リプレイ
ベリンダ・パッヘルベル
アドリブ・連携歓迎
墓穴を自ら掘らせて埋めるなんてありがちだけど野蛮だねぇ。
見ていて不愉快だし邪魔をさせてもらうよ。
リターナーたちの救助を妨害されても面白くないから、まずは『雌獅子神群』を抑えておこうか。
【獅子神の炎】に備えてディガーパックと【拠点構築】の技能を使って塹壕と遮蔽物を構築して【地形の利用】しながら重機関銃の【制圧射撃】で敵の行動を妨害するよ。
敵集団には手榴弾を放り込んでおくかなぁ?止まってくれたら良いのだけど…
陣地が壊されそうな場合は、【建物復元】で修復、接近されたら拳銃やナイフで応戦して戦闘続行するよ。
さて、救助が終わるまで持ちこたえる事ができるかねぇ?
イザレトール・サルファンドラ
【仮打ち】
◆意気込み◆
ありえん! 俺たちから世界と歴史を奪っておいてやることがこれだと!? 支配者に成り代わったならせめて自ら治める民を富ませようとは思わないのか!?
◆行動◆
無辜の民を助けなければならないが、そのためにもひとまず、邪魔をしてくる者を倒さねばな。パラドクスで生き埋めにされた人々の方を巻き込まないように敵を攻撃する。
●
千人もの無辜の民草が生き埋めになった砂漠。
そこに突然、復讐者たちは姿をあらわした。
イザレトール・サルファンドラ(亡国の魔道王(自称)・g00926)とベリンダ・パッヘルベル(人間の戦闘工兵・g01536)もその内のひとりであった。
「ありえん! これが支配者のする事か」
イザレトールが目の前の惨状に、砂漠の太陽の下ペリドットのように輝く瞳に怒りを滲ませる。
クロノヴェーダは世界を奪い取った簒奪者だ。
しかし仮にも支配者に成り代わった以上、最低限の矜持は持ち合わせていなければ、支配者足りえない。民を守り富ます事こそ王の務めだと。
だからこそ、赦しがたい。
歴史を、世界を奪ってやることがこれかと。
「キミも皆もやる気満々だねぇ。ボクもそれなりに頑張りますか」
怒りを隠そうともしないイザレトール。それに対してベリンダは皮肉混じりに肩をすくめる。
ちらりと別働隊の復讐者たちが生き埋めになった人々の救出を開始したのを確認し、イザレトールへ視線をうつす。
「墓穴を自分で掘らせてそれを埋めるなんてさ」
クロノヴェーダのやっている事はいわば戦争の準備だ。もともと戦いの役に立たない弱者を効率よく戦力に組み込む。その点において彼らの作戦は合理的であるのだろう。
「戦時中にありがちで、だけど野蛮な話だよね」
どこか自嘲じみた呟きをベリンダはもらす。
そう「こんなの、よくある話さ」と。
では、ベリンダはそれを赦せるのか?
当然、赦せるわけがなかった。
「邪魔をさせてもらうよ。ボクが不愉快だから」
イザレトールとベリンダがうなずき合い、こちらへと殺到する獣神の戦士たちへと対峙する。
2人の後ろで仲間たちが救出作業をしている。
ここを通すわけにはいかないと。
お前たちを赦すつもりはないと。
「ねえ、少しの間時間を稼いでくれないかい?」
「何か策があるのだな。分かった」
ベリンダにイザレトールが快諾の返事をする。
彼は手の魔法の杖を掲げ、詠唱をはじめる。
「熱き砂の下を迸る流れ——」
「我らの歩みを支える流れ——」
「王の名において渇きを癒し、敵を討て!」
詠唱が終わると同時に駆け込んでくる雌獅子神群の足元の砂がズザザッと沈みこむ。
刹那。足元が爆ぜ大きな水柱が噴き上がった。
水柱に巻上げられた雌獅子神群が宙を舞う。
「フハハハッ! まだまだこれからよ!」
イザレトールの顔に獰猛な笑みが浮かぶ。
その声に呼応して空中に噴き出した水が渦を巻いて竜巻へと姿を変え、宙を舞った哀れな犠牲者に襲いかかる。
想定外の事態に周りの雌獅子神群にも近藤が見てとれた。
「やるじゃないか。おかげ様で準備ができたよ」
イザレトールが敵の注意を引きつけている間に、ベリンダの背中の工事用アームはフル稼働していた。
ベリンダの手により近代化改修を施されたアームは、砂をすくい、土嚢袋へまとめ、掘った穴を固め、土嚢を積み上げた。
今、ベリンダの周囲には堅固な塹壕と土嚢の壁を備えた陣地が構築されていた。
「おお、すごいな」
その見事な手際にイザレトールも感嘆する。
混乱から回復した敵をみて。2人は素早く塹壕へと潜り込んだ。
「攻撃を開始するであります!」
塹壕に立て篭もり、ベリンダは重機関銃の掃射を雌獅子神群へと喰らわせる。
反撃の炎を土嚢と塹壕で凌ぎほっと息をつく。
「さて、救助が終わるまで持ちこたえる事ができるかねぇ……」
何しろ救出対象は千人にのぼる。普通にやってはどうしても時間がかかる。
わらわらと陣地によってくる雌獅子神群に顔を向けながら、イザレトールが答える。
「なに、俺たちならば可能だろうさ」
「そうだね。あっちの作業も気になるけど……」
こちらは何とか時間を稼いでみせよう。
後続の仲間の背中は2人に託されたのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
デシェル・サジ
「蘇った者を生き埋めにするなど度し難いですね」
自身もリターナーですので静かに怒りに燃えています
「必ず助けます」
事前に現場の様子・敵の配置を調べ
リターナーが埋められている場所・範囲、
どの方向に逃げれば良いかを探ります。
雌獅子神群との交戦が始まると同時に
現場に突入。
墓穴を掘ってリターナーを救出します。
可能ならば風使いの力で
砂を巻き上げてリターナー達の脱出を支援します。
(味方の不利や何らかの不具合が出ると判断した場合は
使用しません)
誰も取り残さないように
歩けないものが要れば手を貸しますが
マミーが出現した場合は脱出したリターナーを守るために
マミーの足止めを引き受けます。
ここは私に任せて逃げてください
バースィル・アシュラフ
埋まっている彼らを踏みつけないように気を付けつつ移動。
【薙ぎ払い】で埋まっている砂を薙ぎ払い、少しでも出やすいようにする。
ただし、完全ではなく、手が出せる程度。
「足掻け!!まだ終わってはおらぬ!終わりにはさせぬ!」
「会いたい者はいないのか?生きたい者はいないのか?ここで諦めるのか、また生を受けたお前らが!」
声を張り上げ、砂の下の彼らに届くように。
ただ砂をどけて助けるだけでは足りない。彼ら、民自身に生きたいという欲がなければどうしようもない。
同じリターナーとして、生きたいと願ってほしいという祈りにも似た声となるだろう。
「生きよ!!死を望む者を許してはいけぬ!立ち上がれ、死を乗り越えし民達よ!!」
●
イザレトールとベリンダに敵の集団の注意が向かったのを確認して、デシェル・サジ(赤砂地・g03096)とバースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)の2人は行動を開始する。
「行きましょう」
「承知した。委細貴様に任すゆえ良きに計らえ」
迷いなく現場へと駆けつけるデシェルの後にバースィルが続く。デシェルが事前に熱心に状況把握に努めていたのをバースィルは見ていた。
だから民たちの運命をデシェルに委ねる事に不満も不安もあるはずが無い。言い方は尊大だがバースィルはデシェルに全幅の信頼を置いていた。
その信頼に答えるように、デシェルは到着と同時に人々が生き埋めにされた現場を特定し、救出作業を開始する。
砂で埋まった穴を掘り返し、犠牲者を穴から救い出す。そして次の犠牲者の元へ。
一刻でも早くと。
(「一度蘇った者を……なんと度し難い!」)
同じ死の淵から蘇った者として。彼らに降りかかった惨状に、内面では激しい怒りが燃え盛る。
そして自身に誓うのだ。
必ず助けてみせる。
誰ひとり取り残すことなく。
「しかし数が多いな」
砂の大地に構築された塹壕と、荒れ狂う水の竜巻を遠目に見てバースィルが独りごつ。
向こうは上手くやっている。敵がこちらにやってくる心配はないだろう。
しかし懸念は生き埋めにされた人々の息が救出までもつかどうかだ。
救出作業は順調とはいえ、千人の命を救うには圧倒的に時間が足りなかった。
「デシェルよ、我にひとつ考えがある。上手くいくかは分からんが」
バースィルは武器を抜くと、腰を低く落として地面の砂を力強く薙ぎ払った。
ドォンという音と共に、表層の砂が空中に舞い上がる。砂が除けた地面は大きなくぼ地となる。
しかし砂はパラパラと再び地面に落ち、せっかく掘り起こしたくぼ地を埋めてしまう。
「ぬぅ、やはり無謀であったか?」
苦い顔をしたバースィルに、デシェルが慌てた様子で近づいてくる。
「今のをもう一度、お願いします!」
「よかろう。任せておけ」
それ以上尋ねる事なくバースィルはデシェルの申し出を承諾し、再び砂を薙ぎ払った。
「これなら……いけますッ!」
デシェルが手のオーブに魔力を込めると、風が巻き起こり、宙に舞い上がった砂は地面に落ちる事なく飛んでいった。
地面には大きなくぼ地が残っていた。
2人は顔を見合わせて大きくうなずき合う。
「あとひとつ。我らの手助けは不十分で構わん」
「それは一体……?」
先ほどのくぼ地から、いくつかの手がのぞいて見えた。
「足掻け! まだ終わってはおらぬ! 我らが終わりにはさせぬ!」
バースィルの声が響き渡る。
「会いたい者はいないのか? 生きたい者はいないのか? ここで諦めるのか、また生を受けたお前らが!」
砂の下の民へ想いを込めて声を張り上げる。
「生きよ! 死を望む者を許してはいけぬ! 立ち上がれ、死を乗り越えし誇り高き民達よ!!」
その祈りにも似た声に応えるかのように、自らの力で人々は砂の中から這い出してくる。
こんな所で死ねるかと。
ひたすら生きたいという欲が彼らを動かす。
それを見て、デシェルも動く。
必死になって砂の下からバタつかせる弱々しい手を握って引き上げる。
「あ……、ありがとう」
息も絶え絶えの男の肩を支え、同じくその場から脱出をはかろうとしていた者に預ける。
意志と力のある者は自ら立てばよい。
意志はあっても力なき者は、他の者がその手を支えてやればよい。
考え方もやり方も異なる2人の復讐者が互いをフォローし合い、不可能とも思える救出劇を実現可能なものにしようとしていた。
「あとは、真に絶望の淵に堕ちた者に我らが声が届くかどうかか……」
「必ず救ってみせます」
2人の視線の先。
砂から這い出す明らかに異質な気配があった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
デシェル・サジ
アドリブ・連携歓迎
「来ましたか」
はい、マミーにされたリターナー達も救援対象です。
必ず助ける、そう言いましたからね。
彼等の意識に呼びかけクロノヴェーダのみを滅しましょう。
・呼びかけ
聞こえますか
我々はあなた達を助けに来たのです
まだ間に合います
気を強く持って下さい
その深淵に完全に囚われてしまえば
愛する人や守りたい人を
その手にかけることになりましょう
恐怖も絶望も我らが祓います
どうか諦めずに抗って下さい
・戦闘
良く様子を見て仲間と敵の数、位置を確認
取り囲まれないよう気を付けます
>呼びかけた対象のみ攻撃
撃破できそうな対象を狙います
サンドストームで一体ずつ確実に倒します
救助成功した対象は逃げる方角を指示
バースィル・アシュラフ
他の者が呼びかけているな。
ならば、我のすべき事は見守る事よな。
邪魔が入らぬように、恙なく事が進むように。
「王とは、後ろにいる者。ただし我は守られるためではない、その背を護るためである」
呼びかけ中は、呼びかけている者以外からは意識が逸れやすいもの。
背後から狙うような者はマミーならば吹き飛ばすように意識しよう。
説得のためには生きていてもらわねばならぬ…死んだ者を生きているというのは言い得て妙だがな。
もちろん、リターナーがマミーに襲われぬよう、見守る事も忘れぬ。
忙しいが、それが我のなすべきことよ。
「我が民よ、死を経験した同士よ。よく見ておけ。希望は神に宿らず。希望は我らに宿るものぞ」
●
「来ましたか」
デシェル・サジ(赤砂地・g03096)の視線の先には、砂の中から這い出して来る異質な気配をまとう男——マミーの姿があった。
「ウ、ァアア……」
男は目も虚に言葉にならない声をもらす。
男の様子をうかがいながら、デシェルは一歩一歩ゆっくりと近づいていく。
その後ろ姿をバースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は尊大に腕を組み、何もいわずにじっと見ていた。
(「王とは、後ろにいる者よ」)
バースィルのいう後ろにいる者とは、ただ臣下に守られるだけの存在ではない。
前をいく者の背を護り、彼らがすべき事がつつがなく進むよう見守る存在のことだ。
デシェルに気を払いながらも、バースィルは周囲への警戒を弛める事はない。
彼に邪魔が入らぬよう、救出した民たちに危害が及ばぬよう注意を払っているのだ。
「聞こえますか」
男にあと一歩の距離まで近づき、デシェルは声をかける。
男がゆらりとデシェルの前で立ち上がる。
差し向かいになる男とデシェル。
「我々はあなた達を助けに来たのです」
デシェルの言葉に、しかし男は拒絶で答える。
男がデシェルに飛びかかったのだ。
クロノヴェーダの強力な腕力でデシェルが地面に押し倒される。
とっさに男に向かってパラドクスを発動しようとしたバースィルをデシェルが制止する。
「待ってください」
声に含まれるデシェルの覚悟の色にバースィルは腕を組み直し、もつれ合う2人をじっと見守る姿勢をとる。
バースィルが傍観の構えに入ったのを見て取りデシェルは男へと視線を戻す。
(「必ず助ける、そう言いましたからね」)
この惨劇に関わる全ての人を助けてみせると。
当然、クロノヴェーダになりかけているような者であってもだ。
それに勝算はあるように思えた。
「まだ間に合います。気を強く持って下さい」
つかみかかる男の両手をこちらも両手で押し返しながら、デシェルは静かに語りかける。
男はデシェルに襲いかかってきたが、パラドクスは使用していなかった。
デシェルにはそれが男がクロノヴェーダに未だに抗い続けている証拠にみえた。
——だからこそ!
「その深淵に完全に囚われてしまえば、やがてはあなたの大切な人を、今のあなたと同じ目に合わせてしまうことになる」
デシェルの言葉に男の動きが止まる。
「あなたがクロノヴェーダになれば、愛する人や守りたい人を、あなた自身がその手にかけることになるでしょう」
目の前の男にそんな残酷な未来を迎えて欲しくはないのだ。
「ゥゥウ……ウワァあああ……いやだッ!」
男の口から意味のある言葉がとび出る。
それは恐怖と絶望を必死に拒絶する言葉。
「よくぞ申した! その抗う意志に希望は生まれよう。あとは我らに任せよ!」
「あなたが抗い続けるのならば、恐怖も絶望も我らが祓います」
バースィルとデシェルには男の身体から引き剥がされようとしている気配がわかった。
そこからの動きは一瞬であった。
デシェルが男の周りに砂嵐を発生させて気配を切り裂き、すでに接近していたバースィルがパラドクスで強化した拳でそれを殴りつける。
あっという間の早業でクロノヴェーダの気配は消滅していた。
「あ……ありがとう。もう少しで俺は……」
ぽろぽろと涙を流し嗚咽する男を支え、デシェルはほっと息をつく。
バースィルはすぐに周りに他にマミーがいない事を確かめると、周囲の民たちへと向きなおり、尊大に笑ってから口を開く。
「我が民よ、死を経験した同士たちよ。今みたとおりだ。希望は神に宿らず。希望は我らに宿るものぞ!」
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【土壌改良】がLV2になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
黒石段・清綱
なんと酷い。刻逆の者達は、どのような世界でも
破壊と略奪以外の事をしないのか。
■闘
おれらしか狙わないのは、都合がいいな。
先ずは敵群の動きを【観察】し、敵の特徴を確り覚える。
近づかれたら剣を持った腕を【グラップル】で掴んで動きを
阻害して振り払い、其の身体を踏み台にし【ジャンプ】。
同時に【エアライド】を1回使用し、高度を少し上げよう。
上を取ったら、一気に行くぞ。
『密集している2体』に狙いを定め、中距離から【破軍衝】で
【衝撃波】を放ち、頭部に強力な一撃を叩き込むのだ。
着地の際は足に【念動力】を込めて衝撃を緩和。
これを繰り返し、敵を減らすのだ。
奪われたものたちの『悲憤』を知るがいい。
※アドリブ・連携歓迎
●
「ここで敵に増援……流石に厳しいね」
「とはいえ、やるしかあるまい」
陣地に立てこもり、敵を迎撃するベリンダとイザレトールの視線の向こうに、こちらへと近づいてくる新手の雌獅子神群たちが見えていた。
ここまで状況的には悪くはなかったが、あの増援が到着すればどうなることか。
「せめてこっちにも援軍が……」
「ん、呼んだか?」
突然の2人の後ろからの声がした。振り返るとそこには背の高いフード付きのコートを羽織った偉丈夫が立っていた。
「おれは黒石段清綱。新参者の身だが、どうぞよしなに」
そう黒石段・清綱(誠探り博拳・g02457)は驚く2人に声をかける。
「しかし酷い。刻逆の者たちは、どのような世界でも破壊と略奪以外の事をしないのか……」
清綱の瞳はどこか遠くを映しているようであったが、それは一瞬ですぐに2人に向き直った。
「ヤツらはおれに任せてくれ」
そう言うや、清綱は増援の雌獅子神群へと駆け出していく。
砂漠の深い砂に足を取られる事なくどんどんと加速するとその勢いのまま敵軍へと突入する。
「なにッ!?」
とっさに剣を振り下ろしたきた相手の腕を逆につかみ、流れるようにその体幹を崩す。
前屈みになった敵の背に足の裏を踏みおろすと、一気にそれを踏み抜いて上へと躍り出る。
敵を踏み台に跳躍した清綱は、さらに足元の空気を勢いよく蹴り上げる。
そして敵全軍が見渡せる高さに昇ってみせた。
上空から冷静に獲物を見定め、拳にためた衝撃波を放つ。
2つに分かれた衝撃波は清綱の狙い通りに敵の頭部を撃ち抜き、倒れた敵は動かなくなる。
きれいに地面に着地する清綱。しかし着地の衝撃で清綱を中心に大きく砂埃が舞う。
「奪われたものたちの『悲憤』を知るがいい」
殺到する敵に清綱は静かに告げた。
「これで全部か」
清綱の足元には動かなくなった雌獅子神群たちが転がっていた。
仲間の陣地に目をやればそちらの戦いも決着がついたようで、雌獅子神群たちの姿は見えない。
「残るは——」
遠くにあった大きく邪悪な気配がゆっくりと近づいてきているのを清綱は感じとった。
大成功🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
神田川・憐音
先行した二人凄っ。って感心してる場合じゃないでしょ
ヤバめの気配を感じるんでリターナーの救出を継続しつつ
マミーがいつ出てきても良いように気張っとくね
マミーが実際出てきたら「美味三昧砲」ぶっ放し応戦しながら
死の恐怖なんざあたしの料理でブッ飛ばす
「あたしの皿を喰え! そして思いだせ! 家族で喰ったメシの味を!嫁と子供の笑顔を!」
【口福の伝道者】で複製した料理をマミーにもリターナーにも食わせる勢い
ただエジプト料理って何だろ、ケバブとか?
【士気高揚】もあるし死の恐怖とか振り切らせるよ
「沈んだモン(感情)アガったら死とかにビビってる暇ないでしょ! 生きて家族に会いに行け!」
他の復讐者と連携出来たらしとく
●
「みんな急いでっ! もー、何やってんのさ、はい、手をかしたげる、いいよいいよ、お礼なんて、そうだ、あたしの料理食ってきなよ」
生き埋めにされた無辜の民を救うべく、四千年以上の時を遡り、この砂漠の地を訪れた神田川・憐音(天地を揺さぶる情動・g02680)は、ひたすら助けた人々としゃべくり倒していた。
とはいえ、救出作業はしっかりと続けながらであるが。
(「悲しい顔してもサガるだけでいい事ないし。やっぱこういうときこそアゲてかないとね」)
凄惨な現場とはいえ、しおらしい態度は性に合わない。苦しい時や辛い時ほど憐音は明るく笑ってみせるのだ。実際、彼女の明るさに触れて生気を取り戻した人々も多かった。
「とはいえ、周りからヤバイ気配も感じるし。ここの人たちが襲われたりしちゃ大変だもんね」
周囲に気を配りながら警戒は強める。
と、少し遠くに異質な気配を憐音は感じた。
「これって……」
その気配の元にマミーがいるのだろう。
しかしこちらへと向かってくる様子もない。
「どうしよう……」
マミーを放っておく訳にはいかないが、ここで救出作業を続けなければ助かる人も助からない。
「ちょっといいかい?」
思い悩む憐音に声をかけたのは同じ復讐者のベリンダだった。
「マミーがあっちにいるっぽいんだけどさ……」
憐音が気配のする方を指さす。ベリンダに事の次第を説明して「お願い」と頭を下げる。
「あたしはここの人たちを放っていくわけにはいかないからさ。マミーを救ってきてくんない?」
マミーになったのは家族と死に別れた人だっていうし。色々あって気分もサガってサイアクだろうし。だったら美味いご飯食べさせて元気づけてあげたいと本気で思っている。
「初めからボクはそのつもりさ。ここはキミに任せたよ。ひとり残らず助けてやってほしい」
ベリンダ返事に憐音はほっとして、すぐに明るい顔で大きくうなずく。
「本当なら料理があればいいんだけど。でもエジプト料理ってなんだろう? ケバブとか?」
ベリンダは「なぜ料理?」「ケバブはトルコ料理だよ」と頭によぎったが、口にはせずにマミーのいる方へと去っていく。
「さあ、あたしもアガッてきたし。復讐者みんなでここの人全員救ってみせるよ」
みんなでやれば絶対に上手くいくはずと。
憐音は元気よく救出作業を再開した。
成功🔵🔵🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
ベリンダ・パッヘルベル
アドリブ・連携歓迎
ふう、こんなものかな?応援も来てくれたようだし『雌獅子神群』への対応はこれで十分だよねぇ。
お次は『マミー兵団』…いや、リターナー達を助けないとね。
恐怖に支配されているそうだからまずは希望を取り戻す事から始めようか。
丁度【士気高揚】の残留効果を残してくれているからリターナー達を励ましながら説得するよ。
「皆、必ず助けるから諦めるな!難しい事は言わない、少しの間だけで良い家族・恋人・友人の事や大切な思い出を思い浮かべるんだ!」
覚醒したばかりならまだ大した事は出来ないよねぇ、一気に接近してディガーパックのアームやナイフでクロノヴェーダの部分を切りなしてあげるよ。
●
「どうやら彼が探し人みたいだね」
マミーの気配をたどっていたベリンダ・パッヘルベル(人間の戦闘工兵・g01536)がふらふらと彷徨うように歩く男を見つけ足を止める。
男の顔に生気はなく、視線も定かではない。
「ゥゥウ……ァアア」
口から漏れるうめき声には、何かにおびえるような色が濃く混じっている。
ベリンダは男への距離をはかるとブーツから慣れた手つきで隠しナイフを抜く。
そして男へ向かって真剣な顔で呼びかける。
「必ず助けるからあきらめるな!」
ベリンダの言葉に男が顔をこちらに向ける。
「難しい事は言わない」
ザッと一歩男へと足を踏み出す。
対峙する2人の間を砂を含む風が吹き抜ける。
「大切な人の事を頭に思い浮かべるんだ」
「ゥゥウ……ガァアアッ!!」
「家族・恋人・友人、きっといたはずだッ! まだ覚えているのなら、それは決して忘れてはいけないんだっ!!」
そう、クロノヴェーダに何もかも、家族も故郷も記憶も、全てを奪われてしまう前に——。
ベリンダの悲痛な想いがパラドクスによって、絶望の淵に沈んだ男の魂へと届く。
そして苦しそうにうずくまる男の一部から、引き剥がされそうになっている気配がみえた。
それをみとめ、ベリンダが男へと駆け寄る。
ザザザッと素早く距離を詰める。
相手の死角からのナイフの一撃。
狙うは大きく揺らぐ邪悪な気配の中心。
——ザシュッ。
閃いたナイフの刃が邪悪な気配を断ち切る。
「ふう、今回は上手くいってよかったよ」
確かな手応えと気配が消滅した事を確認して、ベリンダが苦笑する。
「必ず助けるとか啖呵を切って。失敗したら格好悪いどころじゃなかったからね」
こうして千人に及ぶリターナーたちの生命は、たったの一人も犠牲になる事なく、復讐者たちの手により救いだされた。
これは、歴史侵略者の企みを完膚なきまでに復讐者が叩き潰した事に他ならなかった。
成功🔵🔵🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
●
「雌獅子神群どもは全滅。リターナーどもの覚醒はならず、全員どこぞへと逃げていったか……」
アヴァタール級クロノヴェーダ『ウェプワウェト』は状況を確認し、座っていた椅子から静かに腰をあげた。
「雌獅子神群どもがいくら死のうが、リターナーどもが逃げ出そうが、それはどうだって良いのだ」
当たり前の事を当たり前に述べるように、ウェプワェトは言った。
「問題はヤツらの存在よ。どこからともなく現れ、我らを討ち滅ぼす力を持つ……」
ウェプワウェトにとっての懸念事項は最初から彼らだけであった。だからこそ全ての手駒を差し向けてその力の程を試したのだ。
「確かにそれなりの実力はありそうだな。しかし問題はなかろう」
そして彼らの実力は見定めた。
「久しく忘れていたな。この血の高揚を」
栄えあるエンネアドの一柱として。
このウェプワウェトが息の根を止めてやろう。
アズ・ライト
お前がここのボス格か
お前を倒せば、ここは一度安心だな
さぁ、私たちが来たからには、ここからさっさと出ていってもらおうか
一歩ずつでも、私たちの歴史を奪還する!
私は魔岩砲で攻撃だ! 魔力の翼に魔法陣を描き、砂漠の砂を集めて砲弾へ
砂漠なら、弾はいくらでもあるからな!
神罰上等。お前の神に罰せられようと、私は私の信じる神がいる。その神罰に比べたら、これくらい屁でもないな!
強がりでも意地でも、ここで折れるわけには行かない!
たとえ私の一撃が届かなくても、お前に撃ち込んだ【ロストエナジー】は、仲間が来るほどにお前を蝕む!
私たちが諦めない限り、お前に明日はないぞ!
●
砂の地平にゆっくりと太陽が沈んでいく。
昼間の強い日差しは鳴りを潜め、空気中の熱も引いて、うっすらと寒気を感じる。
しかし、その寒気はアズ・ライト(悪食・g00065)たちにとって、ただの自然現象だけが原因とは思えなかった。
地平線に沈む太陽を背に。
急ぐ事なくこちらへと近づいてくる影。
黒狼の頭をもつクロノヴェーダ。
彼の放つプレッシャーが色を失った砂漠へと広がっていくようでもあった。
「あれが、ここのボス格か……」
肌を刺すプレッシャーに気圧されないよう。アズはゴクリと唾をのみこむ。
「私たちが来たからには、アンタらにはここからさっさと出ていってもらおうか!」
——神罰上等!
——ここから、私たちの歴史を奪還する!
アズの覚悟をうけ、彼女の背中の翼が大きく広がり強い光を放つ。
彼女を中心に透き通った白い光が色を失った砂漠を染めなおす。
広げた両翼に複数の魔法陣が浮かび上がる。
魔力の影響を受けて、アズの足元の砂が音もなく宙に浮かび、魔法陣へと吸い込まれいく。
「喰らえっ!」
魔法陣から次々と岩石の砲弾が飛び出し、ゆっくりと歩み寄るウェプワウェトに向けて着弾。
轟音と砂埃がその進軍を阻む。
「……ッ!?」
足を止めたウェプワウェトにアズが不敵な笑みをみせる。
「弾切れを待ってるのか? そんなものある訳無いだろ!」
弾丸は周囲に沢山あるのだ。アズの魔力の続く限りこの砲撃は尽きる事はない。
「たとえアンタに攻撃が届かなくても、私は撃ち続けてみせるさ!」
たとえ強がりでも意地でも、アズはここで折れるわけにはいかないのだ。
「私たちが諦めない限りお前に明日はないぞ!」
あとに続く仲間たちを信じて。
決死の砲撃音が戦場に鳴り響いた。
成功🔵🔵🔴
効果1【土壌改良】がLV3になった!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
ベリンダ・パッヘルベル
アドリブ・連携歓迎
さて色々非道を働いてくれたようだけどこれで最後だねぇ。
やる事やったのだから報いは受けて貰おうかな。
まずはディガーパックで塹壕を掘って簡易な防御拠点を【拠点構築】して衝撃や青い炎を遮蔽物でやり過ごせるようにしておくよ。
場合によっては他の人も【地形の利用】して戦えるように少し広めが良いよね。
拠点ができたら重機関銃を据え付けて、可能なら味方の攻撃を待ってから戦闘開始だ。
初手で対戦車砲を撃ちこんで機先を制してから機関銃で【制圧射撃】して敵の動きを阻害する事に注力しよう。
空を駆ける黒い狼に対しては、機関銃やショットガンで迎撃だ。
防御を固めたボクが敵の気を引いておけば後続も楽になるよね。
●
岩の砲撃の雨が降り注ぎ、ウェプワウェトはその歩みを止めた。
アズが作り出した貴重な時間。
ベリンダ・パッヘルベル(人間の戦闘工兵・g01536)がそれを無駄にすることなどあり得ない話だった。
薄暗い砂漠の戦場。次第におぼつかなくなる足元を注視して、ベリンダは背中の工事用アームを操作して、ひたすら砂を掘る事に没頭する。
(「まさか、四千年以上前にタイムスリップしてまで穴を掘る事になるとは、ね」)
新宿島にたどり着く前のおぼろげな記憶の自分と今の自分を重ねてベリンダは苦笑する。
ただし、以前の『穴掘り』と、今の『穴掘り』が彼女には同じものとは思えなかった。
「今のボクにできる最高の仕事をしてみせるっ」
瞬く間に構築される見事な塹壕と防壁。
それが完成したのは、ウェプワウェトがベリンダたちに向けて黒狼の群れをけしかけるのと同時であった。
岩石の砲撃の隙間を縫って疾走する黒狼。
「敵軍接近、迎撃を開始するであります!」
機関銃の掃射で黒狼を仕留める。
それでも接近し防壁を越えようとする敵をナイフで切り裂き、こちらの被害を最小限に留めようと、ベリンダはもがく。
(「こうやって泥臭い戦いをしてると、どうしても昔を思い出しちゃうよ……」)
それでも昔とは違うと、彼女は断言できた。
「これは……どういう事だ?
最終的に復讐者たちが被った損害はウェプワウェトの想定した半分程度。
信じられない情景に、ウェプワウェトの表情にはじめて戸惑いの色が浮かぶ。
今まで重ね連ねてきたベリンダたちの想い(パラドクス)がここに完成し、神(エンネアド)の予想をはるかに上回った。
今のベリンダは1人ではない。
この戦いは昔のような勝利の見えない絶望的な戦いでは決してないのだ。
「やる事やったのだから、報いは受けて貰おうかなっ!」
神を狙うベリンダの対戦車砲の砲口が砂漠の薄闇に煌めきを放った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV5になった!
黒石段・清綱
成る程。キミは最初からおれらだけを狙っていたか。
そのために多くの者を捨てゴマにするとは、度し難し、
許し難し。彼等に変わりて『報復』を与えよう。
■闘
相手の攻撃は咆哮、となると放つ前に『息を整える』かもな。
敵の動きをよく【観察】し、一瞬でも呼吸を整える仕草か、
口を大きく開く瞬間を見逃さないよう注視。
それらしき動きを見せたら【愚昧なる勇士】の如く姿が見えなく
なるほどの高さまで【ジャンプ】し、退避するぞ。
そこから身体を大回転させ、敵の脳天めがけて【気絶】しかねない
強力な蹴りを繰り出し、大ダメージを狙う。
必要な時は【エアライド】を使用し、着地位置を調整しようか。
※アドリブ歓迎・不採用可
●
「これだけ粘るとは……どういう事だ!?」
ウェプワウェトが愚痴にも似た呟きを漏らす。
彼が見定めた侵入者たちの実力では既に彼の勝利で決着はついているはずだった。
ここまでにウェプワウェトが負ったダメージも小さくはない。目の前の侵入者たちと同様に、大きく肩で息をつかねばならなかった。
復讐者とウェプワウェトの戦いは、ウェプワウェトの想定していた筋書きとは大きく異なる様相をていしていた。
「捨てゴマまで用意していたのだろう。今のキミは随分と滑稽ではないか?」
黒石段・清綱(誠探り博拳・g02457)が、苛立ちを隠せないウェプワウェトの姿に率直な感想をもらす。
その淡々とした物言いは、ウェプワウェトの神経をむしろ苛立たせる。
「……ッ、何が言いたいッ!?」
「——度し難し、そして許し難し」
何を、とウェプワウェトが応答するよりも早く清綱は動きだす。とっさに迎撃しようとウェプワウェトが大きく息を吸う。
(「狙い通りだ。これより彼らにかわり『報復』を執り行おう」)
清綱の狙いはタイミングを合わせウェプワウェトの放つ衝撃波をジャンプでかわす事にある。
早いタイミングで跳躍すれば狙いを上に変えられてしまう。逆に遅ければ回避が間に合わない。
至近距離から音速を超えて届く衝撃波をいなすには冷静な判断と超人じみた反応が必要なのだ。
(「今だッ!」)
清綱が跳躍するのとウェプワウェトが衝撃波を放つのはほぼ同時。清綱の理想通りのタイミングで跳んで見せた。
——しかし。
衝撃の余波がダメージの蓄積した清綱の身体へと叩き込まれる。直撃は回避した。普通ならばそれでも奇跡的な芸当なのだ。
(「自身のダメージによる影響を計算に入れ忘れたか。俺もまだまだだ」)
とはいえ、清綱はふらつく身体を空中を蹴り上げる事で見事に立て直してみせる。
はるか高み、超高度まで飛翔し、砂の大地を見下ろす。
「覚えておけ。何時如何なる時代であろうとも、世を救うのは『うつけ者』なのだ」
清綱がコマのように回転しながら落下する。
はるか上空からの狂気の大回転蹴りだ。天から地へと霹靂の如く標的へと炸裂する。
——ドゴオォォォッ!
大きくふき飛び、砂の上をごろごろと転がるウェプワウェト。
「刻逆の者よ。これが俺たちの『報復』だ」
清綱の漆黒の瞳にウェプワウェトはゾクリと身を震わせた。
成功🔵🔵🔴
効果1【落下耐性】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
デシェル・サジ
アドリブ・連携歓迎
監督官ウェプワウェト…
味方の援護を受けながら正面から参りましょう
「残るはあなただけです」
様子を見ていたようですね…いかがでしたか?
私は手負いですが侮らない方が賢明ですよ
(ネメシス化・目が輝き、赤いオーラをまといます)
ウェプワウェトに対して
デモニックボムを一斉に飛ばして
目くらまし(【命中アップ】)を行います。
後続の仲間が攻撃しやすくなるように、
ウェプワウェトの注意を引き、
挑発的な態度を取りますが
効果が薄いもしくは全体の不利になると判断した場合は行いません。
敵の様子を良く見て弱点等がわかれば共有します
挑発する際に気になる単語や次の大規模作戦等の
情報が聞き出せたら記憶しておきます
バースィル・アシュラフ
「王たる我を認識するのは当然の事だが…そうか、雌獅子神群は貴様の民ではなかったのか。貴様についてきてくれる者を、貴様はそう認識しないのだな」
自分以外はどうでもいいという傲慢は神の器に非ず。
手負いであり、王であるゆえ、後ろからの攻撃とはなるが…その分、死力を尽くそうぞ。
民であるリターナーは生きるために足掻いたのだ、王たる我がその助けに手を抜くなどありえん。
ネメシス化し、ウェプワウェトに隙が出来るか、仲間に危険が迫った場合に【王墓の怒り】を発動しよう。
何、いくら偽神といえど墓は必要であろう?
感謝の念はいらぬ…ただただ、朽ちよ。滅びよ。
「民持たぬ哀れな偽神よ…永劫の眠りへ誘われるが良い」
アズ・ライト
はっ!絶対、続いてくれるって信じてたぜ!
まさか、塹壕掘ってるとはな。まだまだ、私じゃ思いつかなかった戦法がいっぱいだ
ベリンダの用意してくれたこの防壁と塹壕、私も利用させてもらうぞ!
敵の攻撃は塹壕と防壁でかいくぐり、狙いを定める!
さぁ、この舞台もフィナーレといこうか!
イマジナリキャノンを発動し、幻想に願うのは、かつてここにいた復讐者。無かったことにされた人たち
力を貸してくれるか? 先輩たち。一緒に、一矢報いてやろうぜ!
さぁ、砲撃開始だ! ファイアッ!
神様が死んだらどうなるか知らないが、うちの神様と会ったらよろしく言っといてくれ
必ず、奪還してみせるってな!
●
地に這いつくばったウェプワウェトがグッと地面の砂を握りしめる。
その指は屈辱に震えていた。
「何故だッ……何故こうなったッ!?」
すでに太陽は地平に落ちた暗闇の中にウェプワウェトの叫びがうつろに響く。
「あなたは、私たちを侮りすぎました」
デシェル・サジ(赤砂地・g03096)の姿が暗闇から浮きあがる。異様なまでに爛爛と輝く紅の瞳と闇に溶け込むように全身を覆う赤いオーラが異質さを際立たせている。
「最初に忠告したはずです。手負いだからと侮らない方が賢明ですよ、と」
「貴様の傲慢が招いたことよ。自分以外を見下した挙句、民を容易く見放し、我らの力も見誤る」
バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)がウェプワウェトを一瞥し、当然の道理だとばかりの冷たい目を向ける。
「お前たち……力を隠していたなっ!」
ウェプワウェトにとって誤算だった点のひとつがデシェルとバースィルの底力だった。
2人の実力はネメシス形態になった事で底上げされていた。
「そうだとして、何だというのだ。民たちが死ぬもの狂いで足掻いておるのだぞ?」
リターナーたちの生き足掻く姿はこの目で見せてもらった。バースィルにとって彼らは既に誇り高き己が民たちなのだ。
「王たる我が、その助けに死ぬもの狂いにならぬ道理なぞない。貴様にはそれが分からぬのか」
目の前の神(エンネアド)を名乗る愚物にバースィルは大きくため息をつく。
「いったよな? 私たちが諦めない限りお前に明日はないんだよ。さぁ、この舞台もフィナーレといこうか!」
アズ・ライト(悪食・g00065)が攻撃の体勢に入ったの見て、慌ててウェプワウェトはそれに反撃すべく、アズへと黒狼をけしかける。
「やはりお前の攻撃は軽い! 私たちが連ねてきたモノはそんなに軽くないんだよっ!」
ベリンダが築いてくれた陣地を有効に使って、襲いくる黒狼をアズは余裕の顔で凌いでみせる。
「私がたくしたものを仲間は繋いでくれた。それをまた私が繋いでみせる! それが私たちの逆説連鎖戦(チェインパラドクス)だっ!!」
アズの翼が大きく開き夜の闇を明るく照らす。
「お願いだ、力を貸してくれ! 歴史とともに散っていった先輩たちよ!」
アズの祈りに応えるように。光輝くかつての英雄たちの幻影が塹壕へと列をなして集結する。
「一緒に一矢報いてやろうぜ!」
英雄たちが一斉に構え、標的へ狙いをつける。
「さぁ、砲撃開始だ! ファイアッ!!」
天地を揺るがす一斉砲火。
その砲火の中心でウェプワウェトが上げる叫びが重なる爆音に塗りつぶされる。
「あなたを助ける者は全てあなたが切り捨てた。残りはあなた1人です」
デシェルがそう冷たく告げると、幾つものコウモリ型の爆弾を、砲撃鳴り止まぬ砂煙の中へと、次々と放り込んでいく。
連鎖する爆発。周囲を昼間のように照らす爆炎が生じて、その爆心地であるウェプワウェトの居る場所に大きな穴が生じた。
そう、まるで墓穴のような大穴が——。
「偽りの神(エンネアド)よ。これは貴様への手向けよ」
バースィルが天へと片手を掲げる。
「我が怒りの唸りを、我が嘆きの怨嗟を元に、顕現せよ。 櫃罰の化身よ!!」
バースィルの言葉に応え、ウェプワウェトの頭上にピラミッドが出現する。
もはやダメージで身体を動かすことさえもできずウェプワウェトは大きく目を見開く。
「偽りの神といえども墓は必要だろう? なに、礼には及ばぬ……ただただ朽ちよ、滅びよ」
声にならない叫びを上げたウェプワウェトの頭上にピラミッドが落下する。
ドシンと地面が揺れ、ウェプワウェトを暗い砂中へと葬り去る。
「なあ、神様が死んだらどうなるか知らないが、うちの神様と会ったらよろしく言っといてくれ」
アズが冗談混じりにニヤリと笑う。
「必ず、奪還してみせるってな!」
「民持たぬ哀れな偽神(エンネアド)よ……永劫の眠りへ誘われるが良い」
「終わりましたね。私たちの勝利です」
こうして復讐者(ディアボロス)たちにより砂塵に埋もれたリターナーたちは無事救出された。
一方で傲慢な神(エンネアド)が砂塵の中に埋もれるように葬り去られた。
因果応報、何とも皮肉な結末であった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【トラップ生成】がLV3になった!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV6になった!
【先行率アップ】LV1が発生!