リプレイ
ツィルニトラ・プリルヴィッツ
追い詰められて呉越同舟…といった所かしら
敵の『釣り出し』担当
【自在翼】で翼を巨大化し【飛翔】
機動力活かし●一撃離脱の●不意打ちで敵陣に切り込むわ
翼の刃や振るうハルバードの●強打で蹴散らしつつ、敵の動向を●観察
飛び掛かりを●空中戦機動で躱し、混乱から立ち直ったと●看破すれば氷と風と光の力封じた「魔力弾」を発射・炸裂させ光を乱反射する霧を生成
目くらましに乗じ離脱
(風使い・光使い・氷雪使い・魔術知識)
味方の元へ敵を誘導するわ
さあ、悔しかったら付いて来なさい!
確か、あの子達は人間がハルファスに改造されたのよね
…魔法の竜神に相応しい力があれば、助けられたのかしら
…何時か、あの悪魔に神罰を下してやるわ
リト・ハリーリー
呼ばれたよね、マウ?
気軽にリト達を呼んだんだから…覚悟してね。
仲間と力を合わせて…たたけるだけ叩くの…
【モブオーラ】で認識をしにくくさせ【忍び足】【不意打ち】
見方が注意を引いている、相手が斬りかかってくる前に、【暗殺】の一手を繰り出す。
運良ければパラドクス【アサシネイトキリング】発動させて確実に。
敵が…ばらばらなうちに、戦力をそぐよ…マウ、仲間の危険も知らせて。
撤退は、きちんと見計らって…援護も忘れずに行こうね。
マウが誘導して敵を翻弄できればいいかな。
※アドリブ、絡み連携等、お任せです!
イツカ・ユメ
まずはドカンと一発、敵陣のど真ん中にぶちかまして。足並みを乱して【撹乱】させちゃうよ。
キット、アレやって!あのビリビリするやつ!
あとは【大声】で【挑発】したりしながら、【ダッシュ】で皆のところへ敵を釣り出すね。
こんなにあっさり追い詰められちゃうハルファスもだらしないけれども、それに従ってるあなた達もだらしないし弱そうだよねー。
ふふーん、悔しかったらやり返してみたら?
孤立して囲まれないように、他の人達と協力して連携を取りつつ。
念の為、周囲の様子や敵の動きを【観察】して【情報収集】や警戒も怠らずに。
何か異変や新たな発見があったら【パラドクス通信】で皆に伝えるよ。
白石・明日香
餓鬼共が・・・纏めて狩り尽くす!
近づく際は物音を立てないように靴を脱いでゆっくりと接近する
予め煙幕弾、閃光弾を大量に用意しておいて開幕時に使用して相手の視界を塞ぐ。
烏合の衆のようだからこれくらいでも相手が混乱するだろう。その間に接近して早業、呪詛、解体、捨て身の一撃で纏めて叩き切る!
流石に一撃入れたら向こうも反撃してくるだろうから残像で相手を撹乱しながら残った煙幕弾、閃光弾を使って視界を塞いで離脱。
数が多いのは厄介だな・・・さっさと行かねばならんのだが・・・
●隠密、強襲
品川駅北側。赤錆た鉄路が並列して伸びる。
荒廃が進み緑に飲まれつつある線路の傍を進む二つの人影があった。
時に茂みに潜み、倒れたクレーンを超え、錆に覆われたドラム缶に隠れ進む。
妖刀を携えた銀の髪を持つ娘が、崩れ落ちた架線に身を隠し小さく息を吐く。
「……あれだな」
白石・明日香(体亡き者・g02194)が前方へと視線を投げる。
廃車両がまず1編成。2両ほどが残り、その先頭車両に『ハルファスの子ら』の姿が見える。
見た目はチーマー崩れの少年たちにしか見えない。だが超常の気配を纏い、鳩の痣を帯びた彼らは最早人には戻れない。
振り返ると何時の間に追いついたのか、すぐ背後の影に潜む少女が小さく頷いた。リト・ハリーリー(守護獣と神子・g05408)だ。傍らにはスフィンクス『マウ』が寄り添っている。
戦場にふさわしい装いの明日香に対して、淡い色合いの可愛らしい服を着ているリトはいかにも場違いに見える。だが、この幼い少女が暗殺の使い手であることを明日香は知っていた。
明日香も頷きを返し、さらに観察の範囲を広げる。
正面に1編成、そしてやや離れた東側に2編成、西側に1編成が見える。少なくとも10体ずつとしてざっと40。
長引けばそこに新手、大天使まで含めればどこまで増えるか……。遅れを取るつもりは無いが包囲は避けないと。
「数が多いのは厄介だな……さっさと行かねばならんのだが……」
「……大丈夫。……そうだよね、マウ?」
初めてリトが口を開いた。傍らのマウへと小首をかしげると、空を見上げて少女のスフィンクスが「マウー」と微かに鳴いた。小さな笑顔を浮かべて頷いたリトもそちらを見上げ、明日香も気付いた。
東側2編成の上空にハルバードを構えるドラゴニアンと、そして地上にはサキュバスの姿が。
明日香が迷わず靴を脱ぎ捨て素足となるや煙幕と閃光弾を握り締めた。そうして正面の廃車両へと音も無く走る。
(「本当に警戒してないんだ……烏合の衆って聞いてたけど……」)
イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)が遠目に廃車両を見つめて呆れたように心の中だけで呟いた。
ここまで見回り一人無かった。だが、これ以上近づけばさすがに気付かれるだろう。ならば――。
「まずはドカンと一発! キット、あれやって! あのビリビリするやつ!」
サキュバスの娘が抱きかかえた、もこもこの毛球――モーラット・コミュ『キット』へと言い聞かすや、手元を飛び出したキットが線路上を一目散に走る。そのまま廃車両の割れた窓から車内に飛び込むや、
「なんだコイツ!?」
「え、何、激カワじゃん!」
いきなり車内に飛び込んだ闖入者に少年が怪訝そうな声をあげ、琴線に触れたのか笑顔の少女が駆け寄ろうとした次の瞬間、モーラットを中心に強力な電撃が閃いた。
「イッテぇー、ちっくしょう、敵だ、敵!」
車内で大騒ぎするハルファスの子らへと、イツカが大声で挑発する。
「おーい、あなた達! あっさり追い詰められちゃうハルファスもだらしないけど! それに従ってるあなた達も、だらしないし弱そうだよねー!」
(「始めたよ、すぐにそっちにいくからね」)
直後イツカは小さな通信機に小声で語りかける。パラドクス通信だ。
残留効果は行動直後から有効になる。既に仲間たちも望めば発動するはずだ。
「あ、アイツだ、あの女がやりやがったな!」
やっと見つけたのか、少年の一人が窓から身を乗り出すようにしてイツカを指差す。
「ふふーん、悔しかったらやり返してみたら?」
「ちくしょう、舐めた真似しやがって!!」
怒りのままに少年たちが乗降口からナイフや釘バット、チェーンを握り締めて線路上に降り立ち、イツカが小さく笑う。
と、線路上に大きな影が横切った。バサリと一際大きな羽ばたきの音に少年の一人が怪訝そうに見上げた次の瞬間、
「何だ?……うあああああ!!」
空中でハルバードが一閃。驚愕の表情を張り付けたまま少年の首が飛び、僅かに遅れて残った胴体が倒れる。
直後、轟音を上げて降り立つドラゴニアンの少女。ツィルニトラ・プリルヴィッツ(自称/捏造 魔法竜神・g02012)だ。
突然のことに呆然と見返す少年たちへと、仁王立ちのまま真剣な眼差しで、
「ハルファスに改造された子達ね。気の毒だけど、私にはあなたたちを救えない。魔法の竜神に相応しい力があれば違っていたかもしれないけど」
「何ワケわかんねーことを! シンジの敵だ!」
「私に出来ることは……っ!」
叫びざま『捏造竜神魔技・自在翼』(ツィルニトラ・マギ・クルィリヤ)で機動性を上げた翼でホバリング。
奇声を発して襲いかかる先頭の少年を躱しざま、ツィルニトラのハルバードが暴風となって荒れ狂う。
(「……何時か、あの悪魔に神罰を下してやるわ」)
彼女だけの想いと共に。
同時刻、中央の廃車両内。
「げほっ、げほっ……一体何だってんだ」
「敵に決まってんだろ! ディアボロスってヤツだ!!」
少年たちは混乱の極みにあった。何の前触れもなく突然車内が煙に包まれ、閃光が閃いたからだ。
明らかに襲撃であるがそこは烏合の衆の悲しさ、ひたすら混乱するばかり。
やっとのことで乗降口へたどり着き、閃光に目を焼かれて涙ぐんだ少年が線路上へと降り立つも、傍らに潜んでいた明日香はそれを逃がさない。
至近距離から光の槍を叩き込み、少年の腹ごと貫き電車へと突き刺さる。
「て、めぇ……何、しやがる……がっ!」
張り付けにされた少年が反撃も出来ないまま叫びかけるも、妖刀に喉元を切り裂かれて絶命する。
(「餓鬼共が……纏めて狩り尽くす!」)
赤い瞳が獲物を狙うように鋭さを帯びる。
その頃にはやっと初期の混乱を脱したのか、窓から鉄パイプを掴んで飛び出した少年が明日香を睨みつけた。
「こいつ一人だけじゃねーか、囲め囲め!!」
リーダー格らしい少年の叫びに乗降口から、窓から次々と少年たちが飛び降りる。
だが、彼らは気づいていない。その傍らへと密かに歩み寄る少女に。
(「……あれだね」)
リトは選んだ。反対側の窓から飛び降り、最も周りの仲間から孤立している少年だ。
飛び降りて足を痛めたのか少年が顔を顰める。その間に音も無く影から現れたリトが抜いた小型拳銃が、少年のこめかみに当てられ、
「……え?」
少年が冷たい感触に反応する間もあればこそ。
鈍い音と共に弾丸が放たれ、頭を打ちぬかれた少年がひとたまりもなく崩れ落ちる。
(「ひとつめ」)
銃声に気づいたのか走りかけた少年が背後を振り向き、死体の傍で発射煙が立つ銃を手に佇む少女を睨む。
「てめぇが、やりやがったのか……?」
相手が幼い少女であろうと凶暴さを隠さない少年に、静かにリトが向き直った。そこに畏れは無い。
(「気軽にリト達を呼んだんだから……覚悟してね」)
リトの目が僅かに開いた。金の瞳に少年が僅かに気圧された刹那、傍らへと出現したスフィンクスに突然「マウ!」と吼えかけられ驚いてそちらへと反応し、彼は敗北した。
「何だ!?……っ!!」
一欠けらも無駄の無い動きでリトが少年の懐へ飛び込むや、喉元へと銃口を突きつける。少年の顔に驚愕が浮かび、再び銃声――。
(「ふたつめ」)
力なく崩れ落ちる亡骸には一瞥もせず、明日香を支援するべく暗殺者が再び物陰へと走る。
(「――潮時だね」)
遠く品川駅の喧騒が聞こえ、それまで戦場全体の情報収集を続けていたイツカは決断した。
ツィルニトラは機動力を生かしてハルバードを振るい続けているも、さらに10人の新手がこちらに向かうのが見える。
その向こうの1編成は煙が車両と周囲に溢れ、戦闘音と銃声、断末魔の叫びが微かに聞こえてくる。
最も西寄りの1編成だけは何故か暴風雨に覆われ、一見した限り動きは無いように見える。
「ツィルニトラちゃん、これ以上は囲まれる。逃げよう!」
即座にパラドクス通信越しに了解の意思を返すや、ツィルニトラが魔力弾を周囲に放った。
勿論ダメージは無い。だが氷と風、光の力を僅かに含ませたそれに周囲の視界が僅かに歪んだ。
それに少年たちが怯んだ隙に、一気に高度をあげるや、
「さぁ、悔しかったら付いてきなさい!」
北へと全速で飛ぶ。
「ちっくしょう、待ちやがれ!」
「逃げるぞ、追え!!」
直後合流した分も合わせ20人弱がツィルニトラを追って走り始める。
程なく合流し、連なって飛翔しながらイツカがパラドクス通信越しに集めた情報を伝える。
「明日香ちゃんたちも突破したって。追ってるのは7人。ただ、一番向こうが……五月姫ちゃんだと思うけど……」
戸惑ったようなイツカに、
「……運命さんだね、多分」
ツィルニトラが訳知り顔でそう言うと、イツカの口元が綻んだ。小さく笑い合うと。
味方の元へと誘導するべく、今度こそ本格的に逃げ始めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
瀧夜盛・五月姫
連携、アドリブ、歓迎、だよ?
愚かなる衆生の一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやこと)なる余殃を、高龗神に祓い浄め給へと祈願奉り、大願を成就なさしめ給へと恐み恐みも白す(かしこみかしこみももうす)。
大雨洪水暴風警報、発令中、注意、だよ?
ああ、外にいると、暴風に、攫われちゃう。
建物の中に、避難しなくて、いい、のかな?
ほらほら、早く、同じ建物内に、集まらなきゃ……。
でも残念、ここは品川。目と鼻の先は、海。
水神の【呪詛】の真骨頂、濁流にのまちゃえ。
水浸しになったこと、確認したら、撤退、かな(【一撃離脱】)
百鬼・運命
『釣り出し』担当
「山手線を復旧出来れば、パラドクストレインで東京各所に乗り付けられる可能性もある。品川駅制圧は戦略的に重要だな」
鳩の痣や外見をデバイスウォッチの立体映像機能や化粧等で偽装しハルファスの子らに変装(希望者にも)。パラドクスで味方の悪魔と誤認させ潜入。
出来れば敵から相手の状況や品川駅の現状等の情報収集
接敵後は因縁つけて喧嘩吹っ掛け、仲間割れを装って攻撃し逃走。事前に予定した場所へ相手を誘導
余裕があれば、喧嘩を止めに来た天使や周囲の悪魔にパラドクス使用。味方の悪魔あるいは天使に攻撃されたと誤認させ、悪魔と天使の仲間割れを誘発し逃走。今後の連携を阻止
「所詮は烏合の衆か」
絡みアドリブ歓迎
今咲・栄華
返り討ち役よか最初にぶちかます方がアタシの性に合ってるかァ
釣り出し役でッ
運命のパラで会話が出来るなら
「ハルファスの目的って何だろ?」とかまかけ
当ては無い!
パラで敵に気づかれないよに工作するゥ
アイテム「イヤリング」を置く
石を「投擲」でどっか投げて…転がる石は車輪を巻き込み…電線が切れて跳ね…
過程は知らんがなんやかんや最後に華麗に技能「爆破」!
敵を何人か巻き込ンで行こ!
「避難勧告」も本来の効果じゃないけどォサイレンが鳴り響いたらハルファスっ子もすぐ飛んでくるかも。
五月姫の集める作戦とコラボできたら御の字だなァ。
技能「一撃離脱」でさっさと飛んで逃げッぞ!
後は任せた!(ハンドサイン)
●嵐、潜入
少し時間は遡り、戦いが始まる直前。
最も西寄りの廃車両を遠くに望む、倒れたクレーンの傍らだ。
南に伸びるブームの先端部は、廃車両のすぐ傍らで崩れ落ちた高架の裂け目へと垂れ下がっている。
錆付いた線路、コンクリートと土ぼこり、そして覆うツタ。
そんな荒廃した光景とは、あまりにも異なる装いの少女が立っていた。
歳は13、雪白の髪。羽織に身を包み八尺五寸に及ぶ大薙刀を携える。
遠く車列を見つめる瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)が拍手を打つや、周辺の空気が変わった。
張り詰めた清浄な気配の中、少女が朗々と祝詞を口にし薙刀の舞を奉上する。
「愚かなる衆生の一二三四五六七八九十(ひふみよいむなやこと)なる余殃を、高龗神に祓い浄め給へと祈願奉り、大願を成就なさしめ給へと恐み恐みも白す(かしこみかしこみももうす)」
変化は劇的だった。
ぽつり……ぽつり、ぽつぽつ……と水滴が空から落ちるや、程なく雨となって降り注ぐ。
その間にも舞は続き、徐々に雨足が強くなっていく。
奇妙なのは、それが最も西寄りの廃車両1編成の周辺だけに留まっていること――五月姫のオリジナル・パラドクス、我流薙刀術・薙舞『高龗神薙』(ヒメノナギナタジュツ・テイブ・タカオカミカムナギ)
水神・淤加美神に奉る薙刀の舞だ。
それは雨乞いの為にあらず。一つ踏み込めば暴風雨を呼び、さらに一つ薙げば洪水と化す。
――水害を祈願する禁忌の舞。
(「大雨洪水暴風警報、発令中、注意、だよ?」)
一心不乱に舞い続ける五月姫の眼前で、濁流が次々と車両にぶつかり、水しぶきを上げて僅かに車体が揺らぐ。
(「ほらほら、そのまま電車に乗っていて……」)
その車体の中には人影が複数見える。だが、奇妙なことに誰一人として降りて来ない。
(「水神の呪詛の真骨頂、濁流にのまれちゃえ」)
確実に威力を増していくパラドクスの力、溢れる濁流が廃車両の傍らの崩れた高架の裂け目へと勢い良く流れ込み、青い瞳に勝利の色が加わる。
だが、僅かに思案の色も加わって。
五月姫、ぽつりと呟いた。
「ん、百鬼さんと、栄華さん、大丈夫、かな……?」
一方、その廃車両内部では。
「くしゅん!」
「何だ、風邪か? ……って、そんな、わきゃねぇか! ギャハハハハ!」
くしゃみをした百鬼・運命(人間のカースブレイド・g03078)の背中を、傍らの少年が下品な笑い声を上げながらバンバンと叩く。
叩く少年の右手首には鳩の痣が刻まれ、超常の気配を纏う。クロノヴェーダ『ハルファスの子ら』だ。
運命が苦笑しながら困ったように頭を掻く、その右手首にも鳩の痣がのぞく。
鳩の痣を偽装した運命は、パラドクスの力も借り列車内部に潜入を果たしていた。
それだけではない。
「しっかしオレたち、何もしなくて良いのかな?」
少年が思い出したかのように言い出すと、運命が僅かに肩をすくめて見せて、
「こんな雨の中を? 数も少なそうだし、任せて良いだろ」
横殴りの雨が車体を激しく叩き、強風の吹き荒ぶ音が不吉な調べとなって聞こえてくる。
「そうか……そうだな」
少年が疑問の声を上げる度に、運命の口八丁で電車の中に留めることに成功していたのだ。
『雄弁ハ銀ナリ』(ユウベンハギンナリ)――運命のオリジナル・パラドクス。相手に自分の仲間だと誤認させる効果をフルに生かして、だ。少年たちが烏合の衆であることが味方したとも言えるだろう。
(「誘導先がここで済むなら楽なものだ」)
眼鏡の位置を直す運命の視線が鋭さを増す。
(「山手線を復旧出来れば、パラドクストレインで東京各所に乗り付けられる可能性もある。品川駅制圧は戦略的に重要だな」)
その為にも出来れば品川駅の現状を情報収集しておきたかったが……。
その視線を受けた今咲・栄華(ゲットワイルド退職・g00910)が小さく頷く。
傍らの少女へと何気ない風を装い、
「でさぁ、ハルファス様の目的って何だろ?」
「どうなんだろねー、まぁ天使に頭下げるのはダッサイなーと思うけどー」
他にもいくつか聞いてみたが、確証がある新情報を得るのは難しそうだ。
(「期待してなかったけど、やっぱり情報集めは攻略旅団の力が必要だなァ……」)
栄華は五月姫とのコラボを狙っていた、ハルファスの子らとの会話をも。
出来たら御の字程度ではあったが、運命のパラドクスで敵の行動に影響を及ぼす可能性を知り潜入作戦に乗ったのだ。
その運命はと言うと、栄華の狙い通り少年達を車内に留めた上に、すっかり打ち解け少しでも情報を得ようとしている。
(「それにしても、まさか敵のド真ん中に乗り込むとはねェ……」)
栄華も多くの死線を乗り越えてきたつもりだが、運命の度胸には驚く他無い。
(「それに乗るアタシも大概かァ」)
苦笑を浮かべた、その時。
壊れた窓枠の外で一際大きな水しぶきがあがり、車体全体が大きく揺れた。立っていた少年が悲鳴を上げて倒れる。
栄華が鋭い視線を投げ運命が小さく頷く。
「運命っ、逃げッぞ!」
叫ぶなり栄華が窓から飛び出し飛翔を発動、運命も脱出するのを横目に仕上げとばかりに車内に小石を投げつける。
それが狙い過たず車両に据えられた非常用ドアコックに命中した。
細工が施されたそこから圧縮空気が作動、さらに次のギミックに伝わって――。
栄華のオリジナル・パラドクス『使えるものは猫の手でも使え』(アームズ・アンド・クラフツ)だ。
場にある物を即興で利用し連鎖的に進行するギミック――それが遂に列車の床下に工作したイヤリングにまで達する。
呆然と見送った少年の眼前の窓枠に、小さな旗がひょっこり立った次の瞬間、仕込まれたイヤリングが一斉に爆発した。
轟く爆発と水しぶきが高々と上がり車体が浮き上がる。そこへと濁流が直撃し、車体が大きく傾いて――。
「うわぁぁぁああああ!」
「水、水が!!」
「お、落ちる!? 助けてくれ!!」
少年たちがそれぞれ異なる悲鳴と異なる断末魔の叫びを上げ、傍らに黒々と開く高架の裂け目へと車体ごと濁流に飲み込まれていく。この高さと濁流、そして何よりパラドクスである。無事では済まない。
「……所詮は烏合の衆か」
いまだ収まらない局所的な洪水を眼下に、飛翔する運命が吐き捨てる。
その頃には品川駅の駅舎が騒然とし始めているのが見て取れた。
一撃で殲滅したとはいえ、これ以上は危険だ。
栄華がパラドクス通信で脱出したことを五月姫に伝えると、運命と連なり北へと飛びたつ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV2が発生!
リヴァル・アーク
ハルファスは降伏、そして配置された配下たちはどうしようもないクズときましたか。
……まあ、なんの感慨もなく倒せそうで有り難い限りです。
周囲の環境に潜みながら、クロノヴェーダの配置などを【パラドクス通信】でディアボロスたちと連携しながら、隙を伺いましょう。
「どうも、オレたちを呼びましたか?」
【光閃の禍】を発動。『ダッシュ・突撃』し、『貫通撃・グラップル・破壊』の連撃を叩き込んでみます。
『ドラゴンスペル・スケーター』で立ち回り、戦況が危うくなったらすぐに撤退します。
随分と甘く見られたものです。ハルファスがどうして逃げたのか、身を持って教えてあげますよ。
一ノ瀬・綾音
ここを突破すればハルファスに直接会える、そう考えると気持ち盛り上がってくるね!
釣り出しは他のみんなに任せて綾音ちゃんは出てきた奴らを担当するよ。
自分は車両の陰などに身を隠しつつ、釣り出し役が敵を釣りだしたところで『高速詠唱』から【土魔法】使用、こっそりと相手を地面に引きずり込んで数を減らせないか試すよ。
この作戦は相手に見つかったらまずいタイプだし、見つかりそうになったら『臨機応変』に撤退して別の物陰に隠れまた【土魔法】を使うチャンスを探る、この繰り返し。
前だけ見ていないで、後ろの味方が徐々に削れているのにみんな気づくかなー?ふふふ。
宮之本・真一郎
アドリブ・共闘歓迎
うーん、敵が協力できていないみたいっすね。今のうちに協力をしてしっかりと敵を倒していきたいっすね。
自分は今回は先行していた人たちが惹きつけてきた敵を待ち伏せして攻撃していくっすよ。
拠点構築・塹壕掘りを活用して、事前にシャベルアタッチメントで穴を掘ったり、ウィンチアタッチメントのワイヤーで敵への罠なんかを作って、追いかけてきた敵の足を止めれるようにしていくっすよ。
足が止まった敵をショットアタッチメントを使って水の弾丸で攻撃して、追撃でフリージングミサイルを撃ち込んでしっかりと凍らせて倒していくっすよ。
こっちはみんなで協力しているから負けるはずはないっすよね。
●要撃戦
ディアボロスたちの攻撃により見事に誘い出された『ハルファスの子ら』たち。
「くっそ、あの生意気な女、どこに逃げやがった!」
「あのガキもだ! 隠れやがってよ……くそっ」
「こっちのが数は多いんだ、逃げ切れるもんじゃねー」
少年たちは怒りに任せて追ってきているだけだ。自分たちが待ち構えられているなど想像もしていないのだろう。
そこへとディアボロスたちの要撃が始まる。
少年たちの目前へ、瓦礫の影から現れた少年が立ちはだかる。
金色の髪を一つに結び、一房だけ赤い髪が風に揺れる。
「どうも、オレたちを呼びましたか?」
リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)がまるで散歩の途中かのように、事も無げに言う。
無論偶然ではない。パラドクス通信機を収めながら、
(「ハルファスは降伏、そして配置された配下たちはどうしようもないクズときましたか。……まあ、なんの感慨もなく倒せそうで有り難い限りです」)
と、その僅かな間に少年たちの最後尾の一人がいつの間にか見えなくなり、
(「……やりますね、綾音さん」)
口元が僅かに綻ぶ。
それを見るなり下っ端らしい背の低い少年が泡を飛ばして、
「何がおかしい!」
「いやぁ、随分と甘く見られたものです、と」
リヴァルが少年たちの威嚇に全く動じない様子に、リーダー格なのか鉄パイプを構えた少年が低く唸った。
「……なんなんだ、てめぇは」
「お前たちも知っているでしょう? ディアボロスです」
さすがにリーダー格ともなれば多少は知恵が回るのか、
「相手は一人だ。回りこんでフクロにしちまえ!」
同意の叫びをあげるや、数人の少年がリヴァルを遠巻きに積み上げられたドラム缶を回りこもうとした時、
「うわっ!」
「何やってんだよ、カズ! っておわっ!」
先頭の少年が突然足元を取られて地面へと倒れ伏し、続く少年が巻き込まれて悲鳴をあげて転倒する。
倒れた拍子に触れたのか空中に存在する何かで手が切れ、血が滲むのを驚きの眼差しで見つめる。
ワイヤートラップだ。
朽ち果てた資材、放置された貨車、切れた架線。そこから伸びるワイヤーが周辺に張り巡らされている。
「悪いけど、ここは通行止めっす」
資材の影から姿を現した宮之本・真一郎(働くサイボーグ・g01393)、すかさず足が止まった敵に向かってショットアタッチメントから水の弾丸を撃ち放つ。
放物線を描いた水弾が少年たちの頭上に降り注ぎ、びしょ濡れになって一瞬怯むも、
「冷テェ!」
「何だ、ただの水じゃねーか、こんなもんで……っ!?」
真一郎の決して荒事向きとは言えない表情に、組みし易しと再び威嚇しようとして、向けられた左腕のむき出しの機械と巨大なドリルに絶句する。
「これでも食らえっす!」
間髪入れず、サイボーグである彼の左腕にマウントされたフリージングミサイルが一斉に発射。
全身を濡らした少年たちである、そこへ冷気を封じたミサイルが直撃すればたまらない。
運の悪い少年が固着した足を無理矢理動かして砕け散り、苦痛にのたうち回ろうとして背中が張り付き悲鳴を上げる。
だが反撃に移れた二人が奇声を発しながら真一郎へと襲いかかった。チェンソーを振り下ろし、ナイフを突き込む。
ワイヤーで近づけないが腐ってもクロノヴェーダだ。真一郎のすぐ真横と正面の空間が歪み、貫く衝撃を咄嗟に左腕で受け止めたが、切り裂く波動が真一郎の頬を浅く削る。
だが開いた傷から血さえ出ず、代わりに機械が覗くと少年が気圧された表情を浮かべ、
「く、くそっ。何やってんだよ、続け、続け!」
「やだよ、また罠があるかもしれねーじゃんか!」
遂には仲間割れをはじめる始末だ。
「本当に協力できていないみたいっすね」
ミサイルの再装填を進める真一郎が呆れたように呟く。
それに怯えたように少年が慌てて振り返り、
「くそ、こっちはダメだ、向こうから……ってアキラの奴は?」
「いやさっきまですぐ後ろに……」
問われた少年は最後まで言い終えることは出来なかった。一陣の風が吹き込んだかと思うと、地面へと沈みこむように身体ごと消えた。その足元は流砂と化し、少年を飲み込むと元のコンクリートへと。
飲み込まれ、どんな最期を迎えたか――目の前で起きた事に呆然としていた少年が気づいた。錆びたレールの山の陰で、
「あーあ、見つかっちゃったー」
一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)がぺろっと舌を出していたずらっぽく笑う。
任意の場所に流砂を発生させる綾音のパラドクス『土魔法:暴食なる大地』(クイックサンド・グラトニー)
綾音は遮蔽物の陰に身を隠して無警戒な敵をやり過ごし、最後尾の敵を一人ずつ倒していたのだ。
「前だけしか見てなかったから、後ろの味方が徐々に削れているのにみんな気づくかなって思ってたけどー? ふふふ」
3人いなくなっても気づかれないなんて、綾音ちゃん、すごい! うんうん、と一人で頷く綾音に、
「くっそぉ!!」
叫びざま少年の悪魔の翼が翻る。黒煙の魔力が湧き上がり形成した魔力弾が綾音へと――放たれることは無かった。
悪魔の翼が凍結し、
「こっちは、みんなで協力しているから負けるはずはないっすよね」
それは再び放たれた真一郎の冷凍弾!
直後、驚愕する少年の眼前で綾音の高速詠唱が完成した。足元がおぼつかなくなる感触、吹き抜ける風。
自分の運命を悟った少年の顔が恐怖に歪み、
「い、いやだ、助けて……ああああっ……」
断末魔の叫びさえ、砂に飲まれて消えた。
静寂に包まれて。
ここを突破すればハルファスに直接会える、そう気持ちを盛り上げていたはずの綾音。
「……だから、前だけ見てちゃダメなんだよ」
ポツリと、呟くのだった。
僅かな間に撃ち減らされたハルファスの子ら達。
「くっ……」
追い詰められたリーダー格の少年へと、リヴァルが構えた。
「ハルファスがどうして逃げたのか、身を持って教えてあげますよ」
身体から湧き上がる覇竜の覇気が、物理的な圧力さえ伴って少年たちを威圧する。
「くそがぁ!」
やけになったかのようにリーダー格の少年が鉄パイプを振りかざしてリヴァルへと特攻し、残る少年たちもナイフ、チェンソーを振りかざして次々と飛び掛る。
だが、リヴァルの発動の方が早い!
『咲け、光迅の睡蓮!』
ドラゴンスペル・スケーターの力を借り、突進するリヴァルの拳に竜のオーラが収束し光輝く――『光閃の禍』(エセリアル・ロータス)
次の瞬間、少年たちを貫くように駆け抜けた。彼らには閃光が閃いたとしか認識できなかっただろう。
ピタリとスケートを止め、振り返りざま右手を払う。覇竜の覇気が膨大なエネルギーの残滓となって宙へと消える、リヴァルの眼前。
「「「が、が、が、ああああ!」」」
刹那の間に全方向から数十発もの拳を叩き込まれた少年たちが、血反吐を吐きながら崩れ落ちるのだった。
この一角の戦いは決した。
だが、周囲にはまだ多くのトループス級がいるはず。
撤退に迷いは無い。
戦いはこれで終わらないのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV2が発生!
魏・鋼
私は味方が奇襲をかけた退いた際、追ってくるであろうハルファスの子らの迎撃に加わりましょう
事前に付近の地図を読み、味方の退いてくる道筋と、敵の進軍ルートに目星をつけ、開けた場所に騎馬突撃をできるような場所で私は伏兵として待機しましょうぞ。しかし何とも精密な地図であることか
敵勢が味方を追ってきたのであれば、側面から騎馬突撃で駆け抜けながら我が槍を振るい、混乱を誘いましょう。此度の私の役割は敵の殲滅ではありませんから、深く戦う必要はありませんな。味方の撤退を支援できたら、敵勢を少しでも分散させるが如く、そのまま味方とは別方向に駆け抜け、私も撤退しておきましょう
桜之宮・春風
カテドラルがなくなっただけで降伏なんて根性なしですねー
けどまぁ、港区を解放するんなら私もちょっとだけ頑張りますか
ってことでやる気のない人達は退場してもらいましょー
釣りだしは他の人がやってくれるみたいなんで
私は追撃してきた敵をババーンとやっちゃおうかな
こういうのは初撃が肝心!
物影に隠れて奇襲をしまーす
タイミングは釣られた敵が通り過ぎたところかな
背後から一気に戦覇横掃で攻め立てちゃいます
今回は青龍偃月刀を使って広範囲を狙いますよ☆
それで一撃当てたら即離脱してー
追いかけてきたら急に反転して不意打ち
追いかけてこないならもっかい奇襲ってところで
お手柄はクロノヴェーダじゃなくて私が貰っちゃいましょー
九七式・千八
僕は追撃してきた奴らを攻撃する側に回るっすね!!
敵さんが出てきて、味方の攻撃が始まり、少ししたところで鬨の声を上げて飛び出し、吶喊するっす!
敵陣に【弾幕】【制圧射撃】を浴びせつつ、先頭の敵を【斬撃】で真っ二つにしてやるっす!
飛び込んだら、暴れまくるっす!ありったけの武装を使って、敵陣の中を駆け巡るっすよ!
ある程度暴れたら、混乱も収まってくると思うっすから、即時撤退して味方の砲火に任せるっす!
波状攻撃ってことっすから、これの繰り返しになるっすかね?烏合の衆っていうけど、囲まれないようにだけは注意するっすよ!
アドリブとか連携は歓迎するっす!
花鶴・景臣
要望通り、こっちから来てやったぜ?
折角遊んでやるんだ
俺を退屈させるんじゃねえぞ?
持参した鉄パイプを片手に誘導される敵を待つ
死角があれば利用しない謂れはない
地形を利用しての暗殺、不意打ちはお手の物
引き付けられた敵に奇襲を与え、挑発でヘイトを稼ぐ
頭に血が上り易い連中だろうからな
冷静さを損なわせて行動の単純化を図る
とはいえ、一撃でも直撃したら痛いからな
軽口を叩きつつも周囲の観察は怠らず
攻撃の軌道が単純なら、ある程度回避もいけるか
多少の痛みは忍耐力で誤魔化して
可能な限りの連携を密に
死角を補い合いつつ、ぶちのめす
相手が悪魔だろうと天使だろうと関係ねえ
俺は、俺の敵を消すだけだ
撤退時は炎で怯ませる等して援護
こちらのディアボロスを追う『ハルファスの子ら』の数は20弱。そもそも烏合の衆であり統制は無きに等しい。
自然、前後にやや伸びた集団となって線路上を進む。
それを高台から見下ろす武人が居た。
既に初老の域にある堂々とした体躯を古代中国の武具が鎧い、長大な馬上槍を携え無双馬に跨る。
魏・鋼(人間の無双武人・g05688)、
「予想通り……しかし、何とも精密な地図であることか。景色が寸分変わらぬ」
鋼は予め付近の地図を読み、伏兵を仕掛ける位置を準備していたのだ。
少年たちの集団が半ばに差し掛かるや、鋼が無双馬を駆る。馬蹄の響きが轟き渡り、
「ん、なんだ……って」
「は? 馬ってオイ……」
1800年ほど時代が異なる装いの騎馬武者が向かって来る姿に、少年たちが唖然とする中、楔と化してその側面へと突撃する。
(「戦い慣れしておらぬな、動きが遅い」)
バットを持った少年が無双馬に跳ね飛ばされて悲鳴をあげ、鋼が馬上槍を振るい、さらに一人の胸元を激しく突いた。
「ぐっ……時代間違えてんぞ、おっさんよぉ!」
胸元を血まみれにした少年が振り回したナイフが、鐙にかける鋼の右足をえぐり血が迸る。
(「足を止めてはならぬ!」)
それには一顧だにせず、そのまま隊列を貫くように駆けざま新たな敵を振り下ろした槍で叩き伏せる。
「我が名は魏鋼、一騎駆け止めてみせよ!!!」
戦場に響き渡る大音声で名乗りを上げながら、敵の只中で蹂躙する。
鋼の目的は混乱だ。ならば、可能な限り目立つ必要がある。
伸びた隊列の中央で騒ぎが起これば、後半分は足を止めざるを得ない。そして前半分は迷う。前進を続けるか、対応するべきか。
(「優れた軍と将なら混乱はすまい、だが……」)
「ふざけやがって、好きにさせるな!」
無双馬に蹴り飛ばされた少年が、起き上がりざま泡を飛ばしてがなり立てれば、
「逃がすなよ!」
周りの少年が同調して飛び掛る。
鋼の目論見通り、いや、それ以上だ。周囲の、そして最前列から最後尾まで少年たちの注目を集める。
それは鋼へ攻撃が集中することでもある。常に位置取りを変え包囲を避けても長くは持たない。
だが、助けはさらに後方からもたらされた。
ハルファスの子ら集団の最後尾。そのすぐ左後方、放置された貨車の下に潜んでいた小柄な少女が仕掛けた。
短めの金髪が揺れ、背にはデーモンの翼。赤茶色の瞳に意思の光が煌く。
桜之宮・春風(明日も春の風が吹く・g00839)が姿勢を低め、青龍偃月刀を下段に構えて全力で駆ける。
(「こういうのは初撃が肝心!」)
背後から襲い掛かる完全な奇襲に、
「……えっ!」
「何だっ……うわぁぁああ!!」
青龍偃月刀が薙ぎ払われるや少年の左腕が一息で切り飛ばされ、少女の身長を遥かに超える武器の剣速を維持したまま、
「せえぇぇい!」
もう一人の少年の胸元を深々とえぐる。鮮血が噴出し、同時に叫んだ。
「鋼さん!!」
春風の襲撃に少年たちが浮き足立つも、それ以上は追い討ちせず、少女が身を翻して隊列右方向へと駆け抜けるや、
「……逃げるのか?
「ちくしょう、待ちやがれ!」
一人が叫ぶや数人の少年たちがこぞって後を追い、春風が小さく笑う。
先頭の少年が追いつきそうになる直前、いきなり春風が振り返りざま再び薙ぎ払った。
驚愕の表情を張り付けたまま首が飛び、その光景に絶句した少年たちの足が止まる。
血を払いざま青龍偃月刀を肩に乗せるや、少年たちを事も無げに見返す。
「カテドラルがなくなっただけで降伏なんて根性なしですねー。けどまぁ、港区を解放するんなら私もちょっとだけ頑張りますか。ってことで……」
上段に構えるや、
「お手柄はクロノヴェーダじゃなくて私が貰っちゃいましょー」
再び春風が突撃する。追ってきた少年たち――速度差で自然と列となり1対1が続けば、春風には敵しえない。
最後の一人を屠り、その頃には春風の誘引で薄くなった後方を突破した鋼が合流する。
「かたじけない、春風殿。ほぅ、青龍偃月刀……巾幗英雄ですな」
「……きんかく?」
「美々しい女武将のことをそう呼ぶのです……む、新手ですな」
敵はまだ残り、さらに追ってくる新手がいる。
「敵勢を少しでも分散させましょう、春風殿」
「了解ですー」
言うが早いか、先頭で戦っているだろう味方とは異なる方角へと撤退する。
一方、隊列先頭。
スカジャンの少年が後方の騒ぎを指差して、
「おい、俺たちもいくぞ!」
「トカゲ女はどうでもいいけど、エロい女を追いかけなくて良いのかよ」
「向こうは飛んでんだぞ、もう追いつけるもんかよ!」
その時、機関銃の制圧射撃が少年たちの集団へとばら撒かれるや、鬨の声が響き渡る。
「吶喊!! どぉうりゃぁあぁぁぁぁぁぁーっ!!」
突然の襲撃と銃声に少年たちが蜘蛛の子を散らすように身を隠し、反応が遅れたスカジャンの少年がそちらへと振り返った瞬間、振りぬかれた刃が肩から入り股間に抜けた。
声さえ上げることもできず、真っ二つに断ち切られた少年が血と臓物を撒き散らしながら二つに倒れる。
その場所に立っているもの――。
金属の鎧とも機械とも付かない全身、『TYPE-97』と刻印された複合装甲のシールド。その右手には血に塗れた大太刀を構え、頭部のバイザーが警戒色に赤く光る。
「……サイテーっすね、こいつら」
だが、中から聞こえてきたのは吐き捨てるような女性の声。九七式・千八(SPIRIT OF CHI-HA・g05092)だ。
『九七式試製電気動力型装甲強化外骨格』に乗り込み、敵のど真ん中に斬り込みを掛けたのだ。
「見かけ倒しだ! こっちも魔力弾で……」
物陰に隠れた少年たちの一人が魔力弾を打ち込むも、千八は回避さえしない。
直撃した左腕の装甲の一部が吹き飛び、同時に空間が歪み千八の腕にまで負傷が及ぶも、
「……その程度っすか!」
動力甲冑にマウントされたアームキャノンが、榴散弾発射筒が一斉に開くや周囲へと撃ちまくる。
千八を中心に同心円状に連続して爆発が閃き、無謀なハルファスの子らの絶叫が木霊する。
「あんなのアリかよ……。ようし、回りこんで一斉にやるぞ、マサル……ってマサル!?」
貨車に隠れて爆発から逃れた鉄パイプを持つ少年が振り返り、そこに頭から血を流して倒れる仲間に気付いて絶句する。
その眼前。いつのまに接近したのか花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)が血に塗れた鉄パイプを片手に不敵に笑う。
「要望通り、こっちから来てやったぜ? 折角遊んでやるんだ。俺を退屈させるんじゃねえぞ?」
「てめぇっ!」
眼を剥いて唸る少年の腕が数倍に膨れあがるや、力任せに鉄パイプを景臣へと振り下ろす。
少年の肉体の限界を超える一撃、まともに受ければ力では押し切られるだろう。だが景臣は冷静だった。
(「軌道が単純だぜ」)
大振りの一撃をギリギリまで引き付けて躱す。
外れた鉄パイプが景臣の傍らの貨車に直撃し、恐るべき威力に少年の武器がひとたまりもなく砕けた――少年の腕も。
少年が腕の痛みに悲鳴を上げた次の瞬間、躱す勢いのまま鉄パイプを喉元へと振りぬく。
一撃で喉を叩き潰された少年が、かすれた息を漏らして崩れ落ちた。
少年の躯にはもう一瞥も向けず、景臣が周囲へと視線を投げる。後方は既に撤退したのか、叫び声が近づく気配が。
(「襲撃より、撤退の方が難しい」)
その為の準備はしていた。千八へパラドクス通信を開き、
「聞こえているか。撤退ルートだが」
「あー、聞こえているっすよ。このままじゃ囲まれそうっすね」
「把握してる、10秒後だ。合図したら、7時の方角の……チッ、見つかった!」
後方で叫び声を上げる少年を尻目に景臣が駆ける。
「シルバーのワンボックスを撃て。後3、2、1……」
少年たちの中を突っ切り、千八が暴れまわる戦場に飛び込みざま、
「今だっ!」
即座に反応した千八が機関銃を一斉射。弾列が囲みつつある少年たちを撒き沿いに、線路脇に放棄された数台の車の一台、半ば瓦礫に埋もれたワンボックスカーへと伸びる。
その燃料タンクには景臣の細工が施され、車内に残っていたガソリンが気化充満し――。
弾丸が車体を貫いた。ちろっと小さな炎が漏れた刹那、轟音と衝撃波が轟きオレンジ色の火球が膨れ上がる。
それだけではない。周辺の放置された自動車が次々と誘爆し、炎の壁となって戦場を駆け抜けた。
千八への包囲を狙っていた数人のハルファスの子らが撒き沿いで燃え上がり悲鳴を上げる。
『ストリートストライク』――バウンサーの本質だ。戦場内にある、あらゆるものを利用して戦うパラドクス。
そうして唯一残した火に覆われていない一角へと駆け抜け、千八が続く。
行き掛けの駄賃とばかりに、千八が背後へと榴弾を叩き込む――。
揺れる炎の向こうで、生き残りのハルファスの子らと追ってきた大天使。
それぞれが、それぞれの悪態と怨嗟の声が響き渡る。
そのさらに先、品川駅には追い詰められ、逃げ込んだ首魁が残る。
決戦は――近い。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV2になった!