リプレイ
レオアリア・フォルシオン
…取り戻したのね、ドラゴンの支配から…ブリテンを
少しだけ寂しそうに…隣に、ディヴィジョン時代の輩がいない事に想いを一瞬だけ馳せた後、クリスマスケーキやローストターキー等をラウンジで食していく
飲み物は、グレープスパークリングジュースで
…献杯
そう言って瞑目した後、グラスに注がれた真紅に近い紫のジュースを口に運んでいく
…やっぱり、食事の質は最終人類史の方が遥かに上ね
そんな風に食事を済ませた後、ラウンジで夜行列車の外に広がる光景を目にする
…あの戦いに、無駄なもの等一つも無かった
無かった、からこそーー
…過去が愛おしい
ディヴィジョンからやって来たディアボロスにとって、ディヴィジョンの過去も、ディヴィジョンで描いた明日も、ディヴィジョンで生きた今日も…
最終人類史に統合される
それは、正しい
正しいからこそ、より洗練された形にするべきだわ
だからこそ『復讐』とは異なる可能性を
それは、過去が輝くものとなって背を押してくれるからーー
●
「……取り戻したのね、ドラゴンの支配から……ブリテンを」
車窓に映る街の灯を、レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)はどこか遠い目で一瞥する。あのディヴィジョンで出会った者達も一瞬だけ想いを馳せるが、それもきっと詮無いことだろう。思い出を胸の裡に仕舞い込み、彼女は改めて料理を注文した。
クリスマスケーキにローストターキー、クリスマスらしいメニューに加えて、グラスに注いでもらったグレープスパークリングジュースを手に、瞑目する。
「……献杯」
そうしてしばし杯を掲げてから、彼女は真紅に近い紫のジュースを口に運んだ。芳醇な香りと味わい、それに関してはあの場所とは比べるべくもなく。
「……やっぱり、食事の質は最終人類史の方が遥かに上ね」
溜息交じりの言葉を零しつつ、彼女は運ばれてきた料理を味わっていった。
一通りの食事を終えて、ラウンジのソファに体を預ける。列車は田園地帯に入ったのか、月明りに浮かんだ木々の影が、急速に流れていく、そんな窓の向こうの風景を眺めて。
――あの戦いに、無駄なもの等一つも無かった、と改めて彼女は思う。しかし、だからこそ湧き上がる感情もあるのだ。過去が、彼女の生まれ育ったあのディヴィジョンが愛おしい、そんな情動が。
キングアーサーの消滅を契機に、あのディヴィジョンで過ごした日々も、あの日描いた明日も、その戦いさえも消えてなくなり、最終人類史に統合された。これから先の戦いでも、きっと同じことが起こるのだろう。
それは、正しいことだとレオアリアは思う。最終人類史から見れば、奪われ歪められた歴史を取り返しただけに過ぎないのだから。けれど正しいからこそ、より洗練された形に磨き上げるべきなのでは?
そのために、『復讐』とは異なる可能性を探るべきだと彼女は思う。そうすればきっと、過去が輝くものとなって背を押してくれるから――。
窓の外の暗闇を眺めながら、彼女はひとり、さらに深く思索に潜る。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
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レジーナ・ネイサン
【彩縁筆】A
寝台列車!いいね、ワクワクする
スケッチブックと画材を抱えて乗車
へ?これ?いやあ、だって
こんな機会そう無いからさ
窓からの景色を描いておかないと
おや、ふふ
じゃあラウンジに行こうよ
先ずはパーティーしよう!
食事メニューと睨めっこしながら注文
ローストターキーは外せない、クリスマスだもの
あとミンスパイも
名前だけ聞いた事あって気になって
ブラシはクリスマスケーキね、トトと一緒に食べたいってさ
ギィースは?パエリアか…良いトコいくね!
勿論賛成、シェアしよう
乾杯!メリークリスマス、だね
料理に舌鼓
ブラシはミンスパイよりケーキが好き?そっか
例え好みと違っても、笑い合えばいい思い出になる
生クリーム?げっ本当だ
あー!チョコもついてる、あああ後で拭かないと
深夜のラウンジ
牧歌的な景色、月の橋がかかる湖
それらをスケッチしながら
…なあギィース、起きてる?
ふふ、ふたりはそのまま寝かせておこう
まさか今年もあなたとクリスマスを過ごすとはなあ
毎年言ってるかもしれないけど、毎年思うんだよ
ありがとう
…そうだね、来年もよろしく
ギィース・エレクレ
【彩縁筆】A
寝台列車!凄いね、列車の中にお部屋があるー!
確かに、列車の中で夜を過ごせるなんてワクワクするよね!
ん?アレ?それはレジーナちゃんの画材?
ふふっ、そうだね!目で見て楽しむのも良いけど
素敵な風景は絵で描いておきたくなるものね!
ぐぅとお腹が鳴る
んー、先にお腹が空いたからご飯食べない?
わぁーい!じゃラウンジに行こう!
パーティーだね!
ローストターキーにらミンスパイ?
クリスマスって感じがするね!!
俺?んー、シーフードパエリアにしようかな?
でもローストターキーもパイも食べたいのでシェアしない?
ブラシちゃんはクリスマスケーキだね!トトも嬉しそうにブラシちゃんとケーキ食べてる
あはははっ、お口のまわり生クリームだらけだよ
後で取るのが大変だ!
深夜
頬杖をつきながら外を眺めてると見せかけて
外の風景を描いてる彼女を眺めている
楽しそうに描く姿にふふっと笑って
うん、起きてるよ
ブラシちゃんとトトはぐっすり寝てるけど、可愛い
今年も一緒にクリスマス過ごせて俺も幸せ
こちらこそありがとう
来年も沢山遊んでね、よろしくね
●
駅に停まったパーティ会場、イギリスの地を縦断する寝台列車に乗り込んで、ギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)は早速歓声を上げた。
「凄いね、列車の中にお部屋があるー!」
「寝台列車! いいね、ワクワクする」
「列車の中で夜を過ごせるなんてねえ」
そんな風に笑って、後ろに続くレジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)を見遣り、目を丸くする。
「ん? ……随分大荷物だね?」
これ旅行じゃなくてパーティじゃなかったっけ? そんな問いに、レジーナは困ったように頭を掻いた。
「それはわかってるんだけど、いやあ、こんな機会そう無いからさ?」
彼女の抱えた荷物は勿論画材の数々だ。せっかく珍しい体験ができるのだから、彼女としては絵に残さないという選択肢は当然ない。
「いいんじゃない? レジーナちゃんらしいと思うよ!」
目で見て楽しむのもいいけど、素敵な風景は絵で描いておきたくなるものだとギィースが頷く。するとそこで、彼の腹の虫が空腹を訴え始めた。
「んー、先にお腹が空いたからご飯食べない?」
「ふふ、じゃあラウンジに行こうよ」
言われてみれば、夕飯としては良い時間だ。ふふ、と微笑んで、レジーナは前に立ってパーティ会場へと向かっていった。
クリスマス仕様に飾られたラウンジ車両はきらきらと煌いて見えて、ブラシとトトがはしゃぎ始める。一応それを押さえながらソファに座った二人は、早速メニューに目を通した。
「ローストターキーは外せないよね、クリスマスだもの」
あとミンスパイも名前だけ聞いた事あるんだよね、食べてみようかなあ、とレジーナが頭を悩ませる。
「ブラシはクリスマスケーキね。ギィースは?」
「俺? んー、シーフードパエリアにしようかな?」
とはいえこちらも悩まし気なのは、メニューの数々に目移りしてしまうからだろうか。
「でもターキーやパイは俺も気になるなあ。シェアしない?」
「勿論、それじゃ皆で分けようか」
そうと決まればテーブルを料理でいっぱいにして、二人は共にグラスを掲げる。
「乾杯!」
それから、メリークリスマス。賑やかなこの会場でなら、騒いだって問題ない。見慣れた料理には舌鼓を打って、未知なる料理には味見に挑む。星の描かれたような形のミンスパイは、見た目はとても華やかだけど。
「え、ブラシはミンスパイよりケーキが好き?」
「トトもこっちの方が嬉しそうだよ」
彼等の反応に、これはこれで悪くないと思うんだけどなとレジーナが眉根を寄せる。実際この辺りの料理は好みが分かれることも多い。とはいえそれはそれで、笑い合えるなら良い思い出にしてしまえるだろう。
「あはははっ、お口のまわり生クリームだらけだよ」
「げっ本当だ」
お上品、ということもなくクリスマスケーキにがっついていた彼等の様子に、ギィースが愉快気な笑い声を上げる。
「これは取るのが大変そうだね?」
「あー! チョコもついてる、あああ後で拭かないと」
嘆きの声も上がったけれど、お皿が空になるまで彼等の食事は止まらないだろう。賑やかで愉快な、パーティの夜は更けていく。
時計の針は夜間を過ぎて、夜通し騒ぐ車両以外は、静けさを取り戻す。列車の揺れだけが響くラウンジの一角で、レジーナは画材を広げていた。
窓の外、月明りに浮かび上がる牧歌的な風景を捉えて、目に映ったものと、感じたものを逃さぬようスケッチに落とし込んでいく。
「……なあギィース、起きてる?」
「うん、ブラシちゃんとトトはぐっすり寝てるけど」
「ふふ、ふたりはそのまま寝かせておこう」
ソファに体を預けたギィースの方を一度見てから、レジーナはまた窓の外へと視線を戻した。
「まさか今年もあなたとクリスマスを過ごすとはなあ」
「今年も一緒にクリスマス過ごせて俺も幸せだよ」
楽し気に手を動かす彼女の様子を眺めて、ギィースは微笑む。
「毎年言ってるかもしれないけど、毎年思うんだよ。……ありがとう」
「こちらこそありがとう。来年も沢山遊んでね」
「……そうだね、来年もよろしく」
湖にかかる月の橋。過ぎ去っていく木々の合間に覗いたそれは、きっとすぐに隠れてしまうけれど。逃さぬよう、忘れぬように、彼女はじっとそれを見つめていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
ラト・ラ
マティアス(g00097)と
前にクリスマスのリハーサルで一緒に料理をしましたよね
ティンセルガーランドが揺れるラウンジ車両のソファ席にて
数年前の話を切り出す
テーブルの上には食事(わたしは野菜メイン、きっと彼はお肉メイン)と
思い出のクリスマスプディングが並んでいる
マティアスのおかげで毎年楽しく過ごせているけれど
わたしが修道院にいた頃は
クリスマスツリーや豪勢な食事はなくて
子供たちと沢山のキャンドルに火を灯して
ささやかなお祝いをしました
故郷の近くまで来たせいか、そんなもっと昔のことも頭に浮かんだり
咄嗟に「子供たちは元気かしら」と過ぎるけれど、もうここにあの子達はいない
少しの間ぼんやりしていると、彼に声をかけられ咳払いを一つ
…さっきからお肉ばかり食べてません?
野菜もあわせて食べないと
公開処刑(あーん)しちゃいますよ
恥ずかしがって嫌がるだろうという狙いで、悪戯にフォークで人参をさす
今日まで色々なことがあった──
でも、何があろうとも
彼との“今”の時間を何より大切にしたい思いは昔から少しも変わっていない
マティアス・シュトローマー
ラト(g00020)と
ああ。懐かしいね
ベルファストの人達にクリスマスプディングと南瓜のポタージュを振る舞ったんだよなー
テーブルに並んだあの時と同じ一切れを見て思わず笑みが溢れる
何度も書き直した手紙を出して、ラトからの返事を受け取った時には初めて神様に感謝したよ
あの時ほど気持ちの入ったアーメンは無かったね
復興支援に赴くというそれらしい大義名分を掲げ、憧れの修道女様と二人で過ごす機会をやっとの事で得たのだ
無鉄砲に突っ走る少年時代だからこそ出来た立ち振る舞いを思い出して苦笑する
…それがあったから今がこうしてあるんだけど
彼女が語るクリスマスの光景は絵本に描かれた美しい挿絵を思い起こさせるようで
家族揃って迎えるクリスマスほど素敵なものは――ラト?
声を掛けても心ここに在らずな修道女の顔の前でひらひらと手を振ってみる
…そんな事は
鋭い指摘にぐうの音も出ない
差し出された人参を見て一瞬躊躇うが、覚悟を決めた
あーもう、わかったよ!
…これで満足?
今だからこその子供扱いも案外気に入っている――とは胸の中だけの言葉
●
夜の大地を走り抜けていく寝台車両、その静かな揺れを、ラト・ラ(*☽・g00020)とマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)はラウンジ車両のソファの上で感じていた。この場はクリスマスパーティに相応しく飾られており、見上げれば、揺れるティンセルガーランドがきらきらと照明の光反射している。テーブルの上には二人のための料理が並んでいて、その真ん中には、パーティ用のクリスマスプディングが置かれていた。
「前に、クリスマスのリハーサルで一緒に料理をしましたよね」
「ああ、懐かしいね。ベルファストの人達にクリスマスプディングと南瓜のポタージュを振る舞ったんだよなー」
ラトの言葉にマティアスが頷く。あれは数年前の話になるだろうか、クリスマスプディングは、その時の思い出の一品でもある。
「何度も書き直した手紙を出して、ラトからの返事を受け取った時には初めて神様に感謝したよ」
あの時ほど気持ちを込めて「アーメン」と口にしたことはなかった、と冗談めかして彼は言う。あの時の振る舞い――復興支援に赴くというそれらしい大義名分を掲げ、彼女と二人で過ごす機会を得るため手を尽くしたのは、今から思えば少年時代特有の無鉄砲さによる所業と言わざるを得ない。思わず苦笑いも浮かんでしまうが、同時にその無鉄砲さのおかげでこの時間があるというのもまた事実、否定ばかりするのもまた違うか。
「マティアスのおかげで毎年楽しく過ごせているけれど――」
と、そんな風に切り出されたのは、彼女が修道院に居た頃の思い出。クリスマスツリーや豪勢な食事はなくて、子供たちと沢山のキャンドルに火を灯して。そんなささやかなお祝いをしたものだと。
「……」
子供たちは元気かしら。咄嗟に言いかけたそれが、形になることなく消える。そんな言葉が浮かんでしまったのは、故郷の近くに居るからだろうか。あの子達は、もうここにはいないと言うのに。
「――ラト?」
言葉の途中で黙ってしまった彼女の様子に、マティアスは顔の前でひらひらと手を振って、声をかける。我に返った様子のラトは、誤魔化すように咳払いをひとつ。
「……さっきからお肉ばかり食べてません?」
「え? ……いや、そんな事は」
そんな指摘に、マティアスは問い掛けを続ける機会を逸する。何しろ、図星なので。
「野菜もあわせて食べないと、公開処刑しちゃいますよ」
はい、あーん。そんな形で、ラトはフォークで人参を刺し、彼の前に差し出す。彼女の狙い通り、視線を彷徨わせるようにして戸惑っていたマティアスだが。
「あーもう、わかったよ!」
覚悟を決めたように、目の前のそれを口にした。
「……これで満足?」
ええ、よくできましたと頷く彼女の様子に、マティアスは溜息を吐く。まあ、こういう子供扱いも、案外気に入ってはいるのだけど――。
そんな彼の思考を他所に、列車は規則正しく車輪を揺らして、線路の上を走っていく。カーテン越しの月明りの中、通り過ぎていく夜景を横目にして、ラトは過ぎ去った時間を思う。
――今日まで色々なことがあった。悲しいこと、辛いこと、ままならないことだって。
でも、何があろうとも、彼との“今”の時間を何より大切にしたいという思いは、昔から少しも変わっていない。
「まだ残ってますけど、食べさせてあげましょうか?」
「いいよ、自分で食べるから」
さすがに照れたのか、そんな返事に、ラトは秘かに口の端を上げて微笑んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
乾・玄辰
ミラ(g05456)と参加。
ラウンジスーツにリボンタイを締め、期待に胸躍らせ乗車する。
そうとも、ミラ!!物語で幾度となく憧れた浪漫薫る鉄道旅行だ。
まして旅の友が君ならば……おっと。
今は紳士らしく予約席に淑女をエスコートしよう。
英国料理は"逸話"が多いけれど、どの料理も美味で安堵したよ。
何時も幸せを届けてくれるミラなら、サンタクロースの適性は充分と見た。
何なら僕が箒を飛ばし橇と馴鹿の代役を務めようじゃないか。
食後は自然と車窓の外を二人で眺める。
異国の夜景を照らす明かりが都市の浩々とした光から
繊細な星光と静謐な月光に変わる光景は、移ろう世界の営みの様だね。
人も疎らのラウンジ車両で夜の彼方へと想い馳せる内、
銀河を往く列車の幻想文学が脳裏に浮かぶ。
読書家の彼女も同じ夢想に辿り着いているだろうか?
午前零時を告げる車内時計の音で現実に意識を戻すと、
瞳に映るはベツレヘムの星より代え難き地上の星。
彼女の星明りの微笑みに、告げるべき言葉を紡ぐ。
そう。二年越しの待ちに待った一言を――メリークリスマス、ミラ。
ミラ・テネブラエ
玄辰(g01261)と
膨らむ 期待 革鞄の中 押し込んで
鉄道旅行 だね 玄辰!
浪漫満載 列車旅 わくわく しちゃう
日没後 ドレス 着替えて 食堂車へ
スパイス 馨る モルドワイン
蔓苔桃 ソース 添えた 七面鳥
ごろごろ野菜 ローストポテト
どれも 前評判 嘘みたく 美味しい
わあ このパイ 星の蓋 だ!
ミンスパイ 見た目 一目惚れ
パイの中 砕いて入れた 果実も
鉱石 欠片みたい 綺麗ね
賛否 分かれる味 聞いて
緊張 しつつ いざ実食
……少し 香辛料 効きすぎ かな?
でも 案外 好きな味
サンタクロース 好物 なんだって
私も 素質 あるのかも うふふ
温かい 夕食 お腹 満たして 夢心地
寛いでいた 乗客も 自室へ 戻っていく
けれど このまま 眠る 惜しい 気がして
もう少し 車窓から 異国の夜空 眺めていたい
頭上 仰げば 満天の星
高速 流れ往く 街明かり 流星の様 だから
この列車 銀河鉄道だっけ 錯覚する
零時 告げる 時計の針
薄れ行く 意識の中 にへら 微笑んで
メリークリスマス 玄辰
――やっと 言えた ね
●
「鉄道旅行 だね 玄辰!」
「そうとも、ミラ!!」
物語で幾度となく憧れた浪漫薫る鉄道旅行――そう期待に胸を躍らせて、乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)とミラ・テネブラエ(観測者・g05456)はロンドンに停車した寝台列車に乗り込んだ。ラウンジスーツとドレス、それぞれに着飾った二人は、個室の並ぶ通路を通って食堂車へ。玄辰としてはまだまだ語りたいこともあるが、まずは紳士らしく、予約席へのエスコートに徹する。
テーブルに運ばれてきたのは、この国らしい料理の数々。スパイスの馨るモルドワインに、蔓苔桃のソースを添えた七面鳥、ごろごろとした野菜のローストポテト。
「英国料理は"逸話"が多いけれど、どの料理も美味で安堵したよ」
こちらの料理はなにかと揶揄されやすいものだが、今日食べたそれらは、そんな前評判を吹き飛ばすほどの美味しさだった。そして、次に運ばれてきた料理に、ミラが歓声を上げる。
「わあ このパイ 星の蓋 だ!」
この季節にはよく食べられるというミンスパイ。華やかなその見た目は、彼女も心惹かれたようだ。星を描いたパイ生地もさることながら、その中に砕いて入れたドライフルーツも、鉱石の欠片を秘めているように、輝いて見える。
しかしながら、賛否が分かれるという点ではミンスパイも代表格として挙げられる料理だ。少々緊張した面持ちを浮かべながらも、ミラはそれを口に運ぶ。
「……少し 香辛料 効きすぎ かな?」
なるほどこれは、と少し納得してしまうが、その刺激と風味はミラにとっては好ましい気持ちが勝るものだった。
「サンタクロース 好物 なんだって」
私も素質あるのかも? そう微笑む彼女の様子に、玄辰も強く頷いて。
「何時も幸せを届けてくれるミラなら、サンタクロースの適性は充分と見た」
太鼓判を押したついでに、橇と馴鹿の代役まで買って出る。気合十分のその様に、ミラの表情からまた笑みが零れた。
一通り食事を楽しんだところで、二人は共に、ソファに体を預けて窓の外を見遣る。パーティの賑わいはまだまだ続いているものの、少しずつ客車へと戻っていく。しかしながら、部屋に戻ろうという声が二人の間から発せられることはなかった。この時間が終わるのは惜しい、そんな気がして。
外の風景は刻々と移り変わっていく。都市部から田園地帯へと走るにつれ、人の営みを示す灯は疎らになり、暗闇がその領域を広げる。しかしラウンジ車両の周囲が静かになって行くにつれ、暗闇と思われたそこが微かな月光に照らされる、その濃淡が読み解けてくるだろう。
頭上の方へと視線を戻せば満天の星が瞬き、二人は揃って銀河を往く列車の物語を思い描いていた。
景色に見惚れ、ぽつぽつととりとめのない言葉を交わす内に、車内の時計の音で午前零時を迎えたことを知る。俄かに幻想から現実に立ち返り、二人は視線を交わした。あの物語の結末とは違い、旅の連れ合いは変わらずそこに居る。
「メリークリスマス、ミラ」
「メリークリスマス 玄辰」
星明りの下、微睡の中で、共にそう口にする。この言葉を交わすまでにかかった時間、過ぎ去っていった日々を思って、二人は微笑み合った。
「これを言うまでに二年も経ってしまった」
「――やっと 言えた ね」
寝台列車は月明りの下を進み、車輪の規則的なリズムが二人を眠りへと誘う。
夜を通した旅は、まだまだ続いていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
カーリィン・ダールグリュン
ギャラガー(g01251)と参加
会場A
金の簪で銀髪を纏め
首から胸元、腕をレースで覆われた黒のマーメイドドレス姿、差し色にエメラルドグリーンが鮮やかだ
夫にエスコートされて二人用個室へ
去年は豪華客船で、今年は夜行列車
休暇で乗るのは楽しいねェ♪
届けられたスコットランドでも人気のシングルモルトウイスキーと、クリスマスプディングに嬉しそうに目を輝かせ
目の前でフランベされ切り分けられるのを期待に満ちた眼差しで見つめる
クリスマスプディング、本場で食べるのは初めてだヨ♪
笑い乍ら夫のグラスにウイスキーを注ぐ
自分のグラスに返杯して貰ったら、そっとグラスを合わせて
素敵な旅のプレゼントをありがとう
来年も期待してるネ?
くすくすと笑うその向こう、窓の外を流れる夜の雪の原野と満天の星空
ひと口大にカットしたプディングをフォークで夫の口へと運ぶ
これからもこうして笑ッて過ごせますように
夫の言葉に擽ったそうな笑みで肩を竦めて笑い返して
ずッと一緒にネ、約束だヨ?
愛してる
キスは、アルコールと甘いドライフルーツの香り
ギャラガー・ゼロマネー
カーリィン(g02688)と参加
卸したての焦げ茶色の三つ揃えスーツ
銀糸を織り込んだ白ネクタイ
プラチナのタイピン
そこそこ気合の入ッた服装で会場Aの二人用個室にリィンを案内
酒はシングルモルトウイスキー
クリスマスプディングのフランベを見つつ、切り分けられて皿へ
ああ、良いモンだなァこりゃ
オレも初めてだぜコイツを食うのは
妻に注ぎ入れられたウイスキーと、自分で妻のグラスに注いだウイスキーで乾杯すれば二人ッきりのパーティだ
ああ、喜ンでくれてなによりだ
こういうのも乙なモンだろうと思ッてよ。
期待されたからには来年はどこにしようかねェ。
海と陸ならじゃあ次は空とかどうだろなァ。
きッと何処でも楽しかろうさと笑いに笑みを返して
イギリスの星と雪と空を眺めつつ、差し出されたプディングをいただいて。
ああ、美味いな…此方もお返しだ
こうやッてハハハと笑い合える僥倖を、二人で分かち合える日々の尊さを、プディングと酒で一緒に噛みしめて
また来年、どこかこういう場所に行こうな
再来年も、そのまた来年もその先も
ずッとずッと、一緒にな
●
車輪の振動が少し強まり、駅を出た列車は徐々にその速度を上げていく。ロンドンを照らす街の灯は、それに伴い急速に後ろへと流れていくように見えるだろう。都会を離れ、一路北へ、ディアボロス達を乗せた夜行列車は、星の輝く地に向けて進み始めた。
卸したての焦げ茶色の三つ揃えスーツに身を包み、銀糸を織り込んだ白ネクタイをプラチナのタイピンで留める。パーティ用に気合の入った服装で決めたギャラガー・ゼロマネー(朝霧に舞う流れ星・g01251)は、二人用の個室にカーリィン・ダールグリュン(流浪のtrucker・g02688)をエスコ-トする。銀色の髪を纏めた金の簪が輝き、首から胸元、腕をレースで覆われた黒のマーメイドドレスは、差し色にエメラルドグリーンが鮮やかに映る。
互いにウイスキーを注いだグラスをそっと合わせれば、だれも邪魔する者のいない、二人きりのパーティの始まりである。
「去年は豪華客船で、今年は夜行列車、休暇で乗るのは楽しいねェ♪」
素敵な旅のプレゼントをありがとう、一番喜んでほしい相手にそう言われれば、この旅行を選んだ甲斐もあったというもの。
「ああ、喜ンでくれてなによりだ。こういうのも乙なモンだろうと思ッてよ」
「来年も期待してるネ?」
「次はどこにしようかねェ。海と陸ならじゃあ次は空とかどうだろなァ」
きっと二人なら何処でも楽しめるだろう。そんな笑みを交わしながら、ギャラガーはグラスを傾ける。スコットランドでも人気のシングルモルトウイスキーの芳醇な味わいに舌鼓を打ちつつ、クリスマスプディングがフランベされるのを眺める。
「綺麗ねェ」
「ああ、良いモンだなァこりゃ」
窓の外に流れる夜景と満天の星空、そして互いの笑顔を背景に青い炎が揺れる様は、どこか幻想的で、祝いの日には相応しいものに思える。
「クリスマスプディング、本場で食べるのは初めてだヨ♪」
「オレも初めてだぜコイツを食うのは」
そう? それなら――と、悪戯っぽく笑ったカーリィンは、ひと口大にカットしたクリスマスプディングをフォークで取り、夫の口元に運ぶ。早速それをいただいたギャラガーは、「どう?」と問う妻に笑みを返した。
「ああ、美味いな……」
そして、此方からもお返しを。自然と零れる笑みが、星空にも負けず輝いて見える。
こうして笑い合える日々、それを得られた僥倖を、この瞬間の尊さを、幸福などと言い表すのは月並みに過ぎるだろうか。プディングとウイスキーと、その味わいと共に噛みしめて、ギャラガーは妻を見つめる。
「また来年、どこかこういう場所に行こうな」
「来年だけ?」
夫の言葉に擽ったそうな笑みで返し、肩を竦めた彼女の様子に、相好を崩す。そんなもの、答えは決まっているだろう。
「再来年も、そのまた来年もその先も、ずッとずッと、一緒にな」
「ずッと一緒にネ、約束だヨ?」
愛してる。どちらからともなくそう言って、口づけを交わす。
誓いの言葉の甘い味わいと、アルコールと甘いドライフルーツの香りを、二人は共に味わった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【現の夢】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
ゼキ・レヴニ
【轍炉】
パーティ会場A
パーティの翌朝ベッドから抜け出し、大欠伸しながらラウンジへ
早起きだねえお互い、と笑って
ジズからコーヒーを受け取り、まだ仄暗い窓の外を見遣る
ああ、ぐっすりだ、とは小さな嘘
昨晩のお喋りが楽し過ぎ、非日常に浮かれて
余韻に浸って眠れなかった、なんつったらガキっぽいし
それにいつもの悪夢に魘されてジズを起こしたくはなかった
寝癖を雑に撫で付けながら、お前さんは?と聞き返す
ふは、去年にも増してトンチキしてたなァおれ達
それと…願い続けた宿縁も果たせた
あの時帰ろうって手ぇ引いてくれた事、忘れないぜ
おかげで今年も乾杯で終えられる
…去年の今頃はサンタとトナカイで相棒ごっこしてたっけな?まさか本当にそう呼び合う事になるとは
来年もまた笑って乾杯しようぜ、相棒。約束だ
山の稜線から差し込む光は、やがて田園を温かく照らすのだろう
見知らぬ土地で迎える朝が、なぜだか何年も感じた事が無いほど心地よく
急にやってきた眠気を我慢しながら
昇る朝日を見つめ、それから照らされた横顔を盗み見て
ほんとだな、と目を細める
ジズ・ユルドゥルム
【轍炉】
パーティ会場A
宴から一夜明けた早朝のラウンジで
夜明け間近の田園風景を眺める
ゼキの姿を見て、つい二人分用意した暖かいコーヒーを
ちょうど良かったと手渡す
せっかくだ。一緒に朝日でも見ていくか
昨晩、上の寝台から延々喋りかけたのを思い返し
よく眠れたか?と気にかける
寝台列車は初めてで、つい浮かれてしまった
私も、目を閉じたらすぐ眠ってしまったよ。電車の走る音が心地よくて
今年も色々な事があったっけ
イスカンダルで焼肉したり、幼稚園に入園したり、無免許運転したり…
私は手を差し出しただけさ。手を取ってくれたのは君だ
思えばあの時も、ゼキは名トナカイで…いい相棒だったよ
今は言わずもがな、だな
じゃあ、「今年の約束」に。と、コーヒーカップをゼキの前に差し出し、乾杯に誘う
去年のクリスマスの約束は、これで果たせた
ああ。必ず、また来年もな
他愛のない会話とともに
濃い藍色の空が、ゆっくりと橙色に染まっていく景色を
車窓の外に眺める
ゼキ、ほら見てみろ、日の出だ
いつもと違う風景のせいかな
今日の朝日は、とても、きれいに見える
●
夜を徹して走った列車は、やがて終着駅に近い北の地へと至る。月明りと星空の広がっていた窓の外は、今ではより一層暗く見える。ほどなく日が上り始めるだろうというその時間に、ゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)はラウンジ車両に続く扉を開いた。
さすがに大半のパーティ会場はお開きになっており、ほぼ無人のラウンジは静かなもの、だったが。
「おお、ゼキじゃないか」
「……早起きだねえお互い」
同じ車両で寝ていたジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)の姿を認めて、思わず笑ってしまう。コーヒーを持ち帰るところだったのだろう、両手に持っていたカップの片方を受け取って、ゼキは大きな欠伸をひとつ。礼を言って、それを一口啜る。
「せっかくだ。一緒に朝日でも見ていくか」
「ああ、そうしよう」
二人で起きて過ごすには、あの二段ベッドの客室は少々狭い。選び放題の席の中から、外をゆっくり眺められそうな所を探して、二人はそこに腰を落ち着けた。
「よく眠れたか?」
「ああ、ぐっすりだ」
ゼキの返答に、「それはよかった」とジズが頷く。昨晩のことを思い返せば、初めて乗る寝台列車の、しかも二段ベッドの上段という珍しい状況にテンションが上がって、やたらと話しかけてしまったような気がする。向こうの眠りに支障が出ていなければ問題はない、が、実際の所はしっかり影響が出ていた。
ゼキはゼキで非日常に浮かれて、余韻に浸って眠れなかった――と、それを言わないのは大人の気遣いというより「これ言ったらガキっぽくないか?」という謎の見栄によるものだったが、まあ。いつもの悪夢に魘されてジズを起こすことにならなくてよかった、とそう考えよう。
「お前さんは?」
「私も、目を閉じたらすぐ眠ってしまったよ」
電車の走る音色と、車輪の刻む揺れのリズム、それらは意外と心地良く感じられるものだった。
それにしても、と背もたれに体を預けて、ジズが溜息を吐く。クリスマスが終わればすぐに年末、あっという間に今年も終わりだ。
「今年も色々な事があったな」
窓の外の仄暗い明け方の景色、それが後方へ過ぎ去っていくのを見ていると、自然とこれまで過ごしてきた日々が思い返される。
「イスカンダルで焼肉したり、幼稚園に入園したり、無免許運転したり……」
「去年にも増してトンチキしてたなァ、おれ達」
端的に列挙するとだいぶいかれた旅路だが、中身も実際そうだったかもしれない。まあそれはともかく、ゼキにとっては忘れられぬ戦いがひとつ。
「それと……願い続けた宿縁も果たせた」
自然と遠い目になってしまう。今思えばあれも、ひとつの節目のように見える。
「あの時帰ろうって手ぇ引いてくれた事、忘れないぜ。おかげで今年も乾杯で終えられる」
「私は手を差し出しただけさ。手を取ってくれたのは君だ」
大したことはしていない、とジズが返す。相棒としては当然、といったところだろうか。
「思えばあの時も、ゼキは名トナカイで……いい相棒だったよ」
「トナカイ……ああ、あれも丁度去年の今頃だったな」
あれはイベントに際しての相棒ごっこだったが、まさか本当にそう呼び合うことになるとは。人の縁とは数奇なもの、そんな風に笑い合いながら、二人はそれぞれカップを差し出す。
「じゃあ、『今年の約束』に」
「来年もまた笑って乾杯しようぜ、相棒。約束だ」
「ああ。必ず、また来年もな」
去年の約束を果たし、また次の年を見据える。ちょうど窓の外に広がる藍色の空も、ゆっくりと橙色に染まり始めた。
「ゼキ、ほら見てみろ、日の出だ」
山の稜線から差し込む光は、やがて田園を温かく照らしていく。昇る朝日と、それに照らされた横顔を盗み見て、ゼキは眩し気に目を細めた。
「ああ、ほんとだな」
見知らぬ土地、いつもとは違う風景、こうして迎えた朝は何故だかとても心地良く感じられ――いっそ二度寝がしたいくらいだと寝癖のついた頭を掻く。とはいえ相棒の方は「さて朝食はなんだったか」とか呟いているので、その願いは叶わないだろう。
年の暮れとは言うけれど、人の作ったそんな区切りとは関係なく、朝日は昇り、また日々は続く。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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アレクシ・タルヴィティエ
エトヴァ君(g05705)と参加するよ。彼は気の置けない友人だね
僕も旅は好きだからね
最終人類史を案内できるならうれしいな
荷物を置いたら、ラウンジ車に行こう!
電車の旅は食事も醍醐味だからね
オススメはミンスパイかなぁ……
お酒を飲むならビールやウィスキーはいかが? 僕は紅茶にするよ
僕も車窓に手を振ろう
エトヴァ君のはしゃいだ様子に頬が緩むよ
旅が好きなんだねぇ
最終人類史のことなら、僕に聞いてよ
ガイドブックで歴史を解説したり、写真を撮ったりして、旅気分を満喫しよう
ちょっと飲みすぎじゃないかい?
北の空は澄んで感じるよね
アイルランドでは、世界一綺麗な星空が見られるそうだよ
僕の故郷の空も、おんじくらい綺麗だと思うけど!
キングアーサーの事を思い出すかい?
最終人類史と、風景は似ているのかなぁ
僕はディアボロスになって日は浅いけど、歓迎してくれる人々の顔を見たら、その気持ちがわかったよ
僕の故郷も、やっと奪還できたんだ
だから、どっちの気持ちもわかるんだ
飲みすぎエトヴァ君を寝台車の個室まで送り届けるね
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
友人のアレクシさん(g11410)と
アドリブ◎
夜行列車は俺の時代からの憧れなのだよな
存分に景色と列車旅を楽しむぞ
トランクに荷物を詰めて乗り込み
寝台車にスペース確保だ
それから、アレクシさんとラウンジ車両に向かい合って腰かけ、窓外の景色を眺めよう
今日の食事はクリスマス仕様
ローストターキーに……あとおすすめは何だろう?
それ美味しそうだ。じゃあ、飲み物はスタウトで
好奇心で料理を味わい、酒も進んで
ロンドンの街は、人口の光が幻想的なほどに眩くて
あれが、有名なロンドン塔なのだな
過ぎゆく景色に手を振る
ミンスパイも美味しい……ワインお代わり
いや、旅はまだこれからだ
満天の星空に解放感と浪漫を感じ
未だ見ぬ大地が、こんなにあるんだな
俺はもっと、この世界を知りたい……
風景に戦いの記憶が重なる
ああ。風景は、彼の地と似ているな
この平和を守れたのなら
そこに、人々の賑わいが戻ってきたのなら
戦ってきたことを、誇りに思えるよ
故郷の奪還おめでとう
近いうちに、北欧も帰還できるといいな
小刻みな揺れは快く
いつしか寝台車で眠りにつこう
●
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がかつて暮らした時代から、夜行列車はある種の憧れ。文明と自然を双方味わえるのが列車旅の醍醐味と言えるかもしれない。
「さあ、存分に景色と列車旅を楽しむぞ」
「僕も旅は好きだからね。最終人類史を案内できるならうれしいな」
アレクシ・タルヴィティエ(紡人・g11410)がその後に続いて、夜行列車に乗り込んだ二人は、まずは寝台車にスペースを確保、荷物を詰め込んだトランクを置いて、ラウンジ車に向かった。この手の旅では食事も欠かすことのできない要素だ。元々観光向けに凝った料理が用意されているものだが、今回はラウンジ車の飾りつけからも分かるように、クリスマス仕様になっている。
「まずはローストターキーに……あとおすすめは何だろう?」
「せっかくここで食べるのだから、オススメはミンスパイかなぁ……」
それは美味しそうだと頷くエトヴァに、アレクシはもう一つ追加で。
「お酒を飲むならビールやウィスキーはいかが? 僕は紅茶にするよ」
「じゃあ、飲み物はスタウトで」
そうして料理を待っている間に、列車はロンドンの街を走り抜けていく。ラウンジ車の車窓からも、広がる街並みが一望でき、夜闇を照らす人々の営みの光が、幻想的なほどに眩く映っていた。
「あれが、有名なロンドン塔なのだな」
列車の運行と共に後ろに流れ、過ぎ行く景色、それらに手を振るエトヴァに倣って、アレクシもまたまた街の灯に別れを告げるように手を振った。
「旅が好きなんだねぇ」
エトヴァの様子にそう笑いかけたアレクシは、最終人類史について臨時のガイドを申し出る。窓から見える場所や、地図上で通った近くの土地について、歴史解説や写真撮影を行うなど、旅行らしい楽しみを提供して。
もちろん話が弾めば食事の方も進むもの、運ばれてきたミンスパイをはじめ、この辺り特有の品を好奇心の赴くままに味わっていく。
「なるほど……独特だが、美味しいな」
ワインおかわり。舌鼓を打ちながら杯を重ねるエトヴァの様子に、アレクシは一応釘を刺しておく。
「ちょっと飲みすぎじゃないかい?」
「いや、この程度。旅はまだこれからだ」
それならば、そういうことにしておこうか。ゆっくりと食事を楽しんでいる内に、夜を駆ける列車は、やがて北方地域へと進んでいた。もはや街は遠く、人の手による灯りがなくなったことにより、月と星の光が冴えて見える。
「北の空は澄んで感じるよね。アイルランドでは、世界一綺麗な星空が見られるそうだよ」
それに、僕の故郷の空も、おんなじくらい綺麗だと思う。そんな風に付け足されたアレクシの言葉に、エトヴァは瞼を細める。
「それは……是非一度、見てみたいな」
満天の星空から感じる解放感と浪漫、そしてそれに負けない光景が、未だ見ぬ大地が他にも存在するという事実。広い世界を目の当たりにするような気持ちで、彼は深く溜息を吐いた。
「俺はもっと、この世界を知りたい……」
きっとそれは、ディヴィジョンを奪還するたびに増えていくのだろう。戦いの中で見たキングアーサーが、このイギリスの地へと繋がったように――。
「キングアーサーの事を思い出すかい?」
最終人類史と、風景は似ているのかなぁ。そんなアレクシの問いに、エトヴァは頷いて返す。
「ああ、時代と歴史は違えど、同じ地であることに変わりはないから、かもな」
だからこそ、この平和を守れたのなら、そこに人々の賑わいが戻ってきたのなら、戦ってきたことを誇りに思えるのだと彼は言う。
「僕はディアボロスになって日は浅いけど、歓迎してくれる人々の顔を見たら、その気持ちがわかったよ」
そして、アレクシの故郷もまた奪還が叶ったこと。だからこそ、どちらの気持ちもわかることをアレクシが付け加える。
「故郷の奪還おめでとう。近いうちに、北欧も帰還できると、いい……な……」
「ありがとう、エトヴァ君。……エトヴァ君?」
反応がないのを訝しんで振り向くと、彼はソファに身体を預け切る形で停止していた。取り落としそうになっているグラスを代わりにテーブルに置いてあげて、アレクシは微笑んだ。
「いや、楽しんでくれて何よりだよ」
くすくすと笑いながら、肩を貸すようにして慎重に引き起こす。
ここまで楽しんでくれているのなら、最後まで夢見心地のまま過ごしてほしいもの。寝息を立てる彼をあえて起こすようなことはせず、寝台へと連れて行くことにした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
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奴崎・娑婆蔵
【通常ダイヤ】
・会場B
・盾祀・楓(g03193)を労わりにいく
おう、邪魔致しやすぜェ~
やあ、やはりおいでなすった盾祀の
お前さん、今日もあっしらの為に頭ァ捻り通して下すっておりやしたか
いつも世話ンなっておりやす
ともあれ、こんなこったろうと思い、ちょいと労いに馳せ参じた次第
そら、差し入れでござんす(ペットボトルの水のいいやつ)
さぞかしコーヒーやエナドリをキメなすった所かと
こいつで中和なせえ、これはこれで案外頭シャキッとしやすぜ
●春一に
ゆくゆくアルタン・ウルク攻めの際にも『戦争めし』やる気でござんすか?
マア着いて行きやすがね、カハハ
●由乃に怪訝な顔をする
気を……遣って……?
ユノの姉御に、そんな配慮をできる回路が存在して……?
アッいえなんでもありやせんへいヒィーッ
●小鳥遊に
むむっいちご牛乳
そうか、ただの水よりか甘く優しく、そして骨も丈夫になる
あっしもレモン牛乳でも持ってくりゃよござんしたねえ
●舞剣に
なんと、お前さん写真にそのような思いを
よござんす、付き合いやしょう
(首筋を痛めたイケメンのポーズ)
樹・由乃
【通常ダイヤ】
会場B
考えようによっては、電車の窓って大パノラマですよね
悪くありません。好きに楽しみなさいキッズたち。私は景色を楽しみます
やっぱりひとに迷惑がかからない程度に楽しみなさい
特に白いの。主に白いの。わかってますか白いの
迷惑をかけるならキッズたちと駅の人間くらいにしておきなさい。あいつ多分耐性あります
今日はマグロはありません。安心しなさい
スイカ? ああ
植物なのでセーフでしょう
星空は嫌いではありません。普通に美しいものですし、澄んだ空は清々しいです
あと身を隠して奇襲がしやすい。神としてはあまり人目につきたいものでもありませんしね。優しいでしょう、私
だって神がその辺歩いてたらびっくりするでしょう。これでも気を使っているのですよ
怪訝な顔したそこのおまえ。夜景の一部にしてやりましょうか
しかし今は暖かい飲み物のひとつでも欲しいところです
ホットいちごチョコレートで勘弁してさしあげましょう
青いのがいつもイチゴミルクを飲んでおりますので。興味があります
折角なのでホットで。早くなさい
樹・春一
【通常ダイヤ】
会場B
これは……戦争中戦場にいても食事ができる特別列車のデモ版!?
よかったです! アルタン・ウルクとか正直どこで何食べればいいかわからなかったんです! 人類いなさそうですからねあそこ!
これなら移動しながら快適に食事ができます! かしこいです!
違います? そうですか
ところで盾祀さん、今日はどこに戦いに行くんですか?
クリスマスパーティですか?
でもお仕事なんですよね?
パーティしないんですか?
そうですか……
では今だけ休憩中にしてパーティしましょう!
何飲みますか! カフェインと糖分のとりすぎはよくないですよ! 白湯にしましょう!
チキンもありますよ! タンパク質もとってください! 固形物!
アキラさんもですよ。ちゃんとお肉食べないと大きくなれません! 目指せ師匠サイズです!
姉さんは小さい方が素敵だからいいんです
荊さんナイス差し入れです! 野菜……野菜? 野菜も必要ですからね!
パーティパワーで盾祀さんを健康にしますよーっ!!!
てゆかなんでご馳走あるのにコンビニ飯を?
チキン食べましょうよ!
舞剣・荊
【通常ダイヤ】
○目的
会場B
盾祀ニキを使 誘って慰安会
おーす盾祀ニキ!
メリクリメリクリ元気してる?
はいコレお土産のスイカ
ソファめっちゃ柔らけ~
お!チキンじゃん!コッチはるーち
はるーち!あっちがチキンだよ
挨拶しな
ついでにパシャっと撮影
とりま窓から飛翔を……
メーワク禁止?そっかぁ
前はファミレスでメシ食ったけど
今年はデンシャでメシ食うカンジ
つか盾祀ニキってなんかシゴトしてんの?ウケる
じゃ一緒にメシ食お~ぜ
あとほら
写真いくよ~
コンビニでテキトーに買った惣菜パンやらオニギリやらを食べる
たかなしチキン食わねんだ
コレあげる!チキンカツ味入りおでんサンドイッチ
じゃ写真撮ろ!はい3、2、0パチリ
クミチョーあねーちおつおつ~
外?あーうん
夜ってカンジ
ロンドンよか空デカくて飛びやすいんじゃね
やっぱ飛んでイイ?
ダメ?そっかぁ
別に感情無ぇけど
ションボリしてねぇけど
てなわけでハイ写真
写真?
アタシは景色もメシも何も感じねーからさ
写真で残したら未来で見た時なんか思うかもじゃん
んじゃ最後は皆で
はいメリクリ~
アドリブ歓迎
小鳥遊・英
【通常ダイヤ】
会場Bにて盾祀さんへダル絡みしに
みなさんがぱーりないしている間も社畜業に勤しんでいるとお聞きしましたので
ええ、冷やかしではありませんよ、ほら、我々がぱーりない出来るのも
盾祀さん達が働いて支えてくださるからでして
これはほら感謝なんですよ
こういう時樹さん(テンション高めの方)には助けられますね
全部こっちのペースに持っていっちゃうから……巻き込まれたくないやつだけど……
チキンはちょっと食べづらいのでコンビニのホットスナック唐揚げで
手軽に食べれていいですよね
樹さん(自称神の方)はいつでも物騒なこと考えてますよねぇ
普通のいちご牛乳しかないのでそれをどぞ
エナドリにコーヒー飲んだ腹にお水ってお腹ちゃぽちゃぽならん?
いいならいいですけど
舞剣さんはわたしには迷惑かけないでくださいね
ほかの方ならいいですよ
●
イギリスを縦断する線路の上を、寝台列車が駆け抜けていく。夜を徹し、孤独に走るその車両ではあるが、今夜に限っては同じ路線を、もう一台の列車が共有していた。パラドクストレイン、ディアボロス達にとってはお馴染みのそれが、クリスマスの日には各パーティ会場を結ぶように運行している。
このパラドクストレインも例外ではない。が、それと同時にこちらの車両はイギリスの寝台列車に倣い、パーティ会場として開放もされていた。普段ならば、戦いの場へと赴く際の待機場所として使われる客車を通り抜け、奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)は先頭車両へと続く扉を開ける。
「おう、邪魔致しやすぜェ~」
そう声を掛けると、先頭車両の中ほどの座席についていた男が、訝し気に顔を上げた。
「やあ、やはりおいでなすった盾祀の」
「おや、どうかされましたか?」
何やら懸命に打ち込んでいたタブレット端末を置いた時先案内人に、舞剣・荊(Thorm・g02226)が片手を上げる。
「おーす盾祀ニキ! メリクリメリクリ元気してる?」
「ほんとに働いてるんですね。これが社畜……」
クリスマスでこの有様ということは年末年始も働いているのではないだろうか。後ろに続いた小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)がそう呟いて、さらに樹・由乃(堕ちた翠星・g06228)と樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)も、扉を潜って先頭車両に乗り込んで来た。
「お前さん、今日もあっしらの為に頭ァ捻り通して下すっておりやしたか。いつも世話ンなっておりやす」
「ありがたい話です! 特に今回の試み……アルタン・ウルクを攻めた際の予行演習ですね!?」
「……何の話ですか?」
首を傾げる楓に構わず春一が続ける。
「よかったです! あそこと戦争になった時どこで何食べればいいかさっぱりわからなかったんですよね!!」
「ああ……『戦争めし』の話で?」
何に言及しているのか察した娑婆蔵が注釈を加える。なるほど、何となく懸念されていることは理解できたが。
「そういうわけではありません」
「あ、違います? そうですか」
でも確かにその時は、休憩スペースとして利用するのはありかもしれませんね。攻略旅団か何かで決まったら協力は惜しみませんよ、と楓は言う。ディアボロスの数を考えると少々手狭かもしれないが……と周囲を見回す楓に合わせて、由乃も山手線に準じた作りのそこを改めて検分する。
「考えようによっては、電車の窓って大パノラマですよね」
壁に据え付けられた座席の背もたれは低く、立って乗ることを前提とした床は、乗客の居ないこの状態では広々として見える。戦争時はまたわからないが、パーティ会場としてなら話は別。外の景色を眺めるという目的であれば、寝台列車に勝るとも劣らないのがこの車両だろう。
「悪くありません。好きに楽しみなさいキッズたち。私は景色を楽しみます」
「おっけー、とりま窓から飛ぶわ」
「待ちなさい白いの。やっぱりひとに迷惑がかからない程度に楽しみなさい」
とりあえず、窓を開けにかかった舞剣・荊(Thorm・g02226)を引き止めるのには成功した。
「……ダメ?」
「やめてくださいね」
そっかぁ、と返事をした彼女は結局壁に据え付けられた座席の一つに腰を下ろす。ついでに運んできた荷物を差し出して。
「じゃあコレ、お土産のスイカ」
「スイカ……?」
「マグロの方が好みでしたか?」
「いや、まぁ……」
由乃の問いにどっちもどっちだなあ、という感想を返しつつ、楓はスイカを抱え込むことになった。
「皆さん、結局何しに来たんですか?」
「えっ……せっかくだからダル絡みを……」
「労い。労いですぜ小鳥遊の」
娑婆蔵の指摘に、英は建前もとい今日の目的に言及する。
「もちろん、冷やかしではありませんよ。ほら、我々がぱーりない出来るのも盾祀さん達が働いて支えてくださるからでして」
「いつも世話ンなっておりやすし――、こんなこったろうと思い、ちょいと労いに馳せ参じた次第でさァ」
「それは……嬉しいですね。ありがとうございます」
娑婆蔵からの差し入れはペットボトルに入った水、しかもそこそこお値段の張るやつだ。
「さぞかしコーヒーやエナドリをキメなすった所かと。こいつで中和なせえ、これはこれで案外頭シャキッとしやすぜ」
「……お茶を淹れるのに使ってもいいですかね?」
「カフェイン入れないと耐えられないタチで?」
「カフェインと糖分のとりすぎはよくないですよ! 白湯にしましょう!」
「ていうかエナドリにコーヒー飲んだ腹にお水ってお腹ちゃぽちゃぽならん?」
大体話にまとまりがなくなってきたところで、座席の感触を楽しむのに飽きた荊が口を開く。
「えっ、盾祀ニキって今日もシゴトしてんの? ウケる」
「え? 今日はどこに戦いに行くんですか?」
「いや、今日はパーティ会場間の移動用にですね……」
「でもここパーティ会場ですよね?」
「まあ、はい」
「パーティしないんですか?」
早く仕事に戻らないとな、と上の空だった楓が、春一の問い掛けに対し言葉に詰まる。もしや一理あるのでは?
「では今だけ休憩中にしてパーティしましょう!」
「一緒にメシ食お~ぜ」
「はあ……では今だけと言うことで……」
「味方に居ると助かりますねこのパワー……」
強引に押し切った姿勢に感心するように英が呟く。巻き込まれる側になりたくはないが、人がやられているのはまあ特に気にならないと言うか。
とにかくこの車両を利用することにした春一は、持参したものを並べ始める。当然テーブルや複数人での会食に向いた席など存在しないので、床に車座になるかちょっと窓際の座席に座るかの二択になるが。
「チキンもありますよ! タンパク質もとってください! 固形物!」
「ありがとうございます、いただきますね」
それに抵抗がある者は普通にパラドクストレインではなく寝台列車の方に行っているだろう。
「お! チキンじゃん! コッチはるーち。はるーち! あっちがチキンだよ、挨拶しな」
「これ僕が買ってきたやつですよね?」
「えっ、もう知り合いってコト?」
じゃあ次はこっちにも挨拶してもらおうか。荊の方はコンビニで買ってきた惣菜パンやらオニギリやらを取り出す。
「荊さんナイス差し入れです! 野菜も必要ですからね!」
これを野菜としてカウントするかの葛藤は多少あったが、それも些細なことだろう。せっかくのこの機会、食育と言うか健康になってもらうのも悪くない。
「アキラさんもですよ。ちゃんとお肉食べないと大きくなれません!」
「ええ……そのタイプのチキンって手が汚れるじゃありませんか」
その点コンビニのホットスナックなら食べやすいよう対策はされている。英は複数入りの紙袋に入った唐揚げを選んでそれを摘まむ。
「たかなしチキン食わねんだ、じゃあコレあげる!」
「今唐揚げ食べてますよね? 話聞いてます??」
「じゃ写真撮ろ! はい3、2、0」
しかも手渡されたのはやたらと重いタイプの総菜パンだ。そこで撮った写真には、「ええ……」みたいな表情をした英が映っているだろう。
一方その辺りの食事からは距離を置く、というかまとめるのを諦めて、娑婆蔵は窓の向こうの景色に目を遣っていた。
「この辺まで来ると、星が綺麗に見えやすねえ」
人工の灯が減った分、光の数々が冴えて見える。そんな彼の言葉に由乃が首肯して。
「星空は嫌いではありませんよ。普通に美しいものですし、澄んだ空は清々しいです」
夜景に関する評価は、すぐに「あと身を隠して奇襲がしやすい」と続いて、英が引き気味にいちご牛乳を啜る。
「何か物騒なこと言い出しましたね」
「そんなことはありません。神としてはあまり人目につきたいものでもありませんしね。優しいでしょう、私」
何しろ神がその辺歩いてたらびっくりするでしょう、気を使っているのですよ。
「気を……遣って……? ユノの姉御に、そんな配慮をできる回路が存在して……?」
「何か言いましたか小僧」
「アッいえなんでもありやせんへいヒィーッ」
そんなやりとりはとにかく、星空の感想に関しては「そんなものか」と荊は頷く。
「まあロンドンよか空デカくて飛びやすいんじゃね? 試してみて良い?」
「やめなさい」
そっかぁ、感情無いから残念じゃないけど。とりあえずまた写真などを撮りつつ荊は引き下がった。
「窓開けたら寒いですし……ああ、暖かい飲み物のひとつでも欲しいところですね」
そんなことを言いながら由乃はそれぞれの手元を眺める。パーティというにはまあまあ質素な品揃えで、気になるのは英の飲んでいるいちご牛乳くらいだろうか。
「そうですね、ホットいちごチョコレートで勘弁してさしあげましょう」
「普通のいちご牛乳しかないですけど」
「あっしもレモン牛乳でも持ってくりゃよござんしたねえ」
まあ誰が何を言ったところでここに持ち込まれてないものは無い。あるとするなら『外』ということになるが。
「姉さんがお求めでしたら、僕が買ってきます!!」
「お? 外出る? 飛ぶ?」
「やめてくださいね」
結局イレギュラーな行為は止められて、大人しく車両内での時間を過ごすことになった。
「そういえば舞剣さん、今日はすごい写真撮ってますけど」
急にどうしたんですか? という英の問いに、荊が考える仕草を見せる。
「あー、アタシは景色もメシも何も感じねーからさ。こういう時の写真を残しておいたら、未来で見た時に何か思うかも知れないじゃん?」
「なんと、お前さん写真にそのような思いを……」
そういうことなら一肌脱ごう、そう申し出た娑婆蔵は、なんかイケメンのやりがちなポーズで撮影を待つ。
「首をどうしたんですか小僧」「寝違えました?」
「んじゃ最後は皆で撮ろうぜ」
メリクリ~。改めてというわけではないが、全員の入る画角での写真を一枚。
今日と言う日を、いつか大事な思い出として振り返る日が来ると信じて――とかそんな殊勝なタイプは多分いないが、とにかく思い出を形に残して、クリスマスの夜は更けていく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【植物活性】がLV2になった!
【飛翔】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
朝来野・帷
【羽根車】
夜行列車でクリスマスパーティは俺も初めてだなぁ
いつものトレインとはまた違った雰囲気で…
ふと、興味深々な様子の實生君の言葉に
俺も外から車両を堪能させて貰おうっと
ラウンジ車両内の様子も
並んでいく料理も豪華だなぁ
こうして旅団の皆んなと楽しい時間を過ごせるの
始まる前からつい笑みも零れてしまいそうで
お酒で乾杯するのも非日常感に溢れてる計らい
俺は何から飲もうかなぁ
最初は強すぎないカクテルの…
ソルティドッグあたりにしておこうかな
グラスを手にしてメリークリスマスの乾杯を
自分で飲まないとモクテルってあんまり知らないような
リヴィエラ君はお酒強そうではあるし
ふたりに向けてるカクテル話にも
耳を傾けさせて貰いながら料理も摘んで
イギリスっぽい料理も意外と美味しい…?
オススメ見つかった人がいたら分けて貰おうか
ふふ、食べるのが好きなひとも
よく飲むひとも此処でしか見られない光景を
今日一日の思い出として
しっかり焼き付けておこうかな
車窓を流れていく景色より眩いくらいで
寝てしまうのが勿体ないくらいかも
雪定・千草
【羽根車】
旅気分になるというか…とってもワクワクしますね、夜行列車
一角さん、いってらっしゃいませ
俺も外から堪能
浪漫が溢れててカッコいいです
電車の中ならではの注意が必要ですね
慎重になりつつ、美味しそうな料理に目を輝かせ乾杯
お酒、今回が初めてでドキドキ
勧められた甘めのカクテルを頂きます
…!美味しい
なんだろう、ジュースよりも深いというか…香りが確りしているというか
身体もぽかぽかします
リヴィエラさんの言う通り飲み過ぎないようにしないと
朝来野さんのソルティドッグも美味しそうですね
おかわりはそれにしてみようかな
あ、でも様子次第ではモクテルに
コーヒー牛乳みたいな味とか絶対好きになれそう
唐揚げ…!
あ、俺が貰っていいんですか?わぁい
唐揚げをおつまみにしカクテル飲んだら
んぶ
揺れで結構な量を飲んじゃいました
水蓮寺さん、大丈夫でしょうか
俺はお酒でぽかぽかですが、水蓮寺さんは冷えちゃうかも
でも美しい景色をぼんやり眺めてたら…俺も睡魔が
うーん…ぽかぽかでふわふわです…ゆらゆらも良い感じ…
ふへへ
後で起こしてください…
リヴィエラ・ラルトラス
【羽根車】
普段トレインで出掛けるのは恋人とが多くて、親しくなった人達とという組み合わせは何気に初めてなんだよな
せっかくだし、俺も外から少し楽しませてもらおうかな
メリークリスマスと共に乾杯を
初めて飲むという千草にオススメするのは、甘めのカクテル類
度数が高いものも多いから、飲み過ぎないようにな?
最近じゃモクテルも多いから、颯も一緒にお酒を飲んでる気分になれていいんじゃないか?
オススメか……カルーアミルクのモクテルはどうだ?
甘めだし、女子に人気のカクテルだな
俺は普段飲み慣れてるワインをもらおうか
色んな料理も少しずつ…一角は、見た目に反してよく食べるな
…咄嗟に唐揚げをキャッチ。そのまま千草のお皿にキャッチした唐揚げを乗せて
食べたい人が食べる方が……唐揚げは飲み物にならないからな?
お酒は確かに強い方かも
色んな経験のために知識として入れていたのもあるけど
外の景色を眺めながら、トレインとは違う景色を写真に収めておこう
帰ったら、アイツに見せれるように
こんな穏やかな仲間との時間も良い思い出になりそうだ
一角・實生
【羽根車】5名 会場A
停車する列車に興味津々
……ぐるっと見て来ていいかい? すぐ戻るから
うん、朝来野さんも水蓮寺さんもおいで
時計を確認後、車両や誇らしげな乗務員さんを撮影
眺めるふたりも撮影
今日は特別な料理が注文できるらしい
メニュー表を眺めつつ
そうだなあ、気になるものをひととおり注文で
時々揺れるみたいだからあまり端っこに置かないようにして、と
俺はビール飲みたい
ちょっとお洒落なグラスにビールを注げばみんなともお揃いになるだろう
全員グラスを持っているのを確認したら乾杯しよう
メリークリスマス!
雪定さんのお酒を飲んだ感想を聞きたいな
どうだった?
俺燃費が悪くてさ
ラルトラスさんももっと食べた方が良くない?
ほら、この唐揚げ美味しかっ……(ガタン!)
宙を舞う唐揚げ
ナイスキャッチ
そういえば唐揚げって飲み物とか何とか
最近乗車した列車と言えばほとんどがパラドクストレインで
こうしてゆったり楽しむのもいいものだね
うん、起こすよ
風切り羽を握る手を慎重に解きつつ、ふたりにブランケットをかける
きっと綺麗な景色が見れるはず
水蓮寺・颯
【羽根車】
わ、可愛い電車!
トレインでもう慣れたと思ってましたけど…観光用のものはまた違う趣があって素敵ですね。僕も見に行きたいです!
外観を楽しんだあと、ホームと電車の隙間に躓きそうになりつつ乗りこみ
豪華なラウンジにまた目を輝かせる
皆さん、僕のことは気にせずお酒飲んでくださいね
え、ノンアルコールもできるんですか?
それじゃあ…えっと、リヴィエラさんのおすすめで…
メリークリスマス!
んく…これ、ほぼコーヒー牛乳ですね?
飲みやすいし美味しいです!こんなカクテルもあるんですね…!
こんなお酒なら飲んでみたいなぁ…千草さんも是非試してみてください
あはは!結構揺れますね。僕も気を付けなきゃ
あ、この…お芋とお肉のパイ?みたいなの、美味しい
帷さん、これおすすめですよ!
僕ももう一切れ食べちゃおうかな…
夜半過ぎ、規則的な揺れにうつらうつら
すみません…朝、早く起きすぎて
頬を叩いて目を覚まそうとするも、やはり眠い
夜明け前には起こしていただけると嬉しいです
むにゃ…羽毛布団…
●
「わ、可愛い電車!」
日の落ちたロンドン市内の駅、停車した夜行列車に、水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)が駆け寄っていく。ディアボロスであれば電車の類には馴染みが深いものだが、観光用のそれはパラドクストレインとはまた違った雰囲気を醸し出している。
「……ぐるっと見て来ていいかい? すぐ戻るから」
「一角さん、いってらっしゃいませ」
興味津々と言った調子の一角・實生(深い潭・g00995)に雪定・千草(霞籠・g03137)が応じる。列車の出発時刻まではまだ余裕がある、走り出してからは中々確認できないその外観を、今の内に楽しんでおくのは良い案だろう。
「俺も外から車両を堪能させて貰おうっと」
「僕も見に行きたいです!」
朝来野・帷(雨降る庭・g02449)と颯が實生に続いて、今回のパーティ用に飾られた車両をなぞる様に駅のホームを歩き出す。
「こういう組み合わせで列車に乗るのは、何気に初めてなんだよな……」
普段は恋人と出かけることが多いから、というリヴィエラ・ラルトラス(Cavaliere dell'Alba・g10778)もその外観を眺めて、千草もまた見学にまわった三人を見送った。
「旅気分になるというか……とってもワクワクしますね、夜行列車」
浪漫が溢れててカッコいいです。加えて言うなら、その周囲を見て歩く友人達の姿もどこか微笑ましく見える。
「夜行列車でクリスマスパーティは俺も初めてだなぁ」
今までにそういう企画はあったのだろうか、そんなことを考えながら歩く帷は、實生と颯と共に車両の気になるところや、ディアボロスを迎えられて誇らしげな乗務員達の姿を見て回り、時には写真に収めていく。
一通り眺め終われば、そろそろ発車の時刻も見えてくる。合流した五人は揃って夜行列車の扉を潜って――。
「――わわっ」
「大丈夫だったかい?」
駅のホームと電車の隙間に躓いた颯は、照れたように實生に「平気です」と伝える。咄嗟に掴んだ手摺を使って体勢を直したところで、扉の向こうのラウンジ、クリスマス用に飾られたその豪華な佇まいに小さく感嘆の声を上げた。
パーティ仕様のラウンジでは、通常とは違う今日だけの料理も扱っている。メニュー表を眺めていた實生はとりあえず、と前置きして気になった料理を一通り注文していった。
「時々揺れるみたいだから、なるべく中央に置こうか」
「なるほど、電車の中ならではの注意が必要ですね」
ある種の非日常、この場ならではの感覚を楽しみつつ、千草は並べられていく料理の数々に目を輝かせる。
「こうして見ると豪華だねぇ」
ちょっと多すぎるように見えなくもないが、この人数でシェアすることを考えれば問題はないか。後はドリンクの注文も必要だろう、と帷は何から飲むかの吟味を始める。
「最初は強すぎないカクテルの……ソルティドッグあたりにしておこうかな」
「俺はワインをもらおうか」
普段飲み慣れているから、というリヴィエラの注文に続いて實生がビールを頼む、一方で、メニューを受け取った千草が頭を悩ませていた。
「俺はお酒飲むの初めてなんですよね」
「そういうことなら甘めのカクテルが良いんじゃないか」
ただ度数が高いのも多いから、飲み過ぎないように。そう付け加えたら次は颯の方にも。
「最近じゃモクテルも多いから、颯も一緒にお酒を飲んでる気分になれていいんじゃないか?」
「え、ノンアルコールもできるんですか?」
そうは言われてもどれがどういう味なのか。
「確かに、自分で飲まないとモクテルってあんまり知らないよね」
理解を示した帷は、なら知っている人に助言を求めよう、と促して。
「それじゃあ……えっと、リヴィエラさんのおすすめで……」
「オススメか……カルーアミルクのモクテルはどうだ? 甘めだし、女子に人気のカクテルだな」
そんな形で注文を揃えて、洒落たグラスにビールを注いだ實生がそれを掲げる。
「メリークリスマス!」
一同揃って乾杯、ロンドンを出発し、街明かりから遠ざかっていく列車の中で、彼等のパーティが幕を開けた。
「んく……これ、ほぼコーヒー牛乳ですね?」
ノンアルコールのカルーアミルクを一口飲んだ颯は、良い意味での驚きを口にする。
「飲みやすいし美味しいです! こんなカクテルもあるんですね……!」
「雪定さんの方はどうだった?」
「なんだろう、ジュースよりも深いというか……香りが確りしているというか……」
實生に問われた千草も、初めてのそれをじっくりと味わっている。味に香り、それから酒精のしみる感覚を確かめるようにして。
「……なんだか、身体もぽかぽかします」
その感じが行き過ぎないように、「ゆっくり味わっていこう」と自然に促して、帷も自分のグラスを傾ける。
「朝来野さんのも美味しそうですね、おかわりはそれにしてみようかな?」
「こちらのカルーアミルクも美味しいですよ、千草さんも是非試してみてください」
確かに、コーヒー牛乳みたいな味とか絶対好きになれそう。選択肢に迷うというのもまた心躍るもので、酔いの回りに気を付けながら、千草は少しずつカクテルの味を楽しんでいった。
一方アルコールにも慣れているリヴィエラは、ワインのアテも兼ねて運ばれてきた料理を少しずつ取っていく。これだけ種類があれば飽きないものだが。
「……一角は、見た目に反してよく食べるな」
「俺燃費が悪くてさ」
同じ方針で食事を取っているようだが、實生の方が明らかに取っていく量が多い。
「ラルトラスさんももっと食べた方が良くない? ほら、この唐揚げ美味しかっ……」
あっ、と思ったところで列車がガタンと揺れて、掴みそこなった唐揚げが宙を舞った。
「あ、唐揚げ……!」
「おっと――」
千草が思わずそれを目で追うが、それが落下する前に、リヴィエラがそれを捕まえていた。
「ナイスキャッチ」
「……危なかったな」
何かディアボロス的な能力を無駄に使ってしまった気もする。まあとにかく、空中で捕まえた唐揚げを、リヴィエラは千草の皿に置いた。
「あ、俺が貰っていいんですか?」
「まあ、食べたい人が食べる方が良いだろう」
わぁい、とそれを摘まんだ千草がカクテルを口にする。なるほど揚げ物とはよく合う――と思っていたところに次の揺れを食らって、んぶ、と小さく悲鳴を上げた。
「気を付けてね、結構揺れるみたいだよ」
「市街地を抜けて、速度を上げたのかもしれないね」
帷に続いてそう言って、實生は窓の外へと視線を移す。夜の湿気で曇った窓ガラスの向こうには、田園風景のシルエットが月明かりに照らされ、ぼんやりと浮かび上がっていた。
「結構揺れますね。僕も気を付けなきゃ」
唐揚げ絡みのちょっとしたどたばたに笑みを浮かべつつ、颯もパーティ用のメニューをいくつか摘まんでいく。先程の唐揚げのように馴染み深いものから、観光用の特産料理など、色んな味が楽しめるもので。
「あ、この……お芋とお肉のパイ? みたいなの、美味しい」
「本当かい? それじゃ分けて貰おうかな」
イギリスっぽい料理ということで少々気構えはあったけれど、オススメとあれば。帷もそれを口にして、「意外といける」という高評価を出した。
「僕ももう一切れ食べちゃおうかな……」
そうこうしている内に、楽しい時間はあっという間に過ぎ去って、空けたお皿やグラスの数もわからなくなってきた頃には、多数のパーティ客で賑わっていたこの車両も、随分と静かになっていた。喧騒の代わりに聞こえてくるのは夜を駆ける列車の振動、そして規則的な車輪の音色だ。
パラドクストレインでは中々無い長時間の乗車、しかしこうしてゆったり楽しむのも良いものだと、實生が車窓の景色を眺める。同じように外を見ていた颯だが、その頭はうつらうつらと揺れていた。
「水蓮寺さん、大丈夫でしょうか」
「すみません……朝、早く起きすぎて」
千草の問いにそう答えて、自らの頬を張って目を覚まそうとするが、瞼の重さはさらにその上を行くようで。
「ふふ、まだまだ眠そうですね」
微笑ましい光景に目を細めていた千草だったが、そういう彼も思考がどんどんぼやけていくのを自覚していた。お酒によるものだろうか、身体はぽかぽかしていて、頭の中がふわふわしている。そこに列車のゆらゆらも加わって。
「夜明け前には起こしていただけると嬉しいです」
「ふへへ、俺も後で起こしてください……」
ダウン宣言をした二人に實生は「うん、起こすよ」と頷いて返した。
こちらの宴もそろそろお開きだろうか、一層静かになったそこで、外の景色を眺めていたリヴィエラは、時折景色を写真に収めていく。穏やかな仲間との時間、これもまた良い思い出になりそうだ。
「むにゃ……羽毛布団……」
いつの間にやら背中の羽根を引き寄せていた颯の手を慎重に解いてから、實生は眠る二人にブランケットをかけてやった。そんな一行の様子を、この日の思い出として瞼に、記憶に残して置けるように、帷は微笑みながら眺めていた。それは眩く、目を瞑るのが惜しいほどで。
――田園地帯からさらに進み、星空の煌めく丘陵地帯を列車は行く。
やがて東の空がほのかに青く染まり始める頃、遠くの丘の稜線が姿を見せ、夜から朝へと移り変わる。美しいその光景を、彼等はきっと、皆で見ることになるのだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【傀儡】LV1が発生!
【浮遊】がLV2になった!
【完全視界】がLV2になった!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
【リザレクション】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!

ダルクエス・ネクスト
【彼岸花】
呼称
妻のカルメン: カルメン
服装
黒いコートに、赤スーツ。光沢ある黒革靴。
夫婦で寝台列車に揺られるのって、初めてじゃないか?
カルメンと腕を組んで向かった先、車両の美しさにわくわくする。
イギリスからの貴重な招待、ありがたく堪能しようじゃないか♪
軽めでたくさん食べられるサーモンとトマトとモッツァレラのサラダや、ローストビーフを。
デザートはクリスマスケーキとカットフルーツ、現地のお勧めミンスパイ。
飲み物はフルーツティーかジュース。
食後はふたり用個室にて、車窓からイギリスの夜の大地を寄り添って眺めながら過ごそうかな。
カルメンからプレゼントを受け取ったなら
ありがとう♡俺もプレゼント、選んできたんだ…受け取っておくれ。
(プレゼントは白いリングケースに納めた、赤黒いガーネットを宝石の銀リングの指輪)
夫婦でまたクリスマスを迎えられて嬉しいよ、ありがとう。
来年もクリスマスを祝おうね?愛しているよ、カルメン♡
最愛の妻に感謝と愛の言葉を贈って。

カルメン・リコリスラディアタ
【彼岸花】
アドリブOK、会場A
呼称
最愛の旦那のダルクエス:ダルク
服装:黒コート+長袖黒ニットワンピ+黒タイツ+パンクな黒ブーツ
トレインは依頼でよく乗るけど寝台列車は初めてだぜ
ダルクの腕にくっついて寄り添って乗車して
いざ寝台列車でクリスマスの旅へれっつごー!
まずはパーティ会場の車両でクリスマスのご馳走だ!
サーモンとモッツァレラとトマトのカルパッチョにローストチキンと
チーズ入りシェパーズパイとローストビーフで
デザートにはクリスマスケーキとミンスパイ、飲み物はジュースをいただきまーす!
ふにゃあどれも絶品でめちゃうまうまぁ…
食べ終わったら客室に行こうぜ、そこで家族の時間を過ごすんだ!
車窓から目まぐるしく変わるクリスマスの冬景色を夫婦で眺めてのんびりするのも楽しくてイイにゃー♪
はい、ダルク!俺からのクリスマスプレゼント♡(中身は赤いライダースジャケット)
…気に入ってくれたら嬉しいな
あははっ今年のクリスマスもこうして家族の楽しい思い出を作れて俺は幸せ者だぜ、いつもありがとうな!
愛してるぜ、ダルク♡
●
日も沈み、気温もぐっと下がったロンドン市内、その駅のホームに、一台の夜行列車が出発の時を待ち受けるようにして停車していた。今回はクリスマスパーティ、それもディアボロスの乗車が見込めるとあって、車体は念入りに磨かれ、どこか誇らしげに輝いていた。
「夫婦で寝台列車に揺られるのって、初めてじゃないか?」
「パラドクストレインには依頼でよく乗るけど、こういう初めてだな」
ダルクエス・ネクスト(蒐集家・g07049)の問いに、カルメン・リコリスラディアタ(彼岸花の女・g08648)が応じる。二人の到着を歓迎するように客車の扉が開いて、ダルクエスの履いた光沢ある黒革靴が、ホームと列車の間を跨いだ。
「イギリスからの貴重な招待、ありがたく堪能しようじゃないか♪」
「いざクリスマスの旅へ! れっつごー!」
そんな彼の腕にくっついて、黒ニットワンピに黒コートのカルメンが続く。クリスマス仕様に飾られたラウンジへと向かった二人は、貸切ったソファの席に背を預けた。
注文した料理は、軽めでたくさん食べられるサーモンとトマトとモッツァレラのサラダにローストチキン、それからチーズ入りシェパーズパイとローストビーフ。デザートにはクリスマスケーキとカットフルーツ、そして現地ならではのミンスパイだ。飲み物としてはそれぞれにジュースとフルーツティーを頼んで、順に並べられた料理を味わっていく。
「ふにゃあどれも絶品でめちゃうまうまぁ……」
賞味した品々はカルメンも気に召したようで、十分にそれらを堪能した後、二人は寝台車の客室へと移った。
二人揃って窓の見える場所に座って、寄り添いながら夜景を眺める。暗闇の向こうに見える湖が月光を映して、まるで銀色の絹布を広げたかのような美しい輝きを放っている様を、夜を駆ける列車がそれすらも置き去りにして突き進む様子を、夫婦は共有して楽しむ。
しばし、言葉少なにそれに見入った後、カルメンは仕舞っていたプレゼントの包みを取り出した。
「はい、ダルク!俺からのクリスマスプレゼント♡」
中身のライダースジャケットは、彼の瞳に似通った赤い色。
「…気に入ってくれたら嬉しいな」
「ありがとう♡ 俺もプレゼント、選んできたんだ……受け取っておくれ」
それに対してダルクエスが取り出したのは、白いリングケースだった。銀のリングには赤黒いガーネットがあしらわれている。彼岸花色の宝石でカルメンの指を飾って、ダルクエスが甘く微笑む。
「夫婦でまたクリスマスを迎えられて嬉しいよ、ありがとう。」
「あははっ今年のクリスマスもこうして家族の楽しい思い出を作れて俺は幸せ者だぜ、いつもありがとうな!」
くすぐったげに笑う彼女の背を抱き寄せる。二人きりで過ごす聖夜の非日常、かけがえのないこの時間を、最大限味わうように。
「来年もクリスマスを祝おうね? 愛しているよ、カルメン♡」
「愛してるぜ、ダルク♡」
感謝と、互いへの愛を交わす。永遠を誓い合うような二人の言葉を乗せて、夜行列車はイギリスの地を駆け抜けていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】がLV2になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV10(最大)になった!
ジズ・ユルドゥルム
やぁ、みんな。ジズだ
新たな感情を探求する件。いい機会だと思って、私も内心を探ってみた
でも結局、戦う力になり得るほどの激情は
昔からある、ひとつの感情しか見つからなかったよ
名前を付けるとしたら
「理不尽な現実への復讐心」だろうか
個人的な話になるが…
クロノヴェーダが介在する前から、私にとって世界は、現実は、理不尽なものだった
病で。天災で。人は簡単にいなくなってしまう
せめて今日一日は、なんて強く願っても
普通の人間は圧倒的な現実の前に屈するしかない
でも今は違う
案内人達の予知や、残留効果や、パラドクスの力が――
理不尽と戦い、強力に対抗できる力がある
今の私は、かつて理不尽な現実にただ屈するしかなかった普通の人間とは違う
現実を書き換え、時に跳ね除けることだってできる
私は、それがとても嬉しい
すべてのクロノヴェーダを倒しても、理不尽な現実が存在する限り
この感情はきっと消えない
少なくとも人々が復讐者を求める限り、この「復讐心」を心に抱き続けよう
そして、現実を生きる人々に降りかかる理不尽を、跳ねのけ続けると誓おう
●ひとつの夜明け
夜を通して走った列車は、終着駅である北の地へと辿り着いた。寒空の中に上がる朝日が、列車を降りた面々を照らす。この部隊の締めくくりに、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)が一同の前に立つ。
「やぁ、みんな。ジズだ」
普通ならば最後に一言、程度の話なのだが、今回は少々事情が違う。『復讐』に代わる理由を探す、そんな方針が挙げられているためだ。
「新たな感情を探求する件。いい機会だと思って、私も内心を探ってみた。でも結局、戦う力になり得るほどの激情は、昔からある、ひとつの感情しか見つからなかったよ」
それは、彼女の言葉で言うなら『理不尽な現実への復讐心』。
「個人的な話になるが……クロノヴェーダが介在する前から、私にとって世界は、現実は、理不尽なものだった」
それは彼女がかつて居た場所以外でも大きくは変わらないだろう。病で、天災で、人は簡単にいなくなってしまう。それは個人の善性や行い、背負ったものの重さすら考慮されない、どうしようもないもの。「せめて今日一日は」などと強く願っても、普通の人間は圧倒的な現実の前に屈するしかない。
「でも今は違う。案内人達の予知や、残留効果や、パラドクスの力が――理不尽と戦い、強力に対抗できる力がある」
今の私は、かつて理不尽な現実にただ屈するしかなかった普通の人間とは違う。ディアボロスは現実を書き換え、時に跳ね除けることだってできる。あの日の敗北を覆したように。奪われたかけたものを守り抜いたように。
「――私は、それがとても嬉しい」
抗う心、不条理への反旗、彼女の言うそれは、すべてのクロノヴェーダを倒しても、理不尽な現実が存在する限りきっと消えない。
「少なくとも人々が復讐者を求める限り、この「復讐心」を心に抱き続けよう。そして、現実を生きる人々に降りかかる理不尽を、跳ねのけ続けると誓おう」
この聖夜に催された宴は数知れず、そしてそれに関わる人々は復讐者を必要としている。ゆえに彼等に応え、彼等を守り戦い続ける。そんな彼女の誓いを以て、今宵の宴は終わりを迎えた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!