リプレイ
喩・嘉
幸児(g03876)と一緒に銀河鉄道カフェの乗客になる
※アドリブ歓迎
戦地に行くためにいつも電車に乗ってる俺たちだが、
蒸気機関車の雰囲気はそれだけでも良いな
一歩車内に踏み入れたら、窓の外の宇宙を旅するような景色や
社内の様子を見て、とても綺麗だと喜ぶ
このリアリティは、機関車らしい車輪の音がかなり影響しているんだなと感心して
俺はお星さまホットチョコレートに、惑星のトリュフを頼む
それぞれ運ばれてくると、まずは可愛らしい見た目を楽しむ
どれも雰囲気にとても合っているなと頷く
「はい、あーん」などと幸児に食べさせてあげながら
幸児が食べさせてくれるものも、嬉しそうに食べる
食べさせてもらうと、自分で食べるよりも美味しい気がする
お互いに頼んだものを交換っこしながら全部満喫
幸児の喜ぶ顔が見られると、俺も自然と笑顔が浮かぶ
食べ終わった後も、しばらくはのんびりと銀河鉄道の旅を楽しもう
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に銀河鉄道カフェの乗客になるぞ
※アドリブ歓迎
こいつが蒸気機関車かあっ
映画で見たことはあるが、本物に乗るのは初めてだ
パラドクストレインと全然違うんだな…すごい、本当に宇宙の中を飛んでるみたいだ
車内の様子と車窓の景色に、ついはしゃいじまう俺だぞ
俺はきらきら星の紅茶と、月の満ち欠けチョコレートを頼む
それぞれのメニューの見た目を一緒に楽しみながら
銀色のアラザンが溶けていく様子をじーっと見つめて
すごいぞ喩嘉、これ本当に星が入ってるっ
って報告するぞ
喩嘉に食べさせてもらったら、頬張りながらよく味わって
これすっごく美味い、って目を輝かせる
喩嘉にも食べてもらいたくて「はい、あーん、だぞっ」ってお返しするぞ
お互いに頼んだものを交換っこしながら全部楽しむんだ
美味しくって幸せで、終始にこにこ顔になっちまう俺だぞ
喩嘉が笑ってくれると、嬉しくて俺もますます笑顔になる
食べ終わったら、喩嘉の隣に座って肩を抱いて
一緒にのんびり銀河鉄道の旅を楽しむぞ
俺たち二人なら、きっと宇宙の果てまでだって行ける
「こいつが蒸気機関車かあっ」
歴史を感じさせる機関車の堂々たる姿に、守都・幸児(祥雲・g03876)は彼らしい感嘆の声を上げていた。
芝生の上で来客を待つ列車。その姿を、喩・嘉(瑞鳳・g01517)と並んでひととき見上げる。
車内に入れば、奏でられるのは、がたんごとんという心地よいリズム。
ぎしりと床が鳴り、客車に一歩足を踏み入れた二人を星々の輝きが出迎えた。
「パラドクストレインと全然違うんだな……すごい、本当に宇宙の中を飛んでるみたいだ」
蒸気機関車はロードムービーでもしばしば登場する。映画で見たことはあるけれど、実際に乗るのは初めてで――ぐるりと車内を見渡せば、幸児の藍色の瞳に映るどれもこれもが物珍しい。
少年のように純粋な幸児の反応には、はしゃいでいるという表現がぴったりと合う。そんな彼と良い意味で対象的な喩嘉はゆったりと微笑ましげに。
「戦地に行くためにいつも電車に乗ってる俺たちだが、蒸気機関車の雰囲気はそれだけでも良いな」
パラドクストレインはJR山手線の車両に似ている。あの現代的な意匠と比べて、蒸気機関車を再現した車内には独特な風情がある。天井にも数多の星が瞬き、宇宙(ソラ)を駆ける汽車の音響が、心地よいBGMとなって二人を包む。
車内は貸し切りだった。
如何にも列車らしいボックス席に、二人は向かい合うようにして座る。それから、喩嘉は車窓をちらと見やった。列車はまるで星の海をゆっくりと進んでいるかのよう。そんな景色を眺めていると、地上にいることを忘れてしまいそうになる。
ゆったりと流れていく星々の奥に、燃えるように赤い惑星が見えて。
「とても綺麗だ」
喩嘉の唇が言葉を紡ぎ、笑みの形に。
そうだな、と、幸児が同じ景色を眺めながら頷いた。
本当に、銀河を走る列車の中にいるようで――。
「このリアリティは、機関車らしい車輪の音がかなり影響しているんだな」
奏でられる音にも感心しながら、喩嘉はテーブルの上のメニューに視線を落とした。その特徴的な細指が、ラミネート加工されたメニューの表面をつとなぞる。書かれているのは、どれも銀河を旅する鉄道に相応しい品々ばかり。
「幸児はどうする?」
「みんな美味そうだから迷っちまうな」
言いながらメニューとにらめっこする幸児。どれを頼もうかと考えるのも、二人なら殊のほか楽しい。
これがよさそうだ、これも捨てがたい――そうやって互いに言葉を交わすこと自体が快く、注文の品は決まった。
「よし決めたぞっ。きらきら星の紅茶に、月の満ち欠けチョコレートだ」
と幸児が言えば、
「それじゃ、俺はお星さまホットチョコレートに、惑星のトリュフかな」
喩嘉が伏し目がちに笑みを含み、決まり、というようにメニューをトンと硬い指で叩いた。
広い車内に二人きり。
窓の外を横切る星のように、ゆったりとした時が流れゆく。注文の品々を待っている間も二人は会話に花を咲かせ、笑い合う。そうして共に星の流れる車窓を眺め、語らう二人を天井の星座たちが静かに見守っているかのようだ。
やがて温かい飲み物や、個性的なチョコレートたちがやってくる。
銀河を駆ける鉄道の絵が描かれたコースターの上には、湯気のたつ透明なティーカップ。ちいさな星の形をした銀色のアラザンが、豊かな色合いの紅茶に溶けて、きらりきらりと輝く。
「すごいぞ喩嘉、これ本当に星が入ってるっ」
目を輝かせながら幸児はきらめく紅茶を覗き込んでいた。
ふーふーして口にすれば、馥郁たる風味と少しの甘さが調和して広がる。
「綺麗だな。溶けたあとも輝くのか」
そう評した喩嘉の前には惑星のトリュフが並んでいた。涼やかな色の天王星や、チョコにするのにうってつけな色合いの金星、火星、そして地球や月――見ているだけでも楽しくなる。
「惑星によって中身も違うらしい」
「そうのなのか? すごいなぁ」
金星の中にはチョコクランチ。木星の中には口溶けなめらかなチョコレートクリームと、味のバリエーションも豊富だ。
色合いの異なる惑星は宇宙の神秘を表現しているかのようで、その中でもやはり地球が一番、瑞々しく鮮やかな色合いを湛えていた。
どれも雰囲気にとても合っているな――思い、喩嘉はそれぞれの見た目も存分に楽しんだあとで、まずはお星さまのマシュマロが乗ったホットチョコレートを口にした。広がる上品な甘さに、ほうと一息。
折角の二人きりの空間だ。
ただ食べるだけではもったいない。
ひときわ美しい海王星のトリュフを喩嘉は摘むと。
「はい、あーん」
幸児の口元にそっと運んだ。
ぱくりと口にすれば思わず頬が落ちそうになり、幸児は嬉しさと美味しさの相俟った笑みを見せた。チョコレートに甘酸っぱいジュレが合わさって広がり、
「これすっごく美味い!」
お返しにと、幸児は満月のチョコレートを選ぶ。
ちょっと不器用そうになんとか指で摘むのを、喩嘉が笑顔で見守り、
「はい、あーん、だぞっ」
少し身を乗り出すようにする喩嘉。幸児が甘いチョコレートをその口へ――。ホワイトチョコ一色の満月はとりわけ甘美で、満ちた月のように心まで満たされる。喩嘉が相好を崩し、幸児が笑みを返した。
――喩嘉が笑ってくれると、嬉しくて俺もますます笑顔になる。
食べさせてもらうと、自分で食べるよりも美味しい気がする――喩嘉の想いは、幸児も同じ。大切なひとの手で口に運ばれたチョコレートは甘やかに蕩け、よりいっそう、その味わいを深めてくれる。
微笑みを交わす二人のひとときを彩るように、流れ星がきらきらと車内を照らしていった。
瞬く星と、テーブルにきらめくチョコレートたちが、ふたりだけの時間を演出している。これがいい、と思った甘味をお互いに味わえば、その心地よさは何ものにも代えがたい。
星が流れていく。
ゆったりとした時の中、喩嘉の隣に座って肩を抱いた幸児は、共に車窓の光景に目を向けていた。言葉を交わさずとも心は通じている。赤と藍色の瞳に星が瞬き、色とりどりの惑星が映り込んでいく。
――のんびり旅を楽しもう。
穏やかな心地で喩嘉は思い、二人の旅に思いを馳せる。
これまでと、これから。
道なき道はどこまでも続いていく。
謎めく銀河を駆ける鉄道のように。
行く先に何が待ち受けているかは分からない。
でも、ひとつ、はっきりしていることがある。
深遠な宇宙(ソラ)を眺めて幸児が抱いた思い。
それはきっと喩嘉も同じに違いない。
そう。
――俺たち二人なら、きっと宇宙の果てまでだって行ける。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
御守・樹
ファギー(g00880)とサーヴァントのコロロ、ディル(g10970)、俺のわらびも一緒。
えーと俺は月の満ち欠けチョコレートにブラックコーヒー、わらびは…(星に負けじとキラキラの目)あぁ、きらきら星の紅茶ね、それらを注文。みんなはどうする?
器用にカップを抱えるように眺めて飲んでるわらびにチョコを一つあげて、残りはみんなで食べられるようにテーブル中央に寄せる。
でもCGだけどこの内装はすごいなぁ。
ついきょろきょろ。実際に走ってる蒸気機関車には乗った事あるけど、これはこれですごいいいな。
あの不思議で少し寂しい『銀河鉄道の夜』の世界だ。
ファギーは読んだ事ありそうだけどディルは知ってるかなぁ?宮沢賢治の話はなんとなくどこか寂しいとは違った不思議な気持ちになる。
そうそう、もっと天正大戦国から奪還できたら実際に走る蒸気機関車をみられるようになるかも。
東京近辺だと埼玉や群馬、栃木でも走ってるし、ちょっとあしのばせるなら静岡では動態保存のパイオニアともいえる路線があるんだ。
…すまん、語りすぎた。
ファギー・ルヴァン
樹さん(g05753)、弟のディル(g10970)と一緒に。
わぁ…本で読んだ銀河鉄道の夜みたい…!
幻想的で素敵な場所ですね…樹さん、誘ってくれてありがとうございます。
ほら、コロロ、わらびさんも見て。とっても綺麗だね。
銀河鉄道の夜はね、日本の作家さんが書いたおはなしだよ。あらすじは…食べながら教えるね。
席に座ったら、紅茶と惑星トリュフを注文
それと軽食があればそれもお願いします
紅茶はアラザンでキラキラしているし、惑星トリュフは色んな星モチーフになっていて見ていて楽しい。
これは地球で…こっちは火星かな…?
惑星によって味も全然違うんだ…樹さんも、どれか食べてみます?
ディルもコロロも食べたい?どのチョコがいい?マシュマロくれるの?ありがとう。
ディルには銀河鉄道の夜のあらすじを一通り教えてみる。こんな感じなんだけど…わかった?
それなら、尚更、天正大戦国から取り戻さないと、ですね。取り戻せたら、今度は本物の蒸気機関車に見に行きましょうね。
ディル・ルヴァン
ねーちゃん(g00880)といつきさん(g05753)といっしょだよ!
※漢字が苦手なので、ひらがな多め
きかんしゃだー!おっきーい!!
中にはいったら…す、すごーい!ねーちゃん、いつきさん!!まど、めっちゃ宇宙!星いっぱい!ほら、みてみてっ!
ころろもわらびもみえる!?すごいよねっ!
……そーいえば、ねーちゃん?
『ぎんがてつどーのよる』って何…?
俺は星型マシュマロとジュースをちゅうもん!
ねーちゃんのわくせートリュフとマシュマロを交換しながらたべるよ。んー!マシュマロもチョコもおいしー!
ころろもわらびもいっぱいたべよ!
ねーちゃんから『ぎんがてつどーのよる』のあらすじを聞いてみるけど、いまいちわかんない…
今度、としょかんにいったときに、読んでみようかなぁ…俺でもよめるかなぁ…
いつきさん、きかんしゃ好きなの?俺もすき!
だっかんしたら、いつきさんの好きなきかんしゃにいっしょに乗ろうよ!もちろん、みんなでだよ!
「きかんしゃだー! おっきーい!!」
芝生の広場に響いたのはディル・ルヴァン(夜明けを照らすソレイユ・g10970)の元気な声。ぱたぱたと駆けていくそのさまは如何にも少年らしい。機関車の前でくるっと振り返ると、ディルは白い歯を見せて、晴れ渡る空に浮かぶお陽さまのような笑顔を浮かべた。
そのくりくりしたエメラルド色の瞳に映るのは、御守・樹(行雲流水の珪化木・g05753)とファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)のふたりの姿。
「なかなか良く出来てるな」
「中はどんな風なんでしょう」
樹とファギーが汽車を眺めているあいだに、ディルはもう客車の入口に飛び乗って、こっちこっちと手を振っていた。
扉をくぐると、そこは宇宙を駆ける銀河鉄道の車内。
窓の外には輝く星々が流れ、天井にはきらめく星の川が広がる。
果てしない宇宙に瞬く数多の星を眺めれば、この列車が、まるで本当に銀河の中を走っているように思える。アンティークな木目調の壁や座席もどこか懐かしさを感じさせるもので。
「す、すごーい! ねーちゃん、いつきさん!!」
一番に客車に足を踏み入れて、歓声を上げるディル。その後ろから、ファギーがやってきて「わあ」と感嘆の声を零す。まるで本で読んだ物語の世界のよう――ぎしりと軋む床も、がたんごとんという音も、銀河をゆく列車の雰囲気を引き立てている。
「まど、めっちゃ宇宙! 星いっぱい! ほら、みてみてっ!」
目を輝かせながら、ディルが窓際へ駆け寄った。
列車はちょうど、海王星のような美しい惑星の横を通り過ぎるところ。
「ほら、コロロ、わらびさんも見て。とっても綺麗だね」
「ころろもわらびもみえる!? すごいよねっ!」
連なるディルとファギーの言葉に、モーラット・コミュのコロロやアクアスライムのわらびも、楽しそうに飛び跳ねていた。
興味深げに辺りを見回していた樹に、ファギーは微笑を浮かべたまま、
「幻想的で素敵な場所ですね……樹さん、誘ってくれてありがとうございます」
「喜んでくれて何よりだ」
樹は楽しそうなみんなの様子に安堵しつつ、車内の意匠に感心していた。機関車の客車を忠実に再現しながらも、CGなどの現代的な技術を取り入れた趣向はなかなかにいい。ゲーマーな樹はこの手の技術が日進月歩であることを良く知っているが、これほどとは。
時折、汽笛の音が鳴り響き……窓の外を見れば、やはり宇宙を旅しているような感覚が味わえる。
「この車両は貸し切りみたいだな。席は……あれか」
入口で係員から伝えられた番号と同じ数字のプレートが、席に立てられていた。さながらアンティークな列車のボックス席だ。テーブルを挟んで、三人とサーヴァントたちが向かい合って席につく。
樹はアクアスライムのわらびを隣に。
ディルとファギー、そしてコロロが並んで座った。
旅の始まりを告げるように、また汽笛が響く。
がたんごとんと機関車らしい音が響く中、三人はメニューに目を向けた。
ラミネート加工されたお品書きには、宇宙を旅する列車ならではの品々が並んでいて、
「いろんなたべものがあるね!」
身を乗り出すようにしてディルが言えば。
「えーと俺は月の満ち欠けチョコレートにブラックコーヒー、わらびは……」
見れば、樹の隣にいるわらびが、流れるお星さまに負けないくらいに目をキラキラさせていた。それだけで樹には、わらびが何を望んでいるのかが手に取るように分かる。
「あぁ、きらきら星の紅茶ね」
わらびの目のきらきらが強まった。
「みんなはどうする?」
樹が聞いてみると、
「どれにしましょうか」
豊富なメニューに、ファギーはちょっと思案顔。
「俺は星型マシュマロとジュースにする!」
心躍らせながらディルが言えば、
「それじゃ、紅茶と惑星トリュフを。それとサンドイッチも」
紅茶好きなファギーにとって、やっぱりお茶と甘いものは外せない。もちろんそれだけでもいいけれど、軽食も頼めば、テーブルはもっと賑やかになる。
リン、と机上の瀟洒な呼び鈴を鳴らせば、車掌の格好をした店員がオーダーを取りに来た。
注文を告げて待っている間、三人は景色を眺めたり会話を楽しんだり。
わらびもコロロも楽しげだ。
「それにしてもこの景色はすごいなぁ」
窓外の景色を眺めつつ、樹は改めて感嘆していた。列車が走るのに合わせて、星がゆっくりと流れる。時々、大小の惑星の近くを通り過ぎ、流れ星が、きらめく宇宙を飛び去っていく。見上げれば天井にも星が瞬き、まるで星々に包まれているかのようだ。
「実際に走ってる蒸気機関車には乗った事あるけど、これはこれでいいな」
アンティークな車室の雰囲気に、きらめく宇宙という取り合わせは、とても良く合う。
列車はディアボロスたちに縁がある乗り物だ。連綿と受け継がれてきた技術が今に繋がっていると考えると、樹にとっては殊更に感慨深い。
景色やお喋りを楽しんでいる内に、やがて注文の品が運ばれてきた。
わらびの前には透明なティーカップ。その中で星型のアラザンがほどけ、きらきらと輝く。
ファギーはソーサーとカップを手に持って、慣れた所作で紅茶を口へ。運ばれてきた惑星トリュフ、その色とりどりの連なりが、静かに心を躍らせる。
「色んな星がモチーフになっているんですね」
それぞれの惑星が個性を主張してるかのようで、
「これは地球で……こっちは火星かな……?」
口に含めば、違った味わいが楽しめる。地球はスタンダードなチョコをコーティングしていて、金星の中身はチョコクランチ、海王星の中には甘酸っぱいゼリーが入っているようだ。有名な惑星だけではなく、架空の星々もある。
「惑星によって味も全然違うんだ……樹さんも、どれか食べてみます?」
「惑星か……火星にしようかな」
差し出された皿の上から、樹がひょいとチョコを摘む。
「ディルもコロロも食べたい?」
「うん、ねーちゃんのわくせートリュフとマシュマロを交換しようよ!」
「マシュマロくれるの? ありがとう。どのチョコがいい?」
隣り合うディルとファギーの仲の良さは、端から見れば微笑ましいという言葉がぴったりだ。どれにしようかなー、とディルが惑星チョコたちを見比べて、雪に包まれたような真っ白な星をつまみ、口に放り込む。
「んー! マシュマロもおいしかったけど、このチョコもおいしー!」
香り豊かなコーヒーを口にする樹の横では、わらびもお茶を楽しんでいた。満足げな相棒をちらと横目に見た樹は、ひとつチョコを選んで差し伸ばす。ぱくり。わらびがふるふると震える。頬が落ちそうになっているのかも知れない。
樹は月の満ち欠けチョコレートを幾つか味わって、
「残りはみんなで食べようか」
そう言うと、皿をテーブルのまんなかへ。月の満ち欠けという名前の通り、並べると、月令の推移が分かるようになっている。いましがた、わらびに渡したのは満月で、月が欠けていくにつれて、段々とビターチョコの比率がホワイトチョコよりも多くなっていくのだ。
「そういえば、さっきのおはなしって?」
チョコを頬張っていたディルが、ことりと首を傾げた。ここに来るまでの間に、ディルは銀河鉄道にまつわる有名な物語について、ファギーや樹の話を小耳に挟んでいたのだ。後で話してあげるね――ファギーのその言葉を、いま思い出したらしい。
「そうだね、ちょっと話してみようか」
読書を趣味とするファギーは、物語るのも巧みだった。星の中を駆けていく列車――そんな語るにはうってつけの場所で紡ぎ出されるのは、銀河を旅する鉄道を舞台にしたお話だった。
切なくも幻想的で、読むものの心に残る物語――。
樹は、ファギーの語り口に、まるで儚くも美しい小説を読み終えたときのような感覚を覚えていた。それは寂しい……とは、また違う、不思議な感覚で。
「こんな感じなんだけど……わかった?」
ディルにはちょっと難しかったらしく、
「今度、としょかんにいったときに、読んでみようかなぁ……俺でもよめるかなぁ……」
「探せばやさしい本もあるかもしれないね。挿絵を見るだけでも楽しいよ」
考え込むディルに、ファギーがふわりと微笑んだ。
「そうそう、もっと天正大戦国から奪還できたら実際に走る蒸気機関車をみられるようになるかも」
と、そこでふと思い出したように、樹が言った。
「東京近辺だと埼玉や群馬、栃木でも走ってるし、ちょっと足のばせるなら静岡では動態保存のパイオニアともいえる路線があるんだ……って、すまん、語りすぎた」
ハッと気づいたように樹がぽつり。ファギーは微笑みを含んだまま、ゆるりと首を横に振り、
「そんなことありませんよ」
「いつきさん、きかんしゃ好きなの? 俺もすき!」
ディルもそう言って弾けるような笑顔を浮かべた。
失われたものは多くある。
それでも、取り返せるものもあるのだ。
だからこそ、
「だっかんしたら、いつきさんの好きなきかんしゃにいっしょに乗ろうよ! もちろん、みんなでだよ!」
「ええ、取り戻せたら、今度は本物の蒸気機関車に乗りに行きましょうね」
ファギーが紡いだ言葉に、ディルも樹も頷いた。
穏やかなひとときが過ぎていく。
三人と、そしてアクアスライムのわらびに、モーラット・コミュのコロロ。
みんな一緒の旅は、星巡りの列車を降りても続くのだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
カラタチ・リッカ
【ふたり座】
銀河鉄道の夜って物語があるらしいねぇ
星空旅行するみたいで楽しそう〜と
ミアちゃんと一緒に俺様たちも
カフェへ行ってみようかぁ
外から眺める蒸気機関車は
今は動いていない様子だけれど
昔は色んなお客さんを乗せて
色々なところ旅していたのかもねぇ
それじゃあ車内にも足踏み入れよ〜
前にもプラネタリウムは
一緒に遊びに行ったけれども
わぁ車内が星空みたいなのは
また違った幻想的〜かも?
寒い夜空を見上げる以外でも
星がよく見えるってのは良いよねぇ
テーブル上の夢のようなメニューは
またワクワクもしてしまいそ〜
ミアちゃんは何にする?
お星様ホットチョコで温まりたいなぁと
月のチョコも惑星トリュフも気になるねぇ
あと俺様は金平糖と琥珀糖の
色とりどり宝石みたいな見た目も好きだから
折角だし此処でも楽しんでいこうっと
机の上にはふたりで選んだ品々も並べば
ふふ〜此れも、
ふたり座な景色なのかもしれないね
ワクワクキラキラいっぱいな夜空と〜
窓の外にも願い星は見つかるかなぁ
のんびり待つ時間も楽しいねぇ
ミア・メア
【ふたり座】
銀河鉄道の夜、お名前は聞いた事があります
もし本当に星空旅行が出来たら最高の想い出間違いなし
そんな素敵テーマのカフェ
大変に楽しみですね、カラ!
芝生の上の機関車も中々オツです
そうですねえ、きっと沢山の人達を運んできたのでしょう
機関車への敬意を頂きつつ車内へ入ります
わあっ、星がいっぱいです!カラ!
プラネタリウムとはまた違うステキさ
窓から宇宙が見えるなんて本当に旅しているよう!
お天気や場所に縛られずお星が楽しめるなんて
とても贅沢している気分です
…は!そうでした、此処はカフェ!
ミアもお星さまホットチョコにしようかと
今日は絶好のホットチョコ日和!
分かりますよう、カラ
気になるメニューが…多すぎる…!
いっそ気になるもの全部注文しましょう
ワタアメ星雲パフェ、星座アイシングクッキーも追加です
金平糖と琥珀糖もきっとあります!
テーブル上がギャラクシーに!
んふふー、それならふたり座の周りは
ワクワクキラキラな景色でいっぱいですね
願い星も流れてくれるかもですよう
ホットチョコで温まりながら待ってみましょう!
その蒸気機関車は、かつて人々を運んで走っていたのだろうか。
芝生の広場で乗客を迎える汽車は黒一色。煙で煤けたような風情が、往年の活躍を想像させる。
「芝生の上の機関車も中々オツです」
働いて働いて、そうして今はカフェとして静かに来客を待つ。そんな姿に感慨を抱いて、ミア・メア(璃々・g07746)が賛辞を送る。
「昔は色んなお客さんを乗せて、色々なところ旅していたのかもねぇ」
その傍らでカラタチ・リッカ(空言・g05558)が笑むように目を細めていた。
ミアと並んで機関車と客車の連なりをひとときだけ眺めながら。
「そうですねえ、きっと沢山の人達を運んできたのでしょう」
ミアがふと見れば、機関車の煙突に、銀河鉄道カフェと描かれたプレートがかけられていた。銀河鉄道と言えば――幻想的な物語があるらしいとカラタチはその名を思い出し、ぽつりと零した言の葉に、ミアが小さく頷いた。
「お名前は聞いた事があります」
きらめく星々に包まれながらの、物語をなぞるような鉄道旅。星間旅行するみたいで楽しそう――そんなカラタチの思いは、ミアも一緒。きらめく宇宙を共に旅できたら、最高の想い出間違いなし。ミアも弾むような期待と、歴史を重ねた機関車への敬意を胸に抱いて、
「大変に楽しみですね、カラ!」
それじゃあと、二人は小さな階段を昇り、客車へ。
扉を開ければ、車内に広がる光景が、二人を出迎える。
窓の外にはゆったりと星が流れ、天井には一風変わった天象儀のように星座が散りばめられて、きらきら瞬く星々が見上げた二人の金と紫の瞳に映り込んだ。
「わあっ、星がいっぱいです! カラ!」
「車内が星空みたいなのも、ひと味違って幻想的〜かも?」
二人の胸に浮かんだのは、連れ立ってプラネタリウムに足を運んだ思い出。車内を彩るのはそれとはまた少し趣の異なる美しさだ。
車窓の奥、流れていく星々を眺めて、ミアは吐息した。窓から宇宙が見えるなんて本当に旅しているよう――がたんごとんと鳴る列車が、星空の旅を演出する。
今は冬。凛と澄んだ夜気の中で見上げる星空も綺麗だけれど、
「寒い夜空を見上げる以外でも、星がよく見えるってのは良いよねぇ」
「お天気や場所に縛られずお星が楽しめるなんて、とても贅沢している気分です」
入り際に伝えられていた席番号を探せば、カラタチの視線が二人の席に行き当たる。
「……は! そうでした、此処はカフェ!」
ついつい景色に目を奪われていたミアは、カラタチの手招きを受けてぱたぱたと指定の席に歩み寄った。ふたり向かい合って腰を落ち着ける。列車のボックス席を思わせるアンティークな椅子。それに挟まれるようにして夜色のクロスの敷かれた大きめのテーブルがある。机上では洋燈が控えめな光を放ち、ミアとカラタチはテーブルの上に載っているメニューに視線を向けた。
銀河を走る鉄道――その旅を彩るに相応しい品々は、どれも心躍らせるものばかりで、
「ミアちゃんは何にするー?」
どれにしようか迷いそうになっているミアに、カラタチがのんびりと言った。
「俺様はお星様ホットチョコで温まりたいなぁ」
「ではミアも同じホットチョコにしましょう」
カラタチの唇が紡ぐ美味しそうな名前に、ミアも心惹かれて、同じものをと決めた。
なんといっても、
「今日は絶好のホットチョコ日和!」
春めいてきてはいるけれど、やっぱりバレンタインデーの前後はまだ肌寒い。甘く温かなホットチョコはきっと此処に来るまでに冷えた体を温めてくれる。そんな期待を寄せながら、ミアもカラタチもきらびやかなメニューを上から下へ。
「月のチョコも惑星トリュフも気になるねぇ」
「分かりますよう、カラ。気になるメニューが……多すぎる……!」
あれもこれもと選んでみたくなる。並べればきっと、テーブルの上も星がきらめく宇宙のように賑やかになるから。
「ワタアメ星雲パフェ、星座アイシングクッキーも追加しましょう」
「俺様の好きなヤツは」
「金平糖と琥珀糖もきっとあります!」
それは色とりどりの宝石みたいな見た目の甘味。ふたりで探してみれば……本当にそれはあった。メニューをなぞるミアの白い細指が、つと止まり、おー、とカラタチが嬉しそうな顔をする。此処でも楽しんでいこうっと、金平糖と琥珀糖も注文の品に付け加えた。
がたんごとん。
星々を繋ぐレールを走る音に、時々、汽笛の響きが交じる。窓の外を見れば、列車は大きな惑星の横を今まさに通り過ぎようとしているところ。
ふたりが会話を交わしながら憩いのひとときを過ごしていると、やがて甘やかな香りとともに注文の品々が運ばれてきた。
星形のマシュマロが散りばめられたお星さまホットチョコレートは甘く温かで。
「わあ、いろいろな惑星があるのですね!」
水星、金星、地球、木星――惑星トリュフの精緻なコーティングの中には、ゼリーだったり、クランチチョコだったりとバリエーション豊か。
ワタアメ星雲パフェは、宇宙色のパフェの中に銀色の砂糖菓子がきらきらと。星雲っぽいカラフルなふわふわがその上に乗って。
黄道十二星座が描かれた星座アイシングクッキーは可愛らしくも職人技が光り、見ているだけでも楽しい。もちろん味も絶品だ。
「どれから食べよ~」
カラタチの指がいっとき宙をさまよう。
満月はホワイトチョコ。段々とビターチョコの割合が多くなって、新月になる。そんな月の満ち欠けチョコレートをひとつまみ。
それになんといっても金平糖と琥珀糖! きらきらころころ色とりどりの宝石みたいなそれらは、テーブルの宇宙にきらめくお星さまようで。
「テーブルの上がギャラクシーに!」
ぱあと顔を輝かせて掌を合わせるミアにカラタチがふふりと微笑んだ。
「ふふ〜此れも、ふたり座な景色なのかもしれないね」
「んふふー、それならふたり座の周りは、ワクワクキラキラな景色でいっぱいですね」
「ワクワクキラキラいっぱいな夜空と〜窓の外にも願い星は見つかるかなぁ」
「流れてくれるかもですよう。ホットチョコで温まりながら待ってみましょう!」
のんびり待つ時間も楽しいねぇ――金の瞳に星々を映して、カラタチは柔らかく言葉を紡いだ。
がたんごとんと車輪が鳴って、何度目かの汽笛が響いたとき。
カラ、あれを――とミアが言えば。
窓の近くを流れ星が流れ、二人を、そして車内を照らしていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!
九条・桜雪
【レオンくん(g08808)と一緒に参加】
銀河鉄道カフェって、なんかすごいねー!
窓の外も満天のお星様で童話の世界みたい♪
わたしがはしゃぐ横で、レオンくんは旅をしてた時の事を思い出したみたいだったから「また旅に出たいと思う?」って聞いてみた。
てっきり否定してくれると思ってたのに。
いいもん、レオンくんが旅に出るならついて行くもん!
席についた後は、お星さまホットチョコレートと月の満ち欠けチョコレートを注文する。
お星様の形のマシュマロなんて可愛い。
レオンくんが甘いのが苦手なのは知ってるから、「ブラックチョコレートなら食べれる?」とお月様のチョコを差し出す。
レオンくんがチョコが美味しいって言ってくれたから、嬉しくなって笑った。
ねぇ、レオンくん、やっぱりどこにも行かないで。
ずっとそばにいて欲しいな。
ふと窓の外を見ると綺麗な星空が広がっていて、勝手に少し淋しくなって涙が出そうになってこらえた。
タブラさんと影晃さんをお見かけしたら、ご挨拶と楽しい企画への感謝をお伝えしたいです。
アドリブ・絡み等歓迎。
レオン・スカイフォード
【桜雪(g08800)と一緒に参加】
銀河鉄道のカフェか。
とても雰囲気のあるカフェだと思うけど、日本で桜雪と出会う以前は旅人だったから電車に乗る事も多かったし、それをちょっと思い出す……かな。
また旅に出たいかと言う質問には「うん、それも悪くないかもね」と答える。
まあ、実際には桜雪を手放したくないから旅に出る気はないんだけどね。
席について、甘い物は得意ではないのでコーヒーを注文する。
桜雪は相変わらず甘い飲み物に甘い食べ物か。
甘い物ばかりよく食べれるなあ。
とか見てたらブラックチョコレートを勧められたので食べてみる。
甘い物が食べられない訳じゃないし、このチョコはお世辞抜きで美味しいと思うよ。
しばらくして、桜雪が思いつめたように窓の外を見ているから、僕も一緒に窓の外を眺めた。
満天の星空を映した車窓に反射した桜雪の顔が何故か泣きそうに見えて、軽く桜雪の頭を撫でる。
大丈夫、僕はどこにも行かないよ。
タブラさんと影晃さんにお会いする機会があれば、桜雪と一緒に挨拶と感謝を述べます。
アドリブ・絡み等歓迎。
「銀河鉄道カフェって、なんかすごいねー!」
客車に足を踏み入れた途端、世界が一変した。
銀河をひたはしる列車はそれ自体がプラネタリウムのようで、幻想的な光景に包まれた九条・桜雪(Полнолуние・g08800)は辺りを見回しながら、きらめく星をその青い瞳に映していた。
天井を見上げると、数多の星座が輝いている。散りばめられた星は暗いはずの宇宙の中で優しく静かな温もりを湛え、きらきらと瞬く。
「窓の外も満天のお星様で童話の世界みたい♪」
車窓に近づけば、漆黒の闇を彩る星々が、ゆっくりと流れていくのが見える。まるでダイヤモンドのような、大小さまざまな光の粒。それらが個性を主張するように瞬き、遠くに広がる銀河が、花咲くような輝きを放ってゆらめいている。
「銀河鉄道のカフェか。とても雰囲気のあるカフェだと思うけど」
はしゃぐ桜雪と並んで窓の外を眺めるレオン・スカイフォード(Новолуние・g08808)にとっては、鉄道という乗り物そのものが過去と結びついている。
「思う、けど?」
物思いに沈むようなレオンの言葉尻に気づいて、桜雪は首を傾げた。自然に続きを促すような仕草は旧家のお嬢様っぽいと言えるかもしれない。レオンは窓の外に広がる宇宙に目を向けたまま、
「桜雪と出会う前は旅をしてたから、電車に乗る事も多かったし。それをちょっと思い出す……かな」
独語するような言葉。それに、追想するレオンの瞳は、なんだかずっと遠くを見ているようで――桜雪はつい気になって問いかけていた。
「また旅に出たいと思う?」
僅かな間。
ほんのちょっとの間なのに、それが桜雪にとっては随分と長く感じられて。
「うん、それも悪くないかもね」
紡がれた言葉に、桜雪は目をぱちぱちと瞬かせたあと、ぷうっと頬を膨らませた。返ってきた答えは想像したものとは違って、てっきり否定してくれるものと思っていたから。それでも、そうであっても。レオンがそういうつもりなら。
「いいもん、レオンくんが旅に出るならついて行くもん!」
ちょっと拗ねたような桜雪にレオンは苦笑した。
きっと置いて行かれるなんて思ってる。
心の中の優先順位をレオンはしっかり分かっていて、けれどそれを桜雪に明らかにしてはいない。彼女の反応はそれ故というところもある。
――まあ、実際には桜雪を手放したくないから、旅に出る気はないんだけどね。
言葉にしないところがレオンらしい。
蒸気機関車らしいアンティークなボックス席に座って、二人は向かい合う。
テーブルには輝く星が描かれた夜色のクロスが敷かれ、控えめな光を放つ洋燈が淡くメニューを照らしていた。
「どれにしようかなー。レオンくんはどう?」
桜雪はさっそくメニューとにらめっこ。頬杖をついたレオンは、もう何を頼むか決めている。甘いものは得意ではないのだ。
「やっぱりコーヒーかな」
車窓を眺めるその瞳に星々の光が映り込み、レオンはそれから、様子を窺うようにちらと桜雪を見やる。
「私はお星さまホットチョコレートと、あとは月の満ち欠けチョコレートにしようかな」
桜雪がルンルン気分で口にした品名に、レオンはちょっとだけ目を細めた。
――桜雪は相変わらず甘い飲み物に甘い食べ物か。甘い物ばかりよく食べれるなあ。
本人が聞いたらなんて反応を見せるだろう。言わないけど。
自分の注文が決まってしまうと、桜雪は上目遣いにレオンを見やった。甘いのが苦手なのは知っているから――月の満ち欠けチョコレートは都合がいい。
「レオンくんはもういい?」
「ああ、いいよ」
それじゃあとばかりに桜雪がテーブルの上の瀟洒な呼び鈴をチンと鳴らした。ややあって客車の扉が開き、車掌姿の二人が注文を取りに来る。
「ご乗車いただきありがとうございます」
「ありがとうございますっ!」
見れば、それは車掌服を着た宵星・影晃(人間の陰陽師・g03235)とタブラ・ラアサ(サイボーグのガジェッティア・g03337)の二人組だった。
どうやらスタッフとして働いているらしい。
「素敵なカフェを紹介してくれて、ありがとうございます」
「お陰で楽しい時間を過ごせていますよ」
レオンと桜雪が外行きの言葉遣いで謝辞を述べれば、タブラは手を合わせて口元に喜びをあらわし、影晃は脱帽して恭しく頭を下げた。
「そのようなお言葉をいただけるとは、まさに恐悦至極」
「宵星さん、また言葉が硬くなってますよっ」
「……そうでした。性分というもので、つい」
真面目な顔をしていた影晃が、案外自然な微笑みを浮かべて、
「本当に、嬉しく思います。どうぞ良いひとときを」
心からの謝辞を述べる影晃の隣で、タブラはちょっとだけ「やればできるじゃないですかー」みたいな顔をしていた。
「ご注文のお品、いま運んできますので、少々お待ちくださいね!」
一礼した影晃とタブラが、程なくして注文の品々を運んできた。
そこからは、また二人だけの時間だ。
「やっぱりお星様の形のマシュマロ可愛い」
桜雪が満足げに微笑み、
「ブラックチョコレートなら食べれる?」
差し出したのは、月の満ち欠けチョコレートの、新月を表す一粒だった。そのチョコレートは名前が示すように、満月から新月までの月の移り変わりを表している。満月はホワイトチョコで、段々とビターなブラックチョコレートの比率が高くなっていく。
レオンは桜雪の手から新月のチョコを受け取って、ぱくり。
「甘い物が食べられない訳じゃないし、このチョコはお世辞抜きで美味しいと思うよ」
満月であっても新月であっても、月は月としていつも宇宙(ソラ)に在る。
桜雪の顔に今日一番の微笑が浮かんだのは、レオンが美味しいって言ってくれたから。
ひとしきりチョコや飲み物を楽しんだ後、二人は窓からの景色を眺めていた。
がたんごとんと鳴る列車の音、そして汽笛。
時折、ひとすじの流星が静かに窓の外を横切っていく。
沈黙の帳。
それは、近しい相手ならではの、心地よい静寂であるはずだった。でもいつもと違う空気がそこにあるのは――。
きらめく宇宙を一緒に見ていたレオンが、ふと気付いて桜雪を見やる。どこか思い詰めたような横顔。彼女の青い瞳が、微かに揺れていた。
「ねぇ、レオンくん、やっぱりどこにも行かないで」
同じ景色を見ていられると、当たり前のように思っていた。
もし……もしもそんな日々がなくなってしまうとしたら。
「ずっとそばにいて欲しいな」
意を決して紡いだ言葉。
語尾は揺るがず、最後まで言えたと桜雪は思う。
星がゆっくりと流れる奥に、月(ルナ)を思わせる大きな惑星が見える。
その幻想的な光景が、不意に滲みそうになって、桜雪は慌ててこらえた。少し淋しくなっただけ、それも勝手に――分かっているけれど、抑えようとしても押さえられない気持ちがある。
その表情にレオンは気付いて、反射的に手を伸ばしていた。
離れる? まさか。独り占めしたいのに、ひとりで何処かへ行くだなんて。
軽く桜雪の頭を撫でながら、レオンは優しげな微笑みを見せた。
「大丈夫、僕はどこにも行かないよ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
花喰・小鳥
【残響】で参加
「本格的な雰囲気です」
内装にそんな第一印象が強かった
あいにく蒸気機関車に乗ったことはないのでソレイユの問いには首を振る
「よかったら摘んでください」
包みをテーブルに広げればチョコクッキーが姿を現す
練習していたら作りすぎてしまいました
みゆが喜んでくれて私も嬉しい
本当に銀河鉄道があったら?
ソレイユは太陽を、それは壮大な旅になりそうです
普段の彼と違う顔がなんだか新鮮だ
みゆの言う星雲は聞いたことがなかったけど名前からなんとなくイメージする
きっと美しい輝きなのだと思う
私は少し考えてから、
「銀河鉄道は死者を運ぶという話もあります」
著名な作家の作品は私も知っていますし、それならもう会えないような人とも会えるのかもしれないと
「倖を、見つけることができるでしょうか」
半ば独白のように私はつぶやいた
みゆの様子をちらりと見て、彼女も何か思うことがあるのだろう
今の状況や環境に不満があるわけじゃない
ソレイユとみゆもよくしてくれるし、他の友人たちとも良好な関係だとも思う
ならどうして私は
ソレイユ・クラーヴィア
【残響】の友人達と
アドリブ歓迎
漆黒の重厚感あふれるボイラーに煙突、機械的な美しささえ感じる無骨な歯車
蒸気機関車はロマンが溢れていて、少年心が躍動します
実際に動く姿も見てみたいです
皆さんは動く蒸気機関車に乗った事はありますか?
みゆはそういう経験が…
この雄姿を形に残したくなる気持ちも分かるかもしれませんね
故郷の時代を思い出す古びたランプの灯りは落ち着きます
こうやって、未知の世界に旅行に行くというのも素敵ですね
小鳥はまた料理の腕を上げましたね
このクッキー、とっても美味しいですよ
もし銀河鉄道に乗って、何処にでも行けるというのなら、私は太陽に行ってみたいです
だって、名前がソレイユですから
人の身では不可能なのは分かっていますが
本物の太陽はどんな所なのか、気になりませんか?
キャッツアイ星雲は私も初めて聞きました
猫の目のように形が変わるのでしょうか
私も見てみたいです
小鳥にとっての倖せが、見つかるといいですね
いえ、見つけにいきましょう
見つけたいと願い続ければ、いつかきっと道は繋がると
私は信じていますから
佐伯・みゆ
「残響」で参加です
アドリブ、連携歓迎。
銀河鉄道って、乗ってみたいと一度は思いますよね。
列車に目を輝かせるソレイユさん、いつもは大人びているけれど、今は本当に少年みたいで微笑ましいです。
蒸気機関車は、駅で停車しているところをみたことはありますけれど
残念ながら乗ったことはないです。
カメラを持った人たちが沢山いて、そっちの方が印象に残ってます。
わ、小鳥はクッキーをありがとうございます!
早速いただきますね!おお、サクッとしていて美味しいです!
銀河鉄道で行きたいところ…キャッツアイ星雲を見てみたい、かな。
宇宙で一番綺麗な星雲、って言われているらしいです。
すごく複雑な構造らしくて、近くで見られたら、謎も解けるかも。
呟いた小鳥の言葉に目を伏せて。
「ほんとうのさいわい」は、人によって違うのかもしれません。
たとえそれが他人からどんなに滑稽に見えようとも
その人がさいわいだと思えるのであれば
それがその人の「ほんとうのさいわい」なのではないかしら?
小鳥の、そしてソレイユさん、みんなのさいわいが見つかることを。
「漆黒の重厚感あふれるボイラーに煙突、機械的な美しささえ感じる無骨な歯車……実際に動く姿も見てみたくなりますね」
芝生の広場で乗客を迎える機関車は、その昔、多くの人を乗せて運んでいたのだろうか。煙を噴いて懸命に走る姿は、想像するだけでロマンに溢れていて、少年の心が躍動する。
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は漆黒の機関車を見上げ、思いを馳せていた。
その、いつもと少し雰囲気が異なる表情、そしてきらきら輝く瞳に、佐伯・みゆ(悲歌。・g08231)は柔らかな笑みを浮かべる。
「銀河鉄道って、乗ってみたいと一度は思いますよね」
口にするだけでも、なにやら物語を感じる名前だ。宇宙を旅する鉄道は、数多の夢を乗せて星々を駆け巡る。銀河を渡り、見知らぬ星から星へと旅するなんて、まるで一種の冒険小説のようで……だからだろうか。
――いつもは大人びているけれど、今は本当に少年みたいで微笑ましいです。
ソレイユの様子に、みゆがそう思う傍らで、
「この蒸気機関車、確かに今にも動きそうですね」
花喰・小鳥(空虚のナハティガル・g01304)は可愛らしい小包みを手に、機関車を眺めていた。
三人で乗降口から中へと乗り込み、客車の扉を開く。その瞬間――それぞれの瞳に幻想的な世界が映し出された。
木の床が優しく軋み、照明の落とされた空間で星々が三人を出迎える。
「本格的な雰囲気です」
それが車内の意匠について、小鳥が最初に抱いた印象だった。見上げればきらきらとした無数の輝き。プラネタリウムのように星が静かに瞬いているのだ。
壁も、天井も、深い色合いの木材がそのまま使われていた。歴史を感じさせる磨き上げられた木の艶が、車内の雰囲気と調和している。
知っている機関車の風景が、こうも幻想的になるなんて――首を巡らせてソレイユは感嘆していた。
「これは……凄いですね」
「本当に宇宙を走っているみたいです」
みゆが言いながら車窓に歩み寄ると、そこには、広大な宇宙が広がっていた。
闇に浮かぶのは、無数の星々。遠くに揺蕩う銀河の帯が、鮮やかな光彩を放っている。
「銀河を走る鉄道……」
同じように窓の外を見ていた小鳥は、ぽつりと独語していた。長い睫毛に縁取られた赤の瞳に、星々が映り込む。漆黒の海を彩るような数多の光が。
ひとしきり景色を味わうと、やがて三人は指定された席へと歩みを進めた。
汽車らしいアンティークな席からも、窓の外の景色がよく見えた。ゆったりと星が流れ、遠くにはカラフルな惑星。蒸気機関車という一昔前の技術と、最新の映像・音響技術が混ざり合って、本当に銀河を渡る鉄道で旅をしている気持ちになれる。
みゆと小鳥の対面に座ったソレイユは、やはりいつもよりもちょっと高揚した面持ちで、それでも穏やかに口を開いた。
「皆さんは動く蒸気機関車に乗った事はありますか?」
小鳥はあいにくと蒸気機関車には乗ったことがなくて、ふるふる首を横に振った。人類史に刻まれ、様々な人生を運んできた乗り物は、今はもう出会うことさえ難しくなっている。
みゆも乗車した経験はないようで、
「蒸気機関車は、駅で停車しているところをみたことはありますけれど、残念ながら乗ったことはないです」
記憶をたぐりながら言葉を紡げば、みゆの中に、するすると印象的なイメージが浮かび上がってきた。
「カメラを持った人たちが沢山いて、そっちの方が印象に残ってます」
いろんな意味で熱い趣味人たちの話に、ソレイユは苦笑っぽくもある笑みを見せて。
「みゆはそういう経験が……雄姿を形に残したくなる気持ちも分かるような気がします」
談笑のBGMは、リズム良く奏でられるレールの音。
高らかな汽笛の音が、それに重なった。
三人が囲むテーブルには、汽車の刺繍が施された夜色のクロスが敷かれていた。洋燈が淡く机辺を照らし、故郷の時代を思い出させる古びた照明器具に、ソレイユは落ち着きを覚える。
「よかったら摘んでください」
そう言って小鳥が広げた包みからは、美味しそうなチョコクッキーがころころり。三人が存分に味わえるくらい、たくさんの可愛いクッキーが顔を見せた。
まるで星巡る三人の旅を彩るよう。
そのひとつひとつに、努力のほどがうかがえる。
「練習していたら作りすぎてしまいました」
「わ、美味しそう。ありがとうございます!」
早速いただきますね! と、みゆが楽しげに細指を伸ばして口に運べば、
「おお、サクッとしていて美味しいです!」
思わず笑顔になる食感と甘さが広がった。
美味しいお菓子は心の栄養。
花咲く笑顔が大成功の証だ。
「みゆが喜んでくれて私も嬉しい」
言って小鳥がほうと吐息した。こんなに喜んでくれたなら、作った甲斐があったというもの。
「私もいただいていいですか?」
ソレイユに小鳥が嫋やかに頷いて。
ピアニストの美しい指がクッキーを摘み、口へと。
広がる味わいに、ソレイユは柔らかな笑みを浮かべて。
「小鳥はまた料理の腕を上げましたね。このクッキー、とっても美味しいですよ」
親しい人の手作りの品は、だからこそ味わい深く、心に幸せが満ちていく。
「それにしても、こうやって、未知の世界に旅行に行くというのも素敵ですね」
ソレイユは思う。
宇宙を行く列車に身を任せて、星巡りの旅を。
交わされるやり取りに、甘いクッキーが華を添える。
駅名を告げるアナウンスが響いたかと思うと、列車が宇宙に浮かぶ駅に停まって、影絵のような乗客たちが乗り降りしているのが見えた。
それはまるで――……小鳥がぱちぱちと目を瞬かせて。
汽車はまた走り出す。
もし本当に銀河鉄道があったら。
三人はいつしかそんな話題に興じていた。
「もし銀河鉄道に乗って、何処にでも行けるというのなら、私は太陽に行ってみたいです。だって、名前がソレイユですから」
赫々と燃え上がり、地球には穏やかな陽光を降り注がせる恒星。その名を冠するソレイユに、それは相応しい想像(ユメ)だ。
「人の身では不可能なのは分かっていますが、本物の太陽はどんな所なのか、気になりませんか?」
間近で見られたなら、ダイナミックな星の躍動を感じることが出来るはず。
「それは壮大な旅になりそうです」
小鳥が首肯すればソレイユの表情が嬉しそうに輝く。
普段の彼と違う顔。それがなんだか新鮮だと、小鳥は思う。
「銀河鉄道で行きたいところ……キャッツアイ星雲を見てみたい、かな」
みゆがくいと顎を上げ、天井に広がる星々を見上げながら、思い描いたイメージを口にのぼせた。
「キャッツアイ星雲ですか。初めて聞きました」
猫の目のように形が変わるのでしょうか――ソレイユはその名前からそんな風に想像して。
「きっと美しい輝きなのでしょうね」
みゆの紡ぐ言葉から、さぞ美しい星々の集まりなのだろうと小鳥も想像を巡らせる。そのイメージを肯定するように、隣でみゆが頷いた。
「宇宙で一番綺麗な星雲、って言われているらしいです」
地球から数千光年離れたその惑星状星雲は、猫の瞳のように見えることからそう名付けられたという。青や緑がかった色彩と、渦を巻くような輝き。
「すごく複雑な構造らしくて、近くで見られたら、謎も解けるかも」
深淵な宇宙に遍満する不思議。
それに迫ることが出来たらどんなに素晴らしいだろう。
「私も見てみたいです」
美しい星雲を思い浮かべ、ソレイユが頷きながらそう言った。
耳が良い彼からすれば、三人で交わす会話は心地よいハーモニーのよう。
がたんごとん。
列車の奏でる音を背景に、少し黙考していた小鳥が言葉を紡ぎ出した。
「銀河鉄道は死者を運ぶという話もあります」
頭に浮かぶのは一遍の幻想的な、そして切なさを内包した物語だった。
星空を駆ける、死者を運ぶ列車。
それなら、だとしたら。
もう会えないような人とも会えるのかもしれないと――。
「倖を、見つけることができるでしょうか」
可憐な唇からこぼれた言葉は、半ば独白。
ちらと横目に見た宇宙には深遠さが感じられて……本当に深く見透せないのは我が心なのかも知れない。
今の状況や環境に不満があるわけじゃない。
ソレイユとみゆもよくしてくれるし、他の友人たちとも良好な関係だとも思う。
――ならどうして私は。
沈思する小鳥、その耳に。
目を伏せて紡いだみゆの、詠うような声が響いた。
「ほんとうのさいわいは、人によって違うのかもしれません。たとえそれが他人からどんなに滑稽に見えようとも」
その人が真実、それを『さいわい』だと思えるものならば――みゆは続けた。
「それがその人の、ほんとうのさいわいなのではないかしら?」
「小鳥にとっての倖せが、見つかるといいですね。いえ、見つけにいきましょう」
ソレイユの言葉ももちろん気休めなどではない。
澄んだ青い瞳と真剣な眼差しが、信念に基づいた言葉であることを証明していた。
「見つけたいと願い続ければ、いつかきっと道は繋がると……私は信じていますから」
小鳥の長い睫毛が伏せられる。
或いはそれは、頷きなのかも知れなかった。
流れ星が、光の尾を引きながら車窓を横切り、みゆは願いを込めた。
――小鳥の、そしてソレイユさん、みんなのさいわいが見つかることを。
列車は三人を連れて宇宙を巡り――やがて新宿島に帰り着く。
胸に残る語らいと、大切な思い出をお土産に。
旅はまだ続く。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
瀬良・要
◆暁降
銀河鉄道か。地元のイーハトーブみを感じるなァ
童話よろしく、星々を楽しみながら幻想的な旅を楽しもうじゃねェの
あァ、紗那はSL初めてか。って俺もそんな乗ったことねェんだが
今は古くてあんま見ねェが……レトロな雰囲気もまたいいよな
さて、んーじゃそんじゃ銀河旅行と洒落込もォぜ♪
おー……中もいいじゃん。童話の世界みたいだ
こりゃ店員でも楽しいだろなァ
っつか一番景色いいじゃんココ。ちゃっかりしてんよなァ、ホント
しかし、空も窓の外も満天の星空ってヤツだ
本当に銀河鉄道に乗ってるみたいだぜ
こんな経験できるなんてなァ……
ん? あァ~そうな、珈琲かねェ
黒い珈琲の色が夜空っぽいし。アラザンがマジで星に見えるぜ?
ホットチョコの星型マシュマロも捨てがたいけどよ
月の満ち欠けに惑星に、銀河三昧で見た目にも舌でも楽しめますってな♪
うん? おぉチョコ薔薇……
って毎年なんで激辛チョコなんだよ!? ビターでいいっつの!
綺麗なのは認めるぜ? 認めるが……これ、愛なんだよな!?
……OK、店員さん。俺にもホットチョコ、1つ……
シャナオウ・ナラシャ
◆暁降
瀬良・要:g00797(嫁)
普通に要と呼び捨て
◇
銀河鉄道…
そんな名の書物があったな
いーはとーぶ、ああ、確かそんな名を読んだ気がするな。
これが蒸気機関車か、俺の時代にはまだ無かったものだ
今では、砂漠の上でもコイツが走っているんだっけ?
そんな画像を見つけたな
(蒸気機関車を興味津々に触ってみたり眺めている)
へぇ、定員をしているディアボロスも居るのか
でもまぁ、俺等は乗客だ(要の手をとって、景色のよい席を陣取って)
お前は珈琲でいいのか?
それとも、ホットチョコにマシュマロでも浮かべるか?
俺は紅茶で、ほぉ…アラザンをこんな風に使うのか
お菓子作りのオプションとしてならよく使うが
月の満ち欠けチョコもなかな可愛らしい
惑星のトリュフか、なら、これも添えて彩を与えようか
(薄く延ばしたチョコを削って一枚一枚花弁のように重ねたチョコレートだ)
Happy Valentine! 愛情たっぷり激情(辛い)を籠めておいたぜ(ハート)
「ふっ、それだけ、俺の愛が"激·熱"ってことだぜ、マイ・ハニー(ハート)」
「これが蒸気機関車か、俺の時代にはまだ無かったものだ」
芝生の広場に立つシャナオウ・ナラシャ(『-紗那皇-』・g02191)が、真っ黒な汽車の外観を眺めていた。
もし自らの時代にこのような乗り物があったなら――暫しそんな想像を巡らせる。歴史を感じさせるこの蒸気機関車は多くの人々の暮らしを支えてきたのかも知れない。民の、人々の思いを乗せて。
「あァ、紗那はSL初めてか。って俺もそんな乗ったことねェんだが」
馴染んだ呼び名を口にして、瀬良・要(死は我が踊り手・g00797)も同じように機関車を眺める。背の高いシャナオウと並んでも、同じくらい長身である。春の到来をわずかに感じさせる冬の風が、さらさらとその黒髪を、そして隣のシャナオウの銀髪を撫で去っていく。
「今は古くてあんま見ねェが……レトロな雰囲気もまたいいよな」
戦いに赴く時に乗車するパラドクストレインは、蒸気機関車からすれば未来の乗り物といえる。JR山手線の車両に似た外観を持つそれと比べると機関車はレトロで、シャナオウからしても独特の風情を感じさせる。
「鉄道といえば、砂漠の上でもコイツが走っているんだっけ? そんな画像を見つけたな」
砂漠の列車と呼ばれるものだろうか、シャナオウが思い描いた鉄道は荒漠とした砂漠を行く力強いもので、想像するだけでなんとなく心が躍る。
シャナオウは蒸気機関車のひんやりとして重厚感のある車輪や機関室の扉――それらを興味津々に見たり触れたりして堪能し、要と楽しげに言葉を交わした。
芝生の上の列車は、乗客を星空の旅へといざない、銀河を駆ける。
それはまるで一篇の物語のようで、
「銀河鉄道……そんな名の書物があったな」
「銀河鉄道か。地元のイーハトーブみを感じるなァ」
地元東北を思い出しながら、どこか飄々と言葉を口にする要。
その単語を耳にして、シャナオウも記憶を呼び起こす。
「いーはとーぶ、ああ、確かそんな名も見た気がするな」
「童話よろしく、星々を楽しみながら幻想的な旅を楽しもうじゃねェの」
物語こそ人間の持つ想像力の賜物――日常から非日常へ、深遠な宇宙を巡る鉄道旅が二人を待っている。
「さて、そんじゃ銀河旅行と洒落込もォぜ♪」
車室に足を踏み入れると、無数の星々が二人を歓迎するように瞬いた。
艷やかな木の床が軋みの音を立てる。等間隔に並んだ古風な吊り革が風もないのに僅かに揺れ、プラネタリウムを思わせる天井には、天の川のような輝きが広がっている。
そしてなによりも目を引くのは、やはり車窓からの眺めだ。深遠な宇宙に輝く星屑が、列車の進むのとは反対方向に、ゆったりと流れていく。
「おー……中もいいじゃん。童話の世界みたいだ。こりゃ店員でも楽しいだろなァ」
要は口を笑みの形にしていた。
レトロな蒸気機関車の車内で、車掌服を着て仕事するなんていうのもまァ乙なものかも知れない。
シャナオウもまた藍の瞳に星々の輝きを映し、興味深げに車室の意匠(デザイン)を味わっていた。そして車掌服を着た時先案内人の姿をちらと目にすれば、
「へぇ、店員をしているディアボロスも居るのか。でもまぁ、俺等は乗客だ」
ごく自然に要の手を取ると、シャナオウは車室の奥へと歩を進めた。ひときわ大きい窓が嵌め込まれた席につくと、まるで星空に包まれるかのようで――シャナオウは、要を席へといざない、向かい合うようにして座った。
「っつか一番景色いいじゃんココ。ちゃっかりしてんよなァ、ホント」
ぐるりと辺りを見回す要。ここから眺められる光景の美しさは、この銀河鉄道の中でも随一だ。
「しかし、空も窓の外も満天の星空ってヤツだ。本当に銀河鉄道に乗ってるみたいだぜ」
窓の外には、散りばめられたダイヤのような星が瞬き――その奥に、燃え上がる太陽のような恒星が輝いているのが見えた。
こんな経験できるなんてなァ……しみじみ呟く要に、シャナオウは満足げな表情を浮かべていた。時代を感じさせる洋燈が机辺にあり、淡い光に照らされたメニューに気付いたシャナオウは視線を落とす。
「お前は珈琲でいいのか? それとも、ホットチョコにマシュマロでも浮かべるか?」
ラミネート加工されたメニューには、実に様々な品が並んでいた。どれも工夫されたものばかりで、そこからも、ディアボロスを応援しようという有志の心が感じられる。
シャナオウと一緒にメニューを眺めていた要は、
「ん? あァ~そうな、珈琲かねェ。黒い珈琲の色が夜空っぽいし。アラザンがマジで星に見えるぜ?」
「俺は紅茶にしよう。ほお、アラザンをこんな風に使うのか」
説明書きに興味をそそられるシャナオウ。カフェと言えばやはりコーヒーと紅茶だ。銀河鉄道ならではの趣向が凝らされた一杯は、きっと二人の星空の旅を彩ってくれるはずで、
「ホットチョコの星型マシュマロも捨てがたいけどよ。月の満ち欠けに惑星に、銀河三昧で見た目にも舌でも楽しめますってな♪」
楽しげな要に、シャナオウが笑みを返した。
やがて二人の前に、とりどりのメニューが並べられた。
「お菓子作りのオプションとしてならよく使うが、月の満ち欠けチョコもなかな可愛らしい」
こういうお菓子にシャナオウは一家言ある。その目から見ても、ホワイトとブラックチョコで月令の推移を表した月の満ち欠けチョコレートは好印象で、
「味も香りもいいな。見た目だけじゃないってことか」
要はコーヒーの中できらきらと輝くアラザンを眺めていた。まるで漆黒の宇宙にきらめく星々さながらで、見ているだけでも楽しく、口に含めば心地よい香りと苦み、そして少しの甘さが調和する。
水星、金星、地球、火星――惑星を象ったトリュフは、それぞれの星の個性を見事に再現し、それでいて美味しそうな見た目に仕上がっていた。中身のバリエーションも豊かで、金星はチョコクランチが入り。海王星の中身は甘酸っぱいジュレだ。
「惑星のトリュフか、なら、これも添えて彩を与えようか」
シャナオウは言いながら、テーブルの上に特製のチョコレートを置いた。菓子作りをするというシャナオウの腕前のほどが――色んな意味で――その作品に凝縮されていた。
「うん? おぉチョコ薔薇……」
咲き誇るのはチョコレートの花。
薄く伸ばしたチョコを繊細な作業で削り、一枚一枚を見事な花弁のように重ねている。その見事さはまさに芸術作品であり、そこに込められた想いもひしひしと、いやびしばしと要に伝わってくるようだ。
「Happy Valentine! 愛情たっぷり激情を籠めておいたぜ」
ぱちりと完璧なウィンクをしてハートを飛ばすシャナオウ。
「気合入ってるなァ」
なにか予感めいたものを感じながら要がチョコの花弁を手に取り、口に含めば……愛が爆発した。
「…………!」
色んな意味で震える要。
どうだどうだと顔を輝かせるシャナオウ。
「って毎年なんで激辛チョコなんだよ!? ビターでいいっつの!」
そう、『激情』の証はなにかというと――辛さであった。
「き、綺麗なのは認めるぜ? 認めるが……これ、愛なんだよな!?」
「ふっ、それだけ、俺の愛が"激·熱"ってことだぜ、マイ・ハニー」
「……OK、店員さん。俺にもホットチョコ、1つ……」
ひらひら手を振って店員を呼び、追加オーダーをする要。
確かに熱い。めちゃくちゃに熱い。
でもこれが愛というなら――気合いを入れて受け止めねば。
眺めの良い席で、二人は存分に銀河鉄道の旅を堪能したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【おいしくなあれ】がLV2になった!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!