リプレイ
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
まったくキマイラウィッチはディアボロスが嫌がる事を良く知っていますね…
犠牲を出してしまったのは、忸怩たる思いですが
今は危機に瀕している方を一人でも多く助けなくては
プラチナチケット使用
仲間がトループス級に攻撃を仕掛けて注意を引いている間に集落内に入り
国王軍が救援にきました!
魔女達は仲間達が倒しますから、皆さんは頑丈な屋内に隠れてください
仲間と手分けして避難に回ります
魔女に襲われて怪我をした人や、老人や子供等の素早く動けない人には手を貸し
建物の影など、戦場から遠い場所へと誘導しましょう
ジェヴォーダンの獣が襲い掛かろうとしている少女の元へも走り
姿を隠して少女と反対方向から
国王軍が魔女を掃討しにきました!
もう逃げられませんよ!
全て火あぶりにして差し上げます
と声を張り上げて注意を引き
直ぐに建物の影を経由してその場から離れます
ジェヴォーダンが反応して少女から注意を逸らしたら
すかさず駆け寄って、抱き上げ
建物の影まで退避
ご両親には間に合わなかった事をお詫びします
どうか、貴方は生きて下さい
伊吹・祈
■口調補足:敬語一文+だ、だな、だろう、なのか?
現場へ。出遅れている様でしたら救援機動力で迅速に
視線巡らせ、交戦地点から離れた堅固な倉庫や建物を指で差し示しましょう
シャルル陛下の国王軍が到着しました、あの中へ隠れなさい!
予知の少女の元へは仲間が向かうでしょうから。ならば僕は人々に聲かけ、導き、避難を促す
万が一にも人々を巻き込む攻撃は身を挺して庇い受ける心積もりで
物陰に隠れ動けずにいる子供がいないか。"間に合わなかった人"の下には誰もいないか?
隈なく観察し、仮に発見に至ったならば抱き抱え避難させる
僕等を炙り出すと同時に
愛する父母を、親しき隣人を、永劫に喪った人々は魔女を憎悪し復讐心を向けるのでしょう。それすらもが魔女の力を肥やすとも知らぬ儘
忌々しい連中ですね。……吐気がする
避難し終えた方に現の夢を聞かせ、全てを夢にしてしまおう。魔女に襲われる悪夢を見たのだと
奪われた命は帰らない。所詮救済には程遠いと理解しているのだが
あなた方が魔女へ至らない様に。あなた方が魔女に利用されない様、護りきる為に
●その手で救えるだけ
集落から劈くような悲鳴が聞こえる。澄んだ冬の空気を震わせるその音は、紛れもなくキマイラウィッチに襲われる住民たちのものだ。
ディアボロスたちは、現場へと急行する。一秒でも早く、一人でも多くの人々を救うために。
(「まったくキマイラウィッチはディアボロスが嫌がる事を良く知っていますね……」)
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は忸怩たる思いを巡らせる。
犠牲が出てしまった。その事実を胸に刻んだ。そして今もなお、多くの命が脅威に晒されている。ソレイユは己を鼓舞するように紡いだ。
「これ以上の犠牲は出させません」
悲鳴と、重なるようにキマイラウィッチの笑い声が耳に届く。嘲笑が不快に響くも、伊吹・祈(アンヘル・g10846)は決して耳を塞がない。
「必ず救い出しましょう。魔女に摘み取られて良い命など、あるわけがない」
キマイラウィッチの悪意が、さらなる人々の命を奪い去ってしまう前に。
キマイラウィッチが生み出す絶望の渦中へと、ソレイユと祈は躊躇うことなく飛び込んだ。
プラチナチケットの発動と共に、ソレイユは逃げ惑う住民へと大きな声で呼びかける。
「国王軍が救援にきました! 魔女達は仲間達が倒しますから、皆さんは頑丈な屋内に隠れてください!」
「たっ、助けが……!」
「国王陛下からの救援だ!」
それまで逃げ惑うだけだった住民たちの表情に、微かな希望が灯った。
その灯火を消してはならない。祈は視線を巡らせ、戦火から遠い場所にある倉庫を指し示す。
「シャルル陛下の国王軍が到着しました、あの中へ隠れなさい!」
住民たちは指示に従い、交戦地点から遠ざかる。祈は住民たちを導きながらも、周囲へと細やかに注意を向けた。
物陰に隠れ動けずにいる子供がいないか。"間に合わなかった人"の下には、誰もいないか?
――耳元を、か細い泣き声が掠めた。
(「! 逃げ遅れている人が、近くに」)
弱々しい声を辿り、祈は声の主を見つける。
物陰に蹲り、女性が泣いている。彼女は既に事切れた男性を抱き締めていた。
地面を見れば、引き摺った血の跡が続いている。諦めきれずに此処まで連れて来たのだろう。
胸が締め付けられるような感覚に、祈は眉を寄せた。
「……僕があなたを安全な場所まで連れて行きます。このままでは、あなたまで殺されてしまう」
憔悴しきった女性へと語りかける。女性は涙を流し続けながら、祈へと頷いた。
ごめんなさい、と男性の遺体へと呟く女性。祈は女性へと手を差し伸べる。
「あなたが謝罪する必要なんてありません。さあ、手を取って」
女性を安全な場所へと導きながら、祈は想う。現の夢ですべてを消し去れたなら、どんなに良かったか。夢だと思わせたとしても、家族や親しい者が死んだという事実は消えない。事故死に偽装すれば復讐心を向けることも避けられようが、この状況下でそこまで手を回す余裕もない。
人々はいずれ気付くだろう。凄惨な死が、夢ではないことに。そして、気付いてしまった時、きっと彼らの心は――。
(「忌々しい連中ですね。……吐気がする」)
魔女の思惑どおりにさせてやるものか。祈は胸中に渦巻く想いを、静かに噛み締めた。
祈が住民を避難させる一方。ソレイユは危機に瀕している少女と、彼女を殺さんと牙を剥くジェヴォーダンの獣を探す。
――すぐ近くで、少女の悲鳴が聞こえた。
「お父さんッ! お母さんッ! やだ……やだよぉ! なんで、なんで
……!!」
予知で示された叫びと同じ。声がした方向を正確に把握し、ソレイユは現場へと駆け付けた。
建物の裏から回り込み、彼は声を張り上げる。
「国王軍が魔女を掃討しにきました! もう逃げられませんよ! 全て火あぶりにして差し上げます!」
声を上げた位置は少女とは反対方向だ。背後から聞こえた声に、ジェヴォーダンが振り返る。
「ディアボロスが来ましたか」
ジェヴォーダンが後方へと目をやった頃には、ソレイユは既に走り出していた。再び建物の裏側を抜け、少女の側から飛び出す。
敵が少女から視線を外した隙を突き、彼は少女へと駆け寄った。すかさず抱き上げて、ジェヴォーダンから遠ざける。
「きゃあっ!?」
一瞬の出来事に少女が驚きの声を上げた。ソレイユは少女の涙に濡れた瞳をまっすぐに見つめ、力強く紡ぐ。
「ご両親には間に合わなかった事をお詫びします。どうか、貴方は生きて下さい」
少女はひゅっと息を呑んだが、震えながらも首を縦に振った。
彼女が安全な場所へと走っていくのを見届けて、ソレイユはジェヴォーダンへと目を向ける。
ジェヴォーダンは瞳をギラつかせながら、ソレイユを睨んでいた。
「鼠のようにちょこまかと動きますねぇ」
鼠。挑発するようなその言葉に、ソレイユは静かに返す。
「……その例えは、あまりよろしくありませんね」
対峙するソレイユとジェヴォーダン。焼け付くような殺意を、ソレイユは泰然と受け止める。
憎悪がより色濃く滲むその場へと、祈も駆け付けた。彼は眼前のジェヴォーダンへと鋭い眼差しを向ける。
「住民の安全は確保できました。あとは、魔女を討ち倒すだけだ」
祈の言葉にソレイユは頷き、視界の中心にジェヴォーダンを捉えた。
「必ずや討ち果たしましょう。キマイラウィッチに好き勝手はさせません」
復讐と蹂躙の炎はひたすらに燃え盛る。一刻も早く、この獣が齎す悲劇を終わらせなければならない。
大地が、人々の鮮血で赤く染まりきる前に。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
他の復讐者が住民の避難をしている間、キマイラウィッチの目や攻撃がそちらにいかぬよう、分担して行動します
いつもながら芸のないことですね。
なんだかんだと理由を付けて、弱者を嬲るしか能ののない。
残念ですがラヴァル兄弟とやらの目論見は外れです。
お前たちがこの集落を襲い、一般人を皆殺しにしたところで私たちの戦略に影響を与えることは微塵もありません。
ですから……戦略や必要性ではなく。
お前たちが気に入らない。お前たちを殺す理由はそれだけです。
【ゲーリュオーン・エッジワーシア】を使用。ゲーリュオーンを象った植物の怪物を作り出し、多腕で薙ぎ払わせマンティコアウィッチを蹂躙します。
派手に戦いこちらに引き付け、【避難勧告】も使用しておくことで住民の避難がスムーズに進むようにします。
敵の放つ炎の花は「守護の青薔薇」の結界で軽減を。
この程度ですか?
なるほど、私たちを殺せないから周りの弱者を狙ったと。
雑兵らしいといえばらしい判断ですね。
挑発も交え、最後の悪あがきも避難する住民には向かわぬようにしましょう。
ユヴィ・レリオ
「胸くそ悪い…」
と感じ、クロノヴェーダ一匹残らず倒すつもりでいます。
有効そうであればパラドクス「冥界への誘い(シヘノイザナイ)」を使ってこれ以上暴れさせないよう動きや攻撃をする部位を使えないよう、または一般人を守ろるために死守します。
他のディアボロスが有利になるように行動し、連携できそうなら、作戦の足りない部分を補う形で助力しますが、敵戦力の殲滅を考えてます。
最大の目的は、この事件の解決、そのためならば自身の怪我、命は一切気にせず指先が動くならば戦い続けます。
武器は、両手に一刀づつ刀を持つ。
二刀流で刀演舞のように優雅に躍りながら攻撃を仕掛けます。
●炎の花
復讐の炎はその欲望を満たすために、人が住む大地を蝕み、侵し、呑み込まんとしている。
避難誘導班が動いているさなか、彼女たちは率先して敵の前に立ち塞がっていた。
(「焼け焦げる匂い、血の匂いが、鼻につく……」)
ユヴィ・レリオ(私の名は『ナシューロン』(مجهول)・g09587)の胸中に、不快感が渦を巻く。
どろりと溢れ出すような気持ちの悪さに、彼女はぽつりと小さく呟いた。
「胸くそ悪い……」
眼前にはディアボロスを見つけて喜々とするマンティコアウィッチの姿がある。
乾いた空気を静かに吸い込んで、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は復讐の獣たちを見据えた。
濁った空気の中であっても、クロエの眼差しは澄み切っている。
「いつもながら芸のないことですね。なんだかんだと理由を付けて、弱者を嬲るしか能のない」
「ディアボロス……! やっぱり来たね。ラヴァル様の言う通りだ!」
歪な笑みを浮かべる愚かな獣たちへ、クロエは淡々と告げた。
「残念ですがラヴァル兄弟とやらの目論見は外れです。お前たちがこの集落を襲い、一般人を皆殺しにしたところで私たちの戦略に影響を与えることは微塵もありません」
マンティコアウィッチは不気味に尾を揺らし、熱を宿す花びらを身に纏う。
「本当にそうなのかなぁ?」
「人間を殺されるのは嫌でしょ?」
口々に言いながら、獣たちは戦闘態勢へと入った。
ユヴィは刀を抜き放ち、両手に堅く握る。その切っ先に敵の姿を捉えつつ、彼女はクロエへと紡いだ。
「さくっとやっちゃおうにゃ。こいつら、気持ち悪い」
感情の起伏が殆どない声色に僅かながら滲むのは、敵への殺意だ。クロエは頷き、彼女も三相の杖を構える。
「一匹残らず、殲滅しましょう」
マンティコアウィッチが獰猛に瞳をギラつかせながら、二人へと向かってくる。
迫る獣の群れを視界の中心にしっかりと捉え、クロエは杖を掲げた。
――彼女が眼前の獣たちを屠る理由。それは戦力や必要性からではない。
「お前たちが気に入らない。お前たちを殺す理由はそれだけです」
ミツマタの種を地面へとばら撒き、杖を介して増幅させた魔力を種へと流し込んだ。
種へと呼びかけるように、クロエは言の葉を紡ぐ。
「種子に宿るは我が嘆き、芽吹け『ゲーリュオーン・エッジワーシア』!」
魔力と、そして嘆きの感情を種へと注げば、種は急速に成長する。種は芽吹き、枝を伸ばし、怪物の姿を形作った。
ゲーリュオーン。ギリシャ神話の怪物を象った巨大な植物は、その体に黄色く可憐な花を開かせる。
伸ばされた六本の腕が、迫り来るマンティコアウィッチたちを薙ぎ払った。
「この程度ですか? なるほど、私たちを殺せないから周りの弱者を狙ったと。雑兵らしいといえばらしい判断ですね」
挑発に怒りを煽られ、マンティコアウィッチたちは牙を剥く。
「なんだってぇ!?」
「馬鹿にできるのも今のうちっ!」
杖を振り、魔術により生み出した燃え上がる花びらを、クロエへと嗾けた。
花びらから身を護るべく、クロエは守護の青薔薇で自身を包み込む。青薔薇が燃え上がるが、炎がクロエまで届くことはない。
「短絡的で衝動的……一度火が付けばよく燃えるでしょうね。それこそ、灰に成り果てるまで」
獣の毛をわざと逆に撫でる時のように。語られるクロエの言葉は、敵の感情を刺激し続けた。
「貴様らを燃やし尽くしてやるわ!」
怒りのままに吼える獣たちへと、ユヴィが肉薄する。氷のように凍てついた眼に敵の姿を捉え、彼女は二振りの刀を閃かせる。
「もう黙って。お前たちには息をする権利も、口を動かす権利も、何一つ存在しない」
両手で刀が閃く度、ユヴィの残像が美しく舞う。夢幻の如きその剣舞は冥界への誘い。敵群を惑わし、混乱させ、毒の霧で包み込む。
ユヴィの分身に取り囲まれたように錯覚した敵が、焦りを募らせた。
「っ、本物はどれ!?」
当然、教えてやるわけがない。ユヴィは花の妖精のように華やかに、優雅に舞い踊る。
甘美な破滅へと誘う舞は、最後のステップへと入った。
「全てのモノに終りを」
剣舞が生み出す光が円を描いた刹那、斬撃がマンティコアウィッチへと打ち込まれる。刻まれた傷跡からは毒が入り込み、獣の体を侵し始めた。
僅かに動きを鈍らせながらも、敵は蠍の尾を鋭く振り回す。
「この毒で苦しませてやる!」
蠍の毒尾槍が、ユヴィの体へと突き刺さった。痛みと注がれる毒を感じるが、彼女は眉一つ動かさない。
元より傷付くことは覚悟の上。怪我や命を失うことを恐れているなら、このような地獄になど来ていない。
(「この身が毒で侵されようと構わない。指先が動くかぎり、刀を振るい続ける」)
腹に食い込む蠍の尾を、刀で斬り払う。舌打ちする敵へと、ユヴィは感情の籠らない声色で紡いだ。
「お前らの毒じゃ私は殺せない。もっと強烈な毒を、知っているから」
それは心を蝕み、何もかもを破壊する『毒』だ。
ディアボロスたちは様々な想いを抱きながら、ひとつの目標……キマイラウィッチの掃討のために、全力で武器を振るう。
クロエとユヴィの攻勢は、マンティコアウィッチたちを壊滅状態へと追い込むのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
クロエ・アルニティコス
これで残る獣は一匹のみですね。
それで、お前はどうしますか? 命乞いでもしてみますか?
人の言葉を使えるだけの獣の言葉に、価値など少しもありはしませんが。
引き続き挑発を行いジェヴォーダンの意識をこちらに向けましょう。
住民の避難は終わっているとはいえ、これだけのことで万一を防げるならばやっておくに越したことはありません。
【ヒュドラ・アマランサス】を使用、アマランサスの種に魔力と憎悪を注ぎヒュドラを象った植物の怪物を作り出します。
ヒュドラの多頭による噛みつきでジェヴォーダンの獣を食いちぎり、ダメージを与えていきましょう。
お前の命などこの村の住民の命や焼けた家屋の代わりにはなりはしませんが……五体満足で死ねるとは思わないことですね。
子供の声を響かせながらの牙と爪の攻撃はその逸話のように何度でも再生するヒュドラを盾にして私へと届かないように。
また、攻撃のために敵が接近してきたところをヒュドラの首で締め上げ、動きを封じて頭部を狙い食いちぎらせます。
言ったはずです。その「鳴き声」に価値など少しもないと。
●獣狩りの蛇
血の匂いが濃くなる。後を追うように大地を濡らす赤は、人々のものではない。屠られたキマイラウィッチのものだ。
残る獣はあと一匹。クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)の青い瞳は、ジェヴォーダンの獣を冷たく見つめている。
「それで、お前はどうしますか? 命乞いでもしてみますか? 人の言葉を使えるだけの獣の言葉に、価値など少しもありはしませんが」
クロエの挑発に、ジェヴォーダンは不気味な笑い声を上げた。
「クククッ、まさか! せっかくディアボロスを見つけ出したのです。貴方たちを殺して、復讐を果たしてやりますとも」
牙を剥き、獣の眼をギラ付かせるジェヴォーダン。復讐の獣へとクロエは杖を構えた。
ジェヴォーダンは随分と上機嫌なようだ。復讐の対象を見つけて余程嬉しいのだろう。……だが。
クロエは表情を変えぬまま、口を開く。
「一つ、お前は勘違いをしています」
「勘違い?」
ジェヴォーダンが眉を寄せた。クロエは淡々と、ありのままの事実を述べる。
「お前が私たちを見つけたのではなく、私たちがお前を見つけたのです」
無辜の人々を害する獣どもを、悉く狩り取るために。
乾いた大地へと、アマランサスの種を蒔く。自身の魔力と憎悪を種へと流し込み、クロエは高らかに詠唱する。
「種子に宿るは我が憎悪、芽吹け『ヒュドラ・アマランサス』!」
瞬く間にアマランサスは背を伸ばし、鮮やかな赤い花を咲かせた。萎れぬ冬の友は寄り集まり、一匹の怪物を創り上げる。ギリシャ神話の怪物『ヒュドラ』を象ったアマランサスは無数の首を擡げ、ジェヴォーダンへと喰らい付いた
ヒュドラ・アマランサスが、獣を容赦なく噛み千切る。喰らう度、ジェヴォーダンの腹から赤く熟れた実が落ちる。
「お前の命などこの村の住民の命や焼けた家屋の代わりにはなりはしませんが……五体満足で死ねるとは思わないことですね」
内臓を晒しながら、ジェヴォーダンと同化した子どもが叫んだ。
『痛い! 痛いよ! 助けて、殺さないで!!』
泣き叫ぶ子を腹に抱えたまま、ジェヴォーダンはクロエへと襲い掛かった。子の泣き声で躊躇った瞬間に、牙と爪で攻撃するつもりなのだろう。
卑劣な攻撃を阻むべく、ヒュドラがジェヴォーダンへと巻き付いた。
「意味のない雑音を撒き散らして、楽しいですか?」
「ぐぅ……っ」
首を締め上げられ、ジェヴォーダンの攻撃の手が止まった。
「言ったはずです。その「鳴き声」に価値など少しもないと」
クロエにとって、耳に届くその声は、ジェヴォーダンが発する雑音に過ぎない。
彼女が創り出したヒュドラは、再びジェヴォーダンを食い千切らんと頭を揺らす。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎
全く、趣味の悪い…
その胸の子供は、貴方の元になった人間、というわけではないのでしょうね
人形を器用に動かして文字通り腹話術でもしているのですか?
本物の子供が囚われているのであれば、助け出すのも吝かではありませんが
下手な芝居には付き合っていられませんね
宙に展開した鍵盤で「福音」を演奏
聖なる光を剣と束ね、獣の胸へと真っすぐ飛ばし、貫けと指揮します
光の剣は目立ちますから、正面から堂々と仕掛け注意を引きましょう
そうすれば、きっと仲間が仕掛ける隙となる筈
出来るだけ挟撃になるように位置取り
劣勢になった時に、人々の避難した方向へ襲い掛からぬよう、射線を塞ぐように立ちはだかります
反撃には守護の青薔薇を展開して、指だけは守ります
その鳴き声で、どれだけの人々の心を弄び、苛んだんでしょうね
人々が安心して暮らせるように
復讐心を抱かぬように
貴方には倒れて頂きます
全てが終わったら避難している皆さんの所へ向かい
もう大丈夫だと伝えましょう
彼らが傷を乗り越えて、前に向いて歩きだせるよう、祈るばかりです
ゼール・ウォーダン
…ジェヴォーダンの獣。正体不明の獣。多くの命を奪った事に、間違いはない。多くの恐怖を駆り立てた事も、間違いじゃない。
だけど、それは確かに1つの獣だった。そんな、人と融合したような、人を捕らえて弄ぶかのような、そんな獣では無かった。
……返してもらうぞ、その名前。その恐怖を……そんな、カッコ悪い、醜い悍ましさに、良くも染め上げてくれたな。
アンモナイトの化石を握りしめて、【坩堝魔法】を、古代の恐竜の力を使う。【全力魔法】を【高速詠唱】と【早業】でぶつけ続ける。高火力を早回しさせて、全力で相手の体力を削り取ろう。どれだけやってもしぶとく復讐を続けようとするなら、それ以上の火力で、徹底的に叩きのめすしかない。
アドリブと絡み歓迎。
●刻まれた傷
戦いは終局を迎えつつある。ジェヴォーダンの獣は傷付きながらも、未だその牙と爪を振るわんと暴れ回っていた。
集落を脅かす獣を、ゼール・ウォーダン(月に吠えるもの・g11364)は凛と睨み据える。
「……ジェヴォーダンの獣。正体不明の獣。多くの命を奪った事に、間違いはない。多くの恐怖を駆り立てた事も、間違いじゃない」
アンモナイトの化石をそっと手に取り、彼は言葉を続ける。
「だけど、それは確かに1つの獣だった。そんな、人と融合したような、人を捕らえて弄ぶかのような、そんな獣では無かった」
その瞳には明確な怒りを宿していた。名を穢す怪物への怒りだ。
ゼールの言葉に、ジェヴォーダンは心底面倒臭そうに溜息を吐いた。
「そのようなこと、どうでもいいでしょう?」
「どうでもいい、だと?」
「私は復讐さえできれば何でも良いのです。ディアボロスに、血と炎の復讐を!」
ジェヴォーダンは歪んだ笑みを浮かべ、牙を光らせる。笑う獣へとゼールはより一層鋭い眼差しを向けた。
「……やはり、お前にその名前は相応しくない」
硬く冷たいアンモナイトの化石を強く握り締める。坩堝魔法――パラドクス・ディノ・ペインの輝きが、ゼールを取り巻いた。
「返してもらうぞ、その名前。その恐怖を……そんな、カッコ悪い、醜い悍ましさに、良くも染め上げてくれたな」
古代の恐竜の力を喚び寄せ、自身の両手を肉食恐竜の鉤爪へと変貌させる。
急速に発達したその爪は獲物を捕らえる弾丸だ。高速で紡がれる詠唱と共に、ゼールはジェヴォーダンへと狙いを定めた。
構えた腕の先から撃ち出された鉤爪の弾丸が、ジェヴォーダン目がけて飛んでいく。
連続で放たれる爪は獣を深く穿ち、その肉体を深く傷付けた。
ジェヴォーダンが巨大な爪を振るう。暴力的な反撃を、ゼールは自身の鉤爪で受け止めた。
「ジェヴォーダンを騙る偽物。お前は醜さを撒き散らすだけの、ただの獣だ」
復讐心に突き動かされるまま、ひたすら暴れるだけの獣。『ジェヴォーダンの獣』を名乗るなどと、身の程しらずにも程がある。
おまけに卑劣な手を使う趣味の悪さまで持ち合わせているときた。
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、ピアノの鍵盤を宙へと展開する。
赤く濁る宙に、鍵盤は青く涼やかに煌めいた。
「その胸の子供は、貴方の元になった人間、というわけではないのでしょうね。人形を器用に動かして文字通り腹話術でもしているのですか?」
「ふふ、気になりますか?」
ジェヴォーダンが質問に質問で返してくる。
ソレイユはそれ以上追及せず、鍵盤へと指を置いた。下手な芝居に付き合ってやる義理はない。
「その子供がどうあれ、私がやるべきことは決まっています。人々が安心して暮らせるように、復讐心を抱かぬように、貴方には倒れて頂きます」
濁った冬空へと響かせるのは、幻想ロンド「福音」。軽やかな旋律は鐘の音の如く天へと昇り、聖なる光の雨を呼ぶ。
「人々に恵みと幸いを、災いを貫く光の雨を」
光の雨は巨大な剣となり、さながら雷の如くジェヴォーダンへと降り注いだ。光の奔流は獣の胸を串刺し、大地に鮮血を散らしてゆく。
『やめてぇ! 痛いよぉ! 死んじゃうよぉ
……!!』
ジェヴォーダンの血に染まった子供が泣き叫んだ。届く悲鳴に、ソレイユは眉を寄せた。
(「――悲痛な声ですが、なんてわざとらしい」)
守護の青薔薇を伸ばし、繰り出された獣の爪を絡め取る。
「ぐう、っ……届か、ない……」
ジェヴォーダンは口から大量の血を溢れさせた。彼の限界は近い。
「その鳴き声で、どれだけの人々の心を弄び、苛んだんでしょうね」
ソレイユの鍵盤を弾く指に迷いはなかった。奏でられる福音が、ジェヴォーダンを包み込む。
「欺瞞に満ちたその声も、貴方の咆哮も……すべて、ピアノの音色で掻き消して差し上げます」
雷鳴が鳴り響く。打ち鳴らされる旋律が、ジェヴォーダンの鳴き声を呑み込んだ。
喉を光剣に裂かれ、死に際に吼えることもできず。肉塊と成り果てたジェヴォーダンは地面へと崩れ落ちた。
脅威は消し去った。傷跡を色濃く残しながらも、集落に静けさが戻る。
ディアボロスは避難させた住民に、獣たちをすべて倒したことを伝えた。
「集落を襲っていたキマイラウィッチはすべて倒しました。どうかご安心ください」
ソレイユの言葉に、住民たちが安堵する。
戦場となった以上、戦いの痕跡はしばらく残るだろう。住民の不安を思いながら、ゼールは穏やかに言う。
「獣の匂いはしばらく残るかもしれないけれど、敵はもう居ない。安全だから心配しないで」
ほっと息をつく住民たちの中には、悲しみに暮れる人々もいた。無理もない、家族や親しい人を失ったのだ。
「お父さん、お母さん……」
会いたいよ、と。救い出した少女が呟いた。
ソレイユは少女へと目線を合わせ、小さな手を優しく握る。
「悲しみはずっと癒えないかもしれません。ですが、貴方には生きて欲しいのです」
助けた時にも紡いだ言葉を、そっと繰り返す。
少女を見つめ、ゼールが柔らかに、それでいて力強く紡いだ。
「きっと、君の家族も、生きてくれと言うはずだ」
少女は涙を零しながら、弱々しく頷いた。
彼女の苦しみ、悲しみは、これからも続くだろう。冬から春へと移り変わるように、時を経て心に安らぎが訪れることを、ただ祈るしかない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!