リプレイ
捌碁・秋果
フロランさんがソーヌ川周辺の地形を地図として書いたのを形態端末でぱちっと撮らせていただきました。これで地図の準備ヨシ!
これとコンパスで方向を確認しながら川を目指します。
【光学迷彩】を使い、木々に隠れながら森を進むよ。
枯れ葉や小枝を踏んで音をたてないように気をつけないと。
それにしても寒いなあ、もっと暖かい格好すれば良かった。
いや、発想を変えよう。この寒さはフランスの画家たちも味わっていたものだ…と。
私は今、彼らと同じ寒さに苦しんでいる!これは激アツ!!!
……くしゅんっ。や、やっぱり寒いものは寒い。熱い紅茶が飲みたい。
川に近くまで来たら見つからないように警戒を強めよう。
怨讐騎士たちの声を聞き逃さないように耳をすませて。
フロランさんの説明では川付近を巡回中って説明だったから見つかると思うけど…。
もし見つけられなかったらソーヌ川沿いを遡って、上流を目指して歩こう。重要拠点のあるリヨンの近くを念入りに巡回しているかもしれないからね
敵を発見したら【パラドクス通信】を借りて仲間と情報共有!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
森の中かあ……。あちらさんは隠れる気が無いらしいのが救いだね。
警戒はされているが、【光学迷彩】を借りて隠れる事に徹すれば、偶然でもない限り簡単には見つかるまい。
森の外側からソーヌ川に向かって隠れつつ進行。
足音を頼りに相手を探そう。
姿形は人のそれとは大きく違うし、足音も話し声も特徴的な筈。
何より向こうは結構な数の集団だ。
森の中で草を踏む音も立てずに徘徊、何て器用な真似は無理だろう。
こちらからは音を立てないこと、姿を隠し続ける事を徹底して、少しずつ川沿い付近に向かって捜索の手を伸ばしていく。
発見次第その場から少し離れて【パラドクス通信】で共有だ。
万一見つかりそうになった場合は、明後日の方角に小石でも投げて、気を逸らそう。
ソーヌ川周りは他の作戦も動いている。あたし達も焦らず、しかし徹底的に。綺麗に掃除してしまおう。
●冬の森の捜索
ディアボロスたちはキマイラウィッチが巡回するソーヌ川上流域へと訪れた。
パラドクストレインから降り、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は眼前に広がる森を見つめる。
「森の中かあ……。あちらさんは隠れる気が無いらしいのが救いだね」
「そうだね。彼らの声を辿って、先に見つけられるといいな」
サンダーの言葉に、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)が同意するように頷いた。
キマイラウィッチたちは、堂々と歩き回りながら周辺を警戒しているようだ。
「それじゃあ行こうか。光学迷彩、借りてくよ」
森へと足を踏み入れる前に、サンダーは光学迷彩を展開し、自身の姿を冬の森に合った迷彩模様で覆う。
隠れることに徹しつつ、慎重に索敵を進めるつもりだ。
「うん。敵を発見したらすぐに知らせるね」
秋果もパラドクス通信を借り、小型通信機を手元に置いた。これで互いに連絡が取り合える。
時先案内人が書いた地図の写真データを端末で開き、準備はバッチリだ。
二人は森へ入ると散開し、二方向からの探索を始める。
敵は川沿いを巡回しているらしい。ソーヌ川の方向へと向かい、木陰に身を潜めながら歩を進めてゆく。
(「コレも拾っておくか」)
サンダーは進行する中、雪と枯れ葉で埋もれた地面から小石を拾い上げた。
万一見つかりそうになった時に使わせてもらおう。明後日の方向にでも投げれば、気を逸らす道具として使えるはずだ。
もっとも、そのような事態になることは避けたいが。周囲の環境へと耳を研ぎ澄まし、足音が聞こえないか探る。
(「姿形は人のそれとは大きく違うし、足音も話し声も特徴的な筈」)
四足歩行の怨讐騎士。そして、二足歩行ではあるが、ウサギとよく似たエティエンヌ。何より相手は結構な数の集団だ。
(「森の中、草を踏む音も立てずに徘徊なんざ、幽霊か忍者でもなきゃ難しいだろうよ」)
相手に隠れるつもりがないのであれば猶更だ。サンダー自身は極力音を立てず、姿を隠し続けることに注力する。
徹底することで、光学迷彩の効果も十分に発揮できよう。
(「ソーヌ川周りは他の作戦も動いている。あたし達も焦らず、しかし徹底的に」)
急いては事を仕損じる。作戦を成功させるためにも、まずは落ち着いて冷静に行動しなければ。
そう肝に銘じつつ、捜索の手を広げていった。
他方、秋果も光学迷彩を用い、木々に隠れながら森を進んでいた。枯れ葉や小枝が落ちている場所を避けながら静かに歩く。コンパスへと目線を落とし、方角を確認した。
(「よし、こっちで合ってる」)
びゅうっと刺すような風が木々の間を抜けた。吹き付ける冷たいそれに、ぶるりと体を震わせる。地面へと積もった雪にチラリと目線を向けて、秋果は想った。
(「……それにしても寒いなあ、もっと暖かい格好すれば良かった」)
身に染みる寒さは時に人の心を弱らせる。秋果は己を奮起させるように、ぎゅっと唇を噛み締めた。
(「いや、発想を変えよう。この寒さはフランスの画家たちも味わっていたものだ……と。私は今、彼らと同じ寒さに苦しんでいる! これは激アツ
!!!」)
澄んだ空気の中、森の木々を染め上げる白雪。まさに此処は、冬の森を題材とした絵画に描かれた世界と同じといっていい。そして、かつての芸術家たちが味わった感覚を共有できていると……。
ビュオオオッ、と先ほどよりも強い風が吹いた。
「……くしゅんっ」
耐え切れずくしゃみが出る。やっぱり、寒いものは寒い。熱い紅茶が飲みたい。秋果は切に願うのであった。
二人は隠れ潜みながら、着実に進んでいく。――水の流れる音が聞こえた。ソーヌ川は近い。
川の音に混ざって、複数の足音が聞えてきた。
サンダーは木々の向こうに、敵が隊列を成して歩いている姿を捉える。
「敵を見つけた。ちょうど川沿いを歩いてる。大剣振るって戦意十分って感じだ」
通信機から届く小声に、秋果が即座に応答した。
「こっちからも確認できたよ。……それじゃ、次の段階だね」
隊列の側面を視界に入れる。エティエンヌ、そして怨讐騎士たちは川沿いを進みながら、しきりに周囲を見回していた。彼らはまだ、ディアボロスたちに気付いていない。先に発見できた現状。有利に事を運ぶために利用しない手はない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
よーしよし。では【光学迷彩】を維持して森の木々に隠れつつギリギリまで接近し、一気に飛び出そう。
「見つけたぞ。挽き肉にしてやろう。」
あちらさんのお望み通り、喧嘩をしてやろう。
できるだけ最大対象数である3体を巻き込めるように位置取りながら戦う。
喧嘩をしてやるとは言ったが、お前たちの流儀に合わせるとは言ってない。
蹴られたり切られたりする間合いにわざわざ近寄ってはやらん。
近寄らず近寄らせないように戦いたい。
迫って来たら木の陰に隠れるように動いて接近戦の回避を試みる。
遠距離からのパラドクスの打ち合いならば真っ向勝負。
地力ではこっちが勝っているんだ、望むところ。
見回りをするのは決して悪い手じゃなかったがね。
出てきたところを叩くのは、ディアボロスの得意技なんだ。覚えておくといい。
生かして帰すつもりはないけど。
捌碁・秋果
バッチリ敵を発見できたね、寒い思いをした甲斐があったよ。
木陰から敵をロックオン。【パラドクス通信】でタイミングを合わせて、鳩目ちゃんと同時に攻撃を仕掛けるよ。
見えないところからパラドクス攻撃なんて少し卑怯かな?
でも折角とったこのイニシアチブ、無駄にはできない!
パラドクスを使用。葡萄色の靄を敵集団の中心で発生させる。ダメージついでに毒で酔ってもらおう。
馬かロバかは分からないけど、その体躯でめいめい千鳥足を踏んだら…隊列なんてすぐに乱れてしまいません?
ふふっ。互いにぶつかって転んで踏んづけあわないようにお気をつけて。
敵の隊列が乱れたら木陰から飛び出して前へ。
マジックシールドの額縁と、武器のレースリボンテープを片手に、距離を詰めて近接戦の間合いに!
敵の放つ雷撃を額縁で受け止めて威力を軽減する。
成功するかわからないけど、雷撃の出る魔法の杖をレースリボンテープではたいて狙いを反らすように試みよう。
雪…踏み荒らしてぐちゃぐちゃにしゃった。
クールベの絵のように美しかったのにな…。
●森を裂く喧騒
白銀に包まれた森に物々しい足音が響く。森の静寂は鎧と蹄の音に破られ、戦の気配を滲ませる。
本来の静けさに戻るまでは程遠く。キマイラウィッチの軍勢を発見したディアボロスたちは、声が届かないギリギリの距離まで近づいた。
通信機から発せられる鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)の声が、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)の耳元へと届く。
「カウントゼロで一気に飛び出そう」
「うん。タイミングを合わせるよ」
木陰から敵へと狙いを定めつつ秋果は返した。ふと、彼女の頭に考えが過ぎる。見えない所からの攻撃は少し卑怯かもしれないと。だが、せっかく寒い思いをして掴み取ったイニシアチブだ。無駄にはできないとも。
通信機ごしに、襲撃までのカウントが始まる。
3、2、1――0!
ゼロと同時。二人はパラドクスを展開する。
サンダーが狙うのは、可能なかぎり最大数まで敵を包囲するエコーチェンバーだ。
「見つけたぞ。挽き肉にしてやろう」
彼女は電磁波や音波だけでなく、敵自身の攻撃をも反射し続ける空間を生成する。
「ディアボロス!」
「近くにいやがったのかッ!?」
とっさに戦闘態勢を取る怨讐騎士たちだが、エコーチェンバーから逃れることはできない。
「お望み通り、喧嘩をしてやろう」
キッチリ3体。視界におさめた彼女は、敵を特殊な空間へと閉じ込めた。
「お前たち自身の怨嗟に満ちた叫び声を、ずっとそこで聴いているがいいさ」
さらには、彼ら自身が生み出す所作すべてが、彼らへのダメージへと繋がる。反射と増幅を繰り返し、残響し続ける衝撃が怨讐騎士たちを襲った。
サンダーと同時、秋果も別の軍勢に狙いを定め変質ステンドグラスを展開。葡萄色に変質した靄へと毒を付与し、怨讐騎士へと差し向ける。
「幸せな葡萄色の酩酊を、あなたに。絵画のように美しい森だもの。きっと気分も良くなるよ」
その毒は絵画に陶酔する心から創られた毒だ。うっすらと漂う葡萄の香りはまるで甘美なワインのように、怨讐騎士の感覚を刺激する。
「あ、足元がふらつく……」
「なんだこいつぁ、頭がふわふわするじぇ!」
足元が覚束ない怨讐騎士が、隣の騎士へとぶつかった。
「おい、気を付けりょ!」
呂律が上手く回らない怨讐騎士が激突した騎士を怒鳴る。彼らの隊列は、パラドクスの酩酊状態より大いに揺らいだ。完全崩壊だけは防ごうと必死に抗えば、列はぐにゃぐにゃと蛇行するようにうねる。
その様子がちょっぴり面白くて、秋果はくすりと笑みを滲ませた。
「ふふっ。互いにぶつかって転んで踏んづけあわないようにお気をつけて」
怨讐騎士たちは怒りに満ちた声で叫んだ。
「この野郎ッ! 丸焦げにしてやらァ!」
彼らは天高く杖を掲げる。エコーチェンバーの空間内に囚われた敵、そしてステンドグラスの毒に酔いしれる敵共々だ。
雷の魔力を纏う敵へと、サンダーは鋭い眼差しを向ける。
「遠距離からのパラドクスの打ち合いか。ならば真っ向勝負だな」
果たして空間内から最大出力の雷撃を放てるか。答えはすぐに出ることになる。逆上雷撃の光がエコーチェンバーの中で弾けた。
「グアアアッ
!!!!?」
空間の中で丸焦げになりながら怨讐騎士が叫んだ。それでも幾筋かの雷撃は空間を強引に突き破り、サンダーへと迫る。
群生する木々を盾にしつつ受け身を取り、雷による衝撃を緩和した。出力の弱まった雷撃は、サンダーの肌を僅かに焦がすのみに留まった。
閉ざされた空間の中で自ら放った雷に貫かれる敵に、秋果が思わず言葉をこぼす。
「うわぁ、痛そう……」
サンダーは、にやりと口端を上げてみせた。
「パラドクスで増幅させた分、余計にだろうな」
サンダーだけでなく、秋果に対しても反撃が放たれようとしていた。秋果は額縁を前方へと構え、もう片方の手にレースリボンテープを握る。狙いは敵が持つ杖だ。
「させないよ!」
木陰から飛び出し、敵群へと距離を詰めた。鞭のようにレースリボンテープを振るい、したたかに杖を打ち据える。
「ぐうっ!」
杖を持つ手が激しく揺れた。解き放たれた雷撃が、ブレながらも秋果へと飛んでくる。
「この情熱で、受け止めてみせる!」
アートへの情熱を具現化した額縁は雷撃と衝突し、紫電の火花を咲かせた。
「クソッ、全然手応えがねぇ!」
「エティエンヌのアネキィ! オレたちもうダメみてぇだ……!」
焦る怨讐騎士へと、サンダーは淡々と告げた。
「見回りをするのは決して悪い手じゃなかったがね。出てきたところを叩くのは、ディアボロスの得意技なんだ。覚えておくといい」
エコーチェンバーを再発動。敵群を電磁波と音波のミキサーにかけながら、彼女は崩れ落ちる怨讐騎士を見つめる。
「……ま、生かして帰すつもりはないけど」
覚えたところで死ぬのだから意味はない――。
秋果の仕込んだ毒が回り、倒れ伏す敵の群れ。彼らが倒れる度に、降り積もった白雪が濁る。
そして、秋果の足元も。足跡だらけになった地面を見て、秋果は溜息をついた。
「雪……踏み荒らしてぐちゃぐちゃにしちゃった。クールベの絵のように美しかったのにな……」
非常に残念だが此処は気持ちを切り替える。視線を上げ、残された敵へと向けた。
「さて、残るはそこのうさぎさんだけだね」
秋果、そしてサンダーは最後の一匹……エティエンヌ・マルセルを視界に捉える。
エティエンヌは、うんざりしたように瞳を細めた。そして、それはもう深い溜息を吐き出してみせる。
「は~あぁ~……ボクの配下、もうヤられちゃったの? 逃げ回る兎よりはやいじゃないか。もー」
金貨を袋からジャラジャラと取り出しながら、彼女は赤い眼でディアボロスたちを睨んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
悪いね、今週はソーヌ川沿岸の清掃強化週間なんだ。
彼らには気の毒だが片づけさせてもらった。
リヨン防衛の一環としての見回りだったんだろうが、あたしらには「戦力を小出しにしている」と見えたので、まあ御覧の通りよ。
じゃあ、行くぜ。
使うパラドクスは『フィルターバブル』。
向こうの休戦調印とのぶつけあい、となれば結界術技能の力比べでもある訳か。
既に先制攻撃の利点も消えた。基本は力のぶつけ合い。
それにプラスして、「戦意を削ぐ」という敵の攻撃の特徴に対処しよう。
「ここに居るのは!さっさと立ち去るためだ!」
など大声で叫んで少しでも興奮状態を維持する。
戦意を削がれて手を休めれば、そのまま死ぬ。死にたくない、その為には手を休めるなと口に出して強く念じ対抗を試みる。
余裕が出来れば味方と挟み撃ちにするよう立ち位置を整える。
ソーヌ川沿岸の掃討を行っているというヒントを出しちゃったので、万一にも逃げられるわけにはいかんのよ。
●最後の掃除
「悪いね、今週はソーヌ川沿岸の清掃強化週間なんだ。彼らには気の毒だが片づけさせてもらった」
輝く金貨など気に留めず、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)はエティエンヌへと言葉を紡ぐ。
サンダーの言葉に、エティエンヌは底意地の悪そうな笑みを浮かべた。
「気の毒、ねぇ。そうは見えなかったけど」
「好きに思うがいいさ。言葉ってのは、受け取り手しだいだからな」
サンダーは周囲に倒れ伏す怨讐騎士たちへと視線をやった。雪深い森に沈む様は、何とも哀愁が漂っている。
「リヨン防衛の一環としての見回りだったんだろうが、あたしらには『戦力を小出しにしている』と見えたので、まあ御覧の通りよ」
サンダーの足元から、無数の泡がぶくぶくと上がり始めた。それは瞬く間に大きな泡となり、彼女の前に障壁を作り出す。
フィルターバブル。敵を拒絶し、経たものは彼女にとって都合の良い影響となるよう変換される、濾過の障壁だ。
「掃除はまだ終わっていない。最後の仕上げだ。隅っこまでしっかり綺麗にしてやろう」
泡の障壁が森の木々を洗いながらエティエンヌへと迫る。近付く障壁に、エティエンヌが袋から金貨を宙へと放り投げた。
「頑張るねぇ。少し休んだら? もう疲れたでしょ?」
金貨が空間に溶け消え、結界を発生させる。侵入者の戦意を削ぎ、同時に生命力を奪う結界だ。結界は急速に広がり、泡の障壁とサンダーを呑み込もうとする。障壁と結界がぶつかり、互いの領域を侵そうとせめぎ合う。
(「向こうの休戦調印とのぶつけあい、となれば結界術技能の力比べでもある訳か」)
先制攻撃の利点が消えた以上、真正面からの力のぶつけ合いとなる。そして、エティエンヌの攻撃が戦意を削ぐものであるならば、『自分の戦意を奮い立たせる』にかぎる。すうっと大きく息を吸い込んで、サンダーは大声で叫んだ。
「ここに居るのは! さっさと立ち去るためだ!」
戦意を削がれ手を休めること。それは死に直結する。僅かでも気を抜けば、敵の結界が彼女のすべてを奪うだろう。
死にたくない、手を休めるな。此処に来たのはさっさと『立ち去るため』で、『死ぬため』ではないのだと。
拮抗していたパラドクスに変化が生じた。サンダーの障壁が、エティエンヌの結界へと罅を入れたのだ。亀裂から大量の泡が流れ込み、エティエンヌを押し流す。
「ぶわっ!」
溺れかけたエティエンヌが木にしがみ付き、やっとの思いで泡の中から上がってきた。彼女は必死に口から泡を吐き出している。
「ぺっぺっ……仕事しすぎなんだよ、キミたちは」
「ディアボロスってのは年中無休の戦闘員みたいなもんだ。それに、追い詰めた兎を逃がすわけにはいかんのでな」
エティエンヌを仲間と挟み込むように、サンダーは立ち位置を取り直した。
ディアボロス側の動向に関するヒントも出した以上、必ず仕留めなければなるまい。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
捌碁・秋果
巣穴に情報を持ち帰らせません
兎狩りの時間です
素早そうなウサチャンです
動きを制限させてもらいましょう
パラドクスで鑑賞者を模したパネル達で囲みます
そして私はパネルに身を隠しつつ接近し藍色の槍で薙ぎ払い攻撃しましょう
金の亡者という言い回しはありますが、まさか実在するとは
…いえ、わかります。お金は大事
お金があれば生活に困りませんし、お金に余裕があれば企画展に行く度に図録を買うこともできるのです…!
美術館に寄付をするのもいいですね。作品の修繕にもお金は必要ですから
埋もれた作家のパトロンになって、お金に糸目をかけずビッグになるまで支えるのも素敵です。ゆくゆくは上野の美術館で展覧会を開いたりしてね!ああ、夢が広がります…!
…このように、お金は希望を叶える交換券だと思うのですが。既に亡くなっているあなた方は何故お金を求めるのです?
使い道のないお金に価値はありますか?
と、熱量高めの演説をして敵に揺さぶりをかけましょう
亡者達が動揺したらその隙をついてウサチャンにパラドクスを再度打って攻撃を仕掛けます
シエルシーシャ・クリスタ
アドリブ・連携は歓迎だよ
ああ、少し出遅れちゃったかな。
でも大物相手には間に合ったみたいだし、いいって事にしちゃおう。
魔女のわりに、直情的な感じはないよね……ちょっと面倒。
あれ?よく考えたら物語の魔女って賢者的なののほうが多いはずだよね。
キマイラウィッチのせいで魔女に風評被害が出てる気がする。
なんてヒドイことを。
適当なことを言いつつ隙が見つかるか視線を走らせよう。
隙を突ければ一気に畳みかけたいけど……まあ、無ければ無いで仕方ない。
生命力を奪うったって一瞬で根こそぎやられるわけじゃない。
奪われきるよりも先に叩きのめせばこっちの勝ちだ。
チャンスがあれば金貨袋をふっ飛ばしてみようかな。
パラドクスに影響する事はなくても、大事な金貨が飛び散ったら動揺は誘えそうだし。
……ああ、でもこいつ魔女だしね。
金貨はただの武器で、追いもしないくらい復讐心が滾ってるのかな?
それとも、復讐心があってさえ、つい金貨を追っちゃうタイプかな?
つい金貨を追っちゃったら、復讐心は金貨より安いんだねって言ってあげる所なんだけど。
●狩猟
泡だらけになったエティエンヌを、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)は視界に捉える。
「巣穴に情報を持ち帰らせません。兎狩りの時間です」
その眼差しは野山で獣を狩るハンターの如く。
援軍に訪れたシエルシーシャ・クリスタ(水妖の巫・g01847)も、退路を塞ぐように位置を取る。
「ああ、少し出遅れちゃったかな。でも大物相手には間に合ったみたいだし、いいって事にしちゃおう」
「援軍助かる~! さあ、一緒にウサチャンを狩りましょうか!」
秋果が武器を握る。あとはあのウサチャン、エティエンヌだけだ。エティエンヌは金貨の袋を手に、徹底抗戦の構えを見せている。
敵の手元で輝く金貨を見やり、シエルシーシャはぽつりと呟いた。
「お金好きの兎か……」
金貨を手に掴みながら、エティエンヌが返す。
「お金は大切だからね」
軍隊召集をかけ、死してなお金銭に執着する亡者の群れを召喚する。同時、秋果もパラドクスを発動させた。
至高の芸術を求め、美術館にひしめく人々――無数のパネルがエティエンヌと亡者を囲い込んだ。
「これ、邪魔だなぁ」
エティエンヌが面倒臭そうに呟いた。
「亡者という言い回しはありますが、まさか実在するとは……いえ、わかります。お金は大事。お金があれば生活に困りませんし、お金に余裕があれば企画展に行く度に図録を買うこともできるのです……!」
藍色の槍を手に構えながら、秋果は情熱に満ちた演説を振るう。
「美術館に寄付をするのもいいですね。作品の修繕にもお金は必要ですから。埋もれた作家のパトロンになって、お金に糸目をかけずビッグになるまで支えるのも素敵です。ゆくゆくは上野の美術館で展覧会を開いたりしてね! ああ、夢が広がります……!」
亡者たちは戸惑いを隠せないようだ。召喚されたと思ったら、自分たちには縁がない内容の演説を聴かされている。そう、縁がないのだ。なぜなら彼らは既に死んでしまっているから。
「……このように、お金は希望を叶える交換券だと思うのですが。既に亡くなっているあなた方は何故お金を求めるのです? 使い道のないお金に価値はありますか?」
お金は使ってこそだ。死んでもあの世には持っていけないし、叶える希望もない。金貨をもらって何になると言うのだ?
亡者たちが審議に入った。正確に言うと、軍隊召集の攻撃の勢いが弱まった。
「ちょっと、惑わされないでよ! お金は傍にあるだけで価値があるんだ!」
エティエンヌが亡者を叱咤する。意識が逸れたそのタイミングを秋果は見逃さない。
「隙アリです! ウサチャン、お覚悟!」
パネルの陰から飛び出し、槍で薙ぎ払う。藍色の閃きがエティエンヌの体を深々と斬り裂いた。
「ちっ……よく回る口だ」
忌々しげにこぼすエティエンヌ。彼女へと追い打ちを掛けるように、シエルシーシャもパラドクスを発動する。
体内に流れる鬼の血を滾らせて、己の腕を巨大化させた。赤く輝く異形の腕を武器に、彼女はエティエンヌへと接近する。
……エティエンヌは、魔女のわりに直接的な印象を受けない。
表面上からは見えないだけか――面倒に感じつつ、シエルシーシャはふと思い至った。
「あれ? よく考えたら物語の魔女って賢者的なののほうが多いはずだよね。キマイラウィッチのせいで魔女に風評被害が出てる気がする」
一般的なキマイラウィッチが「ディアボロス殺す」だの「復讐する」だの騒がしいせいで、魔女の概念が歪みつつある。
魔女は本来、復讐に取り憑かれた獣を意味する言葉ではない。これは由々しき事態だ。
「なんてヒドイことを。魔女の評判を貶めるその行為、放ってはおけないね」
「さっきからごちゃごちゃとうるさいなあ……!」
エティエンヌは生命力を奪う魔法をシエルシーシャへと放つ。体力が削られる感覚を覚えつつも、シエルシーシャは臆せず突き進む。
「奪われきるよりも先に叩きのめせばこっちの勝ちだ」
金貨袋を持つ手へと狙いを定め、彼女は異形の腕を力強く振るった。凄まじい膂力から放たれた攻撃が、エティエンヌの手を激しく打ち据える。
強い衝撃にエティエンヌの手が千切れ飛んだ。当然、手から離れた金貨も周囲へとばら撒かれる。
「あああぁっ!? ボクの金貨が
!!!!」
金貨より千切れた手を心配した方が良いと思うが。そして魔女なのだから、金貨より復讐を優先すべきだと思うが。
「復讐心は金貨より安いんだね」
金貨に意識を向けたエティエンヌに対し、シエルシーシャは思ったままに言葉をぶつけた。
エティエンヌは噴き上がる自分の血で顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「復讐心も金貨も同じくらい大事だよ!」
その眼には激情の炎が渦を巻いていた。復讐心と、金貨をばら撒かれた怒りが混ぜこぜになっているようだ。
ともあれ、彼女は明らかに消耗し追い詰められている――終わりは近い。
観客たちのパネルから躍り出て、秋果は再び藍色の槍を振るった。
「どちらも取ろうだなんて強欲です。それがあなたの敗因となるでしょう!」
欲しい画集が複数あって、どれを買うか選べないなんてことはザラにあるが、それについては今は置いておく。
薙ぎ払われ、斬り飛ばされるエティエンヌ。満身創痍の彼女へと、シエルシーシャが最期の一撃をお見舞いした。
「二兎を追う者は一兎をも得ず、だよ」
鬼神変の破壊力が、追い詰められた兎の体へと容赦なく打ち込まれる。
激烈な強打はエティエンヌの肉体を完全に打ち砕き、その身を深雪へと沈ませるのであった。
冬の森に、本来の静けさが戻ってくる――――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!