ハロウィンの挑戦状 ~一夜限りのゆうれい城(作者 花々実コノネ
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#最終人類史(新宿島)  #最終人類史のハロウィン2024  #🎃ハロウィン2024 

「ハロウィンですよー!」
 キョンシーに扮した久住・野乃がテンション高く呼びかける。
 今年もまたハロウィンの時期がやってきた。
 ディアボロスの活躍によって、最終人類史も帰還した人が増えて賑やかになってきた。それにつれて、ハロウィンのイベントが開かれる地域も広がってゆく。
 今年のハロウィンは、日本だけでなく、オーストラリアやヨーロッパ、さらに中国の一部でも。
「もちろん、今年のハロウィンもただ楽しいパーティーというだけではありません。去年に引き続いて、『地獄変』でのエネルギーの集積が重要な目的となっているんです」
 新宿島を護る、ラムセスの黄金アンクの防御結界のエネルギー。それだけで無く、鹵獲したクロノ・オブジェクトの運用や修復、改造などに使用するため、『地獄変』にはできるだけ多くのエネルギーを集めておきたい。
 といっても、難しく考える必要は無い。
 ディアボロスがハロウィンパーティーを盛り上げるだけで、たくさんのエネルギーを得ることができるのだから。
「地獄変にエネルギーを集めるためにも、最終人類史の人たちを笑顔にするためにも、ハロウィンをいっぱい盛り上げちゃいましょうっ」

「野乃がご案内するのは今年も、脱出ゲームですよー。今年はなんと、ドイツの古いお城を借りての開催ですっ」
 仲間を増やすため、幽霊が一夜限りの城を作った。ハロウィンが過ぎたら城は消え、中にいる人はみな、幽霊の世界へ連れていかれてしまう。
 果たしてタイムリミットまでに脱出し、生者の世界へ戻ることが出来るのか。
 そんなコンセプトの脱出ゲームだ。
「みなさんは、招かれたお客さま、あるいは招かれざる客に扮して、お城に入ることになります。もちろんハロウィンの仮装大歓迎です!」
 招かれた客は舞踏会の会場へ案内される。そこでダンスをすることもできるし、ハロウィンにちなんだ料理も用意されているから、しばらくはそれを楽しむこともできる。
 招かれざる客は舞踏会会場に行っても良いし、こっそり城を見て回っても良いだろう。
 城の幽霊役は、仮装した一般人だ。
「鐘が9回鳴ると、幽霊たちは本性を現して、お客さんを城の中に閉じ込めてしまいます」
 外にでるための鍵は複数あって、城のどこかに隠されている。
 謎を解き、鍵を手に入れ、城が消えてしまう前に脱出しよう。
 鍵を手に入れるためには謎解きが必要だが、その難易度はさまざま。運も脱出の成否を左右することだろう。
「お城に入るときに、お菓子をひとつだけ持って入れます。困ったときにはお城に居る子ども幽霊にお菓子を渡して、助けてもらうことができます」
 子どもたちはディアボロスを助けられる機会にわくわくしているので、余裕があれば困っていないときでも、助けを求めるときっと喜ばれることだろう。

「野乃はみなさんを閉じ込める幽霊役での参加ですっ。脱出させませんよー」
 袖口から爪を覗かせて、野乃はにっこり笑ってみせる。
「ハロウィンは地獄変のエネルギー集積のための大きなチャンスです。ここで山盛りいっぱい集めておくためにも、みんなで楽しくハロウィンしましょう!」


 ハロウィンのために古城はそれらしく飾り付けられていた。
 舞踏会会場の広間だけは、豪華絢爛にきらきらと。
 他の部屋には作り物の蜘蛛の巣を張ったり、破れたタペストリーをかけたり。
 そしてこっそりと忍ばせた外へ出るための鍵。
「ディアボロスならこんな謎、ささっと解けるのかな」
「でもこの謎はなかなか手ごわいんじゃないかしら」
 楽々と謎を解くところを見たいけれど、罠に引っかかるところも見てみたい気がする。凄いなと感心することも、そいういところもあるんだと親近感をもつことも、どちらも人々とディアボロスの気持ちを結びつけることになるだろう。
「偽物の鍵も隠したよ」
「ふふ、脱出できなかったら、しばらくほんとにこのお城に滞在して欲しいわね」
「それいいな」
 ゲームの準備を整える大人をよそに、子どもたちは囁きかわす。
「ねぇ、ディアボロスさんが持ってくるお菓子って、どんなのだと思う?」
「わかんない。貰ってみたいなぁ」

 そして、ハロウィン一夜限りの城の門が――開かれた。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【傀儡】
1
周囲に、ディアボロスのみが操作できる傀儡の糸を出現させる。この糸を操作する事で「効果LV×1体」の通常の生物の体を操ることが出来る。
【強運の加護】
3
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【エアライド】
2
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【壁歩き】
2
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【おいしくなあれ】
1
周囲の食べ物の味が向上する。栄養などはそのまま。効果LVが高いほど美味しくなる。

効果2

【命中アップ】LV5(最大) / 【ガードアップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【アヴォイド】LV3 / 【ロストエナジー】LV2

●マスターより

花々実コノネ
 ハロウィンの脱出ゲームのご案内です。
 よろしければ仮装してご参加くださいね。
 仮装の内容を書いてくださればその恰好をしているものとしますが、書いていない場合は勝手に仮装させてしまうかもしれないので、しない場合はしないと明記ください。

 どんな感じになるの? という方はよろしければこれまでのハロウィンシナリオ『ハロウィンの挑戦状 ~魔女のかぼちゃ迷宮から脱出せよ!』『ハロウィンの挑戦状 ~にげだせおばけの国』をご覧くださいませ。
 続きものではないので、読まなくても大丈夫です。

 野乃はキョンシーの姿で一般人にまじってお城の幽霊役をしています。とグレーテルは魔女姿で招かれざる客として脱出ゲームに参加しています。
 誰かちょっと話し相手がほしいな、という際は相手として使っていただいて構いません。

●脱出ゲームについて
 謎を解くシーンをプレイングにお書きください。
 これだ、とボタンを押す、とか、線を切る、とか、隠し扉を開く、とか。謎を解いた格好良い瞬間などなどお待ちしてます。
 複数人での参加なら、協力プレイもいいですよね。
 逆に、謎が解けずにはまっているところとか、子ども幽霊に助けを乞うところ、おばけから逃げ回っているところ、なども面白そうかなって思います。

 ではでは、プレイングお待ちしております。
 楽しいハロウィンになりますように☆
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


葉切・松露
みつみちゃん(g05453)と

手作りのおばけ和菓子を持って、狸小僧の衣装で参加するですよ!

やー、壮観ですねぇ!みつみちゃんお城とかそういうの好きそうですし、さぞ喜んで――なんでそんな後ろの方にいるですか?

ですねぇ。ひらひらドレスすんごく似合ってるですし、引っ掛けたりしちゃだめですよ?
ん〜?ほんとだ、絵がひっくり返ってるですね。
暫く考えてからおもむろに松ぼっくりを取り出し
こういう時は取り敢えず火着けてみるですよ!
…あ、でも薪もなかったですね。

空気の流れはあるですから、行き止まりじゃないはずなんですけどねぇ。
え?おばけ?
おお〜!けっこい子ぉですね!こんばんは!お菓子好きですか?食べる?
ほら、みつみちゃんも!
…え、忘れてたですか?もー、しっかりしてくださいよみつみちゃん!

みつみちゃんから鍵を預り、暖炉の奥にあった小さな扉の鍵穴に差し込む。
おっ、開いたですよ〜…ん?
随分打ち解けた様子ににんまり
んはは!別にー?さっきまであんなに怖がってたのになーと思っただけですよぅ。
ねー、おばけちゃん!


甘花・蜜充
まつゆ(g03996)と一緒よ。
手作りアイシングクッキーを持って人形師の仮装で参加するわ。

ドイツのお城なんてかっこよくて素敵……だけど、雰囲気がありすぎてちょっと怖いわ。
まつゆには言わないけど!

手元の灯りだけじゃ暗くてちょっと心許ないわね。
……あら、ここは行き止まり?
でも、なんだか不自然な感じがするわ。
逆さまの絵画と火のついていない暖炉なんて、いかにも意味ありげだけれど……いったいどんな謎が隠されているというのかしら。
まつゆ、何かわかる?

ふたりであれこれ探してみたけれど、よくわからないわ。
何もないなんてこと、ないと思うのだけ……ひっ、お、おばけ!
あ、ちょっと、まつゆ?
え?お菓子?あるけど……
そういえば、お菓子を渡せば助けてくれる子ども幽霊がいるんだったわね。
わすれてないしこわくないわよ!ほんとよ!

お菓子を渡して教えてもらった通りに暖炉の飾りを回してみたら、鍵が落ちてきたわ。
開いたの?よかった。
ありがとう、助かったわ。

……まつゆ、なによその顔。
べ、べつにもともと怖くなんてなかったわよ!


 脱出ゲームの会場へとやってきた葉切・松露(ハキリアリのきのこ農家・g03996)は、目を真ん丸に見開いた。
 今日の松露は、まあるい耳をつけて、目の周りを残してフェイスペインティング。
 和菓子を入れた箱を担いで、着物の下からは狸しっぽがふっさりと。
 狸小僧の仮装をしているから、そんな表情をするといよいよ狸らしく見える。
 ひと渡り古城を見回すと、
「やー、壮観ですねぇ!」
 一緒にきた甘花・蜜充(ドリームキャンディ・g05453)へと話しかけた。
 本物の城を借り、ハロウィン風に飾り付けてあるから、雰囲気は抜群。
 蜜充もお城はきっと好きそうだから、さぞや喜んでいるだろうと首を回したが……あれ、いない。
「みつみちゃん? なんでそんな後ろの方にいるですか?」
 城から離れたところで足を止めてしまっている蜜充を見つけ、松露は寄っていった。
 ハロウィンカラーのゴシックロリータ衣装に身を包んだ蜜充は、自分を模した人形をぎゅっと胸の前に抱えて立ちすくんでいた。人形師の仮装をしているのだが、今は人形を操るというよりは、人形にすがっているように見える。
「みつみちゃん、本物のお城すごいですねぇ」
「そうね、ドイツのお城なんてかっこよくて素敵……」
 ……だけど雰囲気がありすぎてちょっと怖い。本当にお化けが出て来そう。
 けれどこちらをのぞき込んでいる松露には、そんなこと言いたくないから蜜充は平気なふりをする。
「い、行きましょうか」
「はい、行くですよ」
 城内へと向かう松露に気付かれないようこっそりと、蜜充は松露の着物の端を指先で握りしめた。

 ようこそと迎え入れられた先は舞踏会。
 音楽、ダンス、美味しい料理。
 夢のような時間に、蜜充の表情もほころんで。
 だけどそれは9つの鐘の音とともに終わりを告げた――脱出ゲームのはじまりだ。
 帰り道を探すため、松露と蜜充は薄暗い廊下を歩き出す。
「手元の灯りだけじゃ暗くてちょっと心許ないわね」
 歩けないというほどには暗くない。けれど先は見通せない。
「ですねぇ。ひらひらドレスすんごく似合ってるですし、引っ掛けたりしちゃだめですよ?」
 フリルをたっぷりあしらって、ヘッドドレスには薔薇の花飾りと、フェイクスイーツの髪飾り。繊細なドレスだから傷めないようご用心。
「ええ、気を付け……え、似合ってるって……」
 怖さに白くなっていた蜜充の顔にふわっと朱がのぼった。こんなときだけは、周囲が薄暗くて良かったと思ってしまう。
 靴音と高下駄の音を立て、ふたりは謎を解きながら進んでゆく。
 結構順調にいっていたのだけれど。
「……あら、ここは行き止まり?」
 進んだ先にはどこにも通れそうな場所が無くて、蜜充は首を傾げた。
「引き返して道を探します?」
「待ってまつゆ。なんだか不自然な感じがするわ。逆さまの絵画と火のついていない暖炉なんて、いかにも意味ありげだと思わない?」
 蜜充の指した場所を、松露もしげしげと見る。
「ん〜? ほんとだ、絵がひっくり返ってるですね」
「いったいどんな謎が隠されているというのかしら。まつゆ、何かわかる?」
 松露は暫く考えていたが、おもむろに松ぼっくりを取り出した。
「暖炉があるなら、こういう時は取り敢えず火着けてみるですよ!」
 松ぼっくりを使えば薪に火をつけるのも難しくない……けれど。
「あれ、薪もないですね」
 暖炉の中には燃やすものが置かれていない上に、灰も積もっていない。ただの飾り?
 ふたりであれこれ探してみるけれど、よく分からない。
「空気の流れはあるですから、行き止まりじゃないはずなんですけどねぇ」
「何もないなんてこと、ないと思うのだけ……ひっ、お、おばけ!」
 いつの間にかおばけたちがやってきて、ばあと顔を出したものだから、蜜充は息を呑んで硬直する。
「え? おばけ? おお〜! けっこい子ぉですね! こんばんは!」
 松露はにこにこ顔になり、背に担いだ箱から手作りのおばけ和菓子を取り出した。
「お菓子好きですか? 食べます?」
「あ、ちょっと、まつゆ?」
 戸惑う蜜充を松露は、ほらみつみちゃんもと促した。
「え? お菓子? あるけど……」
 ひとつだけ持って入って良いと聞いたから……と言いかけて、蜜充はお菓子の用途を思い出す。
「そういえば、お菓子を渡せば助けてくれる子ども幽霊がいるんだったわね」
「え、忘れてたですか? もー、しっかりしてくださいよみつみちゃん!」
「わすれてないしこわくないわよ! ほんとよ!」
 蜜充は綺麗にラッピングされた手作りアイシングクッキーをおばけに渡した。
 松露から和菓子をもらったおばけと、蜜充のクッキーをもらったおばけが、互いのお菓子を見せっこして、ぴょんぴょん跳ぶ。どうやらとても気に入ってくれたらしい。
 おばけはお菓子のお礼にと、蜜充に暖炉の飾りとさかさまの絵を交互に指さしてみせた。
「絵と飾りが同じかぼちゃ? 絵と同じに飾りを回すの?」
 身振り手振りで教えてもらった通りに飾りを回すと、蜜充の手の中にぽろりと鍵が落ちてきた。
「何かあるですか?」
 松露はおばけが指さす暖炉の中を覗いて、鍵穴のついた小さな扉を発見。
 蜜充から鍵を預かって鍵穴にさせば。
「おっ、開いたですよ」
「開いたの? よかった。――ありがとう、助かったわ」
 蜜充に礼を言われ、おばけが嬉しそうに身体を揺らす。
「ん〜?」
 随分打ち解けたなと、その様子に松露はにんまりと。
「……まつゆ、なによその顔」
「んはは! 別にー? さっきまであんなに怖がってたのになーと思っただけですよぅ。ねー、おばけちゃん!」
 松露が同意を求めると、おばけが頭を上下に揺らす。
「べ、べつにもともと怖くなんてなかったわよ! さ、行きましょう」
「これで脱出ですかね? おばけちゃん、ありがとですよ」
 ふたりはおばけに手を振って、暖炉の扉を潜り抜けていったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【おいしくなあれ】LV1が発生!
【傀儡】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

喩・嘉
幸児(g03876)と一緒に脱出を目指すぞ
※アドリブ歓迎

古城というだけですごいが、そこへさらに古めかしく装飾をしているのがいいな。俺の好きな雰囲気だ
着物はあまり場所の雰囲気に合わないかもしれないが、俺はのっぺらぼうの仮装をして参加だ
のっぺらぼうの仮面をつけてると前が見えなくなってしまうから、
移動するときは幸児に手を引いてもらおう
人が見ていない時は仮面をずらして人間に戻るか

頭を使うことは得意だ。謎解きはあまり悩まずできる
「手紙にある図形が扉の彫刻と重なるんだ。だから、ここを押せばいい」
「壁紙の柄に一部だけ違和感がある……やっぱり、扉になってるな」
「絵画の静物画にはない林檎が、実際に置かれているフルーツ盛りにある。この林檎を外したら、あった。脱出のための鍵だ」
などなど
幸児が謎を解いたらばんざいして一緒にお祝いする
楽しいな。ただ、城の中を歩き回って疲れてしまったな
無事に外へ出たら、こっそり幸児に頼ろう


守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に脱出を目指すぞっ
※アドリブ歓迎

古城格好いいなあ…っ
俺もこういう雰囲気好きだ、わくわくするっ
俺は三つ目入道の仮装をしてるぞ
移動中は前が見えない喩嘉の手をしっかり握って先導する
俺が喩嘉の目になるぞ

俺はヒントは見つけられるんだが、謎解きがからっきしだ
謎解きは喩嘉に頼るぞ
「喩嘉ー、ここになんか怪しい図形があるぞ」
「この絵、そこにある果物が描いてある、上手だなあ」

「こっちにも何かありそうだ…うわあーっ」
途中で角が蜘蛛の巣に絡まって、子ども幽霊に助けてもらおう
お礼のお菓子をあげるぞ、ありがとうなあ

喩嘉が謎を解いていくのを
目を輝かせて見つめる俺だぞ
「さすが喩嘉だぞ、すごいぞ…っ」
自力でも一つくらい簡単な謎が解けるといいな
「かぼちゃを正しい方角に向ける…?あっ、南瓜は南の瓜だから、南だっ」
無事に脱出できたら
喩嘉と手を繋いだままばんざいして喜ぶぞ

たくさん歩いて楽しかったなあ
お疲れさまだぞ、喩嘉

西洋幽霊の城から脱出した妖怪二人
三つ目入道はのっぺらぼうを
ひょいと抱き上げ帰っていくぞ


 脱出ゲームの会場となる城を前に、守都・幸児(祥雲・g03876)は感嘆の息をついた。
「古城格好いいなあ……っ」
 面をずらし、喩・嘉(瑞鳳・g01517)も城を眺める。
「ああ。そこへさらに古めかしく装飾をしているのがいいな。俺の好きな雰囲気だ」
 まるで物語の一幕に入り込んだかのようだ。
「俺もこういう雰囲気好きだ、わくわくするっ」
 袈裟姿の幸児が輝かせる目は……3つ。
 藍の瞳の他に、額に開く真紅の第三の瞳が。そう、幸児の仮装は三つ目入道だ。
 喩嘉は赤丹色に縞の入った着物を着流して、顔を覆う面はつるりと目鼻無く。のっぺらぼうの仮装はすれ違う人がぎょっと振り返るほどのインパクトがあるが、難点はつけている本人が何も見えなくなってしまうこと。
 のっぺらぼうの面を戻すと、喩嘉は手を差し出した。
 その手を幸児がしっかりと握って先導してゆく。
 面をつけている間は、幸児が喩嘉の目だ。

 ここのつの鐘が鳴ると、城はハロウィンの悪夢に包まれた。脱出できなければ、この城もろとも永遠にハロウィンに閉じ込められてしまう。
 広い城内を、脱出のための鍵を探して巡り歩く。
「引き出しの中に手紙が……喩嘉ー、ここになんか怪しい図形が描かれてるぞ」
 ヒントのある箇所を見つけるのは得意なのだが、謎解きはからっきし。
 幸児は図形の描かれた手紙をぐるぐると無暗に回してみるけれど、答えは見えてこない。
 喩嘉はのっぺらぼうの面をずらして、幸児の持つ手紙の図形を確認し、部屋を見回す。
「分かるか?」
「ああ。手紙にある図形が扉の彫刻と重なるんだ。だから……」
 ここを押せばいい。そう言いながら喩嘉が操作すると、かちりと手応えがあり、扉の鍵が外れた。
「さすが喩嘉だぞ、すごいぞ……っ」
 鮮やかな喩嘉の謎解きを、幸児は目を輝かせて見つめる。
「幸児が手紙を見つけてくれたからだ」
 喩嘉は頭を使うことは得意だから、謎解きはあまり悩まずできる。けれど、大っぴらに面を取れないものだから、ヒントとなる物品を探すのが難しい。
 ヒントを探すのは幸児、謎を解くのは喩嘉。
 分業するように、ふたりは謎を解いていった。
「あっちの扉は開けっ放しになってるけど……なんか怪しいな」
 いかにもどうぞと大きく開いている扉を警戒し、幸児が足を止める。良く見ると、そのすぐ脇には『狭き門より外に至れ』と小さな文字で記されていた。
「狭き門?」
「おそらくここだ。壁紙の柄に一部だけ違和感がある……やっぱり、扉になってるな」
 喩嘉に言われて壁を押してみると、小さな入口が現れる。
「本当だ。喩嘉、よく分かったなぁ」
 感心しながら幸児が開いた壁を通り抜けると……。
「うわあーっ」
 壁に飾られている蜘蛛の巣に角が絡まってしまった。レース編みで作られた蜘蛛の巣だから、引きちぎってしまうことは出来るけれど、せっかくの飾りつけをちぎるのは、なんだか悪いような気がする。
 喩嘉が取ってやろうと手を伸ばすが、幸児の身体が邪魔をして、向こう側には届かない。
 もがいていると、子どものおばけが心配そうに寄ってきた。
「これ、外してくれないか」
 幸児が助けを求めると、シーツの下から手を出して、子どもたちは絡まった蜘蛛の巣を外してくれる。
「ありがとうなあ」
 お礼のお菓子をあげると、おばけたちは嬉しそうにお菓子を抱えて去っていった。

 ふたりは順調に謎を解きながら進んでゆく。
 解いているのはほぼ喩嘉だけれど。
「かぼちゃを正しい方角に向ける……?」
 裏返したコースターに書かれている指示を読み上げた瞬間、幸児はひらめいた。
「あっ、南瓜は南の瓜だから、南だっ」
 ジャックオーランタンの顔の向きを変えて置き直してみると……ひらりとカードが落ちてきた。
「解けた……やったー!」
 自力で謎が解けて喜ぶ幸児を、喩嘉もばんざいをして一緒に祝った。
 幸児がカードを見てみると、部屋の位置とともに『最後の謎を解け』と書かれている。
 この謎を解ければ脱出が叶いそうだ。幸児は喩嘉と手をしっかり繋ぐと、その部屋へと急いだ。
 到着したのは落ち着いた佇まいの部屋だった。
 アンティークの家具も飾られた絵画も素晴らしいが、特に不自然な箇所は見当たらない。謎は一体どこにあるのだろう。
 幸児は壁に掛けられた絵画を眺めた。籠に盛られた果物が、本物さながらに瑞々しく描かれている。
「この絵、そこにある果物が描いてある。上手だなあ」
 幸児の言葉に、喩嘉は面をずらしてサイドボードにある籠盛りと絵を見比べた。確かにそっくり……いや違う。
 絵画の静物画にはない林檎が、実際に置かれている籠盛りにはある。喩嘉は籠盛りに手を伸ばすと、林檎を手に取った。するとそこには。
「あった」
 林檎に隠されていた空間から、喩嘉は脱出のための鍵を摘み上げた。

 閉ざされた大扉にその鍵を差し込めば、脱出成功だ。
 おばけたちは仲間にし損ねたふたりを、残念そうに見送るしかない。
「ばんざーい!」
 幸児は喩嘉と手を繋いだまま、両手をあげた。
「たくさん歩いて楽しかったなあ。お疲れさまだぞ、喩嘉」
「楽しいな」
 喩嘉も頷いたが、城の中をあちこち歩き回った所為で、かなり疲労してしまった。ここからまた、パラドクストレインまで歩くのは少々きつい。
「幸児……」
 喩嘉は幸児の袈裟を軽く引く。
「うん? ああ、随分歩き回ったからな」
 喩嘉の疲れた様子に気付いた幸児は、ひょいとその身体を抱き上げた。

 西洋幽霊の城から脱出した妖怪二人。
 三つ目入道がのっぺらぼうを腕に抱き。
 ひとつの影となって、ゆらりゆらりと歩いてゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

乂八・南
【絵空夢】

ね、怪盗さん
悪い夢と、それから俺まで盗みに来てくれたの?
仮装の『囚われの天使』になりきってみる
レムくん、かっこいい
バクバクちゃんも頼もしいな

繋ごうと差し出す手に重なる小さな温もりはやっぱり心強い
へへ、逸れないようにしようね
うーん、出口はどこなんだろう…
手当たり次第歩きまわって――
突然閉まる扉にびくっと肩を揺らし
だ、大丈夫!だいじょ…わっ
開かない!俺たち閉じ込められちゃってる?

鍵がいっぱいある…うん、見分けがつかない…
本物を探してたら日が暮れちゃいそう
ふいに寄りかかった壁のスイッチで部屋が真っ暗になって
わ、わあっ!レムくん平気!?
良かったぁ…うん、大丈夫…あれ
壁、そこだけ南瓜の形に光ってる?
さ、触ってみよっか
何かヒントがあるかも…!
わあ、すごい!

任せて、と視線を合わせてから宝箱へ向かって
開けるよー…鍵だ!
きっと本物の鍵だよっ
扉があけば、協力して謎が解けたことが嬉しくて
レムくんとバクバクちゃんとハイタッチ!
やったね!この調子でどんどん謎を解いていこ!


霊群・レム
【絵空夢】

ええ、勿論です
レムは…『怪盗』、ですから
天使さんを連れ去って、わるいゆめは全て…忘れさせてみせましょう
バクバクちゃんも、やる気十分のようです

はい、
南さんの手をぎゅっと握り返して脱出の糸口を探ります
ところが歩き回って見つけた一室に入った途端─
扉は閉まってしまいました
大ピンチ、なのかも
……ほ、本当だ
ぴくりともしませんね
ここで、何か…見つかるとよいですが…

レムには全部…同じ鍵に見えます
ここから、本物の鍵を探すのは…至難の業、ですね
…!わ、わ…レムは大丈夫です
お怪我はない、ですか?

確かにあそこだけ…光っていますね
さわったら、壁がくぼみました…!
わ…わぁ、
あれ、見てください…!
床から迫り上がる台座に宝箱が乗っているのが見えます
もしかしたら…あの中に、本物の鍵が入っている…のかも?

──南さん、開けてみてください
扉の鍵穴を緊張しながら見つめます
や、やったあ…!開きましたね!
気がつけば南さん、バクバクちゃんとハイタッチをしていました
…えへへ、そうですね
このままの勢いで、脱出…しちゃいましょう!


 城の窓を背に立つ乂八・南(WONDERFUL LIFE・g00139)が、現れた霊群・レム(夢現・g04996)をじっと見る。
「ね、怪盗さん。悪い夢と、それから俺まで盗みに来てくれたの?」
 ハロウィンの城に囚われた天使に扮した南の背には大きな翼。その身をいましめる首輪と足枷。
 このまま永遠のハロウィンに呑み込まれる運命にある天使に、レムはゆったりと微笑む。
「ええ、勿論です。レムは……『怪盗』、ですから」
 怪盗のお仕事は盗むこと。だから運命から天使を盗み出す。
「天使さんを連れ去って、わるいゆめは全て……忘れさせてみせましょう。バクバクちゃんも、やる気十分のようです」
 そう言ってレムは腕の中のバクバクちゃんを示した。
 レムが身に着けているのは、中華風に仕立てられた怪盗の衣装。相棒のバクバクちゃんは、レムの色合いから朱を引いた、同じく中華風の衣装をまとっている。
「レムくん、かっこいい。バクバクちゃんも頼もしいな」
 よろしくと南が差し出す手を、レムの手が取る。繋いだ手から伝わる小さな温もりはやっぱり心強い。
「へへ、逸れないようにしようね」
「はい」
 レムは南の手をぎゅっと握り返した。

 ハロウィンの飾りつけがされた城内は不気味で、けれど綺麗で。
「うーん、出口はどこなんだろう……」
 手当たり次第歩き回って、城から脱出するための鍵を探す。
 ここはどうかと入ってみた部屋には、山ほどの鍵が積み上げられていた。ふたりの目が鍵に奪われた、その瞬間。
 バタンと大きな音を立て扉が閉まり、南はびくっと肩を揺らした。
「扉が閉まってしまいました……」
「だ、大丈夫! だいじょ……」
 レムに声をかけながら南は扉を開け直そうとノブに手をかけた……が。
「わっ、開かない! 俺たち閉じ込められちゃってる?」
 これはもしかして大ピンチ?
「……ほ、本当だ。ぴくりともしませんね」
 レムも試してみたが、やはり扉を開けることは出来なかった。
 鍵があれば。いや、鍵はいっぱいあるのだけれど。
 積み重なっている銀色の小さな鍵を手に取って、レムと南はじっと眺めてみる。
「レムには全部……同じ鍵に見えます」
「うん、見分けがつかない……」
 ひとつひとつ、鍵穴にさして試してみる? この数の鍵を?
「ここから、本物の鍵を探すのは……至難の業、ですね」
 気が遠くなりそうだと、レムは手の中で鍵を鳴らした。
「本物を探してたら日が暮れちゃいそう」
 城からの脱出にはタイムリミットがある。こうしている間にも時は過ぎて、もし脱出が間に合わなかったら、天使はずっと囚われたまま。解放されることはない。
 どうやって本物の鍵を探そうか考えながら、南は壁に寄りかかった。
 ……と。
 突然部屋が真っ暗になった。うっかり南の背が壁のスイッチに触れてしまったようだ。
「……!」
「わ、わあっ! レムくん平気!?」
 何も見えない中、南はレムを呼ぶ。
「わ、わ……レムは大丈夫です。お怪我はない、ですか?」
 暗闇に動揺しつつも、レムは南を気遣った。
「良かったぁ……うん、俺も大丈夫」
 灯りをつけようと、南は壁を手さぐり……しかけて、目を凝らす。
「レムくん、壁、そこだけ南瓜の形に光ってる?」
 え、とレムも見てみれば、確かに。
「あそこだけ……光っていますね
 蓄光塗料だろうか。壁に南瓜のシルエットが浮かび上がっている。
「何かヒントがあるかも……!」
 触ってみよっかと、南は壁に手を伸ばした。思い切ってふれると壁は、ずず……と南瓜の形に押しこまれる。と同時に、部屋の灯りがぱっとついた。
「壁がくぼみました……!」
「わあ、すごい!」
 どういう仕掛けなのだろうかと南は目を丸くする。けれど仕掛けはこれだけではなかった。
「わ……わぁ、あれ、見てください…!」
 床からせり上がる台座に、レムが驚きの声をあげる。
 そして台座の上には宝箱。
「もしかしたら……あの中に、本物の鍵が入っている……のかも?」
 だとしたら、積まれている大量の鍵すべてが、こちらの時間を失わせようというフェイクということになる。
「──南さん、開けてみてください」
 任せて、とレムと視線を合わせてから、南は宝箱に手をかけた。
「開けるよー」
 蓋を開ければ、そこには輝く金の鍵。
「きっと本物の鍵だよっ」
 南は金の鍵を手に取ると、扉へと走っていって鍵穴に差し込んだ。
 ……真偽はいかに。
 緊張してレムが見つめる中、南はかちゃりと鍵を回し……。
「開いた……」
 信じられないように振り返る南にレムは駆け寄ると、
「や、やったあ……! 開きましたね!」
 ぱちんと南とハイタッチ。そして、バクバクちゃんもぽふんぽふんと、ふたりとハイタッチ。
「やったね! この調子でどんどん謎を解いていこ!」
「えへへ、そうですね。このままの勢いで、脱出……しちゃいましょう!」
 南とレムとバクバクちゃんの力を合わせれば、きっと脱出できる。
 そう確信して、天使と怪盗は自由な外を目指して進んでゆくのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

ソレイユ・クラーヴィア
【WWK】
ハロウィン脱出ゲームも3回目
もう皆さんは覚えて頂けたでしょうか!?
世界の中心でこあらを叫ぶ、WWKの会が今年も新こあらをひっさげての堂々登場です!

菜芽はこあらドレス…ではないですね
可愛らしく、かつエレガントです
野乃のキョンシーもキュートですね
ちなみにその爪で一体何を…?

古城の幽霊は寂しがり屋に違いありません
こあらの可愛らしさ、もふもふ感、そして大地を潤す不死鳥のように慈悲に溢れた心は優しく幽霊達を包み込むでしょう
ですよね、名探偵こあらの化身、シャムス?

マハラジャこあらとは
可愛らしくゴージャスであり
踊ればと何処からともなく現れる無数のバックダンサーこあらと共にキレッキレのダンスを舞うという

こあらートゥはご存知か?
なんて小粋なトークも挟めば、もうみんな踊るしかありません
そう、幽霊もこあらも皆踊りましょう!

流石に複雑なダンスは難しいですから
こあらのマ…ダンスアレンジにして
幽霊の子供達も野乃も誘ってレッツダンシング

楽しく踊れば視界の端にキラリと光る物が
カーテンレールの上に鍵、発見ですね


シャムス・ライラ
【WWK】
再び
奴らが
帰ってきた!
我等WWKは、今回もこあらの可能性の力を駆使し
華麗に脱出することをここに誓います!

菜芽の女子力の向上が目覚ましく
ボレロが可愛らしい
…お腹のあたりは…そんなに無理しなくとも(ごにょごにょ)
野乃殿も中華風の装いが新鮮ですね(慌てて話題を変え)

そう、こあらの慈愛に満ちた眼差しは幽霊達の心の奥底まで潤し
光の下へと再生を図るのですよ、マハラジャこあらの化身、ソレイユ!

この名探偵こあらの装い
特に帽子がふわふわで気に入っているのです
帽子の中に秘められた灰色の脳細胞が
ユーカリをこうカリリと齧ることで活性化され(←毒です)
うっ…
毒にあたったかのように蹲り
心配してやってきた幽霊さんに
「…ご存じか?」
と、すくっと立ち上がってこあらートゥ
こあらのマ…にのってダンシング
レディ菜芽、お城の舞踏会ですよ
さあ、皆さんご一緒に!
部屋中を動き回って踊れば
幽霊さん達は気付かれたかと、ヒントのある方をちらちらと見てしまうもの
「謎は、全て食べた!」
これぞ名探偵の面目躍如です

アドリブ等歓迎


島江・菜芽
【WWK】
野乃ちゃん素敵な企画ありがと
わぁ、可愛い!
キョンシーさんだね

お城で舞踏会なんて女の子の夢☆
一度は着てみたいクラシカルドレスの仮装しちゃう
スモーキーピンクのドレスをチョイスして
こあら色のもふもふボレロを羽織り
ベネチアンマスクもこあら仕様
…だけど、コルセットがキツい…

合流早々、口上も踊りもキレッキレだねソレイユくん
どうしたらそんな溢れるようにこあら愛を語れるの!?
すごいよ、もはやこあら教祖だよ!
金のこあら像並べてそうな富豪感だよ…

シャム兄はこあら探偵?
こあら帽を真顔で着こなす探偵は初めて見た…って、毒なんだってば、なんで囓る!
(ユーカリを取り上げて、蹲った姿を見て焦るが)

…こあらートゥって何?
聞いたことないけど?(ジト目で)
行進曲については、もう手なれたモノ。流れるようにマロさんが鳴き声を被せて全部言うのを阻止

相変わらずツッコミが追いつかないよ!

なんとかお城脱出しないとね
マロさん頼りも良いけど…
ここは
手作りのWWKバッチのこあら型クッキーを配って、可愛い幽霊さんにヒントをもらおう!


 再び……(ドン!)
 奴らが……(ドン!)
 帰ってきた! ……(ドドーン!)

「ハロウィン脱出ゲームも3回目。もう皆さんは覚えて頂けたでしょうか!? 世界の中心でこあらを叫ぶ、WWKの会が今年も新こあらをひっさげての堂々登場です!」
 高らかな入城コールを述べるのは、ゲーム運営ではなく、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)。
「我等WWKは、今回もこあらの可能性の力を駆使し、華麗に脱出することをここに誓います!」
 全世界に届けとばかりに手を挙げて宣誓するのは、シャムス・ライラ(極夜・g04075)。
「うわ、ふたりとも相変わらずだね……あ、野乃ちゃん素敵な企画ありがと」
 引き気味ポジション死守の構えは、島江・菜芽(雪の妖精☆・g06056)。
 といっても、スモーキーピンクのドレスに、こあら色のもふもふボレロを羽織り、ベネチアンマスクもこあら仕様という仮装からも、菜芽が乗り気なのは見えてしまっている。お城で舞踏会なんて女の子の夢だもの。でも……この形のドレスを着こなすためには、コルセットが必須で、締め上げられたウエストがキツイ。
「菜芽はこあらドレス……ではないのですね」
「……ソレイユくん、今一瞬、がっかりしなかった?」
「そんなはずありません、ええ、断じて。クラシカルなドレスが可愛らしく、かつエレガントで菜芽に似合っています」
 爽やかな笑顔でソレイユは押しきる。
「菜芽の女子力の向上が目覚ましいね。こあらボレロが実に可愛らしく……お腹のあたりは……そんなに無理しなくとも……」
 ごにょごにょとシャムスは言葉を濁すと、話題を変えようと野乃に向き直った。
「野乃殿も中華風の装いが新鮮ですね」
「キョンシーさんかな、可愛い!」
「はい、キョンシーさんですよっ」
 袖口から鋭い爪を覗かせて、野乃はポーズを取った。
「キュートですね。ちなみにその爪で一体何を……?」
 ソレイユに聞かれて野乃は考える。
「えーっと、背中がかゆいときに掻いてあげますっ」
 ……抉れますよね? ちょっと適当に言いませんでしたか? ねえそのフレーズってもしかして……。
 口には出さずにおく3人を、野乃は元気に送り出した。
「今日は野乃はおばけさんの仲間です。閉じ込めちゃいますから、がんばって脱出してくださいね」

 ゴーン……ゴーン……。
 重苦しい鐘の音が9つ鳴れば、外に出るための扉は閉ざされる。開けるためには隠された鍵が必要だ。
 薄暗い城内の部屋を巡り歩いてゆくと、視線の端をハロウィンの幽霊がちらりと過ぎる。彼らはこれまでのハロウィンで、城に捕らわれ出られなくなってしまった人々のなれの果て。
「古城の幽霊は寂しがり屋に違いありません」
 だからこそ、仲間が欲しくてハロウィンの舞踏会を催すのだろうが、それは寂しい存在を増やすだけにしかならないとソレイユは痛ましく思う。だがしかし。
「こあらの可愛らしさ、もふもふ感、そして大地を潤す不死鳥のように慈悲に溢れた心は優しく幽霊達を包み込むでしょう」
「ソレイユくん、どうしたらそんな溢れるようにこあら愛を語れるの!? すごいよ、もはやこあら教祖だよ!」
 尊敬すべきか呆れるべきか。菜芽はそのどちらも混ざった声をあげる。
「こあらへの愛はとめどなく湧き上がるものだからです。こあらはすべてを救う。ですよね、名探偵こあらの化身、シャムス?」
 同意を求めるソレイユの視線の先にいるのは、チェックのインバネスコートを身に纏い、もっふもふのこあら帽をかぶったシャムス、もとい名探偵こあら。
「そう、こあらの慈愛に満ちた眼差しは幽霊達の心の奥底まで潤し。光の下へと再生を図るのですよ、マハラジャこあらの化身、ソレイユ!」

 Q:マハラジャこあらってなんですか?
 A:それは可愛らしくゴージャスであり、踊ればと何処からともなく現れる無数のバックダンサーこあらと共に、キレッキレのダンスを舞うという伝説の存在です!(回答者:新宿在住Sさん)

「マハラジャ……確かに、金のこあら像並べてそうな富豪感だよ……」
 はふっと息をついて、菜芽はソレイユからシャムスへと目を移した。
「シャム兄はこあら探偵? こあら帽を真顔で着こなす探偵は初めて見た」
 菜芽の呟き通り、こあらの顔の帽子を頭に乗せていながら、シャムスは至って真面目。ふっと笑みを浮かべて帽子に手をやる。
「この名探偵こあらの装い、特に帽子がふわふわで気に入っているのです。そして帽子の中に秘められた灰色の脳細胞が、ユーカリをこうカリリと齧ることで活性化され……」
 取りいだしたるユーカリを、シャムスはむしゃあと齧る。
「……って、毒なんだってば、なんで囓る!」
 菜芽は飛びつくようにユーカリをシャムスの手からむしり取った。
「うっ……」
 だが時すでに遅し。毒にあたったかのようにシャムスは蹲る。
「シャム兄!?」
 菜芽も焦ったが、お城の幽霊も慌てて寄って来て、心配そうにシャムスを覗き込……んだとき。
 すくっ。上から糸で引かれたかのような動きで、シャムスが立ちあがった。
「こあらートゥはご存知か?」
「こあらートゥって何? 聞いたことないけど?」
 首を傾げる幽霊の代わりに、菜芽がジト目で言う。
「さあ、こあらのマ……」
「ワン!」
「にのってダンシング!」
 絶妙のタイミングでパンツァーハウンド『マロ』が聞こえてはならない箇所に、鳴き声を被せて無事に阻止。手慣れたものである。
「レディ菜芽、お城の舞踏会ですよ」
「……なんか思ってた舞踏会と違う」
 言いながらも菜芽は、しょうがないなと踊り出す。
「流石に複雑なダンスは難しいですから、こあらのマ……」
「ワォーン」
「ダンスアレンジです。すぐに覚えられますから、幽霊もこあらも皆踊りましょう! はい、両手を広げて、こあらの耳」
 ソレイユの身振り手振りにつられて、子ども幽霊が踊り出す。
「さあ、皆さんご一緒に!」
 大人も誘って、シャムスは部屋中を動き回って踊る。だが、ただ単に踊っているだけではない。
「おや、おかしいですね。何故か幽霊の皆さんは、この時計に近寄らない。そして私が時計に近づくとちらちらと視線を送ってくる……ということは」
 シャムスはホールクロックの胴体部分を開けると、中に仕込まれていたメモを取り出した。
 開いて読めば、そこには次に進むためのヒントが書かれている。
「謎は、全て食べた!」
 これぞ名探偵の面目躍如とばかりに、シャムスはメモを突き付けた。

 WWKは邁進する。
 あるときは名探偵の推理によって。またあるときはマハラジャの本物を見極める目によって。そしてまたあるときには。
「可愛い幽霊さん、ヒントもらえるかな」
 菜芽手作りのWWKバッチのこあら型クッキーによって。
 数々の謎を乗り越えて、いよいよ鍵のある部屋にやってきたのだけれど、そこからが分からない。
「もうクッキーは使っちゃったからなー」
 部屋をふわふわしている子ども幽霊はいるけれど、その中にしっかり野乃も混じっているけれど、お菓子がなければ助けてもらえない。
「さあ、野乃たちおばけと一緒にお城で暮らしましょうっ」
「お城住まいは素敵だけど、出してもらえないのは困るんだよねぇ」
 どうしようと考え込む菜芽に、こんなときこそとソレイユは言う。
「こあらートゥはご存知か?」
「ご存じか?」
 打てば響くようにシャムスものる。
 そしてみんなで、踊り、踊る、踊れ。
 楽しく踊ってターンをすれば、視界の端にキラリと光るもの。
「ありました。カーテンレールの上に鍵、発見です」
 ソレイユが鍵を手に取ると、野乃は残念そうに笑った。
「脱出されちゃいましたねー」

 謎をすべて食べる名探偵と、ゴージャスマハラジャこあら、そしてツッコミレディがいれば、向かうところに敵は無い。
 3人は見事、永遠のハロウィンから脱出したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV2が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!

不知火・紘希
【箱】
呼び方:シュガーさん、マティアスお兄さん

わぁ、ドイツのお城ってこんな感じなんだ!
装飾が繊細でとってもキレイ。ハロウィン仕様ですごいオーラ。
幽霊さんに会えたら仲良くしたいなぁ。

かぼちゃとくまさんの棒つきキャンディを持って入るよ。
仮装は今年の人形遣い風カラフルパーカ!
会場にいくか、お城を見て回るか……どうする?
(お兄さんの返答に頷く)
そうだよね! やっぱり、って、うわ!
え、出られない……!? 大変だ!(ちょっと本気)

僕、知ってる!こういうのは違和感が大事なんだ。
観察力で白いタペストリーを発見。
共通する色? 太陽……ライオンさん。
何かひっかかるけど、言葉が暗号みたいで難しい。
どうしよう!子ども幽霊さんに聞いてみる?

シュガーさん達のダンスやお菓子のおもてなしを手伝って
お兄さんはコインマジックさすがだな。ん、閃いた!?
黄色だね。色塗りは任せて!
魔法のクレヨンで色を塗れば、絵が輝き始めた。

やった、出られるみたい……!
名残惜しいけど、楽しいハロウィンだったね。
みんなとも遊べて嬉しかったなー!


シュガー・カトレア
【箱】で参加です。

ドイツのお城なんて初めて来たのです!舞踏会のお料理楽しみなのです
…え!?閉じ込められたのです!?
わわ、脱出頑張りますなのです。

探索しつつ問題文を探す
うーん、壁に何か仕掛けとかないですかね?
ん?この白いタペストリーと白い紙なんでしょうかね?
知らない文字だ…!えっと、マティアスさん読めます?

うーん…まったくわからないのです
せっかくですから舞踏会もありますしヒントをもらいつつ踊りましょうか!
子供たちをショコラさんと一緒に踊りに誘いつつヒントをもらう
今日は花の妖精さんなので子供たちを花で飾ったりお花のお菓子をあげつつ
マジックにも興味を向けてもらえるよう誘導する

ヒントはお花の絵とハーブが入った瓶
あ、このハーブ知ってます。カレンデュラですよね。
黄色い花が綺麗で
フランス語で心配の種
心配の種ってこのことかな?


答えがわかったら色塗り!紘希さんお願いしますね!

とっても楽しかったのですよ
でも次は皆さんと美味しいお料理食べて踊れたら楽しいかなって思うのです


マティアス・シュトローマー
【箱】

へえ、飾り付けも凝ってるなー
ゴーグルに白衣を合わせたマッドサイエンティストの姿で会場へ。工夫の凝らされた室内を見渡し、現地の方のあたたかさに思わず微笑む

そりゃあ、準備して貰ったご馳走は食べないと
まずはあのタルト――なっ、ここに閉じ込められただって!?(演技)
こうしちゃいられない。すぐに鍵を探さないと
紘希とシュガーも行こう!

本当だ。なになに――
『太陽、ライオンの歯、心配の種。この三つに共通する色を塗ると道への扉は開かれる』

太陽はオレンジ、歯は白、心配の種は……?
……俺、美術は専門外なんだよなー

いいね、ヒントを貰おう
シュガー達のダンスを手拍子で盛り上げたらこんな提案を
ちょっとした魔法も見ていかない?
俺からはこのコインチョコを一枚
と見せ掛けて、二枚、三枚――十枚!
どうぞ受け取って
手品を使って子ども達の掌にたくさんのコインチョコをのせていく

ヒントは花、かあ
――!
ライオンの歯はドイツ語でたんぽぽ

つまり答えは、黄色!
頼んだよ、紘希

ああ、本当に
あのまま城でおばけ達の仲間になるのも悪くなかったかも


 ようこそと迎え入れられた城の中。
「ドイツのお城なんて初めて来たのです!」
 高い天井、彫刻の施された柱、壁に飾られた絵。こんな場所が会場だなんてと、シュガー・カトレア(泡沫の海・g00679)はくるりと一回りして360度を目に収める。その動きでふわりと袖が靡き、衣装の花々が踊る。
「わぁ、ドイツのお城ってこんな感じなんだ!」
 脱出ゲームも楽しみだけれど、普段なかなか見る機会のない古城を歩き回れるというのにもわくわくして。不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)は柱の彫刻の見事さ、置かれている家具の装飾の繊細さに目を輝かせる。
 紘希の今年の仮装は人形遣い風。カラフルな布を合わせたパーカー、リボンを結んだ帽子にはくまさんのワンポイント。手にした自分とよく似た人形を操って、とことこと歩かせてみたり。
「見て、絵の額縁に、ちっちゃなコウモリさんがついてるよ」
 ハロウィンにあわせた装飾を見つけて、紘希は指をさす。
「へえ、飾り付けも凝ってるなー」
 紘希の指したコウモリや、壁に垂れる極細のレース糸で編み上げた蜘蛛の巣の造形に、マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)も目を瞠る。ハロウィン風にどこかおどろおどろしく、けれど城の雰囲気を壊さぬように美しく。凝らされた工夫に、準備をしてくれた現地の人々の温かさを感じて、マティアスは思わず微笑んだ。
 ゴーグルにオーバーサイズの白衣を合わせ、マッドサイエンティストの仮装をしているマティアスがそんな風に微笑むと、まるで実験が成功したのを喜んでいるかのように見えたりもして。
「会場にいくか、お城を見て回るか……どうする?」
 鐘が鳴るまでどうしようかと、紘希は2人の顔を見た。
「そりゃあ、準備して貰ったご馳走は食べないと」
 マティアスはぽこぽこと泡の立つ試験管を持った手で、舞踏会会場のほうをさした。ハロウィンのおばけたちが本性を現すまでの間も、たっぷりと楽しんでおきたい。
「そうだよね、やっぱりおいしいものは食べておきたいね」
「舞踏会のお料理! 楽しみなのです」
 紘希とシュガーも異論なく、3人は舞踏会の会場へと向かった。

 音楽が流れ、正装をした人々がダンスをし。
 どうぞと渡されるドリンクのグラス。並ぶ料理はハロウィン仕様。
「まずはあのタルト……」
 マティアスはかぼちゃクリームたっぷりのタルトに目をつけ、紘希はベーコンの舌をぺろりと出したおばけパン、シュガーはパイ生地の包帯をぐるぐる巻きつけられたおばけのフィンガーソーセージ。
 けれど食べようとしたところで、ゴーン、ゴーンと鐘が鳴る。
 もう逃げられない、逃がさない。外に出るための鍵を手に入れられなければ、永遠にこの城でハロウィンの日を繰り返すことになる。
 流れてくるそんな口上にのって、マティアスは驚愕の演技で声をあげた。
「なっ、ここに閉じ込められただって!?」
「……え!? 閉じ込められたのです!?」
 シュガーが見回せば、ダンスをしていた人々が蜘蛛の巣ケープや布をかぶって、おばけに変身してゆく。
「え、出られない……!? 大変だ!」
 紘希の焦りはちょっと本気で。
「こうしちゃいられない。すぐに鍵を探さないと。紘希とシュガーも行こう!」
 さあと呼びかけるマティアスに、
「うん。鍵があれば出られるんだよね? 探さなくちゃ」
「わわ、脱出頑張りますなのです」
 紘希とシュガーも頷いた。

 幽霊ひしめく舞踏会会場から出て、さてどこに。
 目についた扉を開けて、まずはヒントを探してゆく。
 パズルを解いて、次の謎へ。
 なぞなぞの答えに導かれて、階段を上り。
 簡単なものもあれば、3人で頭を絞ってやっと解ける謎もあり。
 そうして鍵を探している3人を、諦めてこっち側においでよと幽霊たちが差し招く。
「幽霊さんとは仲良くしたいけど、ずっとここにはいられないんだ」
 紘希は幽霊たちにごめんねをして、先へと進む。

 そして遂に、鍵の隠された部屋へ到達した。
「問題文はどこでしょう?」
 謎が分からなければ解くこともできないから、シュガーは部屋を見て回る。机の上にも、引き出しの中にもそれらしきものはない。
「うーん、壁に何か仕掛けとかないですかね?」
「こういうところから、ぱらっと……出て来ないかー」
 マティアスはスリッパをぱたぱた鳴らしながら、家具を開け、額縁を裏返し。
「僕、知ってる! こういうのは違和感が大事なんだ」
 紘希は何か不自然さを感じるものはないかと部屋を見回し……白いタペストリーに目を留めた。他のタペストリーは模様や絵が織り込まれているのに、どうしてこれだけ真っ白なんだろう。
「ん? この白いタペストリーと白い紙なんでしょうかね?」
 動きを止めた紘希に気付いてやってきたシュガーが、タペストリーの裏にくっついていた紙を剥がした。紙も白。けれど光に透かすと文字がうっすらと読み取れる。
「えっと、マティアスさん読めます?」
 シュガーから渡された紙を透かして、マティアスは読み上げる。
「なになに――『太陽、ライオンの歯、心配の種。この三つに共通する色を塗ると道への扉は開かれる』だって」
「共通する色? 太陽……ライオンさん……種?」
 色と聞いて紘希は考える。けれどそもそも、心配の種ってなんだろう。
「太陽はオレンジ、歯は白、心配の種は……?」
 マティアスは思いつくままに色を並べたが、オレンジと白の時点でもう色が共通していない。
「……俺、美術は専門外なんだよなー」
「うーん……まったくわからないのです」
 シュガーも答えとなる色は思い浮かばない。
「何かひっかかるんだよね……けど、言葉が暗号みたいで難しい」
 ちょっとしたきっかけがあれば……と考えて、紘希は腰につけたかぼちゃのお菓子入れにはっと手をやった。
「子ども幽霊さんに聞いてみる?」
「いいね、ヒントを貰おう」
 子ども幽霊たちはゆらゆら被った布を揺らして謎解きを見守っている。ディアボロスを助けられる機会にわくわくしていると聞いているから、助けを求めたら喜んでもらえそうだ。
「せっかくですから舞踏会もありますし、ヒントをもらいつつ踊りましょうか!」
 スフィンクスの『ショコラ』と一緒に、シュガーは子ども幽霊を誘って踊る。シュガーの衣装は花の妖精だから、風に舞う花のようにひらりふわりと踊りながら、子ども幽霊を花で飾り、アイシングに本物の花をとじこめたクッキーをプレゼント。
 シュガーたちのダンスを手拍子で盛り上げたマティアスは、
「ちょっとした魔法も見ていかない?」
 とコインチョコを取り出した。
「お兄さんが魔法を見せてくれるそうですよ」
 シュガーに誘導された子どもたちがマティアスを取り囲む。
「俺からはこのコインチョコを1枚」
 金色のコインチョコを子どもの手に乗せて。
「と見せかけて、2枚、3枚――10枚!」
 溢れるように出てくるチョコを、どうぞ受け取ってと手に包ませると、子ども幽霊たちはわぁっと跳びあがった。
「マティアスお兄さんはコインマジックさすがだな」
 かぼちゃポシェットからかぼちゃとくまさんの棒つきキャンディを出して配りながら、紘希はマティアスのコインさばきに見惚れてしまう。
 子ども幽霊たちはしばらくはしゃいでいたが、ようやく思い出してヒントを示してくれた。
 1人が指さしたのはタペストリーの隣にかかっている花の絵。
 別の1人が指したのは、机の上に飾られていたハーブの一輪挿し。
「ヒントは花、かあ」
「太陽、花……?」
 マティアスと紘希は花の絵と問題文を見比べる。
「あ、このハーブ知ってます。カレンデュラですよね。黄色い花が綺麗で、フランス語で心配の種……心配の種ってこのことかな?」
 何気ないシュガーの呟きが、マティアスの閃きを呼ぶ。
「黄色い花? ――! ライオンの歯はドイツ語でたんぽぽ、つまり答えは、黄色!」
「そっか! じゃあ太陽の花はひまわり。やっぱり黄色!」
 紘希も答えを導き出すと、周りの子ども幽霊が拍手をしてくれた。
「答えがわかったら色塗り! 紘希さんお願いしますね!」
「頼んだよ、紘希」
 シュガーとマティアスに任せてと頷くと、紘希は魔法のクレヨンでタペストリーを黄色に塗り替える。
「光った……!」
 タペストリーを通して光が漏れてくる。どこからとめくってみれば、先ほどまで壁だったところが四角く空いて、古めかしい鍵が光に照らされていた。

 見つけた鍵を、外へと通じる大扉の鍵穴へとさせば、かちゃりと回る。
「やった、出られるみたい……!」
 脱出成功!
 扉を開けて、紘希はほっと息をついた。
「とっても楽しかったのですよ。でも次は皆さんと美味しいお料理食べて踊れたら楽しいかなって思うのです」
 あの料理食べたかった、舞踏会のダンスもしてみたかったと、シュガーは舞踏会の部屋を思い浮かべる。
「いろいろ名残惜しいけど、楽しいハロウィンだったね。みんなとも遊べて嬉しかったなー!」
 紘希は太陽の花のような笑顔で言う。最初閉じ込められたと知ったときには焦ったけれど、脱出できればすべて良い思い出だ。
「ああ、本当に」
 そう言いつつ、マティアスはふと意味深な目つきで囁く。
「……けど、あのまま城でおばけ達の仲間になるのも悪くなかったかも」
「えっ」
「マティアスお兄さんっ!?」
 シュガーと紘希の驚く様子に、ははっとマティアスは声を立てて笑った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【強運の加護】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【アヴォイド】がLV3になった!

如月・莉緒
総二さん(g06384)と
2024ハロウィン仮装(女看守)で

招かれざる客として参加

まずはお城の中を見て回りたいかも

舞踏会や美味しい料理も気になるけど
広いお城を探検がてら見て回りたいなぁ、と

見て回っているうちに鐘の音が聞こえて

そういえば閉じ込められちゃうんだっけ?
…お化けも出るとか

とお化け屋敷に迷い込んでしまった気持ちに

謎解きして鍵を手に入れたら出られるの?
じゃあ、頑張って謎解きしよっか

怖いので総二さんと手を繋ぎながら謎解きに挑戦

何かこれ、暗号っぽいかも?

壁にある暗号を解こうとするも
お化けが近付いてくる姿に

わ、わっ、いるいる!!

と慌てて隠れたりして

…さっきまで閃きかけてたんだけど
お化けが怖くて忘れちゃった…

と暗号解読出来ず

お菓子もあるし、子供幽霊さんにお願いして聞いてみよっか

と、カラフルなレインボーキャンディを渡して
ヒントくださーい、とお願いしてみる

ヒントを貰えたらお礼を言って、再度暗号解読に挑戦
無事に出られたら

怖かったけど、ドキドキしてわくわくもして楽しかったね

と総二さんに笑顔を向けて


神刀・総二
莉緒(g04388)と同伴
2024年ハロウィンの仮装で

ホラーが苦手な莉緒も脱出ゲームなら大丈夫かなと誘い

招かれざる客として参加

舞踏会も気になるが、せっかく古城に来たんだから
莉緒と二人でお城の中を見て回り

9回目の鐘が鳴って
これでゲームスタートしたのかな?
それじゃあ頑張って鍵を探すか

出来れば自力クリアを目指したいが
運も絡むとなると……難しいかな

驚かせたり追いかけてきたりは多分ないよな?
莉緒と手を繋ぎくっつきつつ謎探し

どんな風に謎解き置いてあるんだろうなと色々探して

莉緒が何かあるという方を見て
暗号?みたいに見えるな

うーん、普通に分からない
莉緒はどうだ?と聞いて

急な莉緒の大きい声に思い切り驚いて

びっくりして変な声出そうになった
背後に隠れる莉緒にもう行ったから大丈夫と笑いかけて

悩んだ結果
埒が明かないし子供幽霊にヒント頼もうか

カボチャの形をクッキーを渡して
ヒントをお願いします、と

ヒントを貰いもう一度暗号に再挑戦して
無事鍵を手に入れて脱出

暗いし昔のお城ってだけで雰囲気倍増だったなあ

と笑顔を向けあって


 ハロウィンの舞踏会が開かれる古城に、そっと忍び入る影が2つ。
 片や警棒を手にした看守。かっちりと制帽を被った姿だけれど、片方だけのニーハイソックスや、頬にハートのフェイスペインティングなど、キュート溢れるいで立ちの、如月・莉緒(恋愛至上主義・g04388)。
 その後ろには、手錠のかかった両手を差し出すように囚人が続く。縞の囚人服を身に着けた神刀・総二(闘神・g06384)は、背に同じ囚人服を着たかぼちゃを背負い、ちりりとタグを鳴らして。
 招かれた客人は舞踏会の会場へと進んで行くけれど、招かれざる客として参加した2人は、こっそりと、けれど自由に城の中を歩き回る。
「舞踏会も気になるな……」
 莉緒にはドレスもさぞ似合うだろうと、総二は舞踏会の会場がある方向を振り返り、そこで踊る莉緒の姿を想像してみた。
「そうだね。美味しい料理もありそうだから舞踏会にも行ってみたかった気がする。けど、お城の中を見て回れる機会なんてあまりないからねー」
 探検がてら見て回りたい、となって、2人は招かれざる客のほうを選択したのだ。
 本物の城を使用しているだけあって、どこを見ても見事としか言いようがない。
 床は磨き上げられ、柱には彫刻が施され、天井を見上げれば色彩豊かなフレスコ画。
 舞踏会に行かなくても、お城気分を満喫できる。
 招かれざる客だから、使用人を見かけたらそっと身を隠してやり過ごす。柱の影で2人身を寄せてそうしていると、つい笑ってしまいそうになって、慌てて声を押し殺したり。
 城を回って探検していたとき、どこからか微かに鐘の音が聞こえてきた。
 1、2、3……。
 鐘が9回鳴るのを数えて、総二は莉緒の顔を見る。
「これでゲームスタートしたのかな?」
「そういえば閉じ込められちゃうんだっけ?」
 会場にいる人は説明を受けているだろうけど、ここまでは聞こえてこない。けれど参加する際に脱出ゲームの内容は聞いているから、何をすれば良いのかは分かる。
「謎解きして鍵を手に入れたら出られるんだよね?」
 莉緒は総二に確認する。
「ああ。それじゃあ頑張って鍵を探すか」
「うん。じゃあ、頑張って謎解きしよっか」
 いざ、と歩き出そうとした莉緒は、廊下の向こうをさっと過ぎた白い影に息を呑んだ。
「そういえばここ……お化けも出るとか」
 幽霊が仲間を増やそうとして作ったお城だし、子ども幽霊の話もあったから、お化けは出てくるのだろう。そう思うとホラーが苦手な莉緒はお化け屋敷に迷い込んでしまった気持ちになる。
「驚かせたり追いかけてきたりは多分ないよな?」
 ホラーアクションゲームではなく、謎解き脱出ゲームだから莉緒も大丈夫なはずと判断して連れてきたのだが、薄暗く幽霊がふらふらしている城内は、ホラー感もある。
「行けそうか? 無理なら棄権しても……」
「ううん、やってみる」
 心配する総二に、莉緒は気丈に首を振った。
「そうか。無理はしないようにな」
 総二は竦んでいる莉緒の手を握った。
「出来れば自力クリアを目指したいが、運も絡むとなると……難しいかな」
「そうかも。でも出来るだけがんばろ」
 手を繋ぎ、ぴったり寄り添って。
 ふたりは城内の謎を探し、進んで行った。

 あらかじめ城内を探索していた分、招待客としてやってきたディアボロスよりは有利だ。
 確かあの部屋に怪しげなものがあったはず。
 記憶を頼りに謎を探し、それを解いて次へのヒントを手に入れ、また謎を探して、の繰り返し。
「謎はどこに置いてあるんだろう」
 問題文はないかとあちこちをのぞき込む総二の肩を、莉緒は繋いでいない方の手でつついた。
「見て、総二さん。何かあれ、暗号っぽいかも?」
 壁の棚に置かれた箱。前面には正方形のプレートが4枚はまっていて、それぞれに数字が書かれている。箱の蓋に手をかけてみたが、開かない。
 『1』『0』『3』『1』。今日の日付、10月31日だろうか。
「一番小さく、って書いてあるわ」
「並び替えてみよう」
 総二は、0、1、1、3と並べてみる。
 ……開かない。
「最初0は駄目なのかな」
 総二は、1、0、1、3と並び替えてみた。
 ……やはり開かない。
「莉緒は分かるか?」
 総二に聞かれて莉緒は暗号を解こうとしたが、
「わ、わっ、いるいる!!」
 ふわふわっと白い布をかぶったお化けたちが近づいてきて、大きな声をあげてしまった。莉緒の声に総二も驚く。
「大丈夫。子どもたちだよ」
 総二に笑いかけられて莉緒も緊張を解いたけれど、閃きかけていた答えはどこかに吹っ飛んでしまった。
「埒が明かないし子ども幽霊にヒント頼もうか」
「うん、お菓子もあるしね」
 莉緒はカラフルなレインボーキャンディ、総二はカボチャの形をクッキーを渡して、
「ヒントくださーい」
「ヒントをお願いします」
 そう頼むと、子ども幽霊は首をこてんと横に倒した。何度もそうしてみせるから、それがヒントなのだろうが分からない。
 伝わらないとみて、子ども幽霊は今度はもらったキャンディを立てて、それを横に倒した。
「倒す……あ、分かった」
 総二は『1』を倒して『-』にすると、そのあとに3、1、0と並べた。
 箱の蓋に手をかけて開ければ、中には古めかしい鍵が入っていた。
 ありがとうと子ども幽霊にお礼を言うと、総二と莉緒はその鍵を持って大扉へと向かった。鍵はかちゃりと噛み合い、扉が開く。
「暗いし昔のお城ってだけで雰囲気倍増だったなあ」
 脱出できて良かったと笑顔を向ける総二に、莉緒も笑みを返す。
「怖かったけど、ドキドキしてわくわくもして楽しかった」
 お化けのいる城から無事逃れて。けれど手は繋いだままで、莉緒と総二は外の世界へと足を踏み出したのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【壁歩き】LV2が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2024年11月16日

最終人類史のハロウィン2024

 一般人の『鬼や妖怪、お化けなどが根底にある感情』をエネルギーとして集積できる『地獄変』は、ディアボロスにとって最重要のクロノ・オブジェクトです。
 ハロウィンは数あるお祭りの中でも、地獄変のエネルギーを集める最大のチャンスです。最終人類史全土でハロウィンを盛り上げ、より多くのエネルギーを地獄変に集積してください。
 蹂躙戦記イスカンダル奪還戦などで消耗した地獄変のエネルギーの補充だけでなく、鹵獲したクロノ・オブジェクトの運用や修復、改造などにもエネルギーが必要となるので、より多くのエネルギーを集めてください。
 収集したエネルギーは攻略旅団の提案があれば、その目的に使用し、残りはディアボロス・ウォーにおける新宿島大結界の為に備蓄します。

 最終人類史の一般人の皆様も、去年に引き続き『ハロウィンパーティーを楽しめば、ディアボロスと新宿島を護る事になる!』と、喜び勇んで準備を行っています。
 ディアボロスの皆さんにも、ハロウィンを盛り上げる協力要請が来ています。
 自分の考えた企画で人々を楽しませるも良し、人々の企画に加わって盛り上がるも良し。気軽に参加してください!

「ハロウィンパレード2024」アイコンフレーム対象

 このハロウィンシナリオで一度でも採用(トレインチケット含む)されたディアボロスには、色とりどりのキャンディをあしらったアイコンフレームをプレゼント!
 来年は違うデザインになります。かならずゲットしよう!

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 🔒公式タグは編集できません。

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#最終人類史(新宿島)
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#最終人類史のハロウィン2024
🔒
#🎃ハロウィン2024


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選択肢『🎃ハロウィンパーティー地獄変2024』のルール

 最終人類史で行われる、ハロウィンパーティーに参加します。
 ハロウィンパーティーは、大きな会場を貸し切るような普通のパーティーだけでなく、街の目抜き通りに屋台や出店を並べるストーリート系のパーティーも開かれているようです。
 パーティーに参加している人々は、ディアボロスが居なくても盛り上がっていますが、ディアボロスが参加してくれれば、更に熱狂してくれる事、間違いありません。
 普通にパーティーを楽しむだけでも構いませんが、飛び入りで企画を持ち込んでも良いかもしれません。
 主催者側も、飛び入りのディアボロスの企画を期待しているので、ディアボロスの要望に可能な限り対応してくれるので、是非、多くの人々を楽しませてあげてください。
 詳細は、オープニングの情報を確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。