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自分で作れる秋祭りビルダー（作者 荒雲ニンザ）

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#天正大戦国　 #🍁摂津西宮秋祭り作戦　 #摂津国　 #🍁秋祭り2024　 ⊕

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　秀吉は、目の前で震えながら傅く配下に向かって言った。
「ワイはなぁ、おんしらのような優秀な配下をもって本当に幸せ者や」
　穏やかな口調で続く。
「千早城はディアボロスに奪われ、淀はディアボロスに殺され、大阪城に攻め込まれ、とっときのヒルコまで奪われて、それを取り返す事も出来へん」
　嫌味だ。
　怒りが行きすぎて、一回りしてしまったのだろう。その冷静さが逆に恐ろしい。
「お前達のような配下をもってりゃ、家康殿に断片の王の座を奪われるのも、納得やなぁ」
　そのネチこい話の後、大きく溜め息のような深呼吸を１つ。
「まぁ良い。ディアボロスは大阪城から撤退し、今は、家康殿とドンパチしているようや」
　冷や汗すら干上がる思いだった配下は、代わった話に一先ず息をつき、秀吉を上目遣いに確認する。
「胸糞悪いが、ディアボロスとは手打ちにする。奴らが何か仕掛けてくるまで、こちらからは何もするんじゃねぇ」
　ご機嫌には見えないが、秀吉の口調は少しばかり明るいように思う。
「ディアボロスは八つ裂きにしても飽き足らんがな……。今は、家康殿とディアボロスが潰し合っとる間に巻き返しを図らなきゃならんからのぅ」

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　時は今。
　場は新宿改札内、ホームにある待合室。
　黒くて小さな塊が、集まったディアボロス達にキャッキャとチラシを配布している。
　狐変化の大和屋・酔仙（妖狐の妖怪博士・g03240）と言えば……もうお分かりだろう、祭に浮かれる定番スタイル。

「攻略旅団の作戦により、防衛に成功した摂津西宮で、秋祭りを開催する事となりましたあ～！！」
　早い話、砕いて言うと、挑発行為の計画ということになる。
　派遣した部隊が撃退されたばかりか、自分の領国で派手な祭りを開催されれば、大阪城の豊臣秀吉は怒り心頭となるのは間違いない。
　現在、大阪城の南にある和泉国に、巨獣大陸ゴンドワナから巨大神像を運び込む計画が動いているという。
　大阪城の戦力を西宮方面に誘引した上で、運び込んだ巨大神像で大阪城を攻めれば、千早城がなくても大阪城を攻め落とせるだろう。

「そこで！　今回、皆様には、自由に『俺の考えた最強の秋祭り』をしていただきます！」
　祭りに必要な物資などは最終人類史から持ち込む事もできるので、天魔武者の圧政に苦しんでいた西宮の住民達が驚き楽しむような秋祭りを開催して欲しい。
　目指せ秋祭りビルダー！

「それでは、運営説明に入ります」

　摂津西宮は、現代の地理では兵庫県西宮市に相当する。
　微妙に違う箇所もあるが、おおざっぱにはそう考えて問題無いだろう。

　天正大戦国でも秀吉の本拠地近くである事も考えれば、周辺村落に住んでいる人々の合計は数万人規模に及ぶと予測される。
　皆には、この摂津西宮の北西に近い地域の村落などを中心に、数百人から千人程度が参加する祭りを開いて、その祭りを盛り上げて欲しい。
　必要な物資などは、最終人類史からパラドクストレインの貨物車両で持ち込む事が出来る。
　住民をあっと驚かせ、盛り上がる秋祭りを準備して運営できれば成功となるだろう。
「ただ、圧政に慣れた天正大戦国の一般人の方々は、お祭りの楽しみ方を知らない可能性も高いので、ディアボロスが率先して、秋祭りを楽しんで見せてあげるのも良いと思います」
　祭りが盛り上がれば盛り上がる程、豊臣秀吉への挑発効果は大きくなる筈だ。

　以下、流れを参照してほしい。

　摂津西宮秋祭りの計画と準備
　摂津西宮秋祭り（運営側）
　摂津西宮秋祭り（参加者側）
　秋祭りの終了

　説明を終えた酔仙がチラシを横に置いた。
「断片の王になり損ねた豊臣秀吉の心中は、ディアボロスへの怒りで満ちている筈です。摂津西宮の秋祭りは、そんな秀吉への強烈な挑発になるでしょう」
　とは言え、お祭りが楽しみといった様子は滲み出ていて、口元はほころんでいる。
「皆様の土産話を楽しみにしておりますからね！　いってらっしゃいませーっ！」

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　これから話すは、これから起きるであろう、過去の出来事。
　知っての通り、秋祭りビルダーの物語。

　あばら家が並ぶその土地では、日々の暮らしで精一杯の人々が、疲れた様子で陽が沈むのを待っている。
　食事と言えば、深い鍋に水が張られ、お情け程度の麦らしきものが浮いて見えるものばかり。
　お腹を空かせて泣く赤子、親を手伝って働く子供は当たり前、病気の両親がいれば更に状況は悪化する。
　子供達は遊ぶことすら忘れ、笑みをどこかに置き忘れたように労働で忙しい。

　疲労でカクンと膝を折った初老の男性が道に蹲ると、それに気づいた若い衆が駆け寄って手を取った。
　男性は大丈夫だと制し、一息ついてから空を見上げる。
「神社であった騒ぎ……あれどうなったんや……？」
「せやな、そんな話あったな。なんや酷いこと、起こらなええんやけど……」