リプレイ
ラキア・ムーン
ハワイ
本来であれば大本営のあるあそここそ、断片の王が待ち構える本拠地だったのだろう
断片の王が倒れディヴィジョンが消滅したとはいえ、その設備と戦力がそのまま残っているのは放置しておけばいずれ脅威となる
ハワイまで迫ったこの勢いで、そのまま攻め込む
立て直させはせん、コーサノストラに余計な海上戦力を確保されても困るしな
『あらかわ』『えどがわ』に移動後は水中適応を使用して、敵の哨戒部隊を捜索に行こう
目立ち辛いように暗めの上着を羽織って海中移動
水中コンパスで移動方位を確認し、現在位置から真珠湾付近を目指して泳いでいこう
適度に浮上し、顔だけ出して周囲の敵影を捜索
光の反射に気を付けつつ、双眼鏡で遠くも観察
敵影だけでなく航跡波など、敵の哨戒部隊を発見する手掛かりになりそうなものは見逃さないようにしよう
海中からも海面を監視し、敵影を探していこう
冥海機を運用する上では、港湾施設の重要性は高いのだろう
……最後まで厄介な手を打ってくれるな、超大和は
その策すら、乗り越えてみせるさ
アドリブ連携等歓迎
三間・勲
(連携アドリブ歓迎)
ハワイ周辺の海域がコーサノストラの領域になったと聞いて一時はどうなるかと思いましたが…『あらかわ』と『えどがわ』が無事で本当に良かったです!
ヤ・ウマトで戦い続けてきた一人として冥海機の大本営は是非この目で確認したいと思っていました
攻略が始まったばかりのコーサノストラにはまだ分からない事も多いですし、ハワイを押さえる事で海域の安全をしっかり確保したい所です
【水中適応】を使用して二隻の先を行くように移動します
黒紺色の衣装を着用して水中でなるべく目立たないように…
定期的に合流するか目視で確認出来る距離を保ち、味方と分担して広い範囲を観察します
情報共有や作戦の協力は積極的に
敵が従えるトループス級は潜水艦型のようなので水中の影や水泡、移動の際の音にも警戒を
手持ちの単眼望遠鏡で遠方を確認する際はレンズの反射にも気を付けましょう
敵の姿を認めたら味方に連絡して慎重に次の行動に備えます
断片の王を喪ってもなお再起を図るつもりでしょうか
このまま彼女達を放っておく訳には行きませんね
●
新宿駅グランドターミナルから発車したパラドクストレインが停車したのは、温暖な気候の波間に漂う『あらかわ』と『えどがわ』を望む海域の上空だった。
扉が開いたトレインの出入り口の縁を蹴ったラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)と、紺色の服に身を包んだ三間・勲(漁火・g10186)が一旦降り立った先は、一方の船の甲板。
体勢を正すなり少し離れた場所に漂うもう一艦をしっかり確認し、勲はほっと胸を撫で下ろす。
「ハワイ周辺の海域がコーサノストラの領域になったと聞いて一時はどうなるかと思いましたが…『あらかわ』と『えどがわ』が無事で本当に良かったです!」
別ディヴィジョンの海域となったこの場所においても、二艦はディアボロスをこうして受け入れてくれる。
そのことにも安堵する勲の側で、暗い色の上着を羽織ったラキアも口元を僅かに綻ばせて頷いた。
だが、喜んでばかりもいられない。
ラキアがふと海原に目を目を向ければ、水平線の上に連なる島々が見えた。
「ハワイ――本来であれば大本営のあるあの場所こそ、断片の王が待ち構える本拠地だったのだろう」
桃銀の長い髪を靡かせたラキアが黄緑色の瞳でを細めて伺うのは、ハワイ鎮守府の司令室にてどっしりと身を据えてディアボロスを待ち構える断片の王『超大和』の『IF』。
だが断片の王はミッドウェーの海に沈み、手付かずだったハワイ鎮守府が丸々『空想科学コーサノストラ』の所属となってしまったのだ。
勲もまた、茶色の髪を海風に揺らしながら黒い瞳で海原を見やる。
「ヤ・ウマトで戦い続けてきた一人として、冥海機の大本営は是非この目で確認したいと思っていました」
「断片の王が倒れ、ディヴィジョンが消滅したとはいえ。その設備と戦力がそのまま残っているのは放置しておけば、いずれ脅威となる」
ならば、ディアボロスとしてやるべきことは、ひとつ。
「ハワイまで迫ったこの勢いで、そのまま攻め込む――立て直させはせん。コーサノストラに余計な海上戦力を確保されても困るしな」
声色を硬くしながらラキアが決意を述べれば、勲も決意を宿した瞳で「はい」と頷き続ける。
「攻略が始まったばかりのコーサノストラにはまだ分からない事も多いですし、ハワイを押さえる事で海域の安全をしっかり確保したい所です」
ならば早速、冥海機の索敵を開始しよう。
船から大海原へ飛び込むなり、勲が展開するのは【水中適応】。これで海中からの索敵が可能になった。
ラキアも同じように海中へと潜ると、二人が着込んだ暗い色の上着が彼らを深い海の色に紛れ込ませてくれる。
目指すは敵の哨戒部隊。
ラキアと勲はアイコンタクトをとって小さく頷き合うと、視野を広くとるべく徐々にお互いの間合いを取り始める。
そして、お互いを目視で確認できる距離まで離れると、真珠湾へと向かって進み始めた。
しばらく泳いでラキアがチラと覗きたのは持参した水中コンパス。海中は水中生物が泳ぎ回るといった同じ景色が続き、目印もない。進んで行きいつの間にか方角を外れていたということがないように、都度方角を確認しながら進んでいく。
だが、それだけでは哨戒舞台を発見できないことは『冥海機ヤ・ウマト』で経験済み。さらに海面に顔を出し、周囲の敵影の有無やハワイ諸島の確認も怠らない。
太陽の光の反射に気をつけながら双眼鏡も覗いてみるが、異変はないように見える。
「……もう少し先か?」
呟いたラキアはとぷんと水中に潜るなり、離れた場所で索敵作業を行う勲に『異変無し』を表すOKのハンドサインを示した。
同じように単眼望遠鏡で海面を窺っていた勲も『異常無し』のハンドサインを返すと、真っ直ぐハワイ鎮守府の方角へと泳いでいく。
(「……確かトループス級は潜水艦型。水中の影や水泡、移動音には敏感かもしれないな……」)
こちらから索敵を行っているのに、逆に察知されては元も子もない。
極力静かに、だが素早く動いていく必要がありそうだ。
そして幾度か海面に頭を出して遠方を伺っていた二人の双眼鏡と望遠鏡のレンズに飛び込んできたのは、船が通ったような航跡波。
さらにその先を辿れば、海戦装を携えた精悍な表情の冥海機と、潜水艦型の冥海機たちの姿を捉えることができた。
精悍な表情の冥海機は、時折周囲を警戒している。
二人はすぐさま一旦海中に潜り『異常確認』のハンドサインを送り合うと、どちらからともなく合流し、さらに海中深く潜って遠くの海面を見やった。
そこには確かに、数艦の冥海機の影を確認することができる。
「……断片の王を喪ってもなお再起を図るつもりでしょうか。ですが、このまま彼女達を放っておく訳には行きませんね……」
勲が囁けば、ラキアは小さく頷いて続ける。
「……それと、冥海機を運用する上では、港湾施設の重要性は高いのだろう。……最後まで厄介な手を打ってくれるな、超大和は……」
ため息混じりに恨み節を吐いた後、二人は海面を慎重に進んでいく冥海機の影をぐっと見据えるなり手元に現すのは、今までたくさんの冥海機を太平洋に沈めてきた得物。
「……だが私たちは、その策すら乗り越えてみせるさ……」
決意を胸に。
二人は水中を蹴って、奇襲を仕掛けるに最適なポイントへと向かって上昇を始めたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
ラトリア・ブルーアローゾ
せっかく奇襲できる状況になったわけだし、このまま奇襲させてもらおう
ハワイを奇襲するのは礼儀って気もするしな
おあつらえ向きに【ダメージアップ】もかかってる
暗い色は海面から海中を見る時は目立たないが、海中から海面を眺めると海上の光の中で黒点になって意外と見やすいんだ
だからペンギンは海中の天敵から見つからないよう腹が白いらしい
まさか肉眼で水中戦とか潜水艦作ったやつは想定してなかっただろうが
【水中適応】で敵艦の黒点に狙いを定めて急上昇
そのまま目標に突進してビームサーベルで攻撃だ
身を隠しながら魚雷を撃つのが得意なんだろうが、最初から見つかってるなら世話ねぇぜ
空中も水中も動きは3次元だ
空戦をし辛くなった分、水中で技量を披露させてもらおう
水中用の推進器をフル稼働させてドッグファイトさながらの近接格闘戦だ
乱戦も想定して【ガードアップ】を用意しておいたぜ
心なしか味方が攻めあぐねている印象だが、ハワイの部隊の練度はどんなもんかな
(「心なしか味方が攻めあぐねている印象だが、ハワイの部隊の練度はどんなもんかな」)
先遣で索敵を行っていたディアボロスの後を追うようにして水中を進んできたのは、青紫色のパワードスーツに身を包んだラトリア・ブルーアローゾ(餅が好きすぎて上官にコールサインを『餅』にされた男・g10730)。
(「さて。と」)
周囲に漂う残留効果の雰囲気を感じながら海面を見上げれば、数艦の冥海機が対ディアボロス紹介作戦を実行しているようだ。
しかし、トループス級が頻繁に海底を覗き込む仕草を見せるも、ラトリアをはじめとしたディアボロスを見つけることができないでいるようだった。
なぜかといえば、索敵を担ったディアボロスも後発でやってきたラトリアのパワードスーツも暗い色を纏っているからだ。
(「暗い色は海面から海中を見る時は目立たない。だけどな――」)
海底からはトループス級冥海機の黒い水着や海戦装、アヴァタール級の暗い色のくノ一装束は、海底からくっきりと見えたのだ。
それは、青い空を横切る迷彩柄の戦闘機の如く。
そうは言っても戦闘機は轟音をあげて空を征くため、同じ理屈を冥海機に当てはめるのはいささか強引ではあるが。
(「ペンギンに喩えたらわかりやすい。奴らは海中の天敵から見つからないよう腹が白いらしいからな」)
偶然生まれた腹の白い個体が弱肉強食の連鎖を掻い潜り、今のペンギンの姿となり得たのだ。
(「まさか肉眼で水中戦とか潜水艦作ったやつは想定してなかっただろうがな」)
そして冥海機は知らない。
太平洋に分布していないペンギンという動物の存在と、その進化の過程を。
メットの中で冥海機を見据える瞳を細めるとともに口角を上げると、水中をひと蹴り。
(「ハワイを奇襲するのは礼儀って気もするし……このまま奇襲させてもらうぜ
……!」)
水中用の推進器のパワーを味方につけて、海面の黒点に狙いを定めて急上昇。勢いそのままに、鮮明になった冥海機たちの中心に突如として姿を現した。
冥海機たちは突然上がった水飛沫とともに怨敵ディアボロスが飛び出してくることなど、露ほどにも思っていなかっのだろう。
「!! お前はッ……!」
「ディアボロス……ッ!」
全員、目を丸くしてラトリアを刮目した。
「身を隠しながら魚雷を撃つのが得意なんだろうが、最初から見つかってるなら世話ねぇぜ――空中も水中も、動きは三次元だ!! ――Rizkuko FOX4!」
推進力をそのままにビームサーベルを抜剣したが刹那。目前で驚愕している『UボートIX型』に向けて思い切り振り翳し、その体を叩き斬った。
驚愕が絶望に変わる眼差しと血液だかオイルだかがあたりに飛び散る瞬間を目に焼き付けながら、ラトリアはその身を再び海中へと沈めていく。
空戦がし辛く、また【水面走行】の効果がないこの戦場において、主戦場は海中。
巻き込んだたくさんの泡を纏いながらファイティングポーズをとれば、今し方自分が叩き斬った個体から発射されたのであろうサメ型魚雷が自身の背後に迫るのを感じる。
(「ッ上等だ!」)
ラトリアはその身を強引に翻すと魚雷の後ろを取るなり、推進器のパワーも借りながら魚雷に急接近。ビームサーベルでそのサメの胴体を真っ二つに叩き斬った。
その様子はまさに空中戦の接近戦――ドッグファイトであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
ラトリア・ブルーアローゾ
さて、奇襲しかけといてなんだが、いつまで続けるんだ、この戦争
俺の知ってる戦争は敵の殲滅までやらねぇ
まぁクロノヴェーダはディアボロスを殲滅したけどよ、俺たちは刻逆ってやつでおかしくなった世界で降り掛かる火の粉を払ってここまできた
超大和からも停戦交渉が来なかったあたり冥海機はその辺りの理(ことわり)から逃れられねぇのかもしれねぇがコーサノストラの支配者様とやらは別の停戦ラインとか持ってないかね?
この場ではやり合うしかないにしてもおたくのお偉いさんの方で何か妥協点とか妥協案が見出せそうなら後で使者でも送ってくれ
お前らも軍人なら戦争ってのは祖国を守るためであって敵の殲滅のためじゃないってわかるだろう?
しばし射撃の手を止めて話しかける
俺としては結構真面目な(北米のイレギュラー宛の)交渉提案だが、冥海機は取り合ってくれるだろうか
あとはハワイの冥海機がどの程度コーサノストラについて知っているかへの探りでもある
先に自分が叩き斬ったトループス級冥海機『UボートIX型』の亡骸が海底に沈んでいく姿を一瞥し。
ラトリア・ブルーアローゾ(餅が好きすぎて上官にコールサインを『餅』にされた男・g10730)は砲撃を喰らわせるために挙げていた腕を一旦下ろし、冥海機たちへと向き直った。
「奇襲仕掛けといてなんだが……いつまで続けるんだ、この戦争」
そのトーンを抑えた声色に冥海機側も、構えていた得物を一旦下ろし、発車準備が完了していた砲台を一旦下げた。
俺の話を聞き入れる用意があるのか。
そのことに少し驚きつつも、ラトリアは言葉を綴り始める。
「俺の知ってる戦争は敵の殲滅までやらねぇ。まぁクロノヴェーダはディアボロスを殲滅したけどよ、俺たちは『刻逆』ってやつでおかしくなった世界で降り掛かる火の粉を払ってここまできた」
ラトリアの言葉を聞き、冥海機たちの眉尻がピクッと動いた気がした。
けど、わずかに生じた間に、また言葉を滑り込ませる。
「こっちに『超大和』からも停戦交渉が来なかったあたり、冥海機はその辺りの『理(ことわり)』から逃れられねぇのかもしれねぇ。けど、コーサノストラの支配者様とやらは別の停戦ラインとか持ってないかね?」
問いかけに対し冥海機は黙ったまま。
さらに言葉を重ねる必要があるのか。
「この場ではやり合うしかないにしても、おたくのお偉いさんの方で何か妥協点とか妥協案が見出せそうなら、後で使者でも送ってくれ。お前らも軍人なら、戦争ってのは『祖国を守るため』であって、『敵の殲滅のため』じゃないってわかるだろう?」
ラトリアとしては、『北米にいるイレギュラー当ての結構真面目な交渉提案』であり、ハワイに残留する冥海機にどの程度『空想科学コーサノストラ』の知識があるかをはかる、探りでもあった。
(「……冥海機は取り合ってくれるだろうか……」)
内心に揺らぐ一抹の不安は、できれば杞憂であってほしい。
そう願うラトリアの耳に無情に届くのは、アヴァタール級冥海機『氷斬艦ハボクック』から漏れ出でる怒りに震える声だった。
「……降りかかる火の粉を払ってきたぁ? どの面さげてそのセリフを言ってるんだ。お前たちが攻め込んできたんだろう! あまつさえ、『超大和様』まで……ッ!」
震える声は徐々に烈火の怒声に変わり、氷を纏う彼女の姿との相違に一瞬戸惑ったラトリアは思わずぐっと言葉を飲み込んでしまった。
『氷斬艦ハボック』は、怨敵憎しとばかりにラトリアを睨みつけ、続ける。
「『刻逆』? 『おかしくなった世界』? そんな現象は知らん!! それなのに、なぜお前たち最終人類史のディアボロスに攻め込まれた我々が――『超大和』様が、なぜお前たち侵略者に対し停戦交渉を持ち掛けなければならない! 我々は常に『祖国を守るため』に戦ってきた! なのに貴様らは……この世界までも侵略しようとしている! この世界に残ったたった一つの寄り心であるハワイ鎮守府さえも、我々から取り上げるというのか!!」
「ッ……はぁ? 黙って聞いていれば好き勝手言いやがって。元はといえば――!」
メットの中で顔を歪ませながら反論しかけてラトリアは、ふと、我に立ち返る。
(「……そうか。こいつらは知らないんだ……」)
太平洋も各鎮守府も、元は最終人類史のものであることを。
ハワイも北米大陸も、最終人類史のものであったことを。
そして自分たちが、改竄された歴史上に生まれ出た存在であるということを。
ラトリアたちディアボロスにとって、『冥海機ヤ・ウマト』のディヴィジョン全ては『刻逆』によって強奪されたもの。
それは揺るぎない事実だ。
だが、冥海機の立場から見ればどうだろう。
突然現れたディアボロスという輩が自分たちの世界で好き勝手大暴れした挙句、自分たちの世界を強奪したように見えやしないか。
(「……もともと最終人類史の土地や海域だからといって、今住んでいる冥海機を倒して土地や海域を奪うんだ。……奪われる冥海機側からしてみれば……」)
ディアボロスが大地と海を強奪する敵に見えるのだろう。
立場が変われば見方が変わる。
正義も悪も、正論も曲論も、敵も味方も、全てひっくり返る。
「……」
この場で言い返す言葉を失ってしまったラトリアは、ぐっと押し黙った。
だが、この対話でひとつ、教訓を得た。
交渉をする時は、『自分たちが敵の目にどう映っているか』も考慮する必要がありそうだということ。
そして彼らは北米への『メッセンジャー』としての役割を果たさないだろうということ。
ラトリアは下ろしていた手をゆっくり、だがぐっと強く握り込んで、
「…… お前たちの立場は理解した」
と、冷静に告げた。
それでも、胸に湧き上がる決意や願望、そして復讐心は抑えることはできない。
「だけど俺たちディアボロスは、全ての大地と海、そして空の奪還を諦める事は無い。これは揺るぎない事実――」
ラトリアの言葉や想いと共鳴して、腕から突き出た機関砲が赤く炎を抱き始める。その砲口を冥海機に突きつけて叫んだ。
「俺は最終人類史に住まうディアボロスとして『奪われた祖国を取り戻す』! これでお相子だ!」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
金森・椿
アドリブ・連携OK
1945年の真珠湾から1925年の真珠湾になったとすると色々と設備がグレードダウンしてそうですね
もう最新鋭の冥海機は整備できないのでは?
それはそれとして、私はディアボロスとしてやることをやりましょう
民衆を捨てたわりに娘と呼ぶ冥海機は惜しいときましたか
家長たる父としては立派なものですが一国を率いる断片の王としては失格です
だからこそ負けたのでしょう
私たちディアボロスは最終人類史の民衆を守るという強い意志があります
あなたたちとの違いはそこにあるのです
その意志の強さがいかほどのものか、このパラドクスでお示しいたします
よーいっ……放て!
新宿種子島を構えて全自動射撃
【水中適応】で海中を動き回って魚雷を掻い潜りながらディアボロスの意思を代弁するかのように弾幕を展開
民衆を捨て駒にしておいて何が捲土重来ですか
もはやあなたたちを歓迎する民衆などどこにもおりません
【水中呼吸】を駆使して戦場にたどり着くなり、ラトリアと冥海機たちの会話を黙って聞いていた金森・椿(薬売り・g02220)だったが。
(「1945年の真珠湾から1925年の真珠湾になったとすると色々と設備がグレードダウンしてそうですね……もう最新鋭の冥海機は整備できないのでは?」)
と、『空想科学コーサノストラ』に所属したハワイ鎮守府の有り様に想いを巡らせていた。
元ディヴィジョンから20年遡った真珠湾の設備が1945年の技術のままだとしても、いずれ1925年の技術では整備も追いつかなくなるのだろうか――?
(「この海戦を制すれば、自ずと見えてくるでしょう……それはそれとして、私はディアボロスとしてやることをやりましょう」)
と、冥海機を見据える椿には、彼女たちに憤ることが一つあった。
冥海機たちが『刻逆』を知ろうが知るまいが、彼女たちにとってディアボロスが侵略者であったとしても、『冥界機ヤ・ウマト』において、軍人たる彼女たちが守るべき民衆を棄てたり盾にしたのには変わりは無い。
「それにしても、民衆を捨てたわりに娘と呼ぶ冥海機は惜しいときましたか……」
黒い双眸で見据える先は、『超大和』の娘であるアヴァタール級冥海機『氷斬艦ハボクック』。
「家長たる父としては立派なものですが、一国を率いる断片の王としては失格です。だからこそ負けたのでしょう」
「っ『超大和様』を侮辱するな!!」
尊敬する父を扱き下ろされて、怒りに震えない娘はいないだろう。『氷斬艦ハボクック』は今にも氷の蝶を椿に飛ばさん勢いで、殺気に満ちた眼差しを向けている。
他のディアボロスはどうかは知らない。断片の王として立派であったと評価するものもいるだろう。
けど少なからず椿は、将軍たる『超大和』を軽蔑している。
「私たちディアボロスは最終人類史の民衆を守るという強い意志があります。勝利のためなら民衆を棄て盾にするあなたたちとの違いは、そこにあるのです」
椿はこの場にいるすべての冥海機に告げると、得物であるバスターライフル『新宿種子島』を構え、トリガーに指を掛ける。
「その意志の強さがいかほどのものか、このパラドクスでお示しいたします――よーいっ……」
と見据えるのは、『氷斬艦ハボクック』を守るトループス冥海機
トリガーにかける指と復讐心に煮える心に宿すのは、自分たちを信じ共に戦ってくれる最終人類史の人々への想い。そして彼女たちを信じた、今はもうどこにも存在しない『冥海機ヤ・ウマト』にいきた人々の想い。
「――放てーっ!」
万感の思いを込めてトリガーを引けば、エネルギーに変わった強い意志は濛々と煙を上げながらもまっすぐ『UボートIX型』の体に迫り、貫いていく。
煙の向こうで冥海機たちの呻き声が聞こえ、断末魔が海中に響き渡るが、同時に魚雷の迫る泡の音も聞こえてきた。
そして迫るのは、最後の力を振り絞り放たれた鮫型の魚雷。
椿は結い髪から垂れた後毛を揺らしながら魚雷を躱しながら弾幕を放ち、
「っ、民衆を捨て駒にしておいて何が捲土重来ですか――もはやあなたたちを歓迎する民衆などどこにもおりません!」
叫び、海中に響かせるのは、ディアボロスの意思。
人々がディアボロスに託す想いは復讐心のみに限らなくなってきた。期待や希望、そして信頼などの前向きな想いを自分たちに寄せてくてれいる。
それがどれだけ、心強いものか。
どれだけディアボロスの背を押してくれるものなのか。
それを知る故、尚の事冥海機が民衆に行った愚行を許すことはできない。
そのうちに弾幕が晴れ、力なく海底に沈んでいく『UボートIX型』の亡骸を一瞥し、想いを馳せる。
もう二度と会えない、あのディヴィジョンの人々の姿、表情、言葉。
――そして、彼らが願ったであろう、幸せな未来に。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防空体制】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
三間・勲
(連携アドリブ歓迎)
交渉…かつて翔鶴が台湾島の海軍施設の封印を解く鍵と引き換えに、硫黄島の無血開城の話を持ちかけた事がありましたね
たくさん戦って、言葉を交わす中で、貴方達に僕達と同じように勝利を求めて戦略を考えたり、仲間を想う心があると理解しました
同時に、共存が難しいほど価値観が違う事も知っています
【水面走行】に切り換えて海上で『氷斬艦ハボクック』と対峙します
パラドクスでコウモリダコ型の呪詛塊を召喚し向かわせましょう
相手は剣の使い手のようなので、簡単に間合いを詰められないように
コウモリダコの〈爆破〉の勢いでダメージを与えつつ動きを抑えながら慎重に立ち回ります
共に戦う味方が居れば攻撃と同時に視界の攪乱による援護も狙ってみます
反撃に警戒して残留効果の【ガードアップ】と合わせて「氷盾」を構え、少しでも負傷の軽減に努めます
超大和の死をもって仮初の大艦巨砲主義の時代は終わりました
このままハワイも取り戻させてもらいます!
ラキア・ムーン
随分と箱入り娘だったらしいな、冥海機は
超大和の庇護の下に、不要な情報は与えられなかったか
彼の王の優しさか、それとも……
まあ、どちらでも良いさ
覚悟を決めた相手に、手心は加えん
やり合おう、決着を付ける時だ
《RE》Incarnationを構えて、戦闘体勢
水面走行を使用し、ハボクックとの戦闘距離へと入る
仲間と連携しながら、中距離から仕掛けよう
槍に魔力を込めながら攻撃のタイミングを図る
【Call:Flame_Canon】起動
槍先を敵へと突き出し狙いを付ける
仲間の攻撃に合わせ連続して仕掛けられるように動く
滾らせた炎を解放し、『砲撃』として敵へと放つ
燃え尽き、海へと還れ
敵の攻撃を警戒し、槍を構えて防御態勢
刀の軌跡をよく見て攻撃に対応
槍で斬り結び敵の斬撃を弾く
直撃する数を減らし、武装制服で攻撃を少しでも浅く受け
長く戦場で立てるように耐えていこう
ハワイを目指す上で障害となるのなら、全力で相手をしよう
貴様を打倒し、先へと進む
取り戻し損ねたハワイを返して貰う為にな
アドリブ連携等歓迎
●
最終人類史に住まう人々にとって、ディヴィジョン落ちした地域の過去は、改竄された過去であるように、改竄された世界に住まう人々にとっての最終人類史は、夢見ることすら許されない未来。
ディアボロス側から見える世界と、クロノヴェーダ側から見える世界はまったく違うことを、冥海機との会話を通じて改めてディアボロスたちは認識しただろう。
三間・勲(漁火・g10186)の胸に脳裏に去来するのは、『冥海機ヤ・ウマト』において、冥海機と言葉を交わした時々のこと。
その中でも印象的だった交渉は、ジェネラル級冥海機『翔鶴』が、台湾島の海軍施設の封印を解く鍵と引き換えに、硫黄島の無血開城の話を持ちかけた事だろう。
「あの海で僕らはあなたたち冥海機と幾度となく砲撃を交わし、言葉も交わしました。そして知ったんです。あなたたちにも勝利を求めて戦略を練り、冥海機同志、仲間を想う心があることを」
激昂するアヴァタール級冥海機『氷斬艦ハボクック』に、この言葉はまっすぐ伝わらないだろう。
でも、勲は思ったのだ。
それはディアボロスが当たり前に持つ思考能力や、感情と同じである。
同時に、ディアボロスと冥海機の共存が難しいほどの立場や価値観の違いも知っている。
そして最終人類史に流れ着いた瞬間から、勲の腹は決まっていた。
あどけない顔つきの割に精悍な表情を見せる勲の隣に並び、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は『氷斬艦ハボクック』を見据え、呆れたようにため息をついた。
「随分と箱入り娘だったらしいな、冥海機は」
その皮肉を耳にした『氷斬艦ハボクック』は、
「何? この後に及んでまだ我々を侮辱するのか!?」
と、怒りを露わにする。
すると、彼女の周りの氷の蝶がさらに冷たい彩色を放ち、鋭く凍った刃の鋒がディアボロスの方を向き、同時に海中を覆うのは氷。
体がキンと冷えたかと思った刹那、ラキアを斬ったのは氷の刃だ。
咄嗟に燃え上がらせた炎とともに斬り結んだ黒槍『《RE》Incarnation』のおかげて深傷を負うことはなかったが、鮮血が足元の氷にはたりと落ちる。
ラキアは己の血を拭いながら今一度、若葉色の瞳で『氷斬艦ハボクック』を見据えた。
「超大和の庇護の下に、不要な情報は与えられなかったか……って意味さ」
侮辱ではないだろ? と付け加えて、断片の王『超大和』がアヴァタール級以下冥海機に世界の真実を明らかにしなかった理由をよぎらせる。
それは彼の王の優しさか、それとも……。
いろんな可能性と仮説がラキアの脳裏を駆け巡るが、考察は最終人類史でやればいい。
「……まあ、どちらでも良いさ。覚悟を決めた相手に、手心は加えん。やり合おう、決着を付ける時だ」
ラキアは『《RE》Incarnation』の柄をぐっと握り込んで急浮上。同じタイミングで浮上を開始した勲とともに海面に飛び出すなり、【水面走行】が効いた海面に着地すると、激昂ぎみの『氷斬艦ハボクック』と向かい合う。
最初の攻撃に動いたのは、勲。
肩のかけた大きな船長服を靡かせながら『氷斬艦ハボクック』やハワイ鎮守府に控えるジェネラル級たちへの憎しみを激らせれば、憎しみの黒いオーラはコウモリダコを模った呪詛塊となる。
「僕も手加減はしません! 『超大和』の死をもって仮初の大艦巨砲主義の時代は終わりました。
このままハワイも取り戻させてもらいます!」
叫んでコウモリダコ型の呪詛塊を敵へと差し向ければ、憎しみのオーラを纏ったそれは一気に『氷斬艦ハボクック』へと向かい、彼女の間近で爆破する。
激しい爆破音とともに立ち上げがのは、煙と水飛沫と『氷斬艦ハボクック』の悲鳴。
(「相手は剣の使い手。だから油断してたら一気に間合いを詰められる」)
故にこの爆破で彼女の動きを抑えられれば……そして漂う煙がラキアの攻撃の助けになればと睨みながら、氷盾を構えて回避不可の接近から防御不可の一撃を放つ必中必断必殺の剣技に備える。
すると、煙の向こうから聞こえてきた。
「――貴様らはハワイへは……」
キンと凍るような声色とともに足元の海水面が凍り、常夏のハワイ沖で雪が吹雪く。
来るか? と前を見据える勲だったが、次の息を吸った瞬間――もう『氷斬艦ハボクック』の反面が目の前にあった。
「―― 行かせない!!」
氷盾を構えた腕とそれを支える手に力を込めれば、振り下ろされた氷剣の激しい衝撃で両腕に痺れが走る。
「っ!」
だが、力に屈してこの盾を下すわけには行かない。
今一度、勲が激らせるのは、ハワイ鎮守府へと続く道を拓くという執念。
勲は腹に力を込めながら気合を入れて盾を押せば、『氷斬艦ハボクック』の氷剣を押し戻してその勢いで後ろへと飛んだ。
その只中、勲が張った煙幕に紛れたラキアが『氷斬艦ハボクック』に『《RE》Incarnation』の穂先を向け――。
「極炎術式、展開」
唱えれば、黒槍が炎の術式で赤々と燃え上がる。
「ハワイを目指す上で障害となるのなら、全力で相手をしよう。私たち貴様を打倒し、先へと進む。取り戻し損ねたハワイを返して貰う為にな」
煙幕が消えゆきラキアの姿が暴かれる時、『氷斬艦ハボクック』は氷剣を手に、凍らせた海面をたんと蹴るや、ラキアとの間を一気に詰めんと駆けてくる。
「何度も言わせるな! ハワイへは行かせないと言っている!!」
間合いを詰められては斬り崩される。
その前に――。
「燃え尽き、海へと還れ」
ラキアは黒槍に滾らせた炎を解放し、砲撃として『氷斬艦ハボクック』へと放った。
放たれた炎は渦をまき氷を溶かし、一気にその冥海機を包み込んだが。
炎を斬り裂いて飛び出した『氷斬艦ハボクック』は殺気をそのままにラキアへと氷の刃を振り下ろした。
「もう、還りたい海などない! ……お前たちが私たちから奪っただろう!」
ラキアはその言葉とともに振り下ろされた刃を黒槍を盾にして受け止めた。
ハワイ沖は常夏の海だというのに。
一帯は真冬のオホーツク海の如く、冷たい風が吹き荒れていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV2が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
クロム・エリアル
……冥海機の戦力の半数は未だに健在
早急にハワイへと辿り着く必要性大
それに、手負いの獣ほど厄介
王を失ったクロノヴェーダに余計な事はさせない
厄介な敵となる前に、処理
救援機動力で戦場へと合流
水面走行で海上を進む
双銃『Libra』を構え戦闘態勢
ハボクックの周囲を旋回しながら銃撃準備
Ex.Bullet.Shell……装填
剣戟の使い手なら、散弾の方がやりやすい
銃弾を斬るなんていうコミックめいたことは、させない
銃口を敵に向け「連射」
散弾だから少し浅い……かもしれないけど、後は数でカバー
散弾の雨でハボクックを追い詰める
マガジンを排出
双銃を少しでも軽くし、敵の近接攻撃への対応速度を上げる
双銃のスパイクで敵の斬撃を受ける
視界だけに頼らず音を聞き、敵の攻撃タイミングと位置を予測
双銃で殴るように拳を振るい、剣を弾き攻撃の勢いを軽減しよう
……帰る海も無くなったのには、同情しない事もない
けれども、それが戦い
戦場に立ったなら、どちらかが倒れるまでやり合うのが道理
此処で終わりにする
連携アドリブご自由に
先に戦っているラキアと勲がいる海域へと救援機動力を駆使して辿り着いたクロム・エリアル(近接銃士・g10214)は銀の双眸で目標を確認するや、『氷斬艦ハボクック』の周囲を旋回し始めるが。
双銃『Libra』を両手に携えて感じるのは、海風の冷たさだった。
ハワイは常夏の島。通常であればこのあたりも暖かな海だが、アヴァタール級冥海機『氷斬艦ハボクック』のパラドクスの影響で、空気はキンと冷え切っていた。
まるでオホーツクかアラスカの海のよう。
だけどこの氷を完全に溶かすことができなければ、ハワイに控えるジェネラル級冥海機へと刃を突きつけることはできない。
ハワイに控える冥海機といえば。偉大なる父『超大和』を失ったと同時に故郷のディヴィジョンから切り離されて、ワイズガイの傘下に入った。
あの誇り高きクロノヴェーダにとっては、まさに背水の陣であろう。
(「……手負の獣ほど厄介」)
クロムの予想通り。目の前の『氷斬艦ハボクック』の様子から見て、もうあちらに余裕はないように見えた。
だからこそ。
「王を失ったクロノヴェーダに余計な事はさせない。厄介な敵となる前に、処理」
きゅっとその足を止めたクロム。『Libra』の銃口を『氷斬艦ハボクック』の心臓に向けた。
「っ、ふざけるな! こんなこと、ジェネラル級が許す訳ないだろう! 『超大和』様を奪っておいて、ハワイまで――」
「……装填、――リロード……拡散モード」
『氷斬艦ハボクック』の言葉を遮って唱えたクロムは、海水面をたんと蹴ってまっすぐくノ一装束の冥海機の目前へと飛び込んだ。
(「剣戟の使い手なら、散弾の方がやりやすい。『銃弾を斬る』なんていうコミックめいたことは、させない」)
そして今一度その胸元に二つの銃口を向けるや、一気にトリガーを引いた。
甲高い銃声とともに散弾が次々と発砲され、次々と標的を貫き弾け飛ぶ音。そして女性特有の甲高い断末魔が海域いっぱいに響きわたる。
散弾の殺傷能力の低さも熟知しているからこその連射。
それはまさに『散弾の雨』と呼ぶにふさわしかった。
だが、その雨もやがて止む。
軽くなったハンマーのクリック音とともに『Libra』を振ってマガジンを海に落としたのは、自分の重量を少しでも軽くするため。
『氷斬艦ハボクック』の接近反撃への対応速度を上げるためだ。
散弾が弾けた際に発生した煙を払うかの如く吹き荒れ始めたのは、猛烈な吹雪。
吹き荒れる北風が顕にしたのは、オイルだか血に塗れた満身創痍の氷の娘。
氷の剣を携えた彼女は、無音にて凍った海面を蹴るや。瞬でクロムの目前に現れた。
「――ハワイには、行かせない……」
ヒュンと風を切りながら高々と振るわれ続ける氷刀を双銃のスパイクで受け流しながら、攻撃の勢いを削っていく。
吹き付ける冷たい風が皮膚をこわばらせ、剣の鋒の少しでも掠めれば普段よりも深い傷になりかねない。
振るわれ続ける剣を防ぎながらクロムは、目前の血走った瞳と憎しみに歪んだ表情を伺い、つぶやいた。
「……帰る海も無くなったのには、同情しない事もない」
けれども、それが戦い。
「戦場に立ったなら、どちらかが倒れるまでやり合うのが道理――此処で終わりにする」
『冥海機ヤ・ウマト』でも、ディアボロスと冥海機は、そうやって戦ってきたではないか。
ディヴィジョンが変われど、それは変わらない。
手に携えた銃でその剣を躱し、彼女の横っ面を思いっきり張り飛ばせば。一瞬で解けるのは『氷斬艦ハボクック』が凍らせた海面だ。
それは彼女が事切れた証拠。
その冥海機はそのまま海面に叩きつけられてハワイの暖かな海へと沈んでいった。
吹雪も消え、冷たい北風も止んだこの暖かな海域の向こうに見えてきたのは、海原に連なるように浮かぶハワイ群島。
だが今は一度最終人類史に戻り、体制を整えた方がいいだろう。
暖かな南風に誘われるようにディアボロスたちはハワイ群島に背を向けると、『あらかわ』と『えどがわ』、そしてパラドクストレインが待つ海域へと走り出したのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!