リプレイ
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
引き続き南を目指すヨ。今の目的はアンタナナリボ付近への基地建設、最終目的地は水晶鉱山サ。アンタナナリボ付近では、クロノ・オブジェクト強化のための金採掘ができないかも試したいネ。
提案する前にキングゴンドワナに手が届く可能性もあるけど、まぁ気にせずできる範囲で進もウ。
とはいえジャングルって変わり映えしないからちょっと飽きてきたヨ。ってわけで今回は道を作りながら、珍しい植物か動物でも探そうカナ。
泥濘の地を使って、根っこごと楽に倒せないか試すヨ。邪魔になるから運搬は必要だろうけどネ。地面も、濡らした後固まると均されるし硬くなるかもしれナイ。ダメそうならチェーンソーで切って進むヨ。元々泥濘の場所があったら、丸太を軽く整えて、道を作りながら進むヨ。
時々周りを観察して、面白いモノや敵の気配がないか探そウ。今回は確か電気の巨獣だったって言ってた気がするから、空気や木の焦げるにおいがしないかも気をつけよウ。
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
怪力無双で木材の運搬や木の根の処理をしながら進むとしよう。自然の中にいるのは好きなんだが、道を整備しながらとなると重労働だねぇ。まぁ刻逆前は土方仕事をしていたから、兄貴より先にバテたりはしねぇけどよ。
そういや最近は見張り台みたいなものを作ってなかった気がするな。ちょうど湖が近いらしいし、少し高い木に登れる梯子と足場を作っておこう。対岸も含めて見えれば、見晴らしも良いだろうしな。
アンタナナリボのもう少し先が高い山になっているんだな。そのあたりまで行けば、高所から島の広い範囲を見渡せるかもしれねぇ。その景色を楽しみに、進むとするか。
進みながら地面の振動や動植物が動く音に注意を払おう。巨獣相手に不意打ちされる可能性は低いだろうが、万一ってこともあるからな。警戒しながら進んでいこう。
マダガスカルの島は、雄大な自然に覆われていた。
雲一つない青空の下、緑の木々が生い茂る密林が一面に広がる。大地を包む新鮮な空気は、新宿島の冬の寒さを忘れさせるほどに温かい。
巨獣大陸ゴンドワナ、マンドリツァラ基地――。
ベースキャンプから東に300㎞ほど進んだ先、マダガスカル2番目の基地に復讐者たちは居た。
「というわけで、今回も南を目指すヨ」
伐採用の機材を揃え、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が密林の彼方に目を向ける。
前回、前々回に続いて、行先は南の方角だ。アンタナナリボ付近に基地を建設し、最終的には水晶鉱山を目指す――それが現時点での目標だった。
「叶うなら、金採掘は試したいネ。クロノ・オブジェクトの強化に仕えるかもしれなイ」
「確か、少し先が高い山になっているんだよな。その辺りまで行けば、島の広範を見渡せるかもしれねぇ」
ラウムの言葉に、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が笑顔で返す。
目的地のアンタナナリボは島の中央付近にある、標高一千mを越える高地に位置する土地だ。最終人類史においても豊かな大自然で知られる土地であり、それだけに期待も大きい。南の彼方に待つ未知なる景色に胸を弾ませながら、ソラスは出発の支度を終えた。
「準備OKだ。行こうぜ兄貴!」
「そうしよウ。基地建設まで、あと一息だからネ」
飄々とした笑みを浮かべて、ラウムは作業用の工具を担ぎ上げる。
断片の王との決戦が迫りつつある巨獣大陸ゴンドワナ。だがそれは、彼の足を止める理由にはなり得ない。
此方は此方で、出来る範囲で進んでいこう――そんな想いを胸に、ラウムはソラスと共に南を目指して歩き出した。
二人が作業予定地の密林へ辿り着くと、開発作業はさっそく開始された。
作業自体は、今までのそれと同様だ。進路上の木を切り倒し、根を除き、道を舗装する。伐採した木々は怪力無双で運搬、一か所に纏める。撃破目標の巨獣と遭遇するまで、その作業を繰り返して南へ向かというものだった。
「伐採はボクがやるヨ。ソラ、運搬は任せていいかナ?」
「勿論だ。どんどん運んでいくぜ」
今までにもマダガスカル開発に参加して来た復讐者だけあって、二人の動きに淀みは無い。
阿吽の呼吸で役割の分担を終えた彼らは、手際のよい作業で開発を進めていく。伐採し、運搬し、伐採し、また運搬し――刻々と流れる作業時間に比例するように、島の南方に進む道は切り開かれていった。
「ふむ……泥濘の地の方は、効果は今ひとつのようだネ」
道を塞ぐ大木の根元を見下ろして、ラウムが呟きを洩らした。
彼が試みたのは、地面を泥濘に変えて根ごと樹木を倒すというものだ。しかし、密林の木々は深く大地に根を張っており、多少地面がぬかるんだ程度ではびくともしない。レベルを大幅に上げれば多少の効果は出た可能性もあるが、初期レベルではそれも難しそうだった。
(「最終人類史のマダガスカルは雨が多いって言うし……此処も同様だとすると、多少の泥濘じゃ木々も倒れないかもネ」)
とりあえず、ひとつ知見が得られただけでも良しとしよう。
ラウムは気を取り直すと、再びチェーンソーを駆動させながら密林の伐採を続けていった。
伐採と運搬を繰り返して南への道を拓くこと暫し、作業はトラブル無く順調に進んでいた。
ラウムの伐採した樹木を、怪力無双を駆使したソラスが運んでいく。残留効果の助けがあることに加え、かつて土方仕事をしていた経験も手伝って、ソラスの動きは実に慣れたものだ。小さなビル程の巨木でさえも彼の手にかかれば楽勝で、瞬く間に切り分けられて集積エリアに運ばれていく。
「大丈夫か、兄貴? バテたりしてねぇか?」
「余裕だヨ。何度も作戦に参加して、鍛えられたからネ」
飄々としたラウムの口調は、実際、息ひとつ上がっていなかった。そんな彼の様子にソラスはグッとサムズアップを送り、再び作業に取り掛かる。
樹木を倒し、根を掘り起こし、道を整備し――そうして作業が折り返しを越えた頃、二人は小休止を挟むことにした。
ソラスは道端の切り株に腰を下ろすと、汗をタオルで拭い、スポーツドリンクをグビリと呑んだ。冷たい水分が、重労働で疲れた体に染み渡る感覚が心地よい。のんびり大自然の中で青空を見上げると、生きている感覚をひしひしと実感する。
「ふーっ、だいぶ進んだな。もう一息行けそうだ」
「今回は少し余裕もあるし、のんびり行こウ。もう少し、道中で色々収穫したいしネ」
そう言ってラウムが開いて見せたのは、一冊の手帖だった。
そこに描かれていたのは、未知の植物や動物のスケッチだ。色鮮やかな花々や、巨大な昆虫、二足歩行する爬虫類、可愛い動物たちなど――最終人類史では見たことも無い生態系の一部が、そこにはラウムの手で鮮明に記されていた。作業中に探し当てたものを、纏めたのだと言う。
「ジャングルって変わり映えしないからネ。多少の刺激はあった方が、作業も捗るってものサ」
「ほー。こうして見ると、珍しいものが多いな」
ラウムとソラスは少年のように眼を輝かせながら、南の方角を見遣る。
未だ密林に覆われた彼方の場所には、自分たちの知らない自然がまだまだ広がっているのだろう。
未知なる世界への憧れは、尽きることを知らず。やがて休憩を終えた二人は、高まる冒険心に背を押されるように、切り株から腰を上げるのだった。
そうして再開された開発作業は、依然として滞りなく進んでいった。
既に開始地点からは相応の距離を切り拓いており、そろそろ巨獣の襲撃が発生してもおかしくない。伐採や運搬に加えて、周囲の警戒も行いつつ、程なくして作業は一段落の頃合いを迎えた。
「よし、此処で一区切りとしよウ」
「ああ、分かった。折角だし、今のうちにちょっと仕事をしておくか」
作業の手を止めたラウムに頷きを返すと、ソラスは木材を積み上げた場所に歩いていった。
手頃な木々を見繕い、彼が始めたのは梯子と足場の組み上げである。久しく設けていない見張り台を作る時に備え、材料を用意しようと言うのだった。
「湖が近いらしいし、こいつがあれば高い木にも登り易いからな」
「4番目の基地完成までもう少し……どんな出来になるか、楽しみだネ」
期待に胸を弾ませながら、ラウムが微笑を浮かべる。
どうやら自分と同じように、ソラスの心も次なる基地へと向いているようだ。
この作戦を成功に導けば、あと一度の開発で基地は完成する。目指す場所へ着実に近づきつつある手応えを、二人は静かに噛み締めていた。
「……まあ、その為には巨獣との戦いも不可避だけどネ。ソラ、そっちは異常ないかナ?」
「ああ。さっきから警戒してるが、妙な気配はないな」
ラウムの言葉に、ソラスはそう言って頷きを返す。
南方への開発作業は順調だ。このまま探索を進め、やがて現れた巨獣を撃破すれば、新基地の完成はいよいよ目前となる。
果たして、その先で待つのは如何なる景色なのだろう――未踏の地への憧れを胸に、二人は次の動きに向けた準備を着々と整えて行った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
月下部・小雪
マダガスカル探検隊、出発です!
ヤ・ウマトを奪還して東側の海の様子は気になりますが、今回は南に向かって進みましょう!
キングゴンドワナさんとの決戦もあと少しで始まるかも、しれません。
な、なんとかそれまでにはマダガスカル探検隊も何か成果をあげたいですね。
今回の目標も前回お姉ちゃんと目指していた『アンブヒマンガの丘の王領地』、です。
マンドリツァラ基地に運び込んだミニ重機に乗って南方への道を開拓です。
コダマも【ミニ油圧ショベル搭乗型モーラット・コミュ】になってお手伝いしてくれます。
工事を進めながら周りにいる巨獣じゃない恐竜さんの数をチェックしておきます。
今回襲ってくる巨獣さんは縄張り意識が高いみたい、です。
恐竜さんも縄張りに近づかないはずなので、その数で近づいているかどうか分かるはずです。
※アドリブ連携大歓迎
着々と南方への開発が進むマンドリツァラ基地。
その地へ新たに降り立ったのは、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)であった。
「いざ、マダガスカル探検隊、出発です!」
「もきゅ!」
モーラット・コミュのコダマを連れて、小雪のやる気は満々の様子だ。
彼女が目指す方角は、先行の二名と同じだった。運び込んだミニ重機のチェックを手早く完了すると、小雪は視線を目的地である南に向ける。
「ヤ・ウマトを奪還して東側の海の様子は気になりますが、今回は南に進みましょう!」
ベースキャンプ時代から関わって来た一人として、島内探検にかける小雪の情熱は強い。
断片の王『最強巨獣キングゴンドワナ』への道が拓かれつつある今、決戦までには成果をあげたいところだ。今回の作戦をその一歩とすべく、小雪とコダマは南に向かって歩き出した。
小雪が目指す目標は、『アンブヒマンガの丘の王領地』と呼ばれる場所だった。
距離にして基地から南へ約300㎞ほど進んだ場所、アンタナナリボの北東に位置する丘は、最終人類史ではマダガスカル王国の王宮が設けられた場所としても知られる。
「ゴンドワナの時代に宮殿は無いと思いますけど……き、気になります!」
アンブヒマンガの丘の王領地は、前回の作戦で義姉と共に目指した場所でもある。その地に着いて、義姉の浮かべる喜びの顔を思い浮かべつつ、先行メンバーの拓いた道を進むこと暫し――やがて小雪は未開発の区域に辿り着いた。
「それでは、作業開始、です。頑張りましょう、コダマ!」
「もっきゅー!」
重機に搭乗した小雪の横で、元気いっぱいの返事が届く。
声を返したコダマは『ミニ油圧ショベル搭乗型モーラット・コミュ』でショベルに搭乗し、作業の準備は万端だ。
あちこちで響く恐竜の声に混じり、元気よく轟くのはエンジンの響き。かくして南方への道を切り拓くべく、小雪はコダマと一緒に作業を開始していった。
小雪が今回辿り着いた場所は、土砂が堆積した一帯だった。
木々に代わって道を塞ぐのは、転がる岩と大量の土。それらを小雪は、コダマと共に次々に取り除いていく。
「この調子で退けちゃい、ましょう!」
ミニショベルを操作するコダマを連れて、ミニ重機に乗った小雪が進路上の土砂を退けていく。操作会得の無い状況ゆえ、非の打ち所が無いスムーズさとは流石に行かないが、作業に支障が出ることは殆どない。怪力無双の重ね掛けも奏功し、多少重量のある岩も排除は容易だ。
「いい感じ、ですね。どんどん進めていきましょう!」
「もきゅ、もきゅー!」
土を退かし、岩を運び、黙々と作業を続ける小雪たち。
アンタナナリボを目指し、島の開発作業は尚も続いていく――。
やがて工事が中盤を越え、終盤に差し掛かる頃。
再び現れた密林の前方から感じる異変に、小雪は重機を操作する手を止めた。
「……むむ? やけに恐竜さんたちが静か、ですね」
「もきゅ、もきゅ!」
妙な胸騒ぎを覚えつつ、重機を降りた小雪はコダマと共に前方へ視線を向ける。
作戦の最中、作業と並行して小雪はある作業を行っていた。周囲に居る恐竜を、大まかに数えていたのである。
今回の作戦で出現する巨獣は、縄張り意識が強いと聞いている。ならば、彼らのテリトリーには恐竜も踏み入らない筈――そう当たりをつけていたのだ。
「恐竜さんも、動物さんも、ぜんぜん見えませんね……ということは――」
果たして、次の瞬間。自身の予感が的中したことを、小雪は即座に悟った。
不意に前方から重々しい音を立てて、複数の足音が迫る。
大地を揺さぶる振動と、空を震わす雷の響き。巨獣の襲来を察知した小雪は、すぐさま迎撃態勢に移るのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
マダガスカル島の南へ進むべく、密林を切り拓く復讐者たち。
そんな彼らの道を阻むように、雲一つない晴天下に重々しい雷が轟いた。
不穏な気配を察知したように、木々から鳥や昆虫たちが一斉に飛び去って行く。やがて前方を見遣る復讐者たちの前に姿を現したのは、馬を思わせる紫色の巨獣だった。
『……ヴルル……』
大地を闊歩する巨大な脚。全身に纏う紫色の雷。
その堂々たる姿は、彼こそがこの縄張りの主であることを雄弁に物語る。
侵入者である復讐者たちを睥睨する主――『紫電龍馬アークルドルフ』の眼に宿るのは、明白な排除の意思だ。
『ボオォォォォ
……!』『ボオオオォォ
……!!』
その周りを取り巻くように、復讐者へ威嚇を送るのは『雷角山羊ホォンゴート』たち。
縄張りを侵した者を抹殺すべく、敵意を露わにする取り巻きとその主――彼らとの戦闘は最早避けられそうもない。
マダガスカル探索を進める為、南の彼方に新たな基地を築く為。各々の想いを胸に、復讐者たちは戦闘態勢を取った。
黒白園・真雪
(トレインチケット)
轟く紫電が、マダガスカルの密林を蹂躙する。
次いで響くのは、殺意に満ちた嘶きであった。
『ヴルルルル……!』
嘶きの源は、『紫電龍馬アークルドルフ』。ここマンドリツァラ南方の密林を縄張りに持つ、主のアヴァタール級巨獣だ。獰猛さを湛えた赤い双眸、四肢に生やした鋭い爪――馬と形容するには凶悪に過ぎる威容の敵を前に、黒白園・真雪(怒りの天使-Ulliel-・g09418)は戦意にぶるりと身を震わせた。
「オマエが縄張りの主だな! オレたちの邪魔するっつーなら……ブッ飛ばすぜ!」
灰色の瞳でアークルドルフを睨み返し、真雪が堂々と吼える。
この戦い、すべきことは至ってシンプルだ。襲って来た巨獣と全力で戦い、撃破する――それのみ。考えるよりも突撃するスタイルを好む、実に自分向きの作戦だと彼は思う。
元より敵はクロノヴェーダ、ブッ飛ばすのに理屈は不要だ。その細身からは想像できない爆発的な闘志を立ち上らせ、真雪は縄張りの主たる巨獣に戦いを挑む。
「さぁ、勝負といこうじゃねぇか!」
咆哮と同時に、逆説連鎖戦が幕を開けた。
同時、密林を疾駆する真雪の行く手から、アークルドルフの覇気が凄まじい圧となって押し寄せる。配下たちを従える主の帯びた威厳は、あまりにも圧倒的だ。ただでさえ巨大な巨獣の体躯が、何倍にも膨れ上がって見える。
『ヴルル……!』
同時、高々と掲げた前足の爪にパラドクスの紫雷が収束され始めた。
愚かな侵入者を、一薙ぎで消し飛ばそうと言うのだろう。
それを前に、しかし真雪は止まらない。どころかその足は、一層速度を増していく――!
「この刃で、オマエごと消し去ってやる!」
次の瞬間、真雪の振り被るバールが、一振りの刃に姿を変えた。
彼を復讐者たらしめる怒りの心、それを余さず込めて斬撃を見舞う『無慈悲なる一斬』だ。
アークルドルフの懐へ瞬時に肉薄を果たし、跳躍。その巨躯めがけ渾身の一撃を叩き込む。
「喰らってみやがれ――これがオレの“怒り”の刃だ!」
『ヴルルルッ!!』
刹那――白熱の刃閃が、紫電の爪と交錯する。
刃が生み出す虚無が傷口を抉り、アークルドルフの胸元から鮮血を走らせる。対する真雪もまた、紫電の爪を胴に浴びた。浅からぬ傷に、しかし怒りと殺意は衰えず、真雪は巨獣を睨みつける。
「まだまだ……勝負はここからだ!」
マダガスカル島にて幕を開けた巨獣との死闘。
戦いは未だ両者互角のまま、更なる激しさを増して密林を席巻していった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
常田・雲明
(トレインチケット)
「あんな大きな獣が密林に住んでいるなんて……何とも驚きだね、ゴンドワナは」
救援機動力で戦場へ駆け付けた常田・雲明(アートタランチュラ・g09611)が、驚嘆を露わに呟いた。
巨獣大陸ゴンドワナ、マダガスカル島。初めて足を踏み入れたディヴィジョンの密林で、彼はアヴァタール級の巨獣種族と対峙していた。
『紫電龍馬アークルドルフ』。夥しい紫電を全身に帯びる、馬型の獣。
縄張りに踏み込んだ復讐者を排除せんと襲撃して来た彼の撃破こそが、雲明の達すべき目的だ。
『ヴルルル……!』
「どうやら、話の通じる相手では無いようだね。やるよ、ファルシア」
言い終えるや、雲明のコスメツールから緑色の煌きが溢れ出た。
パラドクスの光を帯びた魔法のメイクが、彼と相棒のオラトリオに力を齎す。密林の花々より鮮やかな色彩を纏い、雲明は颯爽と告げる。
「さあ――行くよ」
大鎌を構えるオラトリオと共に、巨獣へ立ち向かう雲明。
紫電を纏う馬型巨獣との戦いが、今ここに幕を開けた。
戦闘開始と同時、紫電を帯びた巨獣が地響きを立てて迫る。
密林の木々を薙ぎ倒し、突進する姿は巨大な重戦車のようだ。圧倒的巨躯に相応しいパワーを誇るクロノヴェーダを前に、三節棍『彩華』を構えた雲明が先陣を切って駆けて行く。
「私が相手だよ。かかっておいで」
『ヴルルルルッ!』
雲明と巨獣、両者の視線がかち合った次の刹那、龍馬の嘶きがプラズマの光球を生み出した。
光芒を放ちながら迫るプラズマの奔流が、雲明めがけ放たれる。破壊の嵐が吹き荒れる中、雲明は魔法のメイクで強化した身体でこれを懸命に耐え続けた。
尚も耐える雲明に、アークルドルフの攻撃は止まらない。
守りに徹するなら、このまま踏み潰すのみ――そう告げるかのように、新たな光球を生成しようとした次の刹那、
「今だ、ファルシア!」
合図に応じるように、斬撃の一閃がアークルドルフの横合いから放たれる。
それは雲明のオラトリオが放つ大鎌による一撃。雲明が狙いを惹きつけ、ファルシアが急襲する――阿吽の呼吸で繰り出す『緑のデザイア』の斬撃が、三日月の奇跡を描いて巨獣の脇腹を抉った。
「……よし、効いているね。この調子だ!」
新たに傷を負ったアークルドルフを見遣り、雲明は確かな手応えに拳を握る。
僅かずつだが、敵は着実にダメージを蓄積させている。
この戦い、目指すは勝利のみ。そこへ至る一歩を、雲明と彼のオラトリオは確かに刻んだのだ。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
月下部・小雪
お、応援に駆けつけてくれた人たちがアークルドルフさんを抑えている間に
ボク達は取り巻きのホォンゴートさんをやっつけてしまいましょう!
【重装甲高火力型モーラット・コミュ】になったコダマがアークルドルフさんの援護に行こうとするホォンゴートさんにミサイルを雨あられとお見舞いです。
断崖絶壁を駆けあがってくる攻撃も、わ、分かっていれば直撃を避けることはできます。
コダマが巧みな空中戦の腕前でブースターを吹かせて直撃をさけてみせます。
は、反撃に至近距離から砲撃をドーン、です。
こ、これで邪魔してくる取り巻きさんはいなくなりましたね。
あとはアークルドルフさんに集中です!
※アドリブ連携大歓迎
マンドリツァラ基地の南方、アンタナナリボ方面へ向かう密林地帯。
復讐者たちが切り開いた一帯に、巨獣たちの雷鳴が荒れ狂う。続いて木霊するのは、縄張りを荒らした外敵に対する殺意に満ちた雄叫びだった。
『ボオオオオオオッ!!』
主の巨獣を取り巻く雷角山羊ホォンゴートたちが、猛り狂いながら迫る。
もはや戦闘は不可避の状況だ。南への道を阻む巨獣たちを排除すべく、復讐者は正面から戦いを挑む――。
「あ、アヴァタールとの戦いに、駆けつけてくれた人たちがいるみたい、ですね」
戦端が開かれた密林を、巨獣たちの雷鳴と咆哮が席巻する。月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が視線を向ける先、雷角山羊の群れの後方では、応援の復讐者たちが紫電龍馬との死闘を繰り広げ始めていた。
戦いの流れは此方にある――そう判断すると同時、彼女は迅速に行動を開始した。
「アークルドルフさんが抑えられている間に、ボクたちはホォンゴートさんをやっつけてしまいましょう!」
「もきゅ、もきゅー!」
小雪の隣で、戦闘準備を完了したコダマが声を返す。
ミサイルポッドと長距離射撃用の砲身、そして移動用ブースター。『重装甲高火力型モーラット・コミュ』のパラドクスにより、今のコダマは文字通りの完全武装で臨んでいるのだ。
ここから先は、一気呵成に攻めるのみ。吹き抜ける先行率アップの風に背を押され、小雪は攻撃開始の合図を示した。
「レッツゴー、です! 行きましょう、コダマ!」
「もきゅー!」
同時、ブースターに点火したコダマが雷角山羊の群れを狙い加速する。
残留効果の援護を受けた速度は、正に疾風の如く。巨獣に身構える隙を与えること無く、武装に格納されたミサイルを一斉に発射していく。
断続的な轟音と、咲き乱れる爆炎。
雷を凌ぐミサイルの猛攻を浴びて、巨獣たちは瞬く間に排除されていった。
雨霰と降り注ぐミサイルの中、雷角山羊が断末魔を上げて粉砕されていく。
コダマの攻勢は凄まじく、まさしく獅子奮迅の一言に相応しい戦いぶりだ。
「ふわわ! コダマ、かっこいい、です!」
「もっきゅー!」
小雪の賞賛に、小さく胸を張って応えるコダマ。
一方の雷角山羊は、すでに最後の一体を残すのみとなっていた。復讐者の優勢は一目瞭然、あとは最後の一撃を叩き込めば勝負は決着するだろう。
『ボオオオオォォォッ!』
縄張りに踏み込んだ復讐者への怒りか、或いは同胞を討たれた仇討ちか。最後の雷角山羊は一際大きな雄叫びを上げると、強靭な脚力を活かしてコダマに突撃する。雷撃を纏う突進は巨大な砲弾の如く、直撃すれば深手は免れまい。だが、
『……!?』
突進を浴びせた次の刹那、巨獣が感じたのは鴻毛のように儚い手応えだった。
被弾と同時、コダマがブースターの噴射で後方へ飛び、ダメージの勢いを殺したのだ。そして次の瞬間、
「コダマ、砲撃をドーン、です!」
「もきゅ!」
自身の眉間に向けて、コダマの砲身が発射する一発の砲弾。
それが、雷角山羊ホォンゴートの見た最後の光景となった。
『ボオォォォォ
……!!』
長い絶叫を響かせて、最後の一体が絶命する。
その巨体が地響きを立てて地に伏すと同時、小雪とコダマはグッと拳を握り、戦場の奥へと視線を移した。
取り巻きの巨獣は全て倒した。後は縄張りの主を撃破すれば、この作戦は完了する。
「ここからは、アークルドルフさんに集中です! 頑張りましょう、コダマ!」
「もきゅー!」
成功への決意を胸に燃やし、次なる敵の元へ駆け出す小雪とコダマ。
かくして今、マンドリツァラ南方を舞台とする戦いは、最後の決戦を迎えようとしていた――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
今回寄って来た巨獣はあと少しだネ。住処を荒らしてるのはこっちだからちょっとかわいそうだけど、倒して先に進ませてもらおウ。
カラス型ドローンに爆薬搭載。外装と爆薬部分の間を絶縁して、避雷針を兼用させよウ。パラドクスの雷は防げないケド、身に纏っている雷を弱めることはできるハズ。
ソラに先行させてカラスを飛ばし、敵を弱めつつ爆破で体勢を崩すヨ。プラズマ光球はフライトドローンを呼び出して障害物とし、可能な限り撃ち落そウ。ソラを護るのを優先し、ボクに飛んできた分は氷龍の盾に魔力を込めて耐えるヨ。
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
同情はするが、巨獣もクロノヴェーダだからな。手加減はしねぇし、出来る相手でもないな。
兄貴のカラス型ドローンに続き、大剣へ風を纏って駆け抜ける。体勢を崩したところを怪力無双も使って全力で斬りつけよう。
力比べなら巨獣相手でも引くつもりはないが、電撃は長くは耐えられんからな。全力で攻撃を続けて仕留めるぜ。
主たる巨獣の嘶きに乗って、紫色の雷鳴が戦場を駆け巡る。
縄張りに踏み込んだ復讐者を排除せんと現れた『紫電龍馬アークルドルフ』は、序盤の戦闘によって傷を負い、その怒りをいっそう強烈なものに変えたらしい。
眩い雷に触れる度、密林の木々が消し炭になって吹き飛ぶ。赤い双眸は殺意に輝き、まるで溶鉱炉のようだ。マダガスカル島の一角を支配する巨獣――その襲撃を退ける為、復讐者たちは最後の決戦に臨もうとしていた。
「……まあ、怒るのは無理もなイ。住処を荒らしたのはこっちだしネ」
撃破目標である紫電龍馬と対峙しながら、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は肩を竦めて言った。
出発時の情報によれば、かの巨獣は縄張り意識の強い個体であるらしい。自分の領土に踏み込み、配下までも討った復讐者たちを生かして帰す気など無いのだろう。その怒り自体はある意味正当だろうが、ラウムとて此処で死ぬ気などは毛頭ない。マダガスカル開拓を進めるという目標が、彼にはあるのだから。
「ちょっとかわいそうだけど、倒して先に進ませてもらおウ。ソラ、準備はいいかナ?」
「ああ。いつでも行けるぜ、兄貴」
ラウムの横で、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が頷きを返した。
その手に構えるのは、愛用の得物『呪詛の大剣』だ。所有者に対して悪魔への殺意を誘発する剣だが、その威力は他種族のクロノヴェーダに対しても全く衰えることは無い。
この戦いは、復讐者と巨獣、何れかの死を以てのみ戦いを下ろすもの。である以上、すべきことは一つだけだ。彼もラウムも一度決意した以上、そこに躊躇は絶無だった。
「同情はするが、巨獣も俺たちディアボロスの敵だからな。手加減はしねぇし、出来る相手でもねぇ」
荒ぶる龍馬が嘶きを上げる。雷を纏い迫る巨獣を前に、復讐者たちの戦闘は開始された。
島の大地を抉るように、四本の巨大な脚が密林を疾駆する。
巨大な木々を薙ぎ倒し、凄まじい勢いで迫る紫電龍馬。雷光の塊にも似た巨躯を前に、最初に動いたのはラウムだった。
「カラス型ドローンを使うネ。追撃は任せたヨ、ソラ」
「ああ、分かった!」
ラウムが巨獣に向けてドローンを放つと同時、大剣を構えたソラスが後を追うように真正面から駆けて行く。
阿吽の呼吸で成される二人の連携攻撃、その先陣を切ったのはラウムが発動した『薬災運ぶ自律機構』だ。カラスを模したドローンが機械の翼を広げ、敵めがけて飛翔する。狙う先は、真っ赤に燃える双眸の中間――眉間だった。
「さァ、行っておいデ」
発動者であるラウムの意思を帯びて、カラス型ドローンが標的に向かって加速する。
命中アップの光に導かれた突撃は、何者にも阻むことは叶わない。次の刹那、ドローンの機体に搭載した爆薬が一発残らずばら撒かれ、紫電龍馬の眉間に爆炎の花を咲き誇らせた。
『ヴオオオォッ!!』
「体勢が崩れたヨ。今だ、ソラ」
「ああ。このチャンス、逃さん!」
今こそ勝利を掴む為、畳みかける好機だ。
ソラスは風を纏った大剣を振り被ると、グラリとゆらぐ巨獣の目掛け、分厚い刃を渾身の力で叩きつけていった。
ラウムとソラスの間断なき猛攻が、なおも勢いを増して縄張りの主に牙を剥く。
紫電龍馬は荒れ狂う怒りと殺意を露わに、プラズマの光球を怒涛の勢いで撃ち出すが、『氷龍の盾』を構えて臨むラウムの守りは些かも揺るがない。
『ヴルルルルッ!』
「残念だけど、その程度じゃ倒れないヨ。……このまま、決着と行こウ」
無論彼とて無傷ではないが、声には確かな余裕の色が残っていた。その間もドローンの爆撃を浴びせ、ラウムは巨獣の体力を削り続けている。その動きに、一切の容赦や慈悲はない。
この大地の開拓を進める以上、巨獣との争いは不可避であり、その勝敗は力による決着しかあり得なかった。かつて縄張りの旧き主を力で追放し、新たな主の座へ収まったであろう紫電龍馬――その彼から縄張りを奪い取らんと、ラウムとソラスの攻めは一層激しさを増していく。
「どうやら、敵が弱って来たようだネ。ソラ、最後の一撃いけるかナ?」
「ああ。ちと食らったが、問題ないぜ」
紫電を収束させた敵の前足を防ぎながら、ソラスが笑顔で返した。
未だ余力は残っているが、あまり長くは耐えられそうにない――そう視線で告げるソラスに、ラウムは頷きを一つ。負傷を重ねた紫電龍馬を撃破すべく、最後の攻勢に移った。
「じゃ、幕引きと行こうカ。ソラ、とどめは任せるヨ」
ドローンの爆撃がもたらす衝撃が、ひときわ高らかに密林の空気を震わせる。
そこへ続き、ソラスは全ての力を大剣へと注ぎ込んだ。次の刹那、彼が発動したパラドクス『旋風』の力によって、大剣を軸に巨大な風が戦場を荒れ狂う。
「これで終わりだ。――風纏い、旋風!」
アクセルを踏み込むように、ソラスの巨体が宙へと飛んだ。
全力で戦い続けた彼の、ありったけを込めた一撃。それが今、紫電龍馬の眉間めがけて唸りを上げて振り下ろされ――その一撃が、とどめとなった。
「ぬおおおおっ!!」
膂力を込めて振るった大剣の刃が、巨獣の命脈を断ち切る。
双眸から赤い炎が消え、地響きを立てて地に斃れ伏す紫電龍馬アークルドルフ。それこそが、復讐者が巨獣との戦いを決着せしめた瞬間であり、この地の主が王座より陥落した瞬間だった。
かくして巨獣たちの襲撃を退けたところで、復讐者たちはひとまずの帰路に就いた。
マンドリツァラ基地の南方へ向かう探索に、これでまたひとつ成功が加わった形だ。後少し探索が進めば、マダガスカル島には新たな4番目の基地が建設されることだろう。
「断片の王との決戦も間近だし、頑張って開発を進めていきたいネ。……じゃ、帰ろうカ」
「そうだな。お疲れ様だ、兄貴」
暫し勝利の余韻を噛み締めながら、ラウムとソラスは広大な密林の彼方に待つ南の方角を見遣る。
この先には、どのような大地が待っているのだろう。どのような景色が広がっているのだろう――それを知る日が1日でも早く訪れることを、二人は願ってやまない。
攻略完了に向けて戦いが進む、巨獣大陸ゴンドワナ。そこに残る未探索の大地が、これから先の探索で少しでも明かされることを願いながら、復讐者たちは最終人類史へと帰還していくのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
【怪力無双】がLV3になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!