大空舞う復讐の翼(作者 紅葉茉莉
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#蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ  #ミウ・ウル奪還作戦  #ミウ・ウル 

 ミル・ウルを見下ろす空、編隊を組み巡回するはゴットフリート・フォン・バンフィールドと配下の航空兵達で。
「ディアボロス、憎い、憎いぞ、我らの祖国を!」
「だが奴らへの報復となる手段をここで得たのだ!」
 動かぬミル・ウルを睨みつけ口々にディアボロスへの憎しみを語るルフトキュラシェーアとオストヴィントフリーガー。
 航空部隊の中核たる面々の声を聞き、されどゴットフリートが見るは眼前のディアボロスではなくさらにその先で。
「お前たちの憎しみは分かった、が。我らの目的は祖国の敵、仏露への更なる報復。ディアボロスは憎いが……ここで何としても戦果を上げリグ・ヴェーダの中核となり地位を確保するのだ!」
 単なるディアボロスに対する報復だけでなく、その先の目的を達すると語るゴットフリート。
 不眠不休で監視を行い、戦果を上げる事を目指す航空部隊。
 復讐心を、憎しみを肯定し部隊を鼓舞していた彼ではあったが、じわりじわりと疲労と共に士気の低下が始まっていることを肌で感じ取っていた。

 新宿駅グランドターミナル、ここに新たなディヴィジョンに向かうパラドクストレインが出現し始め、この車両もその一つ。
 そしてディアボロス達をテンション高く、ミレー・マリエット(サキュバスのガジェッティア・g03547)が出迎えていた。
「はいどうもーっ! 蹂躙戦記イスカンダル奪還戦での大勝利、おめでとうございます! そしてこの大勝利と攻略旅団の方針で新たに蛇亀宇宙リグ・ヴェーダの攻略開始、このパラドクストレインもその為のものになります!」
 指をクルクル回して説明を続けるミレー。
 今回、攻略が始まったリグ・ヴェーダは広大な領土を持つディヴィジョン、故に移動拠点であるミル・ウルを確保する方針となっており、パキスタンの荒野に漂着しているようではある。
 だがすぐに確保する事は難しい、それはミル・ウルを包囲する様にクロノヴェーダの大軍が布陣しているのだ。
「外敵から守る、というよりは。ミル・ウルを危険視して包囲している感じですね。こんな布陣になっているという事は転移して移動してくる、と知っているかのよう。
 恐らくは法正が、ディアボロスが転移し移動してくるとアーディティア側に伝えていたんでしょう、ここでも面倒な置き土産を残してくれて困りますねぇ~」
 ミル・ウルを取り囲む部隊の目的は転移してくるディアボロスの迎撃が目的、それを実行する根拠は法正が情報を伝えたが故、厄介な置き土産がまだあったかというミレー。
 だが逆に、ミル・ウルに注意が向いているという事は敵の後背を取る事は容易、包囲した軍勢から少し離れた地域に移動し奇襲、撃破する事でミル・ウルの奪還を目指すのだ。

「ミル・ウル包囲の軍勢はどうやら蹂躙戦記イスカンダルから集められた面子の様子、恐らく法正が奪還戦の前からリグ・ヴェーダに密輸していた戦力みたいですね。
 主力はマミーやエンネアドですが、今回皆さんに担当してもらう敵部隊は航空戦力だけで構成されたゾルダートの部隊になりますが……法正によって得られる情報を制限されていたんでしょう、有益な情報は一切もってないですね、はい」
 流れ流れた敵部隊、与えられた命令はミル・ウルを包囲し監視する中で、転移してきたディアボロスを撃破する、という事だけ。
 しかし今回は敵の後背を突き奇襲する事が出来る、数は多いが効果を発揮する為に一気呵成に攻め立てて包囲殲滅を狙う軍勢を奇襲の勢いで撃破し撤退する事が目的となる。

「流れ着いた兵力を部隊編成して配置、完全に捨て駒として敗北して全滅しても惜しくない戦力で作戦を実行しているようですね。
 これは言い換えればリグ・ヴェーダがディアボロスをとても警戒しているという事の証拠、まあその通りとここでバシッと見せつけて、ミル・ウルを確保しちゃって攻略の要にしてきましょう!」
 そう言ってミレーは説明を終了、流浪の部隊に引導を渡し、リグ・ヴェーダにディアボロスの力を再度見せつけミル・ウル確保を目指す為。
 パラドクストレインの扉は開かれ、戦場にディアボロス達を送り出すのであった。

「もう一週間か……いや、それ以上だな、いつ出てくるんだディアボロスめ」
「そう言うな、皆辛いんだ……気に入らない蟲女の時に比べればまだマシだろうよ」
 流浪の軍勢となった航空部隊、ルフトキュラシェーアとオストヴィントフリーガーの軍勢がボヤキながら警戒を続けていた。
 既に包囲から日数が立ち動きが無い状況、無防備に転移してくるディアボロスを殺せる作戦だからと待ち受けていたがこう何も起こらないまま不眠不休で警戒を続ければ、どこかで綻びは起きるもの。
 ゴットフリートに鼓舞され戦闘の意思は見せるも低下した士気、それを保つ為に待遇の悪い今よりもっと悪い時を乗り切っただろうと励まし合う軍勢だがそれにも限界はあろう。
「ああクソ! 何もないのがこんなにもどかしいとはな! 動かぬ目標を見ているだけとは……」
 イライラしつつミル・ウルから目を離さない航空部隊、されど別方向からの奇襲には一切気が回らなくなっているのは誰の目にも明らかで。
 後背から仕掛ければ、多数の航空戦力であろうとも空中戦を挑み揺さぶり、大きな被害を与えられることは十分に可能な状況であった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
5
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【現の夢】
1
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
1
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【狼変身】
1
周囲が、ディアボロスが狼に変身できる世界に変わる。変身した狼の咆哮は「効果LV×10m」以内の指定した通常の生物を怯えさせ、「効果LV」分の間、行動不能にするが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV1 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 蹂躙戦記イスカンダル奪還戦、お疲れ様でした。
 今回はその結果、攻略が開始となった蛇亀宇宙リグ・ヴェーダでの戦い、先ずは移動拠点となるミル・ウル確保に向けた作戦となります。

 敵は大軍で包囲し、ミル・ウルより出現するディアボロスを待ち受け奇襲する算段、ですのでその逆を。
 ミル・ウルから出てくると待ち受ける軍勢を包囲の外から奇襲し、混乱状態になった中で一気呵成に攻め立てる作戦となります。
 戦場はパキスタンの荒野、身を隠す遮蔽物などはほぼ無い開けた場所になるでしょう。

 執筆はまず選択肢2、最も外側に布陣しているオストヴィントフリーガーを攻撃するプレイングからになります。
 本来は出現したディアボロスを選択肢1、ルフトキュラシェーアが奇襲しその攻撃に耐えた、または包囲から逃れたディアボロスを後詰で叩く、という目的で配された部隊。
 故に戦端を開くのは別部隊、その後に攻めるという作戦に従っている状況故に自分達がいきなり攻撃されるとは考えておらず、奇襲すれば十分に大きな打撃を与える事が出来るでしょう。

 その後は選択肢1のルフトキュラシェーア、選択肢3のゴットフリート・フォン・バンフィールドとの戦闘になります。
 此方はどちらでもお好きに、並行して攻めるもよし、先んじて指揮官を叩いてもよし、初手の奇襲から立ち直ろうとする部隊を急ぎ叩いて下さい。

 尚、敵編成は全て航空戦力、しかし奇襲できる状況なので此方も飛翔し、いきなり多数の敵を空中で相手どる事も十分に可能な状況でしょう。
 空中に居れば地上から好きに狙い撃ちにされる、その不利を数でもって補い、ディアボロスが飛んできたのならば数の力で粉砕する作戦でしょうが、それらが機能する前ならば此方も空中で戦う事は問題ありません。
 ただし、相手が立ち直り、また数が十分に残っているのならば不用意な空中戦は危険であることに変わりはありませんのでその点はご注意ください。

 情報としては以上となります。
 では、ここまで長文を読んで頂きありがとうございました、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
32

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ピエダド・ロザーノ
流されてっていうか、ワタシたちっていう大風に吹き飛ばされて辿り着いた先って感じよねえ
ま、そんな渡り鳥みたいな生活もここでおしまいだけど

事前に敵たちの目が届かない後方の地上へと身を隠しながら陣取り、時間が許す限り彼らの航路を観察
航行パターンを記録して分析、すぐさま別部隊の攻撃へも転じれるような位置にオストヴィントフリーガーが来た時に仕掛けるつもりよ
この辺は、仲間とも事前に打ち合わせて情報を共有したいわねえ

向こうは地上に目が向いてるでしょうから【飛翔】を使い、まずは効果が発揮される限界ぐらいの高さまで上昇
そして航路の真後ろから一気に接近、思い切り弾丸をばら撒きましょ
一発一発は小さいけど、穴だらけになったら飛行機は墜ちちゃうわよお

敵に軌道を読まれないように、単純に真っすぐには飛ばずふらふらひらひらくるくるとしたり、速度にも緩急をつける
捨て身の特攻なんて付きあう筋合いはないもの、敵の攻撃は先読みして大きく避けながら弾丸を乱射してくわ
ある程度場を荒らしたら、すぐさま次の部隊の方へと飛んでいきましょ


フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok

彼方の想定通りなら確かに効果的でしょうけれど、固定観念に囚われすぎですね。
だからこそ、此方はその隙を突いて奇襲出来るのですが。
さぁ、行きましょうか、リュカ。

今回は堂々と飛べるみたいですから、飛翔して、遙か上空かつ後方から急降下しながら敵勢を叩き落とします。
あ、ある程度敵勢を叩いたら、私も地上に降りますね。

戦闘ではリュカと力を合わせて攻撃です。
魔力を集中して『重唱』の術式を発動、遠距離からリュカと一緒に砲撃して、
敵集団を薙ぎ払い、根刮ぎ叩き落とします。
もし接近戦を行う味方が居たら、此方の砲撃に巻き込まぬよう注意しながら援護射撃です。

奇襲で浮き足立っている間に、弱った敵から順番に落として数を減らしていきます。
対象が複数居るなら近くの敵から纏めて薙ぎ払いです。
混乱中にどこまで落とせるかが肝心ですよ。

でも敵からの反撃が全くない訳もなくですね。
敵の射撃に対しては、此方も砲撃で撃ち返しながら魔力障壁を張って衝撃を吸収し直撃を回避。
特攻してくるなら長杖で軌道を逸らして受け流します。


アドル・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok

前もって情報収集するのは良いが、状況を限定し過ぎだな。
別に俺達の移動手段はミウ・ウルだけではないのだが。

まぁ、此方は敵の陣形を逆手に取るだけか。
では、大暴れして混乱を長引かせてやるとするか。

今回は仲間の飛翔を借りて俺も飛ぶとしよう。
差詰め、後方上空から急降下して敵陣を掻き乱すインファイターって所か。
混乱が収まる頃には地上に降りるがな。

接敵時には、通信障害を発動して敵の情報伝達を妨害する。
他所へは勿論、周辺での奇襲に悪影響を与える訳にもいかんしな。

戦闘ではサンダースパイクを発動、雷を纏いながら敵に突撃し、斬撃と電撃を敵にお見舞いだ。
だが下手に突出しては此方が袋叩きになる。周囲の味方と足並みを揃えて敵に当たるべきか。
突出の危険がある場合は無理に接近せず、雷撃を飛ばして敵を怯ませる。
立ち直る前に、弱った敵から確実に潰し、敵の数を減らすぞ。

さて、敵の特攻に此方が付き合う義理はない。
突っ込んでくるなら後方に受け流しながら背中に斬り付けて叩き落とし、銃撃は雷撃で反撃するとしよう。


 下方に見えるミル・ウル、そこより出でるディアボロスを待ち受ける布陣。
 第一陣が仕掛けた後に自分達が逃さず後詰として一気に殲滅する為に、警戒を続け上空を巡回するオストヴィントフリーガー達はミル・ウルを、そして仲間の動きを注視して。
 包囲を緩めず延々と見張りを続けていたのだが、視線と警戒は内側のみに向けられた状態であった。
「前もって情報収集するのは良いが、状況を限定し過ぎだな。別に俺達の移動手段はミウ・ウルだけではないのだが」
「彼方の想定通りなら確かに効果的でしょうけれど、固定観念に囚われすぎですね」
 ミル・ウルから出現する、それに備えての厳重な包囲と上空からの監視。
 その予測通りならば的確な布陣を敷いた、されどディアボロスの能力からみれば穴の有る布陣となった敵軍の後方、地上より見上げつつ。
 密やかに近づきながらアドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)とフィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)が言葉を交わす。
「流されてっていうか、ワタシたちっていう大風に吹き飛ばされて辿り着いた先って感じよねえ。ま、そんな渡り鳥みたいな生活もここでおしまいだけど」
 同じく地上より、上空の監視態勢の形。
 巡回の経路とタイミング、陣容を頭の中に叩きこみ、仕掛けるべきタイミングを探るはピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)で。
 初手の奇襲、続けざまに周囲の別動隊に仕掛けるには自分達が如何なる航路で飛ぶべきか、その大まかな目安を付けつつ地上の遮蔽物に身を隠し、三人は情報を共有し。
 航路、航行パターン、更には本来の第一陣、ルフトキュラシェーアの軍勢と距離が最も遠くなるのはどのタイミングか。
 完全に不意を打ち、優位なままに殲滅するには敵の配置がどうなった時に攻めるのが良いか、陣容が崩れた際にはどういった形で追撃をしかけるべきか。
 それらを考え、最良のタイミングを計るディアボロスと後方への警戒を失い、前方の地上にのみ目を向けた敵の軍勢。
 多数の敵が巡回し身を隠す場所も無い空中に飛び出すという不利を覆せる好機を逃さず、三人は空中を巡回する敵を凝視しここぞというタイミングで一気に空中へと飛び出していたのであった。
「さぁ、行きましょうか、リュカ」
 その先陣を切ったのはミニドラゴンのリュカを引き連れたフィリス。
 翼をはためかせ舞い上がる竜を引き連れ一気に高度を高めていき、地表を警戒する為に高度を下げていたオストヴィントフリーガーの上を取り。
「本気で行きましょう……私に続いて下さいね……!」
「……!!」
 フィリスが右の手に魔力を滾らせ、周囲の温度が急激に低下。
 それと同時にリュカの体躯が巨大化し、大きく息を吸い込んで。
 自らの氷の魔力に竜の息吹を重ね合わせた強烈な一撃、リュカに魔力を注ぎ込めば方向と共に下方に向けて凍てつく冷気のブレスが放たれて。
 完全なる奇襲、本来想定していなかった後方、さらには上空からの攻撃に反応できずオストヴィントフリーガーの体は瞬時にその氷のブレスに飲まれていき、そのまま地上へ叩きつけられ凍り付いた機械翼が砕け散る。
「なっ!? 敵襲だと!? 馬鹿な、どこからだ!」
 突然の攻撃、そして地表へ叩き堕とされた同胞の姿を見て動揺が走るオストヴィントフリーガー達。
 だがその疑問の答えを知るより早く、次なる標的を見定めたピエダドが敵の軍勢に向け一直線に飛翔、その距離を詰めながら手を翳せばフィリスの氷とは真逆。
 炎の力が展開されて、先端尖りし燧石の弾丸がまるで雨のようにばら撒かれていたのであった。
「ぐ、おおおお!? 後ろ、からだとぉ!?」
「ほらほら、どうしたのぉ? 一発一発は小さいけど、穴だらけになったら飛行機は墜ちちゃうわよお」
 奇襲と同時に行う挑発、相手が状況を正しく理解できていない中で更に煽り余計な情報を与えつつ。
 一直線に向かって攻撃を仕掛けたピエダドは翼に穴を穿たれ、空中で姿勢を崩す敵の横を通り抜け今度は別の個体に狙いを定め、接近に気付いた相手の迎撃を避けるべく。
 次なる突撃は上下左右、不規則に揺らめく様にフラフラと軌道を変えつつ突撃し、燧石の弾丸を続けざまに放っていく。
「おああああああ!? ば、馬鹿なっ! きゅ、救援を!」
 次々と被弾、自らの体を穿たれ信じがたいと言った表情のオストヴィントフリーガー。
 このままでは拙い、敵の出所は分からぬが救援を呼び立て直さんと叫んだが、その声が仲間に届く事は無い。
 それは何故か?
「雷鳴の剣よ、迸れ……!」
 交戦する面々の高所より鳴り響く雷鳴、オストヴィントフリーガーが咄嗟に上を見遣ればそこには手にした剣に雷光を纏わせて。
 滾る雷は武器だけに止まらず、剣を握るアドルの体までもが雷を纏い敵中へと急降下。
 上空からの強襲、降下の速度を乗せた振り下ろしによる斬撃はオストヴィントフリーガーの飛翔翼を断ち切り、その体に深々と食い込んで。
 更には知る強烈な電撃で体を焦がし、絶叫する間もなく意識を失った敵兵は力なく落下を始める。
 まず一人、敵を機能停止に追い込んで、されど援軍を呼ばせる事も状況を報せる事もさせぬと剣を振るうアドル。
 その動きに呼応する様に、切っ先からは強烈な電撃が迸り空中を飛ぶ敵兵の体を打ち据え雷撃によって体を屈め、痙攣させる姿がそこには在ったのだ。
 緒戦における奇襲は上出来、敵軍は想定外の方向から一方的に叩かれ、多くの兵を失いまた連絡も妨害され浮足立った状態で。
 されど攻撃を受け倒れず、被弾した方向から敵の位置を割り出した少数の兵がこの状況を打破せんと反転、責め立ててきたディアボロスに向け退路無き猛反撃をせんと速度を上げて突撃を敢行する。
「ぬ、おおおおっ! 何処から出たかわからぬが、ここで倒せ、数を持って押し切れ!」
「おおおおっ! 我々の覚悟を見せるのだ!」
 追い詰められた敗残兵、ならば敵を倒す以外に生き残る道は無いと覚悟を決めての猛攻、自らの命を投げ出すような無謀、されど恐れを知らぬ突撃。
 接近し、肉弾戦をすることも辞さぬ突撃を仕掛けるが既にフィリスとアドルは高度を下げて地上に降下、地に足を付け強襲してきた相手の反撃を各々が自らの得物でもって受け止め威力を殺し打ち払い。
 空中ではピエダドが自らに迫る敵を誘うかのように、弾切れとなった銃は使えぬ、ならば近接武器の銃剣として相手を制すると迫る敵を急降下し、仲間を狙った敵と分断する様に空中を飛びながら。
 その斬りつけを甘んじて受け、されど再び燧石の弾丸を全身に撃ち込み地上へと叩き堕とす容赦ない攻撃を仕掛けていく。
「なるほど、混乱していても動ける相手は動けるようですね」
「ああ、だが全員が全員状況を理解しているわけでもない」
 空中での攻防の最中、地上に降り立ち杖で捨て身の銃剣突撃をいなしたフィリスが状況に対応した敵の数を確認。
 その中で、まだ敵は混乱状態であり情報伝達も阻害できているであろう事をその様子から把握して此方が攻め立て続ける事は可能だと応じるアドル。
 敵の特攻にこれ以上付き合い続ける必要も無いと雷光纏った剣で傷ついた相手を切り飛ばし、再度の攻撃を仕掛け一気に敵を突き崩すのなら何処を狙うべきかを逡巡し。
 被弾した敵は多数、そしてまだ混乱状態の敵も居る、そして地上に降りた敵兵は反撃も可能な状態。
 ならば無理にここで戦い、徐々に混乱から回復した敵が次々と迫ってくるのを迎撃するよりは、いまだ混乱状態の敵に仕掛け数を減らす方が総合的に受ける被害は少ないと判断し。
 上空を見てからフィリスに目配せ、その意図を察したであろう彼女も応じる様に頷けば、二人は再び空中へと飛び出して。
「くっ、追え、何としてでも!」
「このバタバタしてる中、自分で考えて動けるってのはそれなりに出来る奴だな、だが」
 空中に逃れたアドルが特攻をいなし、空中で右往左往する標的に向かい一直線に飛び雷撃と斬撃が空中に繰り出され。
 更に数を減らしたオストヴィントフリーガー、その中で混乱状態の仲間に声をかけ、立て直しを図ろうとした者を見逃さず。
 再び空中に広がる冷気、それはリュカを巨大化させつつ魔力を高めたフィリスであり、仲間の元へと向かった敵兵を狙い放たれる凍てつく竜のブレスが陽光浴びて煌めいて。
「これで立て直しは出来ないですね、後は」
 チラリと目を向ける先、そこには追撃部隊を振り切り敵の小部隊に向かうピエダドの姿があり。
 何故か通じぬ通信、ここで持ち場を離れ急を報せるべきか、はたまた戦闘中の仲間を援護すべきか逡巡するが故に隙を晒した兵に急接近、炎の魔力を展開し多量の弾丸を浴びせかける様子が見えていたのであった。
「が、ごあああああ!?」
「これでここは終わりねぇ、なら残ってるのを片付けましょう」
 自らが伝令となり友軍に危機的状況を告げれる立ち位置、そこに居た敵兵を始末して。
 混乱が続き、また通信も妨害され伝令も飛ばさぬとした三人はそのまま攻撃を継続。
 徐々に混乱から立ち直る者も出始めるが既に手遅れ、初手の壊乱が大きく響きオストヴィントフリーガーは一人、また一人と地上へと墜ちていき、やがて後詰として配された軍勢は緒戦を担わされ、その役割を果たすことなく壊滅するのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV2が発生!
【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

「な、なんだと!? 後方から敵襲だと!?」
「一体どうなっている!? ミル・ウルから出て来るんじゃなかったのか!」
 包囲し出方を伺っていたルフトキュラシェーアの軍勢、だが突如後方から聞こえた戦闘音によって緩み始めていた空気は一変する。
 だがしかし、敵が想定の通りに出てきたのならばともかく完全に想定外、安全であるはずの自陣後方での戦闘音となれば何が起こったか理解できぬのは当然で。
 後方から奇襲を受けたのか、その規模は、味方の被害は、そして何故連絡が無いのかと混乱が広がっていたのであった。
「クッ、後方部隊からの連絡も無い、此方に向かう機影もない、壊滅したのか!?」
「どこからどうやって来たんだ、まさか知らぬ間にミル・ウルに転移してから、下に穴でも掘って裏に回り込んできたのかよぉ!?」
 思いもよらぬ状況に、明らかにあり得ない事でもされたのかとディアボロスであっても不可能な行為を想像する者の姿も見える。
 後詰は壊滅、何処からどうやって奇襲してきたかは不明、そしてディアボロスの正確な位置も分からない。
「し、しかし……後方を取っての奇襲、だがもしミル・ウルに本体がこのタイミングで転移してくるなどがあれば……!」
 更にはこの攻撃は陽動、実は本隊がミル・ウルから出現して挟み撃ちにしてくるのではという予想も口にし、軍全体に動揺が広がっているのは誰が見ても明らかで。
 初手の奇襲、その前からあった優位性は形を変えて継続中、ならば敵が動揺状態を見逃さず更なる追撃を行う好機。
 大軍であり、その数を生かし制空権を取った敵。
 対抗して飛ぶだけでは逆に自分達が集中砲火を浴びるだけという敵にとって圧倒的に優位な状況が、混乱状態によってその優位性を一時的にせよ失った今こそ互角以上に戦う好機。
 天翔ける軍勢に空戦で応じるも良し、地上より空の敵を撃ち落とすも良し、好機を如何に生かすかはディアボロス次第である。
アドル・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok

混乱が長引いているのは想定外だが、通信妨害は同じ部隊の面子にも影響が大きかったようだな。
それはそれで好都合、引き続き、大暴れして敵戦力をズタズタにしてやろう。

俺は引き続き空中で戦場を引っ掻き回すか。
上空を取れば有利だが、まだ敵の数の方が多い。
立ち直る節が見られたら地上に降りる。

引き続き、通信障害を発動して敵の情報伝達を妨害する。
いい加減、自分で直接指揮官に伝える奴も出て来そうだが、まだ有効と見た。

戦闘ではショックウェーブを発動、双剣から衝撃波を放ち、空中の敵にお見舞いして地面に叩き落とす。
攻撃の際は周囲の味方と足並みを揃え、敵に狙いを絞らせないようにしよう。
だが、実は別に衝撃波を飛ばさんでも、直接叩き切る事も出来るのでな。
隙あらば敵の懐に接近して一撃を加えるぞ。

立ち直る前に、弱った敵から確実に潰し、敵の数を減らそう。

さて、敵の銃撃は面制圧を狙ったものか。死角を補うのは良いが、それなら此方は他の敵を遮蔽物代わりにしながら絶えず動き周り、狙いを集中させないよう動くのみだ。


フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok

思った以上に敵陣が混乱しているみたいですね。
指揮系統がまだ回復していないみたいですし、この機にどんどん敵勢を削っちゃいましょう。

空中戦を続ける味方も居るみたいですが、それなら意識が彼方に向く敵も多そうです。
ならば私は、そのまま地上で味方の援護ですね。完全に意識外にはならずとも、敵の集中力は乱せましょう。
急降下してくる敵を叩き落とし易そうというのもありますが。

戦闘では『心の鎖』を敵集団に放射し、締め上げて動きを止める序でに薙ぎ払います。
もし接近戦を行う味方が居たら、其方と目標を合わせて、敵の動きを止めるなどして援護ですね。

混乱が収まる前になるべく多く、弱った敵から順番に落として数を減らしていきます。
対象が複数居るなら近くの敵から纏めて薙ぎ払いです。
油断はしませんが、余勢を駆るのも大事、です。

敵の一斉射撃には、射線を避けつつ鎖で切り払ったり、魔力障壁を張って衝撃を吸収して直撃を回避。
急降下してくる敵は、長杖で軌道を逸らして受け流し地面に激突させ、その隙に距離を取りますよ。


ピエダド・ロザーノ
本来の相手の独壇場で徹底的に圧倒してやって、完璧に身も心も叩き折ってあげましょ
お前たちは絶望しながら墜ちるのが相応しいのだもの、ねえ

仲間と連携して戦いたいわねえ
ワタシは引き続き【飛翔】で飛んで空中戦を仕掛けるわ
地上から仕掛ける人たちへ、敵の注意ができるだけ向かせないようにさせることを徹底よ

魔法陣の展開場所は上空、弾道方向はほぼ直下へ
火山弾はずっと召喚し続けるけど、実は殆どが狙って当てるのを考えていないフェイク…直撃狙いの本命は絞った数発だけよ
残りは、戦場全体を攪乱するため
だけど…ダメよお、噴火する火山の傍を飛べる飛行機なんて存在しないんだから
当たるはずがないなんて確信して飛べないわよねえ、こんな混乱した状況でさあ?

急降下攻撃は金蘭断を使ってなんとか防御
でも、直上から降ってくる火山弾に背を向けて、どこまで本気の勢いで攻めてこれるかしら?
加えて、時々ミル・ウルの方を気にする演技をしておくわ、本隊が来るのを待ってるかのようにね
とにかく全ての行動言動が何か策の仕込みだと思わせる、そんな風に戦うわ


施・朱林
鉄の鎧で身を覆った兵を宙に浮かべるとは、機械化ドイツ帝国とやらの技術は凄まじい!
だが兵法は同じだけの発展を遂げなかったようだ
首都を地下から強襲する奇策で滅び、敗残の兵達もあの有り様ではな
彼らが正気に戻る前に趨勢を決するために私も助太刀しよう

【飛翔】を重ねて更に飛行速度を向上
そうすれば敵との距離を調整するのも、素早く背後や側面に回り込むのもやりやすくなる
既に空にいる仲間達と共に私も飛び、挟み撃ちにしたり、仲間と対峙している敵の頭上や下方から急襲することで直撃を狙おうか

宙を舞いながら≪閃耀の双剣≫を振るい、『玄女剣・翔光斬』を放つ
剣閃と共に放たれる光の刃で敵を斬り裂き、地に落とそう
旋回しながら弾幕を張るように次々と刃を連射すれば、浮足立った敵には捌きにくいだろう
攻撃の機に飢えるあまり、自らが攻められる側となることを考えていなかった……それが君たちの敗因だ!

敵が銃弾を放ったなら、≪内勁の盾≫で硬化させた双剣を手に空中でぐるりと旋転し、死角なく放たれる銃撃を弾く
弩とは全く違うが、やりようはある!


 混乱状態のルフトキュラシェーア、この好機を逃さず一気呵成に攻め立てんと迫るディアボロス。
「思った以上に敵陣が混乱しているみたいですね。指揮系統がまだ回復していないみたいですし、この機にどんどん敵勢を削っちゃいましょう」
「ああ、混乱が長引いているのは想定外だが、通信妨害は同じ部隊の面子にも影響が大きかったようだな。それはそれで好都合、引き続き、大暴れして敵戦力をズタズタにしてやろう」
 状況の把握が出来ず如何なる立ち回りをすべきか、混乱が続き動きがチグハグ、組織立った動きが出来ない敵軍の様子。
 嬉しい誤算とも言える状況を見てフィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)とアドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)が言葉を交わす。
「ふふふ、なら本来の相手の独壇場で徹底的に圧倒してやって、完璧に身も心も叩き折ってあげましょ。お前たちは絶望しながら墜ちるのが相応しいのだもの、ねえ」
「うむ、彼らが正気に戻る前に趨勢を決するために私も助太刀しよう」
 そんな二人に呼応する様にピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)が妖しく笑えば、助太刀にと現場に駆け付けた施・朱林(麗剣閃耀・g11493)は対照的に、一切の油断なき鋭い目つきで空を見る。
 未だ状況を把握しきれていない敵軍、誰が如何なる攻めを行うかを僅かな暇で確認し各々が散開。
 一気に攻め立て、数の優位性を跳ね除け戦況を傾けるべく空中に飛ぶ三つの影と地表を走る一つの影、ディアボロスが動き出した事にまだ気付かずに状況を確認せんとする軍勢にとっては痛すぎる時間的ロスがここに生まれ、それは取り返しのつかない展開に向けて進んでいく。
「クッ、状況を整理白、その上で指揮官殿に伝え今後の動きを決定するんだ!」
「はぁい、状況把握ご苦労様。けどねぇ、そう上手くできるとおもっているのかしらぁ?」
 上空で首を回し、敵の位置や味方の状況、動きをどうすべきか。
 アヴァタール級ではないにしろ、現場指揮案として振舞わんとしていたルフトキュラシェーアの耳に届くはねっとりと絡み付くようなピエダドの声。
 その彼女は地上から空中へ急上昇、敵の横を通りぬけ更に高度を上げて行き、空中に赤き魔方陣を展開。
 広がる魔方陣が輝くと同時、空中飛び回る敵兵を撃ち落とさんと数多の火山弾が地表に向かい降り注ぐ。
「ぐっ、だが、狙いが甘いぞディアボロス!」
 次々と飛来する火山弾、しかし無茶苦茶に、誰を狙ったのか分からぬ虚空を飛び地表に向けて落ち、地面を抉る火山弾。
 交わす動きをせずとも外れゆく火山弾を見て、ルフトキュラシェーアが奇襲したにもかかわらず無駄だったなとばかりに銃器を構え、ピエダドを撃墜せんと狙ったその瞬間。
「ふふっ、本当に狙っていないと思っているの? ……ダメよお、噴火する火山の傍を飛べる飛行機なんて存在しないんだから」
 急降下するピエダドと彼女に追い縋るように飛ぶ火山弾、そしてルフトキュラシェーアとピエダドがすれ違った瞬間に。
 火山弾はルフトキュラシェーアの翼を、体を打ち、燃やし、下方に向かっての強烈な衝撃を与えていて。
「ぬ、ぬおおお!? くっ、だが!」
「あらら、今当たっちゃったわねぇ。どうするの、当たるはずがないなんて確信して飛べないわよねえ、こんな混乱した状況でさあ?」
 被弾した敵兵を見上げつつ、軌道を変えて飛び挑発を続けるピエダド。
 真上から降り注ぐ火山弾、攻撃の出所は上空で狙うべきディアボロスは下方、一気に攻め立てたいが一人でこんなことをしている筈ではない。
 上空には別のディアボロスが控えているのでは、時折ピエダドが戦闘に一切関係していないミル・ウルに視線を移し何かを待つような仕草も見せる、となれば誰かが予想したように本隊が転送されるのではないか?
 一瞬の逡巡が、されどこのまま攻撃を受け続ければ事態は好転するどころか悪化するのみ、ならば持ち直す為にはディアボロスを墜とすしかないとルフトキュラシェーアの一部が急降下、銃撃しながらピエダドを狙い、別の者は新手が来るはずと銃器を構えその存在を探そうと顔を上げたその瞬間。
「気付いたか、だが……惜しかったな、少し遅いぞ!」
 空中を真一文字に飛び、一気に距離を詰める影、それは左右の手に長剣を構えたアドルであり。
 まだ距離の遠い中で右手の剣を一振りすれば、強烈な衝撃波が刃となって新手を警戒していたルフトキュラシェーアの体を切り裂き、鮮血が空中に撒き散らされる。
「ぐ、おおお!? くっ、やはりか、総員、陣容を立て直せ! 戦闘態勢を取りディアボロスをげいげ……!?」
 敵襲に対応、仲間に指示を出そうと声を張り上げたその瞬間。
 ルフトキュラシェーアとすれ違い様、アドルが左手の剣を一振り。
 衝撃波を飛ばすだけでなく直接的な斬撃に、剣から発生する衝撃波を乗せて叩きこみ、二撃目を受けたルフトキュラシェーアは戦況に応じた声を仲間に届けられぬまま、地表に向けて凄まじい速度で落下して。
 先の火山弾で抉れ、砂埃が立ち込める地面に激突、二度と空を舞う事の出来ぬ末路を迎えていたのであった。
「まだ通信を試みている感じだったな、なら……もう少し引っ掻き回すぞ!」
 仲間の攻撃に便乗しての強襲、そして一人を倒したアドル。
 混乱状態はいまだ継続中とみて、更に戦況をかき回すにはどうすればいいか、それは継続して攻める事と判断。
 自身に向けて銃器を構えたルフトキュラシェーアの集団が空中、全方位から彼を倒さんと狙いを定めようとした刹那、ならば敵を間に挟めばどう動くとばかりにアドルは加速。
 剣を振るい衝撃波で一人の翼を叩き折り、空中で移動の自由を失った敵兵を中心に上下左右、変幻自在に飛び回る。
「くっ、同胞を遮蔽物とするか、だが……!」
「常に壁に出来るわけでもあるまい!」
 死角を補い合う動き、それを阻害する為に敵兵を盾としたアドルの立ち回り。
 ほんの一瞬、仲間を巻き込まぬかと攻撃が遅れるも常に盾として扱えるわけもない、ましてやそれ以外に遮蔽物として使える物がにあ空中ならば気休め程度だとばかりに構えた銃器が唸りを上げて、数多の銃弾をアドルに向けて放っていく。
 飛び交う銃弾、面制圧を狙ったそれを敵兵を目くらましにしつつ常に回避する事は不可能、アドルの体に銃創が刻まれ空中に赤き色彩が飛び散るが、被弾し狙いを散らす事も彼の狙い。
 自分が敵兵の目を引けばそれだけ別の、先に攻撃を仕掛けたピエダドやまだ攻撃を行わず控え、最良のタイミングで仕掛ける仲間から目を逸らせる事に繋がって。
「ディアボロスが皆、空中戦を仕掛けていると思わない事です。我が心を持って鎖となし、その未来をここに示し定めよ……!」
 空中戦、空を縦横無尽に飛び回り航空戦力である自分達に多大な被害を与えてきたディアボロスを警戒し、地上の警戒もミル・ウルからの転送に注意が向いたその瞬間。
 包囲の外周、その地上に視線が向いていない事を見抜いたフィリスが魔力を開放、放射状に広がるそれは各所でより合わさり、やがて鎖の形を形成し。
 生きているかの如く波打ち、空中に向けて伸びていく。
「ぬ、おおおおっ!? な、なんだ、地上にも敵が!?」
「転送した本隊!? それか伏兵か!?」
 ディアボロスの猛攻、それへの対処で強制的に警戒できぬ状況にされた地上からの一撃。
 うねりながら迫る鎖に打ち据えられ、絡み付かれて自由を失ったルフトキュラシェーア達はなんとか逃れようと身をよじり、拘束を振りほどかんとするがそれを許さず縛った敵兵を振り回し、薙ぎ払いながら空中でぶつけ合わせるフィリス。
 その衝撃で鎖が緩み、何とか振りほどいた兵達が銃器を構え、無理矢理に急降下銃撃を敢行。
 フラフラと安定しない軌道のままに、されどここで敵を見失うわけには行かぬと必死の抵抗を見せてくる。
「な、なめるなぁあああ!」
「混乱し、ボロボロになりながらも来ますか。油断はしませんが、余勢を駆るのも大事、です」
 数多の銃弾、それら全てを受け止めた上で追撃の銃剣突撃まで無抵抗に被弾するわけもない、とばかりにフィリスは眼前に魔力の障壁を展開。
 降り注ぐ銃弾を障壁にて受け止め威力を減じ、更に後方へと飛び退く事で面制圧をするが如く迫る銃弾のダメージを減らせば、急降下してきたルフトキュラシェーアが槍の要領で突き出す銃剣を長杖にていなし、側方に転がるように飛びのけば。
 標的を見失い、急降下の勢いをぶつけられなくなったルフトキュラシェーアは地面に衝突、転がりながら滑っていき、何とか立ちあがり銃を構えるも引き金を引くより早く、フィリスの操る鎖が叩きつけられて。
 そのまま絶命、仲間の仇を取ろうと別の兵がフィリスを倒そうと効果を始めるが、それを見越した彼女は地上を走り、戦場から離脱する素振りを見せる。
「ぐっ、くそっ! 逃がすな、絶対に逃がすな、ここで一人でも多くのディアボロスを」
「鉄の鎧で身を覆った兵を宙に浮かべるとは、機械化ドイツ帝国とやらの技術は凄まじい! 心意気も申し分無し、だが兵法は同じだけの発展を遂げなかったようだ」
 下がるディアボロスを追い撃破しようと無理矢理に速度を上げて天翔けるルフトキュラシェーア。
 他からの妨害や追撃があり得る中で、戦局を打破せんと捨て身の特攻を狙ったその姿勢を称賛しつつ、足りぬものがあると高速で空中を飛び、割り込んできたのは朱林であり。
 両の手に持つは閃耀の双剣、鈍い青銅の輝き放つ剣が陽光を受け煌めけば、追撃狙う敵兵の懐に飛び込んで。
「高所を抑え優位を取るも、この体たらく。首都を地下から強襲する奇策で滅び、敗残の兵達もあの有り様ではな」
 肉薄すると同時、ルフトキュラシェーアを蹴り飛ばし、体勢を崩すと同時に挑発的な言葉を投げかけて。
 ぶつかり合った相手だけでなく、他に仲間を追撃しようと飛ぶ兵の耳目を集め、朱林が双剣を舞い踊るかの如く。
 多方向に向け振るうと同時、その刀身が輝いて、光りの刃が彼女を包囲せんと迫ってきたルフトキュラシェーアを、そして先ほど衝突し、蹴り飛ばされて吹き飛んだ兵に向かって飛んでいく。
「ぐ、くおおおお!! ま、まだだ、我らの誇りをコケにされてむざむざやられてたまるものか!」
 次々と飛来する光の刃、それに体を切り裂かれダメージが蓄積するルフトキュラシェーア達であったが、このまま押し切られてなるものか、と銃器を構えての迎撃態勢。
 まるで誘うかのように上空を旋回、剣舞の如く双剣を振るい攻撃を続ける朱林を撃ち落とそうと、数多の銃弾を浴びせかけていく。
 その瞬間、踊っていた動きを一変。
 手にした双剣に気を込めれば宿っていた光がより強くなり、そのまま手首のスナップを効かせての高速旋転。
 回転する剣を盾のように用いる事で、迫りくる銃弾を打ち払い、被弾する数を出来る限り減らしつつ朱林は敵を地上の仲間から引き離すよう、逃げる様に距離を取り。
「ぐっ、流石に数が多いな……それに弩とも全く違うが、それでもやりようはある!」
「凌ぐか、だがいつまでも持つと思うな!」
 下がる朱林を銃撃で撃ち落とさんと猛追を加えるルフトキュラシェーア。
 初手の攻防から時間も経過し、混乱から立ち直った者や連絡を取り合った者、苦境を見て救援に駆け付ける兵の姿も見えて来て、戦況を立て直せると踏んだか強気の発言をしていたその直後。
 空中を飛び交う衝撃波が、降り注ぐ火山弾が、地上から伸びる鎖が集結を始めていたルフトキュラシェーアに襲い掛かり、その猛攻を受けて多くの兵が推力を失い地上に向けて墜落していく。
「なっ、まさか!?」
「攻撃の機に飢えるあまり、自らが攻められる側となることを考えていなかった……加えて奇襲から立ち直ったとて、今の状況がどういったものか把握しきれなかった。それが君たちの敗因だ!」
 友軍の集結に伴い押し帰れると思った直後、飛来したのはディアボロスによる猛攻。
 初手の奇襲、それを受け耐えた面々が迎撃せんと動いていたが、その反撃はディアボロスを退けるにはあまりにも不足。
 幾度かの攻防の末、逆に倒され自由となったディアボロスが急ぎ救援に向かってきた兵にその刃を向けるのは当然であり、また混乱状態と初手の奇襲で数の優位性を失いつつあった軍勢は再度の攻撃にて更にその数を減らしていて。
 何とか状況を打破せんと必死の抵抗、空中に銃声が鳴り響くもその音はやがて小さく、その音も減っていき。
 静寂を取り戻した時、空を舞い、また地上に立っていたのは銃創を体中に刻まれつつも多数の敵を退けたディアボロス達であった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【操作会得】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【ダブル】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

「同胞達の報を聞いて来てみれば……私が来るより早く殲滅するとは、な」
 甲高い音と共に戦場に到着、配下の航空部隊が壊滅し、生き残りが居ない事を確認する様にゆっくりと顔を動かすゴットフリート・フォン・バンフィールド。
 激戦を終え傷つき、されど指揮官たる自分もこのまま倒すと強き意思の籠った瞳で自分を見るディアボロスを同時に眺め、帽子の位置を直しつつ。
「想定外の場所から奇襲、そして混乱から立ち直る暇も与えず殲滅した手腕は見事、と言っておこう。だが……!」
 ディアボロスの立ち回りを称賛、しかし自分はそう簡単に撃墜できないと示すかのように。
 暗視機能を持った右目を赤く光らせ、凄まじい殺気を放つゴットフリート。
 ディアボロスの奇襲による混乱、それに乗じての猛攻にて配下は壊滅させることが出来たが、その状況を把握し空戦も、そして地上からの攻撃もあった事を認めた強敵。
 ここから戦況による揺さぶりは不可能、となれば実力で叩き伏せるのみ。
 残された指揮官を討ち、ミル・ウル奪還を果たすべくディアボロスは各々の武器構え、アヴァタール級と激突する。
アドル・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
※ネメシス形態使用(能力限界突破のみ)

残すは指揮官のみか。
最後まで油断せずいくぞ。

機動力確保のため飛翔するが、低空飛行に留める。敵の土俵に乗る気はない。

戦闘ではバーサークを発動。小細工せず接近戦を仕掛け、全身全霊を込めて敵の防御諸共叩っ切る。
攻撃の際は、他の味方と攻撃タイミングを合わせるか、攻撃序でに双剣で押し倒しというか切り倒しを試みて体勢崩しを狙い、敵の隙を大きくしてやれば、後続も狙い易くなろう。
飛行し続けるなら、翼を狙うかその頭を抑えて勢いを殺す。
それに俺一人に集中するなら、他から手痛い反撃が来るだけだ。

後は敵の攻撃だが、態々領域を変えてから接近するなど、前兆が分かり易いわ。
波飛沫にしろ、乱反射にしろ、こそこそ隠れて突撃してくるというなら、此方はそれを待ち構えて受け流すのみ。
銃撃は双剣で受け止めて切り払い直撃を避け、その後の本体は波飛沫や光の出所ごと叩っ切るなり、双剣で突撃機動を逸らして空いた背中に叩き付ければ良い。
生憎、至近は俺の間合いだ。後れを取る気はない。


フィリス・ローラシア
※アドリブ、連携ok
※ネメシス形態(エルフ)使用

後は指揮官だけですが、なるほど、彼も飛兵ということですか。
兵種の統一は理に適ってますが、周囲の警戒が疎かでしたね。
では、最後まで油断なく、落とさせて頂きます。

機動力確保のため飛翔しますが、低空飛行に留めます。
領域を変えられる可能性もあるので、足場確保も兼ねましょう。

戦闘ではリュカと力を合わせて攻撃です。
魔力を集中して『重唱』の術式を発動、遠距離からリュカと一緒に砲撃して、敵をその場に足止めします。
敵の動きを止めれば、それだけ味方も攻撃をし易いでしょうしね。
接近戦を行う味方が居たら、此方の砲撃に巻き込まぬよう注意しつつ、援護射撃です。
砲撃の際は、敵の翼や足を狙うなどして飛行を妨害。
動き回るなら先読みして飛行先に偏差砲撃です。
長銃の持ち手や右目を狙うのも、攻撃の狙いを邪魔出来そうですね。

敵の攻撃には、右目の動きに注意して、射撃タイミングを推測。
魔力障壁で弾丸などの衝撃を和らげながら機動を逸らして直撃を防ぎ、射撃元をリュカに砲撃し返して貰います。


ピエダド・ロザーノ
単騎のキング相手でも油断はしないわよお
どんな手を使ってでも、確実に墜としてあげる

できれば仲間と連携して戦いたいわね
射撃と接近戦を担って貰えるようだから、ワタシは遊撃を担当しましょ
視界が曇らんばかりにありったけの灰を生成して振り撒き、敵に纏いつかせるの
ブラックアウトには耐えられても、ホワイトアウトには無力でないかしらあ?

飛翔を使って戦場の空を立体的に飛び回り、相手の死角を狙って動いていくわ
金蘭断を使用して、背中へ一撃斬り込んでは離れ、隙を見て再び斬撃を仕掛けの、ヒットアンドアウェイを繰り返してくの
…なあんてねえ? 見通し力すら上回る視界不良から一刺しを狙うってのは、灰に触れない吸い込まないの対策をさせないための仕込み、全部演技よ
偉大なる火山へとぶち当たり、墜落してしまいなさいな

敵の射撃を回避…は難しいから、未来予測にも頼って、敵の銃口がこちらを向いたタイミングで、頭とか胸の急所へと浮遊俎板を回すわ
無傷で圧勝だなんて考えてない、敵が潰されるまでに戦闘不能にならなければ良いんだから


 上空を取りディアボロスを見下ろすゴットフリート、それに相対し見上げる形を取る中で。
「後は指揮官だけですが、なるほど、彼も飛兵ということですか」
「残すは指揮官のみといった状況。だが最後まで油断せずいくぞ」
「そうねぇ、単騎のキング相手でも油断はしないわよお。どんな手を使ってでも、確実に墜としてあげる」
 肩口までの青髪が腰下まで伸び、先端の尖った特徴的な耳を持つ姿……ネメシス形態になったフィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)が呟けば。
 呼応する様に力を開放、見た目は変わらぬも纏う雰囲気が一変したアドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)が両の手に持つ双剣を振り風切り音を立てていて。
 そんな二人に流し目しつつ顎に指添え、自分の立ち回りはどうするかと思案するピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)が悪戯っぽく、挑発する様に上空のゴットフリートに視線を移しまずは自分から仕掛けても、と言わんばかりにふわりと浮かぶ。
「来るか、ディアボロス。だが私は今ここでお前たちを討ち滅ぼす、それが同胞への手向けとなるのだ!」
 右目を赤く、より強く輝かせ手にしたライフルの銃口をディアボロスに向けゴットフリートが吼える。
 配下との戦いからディアボロスが空戦も挑めると見て、出方に応じて自分も戦い方を変えんとする考えの相手に3人は如何なる立ち回りを見せるのか?
 先んじて仕掛けると見せたピエダドがほんの僅かに高度を上げて耳目を引いたその瞬間、アドルとフィリスは高度を上げず低空を飛行したまま滑る様に飛んでいて。
 飛び方の違いから戦術は3人全員が別物、となれば真っ先に近づく相手を迎撃するとばかりにピエダドに銃口向ければ、狙われた彼女は高度を一気に上げた後、斜めに降下。
 いつの間にやら取り出した祭祀用の儀礼長剣、大庖丁の金蘭断を手にしたままにゴットフリートの下方、即ち真下を通過する様に飛んでいく。
 そのまま後背に回り込んだと同時、自分だけでなく仲間の動きも警戒しているその隙に急上昇、そのまま背中を斬りつけんと手にした金蘭断を振るっていくと同時、多量の灰を形成しつつ切りつけと散布を行うピエダド。
「ブラックアウトには耐えられても、ホワイトアウトには無力でないかしらあ?」
「ふん、攪乱か、だが!」
 しかしその攻撃に反応する様に空中で急旋回、立ち位置を器用に変えて斬りつけを軽く避け、すれ違い上昇するピエダドの動きを白き灰の中より視認。
 即座にライフルを構えて引き金引いて、正確無比な弾丸が放たれれば空中に赤い鮮血の花が咲く。
「がっ……はっ! 流石にやるわね、けど無傷で圧勝だなんて考えてないわ、こっちもね」
 咄嗟に体を捻る事にて致命傷を避けたピエダド。
 相手は指揮官一人とはいえ想定通りの実力者、だからこそ被弾も想定内、倒しきるまでに自分が戦闘不能にならず断続的に攻撃を仕掛け続ける遊撃手として仲間の攻撃を援護出来れば良いとばかりに空中で方向転換、相手が纏わりつく灰を吹き飛ばした姿を認めた中で再び切り込み銃声が鳴り響く。
 そんな二人が空中で再接近するその瞬間、地表を飛んでいた筈のフィリスがミニドラゴンのリュカを伴い上昇し。
「リュカ、力を合わせて攻撃です!」
「…………!!」
 遊撃し敵の耳目を仲間が引きつけてくれたこの好機、空中での機動性に勝る相手をその場に釘付けに出来れば仲間の追撃に繋がると魔力を高め、青白き光を纏っていき。
 魔力の高まりに呼応するようリュカも巨大化、そして大きく息を吸い込んで。
「今です、私に続いて下さい!」
 ピエダドとゴットフリートが再度の交錯、互いの攻撃を繰り出しながら離れていくその瞬間に魔力を開放。
 凍てつく冷気を伴った光の光線が伸び、続けざまにリュカの白いと息が光線の周りを覆い隠す様に広がって。
 咄嗟に空中で反転、高度を下げつつライフルを構えるゴットフリートであったが避けきることは出来ず、右足が凍り付く中利き腕を庇った左半身、即ち左腕と左の翼がブレスに煽られ大きく態勢を崩しつつ。
「チィ、味な真似を……!」
 凍り付いた右足の具合を確かめる様に一振り、同時に右の眼を赤く妖しく輝かせ、ライフルの狙いを定めてフィリスに向かい発砲する。
 反撃を予期していたフィリスは眼前に魔法障壁を展開、されどその障壁をいともたやすく貫通するライフル弾。
 そのまま吸い込まれるように飛来する銃弾から主人を守るかのように、ブレスを放って体が小さくなりつつあったリュカが合間に割り込んで、銃弾をその身で受け止めて。
 己の体でもってライフル弾の威力を弱めれば、リュカの体を貫通した銃弾がフィリスの体に銃創を刻み込む。
「ッ、リュカ!」
「なるほど、やるな、良い動きだ……!」
 障壁と同時、自らを壁として主人に致命的な傷、即ち急所に当たる事を避けたリュカ。
 痛みに悶え苦しむ姿に思わず声を荒げたフィリスだが、その動きを称賛するゴットフリートは更なる追撃を仕掛けんと降下を始めていたが、それを阻むように再び迫るピエダドの姿。
 縦横無尽に飛び回り、ヒット&アウェイを繰り返す攻撃などとうに見切ったとばかりに空中で反転、迎撃の為にライフル銃を向けるが何かがおかしい。
「…………!?」
「あらぁ、やっと気づいたの? 今までやってた、見通し力すら上回る視界不良から一刺しを狙うってのは、灰に触れない吸い込まないの対策をさせないための仕込み、全部演技よ……偉大なる火山へとぶち当たり、墜落してしまいなさいな」
 迫るピエダド、だがその軌道は今までのように接近戦を狙う物ではなく自身の上を飛び越えていく、いわば揺さぶりを狙う動きに見えたのだがそれで充分。
 これまでの戦闘で僅かに纏わりついていた灰を吸い込み続けたゴットフリートの目が認識したのは火口よりマグマを吹き出し、火山弾を吐き出さんとする巨大な火山の幻影であったのだ。
 灰を撒かれただけでこの幻覚、否、むしろ先ほどまでの接近戦を行っていた立ち回りこそがこの致命的な攻撃、幻覚を伴う攻撃を当てるまでの布石であったと理解し、忌々し気に顔を歪めて空中にて急旋回。
 灰を吹き飛ばすかのように飛び回り、ピエダドを探し首を振って見せれば自分が動く速度より早く、その身に迫る巨大な火山の姿が見えていて。
「チィ、だがあれは実体の伴わぬようなもの、認識しなければ……!」
「じゃあその下から、実態の有る奴が出てきたらどうだ?」
 幻覚だと認識、精神に異常を与えるタイプの攻撃と把握し幻覚を無視せんとしたゴットフリートの耳に迫る火山の中からアドルの声が聞こえていて。
 戦場の上空で好機を待つピエダド、下方で立て直しを図るフィリスから見れば、何も無い場所にて佇み急上昇するアドルに対応できぬ姿が。
 攻撃を受けるゴットフリート本人の目では、幻覚と認識、肥大化し自らに衝突せんと迫りくる火山の幻影から急にアドルが飛び出したように見えていて。
「ぐ、ぬうううううう!?」
「これで全て、断ち切る……!」
 幻影がぶつかると同時、体に走る鋭い痛み。
 それは間合いに入り込み、左右の手に持つ双剣によって放たれたアドルの斬撃が命中した事を否応なくゴットフリートに伝える物。
 まるでバツ印を作るかのように、軍服が交差する形で斬り裂かれその下からは体液か、はたまたサイボーグ化した体を維持するための機械油か、はたまたその混合液か分からぬ濁った液体が噴出して。
 されどこのまま倒されるわけには行かぬ、そして痛みによってか幻覚の火山が消えたゴットフリートは赤い右目を光らせて、自らを斬り距離を取るように高度を下げるアドルに向かい急降下。
「逃がさんぞ、貴様ら全員を海の藻屑としてくれる!」
 そう叫ぶと同時、荒野であった戦場は突如荒れ狂う海域の姿へと変化して。
 飛び散る波飛沫がディアボロスとゴットフリート、双方の体を隠し視界を奪い去る中で、自らは見えているとばかりに速度を上げるゴットフリート。
 怒りと共に構えたライフル、それより強烈な銃弾を放っていたが、次に聞こえたのは肉を貫く音ではなく金属同士がぶつかり合う甲高い音であり。
「態々領域を変えてから接近するなど、前兆が分かり易いわ」
 それは放たれた銃弾を、双剣を交差させる形で盾のように扱って、銃弾を受け止め軌道を曲げて急所への直撃を避けたアドルによる防御。
 波飛沫を隠れ蓑として接近するならそれを待ち構え、迎撃すればいいと開き直ったその戦い方は、銃弾の方向から迫る敵の位置を把握して。
 視界を阻む波飛沫、それごと断ち切らんと両の手にした剣を渾身の力で振りぬけば、接近しつつ体を捻った事により左の翼を犠牲にする形で攻撃を受け、破片を撒き散らしながらも距離を取り高所に逃れるゴットフリートの姿が見え、同時に海域となっていた戦場は元の荒野へと姿を戻す。
「上手く避けたか、だが生憎、至近は俺の間合いだ。後れを取る気はない」
「なるほど、な……これは生きて次の戦場に向かう事は出来んかもな……」
 至近距離での銃撃戦、それを挑んできた相手だが強烈な一撃を加え、再度の攻撃ならばより強烈な攻めをしてみせると見上げ宣言するアドル。
 その様子を見つつ、先の攻防を行ったフィリスとピエダド、その二人からの視線も受け、恐らくここが、そして次の攻防が最後の時になりそうだと察したゴットフリートが諦観と共に、されど大人しく倒されるものかと自らを鼓舞する様に呟いて。
 ボロボロの翼、傷つき液体にて汚れた軍服、しかし最後まで抵抗するとばかりにライフル銃を向け油断ならぬ雰囲気で上空にて佇んでいた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【グロリアス】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

施・朱林
最後まで戦い続けんとする、その意気やよし!
されど、君の健闘を称えて手を退くことは出来ぬ
ミウ・ウルとやらは、今まで西方の地で戦ってきた復讐者が大事にここまで運んできたものなのだからな
リグ・ヴェーダまで道を繋いできた彼らの邪魔はさせん

幾重もの攻撃で傷を負った敵将に追い討ちを仕掛ける
姿勢を建て直し、再びあの翼で自由に空を舞って来られる前にな
ゆくぞ、『絶招・飛剣殲陣』!
相手の周囲を取り囲むように≪閃耀の双剣≫の複製を空中に生成
空間上のどこに動こうとも刃が待っている状況を作り、退路を塞ごう
そして刃を敵に向けて放つと同時に、私も全速力で【飛翔】し敵に肉薄
両手に握った実物の双剣で瞬時に二閃し、鋼の躯を四つに切り分ける
花はいずれ散り、葉も落ちる。君にも地に墜ちる日が来たのだ

最後の反撃に対しても油断なく応じよう
降り注ぐ爆弾は《懐刀》や《刃圏》を投擲して打ち緒とし、《内勁の盾》を帯びた剣で弾を打ち払う

手強い相手だったな。磨り潰しても構わん外様でこれか
アーディティヤと対峙するその日まで、更に武を磨かねばならん


 肩で息をし、されど戦意衰えぬゴットフリート・フォン・バンフィールドが滞空し、ライフルの銃口を向ければそれに呼応する様に上空に飛び上がったのは施・朱林(麗剣閃耀・g11493)であった。
「最後まで戦い続けんとする、その意気やよし! されど、君の健闘を称えて手を退くことは出来ぬ」
「フッ、言ってくれるな。ならばそれを実力で示してみろ!」
 賞賛しつつ飛翔して距離を詰める朱林、その言葉がハッタリでない事を示してみよとライフルを構えて迎え撃つゴットフリート。
 互いに譲れぬ意地と意地のぶつかり合い、先ずは閃耀の双剣を構えた朱林が斬りかかる素振りを見せつつも、あえて攻撃はせずに側面をすり抜けるフェイントを仕掛けていて。
 先の攻防からより飛行速度を上げたディアボロスの動き、それを見切らんと右目を光らせたゴットフリートも引き金引かず、銃口を向けたままで反転した朱林の動きを注視。
「誘いには乗らんか、だが……ゆくぞ、『絶招・飛剣殲陣』!」
「なるほど、こうくるか! ならば!」
 あえて攻撃せずに揺さぶる動き、そして空中で反転して叫ぶとゴットフリートの周囲には数多の剣が出現し。
 急接近した自らの体を見せ札として切っ先を向けた剣の群れにて包囲、ならば自分はこれで応じるとゴットフリートが後方に生み出すは飛行艇兵団の幻影で。
「ミウ・ウルとやらは、今まで西方の地で戦ってきた復讐者が大事にここまで運んできたものなのだからな。リグ・ヴェーダまで道を繋いできた彼らの邪魔はさせん!」
「それを果たせるかはこの戦いの結果次第だ、我らが同胞の無念、受けて見よ!」
 互いの主張がぶつかり合うが如く放たれるパラドクス。
 全周囲から迫る数多の剣に全身を突き立てられても怯まずに、ライフルの銃口を向けるゴットフリートの右目が一際赤く輝けば。
 ターゲットを捉えたとばかりに数多の飛行艇兵団が機首を朱林に向け飛んでいく。
 自分を全周囲からの攻撃で仕留めようとしたのならば、此方も同等に多方向からの攻撃とばかりに放たれた数多の銃弾、そして高所を抑えた飛行艇による爆撃。
 全ては防げずとも、被弾は減らせるとばかりに手にした双剣を回転させるように振り回し、己が気を放出して硬度を増した剣によって銃弾の軌道を変えて被弾数を減少。
 上空より迫る爆撃には刃圏を投げつけ、爆弾がその身に当たるより早く遠方にて起爆させ、爆風と破片によるダメージは受けるも損傷を最小限に抑え込み、よろめく軌道を修正させて一直線にゴットフリートに向かい飛翔して。
 両者が交錯する瞬間、見えた二つの煌めきは朱林が振るう双剣による斬撃で。
「花はいずれ散り、葉も落ちる。君にも地に墜ちる日が来たのだ」
「く、ははは……どうやらその通り、のようだな」
 標的とした相手に向け交差する様に振るわれた刃、それによって翼を、体を断ち切られたゴットフリートは空中に止まる力を失って。
 ライフルを手放し力なく墜ちていく。
「ああ、海が。同胞たちが、呼んでいる、のか……」
 墜落する最中、彼が見たのは戦場であったアドリア海と共に空を駆けた同胞達であったのだろうか。
 言葉を紡ぎ、体の各所が崩れながらその姿は海に飲まれ消え失せるかのように、虚空の中へ消滅していくのであった。
「手強い相手だったな。磨り潰しても構わん外様でこれか。アーディティヤと対峙するその日まで、更に武を磨かねばならん」
 干戈を交わした強敵、その消滅を見届け言葉を紡ぐ朱林。
 前哨戦となる此度の衝突ですらこの戦力、されどここで止まっては居られぬと一同は撤退。
 本格的なアーディティヤとの衝突に向け、次なる一手の為に動き出すのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【狼変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年10月15日

ミウ・ウル奪還作戦

 攻略旅団が予測した通り、蹂躙戦記イスカンダル奪還戦の結果、『ミウ・ウル』は蛇亀宇宙リグ・ヴェーダの荒野に漂着したようです。
 ですが既に周囲は敵軍勢が取り囲んでいました。法正の情報から、ミウ・ウルへ転移して来るディアボロスを撃破する為に戦力を配置していたようです。

 敵に確保された状態のミウ・ウルに直接パラドクストレインでの移動はできませんが、攻略旅団の提案がありましたので、少し離れた地点へは移動できます。包囲網の外側から一気呵成に戦闘を仕掛け、敵に奪われた『ミウ・ウル』を奪還して下さい。

 現在のミウ・ウルはエネルギーが枯渇している上ジェネラル級アーディティヤ『カーリー』の指示で移動機能を破壊されているようです。
 ミウ・ウルの完全復活には奪還後にエネルギーを補充し、更に修理する必要があるでしょう。


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#ミウ・ウル


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選択肢👾大群のトループス級『ルフトキュラシェーア』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)配下のトループス級クロノヴェーダ(👾)の大群と戦闘を行います。
 敵の数が多いので、撃退するには時間が掛かるかもしれません。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える行う必要があるでしょう  詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾烏合のトループス級『オストヴィントフリーガー』のルール

 なんらかの理由で統制を失ない、烏合の衆となっているトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 統制を取り戻す前に撃破したり、統制を失っている間に強行突破して目的地に向かいましょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『ゴットフリート・フォン・バンフィールド』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「エリザベータ・シゲトヴァール」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。