【吸血ロマノフ王朝奪還戦】血の儀式を守る吸血戦車(作者 彌厘)
#吸血ロマノフ王朝
#【吸血ロマノフ王朝奪還戦】⑤血の上の救世主教会
#吸血ロマノフ王朝奪還戦
#サンクトペテルブルク
#⑤バアル・ゼブル
⊕
●血の上の救世主教会前にて
サンクトペテルブルクにあるその大聖堂の前には血でできたような真っ赤な戦車が並んでいた。それはトループス級ヴァンパイアノーブル『吸血戦車兵』たちの物だ。それが赤いのはいつもの事なのだがそれに乗る兵たちも今は黒い軍服を血まみれにしている。普段は他のトループス級を見下す傲慢な態度をとる彼らに生気が感じられない。
「血を捧げよ」
感情のない声でそうつぶやいた兵はたった一羽の小鳥を砲撃で撃ち落とした。
「命を捧げよ」
地面に落ちた小鳥を別の戦車が踏み潰す。
さながらホラー映画のゾンビのように彼らはうつろな表情で血まみれのまま聖堂に近づくものすべてを排除していくのだった。
●新宿駅グランドターミナルにて
「【吸血ロマノフ王朝奪還戦】の発生を示す断層碑文が出現した」
常よりも忙しない新宿駅でシェスト・ツリュクベコメン(サイボーグの殲滅機兵・g03339)は淡々と説明を始めた。
「『鮮血の革命術式』によって、最終人類史に現れたジェネラル級ヴァンパイアノーブルは見事全滅させる事ができた。だが、断片の王である『吸血皇帝ニコライ2世』は、起死回生の策を諦めていない」
完全な『鮮血の革命術式』は敵のジェネラル級がロマノフ王朝の大地制圧の為に大挙して攻め込んで来た時点で集結した自軍の戦力を首都ごと敵本拠地に転移させる。そして敵本拠地の制圧及び断片の王を撃破して速攻で勝利するというカウンターを可能とする秘術であるらしい。
「敵はそれを再び発動させようとしている。迅速に決着をつけなければディヴィジョンの人々は死に絶え、新宿島も甚大な被害を受ける事になるだろう。そのため皆には儀式場である血の上の救世主教会に向かい、その警備を行っているトループス級ヴァンパイアノーブル『吸血戦車兵』を一掃してきて欲しい」
幸い市内の一般市民はすでに避難済みだ。戦いに巻き込む心配はない。
「吸血ロマノフ王朝の排斥力が一気に下がったため、奪還戦時にはアルタン・ウルクの侵攻がほぼ確実に発生する。そのうえ『鮮血の革命術式』まで発動すれば、最終人類史もただでは済まないだろう。今のうちに奴らの戦力を減らし、奪還戦を有利に進めよう」
復讐者たちの顔を見渡してシェストがそう言えばパラドクストレインの扉が開いた。
リプレイ
シアン・キャンベル
血を捧げる? 命を捧げる?
まったく、貴様等自身も含めるとは
久方振りの奪還戦だ。その前に『いつもの』を片付けなければな。さて、此度の相手は戦車兵……乗り込まれたら厄介そうだが、それは普通の戦闘であればの話。我々がするのは逆説連鎖戦なのだ
連中が『意志疎通不可能』なのは面倒だな。本来であれば会話などで動揺を誘いたいのだが、ならば、仕方があるまい。私も復讐者らしく、派手に立ち回って魅せるとも。インセクティアの身体能力であれば囮役も十分に出来るだろう。奴等が『私』に集中してくれたならば他の復讐者が攻撃する隙になるかもしれん
では――貴様等が私を奪い取ってくれる前にプレゼントをやろうか。これは貴様等の『身体』を喰い破ってくる雛なのだよ。如何だ? 蹂躙される人間の気持ちがよく判るだろう。理解したならば、脳髄を喰われて絶えると宜しい。尤も、この、喰い散らかされる痛みは幻覚なのだが
砲弾を避ける事は難しそうだな。ふむ……従属するのだけは如何にか防げないものか。そうだな。舌を噛んだら、正気に戻れるかもしれないか
ニルキャス・トーネード
アドリブ連携歓迎です
ロマノフに訪れたのは本当に久しぶりだけれど…以前の君達は活き活きとしていたよ。少なくとも、自分自身というのはあったように見えたな。
その有様はまるで奴隷のようで…何だか皮肉だね
災厄の力をこの手に。空葬竜鎌・召喚
竜鎌の舞で暴風雷雨を巻き起こすよ。戦車は視界が悪くなるのは致命的だからね。複数体攪乱出来ればいいな…そして、この技はこれだけじゃないよ
(張り詰めた風船を斬るように、空間へ死鎌の一閃)
これが手向けだよ。その血も爆ぜて、塵に還るように。水蒸気爆発を発生させて撃破を狙うよ
従属の砲弾は…そうだね、暴風で弾道を逸らして直撃を防ぎたい。命中は避けられないだろうからその時は殺気を出して抗う意志を示すよ。
防衛ラインはなるべく戦場の真ん中に引いておきたいかな。10mぽっちだけれど、僅かでも敵にとって障害物になるならそれでいい。知性を失ってるから無理やり踏破しようとして、それが隙になってくれればいいな
空木・朱士
アドリブ連携歓迎
新宿島と転移融合するなんてトンデモ術式は絶対阻止するし
その為に大勢の人の犠牲を強いるってのも到底許せない。
何より吸血ロマノフ王朝奪還のためにもここで頑張んないとな。
こんな盾みたいな使われ方じゃなく、こいつらだって誇りある戦いってやつがしたかった筈だろうな。
揃いも揃って人形みたいな無機質な顔して…嫌な感じだぜ。
仲間の攻撃にタイミングを合わせて突撃し攻撃。
短時間で出来るだけ数を減らせるように
優先順位として手傷を負って倒せそうな奴から狙っていき
それから仲間が攻撃した敵にも即重ねて攻撃していく。
乱戦になったり突出し過ぎて取り囲まれて孤立したりしないように自分の位置取りや周りの戦況にも気を付けて
仲間とは声掛けし積極的に連携して動き、場合に因っては援護やディフェンスにも入る。
反撃に対しては籠手で往なして軌道を反らすか、無理そうなら最低限は急所を避けるように防御。
此方の消耗具合や残りの敵数から頃合いと見たら仲間にも促しつつ速やかに撤収。
本当に戦うべきは今じゃないからな。
●手向けの戦い
「血を捧げよ」
「命を捧げよ」
血の上の救世主教会前に陣取るトループス級ヴァンパイアノーブル『吸血戦車兵』。彼らは飛んできた枯葉にすら砲弾を浴びせていた。
その姿を建物の陰から金の瞳で見つめてニルキャス・トーネード(葬戮圏象-Carnage Weather・g05173)は複雑な表情になる。
「ロマノフを訪れたのは本当に久しぶりだけれど……以前の彼らは活き活きとしていたよ。少なくとも、自分自身というのはあったように見えたな」
シアン・キャンベル(ルログ・g01143)はあきれとも同情ともつかぬ表情で首を横に振った。漆黒の長髪も一緒に揺れる。
「血を捧げる? 命を捧げる? まったく、貴様ら自身も含めるとは」
「ああ。こんな盾みたいな使われ方じゃなく、こいつらだって誇りある戦いってやつがしたかったはずだろうな。揃いも揃って人形みたいな無機質な顔して……嫌な感じだぜ」
吐き捨てるようにそう言った空木・朱士(Lost heart・g03720)の赤い瞳には嫌悪の色がうかがえる。しかし目を閉じため息をついて再び目を開いた時にはそれはもう消えていた。
「何はともあれ、新宿島と転移融合するなんてトンデモ術式は絶対阻止するし、そのために大勢の人の犠牲を強いるってのも到底許せない。何より吸血ロマノフ王朝奪還のためにもここで頑張んないとな」
朱士の言葉にニルキャスとシアンもうなずく。
まず動いたのはシアンだった。
(「連中が『意志疎通不可能』なのは面倒だな。本来であれば会話などで動揺を誘いたいのだが、ならば、仕方があるまい。私も復讐者らしく、派手に立ち回って魅せるとも」)
そう考えた彼女は長い髪と一対のインセクティアの『翅』を揺らして敵の面前に飛び出す。
「貴様らが私を奪い取ってくれる前にプレゼントをやろうか」
高らかに宣言してパラドクスを発動する。
しかし戦車兵はお構いなしに戦車の砲門をシアンへと向けた。
「血を、捧、げ……」
砲弾が放たれる寸前にその兵は自身の戦車から地面へと転がり落ちる。その体は痙攣し目や口から血を流していた。
「これは貴様らの『身体』を喰い破ってくる【雛】なのだよ。どうだ? 蹂躙される人間の気持ちがよく判るだろう」
彼女のパラドクスは「未成熟な雛を体内に埋め込まれ内側から食われる」という幻覚を対象に見せるものだ。幻覚であるため本来は物理的なダメージがない。しかしシアンの卓越した精神攻撃により肉体にも異常を起こさせたのだ。
「い、のち……を……」
それでも戦車兵は正気に戻る事なく息を引き取った。
「……やれやれ、最期までそれか」
聞きなれた敵のセリフにシアンは肩をすくめた。
その彼女を狙って手近にいた戦車兵が砲門を向ける。
「命を捧げよ」
「災厄の力をこの手に」
シアンが注目を集めている内にニルキャスがドラゴニアンの力で創造した死鎌『空葬竜鎌ダムナティオ』を手に素早くその敵へと肉薄。鎌による武舞でその周囲にのみ暴風雷雨を巻き起こす。それによりシアンを攻撃しようとしたものを含む3台の戦車が横転した。
「この技はこれだけじゃないよ」
そう言いながらニルキャスが鎌を一閃させればそこに雷撃が走り雷の熱で水蒸気爆発が起こる。それに巻き込まれ横転していた戦車に乗っていた3体の兵たちも動かなくなった。
(「これが手向けだよ。その血も爆ぜて、塵に還るように」)
彼女と同時に朱士も別の敵に攻撃を仕掛けていた。
「燃やし尽くす!」
特殊金属製の真紅の籠手『デストロイガントレット』を装備した両拳にパラドクスの炎を宿す。そして仲間の周囲にいた2体の兵に突撃し炎ごと拳を叩きつける。それらは燃え尽き灰となった。
「血を捧げよ」
仲間が次々と倒されてもヴァンパイアたちは意に介さず反撃へと出る。ニルキャスとシアンには相手を従属させる魔法の砲弾を放ち朱士へは動きを追跡する誘導弾を放った。
シアンはそれを避けられないと判断。蟲の殻を用いて造られた『甲殻鎧』で受けた。抗い難い精神支配の魔法へは自ら舌を噛む事で痛みによって正気を保つ。
ニルキャスは自身の起こした暴風でわずかに砲弾の軌道を反らし直撃を免れた。おかげで敵への殺気に集中する事で従属からも何とか逃れられた。
一方朱士は初弾をいなす事で軌道を反らしこちらに向かってきていた次弾に当てた。爆風のおかげで無傷とはならなかったが大きな消耗はない。【ドレイン】の残留効果で全回復するだろう。
「次!」
その後も3人はうまく連携し互いをフォローし合いながら敵の数を減らしていった。特に朱士は周囲によく気を配り孤立しないように立ち回ったのが功を奏した。
「この辺の戦車兵はあらかた倒せたかな」
油断なく辺りを見回しながらニルキャスが言う。
それにシアンもうなずいた。
「そうだな。ここらが潮時だろう」
「ああ。撤退しよう。――本当に戦うべきは今じゃないからな」
戦車兵たちを傀儡にしたジェネラル級アークデーモン『バアル・ゼブル』がいるであろう血の上の救世主教会を一瞥した朱士を先頭に復讐者たちは戦場を後にしたのだった。
こうして復讐者たちはトループス級ヴァンパイアノーブル『吸血戦車兵』たちを倒し教会の守備力を下げた。本番である【吸血ロマノフ王朝奪還戦】に備えるため彼らは新宿島へと帰還したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!