近江八幡拠点制圧作戦
美濃国から侵攻した移動城砦『千早城改』は、近江八幡に到達、史実の安土城のあった敵拠点に迫りました。
近江八幡の拠点に、安土城の姿は既にありませんが、安土城があったと思われる場所には、『城の土台』のような建築や各種施設などが残っているようです。
しかし、ディアボロスに奪われる事を恐れたのか、重要施設は破壊され、残る施設なども、クロノヴェーダの手で破壊活動が行われています。
おそらく、ディアボロスに、安土城の情報を渡さないよう処分を図っているのでしょう。
この敵拠点に攻め込み、拠点を制圧すると共に、解体作業を行っている敵を撃破し、有益な情報が破棄されるのを阻止してください。
得られた情報を解析する事で、安土城の攻略時に有利な状況を作る事が出来るかもしれません。
安土城の拠点を制圧後の千早城改は、琵琶湖対岸にある明智光秀の居城である『坂本城』を目指す事になるでしょう。他の方針や、坂本城攻略時の作戦などについては
攻略旅団で提案を行って下さい。
明智光秀
近江国にて、安土城跡地を制圧せよ(作者 北瀬沙希)
#天正大戦国
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#近江国
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●天正大戦国:近江国――坂本城、天守閣
「ディアボロスが美濃から近江に攻めて来るとは想定外でした」
顎に手を当て、ううむ……とうなりながら、坂本城の主であり、近江国の大名でもあるジェネラル級天魔武者『明智光秀』は、天守閣をうろうろと歩き回っている。
「近江八幡の拠点には、ディアボロスに渡すべきでは無い資料などが残されています。可能ならば、持ち出すように命じましたが……最悪、破棄する必要があるでしょう」
眉間に皺を寄せる代わりに、気難しさと困惑を同時に声音に浮かべながら、明智光秀は思案し続けていた。
――どうにも、ディアボロスの意図が掴めないのだ。
「安土城が目的ならば、安房国に向かうでしょうし……いったい、何を考えているのでしょうか?」
やはり、坂本城を攻略する陽動だろうか。
それとも――全く別の意図があるのか。
「なんとか、ディアボロスの意図を知る事が出来ればよいのですが」
しかしながら、今のところそれを知る術はなく。
明智光秀は、様々な可能性を脳裏に巡らせながら、ひたすら思案を続けていた。
●新宿駅グランドターミナル
「千早城改による、近江国への侵攻は順調に進んでいるようだね」
グランドターミナルの片隅に停車している近江国行きのパラドクストレインの前で、時先案内人藤森・智樹(人間の魔導忍者・g08569)が、集まったディアボロス達に話しかけ始める。
「さて、当初の目的だった、安土城があった近江八幡に到達したので、皆には近江八幡拠点の制圧に向かって欲しいんだ」
もっとも、安土城本体は、既に安房国に移されている。
そのため、今、近江八幡に残されているのは――発射台等の拠点のみ。
「その、近江八幡の敵拠点では、既に拠点の施設などを破壊し、撤退の準備を始めているようだ」
おそらく、ディアボロスに千早城改がある以上、防衛は不可能と考えたのだろう。
「既に有力な情報などは破棄されたようだが、それでも急行して施設の破壊を止める事が出来れば、破棄しそこなった情報を集められるかもしれない。そこで、皆には急ぎ敵拠点に向かい、拠点の制圧と共に、敵の破壊工作を阻止して欲しい」
頼めるかな、と頭を下げる智樹に、ディアボロス達は其々の想いを胸に頷いた。
了承したディアボロス達を前に、智樹はタブレットに安土城周辺の地図を表示しながら、説明を続ける。
「近江八幡の敵拠点にも防衛ラインはあるけど、今回は千早城改で強引に押し通る。皆は防衛ラインを押し通った後、千早城改から直接、敵拠点内部に突入して欲しい」
突入後は、施設内を警備する敵に対処しつつ、破壊活動を行っている敵の撃破を目指す事になる。
「破壊活動を行っているのは、トループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』。エッホエッホと掛け声かけながら破壊しているから、すぐわかるけど、どうやら集めた一般人やヒルコも口封じ兼ねて処分しようとしているようだから、一般人やヒルコを守りながら全滅させてほしい」
ただし、『天魔忍軍・豪傑型』の周囲は、トループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』の集団が施設警備も兼ねて護っている。
警備のトループス級を撃破するか充分な対策を行わなければ、破壊活動を止めるのに手間取る可能性が高いから、注意して欲しい。
「そして、この警備、及び破壊部隊の指揮を執っているのは、アヴァタール級天魔武者『百地三太夫』だ」
百地三太夫は全体の活動を見守っているが、破壊活動が阻止されれば諦めて撤退するだろう。
「撤退する前に撃破したいところだけど、あえて撤退させる事で、明智光秀へのメッセンジャーとする事も出来るかもしれないね」
明智光秀は、『安土城』のある『近江国』を任されている有力なジェネラル級ゆえ、今後の攻略を考えれば接触するのも一考に値するはずだ。
「ただ、百地三太夫に伝言を託しても、その後で撃破したら伝言が届かなくなるから、注意してね」
伝言を託すかどうかは、パラドクストレインの中でよく話し合い、方針を統一しておくべきだろう。
「今回の作戦が成功すれば、安土城拠点から琵琶湖の対岸にある明智光秀の居城『坂本城』を目指す事が出来るのだけど、明智光秀はジェネラル級の天魔武者の中でも特別な立場を得ているようなんだ。場合によっては、なんらかの交渉の余地もあるかもしれないね」
クロノヴェーダなのだから、最終的に敵となるのは間違いないとしても、一時でもディアボロスと共闘関係を結んだロベスピエールやラスプーチンのような関係を構築するのはあり得る……かもしれない。
「あともうひとつ。攻略旅団からは、断片の王『徳川家康』のいる『下野国』を攻める方針が示され、既に攻略が開始されている。《戴冠の戦》の時期が迫っている今だからこそ、今後を見据えていろいろ考える必要もありそうだね」
それじゃ、頼んだよと頭を下げる智樹に見送られながら。
ディアボロス達はパラドクストレインに乗り、近江国に向かった。
●天正大戦国:近江国ーー安土城跡地
――これより語るは、ディアボロスが介入せねば、確実となる未来。
「エッホエッホ、急いで石垣を崩すんだ♪」
土台のみが残された拠点の石垣を、トループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』が力まかせに破壊し、解体している。
一方、豪傑型の一部が、一般人やヒルコを追い立てるように一カ所に集めていた。
「エッホエッホ、一般人の人足は全て処分しちゃうんだ♪」
「エッホエッホ、何かに使えるかと思っていたヒルコも処分しちゃうんだ♪」
「な、何をするんですか……!!」
乱暴、かつ強引に一カ所に集められた一般人とヒルコに、豪傑型は躊躇いなく蝦蟇型のカラクリ銃を向ける。
「エッホエッホ、口封じを完璧にするんだ♪」
「や、やめ……て……」
ヒルコのひとりが泣きながら嘆願するも、豪傑型は構わずカラクリ銃から光弾を発射する。
銃口から吐き出される光弾は、一般人の胸を撃ち抜き、ヒルコの四肢を吹き飛ばしていた。
「やれやれ、言動は呑気なものだな」
「それでも、仕事は確かだ……ほれ」
周囲を警備している『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』達と『百地三太夫』の視線の先で、一般人とヒルコは、全身を無残に光弾で撃ち抜かれ、次々と倒れ伏して行く。
拠点の一角が一般人とヒルコの鮮血に染め上げられる頃には、安土城跡地は完全に破壊されていた。
当然ながら、人々は天魔武者に抗う術を持たず、破壊を止めることもできない。
――これらを止められるのは、ディアボロスだけだ。
リプレイ
瀬良・朔也
○アドリブ連携可
改竄されとるいうても、あくまで戦国時代か、くそっ
民を守るんが軍の仕事ちゃうんかい!
ヒルコや人々を救うため、一刻も早く奴らを撤退させなあかん
向かう先は高みの見物決めとる天魔武者や!!
バルカン=バルクをフルスロットルに入れ、オフロードで鍛えた運転スキルで、悪路をものともせずスピードを落とさずに『白山』の一団を強襲
バルクのサイドポケットに仰山詰め込んだ鼠爆弾を思う存分ばらまいて、混乱を誘う
反撃には、ドリフト走行で急旋回しつつ、ハリウッド映画さながらのスタントで大槌を避けて、波動エネルギーをライトシールドで弾いて、なんとかしのぐ
おいおい、デカすぎて派手な空振りかましとんぞ!
煽りつつ、しつこく鼠爆弾を放り投げ続けて、自分に集中させて、雪人サンが攻撃する隙をつくっていく
【パラドクス通信】で報・連・相は忘れずに。まあ余裕があるかはわからんけども!(投げるのと避けるのに必死)
陽動いうても、【反撃アップ】とか【命中アップ】も借りて、ちょっとでもダメージを与えていくで!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
撤退準備としての拠点破壊に関しては、進められているだろうとは思ってたけど、
資料だけならまだしも、一般人やヒルコ達まで処分しようとは、
勿論見過ごす事なんて出来ないよ。
人々を確実に護る為にも、警備は先に倒しておきたいね。
とはいえ敵地である以上、地の利もまた当然向こうにある。
不利な状況に追い込まれない為にも、
【パラドクス通信】で仲間と連携して向かいたい。
『幽玄の霧』のパラドクスを使用。
艶やかに緩やかに、有明月の竜笛の澄んだ音色を響かせる。
そうだね、あえて陰陽で表現するならば、
朔也の作戦を陽とすれば、此方の動きは陰とでも言おうか。
朔也の派手な攪乱に敵の注意が向いた隙を狙って、敵を幽玄の霧の幻に捕らえて、
敵の反撃のランチャーの照準を少しでも狙い難くさせつつ、
雷撃の呪詛をパラドクスの力として込めた呪符を放つ。
【命中アップ】な攻撃で、密やかに速やかに確実に倒していこう。
敵を倒しながら、素早く現地の状況も確認する。
人々を護りながら戦う際に、安全地帯に出来る様なスペースはないだろうか。
●
――天正大戦国、近江国。
「エッホエッホ、指示通り機密情報を破棄するんだ♪」
「エッホエッホ、用済みの輩を集めるんだ♪」
もはや城が戻ることのない安土城跡地にて、トループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』が機密情報の破棄に勤しむ一方、一般人やヒルコを跡地の片隅に集めていた。
「さて、そろそろ……」
作業現場の周囲をトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』に警護させつつ、現場監督のアヴァタール級『百地三太夫』が天魔忍軍に何かを命じようと手を上げた、その時。
――ドゴオオオオン!!
地響きと共に、天守閣から多数の脚が生えたような見た目の移動城砦『千早城改』が、安土城の防衛ラインたる防衛施設を破壊しながら強引に突破し、安土城跡地に乱入する。
一瞬、天魔武者らが驚き手を止めたその隙に、城内から瀬良・朔也(オオサカ製自動車整備士・g11284)がバルカン=バルクにまたがり飛び出す。
「改竄されとるいうても、あくまで戦国時代か、くそっ。民を守るんが軍の仕事ちゃうんかい!」
無理やり集められた一般人やヒルコに目を向けながら、朔也は民を守るどころか酷使し、挙句の果てに不要になったら処分しようとしている天魔武者への怒りを滾らせてゆく。
一方、千早城改に乗っていた文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、静かに降りていた。
(「撤退準備としての拠点破壊に関しては、進められているだろうとは思ってたけど、資料だけならまだしも、一般人やヒルコ達まで処分しようとは」)
勿論、そのような暴虐を見過ごす事など、雪人には出来ない。
そしてそれは……摂津西宮で一般人を守り抜いて来た朔也も同じ。
「ヒルコや人々を救うため、一刻も早く奴らを撤退させなあかん」
そのために、ふたりがまず向かう先は、一般人やヒルコを連行している天魔忍軍……ではなく。
「高みの見物決めとる天魔武者や!!」
「同感だね。警備を先に倒しておこう」
朔也がバルカン=バルクを白山の一団に向けると同時に、雪人は静かに動き出す。
「……ほう、そっちから狙うか」
その動きを見て思わず漏らした百地三太夫の声は、バルカン=バルクのエンジン音にかき消されていた。
●
「おりゃああああああ!!」
朔也はバルカン=バルクをフルスロットルに入れ、オフロードで鍛えた運転スキルで城跡に繋がる悪路をものともせず走り抜け、『白山』の集団を強襲。
「でやあああああ!『でっかい花火や、よそ見注意やで!』」
大声で叫び注意を惹きながら、朔也はバルカン=バルクのサイドポケットにぎょうさん詰め込んだ鼠爆弾を思う存分投擲した。
ねずみ花火を改造し、限界いっぱいまで火薬を詰め込まれた鼠爆弾は、本来なら敵も味方も油断ならない爆発物だが、今はパラドクスでばら撒いているため、味方や一般人を巻き込む心配はない。
確実に天魔武者のみを狙う鼠爆弾は、盛大な火柱を上げながら四方八方暴れるように走り回り、白山のうち3体に体当たりした。
「うおおおっ!?」
「あつっ、熱いではないか!!」
鼠爆弾で焼かれ、吹き飛ばながらも、3体の白山はそれぞれ手持ちの大槌を振るい、波動エネルギーを朔也にぶつける。
だが、朔也はドリフト走行で急旋回を繰り返しながら遠間で放たれた波動エネルギーの直撃を避け、余波をライトシールドで受け流した。
ハリウッド映画さながらの大立ち回りで避け回りながら鼠爆弾を投げ続ける朔也の姿は、嫌が応にも白山達の注目を惹き、雪人から注意を逸らしている。
(「とはいえ敵地である以上、地の利もまた当然向こうにある」)
――ならば、ここは。
雪人は有明月の竜笛を取り出し、艶やかに、緩やかに演奏し始める。
『ここはひとつ、楽の音などはいかがでしょう?』
バルカン=バルクのエンジン音に、静かに、だが澄んだ音色が重なり始める。
すると、雪人の手近にいた3体の白山が幽玄の霧に巻かれ始めた。
「む……」
「あ……?」
幽玄の霧が見せる心地よい幻に囚われ、白山達は両肩から力を抜く。
直後、雪人が霧中に雷撃の呪詛を籠めた符を放ち、白山達を無数の雷で絡め取った。
反撃で両肩のミサイルランチャーからミサイルが発射されるが、幻に視界を惑わされているため、狙いは甘い。
ミサイルが雪人の髪を掠め、遠くへ飛び去ると同時に、雷撃の呪詛を受け続けた3体の白山は全身から煙を噴き擱座した。
●
その後も、朔也と雪人は、交互に白山を攻撃し、確実に倒して行く。
朔也が派手な立ち回りで気を惹き鼠爆弾をぶつけていけば、雪人は心地よい笛の音と幻に白山を捕らえ脱力させ、視界外から雷撃を浴びせてゆく。
一方、笛と霧を警戒している白山には、朔也が投擲した鼠爆弾がちょこまかと不規則な動きを見せながら接近し、爆発に巻き込んでいった。
――朔也の攻撃が『陽』とするならば、雪人の攻撃は『陰』。
陽の象徴たる鼠爆弾の爆発音が戦場全体に轟く中、雪人は有明月の竜笛を奏でながら周囲を観察し始めた。
(「人々を護りながら戦う際に、安全地帯に出来る様なスペースはないだろうか?」)
その動きに気づいたか、朔也が【パラドクス通信】で雪人に話しかけて来る。
『これ、城跡とは言っとるけど、なんかスペースシャトルの発射場みたいやなあ』
投擲と回避に必死になりながらも、報・連・相を怠るまいと伝えて来た朔也の言葉に、雪人は改めて安土城跡地の状況を確認した。
――現在、雪人や朔也が戦っている場所は、周囲を石垣で固められた安土城の土台。
石垣の周囲には、巨大な金属の骨組みのような機械仕掛けの塔と、塔を守るよう設置された多数の防衛施設が設置されている。
ここが天空魔城たる安土城の発射台なのは、明らかだった。
(「だとしたら、天魔忍軍はこの跡地を全部破壊し、証拠隠滅を図るだろう」)
――この土台に、安全地帯はない。
そう結論付けた雪人は、必死に周囲を見回し安全地帯を探し始めた。
その間に、朔也は再度バルカン=バルクのアクセルをふかし、白山の注意を惹く。
(「今は雪人サンが攻撃したり考えたりできる隙を作る時や!」)
「おいおい、デカすぎて派手な空振りかましとんぞ!!」
挑発だけでなく、実際に振り下ろされる大槌や波動エネルギーを避けたり逸らしたりしながら、朔也は次々と鼠爆弾を投げつけ、爆発に白山を巻き込み吹き飛ばしてゆく。
エンジン音と数々の爆発音が乱れ飛ぶ中、雪人の目に木々や建造物がない開けた斜面が目に入る。
『あそこなら安全地帯になりそう!』
『おっしゃ了解!』
雪人が場所を【パラドクス通信】で朔也や後に続くであろうディアボロスに伝えると、朔也はバルカン=バルクのアクセルを盛大にふかした。
「後はこいつらを倒し切るだけやな!!」
「ああ、急ごう」
雪人は再度有明月の竜笛を奏で、白山を幽玄の霧に捕らえながら雷撃の符を放つ。
白山も雷撃の呪詛を受けながらミサイルを発射するが、目標の近くで炸裂するはずのミサイルはあさっての方向に飛び去り、遠く離れた空で爆発した。
「これで仕舞いやわ!」
朔也もバルカン=バルクで突進し、雷撃の呪詛を刻み込まれた白山の上空を飛び越えながら、ありったけの鼠爆弾を投げつける。
上空から投げつけられた大量の鼠爆弾は、次々と白山に衝突し爆発し――跡形もなく吹き飛ばしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
●天正大戦国:近江国――安土城跡地
「我や天魔忍軍より先に、警備の白山から倒したか」
現場監督のアヴァタール級天魔武者『百地三太夫』は、乱入して来たディアボロスの行動を目にし、首を捻っていた。
この現場の警護を担うトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』には、実働部隊のトループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』が攻撃されたら、即座に妨害に入るよう命じてあった。
だが、突如乱入して来たディアボロスは、まるで妨害されることを予測していたかのように、天魔忍軍を無視し白山から全滅させたのだ。
「彼奴等の狙いが破壊活動の阻止にあるのは明白だが……この違和感は何だ?」
天魔忍軍による機密情報の破棄は順調に進んでいるし、一般人とヒルコの追い立ても進んでいるが、警備役が全滅した今、ディアボロスはすぐに己や天魔忍軍を狙うだろう。
そう判断した百地三太夫は、ちらつく違和感を無視しつつ天魔忍軍に指示を出した。
「……今は主の命を優先すべきか。天魔忍軍よ、証拠隠滅と関係者の処理を優先せよ」
「エッホエッホ、もちろんだ♪」
「エッホエッホ、全部消しちゃうんだ♪」
百地三太夫の指示を聞いた天魔忍軍が、引き続き破壊活動に動き出す。
それを見届けた後、百地三太夫はディアボロスの挙動を観察すべく、目を向けた。
――今、この場で百地三太夫を討ち取るか。
――あるいは……明智光秀へのメッセージを託し、撤退させるか。
いずれを選ぶかは――ディアボロス次第だ。
鈍・長巻
※アドリブ連携歓迎
成程、人々の危険を考えると急いだ方が良さそうな状況だな。
警備の白山共の対処には仲間が向かってくれている。
【パラドクス通信】で彼方の状況を確認しつつ、
俺もまた連携する形で内部へと突入しよう。
人々と敵の数や位置関係を素早く確認、護りに適した場所を見出して、
人々と敵の間に割り込んで、【防衛ライン】を引いて引き離す。
この行動で最優先したいのは一般人達の安全確保だ。
勿論、破壊阻止も重要ではあるし、明智光秀への伝言を託したい局面でもあるが、
そこへ流れを繋げる為にも、先ずはここに手を打ちたい。
『スピアウォール』のパラドクスを使用。
妖刀を抜き放ち、人々を護る位置取りのまま、
【反撃アップ】で敵の動きを読み取りつつ、パラドクスの槍衾で敵を迎え撃つ。
施設の破壊だけでなく、人々まで処分しようとは、
流石に見過ごす訳にはいかないのでな、俺達の手で止めさせて貰う。
百地三太夫に対しては、俺もまた明智光秀への伝言を託す方針に賛成だ。
今は人々の安全確保を最優先に反撃メインで戦闘を行い、仲間の合流を待とう。
●
――少しだけ、時は遡る。
鈍・長巻(ある雨の日の復讐者・g03749)が救援機動力で安土城跡地に駆けつけると、先攻したディアボロス達と警護役のトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』が交戦している。
その傍らで、破壊工作担当のトループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』が、アヴァタール級天魔武者『百地三太夫』の命でひたすら安土城跡地の破壊作業を進める一方、一般人やヒルコを跡地の片隅に集めていた。
――天魔武者達にとって、一般人とヒルコは『用済み』の存在。
人々の危険を考えると、対処を急いだほうが良さそうな状況だ。
その時、【パラドクス通信】を通して、警備の白山たちを相手にしている文月・雪人の声が長巻の耳に届いた。
『あそこなら安全地帯になりそう!』
『おっしゃ了解!』
景気良い声と共に、瀬良・朔也が白山の気を惹くためにバルカン=バルクを駆り、鼠爆弾を投げまくり始めたのを見て、長巻は急いで周囲の状況を確認した。
――いかにも何らかの発射台に見える『安土城跡地』。
――石垣の上に集められている一般人やヒルコ。
――そして、土台を破壊しつつ、一般人を殺めんとしている天魔忍軍。
必要な情報だけを素早く確認し、長巻は安土城の土台へ駆け出す。
今、長巻が最優先したいのは――一般人達の安全確保。
(「後へ流れを繋げる為にも、先ずはここに手を打ちたい」)
もちろん、跡地の破壊阻止も重要ではあるし、近江国の大名、ジェネラル級天魔武者『明智光秀』への伝言を託したい局面でもあるが、石垣の上で天魔忍軍達が一般人とヒルコたちにじりじりと近寄っているのを見れば、優先順位は明白だろう。
「エッホエッホ、そろそろ処分し始めなきゃ♪」
天魔忍軍達は陽気にアクロバティックな動きを見せながら、左手の蝦蟇型カラクリ銃を一般人達に向ける。
「エッホエッホ、君たちはもう用済みなんだ♪」
「や、め……!!」
そして、天魔忍軍達が蝦蟇型の銃を発射しようとしたその時、長巻は妖刀を抜き放ちながら人々を護るように割り込んだ。
「させるか!!」
長巻は一喝と共にパラドクスを発動し、目前に槍衾を出現させながら、すぐ後方に一般人達と天魔忍軍を隔てるように【防衛ライン】を引いた。
「流石に見過ごす訳にはいかないのでな、俺達の手で止めさせて貰う」
「エッホエッホ、邪魔するディアボロスもまとめて処分するんだ♪」
天魔忍軍達も陽気にアクロバティックに動き回りながら一般人に迫ろうとするが、【防衛ライン】に足止めされる。
「エッホエッホ、通れないのはどういうことだ♪」
「ここは俺が止めるから、皆、あの斜面まで逃げろ!!」
「は、はいぃ!!」
その間に、長巻は大きく手で安全地点を指し示しながら一般人とヒルコに避難を促した。
声を聞いた人々が、弾かれたように台座から飛び降り、長巻が示した安全地帯へ駆け出す。
天魔忍軍達もアクロバティックな体術で追いかけようとするが、【防衛ライン】を越えられず、追いかけられない。
「エッホエッホ、このラインが邪魔で追いかけられないんだ♪」
「……施設の破壊だけでなく、人々まで処分しようとは」
怒りと共に、何一つ攻撃を通さぬとの強い意思を籠め、長巻は槍衾を具現化する。
アクロバティックな体術で長巻を吹き飛ばそうとした天魔忍軍達のうち3体は、目前に現れた槍衾に貫かれた。
槍衾で動きを止められた天魔忍軍達を一瞥し、長巻は妖刀を握り締める。
「流石に見過ごす訳にはいかないのでな、俺達の手で止めさせて貰う」
明智光秀に伝言を託すために、そして仲間の合流を待っている間に。
長巻は槍衾にとらわれた天魔忍軍達に妖刀を振り下ろし、斬り捨てた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
文月・雪人
長巻が人々の安全確保に動いてくれている。
その動きに合わせて【防衛ライン】を重ねて支援、
人々を護る姿勢を明確に示しつつ
百地三太夫に明智光秀への伝言を託す。
お前がこの部隊の指揮官だな。
俺達ディアボロスが何を考えているのか、真意を測りかねているって顔をしているね。
ならば『ディアボロスは明智光秀との話し合いを望んでいる』と、
そう答えたらお前はどうするだろうか?
これは冗談ではなく本気だよ。
言うまでもなくクロノヴェーダとディアボロスの価値観は違う。
だがだからこそ相手を知る事は重要だ。
戴冠の戦を前に、内も外も世界が大きく動く中、お互い何が出来るのか。
ただ戦うだけではない別の道もあるのかもしれない。
俺達の知る歴史において、明智光秀と言えば信長を討った程の男だ。
その名を持つ者がこの世界で何を思うのか、
相手が明智光秀であればこそ話してみたいと考えている。
馬鹿げていると思うかい?
だが決めるのは明智光秀だ。
勿論これ以上の破壊活動は阻止させて貰うけど、
撤退し伝言を伝えてくれるなら、その背を追う事はしないでおこう。
●
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)と瀬良・朔也のふたりが、安土城跡地を警備していたトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』を殲滅させている間に、一般人とヒルコは鈍・長巻の指示で安全地帯へと駆け出している。
その動きを目にした雪人は、急ぎ駆けつけ【防衛ライン】を重ね支援し、人々を護る姿勢を明確にしながら、アヴァタール級天魔武者『百地三太夫』に話しかけた。
「お前がこの部隊の指揮官だな」
「やはり、ディアボロスは我々の活動を阻止しに来たか。しかし――」
「――俺達ディアボロスが何を考えているのか、真意を測りかねているようだね?」
言葉に出さずとも顔には出ているよ、と雪人が目で訴えかけると、百地三太夫は重々しく頷いた。
「……然様。主も我も、美濃から此処に攻め入ったディアボロスの意図を図りかねておる」
(「やはり、明智光秀は俺達が『千早城改』で『坂本城』にすぐさま攻め入らない理由を考えていたのか」)
そう踏んだ雪人は、用意して来た伝言を口にした。
「ならば『ディアボロスは明智光秀との話し合いを望んでいる』と、そう答えたらお前はどうするだろうか?」
「な……っ!?」
「これは冗談ではなく本気だよ」
「……っ!?」
言葉を失った百地三太夫に、雪人は誠実に呼びかける。
「言うまでもなく、クロノヴェーダとディアボロスの価値観は違う。だが、だからこそ相手を知る事は重要だ」
「む、むむぅ……」
「戴冠の戦を前に、内も外も世界が大きく動く中、お互い何が出来るのか。ただ戦うだけではない別の道もあるのかもしれない」
それに、と一呼吸おいて、雪人はさらに続ける。
「俺達の知る歴史において、明智光秀と言えば信長を討った程の男だ」
「我が主が、かつての断片の王を討った……か」
得心言ったように頷く百地三太夫を前に、雪人はさらに畳みかける。
「その名を持つ者がこの世界で何を思うのか、相手が明智光秀であればこそ話してみたいと考えている」
――馬鹿げていると思うかい?
軽口を交えながら、それでいて真剣な声音で呼びかける雪人の言を、しかし百地三太夫は言の葉の刃で斬り捨てる。
「馬鹿げておろう。それこそ、我が主を引き摺り出す為の罠と勘繰りたくもなるわ」
「だが、応じるかどうかを決めるのは明智光秀だ」
「そのような戯言、我が主が応じるとは思えぬ!」
「勿論これ以上の破壊活動は阻止させて貰うけど、撤退し伝言を伝えてくれるなら、その背を追う事はしないでおこう」
「そうぬかしておいて、それこそ背から……ッ!?」
撃つ気だろう、と声を荒げようとして、百地三太夫は言葉を詰まらせた。
疑われ、疑惑をぶつけられてもなお、雪人の表情は――全く揺らいでいない。
(「まさか、目の前のディアボロスは、本当に我に主への伝言を託し、見逃すつもりか?」)
その予想は、百地三太夫にある言の葉を零させる。
「……おぬしは本気で我に伝言を持たせ、見逃すつもりなのだな」
「ああ、そうだ」
「だが、そこの少年のように、別のディアボロスが突然この場に現れ、我に攻撃を仕掛ける可能性もあろう?」
疑問を口にしながら、百地三太夫が石垣の端を指差す。
その先にいるのは、救援機動力で駆けつけ、天魔忍軍達に槍衾で応戦している長巻。
「……それはない、と言い切れないのが辛いね」
ディアボロスの救援機動力を目の当りにしていれば、当然生じる疑問を突き付けられ、雪人も言葉を詰まらせる。
だが、その姿勢から誠実さを感じ取ったか、百地三太夫は一歩後退しながら雪人に告げた。
「よかろう。万が一我が生き延びる事が出来れば、先程の伝言を我が主に伝える。――今は破壊活動を阻止してみるが良い」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!
瀬良・朔也
○アドリブ連携可
よっしゃ、ふんぞり返ってた警備は倒したな!
雪人サンが伝言を託してる間にも、ヒルコたちや一般人が危ない目にあってるんや
急いで長巻クンに合流すんで!!
城の地形をものともせず、バルカン=バルクをフルスロットルで走らせる
オフロードで鍛えた運転スキルを舐めてもらっちゃあ困るでっ
「そこまでや!!」
勢いを生かして【先行率アップ】させ、トルクレンチのフルスイングで『天魔忍軍・豪傑型』の1体にバラドクスをお見舞い
ヒルコや一般人の盾になるように、シオンと共に立ち塞がる
びしっとトルクレンチを突き出してけん制しつつ、シオンにさっき見つけた『安全地帯』に誘導しといてもらう
「みんなには手を出させへんで、俺が相手や!」
ライトシールドやトルクレンチで明後日の方向に光弾を弾き飛ばして直撃をさけて、ダメージを蓄積せんよーに
どうやって弾き飛ばしてるかって?そんなん俺の超集中のおかげや!(シオン残念な顔)
明るい言動で、ヒルコや一般人の動く勇気になるように心がける
さ、みんなで生きるために逃げるで!!
●
――少しだけ、時は遡る。
「よっしゃ、ふんぞり返ってた警備は倒したな!」
警備役のトループス級天魔武者『寒冷地戦闘対応型天魔武者・白山』の姿が消えたのを見て、瀬良・朔也(オオサカ製自動車整備士・g11284)は小さくガッツポーズする。
その間に、文月・雪人はアヴァタール級天魔武者『百地三太夫』に、近江国の大名たるジェネラル級天魔武者『明智光秀』への伝言を託していた。
だが、その間にも、ヒルコや一般人達が危ない目に遭っている。
「急いで長巻クンに合流すんで!!」
朔也は城の地形をものともせず、バルカン=バルクをフルスロットルで走らせ、一気に天魔忍軍達に肉薄した。
「エッホエッホ、無茶するな♪」
天魔忍軍達も、アクロバティックな体術で朔也に飛び掛かり、バルカン=バルクから叩き落とそうとする。
「オフロードで鍛えた運転スキルを舐めてもらっちゃあ困るでっ!」
だが、朔也は片手でバルカン=バルクを操りながら、もう片手で特大トルクレンチを握り締め、パラドクスを発動ながら一気に振り抜いた。
「そこまでや、『よそ見厳禁!!』」
――ガスッ!!!
パラドクス発動と同時に、特大トルクレンチの豪快なフルスイングが天魔忍軍に叩き込まれる。
運悪く――本当に運悪くトルクレンチのフルスイングを受けた天魔忍軍は、勢いよく空へと吹き飛ばされ、空の星となった。
(「よっしゃあ、クリーンヒットしたで!!」)
【防衛ライン】の前に陣取っていた鈍・長巻の横にバルカン=バルクを止め、シオンとともに並び立ちながら、朔也はトルクレンチをビシッ! と突き付け牽制する。
「シオン、安全地帯までの避難を手伝ったってな!!」
朔也の指示にシオンが頷きながら駆け出し、一般人やヒルコ達を先導するよう走り出す。
だが、天魔忍軍達は蝦蟇型のからくり銃を一般人たちの背に向けながら、陽気に呼び止めた。
「エッホエッホ、まとめて処分してやるんだ♪」
無邪気に、そして無慈悲に、からくり銃から光弾が発射される。
「みんなには手を出させへんで!」
しかし朔也は、降り注ぐ光弾をライトシールドで弾き飛ばし、トルクレンチを振りかざして器用に方向を変えた。
「エッホエッホ、どうやったら弾き飛ばせるんだ♪」
「エッホエッホ、不思議だな♪」
荒唐無稽に映ったのか、天魔忍軍達が思わず朔也に質問するが、朔也は胸を張ってきっぱり一言。
「そんなん俺の超集中のおかげや!」
「エッホエッホ、そりゃすごいな♪」
胸を張る朔也に感心しつつも、天魔忍軍達はアクロバティックな動きは崩さない。
ちなみに、それを目にしたシオンは、ヒルコ達を誘導しつつもどこか残念そうな顔をしている。
(「うぅ、何だかシオンがあきれているような気がする……」)
それでも、恐怖に晒されている一般人やヒルコの事を考えると、めげてはいられない。
幸い、さっきの自慢(?)のおかげで、天魔忍軍の注目は朔也に集中している。
――この状況を利用しない手は、ない。
(「ここは明るい言動で、ヒルコや一般人の動く勇気になるよう心掛けんとな!」)
「さ、みんなで生きるために逃げるで!! どりゃあああああ!!」
シオンに一般人達とヒルコを誘導してもらいながら、朔也はバルカン=バルクを駆り、天魔忍軍に特大トルクレンチを叩きつける。
反撃で天魔忍軍が朔也にアクロバティックな体術で体当たりしようとするが、朔也はライトシールドで天魔忍軍の身体を受け流した。
その隙に別の天魔忍軍が殴りかかってくるも、朔也は特大トルクレンチで拳を受け流しつつ、そのまま殴りつける。
頭上から特大トルクレンチの一撃を受けた天魔忍軍は、そのまま地面に沈み、二度と動かなくなった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
「ありがとう、宜しく頼むよ」
百地三太夫の言葉に頷いて、雪月花の刀を地面へと突き立てる。
『ディバインゲイザー』のパラドクスを使用。
人々もこの施設も残された情報も、全て護ってみせようと、
守護の信念を光り輝くエネルギーの奔流として具現化して、
破壊活動を続ける天魔忍軍・豪傑型を、
彼らの放つ光弾ごと飲み込んで、貫いて、押し流す!
ここは仲間との連携も重要だ。
人々を安全地帯へ誘導出来ているのも、
伝言を託す流れに繋げられたのも、皆との同意と行動があってこそだ。
俺もまた俺の役割を最後まで果たすべく力を尽くしたい。
【反撃アップ】で豪傑型の動きを掴みつつ、
人々に攻撃が向かない様に【防衛ライン】の効果も重ねて強化。
長巻と朔也のお陰で人々の安全を確保できているならば、
此方は戦闘を早く終わらせるべく【命中アップ】で攻撃を重ねていこう。
戦闘後は人々の無事を確認し、金属プレートも回収する。
そして伝言は、ここを含めて4つの戦場全てで託された。
この事実に明智光秀は何を思いどう動くのか、反応を待つとしよう。
●
「よかろう。万が一我が生き延びる事が出来れば、先程の伝言を我が主に伝える。――今は破壊活動を阻止してみるが良い」
「ありがとう、よろしく頼むよ」
アヴァタール級天魔武者『百地三太夫』に伝言を託した後、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は告げられた言の葉に頷きながら、雪月花の刀を地面へと突き立てる。
雪人の視線の先では、トループス級天魔武者『天魔忍軍・豪傑型』が、ひたすら安土城跡地を解体――否、破壊していた。
「エッホエッホ、壊すんだ♪」
「エッホエッホ、情報なんて渡さないんだ♪」
陽気な声とは裏腹に、主命通り何も渡すまいと、天魔忍軍達は念入りに破壊を繰り返している。
おそらく、機密情報は既に破棄されているが、まだ残された情報はありそうだ。
――だから。
「人々もこの施設も残された情報も、全て護って見せよう」
その、雪人の固い意思に雪月花が反応し、光り出す。
次の瞬間、雪月花から光り輝くエネルギーの奔流が放たれ、天魔忍軍のうち4体が発射した光弾ごと呑み込み、貫き、押し返していた。
その間にも、雪人の背後で、鈍・長巻と瀬良・朔也、そして朔也のサーヴァントのシオンが、一般人とヒルコを安全地帯に誘導している。
人々を安全地帯へ誘導できているのも、伝言を託す流れに繋げられたのも――すべて皆との同意と行動があってこそ。
「だからこそ。俺もまた俺の役割を最後まで果たす」
「エッホエッホ、邪魔させないぞ♪」
雪人の決意を嘲笑う様に、天魔忍軍は陽気に土台を破壊しながら、全身を発光させ始める。
それが蝦蟇型のカラクリ銃に魔力を溜め、いつもより強力な光弾を発射する予兆だと見切った雪人は、雪月花から守護の信念が具現化したエネルギーの奔流を噴出させた。
カラクリ銃から放たれた光弾と、具現化したエネルギーの奔流が真正面から衝突し――エネルギーが光弾を呑み込みながら天魔武者を光に還してゆく。
その間に、一般人とヒルコ達は、全員安全地帯に辿り着いていた。
長巻と朔也、そしてシオンがいる限りは、人々に攻撃が向けられることはないだろう。
それでも念のため、さらに【防衛ライン】を重ね強化しながら、雪人は続けてパラドクスを発動し、雪月花からエネルギーの奔流を放つ。
守護の信念が生み出す光り輝くエネルギーの奔流は、撃ち出された光弾ごと破壊活動を続ける天魔忍軍を次々と呑み込み――消失させた。
光の奔流が消失した後に残ったのは――百地三太夫ただひとり。
破壊工作の阻止を悟った百地三太夫は、雪人からの伝言を携え、静かに安土城跡地から姿を消していた。
●
天魔武者の気配が消えた後、雪人達は安土城跡地を軽く調べてみる。
ディアボロス達がたどり着くまでにある程度破壊活動が行われていたためか、見ただけで判るような物は残されていないが、完全に破棄できなかった資料など探し出し、最終人類史のコンピューターなどで解析することはできそうだ。
歩いてみると、つま先に何か固いものがふれる。
そっと拾い上げてみると、何らかの金属プレートだった。
「明智光秀への伝言は、ここを含めて4つの戦場全てで託された」
金属プレートを回収し、握り締めながら、雪人は坂本城があるであろう方角に目を向ける。
――この事実に、明智光秀は何を思い、どう動くのか。
「今は反応を待つとしよう」
その静かな呟きを、安土城跡地に吹き込む風に乗せながら。
ディアボロス達はパラドクストレインに乗り、新宿島へと帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!