リプレイ

旗楽・清政
此処の敵将は相良義陽でござるか……アヴァタール級はクロノス級とは
別個体と識っておっても、この胸にざわめく物はある。
とは言え、今はこの肥後南部に居る島津軍の殲滅を考えると致そうか。
この九州に、天魔武者は一体たりとも存在させぬ!
大軍が速やかに肥後より逃れるとならば、海沿いの佐敷から出水か、内陸の人吉から大口か、
いずれにせよ街道の利用は不可避でござろう。また、そう誘導したきところ。
・彼奴等の位置から、逃れるならば何れの街道を使うことになるか
・逃走の際に球磨川を越えることになるか。
・球磨川を越える場合、球磨川の流れを一時的に堰き止めて、水を溜めておくことは出来るか。
最低限、この3点は確認しておくと致そう。
彼奴等が球磨川を越えることになるならば、球磨川を上手く使いたきところ。
既に球磨川よりも薩摩寄りに居るなり、あるいは他の理由で無理ならば、何かしら他の手を考えると致そう。
具体的な準備は後々に行うとして、今は球磨川を使うにせよそうでないにせよ、
周囲の地勢をしかと把握して、準備に活かせるように致そう。
●迎撃準備
「此処の敵将は相良義陽でござるか……アヴァタール級はクロノス級とは別個体と識っておっても、この胸にざわめく物はある」
矢岳高原に立つ旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は宿敵の名を耳にして顔を険しくした。
「とは言え、今はこの肥後南部に居る島津軍の殲滅を考えると致そうか。この九州に、天魔武者は一体たりとも存在させぬ!」
アヴァタール級が島津の手先となっているならば、島津軍を殲滅するまでと敵陣がある場所を調べる。
「大軍が速やかに肥後より逃れるとならば、海沿いの佐敷から出水か、内陸の人吉から大口か、いずれにせよ街道の利用は不可避でござろう。また、そう誘導したきところ――」
軍勢が移動するには相応の道が必要となる。矢岳高原を下りながら自分ならどこに軍勢を構えるかと考えて場所を探る………。
「この街道に足跡が残っておるな。この先に布陣しておるなら、逃走時に球磨川の支流を越えることとなるか」
軍勢、それも天魔武者が通ったとなれば道も荒れる。その跡を追跡し球磨川より南の開けた場所、予想通り人吉の東側に布陣する島津軍を発見した。意気揚々とやる気に満ちて、時が来れば東の日向国に攻め込む準備をしている。
「見つけたぞ。これならば川で迎え撃てるでござるな」
清政は見つからぬよう静かに後退して、逃走する敵の迎撃箇所と想定する支流を観察する。山の方から流れる川が球磨川へと流れ込んでいた。
「流石に川は堰き止められんか……」
川はそこそこ幅があり、敵が渡ったと思しき場所も深さは膝まであり、深い場所ならば胸までありそうだ。ディアボロスであっても堰き止めるには相応の人員とパラドクス効果が必要になるだろう。
「しかしここを軍勢が渡るとなれば多少は手間取ろう。水位がもう少しあればさらに時間を稼げそうでござるが……」
あれこれと逃げる敵に襲撃を仕掛ける想定で、地形を検分していく。
「身を隠せる場所が幾つもあるでござるな。待ち伏せるには丁度よい」
生い茂った草むらや少し水深が深くなった川の中、死角になる場所を幾つも確認し、どうやって仕掛けてやろうかと考え準備していく。予想が当たり早々に敵を見つけられた為、準備の時間は十分にあった。
「島津、そして相良義陽……必ずや討ち取ってくれよう」
相良義陽の姿を思い描き、清政はその胸に静かに闘志を燃やした――。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
この急な転進には龍造寺、大友には肩透かしを食らっているだろうし、これから島津は面食らうだろうな。
島津の圧政が広まるようなことは避けたいからここで食い止めていかないとな。
奇襲ポイントがわかっているならそこを中心に探索だな。隠れられる場所となるべく部隊を展開しにくそうな場所を探しておきたいところだ。一人も逃がさないようにするなら獣道も確認する必要があるな。
後は草木を集めて人が隠れられそうな場所をあえて分かりやすく作っておくか。急いで逃げるなら敵が隠れていそうな場所を避けて動くだろうし、わざわざ確認しにはいかないだろう。疑心暗鬼にさせて足が鈍るか、移動先を誘導することができればいいな。
袋小路とはいかなくても逃げる相手を各個撃破できる形になれば一番いいな。
「この急な転進には龍造寺、大友は肩透かしを食らっているだろうし、これから島津は面食らうだろうな」
獅子堂・崇(破界拳・g06749)はこちらの動きに島津が驚く顔が目に浮かび、不敵な笑みを浮かべる。
「島津の圧政が広まるようなことは避けたいからここで食い止めていかないとな」
島津の苛烈な統治では人死にが出る。それを防いでみせようと意気込みながら、清政が襲撃ポイントに選んだ球磨川の支流まで足を運ぶ――。
「よし、探索するか。隠れられる場所となるべく部隊を展開しにくそうな場所を探しておきたいところだ」
平地だが自然に生える草木もあちこちにある。そこらに簡単に隠れることができそうだった。
「やっぱり本命は川か。川を渡るときは部隊も碌に展開できないだろうしな」
川を渡るとなれば、動きも鈍り思うように陣形も組めなくなる。その隙をつけば大打撃を与えられそうだった。
「一人も逃がさないようにするなら獣道も確認する必要があるな」
敗走した敵がバラバラに逃げてしまうことも考え、道でなくとも通れそうな場所を探っておく。
「しかし逃げる敵を想定して考えるってのも厄介なもんだな」
いつもなら向かって来る敵の迎撃だが、今回は逃げる敵を待ち伏せたり追い駆けて倒さねばならない。普段とは勝手が違うと崇はあれこれ作戦を考えた。
「後は……草木を集めて人が隠れられそうな場所をあえて分かりやすく作っておくか。急いで逃げるなら敵が隠れていそうな場所を避けて動くだろうし、わざわざ確認しにはいかないだろう」
そこに何か隠れていると思わせるように、道から外れた場所に草木を積む。
「疑心暗鬼にさせて足が鈍るか、移動先を誘導することができればいいな」
街道を進んでもらうのが一番やりやすい。出来るだけ敵が散らないようにと配置する。
「袋小路とはいかなくても、逃げる相手を各個撃破できる形になれば一番いいな」
大軍を完全に止めるのは難しくとも、確実に仕留めて数を減らしたいと、敵を分断することも考える。
「長く伸びた敵陣の腹を突けば分断できるか?」
あれこれと作戦を考え、有効そうなものを準備していく……。
そうしてディアボロスは逃げる敵の迎撃準備を十分に整え、まずは待機中の敵陣に奇襲を仕掛けて敵を動かすことにする――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

エスメラルダ・リベロ
【旗楽四天王】
島津軍を壊走させるための奇襲だが、最初の一撃は私が担当だ。
上手く、清政殿が待ち受ける迎撃地点まで追い込みたいものだな。
迎撃地点に通じる街道←→島津軍←→私
これが一直線になるような位置から、殲滅の砲火で攻撃だ。
敵に恐怖を与えて追い立てるなら、戦艦の砲火に勝るものは無いだろう。
まさに、適材適所だな。
【命中アップ】も借りて、砲撃の精度を上げておくぞ。
「如何した? 速やかに逃げなければ、貴様等の命はないぞ!」
と、脅してもおこうか。
ああ、私の攻撃の目的は島津軍を追い立てることだが、
可能な限り島津の兵は削り取っておくぞ。
そのために、【ダメージアップ】も乗せておく。
そして、奴らの動向は【パラドクス通信】で、都度他の四天王に報告だ。
特に、奴等の進路がずれた際に修正する係の嘉内との連絡は重視だ。
反撃に対しては、力任せに金棒を振り回してくるのであれば、
その軌道を把握した上で緑の大盾で防ぎ止めるぞ。
それでも防ぎきれないようなら、肥後の艤装とオーラフィールドで
ダメージを軽減だ。
次は任せたぞ、嘉内!

旗楽・嘉内
【旗楽四天王】
今回の敵に御先祖は思うところがありそうだけど、
子孫のオレが出来るのは、戦力として協力することだけ。
それしか出来ないって事に忸怩たるものはあるんだけど、
逆に言えばそれはしっかりとこなさなくちゃね。
さて、オレの役割は、誘導したい方向から島津軍がずれた時の軌道修正。
そのためには広範囲に動く事になるから、
予め新宿島で緑色の車体のマウンテンバイクを買って、トレインで持参。
あと、カモフラージュカラーのコートも着込んでおく。
それで、奴等に気取られないよう距離を取ってマウンテンバイクで移動しつつ、
誘導したいルートから逸れそうになったら位置を調整した上で
【ダメージアップ】を乗せた緑翠蝗で攻撃し、元のルートに戻るよう追い立てるよ。
「天魔武者は、一体も逃がさねえよ! オレの緑翠蝗に、食い尽くされろ!」
さすがに、全身食い尽くされて死ぬとか嫌な死に様だと思うんだよね。
反撃は、大声で叫ぶだけか。
これに失敗したらと考えたら御先祖が怖くて、怯むどころじゃないんで、
パラドクスとは言え心を強く持って耐えるぞ。
旗楽・清政
【旗楽四天王】
彼奴等が撤退の際に球磨川を渡るならば、球磨川にて殲滅を図ると致そう。
【水中適応】で球磨川の深い場所に潜み、他の四天王、特に牽からの【パラドクス通信】で
状況を把握した上で、【ダメージアップ】をしかと乗せた青龍水計を発動するでござる。
タイミングは、島津兵の先頭集団が薩摩側の河岸にまさに到達せんとする瞬間。
「貴様等天魔武者が渡ったことで、球磨川も怒っておる!」
移動に難儀する渡河中に奇襲で水計を食らったならば、まともな対処はおよそ出来まい。
そも、如何なる対処を為させることもなく、天魔武者は残らず此処で殲滅するつもりではござるが。
彼奴等の反撃は、怒号でござるか。
パラドクス故に完全に無効化は出来ぬとは言え、その程度に怯まされるわけにも行かぬ。
「黙れぇい! 貴様等天魔武者が如何に騒いだところで、それがしは怯みはせぬ!
ましてや、ほぼ総崩れの貴様等が何を喚いたところで、恐ろしゅうも何ともなし!」
【大声】で自らを奮い立たせながら、抗うでござるよ。
まだ生きておる者は、牽に一掃させると致そう。

雲州・牽
【旗楽四天王】
奇襲で壊走する島津軍を街道に追い込んで、球磨川を渡っているところで殲滅、ねぇ。
随分と大がかりでえげつない事を考えるモンだ。
ま、オレは自分がやる側なら、そう言うのは大好きなんだがよ。やられる側になるのは、御免被りたいがね。
ともかく、だ。オレは球磨川から薩摩寄りの草むらに潜んでおくぜ。
オレが今回やるべき事は、二つ。
一つは、球磨川を渡る島津軍の様子を観察して、【パラドクス通信】で水中に潜んでいる清政に連絡することだ。
ちょうど島津軍の先頭集団が薩摩側の河岸に到達したタイミングで、清政に攻撃の指示を出すぜ。
もう一つは、エスメラルダの砲撃、嘉内の緑翠蝗、清政の水計を受けても
なお生き残っているしぶとい連中を、残らず殲滅することだ。
【ダメージアップ】を乗せた黒神召喚でな。
「旗楽四天王、雲州・牽だ! オレの名前は死亡フラグ、迷わず冥府へ逝くがいい!」
闇に生きる忍者が名前を明かすのは、聞いた者を必ず殺すって意思表示に他ならねえ。
敵の斬撃は、空蝉人形で受けてニンジャオーラで耐えるとしようか。
●殲滅戦
島津軍に攻撃するディアボロス『旗楽四天王』は作戦を練り、それぞれ散って違う場所に移動していた。
「彼奴等が撤退の際に球磨川の支流を渡るならば、川にて殲滅を図ると致そう」
旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は【水中適応】で敵が渡ると推測した川の深い場所に潜み、他の四天王、特に牽からの通信を受けて状況を把握する……。
「島津軍を壊走させるための奇襲だが、最初の一撃は私が担当だ。上手く、清政殿が待ち受ける迎撃地点まで追い込みたいものだな」
大事な役目を与えられたエスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)は戦意を漲らせ、島津軍を街道に追い込むように回り込んで位置取る。
「今回の敵に御先祖は思うところがありそうだけど、子孫のオレが出来るのは、戦力として協力することだけ」
旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)は何やら因縁のある相手が敵将だと、御先祖の顔付きがいつもと違うことから察していた。
「それしか出来ないって事に忸怩たるものはあるんだけど、逆に言えばそれはしっかりとこなさなくちゃね」
自分に出来ることを積み重ねて信頼を得なくてはと、島津軍の居る方向を見る。
「さて、オレの役割は、誘導したい方向から島津軍がずれた時の軌道修正」
そのためには広範囲に動く事になる。予め新宿島から緑色の車体のマウンテンバイクを持ち込んで、カモフラージュカラーのコートも着込んで準備をしていた。
「奇襲で壊走する島津軍を街道に追い込んで、川を渡っているところで殲滅、ねぇ。随分と大がかりでえげつない事を考えるモンだ」
雲州・牽(オレの名前は死亡フラグ、迷わず冥府へ逝くがいい!・g11524)は手の込んだ作戦に清政の本気振りを感じていた。
「ま、オレは自分がやる側なら、そう言うのは大好きなんだがよ。やられる側になるのは、御免被りたいがね。ともかく、だ。オレは川から薩摩寄りの草むらに潜んでおくぜ」
やられるのは御免だがやるなら派手にやってやろうと、川の向こう側から現れるはずの島津軍に見つからないように草むらに潜んだ。
(「オレが今回やるべき事は、二つ。一つは、球磨川を渡る島津軍の様子を観察して、【パラドクス通信】で水中に潜んでいる清政に連絡することだ」)
牽は失敗しないように己のやることを反芻していく。
(「もう一つは、エスメラルダの砲撃、嘉内の緑翠蝗、清政の水計を受けても、なお生き残っているしぶとい連中を、残らず殲滅することだ」)
最後の一撃は自分の役目だと、意気込んでいつでも仕掛けられる準備を整える――。
「準備は出来たようだな。では開始する」
それぞれから連絡を受けたエスメラルダがパラドクス『殲滅の砲火』を発動し、〈重装型戦艦級海戦装『肥後』〉の試製大口径三連装砲塔4基計12門の大口径砲から次々と砲撃を始めた!
「何の音――ぐあああああああああ
!!!!」
砲撃音がしたと思った瞬間に着弾し、爆発に飲み込まれて天魔鬼武者の軍勢が吹き飛んだ!
「うわあああっ!!」
「砲撃だっ! どこからだ!? 攻撃が受けている!!」
不意打ちを受けて混乱した天魔鬼武者が右往左往していた。
「敵に恐怖を与えて追い立てるなら、戦艦の砲火に勝るものは無いだろう。まさに、適材適所だな」
エスメラルダ自慢の海戦装からの砲撃によって悲鳴と火の手が上がり、軍勢は大混乱に陥っていた。
「如何した? 速やかに逃げなければ、貴様等の命はないぞ!」
そう言ってエスメラルダは脅しと共に、砲撃をお見舞いして薙ぎ倒す。
(「私の攻撃の目的は島津軍を追い立てることだが、可能な限り島津の兵は削り取っておく」)
そもそもの狙いは敵の殲滅。少しでも数を減らしておこうと砲弾をぶち込んでいく。
「逃げなくては!」
「落ち着けぃ!!!」
浮足立つ天魔鬼武者が好き勝手に逃げ惑おうとするが、それを指揮官のアヴァタール級『相良義陽』が声を上げて鎮めさせる。
「ディアボロスの奇襲か、こんなところで孤立すれば総崩れとなる……やむを得ない。本国に一度退くぞ!!」
東に向かうはずだった全軍を反転させ、西の島津領に撤退する命令を下す。
「鬼面赤備衆よ! そなたら精鋭は俺と共に殿を務める!! 一体でも多く国に戦力を戻さねばならん! いいな!!」
「「承知
!!!」」
トループス級『鬼面赤備衆』が頷き、相良義陽の命に従い砲撃を行うエスメラルダの居る方を警戒して、後退していく軍勢の殿を務めた。
「よし、狙い通りだ。島津軍が移動を始めた。こちらはこのまま追い立てる。次は任せたぞ、嘉内!」
【パラドクス通信】で連絡を入れながら、エスメラルダは敵を砲撃で追っていった。
「任された! オレはオレの役目をしっかり果たさないとな」
通信を受けた嘉内は敵に気取られないように距離を取ってマウンテンバイクを必死に漕いで移動し、敵がこちの想定するルートから外れそうになると、調整する為に攻撃を仕掛ける!
「そこにいやがったか!」
敢えてこちらの攻撃を知らせるように接近し、パラドクス『緑翠蝗(エメラルド・グラスホッパー)』を発動し魔法によって無数のエメラルド色に輝くイナゴを顕現させた!
「天魔武者は、一体も逃がさねえよ! オレの緑翠蝗に、食い尽くされろ!」
空を緑に覆うようなイナゴの群れが襲い掛かり、天魔鬼武者の全身に張り付くと装甲を構わず噛み砕き内部にまで入って食い散らかしていく。
(「さすがに、全身食い尽くされて死ぬとか嫌な死に様だと思うんだよね」)
敵が恐怖や混乱をさらに増すような攻撃方法を選んでいた。
「身体が……動かない………」
「食われちまう! 逃げろ逃げろ!!」
予想通り慌ててイナゴの群れから逃げるように方向を変える。だが遅れた者は容赦なくイナゴに覆われて食い尽くされていった。
「イナゴなんぞに食われてたまるか!」
「クソがあああああ!!!」
怒号を上げると空気が震え、それが嘉内にまで届く全身を、そして心を震えさせる。
「反撃は、大声で叫ぶだけか。これに失敗したらと考えたら御先祖が怖くて、怯むどころじゃないんでな」
心を強く持って嘉内は耐えきった。
「効かないだと?!」
「逃げろぉおお!!」
「よし、上手く調整できたな。だけど到着するまでは油断はしない」
攻撃が通じずに反撃に転じていた天魔鬼武者も逃げ出した。敵軍の軌道修正に成功したが、まだ作戦は終わってはいないと、嘉内は自転車を漕いで追い駆けた。
「なあ、バラバラに逃げた方がいいんじゃないか?」
「それは……ひっ、なんだあれは?」
士気の落ちた兵は脱落しそうになる。そんな逃げる道から外れた場所に、わざとらしく草木が積まれた場所が幾つもある。それは崇が敵の逃げ道を誘導する為に用意していたものだった。
「草木が積まれてるのか……人が隠れられる大きさだな」
「ディアボロスが潜んでいるかもしれねぇ、避けていくぞ!」
まんまとそれに引っ掛かり、逃げ散ろうとしていた敵の多くは思い直して、道沿いに他の仲間を追っていった。それでも完全にやる気を失った少数の兵は部隊を抜けて離散した。
「はぁはぁ、ここまで逃げれば……川だ! 川があるぞ!」
「止まるな進め進め! 川を越えて逃げるんだ!!」
島津軍は逃げる勢いのまま川に入ろうとする。
「島津の軍勢が見えた。そろそろ川に入っていきそうだぜ。準備はいいな?」
「何時でも動けるでござる」
牽が【パラドクス通信】で清政に連絡を入れると、すぐに清政は返事を返した。
「早く進め!」
「押すな! すぐに渡る!!」
焦る島津軍はバシャバシャと水を蹴り足を鈍らせながらも反対側へと渡り切ろうとしていた。
「今だぜ!」
「承知した。それがしも動くとするでござる」
連絡を受けた川底の清政が動き出し、今まさに島津兵の先頭集団が西側の河岸に到達せんとする瞬間にパラドクス『青龍水計』を発動する!
「貴様等天魔武者が渡ったことで、川も怒っておる!」
川の水量が突然膨れ上がり、島津軍の横っ面を叩くように飲み込んだ!
「流れが速く!!」
「鉄砲水だッ! 急いで渡――」
為す術もなく濁流に押し流された天魔鬼武者達がもみくちゃにされ、水圧やそこらに衝突する衝撃で全身を砕かれ爆発していく。
「川が氾濫してるっ下がれっ!」
「いや、このまま進めッ! 後ろからもディアボロスが来ているんだぞ!!」
川に入った仲間が全滅すると、川に入ろうとしていた後続の天魔鬼武者がどうすればいいのだと立ち止まり、押し合いへし合いでもめ始めた。
「移動に難儀する渡河中に奇襲で水計を食らったならば、まともな対処はおよそ出来まい」
混乱するところに清政は川から姿を見せて状況を確かめる。
「そも、如何なる対処を為させることもなく、天魔武者は残らず此処で殲滅するつもりではござるが」
そして予想通り敵陣が乱れているところへ、濁流の流れを変えて川の傍に居る者も飲み込み追い打ちを仕掛ける。
「退けっ! 川の水がこっちにも!!」
「押すな!! 後ろが下がらなければ下がれんっ!!」
川に近い者が慌てて下がろうとするが、先を急いていた軍勢が簡単に下がれない。
「うゎあああああああ!!!」
水流に引きずり込まれるように足元を崩され悲鳴を上げて川に消えていく。
「奴だ! 奴がこの川を操っているんだ!!」
「ディアボロスを倒せば渡れるようになるはず!!」
「赦さんぞディアボロスゥウウウウ
!!!!」
ようやく清政の存在に気付いた一部の天魔鬼武者が怒号を上げていく。波が逆立つような大声が衝撃波のように響く。それは聴く者の心を委縮させ戦意を奪う。
「黙れぇい! 貴様等天魔武者が如何に騒いだところで、それがしは怯みはせぬ! ましてや、ほぼ総崩れの貴様等が何を喚いたところで、恐ろしゅうも何ともなし!」
清政は怒号に対して怒号で返す。大声を上げて自らを奮い立たせ、心を折るような怒号に抵抗してみせた。
「何をしている!! さっさと逃げんか!!」
そこへ殿を守る相良義陽が追いついてきて、数を大きく減らしてしまった軍勢に声をかける。
「それが、川で待ち伏せを――」
振り向いて言い訳しようとしたところで、砲撃とイナゴの群れが襲い掛かり天魔鬼武者が薙ぎ倒され喰らいつかれて死んでいく。
「足が止まっているな。どうやら作戦は成功か。ならばここで殲滅する」
「もう逃げ場はねえ! ここがお前らの墓場だ!」
追い詰めたエスメラルダと嘉内の攻撃が背後から敵を襲い、残った僅かな軍勢が川に逃げ込む。
「無理だ! 逃げろ逃げろ」
「まだ生きておる者は、牽に一掃させると致そう」
清政が水嵩の減った川を渡っていく敵を見逃す。
「これで逃げ切れ――」
「旗楽四天王、雲州・牽だ! オレの名前は死亡フラグ、迷わず冥府へ逝くがいい!」
川を渡ったと思った瞬間、目の前に立ち塞がる牽がパラドクス『黒神召喚(サモン・チェルノボグ)』を発動し、スラヴ神話の黒き神チェルノボグを召喚して生命と運命を蝕み死へと追いやる強大な魔法を放つ!
「闇に生きる忍者が名前を明かすのは、聞いた者を必ず殺すって意思表示に他ならねえ。つまり、お前らが生きて逃げ延びることはないということだぜ」
黒き神チェルノボグが呪詛のように闇が広がって敵を包み込み、あっという間に装甲が腐り落ちてボロボロになり崩れ落ちていった……。
「馬鹿な……我が軍勢が壊滅したというのか!!」
逃走中に脱落するように散り散りに離散した極少数以外は全て息絶え、殿を務めていた将の相良義陽は愕然とした声を上げた。
「残るは相良義陽。其方と護衛のみ。此処で其方等も討ち取り、島津軍の殲滅を完了とする!」
正面に立った清政が敵将も含めて殲滅すると堂々と宣言した。
「やれるものならやってみろ!!! 返り討ちにしてやる!!」
炎のように激昂した相良義陽が戦闘態勢に入り、その護衛の鬼面赤備衆も刀の柄に手をかけた――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
旗楽・清政
【旗楽四天王】
「返り討ちとな? やれるものならやってみせよ!」
アヴァタール級の相良義陽に討たれるようならば、クロノス級の相良義陽を討てるはずも無し。
もしそうなったならば、それがしの実力も武運もそれまでであったと言うことでござろう。
されど、それがしが此処で斃れるわけには行かぬ。
旗楽領をはじめとする九州を奪還するためにも、
何時の日かクロノス級の相良義陽を討ち果たすためにも!
言わば、この戦いはその前哨戦にして試金石でござるな。
ともあれ、まずは護衛の此奴等を討ち果たすと致そう。
後々に備えて、此処は【ダメージアップ】と【ガードアップ】を
一段階ずつ積み増しておくと致す。
斯様なわけで、此度はそれがしからリングスラッシャーで仕掛けるでござるよ。
【ダメージアップ】は、当然しかと乗せておくでござる。
「邪魔だ! 退けぇい!」
彼奴等の攻撃に対しては、ビームシールドでの受けを試み、
それでも防ぎ切れなんだならば【ガードアップ】と五枚胴具足、
それに全身に漲らせし闘気による護りで耐えると致そう。
「続け、牽!」
雲州・牽
【旗楽四天王】
この戦いに、清政は相当入れ込んでいるようだ。
あの相良義陽と言う天魔武者と、何か因縁でもあるのかもしれねえ。
それを知る由はオレにはないし、知ったことでやることは変わらない。
オレは、オレ達が勝つために力を尽くすまでだ。
今回、【ダメージアップ】と【ガードアップ】を積み増す方針で、
その【ダメージアップ】担当として、オレが指名されたってわけだ。
ま、悪い気はしねえ。その分、他の三人との(レベル的な)距離も縮まるわけでな。
清政の攻撃が終わった直後、すぐさま黒神召喚で仕掛けるぜ。
「オレの名は、雲州・牽! この名を、冥府への片道切符にしてやるぜ!」
その切符で乗車する地獄への超特急は、チェルノボグって言うんだよな。
あ、今追加した分も含めて【ダメージアップ】はしっかりと乗せておくぜ。
これで、奴等を殲滅出来ればいいんだが。
奴等からの攻撃は、居合からの特大の斬撃か。
「残念だったな、それはただの人形だ」
空蝉人形を盾にして、斬撃を防ぐぞ。
防ぎきれなかったら、【ガードアップ】とニンジャオーラで耐えようか。
●前哨戦
「返り討ちとな? やれるものならやってみせよ!」
旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)が相手に負けぬ気勢を上げて言い放つ!
「アヴァタール級の相良義陽に討たれるようならば、クロノス級の相良義陽を討てるはずも無し。もしそうなったならば、それがしの実力も武運もそれまでであったと言うことでござろう」
相対するは相良義陽のアヴァタール級。所詮は本物ではない。それに負けるようならば本物を討つ事など出来はしない。
「されど、それがしが此処で斃れるわけには行かぬ。旗楽領をはじめとする九州を奪還するためにも、何時の日かクロノス級の相良義陽を討ち果たすためにも!」
己を奮い立たせ、清政は本物の相良義陽と戦う時の事を想定する。
「言わば、この戦いはその前哨戦にして試金石でござるな」
ここで宿敵と同じ技を使う相手と戦うことは、いずれ本物と戦う時の糧となると口元に不敵な笑みを浮かべた。
(「この戦いに、清政は相当入れ込んでいるようだ。あの相良義陽と言う天魔武者と、何か因縁でもあるのかもしれねえ」)
雲州・牽(オレの名前は死亡フラグ、迷わず冥府へ逝くがいい!・g11524)は普段とは違う、燃えるような闘志を燃やす清政を見て、何やら因縁がありそうだと想像した。
(「それを知る由はオレにはないし、知ったことでやることは変わらない。オレは、オレ達が勝つために力を尽くすまでだ」)
因縁があろうがなかろうが、こうして天魔武者を前にしたなら打ち破るだけだと牽も闘志を高めた。
「ごちゃごちゃと何を言っている? 掛かって来ぬからこちらから行くぞ!!」
鬼面赤備衆が殺気を鋭く放ちながら前に足を踏み出す。
「邪魔だ! 退けぇい!」
対して清政はパラドクス『リングスラッシャー』を発動し、回転する無数の光の輪を放った!
「この数は!!」
「凌げ!!!」
慌てて鬼面赤備衆が防御態勢を取るが、数え切れぬ光の輪が回転ノコギリのように全身をガリガリと削って切り裂き、具足が裂かれて腕や脚が切断された。
「ぐあぁっ!!」
「いかん! 守っていたのではやられる!! 攻めるぞ!」
鬼面赤備衆がこのままでは危険だと、反撃に転じようとする。
「続け、牽!」
「オレの名は、雲州・牽! この名を、冥府への片道切符にしてやるぜ!」
清政の呼びかけに応じ、名乗りを上げた牽がパラドクス『黒神召喚(サモン・チェルノボグ)』を発動して黒き神チェルノボグを召喚した。
「なんだこいつは!」
「その切符で乗車する地獄への超特急は、チェルノボグって言うんだ。短い間だが旅路を楽しんでくれ」
チェルノボグが闇を生み出す。それが鬼面赤備衆を侵食すると、表面だけでなく内部にまで僅かな隙間から入り込み、金属という物質の寿命を刈るように腐食させていく。
「なっ、これは、か、体が崩れていくっ!!」
「この闇の所為かっ逃げ――」
気付いた時は既に手遅れ、闇の飲まれた鬼面赤備衆達は崩れ落ちてただの鉄屑と成り果てた。
「怯むな! 我ら島津なるぞ!!」
「おう! 死ぬ前に一矢報いてくれる!!」
それでもまだ動ける傷ついた鬼面赤備衆が反撃に出て、居合の構えから刀を抜き放ち、特大の斬撃を放つ! その一撃が牽を両断した。
「どうだっ! やったぞ!!」
「残念だったな、それはただの人形だ」
〈空蝉人形〉を盾にして斬撃を防ぎ、抜けた余波は〈エメラルド・ニンジャ・オーラ〉で耐えきり、牽はさらに闇を広げて鬼面赤備衆を朽ち果てさせた。
「そんな………」
「あの闇に飲み込まれるな!」
仲間が次々とやられ、残った鬼面赤備衆が疾走して回り込もうとする。
「そんなスピードで動いて大丈夫か? そこらには清政の放った光輪が浮いてるぞ」
「なっ!?」
牽がそう忠告した時には既に勢いづいた鬼面赤備衆の身体を光輪が切り裂いていた。
「其方等が好きに動ける場所は無いと知れ!」
清政は無数の光輪を全方位から浴びせ、周りを見渡し動揺する鬼面赤備衆の全身をバラバラに切断した。
「こんなものっ!」
鬼面赤備衆が抜刀して光輪を弾く。しかし一つ二つ弾いたところで意味はない。後方から迫る光輪に背中を切られ、振り向いて刀を振るっても、その腕が切断されて刀ごと地面に落ちた。
「これでは動けん!!」
「そら、お仲間が地獄で待ってるぜ」
「闇が迫ってくるっ! うぁあああああっ!!!」
追い詰められた鬼面赤備衆の動きが止まると、牽が闇で覆い尽くし、残った敵を全て動かぬガラクタに変えた。
「これで、邪魔な護衛は殲滅出来たな」
「良くやった牽! 次は相良義陽。其方を討つ!」
牽を褒めた清政が残った相良義陽と向かい合う。
「配下を倒した程度で調子に乗るな!! 俺がこの手で貴様らを灼き尽くしてやる!!!」
闘志を燃え上がらせた相良義陽が太陽剣を抜き放ち炎を纏わせた!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【友達催眠】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!

エスメラルダ・リベロ
【旗楽四天王】
配下を倒した程度で調子に乗るな、か。
だが、貴様の配下は倒れた一方で、我々旗楽四天王は
誰一人として欠けることなく健在だぞ。
清政殿も、すぐにでも挑みかかりたそうにしているが、まぁ、待て。
まずは、私が奴の力量を図ろうではないか。
それから他の三人と共に挑んでも、遅くはあるまい?
いずれ、清政殿は我等旗楽四天王と共に、クロノス級の貴様に挑むのだ!
その前に、前哨戦に過ぎないアヴァタール級の貴様如きに、
灼き尽くされたりするわけにはいかんのだよ!
食らうがいい! ヴェルデ・フィナーレ!
【ダメージアップ】も乗せて、全身全霊で
肥後の大口径砲十二門から翠緑の光条を撃ち出すぞ!
日輪砲は、緑の大盾で受けようか。
それにしても、日輪と言うだけあって、何と言う熱だ。
溶けてくれるな、保ってくれよ……!
もし緑の大盾を抜かれたならば、肥後の艤装、オーラフィールド、
そして何より【ガードアップ】を駆使して、全力で耐え抜くぞ。
「戦艦が――ましてやこの『肥後』が、簡単に沈むものか!」
さて、私の砲撃を受けた奴の様子は如何だ?

旗楽・嘉内
【旗楽四天王】
エスメラルダさん!? 旗楽四天王でクロノス級の相良義陽に挑むってマジ!?
オレ、そんなの一言も聞いてないんだけど!?
……まぁ、実際にクロノス級の相良義陽と戦うとなったら、
確かにオレ達四天王は有無を言わさず動員されそうだけどさ。
でも、確かにそれだったら、アヴァタール級の相良義陽を相手に
足踏みさせられるわけには行かない。
「その時」の予行演習だと思って、目の前のアヴァタール級を全力で倒そう。
オレからは、【ダメージアップ】をしっかり乗せたエメラルドの翼で攻撃だ。
翼は、今回は全部ビーム砲運用で行くぞ。
全方位からのビームで、奴の身体をことごとく貫いてやる!
「この砲火の嵐に、耐えられるか!」
…とは言っても、アヴァタール級の耐久力なら耐えるよね。知ってた。
で、奴の攻撃は全てを灼く日輪の炎だって!?
マジックシールドを構えて受け止めるけど、ううう、熱い!
熱気だけで灼け死んじゃいそうだ。でも、まだ灼け死ぬわけには行かないからね。
マジックシールドを抜けた分は、翠緑天鎧と【ガードアップ】で耐えるぞ。
旗楽・清政
【旗楽四天王】
「それがしらを灼き尽くすとな!? やってみるがよかろう!」
彼奴の言葉に片鎌槍を構えすぐパラドクスを発動しようとするも、
エスメラルダの言で落ち着くと致す。
まずエスメラルダが仕掛け、嘉内が続き、それがしは三手目。
「エスメラルダの申すとおり、それがしらはいずれクロノス級の貴様に挑む身。
なれば、アヴァタール級の貴様に灼き尽くされたり等はせぬ!」
渾身の力と【ダメージアップ】を込めて、翠緑の疾風を発動でござる。
「この片鎌槍の穂にて、貴様を貫いてくれよう!」
とは言え、流石にいきなりそうも行くまい。
攻防を繰り返しつつ、好機を狙うと致す。
彼奴の日輪砲は、まずビームシールドで受けるでござるよ。
もし日輪砲がビームシールドを抜けてきたらば、【ガードアップ】と
五枚胴具足、そして全身に漲らせし闘気による護りにて、耐えると致そう。
炎が身体を灼いても、灼き尽くされずに立っておればそれ即ち勝利でござる。
攻防の末に首尾良く片鎌槍の穂が彼奴の身体を貫いたならば、
牽の緑一色爆弾で止めを刺させると致そう。
雲州・牽
【旗楽四天王】
島津の尖兵となった相良義陽…そこだけ言えば歴史どおりなんだが、
どうせなら響野原の戦いの如く、自分から討たれてくれんもんかね。
って、天魔武者相手に流石にそれは無理か。
ともかく、清政がクロノス級の相良義陽とやり合うつもりなのは
さっきも聞いたが、どうやらオレ達もそれに付き合うことになりそうだ。
なら、オレ達にとってもこの戦いは前哨戦にして試金石か。
何にせよ、オレは誰が相手だろうが勝つために全力を尽くすだけだ。
さて、今回のオレの役割は、四番手&相良義陽へのトドメ役だ。
まずは四番手として、【ダメージアップ】を乗せた緑一色爆弾で攻撃だ。
奴からの攻撃は、空蝉人形を盾代わりにして、後は【ガードアップ】と
ニンジャオーラで耐えるしかねえな。
パラドクスは必中とは言え、太刀筋を見切れねえのはキツい。
クソッ! 熱いし痛ぇ!
それでも、攻防を何巡かしてたら清政の片鎌槍も上手く奴を貫くだろ。
それを好機として、緑一色爆弾で止めを刺すぞ。
「緑一色四暗刻! ダブル役満! テメェの命は、これでトビだ!」
●試金石
「それがしらを灼き尽くすとな!? やってみるがよかろう!」
相良義陽の挑発的な言葉に乗って、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は〈緑玉の片鎌槍〉を構えてすぐにパラドクスを発動しようとする――。
「配下を倒した程度で調子に乗るな、か。だが、貴様の配下は倒れた一方で、我々旗楽四天王は誰一人として欠けることなく健在だぞ」
そこへ割り込むようにエスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)はこちらは誰一人欠けることなく配下を全滅させるほどの戦力だと言い返す。
「清政殿も、すぐにでも挑みかかりたそうにしているが、まぁ、待て」
そして普段とは違い冷静さを失いそうな清政に声をかける。
「まずは、私が奴の力量を図ろうではないか。それから他の三人と共に挑んでも、遅くはあるまい?」
「むぅ……一理あるでござるな」
エスメラルダの言に冷静さを取り戻した清政が踏み留まる。
「島津の尖兵となった相良義陽……そこだけ言えば歴史どおりなんだが、どうせなら響野原の戦いの如く、自分から討たれてくれんもんかね」
雲州・牽(オレの名前は死亡フラグ、迷わず冥府へ逝くがいい!・g11524)は歴史通りの悲劇的な死に方をしてくれないかと、義陽の末路を振り返る。
「って、天魔武者相手に流石にそれは無理か」
名ばかりでここは史実とは違うクロノヴェーダの世界。そんな儚い結末は望めなかった。
「いずれ、清政殿は我等旗楽四天王と共に、クロノス級の貴様に挑むのだ! その前に、前哨戦に過ぎないアヴァタール級の貴様如きに、灼き尽くされたりするわけにはいかんのだよ!」
エスメラルダが四天王に向かって声を上げ、士気を高めて〈重装型戦艦級海戦装『肥後』〉の砲門を敵に向ける。
「エスメラルダさん!? 旗楽四天王でクロノス級の相良義陽に挑むってマジ!? オレ、そんなの一言も聞いてないんだけど!?」
旗楽・嘉内(フルアーマーウィザード・g11216)が初めて聞いたと驚きの顔を向けるが、そんなものは無視されて火蓋が切られる――。
「食らうがいい! ヴェルデ・フィナーレ!」
一番手としてエスメラルダがパラドクス『ヴェルデ・フィナーレ』を発動し、四つの試製大口径三連装砲、計十二門の砲口からエメラルド色に輝くビームを一斉に発射する!
「むぅっ!!」
光条は束ねるように一点に集中し、義陽に襲い掛かる。
「この程度で俺を倒せるなどと思うな!!!」
それを左腕の円形の盾を前にして受け止め、翠緑の輝きが押し留められる。
「倒せずとも、倒す為の道筋を示す!」
全身全霊の力を籠め、翠緑の輝きが増して盾をぶち抜き、エネルギーに呑み込まれた義陽を吹き飛ばした!
「ぐぉっ!!!」
宙を飛んだ義陽は地面に剣を突き立てて勢いを殺して止まる。
「さて、私の砲撃を受けた奴の様子は如何だ?」
エスメラルダが敵の損傷を確認すると、身体のあちこちが焼けて装甲が焦げて煙を上げていた。何より直撃を受けた盾が変形し欠けて防御力を失っていた。
「よくもやってくれたな! だが今度はこちらの番だ!! 燃え上がれ日輪よ
!!!!」
義陽の怒りと共に太陽の如き炎が燃え上がり、日輪を模した前立に集束して極太の超高熱の炎柱を放った!
「受けきってみせよう!」
今度はこちらが受けて止めてみせるとエスメラルダが強化した〈緑の大盾〉を構えて受け止める。
「それにしても、日輪と言うだけあって、何と言う熱だ。溶けてくれるな、保ってくれよ……!」
熱さに汗を流しながらも大盾を構え続けるが、盾の表面が溶け始めていく。
「止められるものか!! このまま灼き尽くしてくれよう
!!!!」
「戦艦が――ましてやこの『肥後』が、簡単に沈むものか!」
義陽が気合を入れて炎を強くすると、エスメラルダも負けじとオーラフィールドを纏わせた肥後の艤装を盾にして受け止める。
「……まぁ、実際にクロノス級の相良義陽と戦うとなったら、確かにオレ達四天王は有無を言わさず動員されそうだけどさ」
嘉内は冷静に考えれば自分達も戦うことになりそうだと、簡単に戦場に連れ出されるイメージが思い浮かんでしまった。
「そうだな、清政がクロノス級の相良義陽とやり合うつもりなのはさっきも聞いたが、どうやらオレ達もそれに付き合うことになりそうだ。なら、オレ達にとってもこの戦いは前哨戦にして試金石か」
牽も同意して頷き、この戦いは後の戦いに備える為の一戦になるだろうと理解できた。
「何にせよ、オレは誰が相手だろうが勝つために全力を尽くすだけだ」
誰が相手であろうと全力で倒すのみと、いつもと変わらぬ心構えで牽は戦闘態勢に入る。
「確かにそれだったら、アヴァタール級の相良義陽を相手に足踏みさせられるわけには行かない。「その時」の予行演習だと思って、目の前のアヴァタール級を全力で倒そう」
本番に向けての訓練には丁度いいと、二番手の嘉内はパラドクス『エメラルドの翼』を発動して魔法によってエメラルド色に輝く翼を顕現する。
「全方位からのビームで、奴の身体をことごとく貫いてやる!」
翼を羽ばたかせると、無数の羽根が舞ってそれぞれからビームが放たれる!
「この砲火の嵐に、耐えられるか!」
数え切れぬビームが義陽に当たり装甲を削り、先の攻撃で焦げていた場所を貫き内部にまで損傷を与える。しかし致命傷とはなるような箇所は義陽が剣で防いでいた。
(「……とは言っても、アヴァタール級の耐久力なら耐えるよね。知ってた」)
だが防御に追いやられた義陽の攻撃は止まりその視線が嘉内へと向けられた。
「舐めるな!! 数は多くとも一撃は軽い! それでは俺は止められん!!」
義陽は日輪を模した前立てを太陽の如く輝かせ、全てを灼き尽くす炎を放つ!
「で、奴の攻撃は全てを灼く日輪の炎だって!?」
反撃を予想していた嘉内は、〈エメラルド・マジック・シールド〉を構えて受け止める。
「ううう、熱い!」
直撃を防いでもその熱は伝わる。汗がだらだらと噴き出し皮膚や火傷しそうになる。
「この日輪の前に燃え尽きろ!!」
「熱気だけで灼け死んじゃいそうだ。でも、まだ灼け死ぬわけには行かないからね」
義陽が火の勢いを増すとオーブンで炙るような熱気となり、守りを高めた〈翠緑天鎧〉で耐え凌ぐ。
「エスメラルダの申すとおり、それがしらはいずれクロノス級の貴様に挑む身。なれば、アヴァタール級の貴様に灼き尽くされたり等はせぬ!」
続いて三番手となる清政がパラドクス『翠緑の疾風』を発動し、エメラルド色に輝く闘気を纏い、片鎌槍を構えて翠緑の風が吹き抜けるように駆ける――。
「この片鎌槍の穂にて、貴様を貫いてくれよう!」
「速いっ!!」
突き出される片鎌槍を義陽が咄嗟に剣で受ける。ならばと清政が連続で槍を突き幾度も刃と刃をぶつかり合って火花を散らす。
「なかなかやるようだが、俺の方が膂力は上だ!!」
「勝負を焦ったな、力だけで押し切れると思うな!」
他のディアボロスの邪魔が入る前に終わらせようと義陽が剣で弾こうとするが、清政は巧みに鎌で刃を引っ掛けて逆に逸らし、穂先を腹に突き入れた!
「ぬぐぁあっ!! まだ、俺の日輪の炎は消えん!!」
穴の開いた腹部からバチバチと漏電しながらも、義陽は日輪に炎を宿す。
「喰らえ!!」
放たれる炎を清政は〈エメラルド・ビーム・シールド〉で受け止めるが、その炎はシールドを抜けて気温が一気に上がる。
「灼き尽くしてやるぞ!! 黒焦げになれ!!!」
「元より容易く防げるとは思っておらぬ」
清政は〈緑玉塗五枚胴具足〉で身を護り、全身に闘気を漲らせて高熱に耐える。
「炎が身体を灼いても、灼き尽くされずに立っておればそれ即ち勝利でござる」
炎に耐えながら、その視線は動き出す牽を捉えていた。
「さて、オレの出番のようだな」
四番手、トドメ役となる牽がパラドクス『緑一色爆弾(リューイーソー・ボム)』を発動し、麻雀の緑一色を構成する十四枚の麻雀牌の形をした爆弾を次々と投げつける!
「なにっ!!」
爆発の衝撃に倒れそうになる義陽が踏み留まれず地面を転がり、攻撃してきた牽へ殺気を向ける。
「不意打ちくらいで俺を倒せると思うな!! 斬り捨ててくれる!!!」
義陽が炎を纏った愛刀・太陽剣を構え、光の如き超高速で接近すると、超高熱の袈裟斬りを浴びせる!
「燃えろ!!!」
牽が斬られたと思った瞬間、〈空蝉人形〉となって燃えあがる。
「何っ小賢しい真似を!!」
義陽が怒鳴りながら目にも止まらぬ速度で炎のように変幻自在に剣を振るう!
それを牽は〈エメラルド・ニンジャ・オーラ〉で受け止めて耐える。だがその熱が伝わり、高熱の鉄でも押し当てられたように感じられる。
「クソッ! 熱いし痛ぇ!」
速度だけでなく予測できぬ動きで太刀筋を見切れない。ただ亀のようにガードするしかなかった。
(「パラドクスは必中とは言え、太刀筋を見切れねえのはキツい。だが耐えていれば清政の片鎌槍が奴を貫くだろ」)
一人で戦っているのではない。他の仲間が何とかすると信じて耐え続ける――。
「まだ動けるようだが、流石に精度が落ちているな。ならば一気に畳み掛けるまで」
「もう一押しだね。このまま押し切ろう!」
エスメラルダと嘉内がエメラルドのビームを数え切れぬほど撃ち込み、義陽の攻勢を止めて体中に穴を穿つ!
「ぐぅっ!! 厄介な! しかし一人倒せば連携も崩れる!! 俺の太陽剣で道を切り開く!!!」
義陽は太陽剣を掲げて渾身の力で一刀両断にせんと牽に振り下ろそうとする。
「その隙を待っておった!!」
だがその大きな隙を見逃さず、清政が片鎌槍を突き入れて右腕を肩から切断し、剣を持ったまま腕が宙を舞い地面に突き刺さった。
「馬鹿なっ!?」
「緑一色四暗刻! ダブル役満! テメェの命は、これでトビだ!」
驚愕する義陽に牽が残った麻雀牌をまとめて投げつけ、大爆発を起こして吹き飛ばした!
「ぐぅうううあああああああああああああ
!!!!!!」
盾も剣も失い、防ぐ手段を失った義陽は直撃を受けて粉砕され、高々と体が放物線を描くと地面に叩きつけられ、バラバラに砕け散った。
「この、俺が……負ける、だと………」
太陽が沈むように炎が燃え尽き、義陽は動かなくなった……。
「我等、旗楽四天王の勝利でござる!」
清政が槍を掲げ島津勢を見事破ったと勝利宣言をする。
「炎による攻めは苛烈だったが、アヴァタール級の力量ならば問題なく耐えれたな」
「クロノス級の相良義陽はこれよりも火力が上だろうから、しっかりと守りを固めて備えないといけないね」
エスメラルダと嘉内が戦いの感想を言い合う。アヴァタール級ならば防げたが、クロノス級となればそう簡単ではないと想像する。
「まあ、実際に戦う頃にはオレ達も今より強くなってるだろ。勝ち目は十分にあるぜ」
「然り、今日の戦いを糧に、何れまみえるだろう本物の相良義陽との戦いに備えるでござる」
牽がいい試金石になったと言うと、清政も同意して頷き、さらに腕を磨いてその時に備えるのだった。
ディアボロスは島津軍に大打撃を与えることに成功し、薩摩国攻略に向けて大きく一歩前進した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV2が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!