リプレイ
イオナ・ガルバローゼ
不死身のコシチェイ。あの伝説の魔人が蒐集卿だったとは。
しかし、その審美眼は我らがロザーリヤ様には及ばない。
彼女の賞賛したこの剣技を持って証明しましょう。
まずは護衛達を始末させていただきます。
血を纏う剣の飛ぶ斬撃。
血の滲むような修練の賜物か、血塗られた儀式で得た技か。
こちらも、我が血統を纏う剣技を披露させて頂きます
さあ血闘を始めましょう。
【Seiryu】を使用です
残留効果の使用は勿論
事前に相手と邂逅して戦う事になる現地の地形や状況を調べ。
戦場を立体的にイメージする事で地の理を得ます。
敵の時代には無い、この街の構造を私達は知ってる
故郷では無くてもこの時代は拠地です、絶対に敗けません。
オスカー・メギドューク
・心情
さて……血盟の一員として、やれる限りのことはしようか
・戦闘
残留効果の《トラップ生成》を発動させ、隙を作るような空間を用意しよう
屋外の広場で戦う場合は、集められた物品から煙幕で視界を遮った直後にスタングレネードでの急激な音と光を放つように変化させよう(ついでに物品が周囲にばらまかれればなお良しだ)
物品を集める為に屋内へ入り込んだ者と戦う場合は、ワイヤートラップなりで足を絡め取るのもよいかな?
そうした形で隙を作れれば、(残留効果の《光学迷彩》と《完全視界》が使えるのならば、罠を起動する前に使っておいて潜伏しつつ)【不意打ち】でパラドクス『槍牙旋撃』の【貫通撃】を叩き込みつつ、【臨機応変】に敵を【撹乱】していくさ
相手のパラドクスによる攻撃はこちらのパラドクスによる攻撃に巻き込んで【粉砕】するつもりだが、まぁ多少の傷は覚悟するさ
・その他
掛け合い等のアドリブは大歓迎だよ
●血影を屠る刃
ディアボロスたちはコシチェイの出現位置、西ポーランド――境界線上の街へと直ちに急行する。
……一般人が帰還していないという状況は、不幸中の幸いであった。
もし帰還が完了していたとすれば、この現場はさらに悲惨な状況となっていたに違いない。
「不死身のコシチェイ。あの伝説の魔人が蒐集卿だったとは」
硬い声色で口にするのはイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)。
正史に存在する名を奪い跋扈するヴァンパイアノーブルに、蒐集品の真価を見極める眼などあるだろうか。
否と、イオナは首を横に振り剣を抜く。
「……その審美眼は我らがロザーリヤ様には及ばない。彼女の賞賛したこの剣技を持って証明しましょう」
そう、証明するのだ。オスカー・メギドューク(“槍牙卿”・g07329)も力強く頷き、広場に集まる血影猟兵たちを睨み据えた。
「血盟の一員として、やれる限りのことはしようか」
刃に捉えるは血影猟兵の心臓。彼らの中心を突き穿つため、オスカーはメギドュークの槍を堅く握る。
外縁とはいえヴァンパイアノーブルにとって、この場所は敵地であることに変わりない。
ディアボロスの襲撃を警戒していたのだろう。血影猟兵たちがディアボロスに気付き、一様に武器を構える。
「……! やはり来たな。ディアボロス」
「コシチェイ様の仕事の邪魔をさせるな!」
多くの敵意と殺意を向けられながら、オスカーは不敵に微笑んだ。
「来るといい。どのみち先に倒すつもりだからね」
戦いの火蓋は切られた。オスカーは攻撃へと繋げる隙を生み出すべく、トラップ生成を展開する。
「最終人類史のアドバンテージ、思う存分使わせてもらうよ」
煙幕が広場を覆い、スタングレネードが瞬時に血影猟兵の足元周辺へとばら撒かれる。
空気を裂く音と視界を妨害する閃光で、血影猟兵たちを包み込んだ。聴覚情報と視界情報を制限することで、僅かな間であるが動きを鈍らせる。
敵地ゆえ常時警戒状態であるクロノヴェーダを前にその効果は一瞬。だが、その一瞬を好機とすべく、ディアボロスたちは動き出す。
「臆するな! 攻撃しろ!」
血影猟兵が自身の剣に血を纏わせる。同時、閃光の中でイオナが舞った。
「血の滲むような修練の賜物か、血塗られた儀式で得た技か。こちらも、我が血統を纏う剣技を披露させて頂きます」
発動するのは、細胞レベルまで精密に構築された戦闘術式。幾多の血を結び合わせ、生まれ落ちた天性の凶器。
「さあ、血闘を始めましょう。――現し世に非ざる願いの成就を見よ」
思考するより先に身体が反応する。敵へと至るための最も効率的なルートを本能が導き出した。
広場の石畳を蹴り、花壇を越え、街灯の間を抜け――敵へと肉薄する。Seiryuの鮮やかなる剣技が閃き、血影猟兵の体を切り裂いた。
傷付いた敵へとオスカーは疾風のように駆ける。眩い光の中でも、完全視界により敵の姿をはっきりと捉えていた。
構えた槍の先へと自らの魔力を纏わせれば、凝縮された魔力が唸り声を上げる。
「廻って穿て、我が牙よ!」
全力を込め、槍牙旋撃を解き放つ。高速で回転する魔力の渦が、敵の中心を真っ直ぐに貫いた。
その一撃は敵の肉体を内部から引き裂き、その身を赤黒く滲ませる。
「強烈な一撃、だが……!」
深いダメージを負いながらも血影猟兵は反撃を繰り出す。血の斬撃がイオナ、そしてオスカーへと飛翔した。
斬撃はイオナを切り裂き、その身に血を迸らせる。
「深い傷を負いながらも正確な一撃。さすがジェネラル級の護衛と言ったところでしょうか」
だが、その程度の痛みで屈するイオナではない。此処は最終人類史。敵の時代には無い、この街の構造を彼は知っている。
すべてにおいて有利な状況下、倒れるわけにはいかないと彼は奮起する。
「故郷では無くてもこの時代は拠地です、絶対に敗けません」
一方でオスカーも、敵の血影断罪へとパラドクスを打ち合わせる。
「我が牙よ、血の牙を打ち砕け!」
勢いを殺されながらも届いた血の斬撃が、彼女の体へと傷を刻み付ける。だが、オスカーは涼しい表情を崩さない。
「元より多少の傷は覚悟の上さ。傷を受けても、武器を振るえるならそれでいい」
反撃の手応えのなさに、血影猟兵は口にせざるを得ない。
「手応えが薄い……」
焦りを滲ませつつも、冷静さを保とうとする声だ。槍の穂先を彼らへと突き付け、オスカーは淡々と告げる。
「そちらも覚悟して来ているはずだ。自ら危険な敵地に乗り込んで来たのだからね」
覚悟と共に攻め込んできたのならば、その覚悟を抱いたまま死んでもらう。
この地をこれ以上侵すことは絶対に許さない。確実にその命を狩り取ると、イオナは剣の刀身に血影猟兵の姿を映し込む。
「これ以上、最終人類史の大地をその血で汚させるわけにはいきません。……お覚悟を」
二人の技巧は、大勢の血影猟兵たちを前にしても決して鈍ることは無い。人々が生きる大地を守るという意志と共に、彼らは武器を振るい続ける。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【建物復元】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
アヴィシア・ローゼンハイム
ロマノフの状況、話には聞いていたけれど
追い詰められているが故の、まさに起死回生の札……ってことね
逆を言えば、ここを乗り切れば一気に追いつめることができるはず
さあ、始めましょうか
まずは邪魔な護衛部隊を片付けましょう
「泥濘の地」を使用して敵の移動を阻害し、相手の攻撃を妨害
こちらの攻撃を当てやすくするように試みるわ
可能であれば、「未来予測」も使用
敵の攻撃を予測して致命傷の回避に利用したり、相手の動き先を予想して
こちらの攻撃をうまく当てたりできたら僥倖ね
相手の攻撃はガードアップと大鎌での併用防御で、負傷を最小限にするよう心掛けて
逆にこちらの攻撃はダメージアップで攻撃力を底上げするわ
蒼く煌めく冥府のカンテラを揺らし、蒼氷の狼を召喚
おいでなさい。私の可愛い狼たちよ
敵の攻撃から出る猟犬にはへえ、と感心するも油断はせず
貴方の猟犬と、私の狼……どちらが強く賢いか、勝負と行きましょうか
さあ、駆け抜けなさい、冥府を守護する、蒼氷の狼よ
民に仇名す者を冥界へと連れ去りなさい
●蒼き狩猟
(「追い詰められているが故の、まさに起死回生の札……ってことね」)
ロマノフの状況はかねてより聞いていた。アヴィシア・ローゼンハイム(Blue・Roses・g09882)は思考を巡らせつつ、瑠璃色に艶めく大鎌を手にする。
ここを乗り切れば、ヴァンパイアノーブルを一気に追い詰めることができるはず。
「さあ、始めましょうか。手始めに、街を荒らし回る泥棒さんたちを退治しなければね」
まずは邪魔な護衛部隊からだ。
アヴィシアの存在に気付き、積み上げた回収品を守るように飛行していた血影猟兵たちが降りてくる。
ヴァンパイアノーブルは共通して飛行能力を持つ。だが、そのようなものは、パラドクスの前では些事に過ぎない。
「たとえ空を飛ぼうと、蒼氷の狼たちは必ずや貴方たちの喉笛を噛み切るでしょう」
詠唱を紡ぎ、冥府のカンテラを揺らす。揺らめく蒼光が、カンテラから静かに大地へと落ちた。
「おいでなさい。私の可愛い狼たちよ」
大地へと落ちた蒼光は氷晶のように伸び、狼の形へと姿を変えてゆく。
氷の彫刻のように美しい冥府の狼たちが、澄み渡る咆哮を上げた。
「狼か……ちょうどいい」
「我らの猟犬にて喰らい尽くしてやろう」
血影猟兵は彼らの血を触媒に猟犬を召喚する。無数の黒き猟犬たちを見つめ、アヴィシアはその姿に関心を示す。
「あら、結構可愛いじゃない」
「馬鹿にしているのか?」
「本当のことを言っているのだけれど……まあ、いいわ。貴方の猟犬と、私の狼……どちらが強く賢いか、勝負と行きましょうか」
アヴィシアの意志に従い、蒼氷の狼たちが血影猟兵たちへと駆ける。
「望むところだ!」
同時、敵の猟犬たちもアヴィシアに襲い掛からんと牙を剥いた。猟犬たちが目前に迫る。だが、アヴィシアに恐れは無い。
――時空の歪む逆説連鎖戦においては、常に未来が曖昧になる。だが、未来を予測できずとも対抗する手段は他にいくらでも存在する。
既に最大まで強化されているガードアップ、そして自身の武器である大鎌を盾とすることで、アヴィシアは己の身を護る。
此処は最終人類史だ。ヴァンパイアノーブルの思い通りになどさせない。
アヴィシアは喰らい付こうとする猟犬を斬り払いながら、彼女の愛しい狼たちへと命じた。
「さあ、駆け抜けなさい、冥府を守護する、蒼氷の狼よ。民に仇名す者を冥界へと連れ去りなさい」
怒りの力を増幅させ、蒼氷の狼へと注いだ。狼たちの爪は敵の肉体を切り裂き、牙はその魂の根源まで深く穿つ。
逃げ出すことを許さぬ氷のブレスが血影猟兵たちの体を芯まで凍り付かせ、生命の熱を奪っていった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ロザーリヤ・ユスポヴァ
何の美学も持たず、際限なく略奪に興じる蛮人が『蒐集卿』を名乗るとは
……いやはや、『貴族もどき』には呆れ果てたものよな
卑賎な漁り屋如きの横行を許せば、蒐集家としての沽券に関わる
宝を求めるなら代価を支払って貰おうか
――お前たちの命を以て、な
事前に戦域の地図や写真を確認し地形と街並みを記憶
【モブオーラ】を身に纏い、建造物や植樹や植え込みを身を隠す遮蔽物として【光学迷彩】を発動
見つけられづらくなった状態から、略奪品を集める血影猟兵を奇襲しよう
10秒先まで【未来予測】が可能なら、失敗するリスクもかなり抑えられるだろうな
奇襲実行後は【パラドクス通信】で仲間と連絡し、一気に畳みかける合図を
≪悪竜伝承『翼広げし■■■』≫を行使
標的の意識の外から爆発する火球を放ち、一手目から痛撃を加える
不意打ちの利がなくなる2射目以降は、誘導性重視の火球で確実に敵を追い詰め、焼き焦がしてくれよう
血の斬撃とは愛剣『死せざる■■■■■』で切り結び、受け流して致命傷を防ぐ
お前たちは見誤ったのだよ。戦利品の価値も、ぼく達の力もな
●価値
広場で護衛を行う者の他、物品の回収に出ている連中がいる。
掃討しきるならば、周辺民家に侵入しているヴァンパイアノーブルたちへの対応も必要に違いない。
ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は身を隠しつつ、街の中を移動する。
(「何の美学も持たず、際限なく略奪に興じる蛮人が『蒐集卿』を名乗るとは……いやはや、『貴族もどき』には呆れ果てたものよな」)
コシチェイの行為は蒐集ではない。ただの泥棒だ。卑賎な漁り屋如きの横行を許せば、蒐集家としての沽券に関わる。
(「宝を求めるなら代価を支払って貰おうか――お前たちの命を以て、な」)
角を曲がった先、血影猟兵たちが扉を蹴破り、民家の中へと入っていくのが見えた。
植え込みの陰からロザーリヤは民家の様子を確認する。
(「あの家か。入り口に見張りを立てているようだが、ちょうどいい」)
見張りを攻撃すれば、他の者たちも加勢に出てくることだろう。下劣な行為など、今すぐに中断させてやる。
ロザーリヤは悪竜伝承『翼広げし■■■』を行使する。語り編み上げるは『真正の竜』の伝承。
紡いだ物語から力を引き出し、魔力を練り上げることで火球を創り出す。
「――さあ、悪竜が来るぞ!」
強欲な者どもを炎で焼き尽くす、無慈悲なる悪竜が。
放たれた火球は見張りの血影猟兵へと直撃し、大爆発を起こした。爆風が敵の体を吹き飛ばす。
「敵襲か!」
「ディアボロスだな!」
爆発音を聞き付け、血影猟兵たちが飛び出してきた。その手には純白のリングボックスが握られている。
「汚れた手で他人様の物に触れるのは止めてもらおうか。それは、お前たちが触れて良いものではない」
ロザーリヤの言葉に、血影猟兵は冷たく返す。
「知るか。コシチェイ様の命に従い、我々は動くのみ」
「貴様を殺したあと、ゆっくり回収するとしよう」
攻撃に転じる血影猟兵が、リングボックスを邪魔だと言わんばかりに投げ捨てた。
地面に転がった箱が開き、中から白銀色のペアリングが転がり落ちる。ロザーリヤは心底不快げに眉を寄せた。
「……痴れ者が。手にした物の価値を推し量ることすらできないのだな」
もっとも、価値を推し量るのはコシチェイだろうが、貴族もどきの蛮人には真の価値などわかりはしないだろう。
真の価値とは、『物品としての価値』だけではない――。
闇の魔力を宿した血の斬撃がロザーリヤへと飛ぶ。ロザーリヤは愛剣を抜き放ち、迫る斬撃と切り結んだ。
黄金と宝玉の輝きは、穢れた血の斬撃を切り捌き霧散させる。
「お前たちは見誤ったのだよ。戦利品の価値も、ぼく達の力もな」
彼女は再び火球を放つ。確固たる信念を宿した炎が、血影猟兵たちを焼き焦がしていった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
リューロボロス・リンドラゴ
蒐集卿……蒐集卿のう。
その名を冠する我が友に比べて随分と品がないように見えるがの。
全く、『貴族もどき』とはよく言ったものよ。
配下共は物品収集に駆り出されておる。
護衛はともかく巨狼の方はコシチェイから離れて行動しておるであろう。
見るからに色々ありそうな豪邸とか大きな家とか狙ってきそうよなあ。
家ごとトラップハウスにでもしてやれば誘い込んだ上で始末できるやもだ!
入って奥に進むと煙幕とかの!
我らは【完全視界】がある故、問題ないしの!
残留効果による強化っぷりを知られるのを少しでも遅くしたいからの。
そういう点でも外から見えない屋内に誘い込んだり視界奪ったりでこっそり倒していきたいのよな、巨狼くらいはの!
そんなにも宝が欲しいというのなら黄金をくれてやろう。
もっとも呪われし黄金だがの!
――死よ、笑え。破滅もたらすは竜である。
強化された我が黄金で飲み込んでくれようぞ!
くははははは!
ドラゴンを閉じ込めっぱなしにするには脆い棺よ!
くちゅん。
いかんな。この程度でやられるドラゴンではないが、温度変化で風邪引くわ!
●黄金の罠
広場より少し離れた民家。その中でも大きな屋敷の内に、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は身を潜めていた。
彼女の狙いは、物品収集に駆り出されている棺輸巨狼だ。広場にいる分は仲間に任せ、泥棒狼を駆除する算段である。
裏口の鍵が施錠されていなかったのは幸運であった。
(「品々を守るためとはいえ、鍵を壊して入るのは気が引けるからの。……それにしても、蒐集卿……蒐集卿のう」)
その名を冠する友人のことを思い浮かべた。同時に、コシチェイの盗人じみた行動についても思いを巡らせる。
(「我が友に比べて随分と品がないように見えるがの。全く、『貴族もどき』とはよく言ったものよ」)
玄関の方で衝撃音がした。扉を破壊する音に、リューロボロスは笑みを浮かべる。
(「うむ、大当たりだ。やはり泥棒に入るなら、色々ありそうな豪邸とか大きな家よなあ!」)
荒い足音と息を響かせ、屋敷の中に何匹もの棺輸巨狼が入ってきた。
リューロボロスはトラップ生成を展開し、屋敷の中を進めば煙幕が噴きだすトラップハウスへと変化させる。
「ガルルルッ!」
「ワオォオン!」
煙幕に包まれ、棺輸巨狼たちが警戒の鳴き声を上げた。完全視界で彼らの位置を特定し、リューロボロスはパラドクスを発動する。
「そんなにも宝が欲しいというのなら黄金をくれてやろう。もっとも呪われし黄金だがの!」
孤竜の黄金――黄金の奔流がリューロボロスの体から溢れ出した。奔流は財宝が如き輝きを放ち、棺輸巨狼の視界と肉体を覆ってゆく。
「――死よ、笑え。破滅もたらすは竜である。強化された我が黄金で飲み込んでくれようぞ!」
その『財宝』は真の宝ではない。孤竜の真の宝は黄金などでは有り得ない。
「ガウ……!?」
だが、宝を見極める能力など棺輸巨狼たちにあるはずもない。黄金の美しさに目を奪われた棺輸巨狼たちが、そのまま奔流の衝撃に圧し潰される。
全身から血を流しながらも、反撃に転じた敵が奔流の内から飛び出してきた。棺を開き、リューロボロスを棺の内に閉じ込める。
急激な温度変化がリューロボロスを襲った。リューロボロスは棺をこじ開け、内部から脱出する。
「くははははは! ドラゴンを閉じ込めっぱなしにするには脆い棺よ! くはは……くちゅん」
可愛らしいくしゃみをひとつ。むむぅ、と唸りながら鼻をつまみ、二回目のくちゅんは何とか阻止してみせた。
「いかんな。この程度でやられるドラゴンではないが、温度変化で風邪引くわ!」
あとで風邪を引いては困る。
さっさと残る狼たちも始末してしまおうと、リューロボロスは眼前で唸り声を上げる棺輸巨狼たちを睨み据えるのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
レイラ・イグラーナ
コシチェイ……確か大領主の一角として聞いたことのある名前ですね。
これまでも大領主には趣味人のような者は多くいました。彼もその一人ということでしょう。
戦略として重要なものはここにはございませんが……それでも、これから最終人類史の人民の皆様が暮らしていく地を踏み荒らすことは許容できません。
一見そうは見えませんが、これもヴァンパイアノーブルということは飛行能力があるのでしょうか。
そのつもりで戦闘を行いましょう。
氷の魔術が仕込まれた針を手に広場に陣取る敵を相手に戦闘を行います。
数の多い敵に対してこちらも対象数の多い【既成奉仕・冬】。【泥濘の地】を使用して地上での移動を困難にし、飛行やジャンプを行ってきたところを狙い撃ちにします。
数を活かし、こちらを取り囲もうと左右に散開する敵がいれば優先して狙い撃破して包囲されないように。私一人で手が回らない場合は【パラドクス通信】も利用し他の復讐者と手分けを。
敵の反撃は飛び退き突進の直撃を避け、【ガードアップ】で更にダメージを抑えます。
括毘・漸
………ど、ドロボーだぁ!!!
はっ!しまった、つい突っ込んでしまいました。
あんな感じでも略奪には変わりないですからね、ここで食い止めないと何がどうなるかわかりませんからね。
ほら、そこぉ!貴方達がやってるのは立派なドロボーですよ!
さっさとやめるのですよ!
とりあえず、あそこに群がっている狼達から片付けますか。
悪さをする獣には、猟犬がその足跡を辿ってきますからねぇ。
銀のナイフで自分の指先を切り裂き、そこから流れ出た血を振りまいて【瀉血法・血尽火滅】を発動させて、振りまいた血を猟犬の頭を模った橙色の炎へと変えて解き放ち、敵をどこまでも追い掛け灼き尽くす。
………あっ、ここにあるモノは燃やさないようにしませんとな、
敵の攻撃に対しては、敵の足元に【泥濘の地】を仕掛けて機動力を奪い、更に橙色の炎を投げ放ち体温操作の邪魔をしときましょうか。
それでも突進してきたら、炎の猟犬を盾替わりにして【ガードアップ】の力を借りましょう。
この最終人類史で好き勝手はさせませんからね。
ここに攻め入った事を後悔させてあげますよ。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
火事場泥棒とは……なんとも、だな
軍部の真面目な連中よりは、吸血貴族らしいと感じてしまうが
芸術品を蒐集するにも、積み上げるのは頂けない
呑気なものだが、情報まで蒐集させる訳にはいかないな
……俺の二つの故郷だ
血の一雫さえ、集める事は許さない
ロマノフ王朝に終焉を齎すため
機械化ドイツ帝国の縁を胸に
最終人類史の守護者として、相手する
強化の威力を知らぬ奇襲で初撃から優勢を手繰り寄せる
仲間と連携を取り、PD通信で情報共有
迷彩コートを纏い光学迷彩で建物や物陰に潜み、双眼鏡で偵察
敵の陣容を把握し、なるべく不意打つ時機と角度で奇襲
戦況を観察しつつ把握
クロスボウに矢を番え多数をPD攻撃、一気に刈り取ろう
狙いを揃え、基本は一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に
味方の死角を護り、矢を放ち援護
目を配り、戦場離脱の気配ある敵は防衛ラインで止めて優先撃破
見せた隙は逃がさない
敵の攻撃には、棺が閉じる前にタワーシールドを噛ませ
魔力障壁で身を包み、防弾コートで影響を抑制
最終人類史の追い風を受け、一体も逃さず仕留めきる
●狼狩り
西ポーランドの長閑な街。そして、整備された美しい広場にどどんと積まれた物品の数々。
合わない。積み木の如く積まれたその光景が、あまりにも場に合わない。
「…………ど、ドロボーだぁ!!!」
眼前の状況に、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は突っ込みを入れずにはいられない。
漸の言葉に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が心から同意する。
「火事場泥棒とは……なんとも、だな」
『蒐集卿』コシチェイ。大領主の一角としてその名を耳にしたことがある。
「これまでも大領主には趣味人のような者は多くいました。彼もその一人ということでしょう」
淡々と紡ぐのはレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)だ。
ディアボロスたちは護衛の向こうで相変わらず物品を漁っているコシチェイへと視線をやった。
呑気なものだ、とエトヴァは呆れを滲ませる。
「軍部の真面目な連中よりは、吸血貴族らしいと感じてしまうが、芸術品を蒐集するにも、積み上げるのは頂けない」
他のジェネラル級と温度感は違えど、コシチェイが脅威であることには変わりない。情報まで蒐集させるわけにはいかないのだ。
「このままコシチェイを放置すれば、後々人民の皆様の生活に悪影響が出るに違いありません」
手にした針に、レイラは氷の魔術を纏わせる。
戦略として重要なものは此処にはないが、最終人類史の人々が暮らす地を踏み荒らすことは許容できない。
この地に住む人々が帰還した際、彼らにとって大切なものが失われていたとすれば、心へのダメージは計り知れないだろう。
漸も銀のナイフを構え、戦闘態勢を取る。
「ここで食い止めないと何がどうなるかわかりませんからね。悪用なんてされたら困りますし、ドロボー退治と行きましょう」
見たことがない品々に大層浮かれているようだが、どのような空気感であっても略奪には変わりないのだ。
コシチェイを確実に仕留めるためにも、先に棺輸巨狼の大群を始末する。
レイラは泥濘の地を展開し、自身の周辺を泥濘へと変化させた。
当然、ヴァンパイアノーブルが飛行能力を持つことは把握している。この効果を発動させたのは、直接的に動きを鈍らせるためではない。
(「地上が移動に使えなくなれば、飛ぶしかありません」)
敵の移動手段を制限し、動きを読みやすくする。そのような意図ならばこの効果も生きよう。
地面を走っていた棺輸巨狼たちが、広がる泥濘を前にして足を止めた。
レイラはすでに既製奉仕・冬を発動しており、虎視眈々とその瞬間を狙う。
「――妖精は、粛々と『その時』を待つのです」
その時はすぐに訪れる。泥濘から逃れるために、棺輸巨狼たちが地面から飛び上がった。
レイラの針が投擲されたのは、彼らの動きとほぼ同時である。無数の針が彼らの体へと深く突き刺さった。
「やはり、そのように動きましたね」
飛行しようとした瞬間を狙い、針を叩き込んだのだ。
氷の魔術を仕込んだ針は棺輸巨狼を蝕み、被弾部から急速にその身を凍り付かせていく。
彼女の攻撃で何匹かが息絶えた。だが、まだ敵の数は多い。奥から新たな棺輸巨狼たちが攻め寄せる。
迫る棺輸巨狼たちへと、漸はビシッと指をさし真っ当な指摘をした。
「ほら、そこぉ! 貴方達がやってるのは立派なドロボーですよ! さっさとやめるのですよ!」
「ギャルルルッ!」
「ウウウ……!!」
ドロボー行為を指摘されて逆ギレする棺輸巨狼たち。そのような悪さをする獣には、徹底的にお仕置きしなければなるまい。
漸は銀のナイフを己の指先で閃かせる。滲む赤を瞳に映し、彼はにやりと口端を上げた。
「悪さをする獣には、猟犬がその足跡を辿ってきますからねぇ。絶対に逃がしてあげませんから」
流れ出た血を振り撒けば、血は瞬く間に炎へと変わり、橙色の輝きを滾らせる。
滾る炎は轟々と唸り声を上げ、鋭い牙を剝いた。瀉血法・血尽火滅により生み出した血の猟犬が、獲物を捉える。
「さあ、喰らえ、灼き尽くせ。その血が枯れるまで」
積まれた回収品を飛び越え、血の猟犬は棺輸巨狼たちへと襲い掛かった。橙の業火が獲物の身を燃え上がらせ、断末魔の雄叫びすら呑み込んでゆく。
猛攻を受けてもなお耐え凌ぐ敵へと狙いを定め、エトヴァはクロスボウに矢を番えた。
「……俺の二つの故郷だ。血の一雫さえ、集める事は許さない」
第二の故郷、守護すべき人々が住まう大地。平和の地を、ロマノフ王朝に捧げる供物になどさせるものか。
かの王朝に終焉を齎すため、エトヴァは精神を研ぎ澄ます。
(「最終人類史に足を踏み入れた時点で、彼らの死は定まっている。一体残さず、仕留め切る」)
クロスボウの先で、黄金の魔力が煌めく。
「――Blühe.」
黄金の薔薇よ、咲き誇れ。解き放たれた矢は真っ直ぐに飛び、棺輸巨狼の体を射貫いた。
貫くだけで終わりではない。穿つ矢は黄金の魔法塗料を振り撒き、敵の体を黄金色に彩る。
しかし、敵にはそれを『美しい』と感じる時間などない。
火花により着火し、塗料が爆発する。大輪の花が花開くような爆発は、棺輸巨狼の肉体を粉々に吹き飛ばした。
仲間を斃され、激高する棺輸巨狼たち。彼ら自身も肉を貫かれ、或いは燃やされながらも反撃に転じる。
「グルルルルゥ!!!!」
水蒸気爆発を推進力に飛び出した。轢き飛ばそうと突進する棺輸巨狼。その直撃を避けるべく、レイラは後方へと退いた。
ガードアップで肉体を強固にすることで、避けきれない分の衝撃を緩和する。
狼たちの強靭な腕と爪が彼女の体を掠めるが、その攻撃が彼女に痛手を負わせることはない。
ならばこっちはどうだ、と棺輸巨狼たちは漸へと迫る。
「狼の群れがそちらに」
「りょーかいですよ、っと!」
通信機越しに聞こえるレイラの声に漸は頷き、彼も敵の反撃に耐え得る堅固さを自身の身体に宿す。
己の血で作った猟犬を盾として間に捻じ込み、棺輸巨狼たちの突進と打ち合わせた。
最終人類史が戦場であることの強みの一つ。最大レベルのガードアップが、敵の突進による衝撃を大きく削り取る。
棺輸巨狼たちの渾身の反撃は、ディアボロスを轢き飛ばすどころか、衝撃で揺らすことすらできない。
そして、それは彼ら自慢の棺についても同じことだ。
「グル、グルルゥ……」
エトヴァを棺の中に閉じ込めようとする棺輸巨狼だったが、棺を閉じることができずに苦戦している。
タワーシールドを棺に噛ませ、魔力障壁で身を包めば、棺内部の温度変化はエトヴァの体にダメージを与えない。
「棺で眠る趣味はないんだ」
棺に入るのは人生の終点だけで良い。そして、それはまだずっと先だ。彼は棺をこじ開け、蹴破ることで脱出した。
棺輸巨狼たちは満身創痍ながらも、ディアボロスに狂暴な眼差しを向けている。
「最初に比べて数は減っています。ですが、油断は禁物です」
残る棺輸巨狼たちを見据え、淡々と話すレイラ。彼女へとエトヴァが力強く頷いた。
「最終人類史の追い風を受け、着実に倒していこう」
アドバンテージはこちらにある。適切な手段を重ねていけば、必ず勝てるはずだ。
そう信じている。必ずやり遂げると、エトヴァは心に誓う。
「この最終人類史で好き勝手はさせませんからね。ここに攻め入った事を後悔させてあげますよ」
狩りはまだこれからだ。漸は血の炎を滾らせる。
――氷の魔力を宿した針が敵を穿ち、炎の猟犬がその肉体を喰い破り、黄金の矢が煌びやかな薔薇を咲かせる。
繰り返される猛攻に、多数いたはずの棺輸巨狼は次々に力尽きていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!
●
配下がすべて倒され、『蒐集卿』コシチェイは、深い溜息を吐いた。
「……ふぅ、やれやれですな。皆様たいへんお強いようで。これでは、この時代の品々を細部まで見ている暇もありませぬ。ディヴィジョンの片隅で趣味に興じる爺をつっつきに来るなんぞ……他のジェネラル級の皆様のところに行けば良いものを……」
ぶつぶつと何やら文句をこぼしてはいるが、逃げようとはしない。
逃走可能な状況ではない、というのを本人が理解しているというのもあるが。それよりも、何よりも。
せっかく手に入れた物品を置き去りにしたくない。そのような想いが、逃げずに留まる理由の殆どを占めている。
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
なんだ、わからないの。蒐集卿なのに
物見遊山でもしに来たような足取りが止まり
ジェネラル級なら、きみの価値はきみが一番分かってるはず
カーテシーと共に微笑みかけご挨拶
どうも。お会いできて光栄です
最終人類史の品々、お気に召したようで何より
ここまで歴史を紡いで来た僕たちもその点悪い気はしないね
うん?戦らないのかって?
僕はこのひとときに価値を見出したんだ
今この瞬間誰しも物語を綴っているのだから、
出来る限り価値あるものにしたいでしょ
ディアボロスの装備も見ていかない?面白いよ
言うなり“魔槍”を穂先を向けずに取り出して
決戦兵器(ファルス)。これは伝承や物語を内包した武装の一つでね
とあるジェネラル級との鍛錬を切欠に思い付いたんだ
普段は槍みたいに使うけれど、一度伝承開放と唱えれば……
ケルトのゲイ・ボルグのお話通りに敵を貫く
色んなディヴィジョン、色んな強敵を相手に共に戦ってきた、
思い出深い僕のお宝さ
どうだい、すごいでしょ
ウインクをひとつ
よければきみの自慢の品も、少しばかり見せてくれないかな
●武器自慢
コシチェイ。本来の歴史において、その名の起源はスラヴ神話であり、邪悪な魔人として古くより語り継がれてきた。
かの悪人の名を奪った『蒐集卿』コシチェイは、果たしていかなる魂の持ち主なのか?
ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は、軽やかな足取りをコシチェイの前で止める。
「なんだ、わからないの。蒐集卿なのに。ジェネラル級なら、きみの価値はきみが一番分かってるはず」
可憐さと優美さを併せ持つ、完璧なカーテシーと共にご挨拶。
「どうも。お会いできて光栄です。最終人類史の品々、お気に召したようで何より。ここまで歴史を紡いで来た僕たちもその点悪い気はしないね」
満月に咲く薔薇のように微笑むロキシア。彼の所作に、コシチェイは意外そうに首を傾げる。
「ふむ……? ディアボロスというのは、すぐに殴り掛かって来るものと思っておりましたが」
「僕はこのひとときに価値を見出したんだ。今この瞬間誰しも物語を綴っているのだから、出来る限り価値あるものにしたいでしょ。ディアボロスの装備も見ていかない? 面白いよ」
言葉と共に、ロキシアは穂先を向けずに“魔槍”Mk-Ⅱを取り出した。
「ほう……」
洗練された造形の槍に、コシチェイは関心を向ける。敵地でそんな悠長にしている場合ではないのでは、というツッコミは止めてあげて欲しい。
コシチェイは己の知識欲と好奇心を基軸に行動する男なのだ。掴みは上々。ロキシアは手にした武器について解説を始める。
「決戦兵器(ファルス)。これは伝承や物語を内包した武装の一つでね。とあるジェネラル級との鍛錬を切欠に思い付いたんだ。普段は槍みたいに使うけれど、一度伝承開放と唱えれば……ケルトのゲイ・ボルグのお話通りに敵を貫く」
「ほう! それが事実ならば、何とも興味深い」
「色んなディヴィジョン、色んな強敵を相手に共に戦ってきた、思い出深い僕のお宝さ。どうだい、すごいでしょ」
ウインクをひとつ。自慢げに語るロキシアへと、コシチェイは上機嫌に頷いた。
「ふむ、悪くない。悪くないですな。造形も美しく……何より光沢のある赤が素晴らしい」
それは嘘偽りのない称賛の言葉だ。ロキシアは嬉しさに、ふふっと笑い声をこぼす。
「お褒めに預かり光栄です。よければきみの自慢の品も、少しばかり見せてくれないかな」
「ならば、『魔女生まれの怪馬』をご覧に入れましょう!」
コシチェイは一切の迷いなく――それこそ待ち侘びていたように、魔女生まれの怪馬を召喚した。
青い毛に赤眼の怪馬が、コシチェイへと鼻をすり寄せる。
「どうです、妖しくも美しい毛並みでしょう? 風の如く駆ける私の愛馬ですぞ。地上も空中もお手の物。敵が大勢居ようと関係ありませぬ。暴風が、塵芥のように吹き飛ばすのです!」
怪馬を撫でながらコシチェイは饒舌に語る。
「実に美しく逞しい。ひとたび走り出せば、より力強く敵陣を蹂躙するのだろうね」
ロキシアが怪馬についての評価を言えば、コシチェイは「もちろんですとも!」と誇らしげに返した。
戦う前の会話とは到底思えないが……それが一層、コシチェイの異常さを際立たせているともいえる……かもしれない。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
ロザーリヤ・ユスポヴァ
暇がないだと? 時間なら十分に与えてやっただろう
ぼく達が此処に至るまで、進軍もせず戦利品の整理に励んでおいて……なぜ、未だ選別の段階なのかね
“蒐集卿”に相応しき眼識があれば、既に何を至宝とすべきか定めている頃だろう?
雑多な品物の山から1枚の絵を素早く見定めて取り上げる
見たまえ、簒奪者よ。原生林の中で王の如く悠然と佇むオーロックスを描いた作品だ
ポーランドで最後の1頭が息絶えた家畜牛の原種が、今やごく狭い範囲となった人が分け入らぬ森の中に暮らす姿
その主題は古き時代への憧憬の顕れであり、同時に歴史の忘却に対する警鐘として心に響く
ぼくはこれを気に入った。いずれ正式に、所有者と購入の交渉の場を設けたいものだ
絵を【アイテムポケット】に保護し、情熱を潜めて冷たい視線を敵に送る
蒐集とは、この世の全てを手中に収めることではない
諸物の中で抜きんでた価値を発見し、選び取る営みだ
お前には最後まで分からぬのだろうがな
魔人コシチェイ、その贋作よ。今こそお前を誅殺してくれよう
分不相応な名を騙った罪を悔いて死ぬがよい!
●蒐集とは
武器自慢にご機嫌な様子のコシチェイであったが、楽しい時間ほど過ぎ去るのは早い。状況が状況なだけに、なおさらである。
「実に惜しい。もっと時間があれば、このような状況でなければ、蒐集品の話も、収集した物品の吟味もできたでしょうに」
コシチェイが心底残念そうに溜息をついた。
暇がない、時間がないと嘆く彼に、ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は鋭く言い放つ。
「暇がないだと? 時間なら十分に与えてやっただろう」
「む……」
コシチェイが眉を寄せるが、ロザーリヤは構わず続ける。
「ぼく達が此処に至るまで、進軍もせず戦利品の整理に励んでおいて……なぜ、未だ選別の段階なのかね。“蒐集卿”に相応しき眼識があれば、既に何を至宝とすべきか定めている頃だろう?」
コシチェイが何か言い出す前に、ロザーリヤは積まれた品物の傍へと歩み寄った。
雑多な品々の山から、僅かな時間で一枚の絵を見定め、そっと手に取り上げる。
「見たまえ、簒奪者よ。原生林の中で王の如く悠然と佇むオーロックスを描いた作品だ」
最初、彼女の言葉に不快を示したコシチェイだったが、一枚の絵について語り始めた途端に口を閉ざした。
言われたとおりに、ロザーリヤが持つ絵を見つめている。
「ポーランドで最後の1頭が息絶えた家畜牛の原種が、今やごく狭い範囲となった人が分け入らぬ森の中に暮らす姿。その主題は古き時代への憧憬の顕れであり、同時に歴史の忘却に対する警鐘として心に響く。ぼくはこれを気に入った。いずれ正式に、所有者と購入の交渉の場を設けたいものだ」
絵をアイテムポケットへと丁重に仕舞い込んだ後、ロザーリヤは冷めた眼差しをコシチェイへと送る。
「蒐集とは、この世の全てを手中に収めることではない。諸物の中で抜きんでた価値を発見し、選び取る営みだ。お前には最後まで分からぬのだろうがな」
コシチェイは絵を奪われたにも関わらず、怒り狂うことなく落ち着いた表情を浮かべていた。
ロザーリヤの言葉に、思うことがあったのだろう。
「……確かに、そちらの言うことにも一理あるでしょうな。私は私にとって、真に価値あるものを選べていない。だが、それは私が最終人類史の価値基準を知らぬからです。だからこそ、知るために一度すべてを手に入れるのです」
「それはただの怠慢だ。眼識が無い者の言い訳に過ぎない」
ロザーリヤはきっぱりと断じる。
コシチェイのやり方は、乱暴に奪った挙句、後で無価値と判断されて捨てられる品々のことを微塵も考えていない。
「魔人コシチェイ、その贋作よ。今こそお前を誅殺してくれよう。分不相応な名を騙った罪を悔いて死ぬがよい!」
ロザーリヤの言葉が、力強さと重みと共にコシチェイへと届く。
「私は確実に収集品を持ち帰るのです。蒐集を完了した暁に、私の新たな武器とするために。……はあ、未知なる品々に浮かれてばかりではいられませんな! 残念、残念」
コシチェイは赤い眼に禍々しい光を宿した。それは、言葉を交わす時間が終わったことを意味している。
「先程貴女が持っていったオーロックスの絵も……後でゆっくり眺めると致しましょう!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
レイラ・イグラーナ
大領主というのは趣味に生きる者も多くおられるようですね。
特に音楽を好む「チャイコフスキー」、芸術活動全般に造詣が深い「セルゲイ・ディアギレフ」。彼らもそうでした。
彼らの領地では人民は自由を奪われ、音楽も芸術も、人民を従属させる手段として使われておりました。
貴方がたがそうして人民を従属させ自由を奪う限り、私たちも戦いを辞めはしません。
大領主コシチェイ、お覚悟を。
銀の針を手に中距離で戦闘を行います。
怪馬の突撃で薙ぎ払われないよう、他の復讐者とは散開し、囲むようにして戦闘。
騎馬の突破力で包囲から脱されようと【パラドクス通信】で連携を取り、すぐに多方向から攻撃を仕掛けていきます。
敵の突撃に対しては風に逆らわず飛び下がり、【ガードアップ】の硬質化と合わせて両刃剣による傷を抑えます。
馬に騎乗するコシチェイに対し【雷花一徹】。馬の速度により周囲に暴風が吹き荒れようと、その風をも切り裂く雷の速度で針を投擲し、コシチェイを貫きましょう。
その野望も、肉体も、ここで打ち砕きます。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
芸術家と蒐集家は、良好な関係を保ってきたものだが
貴方を見ていると、芸術への愛ではなく
蒐集そのものへの情熱が勝るようだ
無造作に詰まれた美術品が悲鳴を上げている
それを真の蒐集とは呼ぶまい
大人しく領地で品を愛でていればよいものを
仲間とPD通信で連携を取り戦闘
PDで宙に絵筆で敵の姿を描き出し、攻撃
描き出す、その姿は
コシチェイ、次なるは怪馬
動き出す絵画をご覧に入れよう
戦況を観察しつつ把握
仲間とは挟撃や包囲になるよう位置取り
敵の動きをまねるように、分身を操り
時には彼の技を映し取る
仲間とタイミングや角度をずらして畳みかけ意表を衝くよう
自身に注意が向けば、技で引き付ける
敵の攻撃には、箱を持てば
跳び下がりつつコートと魔力障壁を張り身を守り
青い毛並みがお好きなら
青い羽はお嫌いかい?
芸術を介するならば、芸術家に刃を向けぬ事だ
やり取りで彼の矜持を誘い
攻め手が緩めばまあ儲け物程度だ
あなた方が踏み躙らんとする
この世界には素晴らしい芸術が溢れている……
それを生み出す者を害そうとするのもまた、あなた方だ
括毘・漸
全てを手に入れるですか、そんなの子供の我儘にも劣る発想ですな。
その我儘で切り捨てられる存在もいるというのに……だからこそ、そのような事が起きないよう、ここで貴方を倒します。
騎乗する馬の存在は厄介ですからね、【泥濘の地】を使用して移動の速度を落としましょうか。
さて、貴方は自分の蒐集した品が汚れるのは許容できますかな?
そのまま地面にいるなら結構、空を飛んでも既に飛ぶことはわかっていますから対応もしやすいですからどっちに転んでも良しです。
さ〜て、泥臭くやりましょうか。
銀の細工が施されたサーベルを鞘に擦り付けるように引き抜き、刀身に熱を帯びさせる。
泥濘んだ地面を泥に塗れながらも駆け抜けながら、サーベルを振るい【夕暮落とし】を発動させる。
狙いは足、それも馬の足です。
狩りの基本は足を奪い動きを止め追い込むこと。
ここに来た時点で狩場に入っているのですよ。
熱を帯びたサーベルで馬ごと灼き斬り、追い込んでいく。
振るわれる両刃剣ともサーベルで打ち合い、擦り合う熱をサーベルに纏わせ、熱の斬撃を繰り出し続ける。
アヴィシア・ローゼンハイム
物に対する執着はかなりのものね……見ていて呆れちゃう程
民の虐殺には消極的なのは好都合だわ。守ることに集中できるから
正当な取引ではなく、人の物を勝手に持ち出す貴方は単なる窃盗犯
図々しい盗人さんには、代金を払っていただくわ
代金はもちろん、貴方の命よ
さあ、おいで?私の可愛い蝶達よ
青く煌めくカンテラ、幽冥の導から瑠璃色の蝶を呼び出し大鎌を形成
冥府へと誘う大鎌を舞うように振い、魂を引き裂いて
ダメージアップと命中アップを活かして、確実に体力を減らしていくわ
怪馬と両刃剣による攻撃は、振りかぶるタイミングを見計らい、大鎌で受け流すように防御
両刃剣を真正面から受け止めないように心がける
ガードアップも利用して、ダメージの軽減を試みるわ
七つの大罪を知っているかしら?
人を死に至らしめる七つの罪。その一つが強欲
欲に抗えなかった人が辿る道はただ一つ、破滅よ
さあ、導きなさい。幽冥より来たりし、夢現の胡蝶よ
強欲なる大罪人を、冥府の彼方へと連れ去りなさい
そんなに蒐集がしたいのなら、ゲヘナで存分にしたらいいわ
●強欲なる者の辿る路
息が詰まるようなどろりとした威圧感は、並々ならぬ物への執着から来るものか。
それとも、最終人類史での戦闘という『不利な状況』など構わぬ、興味などないと一蹴する冷淡さか。
おそらく両方であろう。彼は知識欲と好奇心を基軸に行動する男である。
彼は断片の王からの命令を建前に、彼自身の欲求を満たすため、強欲に最終人類史の品々を求めている。
だからこそ、収奪した品を取り戻そうとするディアボロスたちへと、明確な敵意を向けるのだ。
「……空気が変わりましたね。趣味がどうあれ、ジェネラル級であるということに変わりはないということですか」
空気が変われば、風に混ざる匂いも変わる。血の香りが濃くなる感覚に、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は瞳を細める。
重圧に屈することなく、アヴィシア・ローゼンハイム(Blue・Roses・g09882)は涼しげな眼差しをコシチェイへとやった。
「物に執着するがゆえの覇気、といったところかしら。奪った物を自分の物にしたくて堪らないようね」
「奪われたものを取り戻そう。芸術家として、いつまでも乱雑に積まれた美術品を眺めているわけにはいかない」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は凛然と言葉を紡ぐ。
収奪された品々を、一刻も早く在るべき場所へ戻してあげたい。それらは人々の生活に欠かせぬ大切なものなのだ。
銀の針を手に取り、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は針先をコシチェイへと差し向ける。
「行きましょう。人民の皆様の生活を脅かされるわけにはいきません」
――魔女生まれの怪馬が激しく嘶く。怪馬に跨りコシチェイが高らかに言い放った。
「これらの品々はすべて私のものです。貴方たちになど渡しませんよ!」
両刃剣を手に馬を駆るコシチェイ。かの強欲の権化を見据え、漸は鞘へと手を掛ける。
「全てを手に入れるですか、そんなの子供の我儘にも劣る発想ですな」
我儘な子供だって、いつかは必ず思い知るのだ。全てを手に入れるなど、到底不可能であることを。
「その我儘で切り捨てられる存在もいるというのに……だからこそ、そのような事が起きないよう、ここで貴方を倒します」
眼前のジェネラル級の皮を被った『子供』に、今こそ現実を教えてやらねばなるまい。
泥濘の地を周囲へと広げ、漸は柔らかに問いかける。
「さて、貴方は自分の蒐集した品が汚れるのは許容できますかな?」
「泥濘ですか。そのようなもの、私と怪馬には意味がありませぬ!」
コシチェイは怪馬を空中へと走らせた。コシチェイを見上げつつ、漸は薄く笑った。
「飛びたいのならどうぞ飛んでください。飛んだところで、意味などありませんからね」
サーベルを鞘に擦り付けるように引き抜けば、銀の細工がギラリと光る。光は瞬く間に橙色の炎に包まれ、刀身を赤熱させた。
漸は泥濘んだ大地を蹴り上げた。撥ね上がる泥に構わず、彼は怪馬に乗るコシチェイへと接近する。
駆ける怪馬の暴風が襲い来るが、阻まれて狙いを違えるようなことは無い。
「……! この風圧を越えてきますか!」
コシチェイが両刃剣を漸へと振り下ろす。同時、漸も夕暮落としを閃かせた。
泥臭く、強かに。猟犬は必ず獲物へと牙を突き立てる。
狙いは怪馬の足。そこからコシチェイへと斬り上げるように、熱を帯びたサーベルを振るった。
「ここに来た時点で狩場に入っているのですよ」
サーベルが怪馬の足を裂き、その先にいるコシチェイの体を斬り裂いた。
振るわれた両刃剣が体を掠め、血が飛散する。その斬撃は致命的な傷にはならず、繰り出された二撃目はサーベルで打ち払ってみせた。
「時は過ぎ去り、日は落ちる。貴方がやってきた蒐集活動は、この地で終わりを迎えるのです」
体勢を立て直す隙を与えず、アヴィシアがSt. Elmoを召喚する。
「さあ、おいで? 私の可愛い蝶達よ」
幽冥の導が青く煌めき、灯火から無数の瑠璃色の蝶が飛び立った。蝶たちは羽搏き、集まり、青白く輝く大鎌へと姿を変える。
迷える魂を導く冥府の蝶は今、欲に塗れた邪悪な魂を切り裂く刃となった。
「ほう、なかなかに美しい武具ですな!」
このような状況でも、冗談のような本音をコシチェイは紡ぐ。漸が付けた傷は、確実にコシチェイの肉体を削ぎ取った。
それでもまだ足りぬということだろう。当然だ。相手はジェネラル級なのだから。
「魂の奥底まで強欲に浸かりきっているようね。……貴方が誘われるその先には、燃え尽きることのない炎が待っていることでしょう」
足りぬなら、足りるまで攻撃を重ねるのみ。
大鎌を握るアヴィシアを、彼女だけに視える光が導く。光はコシチェイへと続き、『此処を斬れ』と示しているかのようだ。
「さあ、導きなさい。幽冥より来たりし、夢現の胡蝶よ。強欲なる大罪人を、冥府の彼方へと連れ去りなさい」
怒りの力を最大までのせ、アヴィシアは大鎌を振るった。舞い踊るような斬撃が、コシチェイの体を深く斬り裂く。
裂かれながらもコシチェイは体勢を立て直し、怪馬と共にアヴィシアへと迫った。
「地獄に行く予定は、まだまだ先なのでね!」
瞬く間に繰り出される両刃剣を、アヴィシアは大鎌で受け止める。
体を強い衝撃が襲うが、強固にした肉体が致命傷から彼女を守った。怪馬が放つ暴風に耐えながら、アヴィシアは紡ぐ。
「七つの大罪を知っているかしら? 人を死に至らしめる七つの罪。その一つが強欲。欲に抗えなかった人が辿る道はただ一つ、破滅よ」
「ほう、最終人類史の教えか何かですかな?」
「……正当な取引ではなく、人の物を勝手に持ち出す貴方は単なる窃盗犯。図々しい盗人さんには、代金を払っていただくわ。代金はもちろん、貴方の命よ」
「それはたいへん高額ですな。いやはや、困りましたな! まだまだ蒐集し足りないというのに」
コシチェイはくつくつと不気味に笑う。骸骨のように白い顔を、アヴィシアは氷のような眼差しで見つめた。
「そんなに蒐集がしたいのなら、ゲヘナで存分にしたらいいわ。もっとも、冥府の住人たちがそれを許してくれるとは限らないけれど」
罪人には裁きが待っている。
――刹那、鍔迫り合うコシチェイの後方が激しく発光した。
雷が落ちる時にも似たその光を捉えた瞬間、コシチェイの背に鋭い衝撃が走る。レイラの銀の針が、彼の体を貫いたのだ。
「ぬっ……」
眉を寄せながらアヴィシアから離れるコシチェイ。レイラは新たな針を手に構え、淡々と次の攻撃準備へと移行する。
「大領主というのは趣味に生きる者も多くおられるようですね。特に音楽を好む『チャイコフスキー』、芸術活動全般に造詣が深い『セルゲイ・ディアギレフ』。彼らもそうでした」
だが、彼らが扱う音楽や芸術は、本来在るべき姿とは程遠い姿と化していた。歴史を改竄するように、それらもまた間違った行いに使われていたのだ。
「彼らの領地では人民は自由を奪われ、音楽も芸術も、人民を従属させる手段として使われておりました。貴方がたがそうして人民を従属させ自由を奪う限り、私たちも戦いを辞めはしません」
人民の平和を脅かす圧政者がいるかぎり、レイラの武器が置かれることは無い。
「ふうむ、実に厄介ですな!」
怪馬の進路を変え、コシチェイはレイラへと突進する。彼の手で光る両刃剣を睨み据え、レイラは肉体を硬質化した。
殴り付けるような風が彼女を襲う。無理に逆らっては却って消耗する――そう判断したレイラは、風の流れに沿うように飛び下がった。
しっかりと身構え、繰り出される両刃剣を受け止める。血が迸るが耐えられる痛みだ。
ガードアップの効果が生きたことで、コシチェイの剣撃は彼女に致命傷を与えることができない。
「厄介なのはそちらも同じことです。人民の皆様に必要な品々を、貴方がたに利用させるわけにはいきません」
荒れ狂う暴風の中で、レイラはコシチェイの姿を捕捉する。
「――捉えました」
「!」
息を詰めるコシチェイ。同時、雷花一徹の力を銀の針に纏わせ、再び射出する。
「大領主コシチェイ、お覚悟を」
雷鳴よ届け、邪悪な敵の魂を貫き、火花を散らせ。銀の針がコシチェイの肉を骨ごと穿つ。
「その野望も、肉体も、ここで打ち砕きます」
「打ち砕かれてなるものですか。私の野望はまだ終わりませぬ!」
コシチェイは強情に言い放った。その姿を見つめ、エトヴァは静かに息をつく。
「芸術家と蒐集家は、良好な関係を保ってきたものだが――」
その声色には呆れが滲む。無理もない。芸術家としてコシチェイと向き合えば、溜息の一つくらい付きたくもなる。
積まれた美術品へと一瞬視線をやり、すぐにコシチェイへと戻す。
「貴方を見ていると、芸術への愛ではなく、蒐集そのものへの情熱が勝るようだ。……無造作に積まれた美術品が悲鳴を上げている。それを真の蒐集とは呼ぶまい」
美術品にはそれぞれに相応しい置き方があるというのに、これでは雑過ぎるというもの。エトヴァの言葉に、コシチェイが返す。
「仕方がないでしょう? 他に置く所がないのですから」
「崩れて破損でもしたら、どう責任を取るつもりか」
「ならば、修復すれば良いだけの話でしょう」
コシチェイの返答にエトヴァは眉を寄せた。元通りにできたとしても、一度破壊されたという事実は消えない。
戦争で破壊される絵画や彫像など見たくない。仲間たちの攻撃と息を合わせるように、エトヴァは絵筆を振るう。
「……大人しく領地で品を愛でていればよいものを。やはり貴方は、この地の品々を手にするに相応しくない」
断言し、怪馬に跨るコシチェイの姿を描き出した。
「ほう、私と怪馬の姿を描くとは面白い。しかし、その質はいかほどか?」
鉄の箱を開錠し、膨大なエネルギーを解放する。引き起こされる大爆発が、エトヴァと彼が描いた絵を呑み込まんと迫った。
エトヴァが衝撃から身を護る中、絵の怪馬は高らかに嘶き、絵のコシチェイを乗せて爆風の中を駆け抜ける。
「青い毛並みがお好きなら、青い羽はお嫌いかい? 芸術を介するならば、芸術家に刃を向けぬ事だ」
青空の翼を広げエトヴァが紡ぐと同時。彼が描いたコシチェイと怪馬が本物のコシチェイへと肉薄し、その体を容赦なく斬り付けた。
「ぐうっ……見た目だけでは、ないようですな。なるほど、中々に優れた芸術家のようで」
「あなた方が踏み躙らんとするこの世界には素晴らしい芸術が溢れている……それを生み出す者を害そうとするのもまた、あなた方だ」
芸術を求めながら芸術の芽を摘み取る存在を、許すことなどできない。
度重なるディアボロスたちの攻撃によって、コシチェイは少しずつその魂を削り取られてゆく。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
【リザレクション】LV1が発生!
オスカー・メギドューク
・心情
さて、我が盟友たる“蒐集卿”の言葉の通りだ
卿には、収集品を持ち帰ることなく、今ここで退場してもらおうか
・戦闘
ネメシスモードを発動
残留効果1の《飛翔》や《フライトドローン》で足場を作ることによる《エアライド》で空中でも攻撃を行えるようにし、《泥濘の地》で足場を崩し《トラップ生成》でワイヤーの網やトリモチを放ち動きを鈍らせ、隙を作る
そうして生まれた隙に、残留効果2の《能力値アップ》《命中アップ》《ダメージアップ》《反撃アップ》で少しでも戦力の底上げをした、パラドクス『槍牙双煌』による攻撃を全力で叩き込もう
敵の攻撃は覚悟の上だ……他の面々がより強き攻撃を放つ為の、時間稼ぎになれれば十分さ
・その他
ネメシスモードの姿は青いエネルギーがコウモリの翼のようになり、紺のアンダースーツと紫のタイツの上から銀のビキニアーマーを着けたような姿です
会話等のアドリブは大歓迎だよ
ロザーリヤ・ユスポヴァ
略奪に耽溺する悪癖にもかかわらず、お前は精鋭に選ばれた
蒐集家としては下の下だが力は卓絶しているようだ
……然らば、我が最大の奥義を以て迎え撃ってくれよう
【パラドクス通信】で仲間と戦況を伝え合い、敵が飛んだら【飛翔】で追跡
協力して退路を塞ぎ、多方向からの猛攻を
攻撃の好機を見出したら≪落涙の絵筆≫を宙に走らせパラドクスを発動
周囲の空間に広がる色彩で景色を塗り替え、輝かしき収蔵庫を一時顕現させる
伏して拝謁するがいい。これよりお前が識るものこそが、『“蒐集卿”』だ
収蔵庫の魔術で加護を纏い、愛剣≪死せざる■■■■■≫を抜く
敵が整然と並んだ宝の数々に目を奪われれば話は早いが、そうでなくとも【命中アップ】がある
僅かな隙も見逃さぬ精密なる剣技で急所を突き刺そう
大爆発からは【エアライド】の跳躍で素早く距離を取り威力を軽減
マントを翻して飛び出し、攻撃後の隙を狙って渾身の一撃を放つ
お前が最終人類史の全てを目にしたとて、その真の宝には理解が及ばぬだろう
新たな宝を生み出し続ける、民衆の熱情にはな
……さらばだ、贋作!
イオナ・ガルバローゼ
【パラドクス通信】を使い居合わせた味方と協力できれば
自分は味方の攻撃を敵に通すよう隙を作るように動きましょう
蒐集卿、いえ、紛い物らしく蒐集狂と言うべきですか
強力なジェネラル級は幾らでも居て各々種族の性質に従いますが
これのような特殊な行動原理を持つ者は厄介です
同胞の宿敵と言う事を加味しても此処で逃がすわけには行きません
魔女生まれの怪馬、これも御伽噺の馬ですね
何より早く飛び駆けるとなると追いつける自信がありませんが
どちらにしても攻撃の瞬間はこちらに近づく必要があるでしょう
【能力値アップ】で馬の軌道を追い
【命中アップ】で仕掛けるタイミングを見切ります
初めにRose of Sharonを潜行させ両手に武器を構え誘い出し
馬が通過する瞬間を狙い地底から鉱石の根を突き刺し
【ダメージアップ】を掛けます
ポーランドは欧州第二位の銅生産国です
そこには夜明の太陽のように眩い薔薇が咲く事でしょう
ロキシア・グロスビーク
アドリブ連携ご自由に
さて、お会計ですよ。ミスター
軽々一回し、“魔槍”の穂先が敵を向く
タダでは帰れない。タダでは帰せない
そういうこと。一括払いでよろしくね
残留効果が揃ってるなら、
人数も居ることだしふだん稀なのもそこそこ発動するかしら
頭に入れつつ後述の残留効果も併せ攻守を多角的に
皆色々試すだろうから、互いに邪魔にならないよーに
間断なく攻撃を集中させて押し切ろう
視点が少し高く取れそうだし、
特定の味方が狙われることが無いよう何時でも遮れる構えも
有利ったってジェネラル級相手ですもの。ご安全に!
後は刺せるときに刺す!
唸れ“魔槍”。伝承、5種開放!
コマンドワードに応じ剣呑なオーラを穂より漲らせ
禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!
紅い軌跡が戦場に閃き、万象穿つ槍撃が放たれる!
反撃に際しては
僕は馬も乗るからね。それ(怪馬)、ひと目で気に入ったんだけども――
言いつつ槍を構え、攻撃に備えて
ホラ、顔が良いし。ここは蹂躙じゃあなく拮抗する絵面でヨロシク
攻撃に対し圧されながらも【エアライド】を用い体勢を整え継戦
●強欲なる者の最期
最終人類史である西ポーランドの大地は、ディアボロスたちに味方する。
だが、だからといって決して侮ってはいけないと、ディアボロスたちは十分に理解している。
僅かでも油断すれば、ひっくり返される危険性すらある相手だ。たとえこれまで順調に消耗させていようと関係ない。
現実として、コシチェイは傷付いてはいるものの、攻撃の一つ一つは強力そのもの。
ディアボロスたちが軽傷で済んでいるのは、実力、自陣という有利性、運……すべての要素が上手く嚙み合っているからこそなのだ。
歯車が嚙み合わなくなれば、戦況などいくらでも変化するだろう。
ロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は飛翔で空へと舞い上がった。
この地は最終人類史であり、さらには周辺のトループス級も排除できている。集中砲火を浴びせてくる敵がいない今、空を自由に飛び回れるのはコシチェイだけではない。
「略奪に耽溺する悪癖にもかかわらず、お前は精鋭に選ばれた。蒐集家としては下の下だが、力は卓絶しているようだ。……然らば、我が最大の奥義を以て迎え撃ってくれよう」
オスカー・メギドューク(“槍牙卿”・g07329)は青いエネルギーの翼を蝙蝠のように広げ、ネメシス形態へと姿を変えた。
「我が武勇を以て助太刀しよう。そのために、此処に来たのだからね」
決して逃がすわけには行かないと、イオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)も武器を構える。
「強力なジェネラル級は幾らでも居て各々種族の性質に従いますが、これのような特殊な行動原理を持つ者は厄介です」
皇帝の命令で最終人類史に訪れつつも、コシチェイは我欲を隠すことなく行動している。
先程の会話がそれをよく証明していた。語らいを思い返し、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は柔らかに瞳を細める。
「束の間の語らいが、既に懐かしいね。時間とはあっという間に過ぎ去るものだ」
苛烈な戦場と化した現状からは考えられない邂逅であった。燭台を手に取り、コシチェイも口惜し気に紡ぐ。
「ロマノフの我が屋敷にて、ゆっくりと語りたいものですな。きっと私の利になる情報もあることでしょう」
その言葉には利己的な思惑しかないのであろう。オスカーは青く煌めく翼を羽搏かせ、コシチェイと対峙する。
「残念だが、卿にその機会が訪れることはない。卿は、この地で果てるのだから」
メギドュークの槍、そして魔剣「ヴァルヌートゥンク」を抜き放った。
一族に代々伝わる槍、そして叙事詩にその名を刻む魔剣を手に、彼女は倒すべき敵を睨み据える。
「さて、我が盟友たる“蒐集卿”の言葉の通りだ。卿には、収集品を持ち帰ることなく、今ここで退場してもらおうか」
両手に持つ武具へとエネルギーを注ぎ込んだ。銀光のオーラが槍と剣を取り巻き、壮麗な輝きを放っている。
世界が、最終人類史が、オスカーを祝福している。敵地で戦うよりも遥かに強い煌めきを、彼女の武器は宿した。
――槍牙双煌。“槍牙卿”として磨いた技を今、守るべき地を脅かす敵へと叩き込むのだ。
飛翔だけでなく、空中へと無数に展開されたフライトドローンを足場に跳び、コシチェイへと接近する。
「煌めき刻め、我が『牙』よ!!」
命中アップの効果により生じた『敵へと続く導きの光』を頼りに、煌めく刃を繰り出した。
十字を描くように斬り捌けば、強烈な一撃はコシチェイの体から血を迸らせる。
「ぬうっ……いい加減、私の服を汚すのは止めてもらいましょうか!」
コシチェイは燭台を手に取り、流れ出す己の血を灯る火に垂らした。灯火が激しく燃え上がり、中から無数の赤い蝙蝠が飛び出す。
蝙蝠たちは一斉にオスカーへと攻め寄せた。
撒き散らされる超高温の液体に体を焼かれながらも、オスカーは焦ることなく、攻撃を耐え凌ぐ。
反撃を身に受けるのは元より覚悟の上だ。
(「他の面々がより強き攻撃を放つ為の、時間稼ぎになれれば十分さ」)
「フフッ、辛そうですね! どうです、私の蒐集至宝の一つ、火の鳥の燭台の威力は……」
コシチェイが笑う。彼の歪な笑顔を、オスカーはどこか冷めた眼差しで見つめた。
「随分と楽しそうにしているが――」
『その瞬間』はすぐに訪れるだろうと、彼女は確信していた。コシチェイが笑う余裕を無くす瞬間が。
今やコシチェイは注目の的だ。四方八方から敵意と殺意が降り注ぐ。
コシチェイを視界に捉えつつ、イオナは率直な感想を心に抱いた。
(「蒐集卿、いえ、紛い物らしく蒐集狂と言うべきですか」)
紛い物を必ず仕留めると決めたのだ。イオナは己の武器の刃先で僅かに自身の肌を裂いた。鮮血が大地へと零れ落ち、その赤を滲ませていく。
「わたくしの血を代償に薔薇を咲かせましょう。強敵をも刺し穿つ、美しくも鋭き薔薇を」
大地へと染み込んだ赤は、一輪の薔薇を呼び寄せる。攻撃の気配に気付き、コシチェイが再び怪馬を走らせた。
「まったく、次から次へと!」
巻き上がる暴風に耐えるように大地を踏み締め、イオナは両手の剣を堅く握る。
「魔女生まれの怪馬、これも御伽噺の馬ですね」
地と空を駆ける駿馬に追いつける自信はない。けれど、追い付く必要もない。
どちらにせよ攻撃の瞬間、怪馬とコシチェイの姿を捉えることはできるだろう。そのタイミングを狙うのだ。
最大まで強化された力を追い風に、Rose of Sharonを地中へと潜行させる。
イオナだけにしか視えぬ光が攻撃の好機を教えてくれる。コシチェイが跨る怪馬の軌道を、導きの光が指し示した。
「――視えました」
怒りのエネルギーを薔薇へと注ぎ込み、硬質化させた根を以て怪馬とコシチェイを貫く。
「ぐうっ、まだ、まだ!」
根に刺し貫かれながらも、コシチェイは両刃剣でイオナを斬り裂いた。
両手の剣で剣撃を受け止め、痛みと衝撃を耐え凌ぎながら、イオナはコシチェイへと語りかける。
「蒐集狂、このポーランドがどのような国か、ご存知ではないでしょう?」
「何が言いたいのですかな」
眉を寄せるコシチェイへと、イオナは力強く紡いだ。
「ポーランドは欧州第二位の銅生産国です。そこには夜明の太陽のように眩い薔薇が咲く事でしょう」
地中から顔を見せた薔薇が、太陽に照らされて大輪を花開かせる。
その薔薇は宝石のように美しく、煌びやかに咲き誇っていた。
ここまで追い詰められていなければ、コシチェイもその花を見て「美しい」と言っていたかもしれない。
「卿が興じている間に、仲間の刃が卿の身に届いたようだね」
余裕げな笑みが消えたコシチェイへと、オスカーが紡ぐ。
彼女だけではない。皆がその瞬間を、コシチェイが不気味な笑みを引っ込める時を待っていた。
ロザーリヤは落涙の絵筆を手に、死刑を宣告する裁判官のように告げる。
「己の衝動に身を任せ、分不相応にもこの地の品々を奪おうとした。その代価を支払う時だ」
「さて、お会計ですよ。ミスター」
宝石店の店主のように上品に紡げば、ロキシアも“魔槍”Mk-Ⅱの穂先をコシチェイへと軽やかに差し向けた。
上等な衣に夥しい赤を滲ませながら、コシチェイは無理やりに口端を上げる。
「……これは、高く付きそうですな」
「タダでは帰れない。タダでは帰せない。そういうこと。一括払いでよろしくね」
魔槍を掲げ、コマンドワードを唱える。伝承をその内に宿す魔槍は、詠唱と共にオーラを漲らせた。
その輝きは見る者に恐怖を植え付ける。剣呑たる紅色は花の如く咲き誇り、眼前の敵へと威容を見せ付けるのだ。
「ご照覧あれ。きみが素晴らしいと評したこの“魔槍”より紡がれる、5つの伝承を」
仲間たちの攻撃の隙間を縫い、敵に一縷の勝ち筋すら与えぬように、勝利する未来を編み上げるように。
ロキシアは空を駆け、瞬く間にコシチェイへと肉薄する。手にした魔槍が一際強く、激しく煌めいた。
「一接ぎのち咲き誇るは、紅い花――禍えり裂く赤棘の槍(ゲイ・ボルグ)ッ!」
軌跡が空を裂き、戦場を紅く彩る。それは魔槍が放つ紅か、穿たれたコシチェイの体から噴き上がる血の赤か。
閃く紅色の中で、怪馬の嘶きが響き渡った。
――来る。吹き付ける暴風に、ロキシアは槍を前方へと構える。
直後、コシチェイの両刃剣と交差した。重い一撃を、ロキシアは全身に力を込めて受け止める。
「ぬう……押し切れませんか……!」
コシチェイが悔しげにこぼす。だが、僅かでも力を抜けば、瞬く間に圧し斬られてしまうであろう。
断崖絶壁に立つような心地に在りながら、ロキシアはコシチェイが乗る怪馬へと視線をやった。
怪馬の赤い眼と目が合い、にこりと穏やかに微笑みかける。
「僕は馬も乗るからね。それ(怪馬)、ひと目で気に入ったんだけども――」
槍と両刃剣が離れる。後方へと飛び退きながら、エアライドで宙を跳び体勢を維持する。
「ホラ、顔が良いし。ここは蹂躙じゃあなく拮抗する絵面でヨロシク」
笑みを絶やさないロキシアに対し、コシチェイは白い顔を歪めている。骸骨の頬には、彼自身の血が真っ赤にこびり付いていた。
「拮抗どころか、これでは……このままでは――」
「魔人の名を騙りし者よ、今こそ思い知る時だ」
凛と告げ、ロザーリヤは絵筆を宙へと走らせる。呪いが宿る絵筆が描くは、彼女の輝かしき収蔵庫。
コシチェイを包み込むように景色は広がり、刹那の異空間へと閉じ込める。
眼前に広がる秘宝に、コシチェイは驚愕の声を上げた。
「こ、これは……! なんと絢爛、なんと荘厳な……!」
「伏して拝謁するがいい。これよりお前が識るものこそが、『“蒐集卿”』だ」
ロザーリヤは死せざる■■■■■を抜き放ち、加護を纏わせる。ハッと我に返ったコシチェイが、命脈の匣をとっさに展開した。
「まだ死ぬわけにはいかぬ! 私にはまだ集めるべき品々がっ!」
膨大なエネルギーが膨れ上がり、大爆発を引き起こす。
ロザーリヤはエアライドを駆使し、素早く後方へと飛び退いた。爆発の衝撃を軽減しつつ、爆炎の奥に居るコシチェイを睨み据える。
――爆発の威力は絶大。無策で挑めば致命傷は必至だろう。だが、ジェネラル級とやり合う以上、それは当然のことだ。
今更その事実に対して思うことはない。それよりも――。
「……やはり、本物には程遠いな。本物の『不死身のコシチェイ』ならば、お前よりもずっと厄介な戦法を取っただろうよ」
鉄の箱からはウサギも逃げ出さず、アヒルも飛び出さない。狩り取るべきコシチェイの魂は、変わらず此処に在るのだ。
光の導きが、コシチェイの魂を指し示す。天を映すマントを翻し、ロザーリヤは爆炎を突き抜けた。
炎を抜けた先、コシチェイを瞳にしかと映し込む。
「お前が最終人類史の全てを目にしたとて、その真の宝には理解が及ばぬだろう。新たな宝を生み出し続ける、民衆の熱情にはな」
「――!」
コシチェイが大きく目を見開いた。ロザーリヤの精密なる剣技が、コシチェイの心臓を寸分の狂いなく貫く。
「……さらばだ、贋作!」
その剣閃はコシチェイの魂を破壊した。取り落とした匣も、怪馬も、一瞬にして崩れ消える。
「私の、収奪品が手元に、あれば……このような、こと、に、ハ…………」
しわがれた声で口にするコシチェイの体も同様に崩れ落ち、ついにはその動きを止める。
強欲なるディレッタントはその強欲さゆえ、ついにその身を滅ぼしたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
【土壌改良】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2024年11月03日 |
| 宿敵 |
『『蒐集卿』コシチェイ』を撃破!
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