リプレイ
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
マリー王妃…えっと、もうマリーさんの方がいいのかな…?
彼女の始めての任務がキマイラウィッチの案内だなんてね。
ちょっとかわいそうだな、なんて苦笑しつつ
成功の報告をして喜んでもらえれば嬉しいな。
その為にまずは…、やるべき事をやりましょう。
『Boeotia』を起動してパラドクスを発動
超視覚による【観察】で【情報収集】を行い
霧地帯を逃走している敵に奇襲を行います。
煌剣『シュトライフリヒト』を抜いて斬りかかり
人機一体の精密な機動で的確に敵を切断し、
最終的に敵の頭部を落とします。
……何度見ても嫌な光景だな…。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
悪夢の光景のような初案内とは、と
案内人さんに微笑と一礼を残し現地へ
しかし、キマイラ達は難儀な連中だなあ……
逡巡は内心に収め
かの地の状況に思いを馳せ
今は怯む暇も惜しい。七曜の戦は目前だ
地形の利用し、樹々や霧に紛れて忍び足で移動
周囲を偵察し、敵を発見
味方とタイミング合わせ、霧に紛れて仕掛ける
泥濘の地を発動、ドール達の胴体めがけ弾を込め撃ち込もう
内部から溶解させ、首は残しつつ、溶け残りの胴体があれば利用するかな
とりあえず首は残す
狙いを合わせて速攻を
反撃の行軍歌には忍耐力で耐えよう
正義を熱く語ったネイ将軍は倒したぞ
霧地帯の嫌な気配に比べたらなんという事もない
重圧を返すほど意志を強くもつ
ルィツァーリ・ペルーンスィン
正直、こういうのは好きじゃないが……だからといって他の人に任せ自分は手を汚さないというのもな
其れにこんなのを予知したマリー王妃の方が余程きついだろうさ
新しい敵の犠牲者を救う為にも今は自分の気持ちは抑えるべきだしな
〇飛翔しての〇空中戦で戦闘
〇双翼魔弾で敵の持つ楽器を一つずつ砕き腕を足を最後に胸を穿つ様に倒す
自分の行いへの嫌悪を抑え込み冷徹に狩る様に敵を倒していく
……やっぱり敵で人々を苦しめてきた奴等とは言え、こんな倒し方をするのはきついな
もう二度とこんな戦い方は御免だよ
しかし、恨みや憎しみ……俺の場合は敢えて言うなら対象は……流行り病、かな
人間は本当にあっさりと逝っちまう
助けられると思ったのにさ
ジュダ・シンケル
キマイラウィッチの調査
本格侵攻はしないとはいえ、早めに敵の情報は得ておくに越した事はないだろう
情報を制す者が戦を制すのだからな
俺も協力しよう
グランダルメに趣き、トループス級を探し出す
いたな…
敵を見つけ次第、強襲を掛け戦闘に入る
その首貰い受けるぞ
【魔影分身術】で攻撃
敵の攻撃には分身で身代わりの術を用いて回避
もちろん無傷とは行くまいが
貴様もずっとこんな場所で彷徨い歩くのは本懐ではないだろう
解放してやる
貴様の任務からも、生まれ持った業からも
忍者手裏剣を閃かせ、一思いに首を狩る
苦しみを与えないのはせめてもの慈悲だ
…苦しみ、無念、恨み
全て戦と共にある
人為的に生み出された死には付き物だ
俺には既に覚悟はある
ラズロル・ロンド
キマイラウィッチの事は知りたい…けど
ん〜陰惨ね〜
…趣味じゃ無いけど
やるからには徹底的にでいこうか。
敵が現れたよ
敵前逃亡する気かい?
逃さぬよう敵前にデザートウォールの巨大な砂の手を出現させ
叩くぞーという気で溜めながら思い切りペチン
っと、あ…首残さなきゃだっけ?
と思い出し、次の相手は足元から手を出現させ
首を残して握り潰す
ほらほら、僕の顔覚えて逝きな
恨み辛みを撒き散らして逝くといい
それがキマイラウィッチの餌になる…のかな
反撃の砲撃は身を翻し避けるのと
避けきれないものは魔障壁でダメージ軽減を試みる
恨みや憎しみが糧なら…人々も恨みつらみが芽吹くような生活を強いられてるのかな?
しんどそうな世界だなぁ
「ディ、ディアボロスだ!」
悲鳴、怒号、そして、応戦の砲撃。突然の襲撃に対し、パニックに陥らずに反撃できたのはさすが、と言うべきだろう。
だが、そこまでだった。パニックにならずとも、もはや統制はない。闇雲に行われる砲撃に、捕らわれるような復讐者は何処にもいない。
「その首、貰い受けるぞ」
無数の分身体を生み出したジュダ・シンケル(森を憂う者・g08629)は、そのまま一刀をフリアン・ドールに見舞う。
断頭のみで苦しみを与えないのはせめてもの慈悲か。ぐぎゃぁと言う悲鳴と共に、その素首が、霧の空へと舞っていった。
しばし、時計の針は過去を刻む。
南フランスの霧地帯に降り立った復讐者達は、ひたすら霧の中を歩いていた。
目標は彷徨い歩くトループス級自動人形『フリアン・ドール』。行軍の意志を失い、ただの烏合の衆となった彼奴らを狩る。それが、復讐者達の第一の仕事であた。
「正直、こういうのは好きじゃないが……だからといって他の人に任せ自分は手を汚さないというのもな」
道すがら、その言葉と共にルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は嘆息を零した。理想の騎士を志す少年にとって、死者を辱める真似を自らが行う事は、どうにも気分が乗らないのだろう。だが、だからと言ってそれを他人任せにすることも、その矜持が許さない。そんな葛藤が現れ出でる台詞であった。
「それに、こんなのを予知したマリー王妃の方が余程きついだろうさ」
「まあ、な」
是と同意する青年の名は、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)。あの健気な王妃を思えば、彼の言葉を同意せざる得ない。
「だが、それを言ってしまうと、他の時先案内人が気分悪くしてしまうぞ?」
ドラゴニアンの少女、エルフの少年、妖狐の少年、そして吸血鬼の少年の顔を思い出し、微苦笑を浮かべる。そしてこれから先、この南フランスに関われば、このような予知を多くの時先案内人が見るのだろう。ならば、一人の時先案内人だけを特別扱い出来る筈も無い。
「でも、私、知っているんですよ」
諭し始めた青年に投げ掛けられた声は、そんな物であった。
声の主はレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)である。朗らかな表情の彼女は、しかし、そのまま表情を悪戯っぽい笑みへと転化させていく。
「エトヴァさん、マリー王妃……いえ、マリーさんが見送る際、嬉しそうに一礼していましたよね?」
「……」
む、と唸りそうな青年にクスリと笑うと、少女は真摯な表情を浮かべる。思うところは色々あるが、只の時先案内人、只の復讐者となった彼女を思いやる気持ちは、彼女も同様だ。
(「どうして彼女がこんな予知を見たのだろう」)
ただの偶然であれば、可哀想だな、と思う。もしもただの偶然じゃ無ければ……? 彼女に恨み憎しみを惹かれる素養があるのだろうか、とそれはそれで可哀想だな、と同じ文言を思ってしまう。
だから思う。あの憂いの瞳に、明るい優しさを取り戻したい、と。
「成功の報告をして、喜んで貰えれば嬉しいです」
「そうだな。それに今は怯む暇も惜しい。七曜の戦いは目前だ」
「ああ。新しい敵の犠牲者を救う為にも今は自分の気持ちは抑えるべきだしな」
レイの言葉にエトヴァとルィツァーリ、それぞれの決意が返ってくるのだった。
「趣味じゃ無いけど、やるからには徹底的に、でいこうか!」
ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の喚び出した巨大な砂腕は、そのままフリアン・ドールを捉え、地面へと叩き付ける。ビタンと激しい音と共に、四方八方へ、良く判らない機械油のような粘液が飛び散っていった。
「ほらほら。僕の顔覚えて逝きな。恨み辛みを撒き散らして逝くといい」
それがキマイラウィッチの餌になるならば、と挑発し、そして小首を傾げる。
(「キマイラウィッチの餌になるとするならば、この恨みとか憎しみがエネルギー源なのかな?」)
もしもそうならば、南フランスの人達は恨み辛みが芽吹くような生活を強いられているのだろうか。そう想像するだけで、胸が痛む。具体的にどんな世界かは思い描けなかったが、とてもしんどそうな世界だな、と思ってしまった。
「正義を熱く語ったネイ将軍は倒したぞ」
その傍らで、エトヴァの鋭い声が響いた。共に放たれた二丁拳銃の銃弾は、そのまま、戦慄に震えるフリアン・ドールの胴を貫き、破壊していく。ドロドロとそれが溶けていく様は、パラドクスの効果である事は明白だったが、その阿鼻叫喚っぷりに、この世の終わりを想起してしまう。
巨大な砂腕、そして銃弾の嵐から抜け出たフリアン・ドールもただでは済まなかった。
追い打ちを掛けるのは、黒き漆黒の魔弾――空を飛ぶルィツァーリが放つ双翼魔弾であった。それに足を撃ち抜かれ、フリアン・ドールはどうっと地面へ倒れていく。だが魔弾の襲撃はそれに終わらなかった。得物である楽器を、腕を、そして肩を撃ち抜き、最後の一打が撃ち抜いたのは、フリアン・ドールの胸であった。
頭以外の全てを砕かれ、機能停止したフリアン・ドールの顔面を掴んだルィツァーリは、そっと嘆息する。
(「……やっぱり敵で人々を苦しめてきた奴等とは言え、こんな倒し方をするのはきついな」)
二度と御免だ、と思う。だが、敵が歴史侵略者である以上、まだ戦いは続く。このような汚れ仕事が待ち受けていないとも限らないし、自分がそれに関わらないとも言い難い。
だから嘆息を零す。言うならば、この戦いもまた、彼らに必要な戦いだった。
「≪ - 接続開始 - ≫人が何れ至る叡智の結晶、人機一体の極点を此処に」
そして飛び込んできたのは少女の詠唱だった。
煌剣を引き抜いたレイはそのままの勢いでフリアン・ドールへ取り付き、その首を斬り刎ねる。首のみを斬り裂いた見事な一刀に、しかし、レイの表情は曇ったままだった。
(「何度見ても嫌な光景だな……」)
首を失い、どうと倒れる胴体も。全てを失い光を失う瞳も。何もかもが吐き気を催すくらいの嫌悪を覚えてしまう。だが、それが選んだ道だとすれば、その戦いを肯定するしか無かった。
「……苦しみ、無念、恨み、全て戦と共にある」
人為的に生み出されたそれらに、死には付き物だ。手裏剣に纏わり付く液体を撥ね除けたジュダは、ただ淡々と、それらに終わりを告げる。
「俺には既に覚悟はある」
殺す覚悟も。蹂躙する覚悟も。
赤い瞳に浮かぶそれは、強い決意であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
必要ならば、淡々とだな
首を飾り立てて、高く掲げよう
戦闘で溶けている分も利用しよう
ドール達相手に遠慮もあるまい……
……すでになんとも言えない状態になっているが
陰惨な方法か……
足りなければ油をかけて火で炙り
新宿島から持参した獣の血を振りかけて
戦禍の匂いを振り撒くように
首の付け根に布を巻いておき、そこから滴り落ちるように
戦利品のように長槍に突き刺して、高く掲げて進もう
サバトを思わせるな
断頭台を好んだドール達がこの様ではな……
キマイラウィッチどもがこういう趣向を好むならば
あちら側は、ろくでもない状況になっていそうだな……
これまで訪れた各地の様子が浮かぶが……いずれ、かの地にも夜明けを
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
やりましょう。
より陰惨で悪質で。
見た誰もが不快になる様な悪魔の行進を。
ボクも自分の発想だけではうまくやりきれる気がしないので
テレビゲームから知識を得て来ました。
長槍の様な物に、敵の残骸を次々を刺して行き
一番上部に頭を突き刺し頭部に油を差し火を放ち掲げます。
トーテムと言うのですって。
何とも悪趣味。
見るのも嫌悪する行為をまさか自分がやってるだなんてね。
今回だけです、この行為に決して慣れない様に。
さぁ、進みましょう。
ジュダ・シンケル
連携・アドリブOK
汚れ仕事は苦ではない
いや、苦ではないと言うと違うな
『特に何も感じない』
うむ、これが一番正しい
忍びの仕事は綺麗なものの方が少ない
こうした作業には聊かの情も生じない
何が最も屈辱的なのかを考えて首を晒す
死者に対する冒涜の際たるものは損壊だ
躯は無残に破壊し、尊厳を感じぬ有様にしよう
刃で死者を乏しめる言葉を刻むのも良いだろう
「裏切者」「負け犬」「面汚し」等
敵とは言え躊躇せざるを得ないような辱めでも、俺は、やる
それが役目であるのならば、当然だ
支度が済んだら首を棒に括り付け、霧の奥へと見せつけよう
これが憤怒だ、呪詛だ、宿怨だ
お前達を引き寄せ、苦しめるものだ
さぁ、繋がるが良い
受け入れてやる
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
……正直、こんな事を行う自分への不快感は強いし、こんな姿をあの子に見られたくはないと心の底から思う
だが、こんな行いを好む奴等が人々にどれだけの苦痛を与えるかと思えば俺の気持ちなんざ如何でも良い
其れに他の人が手を穢すのに任せ己は手を穢すのを厭う方が余程卑怯者だ
ま、此の後に出てくる敵には思いきり八つ当たりさせて貰うさ
敵の片目をえぐり口から騎乗槍を突っ込んで貫く
そうやって騎乗槍で貫いた状態のまま其れを右手で掲げ己の感情は押し殺しつつ進む
自分自身に対して、其れに此れ程陰惨な行いを好む敵に対する怒りを抑え込むように騎乗槍を持たぬ手を血が出る迄握りしめ、己の歯が砕けん程に噛みしめながら
ラズロル・ロンド
ふぅ、次は首を晒せとな
遺体は丁寧に洗って処理してリネン巻きにしてこそ復活に大切な体になるって信じられてたけど…それはエジプト式か。そういう事じゃ無いんだよね。
逆に陰惨に……
やっぱり最大の冒涜は損壊かなぁ。
長物は持参してきた農具のフォークを使い
パラドクスで顔半分を狙い…叩き潰しフォークに刺す
ゴリラ頭は重そうだ【怪力無双】を使い天高く晒そうか
勝鬨…じゃなく、恨みと憎しみを胸に
道を切り開く切っ掛けになるのならやり切ろう
敵の情報を持ち帰るため…
エジプト攻略をしていた時から腹は決まっているんだ
何も躊躇することは無い
刈り取ったフリアン・ドール達の首を高く掲げ、行進していく。
復讐者達の行為を端的に表せば、ただそれだけの内容であった。
だが、そこに渦巻く心情は様々だ。
(「汚れ仕事は苦ではない。否、苦ではないと言うと少し違うな。『特に何も感じない』。これが正しいか」)
例えばジュダ・シンケル(森を憂う者・g08629)。忍びの彼にとって、このような汚れ仕事は日常茶飯事と、むしろ積極的に陰鬱なオブジェを制作している。そこに自動人形に対する一切の情が湧くはずも無かった。
首処か塵芥となった機骸を長棒に刺し、その遺骸にまで辱めを施していく。裏切り者、負け犬、面汚し……。有りと有らゆる罵詈雑言が、そのオブジェへと刻まれていった。
(「……正直、こんな事を行う不快感は強い。それに、こんな姿、あの子には見せられない」)
己の内心に向き合い、吐き気を堪えて作業を行う者も居た。ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)はしかし、頭を振って陰鬱な作業を再開する。
フリアン・ドールの片目を抉り、口から騎乗槍を突っ込む。それだけで悪趣味な生首の完成だ。
その姿を虚無の目で見上げ、ただ、嘆息を吐いていた。
(「こんな行いを好む奴らが人々に何れだけの苦痛を与えるかと思えば、俺の気持ちなんざ如何でも良い。それに他の人が手を穢すに任せ、己は忌避するなんて厭う方が、余程卑怯者だ」)
今の行為も、だがそれを為さない自分も嫌悪する。それが彼の想いであった。
(「敵の情報を持ち帰る為だ。覚悟などはとっくに決めていた。何も躊躇する事は無い」)
自動人形の首をピッチフォークに突き刺しながら、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は頭を振る。
全ては過去に腹を決めたこと。今更躊躇う理由は無いと、ただそれだけを内心で呟き、淡々と作業をこなしていく。無論、その差異に頭を――頭蓋の右半分を砕く事も忘れない。遺骸の任意損壊は死者に対する一番の冒涜になる。故にそれを実行する。彼の行動は彼なりの理に適っていた。
「やりましょう。より陰惨で悪質で。見た誰もが不快になる様な悪魔の行進を」
覚悟を決めたのは自身も一緒と、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は小さく呟く。
手にしたのは長槍。そして、粘っこい機械油。
槍で刺し貫いたフリアン・ドールの首に油を注し、火を付ければ、そこに出来上がるのは悪趣味な松明であった。
「トーテムと言うのですって」
トーテム。即ち北アメリカ大陸の先住民達が作ってきた柱状の木造彫刻の総称だ。識者にはトーテムポールの名の方が聞こえが良いかもしれない。多くは呪い、或いは物語に属する物だ。ならば、今、例が作ったそれは悪夢の物語を意味する物であろうか。
己の作った悪逆非道な創作物に、しかし、レイは悪趣味と笑う。今はそれを笑うしか無かった。
(「見るのも嫌悪する行為を、まさか自分がやることになるだなんてね」)
そして思う。心の底から思う。そんな自分に慣れたくないな、と。
「まるでサバトだな」
自身も似たようなオブジェを造り上げながら、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)がそう呟いた。
首を掲げ、中には刻印する姿もある。より破壊を施し、残骸部分を多くする姿もある。それらを燃やす姿もある。まさしく悪魔崇拝の儀式そのものの光景に、彼が苦笑を浮かべるのも無理は無かった。
「まあ、ドール相手に遠慮もあるまい。俺もレイさんやジュダさんに倣おう」
己のオブジェに火を放ち、獣の血を振りかける。漂う臭気は戦禍を思わせ、思わず鼻白んでしまう。
(「断頭台を好んだドール達がこの様ではな……」)
因果応報とはこのことか、とも思ってしまう。
だが、同時に思うのはキマイラウィッチという改竄世界史の内情だ。彼らなのか彼女らなのか判らないが、それらが今の復讐者達の行いを肯定するのであれば、彼奴らの改竄世界史もまた、碌でもない状況になっているのだろうな、と思ってしまう。
むしろ、碌でもなかった改竄世界史をエトヴァは知らない。それ故、キマイラウィッチの改竄世界史もまた、これまでの改竄世界史達と同じか、より悲惨な状況になっているかのどちらかだと推測していた。
(「いずれ、彼の地にも夜明けを、だな」)
それはキマイラウィッチの改竄世界史のみにあらず。全ての改竄世界史に言える事だ。
一通り作業を終えた復讐者達に、声が掛かる。
「さあ、進もう。仲間達。より陰惨で、より陰気な……仮装行列と行こうじゃないか」
それはジュダが告げた文句だった。誇示して歩くことをパレードと言うならば、正にそれだと彼は、淡々した口調のみを紡いでいた。
それが彼の生き様だった。役目であれば当然やる。躊躇せざる得ない辱めを行う作業でも、しかし彼はやる。それが忍びである彼の当然だったからだ。
「ゴリラ頭は重そうだ」
本気なのか冗談なのか分別が難しい言葉を口にし、ラズロルは【怪力無双】と共にピッチフォークを高く掲げる。其処に突き刺されたフリアン・ドールの表情が恨めしいようにも思えたが、おそらく気のせいだと黙殺することにした。死者が何かを感じる筈も無いのだから。
進みましょうとレイが呟けば、エトヴァもまた、行進を是と頷く。
「進もう。この先に行くべき場所がある」
そして、何かを振り切るよう、騎乗槍を掲げたルィツァーリが歩を進める。
空いた手から零れる血、そして砕けんばかりに噛みしめられた歯。
それらはまるで、彼の嘆きを、彼の涙と嗚咽を代弁するかのよう、悲哀の調べのみを紡いでいた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV2が発生!
【照明】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ等歓迎
……ッ!
此れがそうなのか……成る程、こいつは……
恨みと憎しみを一瞬拒絶仕掛けるも自身と過去に起因する理不尽への憎しみを想起し受け入れ
少年には幼馴染がいた
彼女は父の領地の隣領の領主の娘で自分より一つ下
持病で滅多に外に遊びにも行けない彼女を励ます為に遠駆けに連れて行ったり花をプレゼントしたりした物だ
けど彼女は流行り病で死んだ
少年は彼女の持病の特効薬を求め離れた地に居て死に目にも会えなかった
此れで元気になると喜び勇んで戻った時の絶望は今も忘れられない
其れが少年の中にある、あの子に惹かれ想いを自覚した今なお残る一番大きな憎悪
大切な人を奪う理不尽と自身の無力への怒りで騎士を目指した切っ掛け
寛容せよ、と彼女は言った。
それは即ち、それを受け入れることに外ならない。
霧の中、求められていることがそれだと悟った復讐者達は――ただ、己に巣くう、否、己を喰らう闇に悲鳴を上げた。
これは、ルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)の記憶だった。
少年がいた。何処にでもいる只の少年だ。
少年には幼馴染みがいた。自身より一つ下の幼馴染みは、持病で滅多に外に出られず、少年との交流はベッドでの会話が多かった。
少年は曲がりにも少年だった。幼馴染みを励ますため、花をプレゼントしたり、彼女の気分の良いときは遠駆けに連れて行ったりした物だった。
――いつか、彼女を治す特効薬を手にして凱旋を果たすんだ。
それが、少年の抱いたささやかな夢で、そして、それを叶える日は遠からず訪れた。
そう。少年の夢は叶った。彼は初の冒険で得た特効薬を手にし、実家に帰る間も惜しいと、彼女が住まう屋敷に喜び勇んで向かったのだ。
そこで彼に知らされた物は、冒険の最中、流行病で幼馴染みが命を落としたという悲報だった。
当然、その報は彼の両親にも伝えられていた。冒険に出ていた彼だけが唯一、知る事が出来なかった。
「あの子は最後まで、貴方に会いたがっていた」
彼女の親から告げられた言葉は、おそらく慰めだったのだろう。だが、少年には別の言葉に聞こえた。――お前は、彼女の死に目にすら会えなかった。それよりも自己満足の冒険を優先したのだ、と。
それが、彼の記憶にある最初の絶望であった。
「ああ、これが俺の闇。俺の憎悪……」
無力感と理不尽への抗い。怒りが向いたのは何処だったのか。何だったのか。誰だったのか。
涙で濡れる瞳で、闇を睨む。闇を見つめる。闇に縋り付く。
「……だから俺は騎士を目指して、お前みたいな人を生まないように戦うと、決めて、だから、俺は……」
己を抱き、呻く少年の言葉に闇が応える。
「でも、貴方は私を助けてくれなかった。一緒に居てくれなかった」
少女の声をした悪意に、ルィツァーリは絶叫した。
大成功🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】がLV3になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
ラズロル・ロンド
霧の中から立ち込める負の思念に思わず顔を顰め
ああ…でもこの感情はよく知ってる
自分も似たものを持っている
腹の底に重く渦巻くようなドス黒い衝動
相手を滅ぼしたい…その喉仏に喰らいつき引き千切ってやりたい…
自分の中で獣のような衝動がザワめく
耳と尻尾がザワザワ逆立ち食い縛った歯の隙間からフゥゥーっと息を吐く
書の間で説得不能と諦めざる得なかった時も…
玩具のように人の命を弄ぶクロノヴェーダを殺したい衝動に体が動いた時も…
古代エジプトで生きた時からそんな感情は持っていた…が
新宿島に来てその衝動はより強くなったように思う
復讐心
キマイラウィッチも同じ…なのか?
応えろ
今は全てを受け入れ同調するように気持ちを滾らせる
怨嗟。毒心。敵意。害意。そして、憎悪。
それらを全て肌に受け、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は顔を顰める。
だが、この感情を知っている。彼はよく知っていた。
「……そうだね。これと同じ感情が、僕の中にも渦巻いている」
腹の底に重く渦巻くどす黒い感情。それは、彼が今、肌で感じているそれと同じ物だった。
そして、それが吹き上がる。まるでそれは、励起であった。キマイラウィッチの放つ怨念が、彼の激情を吹き上がらせ、そして、彼そのものを侵蝕していった。
滅ぼしたい。喉元に食らいつきたい。噛み千切ってやりたい。
浮き上がる自身の思いに、まるで獣だと自嘲する。妖狐の耳、そして尻尾が逆立ち、フシュルルと吐息が零れる。それもまた、獣の唸りであった。
理不尽。
それがラズロルの対峙した敵の名だ。
獣神王朝エジプト。ギザのピラミッド神殿。死者の書の間。
人々の魂を説得不能と諦めるしかなかったあの日。彼は確かに無力だった。
玩具の様に人の命を弄ぶ歴史侵略者達に対峙したとき、彼に宿るそれは只の殺意。只の敵意だった。
抱く激情は、新宿島へ流れ着いてから尚、強い物になったような気がする。
全てを奪われ、復讐を、怒りを糧にするディアボロス。それが彼ならば、その姿が正しいようにも思える。獣に堕ちることが誤りの様にも思える。
故に正解は判らなかった。ただ、その激情も獣じみた思考も己の物だと、彼はそのどす黒い感情をも抱き締める。此れは自分自身だと、ただ、ありのままを受け入れる。
「お前達も同じなのか?」
闇に問うた。
闇の名前はキマイラウィッチ。ラズロル達が向かう先――新たに拓く改竄世界史の、或いはそこに蠢く正体不明の何かを指す言葉だ。
だが、闇は応えない。何も応えてくれず、ただ、ぽっかりとした穴のみを、彼に刻んでいく。それは――。
「……辿り着いたのかな?」
空気が変わったとラズロルは悟る。森の景色は変わらず、霧は晴れず、だが、重圧だけはより強く、より濃く感じる。
周囲を伺う暇もなく。
しゃぁぁと悲鳴じみた呼気の音が、彼の耳朶に叩き付けられていた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【建物復元】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
完全視界を補助に使用
……来たか
キマイラの魔女……人と獣が合わさったような見た目、それが侵略者の姿か
メドゥーサやラミアーを思わせるが
狩り取って、復讐者を覚えて頂こう
偵察、観察し戦況を把握
敵の姿、動作や攻撃からも情報収集
味方と積極的に連携、包囲されぬように、背を護り死角を補う立ち回り
狙い合わせて着実に撃破
泥濘の地で這いずり回りにくくし、動きを鈍らせ連射で撃ち抜く
復讐者だ。裏切者が来たぞ
話の通じぬ相手だが、「復讐者」の存在に反応を見せるだろうか
反撃の刃は盾で弾き、呪詛は忍耐で耐え速攻
魔力障壁で身を護り
包囲されたり形勢不利な時は飛翔からエアライドを交えて立体的に回避
残骸を見届けて撤収だ
レイ・シャルダン
連携・アドリブ歓迎です。
これが…キマイラウィッチ。
ボク達に纏わりついたあの悪意はこの者達から…??
何故我らディアボロスに恨みを抱く!?答えろ!
話し合いは…望めないか。
何にせよ、未知の敵を相手に手加減は出来ません。
キマイラウィッチを掃討します!
『Boeotia』を起動しその超視覚の【観察】で【情報収集】を行います。
敵の動きを瞬時に見切り、敵の隙を【看破】して煌剣『シュトライフリヒト』を突き立てます。
仲間との連携を意識して動き、敵の数を確実に削りましょう。
敵の攻撃は『シャルダント』『アルヴァーレ』による2重の【結界術】で勢いを殺し、
アクロヴァレリアの推進力で高速離脱して回避します。
ジュダ・シンケル
…到着したか
蛇の威嚇音に目的との接触成功を知る
敵は未知
何を用いるか不明な以上、攻撃はあまり受けたくはないが…
そうも言ってはいられまい
速やかに目的を遂行するまでだ
ここは貴様等の領域だが、『森』は俺の領域だ
【フェアリーコンボ】を発動
故郷の森の妖精たちを召喚し、撃破を試みる
俺の練度はまだまだ足りない
多くの目標の力をなるべく削ぎ、トドメは強力な同道の復讐者達に任せよう
ここへ至る道中で頭に上がった熱を冷ませ
忍びたる者、冷静に動くべし
反撃は……ふむ、被弾個所に微かな痺れ。毒か
俺は多少、耐性がある
行動可能だ
攻撃を続けよう
…キマイラウィッチ
成る程、怨嗟に満ちたディヴィジョンらしい
今日は挨拶程度だが、何れ、また
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
はぁ……はぁ……
ああ、俺はお前の最後の時に一緒に居てやれなかった
其れは事実だし絶対に忘れられない、忘れてはいけない俺の罪さ
……だからこそ、子供の頃のたわいない約束だとしても……お前との残った約束だけは……!
困ってる人達を助けられる騎士になる……其れだけは破れないから……!
お前達に苦しめられる人々が此の先に居る
なら過去への後悔は抑えつけて……お前達を倒す!
呪詛対策に己の周囲を○浄化の○結界(術)で覆いつつ○飛翔しての○空中戦
戦場全体を○観察
連携重視で味方へ攻撃を仕掛けそうな敵を前に逆に此方が先に攻撃して機先を制したり、味方が攻撃する敵を優先して攻撃して敵を早目に潰せる様に動く
ラズロル・ロンド
パンっと自分の頬を打ち気持ちを切り替え
恨み感情が餌にって…ディアボロスとの相性悪そう?
攻防の感情で変化があるか分らないけど
今は些細な違いも観察しよう
敵の声に…悪寒めいた毛の逆立ちが
よりによって蛇女…直視がキツイ。生理的にダメ…蛇ぃ
しかし油断は禁物
パラドクスの砂の海嘯で押し流し囲まれぬよう退路を確保する
本音は埋めたいけど…
舞い上がる砂を楔にし地面に縫い止め足止めする
反撃の蛇刃は、反射的に顔の前から飛び退き回避
奴ら毒噴射するから…って刃だよコワ
感情の変化
仲間達にも変化が無いか観察しつつ協力しながら
情報収集に努め敵を討つ
裏切者って…仲間意識でもあったのか?
まだまだ解んない事だらけだな
また来るよ
ルフィナ・スローヴィン
(サポート)
クロノヴェーダへ怒りを燃やす、強がりな女の子。
自らの行動に対しては自覚的で、熟慮の上、何食わぬ顔でかなり思い切りの良い行動を取る。
基本的に喋り方は大人びており、相当気を抜いていない限り、子供らしい話し方はしない。
ただ、猫を被っていたほうがいいと思えば子供らしくも話す、計算高く抜け目のないタイプ。
戦闘においてはとても好戦的。
敵に対して容赦なく攻撃を仕掛けていく。
力での勝負はせず、手数や速度を生かして攻めて、仲間の攻撃が生きるようにお膳立てをする。
傷つくことは恐れず、積極果敢に行動する。
弱音を他人には見せない。
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしない。
ハァハァハァ。
聞こえる吐息は荒く、まるで獣が傍に居るようにも錯覚してしまう。
(「ああ、俺はお前の最期に一緒に居てやれなかった。其れは事実だし、絶対に忘れられない。忘れてはいけない俺の罪だ」)
それが獣の声で無く、自身の肺胞が空気を求めて喘ぐ音だと認識したルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、己の胸をぎゅっと掴む。
痛かった。だが、その痛みが彼に現実を認識させていた。
「……だからこそ、子供の頃の他愛ない約束だったとしても、お前との残った約束だけは……!」
(「困ってる人達を助けられる騎士になる……。其れだけは破れない――」)
その誓いに答えは無い。
代わりに。
パンと、激しい音が響き渡っていた。
「……どうかしたのかい?」
己の頬を叩き、気合いを入れていた仲間――ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)の姿に、思わず問うてしまう。
どうやら、ルィツァーリとラズロルの二人のみがこのキマイラウィッチの改竄世界史へと突入を果たせたらしい。
「ああ、ちょっと気合いを。キマイラウイッチ、恨みの感情が餌にって……ディアボロスとの相性悪そう?」
「どうだろうなぁ」
だが、このまま侵攻と戦いが激化すれば、当然、彼奴らが抱く恨みは大きくなる。それが逆恨みであろうと、エネルギーと化すのであれば、これほど相性の悪い物も無いだろう。
(「問題は、誰の恨みがエネルギーになるか、だろうけども」)
ラズロルの指摘に少しだけ思考する。例えば淫魔。堕落をエネルギーにする彼らだが、淫魔が堕落してもほぼエネルギーとして摂取できなかったことは、今は亡き改竄世界史の彼奴らが知らしめてくれた。
例えば自動人形。当然ながら、自動人形を断頭してもエネルギーを得ることは出来ない。一般人の断頭こそが彼らのエネルギー源である事は、最早語るまでも無かった。
「そうだね。それに、恨み感情がエネルギーなのかはまだ判っていない訳だし」
そのための調査だった、とラズロルは己の後頭部をガリガリと掻く。ともあれ、今は情報が欲しい。些細な事でもなんでもその違いを観察しようと息巻くことで、己の心を平静へ導いて行く。
「ああ。この先に、クロノヴェーダに支配され、苦しめられている人がいる」
ならば過去の後悔に引き摺られている暇は無いと、ルィツァーリが足を踏み出そうとした、その刹那であった。
ふしゅりと、上記したような呼気が聞こえた。
がきりと、何かが打ち合うような音が聞こえた。
そして、「ディアボロス――」と呻くような憎しみの声が二人の背後から聞こえていた。
振り返ったその先には、女がいた。否、それを女と言って良い物か。
それは蛇の下半身を持つ、言わば半蛇半人の異形であった。左の腕もまた蛇と化しており、右に至っては骨の蛇だ。
それが何匹何十匹と、濃い霧の中から現れ出でる。
「「――キマイラウィッチ?!」」
ルィツァーリとラズロルが身構えるのと、彼奴らの襲撃、どちらが早かったか。
そう。現れた彼女達こそ、キマイラウィッチ。現在、復讐者達に確認されている唯一のキマイラウィッチ『グリーディラミア』であった。
「裏切り者がいたぞ!」
唾棄の言葉が霧の森の中、響き渡っていた。
「交戦の音ね」
顔を上げ、ぴくぴくと耳を動かすルフィナ・スローヴィン(暁闇・g07231)に、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)、レイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)、そしてジュダ・シンケル(森を憂う者・g08629)の3名が是と頷く。
ルィツァーリとラズロルから遅れること数秒。彼らに救援機動力で合流すべく飛び出した復讐者達は、その数秒の差異が襲撃を許す結果になった事を知る。
(「大丈夫です。ルィツァーリさんもラズロルさんも強いです。そう簡単に負けたりはしません」)
(「ああ、だが、急いだ方が良い」)
不安を払拭させるべく紡がれたレイの言葉に、エトヴァは肯定のみを返す。あの二人が簡単にやられるとは思っていない。だが、ここは未知の改竄世界史だ。何があっても不思議無い。そう思うくらいが丁度良いと自分に語り、歩を急ぐ。
「到着したな――」
ジュダの言葉は、最早奇襲と共に紡がれていた。
森林の中に即時召喚された妖精達は、友の導きのまま、その力を異形達に向かって振るう。森はエルフの領域。自身の領域だと言わんばかりの攻撃に、キマイラウィッチから悲鳴が上がった。
返す刀は飛び出す斬撃から。骨の蛇の頭部から発せられたそれはジュダの衣服を、そして皮膚と肉を斬り裂き、辺りに血をしぶかせた。
「――ちっ。呪詛か!」
斬り裂かれた傷口が疼き、まるで何物かに貪られているよう、気力を奪われていく。成る程。ウィッチ。即ち魔女。斬撃よりも呪詛の方が得手と言う訳か。
「裏切り者め! 殺せ! 殺せ!」
ジュダのパラドクスを受けたことで、援軍の存在を認識したのだろう。
グリーディラミア達は骨の爪を向けると、彼らに向かっても、一斉に敵意を放ち始めた。否、それはもはや殺意そのものであった。
「何故我らディアボロスに恨みを抱く?! 答えろ!!」
レイの問いに、しかし、返ってきた言葉はただ一つだけだった。
「復讐を! 復讐を!」
それのみが、返答であった。
「言葉は通じないようだな。……聞こえていないのか、それとも理解する知性が無いのかはわからないが」
冷静な観察眼と共に、エトヴァもまた、パラドクスを紡ぐ。魔力の塗料を固めた弾丸は、狙い違えず、グリーディラミアの3体を撃ち抜いていた。
(「俺達に反応があればと思ったが……まあ、この殺意も反応と言えば反応か」)
得られた情報は概知の物で、それ故に眉を顰める。だが、今はこの交戦結果を持ち帰らなければならない。不満に思う暇は無いと、銃口を構え、次々と銃弾を撃ち出していく。
「一条の光がボクを導く、――見極めたよ、その守り……貫く!」
そこに疾走るは闘気の輝き、そして光り輝く煌剣であった。レイのサイバーレイピアが繰り出す一撃はグリーディラミアの一体を斬り裂き、大きな悲鳴を木霊させる。同時に行われた反撃は幾多の呪詛、そして骨の刃によって紡がれていた。
裂かれ抉られ、レイの身体が空を舞う。否、空を舞ったのは自分自身の意志であった。機動力に物を言わせ、刃を躱したレイは、逃れきれなかった斬撃と呪詛に身を晒しながらも、更なる吶喊を繰り返していく。
「うおおおっ。コイツも喰らえ!」
蛇が紡ぐ呪詛を掻い潜りながら、ルィツァーリもまた【飛翔】する。次いで黒い双翼から放たれた魔弾は、都合一対二発。それらがグリーディラミアを打ち倒し、ぐしゃりとその蛇身を地面へと叩き付け、のたうち回らせていた。
(「約束した!」)
約束した。人々を助ける騎士になると。約束した。誰かを守り抜ける騎士になると。そうなる前に彼女と別離した。その蟠りは胸にある。だが、約束もまた、そこにあった。
「ゆけ砂の海嘯、我が意のままに。砂塵の楔、貫き縫い留め、その身を晒せ』
ルィツァーリの決意に重なるのは、ラズロルの詠唱だ。
砂の海嘯を呼ぶ彼は、ぎりりと歯噛みすると、脂汗の浮かんだ額を拭う。直視がキツい。むしろ無理、とラズロルの中の何かが悲鳴を上げていた。
(「よりによって、蛇女。直視がキツイ……。生理的にダメ……。蛇ぃぃぃぃ」)
ラズロル・ロンド。寒さと蛇が苦手な妖狐であった。即ち、グリーディラミアは彼の天敵でもあったのだ。
「闇よ、羽ばたきなさい。空を蝕むほど、広く高らかに」
そこに歌声が重なった。
歌声の主はルフィナであった。黒き翼と共に高らかに飛び上がった彼女は、そのまま無数の弾丸を降り注がせる。その一つ一つが彼女の生み出した羽根であり、そしてパラドクスの成果物と悟った刹那、鱗を斬り裂かれたグリーディラミアの悲鳴が響き渡った。
「怖がっている暇はありませんよ。さあ、蹂躙しましょう」
「判ってる!」
大人びた少女の笑みに、全てを振り払うような青年の言葉が重なった。
交戦の時間は四半刻と言った処か。
荒い息を吐いたレイは、己の周囲の景色が変わったことに、ふと疑問の声を零す。
「ここは……断頭革命グランダルメ?」
「どうやら戻ったようだな」
エトヴァの言葉は冷静そのもの。どうやらキマイラウィッチ達を倒したことで、彼の改竄世界史から排斥されたのだろう、と。それが彼の見解であった。
「まあ、縁は作られた。奴らを刈り取り、改竄世界史そのものに復讐者の足跡を刻んだ。即ち、奴らに俺達は覚えられた……と思う」
語尾が弱くなるのは致し方ない。覚えた相手を全滅させたのだから、その情報が何処まで伝播しているかを保証出来なかったのだ。至極当然な言葉であった。
「だけど、エトヴァの言う通り、これで縁は出来た。時先案内人も言っていただろう? 『キマイラウィッチ達を撃破していけば、その因縁がパラドクストレインでの移動を可能とするだろう』、と。だから、俺はこう言っておこう。『いずれ、また』とな」
ジュダの言葉に一同は是と頷く。
此度の苦労が報われるかどうかは判らない。だが、無駄にはならない。その確証はあった。
そして。
「もう二度、悪意に晒されながら突入は御免だね! パラドクストレインでびゅんと行きたい」
「ああ、そうだな」
ラズロルの言葉に、ルィツァーリが噛みしめる様に頷く。二度も三度もあんな気持ちを抱きたくない。その気持ちは本物だった。
「でもラズロルさん。グリーディラミアは普通にトループス級ですから、出現すると思いますよ」
「えー。勘弁して欲しいなぁ」
レイの言葉に、そのまま突っ伏しそうな勢いで、ラズロルが愚痴を零す。
(「さて。キマイラウィッチに潜んでいる異形は、あんな物で済むのでしょうか?」)
そんな賑やかな彼らの様子に微笑しながら、ルフィナはそんな文言を思い浮かべる。
だが、それ以上口にすることはやめた。時先案内人が言えば、徒に不安を煽るだけだ。今はまだ、その時ではない筈。
「さて。帰りましょう。パラドクストレインまで辿り着けば、新宿島は直ぐですよ」
「森の案内は任せろ。これでもエルフで忍びだからな」
ルフィナの言葉に返ってきたジュダの言葉はいつもの通り淡々としていたが、何処か安堵の色を帯びた物でもあった。
それは、此処に居る全ての者達が、同じ気持ちを抱いていたから、なのかもしれなかった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【コウモリ変身】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【エアライド】がLV2になった!
【飛翔】がLV3になった!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV5になった!
【能力値アップ】がLV2になった!