赤く染まる水面(作者 凪未宇)
#火刑戦旗ラ・ピュセル
#ソーヌ川北西地域強襲作戦
#多方面同時攻略作戦
#リヨン
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攻略旅団の方針により、火刑戦旗ラ・ピュセルの重要拠点である『リヨン』に対する強襲作戦を実行することになった。
「だけど、今すぐリヨンに攻め込むのは無理なのです」
蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)はスケッチブックに簡単にリヨンを描くと、ほぼ真ん中に東西を分けるようソーヌ川を描いた。
「まずはここリョン北西部、ソーヌ川の上流を制圧するのです」
今であればこの地のキマイラウィッチはディジョン奪還に向かっていて護りが手薄だという。
「今、手薄になってる北部にはリヨンからボク達の接近を警戒した巡回部隊が出されているので、それを撃破するのです」
当然だが、相手は警戒しているので充分に身を隠し索敵しないと逆にこちらが見つけられてしまう。
「敵に先手を取られると不利になるので、先に捕捉し有利な戦いに持ち込むといいのです」
巡回している相手の性格や動きなどを観察し、工夫してみて欲しい。
リヨンが、多数のジェネラル級キマイラウィッチが居る重要拠点であるのは間違いないので、この機を逃さず戦力を削りたいところだ。
このリヨンを攻略する事が出来れば、火刑戦旗ラ・ピュセルの奪還に大きく近づくはずだ。
「火刑戦旗ラ・ピュセルのディヴィジョンは、領域が小さいから、ジャンヌ・ダルクも状況に合わせて拠点を移動している可能性もあるのです」
もしかすると以前、断片王はリヨンにいないという情報もあったが、時間が経っている今は分からないと可能性を付け足し、珠萌はスケッチブックを閉じた。
グランダルメを失い亡霊のように『どたま割り人形』が川岸を彷徨う。
元々どこか壊れているかのような様子であったが、今は更に悪化してるようだ。
軋んだ音を立てゆらゆらと身体を揺らし、近付く足音全てにサーベルを振り上げ、間違われた住民が蒼白な顔色で逃げていく。
――許サナイ、許サナイ。
呪のように復讐を口にし、川に沿って北へと人形は進む。
「ふふっ、可哀想なお人形ね。あなたに血が通っていたら私が慰めてあげたのに」
豊かな胸を惜しげなく見せつけ、並走するよう川を泳ぐ『オクトパス・ウィッチ』が微笑をこぼす。
だが人形は反応を返すことなく、虚ろに進むだけ。
「まぁ、いいわ。ディアボロスを見つけたら呼んでちょうだい、私はここにいるから」
妖艶な笑みで人形に形だけの口付けをし、ウィッチは川の中へと消えていった。
リプレイ
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
【光学迷彩】を常時纏い、隠れながら遠距離からの敵の視認を狙う。
もし【完全視界】の残留効果を借りられるなら拝借する。
ソーヌ川、流石に現代の地図は当てにならんな、整備され過ぎてる。
なのでまずは現地で建物や森林などと言った隠れる為の遮蔽物を探そう。
ソーヌ川からは距離をとり、川沿いを双眼鏡等で確認しつつ移動する。
向こうは隠れる気が無い、ってのが救いだな。
ついでに姿も行動も特徴的と来ている。
・常時隠れ続ける
・広く見渡す
これを辛抱強く続ければ、こっちの方が分がありそうだ。
見つけたら音の出ない符丁で連絡。【パラドクス通信】があればそれを使う。で、一旦は隠れたまま仲間と合流し襲撃地点を見繕うとしよう。
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
たゆんの気配を察知して参上したぜ。
わざわざ警戒して少ない戦力を小出しにしてくれるんだからありがたい限りだ。
悪魔装甲を身に纏ってるうえに武器のことも考えると音出さずに動き回るのはかなり大変なんで待ち伏せに徹するぜ。
【光学迷彩】をかりつつ【完全視界】も用意させてもらったんでこれなら余程のことがない限り先に捕捉できるだろう。
出来ることなら建造物の上とか陣取って川の中にも居ないか観測したいところだが、無さそうなら姿が隠せるぐらいのちゃんとした遮蔽物を見つけてそこで巡回部隊がくるのを待つぜ。
そもそも探す目標の行動範囲が大まかわかるならこっちが無理して探しに行く必要もないからな。
捕捉し仲間の合図を確認したら仕掛ける。
ぱっと見トループス級しか見当たらない上にたゆんが見当たらないときた。
さっさと片付けてたゆんの登場に備えるとするか!
●怨みに染まる人形
ソーヌ川に沿って、復讐に取りつかれた人形が亡霊のように突き進む。
王を失った復讐を身体に刻み、ゆらゆらと覚束ない足取りで『どたま割り人形』が移動していく。
ブツブツと小声で怨みごとを呪詛のように吐き出し、巡回をしているわりにどたま割り人形共の周囲への警戒はお粗末なようだ。
――許サナイ、許サナイ。
不気味な行進は、住民達を怖がらせざわつかせるので、その位置は直ぐに見つかった。
魔女化している影響なのか、それとも本当に壊れていたのか。不用意に近づいた人にもサーベルを振り上げ、見るからに不気味で危険だ。
「向こうは隠れる気が無い、ってのが救いだな。ついでに姿も行動も特徴的と来ている」
ザッザッザッザッ……。
どたま割り人形の身体は左右に揺れ不安定だが、その足並みは揃っており、綺麗な二列縦隊の隊列を作り突き進んでおり、より不気味だ。
流石に現代の地図は当てにならんしなと、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は、川から少し離れた建物の物影から光学迷彩を使いながら双眼鏡を覗き辺りを見回す。
「わざわざ警戒して、少ない戦力を小出しにしてくれるんだからありがたい限りだ」
たゆんの気配を察知して参上したぜと、駆け付けたアッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)も慎重に完全視界を使いながら人形共が近づいてくるであろう上流の川沿いの建物の屋根の上で身体を低くし待ち伏せる。
全身を覆う〈悪魔装甲〉やアッシュの武装を思うと、音を立てないよう近づくのは難しいと判断したのだ。
無理に近づけば、どんなに足音を潜めていたとしても、余計な音をたて相手に気づかせてしまうかもしれない。
程なくして、怨念めいた姿で蠢くどたま割り人形の巡回部隊はすぐに補足でき、サンダーとアッシュは攻撃を仕掛けやすい場所を探す。
念のため川の中にも居ないだろうかとアッシュが、視線を移してみるが今は怪しい影は見えない。
恐らく『オクトパス・ウィッチ』は川の中にいるはずだが、さすがに川に近づかないと水中の様子までは見えなさそうだ。
逆に水中からも浮上しない限り、地上の様子は直ぐには分からないはず。
「ふむ。ぱっと見、トループス級しか見当たらない上にたゆんが見当たらないときた。ここは、さっさと片付けてたゆんの登場に備えるとするか!」
敵に気付かれないよう、小さなライトで光で仲間に合図を送り。
仕掛けるとしたら、こちらの都合の良さそうな場所に差し掛かるまで待つのもいいだろう。このまま身を隠し、移動しても問題なさそうだ。
だとすれば、ソーヌ川にかかる橋のある開けたあたりか。
多少建物が近くなるが、街に引き込み少し外れた広場辺りにするなど。
それとも、このまま建物の影から襲撃するか。
相手が予定居通り巡回してくれていて読みやすくて助かったと、サンダーとアッシュはタイミングを窺うのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
【完全視界】サンキューなシレスティアル。ああん?たゆんの気配だあ?
じゃあお目当てが出てくるまではあたしのでも見ときな。
自分で言うのも何だが、このサイボーグボディはなかなかのもんだぞ。
引き続き【光学迷彩】で隠れつつ、決戦の場所へ。折角場所が選べるなら開けた場所に一票。街からはどちらかと言えば遠ざけたいかな。だが多数派に従う事にしよう。
決戦すると決めた場所に近づくまで徹底して隠れて待機し、十分な位置にまでやってきたらパラドクスでご挨拶だ。
「許さないってか。そんじゃあ存分にかかって来い。恨みを晴らす人生最期のチャンスだぜ。」
そのどたま割り器であたしのサイボーグボディを果たしてぶち割れるか、試してみるがいい。
逃げるような知性はなさそうだが、一応仲間と包囲する位置取りに立つ。
戦力を削るのが目的である以上、わざわざ逃がしてやる理由はない。
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
わざわざ纏って動いてくれてるなら余計な手間がかからなくて済みそうだ。
サクッと片付けて指揮官に備えるぜ。
「纏めて雷の餌食だぜ!」
団体が通り過ぎるのを待って後方から【光学迷彩】を解除しつつ姿を現す。
手にした双刃ヴァルディールにパラドクスによって生成さらた雷を纏わせて、近くの個体狙いで雷撃を飛ばして先制攻撃を仕掛ける。
「さぉ、後先考えずにどやどん突っ込んできやがれ!」
仲間とある程度狙いを合わせつつ、目の前の相手から一体でも多くの敵に雷撃を連鎖させて手負いの個体を増やすよう狙って相手からのヘイトを集め、仲間が動きやすいように立ち回る。
「いかにも壊れかけみたいな挙動だが、体の心配は…するわけないよな。」
相手の攻撃は回避を試みつつ、無理なら装備越しに受け止め、可能であれば双刃ヴァルディールによるパラドクスの斬撃で反撃する。
●壊れた人形
不気味だが何かに導かれているかのように、規則正しく『どたま割り人形』は侵攻していく。
「わざわざ纏って動いてくれてるなら、余計な手間がかからなくて済みそうだ。サクッと片付けて指揮官に備えるぜ」
その次に待つたゆんの為にと、アッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)がタイミングを窺っていれば。
サンキューなシレスティアルと、残留効果の礼を口にした鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は、「ああん?」とアッシュから漏れ聞こえた思考に「たゆんの気配だあ?」と羞恥なく豊満な双丘を揺らし、橋に向かって飛び出す。
ちょうど橋の根元に差し当たるあたりが大きく開けていて、見通しもいい。
「じゃあお目当てが出てくるまではあたしのでも見ときな。自分で言うのも何だが、このサイボーグボディはなかなかのもんだぞ」
自慢の身体を隠すことなく、サンダーはどたま割り人形に『エコーチェンバー』を叩き込む。
「聴きたいことだけ聴いているがいいさ! 許さないってか。そんじゃあ存分にかかって来い。恨みを晴らす人生最期のチャンスだぜ」
「許さない。貴様らが王を殺した!!」
怨みに染まったどたま割り人形はギョロギョロと血走った眼球を動かし、サンダーを睨みつけ大きく胸部の口、万力型機構を大きく開き『どたま割りどたま割り』を繰り出した。
だがサンダーの手足はサイボーグで、そう簡単には砕けない。
「そのどたま割り器であたしのサイボーグボディを果たしてぶち割れるか、試してみるがいい」
ガチガチと腕に噛みつき歯を鳴らし群がっているところに、蒼いオーラを纏った灰の刀身を持つ剣〈双刃ヴァルディール〉を手にアッシュは飛び出し、稲妻を纏わせ『ライトニングテンペスト』を放ち、どたま割り人形を雷撃で撃ち感電させる。
「纏めて雷の餌食だぜ! さぁ、後先考えずにどやどん突っ込んできやがれ!」
今度はアッシュに向かって、声に誘われるまま生き残ったどたま割り人形が集まり、密集陣形を組んで、それぞれ剣や槍を掲げ『どたま割り突撃』を仕掛けてくる。
「いかにも壊れかけみたいな挙動だが、体の心配は……するわけないよな」
双刃ヴァルディールの刃で受けながら、不安定に揺らめくどたま割り人形を、アッシュは蹴り上げ弾くよう転がし。
どたま割り人形が怒りに復讐だと叫び騒び声をあげれば、その音をサンダーが反響させながらぶつけ、特大の雷撃が弾ける。
「この稲妻からは逃れられねぇぞ!」
このままでは瓦礫になるだけだと、どたま割り人形の一体が助けを求め川へと手を伸ばし、怨みを叫ぶ。
だが逃れるのは間に合わず、アッシュが叩き込んだ雷撃がどたま割り人形を焼き焦がす。
最後まで怨みの声を零し続けながら、どたま割り人形は川へと落ち二度と浮き上がることはなく。
代わりに少しの間が合って、無数の蛸足の触手がディアボロスに襲いかかるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
おいでなすったな!
しまったな、トループス級は【水中適応】の残留効果のあるパラドクスにしておけばよかった……が、しかたねえ。
代わりにこっちもあちらさんと同等の水中戦が出来る味方を呼ぶことにしよう。
リアライズペイント。
あたしが用意できる最大火力のパラドクスでもある。
そして、できれば地上戦に持ち込みたいかな……。
あたしが描いた方のオクトパス・ウィッチには綱引きをしてもらおうか。
向こうが引きずり込もうとするなら、こっちは引きずり上げるのを試みる。
あんたの美貌と美ボディが目当てのお仲間もいるらしい、川の中でぼやけて見えるばかりじゃあ勿体ないだろう?
あたし自身とリアライズペイントで描いたオクトパス・ウィッチ二人がかりで引っ張り出す。
敵の姿はターンごとに描き直し、脚を増やす、伸ばす、体を大きくするなど強化を試みる。
お澄まし顔のままじゃいさせんぞ、キャットファイトとしゃれこもうぜ、タコさんよう!
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
随分と遅い到着だったな。
仕掛ける前に空いてる手を兜側面に添えてたゆライズを起動。
戦闘記録を、ヴァルディールを構えると同時に相手を囲むように幻影騎士を召喚。
包囲攻撃を仕掛けて精いっぱいヘイトをとって仲間の付け入る隙を作らさせてもらうぜ!
水中戦になるなら【水中適応】を借りて、複数の方向から幻影騎士を召喚して仕掛けることで相手に全方位警戒させることで処理能力に負荷かけつつ、差し込めそうな角度から俺自身も斬撃を行う。
いくらたくさん触手があると言えど頭は一つだ。
全方位警戒し続けるのはしんどいよな!
相手からの攻撃はなるべく装備で受けとめるよう意識しつつ、受け流せないならわざとしっかり受けた上で相手の武器を片手で掴んで逃げられなくしたところで反撃のパラドクスをお見舞いしてやるぜ。
いくら惑わしてこようが武器を掴まれたら惑わしようがない。
この瞬間を待ってたぜ!
御守・樹
アドリブ連携歓迎
俺さ攻撃威力とか知略とか正直苦手だ。けどそれでもまずは出来る事から。
それに多少なまった身体をまたきっちり動けるようにしないと。それには実戦が一番だ。
まずは完全視界で視界確保。それから直前まで光学迷彩を纏って忍び足で移動、少しでも敵から認識されるのを避ける。
できれば地上に引きずりだしておきたいが、念のために水の中に逃げられた時用に水中適応で問題なく動けるようにしておこう。
相手の隙を見つけるため動きを観察して、その一瞬に不意打ちの水影掌を全力で叩きこむ。
その時も少しでも川から遠ざける方向に行く(飛ばす)よう、攻撃する方向は気にかけておく。
どうせ反撃もあるんだ、接敵したたまま敵の攻撃に対して回避できるよう備える。
刺突が主なら回避の動きは最小限で済ませ、なぎ払いなどの動きがあるようならグラップルでその頭をつかんで上方向に身体を跳ね上げ直撃を避ける。
…うんこの感覚、頭の芯が冷えるようで結構俺は好きだ。
●流れる妖魔女
飛沫をあげ伸ばされた無数の蛸足がデイアボロス達に絡みつき、セーヌ川に引き摺り込もうとする。
「おいでなすったな! しまったな、相手は水中か……が、しかたねえ。代わりにこっちもあちらさんと同等の水中戦が出来る味方に声をかけておいたぜ」
鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は、蛸足と引き合い抵抗している所に、御守・樹(行雲流水の珪化木・g05753)が飛び込み触手を強打しそのまま川へと。
「俺さ攻撃威力とか知略とか正直苦手だ。けどそれでもまずは出来る事から。
それに多少なまった身体をまたきっちり動けるようにしないと。それには実戦が一番だ。
少しでも川から遠ざけたかったとこだが、本体が川の中にいる以上仕方ない。
飛沫をあげれば、そこには一足先に蛸足に絡められ……いや、全てを記録するべく兜を操作したゆんを視認し戦闘記録をする〈視覚支援デバイス「たゆライズ」〉を起動したアッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)が、水中適応を駆使し『オクトパス・ウィッチ』に取り付いていた。
完全視界のおかげで水中でも眺めは良好。たゆんの丘までくっきり見える。しかも驚くべきことに、たゆんは水中で水の流れによって常にたゆんたゆんと浮き上がり揺れているではないか。
(「……随分と遅い到着だったな」)
これはこれで良いと、水に浮きあがり揺れるたゆんを鋭く凝視し記録したアッシュは、蒼いオーラを纏った〈双刃ヴァルディール〉を両手に構え『七輝剣(セブンエッジフラッシュ)』を使い、オクトパス・ウィッチを召喚した幻影騎士で囲み斬りかかった。
光と水の屈折で、生み出される幻影騎士の姿も揺らめく。
(「仲間の付け入る隙を作らさせてもらうぜ!」)
――私の可憐な演武、その目に焼き付けて逝きなさい?
下半身が蛸だけあって水中のオクトパス・ウィッチは素早く泳ぎ、幻影騎士に斬り付けられながらもアッシュ本体の背後に回り込み、トライデントを模した杖を振るい『イリーガルトリアイナ』を繰り出す。
(「いくらたくさん触手があると言えど頭は一つだ。全方位警戒し続けるのはしんどいよな!」)
いくら鋭い刺突とはいえ、繰り出せる方向は一つ。
大きく杖を繰り出したところをアッシュは何とか片手で掴むと、オクトパス・ウィッチを抱くよう引き寄せ斬り付けた。
(「この瞬間を待ってたぜ! いくら惑わしてこようが武器を掴まれたら惑わしようがない」)
そしてまたアッシュに気を取られていれば、背後はがら空き。
刺突を躱そうと、樹はオクトパス・ウィッチの頭を掴み前回転するようにして回り込む。
(「……うん、この感覚、頭の芯が冷えるようで結構俺は好きだ」)
水上に向かって打ち上げるように、樹はオクトパス・ウィッチの背に、全力で『水影掌』を叩き込み吹っ飛ばした。
遂に水揚げされたオクトパス・ウィッチは、宙を飛ばされながら橋の上でスタイラスペン型ペイントツール〈誰も生き急げなんて言ってくれない〉を振るうサンダーの姿を捉え。 すぐさま『ビスカスヴォルテックス』を唱え、粘度の高い液体の渦にサンダーを巻き込んだ。
――さぁ、あなた達もぬるぬるまみれにしてあ・げ・る♪
だが、ぬるぬるするだけならサンダーが『リアライズペイント』で描き上げる方が早い。
「あんたの美貌と美ボディが目当てのお仲間もいるらしい、川の中でぼやけて見えるばかりじゃあ勿体ないだろう?」
さぁ、ちゃんと見せてくれと目に焼き付けたサンダーは魔女の姿を描き出しぶつける。
「お澄まし顔のままじゃいさせんぞ、キャットファイトとしゃれこもうぜ、タコさんよう!」
サンダーが描き出したオクトパス・ウィッチは、例え肢をもがれたり消し飛ばされたとしても、再び描かれれば動き出す。
橋を挟み二人の魔女がぶつかり合い、続いて飛び出してきたアッシュと樹が畳み掛ける。
オクトパス・ウィッチは艶めかしく苦痛に顔を歪めるも、橋の欄干部分に器用に着地すると蛸足をバネのように生かし、トライデントを模した杖で突き刺そうとした。
水中程複雑な動きは取れないようだが、地上でもオクトパス・ウィッチのスピードは落ちていない。
樹の掌打に撃ち抜かれ大きくたゆんと胸を弾ませ、それを飛び込んだアッシュの双刃ヴァルディールが貫き、オクトパス・ウィッチは血を吐きながらゆっくりとセーヌ川へと真っ逆さまに落ちていく。
優雅なるセーヌ川を赤く染め、キマイラウィッチの怨みが流れていくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】がLV2になった!
【アヴォイド】LV1が発生!