【ラ・ピュセル奪還戦】⑨童話の魔女グリム

 このシナリオは【火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 最終人類史の戦場は、奪還戦が開始するまで攻撃する事は出来ない為、火刑戦旗ラ・ピュセルのフランス全域に散らばるジェネラル級キマイラウィッチに対して、戦闘を仕掛けます。
 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。
 また、火刑戦旗ラ・ピュセルの周囲は全て最終人類史の領域である為、今回の奪還戦では他ディヴィジョンからの横やりが入る事はありません。

 このシナリオの攻撃対象は【⑨童話の魔女グリム】の軍勢です。
 魔女グリムは、ジル・ド・レを筆頭とするジャンヌ・ダルク配下の武将達とは別の派閥となるキマイラウィッチ達を率いる、有力なジェネラル級でした。
 ブールジュを中心とした地域を支配していましたが、オルレアン奪還に伴い、最前線のオルレアンを配下に任せて、支配地域の中心に位置する『シャトールー』に根拠地を置いて、ディアボロスに対抗しようとしているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑨童話の魔女グリム」の敵残存率を低下させます。

【ラ・ピュセル奪還戦】人形と復讐の物語(作者 志稲愛海
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 シャトールーの地に在る魔女が思い返すは、これまでに綴られた物語。
「まさか、サンジェルマンが破れるとは想定外であったな」
 そして決戦のその後を見据えた、これから己が紡がんとする物語を構築するべく思案する。
「ディアボロスのディヴィジョンへの侵攻が成功したとしても、ジル・ド・レに続きサンジェルマンまで撃破されては、火刑戦旗ラ・ピュセルを守り切るのは難しかろう。この状況で、ジェネラル級の3割以上を敵地に送り込もうというのであれば、ジャンヌ様の狙いは……」
 そう、彼女はグリム。童話の魔女と冠する、その名の通りに。
 ジャンヌのための物語を、このような展開と思惑で思い描くのであった。
「ならば、童話の魔女グリムの名において、ジャンヌ様の期待に応えなければならぬ……この戦い、何としても生き伸びねば」

「みんな、火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦も目前だけど。できることを頑張って、決戦に臨みたいよね」
 逢海・凪都(黒焔・g03331)は集まってくれたディアボロスの皆に礼を告げた後、作戦の概要を語る。
「オルレアンのジル・ド・レ軍、リヨンのサンジェルマン伯爵など、有力なジェネラル級キマイラウィッチを撃破した事で、『火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦』発生を示す断層碑文がついに出現したのは、皆ももう知っていると思うけど。そして、このディアボロスの奪還戦に対して断片の王ジャンヌ・ダルクは、不完全ながらも、復讐祭の卵を使用した大儀式を行って、最終人類史に逆侵攻を実行したんだ」
 つまり、火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦では、火刑戦旗ラ・ピュセルに攻め込み、ジャンヌ・ダルクの撃破を目指すと共に、最終人類史の防衛も行わなければならないというわけだ。
「それにね、復讐対象であるディアボロスとの決戦では、キマイラウィッチが本来以上の戦闘力を発揮する為、戦い熾烈を極めるかもしれないんだけど、でも周囲を最終人類史で囲まれた火刑戦旗ラ・ピュセルに対して、他のディヴィジョンからの横やりは入らないのが救いではあるよ」
 それから凪都は、皆へと告げる。
「厳しい戦いになると思うけど、火刑戦旗ラ・ピュセルとの決着をつけようね」
 ならば、そんな大きな戦いを前に、やるべきことはやっておきたいから。
「皆には、奪還戦前に敵の戦力を減らすべく、一足先に火刑戦旗ラ・ピュセルで敵を叩いてほしいよ。今回数を減らして欲しいのは、童話の魔女グリムの軍勢だよ」
 魔女グリムは、ジル・ド・レを筆頭とするジャンヌ・ダルク配下の武将達とは別の派閥となるキマイラウィッチ達を率いる、有力なジェネラル級であったが。ブールジュを中心とした地域を支配していたグリムは、オルレアン奪還に伴い、最前線のオルレアンを配下に任せて、支配地域の中心に位置する『シャトールー』に根拠地を置いて、ディアボロスに対抗しようとしているようだが。今回は奪還戦を前に、そんなグリムの軍勢の数を減らしておきたいというわけだ。

 凪都はそこまで説明を終えた後、皆へと告げる。
「奪還戦を生き延びたキマイラウィッチは、漂着したディヴィジョンでも復讐対象であるディアボロスを攻撃し続けるだろうし……自らのディヴィジョンを奪還されて、断片の王を殺されたとなったら、その復讐心は、これまでの比じゃ無さそうだよね。この復讐を避ける為には、今回の奪還戦で、キマイラウィッチを全滅させるべきって思うんだけど……」
 そして狐耳をぴこりと揺らしながらも続ける。
「でも、復讐祭の卵による最終人類史への逆侵攻は脅威だけど、儀式の準備が不十分だった事で、ギリギリ防衛可能な状況となっているから。火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦は、これまでの戦い以上に、ディアボロスの策戦が重要となるかもしれないね」
 ……とはいえ、奪還戦本番も控えているから、気を付けて無理せずいってきてね、と。
 火刑戦旗ラ・ピュセルへと向かうパラドクストレインへと、ディアボロスの皆を導きながら。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【植物活性】
1
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。

効果2

【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

志稲愛海
 マスターの志稲愛海です。
 よろしくお願いいたします!

 これは【火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦】のファーストアタック特別シナリオです。
 今回は、『届いたプレイングから都度執筆とお届けをしていき、早期完結』する予定です。

 このシナリオの攻撃対象は『⑨童話の魔女グリム』の軍勢です。
「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑨童話の魔女グリム」の敵残存率を低下させます。

 選択肢は、①👾奪還戦ファーストアタック『どたま割り人形』のみです。
 今回は早期完結を予定しているため、送信タイミング等の都合で、問題ないプレイングもお返しする可能性がありますが。
 どうぞお気軽に思いのまま、皆様らしく戦って敵を蹴散らして頂ければと!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


宇佐美・アリス
アドリブOK
蠱白さん(g02455)と参加
当日は、東京の守備も必要になるから、皆が動きやすくなる様にがんばりましょうね

それにしても、夢に出てきそうな悪趣味な人形ね

妖精さん達を召喚して、蠱白さん以外の人達とも積極的に連携しつつ、フェアリーコンボで攻撃よ
敵の統制を撹乱したり、味方の攻撃の隙をフォローしつつ、動けない敵、弱った敵を優先に攻撃するように、妖精さん達を統率するわよ
隙あらば私も斬撃をお見舞いするから、よそ見は厳禁よ

パラドクスは自動命中だから、同士討ち狙いで、敵陣に突貫とか意味ないのよね〜(出来るならやってた)
孤立しない、包囲されない位置取りを心がけるわ
蠱白さんが同様な状況にならない様にも注意しつつ、妖精さんに頼んでフォローするわ
包囲されそうになったら、【エアライド】で距離をとって仕切り直し
敵の攻撃は、念動隔壁のピーター君、概念障壁とシールドで威力を削いで、防御よ

増援やアヴァタール級の出現、全体の負傷や疲労の蓄積次第で撤退を進言
無理は禁物
この辺で撤退よ


天絹・蠱白
アリス先生(g01948)と行動
大人達の慰めの嘘「いいこにしていたら病気は治る」が能力覚醒で叶ったのを真に受け
「いいこにしてたら歴史改竄で行方不明のパパとママが帰ってくる」がモチベ

ディアボロス業を休業して学習の遅れを取り戻すべく数か月みっちり頑張っていたけど
新宿島への直接侵攻の危機と聞いて「コハクがパパとママが帰る場所を守るですの!」と奮起

セリフは平仮名カタカナ多用
画数が少ない若しくは小3までの漢字使用解禁
「~ですの」多用

◆戦闘
チャイナ全身図が2人の戦闘衣装
本当は恐ろしいグリム童話とか知らない上に、近年のマイルド改変した平和な童話しか知らない世代なので
グリム童話の怖い系のクロノヴェーダに少なからず嫌悪感を抱く

魔力を込めた鱗粉で白蛾結界を展開
互いの隙・死角をフォローしながらシルクちゃんや先生とアイコンタクトや僅かなサインで完璧に連携
蔓糸双縛陣の未来予測で相手の動き弾幕や大砲等の攻撃範囲を先読みし自分や仲間に及ばないよう捕縛・念動力を駆使して阻む
「にがさないですの」
「アリス先生、今ですの!」


 学習の遅れを取り戻すべく、一生懸命頑張ってきたこの数か月。
 ディアボロス業を休業して、天絹・蠱白(時紡ぎの蚕・g02455)はみっちりと、しばらくはお勉強の方に本腰を入れていたのだけれど。
 でもそんな彼女が、今回戦場へとやって来たのも、当然のこと。
「コハクがパパとママが帰る場所を守るですの!」
 そう――新宿島への直接侵攻の危機と聞けば、奮起するに決まっているから。
 だって、蠱白は今でも全く疑っていないし、何よりも彼女にとってのモチベーションなのだ。
 いいこにしていたら病気は治るという願いは、ディアボロスとしての能力覚醒で叶ったのだから。
 歴史改竄で行方不明のパパとママが帰ってくる――その願いもきっと、いいこにしていれば叶うと。
 本人にとっての成功例があるだけに、信じているのだ。
 だから、お勉強だっていっぱい真面目に頑張って。今回も、パパとママが帰る場所を襲わんとする悪者をやっつける。
 それが、蠱白なりに考えた、いいこの行いであるし。
「当日は、東京の守備も必要になるから、皆が動きやすくなる様にがんばりましょうね」
 宇佐美・アリス(兎に非ず・g01948)は、勿論彼女のことは気にはかけるけれど。
 でも今日は引率や保護者ポジションではなく、ディアボロスの仲間として、蠱白と共にこの場所へと赴いたのだ。
 東京へと手をかけようとしているジャンヌ・ダルクの目論見を打破するべく、東京をまもるために。
 戦争を前に、童話の魔女グリムの軍勢を少しでも削っておきたいって、その考えたから。
 グリムの配下である、魔女化した自動人形『どたま割り人形』の群れへと仕掛けるタイミングを、確りと見極めつつ。
 アリスは小さく首を傾けてみせる。
「それにしても、夢に出てきそうな悪趣味な人形ね」
 その見目は童話に出てくる、くるみ割り人形じみているようでありながらも。
 決してお話の中のような、お菓子の国の王子様などとはかけ離れた、邪悪で狂暴な禍々しい人形たち。
 そんな、魔女グリムの配下であるという『どたま割り人形』の数を、出来る限り減らすこと。
 それが今回のディアボロスとしての任務であり、そして蠱白にとってはパパとママが帰る場所を守る戦いでもあるのだけれど。
 蠱白自体は、本当は恐ろしいグリム童話とかは知らないし。
 近年の、いわゆるマイルド改変した、平和な童話しか知らない世代だから。
 グリム童話のような、いかにも邪悪な怖い系のクロノヴェーダには、少なからず嫌悪感を抱いている蠱白。
 お勉強の際に、沢山の絵本も読んだのだけれど。
 蠱白が読んだことのあるくるみ割り人形のお話は、現実と夢の世界が楽しく描かれた心温まる内容だったから。
 余計に、怖い人形に対して不快感や拒否感を抱いてしまうのだろう。
 だから、パパとママが帰ってくる場所を脅かそうとしている敵を倒すべく、頑張る気も満々。
 魔力を込めた白蛾の鱗粉を周囲に滞留させ、魔力障壁となる結界――白蛾結界を展開して。
 くるりんぐるぐる、時を繰り未来を見透かす魔法を発動させて。
「シルクちゃん、コハクとこきゅうをあわせますの!」
 その声に合わせて、シルクちゃんが魔力で強化し操作する植物の蔓が敵を捕縛せんと伸びるけれど。
 でも、そんな蔓にだけ気をとられれば、それをもしも避けようとしても、抵抗する間もなく絡め取られるのだ。
 蠱白が魔力で生み出した極限まで細く透明かつ頑強に強化した不可視の絹糸との、二重の拘束に。
 そしてディアボロスとしてのお仕事が久しぶりだとは思えぬほど完璧に、互いの隙や死角をフォローしながら、シルクちゃんやアリスともばっちりアイコンタクトして、僅かなサインも見逃さず。
『……ッ、!』
 くるりんきらきら、展開した蔓糸双縛陣の未来視で、繰り出される弾幕や大砲等の攻撃範囲を先読みして。
 捕縛や念動力を駆使して、それらを阻んでは。
「にがさないですの」
 狂暴な人形達を強制的に大人しくさせるべく、縛り上げていく。
 それに合わせて、アリスも妖精さん達を召喚して、蠱白や他の仲間とも積極的に連携しつつ、フェアリーコンボで攻撃!
 敵の統制を撹乱したり、味方の攻撃の隙をフォローしつつも。
「アリス先生、今ですの!」
「よそ見は厳禁よ」
 蠱白の声を耳にすれば、すかさず生じた敵の隙に斬撃をお見舞いする。
 とはいえ勿論、孤立しない、包囲されない位置取りを心がけながら。
(「パラドクスは自動命中だから、同士討ち狙いで、敵陣に突貫とか意味ないのよね〜」)
 出来るならやってた……なんてそっと思ったりしつつ、蠱白が包囲されるような状況にならない様にも注意して。
 大人数で群れては、どたま目掛けてマスケット銃などの遠距離武器で弾幕を張るように攻撃してくる敵の弾丸も、念動隔壁のピーター君や概念障壁にシールドにと、幾重にも守りを固めて威力を削いでは防御を試みる。
 いいこであるようにと、パパとママが帰ると信じている東京を守るためにと、一生懸命頑張る蠱白と一緒に、人形の数を減らしていけるようにと。
 そして、ふたりは勿論、他の仲間達とも協力合って、ある程度敵の数を減らした頃。
「無理は禁物、この辺で撤退よ」
 増援の気配を感じて、アリスが進言するのは撤退。
 その声を聞けば、蠱白もいいこに頷いて。
「シルクちゃん、先生とみんなと、おうちに帰るですの」
 くるりと、アリスや他の皆と一緒に、戦場を後にする。
 本番の奪還戦で、ちゃんと新宿島を守れるように。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

鴻・刃音
【御伽と行動】
※アドリブ、連携可

シャトールー、そこまで広い場所ではないのだけれど、そこを拠点として防衛し、恐らくそれが可能だと思っている。
余程の自身があるのか、どちらに転んでも良い様に策を講じているのか……
何れにしても厄介な相手だと思う。だからこそ、確実に策は潰していきたいね。

どたま割り人形って……中々の名前だね。見た目に違わず兵士の様にある程度は群として動くみたい。
だったらその統率を食い荒らしてやろうかな。ただの人形が幾ら復讐心を持とうとも、私たちの前に立つならばその度に壊してあげるよ。

双子で挟撃をする為に敵軍に気づかれない様に回り込み、可能ならば背後、妥協で側面からの奇襲を掛ける。
全身に蒼黒い雷撃を纏い敵陣のど真ん中へ、隊列を崩す様に縦横無尽に駆け回り脚周りや武具を持つ腕を狙っていく。
反撃については直撃以外は無視。数を減らすことを最大目標とする。

双子姉妹独特の意思疎通があり、会話せずとも考えていることが何となくわかっている。


鴻・御伽
【刃音と行動】
※アドリブ、連携可

何となく性格は見えてくるけれど、何となく解せないところもあるのよねぇ……
ジャンヌ・ダルクには忠実なようだけれど、どことなく一歩引いて見ている様な……まぁクロノヴェーダの思惑なんて碌なものではないでしょう。
生き残らせては絶対に面倒になるわ。この戦場も、可能な限り削るわよ。

先制攻撃はこちらで取りたいわね。どうせ全滅はさせられないもの、だったら確実に削れる方向に進みましょう。
どたま割り人形……折角ならその頭を潰してしまいましょうか。意趣返し……面白いじゃない。

双子による挟撃を行う為、刃音とは反対側に回り込み機を伺う。
先に攻撃を行うのは刃音、戦場を搔き乱してもらうわ。その間も気づかれない様に動いて可能な限り背後を取りたいわね。
頃合いを見てワタシも動くわ。パラドクスにより「白のクィーン」を呼び出し、造りださせた火球でその頭を焼き払ってあげるわ。
勿論、ワタシとクィーンも動く。戦場で止まることはないわ。

双子姉妹独特の意思疎通により、会話せずとも思考がある程度分かっている


 童話の魔女グリム、彼女の軍勢を双子姉妹でこれまで沢山潰してきた。
 だから、見えてきたこともあるし、逆に実際にグリム自身と相対してはいないから。
「何となく性格は見えてくるけれど、何となく解せないところもあるのよねぇ……ジャンヌ・ダルクには忠実なようだけれど、どことなく一歩引いて見ている様な…」
 一筋縄ではいかないタイプでありそうな、でもその思惑はどのようなものかは、明確に掴めているわけではなくて。
 鴻・御伽(ナサリーティル・g11725)の言葉に、鴻・刃音(夢現・g06022)もこくりと頷いて、これまで前哨戦で駆けてきた戦場を思い返し、考えてみる。
「シャトールー、そこまで広い場所ではないのだけれど、そこを拠点として防衛し、恐らくそれが可能だと思っている。余程の自身があるのか、どちらに転んでも良い様に策を講じているのか……」
 ジャンヌには忠実そうだけれど、でもグリムが見据えて動いているのは、奪還戦の勝利ではなくその先のことであるようだし。
 とはいえ、それが具体的にどういう策なのかは、今知る手立てはないから。
 だから双子姉妹は、新たな彼女の軍勢を前に。
「何れにしても厄介な相手だと思う。だからこそ、確実に策は潰していきたいね」
「……まぁクロノヴェーダの思惑なんて碌なものではないでしょう。生き残らせては絶対に面倒になるわ。この戦場も、可能な限り削るわよ。」
 今はできる限り多く叩いて数を減らす、それが童話の魔女への今できる最大の作戦であり、嫌がらせだ。
 そして今回の配下は、一見すると童話の世界から飛び出してきたかのような人形達。
 けれど狂暴な人形達が綴るのは、残忍な物語だけだろうから。
 まだ此方に相手が気づいていない今、敵の群れへと姉妹で目を向けて。
「どたま割り人形って……中々の名前だね。見た目に違わず兵士の様にある程度は群として動くみたい」
「先制攻撃はこちらで取りたいわね。どうせ全滅はさせられないもの、だったら確実に削れる方向に進みましょう」
 初動は勿論、奇襲を仕掛けて先手を取る。
 今回やることも、群れている敵をより多く倒すことだから。
「だったらその統率を食い荒らしてやろうかな。ただの人形が幾ら復讐心を持とうとも、私たちの前に立つならばその度に壊してあげるよ」
「どたま割り人形……折角ならその頭を潰してしまいましょうか。意趣返し……面白いじゃない」
 逆に、食い荒らしてはそのどたまを割りまくって、意趣返しという筋書きも悪くない。
 それに自分達は、言葉を交わさずとも通じ合える双子。
 姉が、妹が、今考えているかが何となくわかるから。
 ひとつ頷き合えば、寸分違わぬタイミングで二手に分かれて。
 敵軍に気づかれない様に、互いに反対側へと回り込む。双子で挟撃をする為に。
 そして双子独特の感覚で、御伽にはわかるから。敵の背後へと密かに回った刃音が仕掛ける時が。
 二振りの刃を逆手で構え直し、小指と薬指、親指で柄を握れば。
 刹那、御伽が思った通りのタイミングで、全身に蒼黒い雷撃を纏った刃音が敵陣のど真ん中へと飛び込んで。
『!? ……ッ!!』
『……!!』
 手を地につくその姿はまさに四足歩行の獣、最強と謳われる龍の天敵たる、地に立つ虎。
 隊列を崩す様に宣言通り敵を食い荒らさんと、敵の只中を雷神の如き速度で縦横無尽に駆け回って。
 けれど闇雲にではなく、脚周りや武具を持つ腕を狙って敵を薙ぎ倒していく。
 そして完全に敵の意識が、戦場を搔き乱し猛る刃音へと向けば。
 御伽はその間も気づかれない様に動いて、背後へとうまく位置取る。乱戦の中、敵に気づかれないのは、妹がどう動くかが双子の姉の御伽にはわかるから。
 それから、大人数で陣形を組んで突撃し、剣や槍などで攻撃を仕掛けてくるどたま割り人形だけれど。
 奇襲によって大きく乱された状態では陣形も不十分であるし、刃音も動ける程度の直撃以外の突撃は無視して。
 攻めて攻めて、攻勢の勢いを全く崩さずに敵陣で暴れ回る。
 でもそれは、刃音にはわかっているから。姉が頃合いを見て動き出す時が。
 だから双子独特の意思疎通で、傷を負っても尚、ぐっと大きく刃音が踏み出した絶妙のタイミングで。
 ――行きなさい! ここは貴女だけの戦場。優雅に、華麗に眼前を打ち払いなさい!
 御伽が空中に羽ペンを走らせれば、戦場に現れるは「白のクィーン」。
 そして白き女王はその手に杖を携え、振りかざして。
「その頭を焼き払ってあげるわ」
『……っ!』
『!!』
 すかさず下された指示通りに、戦場を煌びやかな火焔の輝きで彩ってみせる。
 刃音が仕掛ける中、彼女が最も動きやすい最適な位置へと巨大な火球が打ち放たれれば。
 御伽とクィーンも、刃音の動きに合わせながら果敢に動く。そう、戦場で止まることはないから。
 そして次々と人形の頭をくるみのように割ってやり、焼き払っていって。
 言葉などなくともごく自然に互いに連携をはかり、刃音が敵を薙ぎ払うのと同時に、御伽の白のクィーンが繰り出す巨大な火球が確実に敵に捉える。
 そんなふたりの最大目標は、グリムの軍勢を減らすこと。
 それからその目的が十分に達成され、増援が来そうな気配を察すれば、ふたり同じタイミングで戦場を離脱するべく動いて。
 たとえ激しい戦場でも、相手がいる位置も双子の意思疎通でわかるから、すかさず合流し共に撤退しながらも。
 双子姉妹は一度だけ、同時にシャトールーの戦場を振り返る。
 そう、目前に迫った奪還戦で次に狙うのは勿論――大きく軍勢を削ってやった、童話の魔女グリム本人。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2025年04月18日