肥後国のキマイラウィッチ

 攻略旅団の提案により、天正大戦国全域で、キマイラウィッチの漂着を警戒していましたが、どうやら、キマイラウィッチは九州に漂着したようです。
 漂着したキマイラウィッチは、ジェネラル級キマイラウィッチ『タラスク』と、その軍勢のようです。
 タラスクの軍勢は、火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦の被害が少なかった部隊である為、相当規模の軍勢となっているようです。
 タラスクは漂着した肥後国から南、薩摩国方面に向かって進んでいる為、このままでは、薩摩国の島津に合流する可能性が高いでしょう。
 現在、薩摩国に対する城取合戦の準備が進んでいる為、攻略旅団の方針に従い、キマイラウィッチの合流を阻止する作戦を行ってください。
 敵進路の誘導と共に、可能な限り敵の数を減らし、キマイラウィッチの脅威を低下させる事が出来れば尚良いでしょう。

タラスク

大軍の影(作者 一条もえる
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#天正大戦国  #肥後国のキマイラウィッチ  #肥後国  #漂着キマイラウィッチ  #タラスク 


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●『最終人類史』、新宿島
「キマイラウィッチどもの動静を警戒していた攻略旅団の方々が、『天正大戦国』に漂着した敵の状況をつかみました。
 キマイラウィッチどもは、九州に漂着した模様です」
 許・伯隼(人間の無双武人・g03617)が広げた絵図は、肥後国のものであった。
「さよう。龍造寺、島津と我々ディアボロスが三つ巴で争った場所にござる。
 肥後国の城は島津の手によって破却されており令制国の境界がなくなっておりますゆえ……キマイラウィッチどもにとっても漂着しやすかったのでしょうな」
 そう言って、伯隼は顎を撫でた。
 漂着したのは、ジェネラル級キマイラウィッチ『タラスク』に率いられた軍勢であるという。
「これは、油断ならぬ事態であります。
 タラスクめの軍は『火刑戦旗ラ・ピュセル』奪還戦において被害が少なく、温存された形になっております。その規模は、ただならぬものでありましょう」
 伯隼が警戒しているのは、この軍勢が天魔武者どもと戮力することである。
「我々は現在、島津勢との決着をつけるべく兵を整えております。そこにタラスクめの軍が加わることは避けたい……これはそれがしばかりではなく、攻略旅団の方針でもあります」
 伯隼は太い眉に力を込めながら絵図の一点を指し示し、その指を南にすべらせた。
「おそらく、タラスクがいるのは今、この辺りでしょう」
 キマイラウィッチに率いられた軍勢は、街道を南下していた。

「幸い敵は、この辺りの地理に不案内なようですな」
 伯隼がゆとりを見せて微笑む。
「タラスクにははっきりとした目的地はなく、整備された街道や軍が動いた痕跡などを頼りに兵を進めている様子。どうやら、天魔武者どもの拠点を探しておるのでしょう。
 ならば、敵の策を逆手に取りましょう」
 すなわち、こちらの思惑通りに敵の軍を誘導して天魔武者との合流を防ぐとともに、死地に追い込むのだ。
「誘導する場所は島津の軍とも龍造寺の軍とも遠く、街道のそばにあり、かつ、拠点としての価値がない場所……それが理想ですな。
 そうそう、都合の良い場所もないでしょうが」
 ディアボロスの拠点がある矢岳高原方面に引き込むことが出来れば、天魔武者と合流する危険は少ないかもしれない。あるいは、廃城となっている熊本城の近くには街道が通るため、誘導が容易かもしれない。

「どの方面に引き込むにせよ、街道をそのまま南下させるわけにはまいりませぬ。途中で脇道に逸れるよう、敵を引きつけねば。
 タラスクめがあえて街道を離れるとすれば、我らが誘導する方向に多数の兵が……それこそ100をも越える天魔武者どもがいると感じたときでありましょう。その痕跡を作らねばなりますまい。
 ……良計は、すでに皆様の頭におありでしょうか」
 と、伯隼は口の端を持ちあげた。

●『天正大戦国』、肥後国
「おのれ、ディアボロスめ! 我が敬愛するジャンヌ様を滅ぼし、我が愛する大地『火刑戦旗ラ・ピュセル』を強奪するとは!」
 何度思い出しても腹立たしい。海岸に漂着したタラスクは足を踏み鳴らして、憤怒の叫びを上げる。
「はぁはぁ、落ち着きなさい、タラスク」
 それをたしなめたのは、タラスクの背にある聖女であった。
「貴方の役目は何ですか? ジャンヌ様に託された想いを、思い出すのです」
「ぬぅ……」
 唸るタラスク。
「復讐心を鎮めなさい。そして、やるべきことをやるのです」
 背中の聖女の言葉、我を忘れた己を落ち着かせるために発せられる言葉を噛み締めたタラスクはやがて長大息すると、配下を呼んだ。そして、漂着した兵を集め数えさせる。
「漂着した軍勢を取りまとめたあとは、街道沿いに南に向かうぞ。まずはこの地のクロノヴェーダと接触し、状況を把握せねばならん」
 怒りを鎮めてしまえば、そこには冷静な判断を行える将が残る。漂着した者どもをまとめれば、かなりの数になった。これならば、天魔武者のもとに赴いても軽んじられることはないであろう。
 満足げに頷くタラスクは、数名のアヴァタール級を呼び寄せた。
「斥候部隊は先行し、進むべき道を探れ」
「進むべき……とは?」
 斥候を率いる者の1体、恐れ知らずのラファイエットが首を傾げる。
「うむ。整備された街道……特に、最近大軍が移動した形跡がある街道だ。その道を進めば、この地のクロノヴェーダの重要拠点に向かうことができるはずだからな」
「なるほど。では!」
 他の斥候どもに遅れまいと、ラファイエットは馬首を……自らの下半身を巡らせた。
「それ、続け怨讐騎士たちよ! 重要拠点へと道を見つけるのは、我ぞ!」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【落下耐性】
1
周囲のディアボロスと、「効果LV×300m半径内」の通常の生物に、どんな高所から落下しても、落下時の衝撃を2mの高さから落下した程度に軽減する能力を与える。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【防衛ライン】
2
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【乗物改造】
1
「60÷効果LV」分をかけて馬や馬車など「地上用の乗物」を改造し、最終人類史のオートバイまたは四輪乗用車のような外見に変化させる。改造後のオートバイは最大2人、乗用車は最大「4+効果LV」人まで搭乗可能で、最高時速「100+効果LV✕10」kmで走行できる。改造した乗物は破壊されない限り、24時間後に元の姿に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

一条もえる
 こんにちは、一条です。
 『火刑戦旗ラ・ピュセル』奪還戦を生き延びたジェネラル級キマイラウィッチ『タラスク』が漂着したのは、肥後国でした。どうやら天魔武者と合流し戦い続けようとしているようです。タラスクの率いる兵力は侮れませんから、ここはなんとしてもそれを阻みたいところです。
 そのためには、選択肢①が重要となります。
 海岸に漂着し南下しているタラスクの軍勢(九州新幹線が通っているあたり……と思えばいいでしょうか?)は、このまま捨て置けばやがて島津の兵と合流してしまいます。そこで、「天魔武者の大部隊がこちらにいるに違いない」と誤認させることで脇道に誘導してください。
 方針は大きく、「皆さんの存在を悟らせずに、天魔武者との合流が近いと思い込ませる」か「皆さんの存在を明らかにし、敵にこちらを追わせる」かに分かれるかと思います。前者の方が手間はかかるでしょうが、敵の警戒はゆるく不意を突きやすいでしょう。後者であれば、敵……特に斥候を率いる恐れ知らずのラファイエットが撒き餌に食いついてくるように、上手く仕向けねばなりません。
 あとは選択肢②、③で敵群を撃破すれば、作戦は成功です。選択肢①で後者を選ぶ場合、選択肢②を先にひと当たりすることもできます。
 どの方面に誘導したかが、のちのち重要になるでしょう。よろしくお願いします。

 では、今回も燃えるプレイングをお待ちしています。
 いつも感想、ありがとうございます。一言でも長文でもとても励みになりますので、よろしければぜひ。
45

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


西堂・千衛蔵
桜島では、頑張って敵軍の数を減らしている人達がいる
その奮闘に報いるためにも、キマイラウィッチに合流を許すわけにはいかないぜ
「やるぞ、相棒!」

しかし、自分はややこしい工作は苦手だ
斥候の前に姿を現して、誘導してやろう

誘導するのは、熊本城の方向にする
街道の分かれ道辺りに陣取って、敵に攻撃を仕掛けよう

赤煙は「敵を怒らせること」と「敵に『勝てる』と思わせること」が誘導のコツだと言っている(ような気がする)

「来たな、魔女ども!
ジャンヌ・ダルクが死んだどさくさに紛れて逃げて来たようだが、今度はそうはいかんぞ!
この竜燈鬼・西堂千衛蔵が、貴様らに引導を渡してくれる!」
斥候の隊長は『ジャンヌ・ダルクに勝利を誓う』パラドクスを持つ
魔女の中でも特に断片の王を崇拝している筈だ
この挑発は効くと思う

手竜弾を2、3発放り込むが、わざとトループス一人も倒さないように的をばらけさせ、できるだけ攻撃がぬるいと思わせる
後は、捨て台詞を残して逃げるぜ
「断片の王を置いて逃げた腰抜けはやはりこの程度か!
今日はこの位にしておいてやる」


瀬良・朔也
○アドリブ連携可

あ!!あいつら!!
この間の戦争で生き残ったやつらやんな、日本にも流れ着いてきたんか!

島津っちゅうと南で、竜造寺は北の武将やんな…そんで間の熊本か。なるほどなぁ
とりあえず、キマイラウィッチを合流させへんよーに、寄り道させたったらええねんな?よっしゃ、工作なら任せとけ!

【乗物改造】で打ち捨てられてた荷車を改造
どうするって?まずは車輪に馬の蹄のハンコを取り付けてー
熊手とか箒を引きずるように取り付けてー
バルカン=バルクのタイヤにも、草鞋を取り付けてみて足形着くようにしてー
改造した荷車は、バルクでけん引できるように括りつければ、地面に痕跡を残す仕掛けの完成ー!

あ、シオンの脚にも草鞋を履かせたろ!

これで低速で熊本城に向かう街道方面に向かう
跡が単調にならんように、蛇行運転をしながら走れば、不自然にならんかな?

トルクレンチも使って、小枝を折ったり、草木をほどほどに倒したりして
ぎょうさん人が通りましたよーって印象付けていく

っと、こんなもんでええかな?
あとは、うまくいきますよーに、やね!


「むぅ」
 西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)が難しい顔をしたまま腕組みをして、仁王立ちしていた。いや、その凛々しい眉と力強く引き結ばれた口元は、彼の元々の特徴かもしれないが。
 とにかく、パラドクストレインを降りて高台に至った千衛蔵は、そのような顔で彼方を見下ろしている。
「何が見えますの?」
 寄って来た瀬良・朔也(オオサカ製自動車整備士・g11284)が並んで見下ろせば、
「あ! あいつら! この間の戦争で生き残った奴らやんな?」
 朔也の言う通り、彼方に見えるのはタラスクとそれに率いられた軍勢であった。
「『天正大戦国』にも流れ着いてきたんか! ……それも、けっこうな数やん」
「うむ。
 今も桜島では、頑張って敵軍の数を減らしている人たちがいる。その奮闘に報いるためにも、キマイラウィッチに合流を許すわけにはいかないぜ。
 ……とはいえ」
 自覚していることであるが、千衛蔵はややこしい工作は苦手であった。
 朔也は人懐こい笑顔を見せ、
「人それぞれやん。えぇて、俺がちゃちゃッと段取り整えたろ。とりあえず、キマイラウィッチと合流させへんよーに、寄り道させたったらえぇねんな?」
「そういうことだ」
「よっしゃ、工作なら任せとき!
 南に薩摩の島津、北は肥前の龍造寺……そんで間の熊本肥後国か。なるほどなぁ」
 頭の中に地図を描き、ふむふむと頷く朔也。
 見ていると、タラスクの軍勢からいくつかの小集団が別れた。あれが斥候どもであろう。
「せやけど、ちょっと時間もらいたいな」
「わかった。斥候をうまくそっちまで誘導しよう」
 八重歯を見せて笑った千衛蔵が、崖を飛び降りる。
「やるぞ、相棒!」
 と、首に巻き付けたミニドラゴン『赤煙』に呼びかけながら。
「さて……こっちに向っている奴らがいるはずだが」
 茂みをかき分けながら、千衛蔵は先へと進んでいく。枝分かれした街道のひとつが、この先でさらに分岐しているはずである。
 いた。騎乗している……ように見えて下半身が馬となっているのは、恐れ知らずのラファイエットに間違いない。そして、それに率いられる怨讐騎士どもである。
「ジャンヌ・ダルクに勝利を誓う、なんて奴だ。キマイラウィッチの中でも、特に断片の王を崇拝しているはず」
 誘導のコツはまず「敵を怒らせること」、そして「勝てると思わせること」だと『赤煙』が言っていた……気がする。
 まぁ、どうでもいいじゃないか効果的なら。
 敵前に身を躍らせた千衛蔵は『赤煙』を丸めて掴み、大声を張り上げた。
「来たな、魔女ども!
 ジャンヌ・ダルクが死んだどさくさに紛れて逃げてきたようだが、今度はそうはいかんぞ!」
「むッ!」
 振り返り、身構えるキマイラウィッチども。
「この竜燈鬼・西堂千衛蔵が、貴様らに引導を渡してくれるッ! 行け、『赤煙』!」
 投げつけられた小竜は口から炎を吐きながらくるくると飛んだ。
「うおッ!」
 慌てて身をかがめるラファイエット。戻ってきた『赤煙』を再び、千衛蔵は投じる。小竜はまたも炎を吐いて飛んだが……それは下生えを燃え上がらせるだけで、キマイラウィッチどもには命中しなかった。無論、わざとそうしたのである。
 千衛蔵は身をかがめた敵の様を笑い、
「断片の王を置いて逃げた腰抜けは、やはりこの程度か! 今日はこのくらいにしておいてやる!」
 と、身を翻した。
 怒り心頭なのはラファイエットと怨讐騎士どもである。
「ふざけおって、ひょろひょろ弾しか放てん奴めが! 追え、怨讐騎士よ!」
「おう!」
「ボッコボコにしてやんよ!」
 キマイラウィッチどもは罵声を上げながら、街道のひとつに逃げた千衛蔵を追う。
「……なんや、舞台喜劇みたいやな」
 千衛蔵の「このくらいにしておいてやる!」という大声は、先を急ぐ朔也の耳にまで届いていた。
 おっと、のんびりしている場合ではない。
 人の住まなくなった集落を見つけた朔也は、
「お、えぇもんあるやん」
 と、打ち捨てられた荷車を見つけた。急いで改造していく途中で、車輪に馬沓(うまぐつ)をくくりつけた。自らの乗るバイクの車輪にも、足形がつくように草鞋を取り付ける。
「あ、『シオン』の足にも草鞋を履かせたろ!」
 パンツァーハウンド『シオン』はおとなしく主に足を差し出し、草鞋を履いた。
「似合ぉてるよ。……さぁ、準備万端や!」
 荷車をバイクで牽引し、ゆっくりと街道を進む朔也。張り出している小枝を、トルクレンチで叩いて折る。
 そこに、姿を見せては挑発し隠れては進みを繰り返してきた千衛蔵が追いついた。彼を荷車に乗せ、蛇行運転を繰り返す朔也。
 街道と言っても、舗装されているわけではない。荷車にくくりつけられた箒と熊手が、土埃を舞い上げた。
「ぎょうさん人が通りましたよーって感じやろ? あとはうまくいきますよーに、やね!」
 目指すは、熊本城に向かう街道方面である。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【乗物改造】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

「ち、どこへ消えた!」
 舌打ちしつつ、ラファイエットが怒声を発する。そこに、先行していた怨讐騎士が駆け戻ってきた。
「あっちの道に、馬や人間どもの足跡じゃねーかってやつが、たくさんあります!」
「なんだと? ……もしかすれば、この地のクロノヴェーダが捕らえた人間どもを移動させた痕跡かもしれんな」
 危機的状況にある者は希望的な観測にすがるものである。
 単なる人間どもの集落であっても、それはそれでよし。仮にディアボロスどもの拠点があるにしても、それを発見したことは大きな手柄となるはずである。
 よくよく確かめれば、怨讐騎士が指差す方向からは土埃まであがっているのがかすかに見えるではないか。
「この機を逃してはなるまい。追えッ!」
 舌なめずりしたラファイエットの指図に従い、怨讐騎士どもは怒涛の勢いで土埃を追った。
西堂・千衛蔵
アドリブ連携歓迎

斥候部隊は、工作に惑わされてうまく釣りだされてきたみたいだな
自分も挑発して誘き寄せた甲斐があったぜ
じゃあ、そろそろ倒すとするか
「こっちに何もない」って情報を持ち帰られちゃかなわないしな!

物陰に隠れて一度やり過ごすか、頭を飛び越すかして、怨讐騎士たちの後ろに回り込む
そして【防衛ライン】を引いて後戻りできないようにする

後は、一体ずつ攻撃を集中して仕留めて行こう
大剣は燈篭で、炎をドラゴンオーラの「鬼火」で受け止める
「貴様らの復讐の炎がどれほど熱かろうと、赤煙の炎の方が熱いぜ!」

しかしこいつら、何だって物言いがこんなに三下くさいんだろう?
赤煙、お前はわかるか?
……そうか。


瀬良・朔也
※連携アドリブ歓迎

よしよし、うまい事誘導できたな!
千衛蔵さんと赤煙もさすがやで。シオンもいっちょ活躍せんとな!「わん!」

バルカン=バルクのスピードを少し上げて、少しでも追いかけてくる『怨讐騎士』を熊本城方向へ引っ張る
なかなか追いつけへんのに焦ってきたら、こっちのもんや

狭い街道で大量の敵。当然隊列は伸びに伸びるよな?

適当な所でドリフトして土煙を濃いものに
それに紛れて、紫苑と共に身を潜めれば、戦闘部隊が足を止めた瞬間に紫苑砲を発射!!
むこうの姿がちゃんと見えんでも【命中率アップ】があるから、何とかなるやろ!知らんけど!

反撃の大剣は、バルカン=バルクに乗って逃げまどいつつ、トルクレンチを振りかぶって何とか軌道を逸らす

おっも!!いっった!!くそ馬鹿力やん…!

でも後ろからは千衛蔵さんが攻めてくれてるんや
俺だけ尻尾巻いて逃げるとか、ありえんやろ

ここが踏ん張りどころや、シオン!どんどん打ったれ!!……って、それは俺やーーーー!!!


「おぉそうだ、忘れてはなるまい。タラスク様にこのことを報告せよ!」
「オッス!」
 怨讐騎士どもを向かわせる一方で、恐れ知らずのラファイエットは本隊に向けて伝令を走らせた。キマイラウィッチどもはその名を知るまいが、ラファイエットが進むのは破却された熊本城へと向かう街道である。
 しかし同時に、そこが死地であることも知らなかった。
「よしよし、うまいこと誘導できたな!」
 振り返れば、もはや怨讐騎士どもの蹄の音さえ聞こえるほどになっている。瀬良・朔也(オオサカ製自動車整備士・g11284)はしてやったりと笑うと、『バルカン=バルク』を停車させた。
 もう、十分に引っ張れたであろう。朔也はバイクの後部に取り付けた荷車を取り外した。もう偽装の必要もない。
「千衛蔵さんも『赤煙』もさすがやで。『シオン』もいっちょ、活躍せんとな!」
 パンツァーハウンド『シオン』に頬ずりしつつ朔也が言うと、『シオン』は「わん!」と吠える。
「うまく釣り出されてくれたみたいだな……挑発して誘き寄せた甲斐があったぜ」
 西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)もニヤリと笑って。頷いた。
 ふたりが待ち受けるところに、巻き上げる土埃もけたたましく怨讐騎士どもがやってくる。
「なんだ、テメェら?」
「邪魔だ、どけッ!」
 しきりに首を右に左に傾げ傾げしながら怒鳴る怨讐騎士ども。
 千衛蔵は恐れるふうもなく平然と怨讐騎士どもを見渡し、自身の首に巻き付くミニドラゴン『赤煙』を撫でる。
「しかしこいつら、なんだって物言いがこんなに三下臭いんだろう?」
 と言って、唸る。
「『赤煙』、お前はわかるか?」
 すると小竜は、小さく炎を吐いた。
「三下だからでは?」
 そう言ったように千衛蔵には思え、
「……そうか」
 納得して頷いた。
「じゃあ、そろそろ倒すとするか。『こっちに何もない』って情報を持ち帰られちゃ、かなわないしな!」
 力強く地面を蹴り、駆け出す千衛蔵。
「な……やんのか、テメェ!」
「おぉ、やったるよ!」
 アクセルを全開にする朔也。『シオン』も後を追って駆けてくる。
「テメェら、ディアボロスか!」
「気づくんが遅いわ!」
 怨讐騎士どもが炎を纏った大剣を振り上げようとしたとき、尻を浮かせて前に体重をかけた朔也はバイクの後輪をスライドさせた。
 街道といっても、舗装されているわけではない。激しい土埃が辺りを覆う。
 朔也と『シオン』はそれに紛れて身を潜め、そして千衛蔵は、跳んだ。
「よぉ狙えよ、『シオン』! ……俺からは敵がよぉ見えんけど、なんとかなるやろ! 知らんけど!」
「わん!」
 『シオン』は任せろとばかりにひと声鳴き、背負った155mm榴弾砲が火を吹く。その砲弾は、
「あーーーーッ!」
 朔也スレスレをかすめて飛び、迎え撃とうと剣を振り上げていた怨讐騎士に着弾した。
「ぐあッ!」
 ちょうど朔也の身体が陰になって、相手はその軌道を予測することができなかった。砲弾は鎧をズタズタに引き裂き、血飛沫を上げながら怨讐騎士は倒れた。
「あちち、あち!」
 その熱風にさらされて悲鳴を上げる朔也に、『シオン』は褒めてとばかりに体当りしてくる。
「うご! ……かわいいけど、痛いねん」
 そう言いつつも、頭を撫でてやる朔也。
 千衛蔵の肉体もまた、砲弾のように一直線に飛んでいた。
「巻き添えになりたい奴は前に出ろ!」
 敵群に向けて、頭から飛び込む千衛蔵。兜と角とがぶつかり合う激しい音が鳴り響き、凄まじい衝撃を受けた先頭の1騎は、兜にありえない凹みを作り、その隙間からおびただしい血を吹き出しながらドゥと倒れた。
 敵群を飛び越えた千衛蔵に向かって、
「やりやがったな、テメェッ!」
 怨讐騎士どもは頭を巡らせて襲いかかってくる。
 しかし千衛蔵が地に触れると、彼の前には1本の白線が引かれた。
「な……ッ!」
 それを踏み越えることができず、竿立ちになってたたらを踏む怨讐騎士ども。
「【防衛ライン】やな、千衛蔵さん。本隊まで逃げ戻らせるわけにはいかんからなぁ!」
 バイクに跨る朔也はトルクレンチを振り上げつつ歓声を上げ、突進する。
「クソッタレがぁ!」
 怨讐騎士どもの復讐心が燃え上がる。
 振り下ろされた大剣を受け止めた朔也であったが、
「おっも! くそ馬鹿力やん……!」
 たまらず顔をしかめた。トルクレンチで受け止めはしたものの、腕は痺れてひどく痛む。筋のいくつかは痛めたかもしれない。
 毒づきつつも、敵を睨みつける朔也。
「ここが踏ん張りどころや、どんどん撃ったれ! 千衛蔵さんも後ろから攻めてくれてるんや! 俺だけ尻尾巻いて逃げるとか、ありえんやろ!」
「わん!」
 視界に捉えた動くものを狙い、榴弾を釣瓶打ちにするパンツァーハウンド。その1発が。
「って、それは俺やーッ!」
 主をギリギリ、本当にギリギリ紙一重をかすめた。
「わふ?」
「わふやないッ!」
「しかし、おかげで敵は総崩れだ!」
 千衛蔵に、炎を纏った大剣が振り下ろされる。しかし頭に乗せた燈籠でそれを弾き返す。衝撃が千衛蔵の頭を揺さぶるが、
「貴様らの復讐の炎がどれほど熱かろうと、赤煙の炎の方が熱いぜ!」
 全身を包む炎のオーラ『鬼火』も、敵の炎などものともしない。千衛蔵は太い首をピシャリと打ち、ニヤリと笑いさえして敵を見据える。
「く……!」
 敵は頭を巡らせて駆け去ろうとしたが、
「追い詰められると、そんなことも忘れるものだな!」
 白線を越えることは能わず、敵はうろたえた。千衛蔵が再び飛ぶ。硬質化した腕を叩きつけられた怨讐騎士は背骨を砕かれ、面頬の奥から血を吐き出しながら、横倒しに倒れた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

瀬良・朔也
○アドリブ連携可
さあて、仕上げは『ラファイエット』っちゅうやつやな
中世ヨーロッパのことは不勉強やけども、アヴァタール級なんやったら強い奴なんやろ
油断せずにいくで!

サイドバックからコンパクト・ショットガンを取り出して、スパークリングソケットの弾を込める
バルカン=バルクに跨って脇道に身を潜めて待機
馬に乗っとるなら蹄の音が聞こえるやろ。近づいてくる音に集中して、どてっ腹めがけて【命中アップ】のパラドクスを叩き込む

「ここで会ったが100年目ぇ!!」

瞬間、エンジンをフルスロットルに入れてわき道から飛び出す
馬鹿力の槍なんか受けてられへん!アクション映画顔負けのライドスキルで全力でかわし、ライトシールドで直撃しないように防いで、貫かれないようにダメージを抑制する

お前が誓うジャンヌ・ダルクはもうおらん
ならその誓いは誰のためや?
俺らは、俺らの生きてた歴史を取り戻すために戦う
ここで負けるわけにはいかんのや!!

至近距離から【ダメージアップ】の弾丸を討ちこみ、その盾や鎧を破壊していく


西堂・千衛蔵
アドリブ連携歓迎

恐れ知らずのラファイエット。残るはこいつだけか
断片の王が死んだ以上、こいつを復讐心の中で死なせてもキマイラウィッチ全体が強化される心配はない
しかし、どうせならまともに戦って倒したい
道の真ん中に仁王立ちになって呼びかける
「部下の復讐をしようってのか? この劣勢で逃げないとはいい根性だ! 腰抜けと言ったのは撤回するぜ」
「俺は西堂千衛蔵! 竜の名は赤煙! 今度は舐めずに全力をくれてやる
勝負だキマイラウィッチ!!」

【飛翔】の最高速度で突撃
右手に持った「金棒」で槍を受け流して、すれ違いざまにドラゴンオーラの「鬼火」を乗せた左腕でラファイエットの首に一撃を叩き込む
一撃で足りなきゃ何度でもくれてやる……!


伊佐沼・チカ
ただでさえ悪ぃおさむらいさんに虐められてる皆を、これ以上苦しめるなんて、チカが許さねぇのです!
「きまいらうぃっち」さん達は皆、日ノ本からも、この世からも叩き出してやります!

救援機動力でお仲間さん達と合流して戦います
チカは前に出て戦って、敵さんの動きの邪魔を頑張るのです
首を獲るのは、さっきからずぅっと戦ってる皆さんに、お任せします

≪天魔鎚『山崩』≫から炎を噴き出して高く跳び、『神懸・地牢重撃鎚』を使います!
敵さんの周りの地面を壁みてぇに盛り上げて周りを塞ぎ、お馬さんの脚を活かせねぇようにしてやるのです
そして落っこちながら鎚を思いっきり叩きつけて、盾や南蛮胴を打ち砕いてやります!
このやろぉっ……ぶっ、つぶ、れろぉぉぉぉぉーーーーっっ!!!

敵さんの槍は鎚でべちんと叩いてやるのです
「くろの・おぶじぇくと」なら折ったりはできねぇ、ってのはわかってますが、当たり所をずらせれば十分です

何もしてねぇ民草を仇討ちに巻き込むなんて、絶対に間違ってます!
そんな狼藉、お天道様の下で罷り通ると思うなぁ!なのです!


「怨讐騎士! なんということだ!」
 姿を現した恐れ知らずのラファイエットが、辺りの惨状に声を張り上げた。その足元にも、怨讐騎士の骸は転がっている。
「さぁて、仕上げはあのラファイエットっちゅうやつやな」
 瀬良・朔也(オオサカ製自動車整備士・g11284)が、帽子のつばをつまんで被り直しつつ、敵将を窺った。『バルカン=バルク』に跨ったまま高く伸びた路傍の草に身を潜め、サイドバッグから取り出したショットガンに弾を込める。
 一方で西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)は、腕を組んだまま敵前に仁王立ちしていた。
「貴様が、怨讐騎士たちを倒したのか!」
「そのとおりだ!」
 敵の怒りを、真正面から受け止める千衛蔵。
「おのれ……!」
「部下の復讐をしようってのか? この劣勢で逃げないとは、いい根性だ! 腰抜けと言ったのは撤回するぜ」
 それは千衛蔵なりの賛辞なのであろうが、敵将は激昂しただけであった。
「突き殺してくれる!」
 槍と盾を構え、速度を上げるラファイエット。蹄が、鋭く地を蹴る。
「ひょろひょろ弾め、このラファイエットに討たれることを、光栄に思え!」
 しかし千衛蔵は臆することなく、
「俺は西堂千衛蔵! 竜の名は『赤煙』!
 先程のは、貴様らを釣り出すために加減したのよ。今度は舐めずに全力をくれてやる!
 勝負だ、キマイラウィッチ!」
 と、こちらも力強く地を蹴って飛び出した。
「滾れ滾れ、強壮なる竜の血よ! 今一度、その背に空を斬る力を!」
 千衛蔵の首からするりとはずれた『赤煙』が巨大化する。千衛蔵はそれに飛び乗り、一気に間合いを詰めた。
「うぬッ!」
 繰り出された槍を、千衛蔵は金棒で打ち払おうとした。しかし敵は盾を繰り出し、それを受け止める。凄まじい衝撃が両者を襲い互いに顔をしかめたが……。
「ここで貴様を討てば、タラスク様の覚えもよかろう!」
 敵将は素早く槍を繰り出し、その切っ先が千衛蔵の肩を貫いた。敵の突進は止まらず、その傷口はさらに深く抉られる。
 しかし。千衛蔵とて、やられるばかりではない。肉が抉れることにも構わず身を捩って切っ先から逃れると、すれ違いざまに燃え上がらんばかりのオーラ『鬼火』に包まれた左腕を、ラファイエットの首に叩きつけた。
「うおッ……!」
 横倒しになるラファイエット。勢いよく駆けた千衛蔵も、ごろごろと地に転がった。両者は同時に起き上がる。
「小癪な!」
 ラファイエットが再び突進してこようとする。互いに負傷したが、わずかに分は敵将にあったか。
 しかし土を蹴立てて敵将が突進してきたとき、
「ここで会ったが100年目ぇ!」
 エンジンの音も高らかに、バイクに跨った朔也が飛び出してきた。
「吹っ飛べや!」
 薙ぎ払われた槍を身をかがめて避け、すれ違いざまに至近距離からショットガンの引き金を引く。小ぶりのショットガンだが、その威力は愛らしくはない。込められていたのは小さなボルトやナットで、それは敵将の鎧を突き破って腹に深々と食い込んだ。
 それでも、
「この程度で……! ジャンヌ・ダルク様! この戦いの勝利、あなた様に捧げますぞ!」
 誓いを立てた敵将の肉体は一瞬、膨れ上がったように見えた。食い込んだボルトやナットが、体外に弾き出される。
「死ねッ!」
「うおッ?」
 とっさに朔也が念じたことで出現したのは、立体映像の盾である。槍の切っ先を受け止めこそしたものの衝撃を殺し切ることはできず、朔也はのけぞった。バイクさえ一瞬、空中に浮き上げられた。
「お、お、おぉ……ッ!」
 そのままバイクは茂みに突っ込んでしまった。間の抜けた声を上げつつも、朔也はなんとか体勢を立て直して戻って来る。
「お前の誓うジャンヌ・ダルクは、もうおらん。なら、その誓いは誰のためや!」
「黙れ! たとえジャンヌ・ダルク様がおらずとも……、おらず、とも! この誓いと復讐心は、捨てぬ!」
 苛立たしげに、蹄で地を掻くラファイエット。
「貴様らを殺した程度では、このラファイエットの復讐心は収まらんが……まずは、その手始めよ!」
「そうは、いかねぇのです!」
 駆けつけた伊佐沼・チカ(土興しの鎚・g08514)が飛び込んでくる。
 彼女の構える天魔鎚『山崩』。その打面の逆側は加速用のブースターとなっている。その炎によって自らも空へと跳躍しながら、
「野のかみさま。あんの不届き者を、逃げられんよう捕まえてくだせぇ……なのですッ!」
 チカが神に向けて念じれば、ラファイエットの踏みしめる地面は大きく波打って隆起した。そこに、チカは大鎚を叩きつける。
「何もしてねぇ民草を仇討ちに巻き込むなんて、絶対に間違ってます! そんな狼藉、お天道様の下で罷り通ると思うなぁ!」
「ぬおッ!」
「なのですッ!」
 敵はすんでのところで、頭蓋を叩き潰されることは避けた。しかし右肩を激しく打たれ、その骨は粉々に砕けて盾を持つ手がだらりと垂れ下がる。
「黙れ、田舎臭い小娘が!」
 チカを田楽刺しにせんと突進してくるラファイエット。構え直した鎚で、チカはその切っ先を打ち払った。しかし突進と馬上から繰り出される衝撃までは殺しきれず、チカは吹き飛ばされて土の上を転がった。
 土の味。チカはそれをペッと吐き出し、
「田舎育ちなのは間違ってねぇけれども!」
 再び得物を構えて立ち上がる。
「……断片の王が死んだ以上、こいつを復讐心の中で死なせても、キマイラウィッチ全体が強化される心配はない」
 腕組みをして、千衛蔵は重々しく頷く。
「しかし、どうせならまともに戦って倒したい」
「チカも戦いてぇです! ただでさえ悪ぃおさむらいさんに虐められてる皆を、これ以上苦しめるなんて、チカが許さねぇのです!」
 チカは地に視線を落とし、悲しげな顔をする。
「ろくに耕されてもねぇ、荒れた土の味がしました。辺りも見てくだせぇ、荒れ地ばかりです。おさむらいさんが皆をいじめなきゃ、ここだってもっと広ぇ田んぼにできるのに。
 『きまいらうぃっち』さんたちは皆、『天正大戦国』からも、この世からも……叩き出してやります!」
「そやね。3人がかりやけど、それはまともの範疇でかまへん?」
「もちろんだ。仲間と力を合わせて立ち向かうのが、俺たちの戦い方だからな」
 千衛蔵はふたりに視線を向けて、ニヤリと笑う。
 そして、再び巨大化した『赤煙』へと飛び乗った。朔也も、前輪が浮かぶほどの急発進で続く。
 チカも大鎚を振り上げて再び躍りかかった。
「ちぃッ!」
 敵は突進して突き殺そうとするが、隆起した地面では思うように速度をあげられない。それでも繰り出した槍はチカの脇腹を裂いたが、致命傷には遠い。
 顔をしかめながら鎚で槍を払いのけ、チカは叫ぶ。
「このやろぉッ……ぶッ、つぶ、れろぉぉぉぉぉぉッ!」
 叩きつけられた大鎚が、ラファイエットの甲冑を大きくへこませた。
「あとは、お任せします! 『らふぁいえっと』の首、獲ってください!」
「おう! 一撃で足りなきゃ、何度でもくれてやる……ッ!」
 千衛蔵の太い腕が、ラファイエットの首筋を刈る。
「俺らは、俺らの生きてた歴史を取り戻すために戦う。ここで負けるわけにはいかんのや!」
 そして凹んだ甲冑に、朔也が放ったショットガンの弾丸が次々と食い込んで、鉄板は剥がれ弾け飛んだ。
「う、ぐ……!」
 ラファイエットはありえない角度にねじ曲がった首に乗った顔に苦悶の表情を浮かべ、おびただしい血を吐きながら、倒れた。

 ラファイエットは事前に配下を走らせ、こちらに拠点があるとタラスクに知らせたはずである。はたしてタラスクが、この誘いに乗ってくるか、どうか。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2025年05月23日