【吸血ロマノフ王朝奪還戦】襟締の如き(作者 海鶴)
#吸血ロマノフ王朝
#【吸血ロマノフ王朝奪還戦】⑪革命監獄収容所
#吸血ロマノフ王朝奪還戦
#サンクトペテルブルク
#⑪『鮮血の改革者』ストルイピン
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●監獄『革命収容所』
革命とは何か。
そう問われて、この監獄『革命収容所』に集められた元『革命軍』のトループス級ヴァンパイアノーブル『吸血戦車兵』達は各々が思う革命について述べた。
曰く、天命が改まること。
曰く、王朝が覆り統治者となること。
曰く、被支配と支配との入れ替わりであること。
そう語る彼らをジェネラル級ヴァンパイアノーブル、『鮮血の改革者』ストルイピンは、全てを否定する。
彼の手の甲の硬さと、打ち付けられた頬の甲高い音が全てを物語っていた。
戸惑うように青ざめる『吸血戦車兵』たちの顔色とは裏腹に『鮮血の改革者』ストルイピンは告げる。
「全てが論ずるに値せず。貴様たちの思想に価値などない。貴様たちが語る革命の全てが無意味。無意味なお前たちに唯一意味をもたらしうるのは、戦場において己が血を、魂を持って散ることのみ」
よいか、と『鮮血の改革者』ストルイピンは言う。
「貴様たちは戦場という盤面を埋める駒ですらない。戦場という状況を形作る歯車である。生きようとするな、敢えて死ね。死中に活路ありという薫陶を以て、その魂を歯車に変えるのだ」
その言葉に『吸血戦車兵』たちはおののきながらも、しかし、洗脳の如き手法でもって己が中にある革命をすり減らし、忠実なる兵士へと変貌していくのだった。
●パラドクストレイン
レーネマクダ・デルトダウ(テト・カフ・g08563)は集まってきたディアボロスたちを前に静かに一礼する。
「お集まり頂きありがとうございます。吸血ロマノフ王朝の作戦を完全に阻止できたことにより、ディヴィジョンの排斥力が大きく揺らいでおります」
断層碑文が告げるは、吸血ロマノフ王朝奪還戦。
此度のパラドクストレインが向かうのはヴァンパイアノーブル主力を擁するサンクトペテルブルク。
これまでの戦いで多数のジェネラル級を撃破し、吸血ロマノフ王朝は追い詰められた状態であると言えるだろう。
だが、窮鼠猫を噛むという言葉もある。
断片の王『吸血皇帝ニコライ2世』は、未だ起死回生の策を諦めてはない。
「ファーストアタック。これにより敵戦力を少しでも削り、徹底的に奪還戦にて叩きのめすことで吸血ロマノフ王朝との決着をつけねばなりません」
レーネマクダの言葉にディアボロス達は頷く。
「此度のパラドクストレインは監獄『革命収容所』でございます。座すジェネラル級は『鮮血の改革者』ストルイピン。彼は、元『革命軍』のヴァンパイアノーブルであるトループス級を再教育し、忠実な兵士として皆さんに対抗しようとしています」
元『革命軍』のヴァンパイアノーブルをかき集めなければならいほどに追い詰めていることは事実であろう。
しかし、その再教育が進めば、集められたトループス級ヴァンパイアノーブルは死兵と変貌するだろう。
己の生命をいとわず、ただ上位者であるジェネラル級に従い、命がけの突撃を繰り返す軍勢ほどおろしいものはない。
であるのならば、ファーストアタックの内に少しでも多くの再教育されたヴァンパイアノーブルを打倒し、戦力を削らねばならない。
「すでに皆様の活躍でサンクトペテルブルク市内の一般市民は避難しております。今までの比ではないほどに派手に大立ち回りをして頂いてかまいません。ヴァンパイアノーブルがこれまで強いてきた『従属』……これに対して真の意味で反抗する機会となったのです」
レーネマクダはご武運を、と頭を垂れ、ディアボロス達をパラドクストレインへと送り出すのだった。
リプレイ
アンネリーゼ・ゾンマーフェルト
わざわざ再教育が必要なあたり、革命軍のヴァンパイアノーブルは演技ではなく本気で思想に染まっていたのかしら?
統括していたジェネラル級は一年ほど前に倒されてるのに、随分と頑固じゃない
その忠誠心を今の戦況に合った形で活かされたら手強そうだわ
今のうちに処理すべきね
≪リヒトシュヴェーアト≫で扉を溶断したり、塀を【フライトドローン】で越え監獄の敷地内に突入
ドローンを使う場合、空中で狙われないように越えられるギリギリの高さを飛び、すぐ降りましょう
敵を発見したら『#高熱 #掃射 #制空権確保』で急襲
機銃の弾を撃ち分けて、戦車は徹甲弾で比較的装甲が薄い箇所やキャタピラを壊す
兵士には焼夷弾を放ち群れをまとめて焼き払うわ
あなた達も結局はただの抑圧者よ
今から私達が本当の革命を起こしてあげるから、よく見てなさい!
戦車が突撃を始めたら【フライトドローン】の上にジャンプで乗って直撃を回避
敵機の後ろに跳び降りて次の攻撃を仕掛けましょう
戦力を十分に削るかジェネラル級が出現したら、往路か敵が疎らになった箇所から撤退するわね
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
改革が聞いて呆れる
これでは改悪だな
トループス相手にさえ、天魔武者も真っ青の圧政だ
PD通信も用いて仲間と連携を取り
可能なら先に、迷彩コートを纏い地形や物陰に潜みつつ
双眼鏡で敵の布陣を偵察、分断し戦いやすい一群を探し
味方と機を合わせ攻め入る
特攻を警戒し、仲間の死角を補える立ち位置へ
戦況を観察しつつ把握、気づきは通信で伝える
両手の銃でPD攻撃
色彩の煙幕を巻き起こし、視界を攪乱しつつ射撃
仲間と狙いを合わせ、一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に確実に倒し
敵の攻撃には、砲塔の向きを観察、腕のタワーシールドを構え砲弾を防ぎ
魔力障壁とコートで身を護る
従属するために、ここまで来たのではない!
あれから三年、ドイツ帝国から繋いだ道の果て
ロマノフに夜明けをもたらす為に
革命とは
自身で歩み続けること
洗脳でも言いなりでもない
使命を持ち、高潔なる意志を持ち、声を上げ、歩み続けること
それはロマノフにおいて、戦いであった
戦え! 理想のために
戦果十分か、将の登場、または深手の者が出る前に通信で合図し、全員で撤退だ
瀬乃浦・真音
使い潰されるばかりの生であれ、其処に意味を見出せるなら。或いは、与えられるなら。
其を幸いと感じることも、可能なのかもしれませんね。
──ならば。
その死の意味を剥奪する。
無為なるままに、ただ塵芥の如く。
時の狭間へ、沈んで貰いましょう。
互いに得手は砲撃戦。
ならば、真っ向より撃ち崩すのみです。
狙うは丁度3〜4体程度で行動している敵集団。
絶海砲戦発動、集団目掛けて一斉砲撃を叩き込みましょう。
反撃に対してはShellの装甲を展開、砲撃をうまく受け止めダメージの抑制を試みます。
敵集団をひとつ殲滅するごと、被害状況を確認。
同様の集団と交戦した場合に戦闘不能へ陥る懸念があるならば、撤退するとします。
革命にて打ち倒されるは、貴方がたに他なりません。
どうぞ、お覚悟くださいね?
神坂・雷
(連携アドリブ歓迎)
(おれ、むずかしいことはわかんない。でも、寒いところ、吸血鬼。…イヤな感じがする。怖いとか、イヤなことを思い出す
…でも今は、とにかくぶっとばす!止まるな、おれ!)
周囲の味方と戦闘開始のタイミングを合わせ、声を掛け合って連携と情報共有を行う
味方同士で互いの位置を把握し、隙や死角をできるだけ減らす立ち回りを心掛ける
戦場内で孤立して敵に囲まれたりしないように注意
【セイクリッドクロス】で攻撃
撃破可能な敵個体がいれば最優先で狙い、敵の数を減らす
該当する敵がいなければ、敵が密集している所や、こちらを狙っている敵に攻撃を叩き込んで、連携を妨害する
敵の砲撃は、小柄な体躯を活かして動き回り、必要ならばあえて敵の懐に入り込む事で回避を試みる
避けきれないようなら、『撥撥』(マジックシールド)や『赤雷』(オーラ)で受ける。【ガードアップ】も利用して消耗を抑える
無理や深追いは避け、撤退の判断とタイミングは仲間と合わせる
逸れている仲間がいないか確認してから戦場を離れる
負傷者がいれば移動を補助する
「進め、ディアボロスなどすりつぶせ」
トループス級『吸血戦車兵』たちは迫るディアボロスを前にして激情に駆られるでもなく、粛々と前進する。
彼らはすでに歯車。
戦場という状況を形成する一部でしかないのだ。
故に彼らは生命を惜しまない。
嘗ては革命という激情に身を焦がすかのように行動もしただろう。
己の中にある思想というものに対して殉じる覚悟もあっただろう。
だが、今の彼らの中にあるのは、革命への意志でもなんでもなかった。あったのは、ただ命令のみ。
「ディアボロスの殲滅」
「改革が聞いて呆れる。これでは改悪だな」
迫る『吸血戦車兵』たちの姿を認め、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は呆れ果てていた。
彼の瞳に映る『吸血戦車兵』は嘗ては『革命軍』のヴァンパイアノーブルだったが、しかし今は『鮮血の改革者』ストルイピンによって洗脳のような再教育が施され、ディアボロスの襲撃と見れば死兵のように飛び出してくるのだ。
生命など惜しくはない。
いや、惜しむ生命など端から自らにはないというような無謀な突撃を敢行しようとしているのだ。
「使い潰されるばかりの生であれ、其処に意味を見いだせるなら。或いは、与えられるなら。其れを幸いと感じることも、可能なのかも知れませんね」
「でも、わざわざ再教育が必要なあたり、革命軍のヴァンパイアノーブルは演技ではなく本気で思想に染まっていたのかしら?」
瀬乃浦・真音(ロスト・ミーティア・g09834)とアンネリーゼ・ゾンマーフェルト(シュタールプロフェート・g06305)の言葉に神坂・雷(赤雷・g11092)は首を傾げた。
難しいことはわからない。
けれど、雷にとって吸血ロマノフ王朝の凍えるような冷たさ、そして迫る『吸血戦車兵』はイヤな感じがした。
怖いこと。
イヤなこと。
それらが頭の奥から湧き出すようであった。
そんな記憶や感情と言ったものを振り切るようにして雷は疾走る。
とにかくぶっ飛ばす。
止まるな、と己を鼓舞しながら雷のパラドクスが先駆けのように宙を疾走る。
セイクリッドクロスの十字が飛び、『吸血戦車兵』より放たれたパラドクス、砲撃の一撃と交錯する。
互いのパラドクスは必中。
故に身が傾ぐが、それでも雷は止まらなかった。
小柄な己の身である。
止まれば、『吸血戦車兵』の砲撃を集中されてしまうだろう。だからこそ、止まらない。
赤く輝く闘気と身に迸る雷撃。
それらを以て砲撃の爆風の中を走り抜け、十字の後光でもって『吸血戦車兵』を打ち据える。
「止まるな。足を止めるな。砲撃を続けろ。我が身が朽ち果てることこそ本望。己が死を以て敵に従属を」
「従属するために、此処まできたのではない!」
エトヴァは砲撃の最中、雷の疾駆に合わせて踏み込んでいた。
手にしたタワーシールドでもって爆風を防ぎながら、しかして従属を強いる砲撃を耐えきっていた。
「あれから三年、機械化ドイツ帝国から繋いだ道の果て。ロマノフに夜明けをもたらすために」
そのためにエトヴァは戦い続けてきた。
雷の切込みによって敵の戦列が崩れてはいるが、すぐさまに『吸血戦車兵』は己達を囲うように動くだろう。
だからこそ、エトヴァは閃光弾と煙幕弾を織り交ぜて敵の視界を奪う。
「Wunderfarber-β(ヴンダーファルバー・ベータ)――絢爛と、咲き誇れ」
パラドクスに寄る撹乱。
そして、手繰り寄せた残留効果、パラドクス通信によって仲間へと好機を告げる。
如何に生命すら惜しまぬ敵がいるのだとしても、ディアボロスは互いに手を取り合って戦う。時に戦場に残された残留効果がそれを教えてくれるだろう。
確かにクロノヴェーダはディアボロスよりも強い。
だが、それは個としての力だ。
「#高熱 #掃射 #制空権確保(グルーンダー・プフェルハーゲル)……飛行攻撃端末、展開。標的を排除するわ!」
アンネリーゼの瞳がパラドクスに輝く。
放たれた端末が一気に飛翔し、機銃の弾丸を『吸血戦車兵』へと叩き込む。
仲間のパラドクスによって切り開かれた道。
監獄『革命収容所』からは間断なく『吸血戦車兵』たちが出撃してきている。
こちらを寄せ付けぬために一気呵成に攻め立てようとしているのだ。おおよそ、守りに徹するような動きではない。
そして、アンネリーゼからすれば、そのような突撃的な進軍は狙いやすいものだった。
「狙い撃ちが出来るのはありがたいけれど……再教育されたからって、ここまで命知らずなもの?」
かつては革命軍として活動していたというヴァンパイアノーブルたち。
一年ほど前に革命軍を率いていたジェネル級は打倒されていたというのに、此処に至るまで思想が住み土ていたとは、案外に頑固だと彼女は思った。
故に、その忠誠心が今の戦況にあった形……すなわち、この盲目的な、それこそ命知らずな突撃として現れているのならば、厄介であった。
「今のうちに処理すべきね。結局、どこまでいってもただの抑圧者でしかないっていうのに……今から私達が本当の革命を越して上げるから、よく見てなさい!」
アンネリーゼの言葉と共に飛翔端末が機銃の弾丸をばらまき、迫る『吸血戦車兵』たちの突撃を押し留める。
しかし、後方から前方の『吸血戦車兵』たちを押しやるようにして戦列が無理矢理にでも押し上げられているのだ。
「進め、進め、進め」
「生命失えど、進め。同胞の屍を踏み越えて、敵を打ち倒せ」
「進め、進め、進め」
まるで行軍歌である。
パラドクスの攻撃にさらされて尚、『吸血戦車兵』たちは進み続けるのだ。
その姿を見やり、真音は思う。
きっと彼らの中にあるのは幸福であるとか不幸であるとか、そんな感情ではないのだ。
むしろ、そのような感情の全てを均され、潰されている。
だから、恐怖すら覚えていない。
「だから、こんなことができる」
真音は、更に迫る『吸血戦車兵』たちの突撃を見やり呟く。
「――ならば。その死の意味を簒奪する、無為なるままに、ただ塵芥の如く。時の狭間へ、沈んでもらいましょう」
真っ向勝負だ。
真音は迫る砲撃の雨の中、敵を見据える。
「絶海砲戦――革命にて打倒されるのは、貴方がたにほかなりません。どうぞ、お覚悟くださいね?」
微笑むまでもない。
憤怒の感情を浮かべるまでもない。
己の周囲に浮かぶ海戦装。
轟音と共に解き放たれる苛烈なるパラドクスの砲撃は、互いに熾烈なる打ち合いの様相を戦場に刻み込むことだろう。
迫る砲撃を貝と名付けられた装甲で受け流し、弾きながら真音は火砲にて応射する。
轟音が炸裂し続ける戦場。
そのさなかにあってディアボロス達は『吸血戦車兵』たちの生命を捨てるかのような砲撃の中、応戦し続ける。
「進め。進め。進め。ただ前に進み続けよ」
「我らは歯車。我らは銃弾」
『吸血戦車兵』たちの歩みは止まらない。ジリジリと戦列を押し上げるも、しかし、その代償は少なくない打撃となって彼らの骸を戦場にさらすことになるだろう。
そのさまを見やり、エトヴァは叫んだ。
「革命とは、自身で歩み続けること。洗脳でも言いなりでもない。使命を持ち、高潔なる意思を持ち、声を上げ、歩み続けること。其れはロマノフにおいて、戦いであった。戦え! 理想のために」
その声に『吸血戦車兵』たちは答えない。
いや、答えられないだろう。
ただ進む。
歯車として。
それだけなのだ。
雷はその姿を見やりながら、しかし、敵の進軍が止まらない事を知るだろう。
これ以上無理に敵を打ち倒すことに集中すれば、こちらが囲われ窮地に陥る。
「そろそろ潮時ね」
アンネリーゼは周囲を確認して告げる。
そう、これ以上はこちらの消耗が激しくなってしまう。敵の命知らずな突撃は確かにこちらを寄せ付けないものであったが、『吸血戦車兵』たちの消耗も少なからずもたらすものであった。
「ええ、戦果としては充分でしょう。ここで撤退を」
真音の言葉にディアボロス達は頷き、エトヴァの放った煙幕弾によって敵の視界を塞ぎながらパラドクストレインへと後退していく。
未だ響く『吸血戦車兵』たちの行軍歌。
されど、その声は徐々に遠ざかっていくのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV3が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!