矢岳高原殲滅戦

 肥後国三つ巴の戦いを制したディアボロスは、当初予定していた肥前国の制圧では無く、島津の本拠地である『薩摩国』の制圧に舵を切りました。
 そして、薩摩国を制圧する為の第一歩として、肥後国南部に侵攻していた島津軍を矢岳高原方面から急襲、薩摩本国から分断して殲滅する作戦を実行します。
 矢岳高原で、肥後国に遠征していた精鋭部隊の多くを撃破すれば、薩摩国の戦力を大きく低下させる事となる筈です。

矢岳高原を死地として(作者 聖山葵
1


#天正大戦国  #矢岳高原殲滅戦  #肥後国  #薩摩国  #島津 


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「肥後国の戦いについて新たな方針が出されたことを諸君は知っているだろうか?」
 問いを投げたミレナ・ノヴァク(人間のダークハンター・g07161)は実はと口にしてから説明を始めた。これまでディアボロスたちは攻略旅団の提案を受けて肥前国の龍造寺氏との決戦に向かっていたが、ミレナの言及した新たな方針と言うものにより一転して、薩摩国への攻略を行う事となったらしい。
「この方針の転換はディアボロスが肥前国方面に向かうと予測していた薩摩国の島津軍の虚をつく事となったようだ」
 この奇襲効果を最大限に生かすべく実行されるのは、大隅国国境の「長城」の攻略作戦と肥後国南部に進駐していた島津軍を本国に撤退させずに殲滅する作戦とのこと。
「この二つの作戦は同時に実行される。双方が成功すれば薩摩国の攻略に向けて大きく前進すると見ていい。よって――」
 諸君には拠点を設けている『矢岳高原』から島津軍を急襲する作戦に向かって欲しい、とミレナは続けるのだった。

「説明を続けよう。肥後国南部に進駐した島津軍はこちら側が肥前国に攻め込んだ所で大隅国或いは日向国に攻め込み、奪われた地域を奪還しようと準備しているらしい」
 このため、まずは敵の退路を予測して迎撃ポイントの準備を行った上で敵軍勢への奇襲を行うのが良いと思われる。
「どのような場所を迎撃ポイントとするかも諸君次第だ。隠れて待ち伏せしやすい場所にするとか、敵の接近に気づきやすい高所に陣取ると言ったようにな」
 この辺りは担当するディアボロスの頭の働かせどころだろうか。
「予想外の奇襲を受けた島津軍は本国と切り離される事を避けるべく撤退しようとする筈だ」
 そうして隙を見せた敵を迎撃ポイントで迎撃し、出来るだけ多く殲滅する。
「諸君が戦うであろう敵部隊は大部分が天魔武者・ジゲン流剣士で構成されている」
 強力な野太刀を装備した天魔武者の剣士の集団で、重装甲を恥と考え、攻撃が被弾すれば即致命傷な超軽装甲のまま敵に突撃する天魔武者ららしいが。
「味方と合流すべく撤退せよと上から指示が下る訳だ。皮肉なことにな」
 情況を鑑みれば、理想とする初太刀に全てをかけた二の太刀要らずの剣もどこまで振るえることやら。
「そんな敵部隊を指示しているのは、島津義弘。『鬼島津』『島津の赤鬼』と称された戦国屈指の猛将の名を持つアヴァタール級天魔武者だな」
 大金棒を振り回し立ちふさがる敵をことごとく粉砕せんとするこのアヴァータール級を戦場では足軽天魔武者が護衛、支援している形となるだろう。
「様々な武将の配下として動員される、足軽タイプのトループス級……機械槍を用い、果敢に敵陣に突入してくるらしいが」
 いざとなれば護衛対象を守るべく捨て身で突撃してくる可能性はある。
「敵の編成はこのようなところだ」
 これらの敵戦力をどうやって殲滅せしめるかは君たち次第。

「急な方針転換は、敵だけでなく味方の動きも混乱させる為に必ずしも良い結果とはならない場合もある」
 だが、今回の方針転換は複数の攻略旅団提案を束ねて行われている上に敵の虚を突きた事で絶大な効果が期待できるようでもあり。
「好機だというなら利用しない手はない」
 肥後国南部と大隅国の長城という島津軍の『矛と盾』を同時に撃破する事ができれば、薩摩国の制圧に大きく近づく。
「可能な限り肥後国南部の精鋭軍を撃破し、島津軍に大打撃を与えて欲しい」
 よろしく頼むとミレナは君たちへ頭を下げた。

「完全に裏をかかれた。ここまで用意周到な策を弄するとは……ディアボロスめ侮れぬ」
 ぎしりと握り拳の軋む音が聞こえるようであった。
「報告します。思わぬ奇襲にお味方は浮足立っており、まともに戦う事もできません」
 このままでは、と続ける伝令に向き直った天魔武者らは顔を見合わせ。
「こうなれば、薩摩国への退路があるうちに、撤退するしかあるまい」
 漏れ出た結論は酷く苦々しい。
「ものども出会え、ディアボロスと戦い、少しでも多くの軍勢を薩摩国に逃がすぞ!」
「「おおっ!」」
 他に選択の余地もないのだろう、ただ窮地に置かれても戦いを怖れるような天魔武者だけはその場には皆無だった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【修復加速】
2
周囲が、破壊された建造物や物品の修復が容易に行える世界に変わる。修復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」する。
【植物活性】
2
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV6 / 【ガードアップ】LV4 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

聖山葵
 好機は見逃したくないですよね?

 という訳で、今回は撤退する敵軍を迎撃ポイントから攻撃、出来るだけ討ち取ってしまおうと言ったお話となります。

 ではご参加お待ちしておりますね。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


旗楽・清政
【旗楽四天王】

事前準備として、チェーンソー二つ、スコップ二つ、それとそれがしの具足の色に合わせたペンキ、
それから丸太を組み上げるための太い釘や番線を新宿島で調達し、トレインに持ち込んでおくでござる。

此度同行させるは、嘉内。
既に使った策の二番煎じになるでござるが、旗楽の一夜砦を再び建てると致そう。
建てる場所はなるべく平坦な場所を選ぶでござるが、良き候補が無ければ次点で高所でござる。

嘉内に【飛翔】を敷かせて木々の多い森に行き、
チェーンソーで伐採して丸太としたら【怪力無双】で持ち帰ると致す。
本格的な砦にする必要は無く、表はそれなりに形を整えるけれども、裏は最低限の骨組があればそれで良い。
その表面は、それがしの具足に合わせた色に塗っておくでござる。

そして、その周囲にはスコップで空堀を掘っておくでござる。
深さは、然程は深くはせぬ。しゃがみこめば人一人がすっぽり隠れられるぐらい+αでよい。
【怪力無双】がある故、容易い仕事でござろう。

島津の兵が此処を通るのが、まこと楽しみでならぬ(人の悪い笑顔)。


旗楽・嘉内
【旗楽四天王】

ええと、これで矢岳高原での殲滅戦のトレインは出揃ったね。
そして、御先祖は再度、旗楽の一夜城ならぬ一夜砦を建てるつもりらしい。
となると、動員されるのは前回同様、【飛翔】持ちのオレなんだよね。ハァ……。

ともかく、御先祖と一緒に森まで【飛翔】して木をチェーンソーで伐採したら、
【怪力無双】で建設地まで運んでいくよ。また、働き蜂とか働き蟻になった気分だ。
で、木材が揃ったら、次々と組んで、釘やら番線やらで固定していくね。
そして、島津軍に見える表側の形を整えて、緑色のペンキを塗ったら、
エメラルドの砦、再び――と。

でも、流石に二度目だからもうわかってるけど、この砦は囮なんだよね。
本命は、これから掘れって言われる空堀の方。
と言うわけで、ほら来た。掘れって言われたから掘っていくよ。
…全く、子孫使いが荒いんだから。

これ、空堀と言うよりは塹壕なんだよね。
島津軍の目を一夜砦に引き付けて、その隙に塹壕から攻撃するって寸法。
あーあ、御先祖が人の悪い笑みを浮かべちゃってるよ。
ま、オレも楽しみなんだけどさ。


「ええと、これで矢岳高原での殲滅戦のトレインは出揃ったね」
 その独言は旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)がパラドクストレインに乗り込んだ時の記憶だった。
(そして、御先祖は再度、旗楽の一夜城ならぬ一夜砦を建てるつもりらしい)
 視線の先、同車両の中に居るのは、スコップなどの荷物を横に席へ座った旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)。
「既に使った策の二番煎じになるでござるが、旗楽の一夜砦を再び建てると致そう」
 とも言っていた気がするので、間違いはなさそうだ。
(前回同様、【飛翔】持ちのオレが動員されるとは思ってたけど予想が当たるとはね)
 ハァと嘆息が嘉内の口から洩れ、やがてパラドクストレインは【旗楽四天王】の二人を迎撃ポイント候補の近くまで先回りさせて降ろすこととなる。
「さて、まずは建てる場所の選定でござろうな」
 パラドクストレインに積み込んでいたモノもきっちり降ろして清政は周囲を見回し、一点で目を留めた。
「うむ、そこでよかろう」
 幸いにも希望に沿う平坦な場所が存在したようで、嘉内とすぐさま同行者へ声をかけ。
「はい」
 理由に関してもう察していた嘉内はすぐに応じた。周辺をディアボロスが飛行できる世界に変えると二人揃って空から建築予定地に。
「思う通りの場所が見つかるとは重畳」
 機嫌よさげな清政ではあるが、一夜砦を建てる場所が決まっても建材が無くては意味がない。
「嘉内」
「はい」
 答える嘉内は若干死んだ目になっているような気がするが、きっと気のせいなのだろう。
「あれならば申し分なし。かの辺りの木々を伐採すると致そう。なぁ、嘉内よ」
 先を行く清政に頭が上がらない嘉内は頷くよりほかなく。
「まずは……あの木でよいか」
 始まった伐採作業。チェンソーの音と半ばまで断ち切られた木が倒れてゆく音。枝を落とされた木が丸太へと加工されれば、待っているのは木材の運搬。
「本格的な砦にする必要は無く、表はそれなりに形を整えるけれども、裏は最低限の骨組があればそれで良い」
 とも清政は言うが、骨組みだけにしても両手の指の数ではおそらく足りない。
(また、働き蜂とか働き蟻になった気分だ)
 伐採しては枝を落としてある程度数がまとまったところで運び、丸太の数を鑑みて不足しそうならば再び伐採へ。周辺をディアボロスが怪力を発揮する世界に変えれば、多数の丸太を一度に運べるし骨組みの組み立てに木材を持ち上げたり起こすのも楽にはなる。なるとはいえ作業を担当する人数は二人だ。
「仕上がればそれがしの具足に合わせた色に塗るでござるぞ」
 にもかかわらず清政は謎のこだわりを見せる。組んだ木材を固定していた嘉内は、清政が緑色の大きなペンキ缶の方へ視線をやるのを目撃し。
「そうして『エメラルドの砦、再び――』と。でも、流石に二度目だからもうわかってるけど、この砦は囮なんだよね」
 今の作業が終わっても迎撃のための準備が終わらないことを知っているが故に嘉内の目は遠くなる。
「一夜砦が仕上がれば次は空堀ぞ。この周囲を掘っておくでござる。深さは、然程は深くはせぬ。しゃがみこめば人一人がすっぽり隠れられるぐらい+αでよい」
 口を動かす清政だが、ただただ指示をしている訳ではなく、自身も作業を続けつつの言だ。ほら来た、と言わんばかりの表情で嘉内はエメラルドの砦が完成するや道具をスコップに持ち替えて空堀を作る作業へ移る。
「……全く、子孫使いが荒いんだから」
 ブツブツ呟きつつ作成している空堀はその実塹壕であり。
(島津軍の目を一夜砦に引き付けて、その隙に塹壕から攻撃するって寸法)
 だからこそ掘るのにも手は抜けない訳ではあるが。
「島津の兵が此処を通るのが、まこと楽しみでならぬ」
 嬉々として地面を掘る清政の姿を横目で見たからだろう。
「あーあ、御先祖が人の悪い笑みを浮かべちゃってるよ。ま、オレも楽しみなんだけどさ」
 釣られるように口元をつり上げた嘉内も作業を続け、やがて迎撃のための砦と空堀は完成に至るのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

「なんと、あれは――」
 斯くして作られた緑の砦はこの地まで逃げてきた天魔武者らに発見され、彼らの知るところともなった。落葉樹が裸になるこの季節に緑の砦はそれなりに遠くからでも目についたのだ。
「おのれ、これ見よがしに! だが相手にしている余裕はない! 兵どもを迂回させよ!」
「はっ」
 撤退を考える以上兵の損耗は避けたいとの判断から島津義弘は配下の天魔武者へ指示を出し、伝令がこれに応じて走り去り。
「あの砦からは眼を離すな! 我らは砦から打って出てくる敵に備える」
「ははっ」
 逃げれば追撃に出るだろうと護衛の足軽天魔武者と共に島津義弘自身は殿としてその場に残る。この判断が吉と出るか否か、知るのは時先案内人から情報を得ているディアボロスらだけだろう。
綿抜・カスミ (トレインチケット)



「なんだったのだ、あの珍妙な砦は……」
 将の命でやむなく背を向けつつも見てしまったが故に疑問を抱くことまでは禁じ得ず。呟きながらその天魔武者・ジゲン流剣士は仲間たちと共に薩摩国へ向け走っていた。
「くっ」
 いや、疑問だけではない。二の太刀要らずの剣を振るうことも出来ずただただ逃げるしかないこの状況もまた意識のいくらかを後方へ向けてしまう要因の一つとなっていた、だが。
「遺言の準備はお済みですか?」
「な」
 襲撃せんと見ていた者が居れば、気もそぞろなのはまさに狙ってくれと言うようなもの。綿抜・カスミ(サイボーグのサウンドソルジャー・g01177)が晒した動力炉から迸った高熱の火炎は驚きの声をあげた天魔武者と不幸にも隣を並走する形となっていた別のジゲン流剣士を直撃した。
「「ぐわああああっ」」
 火だるまになったジゲン流剣士らはそもそもが超軽装甲。攻撃が命中すれば致命的と言われる脆さで不意打ちを受けてしまえばひとたまりもない。注意散漫だったジゲン流剣士は焼かれながらガシャリと倒れ込んでもう動くことはなく。
「この調子で数を減らし――」
「キエェエエエエエエエエ!」
 それでも巻き込まれた側のジゲン流剣士だけは炎に包まれたまま最後の意地で空間を歪めた。
「っ、それでも」
 特異な構えから繰り出される袈裟懸けの太刀筋が火炎を放ったばかりのカスミを襲わんとするが、咄嗟にガジェットウェポンで防御しようとこそすれ怯む様子はカスミにはない。
「む、ねん……」
 せめて相打ちに持ち込みたかったのであろうか刀を振り終えたジゲン流剣士は崩れ落ち。
「て、敵襲だと」
「その通りです」
 倒れた味方に動揺する他のジゲン流剣士らへ向けては動力炉を見せると高熱の火炎を放った。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

フロラン・フォンテーヌ (トレインチケット)



宵星・影晃 (トレインチケット)



八雲・沙耶 (トレインチケット)



「く、くそ……義弘様との距離が開いたのを見計らっての奇襲とは」
 動揺するジゲン流剣士の視界に映るのは、倒れ伏し尚燃える同胞の亡骸と現在進行形で討ち取られる仲間が増えてゆく状況。
「だがここで全滅しては殿に残った義弘様に申し訳がたたん。奇襲はされ被害も出たとはいえ相手は単独なのだ、数の有利で袋叩きにしてしまえば」
「そう思い通りに行くでしょうか」
 それでいいと続ける前に他者の声がの耳に届く。
「既に奇襲を受けていながら、確認もせず相手が単独と断じるのは」
「ぬかった」
 表情を歪め自身の言葉の途中で振り返るジゲン流剣士の表情は宵星・影晃(人間の陰陽師・g03235)にとってこちらの言を認めているに等しい。とは言え加減をしてやる理由は何処にもない訳だが。
「軽率でしたね」 
 影晃が結界へ迂闊な天魔武者と近くに居たその仲間を結界の中へと取り込むと式神を放つことで結界内は天魔武者らの処刑場と化した。
「ごっ」
「があっ」
 超軽装甲のジゲン流剣士らにとって一撃一撃は十分致命傷足り得た。細い腰をへし折られれば身体は二つに泣き別れ。
「おの、れぇぇえええ! チェストォオオォオオオ!」
 それでも空間を歪め肉薄したジゲン流剣士は上半身だけの姿で影晃へ斬りかかる。せめて道連れにと影晃に襲い掛かるジゲン流剣士だったが、その上半身へ向けたガジェットウェポンへ凍結弾精製装置を取り付ける者が居た。
「そうはさせないわ」
「ぐがああああっ」
 八雲・沙耶(人間のガジェッティア・g03536)がガジェットウェポンから撃ち出したミサイルは見事に上半身だけのジゲン流剣士を撃墜し、ミサイルへ封じられていた冷気によって影晃から逸れて落下するジゲン流剣士の身体は凍り付くと落下の衝撃で砕けた。
「うぐ、こ、ここに来てまた新手だと?!」
 呻いた天魔武者が沙耶を凝視し叫ぶ。
「馬鹿な、敵の主力はあの妙な砦に居るのではないのか?!」
「知らないわよ」
 天魔武者はもうほとんど見えない緑の砦を示すが、そもそもその砦を建てたのは沙耶とは別のディアボロスである。ついでに言うなら沙耶にはこの会話に付き合わなければいけないという理由もない訳で。
「みんなが戦ってるのにただ喋ってるだけって訳にはいかないの」
 凍結弾精製装置を取り付けたガジェットウェポンを遊ばせておくわけにもいかず。
「お、おの」
 言葉の途中でジゲン流剣士へ沙耶の放ったミサイルは炸裂した。
「っぎゃあああっ」
 冷気に凍てつきながら天魔武者は悲鳴を上げ。
(また戦いか。本当にキリがないね)
 それを含んだ戦場で上がるいくつかの悲鳴を聞いてフロラン・フォンテーヌ(水底の天使・g03446)は嘆息しつつ胸中で呟く。ただ、応援とは言えパラドクストレインに乗り込んで戦場に足を運んだのもまた自分。
「……いいよ。平和なあの日を取り戻すために、俺は戦おう」
 柔和の表情のまま、ただ色々と呑み込んで呪剣をとる。呪詛と怨毒を象徴する呪剣の刀身に目を落とし。
(自由のためには戦うことも必要、そうだよね?)
 声に出さぬフロランの問いへ明確な答えは返らない。
「さあ、呪いの剣よ、俺に力を貸せ」
 だからという訳ではなく、声に出して手にした武器に呼びかけてフロランは地を蹴る。仲間の襲撃を受けたジゲン流剣士らはまだフロランの存在にまでは気づいておらず、同時に手の中の呪剣から流れてくる力は敵に立ち向かうフロランの背を押して。
「どこかに突破口……は」
 周囲を見回すジゲン流剣士とフロランの目が合った。ジゲン流剣士の視線は流れるようにフロランの持つ呪剣へとまり。
「させぬ!」
 呪剣を受け止めるべくジゲン流剣士が太刀を構えた瞬間、フロランは物語を口ずさみながらもう一方の手で持った絵筆をひらめかせる。
「『美しい花たちは、極上の獲物を目前にして、花弁を揺らすのです』――さあ、喰らい尽くせ。憎悪の果てに、その身が枯れ落ちるまで!」
 そうして描き出したのは化け物のような牙と触手を備えた巨大な白い花。
「な……に?」
 呪剣で斬りかかって来るとばかり思っていた天魔武者は驚きに動きが止まり、隙を晒したジゲン流剣士の身体を花の触手がとらえると天魔武者が我に返るよりも早く大口を開いた白い花は捕獲した天魔武者に暴れながら喰らいつくと近くにいた別の天魔武者にも襲い掛かり。
「まだまだ殲滅は先だね」
「おのれ、よくも」
 花は天魔武者の絶叫すら噛み砕き葬り去るが喰い残された天魔武者の残骸の向こうには太刀を構えるジゲン流剣士が複数。戦いはまだ終わりそうになかった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【水源】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!

ドレイク・スマラクト
フローラ・ユグドラシル(g11590)と同行

聞くところによると、敗走する天魔武者の殲滅戦ッてのをやってるそうじゃねえか。
それなら、いわゆる経験値稼ぎがてら、オレも参加させてもらおうかね。
テメェ等には、オレがますます力を付けるための、餌になってもらうぜ。

で、フローラの嬢ちゃんが抜け駆けは許さないとばかりについてきやがった。
オレよりレベル高くなってるくせによ…。
まぁ、いいや。ついて来たンなら、先に神樹を生やしてヤツ等に仕掛けてくれ。
オレはその後で、ダメージアップを借りて、緑輝く清浄な理想郷で殲滅にかかるからよ。
「此処に、クロノヴェーダなんざ存在させねェよ!
この結界の中で、浄化されて消滅しやがれ!」

ヤツ等の攻撃は、いわゆる一の太刀ッてヤツか。
なら、タワーシールドを最前面に回して一枚目の盾、
永遠の星の魔力層を二枚目の盾として、
あとは【ガードアップ】、オーラフィールド、クリスマスホーリーの魔力を
三重の鎧とする五段階の防御で、その太刀を防ぎ止めきってやらァ。
「竜の硬さを、甘く見るんじゃねェよ!」


フローラ・ユグドラシル
ドレイク・スマラクト(g10888)と同行

壊走する敵の殲滅戦でドレイクのオジサンが
レベル上げしようとしてるから、ボクも着いてきたよ。
レベルを再逆転するための抜け駆けなんて、させないんだからね!

で、まずボクがココにユグドラシルの神樹を顕現させるの?
それじゃ、人造神槍グングニールを地面に突き立てて、
そこから神樹の芽を生やして、急成長させるね。
「ユグドラシル家が祀ってきた神樹に、弾き飛ばされちゃえ!」
ダメージアップは、しっかり乗せておくよ。
ドレイクのオジサン、あとの殲滅はよろしくね!

それで、敵の攻撃だけど、あの奇妙な叫び声を上げながら
斬りかかるのが、ボクも聞いたことがある「一の太刀」ってヤツなのかな?
ドレイクのオジサンみたいに竜の堅牢さを誇るつもりはないけど、
ボクも今後に備えていろいろ防御手段は用意してきたから、ココで試してみるよ。
まず、勇者の依代に庇ってもらうね。それから、黄金の林檎の花での防御。
あと、ガードアップにドラゴンオーラ、神力障壁にバトルドレスの防御力で、
上手く止めきれるかなぁ?


「ほう、ここがその殲滅戦の場ってやつか」
 敗走する天魔武者の殲滅戦が行われることを聞きつけてパラドクストレインに乗り込んだドレイク・スマラクト(悪魔食らいし竜人・g10888)は天魔武者の残骸が散らばる光景を視界にとらえていた。
「なんとか間に合ったってとこかね」
 殿の将と護衛から離れ不意を突かれ襲われたこともあって、決着こそついていないものの天魔武者たちはディアボロスたちに押されていた。
「実戦経験を積むもってこいの場だ。テメェ等には、オレがますます力を付けるための、餌になってもらうぜ」
 天魔武者を示しての宣言に対象とされたジゲン流剣士たちからのリアクションはない。それどころかまだドレイクが戦場に足を踏み入れたことにすら気づいていない個体が多数だろう。なにせあちらは既に戦闘中である。襲う側からすればそれも都合がいい。
「始めるの、ドレイクのオジサン?」
 襲撃すべく歩き出そうとしたところでかけられた声が一つ。それならボクもと横に並ぶのは、同じパラドクストレインに乗り込んでついてきたフローラ・ユグドラシル(咲き誇る華・g11590)。
「抜け駆けなんて、させないんだからね!」
「オレより……経験……でるくせによ……」
 釘をさすフローラに微妙そうな表情で小声で何やら零すが、聞き取れなかったのだろう。
「何?」
「こっちのことだ。まぁ、いいや。ついて来たンなら、先に神樹を生やしてヤツ等に仕掛けてくれ」
 質問と視線を向けられて気を取り直したドレイクはまだこちらに気づいた様子のない天魔武者・ジゲン流剣士らを示す。
「何か気になるけどそんなこと考えてる場合でもないよね。で、ココにユグドラシルの神樹を顕現させるの?」
「ああ、この距離なら届くよな?」
 齟齬がないように確認するフローラへドレイクは肯定してから聞き返し。
「うん。それじゃ――ユグドラシルの巫女が請い願う。我等が神樹、今此処に顕れ出でんことを――!」
 フローラが人造神槍グングニールを突き立てた直後、地面に芽吹いたモノは一機に成長し始める。
「ユグドラシル家が祀ってきた神樹に、弾き飛ばされちゃえ!」
「は? なんだこ、ぼっ」
「なんだこの樹どわああああっ?!」
 急成長し巨木となった木の芽は不幸にも二人に気づかなかったジゲン流剣士を成長に巻き込んで跳ね飛ばし。
「ば、馬鹿な……この状況で新手だと?!」
「ドレイクのオジサン、あとの殲滅はよろしくね!」
「へいへい」
 新たな乱入者に驚愕する生き残りのジゲン流剣士をさらっと無視して振り返るフローラへ応じたドレイクは逆にその生き残った天魔武者を睨みつけ、吠えた。
「此処に、クロノヴェーダなんざ存在させねェよ! この結界の中で、浄化されて消滅しやがれ!」
「「ぎゃあああっ」」
 展開された濃いエメラルド色に光輝く結界に捕らわれ、ジゲン流剣士たちの身体が崩れてゆく、ただ。
「キエェエエエエエエエエ!」
 あちこちを侵食されながらも絶叫の如き気合の声を上げつつ太刀を振りかぶる者が居た。
(あれはボクも聞いたことがある「一の太刀」ってヤツなのかな?)
 フローラの視界内、ドレイクの展開した結界の内で空間を歪ませ両者の距離を無視したジゲン流剣士はそのままドレイクへ斬りかかり、竜の頭部を模した巨大な盾で崩れつつある太刀を受け止められた。
「竜の硬さを、甘く見るんじゃねェよ!」
「むね……ん」
 最後に一矢報いようとしたのであろう。斬撃を凌がれた天魔武者は崩れ去って今度こそ動きを止め。
(不意を突けたからかたまたまこっちにはしてこなかったけど、ボクにも反撃してくることはあるよね)
 ちらり守護人形である勇者の依代をフローラが確かめたのはこんなこともあろうかと用意して来た防御手段の一つがそれだったから。
「上手く止めきれるかなぁ?」
 そればかりは試してみないとわからないことではあるが。
「ば、馬鹿な……あれだけいたのだぞ?!」
 決着には間に合ったとは言え数名のディアボロスが現在進行形で殲滅戦に臨んでいる戦場でもある。気づけば二本の足で立っているジゲン流剣士は数えるほどしかおらず。
「こ、これでは義弘様は何のために……」
「わからないけど、このまま逃げ帰って貰う訳にもいかないからね」
 動揺する天魔武者目掛けフローラはユグドラシルの神樹を顕現させ、その幹で超軽装甲であるジゲン流剣士の身体を粉砕し。数分もたてばわずかに残っていたジゲン流剣士らは全滅し、一体残らずその場に躯を晒す羽目となったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【修復加速】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!

「何故殿の我々ではなくあちらが襲われるのだ?」
 将と共に残ったはずの足軽天魔武者から動揺した声が漏れる。
「ぬかった……砦は囮であったか。この失態、万死に値する」
 震える島津義弘も濁り締めた拳を己の握力で壊さんがばかりだった。だが、いかに後悔しようとも失った戦力はかえらない。加えて残った天魔武者らをディアボロスたちがそのままにしておく筈もなかった。
フローラ・ユグドラシル
ドレイク・スマラクト(g10888)と同行

ココの戦場のことは正直よく分からないけど、
そこにクロノヴェーダがいるなら倒すしかないよね?
ボクが倒さなくても、ドレイクのオジサンに倒されるだけだろうしさ。
そんな、帰れ帰れなんて視線を向けられても、帰らないよ?
抜け駆けなんてさせないって言ったよね、ドレイクのオジサン♪

流れは、さっきと同じでいいかな?
ボクが神樹を顕現させて、ドレイクのオジサンが結界を張る。
それじゃ、行くよ!
「キミ達に怨みとか何とかは無いけど、やらせてもらうよ!」
さっきと同じく、ユグドラシルの神樹を発動するよ。
ダメージアップをさらに追加して、それを乗せるね。
追撃はお願いね、ドレイクのオジサン。

敵の攻撃は、槍を構えての突撃なんだよね。
それじゃ、今度は用意してきた防御手段を試せるかな?
まず、勇者の依代に庇ってもらうね。それから、黄金の林檎の花で防御。
あと、鎧代わりにガードアップにドラゴンオーラ、神力障壁にバトルドレス。
一の太刀とどっちが強いかはわからないけど、上手く止められるといいな。


ドレイク・スマラクト
フローラ・ユグドラシル(g11590)と同行

ジゲン流剣士は殲滅したが、他にもクロノヴェーダがいるンならそれで終わるつもりは無ェ。
残らず平らげて、竜の餌になってもらうぜ。
…で、フローラの嬢ちゃんは、抜け駆けさせないとか言ってやがったから、
あれで帰るわけねェよな。

とりあえず、だ。戦闘の流れはさっきと同じ。
フローラの嬢ちゃんが仕掛けてから、オレが続く。
「ヤツ等の後を追わせてやるよ! 此処から消え去りやがれ!」
積み増しされたダメージアップを借りて、緑輝く清浄な理想郷だ。
オレの目の前で、そしてオレの結界の中で、クロノヴェーダなんざ
一体たりとも存在させやしねェよ!

ヤツ等の攻撃は、槍で突いてくるだけか。
ま、パラドクスである以上、それだけでも馬鹿には出来ねェがな。
ともあれ、まずはタワーシールドを一枚目の盾として受け止めて、
抜けた分は永遠の星の魔力層を二枚目の盾とすることで防ぐぜ。
それでも止めきれなければ、積み増したガードアップ、オーラフィールド、
クリスマスホーリーの魔力で止めきってみせるとしようか。


「ココの戦場のことは正直よく分からないけど」
 としつつもフローラ・ユグドラシル(咲き誇る華・g11590)の目は囮となった砦の方に居る天魔武者らへ向いていた。
「そこにクロノヴェーダがいるなら倒すしかないよね? ボクが倒さなくても、ドレイクのオジサンに倒されるだけだろうしさ」
 ちらり振り返ろうとすれば、ドレイク・スマラクト(悪魔食らいし竜人・g10888)はフローラの予想通り砦の方へと向かい走り出して、今、フローラを追い抜いた。
(ジゲン流剣士は殲滅したが、他にもクロノヴェーダがいるンならそれで終わるつもりは無ェ。残らず平らげて、竜の餌になってもらうぜ)
 考えていることを一字一句見抜いていた訳ではないとしても、残敵も討ち果たすつもりでいるところは完全に見通していたと言っていいだろう。そんな胸中の声をドレイクが口に出していても、納得こそすれ驚くことはなかっただろう。
「……で、抜け駆けさせないとか言ってやがったんだ。これで帰るわけねェよな?」
「もちろん。そんな、帰れ帰れなんて視線を向けられても、帰らないよ?」
 一方でドレイクの方もフローラをよく理解していたのだろう。嫌そうな表情で確認するドレイクに答えると、結果として二人仲良く殿の天魔武者らの元へ。
「流れは、さっきと同じでいいかな?」
「とりあえず、はな」
 トループス級天魔武者という共通点はあるが、構造も持ってる武器も全く違う相手だ。移動の合間に戦いについて打ち合わせ、さして長くない移動を追えれば攻撃の届く間合いへと入る。
「それじゃ、行くよ!」
 そう直接声に出さずともフローラの戦う様はドレイクにとって見たばかりだ。仕掛けるタイミングはきっちり把握し。
「キミ達に怨みとか何とかは無いけど、やらせてもらうよ!」
「くそっ、ええいただでやられる我らと思うな!」
 フローラが人造神槍グングニールを地面に突き立て地面から生えた木を巨木に成長させるが、機械槍を構えた足軽天魔武者は一切怯まない。
「ぐあっ、なんのこれしき……うおおおおおっ!」
 巨木に跳ね飛ばされようと気合の声をあげ、空間を歪めて障害物となった巨木すらすり抜けフローラへ肉薄する。
「仲間の無念、この槍にィ?!」
 ただ、繰り出した機械槍の穂先は、フローラに届くこと能わず。守護人形である勇者の依代が身を挺すようにこの穂先を受け止めていて。
「まだだっ! うおおおおっ!」
「っ、凄い執念だね」
 巨木の直撃で片腕がもげかけた別の足軽天魔武者がフローラに迫るがこれは林檎の花を象った金色の魔力層が展開し受け止める。
「ばかな……」
「一の太刀とどっちが強いかはわからないけど、上手く止められたみたいだね。ドレイクのオジサン」
「おう」
 声には出ていなかった「追撃はお願いね」を正しく理解したドレイクは本懐を遂げられなかった足軽天魔武者らを濃いエメラルド色に光輝く結界の中に捕らえた。
「ヤツ等の後を追わせてやるよ! 此処から消え去りやがれ!」
「「ぐあああああっ」」
 巨木が直撃して手負いの天魔武者たちはひとたまりもなく、あちこちを侵食され崩れ落ちてゆく。
「う、おぉ」
 中にはそれでも反撃に突撃を敢行する者も存在はしたが。
「槍で突いてくるだけか。ま、パラドクスである以上、それだけでも馬鹿には出来ねェがな」
 ドレイクが油断なく構えた竜の頭部を模した巨盾を死に行く足軽天魔武者は貫けなかった。ならばドレイクとしては何の問題もない。
「オレの目の前で、そしてオレの結界の中で、クロノヴェーダなんざ一体たりとも存在させやしねェよ!」
「おのれ」
 言外に次は貴様等だと言われいまだ健在な足軽天魔武者が激昂するも二人がとまる筈もない。
「ユグドラシルの巫女が請い願う。我等が神樹、今此処に顕れ出でんことを――!」
「ぎゃああっ」
 ドレイクに気が逸れた瞬間にフローラが芽吹かせたそれは巨木となって足軽天魔武者たちを襲う。
「ぐ、う」
「緑輝く清浄な理想郷のために! テメェ等は生かしちゃおけねェんだよ!」
 そうして地面にたたきつけられたところをドレイクの結界がとらえるのだ。
「義弘さま、申し……訳」
 繰り返すように狩られ、数を減じてゆけば残るのは将のみ。
「こうなれば、猶の事、一人でも多くディアボロスを血祭りに……」
 ただ、配下の全滅に気落ちするどころかその様はどこか鬼気迫るものがあった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】がLV2になった!
【修復加速】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

ルフィナ・スローヴィン (トレインチケット)



月乃・光 (トレインチケット)



春日宮・緋金 (トレインチケット)



「やはり、こちらにも仕掛けてくるかディアボロス!」
 そして、少し時間は遡る。一人残った将の島津義弘は配下が討たれてゆくのを座してみていた訳ではない。配下の天魔武者がディアボロスたちとの戦闘に入った時、配下と戦っているものとは別の、応援に駆け付けたディアボロスから襲撃を受けていたのだ。
「あなたは、わたしの誇りにかけて討つと決めた。ただ、それだけのことよ」
 忌々し気に島津義弘が自身へ視線を向けて来てもルフィナ・スローヴィン(暁闇・g07231)は一切気にしなかった。腰に佩いた名もなき魔剣に手をかけて口の端を僅かに吊り上げる。
「べつに戦いが好きなわけではないの。クロノヴェーダを倒せるのが嬉しいだけよ」
 尋ねられたらそう答えたかもしれない。だが質問者はおらず、かわりにルフィナは地面を蹴った。
「来るか」
「闇よ、羽ばたきなさい。空を蝕むほど、広く高らかに」
 そのまま肉薄してくるかと天魔武者は身構えるが、ルフィナは空へと舞い上がる。背中から広がった闇のオーラが黒い翼を形成してその肉体を空へと運んだのだ。
「なん」
 とっさに島津義弘の視線と顔の向きが飛翔するルフィナを追うも、複雑怪奇な軌道を描いて飛ぶルフィナを視線で追い続けることは能わず。
「ど、どこに、ぐおあっ」
 見失ったルフィナを探し周囲を見回す天魔武者の身体へルフィナの翼から舞い散る漆黒の羽根が弾丸と化して島津義弘を貫き。
「将の割には、随分と隙だらけね」
「ぐはあっ」
 怯んだところで空に残像を残し急降下して来たルフィナが魔剣で島津義弘を斬り裂いた。
「おのれ、ただではすまさん!」
 だがも斬られながらも島津義弘は金棒を高速で回転させ、旋風を引き起こしながらルフィナへ肉薄する、が。
「乗るか反るか、当たりゃあデカかったろうけどね」
「ぬぅ」
 さ中に聞こえた自分の声に島津義弘が振り返るのを見ながら、春日宮・緋金(案内人・g03377)は大金棒を振りかぶっていた。
「獲物が金棒とは奇遇じゃないのさ」
「ぐっ」
「ツリは要らないよ、受け取っときな!」
 回避不能を悟ったのであろう天魔武者に緋金は全身の膂力を籠めた大金棒の一撃を叩き込む。
「ごっ」
 殴打されて天魔武者は地面へ膝をつき。
「おぉおおっ!」
 膝をついたまま剛力をもって大金棒を振り回さんとする。
「ぬ?」
 するはずが、ついた膝と足に何かが絡まる。
「こ、これは」
「大丈夫かい?」
 天魔武者の疑問の声を無視して、月乃・光(White Rabbit・g03208)は緋金に声をかける。もちろん無視したのは天魔武者が抱いた疑問にだけだった生じた隙を見逃すこともない。
「やっ」
「べっ」
 竜をも屠るような一撃が島津義弘を襲い、巨大な懐中時計のようなソレでどつかれた天魔武者は地面との抱擁を余儀なくされ。
「ぐぬっ、おのれ、おのれぇ!」
 起き上がるや再び大金棒を両手で掴んで振り回し始める。もっともこの状況をただ見ているディアボロスなどおらず。
「ぐあっ」
「こっちの注意も散漫じゃないかい」
 再び空に舞い上がっていたルフィナを失念していた島津義弘は背中を斬られ、勢いの削がれた大金棒を緋金のそれにぶつけられて止められ、その後しばらく三人の相手をしていたのだ。配下への襲撃に介入するどころではなく。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【命中アップ】LV1が発生!

ドレイク・スマラクト
フローラ・ユグドラシル(g11590)と同行

一人でも多くディアボロスを血祭りに、だァ? ハハッ、出来もしねェことを。
テメェも配下同様、竜の糧となる運命なんだよ!

テメェが今何を相手にしているのか、教えてやるよ。
この「不動金縛りの竜眼」でなぁ!
そんなわけで、4レベルまで伸ばしたダメージアップを乗せて、パラドクス発動だ。
オレの竜眼で金縛り状態に陥った島津義弘を、竜炎槍でフルボッコにするぜ。

その金縛りが解けて奴が攻撃してきたら、まずはタワーシールドを
前面に出して大金棒を受け止めようか。
それでも防ぎきれねェ分は、スーツとオーラフィールド、クリスマスホーリーの魔力、
そして何よりコッチも4レベルまで伸ばしたガードアップで、防ぎ止めるぜ。
トループス級相手にチマチマとダメージアップやガードアップを積んでおいたのは、伊達じゃねェんだよ!

オレとの攻防が終わったらすかさずフローラの嬢ちゃんに攻撃させて、
フローラの嬢ちゃんとの攻防が終わったらすかさずオレが攻撃して、で、
息をつかせる間もなく追い詰めていくぜ。


フローラ・ユグドラシル
ドレイク・スマラクト(g10888)と同行

いやいやいや、ボク達、血祭りになんてされる気は無いからね!?
それどころか、ボクがさらなる力を付けるための踏み台になってもらうよ!

で、今回はドレイクのオジサンが啖呵切って先に仕掛けちゃった。
もう、そう言うのは先に相談しておいて欲しいなぁ。
でも、それならすぐに追撃に入れるようにスタンバっておくよ。

島津義弘とドレイクのオジサンとの攻防が終わったら、すぐに追撃するよ。
「ねぇ? ボクのことが欲しくならない?
キミがボクにどんな欲望を抱くのか、見せて欲しいな?」
ダメージアップを乗せた女神の魅了を発動するね。
どんな形になるかはわからないけどボクを欲しいと言う欲望と、
ボクへの殺意は相反するよね。

その状態で反撃しても普通に威力は落ちると思うけど、
今回はアヴァタール級相手だから油断はしないよ。
まず勇者の依代に庇ってもらって、黄金の林檎の花で防御するよ。
あと、鎧代わりのドラゴンオーラ、神力障壁にバトルドレス。
それに何よりガードアップも駆使して、上手く止めたいね。


「一人でも多くディアボロスを血祭りに、だァ? ハハッ、出来もしねェことを」
 そして島津義弘が鬼気迫る様を見せるに至り、これを聞いたドレイク・スマラクト(悪魔食らいし竜人・g10888)が鼻で嗤う。
「いやいやいや、ボク達、血祭りになんてされる気は無いからね!?」
 一方でフローラ・ユグドラシル(咲き誇る華・g11590)は手を振って拒絶の意を表すわけだが、別れた両者の対応ながら一致しているところはある。
「それどころか、ボクがさらなる力を付けるための踏み台になってもら――」
「テメェも配下同様、竜の糧となる運命なんだよ!」
 先に言い切ったドレイクの方が動き出してゆくが、敵将を自身が成長の為の存在と見なしていることだ。
「テメェが今何を相手にしているのか、教えてやるよ。この『不動金縛りの竜眼』でなぁ!」
 実にイキイキと、ドレイクは爛々とエメラルド色に輝く眼で睨みつけた。
「ぐっ」
 殺気と威圧感を帯びた視線は容易に睨まれた者の動きを封ず。アヴァタール級の天魔武者であっても例外ではなく。
「おらァ!」
「あー、先に仕掛けていっちゃった……もう、そう言うのは先に相談しておいて欲しいなぁ」
 全体が真紅に輝く長槍を叩きつけようとドレイクが振りかぶる様を眺めながらフローラは不満を零す。もちろん、ただ不満を口にするだけではない。すぐに追撃に入れるように備えていて。
「がっ、おおぉぉおおっ!」
 そんなフローラの視界の中で長槍の一撃を受けた島津義弘は大金棒を振り回す。
「はっ、ここまで積み上げてきたモンは、伊達じゃねェんだよ!」
 即座に反撃に転じたアヴァタール級天魔武者にドレイクは竜の頭部を模した巨盾で大金棒を受け止めんとしており、金棒と盾はぶつかり合う。
「ぐっ」
「ぬぐっ」
 不本意だったのはどちらだったか、あるいは双方か。
「ねぇ? ボクのことが欲しくならない? キミがボクにどんな欲望を抱くのか、見せて欲しいな?」
 両者の攻防の終わりを見届けて、フローラは声をかける。いや、ただ声をかけただけではない。
「ええい、世迷いご……とを?」
 女神フレイヤの魅力を再現するフローラを視認したとたん島津義弘の言葉は不自然に途切れ。
「ぐ、ぐ……ぬおおおおおっ!」
「へぇ、殺意や戦意は鈍ってるはずなのに反撃はできるんだ。それってボクへの殺意は相反するよね」
 苦悶するように身をよじった天魔武者が大金棒を再び振り回そうとすれば、フローラは意外そうな声を漏らすも反撃への備えは怠っていなかったらしい。
(あの状態で反撃しても普通に威力は落ちると思うけど、今回はアヴァタール級相手だからね)
 油断は一切なく、視界の端に自身を庇おうとする勇者の依代をいれながら林檎の花を象った金色の魔力層を展開する。更に神力の障壁も備えている上に加えてミニドラゴンであるグラスから分け与えられたオーラもバトルドレスを身に纏ったフローラ自身の身体を覆っているのだ。
「ぐうっ」
 繰り出された大金棒の一撃はフローラの守りを砕くことも抜けることも能わず。
「どこ見てンだよ! そのまま頭をかち割られてェならそれでもいいけどなァ!」
「っ、しま」
 横合いから声をかけられた島津義弘は弾かれた様に振り向き、見てしまった。先に金縛りにさせられた視線を向けてくるドレイクを。爛々とエメラルド色に輝かせた目を見た瞬間に天魔武者の身体は硬直し、生じた隙をドレイクが逃す筈もない。
「がばっ」
 そもそもドレイクたちが仕掛けた時点で手負い。天魔武者の兜は拉げ、殴り倒される形で島津義弘は地面に倒れ込む。
「れ……まだだ! まだだあああああっ!」
 兜から鍬形が外れ大金棒を杖に立ち上がった島津義弘がドレイクに殴りかからんとし、再び竜の頭部を模した巨盾に大金棒を受け止められる。そうして天魔武者の意識がドレイクに向けばフローラが側面から追撃する。
「……せめて、せめてどちらかだけでもっ」
 繰り返される攻防でボロボロになりながらも島津義弘は諦めていなかった。
「あー」
 その結果最終的に道連れに狙ったのがフローラとなったのは自身へと欲望を向けさせようとしてきたのも理由の一つではあったかもしれない、だが。
「出来ると思ってンなら随分おめでてェな」
 意識をフローラの方だけに向ければどうしてもドレイクに隙を晒す。
「ご、はっ」
 何度目かわからない長槍の一撃が満身創痍の天魔武者を終わらせ。
「おし、これで終わりだな。餌としてはまあまあだったか」
 最早物言わぬ躯となった天魔武者から視線を切ると、フローラの方を見て帰るぞと呼びかけたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2025年01月28日