喜望峰への道程(作者 霧柄頼道)
#巨獣大陸ゴンドワナ
#第三次巨獣大陸調査~喜望峰に向かえ
#サフィーナ・ミウ
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巨大なソテツの葉が風に揺れる中、サフィーナ・ミウは古代の大地を進んでいた。マダガスカル島の空には、翼竜を思わせる巨大な影が時折差し、遠くからは巨獣の咆哮が響いてくる。
遥か遠くでは、長い首を持つ巨獣の群れが悠々と歩を進めていた。その姿は、まるで大地が動いているかのような錯覚さえ覚えさせる。
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時先案内人の道之先・亜弓(人間の鬼狩人・g03306)が、ディアボロス達へ事件の発生を伝えていた。
「攻略旅団の提案により、巨大砂上船『サフィーナ・ミウ』で、巨獣大陸の最南端、喜望峰を目指す事になったんだよ」
亜弓は地図を広げながら説明する。
「『サフィーナ・ミウ』を目的地とする、特別なパラドクストレインに乗って、現地に向かい、ゴンドワナ大陸の探索を続けて欲しいな」
彼女は地図の各所を指さしながら話を進める。
「喜望峰に向かう途上で、なにか発見があって、その地域の冒険を希望する場合は、黄金海賊船エルドラードの攻略旅団で提案を行ってほしいんだ」
とはいえ、現在は『マダガスカル島』の探索が行われているので、実際の探索はかなり先になるかもしれない事は留意しておきたい。
「『サフィーナ・ミウ』を護って喜望峰へ向かう事になるんだけど、どのようなルートを通るかは、実際に探索するディアボロスに託されているわけだね」
亜弓は微笑みながら続けた。
「最短距離を行くのも良いし、安全そうなルートを考えても良い。あまり大幅にルートを外れないなら、探索してみたい地域を経由するのも面白いと思うよ」
彼女は一瞬真剣な表情を見せる。
「でも、巨獣大陸ゴンドワナの地形は、現代の地図とは大きく違っているから【スーパーGPS】での位置確認は行えないんだ。高空からの確認も敵の攻撃を受けちゃうから、地形の確認は実際に移動しながら行う必要があるよ」
さらに、ゴンドワナの巨獣の一部は、幻想竜域キングアーサー奪還戦の影響で『ドラゴン因子』を受けてドラゴン化している個体もいるようだ。
これらの巨獣は知能が高まって会話できる個体も出てきているため、注意が必要だろう。
最後に、亜弓は冒険心を掻き立てるような、わくわくとした表情で付け加えた。
「喜望峰までの道のりは長いけど、未知の地を探検する楽しみもきっとあるはず。この大冒険を存分に楽しんでね!」
リプレイ
月下部・小雪
久しぶりの第三次巨獣大陸調査、です。
車検? 船検? 猫検? と、とりあえずみんなと整備したサフィーナ・ミウに乗って冒険の旅にれっつごー、です。
えっと、今はマカディカディ湖にいるので、ここから南下して喜望峰を目指しましょう。
持ち込んだ最終人類史の地図とにらめっこしながら、コダマと一緒になるべく平坦そうな場所を選んでルートを決定します。
要所要所では砂化装置を使って進みやすく砂化しちゃいましょう。で、でも、エネルギーの無駄遣いには注意です。
後、移動中は【平穏結界】を発動しながら巨獣さんが近くによってこないか双眼鏡を使ってチェック、しましょう。
も、もし巨獣さんが近寄ってきたら一時停止して通り過ぎてくれることをお祈り、です。
だ、大丈夫そう、でしょうか? 襲い掛かってくるようならこっちから迎撃に向かいますね。
せっかく綺麗にしたサフィーナ・ミウを襲わせるわけには、いきません!
※アドリブ連携大歓迎
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巨大淡水湖マカディカディの岸辺に佇むサフィーナ・ミウの上で、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は探査の準備を行っていた。
モーラット・コミュ『コダマ』がきりっとした眼差しで船首で警戒を続ける中、小雪は緊張した面持ちで最終確認に余念がない。
豊かな湿地帯に生い茂る原生林の向こうからは、時折巨獣の咆哮が響いてくる――。
「み、みんなで整備した箇所、大丈夫でしょうか? もう一度確認、してみますね」
おずおずと点検結果を見直した後、小雪は南への航行を開始する。
湖岸の原生するシダ植物やソテツの合間を縫うように進みながら、小雪は【平穏結界】を展開。
静謐な空気が砂上船を包み込み、巨獣達の注意を引かぬよう効果を発揮していく――。
「コ、コダマ、向こうの大きな木の影、何か動いてませんか?」
「もきゅっ?」
小雪は双眼鏡を両手で握りしめ、肩口のサーヴァントと共に見張りを続ける。ソテツの葉がそよぐたびにびくりと肩を震わせながらも、一心不乱に周囲を確認。
時折、遠方で巨獣の影らしきものを見かけては息を潜め、その姿が遠ざかるのを待つ。
「要所要所で、砂地にしていきましょう。で、でも、エネルギーの無駄遣いには気を付けないと、ですね」
慎重に砂化装置を操作する途中、轟音が大地を揺るがせた。
「ひゃっ! こ、怖いですっ!」
土煙の向こうから、岩のような外皮に覆われた巨獣の小群が出現。二十メートルを超える巨体で、サフィーナ・ミウへと包囲を開始する。
「せっかく綺麗にしたサフィーナ・ミウは、絶対に傷つけさせません!」
小雪は手枷を帯びた両腕で三振りの剣を具現化させる。
突進を仕掛けてきた先頭の敵めがけ、通力自在の一振りを放つ。剣は輝きを帯びて弧を描き、岩のような外皮の隙間を貫いていく。
(「数は少ない、すぐに追い払えるはず……っ」)
残る剣を的確に放ち、突進の勢いを止める。吹き飛ばされる巨獣の姿に、小雪は密かな自信を覚えるのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ラライ・リガル
サフィーナ・ミウは大切な移動手段。ゴンドワナの探索も続けていくために、巨獣への
警戒も怠らないようにしておきたいわ。
周囲の観察は慎重にしていくの。
地面の足跡とか木々が押し倒されていないか等々、不自然に変わっていそうなことに注目。
異常に巨大な形跡があれば、巨獣のなわばりの可能性があるわ。
様子見して、巨獣との接触が避けられるものなら避けたいけれど。
サフィーナ・ミウはそれなりの大きさがあるし、巨獣に見つかれば必ず手を出してくるだろうと
思うわ。
【飛翔】の低空飛行で出来るだけ目立たないように周囲警戒するつもりだけど、飛んで巨獣たちの
注意を引いて、サフィーナ・ミウから引き離すのも有りね。
ある程度距離を取れたら着地、更に離れるようにして、巨獣の視線を誘いながら、攻撃のタイミングを
伺いつつ全力で走るわ。
機会を逃さず、水陸両用ライフル、タウニーオリーヴビークで【案内役は曲がった嘴】を使う。
多少のダメージは覚悟して受けるつもり。それでサフィーナ・ミウが守れるなら安いもの。
何もかも完璧は無理だものね。
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頭上を掠める風を纏って、ラライ・リガル(トレジャーハンター・g11529)は低空飛行での偵察を続けていた。
押し潰された下生えの跡、樹皮が剥ぎ取られた幹、そして深く刻まれた蹄の痕――この一帯は撃森牛フォルノクスの縄張りに違いない。
「歴史の探索に邪魔は入れられないもの。ちょっと付き合ってもらおうかしら」
リガルは水陸両用ライフル『タウニーオリーヴビーク』を手に、意図的に高度を下げていく。巨獣の群れの上空を横切るように飛行し、どデカい背を見下ろす。
「ほら、こっちよ……!」
岩のような外皮に覆われた巨体が、一頭、また一頭と、リガルの存在に気付き始める。
着地した彼女は間髪入れず地上を駆け、更に巨獣達の興味を引いていく。
最も近い個体が低い唸り声を上げ、突進の態勢を取ったかと思うと――猛烈な加速を伴い、フォルノクスダッシュで距離を詰めてきた。
「このスピード、侮れないわね」
直撃でもしようものならヤバそうだ。タウニーオリーヴビークを構え、パラドクスの詠唱を開始する。
巨躯が間近に迫る直前、リガルは横へ身を躱し、互いに交差。
――逆に相手の側面を射程に捉える。
(「探索の邪魔者は排除するだけ。別に英雄ごっこじゃないわ」)
案内役は曲がった嘴を発動。放たれた弾丸が、堅牢な外皮に確実な打痕を刻み込む。先頭を走る個体が足を止め、ぐらりと体勢を崩す。
その隙を突き、リガルは上空へ舞い戻る。高度を取り直しながら、群れの後方へと回り込む。続けざま、弾丸を正確に放ち込み、フォルノクス達を更に混乱させていく。
フォルノクス群は各個撃破される形となり、やがて撤退を開始。
傷ついた巨体を引きずるように、密林の向こうへと姿を消していった――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
月下部・小雪
ふむふむ、偵察にいってくれていた人からの情報だとフォルノクスさん達は密林の奥に逃げ出したそう、ですね。
フォルノクスさんはこの周辺を縄張りにしているアンダーエさんの取り巻き、らしいです。
に、逃げて行った先がアンダーエさんの縄張りかもしれないので、そ、そっちは避けて進みましょう!
密林を避けるように方向転換しつつ南を目指します。
なるべく障害物の少ない草原地帯があればそこを中心に進めますね。
サフィーナ・ミウが得意なのは砂地ですが……障害物がない草原地帯ならある程度ならスピードを出せるはず、です!
縄張りのヌシに見つかる前にできるだけ急いでこの場を離脱、しましょう。
なんとか安全地帯まで進めたら今回の冒険は終了、ですね。
も、もし、アンダーエさんが追いかけてきてしまったら仕方ありません。
ボクとコダマで追い払って、みせます!
※アドリブ連携大歓迎
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フォルノクス群は密林の向こうへと姿を消し、仲間の偵察報告を受けた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)は航路を再考する。
「アンダーエさんの縄張りは、そっちの密林にあるみたいですね。で、では方向を変えましょう」
『コダマ』が肩に留まり、警戒を続ける中、小雪はサフィーナ・ミウを転針。
巨獣達が駆け込んだ密林から遠ざかるルートで、予定通り南方の開けた地へと向かう事に。
軋むような響きを立て――太古の機体は速度を上げ、弧を描いて密林との距離を広げていく。
「もきゅ?」
眼をすがめたコダマが、不意に後方を指差した。密林の奥で巨樹が揺れ動く。
渦巻くような咆哮が響き渡る。大地震わす足音が迫り、重圧が巨大砂上船にまで伝わってきた。
追跡する影は角度を変えながら、巨大砂上船の航路を予測するかの如く動きを合わせてくる。全身を覆う外皮が、時折木々の隙間に垣間見えた。
「す、すごいスピード……! で、でもこのままなら――」
やがて巨獣の足音が遠ざかり、咆哮も風に消えていった。どうにか振り切れたのである。
サフィーナ・ミウは丘陵地帯を越え、新たな景観が広がる大地へと進み出る。
「こ、この景色、すごいです……! コダマ、見てください!」
マカディカディ湖周辺の鬱蒼とした原生林から一転、巨大なシダの林が疎らになり、見慣れない種類のソテツが点在する大地が果てしなく続いている。
太古の地表を覆う青々とした草生は、時折吹き抜ける風に波打ち、その合間を縫うように蛇行する河川が幾筋もの水脈を描き出していた。
潤いを帯びた風に吹かれながら、小雪は密林地帯での緊迫を忘れていく。眼下では、水辺に集まった見た事もない姿の巨獣達が悠々と歩を進めていた――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!