【ラ・ピュセル奪還戦】正義の復讐を執行せし騎兵隊（作者 メリーさんのアモル）

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リプレイ

「刻逆でバラバラにされた人類史を横取りしたやつらが逆恨みで盛り上がってる」
　そう敵の演説を予知越しに聞いて呟くのは、出るとこ出過ぎなスタイルの良いサキュバルのディアボロス、峰谷・恵（フェロモン強化実験体サキュバス・g01103）だ。
「……さてと。復讐に正義も悪もない。ただ、そこにあるのは戦闘という行為のみ。それ以上でも以下でもないのに、ね」
　と、冷めたことを言うのは男性のような服装をした人間のディアボロス、白水・蛍（鼓舞する詩歌・g01398）。自身も復讐者ではあるものの、彼女の中には、必ずしもそれだけではない、という思いがある。
「正義の復讐戦かぁ。まぁ士気高揚には良いフレーズなんだろうね」
　一方、多少理解を示したようなことを言うのは、アンゼリカ・レンブラント（光彩誓騎・g02672）。金の瞳に金髪が美しい人間のディアボロスだ。
「何を謳おうと、彼らには決して屈しない。最終人類史の人々を守り抜き、勝ち続けよう」
　そう言って、アンゼリカが残る三人のディアボロスに告げると、三人も頷いた。
「さぁ、それじゃあいくよぉー！」
　とアンゼリカが気合いを入れ……。
　た後、四人は恵の作戦を採用し、隠密作戦を展開した。
　見張りのために行動している小集団を捕捉し、こっそりと接近。
「何者だ！？」
　トループス級魔女化自動人形『近衛騎兵隊』がその存在に気付く。
　と同時。
「破ァッ！！！」
　恵はパラドクスを発動。サキュバスのフェロモンを乗せた闘気塊を先頭の『近衛騎兵隊』に叩きつけた。
　フェロモンは敵陣の冷静さを奪い、そして、闘気の塊は炸裂し、不規則に跳ね回って周囲の敵を巻き込んでいく。
　パラドクス『炸裂気功撃』だ。
　それと合わせて、【通信障害】の効果が発生、敵が他の集団と連絡するのを抑止する。
　恵と同時、アンゼリカも一気に敵陣に踏み込んでいた。
「どんな相手でも、この光剣で叩き斬るよっ」
　光の剣を振り回し、『近衛騎兵隊』に斬撃を仕掛ける。と同時、閃光と衝撃波が放たれる。
　力一杯振るわれたその斬撃とそれに伴う閃光と衝撃波は一気に『近衛騎兵隊』を巻き込んでいく。
　狙うのは恵と同じ敵。可能な限り倒せる敵を巻き込めるようにとの判断だ。
「ディアボロスめ！」
　攻撃を受けた『近衛騎兵隊』は素早く移動を開始、速度変化を交えた駆動で戦場を駆けながら、サーベルとマスケット銃を構える。
「負けるもんかーっ！」
　サーベルの攻撃が二人に迫り、アンゼリカは耐衝撃性に優れる透明な盾『勇気の光盾』と鍛えた腹筋と合わせて鎧のように頑丈となるオーラで構築した防御障壁『誓翼の闘魂障壁』で、恵は手の甲につけた発振器から生じたピンク色の闘気の盾『LUSTオーラシールド』で、それぞれ攻撃を防御しつつ、衝撃には逆らわず、後方に飛び下がることで、ダメージを軽減する。
「ほう。人形の割には雑魚どもよりは腕が立ちそうだな。なかなか楽しい勝負ができそうだ」
　その様子を見て、満足そうに頷くのは誠実そうな顔立ちをした短髪な人間のディアボロス、神山・刹那（梟雄・g00162）だ。
「こい。そのサーベルごと真っ二つにしてやる」
　挑発するは刹那。
「ディアボロス！　よくも我らがディヴィジョンとナポレオン様を！　復讐してやる！」
　演説で士気の高い『近衛騎兵隊』。こうなると士気の高さも良し悪しだが、まんまと挑発に乗り、騎馬のスピードを生かした最高速度での疾走を開始する。
　対する刹那はこの刀を持つ者は天を統べると言われる日本刀『覇龍』を構え、精神を集中させる。
　駆けてくる『近衛騎兵隊』の鋭い一撃をまずなんとか一撃『覇龍』で凌ぎ、次なるユーターンしての攻撃に備える。
「奥義、朱雀」
　直後、『近衛騎兵隊』がサーベルで切り捨てたのは、残像だった。
「流石は近衛と付くだけはある。雑魚人形よりは楽しめた」
　そして、『近衛騎兵隊』に対し、すれ違いざまに斬撃を与える。
「が、所詮は人形。プログラム通りの力しか出せないなら、俺の敵じゃない」
　もはやお前の動きは見切った、と刹那は告げる。
　反撃での攻撃なので、ダメージは能動的な攻撃ほどではないが、一気に敵を惹きつけて反撃した刹那は確実に多くの敵にダメージを与えることに成功していた。
「さて、行きましょうね。フローレライト」
　そうして、三人のディアボロスと『近衛騎兵隊』による乱戦が始まる中、蛍は少し離れた場所で、無双馬『フローレライト』にまたがっていた。
　何せ、騎馬に乗っていると目立つので、隠密作戦に加わらず離れていたのだ。
「我が音に応えて来たれ。これ即ちその身を貫きたる魔力の砲撃！」
　音に魔力を乗せて魔力塊を呼び出し分割。さらにその破片を弾丸の形に整形し、砲撃を放つ。
　パラドクス『喚来貫星晶魔砲撃』だ。
　その軌道は極めてシンプルで、素直で単純。されど、軌道制御に力を割かない分、その威力は強い。
　無双馬『フローレライト』もまたこの術を使い、それぞれ分担して敵を攻撃する。
　『近衛騎兵隊』の頭部が寸分違わず撃ち抜かれる。
「遠方にもいるぞ！」
　対する、『近衛騎兵隊』は攻撃を受けると同時に素早くその所在を確認、仲間内で声による共有を行い、反撃に打って出る。
（「相手の反撃は死角に来るという事が分かれば弾丸の致命傷を避ける事も可能でしょう」）
　敵は蛍の死角になる位置へと移動しながら射撃を開始するが、そうとわかっていれば、防御するのは容易い。
　かくして、四人のディアボロスは見事な連携で小部隊を殲滅せしめた。
　まだ戦えると判断したディアボロスはそのまま次の小部隊を発見し攻撃する。
「護るべき者の為に、残忍なる魔女とその走狗を討つ。《光剣閃波》よ、今こそ最大まで輝けぇーっ！」
　そうして、暴れていると、流石に部隊から連絡がないと確認の増援がやってくる。
　こちらの戦術が知られているのか、その数は多い。
「今無理をして本番に響いたら本末転倒、お前たちの復讐（リベンジ）とディアボロスの復讐（アヴェンジ）の決着は本番でつける」
　それを見て、恵は素早く判断。撤退を開始する。
「うん、本番は20日、その時は今よりさらに大暴れしてやろうね！」
　アンゼリカも頷き、刹那も続く。
　最後に無双馬に乗って機動力のある蛍が殿を務め、見事にディアボロスは撤退までを成功させきったのであった。

最終結果:成功
完成日	2025年04月12日