蔚山から大邱へ(作者 水上ケイ)
#融合世界戦アルタン・ウルク
#朝鮮半島解放作戦(蔚山~大邱)
#朝鮮半島
#蔚山
#ソウル
#ゴルディアスの結び目
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●新宿駅グランドターミナル
「よお」
ロバート・ホーキンス(人間のギャングスタ・g11688)が、ぞんざいな挨拶をして依頼の説明をはじめた。
「今回は融合世界戦の作戦だ。朝鮮半島解放の作戦は釜山から北上して蔚山の制圧に成功。お疲れさんだぜ」
また、攻略旅団の作戦により、『ゴルディアスの結び目』を釜山から蔚山に移動した為、蔚山を安全拠点として活用する事も可能になった。
「次の進路だが、浦項(ポハン)を予定していたが、攻略旅団から内陸部を目指す方針が示された。で、蔚山から内陸部に入った『大邱(テグ)』が次の目的地だ。これまでのところ、作戦は順調だな」
これまでの前進中に【通信障害】をきっちり使って来たことでアルタン・ウルクの集結を阻止できている上、沿岸部に比べて、敵の警戒が薄いようなので、一気に大邱を制圧して欲しいとロバートは説明した。
「そのあとは、そうだな、内陸部を北上する事で、ソウルを目指す事も出来ると思うぜ」
彼は続けて、作戦の詳細を説明する。
「蔚山の拠点までは、パラドクス・トレインで移動する事が出来るからな。そこから出撃して、大邱へと向かってくれ」
蔚山拠点は、ゴルディアスの結び目があるので、防衛戦は必要ない。
「敵は内陸部を動いている蟲将型と、こっちを狙ってくる通常型だ、作戦は任せる。どうやら朝鮮半島のこの辺も荒地で何もないみてぇだからな、思い切りやって何の問題もない」
そう簡単に説明すると、ロバートは今後の作戦について次のように説明を行った。
今後も最前線にゴルディアスの結び目を移動させる方針であれば、釜山拠点などの後方拠点を放棄し、防衛に必要な戦力を極力減らす事も出来るだろう。
釜山拠点などの後方拠点を維持し、ディアボロスの制圧地域を広げていくという方針を行う場合は、攻略旅団で提案を行って欲しいと、ロバートは付け加えた。
「この場合、必要な戦力は大きくなる。……だが、この方針で制圧地域を広げていけば、ゆくゆくは朝鮮半島からアルタン・ウルクを駆逐するような大作戦を行う事も可能になるかもしれねえな」
ロバートは一息ついて、今回の件に話をもどした。
「朝鮮半島の南部には、中枢と呼べるアルタン・ウルクは存在しないようだな。んで、トループス級のアルタン・ウルクとの戦いが続く事になるはずだ。それと、【通信障害】の使用は、一定の効果があると推測されてる。今後も使用を推奨しておくぜ」
そこまで話すと、ロバートは帽子を軽くあげて、皆をパラドクストレインに見送った。
「……ってことで、頼んだぜ!」
●
「……シュゴォォォォ……シュゴォォォォ……」
通常型のアルタン・ウルクが荒野を動いていた。
やつらはこの辺を哨戒しているのだろうか……その目的はわからないが、一定の動きを繰り返しながら複数の個体が蠢いている。
そこから少し離れた場所には、それよりも多少数の多い、蟲将型の群れも見えた。
荒れ果てた黒い大地にやつらの赤い眼球だけが彩りを添えていた。
リプレイ
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
今回の『アルタン・ウルク』は最初の形態と蟲将形態か
どちらがどうというわけではないが、地上で戦っているところに空から畳み掛けられたらひとたまりもない
まずは『蟲将形態』から削っていこう
密集度が少ないとはいえ他の部隊からの合流は遠慮したい
<精神集中>で戦意を昂ぶらせれば、朱殷の闘気で怒龍を形成して天へ放つと同時に【通信障害】を展開
括毘殿と歩調を合わせて『蟲将形態』へ仕掛ける
赤の目で位置を把握してパラドクスを放てば、すかさず戦花護紋を展開し、黒龍偃月刀を構えて反撃を急所からズラす
数が多ければ先手を取られるところもあるだろう
冷静に見極め、返す刃に【反撃アップ】を加えて雷の刃を穿ち、確実に仕留めていく
孤立や突出を避け、声を掛け合って着実に数を削っていく立ち回りを
次に備えられるよう、常に攻勢を弱めず、偃月刀を振るい続ける
奴ら、あの目を使ってこちらを認識しているのなら
目くらましでもすればこちらを認識しないのだろうか?
雑念がよぎるが、確かめる術はない
即座に目の前の戦いに集中して、戦い抜く
括毘・漸
おやまぁ、見事なまでに殺風景ですこと。
全てアルタンウルクに食い尽くされたのか、はたまた…まっ今考えても答えは得られませんからね。
目の前の障害を取り除くことが先決ですね。
何もないところで隠れられる場所も少なそうですからコソコソしててもバレますからね。
正面切って戦う…前に【通信障害】で他のところからの群れの合流を防ぎませんとな。
数を揃えられちゃ、流石に不味いですし。
さてと接敵前の準備も終わって…いざ開戦です!
一丁のリボルバーを握って、敵一体に狙いを定めて装填した弾丸を一気に全弾撃ち込こんでパラドクスを発動させます!
大喰らいなら、全弾食らってけ!
おかわりもまだまだありますよぉ!
全弾撃ち込んだら、直ぐ様立ち位置から飛び退いて敵の反撃に備えながら、撃ち尽くしたリボルバーを仕舞い込み、もう一丁のリボルバーを引き抜いて、丁度接近してきた敵の土手腹に弾丸を撃ち込んでいく。
好きなだけ持ってけ!
敵の振り下ろした武器に負けないように、引き金を引き続けて轟音を響かせる。
大喰らいが、穴あきチーズになりましたな。
●荒野を征く
蔚山拠点から出発して大邱を目指す……それが次のディアボロスの作戦目標だった。
釜山から始まったこの進軍も順調だが、これまでのところ、融合世界戦の朝鮮半島はどこも似たような風景ばかりで、人の目を楽しませるようなものは何一つ見えなかった。
「おやまぁ、見事なまでに殺風景ですこと」
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)がおどけた調子で言った。内面に苛烈なものを持っていたとしても、普段は笑みをたやさない漸である。
「全くだな」と夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は真面目に応じた。風に揺れる錬晏の髪はこの大地と馴染むような藍色だ。
「全てアルタンウルクに食い尽くされたのか、はたまた……まっ、今考えても答えは得られませんからね」
「そうだな。今はとにかく……」
「進むしかありませんね」
見渡す限り何もない、殺風景でとても寂しい風景だ。それでもじきに、この大地に巣くう者達に出会うことはわかっている。
二人のディアボロスは油断なく周囲を警戒し、やがて、遠方に蠢く敵の影を発見する。
「今回の敵は予知によれば最初の形態と蟲将形態か…どちらがどうというわけではないが、地上で戦っているところに空から畳み掛けられたらひとたまりもない。
まずは『蟲将形態』から削っていこうか」
「そうですね。ともかくここじゃ正面切って戦うしかない。何もなくて隠れられる場所もなさそうだし、コソコソしててもバレますからね。……ですがその前に」
「ああ。他の部隊からの合流は遠慮したい」
「そう。数を揃えられちゃ、流石に不味いです」
狙った敵を射程範囲内にとらえると、二人は次々にパラドクスを発動した。同時に一定の効果を推測されている【通信障害】も展開しておく。
一丁のリボルバーを手に漸が敵を狙う。アルタン・ウルクは蟲将型、触手の体に赤いたくさんの眼、背には羽根。
(「いざ開戦……です」)
オレンジの瞳に標的をとらえて四六式砲撃術を発動する。手になじむ大口径のラプスから漸は一気に全弾を敵のボディに叩きこんだ。
「大喰らいなら、全弾食らってけ! おかわりもまだまだありますよぉ!」
「……シュゴォォォォ……」
漸は発砲するなり、敵の反撃をよけるように飛びのいた。蟲将型は羽を震わせ、触手を変形させたような長柄武器を振り下ろしてくる。
逆説連鎖戦に時間と空間が交錯した。
漸は大地を踏みしめて、再びリボルバーを敵に向ける。愛銃にパラドクスの力が満ちているのを感じながら、彼は再び引き金を引いた。
「好きなだけ持ってけ!」
敵味方のパラドクスが同時に放たれ、漸は敵の振り下ろした武器に負けぬよう、引き金を引き続けた。銃撃音が轟き、蟲将型の触手の体が穿たれてゆく。ズシャリとアルタン・ウルクは地に崩れた。
「ハーッ……。大喰らいが、穴あきチーズになりましたな」
さて次は、と漸は戦場を見渡す。
(「夏候さんもやってますね。ボクも負けてられないっと」)
一方の錬晏も漸と歩調を合わせて敵に仕掛けていた。
『呼び興す』
視線の先に赤い目をとらえ己の中に力を凝縮する。――震波襲雷(シンパシュウライ)。
パラドクスが発動すると、錬晏の怒りは龍となって天に昇る。黒雲と嵐の中から雷が怒りの矛となって敵に降りた。
錬晏も攻撃を放つと瞬時に反撃に備えた。戦花護紋を展開し、打ち出される触手に対して黒龍偃月刀を手に立ち回る。アイリスに似た紋章が彼を護るように浮かんでいた。
「……シュゴォォォォ……シュゴォォォォ……」
もう耳に慣れたようなアルタン・ウルクの声を聞きながら、確かに今回は数が少なめだと錬晏は思った。それでも油断をするつもりはなく、最後の一匹を倒すまではと愛刀をふるい続ける。
「貴様らのその目……」
「……シュゴォォォォ」
(「目くらましでもすればこちらを認識しないのだろうか?」)
錬晏は眼も体躯もかまわず雷の矛を撃ち込みながら、ふと走った雑念を振り払った。
それを確かめる術はないから、錬晏はとにかく眼前の戦いに集中した。一匹を屠り、ふと視線を仲間に送る。
「括毘殿、残りは少ない。攻撃を合わせよう」
「了解ですよ」
稲妻と銃撃が呼応し、しばし荒涼とした地に戦闘音だけが響いた。やがて……錬晏は黒龍偃月刀を一旦おろし、漸も倒れた敵を見た。
「とりあえず皆、穴あきですが。次にいきますか」
「もうひと仕事だな」
黒々とした大地に明滅する赤い光が侵入者を排除しようと蠢いている。奴等に発見されるまで時は余りないだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV2が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
ラズロル・ロンド
順調に前には進めてるね
今現在、無尽蔵に湧いて出てくるような感覚のアルタン相手に、防衛戦を敷いて朝鮮半島確保に集中するか、先に進む事に集中するべきかは…本当に悩ましいし、意見の別れる所なんだろうなぁ。
にしても…こっちには大型アルタンが居ないのはなんでだろ?
哨戒的な行動って、朝鮮半島をアルタンが得たのは七陽の戦あたりかな…
我が物領地じゃないのか??
他の場所との違いが気になるよ
シベリアとの違いを観察をしながらも
救援機動力で先に戦ってた仲間達へ合流し加勢しよう
シベリアでもこっちでもアルタンぶっ倒してく仕事は同じ!
大邱を目指してアルタンの数を少しでも減らすぞー!
更に【通信障害】をかけてっと
仲間達とタイミングを合わせ、突出しすぎないよう注意しながら
東南の風を使い、火の矢を降り注ぐよ
即反撃に備え光線は横跳びに転がり躱すか
魔力障壁で受け流し致命傷を避ける
多少の怪我はいつも通り、気にせずに
ダメージの大きな敵から攻撃し着実に数を減らしていこう
仲間を狙うアルタンを攻撃し
後退しながら戦線を維持し殲滅しよう
括毘・漸
さてと、お次はあの集団ですかね。
いやぁ、まったく厄介な相手が群れているとやり辛いったらありゃしませんよ。
まぁ、泣き言を言っても変わりませんし、一匹ずつ潰していきましょうか。
両手に血と炎で形成された【狂犬の惨爪】を携えて、アルタンウルクまで駆け寄り、体中に開けられた口の中に、血と炎で彩られた惨爪を槍のように爪先を揃えた刺突を連続で繰り出します。
ほら、こっちも好きなだけ貰っていけ。
その代わりに、口の中はズタズタですよ!
精確に口の中を狙い、執拗に一匹ずつを狙い、動きが弱っていったら、爪の刺突を目ん玉に、突き刺して確実にトドメを刺していく。
敵の攻撃に対しては、両手の血と炎の爪を盾代わりにして、敵の牙に食らいつかせて、内部から炎で焼いてやります。
一匹ずつ潰していけば、何れは倒せるでしょう。
なぁに、繰り返せばいいのです。
一度出来たことを、気負う必要もなし。
倒し尽くしていけば、何れは…です。
血払いするように、手を振るい爪の鋭さを保ちながら次の獲物へと狙いを定めて、地を駆ける。
次の相手はどいつですか!
●前へ
(「順調に前には進めてるね。だけど」)
それは喜ばしいことだっだが、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)には微妙にお悩みもあった。
それは今後のことで、防衛線をしいて朝鮮半島確保に集中するか、先に進むべきか……ディアボロスにとって作戦を選ぶことは未来を選ぶことだから。
また彼は朝鮮半島に応援に来るにあたり、シベリアのことを考えずにはいられなかった。
こっちには大型アルタン・ウルクはいないのはなぜ?
やつらの行動理由は?
(「他の場所との違いが気になるよ……」)
アルタン・ウルクの行動原理は今だ不明といっていいだろうが、今はともかく『事実』をもとにこちらの行動を決定するしかない。
ラズロルは自分の仕事をきちんと把握している。
(「シベリアでも朝鮮半島でもとりあえずやることは同じだ! 大邱を目指してアルタンの数を少しでも減らすぞー!」)
救援機動力を使い、気合をいれてやってきた荒れ野にラズロルは仲間の姿を見た。
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)が振り返る。オレンジ色の瞳が暗い景色に光彩を放ったが、彼はラズロルを認めると軽く挨拶し、穏やかに言った。
「さてと、お次は通常型の集団ですかね」
「全くやつらは、無尽蔵に湧いてくるみたいだね」
「いやぁ、まったく厄介な相手が群れているとやり辛いったらありゃしませんよ」
「ハハ」
この時、なぜか漸の表情にラズロルは和んでしまったが、漸はすぐに小さく鼻を動かすと、笑みは引っ込めて言った。
「まぁ、泣き言を言っても変わりませんし、一匹ずつ潰していきましょうか」
奴等が来る……。
ラズロルもそれを察していた。
「ああ」
今できるのは奴等の数を減らすことだけだ。
「……シュゴォォォォ……シュゴォォォォ……」
おなじみの声が、やつらの出現を告げた。明らかにディアボロスを狙って、アルタン・ウルクは殺意も高くやってくる。
漸は一散に、荒れ野を金色に燃える風のごとく駆けた。血と炎が『狂犬の惨爪』を形成し、彼はそれにパラドクスを込めた。
――双狼猛襲。
瞳は夕日を宿して煌めき、力は携えた武器に宿る。
同時に敵も反撃を発動しきた。通常型は巨大な蹄で猛進し、触手で襲いかかってくる。幾つもの赤い眼がギョロギョロと睨み、幾つもの口がうごめく。
漸は迫ってくるこの異形に爪先をそろえた刺突を猛烈な速度で繰り出した。
「ほら、こっちも好きなだけ貰っていけ。その代わりに、口の中はズタズタですよ!」
そうは言ったもののまあ実際は……効率よくダメージを与えることが先決で彼は容赦がなかった。
漸は執拗に一匹を狙って追いかける。
アルタン・ウルクの巨体は、口はもちろん目玉も体も斬り裂かれていった。敵の触手を、狂犬の惨爪を盾替わりに致命傷を抑えて、漸は己に言い聞かせる。
(「一匹ずつ潰していけば、何れは倒せるでしょう。
……なぁに、繰り返せばいいのです。
一度出来たことを、気負う必要もなし。
倒し尽くしていけば、何れは……です!」)
流れる血も気にしない。この先に必ず答えはあると信じた事を繰り返す。
一方ラズロルも漸とタイミングを合わせて仕掛けていた。
(「更に【通信障害】をかけてっと……」)
風塵魔術師の彼は東南の風を招いた。ゴオ、と乾いた土を巻き、火の矢を連れた風が吹く。その風を操りアルタン・ウルクにぶつける。
風と赤い光が瞬時に交わった。ラズロルは横に飛んで赫眼閃光をかわそうとした。魔力障壁も用いて致命傷を避ける。そして多少の傷は気にしないのがいつものラズロルの戦闘スタイルである。
(「括毘君も頑張ってるね」)
一匹と徹底的に戦う漸は気迫に満ちてみえる。ラズロルは支援の意味も込めて、味方の標的をも巻き込んで魔術を放った。
(「ダメージの大きな敵から攻撃して、着実に数を減らしていこう」)
東南の風を、散らさず一定の標的に定めてラズロルは攻撃を重ねた。火の矢を体に幾本も突き立てて手負いの異形が猛威を振るう。
ラズロルは身軽に跳び退り、さらに風を操る。モフリと艶やかな尾に滑らかに光が滑った。
やがて漸は一匹を屠り、ラズロルの前にも巨体が地響きを立てて転がった。そして仲間の死には無頓着に、残りの敵が速度を落とさず向かってくる。
「あと少しだね。僕も標的を合わせるよ」
ラズロルは紫の瞳を漸に向けた。白い髪が風になびいている。
「ええ。頑張りましょうか」
漸はあの持ち前の笑顔をするりと浮かべ、血を払うように手を動かした。爪はまた鋭い輝きをみせて――。
刹那、大地を力強く蹴る。
二人は残りの敵に向かって駆けた。
「次の相手はどいつですか!」
不毛の大地に漸が吠えた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【通信障害】がLV3になった!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
夏候・錬晏
※アドリブ歓迎
戦意溢れる括毘殿と、合流したラズロル殿活躍に、己も闘気が溢れ出る
朱殷のそれは、巨大な怒龍となり『アルタン・ウルク』どもへ牙を剥く
蟲将形態の体液がついた黒龍偃月刀を振って体液を落とし、腰を軽く落として臨戦態勢に
冷静に戦場を見極めれば、2人が切り崩した場所へ斬り込み、深くへ穿って更なる〈蹂躙〉を
【エアライド】で頭上から自重を加えることで、パラドクスに【ダメージアップ】を付与し、偃月刀を上段から振り下ろす
仕留められれば次へ。反撃が来れば、その巨体の赤い目を足場に使いつつ、突撃の直撃を受けないように立ち回る
【反撃アップ】と【ガードアップ】も引き続き活用して、確実に仕留めていこう
ここに集まっているウルクを一体残らず討ち果たすまで、囲まれないよう油断なく戦い抜く
確かに司令塔とされるウルクはいないようだが、それだといって無秩序になっているわけでもないだろう
ならば、彼奴は何処から湧いてくるのだろうか?
だが今の我らには進むしかない
ならば、進むのみだ
●つなぐ
闘気というのは溢れてくるものだと夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は思う。自分の中に湧き、己という器を満たして溢れてくる。戦友たちの活躍に、錬晏は自分の中にも闘気と呼ぶものが大きく沸き上がるのを感じた。
敵への殺意が赤く燃えて形を成すのをとらえた――。
戦場に踊り込み、しなやかに武人は怒りの龍と化す。
錬晏は黒龍偃月刀を軽く振って敵の残滓を払うと、腰を落とした構えからバネのように飛び出した。狙うのは仲間が崩した場所だ。
氛氳勦轢(フンウンソウレキ)、発動。
錬晏は空中を滑るように跳び、増幅した怒りをのせた一撃を放った。上段から振り下ろされた黒龍偃月刀が唸り、途端に巨体の異形が迫ってきて、錬晏は直撃を避けるべく動く。
反撃アップ、ガードアップ……味方が積み上げたパラドクス効果2は今回も有用だった。錬晏の肉体は堅固になり、敵の動きがよりよく見える。
猛進するアルタン・ウルクとぶつかりあった刹那、憤怒の一刀で斬り捨てて、錬晏はトッと地を蹴る。瞳の琥珀が黒の大地を月のごとく射た。
(「あと一体か……残らず討ち果たす」)
「……シュゴォォォォ」
「来い!」
戦場を怒りの龍が疾走する。黒い触手を打ち出すアルタン・ウルクを爆発的な憤怒の一撃が斬り払う。
錬晏は愛刀を手に果敢に攻めた。逆立つ鱗の龍が怒りをのせて敵の体を穿つ。
「……何処から湧いてきた」
「……シュゴォォォォ」
答えがかえらぬのはわかっているが、得体のしれぬこの敵を知りたいという心はある。
(「司令塔はいないようだが、それだといって無秩序になっているわけでもないだろう?」)
ふと心をよぎった疑問は心におさめて、錬晏は止めの一撃を放った。命を刈り取られたアルタン・ウルクは荒野に土煙をあげて倒れ、多くのクロノヴェーダと同じく四散して消えた。
風が舞い、静けさが戻ってくる。
錬晏は小さく息をついて戦場に背を向けた。まずは大邱を目指し、そのあとは……。
今回も勝った、また少しディアボロスは前進した。
(「今の我らは進むしかない……ならば、進むのみだ」)
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!