救出! マリー・アントワネット

 断頭革命グランダルメで行われていた、時空を捻じ曲げる程の大儀式は、『マリー・アントワネットの処刑を阻止しよう』とする、ディアボロスの活躍によって、大きく揺らいでいます。

 この揺らぎは、クロノヴェーダの歴史改竄を打ち砕く大きなチャンスになるでしょう。
 このチャンスを生かし、『マリー・アントワネット』を処刑台から救出し、クロノヴェーダの大儀式を破壊してください。

 処刑台の周りの観衆たちは、これまでのディアボロスの活躍によって、処刑への熱狂が覚めており、不安そうに周囲を伺っており邪魔をする事はありません。

 反面、度重なるディアボロスの襲撃で数を減らしたクロノヴェーダ達は、決戦に向けて戦力を再編。
 更に、これまで撃破されたクロノヴェーダの残滓を吸収し、『パンタグリュエル化』した自動人形ファニーサイスが、ディアボロスを退けてマリー・アントワネットの処刑を完遂しようとしています。
 素早く、クロノヴェーダを撃破し、マリー王妃の処刑を阻止して撤退してください。

王妃の生にピリオドを打たせまいと(作者 あき缶
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#断頭革命グランダルメ  #救出! マリー・アントワネット  #マリー・アントワネット  #1793年  #シナリオ50♡ 


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●静まり返る刑場
 ベルサイユ宮殿の広場にある断頭台。今まさにマリー・アントワネットの処刑が執行されんとしていたが、ずっとマリーに罵声を浴びせていた群衆は、冷や水を浴びせられたかのように静かにしていた。
「何やってたんだ俺たち……人の死刑を喜ぶなんて……」
「王妃様かわいそう」
 などというつぶやきも風にのって聞こえてくる。
 処刑場にやってきては演説していった人々が、群衆の熱狂を沈めたのだ。
 山のようにいた自動人形達はすっかりと少なくなったが、隊列を組み直しており、なおも意気軒昂。
「あーもー。いいようにされちゃったナ。これは、さっさと王妃を殺さないとダメだネ!」
 と処刑を取り仕切っていたアヴァタール級クロノヴェーダことファニーサイスは、周囲を見回し不満げな声を上げると、急にトループス級の残骸や本体を吸い集め始めた。
「ボクのとっておきだヨ! パンタグリュエル化ーー!!!」
 みるみるうちにファニーサイスは、吸い集めたものを全身にまとい、巨大な姿へと変わっていくのだった。

●我らマリー王妃を救わん
 新宿駅でディアボロスを迎えたアンリ・カルヴァン(氷華の人形遣い・g03226)の表情は明るい。
「皆、ついにマリー・アントワネット王妃を救出できる機会を得たんだ。たくさんのディアボロスの活躍のおかげでね」
 演説で群衆達も我に返ったようだし、周囲を警戒していたクロノヴェーダもごっそりと数を減らしている。
「けれど、まだ障害があるんだ。王妃の処刑を取り仕切るアヴァタール級ファニーサイスには、特殊な能力があるんだ。
 それは『パンタグリュエル化』と言って、君たちが処刑場で倒してきたクロノヴェーダの残骸とか、まだ生きているトループス級とかを吸収して強大になるという能力のようだよ」
 巨大化したファニーサイスを含め、処刑場にいる全てのクロノヴェーダを倒し、マリー・アントワネットを救出することが今回の目的だ。
 マリー・アントワネットを連れて、時空の歪みまで撤退出来れば、彼女の救出は成るだろう。

 アンリは、真剣な表情のディアボロスたちを見回し、今回の流れについて説明を始める。
「今回は、ベルサイユ宮殿でトラウマモンスターと戦う必要はないようだよ。すぐに時空の歪みを超えて、処刑場にたどり着けるんだ」
 幾度もディアボロスが時空の歪みを通ったからか、今は素通りができるようだ。
 マリー・アントワネットがいる断頭台への接触は、当然クロノヴェーダが阻止してくる。
 まずは敵を退け、彼女を拘束している断頭台を破壊しなければ、ディアボロスは王妃と会話すら許されない。
「いいかい、大事なことだからよく聞いておくれ。
 サンソン式断頭人形を全滅させない内に、断頭台を壊して王妃を助けてはいけないよ。サンソン式断頭人形が一体でも動けていたら、王妃が自由になった瞬間に殺されてしまうからね」
 とアンリは念を押す。
「ベルサイユ宮殿へ撤退するときは、征服人形が追撃してくる。もちろん、王妃を救うまでにファニーサイスを倒せていなければ、ファニーサイスも追いかけてくるから気をつけて」
 それから、とアンリは怖い顔をした。
「征服人形を倒して、王妃と共にベルサイユ宮殿に撤退できても、その時点でファニーサイスがまだ生きていたら、王妃は殺されてしまうんだ。だから、撤退する前に、必ずファニーサイスは倒しておくれよ」
 とにかくクロノヴェーダはなんとかしてマリー・アントワネットを殺害せしめ、大儀式を成そうとしてくる。

「ファニーサイスは執念深く、またとても強い。君たちの今までの奮闘で手に入れた貴重な救出の機会だ。最後まで油断せず、王妃を守りきっておくれ。……頼んだよ」
 と断頭革命グランダルメ出身のアンリは、ディヴィジョン攻略の重要な足がかりになりそうな今回の件について、真摯にディアボロスたちへと助力を頼むのだった。

●マリーとパンタグリュエル
 ぎゅるぎゅると周囲に渦を巻くような力場をつくり、クロノヴェーダを吸い込んで、全身に鎌だの人形の手足だの淫魔の翼だの尻尾だの首だのをくっつけ、醜悪かつ巨大に膨らんでいくファニーサイス。
「コレコレコレェ! 力があふれるネェ! もうボクってばジェネラル級? こうなっちゃえば、何が来ようが関係ナイナイ! ボクだけでもマリー・アントワネットの処刑、何度でも出来ちゃうヨー!」
 見上げると首が痛くなるほどのサイズに成長してウキウキと踊りだしそうなファニーサイスに驚愕したマリー・アントワネットはがっくりとうなだれる。
「おお……なんということ……」
 幾度となくこの処刑場に、自分を救わんとやってきてくれた人々が居た。彼らのお陰で自由を得られるかもしれないと、王妃は一縷の望みすら抱いていた。
 だが……あんなに巨大なクロノヴェーダが立ちはだかるのなら、今度こそ自分は処刑されてしまうのだ。
 絶望に瞳を曇らせ、王妃は全身の力を抜いた。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【託されし願い】
3
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【隔離眼】
2
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【冷気の支配者】
2
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【壁歩き】
3
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
4
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
2
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【通信障害】
2
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV9 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV5(最大) / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV3 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV3

●マスターより

あき缶
 お世話になります、あき缶です。
 ついにマリー・アントワネット救出のチャンスです。
 またチェインパラドクス初の、重要決戦シナリオでもあります。
 重要決戦なだけあって、敵は強く、マリー王妃の命は風前の灯です。

●オープニングにも記載しておりますが、改めて注意事項です。
 1,マリー・アントワネットは以下の条件のいずれかを満たした時点で死亡します。
 ・指定の期日までにリプレイが完成しなかった場合。
 ・リプレイが失敗となった場合。
 ・サンソン式断頭人形撃破前に、『断頭台を破壊し、マリー王妃を救出する』選択肢を成功させてしまった場合。
 ・シナリオ完結時に、ファニーサイスが生き残っていた場合。

 2,以下の選択肢は『断頭台を破壊し、マリー王妃を救出する』選択肢を成功させないとリプレイが出せません。
 『ベルサイユ宮殿への撤退』
 『マリー王妃との対話』

 マリー・アントワネットの存亡は皆様の手にかかっています。
 健闘を祈ります!
88

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


藺草・風水
即興連携、アドリブ歓迎
「遂に機会が来たの、絶対にやりとげる」
必ずマリーアントワネットを救い、クロノヴェーダの企みを阻止せんと動く

「スッゴい体なの!ガルガンチュワ様辺りにでもその力を貰ったの?」
ファニーサイスに大声で話しかける
ファニーサイスの威容を誉めて持ち上げつつ、パンタグリュエルに対応する巨人、ガルガンチュワの名前を出し、力を与えたジェネラル級の情報を引き出せるか試みる

「此処で死ぬにしろ僕らがさらうにしろ、王妃が居なくなるのは変わらないんだし見逃してくれないの?」
詭弁を承知で此方と敵が行ってることに変わりはないと言うことで敵の処刑でないといけない理由を引き出せるか試す


●嚆矢
 1793年10月16日、罪人マリー・アントワネット処刑のまさにその場所へと降り立ったディアボロス達を、ガラクタを全身につけた醜悪かつ巨大なるファニーサイスは目ざとく見つける。
「アー! お邪魔虫! また来たネ!」
 藺草・風水(天使喰らいの重ガンナー・g00346)はファニーサイスへと一目散に走り寄りながら、
「遂に機会が来たの、絶対にやりとげる」
 と自身に言い聞かせる。
 ファニーサイスの向こう、処刑台には王妃マリー・アントワネットがいる。彼女を救い出す好機、絶対に逃すわけには行かない。
「いいヨ! お前らがなにかする前に王妃を処刑すればいいんだもんネ!」
 と巨体を処刑台に向けなおそうとするファニーサイスに、風水は声をかけた。
「ねえ!!」
「んー?」
 マリーから注意を風水に向け直したファニーサイスに、内心ほっとしつつ、風水は問いかける。
「スッゴい体なの! ガルガンチュワ様辺りにでもその力を貰ったの?」
「がるがんちゅあー? ナニソレ? 知らないナー」
 ファニーサイスは全くガルガンチュワという単語に興味を示さなかった。どうやら本当に関係ないらしい。
 ならば、あの自動人形に力を与えたのは何者なのか。
 風水は疑問をいだきつつも、更に質問を重ねる。
「此処で死ぬにしろ僕らがさらうにしろ、王妃が居なくなるのは変わらないんだし見逃してくれないの?」
 この問が詭弁であることは風水も自覚している。
 ファニーサイスはブンブンと頭らしき銀色のひまわりの花のような部位を振った。
「違うヨ! 全然違うネ! 王妃は処刑しないとダメ! ダメって言われてるンダ!」
「どうして?!」
「知らないヨ! ボクはご命令に従うだけなのサ!」
 ファニーサイスはどうやらこの処刑の意義は知らず、ただ『王妃は処刑しなければならない』という命令に沿って動いているだけのようだ。
 彼に何を聞いても、それ以上の情報は得られそうにない。
 あとこの巨人から聞き出せそうなのは『ご命令の主』くらいか……。
成功🔵​🔵​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

一ノ瀬・綾音
流れは確実に来ている。
マリーに手が届きそうなんだ。
このチャンス、逃してたまるか!

精神に死を植え付ける歌なんか歌わせてマリーやみんなに影響与えさせるわけにもいかない!
相手を見つけたらなるべくパラドクスを発動しようとしてる個体優先で、ミッドレンジから『投擲』で魔法のカードを明後日の方向に投げてそっちに一瞬でも気を逸らせないか試しつつ『高速詠唱』から【星光】を放ってその歌ごとかき消してあげる!大衆やマリーを巻き込まないようには注意するよ。

絶望の歌なんかより、綾音ちゃん達の齎す希望の歌の方がみんなが聞くには相応しい!
君にかまっている暇はないんだ、悪いけど強引にでも道を開けさせてもらうよ!


苺ヶ谷・紬
ここが正念場ですね
苦しい戦いになるでしょうけれど、絶対に彼女を救ってみせましょう!

かなり長丁場になりそうですから
私はリングスラッシャーでガードアップを付与しておきましょう
皆さんには加護を、裁きを願う悪いお方には天罰を!
飛翔して高い位置から相手の様子を確認し、弱っていそうな相手から重点的に狙っていきます

頭に湧き上がる死のイメージ
刻逆で無かったことにされた家族や友達が、みんな死んでしまう光景
恐怖に杖を持つ手が震えそうになるけれど
一緒にいてくれるフランボワーズの声にハッと我に帰ります

そうよね
そんな光景を現実のものにしないために
私たちは戦っているのよね!

先ずはマリーさんを
何としても助けなきゃ!


白臼・早苗
以前は処刑場にたどり着く事しかできなかったけど、ようやく救出に向かえるんだね
だとしたらここが歴史の分水嶺、私も全力で立ち向かうよ

マリーさんの目下の障害になる断頭人形は真っ先に排除しなきゃ
陰鬱な歌は、私の【縫上げる獅子の皮】で浪々とした勝利の凱歌にさせてもらうよ
そう、私が歌うのは飽くなき生の息吹
ここでマリーさんを絶対に殺させやしない……!
そんな思いが、周りの人々にも伝播してくれるといいな


タタミ・ヤスマ
王妃様……
処刑なんて、させない……!!

『砲兵隊召喚』統率、幻影の砲兵隊達に、サンソン式断頭人形へ砲撃弾幕を行わせる……!
オーラ操作、霞光気を広げて敵の位置、動きを感知。
天候予測、灼光壁を召喚して、砲兵達の砲撃弾幕の弾道を変化。
光使い、弾道変化で味方や障害物を避けて、サンソン式弾頭人形へ、熱光の砲弾を撃ち込む!

処刑される人を見るのは、もう、たくさん…!!
戦旗で幻影を追加召喚、光使い、幻竜気の幻で、幻影をマリー王妃やディアボロス、つまり彼等にとっての罪人に見せかけて、攻撃を引きつけさせます!


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎です!

ついに王妃サマを助けられる時が来たのね!
アイドルは一瞬のチャンスを掴む技量が大事なの!
このチャンス、邪魔させはしないわ!

取り巻きだからって油断しちゃダメね!
『レゾネイト』の【誘導弾】で敵の気を引きつけて、味方の攻撃の足がかりにするわ!
ふふん、その斧と断頭台は飾りかしら?

アタシもそれだけじゃないわよ! 集まってきた敵に【羨望と幻惑の最大光量!】を浴びせて一気に倒していくわ!

敵の反撃は断頭台を【誘導弾】で【吹き飛ばし】て応戦するわ!
あわよくば相手に当て返しちゃうんだから!


乾・玄辰
彼女の人生の幕を下ろすのは未だ早い。
生きて生きて生き抜いた果ての終幕に打つピリオドであって欲しいね。

箒で【飛翔】して、空から眼下の戦況を【観察】
王妃救出の妨げになる個体、王妃の首を狙う個体を優先して【赫の魔弾】で狙撃。
左手に嵌めた【銀の御手】から放つ【念動力】で相手の動きを鈍らせ
敵集団には【衝撃波】を放ち隊列を崩そう。
空中からの観察結果は必要に応じ地上で戦う仲間にも伝えるよ。

ムッシュ・ド・パリとて醜悪なブリキ人形に己が名を使われるのは不本意だろうさ。
この世界の歴史では断頭台から王妃を救い、失われた歴史に眠る彼の魂に報いたい。
王党派でも革命派でもないが、今ばかりは百合の紋章に我が魔法を捧げよう。


 ファニーサイスと風水が問答している間に、ディアボロス達は処刑台を守るサンソン式断頭人形に殺到する。
「ここが歴史の分水嶺、私も全力で立ち向かうよ」
 これまではマリー・アントワネットの救出までは手が届かなかった。しかし今なら、彼女を救うことが出来る。
「マリーさんの目下の障害になる断頭人形は真っ先に排除しなきゃ」
 白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は素早く針を取り出すと、サンソン式断頭人形の衣に刺した。
 これは、彼女のパラドクス『縫上げる獅子の皮』発動の準備。針を刺した対象から得た情報から、技を再現するというものだ。
「借りものに、しておくつもりはないよ」
 と歌う早苗が再現するのは哀歌のはずだが、声帯からあふれるのは凱歌。コピーが完全ではないゆえに、オリジナルとは別の効果を発揮しているのだ。
「私が歌うのは飽くなき生の息吹。ここでマリーさんを絶対に殺させやしない……!」
 早苗の歌が、思いが、ディアボロスにも浸透していく。
「そう、流れは確実に来ている。マリーに手が届きそうなんだ。このチャンス、逃してたまるか!」
 一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は力強く拳を握ると、息を吸い込む。
「絶望の歌なんかより、綾音ちゃん達の齎す希望の歌の方がみんなが聞くには相応しい! 君にかまっている暇はないんだ、悪いけど強引にでも道を開けさせてもらうよ!」
 と綾音は走りながら、宙に八つの魔法陣を描く。
「火水風土雷氷光闇――八属性魔力、収束!」
 コンバージェンスの詠唱と共に、描かれた陣は綾音の眼前に移動し、重なって複雑な紋様の魔法陣と化す。
「決めるよ……! 綾音ちゃんの全部、持っていけーー!!」
 豪ッと陣は眩い光の帯を放ち、自動人形を飲み込んだ。
「う、ぅう……っ」
 砲撃の反動で、後ろに押し返されて綾音は思わずたたらを踏む。
 サンソン式断頭人形は凄まじい砲撃で首だけになりながらも、陰鬱な歌を歌い、綾音の精神力を削る。死ぬ間際まで抵抗する、クロノヴェーダも本気だ。
「ここが正念場ですね。でも、絶対に彼女を救ってみせましょう!」
 天使の羽を羽ばたかせ、苺ヶ谷・紬(Sucré fraise・g04322)は上空に舞い上がる。
「皆さんには加護を、裁きを願う悪いお方には天罰を!」
 彼女の周囲に生まれた無数の光の輪はチャクラムのように回転しながら放たれ、弧を描いてクロノヴェーダを切り刻んでいく。
 トループス級人形は、ボロ布のような装甲をザクザクと切り裂かれながらも、徒党を組んで天を仰いで哀歌を歌った。
 鼓膜を通して、脳に広がる恐ろしい『死』の概念に、紬は肩をびくりと揺らした。
 刻逆によって失った家族、友人、彼らの死の光景が紬の脳裏に強制的に広がったのだ。
 手が震えて、握っている苺をあしらった大きな杖が揺れ、粉雪のように砂糖色の魔力がひらりはらりと散る。
 真っ青な顔を見上げ、気づかわしげに鳴くミニドラゴンに、紬はハッと我に返った。
「フランボワーズ……。ありがとう。そうよね、そんな光景を現実のものにしないために私たちは戦っているのよね!」
 戦う意志を取り戻した紬は、取り落しかけたF.R.A.I.S.I.E.Rをぐっと握り直し、白い羽を力強く羽ばたかせた。
 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)は拡声杖『レゾネイト』を握り、先端の大きなリボンめがけて声を出す。
「アイドルは一瞬のチャンスを掴む技量が大事なの!」
 ウワンと響く声。この杖はマイク機能もついていて、ソラの声を広く伝える。
 同時に、レゾネイトは誘導弾を放ち、クロノヴェーダの注意を引いた。
 のそのそとやってくる自動人形の群れに、ソラはレゾネイトを掲げる。
「アタシもそれだけじゃないわよ! 眩いステージライトは、誰もが憧れるわよね! あなたも一回浴びてみる?」
 陰鬱なサンソン式断頭人形にはふさわしくないレベルの眩いステージライトが、人形を白飛びするほどに強く照らした。
 怯んだ複数の人形めがけて、ソラはすべて飲み込むほどの巨大な魔力弾をぶつける。
 サンソン式断頭人形も、自身の断頭台を自律型に変形させ、ソラを襲わせた。
「ちょっと! 来ないでよ! きゃっ!」
 ソラは誘導弾で断頭台を吹き飛ばそうとするも、断頭台は構わずズンズンとソラに迫り、そのギロチン刃を容赦なく落としてくる。
「処刑される人を見るのは、もう、たくさん……!!」
 ソラがサンソン式断頭人形を誘導弾で誘っている隙をつき、タタミ・ヤスマ(ドラゴニアンの戦列歩兵・g01941)は『戦旗』灼光幻影旗を打ち振るい、幻影の砲兵隊を召喚する。
「撃つか、撃たないか」
 オーラで作られた光の壁で人形にのみ砲撃が届くよう調整し、タタミは一斉砲撃を幻影に命じる。
 砲兵達の放つ熱光砲弾はサンソン式断頭人形に抵抗の余地も与えず、瞬時に白熱させ、灰へと変えていく。
「王妃様……処刑なんて、させない……!!」
 白い灰塊になっていく人形を見つめながら、タタミはつぶやいた。
「ムッシュ・ド・パリとて醜悪なブリキ人形に己が名を使われるのは不本意だろうさ」
 乱戦を上空から見下ろし、乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は肩をすくめた。
 人間の彼が空で駆るのは『最後の魔法使い』という称号にふさわしく箒だが、本当の名称は試作詠唱制空機『箒星・改』となかなか重厚だ。ただの掃除道具というなかれ、実は星型詠唱発動機搭載の魔力推進式高速飛行デバイスである。
 地上のディアボロスの奮戦で、断頭台を守るクロノヴェーダもあと僅か。よろよろとマリー・アントワネットの方角へと向かおうとする残りの個体を見つけ、玄辰は首を横に振る。
「彼女の人生の幕を下ろすのは未だ早い。生きて生きて生き抜いた果ての終幕に打つピリオドであって欲しいね」
 そう言うと、玄辰は箒で断頭台まで向かい、詠唱した。
「王党派でも革命派でもないが、今ばかりは百合の紋章に我が魔法を捧げよう。慈悲深き大地の御手離れ、魔空を翔けし一条の星。天穹裂く光跡、晨明の炎が冥応授かりて許されざる者共に疾く降り注げ。汝、灼熱の鏃よ」
 飛ぶ箒が引く彗星の尾のような魔力噴射が、彼の詠唱によって光弾へと姿を変える。
 赫の魔弾はくるくると玄辰の周囲を守るように舞ったあと、狙いすましたかのように、瀕死のサンソン式断頭人形達にトドメを刺した。
 死ぬ間際に投げつけられた斬首斧を、おっとと首を逸して避け、玄辰は処刑場をぐるりと旋回する。
「よし、これで断頭台の破壊を邪魔するものは居ない……いや、ファニーサイスだけ、というところかな」
 失われた歴史に眠るムッシュ・ド・パリの魂に報いることが出来ただろうか、と玄辰はぽつりとつぶやいた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【飛翔】LV2が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!

冰室・冷桜
うお、マジででけーでやんの
こんなんが暴れ回ったら救出もくそもねーだろうし、少しくらいは時間を稼がねーとだわね

よくもまぁ、ここまで体がでかくなったもんね
パンタグリュエル化だっけか、
こんな力を与えられた上にこわな重要そうな仕事を任されるなんてめちゃくちゃ厄介そうな相手ねー
気を引き締めねーとー
きっとコイツにだけ与えられた特別な力に違いないわーまったくどういう理屈ででかくなったのか検討もつかないわー!
大きな声でいかにも相手がすごいみたいなことを言って煽ててみせましょうか

ガルガンチュワ化みてーなのももしかしてあんのかしらね、どっちしろめんどくさーけどもさ


●王妃奪還
 ファニーサイスは、あっという間に壊れていったトループス級を見下ろし、アーアと声を上げた。
「もー、役立たずだナー。やっぱボクだけで十分だネ」
 やれやれというジェスチャーをしているファニーサイスを見上げ、冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)は冷や汗をかく。
(「うお、マジででけーでやんの」)
 サンソン式弾頭人形を片付けたが、パンタグリュエル化ファニーサイスに暴れられては王妃を助けるも助けないもない。
 少し時間を稼がねば、と冷桜はファニーサイスに話しかける。
「よくもまぁ、ここまで体がでかくなったもんね。パンタグリュエル化だっけか、こんな力を与えられた上に、こんな重要そうな仕事を任されるなんて、めちゃくちゃ厄介そうな相手ねー」
 ファニーサイスは、んむ? と下で声をかけてくる冷桜を見下ろし、にこにこした。
「そーだヨ。ボクはヤッカイなんダ!」
「あーー気を引き締めねーとー。きっとコイツにだけ与えられた特別な力に違いないわー。まったくどういう理屈ででかくなったのか検討もつかないわー!」
 少し棒読みめいているが、とにかく冷桜はファニーサイスをおだてた。おだてまくった。
 冷桜のおだてる演技に、ファニーサイスは疑問を抱かなかったようで、わくわくうきうきと鎌のような足でステップを踏む。
「そーなんダヨ! ボクはすごいんダ! 『不敗のダブー』元帥のお気に入りなんダヨ!」
「へー」
 冷桜はうなずきながらも、めんどくせーと内心思う。
 当初の目的である、時間稼ぎとしては上出来だろう。
 『不敗のダブー』という名前だけは覚えつつ、冷桜は引き続きファニーサイスをおだてながら、ゆっくりと後退して距離を取るのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

田抜・薫衣
●準備
王妃を【ディフェンス】
《伝承知識》から断頭台の構造を把握

●事前
戦闘には加わらず《忍び足》で断頭台に近付き、サンソン人形が全滅したら即座に行動開始

●作業
……『何度でも』どころか、万が一にも死なせるわけにはいきませんからねぇ。慎重に作業しますよぉ。

まずはうっかり刃が落ちても受け止められるよう、王妃さまの首上にガードを設置。それから刃を安全な方角へ吹っ飛ばす。安全を確保したうえで拘束解除、枷の留め金ピンポイントに苦無を打ち込んで破壊する。最短最速の解放を心がけます。


天夜・理星
ハロー、王妃様。
あなたに希望を届けにやってきました。
アタシ、有言実行するタイプだからさ。
絶対に、救ってみせるよ、アタシたちが。

まず大前提として、サンソン式断頭人形を全部破壊したことが確認出来るまでは絶対にこの行動を開始しない。

そして人形全部の破壊が終わったら、断頭台の破壊に協力。王妃様を傷付けないように聖剣で断頭台のみを破壊しよう。

パラドクスは、王妃様を癒す為に使う。
感情の波で王妃様の生存の可能性を増大させる。【活性治癒】もあるだろうし、残留効果が重なれば癒しの力もでかいでしょ?

そしたら逃走経路は偵察と地形の利用で確保しよう。
味方のみんなと連携決めてくよ!

さ、時間が無い。ダッシュで一緒にGO!


八栄・玄才
※サンソン式断頭人形が全滅してから行動

悪人を裁く処刑も立派な文明だとは思うけどね
人の命を扱うんだから、適切に運用されないといけないだろ
こんな"文明の暴走"は、このオレ、八栄・玄才が終わらせてやる

断頭台に利器砕きを使用
派手な攻撃だと王妃様を巻き込むのが怖いからね
浸透系の打撃による【貫通撃】で拘束部分のみを【破壊】して【解体】、王妃さんを救出しよう

さあ見てな、ご聴衆!
王妃が離れたら錬気帯電を解放して断頭台に全力の【強打】
処刑の象徴である断頭台を【粉砕】して、群衆にもう処刑なんてものは終わりだと知らしめる

断頭台の大きさによっては壊した後の瓦礫を≪怪力無双≫で積んで追手の人形の進路妨害しても良いかもな


宝心・ライラ
サンソン式断頭人形が全滅した後に急いで救出に向かうわ

「ハァイ、マリー。あなたを笑顔にしに来たわ♪」
私が望むのは世界中のハッピーエンド
だけど今1番見たいのは貴女のハッピーエンドなの

何かの弾みでギロチンの刃が落ちたり飛んでったりしないよう、パラドクスのロープで刃をグルグルに固定しちゃうわね
後の破壊は頼もしいお友達にお任せして、マリーがすぐ動けるよう励ます方に全力を尽くすわ

断頭台を破壊できたら、パラドクスを応用した空中曲芸で空から素早くマリーを安全な場所まで逃してあげる
「もしあのままでも幸せだったなら見てても良いのだけど…あなた、助かりたいって顔してたわ。マリー、あなたは今幸せ?」

仲間との連携も歓迎


レイン・ウォーカー
※断頭人形撃破前の救出は絶対しない

ああもう、仕方ないわね
このマリー・アントワネットがどんな人物なのか知らないけど
目の前で死なれたら目覚めが悪いのよ

言い訳のように呟きながら【肉体強化】を使用
身体能力を強化してマリーの救助へ
断頭台の強度は分からないけど、接合部や可動部は他の場所に比べ脆いはず
ならそこに溶解剤を掛け、強度を落とした上でカドゥケウスによる【斬撃】を加えて破壊しましょう

首尾よく破壊に成功したらマリーに
怪我は?一人で歩ける?と問い掛け
包帯、注射での応急処置と撤退ルートの確認を行い
最悪、彼女を背負ってでも撤退出来るように準備をしておくわ
絶望するにはまだ早いわよ


 おだてられたファニーサイスがステップを踏んでいる間に、とディアボロスは今度はもう守るもののない断頭台へと向かう。
 忍び足でずっと機をうかがっていた田抜・薫衣(狸ではない洗い屋・g01806)がまずは断頭台にとりついた。
「……『何度でも』どころか、万が一にも死なせるわけにはいきませんからねぇ」
 うっかり断頭台の刃が落ちるのが何より危ない。薫衣はマリーの首の上にガードをつくる。
「ハァイ、マリー。あなたを笑顔にしに来たわ♪」
 と言いながら、宝心・ライラ(ミス・ハッピーエンド・g01071)は本来ならば空中ブランコ攻撃で使用するパラドクスのロープでギロチンが万が一にも落ちることのないようにと上部に縛り付けた。
 薫衣とライラの連携技で、ギロチンの誤作動による王妃の死亡事故のリスクは激減した。あとは王妃を拘束している断頭台を破壊するだけである。
「悪人を裁く処刑も立派な文明だとは思うけどね。人の命を扱うんだから、適切に運用されないといけないだろ。こんな『文明の暴走』は、このオレ、八栄・玄才が終わらせてやる」
 と八栄・玄才(井の中の雷魔・g00563)は掌に『人の文明を停滞させる雷の悪魔』の電雷をのせると、バチバチとスパークをまとわせながら、掌底を断頭台に当てた。
「一切破砕──、利器砕きッ!!」
 八栄流の基本にして極意、文明の暴走に武で抗することを体現した技は、ギロチンの拘束具を瞬時に粉砕するが、マリー・アントワネットの玉のような肌には傷一つついていなかった。
 枷を破壊しようと苦無を用意していた薫衣が、ぱちぱちと手を叩く。
「おみごと、最短最速の解放ですねぇ」
「このマリー・アントワネットがどんな人物なのか知らないけど、目の前で死なれたら目覚めが悪いのよ」
 仕方がない、とブツブツ言いながらレイン・ウォーカー(降り止まぬ雨・g02000)が自由になったマリー・アントワネットを助け起こす。
「怪我は? 一人で歩ける?」
 レインの問いかけに王妃は、首を縦に一度、それから横に一度振って、『怪我はなく、一人で歩ける』と首のジェスチャーで示した。
 歩けると王妃は言うが、もしクロノヴェーダの追跡に追いつかれそうならばレインには王妃を背負って撤退する覚悟もある。
「絶望するにはまだ早いわよ」
 と、レインは周囲を見回し、ベルサイユ宮殿へ向かうルートにあたりをつけた。
 白いドレスをまとったマリー・アントワネットが断頭台から降り立ったのを見て、思わず群衆の口から感嘆や安堵の声が漏れだす。
 紅と黄、二振りの聖剣を握る天夜・理星(復讐の王・g02264)が、ディアボロスと戦っているパンタグリュエル化したファニーサイスを恐ろしげに見上げている王妃に声をかけた。
「ハロー、王妃様。あなたに希望を届けにやってきました。アタシ、有言実行するタイプだからさ。絶対に、救ってみせるよ、アタシたちが」
 理星は心の中に満ちる、復讐者らしく世界を書き換える為の力の根源『刻源』をアップデートし始める。
「議決……刻限、解明。感情の波で王妃様の生存の可能性を増大させるよ」
 理星から放たれるあたたかい光がマリー・アントワネットを癒やす波動になって彼女を包むと、王妃の震えがわずかに静まる。
「さあ見てな、ご聴衆! もう処刑なんてものは終わりだ」
 玄才が民衆に声を張り上げると同時に、理星は聖剣を振り上げ、断頭台を十字に切り払った。
 ばらばらがらがらとあっけなく木と金属に分解され、断頭台はもはや見る影もない。
 玄才が、多少の時間稼ぎにしようと瓦礫をバリケードのように積むなか、理星はマリー・アントワネットにハツラツと声をかけた。
「さ、時間が無い。ダッシュで一緒にGO!」
 空中曲芸で空からマリーを一気に安全圏へと移動させんとしたライラだったが、どこからかわらわらと湧いて出てきた自動人形『征服人形』の集団に、安全な場所はまだ遠い、と徒歩での逃亡を選択せざるをえない。
「さあ、こっちよ。回り込んで、宮殿へ撤退するわ」
 撤退ルートを決めたレインが先導し、薫衣達は王妃を守るように囲んで走り出す。
 走りながらライラは優しくマリーに尋ねた。
「もしあのままでも幸せだったなら見てても良いのだけど……あなた、助かりたいって顔してたわ。マリー、あなたは今幸せ?」
 尋ねられた王妃は後ろを振り向き、首を横に振る。彼女の表情は、まだ幸せそうではなく不安一色だ。
 なぜなら、追跡者である征服人形だけでなく、王妃が処刑台から逃れた上に、大事な大事な処刑台がバラバラなことに気づいたファニーサイスも、奇声を上げながら怒り狂って追いかけてきているからである!
「モギャー! なんで走ってるんだヨ、マリー・アントワネットォ! おとなしく断頭台にいろヨ! あーもー! こーなったらコロス!!! しか無いネ! 断頭台はもうないけど、しょうがないヨネ!」
 などとわめきながら、ファニーサイスは鎌のような足を虫のように動かして、思ったより高速でマリー・アントワネットを猛追してくる。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【書物解読】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【アクティベイト】LV1が発生!

金刺・鞆
これは、かなりのつわもの……いえ、いえ。むしろ凶獣とでも呼ぶべきか。かようにおぞましい姿、兵とも将とも申せましょうや。

【マリー王妃、および手負の仲間をディフェンス】です。
断頭人形なるものも放置はできませぬが、これを、自由にさせる訳には。
首を獲るのはともでなくてよい、です。まずは脅威を減らすための時間稼ぎ。競り合い、交わし躱して……一撃はここぞというときのみに留めて。【ドレイン】で粘るためにも、拮抗以上の攻撃を当てたい、です。
未だ訓練中の技、呪いも毒も未完成、なれど。長く険しきいくさならば、それに備えた布石を打つ。それもまた、計略、ゆえ。

白き婦人。重ねる母の面影すら判ぜねど。
どうか、貌をあげて。


シャムロック・クローバー
ついに巡ってきたわね、マリー王妃救出のチャンス!
処刑そのものは史実としても、それは人間の手で紡がれたもの。
クロノヴェーダの好きにはさせないわ!

……って、何アレ!? その笑顔が大きくなっても、ちっとも嬉しくないわよ!?
さすがにヤバすぎるけど、みんなの力が合わさればきっと……!
わたしも一番得意な【泥団子投擲】で、あの薄気味悪い顔を狙って……って、さすがに届かなそうね!?

仕方ないわ、あいつが取り込んだパーツを落とせないか、下から狙ってみましょう。
鎌や人形の関節に泥が付けば、動きも悪くなるかもだし。

よぉーし、大きく振りかぶって……行くわよ!
わたしの必殺魔球・ウルトラストレート!
狙うはデッドボール!


御森・白露
アドリブ連携歓迎じゃ。

これまた巨きな我楽多じゃのう。
此度は随分骨が折れそうじゃが……今までの皆の働きに報いる為にも、暫し付き合って貰うぞ?

質量差もあって受ければ負傷は必至、故に回避を第一に動くか。一か所に留まらず怪しまれぬ程度に断頭台から離れるよう移動し続け、風使いや戦闘知識を使った高速移動で攻撃を避けるぞ。

武装は大鎌、ならば懐に入り込めば刃は届くまい?
勇気を出して斬撃の嵐に飛び込み、空中で居合の構えをとる。
氷雪使い、結界術で奴の身体に踏み込むための足場を作り、呪詛、両断、斬撃、貫通撃を重ねた【月玲燐殿・一ノ刻 朔絶】で叩き斬るぞ。

全く、肝が冷えるわい。
王妃の方は……考える余裕もないかッ!


音羽・華楠
……何ですかパンタグリュエル化って!?
見るからに厄介そうですが……マリー王妃の救出に関わった以上、最後まで尽力します!

巨大化した分、自分より小さい相手に対する死角や油断も増えてるはずです。
足元に潜り込まれたり、自身の背中に這い登られても、すぐには気付けないのでは?
その推測を信じ、《雷幻想・瞬動》で得た雷速の体動を活かしてファニーサイスの死角に飛び込み、そこからの奇襲を繰り返します。
ファニーサイスは金属部品が多そうですし、雷撃を伴う私の攻撃は効果が高いかも?
質量が大きい分、負荷が掛かっているはずの関節を狙うのも効果的でしょうか?

さあ――このディヴィジョンの歴史改竄者共に一泡吹かせますよ!!


ミシェル・ロメ
本来の歴史なら、王妃様はここで死ぬ運命……
だけど、目の前で理不尽に苛まれ消えゆく命があるなら
それでも僕は救いの手を差し伸べずにはいられない
神父様を救えなかったあの日の後悔は、二度と繰り返したくないから

ましてこの歪んだ処刑が更なる犠牲の引き金になるというのなら
僕は全力で止めてみせる

ファニーサイス、僕はお前を絶対に許さない
人の死を、苦悩を、悲しみを嘲笑うな!

狂気や恐怖になど負けるものか
歌え、かつてこの国を救った英雄の伝承を
『救国の乙女』ジャンヌ・ダルク
絶望に沈む同胞を鼓舞し、失われた誇りを取り戻した
命を賭した貴女の祈りは、今も僕たちと共にある

王妃様と人々の明日を守るために
僕に……僕たちに力を!


レオンハルト・アストレイア
アドリブ連携歓迎

歪められたものとはいえ、歴史を変えるって不思議な気分っすね。
こんなこと言うのは不謹慎ですけど、オレ今、すごくワクワクしてるっすよ!

気持ちは興奮していても戦闘では冷静に立ち回ります。
相手との力量差は明らかなので、他の人が戦いやすくなるよう【攪乱】をメインに動きます。
パラドクスで相手の行動を妨害する、仲間の攻撃が確実に当たるよう自分が攻撃するフリをして【フェイント】をかける、というような感じっす。
利用できる残留効果は最大限に活用し、【臨機応変】に立ち回ります。
相手からの攻撃は極力くらわないように、くらったら【忍耐力】で耐えます。
とはいえ、多少のダメージは覚悟の上っす!


アンゼリカ・レンブラント
隙を作って王妃のほうに
注意を向けさせるわけにはいかないね
みんなと矢継ぎ早に攻撃していこう!

【勇気】を胸に【突撃】
ともに作戦に臨む仲間と合わせて攻撃を
仕掛けたいね
《光獅子闘拳》の力強い一撃でめいっぱい殴るっ!

相手からの反撃は《オーラ操作》で硬くした
クラッシュ障壁に腹筋を締めて踏ん張るぞっ
痛いだろうけど、まだまだー!

【グラップル】を生かし接近戦で戦い、
パラドクスの一撃を叩き込むぞ!
時には自分の攻撃を【フェイント】に、
組付き抑えるだけにして仲間の必殺の一撃を当ててもらおう!

絶えず動き、臨機応変に相手の隙を突いていこう!
相手が弱る気配あれば【呼吸法】で力をため、
敵の足を【粉砕】する光獅子闘拳を見舞うっ


メリディアナ・レヴィ
アドリブ、連携歓迎
クロノヴェーダがこんな能力を隠し持っていたなんて……
あの大きな巨体から凄まじい力を感じるわ。ただ残骸を寄せ集めただけでは無さそうね
でも、マリー王妃を救ってあなた達の恐ろしい儀式を止めるには私達は前に進むしかないの!

敵の狂気にさらされないよう回避に専念しながら好機を待ちましょう
好機が来たり、狂気にさらされてしまったら攻勢に移るわ。あまり長く耐えられそうにもないから速攻で行きたいわね
素早く詠唱を終わらせる為、術式を封印したタロットカードに高速詠唱を組み合わせて魔法を発動
ファニーサイスの頭上から伝説級のケーキタワーを落としましょう
マリー王妃には指一本触れさせないわ!


緋薙・紅花
☆アドリブ連携OK

マリー王妃を救出する好機、逃すわけにはいきませんね!
紅花、いきます!

まずはこっちに注意を引きつけないと!
皆と連携しながらとにかく攻撃を叩き込み続ける
これで行きたいと思います!

まずは
≪血筋に眠る退魔の炎≫で先制攻撃といきましょう
22個の炎を全部合わせて
「くらえーっ!!」
ファニーサイスの頭上から叩き込みます
ついでにあの頭部壊れませんかね?
無理ですかそうですか!

なるべく笑顔を見ないように動き回り続けながら攻撃
見てしまったら深呼吸&マリー王妃を救出するという情熱でどうにか耐えてみせます

炎は基本バラバラの状態でファニーサイスの周りを巡らせて
ひたすら鬱陶しいと思わせる攻撃を心がけます


八百陣・葵漆
うーん。見るに堪えないね
合体は良いけれど、こうも無秩序にくっつくのは少々醜悪だよ
マリーを救うためにも、キミを倒させて貰うとしようか

その『ダンスオブデス』は、踊るような動きがあってこそ脅威となる
それならば、その動きを妨害させて貰おうか

『足止めの軍略』、発動だ
落とし穴の設置、足場を崩す、間接部を狙ってのワイヤー付鉤爪の投擲と言った手段で、敵の動きを妨害しよう
なるべく『絡繰り兵器』を利用して、僕自身は安全のためにできるだけ距離を取るよ

完全に動きを封じられずとも、ある程度行動阻害出来れば攻撃のチャンスが出来るはずだ

そこに暗器の投擲で攻撃するよ
他のディアボロスにも声を掛けて一緒に攻撃出来るとよさそうかな


呉守・晶
改変された歴史の改変か
つーか、正しい歴史を取り戻すならマリー・アントワネットはフランス革命で処刑されないといけないからな
処刑させる為に処刑から救うとかなんの皮肉なんだか
だが、まぁ……こんな処刑は見たくねぇし、断固拒否なのは異論なしだぜ!

へぇ?ジェネラル級か
自称とはいえ、いいな。ジェネラル級のハルファスにもう少しで手が届きそうなんだ
だから、その前哨戦としてジェネラル級に俺達の力が通じるって試させてくれよ!
振り下ろされる脚を、魔晶剣アークイーターの封印を一部解除して異形の大剣に変異させながら迎撃するぜ!
簡単に止められるとは思わねぇ。だが、少しでも体勢崩して味方に繋げるぜ!
噛み砕け、アークイーター!


フェルト・ユメノアール
笑顔は人を幸せにするもの
人を傷つける笑顔なんてボクは認めないよ!

相手が巨大なら、その間合いの内側に入り込む
ファニーサイスに向けて全力ダッシュだ!
そして相手の近接攻撃に合わせてアンカーバングルを射出、巻き上げる事でその体の上に乗り移る
そのまま体表を駆け回り、爆裂ゴマをばら撒いて爆破で攻撃しつつ
相手が被弾や仲間への攻撃で隙を見せた所でパラドクスを発動、勝負を掛けるよ!

さあ、行くよ!ボクはSCクラウンジェスターを召喚!
クラウンジェスターの全力魔法で首や頭部など弱点と思しき箇所を攻撃
(すでに仲間の攻撃でダメージを受けている場合はその箇所を狙う)
さらに同じ箇所にトリックスターで斬撃を叩き込んで傷を広げる


イーディス・レヴェリー
此処で終わらせる訳にはいかないわ。またあなた達に奪われるわけにはいかないの
だから──まずは一つ、返してもらうわよ

一度訪れた宮殿を越えて敵の場所まで
接敵したら召喚したお人形の『灰燼の騎士』が構える『灰被り』に、わたしの羽根を与えて【終幕拒む硝子剣】を発動
剣の鞘の役割を解放されて爆ぜた灰を操作することで、振り下ろされる脚をズラしたり視界を遮って躱した後、その脚が引き戻される前に脆そうな箇所や関節を狙って硝子剣を振るうことで破壊を狙いましょう

隙を見つけたら敵の身体の隙間に灰を侵入させて動きを邪魔しながら、渾身の斬撃を振るうわ

お姫様を救う騎士様を夢見る事はあったけど、まさかわたしも救う側になるなんてね


石心・リーリャ
・仲間との連携、アドリブ
大歓迎!

・心情
コイツだけは生かしちゃいけないって、コトでしょ?
ジェネラル級クラスって?大分イキってるみたいだけど、勘違いしたまま、ここで死んでもらうから。秒でね。

・行動
敢えて敵の攻撃を誘って、パラドクス【靄電】で相手の攻撃を吸収しながら、弾き返してくよ。
「悪いけど、ここから帰れないのはアンタの方」
「確実にここで、息の根止める!」

・パラドクス【靄電】
受けた相手の攻撃を吸収して、被ダメージを此方からの攻撃に転ずる反撃技。
反撃を刹那に行って後の先を取っていくので、まるで此方が先に攻撃をしかけたように見えます。


●巨人殺し~サンソン式が潰えるまで
 ディアボロスが断頭台を守るトループス級と戦っている間、ファニーサイスを自由にしておくわけには行かない。
「ついに巡ってきたわね、マリー王妃救出のチャンス! 処刑そのものは史実としても、それは人間の手で紡がれたもの……って」
 シャムロック・クローバー(森の魔女(自称)・g00876)は巨大なファニーサイスを見上げる。
「何アレ!? その笑顔が大きくなっても、ちっとも嬉しくないわよ!? さすがにヤバすぎるけど、みんなの力が合わさればきっと……!」
 シャムロックはニコニコ笑顔が描かれたファニーサイスの顔らしき部位めがけ、泥団子を投げようとするが、流石に二十メートルも高い場所には届かないことを悟る。
「仕方ないわ。鎌や人形の関節に泥が付けば、動きも悪くなるかもだし」
 シャムロックは狙いを、ファニーサイスが巨大化する際に取り込んだ、様々なクロノヴェーダの残骸に移した。
「よぉーし、大きく振りかぶって……行くわよ! わたしの必殺魔球・ウルトラストレート!」
 狙うはデッドボール! シャムロックが投げつけた泥団子はペチャッと粘着質な音を立てて、ファニーサイスの衣服を彩っていた淫魔の翼を汚した。
 とたん、ファニーサイスの『顔』がビカビカッと光る。狂気の笑顔がシャムロックの心に怯えを強制的に植え付けた。
「うっ……」
 無理やり怖気づかされたシャムロックの膝が笑う。
「い、いいえ、クロノヴェーダの好きにはさせないわ!」
 なんとか自身を叱咤してシャムロックは泥団子を握り直した。
「これは、かなりのつわもの……いえ、いえ。むしろ凶獣とでも呼ぶべきか。かようにおぞましい姿、兵とも将とも申せましょうや」
 いつものアヴァタール級とはわけが違う破壊力に、金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)は生唾を飲み込んだ。
「これを、自由にさせる訳には」
 鞆はファニーサイス、またサンソン式弾頭人形の奥にある処刑の場を見やる。
 あそこには、マリー・アントワネットが囚われている。
(「白き婦人。重ねる母の面影すら判ぜねど。どうか、貌をあげて」)
 無事に救われるよう祈りながら、鞆は白木の扇を構える。
 が、
「!」
 ステップを踏みながら、ファニーサイスが、御森・白露(放浪する転寝狐・g05193)とシャムロックの首を狙っているのを見て、とっさに鞆はシャムロックをかばいに入った。
 ざくりと鞆の新宿島和装が引き裂かれ、白い衣に赤が染まる。
「っ……これも、計略、ゆえ。……いま」
 身を切られながらも白木の扇から取り出した暗器の呪毒針を、ファニーサイスに突き立てる鞆。
 ぜえぜえと苦痛に呼吸を浅くしつつも、それでも鞆は手負いのシャムロックを守れたことと、ファニーサイスに毒を与えることが出来たことを喜ぶ。
「首を獲るのはともでなくてよい、です。まずは脅威を減らすための時間稼ぎ……」
 白露は、身を斬られながらも空中に飛び上がり、身をかがめて居合の構えをとる。
「巨きな我楽多め。全く、肝が冷えるわい。ふむ、武装は大鎌、ならば懐に入り込めば刃は届くまい?」
 ずきずきと切られた場所が痛むが、白露はこの程度で退くわけにはいかない。
 落下の前に、結界術で一時的な足場を作って、姿勢を安定させると、
「喜べ、態々構えてやろう。 ――暗き月をその眼に刻め」
 白露は、憎悪を燃え盛らせる荒魂・忌椿を、抜刀、新月のごとく不可視の速度で閃かせ、ファニーサイスという贄を喰わせてまた鞘に納める。
「今までの皆の働きに報いる為にも、暫し付き合って貰うぞ?」
 浅くない傷だが表情には出さず、白露はファニーサイスを睨めつけた。
「さあ――このディヴィジョンの歴史改竄者共に一泡吹かせますよ!!」
 音羽・華楠(赫雷の妹狐・g02883)は巨大なクロノヴェーダを観察し、小さな相手への死角が増えていると推測する。
 ならば高速で死角に飛び込めば、と考えた華楠は早速陰陽の技を繰り出した。
「疾きこと風の如く、動くこと雷霆の如し! 雷天大壮――急急如律令!!」
 木行つまり雷術を妖精の補助で強化し、華楠は筋肉や神経を強化、雷速の体動を得た。
 そして目にも留まらぬ速度でファニーサイスの足元に飛び込むと、足の鎌の接続部めがけて殴りつける。
「アイテテ! なんだヨゥ?!」
 ファニーサイスはまるで羽虫を払うかのように足を振り上げると、華楠を踏み潰そうと地に突き立てた。
「!」
 華楠は強化した神経でなんとか致命傷を避けるも、衝撃波で少しダメージを受ける。
(「強い! 見た目通り厄介ですね……しかしマリー王妃の救出に関わった以上、最後まで尽力します!」)
「あーモウ! ちょこまかとうっとーしーナァ!」
 ファニーサイスは顔を光らせ、足を踏み鳴らし、鎌を振り回してディアボロスを退け、隙あらば王妃の処刑に戻ろうとする。
「隙を作って王妃のほうに注意を向けさせるわけにはいかないね。連携しよう!」
 アンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)は周囲に呼びかけると、まずは隗より始めよとばかりに、手甲:戦姫闘拳『Shine Fist』に黄金の獅子のオーラをまとわせ、ファニーサイスに突進し、殴りかかった。
「さぁ受けてみろ、黄金獅子の一撃をっ!」
「あーーーやってくれたネ! シネ!」
 巨大な鋭い足が、アンゼリカを押し潰す。
「まだまだー!」
 アンゼリカは肌にまとわせたクラッシュ障壁をオーラで強化し、必死に腹筋に力を込めて耐えるが、パリィと割れるような音とともに、ファニーサイスの足は障壁を砕いてアンゼリカを傷つける。
「わかりました。この歪んだ処刑が更なる犠牲の引き金になるというのなら僕は全力で止めてみせる……ファニーサイス、僕はお前を絶対に許さない。人の死を、苦悩を、悲しみを嘲笑うな!」
 アンゼリカに呼応し、ミシェル・ロメ(とわにひびくうた・g04569)が歌うシンフォニーで呼出したのは救国の乙女の幻影だ。
 戦乙女の幻影は、ファニーサイスめがけて騎乗突進し、戦旗をつけた槍で刺突する。
「皆と連携しながらとにかく攻撃を叩き込み続ける、ですね。その案、乗りました! 紅花、いきます!」
 緋薙・紅花(サージェナイト・g03888)は敵に駆け寄り、その瓦礫の山のような身体を軽快に登りだす。
 そして肩口まで登りきった紅花は、
「緋は火なりて。有り得ざるを薙ぎ、この世のものを和ぐ、炎よ」
 と詠唱し、退魔の力を活性化、二十二個の緋色の炎を周囲に浮かべると、全部ひとまとめにして巨大な火球に変え、まるでダンクシュートを決めるかのように跳躍。
「頭上から叩き込みますね! くらえーっ!!」
 紅花はファニーサイスの顔めがけて両手で火球を投げつける。
「あなた達の恐ろしい儀式を止めるには私達は前に進むしかないの! マリー王妃には指一本触れさせないわ!」
 続き、メリディアナ・レヴィ(甘美にして芳烈なる芸術家(パティシエール)・g03353)はタロットカードを繰る。
 術式を封印してあるカードに、高速詠唱も組み合わせた即時発動の魔法で、
「甘美にして芳烈なる芸術……夢魔が印すは十六の星!」
 メリディアナが作り上げたのは、城とも見紛うケーキのタワーだ。甘くて香ばしい香りが処刑場を包み込む。
 二十メートルもあるクロノヴェーダよりももっと高くに生まれたケーキタワーは、そのままヒュゥンと落下して、ファニーサイスの顔をべっちょりとクリームで汚した。
 波状攻撃を受け、怒り狂ったように巨大な銀の顔がビカビカビカビカと狂気の明滅を繰り返し、ミシェルと紅花、メリディアナの精神に恐慌をもたらす。
「うっ。あの頭部壊れませんかね? 無理ですか、そうですか!」
 と軽口を叩きながら紅花は光から顔を背けつつ、何度も呼吸を整え、マリー・アントワネットを救うという情熱を燃やしてなんとか凌ぐ。
「狂気や恐怖になど負けるものか……、王妃様と人々の明日を守るために。僕に……僕たちに力を!」
 ミシェルが必死に自分を叱咤するが、無理やり心をねじ伏せて恐怖を植え付けてくるファニーサイスの攻撃はあまりにも強烈だった。
「あ、あまり長く耐えられそうにもないわね……」
 メリディアナは無意識に自分をかばうように腕を組み、思わずひとりごちる。
「アハハハ! やっぱボクってば強~~イ! ジェネラル級!」
「コイツだけは生かしちゃいけないって、コトでしょ? 大分イキってるみたいだけど、勘違いしたまま、ここで死んでもらうから。秒でね」
 勝ち誇るファニーサイスを睨み、石心・リーリャ(アンチェインド・サイレンス・g04371)は挑発した。
 リーリャの挑発を聞き、ファニーサイスは、ん~? とリーリャを見下ろす。
「何言ってんノ? 勘違いじゃないヨ! お前がシんじゃ……エ!」
 迫りくる鎌状の足に、リーリャは不敵に笑う。
「悪いけど、ここから帰れないのはアンタの方。覚悟決めた奴からかかってき!」
 足がリーリャを貫く……と思われた瞬間、靄電! リーリャは拳でファニーサイスの足を止め、もう片方の拳で足を殴りつけた。
 足に少しヒビが入っただろうか。しかしこの程度ではファニーサイスは壊れない。
「へぇ? ジェネラル級か。自称とはいえ、いいな。ジェネラル級のハルファスにもう少しで手が届きそうなんだ。だから、その前哨戦としてジェネラル級に俺達の力が通じるって試させてくれよ! 魔剣アークイーター、第二封印解除。変異開始、コード捕食剣「貪リ喰ラウモノ」っ!」
 呉守・晶(TSデーモン・g04119)はそう言って、魔晶剣アークイーターの封印を一部解除。巨大な牙や口を持つ生物型の大剣に変える。
「改変された歴史の改変か。つーか、正しい歴史を取り戻すならマリー・アントワネットはフランス革命で処刑されないといけないからな。処刑させる為に処刑から救うとかなんの皮肉なんだか……。だが、まぁ……こんな処刑は見たくねぇし、断固拒否なのは異論なしだぜ!」
 捕食剣を振り上げ、晶はリーリャを襲った足に振り落とした。
「噛み砕け、アークイーター!」
 ギチギチギチとファニーサイスの金属と晶の捕食剣の牙がきしみ、拮抗している音が響く中、
「此処で終わらせる訳にはいかないわ。姫様を救う騎士様を夢見る事はあったけど、まさかわたしも救う側になるなんてね」
 と言いながらイーディス・レヴェリー(色褪せた翼・g00391)が、ファニーサイスの足を挟んで晶の反対側へと飛び込んでくる。
 イーディスの操る人形『灰燼の騎士』の持つ灰色の大剣『灰被り』が、主の与える羽の熱によって灰が爆ぜてガラスの剣に変わる。
「──さぁ、取り戻すわよ」
 関節に灰を詰められて動きを阻害されたヒビの入ったファニーサイスの足めがけ、『灰被り』が振り下ろされる。ぬるりと高温でまるでバターのように切り落とされる足ひとつ。
「アッ! やってくれたネ!」
 ファニーサイスは言うも、身にまとった瓦礫で自分を支えるための代理足を形成する。足に使った分、少しファニーサイス自身の身体が縮んだ。
 だがこの新しい足には鎌がもうついておらず、ただの支柱だ。
「うーん。見るに堪えないね。合体は良いけれど、こうも無秩序にくっつくのは少々醜悪だよ」
 醜悪なキメラ状の足を生やしたファニーサイスを見て、八百陣・葵漆(勝利こそが正義・g01007)はため息を吐く。
「移動を封じるのは、古来から有力な軍略さ。『足止めの軍略』、発動だ」
 周囲に穴や罠を大量に設置し、葵漆はファニーサイスの動きを阻害する。
 ぶんぶんと振り回される反撃の鎌だが、罠によってファニーサイスは上手く動けず、葵漆は射程外に退いた後だ。
「完全に動きを封じられずとも、ある程度行動阻害出来れば攻撃のチャンスが出来るはずだ。今だよ」
 葵漆が呼びかけると、フェルト・ユメノアール(夢を追う道化師・g00275)はファニーサイスの巨体めがけて弾丸のように全力で走っていく。
「笑顔は人を幸せにするもの。人を傷つける笑顔なんてボクは認めないよ!」
 腕輪からアンカーを射出し、ファニーサイスの身体に引っ掛けると、アンカーについたワイヤーを巻き上げてフェルトはファニーサイスの上へと乗り移った。
 ファンシーな色だが爆裂する恐ろしい独楽でファニーサイスを翻弄しながら、そのままフェルトは巨体の上を駆け回り、隙を伺う。
 フェルトの狙いに気づいたレオンハルト・アストレイア(過去を望む悪魔モドキ・g03365)は、撹乱作戦で彼女を支援することにした。
「歪められたものとはいえ、歴史を変えるって不思議な気分っすね。こんなこと言うのは不謹慎ですけど、オレ今、すごくワクワクしてるっすよ!」
 と胸躍らせつつも、レオンハルトはあくまで冷静、フェイントのためにフェルトのいる場所とは反対側をめがけ、
「其は彼の者の影法師、死を招くもうひとりの自分」
 影法師のファニーサイスを生み出して鎌で切りつけさせた。
「エッ!?」
 驚きビカビカ光るファニーサイスには確実に隙が生まれている。
「ううう~! 多少のダメージは覚悟の上っす!」
 狂乱めいた恐怖に耐えながらもレオンハルトは、フェルトを見やる。
 フェルトも、レオンハルトが作ってくれたチャンスを逃さなかった。
「さあ、行くよ! ボクはSCクラウンジェスターを召喚!」
 腕のサモンディスクから、フェルトは一枚の召喚札をドロー。
 天を衝く勢いで高々と掲げ、その札に秘められた仮面道化師を召喚する。
「変幻自在の奇術師よ! その歓声に答え、鮮やかに舞台を彩れ! 現れろ! SCクラウンジェスター!」
 召喚に応えて飛び出した帽子に王冠を載せたピエロが空中に魔法陣を描く。
「SCクラウンジェスター! 全力魔法だ!」
 フェルトの指示と同時に、ファニーサイスのにこにこした顔めがけ、魔法陣から光り輝く弾雨が降り注ぐ。
 ファニーサイスは体を揺すってフェルトを落とし、ぶんぶんと鎌を振りながら周囲を見回す。
 すると、もうサンソン式弾頭人形は居ないようで、ディアボロス達が断頭台めがけて走っていくところであった。
「ってアレ? もう人形いないノ? いつの間に? もー、役立たずだナー。やっぱボクだけで十分だネ」
苦戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

無堂・理央
史実ではありえない、マリーアントワネットの救出。
それがどう転ぶか分からないけど、やるからには全力だね!


無双馬『クロフサ』に騎乗して、クロフサにはパラドクスの力で空中を駆けて貰うよ。
相手はジェネラル級になったと豪語するけど、それならそれでこれからの戦いの目安になるだけ。
ジェネラル級を、最後には断片の王を倒すのがボク等の目標だからね!

空中を駆けて、馬上槍によるランスチャージ!
ここまでデカいと上空を取れるか怪しいし、上とか横とか関係なく駆け抜け、貫くよ!
鎌で迎撃してくるだろうけど怯みはしない!
むしろ、更に速度を上げて鎌に捉えられる前に敵を貫き、駆け抜けるだけ!!


トバリ・ナイトライト
これはまあ、随分と大きい相手ですね。
しかし臆するわけにはいきません。
必ず勝って、王妃を救出いたしましょう!

「ダンスなら僕も得意なのですが……あなたとはご遠慮いたしましょう」

UranusGlintを用いて【飛翔】し、敵を中心に旋回するよう飛び回りながら、挑発を行います。
敵からあえて目立つように行動することで、地上の仲間への意識を逸したりすることもできるはず。
相手からの鎌攻撃は立体的な機動によって回避しつつ、
僕自身も加速をつけながらナイフを使った一撃離脱攻撃を繰り返し、相手を消耗させてゆきます。

「張り付いたような笑顔ほど、嘘っぽいものはありませんね」
狂気の笑みを消し去ってみせましょう!


シル・ウィンディア
王妃様を助けるために、ここは踏ん張らないとねっ!
…命を奪うなら、奪われる覚悟あるってことだよね
それじゃ、もらいに行くよっ!!

強い相手だからこそ、基本に忠実にだね

世界樹のをtype.Cのモードにして、誘導弾で攻撃
ダメージが行かないのはわかってる
目的は味方の援護だからっ!

敵の武器を狙って、誘導弾での吹き飛ばしを試みるね
武器の軌道を逸らせたら、当たらないと思うしね

ところどころ、高速詠唱の精霊収束砲も混ぜて攻撃していくね
その中でも、敵の動きには気を払って、癖や隙を見つけるね

隙ができたら…
高速詠唱でこちらの隙を極限までに減らしてから
全力魔法の精霊収束砲っ!

これが、わたしの限界突破の一撃だーっ!!


大角豆・茜
マリー・アントワネット。本来あるべき、彼女の末路って確か……
うぅん、今はそんな事、どうでも良い。あいつらの目論見を阻止して、助けが必要な人を助ける。それだけだよ。

うーん、大きい……思っていたよりも手強そう。とりあえず正面切って戦わず、皆のサポート中心で立ち回るよ。
断頭台での処刑に拘ってるみたいだから、戦闘中に断頭台から離れたら『刻縛囚鎖』の高温の炎で動きを封じて処刑させないようにしつつ、じわじわと体力を削ることで長期戦に備える。
それでも仕掛けてくる相手の攻撃は、他の人が残した移動系の残留効果を利用しつつ積極的に動き回って【撹乱】、避けられない攻撃は防御系の残留効果と「刻継」での切り払いで凌ぐ。


一・ノラ
随分硬そうな相手だからね
他の連中が断頭人形を殲滅している間足止めに回っておこうか

敵が接近戦を仕掛けてくるなら
アタシも蹴りで対抗しよう
巨体からのリーチは脅威だけど
逆手にとって鎌を掻い潜るように肉薄
銃撃でのフェイント交えつつ全力で蹴りつける
やかましい奴は嫌いだ、さっさとそこを退きな!

挑発混じりの怒声の裏では
冷静に理解している
アタシ如きが最後まで立ち続けていられる程、ヤワな相手じゃないってことを
だから、そうだね
アタシより力量のある復讐者が落とされそうな局面で【ディフェンス】を試みよう

勿論タダでやられてやるつもりは無いよ
道を譲るのは大嫌いだけどね
最終的にアンタを殺せれば
それはアタシ達の勝ちってこと


結島・詩葉芭
「……いきましょう」
無双馬に乗ってファニーサイスの顔が見え難い、体の下~足元を中心に素早く移動
馬上槍でガンガン突きながら、顔を避けるよう陰になる位置へ駆け邪魔をします

首が長いようですが、わたしを見ようとすれば
体を大きく傾けなければいけないはずです

身を屈めて来たところ、または攻撃にされされる直前に技を発動
生える大きな葉っぱで笑顔を遮りながら
蔓草で不格好な姿勢をそのまま縛り上げ固定します
「次の人につづく、一手になればいいのです」

※話すセリフは基本ひらがな。漢字は画数の少ないものまで、です。


カルン・ティミド
お偉い様の救出ですね!
しっかり助けて王妃様の財宝…じゃなくて情報を貰いましょう。

ひいい…絶対殺すって感じの見た目ですね…。
あんなのに切られたら死んじゃうのでロプト様お願いします!守ってください!
ロプト様に憑依してもらってでっかくなった体と耐久力を生かして立ち回ります。
怖いですが…財…救助のためです!自分を欲望ぱわーで奮い立たせますよ!
鎌を尻尾で受け止めて、爪や牙も使ってがっつりホールドしにいきます
頑張って止めてるうちに皆で思いっきりぶっ壊しちゃってください!(他力本願)


トロワ・パルティシオン
ガラクタの寄せ集め、というには手強そうだね。だけど勝つのは僕達だ。

相手がまき散らす恐怖を利用しよう。
リトルオーケストラ、自動演奏開始。
『朝の目覚め』で自分や仲間達、王妃の心を癒そうか。
そして行き場を無くした負の感情は、フューリーズバレルの弾丸となる。
君が振りまいた恐怖も、王妃が感じた絶望も……君自身で味わうといいさ!

生成された弾丸は二発。一発はフェイントに使おう。
これが反撃の一撃という体で撃ち込み、防がれたら悔しそうな演技だ。
そして機会を伺い、最高のタイミングでもう一発をあの無機質な笑顔に叩き込もうじゃないか。
言っただろう?君自身で味わうといいってね。

笑顔は君には似合わない。似合うのは――。


●巨人殺し~断頭台が壊れるまで
 冷桜がファニーサイスから距離を取るなり、無双馬『クロフサ』にまたがる無堂・理央(現代の騎兵?娘・g00846)は空から、自称ジェネラル級のクロノヴェーダへと突貫する。
「史実ではありえない、マリーアントワネットの救出。それがどう転ぶか分からないけど、やるからには全力だね! 天を駆けるよ!」
 ジェネラル級、果ては断片の王を倒すがディアボロスの目標。ならばファニーサイスを試金石にするだけのこと。
 理央は馬上槍を握り直し、ファニーサイスへと突き刺した。
 ひゅうんと風をきって、巨大な鎌がクロフサごと理央を切断しようとする。
「速度をあげて、クロフサ!」
 ひるまずに駆け抜けることでなんとか理央達は一刀両断を避けるも、巨大すぎる鎌の切っ先が理央を突く。
 衝撃と痛みで落馬しかけるのを、なんとかクロフサの首にかじりついて、理央は耐えた。
 理央と同じくらいの高度を保ち、闇色の翼を広げてトバリ・ナイトライト(透明の黄昏・g00064)はファニーサイスの周囲を飛び回る。
「ダンスなら僕も得意なのですが……あなたとはご遠慮いたしましょう」
 きらきらぱちぱちと闇色の翼から星屑のような閃光が放たれ、まるで翼の色も相まって夜空のよう。
「この偽りの星空があなたの最期に見る光景」
 閃光をまといながらトバリは腕輪からナイフを飛び出させ、ファニーサイスに突き刺した。
 反撃の斬撃の嵐を、なんとか高速の乱高下で避けつつトバリは第二撃の隙を窺う。
 仲間たちが断頭台に拘束されたマリーにたどり着き、開放しようとしているのを見て、シル・ウィンディア(虹色の精霊術士・g01415)は奮起する。
「王妃様を助けるために、ここは踏ん張らないとねっ!」
 無数の誘導弾を杖から放ち、目くらましを試みる。パラドクスではない誘導弾では、ダメージが与えられないことはシルも百も承知だ。
 シルの目的はファニーサイスの注意を、断頭台から引き剥がす。その一点だけである。
「……いきましょう」
 シルが注意を引いている間に、結島・詩葉芭(インセクティアの神算軍師・g02796)は無双馬に飛び乗り、ファニーサイスの足元へと進む。
 ビカビカと光る恐慌をもたらすクロノヴェーダの顔が、少しでも視界から外れるようにと詩葉芭は位置取りに注力する。
「……のびます」
 ここぞ、というタイミングで発動させたのは園芸魔法。光る蔓草がにょいにょいと元気に伸びて、がらくたで着膨れたファニーサイスの身体に絡みついていく。
 蔓草の大きな葉で光を遮ろうと詩葉芭は草の陰へと隠れるが、葉では完全に遮蔽できない恐慌光が詩葉芭の眼窩から脳髄を貫いて感情を冒した。
「うーん、思っていたよりも手強そう」
 周囲の苦戦ぶりをみて、大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)は唸る。
 マリー・アントワネットの正史での末路も処刑だということが脳裏によぎるが、茜は首を振って邪念を払う。
「うぅん、今はそんな事、どうでも良い。あいつらの目論見を阻止して、助けが必要な人を助ける。それだけだよ」
 強敵相手に正面突破は難しい。茜は紫色の呪炎を手に生み出し、鎖へと変えてファニーサイスへと投擲した。
「絶対に、逃さないよ……!」
 蔓草とともにファニーサイスを戒める炎鎖が、ファニーサイスの活動力を奪っていく。
 しかしファニーサイスはあざ笑いながらその身を振るった。ぶちりとあっけなく蔓草と炎鎖が切れて落ちる。
「お返しだヨー!」
 茜を上下に切り離そうと大きな鎌が、ブゥンと豪快に横薙ぎに振られる。茜は身を引き、呪刀『刻継』で弾こうとするも、間一髪両断は避けたが刀ごと押し込まれ、ざくりと腹の皮が裂けて血が溢れた。
「お偉い様の救出ですね! しっかり助けて王妃様の財宝……じゃなくて情報を貰いましょう」
 と尻尾を揺らすカルン・ティミド(略奪竜カルン・g00001)だが、ファニーサイスの強大さにおののく。
「ひぃい、あんなのに切られたら死んじゃうのでロプト様お願いします! 守ってください!」
 カルンがジンを呼ぶと、ロプト様と呼ばれたジンはカルンに憑依し、顕現した。
「あんまり体はいじらないでください…!」
 カルンの身体が揺らぎ、竜と呼べるほどに大きくなっていく。
「怖いですが……財……救助のためです!」
 ブンと振り落とされた鎌をカルンは刃のようになった尾で受け止める。そのまま爪を立て、噛み付いてに鎌をしっかりと抱き込んだ。
「わー離れてヨ! 落ちロ、落ちロォ」
 ぶんぶんと振り回されながらも、カルンは必死に鎌に抱きつく。刃で彼女の漆黒の肌が切れて血が垂れる。それでもジンの力で手に入れた耐久力を信じてカルンは耐えた。
「頑張って止めてるうちに皆で思いっきりぶっ壊しちゃってくださいー!」
「わかった! 任せてっ!」
 シルは高速で詠唱し、魔力を全て魔力銃モードの世界樹の翼『ユグドラシル・ウィング』type.Cに注ぎ込む。
「闇夜を照らす炎よ、命育む水よ、悠久を舞う風よ、母なる大地よ…。混じりて力となり、全てを撃ち抜きし光となれっ!! これが、わたしの限界突破の一撃だーっ!!」
 青白い魔力翼を広げ、シルは銃口から火・水・風・土の属性エネルギーを収束されて一気に放った。
 ドウッと凄まじい勢いで青白く太い光がファニーサイスをぶち抜く。
 だが彼の真ん中ではなかった。仲間の残骸をまとってぶくぶくと膨れていた部分が吹き飛ばされて、スリムになったファニーサイス。
「あーあ、おしゃれだったのにナ。ゆーるさーなーいゾ」
 ビカアッと光る恐怖の顔に、シルの身体が蛇に睨まれた蛙のように硬直する。
「うひゃあー! もう限界ですロプト様ー!」
「シネー!」
 しがみついていたカルンをとうとう振り飛ばしてフリーの巨大な鎌が、動けないシルめがけて落ちてくる。
 シルは思わず目をつぶるも、衝撃は来ず、おそるおそる目を開いた。
 目の前には血まみれの一・ノラ(ひとひら・g00034)がいた。
「やかましい奴は嫌いだ、さっさとそこを退きな!」
 ノラの肢体を裂いて地面に突き刺さった鎌めがけ、ノラは膝を曲げて足を振り上げると押しのけるように鎌の背を全体重をかけて前へ蹴った。
 いわゆるケンカキックである。
 ノラの蹴りで、ずざりと鎌ごと押されるようにファニーサイスが後退する。
「ありがとう!」
 シルが礼を言うと、血を手の甲で拭い、ノラは血を払うように手を振って『構わない』を示す。
 ノラが一番理解している。こんな攻撃を何度も受ければ死んでしまうと。
(「アタシ如きが最後まで立ち続けていられる程、ヤワな相手じゃない」)
 でもね、とノラは不敵に笑った。
「勿論タダでやられてやるつもりは無いよ。道を譲るのは大嫌いだけどね。最終的にアンタを殺せれば、それはアタシ達の勝ちってこと」
「君の言うとおりだ。相手は……ガラクタの寄せ集め、というには手強そうだね。だけど勝つのは僕達だ」
 ノラの前に出たトロワ・パルティシオン(迷子のコッペリア・g02982)はそう言うと、どこへともなく呼びかける。
「開演の時間だよ。タイトルは、パラドクス・ズヴェリャート」
 音源の場所は分からねど、軽快な音楽が戦場に流れていく。人々の不安や焦燥を鎮めるように。
 周囲の人々の鎮められたマイナス感情は、トロワのリボルバー銃『フューリーズバレル』に弾丸となってこめられた。
「君が振りまいた恐怖も、王妃が感じた絶望も……君自身で味わうといいさ!」
 トロワは銃口をクロノヴェーダへ向ける。
 撃った弾をファニーサイスはニコニコとはたき落とす。トロワの顔が悔しげに歪むと、刻まれて変わらぬはずのファニーサイスのUの組み合わせでできたような笑顔が強まった気がした。
「残念だったネ!」
 ビカリと強く輝く恐怖の光めがけ、最後の弾丸は放たれた。
「笑顔は君には似合わない。似合うのは――」
 爆ぜる弾丸、ファニーサイスの驚く声。
 ファニーサイスは弾丸に驚いただけではなかった。いつの間にか王妃が逃げ出し、断頭台が破壊されているという現状に最も驚いていた。
「モギャー! なんで走ってるんだヨ、マリー・アントワネットォ! おとなしく断頭台にいろヨ! あーもー! こーなったらコロス!!! しか無いネ! 断頭台はもうないけど、しょうがないヨネ!」
 そう言って、ファニーサイスは今まで戦っていたディアボロスなどそっちのけで、マリー・アントワネットを追いかけていく。
 四本あった鎌状の足の一つは今やがらくたの寄せ集めのような支柱だが、なかなかどうして彼の動きは高速だ。
「あっ、この! 逃げるな!!」
 理央が叫ぶも、もちろんファニーサイスの足が止まることはない。
苦戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

黄泉王・唯妃
【奴崎組】
※アドリブ&連携歓迎
残留効果2があれば全部使用。

王妃の救出は他に任せるとして人数が必要なのはあのデカブツですかね。

ダメージを与えることを重視せず、他の復讐者への補助として立ち回ります。
【早業】で周囲に糸を搦め【捕縛】で相手の動きを阻害しましょう。
強度主体の糸なら相手の膂力や斬撃にも効果があるでしょう。
ついでに【トラップ生成】で落とし穴をいくつか用意しておけばあの多脚ならあっさり踏み抜くでしょうし、更に妨害を重ねましょう。

「図分と不格好な姿ですこと……。貴方達のような存在に美醜を問うのも馬鹿らしいですけど、それが其方の望んだ姿なのでしたら歪すぎて逆に可笑しくなってしまいますよ」


樹・春一
【奴崎組】
ふえー大きい
大きいには憧れますが、あそこまでいくとちょっと違うかなーっていうか
ちょっとした怪獣ってところですかね!
それにしては冒涜的な見た目ですが!

普通に殴ったくらいじゃびくともしなさそうな大きさです。全力魔法と風使いの力で体勢を崩させていただきましょう!
四つ足なので安定感はありそうですが! こちらにだって仲間がおります!
ぶんぶん振り回してやりましょう! リューロボロスさん!

おっと風だけじゃありませんよ! 斬撃だって得意なものです! まあ風ですけども!
その大きなボディに対してはちょっとしたものかもしれませんが
ちょっとしたものに気を取られると、もっと大きなものを見逃すかもしれませんよ?


ア・ンデレ
【奴崎組】と協力して戦闘を行う。
「アンデレちゃん、つっこんでくよ!」

アンデレは魔骸連刃により、10本の指から刃を出現させる。
アンデレは走ってファニーサイスに向かう。
爪のように伸びた、10本の刃を使い、ひたすら連続攻撃をしかける。
ファニーサイスがクロノヴェーダを吸収し、くっついた手足や翼などを削ぎ落とすようにして攻撃していく。

「ジェネラルきゅうにひってきするちから? これが?
 わらっちゃうね。
 ほんもののジェネラルきゅうは、こんなよわっちくなかったよ。」


グレン・ゲンジ
【奴崎組】
マリー王女ォォォ!助けに来たぜーッ!!
もうちょっと待っててくれ!すぐにそこのデカブツと兵隊をブチのめすからな!

何がパンタグリュエルだコラァ!汚えオイルが漏れるまで殴って、パンダみてーに白黒にしてやるぜ!

どデカいメカ脚!当たれば死ぬが、ありきたりな技だぜ!避けながら攻撃する作戦で行くか!
仲間の起こした風に乗って飛翔だ!ブーメランみてーに曲がる軌道で突っ込んで、大金棒でぶっ叩くぜ!!念動力のたっぷり籠もった一撃を食らって、体勢を崩せこのアホ人形コラァ!!

…マリー王女は、結局、処刑されて、死ぬ。俺だって知ってる。
だが、彼女はな…お前なんかをヘラヘラ笑わせるために生きてるんじゃねえんだよ!


リューロボロス・リンドラゴ
【奴崎組】
絶望は足を止める。
であれば我らの勇姿を見せることこそが王妃の希望へと繋がろう!

踊るように、高速で、か。
ならば我は飛翔しての【一撃離脱】よ!
巨体相手では【吹き飛ばし】とはいかぬかもしれぬが我が【風使い】の力、春一と合わせれば体勢崩しや向かい風によるブレーキとなろう。
くかかか!
ああ、確かに、関羽には程遠いわ!
挑発による動きの単調化狙いでもあるが、本音だぞ?
それに、だ。
速度も、踊るような動きも、残像さえも、ぬしが絡め取ってくれるであろう、唯妃よ!

最終人類史では王妃は幼子の母であった。
彼女がどうか分からぬが、我が助けに行くのはそれだけで十分よ。
我こそは龍、我こそはドラゴン。
幼子達の復讐者也!


湯上・雪華
【奴崎組】
アドリブ、連携大歓迎

一つの節目、運命の転機、なら思いっきり暴れようか。
この伽藍満たす闘争を。

組の皆と連携して戦うよ。
リューちゃんと春一さんが空から仕掛けるなら、下から行こう。
素早く動くのは得意だし、削ぎ落とせば他の人がやりやすくなるでしょ?
なのでヒットアンドアウェイ方式で!
誰か一人に攻撃が集中しそうならナイフを投擲。
ねぇ、ボクと遊ぼうよ!
その大きな躰、邪魔じゃない?
皆が畳み掛けるタイミングでパラドクス使用。ボクの片割れ、起きて。一緒に踊ろう。
格上相手だろうと関係ない。すべて喰らい尽くす。


エレオノーラ・アーベントロート
【奴崎組】
〇【奴崎組】のPOWパラドクス使用する方をディフェンス

あらあら、分際というものを存じませんの?
脳みその入っていないガラクタですし、仕方ありませんわね、うふふ。

元々が拠点防衛用のこのフェアレーター、この程度の大きさのガラクタに引けは取りませんわ。
前衛を他の仲間に任せ、後衛から「第二十五の魔弾【狂愛】」による「砲撃」で着実にダメージを重ねていきますわ。
敵の攻撃が仲間に向きそうであればその振り下ろされる脚目掛けて【狂愛】の「誘導弾」を撃ち込むことでディフェンスしましょう。

こちらに攻撃が向いたら【飛翔】で加速し、ファニーサイスの足元をくぐって回り込むことで視界から外れつつ回避しますわ。


廻間・優磨
【奴崎組】
「ぶっちゃけた話アントワネットを見てみたいだけだが・・・だからこそ死なれちゃ困るな!」
「マリー・アントワネットの写真撮りたいんだよ。処刑されて生首の写真なんか撮れるわけ無いだろ!?」
クソ人形バラバラにしてやる!
パラドクス「アイアンレイン」でありったけの武器爆薬をクロノヴェーダに喰らわせる。

これで接近戦を挑む仲間の援護になれば・・・もし人形のパーツが落ちればコレクションとして回収します


アドリブ連携大歓迎


クィト・メリトモナカアイス
【奴崎組】

やっほー。助けに来た。
そろそろ本当に助かってくれると我も嬉しい。

じぇねらる級。あのおひげの虫と同じ……ほんとかな?

接近してくるのならこっちも黄金猫拳打棒で戦う。
「天に坐すは二つ国の庇護者」。ファニーサイスと同じようにくるくると踊るような動きを取り、鎌の振り回しを黄金猫拳打棒で受け流す。
動きが気持ち悪い。
今日の我は親切。お手本を見せてあげる。

そのままの動きでさらに接近し、こっちの武器の間合いへ踏み込む。
踏み込んだら黄金猫拳打棒による「連撃」。攻撃を受け流しながらの攻防一体の動きでひたすら殴る。

んむ。あのおひげの虫の方がやっぱり強かった。


小鳥遊・英
あれが、マリーアントワネット……
ゲームやら漫画やらで散々美少女にされたのを見ましたが
なるほど、本物も可愛いですね

彼女に声が届くかはわかりませんが、大丈夫だよ、と
たくさんのディアボロスが居るからと伝えたい
あ、声が届かないならホログラムウィンドウを展開すればよいのでは?
天才的発想でござった
他にも応援メッセージを頂きましたゆえ、そんな醜悪なクロノヴェーダよりこっちを見て少しでも安心していただきたく

さて、と
自分は前でドンパチできない性格なので
裏から手を回しますね
ウィンドウとコンソールを展開して、電脳魔術を発動
さ、みなさんがんばってくだされ!

【奴崎組】所属ですが、ご一緒出来なくても頑張りますよっと


奴崎・娑婆蔵
【奴崎組】
●POW


ジェネラル級だァ?
言うじゃァありやせんか

手前拝見
その力、どんなモンか見せて貰いやしょうか
負けた方が八ツ裂きでさァ


・『火車』をカッ飛ばし、敵足元直下を掻い潜るように立ち回る

・通り過ぎざま『ダイダロスベルト』を伸ばし放つ(オーラ操作)
・脚部間へ滅茶苦茶に張り渡し、結わいた所で急激に収縮させる(臨機応変+不意打ち)
・味方の攻勢が畳み掛け易いアングルへ敵をまろばせられでもすれば御の字

・妖刀『トンカラ刀』抜刀、刀身に『影業』をしこたま注ぎ込み長大な刀身を形成
・呼吸を整え、斬りどころを見定め(呼吸法+精神集中)――渾身の【ティアーズリッパー】
・敵巨体を丸ごと、一太刀で斜に懸ける(両断)


ベアトリス・リュウフワ
【奴崎組】
大は小を兼ねる、とはよく言ったものですが……流石にここまでくると下品ですわ。
皆様と手を合わせ、正しい手順を以て廃棄いたしましょう。

『将』を謳うのだから、今までの有象無象よりはお強いのでしょう?
ならば【ダンス】勝負といきましょう。
貴方が踊るような所作でこちらに迫るというのなら、こちらも『舞踊の剣』にて相対いたします。
踊るように周囲を旋回しながら、【斬撃】の【連撃】により随所を斬りつけつつ、来る攻撃に対しては【残像】を残すほどの高速軌道で回避を試みましょう。

高潔の王妃には決して手を出させません。
もし汚さんとするのなら、我が身を割り込ませてでも妨害いたしますわ。


椋井・矢一
【奴崎組】 

愉快そうだな。
ああ、存分に調子に乗ってくれ。
気分が上がれば、その分ドン底に墜ちた時が痛くなる。

敵は強大だ。
だから、上等だ。
叶う限りに特大の敗北をくれてやるよ。

「――応報の時間だ」


行動は味方の援護となるよう意識。
〈挑発〉するかのように『抹殺者の散弾銃』で散発的な射撃を行いつつ、巨躯の足元を〈ダッシュ〉で駆け回り〈撹乱〉。
併せて『復讐者の赫怒〈念動力〉』を用いて敵の体勢を僅かでも崩しにかかる。

「さぁ、そろそろ見下されるのにも飽いてきた」

機を見て、パラドクス【幽鬼の剣】を発動。
繰り出すは〈殺気〉に満ちた〈捨て身の一撃〉。
癪に障る笑みに、嗤いを返す。

「省みろ――今日、転がるのはお前の首だ」


●巨人殺し~クライマックス
 マリー・アントワネットを殺さなければならない。処刑しなければならない。
 ファニーサイスは強迫観念のように命令を遂行せんと、逃げるマリー・アントワネットを追いかけている。
 彼の周囲には、もともと追撃の命を受けた征服人形が、わらわらと王妃たちを追いかけているが、トループス級など信用できないとばかりにファニーサイスは先を急ぐ。
 しかし、王妃に手を伸ばそうとするファニーサイスの前に、ずぅらりとディアボロスが立ちはだかった。奴崎組事務所新宿島本部の面々である。
 直剣でファニーサイスの手を払い、
「高潔の王妃には決して手を出させません」
 ベアトリス・リュウフワ(強欲と傲慢のミルフィーユ・g04591)は凛とそう言って、クロノヴェーダを睨めつけた。
「大は小を兼ねる、とはよく言ったものですが……流石にここまでくると下品ですわ」
(「『将』を謳うのだから、今までの有象無象よりはお強いのでしょう?」)
 周囲の苦戦ぶりは見ている。故にベアトリクスは油断なく直剣を構えた。王妃を汚させるわけにはいかない。
「正しい手順を以て廃棄いたしましょう。……さあ、踊りましょう。その命、尽きるまで――」
 ベアトリクスの情熱的かつ優雅で隙のない舞踏が、複雑な所作故に予測不能な鋭い剣戟が、ファニーサイスの行く手を阻む。
「手前拝見、その力、どんなモンか見せて貰いやしょうか」
 ゆらりと前に出た奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は風火輪『火車』でファニーサイスへと瞬時に迫ると、まずは追い抜きざまにダイダロスベルトという帯を敵の足に絡みつかせた。
 火車を巧みに操って急旋回し、再びファニーサイスに高速で近づきながら、娑婆蔵は妖刀『トンカラ刀』を抜き放ち、足元の影を刀にまとわせて刀身を物干し竿もかくやと伸ばす。
 息を整え、影長刀を振り上げ、娑婆蔵は、
「負けた方が八ツ裂きでさァ。餓鬼道〝刀途〟」
 袈裟懸けにファニーサイスを斬りつけた。
 両断――と思いきや、少し浅かったか、ファニーサイスの装甲のように着膨れていたガラクタがすっかりガラガラと剥がれて落ちるに留まる。
「ごちゃごちゃと……どけヨ!」
 苛立たしげにファニーサイスは鎌の足をダイダロスベルトの妨害などなんのそのと言った様子で、包帯まみれの着流しの男めがけて振り上げた。
 しかしその足は。
「あらあら、分際というものを存じませんの? 脳みその入っていないガラクタですし、仕方ありませんわね、うふふ。【狂愛】解放――」
 魔弾で狙いを娑婆蔵からエレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)へと無理やり変えられてしまう。
「元々が拠点防衛用のこのフェアレーター、この程度の大きさのガラクタに引けは取りませんわ」
 不敵に笑い、エレオノーラは足を受け止めると、鬼人の膂力で取り回す高火力、高耐久、高重量の電磁レールガン『フェアレーター』の魔弾をゼロ距離で撃ち込み、亀裂を入れた。
「絶望は足を止める。であれば我らの勇姿を見せることこそが王妃の希望へと繋がろう!」
 リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)はドラゴニアンの翼を打ち振るい空へと舞い上がる。
「最終人類史では王妃は幼子の母であった。彼女がどうか分からぬが、我が助けに行くのはそれだけで十分よ。我こそは龍、我こそはドラゴン。幼子達の復讐者也!」
 そう名乗り、リューロボロスは竜のオーラをその身にまとう。
「春一!」
 リューロボロスの呼びかけに、
「大きいには憧れますが、あそこまでいくとちょっと違うかなーっていうか。ちょっとした怪獣ってところですかね! ……って言ってる場合じゃなかった、ぶんぶん振り回してやりましょう! リューロボロスさん!」
 シスター服を身にまとうサキュバスの少年こと樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)が応えて、風の魔法で自身を空中へと揚げる。
「神の御加護、感じます! 全力魔法と風使いの力で体勢を崩させていただきましょう!」
 リューロボロスの羽ばたきや、春一の風魔法による向かい風で、ファニーサイスの動きが遅くなる。
「くかかか!」
 笑いながら強襲突撃を試みるリューロボロスめがけ、ファニーサイスの鎌が襲いかかるも、リューロボロスは余裕の表情を浮かべたまま避けようとしない。
「速度も、踊るような動きも、残像さえも、ぬしが絡め取ってくれるであろう、唯妃よ!」
 幼い竜が呼ぶのは、地上の黄泉王・唯妃(灰色の織り手・g01618)。
「図分と不格好な姿ですこと……。貴方達のような存在に美醜を問うのも馬鹿らしいですけど、それが其方の望んだ姿なのでしたら歪すぎて逆に可笑しくなってしまいますよ」
 と言いながら、唯妃が地上に張り巡らせるのは見えないほどに細い細い粘糸。
「さぁ、貴方の生命も運命も絡めとってあげましょう」
 逃げるマリー・アントワネットに焦るファニーサイスは不注意にも足を取られて、リューロボロスへの鎌をスカッと空振りした。
 『絲妃』による粘着質の糸から逃れようともがくクロノヴェーダは、唯妃が仕掛けた落とし穴トラップに足を取られ、動きが止まる。
「リューちゃんと春一さんが空から仕掛けるなら、下から行こう」
 この好機に畳み掛けるため、湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)が敵の足元に走り寄る。
「一つの節目、運命の転機、なら思いっきり暴れようか。この伽藍満たす闘争を」
 人形遣いの雪華は青いドレスの人形を正しい手順で呼んだ。
「ボクの片割れ、起きて。一緒に踊ろう」
 自律運動する人形『私の片割れ』が、エレオノーラが亀裂をいれたファニーサイスの足へと躍りかかる。
 人形の連撃に二本目の足が折れ、再びキメラの支柱に代わった。
「マリー王女ォォォ! もうちょっと待っててくれ! すぐにそこのデカブツと兵隊をブチのめすからな! 何がパンタグリュエルだコラァ! 汚えオイルが漏れるまで殴って、パンダみてーに白黒にしてやるぜ!」
 鼓膜が割れるほどの大声で怒鳴りながらグレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)は飛び上がり、赤い翼を広げて春一の起こしている強風に乗った。
 彼がバットよろしく握っているのは大金棒。とにかく当たるととっても痛そう。
「このアホ人形コラァ!!」
 娑婆蔵がガラクタの鎧を切り落としたため、顕になったファニーサイスの胴めがけ、グレンが振り抜く大金棒。痛烈な当たりでホームラン! とはさすがにいかないが、ファニーサイスがくの字に曲がって堪らずよろめく。
「何すんだヨ! 落ちロ!」
 ファニーサイスの足がデコピンするかのように、グレンを弾き飛ばした。
「ぐおおおおおお!」
 ぐるぐると螺旋を描いてグレンが吹っ飛んでいく。
 吹っ飛びながら、グレンは思った。
「マリー王女は、結局、処刑されて、死ぬ。俺だって知ってる。だが、彼女はな……お前なんかをヘラヘラ笑わせるために生きてるんじゃねえんだよ!」
 地に叩きつけられたが、グレンはめげずに起き上がり、再び大金棒を担いで果敢にファニーサイスへと向かうのだった。
「クソ人形バラバラにしてやる」
 廻間・優磨(キルモンガー・g05186)がばら撒くのは、小さめの爆発性や焼夷性を有する弾丸、ナパーム、毒ガスに毒性のある弾頭などの非人道的な武器弾薬ばかり。
「これ等の武装に一切の非人道性はありません!」
 そう、だって自動人形は人間ではないので、問題ない。人間に使用するなら大問題だが、相手はクロノヴェーダなので一切の問題はない。問題はない。
「ぶっちゃけた話アントワネットを見てみたいだけだが……だからこそ死なれちゃ困るな!」
 優磨には優磨なりの事情があるのだ。
 毒ガスの靄を切り裂くように彼めがけてまた足が落ちてくるが、ふたたびエレオノーラが誘導弾で無理やり狙いを自分へと変えることで仲間を守り、ついでにお代わりのフェアレーターによるゼロ距離射撃をお見舞いする。
 優磨が人道的武装群掃射で注意を引いている間、
「アンデレちゃん、つっこんでくよ!」
 ア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)が間髪入れず、十指に刃を生やし、ファニーサイスに突っ込んでいく。
 狙うは、キメラ状の支柱のような足だ。アはさくさくとクロノヴェーダの残骸を削ぐように切り落としていく。
 がこんとファニーサイスが支柱を失って傾いた。
 さて二本目の支柱も同じく、とアが方向転換した途端、やめろとばかりに他の足がアを裂く。
 背中の肉が露出するほどに切られて地に倒れながらも、アは強気に自動人形へ言い返した。
「ジェネラルきゅうにひってきするちから? これが? わらっちゃうね。ほんもののジェネラルきゅうは、こんなよわっちくなかったよ」
 走り去っていくマリー・アントワネット達を見て、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は、創作物で美少女にされてきただけあって本物も可愛いと思う。
「彼女にこう……なにか大丈夫だよと伝えるすべがあるといいのですが……」
 お、となにか思いついた様子の英は、ぽんと手を打った。
「あ、声が届かないならホログラムウィンドウを展開すればよいのでは? 天才的発想でござった」
 ワールドハッカーらしく、ウィンドウとコンソールを展開して電脳魔術で、英は自分の頭上に、サイネージよろしく光る応援のメッセージを流す。
「醜悪なクロノヴェーダよりこっちを見て少しでも安心していただきたく」
 王妃が後ろを振り返って追手におののくのであれば、こちらの応援が目に入るほうがいいだろうと英はホログラムの位置を調整するのだった。
「ア? なんか光らせてるネ? さてはボクをバカにしてるネ?!」
 ホログラムメッセージを見て、怒り狂ったファニーサイスが英に迫ってくる。アに削られて支柱ふくめても三本足かつ追い風も受けている満身創痍のため、のたのたとしているが、確実に迫ってくる。
「わああー! 自分は前でドンパチできない性格なので! みなさんがんばってくだされ!」
 英が悲鳴を上げると、ファニーサイスと英の間に飛び込むリターナーの少女。
「そろそろ本当に助かってくれると我も嬉しい。じぇねらる級。あのおひげの虫と同じ……ほんとかな?」
 クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は首を傾げ、純金製の鈍器『黄金猫拳打棒』を構えた。先端が肉球の形をしていて、殴ればおのずから猫パンチになるという逸品である。
 がしょがしょと激しく足を動かし、鎌を振るうファニーサイスを見て、クィトは言う。
「動きが気持ち悪い。今日の我は親切。お手本を見せてあげる。我が守る」
 くるりくるり黄金猫拳打棒を回しながら、クィトは滑り込むようにファニーサイスの懐に入って、何度もキメラの義足を鈍器で殴りつけた。
 『天に坐すは二つ国の庇護者』は敵の攻撃を棒で受け流す技だが、敵もさるもの受け流しきれず、クィトも無傷ではいられない。
 相手をおひげの虫より弱かったと評したいクィトだが、全身に切り傷を負っているので、やせ我慢にしか聞こえないだろう。
 しかし、二本目の支柱もクィトに砕かれ、ファニーサイスは遂にバランスを失った。
 それでも尺取り虫のように足を動かして這いずってでも、王妃めがけて進もうとする諦めの悪いファニーサイス。
「アークソクソ! さっさとどけヨ! 王妃が逃げちゃうヨ」
「さぁ、そろそろ見下されるのにも飽いてきた――応報の時間だ」
 ハットを押さえた椋井・矢一(マグマ・g04848)が、足二本失ってもまだ巨大なファニーサイスの前に立つ。
「おーほーダァ?」
 ファニーサイスが鎌を振り上げる。
 矢一は復讐の意思を練り上げ、暗黒剣に変える。
「叶う限りに特大の敗北をくれてやるよ。――死を恐れず、闇に怯えず、此処に願いの剣を握る。思い知らせてやる、暗き心の剣で以て――!」
 見上げれば、ファニーサイスの貼り付いた『癪に障る笑み』。故に矢一も嗤ってやる。
「省みろ――今日、転がるのはお前の首だ」
 矢一は言うなり、地を蹴る。取り付いたファニーサイスの体躯をガラクタを足場に駆ける。春一やリューロボロスの起こす追い風が矢一の背を押し上げる。
 そして、登りついた鈍い銀色の首めがけ、矢一は暗黒剣をもって『ファニーサイスの生存を否定した』。
 流れるような連携が、遂にパンタグリュエル化したファニーサイスに引導を渡したのだ。
 ファニーサイスの今際の際に放たれた反撃の鎌が、防御を捨てて特攻した無防備な矢一の身体を切り裂くが、しかしファニーサイスは、矢一の宣言通りにあの忌まわしき恐慌の首を地へと落とし、動かなくなり、ぼろぼろと取り込んでいたガラクタを崩しながら、倒れ込む。
「ジェネラル級だァ? 言うじゃァありやせんか」
 スクラップにしか見えないファニーサイスの遺骸を見やり、娑婆蔵が呟く。
「奴崎組の敵じゃァありやせんでしたねィ」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
【活性治癒】がLV3になった!
【壁歩き】LV3が発生!
【動物の友】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【リザレクション】LV1が発生!

飛鳥・遊里
ここからだ。ここでしくじったらすべてがご破算になる

【自己鍛造弾・氷雪結界】を起動。マイクロカメラドローンを飛ばして、敵の集中しているところを確認、そこを中心に展開範囲を広げる

結界を迂回していくなら時間稼ぎになるし、突っ切ってくるならダメージを与えられる。例え撃ち漏らしても、手負いにしておけば他の仲間が楽になるだろう。【信号拳銃】の閃光弾、煙幕弾もフルに使って連中を押しとどめる

俺は囮と結界維持のためにあえて奴らの前に姿をさらし続ける。ここは無理のしどころだ。【シールドビット・デバイス】総動員でなんとしてもしのぎ切る、例え倒れようともな

『この場は引き受けた。王妃、みんな、無事でたどり着いてくれよ』


フェルト・ユメノアール
ファニーサイスは倒した!
あとはマリーくんを逃がすだけだね!

まずありったけのワンダースモークを周囲にばら撒いて煙幕を張る事で敵の射撃攻撃を妨害
でも、それだけじゃないよ!
お楽しみはこれからだ!ボクはSCドッペルシャドーを召喚!
シャドーにはマリーくんの姿に変身してもらって敵を攪乱、注意を引き付け
ボクはその間をダッシュで駆け抜けながら煙に紛れて奇襲を仕掛けるよ

敵の死角からトリックスターを投擲して怯んだ隙に一気に接近
反撃を躱す意味でも一度ステップでフェイントをいれ、すれ違い様にガードの薄い所に斬撃を加えて撃破する
敵を倒しきれなかったり複数の敵に狙われた時は再度煙幕に身を隠してヒット&アウェイを心掛けるよ


メルキディア・セデクリエル
連携アドリブ大歓迎

漸くファニーサイスか倒れた。後はマリー王妃を逃がすだけ!

王妃様、私達が守ってみせます。
今は守護天使の加護があるのですから!

壁閃機ベイルマウアーを持って文字通り王妃の最後の盾となって護衛。
(マリー王妃をディフェンス対象に)
撤退しながらフォートレス・パンツァーによる城壁を後ろに形成、更に射線を切らせる。

城壁のバリアに当たった銃弾はバリアバーストで反射させて逆にお見舞いよ!

王妃と話す人達も勿論一緒にディフェンス対象よ。

これで人形達の重要な儀式を一つ潰せて、私達ディアボロスにとっては大きな反撃の一歩となる。
どんな変化が待っていようと私達は止まらないわよ。


白臼・早苗
もうひと踏ん張り、だね
ここまで来たんだから、残党なんかに手出しはさせない

【降注ぐ玄鳥の嵐】で先手を取って攻撃をしかけるよ
とにかく数が多いし、何よりマリーさんを傷つけさせないのが最優先
手数には手数で対応して、攻撃される前に動きを潰していこう
ここまでみんな激戦だっただろうけど、本当にもうひと踏ん張り
全力を出し切ってこの包囲網を突破しよう……!


●王妃問答
 征服人形たちが群れになって、逃げる王妃を追いかけてくる。
「ここからだ。ここでしくじったらすべてがご破算になる」
 飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)は超小型カメラ付ドローンを飛ばすと、征服人形の固まっている箇所めがけて、アクアキャノンの引き金を引く。
「アイスバレット、コールドローンチ!」
 高々とあがった弾丸は、征服人形の頭上で爆ぜて大気を急速に凍らせ、雹のように人形を打ちのめし、破壊していく。
 歯車じかけのガンナーこと征服人形の銃撃を一身に受けながらも、遊里はシールドビット・デバイスの群れを展開し、一歩も引かない。
 彼は王妃を守るために囮になると決めたのだ。
 だから遊里は信号拳銃を構え、スモークグレネードやらスタングレネードやら、ありったけの特殊弾薬でクロノヴェーダを翻弄する。
「この場は引き受けた。王妃、みんな、無事でたどり着いてくれよ」
 明滅する閃光ともうもうと広がる煙のなか、祈るように遊里はつぶやいた。
「もうひと踏ん張り、だね。ここまで来たんだから、残党なんかに手出しはさせない」
 白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は周囲を見回し、遊里が狙ったのとは別の群れへと黒い針を大量に投げつける。
「手数には手数で。雑に攻めてるんじゃないよ。今はまとめて片付ける!」
 黒ハリネズミのようになった征服人形達がばたばたと倒れる。
 その時、
「漸くファニーサイスが倒れた。後はマリー王妃を逃がすだけ!」
 というメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)の大声が聞こえ、早苗はハッと振り仰ぐ。
 彼女の青い瞳には、確かに銀色の首を落とし、ゆっくりと崩壊していくファニーサイスが映っていた。
「ここまでみんな激戦だっただろうけど、本当にもうひと踏ん張り。全力を出し切ってこの包囲網を突破しよう……!」
 もうあの強敵はいない。そう思うと早苗は、一層気力が湧いてくる気がするのだった。
 大盾型閃機を構えながらメルキディアは、マリー・アントワネットを中心に走るディアボロスの一団、その殿となって走っている。
「王妃様、私達が守ってみせます。今は守護天使の加護があるのですから!」
 壁閃機ベイルマウアーの念動力バリアを展開、メルキディアは征服人形に、バリアを向ける。
 大量の征服人形が、一斉射撃を行うも、その全てを一手に引受け、メルキディアは王妃も王妃と会話を求めるディアボロスも守る。
「大地の城壁に守護天使の護りをッ!」
 ダンと壁閃機ベイルマウアーを地面に突き立て、メルキディアは仁王立ちになった。
 ベイルマウアーの生成した光のバリアが、飛んできた銃弾を反射し、逆に征服人形を蜂の巣にする。
「これで人形達の重要な儀式を一つ潰せて、私達ディアボロスにとっては大きな反撃の一歩となる。どんな変化が待っていようと私達は止まらないわよ」
 メルキディアはそう言うと、壁閃機を地面から持ち上げ、再び走り出した。
「ファニーサイスは倒した! あとはマリーくんを逃がすだけだね!」
 ありったけの煙幕玉、ワンダースモークを四方八方に投げつけるフェルト・ユメノアール(夢を追う道化師・g00275)。
 ワンダースモークは地面とぶつかるなり、ボワンボワンと赤青黄のカラフルな煙幕を広げる。
 一寸先も見えない色の渦の中で、フェルトは一枚の召喚札をドローした。
「お楽しみはこれからだ! ボクはSCドッペルシャドーを召喚!」
 現れるのはマリー・アントワネットの影法師。
 クロノヴェーダが混乱する煙幕の中を、フェルトは一気に駆け抜けると折りたたみ式のナイフを投げつける。わけも分からず機能停止していく征服人形。
 パンタグリュエル化したファニーサイスは斃れ、追手の征服人形もかなりの数を減らしている。今ならば、ディアボロスがマリー・アントワネットと会話する余裕も生まれるだろう。
 ディアボロスは、断頭台から解放したマリー・アントワネット王妃に聞きたいことがたくさんあるのだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

リヴァル・アーク
ご無事ですか、マリー王妃。
この場は死地。長い話はそれこそ命取りになりますが…とにかくこれだけは確認しておきたいですね。

一体どのような経緯で、貴女が処刑されることになったのですか?この処刑を命令した者は一体誰なのですか?

この処刑はクロノヴェーダが関わったせいで間違った処刑となっている、と案内人から訊きました。では、その間違った処刑を行おうとした主犯格のクロノヴェーダが存在するはずです。

『勇気』を持って、王妃から『情報収集』し、その様子を『観察』します。

もし体に触れることを許されるのであれば、『ドラゴンスペル・スケーター』でオーラを纏わせブースト、体を持ち上げて『ダッシュ』でこの場から退避します。


獅子城・羽鳥
⑥ファニーサイス撃破後
連携・アドリブ歓迎

いつでも流れ弾から庇える位置をキープ
平穏結界で王妃を守りつつ、丁寧かつ手短に質問
走りながらもソードハープを《演奏》して優しい曲で落ち着かせる
家族を思い出させる子守唄か、革命前に楽しんだ優雅な舞曲辺り

・他の国王一家、特に子供達の行方
国王が処刑済みなら経緯や理由も
・大陸軍がいつから現れたか
革命時に出現したのか、それ以前から当然の様に存在してたのか
・仲間が王妃の協力やディアボロス覚醒等を期待する場合、悲惨な正史を受け入れる覚悟があるか尋ねたい
但し支障がありそうなら控える

一人称=俺
二人称=仲間は呼び捨て、敵はお前
三人称=呼び捨て
王妃やその家族には敬語


苺ヶ谷・紬
こんにちは王妃様
私は紬です、こっちはフランボワーズ
まずは、ご無事でよかったです

フランボワーズを王妃様の側につけましょう
小さいですが、とっても頼りになる子なんですよ
その子と私たちで必ず王妃様をお守りします
(これで少し警戒が解けるといいのですが

それにしても、どうしてあんな事に?
処刑を望んでいるように見えた皆さんもお話をしたらわかってくれたんです
まるで悪い夢から醒めたみたいに

あの大きくて怖い人形ですら誰かの命令で動いているみたいでした
お心当たりはありますか?
どんな小さなことでも構いません
彼らの大元を断たなければ
王妃様を、そしてこの美しい都に住む皆さんを
本当の意味で助けられた事にはならないと思うんです


ツィルニトラ・プリルヴィッツ
お初にお目に掛かります、王妃
私は魔法の竜神…自分の事は後ね!

私達はディアボロス、今から9年後の未来から来たの
その時代のフランスは処刑を儀式とする事で力を得る私達の敵・クロノヴェーダが支配していて、処刑の嵐吹き荒れる今以上の地獄の様相になっているわ

彼らの力を削ぐ為に私達は過去に跳び、王妃様を助けに来たの
…貴女の子供達にまでは手が回らなかったわ、御免なさい
捜索の手掛かりをあれば善処するわ

騒がしいけれど、尋ねたい事が色々とあるの
先ずはこの処刑…儀式の目的
革命の主導者達が「力を得る為に」だの気になる事を言っていなかったかしら?

ヨーロッパの大地に流れる血を一滴でも減らす為に
力を貸して、マリー王妃!


金刺・鞆
先陣にて少々無茶を、しました、ゆえ。このままあの巨体の相手をするのは、むしろ足をひっぱりかねず。
わたくしも、王妃さまの護衛に回ります。仏蘭西の尊き御方よ、無礼はどうかご容赦を。

手短に確認したいことは……
ひとつ、仏蘭西当代の王、ルイ十六世の行方あるいは安否。
ひとつ、王妃がディアボロスであるか否か。
ひとつ、処刑されるに至った王妃の罪状。
ひとつ、処刑儀式の目的を見聞きしていないか。

……ともが思いつくのは、このくらい、です。
この中で今答えるに値する問いに返答を。そぐわねば、首を横に振っていただければ。

基準時間の更に過去、と聞いて。それは未だ、この地に現れた復讐者が存在し抗う世なのでは、と思ったのです。


一ノ瀬・綾音
マリー、大丈夫!?
走りながらでいいからちょっと質問に答えてほしいんだ。(【友達催眠】を使いながら)
マリーの周囲――それこそ、テレジアさんとかルイ16世さんとか、あとはハプスブルク家とか。その中に、なんか『関節部が球体になっている』方とかいなかった?
ちょっとしたことでもいいんだ、私達に教えてほしい!
もし教えてくれたら、私達も今全力でマリーが殺されないように守るって約束するから!

……どの道あの追いかけてくる奴らは綾音ちゃん達の敵なんだ。
マリー、君の情報とかがあれば、綾音ちゃん達はあの敵を根絶できるかもしれない。
だからお願い、教えて!私達の為にも、マリーの為にも、そして――フランスのみんなの為にも!


ラウム・マルファス
流れ弾とか飛んでこないか周囲を警戒しながら、王妃サマの傍へ行こウ
「ご無事カナ、王妃サマ。微力ながら助けに来たヨ。大丈夫?」
逃げ切るまでもう少しかかりそうだし、走り慣れてないかもしれないからネ。疲労とか小さな怪我は、活性治癒とパラドクス(急速治癒)で治すヨ
あんまり歴史とか知らないから、ボクにとっては王妃サマといえど一般人の女性。無理してないか、顔色とか表情を見ておこウ。辛そうなら背負うか抱えて飛翔してもいーヨ。彼女が望むなら、だけどネ
「もうすぐ宮殿だ、頑張ってネ。それとも、宮殿に怖い人とかいル?何か変わったことトカ、危ないモノとか、気になることトカあったら、今のうちに教えておいて欲しいナ」


大角豆・茜
マリーさん、ここまで大変な事態の連続だったろうけど、大丈夫?疲れてない?

一息つける状況なら、懐に忍ばせてた紙袋から、一口サイズに切っておいた、クグロフを差し出す。確かこれ、あなたの好物だって聞いたから。
獄中みたいな貧素な所にいたら、心身共に疲れ切っているだろうから、よかったら甘い物でも食べて、元気出して。

辛いようなら、無理して今すぐ話さなくてもいいけど……色々聞きたい事があるから、答えられる範囲で教えてもらえるかな?
ここに至るまでにあなたの身に起こった事。
獄中とかで聞いた、気になったり、聞いた事があったり、逆に聞いた事ないような言葉。
特に、『不敗のダブー』元帥、ていう言葉、誰か言った事ない?


サティニフィア・ネイバーライト
目的
クロノヴェーダ出現の情報を得る

目標
拠点が存在しそうな方角、もしくは出現ポイントの情報を得る

今は急いで逃げを打つ時というのは判ってる
だが、逃げてばかりじゃダメなんだ
時間を稼いでもヤツラを叩かなきゃ同じ事の繰り返しだ
だから今思い出せる限りでいい
知ってる事を話してくれ

次は先手を打つためにヤツラの拠点の目星を付けてぇ
例えば、あの人形どもがどこから来たか見たことあるか?
こんな街中に溢れ出す前にドコから押し寄せてきたか…
それは時空の歪みで突然現れる場所かも知れねぇ
どこが数が多いかとかどっちから進んできたかなど
具体的な地名やなんかがわかればベストだが大体の位置や方角が割り出せればアタシ達が調べに行くぜ


百鬼・運命
斬界で追ってくる敵を斬り刻みつつ、泥濘の地で足止め

「貴女の処刑を契機にオーストリアが宣戦を布告すれば、オーストリアとフランスで戦争開始もありうる。それはこちらにとっても望むところではない」

しかし王妃は淫魔の多いオーストリア出身。無関係とは思えない。王妃自身が淫魔の可能性すらあるので動きには警戒。

「さて無礼を承知で質問するんだが…未来で淫魔が自動人形に従属してるのはひょっとして貴女の処刑と何か関係が?」

王妃が淫魔か否かでこの処刑の意味合いも変わってくる

看破技能等や友達催眠、神速反応なども使用


エトワール・ライトハウス
アドリブ歓迎
無双馬に乗り、撤退する王妃殿下の護衛をしつつ声をかける
アイテム『従軍記章』をお見せすれば、ナポレオン台頭以前からフランスに仕えてることは説明ができるだろう

根本的に、王妃殿下がどれほど状況を理解しておられるかが分からん
時逆のすべては説明する暇がないだろうが、我々が新宿島……『未来』から来たこと、王妃殿下の警護をずっとするのは難しいだろう事は伝える必要がある
いっそ新宿島にお連れできれば楽なんだが、難しいだろうな

その上で、王妃殿下が頼れる現地勢力に心当たりが無いかを問いたい
革命に対抗する勢力が残っていれば、国母の身は守ってくれると思うのだが……自分が守ると言えないのは、なんとも悔しいな


 征服人形の猛攻をメルキディア達が食い止めている間、長いドレスの裾を持ち上げ、必死に走るマリー・アントワネットに、苺ヶ谷・紬(Sucré fraise・g04322)は笑顔で話しかけた。
「こんにちは王妃様。私は紬です、こっちはフランボワーズ。まずは、ご無事でよかったです」
 小さいですが、とっても頼りになる子なんですよ。と紬はミニドラゴンを王妃の側に侍らせる。
「その子と私たちで必ず王妃様をお守りします」
「ありがとうございます……」
 緊張からかマリー・アントワネットの声はか細い。
 戦いの喧騒にかき消されそうな儚い王妃の声を聞き逃すまい、と紬は少し彼女に近寄る。
「それにしても、どうしてあんな事に? 処刑を望んでいるように見えた皆さんもお話をしたらわかってくれたんです。まるで悪い夢から醒めたみたいに。……お心当たりはありますか? どんな小さなことでも構いません」
 マリー王妃は、
「処刑の理由、ですか?」
 と紬が問いかけた『あんな事』の意味を確認する。
「ええ、一体どのような経緯で、貴女が処刑されることになったのですか? この処刑を命令した者は一体誰なのですか? この場は死地。長い話はそれこそ命取りになりますが……とにかくこれだけは確認しておきたいですね」
 リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)が紬より先にうなずき、補足した。
「とも、も、それ、ききたい、です」
 こくこくと金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)も同じく首を縦に振る。
 王妃は小さく息を吸うと、丁寧に応対した。
「妾の処刑は、革命が起きたのが理由です。処刑を命じたのは、たしかにロベスピエールだった……筈なのですが、いつのまにか違う者にかわっておりました」
 革命は本当にあったのか? ディアボロス達は顔を見合わせる。
 特に『この処刑は間違っており、処刑を命じた主犯格のクロノヴェーダがいる』と考えていたリヴァルは混乱した。
 しかし、いまここにいるのは紛れもなく革命軍ではなくクロノヴェーダの大陸軍だ。
 だが得た情報について深く考えるのは今ではない。
 気を取り直したリヴァルは、王妃を抱き上げて走ろうかと提案するも、王妃に丁重に辞退された。
「お初にお目に掛かります、王妃。私は魔法の竜神……自分の事は後ね! 私達はディアボロス、今から九年後の未来から来たの。騒がしいけれど、尋ねたい事が色々とあるの。ヨーロッパの大地に流れる血を一滴でも減らす為に、力を貸して、マリー王妃!」
 ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)が自己紹介しつつ頭を下げると、王妃は微笑み、
「助けていただきました皆様はディアボロスとおっしゃいますのね。ありがとうございます。皆様のため、また国のためになりますならば、妾の分かる範囲でお答え致しましょう」
 と答えた。少しずつ王妃の緊張もほぐれてきたのか、声にも力が戻ってきている。
 すでに追いすがってきていた恐怖の巨大ファニーサイスもいないので、王妃も若干心の余裕があるようだ。
 ディアボロス、未来、など彼女にとって驚くことばかりだろうが、王妃は動じているように見えない。王家の人間らしい胆力が彼女にもあるらしい。
 しかしながらディアボロスの存在を知らぬ王妃は、ディアボロスではなく、覚醒もする様子がない。
「先ずはこの処刑……儀式の目的。革命の主導者達が『力を得る為に』だの気になる事を言っていなかったかしら?」
 ならばとツィルニトラが尋ねる。
「……妾にはよく分かりかねましたが『ナポレオン陛下の力になるのだ』と……。革命の主導者ではなく、あの処刑場で話す者がおりましたのは覚えております。その、ナポレオンなる者が何者なのかは、妾は存じ上げません」
 王妃はよくよく思い出してから、答える。
「では、ひとつ。仏蘭西当代の王、ルイ十六世の行方あるいは安否。答えるに値する問い、であれば、返答を」
 鞆が続ける。
「ええ、可能であれば国王以外のご家族……特にお子様の行方もご存知ですか。国王陛下がもしもすでに処刑されていたなら経緯や理由も……」
 獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)は、王妃の感情が不用意に昂ぶらぬようソードハープでかすかに優しい旋律を奏でながら、鞆の質問に自分の質問も重ねる。
 しかし王妃は悲しげに首を横に振った。
「どこにおりますかも、健やかであるかも、妾にはわかりません」
 沈痛な声音に、ディアボロスも心が沈む。
「私達は過去に飛んで王妃様を助けに来たのだけど、貴女の子供達にまでは手が回らなかったわ、御免なさい。捜索の手掛かりをあれば善処するわ」
 とツィルニトラは謝りながらも、王妃が泣き出してしまわないかと心配するが、さすが王妃、気丈にしている。
「辛いようなら、無理して今すぐ話さなくてもいいんだけど……。よかったら甘い物でも食べて、元気出して」
 大角豆・茜(呪刻を継ぎし者・g03477)が、そっと紙袋から小さく切ったクグロフを王妃の白い手へと差し出した。
「獄中みたいな貧素な所にいたら、心身共に疲れ切っているだろうから」
「お心遣いに感謝いたします」
 レーズン入りのブリオッシュケーキを受け取り、ほっとした顔で咀嚼するマリー・アントワネット。
「失礼、続けますね。大陸軍はいつ頃から現れたのでしょうか」
 長く家族のことを考えさせるのは王妃にとっても心痛だろうと羽鳥が話を変える。
「あの者たちは、革命軍といつのまにか入れ替わっておりました」
 すっかりクグロフを飲み込んでから、王妃は答える。
「じゃあ、『不敗のダブー』元帥、ていう言葉、誰か言った事ない?」
「名前は聞き及んだことがございます。しかしながら、……申し訳ございません、ダブーとやらが何者かは存じ上げないのです」
 茜の質問に、王妃は恐縮する。命の恩人からのどの質問にもハッキリと答えることが出来ず、だんだん申し訳なくなってきたようだ。
「どの道、あの追いかけてくる奴らは綾音ちゃん達の敵なんだ。マリー、君の情報とかがあれば、綾音ちゃん達はあの敵を根絶できるかもしれない。マリーの周囲――それこそ、テレジアさんとかルイ十六世さんとか、あとはハプスブルク家とか。その中に、なんか『関節部が球体になっている』方とかいなかった?」
 一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)は友達催眠を使って、マリーに親しげに尋ねる。
 しかし王妃は困ったように首を横に振った。
「いいえ、妾の知る母や夫、家族、皆は……。少なくとも妾が知っている皆は、人間でございました」
 王妃の知る限り、彼女の周辺にクロノヴェーダはいなかったようだ。今現在は、この限りではないだろうが――。
「今は急いで逃げを打つ時というのは判ってる。だが、逃げてばかりじゃダメなんだ。時間を稼いでもヤツラを叩かなきゃ同じ事の繰り返しだ。次は先手を打つためにヤツラの拠点の目星を付けてぇ」
 サティニフィア・ネイバーライト(スゴ腕情報屋・g00008)は力強く拳を握ってみせる。
「例えば、あの人形どもがどこから来たか見たことあるか? こんな街中に溢れ出す前にドコから押し寄せてきたか……」
 具体的な地名やなんかがわかればベストだが大体の位置や方角が割り出せるだけでもいい、とサティフィニアは勢い込む。
「あの人形の拠点……? えぇと……パリ……? ではないでしょうか……?」
 マリー・アントワネットの情報は正確ではないかもしれない。しかし、恩人のためになろうとマリー王妃は思案の末に、絞り出すように推測を口にする。
「貴女の処刑を契機にオーストリアが宣戦を布告すれば、オーストリアとフランスで戦争開始もありうる。それはこちらにとっても望むところではない」
 百鬼・運命(呪剣士・g03078)はそう言いながら、マリー・アントワネットを間近で観察する。しかし、王妃は正しく人間であるようだ。
(「王妃は淫魔かと思ったが……見る限りは人間だな……」)
 運命が内心頷いているなか、王妃は首をかしげていた。
「戦争……? 妾、外交のことは、不案内で……」
「そうか。さて、無礼を承知で質問するんだが……未来で淫魔が自動人形に従属してるのはひょっとして貴女の処刑と何か関係が?」
 王妃は、運命の言っている意味がわからないようだった。未来のことなど、彼女は知る由もないから、自分の処刑と関係があるかも分からない。
「いや、いい、忘れてくれ」
 もとより王妃が淫魔ならば、という仮定からの質問だった。王妃が人間であるとわかった運命は、手を振って質問を取り消した。
 無双馬レオンに騎乗し、エトワール・ライトハウス(執行人・g00223)は周囲を警戒しながらも、王妃に横足で近づいた。
「王妃殿下、先程仲間が申し上げたように、我々は未来からの来訪者。王妃殿下の警護をこれからもずっと、というのは難しい」
 マリー・アントワネットの表情が曇る。
 彼女の表情を見たエトワールは心苦しく思う。いっそ新宿島までお連れできるのが一番なのだが……。
「その上でお尋ねしたい。王妃殿下が頼れる現地勢力にお心当たりは」
 王妃は少し考えるが、悲痛な表情を浮かべた。
「妾、今のパリがどうなっているかも存じませんが、先ほどのような怪物が大勢おりますのならば、もはやフランスに安全な場所など無いかもしれません」
「は……左様で……」
 自分自身がお守りすると言えないこの身が歯がゆくてならぬエトワールだ。
 そっと王妃に近寄るラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、目視で王妃の健康状態を確認する。走りどおしかつ会話をしているから、王妃に多少の疲労は見えるものの、困憊というほどではなさそうだ。まっすぐ走れているし、受け答えもきちんとしているし、瞳の焦点も合っている。
(「ウン、無理はしてなさそうで、ひとまず安心。あんまり歴史とか知らないから、ボクにとっては王妃サマといえど一般人の女性だからネ」)
 ようやく一行は、ベルサイユ宮殿に辿り着けそうだ。
「もうすぐ宮殿だ、頑張ってネ。それとも、宮殿に怖い人とかいル? 何か変わったことトカ、危ないモノとか、気になることトカあったら、今のうちに教えておいて欲しいナ」
 ラウムが尋ねると、マリー・アントワネットは少し考えてから、
「妾の知る限りでは、ベルサイユ宮殿は革命軍に占拠されている筈です」
 と答えた。
 王妃の回答を聞いたラウムは曖昧に頷く。
 先程までの問答を考えるに、革命軍はいつの間にか大陸軍に置き換わっていたという話だ。ならば、今まさに到達しようとしているベルサイユ宮殿の中が革命軍でいっぱいというのは……考えづらい。
 とにかく、マリー・アントワネット王妃は、自身の知る限り誠実に受け答えをしてくれたことは確かだ。
 ラウムは回答にお礼を言い、もう一度、あと少しだから頑張ろうと王妃を励ますのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】がLV3になった!
【平穏結界】LV1が発生!
【植物活性】LV2が発生!
【完全視界】がLV2になった!
【活性治癒】がLV4になった!
【腐食】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
【隔離眼】がLV2になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV9になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV4になった!

アオイ・ダイアログ
マリーさん、なかったはずの未来、見てみたいと思いませんか?
行きましょう、此方へ!

マリーさんは傷つけさせません!
跳ねろ跳ねろ、跳ね回れ! 押し止めろー!
撤退を促しつつデュアルを取り出して声弾を撃ちまくります!
飛んでくる銃を撃って敵側に跳ね返し、攻撃に反応する反射弾で攻撃そのもののキャンセルを狙います
味方にはダメージにならないので乱戦でも問題なし!
【完全視界】【神速反応】で爆風が飛び交おうが飛んでくる銃を最優先で弾き飛ばします
声が枯れようが装填、発射を続けますよ!
マリーさんは常にディフェンス、一発も通しません!

未来を想う心は、いつだって尊いんです!
心ないあなた達が奪っていい道理はない!


リゼット・ノア
アドリブ・連携歓迎
【⑥終了後に行動】

逃走のための露払いをいたしましょう。
この結果がどう良いことにつながるのか…わかりませんが。

敵の攻撃は武器は銃などの射撃兵器による遠距離攻撃が主のようなので、自動人形と妖精を呼べるだけ召喚、一団となって敵集団へと切り込み、攪乱したうえで、足止めに努めましょう。
隙を作って仲間を支援できれば良いですし、自分でオーラと操り糸を駆使し攻撃も行います。

タイミングを見て、パラドクスを発動。
正史においてナポレオン軍が敗れた逸話をもとに創られたパラドクス、「兵士」人形にならよく効くでしょう。

…マリー王妃には足元が滑るかもしれないので注意してもらいましょうか…。


エヴァ・フルトクヴィスト
アドリブ・連携歓迎!

⑥のファニーサイス撃破まで動かず、
撃破成功後にマリー王妃脱出の支援を。

王妃救出に迷いはありません!
私達が経験した事、
理不尽に改竄された歴史に潰された命を識っているから!
散るを強要された命を救う邪魔はさせません!

残留効果で飛翔、相手の行動を観察。
王妃への一番強い殺気を探し、
狙う征服人形へ最大速度で吶喊しつつ妖精さんを高速詠唱で召喚。
多角的に攻めて狙いを絞らせずにして、
エアライドの急軌道変更も駆使し、本体を斬撃。
銃(投げた銃も含め)をドローイングナイフの貫通撃で吹き飛ばしながら、
暴発させて妨害したりと攪乱。

間に合わなそうな時は身を挺して!
その際は結界術でダメージ軽減を図ります。


瀧夜盛・五月姫
アドリブ、連携、歓迎ぞ。
怨霊に憑りつかれています。

愚かなる衆生の一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやこと)なる余殃を、高龗神に祓い浄め給へと祈願奉り、大願を成就なさしめ給へと恐み恐みも白す(かしこみかしこみももうす)。

怨嗟に見えた【呪詛】の暴風雨よ、舞えや!
ハハハ、その砲はなんだ?
向けさせると思うてか、ほら神風に逆ろうて見せよ!
(【風使い】【衝撃波】【撹乱】【蹂躙】)

隙をついて、吾も追い風に乗り【殺気】を巻いて突入。
接敵したら風や薙刀で【薙ぎ払い】、輩(ともがら)どもの撤退の【時間稼ぎ】をするぞ。

ほら、奥の輩より、目の前の吾ではないのか、雑兵ども!
脇見すると命取りぞ。(【大声】【挑発】)


●時空の歪みへ
 マリー・アントワネット達はあと少しでベルサイユ宮殿へと到達しようとしている。
 しかしまだ幾体か残っている征服人形達もしつこく追いすがってきていた。
「露払いをいたしましょう」
 黒いヴェールで鼻から上を覆った喪服の女性人形と妖精群を伴って、リゼット・ノア(Cortège funèbre・g02975)はトループス級の集団へと飛び込んでいく。
 とにかく追走の邪魔になればいい、オーラと操り糸も使って、リゼット達は征服人形の行く手を阻み、暴れた。
「我は常勝無敗の英雄。兵隊の王も、革命の皇帝も、狂気の総統も、我が力の前には歩みを止めて頭を垂れる。我が名を讃えよ、その名は──」
 トドメとばかりにリゼットは詠唱する。彼女が呼ぶのは黒い妖精。妖精の呪詛を浴びたリゼットは、リターナーたる自身の瘴気を黒い霧としてクロノヴェーダを包み込む。
 凍りつくように動かなくなっていくトループス級に、リゼットは小さく息を吐く。
「正史においてナポレオン軍が敗れた逸話をもとに創られたパラドクス、『兵士』人形にはよく効くでしょう。……この結果がどう良いことにつながるのか……わかりませんが」
 黒い霧をなんとか逃れた人形たちには、父たる大怨霊に取り憑かれ狂気をはらんだ表情で、瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)が立ちはだかった。
「愚かなる衆生の一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやこと)なる余殃を、高龗神に祓い浄め給へと祈願奉り、大願を成就なさしめ給へと恐み恐みも白す(かしこみかしこみももうす)」
 声高にいい、怨嗟を撒き散らす五月姫めがけ、征服人形は一斉に短銃の銃口を向け、同時に発砲した。
「ハハハ、その砲はなんだ? 向けさせると思うてか、ほら神風に逆ろうて見せよ!」
 風を起こすも、この銃撃は風では軌道を変えられず、五月姫の胸へと飛び込んでくる。
 それでも五月姫の狂乱の表情は変わらない。大薙刀を握り、一つ大きく踏み込み、ぐんと薙ぐ。
 暴風雨と洪水が、クロノヴェーダを押し返していく。
 風を今度は自身を押し出す追い風として、殺気も隠さず、先程の水害で体制を崩したクロノヴェーダへと大薙刀無銘瀧夜叉一振を振りかぶり、躍りかかった。
「ほら、奥の輩より、目の前の吾ではないのか、雑兵ども! 脇見すると命取りぞ」
 五月姫とリゼットの奮戦で、ぐんぐんと王妃と征服人形の距離は開いていく。
「王妃救出に迷いはありません! 私達が経験した事、理不尽に改竄された歴史に潰された命を識っているから! 散るを強要された命を救う邪魔はさせません!」
 空から状況を確認し、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は決意を言葉に変えると、妖精を呼びながら、敵頭上へと急速降下。
 リゼットや五月姫の動きは邪魔せず、フェアリーソードやスローイングダガーを駆使して、エヴァは妖精とともに、征服人形だけを屠っていく。
「マリーさんは傷つけさせません! 跳ねろ跳ねろ、跳ね回れ! 押し止めろー!」
 声を弾丸に変える二丁拳銃『バレットボイス・デュアル』に声をどんどん込めながら、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)は跳弾を撃ち続ける。
「陰に隠れても無駄ですよ。全てを暴く弾幕結界です!」
 その声で、最後の征服人形が破壊された。
「やった! 未来を想う心は、いつだって尊いんです! 心ないあなた達が奪っていい道理はない!」
 アオイはその場で跳びはねて勝利を喜んだが、今はそんな場合ではないと思い直し、マリー・アントワネットの方へと走る。
「マリーさん! 全部倒しましたよ! これで安心です!」
 ベルサイユ宮殿はすぐそこ、1802年に戻る時空の歪みもすぐそこだ。
「マリーさん、なかったはずの未来、見てみたいと思いませんか? 行きましょう、此方へ!」
 アオイはマリー王妃のほっそりとした手を握り、一緒に時空の歪みへと飛び込んだ。
 飛び込んだ――はずだった。
「えっ、あれっ!? マ、マリーさん!? そんな!?」
 アオイは驚愕して周囲を見回す。手を握っていたはずのマリー・アントワネットがいない。自分だけが1802年のベルサイユ宮殿に戻っている。
 他のディアボロス達も続々と時空の歪みからパラドクストレインの停車している1802年に戻ってきているが、誰一人マリー・アントワネットを伴ってはいなかった。
「これは……王妃は1793年に取り残されてしまったということでしょうか」
 と推測を述べるエヴァの顔は青い。
「そんな、一緒に戻れなかったってことですか!? もう一度……っ」
 ならば、王妃は一人で1793年のベルサイユ宮殿にいることになる。冷や汗をかきながらアオイは再び時空の歪みへ戻ろうとするが、他のディアボロスに止められた。
「急いで新宿島に戻りましょう。このことを他の方にお知らせするのが先決です」
 エヴァの案に反対する者はいなかった。
 ディアボロス達は大急ぎでパラドクストレインに乗り込み、一路新宿島へと急ぐのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV3になった!
【冷気の支配者】がLV2になった!
【エアライド】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV5(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2021年11月07日