある。あと一押しを加えれば入道部隊は全滅し、塹壕陣地への突入が可能となるだろう。
「……私が出来ることは、ここまでだ。後は任せたぞ」
入道を撃破すれば残るは指揮官と護衛のみ、佐野城へ向かう為にも今こそ突入を果たす時だ。
作戦は、いよいよ半ばに至ろうという頃合。
かくしてシメオンより戦いのバトンを受け取った復讐者が、砲弾飛び交う戦場へ新たに飛び込んでいく――。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
伊佐沼・チカ
嵐みてぇに押し寄せてた弾が、そよ風ぐれぇになったのです!
お仲間さんが作ってくれた勝機、チカは見逃しません!
敵さん達のひしめく穴ぐら(=塹壕)に飛び込んで、みぃんな叩きのめしてやるのです!
砲撃が弱まった隙に、走り抜けて穴ぐらまで飛び込むのです
この期に及んでは、目立たねぇことよりも一番短ぇ道を進んだ方がいい、でしょうか?
ただ、あんまり遅れず尚且つチカを見つける敵さんを減らせる、草むらの中みてぇな道があったら、そこを通るのです
穴ぐらに飛び込んだら、硝煙の匂いや大筒を撃つ音から暗いなかでも敵さんを見つけます
んでもって、『神懸・地衝暴鎚』を叩き込むのです!
《天魔鎚『山崩』》で思いっきり地べたをぶっ叩いて、穴ぐらん中に地割れを引き起こします
口を開いた裂け目の中に、一斉に弾ぁ撃つために集まった敵さん達を落として、ここを墓穴にしてやるのです!
光線は、背負った《防弾シールド》をどっしり構えて耐えて、撃ち止んだらまた地を揺らして敵さん達を倒すのです
どっせぇぇぇい!下野にいるお殿様への道、開けて貰うのです!
天魔武者の塹壕陣地には、俄かに混乱が広がりつつあった。
後方より砲撃支援を受けた復讐者が突入する形で始まった戦闘により、着々と撃破されていく大筒入道たち。大穴よろしく設けられた塹壕内は、今や激戦の場と化している状態だ。
「嵐みてぇに押し寄せてた弾が、そよ風ぐれぇになったのです!」
そんな敵陣の只中めがけ、伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)は放たれた矢のように突撃していく。仲間が作ってくれた勝機を見逃す訳には行かない。抵抗を続ける大筒入道たちなど襲るるに足らず、愛用の天魔鎚『山崩』で鎧袖一触に蹴散らすとしよう。
「敵さんは、みぃんな叩きのめしてやるのです! おりゃあぁぁぁ!」
勢いの衰えた敵の砲撃下、可愛くも勇ましい雄叫びが木霊する。
しぶとく抵抗を続ける入道の部隊を撃破すべく、チカは一息に塹壕へと飛び込んでいった。
先行したシメオンの奮闘が奏功したこともあり、混乱に乗じた突入は問題なく成功した。
飛び込んだ先、鼻をつくのは塹壕内に満ちる硝煙の匂い。刺々しい空気に眉を寄せながら、チカは断続的に響く大筒の振動を辿り、敵集団の下へと辿り着く。
『なっ、新手だと!?』『出会え、敵襲だ!』
「逃がさねぇです!」
敵の大筒が光線を放つよりも早く、チカの山崩が敵群へと襲い掛かる。
発動するは『神懸・地衝暴鎚』。野の髪に念じて活性化させた念動力で、大地を叩く衝撃を増幅させるパラドクスだ。チカは山崩のブースターで瞬時に加速、残留効果で上昇させた火力を込めた渾身の一撃を、最大速度で地面へと叩きつける。
「野のかみさまに借りた力で、ここを墓穴にしてやるのです!」
ひとたび振るわれれば、山崩の破壊力は比類ない。入道の大筒を遥かに凌ぐ威力を秘めた一撃が、文字通り山を崩すような轟音を伴って、瞬く間に巨大な地割れを生み出した。
『撃て! ディアボロスを食い止めろ!』
強烈な揺れが塹壕を包む中、入道は反撃の光線を発射せんと、大筒の砲口をチカへ向ける。
だが、それこそチカの望んだ展開だった。彼女を狙って次々集まる入道の足下へ、パラドクスで生じた亀裂が大蛇さながら恐るべき速度で忍び寄る。単独で突入した復讐者に狙いが集中することも、元よりチカには計算のうちだ。そして、
「どっせぇぇぇい! 下野にいるお殿様への道、開けて貰うのです!」
チカの山崩で口を開けた地面が、入道を次々と地割れに呑み込んでいく。
序盤の先頭で頭数を減らし、足並みを乱したところへ叩き込んだ渾身の一撃――それは抵抗を続ける入道たちを一機残らず奈落の底へと突き落とし、絶命せしめる。
『ぐ、ぐわぁぁぁ!!』
真面な反撃も叶わぬまま、塹壕に入道たちの断末魔が木霊する。
やがて戦場が静寂に覆われると、チカは次なる敵を目指して駆け出した。
地を掘って設けられた塹壕の中を、チカは急ぎ足で走り続ける。
塹壕陣地から砲撃部隊を排除した今、戦況は復讐者の優勢だ。後は敵部隊の指揮官を撃破すれば、佐野城へ向かう道を切り拓くことが出来るだろう。
やがて――薄暗い塹壕を進むこと暫し、ふいにチカの足が止まる。奥の方に、複数の敵の気配を感じた為だ。
「……どうやら、大将さんのお出ましですね」
果たして視線の先に見えたのは、護衛の銀閃鬼兵たちを引き連れたアヴァタール級が一機。分厚い鎧と巨大な刃で武装した
『牛尾幸清』の姿だった。鈍重だが分厚い守りに優れる敵将――それが敵側の指揮官だ。
『ディアボロスめ、やってくれる……だが、まだ勝負は決しておらん!』
銀閃鬼兵と共に迎撃態勢をとった幸清が、戦意を露わに叫ぶ。
陣地を死守する天魔武者と、突破を狙う復讐者たち。両者の戦いは、いよいよ佳境に向けて動き出そうとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
ルチルーク・フレンツェン
敵からの砲撃が止まったようですね。
逆に言えば砲撃の瞬間から敵部隊の位置を補足するのは難しい。
ならば当機も指揮官と護衛との戦闘に加勢します!
まずは護衛からの戦いですね。
至近距離でも構わず銃弾を当てようとしてくる銀閃鬼兵ですが、
だからって銃にとって有利な遠距離を保つ必要も無いでしょう。
【命中アップ】の導きを信じて突撃し、
ルシグーナを召喚して【ワイファイスパーク】で攻撃して貰いましょう。
ルシグーナ、あなたの電撃でギンギンの銀の体を感電させてあげてください!
『もきゅー!』
反撃してくるSPDパラドクスにはワイファイスパークの電撃による火花で
眩くさせて理想的な跳弾の軌道は見つけられなくさせましょう。
撃ってきても慌てず跳弾の音や跳弾される塹壕陣地の地形の音を聞き分け
二つ以上の跳弾が跳弾同士でぶつかりあって威力を弱めてしまうように
細かく体を動かし細かく位置取りしてやってみましょう。
(うまくいくかは不透明ですが……)まさか味方の弾丸同士で足を引っ張る、
いえ弾をひしゃげ合う気分はいかがですか!?
伊佐沼・チカ
んだったら、これから決するのです!
殿様のお膝元を守る、おさむらいさん達となれば、強ぇのは分かりきってます、けど……
日の本の民草ぁ助けるためなら、チカは誰とだって戦います!
さぁ、射かかってきなせぇ!
早ぇこと鉄砲の雨ん中を突っ切って、敵さんに張り付きたいのです
お仲間さんも、同じことを考えてるみてぇですが、おんなじ方から近づいたら纏めて穴だらけになっちまいます
二手に分かれて、相手が狙いを逸らさずにはいらんねぇように、しましょう!
んで、どちらか一方でも敵さんの陣の内側にまで突っ込めたら、鉄砲衆はだいぶ動きづらくなると思うのです
そうと決まったら、『天魔機構・山嵐』を使うのです!
《天魔鎚『山崩』》から火ぃ吹き出して、その勢いでぐるぐる回りながら、びゅんと駆け抜けて敵さんに寄ります
身体ごとブン回した鎚を思いっきり叩きつけて、具足の内側まで打ち砕くのです!
お相手さんの鉄砲玉を見切るのは難しい、みたいですね
無理に躱そうとはせず、《天魔障壁『羽衣』》で出来るだけ弾いて耐えるのです
これで後は、大将だけですね!
大筒入道の砲撃を掻い潜り、敵の塹壕陣地へ突入した復讐者たち。そこで待っていたのは部隊を指揮する『牛尾幸清』と、護衛である『銀閃鬼兵』から成る一団だった。
敵の砲撃が止まった今、状況は復讐者の優勢だ。この勢いで敵勢を撃破すれば佐野城の到達はいよいよ目前となる。
全ては佐野城を攻略し、下野国へと至る為。戦意旺盛な天魔武者の部隊を相手に、いま復讐者たちは戦いを挑む――。
「作戦も大詰めが近いようですね。当機も戦闘に加勢します!」
救援機動力で駆け付けたルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)が、凛とした声で言う。
既に敵部隊は追い詰められつつある状況だが、その戦意は健在であり油断は禁物だ。着実な勝利を得る為にも、まずは護衛の銀閃鬼兵を狙う――それが復讐者たちの方針だった。
「《戴冠の戦》も刻々と迫りつつありますが……ここは急がば回れ、着実に進めて行きましょう」
「もっきゅ!」
モーラット・コミュのルシグーナと共に、銀閃鬼兵の隊列と対峙するルチルーク。
一方、塹壕への突入で入道たちを撃破した伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)も、山崩を得物に戦闘態勢を取る。
「殿様のお膝元を守る、おさむらいさんたちとなれば、強ぇのは分かりきってます、けど……」
チカは山崩を握る手にグッと力を込め、銀閃鬼兵の部隊を見澄ました。
銀色の鎧に身を包む天魔武者たちは、劣勢にも関わらず浮足立った様子は無い。指揮官の幸清を守り、佐野城を守る時間を少しでも稼ぐ為、彼らは最後の一兵まで戦う気なのだろう。
敵の覚悟を無言のうちに感じ取ったチカは、静かに深呼吸を一つ。迷いの心を振り払い、銀閃鬼兵たちへ告げる。
「けど……日の本の民草ぁ助けるためなら、チカは誰とだって戦います! さぁ、射かかってきなせぇ!」
その一言を、合図に。
薄暗い塹壕陣地の只中を、逆説連鎖戦の開始を告げるパラドクスの輝きが照らし始めた。
「早ぇこと鉄砲の雨ん中を突っ切って、敵さんに張り付きたいのです……!」
「まずは護衛から……ですね。急ぎ撃破しましょう」
前方に展開する銀閃鬼兵の一団を標的に定めると、チカとルチルークは疾駆の速度を一気に上げて行く。
射程の遠近といった概念の存在しない逆説連鎖戦ではあるが、あえて敵に有利な間合いで戦う義理も無い。瞬く間に彼我の距離が縮まり、そして――敵が一斉に弾丸を発射しようとした、次の刹那。
『馬鹿め、蜂の巣にして……っ!?』
「今です!」
敵の攻撃より刹那早く、チカが合図を飛ばす。
同時、並走しながら敵陣に迫っていた彼女は、ルチルークと共に左右へと展開。両側から挟撃する形で、銀閃鬼兵の集団に次々と襲い掛かる。限界まで接近して散開し、敵の注意を逸らす――稼げる時間は一秒にも満たないが、それでも逆説連鎖戦で先手を取るには充分な猶予だ。
「ルシグーナ、ワイファイスパークです! あなたの電撃で、ギンギンの銀の体を感電させてあげてください!」
「もきゅー!」
先んじてパラドクスを発動したルチルークの掛け声と共に、敵陣へ突入を果たすルシグーナ。ふわふわの体から放出される強烈な電撃が、火花を散らしながら銀閃鬼兵へ炸裂した。命中アップに導かれて放つ一撃の威力は凄まじく、直撃を浴びた敵が次々と薙ぎ倒されていく。
『ぐわっ!』『ぐ……踏み止まれ、応戦しろ!』
「その隙、逃がさねぇのです!」
負けじと跳弾のパラドクスで応戦する銀閃鬼兵の隊列へ、続け様に突入するのはチカだ。
二人が仕掛けた挟撃で敵の狙いが左右に散った瞬間を、果たして彼女は見逃さない。足並みを乱した銀閃鬼兵たちを一気に蹴散らさんと、山崩のブースターが勢いよく唸りを上げた。
「このまま、叩き潰すのです!」
敵隊列の脇腹より、砲弾めいた勢いで加速したチカが急襲をかける。
迎撃で迫る不可視の弾丸を天魔障壁『羽衣』で弾きながら、彼女はどこまでも真っ直ぐに敵陣へ突っ込んでいく。そうして発動するのは『天魔機構・山嵐』。最高速度まで加速する山崩の勢いで全身を回転させ、独楽めいた高速スピンで渾身の一撃を叩きつけるパラドクスだ。
「チカ、びゅうと吹く嵐になって、不届き者どもを吹っ飛ばしてやります!」
回転突撃によるチカの猛攻は、正に暴風そのもの。変幻自在の軌道を描きながら襲い掛かる山崩の猛ラッシュは、辛うじて銀閃鬼兵が維持していた隊列を木っ端みじんに粉砕し、次々と敵を打破していった。
『ぐ、ぐうぅ……!』
「このまま畳み掛けさせて貰います。行きましょう、ルシグーナ!」
「もきゅ!」
ひとたび戦いの流れが生じれば、それをルチルークが逃すことは無い。
その勢いは降り注ぐ跳弾でも止まること無く、尚も放電を続けるルシグーナ。激しい火花が散る度、撃破された銀閃鬼兵が屑鉄となって爆散し、戦場に骸を積み上げて行く。
「理想的な流れです。残るトループスはあと僅か、油断せず行きましょう」
「合点です! でぇりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
裂帛の気合と共に、チカはぐるりと宙で高速回転。最後の銀閃鬼兵めがけ、勢いをつけた山崩を叩きつけた。増幅した怒りを込めた一撃は、敵を銀色の具足もろとも叩き潰し、完膚なきまでに破壊する。
たとえ高い戦意を誇る敵であろうと、それで尻込みする復讐者たちではない。かくして二人の奮戦により、護衛の銀閃鬼兵たちは一機残らず戦場から排除されたのだった。
砲撃音と銃声が止み、静寂に包まれた塹壕内。
チカとルチルークはトループス級の殲滅を確認すると、戦場に孤立した『牛尾幸清』に向き直る。敵勢力の指揮官にして、塹壕陣地を守る最後の障害――その彼を撃破すれば、いよいよ目的地の佐野城は目前となるだろう。
「これで後は、大将だけですね!」
「最後まで油断は禁物……確実に勝利を目指しましょう」
『ぐぐっ……かくなる上は、最後まで時間を稼ぐのみ! ディアボロス、覚悟!』
獲物を構える二人に、追い詰められた幸清が戦意を奮い立たせながら告げる。
下野国へ向かわんとする復讐者と、立ち塞がる天魔武者。両者の雌雄を決する戦いが、今始まろうとしていた――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
テテル・グリーズ
アドリブ・連携OK
遅れて戦場に到着したが
今、指揮官の注意は今まで戦っていた2名に向いているワケだ
カースファルシオンは抜かず
ネメシスのときに愛用するシルバーブレイドを手にして暗夜の一撃を発動
敵サンに見つからないよう死角を移動、ぎりっぎりまで近付いてから一撃を決めてやるぜ
俺が攻撃できるのはこの1回だけでも構わないと考えている
後は相手の気を引いて今まで戦ってた2人が攻撃をしかけやすい状況をつくることを重視するのさ
当然俺が仕掛けるチャンスがあればパラドクスをお見舞いしてやるつもりだ
相手が力任せに攻めてくるなら、こちらは走って時間稼ぎをしようじゃねーか
非常に早い突進だ、こんな勢い付けて動いて急に方向転換できんのかね
と思いついたら壁際で待ち躱して壁にぶつけたり
狭い場所で攻撃を受ける姿勢をとって障害物に引っかけてみようか
姿を見せた後はいつも通りの乱暴者として振る舞うから
妨害が上手くいったら「ひひひ、ざまあみやがれ!」とか言って馬鹿にする
相手の頭に血が登ったら俺様の勝ちだ、動き回ってもっと翻弄してやるか
『……ディアボロスめ。我等の防衛線が、こうも容易く抜かれるとは……!』
全ての配下を討たれ、復讐者たちに追い詰められた状況下で、『牛尾幸清』は呻き声を洩らす。
慢心していた気は毛頭なかったが、復讐者による破竹の進撃は、幸清の予想を遥かに凌ぐものだ。このままでは、佐野城が攻められることは時間の問題だろう。
『だが、まだだ! この我がいる限り、一歩も先には通さぬぞ!』
この地を死に場所と定め、猛牛さながらの雄叫びを上げる幸清。
そんな彼の下へ、気配を殺した復讐者が一人、奇襲を仕掛けんと近づきつつあった――。
(「……よし。残りは大将首だけだな」)
救援機動力で戦場に駆け付けたテテル・グリーズ(まがいもの・g08976)は、塹壕内に息を潜めながら、標的の幸清を遠方に見澄ましていた。
残る敵は、指揮官である幸清のみ。塹壕陣地の制圧作戦が大詰めを迎えつつある今、ここで幸清を撃破する意味は大きい。佐野城へ向かう為にも、一刻も早い撃破は必須と言って良い状況だ。
(「とはいえアヴァタール相手に油断は出来ない。まずは俺が、嚆矢の一撃を叩き込む!」)
薄闇に気配を溶け込ませたテテルは、愛用のシルバーブレイドを手に、幸清との距離を縮めていく。
自分が為すべきは、敵を不意打ちで翻弄し、仲間の有利を作り出すことだ。発動した『暗夜の一撃』を以てすれば、標的の死角を取ることも難しくない。
限界まで敵の傍へと接近し、そして――襲撃は、一瞬のうちに行われた。
闇に煌く、シルバーブレイドの剣閃。
続け様、ヒュンと空気を裂く音が塹壕に響く。
「隙だらけだぜ。貰った!」
闇に紛れて放つテテルの斬撃が、幸清の巨体を捉える。敵の意識の外から放った刃は、その巨体を袈裟に斬り裂き、派手な傷を刻んだ。不意打ちで浴びせた攻撃は物理的な傷のみならず、挑発としても絶大な効果を誇り――次の瞬間、幸清は怒りの雄叫びを上げてテテルに突進を開始した。
『やってくれたな、貴様ぁっ!』
四肢に集中した力を爆発させ、繰り出すは全速力の突進だ。迫り来る巨体を前に、対するテテルはガードアップで硬化した肉体で、敵の攻撃を受け止める。
塹壕に木霊する轟音、そして地響き。受け身でダメージを殺したテテルは態勢を立て直し、すぐさま戦いを再開する。
焦る必要はない。不意打ち戦法を取る彼にとって、薄闇と障害物に囲まれた塹壕はまさに理想の戦場なのだから――。
一進一退の攻防が、塹壕の只中を舞台に続く。
幸清の巨体を活かした力任せの突撃を、テテルは地形を介した身動きで巧みに捌いている。パラドクスの応酬で負った傷は未だ深手には至っておらず、その顔には余裕の笑みさえ浮かんでいた。
「ひひひ、ざまあみやがれ!」
『ぐっ……ちょこまかと、煩い奴め……!』
じわりとダメージを蓄積させ、挑発の言葉に苛立ちを募らせる幸清に、テテルは闇の中でほくそ笑む。
敵が冷静さを失いつつあることは、もはや明白。後に続く復讐者たちにも、必ずや有利を齎すだろう。次第に近づいて来る勝利の足音を感じながら、テテルは後続のメンバーに合図を送った。
「さあ、もう一息だ。後は頼んだぜ!」
塹壕陣地の制圧完了は、もう目前だ。
テテルが託したバトンを手に、復讐者たちは更なる追撃を浴びせんと動き出した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
御守・樹
アドリブ連携歓迎
少しでも力になればいいな。
ふむ、牛か…正面からぶち当たるのは避けたいもんだな。
なるべく先んじて攻撃を仕掛けたディアボロスに乗じて破軍衝で奇襲。
仲間が作った隙が無くともいきなり攻撃を仕掛けることで奇襲とする。
相手の反撃の突進にはエアライドを活用して上方、つまり空中へ飛ぶ。
突進という動きの都合上、とっさの反転、急激な動きの変更は自身への身体への負担も大きいもの(俺もよくそれで足首痛めがち)
相手間近で回避する事でその急制動を無理に強いる。
できなければ新たなる隙になるし、できるならその間接駆動部位に負担になるだろ。
隙が生まれれば再度こちらの攻撃をしかけるだけだ。
それと相手を必ず視界内に収めて置き、どんな動きをされてもいいように警戒を怠らない。
天魔武者勢との激戦が続く塹壕内。復讐者の攻勢が敵指揮官を追い詰める中、新たに戦場へ駆けつけたのは御守・樹(もゆる石蒜・g05753)の姿だった。
「いよいよ決戦も大詰めか。……少しでも力になればいいな」
勝利の決意を胸に、樹が呟く。
先行したテテルによる奮戦の甲斐あって、指揮官の幸清はじわりと負傷を重ねている状況だ。ここで追撃を成功させれば、復讐者は勝利に王手をかけられるだろう。正念場の重圧を双肩に背負いながら、樹は己が拳を静かに握り固める。
「今回の敵はパワー系か。手負いとは言え、正面から行くのは厄介そうだな。なら――」
樹は即座に判断を下すと、地面を蹴って彼我の距離を詰めにかかった。
敵が闇討ちで混乱している今、体勢を立て直す猶予を与える訳には行かない。ここはテテルの攻撃に乗じる形で、一気呵成に奇襲を仕掛ける時――そう判断したのだ。
「その隙、貰った!」
逆説連鎖戦の開始と同時、接近を果たした樹の拳が、幸清の胴体へと突き出される。生成した衝撃波で標的を吹き飛ばす、それは『破軍衝』のパラドクスだ。豪快な唸りを上げる正拳突きが生んだ衝撃は、重々しい手応えと共に幸清に命中し、その分厚い巨体をぐらりと揺るがせた。
奇襲を仕掛けた樹の拳より、衝撃波のラッシュが有無を言わさず襲い掛かる。
その勢いは凄まじく、並の敵であれば粉砕は免れなかっただろう。そんな猛攻を、幸清は全身の守りを固めて凌ぎ切ると、傷だらけの体を武器に樹へと突進を繰り出した。
『新手か! だが、この程度で斃れはせん!』
地響きを立てて迫る幸清の突撃は、巨大な砲弾さながらだ。どれほど劣勢に陥ろうと、最後の一秒まで戦い抜く――そんな不動の執念が宿った横薙ぎの一撃に、樹の体が木の葉のように吹き飛んだ。
積み増したガードアップをもって尚、敵の火力は圧倒的だ。樹はすぐさま空中で体勢を立て直すと、エアライドを駆使して着地。軋む体を叱咤して、再び幸清へ鉄拳を突き付ける。
「予想はしてたけど、タフネスまで牛並みか。いいぜ、とことん付き合ってやる!」
『……小癪な!』
強敵が相手でも、否、強敵が相手だからこそ、不屈の闘志は奮い立つ。未だ揺るがぬ勝利の確信を胸に秘め、樹の拳は尚も勇猛に唸りを上げ続けるのだった。
樹が戦闘を開始してから数分。幸清に一歩も譲らぬ激戦を繰り広げた彼は、着実に戦況を有利に導いていった。
巨体を活かした敵の攻撃には被弾ダメージを最小限に抑え、隙を見れば衝撃波を叩き込み。一撃の派手さこそ無いが、樹が拳を振るうたびに幸清は傷を重ね、じりじりと劣勢に追い込まれていく。
『う、ぐぐっ……!』
「その粘り腰、確かに大したもんだよ。けどな、負けられないのは俺たちも同じだ!」
満身創痍となった幸清を前に、樹は胸を張って告げる。
この戦いを勝利で締め括る為にも、ここで立ち止まることは許されない。かくして塹壕陣地を舞台とした作戦は、いよいよ決着の時を迎えようとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
伊佐沼・チカ
チカ達は一刻も、いや、半刻も止まっていられません
おめぇさん達から、ようやっとふるさとを取り戻した、安房の人達には……二度と、怖ぇ思いはしてほしくねぇ、なのです
このまま、佐野城まで行って、お殿様に直談判させてもらいます。お覚悟ぉっ!
『天魔機構・驚天』で決めますっ!
振り下ろす≪天魔鎚『山崩』≫の鎚頭から、ばぁーっと火を噴いて、叩きつける速さを増すのです
身に纏う具足がどんなに頑丈でも、チカの鎚で打ち砕いて、内側のカラクリまで叩き潰してやります
そのためには、敵さんの備えが足りてねぇ時を狙いてぇもんですから……
気を引こうと動いてくれるお仲間さんの気持ち、しっかり汲んで、絶好の時に攻めかかりましょう
反撃の一太刀が来るときは、鎚の頭側と石突側をそれぞれ握って、柄で刃を受けるのです
地面ごと割られねぇように、うまく刀を受け止めましょう
柄に力を込めて刀を明後日の方向に弾いたら、敵さんが姿勢を整え直す前にもう1回ぶっ叩くのです!
どぉぉぉりゃああーーっ!! ぶっ、つぶ、れろぉぉぉぉぉぉぉーっ!!
激戦の続く塹壕内を、重厚な振動が激しく揺らす。
幸清が繰り出す重々しい巨躯の突撃にも、復讐者たちは未だ屈することはない。攻撃の勢いはいよいよ激しく、塹壕陣地の戦いは佳境を迎えようとしていた。
『ぐ、ぐぬぬっ……まだまだ……!』
苦悶の呻きを洩らしつつ、幸清が刀を手に身構える。
山のような巨躯には今や夥しい傷が刻まれ、窮地にあることは一目瞭然。その命運は風前の灯火とも言える幸清へ、しかし伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)は一切の慈悲を示さない。彼女と仲間たちには一刻も、いや半刻も止まってはいられない理由があるからだ。
「安房の人たちには……二度と、怖ぇ思いはしてほしくねぇ、なのです」
天魔鎚『山崩』を構え、そう告げるチカの眼には僅かの迷いも無い。
安房国の支配に返り咲くことを狙い続ける里見勢力――彼らがいる限り、安房国は常に圧政を敷かれる未来が付きまとう。それを阻止する為にも、この作戦には勝利せねばならない。
「このまま、佐野城まで行って、お殿様に直談判させてもらいます。お覚悟ぉっ!」
後は只、一秒でも早く決着をつけるのみ。山崩のブースターを点火して、チカは流星の如き勢いで突撃を開始した。
「チカの、目いっぱいの力込めて、行きます──だぉりゃあああっ!!」
ブースターから響く雄叫びと、チカの口から迸る咆哮。
二つの音が重奏を奏でる只中、『天魔機構・驚天』を発動したチカが一直線に加速していく。標的の幸清は、テテルと樹が浴びせた連撃で瀕死の状態だ。先行した二人が作り出した決着の好機を、チカは決して逃さない。
「このまま、決めるのですっ!」
『来い……! 真っ二つにしてくれる!!』
対する幸清は、巨大な刀を構えて迎撃体勢。最後の力を以て、大上段からの一撃でチカを両断する気のようだ。
この攻防に二度目はない。次の一撃で勝負は決まる。
幸清の巨体より滲む威圧感を跳ね除けて、チカは更に加速していく。精神を研ぎ澄まし、持てる力の全てを込めて、眼前の天魔武者を叩き潰す為に。
そして――次の刹那。
鉄槌と大刀、対峙する両者の得物が、パラドクスの光を帯びて交錯した。
『ぬうぅんっ!!』
「させねぇのですっ!!」
大地を割るような勢いで迫る大刀を、チカの振るう山崩が渾身の力で弾く。
続け様、宙で一回転したチカは、速度と重さをそのままに、渾身の一撃を叩き込む。刀を弾かれがら空きになった、幸清の巨大な胴めがけて――!
「どぉぉぉりゃああーーっ!! ぶっ、つぶ、れろぉぉぉぉぉぉぉーっ!!」
チカの雄叫びを塗り潰すように、鉄槌の齎す破壊音が戦場に木霊する。
加速と重量を込めた山崩の一振りは、敵の分厚い装甲を紙細工めいて突き破り、巨体もろとも粉砕。その一撃をとどめに、幸清の口からは断末魔の叫びが木霊した。
『む、無念……! ぐおおおおおっ!!』
かくして、最後まで抵抗を続けた天魔武者の巨体は、跡形も残らず爆散し。復讐者たちはまた一つ、塹壕陣地の制圧に成功するのだった。
「ふぅっ。地上の空気が美味ぇ、なのです!」
戦いに勝利して塹壕を抜けたチカは、胸を満たす新鮮な空気に思わず破顔した。
幸清が率いる部隊を排除した今、残る塹壕は僅かだ。このまま勝利を重ねれば、佐野城への道は遠からず開かれるだろう。叶うならば、その先に待つ戦いに勝利し、安房国が圧政から解放されるように――そうチカは想わずにはいられない。
「待ってて下せぇ。皆さんの平和な暮らしは、チカたちが必ず取り戻してみせます!」
クロノヴェーダ無き未来に、この戦いで拓いた道はきっと繋がっている。
その未来が一刻も早く訪れるよう願いながら、チカは仲間たちと共に帰還していった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!