【吸血ロマノフ王朝奪還戦】忌まわしき兵団(作者 西灰三)
#吸血ロマノフ王朝
#【吸血ロマノフ王朝奪還戦】㉓アルタン・ウルク逆侵攻
#吸血ロマノフ王朝奪還戦
#融合世界戦アルタン・ウルク
#㉓融合決戦型アルタン・ウルク(亜人形態)
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融合世界線アルタン・ウルク。そのディヴィジョンは他のディヴィジョンと比べ特異なクロノヴェーダで構成されている。構成されている、というのは語弊があるかもしれない。なぜならこのディヴィジョンのクロノヴェーダは全て『アルタン・ウルク』なのだから。
シュゴォ……シュゴォ……
音とも声ともつかぬものを吐くアルタン・ウルクだが、個体差はある。ただそれは個性というものではなく必要に応じて形を変える性質がある。このウラル山脈を行くアルタン・ウルクの先頭を行くのはまさにそういう役割を持ったタイプだ。
『アルタン・ウルク亜人形態』、既に滅んだディヴィジョン、蹂躙戦記イスカンダルのクロノヴェーダである亜人を模したこの個体は大きさこそ基本形態に劣るものの集団戦闘や連携に長けた個体となっており、総合戦闘力はいささかも落ちてはいない。彼らを前衛として、後方では不気味な山の形となっているアルタン・ウルクがいる。恐らく融合し決戦形態となろうとしているのであろう。
吸血ロマノフ王朝に迫る黒い波、それはこのディヴィジョンの一大決戦を機にその領域を広げんとしていた。
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「『鮮血の革命術式』によった最終人類史に現れたジェネラル級ヴァンパイアノーブルは全て撃破できた。迎撃感謝する、最終人類史の人々に一切の被害を出させず倒せたのは重畳だ」
アスアド・ガーメディー(人間のオークスレイヤー・g08920)はそう言ってディアボロス達を労う、だが時先案内人である彼がそういうと言うことは大きな動きがあるということだろう。
「吸血ロマノフ王朝の断片の王、『吸血皇帝ロマノフ二世』は手勢であるジェネラル級の数を大きく減らし、更に最終人類史に攻め込んだことでディヴィジョンの排斥力も大きく揺らいだ。そしてこのタイミングで【吸血ロマノフ王朝奪還戦】の発生を示す断層碑文が出現した。今この時こそ吸血ロマノフ王朝の大地を奪還する機会となる」
無論、吸血ロマノフ王朝側も黙って見過ごす訳では無い、最大の危機を反転攻勢のきっかけとすべく動いている。
「ヴァンパイアノーブル達の主力はサンクトペテルブルクに集結している。またウクライナには勢力を保っている竜血卿ドラキュラの軍勢が控えている。そしてシベリア方面には冬将軍と……排斥力低下によって現れたアルタン・ウルクが来ている」
恐らくこれはディアボロスに二面作戦を強いる戦略なのだろう、同じ手段は嘗てナポレオンが取っていた。
「アルタン・ウルクについて分かって来たことも多い、しかし油断ならない相手であることは変わりがない。そしてそれは追い詰められた吸血ロマノフ王朝もだ。最終人類史のこの国では『窮鼠猫を噛む』という諺があると聞く、鼠というにはいささか強大過ぎるニコライ二世だが、やはり起死回生の機会を窺っている。油断せず最期まで完全に叩き潰し決着を付けるために尽力してくれ」
そこまで説明し、彼は送る戦場を説明する。
「場所はシベリア、敵はアルタン・ウルク亜人形態」
その名を口にした時に一瞬だけ熱が籠もる、しかし直ぐに取り直し続ける。
「アルタン・ウルク亜人形態は大柄な亜人程度の大きさで、集団戦を得意とする。いくぶんかは戦いやすい相手だが、それでもアルタン・ウルクだ。気を付けて戦ってくれ」
彼はそう説明を終えるとディアボロス達を見る。
「シベリアへの侵攻が予測されているアルタン・ウルクについては現時点では吸血ロマノフ王朝に現れていない。そのため先制攻撃時にはこちらから攻め込む形となる」
つまり融合世界線アルタン・ウルクの領域に踏み込む、ということなるだろう。ならば雪の心配は無さそうだ。
「だがこのアルタン・ウルクの侵攻を完全に押し留めるのは困難だろう。『鮮血の革命術式』の事もある、可能な限りシベリア方面を奪還するためには、このような手段で戦力を削って行くしか無いだろう」
なおファーストアタックでは冬将軍は狙わない事となっている。アルタン・ウルクへのプレッシャーとしての役割が大きい。
「吸血ロマノフ王朝にしてもアルタン・ウルクにしても俺よりも長く付き合い理解している者も多いだろう。その意気を力にして欲しい。それでは頼む」
リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と
ロマノフ奪還の為に力を尽くしてきた人がいる
それは俺も同じだ
ドイツに漂着した吸血鬼達と出会った時から、もう三年
全てを取り戻せるなら、今なんだ
奪わせはしないよ
緯度的には耐寒装備し、暗視モードにできるバイザーを装着
霧は出ているだろうか?
境界線を越え踏み入る、その瞬間の感覚を忘れないでいよう
余裕あれば迷彩コートで地形に潜み
双眼鏡で敵陣を把握
【冷気の支配者】を発動、味方と機を合わせ攻め入る
敵が押し寄せていれば後退しつつ戦闘を視野に
仲間と死角を護りあえる立ち位置を取り、なるべく一丸になり飛び出さずに戦闘
声をかけあい連携を取る
戦況を観察しつつ把握
銃の装置から氷弾を放ちPD攻撃
狙った敵を撃ち抜いていく
仲間とは狙いを合わせ、一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に確実に数を削ぎ落し
敵の攻撃に備え、Matadorで身を護りつつ、右腕部の延長上にNazarの盾を構えて槍と貪りを防ぐ
戦果十分か、味方に深手の者が出る前に合図し、全員で撤退しよう
決戦型が動いたら観察しつつ速やかに退避、情報を持ち帰ろう
ラズロル・ロンド
アドリブ連携歓迎
エトヴァ(g05705)と息の合った連携を
ロングコートで防寒
エトヴァの言葉に頷き
決意を新たに…
奥の山化してる決戦形態ってヤツ…あれが司令塔か
1体のアルタンというより集まって司令塔になるのか?
司令系統が謎だね…
戦闘前に双眼鏡で確認できれば確認し融合世界戦の地形の様子も見ておく
エトヴァや仲間達と離れすぎないよう
タイミングを合わせ各個撃破
出来る限り数を減らし無理し過ぎず撤退できるよう
声を掛け合い連携しよう
飛び出して集中攻撃を喰らうのは勘弁
経験上応戦で手一杯になるだろうけど
亜人的な連携の動きに注意し対処していこう
【冷気の支配者】で足を鈍らせ
集まるペースを落としておき
アースィファト・タルジュを使い
前方のアルタンから暴風雪で一瞬でも動きを封じ
連携の動きを妨害しつつの攻撃を叩き込む
反撃の槍は魔障壁で身を庇いつつ
食らいつきを躱す
食べられてたまるかっ
多少の怪我は厭わず
回り込まれないよう、孤立しないよう注意し
倒せそうなアルタンから止めを刺して行く
負傷が溜まってきた頃合いで撤退を
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荒涼としたウラル山脈。この地こそは融合世界戦アルタン・ウルクであり、ここから西に向かえば吸血ロマノフ王朝の領域である。その2つのディヴィジョンの間の霧を抜けて、こんかいの奪還戦の介入者達を迎撃するためにディアボロス達が入り込む。
「……ロマノフ奪還のために力を尽くしてきた人がいる」
息も白くなるような高地でエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の隣で静かに呟き、ラズロルの方も静かに聞いている。
「それは俺も同じだ。ドイツに漂着した吸血鬼達と出会った時から、もう三年。全てを取り戻せるなら、今なんだ」
吸血ロマノフ王朝はロシア連邦と東欧、そして北欧を含む広大な地域だ。アジアからヨーロッパに広がるこの領域との接触は長く、交渉と陰謀の中で繰り広げられてきた。その中には肉体だけでなく神経をすり減らすようなものもあった。
「奪わせはしないよ」
それらに関わった者達の労苦を思えば、いざという時に横から現れるアルタン・ウルクなぞ迷惑な乱入者にしかならない。彼らがいくら『守護』と吠えようとするが、結局のところただの火事場泥棒だろう。戦略上の優位性は認めるものの心情的には受け入れがたい。
「………」
それらも含めて受け取ったラズロルは静かにエトヴァに頷き返す。そして上げた視線の先にはアルタン・ウルク亜人形態の黒々とした群れと、その奥にそびえる山の様なアルタン・ウルクが目に入る。
「……あれが司令塔か、1体のアルタンというより集まって司令塔になるのか?」
「そういう事らしいが詳細は分からない、戦えば情報も収集できるかもしれないが」
「今の所は司令系統が謎だね……」
決戦形態の方はともかく今やるべきことは亜人形態の撃破だ。既にこの地に踏み入ったディアボロスも動き始めている。エトヴァとラズロルも合わせて武器を手にして駆けだす。
「こちらも動こう、集中して攻撃すれば引き際も合わせやすいだろう」
二人は他のディアボロスに合わせて側面から回り込んで攻撃を仕掛ける、正面からは別のディアボロスが盾役を買って出てくれている。
「槍を持っている側から攻めよう!」
「分かった、合わせる!」
二人は凍結付与装置を取り付けた武器から魔弾を放ち、それらの纏った冷気により亜人形態達の活力を奪わんとする。
「シュゴォ……」
アルタン・ウルクを構成するする蔦のような部位が凍りつき砕けて落ちる。その様子を見て実力差はそこまで無いと二人は安心を言葉に変えてこぼす。
「効いている……、まずは戦えるようだ」
「反撃が来る……くっ!」
亜人形態は二人の攻撃を受けながらも逆風の中その四本の足で駆け出し、悍ましい槍を突き立てて来る。その一撃を受けたラズロルの腕に突き刺さり、槍が引かれても残った穂先が蠢きその腕を食らっていく。
「ラズ!」
「食べられてたまるかっ!」
盾を構えるエトヴァの前でラズロルが穂先を無理矢理引きちぎると赤い鮮血が周囲に散らばる。傷の程度は深くはないが、かといって浅いという程でもない。
「問題ないか?」
「ああ、今のところは」
十分に戦える相手ではある、しかし油断のできない敵であると二人は改めてアルタン・ウルクを認識する。二人は戦況を見極めながらも、アルタン・ウルク達に攻撃を加えていく。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【冷気の支配者】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
アルタン・ウルクは近いディビジョンだと何処でもいる気がする
ただ逃げるだけだと思ったら大間違いだ!
【行動】
仲間とは声を掛け合い積極的に連携していく
使用できる残留効果は全て使用する
まずはパラドクスを発動し踏むと敵のみを凍らせる水を噴き出す罠を設置しておく
逸れた敵を狙い行動
泥濘の地を使い行軍速度を遅くさせつつ自分を囮にして引きつけ罠に嵌める
突撃してくるんなら好都合だ
先行してきた個体が凍れば攻撃や移動の邪魔にもなるだろう
敵からの攻撃は盾のフェイク・プリドゥエンや警棒で受けて防ぐ
罠は仲間には置いてある位置がわかるから利用してもらっても良さそうだな
ある程度倒せたら即時撤退
盾をジェットボードの形態にして素早く逃走しよう
必要なら臨機応変に対処する
峰谷・恵
「七曜の戦の頃は残留効果がフルにかかってトループス級相手に五分だったけど…今、亜人型相手にどこまでやれるか本番前に試させてもらうよ」
可能な限り連携を取る。アドリブOK。
敢えて敵に正面から挑んで味方が奇襲を仕掛けやすいようにする。
通信障害を発動し、敵の通信を阻害しながら炸裂気功撃で攻撃を仕掛ける。
敵の反撃は大きく跳び退きながら槍をLUSTオーラシールドで受け流し防御、毒は魔闘気で防ぎダメージを可能な限り抑える。
初撃後は大きく動いて敵に囲まれないよう立ち回りに注意し、ダメージを負っている敵を優先して攻撃し敵の数を減らしていく。
HPが四割を切る、対処しきれない数の敵に殺到される、敵ジェネラル級個体出現で撤退する。
「死体を即座に食べるのは死体からエネルギー回収してるのかもだけど、死体を食べられる前に隔離するのを試すには残留効果が足りない…」
「本番でも相手してる余裕があるかわからないけど、ここで無理して本番に響いたらそれこそ本末転倒。退けるうちに退くよ」
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「アルタン・ウルクは近いディヴィジョンだとどこにでもいる気がする……な!」
真正面から無限と思える数で襲いかかってくる亜人形態を前にして荒田・誠司(雑草・g00115)は言った。いくつも繰り出される激しい攻撃に、盾を持つ手が痺れ始めている。
「七曜の戦の頃は残留効果がフルにかかってトループス級相手に五分だったけど……今、亜人型相手にこれくらいやれるなら本番はなんとかなる……かな」
峰谷・恵(フェロモン強化実験体サキュバス・g01103)の扱う闘気の盾も、光を明滅させながらなんとか耐えている。敵の真正面に立つ彼らは、一際激しい敵の攻撃の圧に晒されていた。七曜の戦の際の人類史防衛戦の時よりは幾分かは楽なはずである。
「やっぱり速度落としても戦闘力が落ちるわけじゃないか……!」
【泥濘の地】の効果を使っていた誠司は呟く。基本的に直接戦闘に影響のある能力では無いのでそれ自体は仕方がない。
「もしそうなら随分と楽なんだけどね。そういうのは本番でこいつらを押し留める用だね」
事前の情報では融合世界戦アルタン・ウルクの方向へディアボロス達が押しやれば、その分だけ彼らに奪われるシベリア方面の領域が小さくなる、と言われている。ディアボロス達が制圧したポイントからは対アルタン・ウルク用に強化された【冷気の支配者】の効果で先へは進めないらしい。
「けどあの時と違って今は戦いようがあるってこと! 攻撃しておいて逃げる事になってた時と同じと思ってたら大間違いだ! こっから先は通行止めだ!」
アルタン・ウルクの足元から敵を凍らせる水を噴出させてダメージを与える誠司。離れた相手は恵の放つ闘気塊が跳ね回り、その移動先を塞ぎ弾き飛ばす。これくらいの事ができるようになっている以上大戦乱群蟲三国志奪還戦の時よりは随分と戦い易くはなっているはずだ。
「そちらには行かせないよ! 破ァッ!!!」
しかしそれは通用するようになっただけであり、強敵には変わりがない。敵もまた成長している。
「やれやれ、前よりも随分と小回りが利くようになってる。集団戦を覚えたのは確かみたいだな」
アルタン・ウルクはこの亜人形態以外にも蟲将形態や冥海機形態などが存在するらしい。勿論これまで交戦してきた通常の形態もまだいるだろう。真正面から囮や盾として前に出た二人の損耗は激しい。
「……ちょっと毒が回ってきたな」
流石にこれほどの敵の数がいると無傷ではいられない。槍を通して流し込まれた毒が上場に誠司の戦闘力を奪い始めていた。
「本番でも相手してる余裕があるかわからないけど、ここで無理して本番に響いたらそれこそ本末転倒。退けるうちに退けるようにしないと」
そういう恵も似たようなものである。二人は脱出する算段を他のディアボロスの動きを見極めながら、前線で力を尽くす。
「さて、ここからどれだけ敵を削れるか……」
「無理せずやれるだけやろう、ここで頑張った分だけ本番は楽になるだろうからね」
敵を引き付けつつ、二人は算盤を頭の中で弾くのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
イロハ・アプリルシェルツ
【アドリブ&連携歓迎】
さぁ、吸血ロマノフ王朝奪還戦の前哨戦だね。
まぁ、忌まわしい融合世界線アルタン・ウルクと接してるせいでそちらも充分に叩いて置かないと戦後に痛い目を見るんだろうけどね。
最近では亜人形態の他にも蟲将形態が現れてるけど奪還戦の結果次第では吸血鬼形態とかも出現するのかな……。飛行可能になったら蝗害みたいに手に負えなくなるよね。
先ずは目の前の敵から片付けよう。槍の様に襲い来る長腕をかわしながら聖なる氣を纏い、ダッシュで間合いを詰め、鍛え抜かれた連続攻撃を敵に浴びせて行こうか。
速度に緩急を付けて翻弄するようにし、変形する際の機先を制するように【ブルージュの聖血】による鉄拳で粉砕するよ。
大切なのは近くに居る味方と声を掛け合い連携して出来るだけ死角をなくすこと。
調子に乗って突出すると囲まれて袋叩きに遭うから引き際の見極めは気をつけないとね。
撤退する際には【冷気の支配者】と【泥寧の地】を発動させた上でアルタン・ウルクの動きを阻害させて退こうか。
オズワルド・ヴァレンティ
吸血ロマノフ王朝とも決着の時ではあるが…
アルタン・ウルクによるシベリア侵攻も
ディアボロスとして阻止すべきものだろう
長く付き合い理解している者たちには及ばずとも
僕自身の意気も僅かながら尽力したいと思う
復讐者のひとりとして役目果たす為にも
敵方の領域に踏み込んだならば
戦況全体の把握に務めて
戦場を共にするディアボロス達とも
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図り
孤立と死角を防ぐように動き
指先にて描く魔法陣から呼び出したるは、
凍てつく独り星を象るウミヘビを
速度低下の為の冷気も上乗せに
手近や体力の低い敵兵から攻撃の手を集中
各個撃破を心掛ける
投擲される盾の反撃には
事前動作や動きが読めれば
弾き返しや携えた竜骸剣を挟みこみ
多少の被弾には戦闘継続を
集団戦を得意とするらしいと聞いた
亜人形態は……既に取り戻せた筈の大地にて
戦った残滓を思い起こされもするが
こうして奴等は学習していく果てに
此の争奪戦の後にも何かしら智を得てしまうなら
前哨戦として少しでも個体数を減らして
未来への道筋を切り開くとしよう
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「全く、吸血ロマノフ王朝の奪還戦なのにアルタン・ウルクの相手をしないといけないなんてね。前哨戦でこちらも叩いておかないと戦後に酷い目に見るだろうから仕方ないんだけど」
亜人形態の槍にクロスカウンターを決めて敵を打ち砕きながら、イロハ・アプリルシェルツ(神聖ならざる銀・g05555)はぼやく。その隣では氷の鱗を持つ海蛇を魔法陣から呼び出して襲わせているオズワルド・ヴァレンティ(砂塵の彼方へ・g06743)の姿もある。ディアボロス達はアルタン・ウルク達を三方から攻めて効率的に削らんとしている。
「その通りだな、吸血ロマノフ王朝との決着の時でもあるがこれらのシベリア侵攻もディアボロスとして阻止すべきものだろう」
飛来する盾がオズワルドの体を強かに打つが彼は怯まない。なぜなら自身が揺らげば揺らぐほどに、件のディヴィジョンを取り返すために身を粉にしていた者の足を引っ張る事になるからだ。
「土地を奪うことで強化されるとか考えられるしね」
ディアボロスと出会う前から複数のクロノヴェーダを飲み込んでいるという説もあるアルタン・ウルクである。土地があればクロノヴェーダはそれだけ多くの事ができる。アルタン・ウルクも同じと見ていいだろう。
「それにしてもこの形態は既に取り戻せた筈の大地にて戦ったものの残滓とも思えるが」
「……最近では亜人形態の他にも蟲将形態が現れてるけど、奪還戦の結果次第では吸血鬼形態とかも出現するのかな……。飛行可能になったら蝗害みたいに手に負えなくなるよね」
「……蟲将形態の時点で飛べるようになっている、という情報がなかったか?」
激しい戦いの中に訪れた一拍の沈黙。亜人形態の激しい攻撃の中、アルタン・ウルクの危険性を改めて認識する。あらゆるものを喰らい、そして融合していく。融合世界戦アルタン・ウルクというその名に相応しい性質の敵でありディヴィジョンだ。
「……もう手に負えない状態ってことか」
「そうなるな……」
これ以上に種類を増やされて戦術の幅が広がってしまったら本当に厳しい。ヴァンパイアノーブル形態など何が起きるか分かったものではない。
「できるだけここで数を減らそう、少しでも吸血ロマノフ王朝に入り込む敵を片付けないと」
「学習していく果てに、此の争奪戦の後にも何かしら智を得てしまうなら少しでも減らさねばな。それが未来への道筋を切り開く事にもなるだろう」
イロハの体重と勢いと聖氣の乗った拳と肘が、連続して亜人形態に叩き込まれ形を為せないほどに崩れ去る。次いでその空いた敵の隙間に氷の海蛇が入り込み凍てつく牙で敵を噛み砕く。
「脱出の時間は作れそうか」
「お陰で振り切るくらいには速度を落とせているみたい。もう少し粘れそうかな」
「ならもう少しやるとしよう。これまで彼の地で戦い続けた者の為に、僕自身の意気の為に、復讐者としての役割を果たす為に」
そして未だ未知の異郷でディアボロス達は戦い、帰還する。果たしてどれだけこの異形の敵を食い止められるのか、それは奪還戦で示されることになるだろう。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【狼変身】LV1が発生!
【冷気の支配者】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!