甲相駿三国同盟~小田原城『小峰曲輪』強行突入作戦

 小田原城に潜入した部隊が、城内にあった兵器工廠を破壊、更に、備蓄されていた大量破壊兵器を大爆発させ、小田原城から脱出する事に成功しました。
 大量破壊兵器の倉庫が城壁に近かった事もあり、大量破壊兵器の爆発で、小田原城の北側の城壁が大きく崩れています。
 この機を逃さず、小田原城に突入、破壊工作を繰り返す事で、小田原城の北側にある『小峰曲輪』の制圧を行ってください。
 制圧した小峰曲輪から、本丸に攻め込めれば、千早城や巨大神像を使わずに、戦国屈指の堅城である小田原城を制圧できるかもしれません。

 ただし、敵が混乱から回復してしまえば、作戦は失敗となります。流言飛語で城内の一般人を混乱させ、混乱状態を長引かせるのが重要となるでしょう。

※特殊ルール
 流言飛語の選択肢をクリアせずにシナリオを完結させた場合、1シナリオにつき、攻略期限が「5日」短縮されます。
 攻略期限に注意してください。

※25年3月1日:『最終人類史のバレンタインデー2025』により、攻略期限が23日延長されました。

機に臨み変に応ずる(作者 一条もえる
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●『天正大戦国』、小田原城本丸
 小田原城に潜入してきたディアボロスによる破壊工作により、城内の兵器工廠は破壊され、備蓄していた大量破壊兵器をも灰燼と化してしまった。
 諸将が騒ぐ中、首座にある北条氏政は腕組みして考え込んでいる。
 その間にも、諸将はそれぞれに失態を罵り損失を悔やみ備えをすべきと唸り反撃せよと気勢を上げていた。
「……大量破壊兵器が爆発してしまったことは、やむを得ないこととしよう」
 長らく考え込んだ北条氏政が、組んでいた腕を解く。
「しかし……」
 まだなにか言いたげな配下を、手を上げて制し、
「済んだことだ、致し方あるまい。
 それよりも、北の城壁が崩れたのは座視できぬ。急ぎ修復せねば、さらなる敵の侵入を招くだろう。
 一刻も早く、城壁の修復に向かわせるのだ。まずは城内の人間を動員して、修復に当たらせよ」
 と、諸将を見渡す。
 北条氏政は自らの提案は実に妥当であろうと頷きながら、
「クロノ・オブジェクトである城壁の修復には、一般人の手が必要だからな」
 と、肩をすくめた。笑みを漏らしたのであろう。
「完全に修復できずとも、骨組みだけでも完成すればよい。それならば、本丸のヒルコを生贄にして城壁は修復できるであろう。
 では……」
 修復の奉行として名指しされたひとりは、『祓除のくノ一』望月千代女であった。
 破壊工作に成功した敵……ディアボロスはすでに、次の攻撃の備えをしているであろう。はたして、次はどのような手を打ってくるものか。修復は急務なれども、即応の備えが必要ではあるまいか……?
 平伏した千代女の脳裏にその考えがよぎったが、
「……任じる者は以上だ。奉行となった者は知恵を出し合い、最善を尽くすのだ」
 北条氏政が鷹揚に頷きつつ奉行たちを見渡すと、やはり千代女も「いらぬ考えをしている場合ではない」と思い直し、持ち場へと向かった。

●『最終人類史』、新宿島
「見事な狼煙でしたな。実に愉快」
 伯隼が言っているのは、大量破壊兵器が大爆発したときに立ち上った爆炎のことであろう。
「敵はさぞかし慌てふためいておることでしょう。この爆発により、小田原城北側の城壁が崩れております」
 と、伯隼は墨書した絵図を広げた。さすがは天下の名城、その縄張りは巨大である。
「無論、小田原城に籠もるジェネラル級天魔武者『北条氏政』は、城壁の再建を行うつもりでしょう。しかしながら、生来即断の苦手な男のようですな。対応に手間取っているようです。
 この機を逃すことなく、内部に突入いたしましょう」
 伯隼はそう言って筆を執り、城の北側に大きく丸をつけた。その横に力強く『小峰曲輪』と書く。
「狙うは、この小峰曲輪です。制圧に成功すれば、これを拠点として本丸を狙うことも可能でありましょう。千早城や巨大神像を用いることなく落城させられるのであれば、他の地域の攻略も進むことでしょう」

 城内には、多くの民がいる。人足として集められた彼らは天魔武者に命じられ、城壁の修築を行なっているようだ。
 彼らのための間に合わせの宿舎(と称するあばら屋)が建てられ、そこには鍬やもっこ、荷車が集められた。石垣とすべき大岩がひとつところに積み上げられ、竹を組み合わせて高所の作業をするための足場も組まれている。
 彼らを巻き込むことは本意ではないのだが……。
「だからこその策がござる。
 正面から天魔武者どもに当たるのではなく、まずは彼らに接触して偽言をばらまきましょう。彼らが混乱して逃げ散ることになれば、城壁の修復どころではありますまい。
 ついでに集められた資材や道具も破壊してしまえば、修復は頓挫することでしょう」

「さても菲才であるかな、北条氏政」
 珍しく伯隼が壮語する。少し驚いたディアボロスたちに、伯隼は笑みを向けて続けた。
「そうでありましょう。我らはすでに虎視眈々と小田原城を狙っておるというのに、なんと悠長なことでしょうか。
 機に臨み変に応ずることの出来ぬ将です……とうてい万人の将たる器に非ず、せいぜいが百人の卒を率いる器に過ぎませぬ。北条氏政がそれならば、属将も似たようなものですな。
 平時ならば、能吏となれぬこともないのでしょうが」
 苦笑した伯隼は姿勢を正して、ディアボロスたちを拝す。
「さぁ、小峰曲輪を小田原城を奪う足がかりといたしましょうぞ!」

●『天正大戦国』、小田原城、北の城壁近く
「またしても新たなご命令か」
 小田原城は町を丸ごと抱えたかのように広大な城で、中には多くの民が居住していた。彼らは支配者である天魔武者たちによって様々な雑用を申しつけられることがあり、憂い顔を見せ合ったのもそれに疲れ果てているからである。
「いったい、何事じゃろうか? やはり……」
 そう言い合っているところに、仕事の段取りを言いつけられた者たちが戻ってきた。
 案の定、
「崩れた北の城壁を直せとの仰せじゃ!」
 とのことであった。
「先頃、大きな爆発があったところじゃのう」
「おぉ。なにやら騒ぎがあった。いったい何があったのじゃろう?」
「いや、それがな。どうやら何者かがこの城に攻め入って、天魔武者様が殺されたそうな」
「なんと! 恐ろしい事じゃ……もし儂らが働いているときにそれが攻め込んできたら、儂らも殺されてしまうのかのう」
 人足として集められた者たちは怯えつつも、命じられた作業に取りかかった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【乗物改造】
1
「60÷効果LV」分をかけて馬や馬車など「地上用の乗物」を改造し、最終人類史のオートバイまたは四輪乗用車のような外見に変化させる。改造後のオートバイは最大2人、乗用車は最大「4+効果LV」人まで搭乗可能で、最高時速「100+効果LV✕10」kmで走行できる。改造した乗物は破壊されない限り、24時間後に元の姿に戻る。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【ダブル】LV1

●マスターより

一条もえる
 こんにちは、一条です。
 潜入破壊工作により、小田原城の城壁が崩れました。この機を逃さず突入し、攻城の足がかりとなる『小峰曲輪』を奪取しましょう。
 城内に入るまではさしたる障害もありません。城の修復にあたる一般人に接触し、彼らを流言飛語で惑わせてください。同時に行う破壊工作やクロノヴェーダとの戦いを考えると、逃げ散ってもらったほうがよいでしょうか。
 このような混乱があれば城の修復は進まず、この間に小峰曲輪が狙えるわけです。
 逆に言えば、敵が混乱から回復してしまえば、この作戦は失敗に終わるでしょう。
 つまり……。

●このシナリオの特殊ルール
 流言飛語の選択肢をクリアせずにシナリオを完結させた場合「甲相駿三国同盟~小田原城『小峰曲輪』強行突入作戦」の攻略期限が「5日」短縮されます。

 と、いうことです。
 皆さんの突入からさほど時間をおかず、修復の奉行に任じられた『祓除のくノ一』望月千代女と、それに率いられた大友修道女隊が駆けつけてきます。
 これを撃破すれば、これらが受け持っていた範囲の修復は頓挫します。

 では、今回も燃えるプレイングをお待ちしています。
 いつも感想、ありがとうございます。一言でも長文でもとても励みになりますので、よろしければぜひ。
45

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


文月・雪人
【雨雪】長巻と
※アドリブ連携歓迎

人々もまた不穏な空気を感じ取っている様子
流言飛語で混乱を広げられるなら、勿論使わない手はないね
流す噂はシンプルに
『隣国から兵が攻めてきて戦争が始まった、死にたくなければ早く逃げろ!』
というもの
そこに信憑性を持たせるべく、長巻と役割分担して事に当たろう

俺は一般人として人々に接触する役を担当するよ
【プラチナチケット】使用
現地の人足達に似た服装に、わざと煤や血糊を付けて着用し
別の担当工区から命からがら逃げ伸びてきた、一般人の人足仲間であるように見せかけよう

大変だ、皆逃げろ!
修復なんて悠長な事やってる場合じゃないぞ。
戦だよ、戦が始まったんだ!!

何が起きたのかって?
駿河だか甲斐だか知らないけれど、
見慣れない天魔武者様や、鬼とか妖怪が突然攻めてきて、
辺り構わず爆破して回ってるんだ。
仲間が何人も巻き込まれて……い、いや、今は兎に角逃げよう。
ここも危ない。
奴らが来る前に、今の内に逃げた方が良い、早く!!

鬼役の長巻が来たら
その恐ろしさに怖がる演技をしながら
人々の避難を促そう


鈍・長巻
【雨雪】雪人と
※アドリブ連携歓迎

流言飛語、混乱を煽るにはもってこいの作戦か
また面倒な話ではあるけれど
やれる事はやってやるまでだ

雪人と役割を分担して作戦を実行
俺は隣国から攻めて来たクロノヴェーダの役を担当する
【プラチナチケット】を使用
厳つい武者鎧に、二本角の鬼のお面を被り
隣国の天魔武者の配下として攻めて来た鬼の兵を装うとしよう

雪人が人々に戦の噂を十分に広めた頃合いを見計らって、現場へ向かい
噂が事実である事を印象付けるべく、人々の恐怖心を煽りながら
攻め込んできた敵国の鬼として、豪快に暴れさせて貰うとしよう

また演技の一環として、『爆破スイッチ』のパラドクスを使用する
人々を巻き込まない様に注意しながら
修復中の壁や資材を次々と爆破して破壊していこう
これ以上修復出来ない様にしておけば、一石二鳥という訳だ

「壁の修復なんて無駄な事して、笑い話もいいところだな。
それとも爆発で肉片にでもなりたいか?
全くただの圧政なんて勿体ないぜ、もっと恐怖で逃げ惑え!
その方が俺達『鬼』にとっては、美味い糧となるからな!」


「なるほど、流言飛語。混乱を煽るにはもってこいの作戦か」
 鈍・長巻(ある雨の日の復讐者・g03749)は枯れ草に身を伏せ小峰曲輪を見やりながら、呟いた。
 聞いていたとおり、人足たちが集められている。彼らは鍬を手に取り、今まさに作業を始めようとするところであった。幸いにして、奉行である『祓除のくノ一』望月千代女の姿は見えない。好機である。
 その傍らで文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、
「人々もまた、不穏な空気を感じ取っている様子。混乱を広げられるなら、使わない手はないね」
 そう言いながら、頷いた。
 雪人はおもむろに、着慣れた狩衣を脱ぎ始める。代わりに身に着けたのは、人足たちが身につけているような麻の粗衣であった。そこに、煤と血糊をつけていく。
「面倒な話ではあるな。けれど、やれることはやってやるまでだ」
 一方の長巻の格好は、さらに奇矯である。どこからか手に入れた厳つい武者鎧を着込み、憎々しげな表情を浮かべる二本角の鬼の面をかぶる。
 どこからみても鬼……に見えるかどうかはわからないが、まじまじと観察されるのでもなければ、これでよかろう。
「袖振り合うも多生の縁、なんてね」
 笑いながら、雪人は曲輪へと近づいていく。適当な頃合いで、雪人は足音も騒がしく駆け出した。
「ん? あぁ……えぇと。どうしたんだ?」
 曲輪が近くなると人足たちにもその姿は目につき、ひとりが声をかけてきた。雪人を同じく工事の人足であると思ったのであろう。関係者であることを、みな疑いもしない。
「どうしたもこうしたもない! 隣国から兵が攻めてきて、戦争が始まった! 死にたくなければ、早く逃げろ!」
「はぁ? 戦じゃと?」
「そうだ! 戦だよ、戦が始まったんだ! 修復なんて悠長なことやってる場合じゃないぞ!」
 荒い息を吐きつつ訴える雪人が、後ろを指差す。意図したわけではないが、それは北条氏政を揶揄する言葉にもなっている。
 後ろには鎧姿の長巻が「ははは!」と高笑いしながら駆けてきていた。
 それだけでは、恐ろしさは足りなかったかもしれない。が、長巻は手にした謎のスイッチを押す。
 すると爆発が起こり、飛び散った土砂や小石が人足たちの宿舎でもあるあばら屋に降り注いだ。
「うわぁ!」
 爆発はさらに続き、今度は石垣とするために積み上げられた岩が吹き飛ぶ。
「ひぃッ!」
「うわッ!」
「あれだ! 駿河だか甲斐だか知らないけれど、見慣れない天魔武者様や、鬼とか妖怪が突然攻めてきて、仲間が何人も巻き込まれて……!」
 煤まみれの雪人は長巻を指さし、恐怖に怯える必死の演技を人足たちに見せる。
「ははは! 壁の修復なんて無駄なことをして、笑い話もいいところだな! それとも、爆発で肉片にでもなりたいか?」
 できうる限り憎々しげに聞こえるように、高笑いする長巻。人々を巻き込んでないか、気にしながらの台詞ではあったが。
 幸い、怪我をした者はいなさそうだ。資材や作業場を荒らしておけば修復も滞るであろうし、一石二鳥。
「ただの圧政なんてもったいないぜ。もっと恐怖で逃げ惑え! その方が俺たち『鬼』にとっては、美味い糧となるからな!」
「ここも危ない。あいつが、あいつらが来る前に、今のうちに逃げたほうがいい! 早く!」
 雪人に言われるまでもない。目の前に迫っている現実的な危険に、人足たちはみな蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

大和・恭弥
仲間との連携、アドリブは歓迎

仲間が広めた噂によって、一般人が無事に逃げたことを確認
すぐさま妖刀「藍雪花染」を抜刀して悲哀の呪詛を解放
祈りと絶望、どちらが強いか勝負と行こうか
戦闘による感傷は凡て己のうちに秘めて糧にして救いのために戦う
秘技「虚無剣・花染雪ノ抹消」を発動――

撃たれてくる弾丸を空間ごと真一文字に斬り、振り抜く
虚無の空間に吞み込み、資材や道具も破壊して修復不可に追い込もう
数だけでいえばディアボロスの方が少ないが、少数精鋭だ

状況によって臨機応変に行動し、撃破した相手をも利用して立ち回り遠近の銃に対応する。修道女の形を成していようとも、容赦はしない。
弾丸の耀きで相手の呼吸を読み、戦闘が激しくなればなるほど精度をまして刀で打ちかえしつつ間合いに攻め込む
多少のダメージはいとわない。小峰曲輪の奪取へ最短の道を築こう

万が一、逃げ遅れているような人がいれば庇うように立ち回る
晴彦とも密に連携して動くよ
俺たちは自分自身の信念に従う。神様には祈らない。
城壁は永久に修復させないよ


「なにをしているのです、人足ども!」
 人々が逃げ散るのを目にした大友修道女隊が、金切り声を上げながら駆けつけてきた。
「皆は、無事に逃げてくれたようだな」
 仲間たちが放った流言の効果をその目で確かめた大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)は、敵の姿を認めるや妖刀『藍雪花染』を抜いた。使い手の悲哀を喰らう呪われた刀は、碧の気を放つ。
「やはりお前たち、ディアボロスの仕業ですか!
 そのような下劣な行い、神はお許しになりませんよ!」
「さぁ、今すぐに悔い改めなさい。そして、神の御下に行くがいいわ!」
「そうはいかない」
 律儀に答えた恭弥は、
「祈りと絶望、どちらが強いか勝負と行こうか……!」
 失った記憶も行き場をなくした感情も、流し流されてきた数多の血も。すべて己のうちに秘め、糧として恭弥は敵に立ち向かう。すべては、救いのために。
「罰当たりな!」
「おぉ、神よ!」
 修道女どもは祈りの言葉を吐きながら、両手の銃を恭弥に突きつける。放たれた弾丸は光り輝きながら襲いかかってきたが、
「死してなお、存在まで滅された者たちの感情を思い知れ……!」
 妖刀で、真一文字に切り払う。その空を切る音は妖刀が放つ呪詛の呻きにも似て、修道女どもを斬り裂いた。
 1体が胴を真ッ二つに裂かれて倒れ伏す中、残る1体はおびただしい機械油を撒き散らしながらも、銃を突きつけようとした。
 だが、妖刀が斬るのは肉体だけではない。空間ごと斬り裂かれた修道女どもは舞い散る牡丹雪のように、散って消えた。
「おのれ……!」
 次々と放たれる銃弾。数発を妖刀で弾き返したが、肩に1発食い込んだ。それでも恭弥は前進を止めない。
 クダギツネ『晴彦』が飛び出して、追撃をかけようとする修道女の腕を打った。たまらず銃を取り落とす修道女。その隙を見逃さず、恭弥は敵兵を斬り捨てる。
「なんと……なんと、神を恐れぬ行為でしょうか!」
「俺たちは自分自身の信念に従う。神様には祈らない。城壁は永久に修復させないよ」
 妖刀に斬られたものは敵兵であれ、あるいは資材であれ工具であれ、虚無の空間に飲み込まれて消えていった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

鈍・長巻
※アドリブ連携歓迎

人足達は何とか逃げてくれたか。
仲間が来てくれたのも有難い。
引き続き俺も鬼の恰好で暴れさせて貰おうか。
変装はもう必要ないのかもしれないが、今更着替えるのも面倒だ。
避難中の人々が騒ぎを遠目に見ている可能性もあるかもしれないしな。
折角だし今川の旗印も借りるとしよう。

戦場の敵味方の配置を素早く確認して、
可能な範囲で連携して敵を迎え撃つ。

『家臣団突撃』のパラドクスを使用。
今川のものに似せた旗印を掲げて、戦国の武者達の幻影を敵軍へと突撃させる。
敵の反撃の弾丸も家臣団の勢いと武器で受け止め弾き返しつつ、
周囲の資材や壁も戦禍の中に積極的に巻き込む形で、
【命中アップ】【ダメージアップ】な攻撃を重ねて行こう。
さあ、合戦だ合戦だ!

さてさて、奴らの神様の今の気分はどんなものだろうかね。
巫女の大将の配下が修道女の集団というのもまた、何ともシュールな話だけれど。
生憎と俺は信心深くもないのでね、遠慮なく倒させて貰うだけだ。


陳・桂菓
私は祖神たる蚩尤を祭る一族の出だが……こいつらほどの奇怪な信心は持っていないな。
何にせよ、別に宗旨替えを強いる気はない。死後にどういう世界に行くと信じているのか知らんが、好きなだけ教義に殉じて滅ぶがいい。

敵の弾丸は、何かよくわからん力で勝手に命中してくる、と。
……困ったな。まあ、だったら気にするだけ無駄ということか。
回避できん前提で戦おう。速攻で片付ければ、何とかなるだろうさ。

使用武器は大矛『亢竜』
敵の集団に対して、最速最短での突撃を敢行する。正直、武器はどれを使ってもそこまで差はないとは思うが、突進力、突破力が第一なので大槍を用いることにする。
敵の弾丸は、全身を覆う【昂凰剛翼翔】のオーラで焼き払うという心算。まあ完全に防ぐことは無理でも、多少なり威力は弱まるくらいのことは起きるはず。であれば、当たったところで我慢すればいいだろう。
肝要なのは、ダメージが蓄積してにっちもさっちも行かなくなる前に敵を片付けきること。祈る暇、及び銃を撃つ余裕を与えぬうちに、スピード勝負で決着を付けよう。


「人足たちはなんとか逃げてくれたか」
 鈍・長巻(ある雨の日の復讐者・g03749)は、その人足たちを驚かせた鬼の面と武者鎧を身に着けたまま、大友修道女隊へと向かう。背に負った旗印は「今川赤鳥」。今川氏の家紋である。駿州からの敵であると誤認させるためであろう。出で立ちに合わせ、手にしている得物は妖刀である。
「さぁ、進めッ!」
「おぉッ!」
 長巻が刀を突き上げると、戦国の武者たちが現れた。幻影たちは雄叫びを上げ、長巻とともに切り込む。
「おぉ、神よ! この不届き者に神罰を!」
 それはまさに、修道女どもが恭弥に銃口を向けたときだった。
「そうはいくか!」
 先頭を切って突進した長巻が、修道女を袈裟懸けにする。続く幻影たちも、居並ぶ敵を突き崩した。
「おのれ、神を恐れぬ者どもめ!」
「なんと恐ろしい! 行く先は地獄しかありませんよ!」
 敵は大いに嘆き怒りながら、形勢を立て直そうと退いた。そして、神への祈りを込めて引き金を引く。弾丸は光り輝き、長巻に襲いかかる。
「くッ!」
 幻影たちは主を守るように盾となった。敵はさらに銃撃を続けようとしたが、
「長巻!」
 そこに駆けつけたのは、陳・桂菓(如蚩尤・g02534)である。
 短兵長兵問わず数多の扱いに長けた桂菓だが、いま構えているのは大矛『亢竜』である。桂菓は凄まじい速度で突進し、まるで長剣のように長い穂先で、ふたりまとめて修道女を貫いた。
「ありがたい!」
 長巻が振り返り、笑顔を見せる。
「なぁに」
 不敵に笑いつつ、敵群を睥睨する桂菓。
「神、神か。私は祖神たる蚩尤を祀る一族の出だが……こいつらほどの奇怪な信心は持っていないな」
「なんですって!」
「おぉ、なんと不遜、そして愚かな!」
「なんとでも言え。別に宗旨替えを強いる気はない。死後にどういう世界に行くと信じているのか知らんが、好きなだけ教義に殉じて滅ぶがいい!」
 声を張り上げ、桂菓は再び突進する。敵もすかさず発砲し、桂菓は横ッ飛びにそれを避けつつ間合いを詰めた……かと思いきや、外れた銃弾は積まれた岩で跳ね返り、桂菓の脇腹に食い込んだではないか!
「む……」
 顔をしかめる桂菓。大丈夫、致命傷というほどではない。しかし跳弾はまぐれというわけではなく、何度も何度も襲いかかってきた。
「なにかよくわからん力で勝手に命中してくる、と。……困ったな」
「ほほほ、神に慈悲を請いなさい」
 勝ち誇る修道女隊であったが、
「まぁ、だったら気にするだけ無駄ということか。回避できん前提で戦おう」
 と、怯むどころか速度を上げた桂菓に絶句する。
「な、な……!」
「速攻で片付ければ、なんとかなるだろうさ!」
 肝要なのは、祈る暇も銃を向ける間も与えぬうちに斬ることである。燃え盛る闘気は鳳凰のように翼を広げ、襲い来る弾丸を弾き返しながら桂菓は敵へと襲いかかった。
 胸板を貫かれた修道女。桂菓は得物を振り回してその骸を宙に飛ばし、さらに次の獲物を突き倒す。
「そうだね。かかれッ! さぁ、合戦だ合戦だ!」
 長巻も再び幻影を引き連れて前進する。幻影たちは積まれた資材を踏みつけにし、積まれた岩を崩しつつ修道女どもへと襲いかかる。
「ぎゃあッ!」
 武者たちの繰り出す槍もまた、次々と修道女どもを貫いていく。長巻も敵兵を袈裟懸けにして、地に倒れた敵兵を見下ろした。
「さてさて、神様の今の気分は、どんなものだろうかね?」
「そのような……お怒りに決まっているでしょう! 敬虔なる信徒を殺めた罪、主がお許しになるはずが……!」
「生憎と俺は、信心深くもないのでね。遠慮なく倒させてもらうだけだ」
 敵兵は機械油にまみれた腕をあげ、長巻に銃口を突きつけようとした。
 しかしそれよりも速く、妖刀はその掌と首とを斬り飛ばしていた。
 ふたりが、同じ方向に振り返る。『祓除のくノ一』望月千代女が固く拳を握りしめ、こちらを見据えていた。
「あぁ、修道女たち。なんと哀れな……」
「巫女の大将の配下が修道女の集団というのもまた、なんともシュールな話だけれど」
「違いない」
 ふたりは揃って得物を構え直した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【乗物改造】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

陳・桂菓
大将のお出ましか。
さて、どうしたものか……と考えるほどのこともないか。真正面から挑み、叩きのめすのみ。することは大して変わらん。

使用武器は引き続き大矛『亢竜』
敵は真空波を飛ばしてくるようだが、こちらは【砕空狼牙】の斬撃波を放つことで減殺しつつ、さらに斬撃波の数を頼みに敵に攻撃を届かせる、という戦術を採る。
威力はともかく、技の性質からして少なくとも手数ではこちらの方が上回りそうな気がする。真空刃の威力を相殺しきれず私の体に到達することも当然ありえるだろうが、こちらの斬撃波がいくらかでも届いて痛み分けになるなら良し。
やせ我慢は別に不得意でもないし、一対一でもない。最終的に敵を倒せれば、多少のダメージは問題ではない。

殺意を削ぐという弦の音も厄介に違いないが、これは気の持ちようで何とか戦闘意欲を維持しよう。
「別に、殺意や敵意がなくても戦えるさ。人類史に無法に割り込んできている貴様らは、人の家の米蔵を荒らす鼠の類と変わらん。害獣を駆除するのに、いちいち大袈裟に心を動かしはしないのと同じだ」


鈍・長巻
※アドリブ連携歓迎

さて、ここでの戦いも愈々大詰めだな。
(陳の言葉に頷いて)
ああ、確かにすることは変わらない。
戦って倒す、それだけのことだ。

引き続き仲間と連携して戦おう。
雪人の笛の音に合わせて、舞ってみるのも一興か。
神楽には鬼の演目もあるけれど、勿論退治はされてやらないさ。

『魔骸連刃』のパラドクスを使用
かつて喰らったクロノヴェーダ…デーモンな己の肉体から日本刀のような鋭利な刃を生成し
【命中アップ】【ダメージアップ】な攻撃で
敵を舞う様に敵を切り刻み、解体する。

柏手の衝撃波は厄介だけれど
攻撃の際に柏手という動作が必ず入るなら
動きを読む事で多少は対処もし易くなるだろうか
とはいえ逆説連鎖戦、ある程度の負傷は仕方ないかもしれないが、
自身の身体に染み付いた戦闘に対する感覚は、勇気ともまた違う気もしている。
それがいいのか悪いのか、過去を思い出せた訳じゃないけれど、
まあ何度吹き飛ばされようと、文字通りに舞い戻って戦うだけだ。
今は深く考えるよりも、いっそシンプルに突き進むとしよう。
仲間もいるし何とかなるさ。


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

やあやあ派手にやってるね。
大友修道女隊との戦いはお任せしてしまったけど、
人々は無事に逃がせたし、最後は俺も攻撃に加わらせて貰いたい。

残る敵は一体だけだけど、勿論油断は禁物だね。
ここが敵地であるのも間違いなくて、先行する仲間と共に連携して戦おう。

『探偵の瞳』のパラドクスを使用する。
パラドクスで高めた観察眼と洞察力で、戦場の状況を見極めながら、敵の弱点を暴き出す。
望月千代女の別個体とは何度か戦った事もあるけれど、
柏手に弓に神楽鈴、音を使った攻撃を得意としている敵だったね。
ならば目には目を、歯には歯を、音には音で対抗してみよう。
折角だし、クダ吉にも手伝って貰うとしようか。
宜しくだよ、クダ吉!

有明月の名の竜笛に、パラドクスの力を込めて、
敵の神楽鈴の音波を打ち消すように吹き鳴らす。
響く音色に効果も乗せて、
【命中アップ】で【ダメージアップ】な攻撃として敵を打ち据える。

笛の音に合わせてクダ吉もくるりくるりと舞い踊り、
仲間を援護すると共に、
戦いの流れを此方のペースへと引き寄せていこう。


大和・恭弥
仲間との連携、アドリブ歓迎

何を最優先とすべきか、大将が見極められていないと下は苦労するだろうな。慧眼があったようだが忠誠を尽くす相手が悪かったようだ。

藍雪花染を抜刀し、呪詛を解放。同時に晴彦を召喚し霊力とくみあわせて悲哀の妖力をあげておく。
ついでに精神防御力をあげることで音による攻撃に耐える

仲間と連携を取り隙なく配置につきながら絶え間なく移動、相手の動きを見極める

真空波は妖刀の一振りで斬り、回避のため俊足で移動しつつ間合いをはかる
呼吸を読み、隙が生まれる刹那に懐に入り込みパラドクスを発動
神蝕呪刃で力強い斬撃を放ち確実なダメージを与えながら仲間が攻撃する機会をさらに生み出していこう

心根を腐らせたお前の魂ごと、この藍雪花染が喰わせてもらう
音は波長。向けるのは殺意でなく無念を果たしたい魂たちの強靭な意志だ

城壁の修復はもう再開させない
伝言したいことがあれば俺たちが大将に伝えておくよ


「大将のお出ましか」
 陳・桂菓(如蚩尤・g02534)が顎を上げ、配下の死を嘆く『祓除のくノ一』望月千代女を見据える。
「さて、どうしたものか……と、考えるほどのこともないか。真正面から挑み、叩きのめすのみ!」
 言うや、大矛『亢竜』を振り上げて桂菓は地を蹴る。
「することはたいして変わらん!」
「あぁ、確かにすることは変わらない。戦って、倒す。それだけのことだ」
 頷いた鈍・長巻(ある雨の日の復讐者・g03749)も一気に間合いを詰め、かつて喰らったクロノヴェーダの肉体から生み出した刃を振り上げ、斬り掛かった。
「ディアボロス、なんと哀れな存在……」
 千代女はかぶりを振りつつ跳び下がり、梓弓を手にした。その弓弦を引き絞り、離す。鳴弦である。その音は邪気を祓うというが……今、千代女によって鳴らされた弦は空を斬り裂く真空波を生み出して桂菓に襲いかかる。
「真空波ごと、斬り刻むッ!」
 桂菓は負けじと、闘気に包まれた大矛を振り回した。その刃もやはり空を斬り裂き、互いの生み出した衝撃波がぶつかりあった。
「くッ……!」
 その衝撃の凄まじさに、桂菓はたたらを踏む。真空波は桂菓の肩を裂き、大矛を握る手を濡らした。
「だが、手数ならこちらの方が上だろう……!」
 それでも桂菓は得物を振り回す手を止めない。血が飛び散るが、斬撃波は敵将の生み出した真空波を超えて襲いかかり、千代女の肩もまた、裂ける。
 そこに、長巻の刃が襲いかかった。咄嗟に防いだ梓弓に、刃が食い込む。
 千代女は弓から手を離して、天を包み込むように両の掌を広げた。
「来るか……ッ!」
 長巻が身構える。
 千代女が拍手を打った。凄まじい轟音が鳴り響き、生じた衝撃波に長巻は吹き飛ばされた。
「哀れなるかな、ディアボロス。復讐心に囚われた、悲しい存在。……やはり、死のみがその救いとなることでしょう!」
「余計なお世話なんだよ!」
 立ち上がった長巻が、眼光鋭く敵将を睨みつける。
 千代女は嵩にかかって襲い来るが、
「やぁやぁ、派手にやってるね」
 文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が乗り込んできた。
「大友修道女隊との戦いはお任せしてしまったけど、人々は無事に逃がすことができた。
 最後は俺も、加わらせてもらいたい」
 そして、大和・恭弥(追憶のカースブレイド・g04509)もいる。
 恭弥は妖刀『藍雪花染』を抜きつつ、
「『晴彦』ッ!」
 と、鋭く声を上げた。クダギツネ『晴彦』はそれに応じて素早く飛び出し、恭弥が右に行くならば自分は左にと、千代女を囲うように駆けた。
 振り抜かれる恭弥の刃を、千代女は跳び下がって避けた。グダギツネが迫る以上、そうするしかない。
 なんとか梓弓を拾い上げるが、その間に、さらに恭弥は間合いを詰める。
「なにを最優先とすべきか大将が見極められていないと、下は苦労するだろうな」
「……なんのことですか」
「城壁のことだ。今はそれどころではないと、わからぬ大将だな」
 押し黙る千代女。千代女はその懸念を持っていたらしいと気付いた恭弥は少し笑って、
「なかなかの慧眼だったようだが……忠誠を尽くす相手が悪かったようだ」
「お黙りなさい。氏政様に、無礼な!」
 千代女が梓弓を引く。
「目には目を、歯には歯を。なら、音には音に対抗してみよう」
 雪人は白銀の刀を納め、懐から竜笛『有明月』を取り出す。
「せっかくだし、手伝ってもらうとしようか。よろしくだよ、『クダ吉』!」
 竹管から飛び出したクダギツネの姿に目を細め、雪人は竜笛に唇を寄せる。
「雪人の笛か。なら、その音に合わせて舞ってみるのも一興か」
 長巻が愉しげに、得物を構え直して飛び込んだ。
「退治てくれましょう、不格好な鬼の猿真似め!」
 しかし長巻は鼻で笑う。
「神楽には鬼の演目もあるけれど……もちろん退治されてはやらないさ!
 そうだろ、雪人?」
「もちろん」
 千代女は神楽鈴を握りしめ、振った。シャン、という音が周囲に鳴り響く。それはいかにも涼しげで軽やかで、これが生死をかけた闘争の場だということを忘れてしまいそうになる……。
 が。
「やはり、興味深い攻撃だね」
 幾度も「望月千代女」と戦ったことのある雪人が、そのときの様を思い出しながら何度も頷いた。
 竜笛が鋭く鳴る。その音色もまた涼しげで、しかし斬り裂くように鋭く鳴り響く。
 笛の音は鈴の音色に勝り、
「なんと……」
 千代女が驚愕してよろめく隙をついて、笛の音に合わせてくるくると舞っていた『クダ吉』が飛び込んだ。
「さぁ、続いて! 身のこなしは軽いけれど、打ち合いを得手とする相手じゃない!」
「あぁ!」
 雪人の声に背を押されながら、長巻は踏み込む。
 敵は再び拍手を打つが、今度は耐えた。千代女に抗う勇気を挫く音だというが……記憶を失った長巻の体に染み付いた戦いの感覚は、勇気ともまた違う……そんな気がした。
「思い出せなくていいのか悪いのかわからないけど……何度吹き飛ばされようと、文字通り舞い戻って戦うだけだ!」
 まっすぐに突き進んだ長巻の繰り出した刃が、千代女の二の腕を深々と抉った。
 長巻は、だらりと下がった腕を庇いながら跳び下がる千代女を追おうとしたが、
「長巻ッ!」
 雪人が鋭く声を発する。腕を庇うように見せながら、千代女は袖に隠して神楽鈴を握っていたのだ。
 だが、その瞬間を待ち構えていたように雪人の召喚した式神たちが襲いかかった。地に叩きつけられる千代女。
 竜笛から口を離した雪人が、
「追ってきたところに合わせて不意打ちしてくるのは、お見通しだよ。興味深い手ではあるけれども」
 と、片目をつぶった。
「進退窮まったな!」
「心根を腐らせたお前の魂ごと、この『藍雪花染』が喰わせてもらう」
 桂菓と恭弥とが、さらに跳び下がる千代女を追った。
「くッ!」
 敵は機械油に塗れた手で梓弓を鳴らしたが、恭弥はなおも踏み込んで、刃を弓に叩きつけた。弓は真ッ二つに裂け、虚しく地に落ちる。
「ディアボロス……なぜ、貴様たちは戦える……!」
 千代女はふたりを睨みつけた。
 すると桂菓は、
「痩せ我慢だ」
 と、大矛の石突を地に打ち付けながら、口の端を持ち上げた。
 勇気をくじき殺意も闘争心も萎えさせる、祓除を称する力。
「確かに厄介には違いないが……別に、殺意がなくても戦えるさ」
「そうだな。
 音は波長。お前に向けるのは殺意ではなく、無念を果たしたい魂たちの、強靭な意志だ」
「そのとおり」
 桂菓の目が、炯々と光る。
「人類史に無法に割り込んできている貴様らは、人の家の米倉を荒らす鼠の類と変わらん。害獣を駆除するのに、いちいち大袈裟に心を動かしたりはしない……それと同じだ!」
「我らを、鼠などと……ッ!」
 千代女は怒りに声を震わせながら神楽鈴を手にしたが、桂菓が振り回す大矛はその全身を斬り刻み、放たれる斬撃波が、肩口から腕を斬り飛ばした。神楽鈴が地に落ち、ガシャッと鳴る。
「呪われた身が朽ちようとも、魂は復讐を果たすまで永久にお前を喰らい続ける」
 恭弥の突き出した妖刀が、その鍔まで深々と、千代女の胴を貫いた。
 呪詛がその肉体を侵食していく。
「伝言したいことがあれば、聞いておこう。俺たちが大将に伝えておくよ」
 しかし千代女は一言も発することなく、身を恭弥に預けるような格好で力を失った。
「さぁ、蚩尤旗を掲げろ! 小峰曲輪は、我らディアボロスが制圧した!」
桂菓が高らかに、声を張り上げた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

最終結果:成功

完成日2025年03月14日