甲相駿三国同盟~小田原城本丸強襲決戦

 小田原城『小峰曲輪』強行突入作戦を成功させたことで、小田原城の本丸に攻め寄せ、ジェネラル級天魔武者『北条氏政』に決戦を挑む事が可能になりました。
 小峰曲輪への突入を成功させたとはいえ、難攻不落の小田原城の本丸では頑強な抵抗が予想されています。
 ですが、ここで北条氏政を撃破すれば、甲相駿三国同盟の一角を崩すこととなります。
 北条氏政を撃破し相模国を制した後は、武田氏の支配する『甲斐国』か武田氏の支配する『駿河国』の攻略が可能となりますし、他の令制国へ矛先を向ける事も出来るでしょう。
 相模国を制した後の戦略については、攻略旅団で提案を行ってください。

北条氏政

北条氏政決戦~崩せ、不落の小田原城(作者 坂本ピエロギ
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『小峰曲輪が突破されたか……しかし、勝敗は兵家の常。今は嘆く時では無い』
 小田原城の本丸、その中枢たる天守閣で、天魔武者『北条氏政』は重々しい声で呟いた。
 状況は決して芳しくない。だがそれで尚、彼に狼狽は絶無だ。相模国の大名として彼が考えることは只一つ――曲輪を制圧した復讐者との決戦にある。
『本丸の城門は、外部からの破壊は不可能。曲輪ひとつ抜いた程度で、我が小田原城はびくともせぬ』
 城の精鋭を配備した本丸の防衛は、堅固にして不落だ。いかに大阪城を落とした復讐者と言えど、そう簡単に突破を許さぬ自負が氏政にはあった。
 今、自分が取るべきは同盟国の援軍を待つこと。防りの戦を得意とする氏政にとって、それは正に望むところだ。
『一秒でも長く、持ち堪えよ。それが我らの勝利に繋がると知れ!』
『『ははぁっ!!』』
 氏政の下す命令に、護衛のブシドーマルたちが呼応する。
 この戦を勝ち、復讐者を退けてみせる。その一念に、巌の如き不動の執念を燃やしながら。

●新宿駅グランドターミナル
「よう、皆! 小田原城の攻略が、いよいよ大詰めを迎えたぜ!」
 集合した復讐者たちを前に、大鳥・直雅(人間の傾奇武者・g08448)はそう告げた。
 相模国の大名『北条氏政』が籠る小田原城。その本丸を守る『小峰曲輪』を制圧したことで、氏政に決戦を挑むことが可能となったのだ。
「相模国は、最終人類史の横須賀と隣接する令制国。《戴冠の戦》の前に制圧したいところだな!」
 小田原城は難攻不落で知られ、その守りも相当に堅い。
 撃破目標である氏政は天守閣で徹底抗戦の構えを見せており、本丸の突破は必須。千早城や巨大神像は使えない状況だが、力押しを仕掛ければ突破は決して不可能ではない。
 防衛を行う『雑賀衆』は士気の高い精兵だが、大阪城を制圧した今の復讐者たちなら勝機は十分あると直雅は告げた。
「本丸に突入すれば、敵は氏政と護衛の『ブシドーマル』だけ。遠慮なくブッ潰してやろうぜ!」

 今回の作戦では最初に敵防衛ラインを突破、その後、本丸へ突入する流れとなる。
 ただし小田原城の城門は無類の防御力を誇る為、正面からの突入は困難だと直雅は言う。
「そこで皆には、別の場所から突入して貰う。具体的には――城壁だ」
 防衛ラインを築く雑賀衆は、城壁という地の利を生かして攻撃を仕掛けて来る為、激戦は免れ得ないだろう。
 とは言え、ここさえ抜ければ天守閣までは一本道だ。待ち構える氏政を討てば、晴れて相模国を制圧できる。
「氏政や護衛のブシドーマルは、堅実な戦いを得意とする天魔武者。城壁の爆破や小峰曲輪への奇襲が成功した今、隙をついた奇襲は無理だと思ってくれ!」
 氏政の守りが勝つか、復讐者の攻めが勝つか。
 小田原城の城取合戦は、力と力のぶつかり合いになる――そう告げて、直雅は作戦の説明を終えた。

「ちなみに、小田原城の城門についてだが……こいつは強固なクロノ・オブジェクトだが、移動や解体を行うと効果を失うことが分かっているぜ。残念だが、確保は不可能という前提で臨んでくれ!」
 今回の作戦で相模国を制圧すれば、同盟を組んだ令制国への進出も可能となる。
 甲斐国の『武田信玄』、そして駿河国の『今川義元』、いずれも戦国時代を代表する戦上手だ。
 むろん他の令制国への侵攻も可能だが、こちらは攻略旅団の提案が必要だと直雅は付け加えた。
「特に提案が無ければ、攻め入る先は甲斐国になるだろう。《戴冠の戦》に向けて天魔武者の力を削り取る為にも――皆、気張って行こうぜ!」
 かくして直雅は復讐者たちに向き直り、時空間移動列車の乗車口を開放する。
 行先は天正大戦国、相模国。分厚い城壁を盾に待ち構える『北条氏政』との戦いが、今、幕を開けようとしていた。

●相模国:小田原城
『全員、準備はいいな!』『ああ、蟻一匹通すものか!』
 山のように巨大な威容を誇る、小田原城の城壁。
 いかなる外敵の侵入も許さぬ難攻不落の城を守るように、雑賀衆の一団は強固な防衛ラインを組んでいた。
 城門が絶対に破られない以上、復讐者が城壁に攻めて来るのは時間の問題だ。本丸に控える氏政を守る為、トループスたちは全員が不退転の決意を固めている。
『登って来る敵は残らず落とせ! 氏政様の為にも、必ず持ち堪えよ!』
 精鋭部隊の名に懸けて、必ずや壁を護り抜く。
 決死の想いを胸に秘めた雑賀衆は、己が牙を研ぎながら復讐者たちを待ち構えるのだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
2
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【トラップ生成】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の空間を、非殺傷性の罠が隠された罠地帯に変化させる。罠の種類は、自由に指定できる。
【断末魔動画】
2
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【壁歩き】
3
周囲が、ディアボロスが平らな壁や天井を地上と変わらない速度で歩行できる世界に変わる。手をつないだ「効果LV×1人」までの対象にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。
【寒冷適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV3 / 【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV6 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

坂本ピエロギ
 坂本ピエロギです。今回のシナリオは、ジェネラル級『北条氏政』との決戦となります。
 小田原城の天守閣に待つ氏政を撃破し、相模国の制圧を目指しましょう。
 以下、作戦の概要となります。

🌏現地情報🌏
 相模国:小田原城(天正大戦国)

✏概要✏
 本作戦の目的は、天魔武者『北条氏政』の撃破です。
 城壁に展開する敵防衛ラインを突破し(③)、天守閣で氏政の勢力と交戦、これを撃破して下さい(②・④)。
 また、戦闘中に氏政と会話を行うことで、何らかの情報を得られるかもしれません(①)。

 執筆の優先順位は③>②>①>④。成功条件は④の達成です。
 初回の執筆は3/19の8:30より開始し、以降は参加状況を見て適宜進行いたします。

 それでは、皆様のご参加をお待ちしています。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


アンゼリカ・レンブラント
相棒のシル(g01415)と

これはまた、難攻不落という言葉もぴったりな城だね
でも、だから尚更ガッツが湧いて来るってもの
後に続く仲間の為
ディアボロスの一番槍、いただくよ!
シルとなら勇気もめいっぱいで行けるさ

城壁は崩せるか、一手試してみるのもありだね
剣より生み出される衝撃波をシルの砲撃と重ねるよう打ち込もう
破壊できないなら雑賀衆に攻撃を叩きこんじゃおう

敵は白兵術でこちらに迫ってくるよね
囲まれないよう注意しつつ、盾でしっかり攻撃を受け、
脚を止めず絶えず動いていこう
連撃はこちらの方が得意だもの
集中砲火なんて受けないからっ!

シルとは攻撃を重ね、確実に1体また1体と仕留めていくよ
数を減らせば、それだけ此方への攻撃が少なくなるからね
【ダメージアップ】で高まる火力で仕留める数を増やし、
シル持参の【グロリアス】で回復し長期戦を可能にしよう

防衛ラインは堅牢だけども1つ1つ積み上げ、必ず崩す
気合いと共に《獅子剛剣波》を思い切り叩き込むね

唸れ、Day Braek of Leoッ
さぁまだ復讐者の攻撃は続くからね!


シル・ウィンディア
アンゼリカさん(g02672)と共に立ち向かうっ!

うわぁ、凄い守り…。
これは骨が折れそうな…。
でも、それを乗り越えないとねっ!
さ、それじゃ行こうか、アンゼリカさんっ!

ん-、とはいえどうするかな。
城門はクロノオブジェクトだから、城壁もそうなんだろうなぁ…。
でも、試せるものは試すっ!

世界樹の翼type.Bから誘導弾を城壁に向って連射しつつ高速詠唱から竜雪光風撃を撃つよっ!
これで城壁が欠けたりしたら、通常誘導弾も織り交ぜて攻撃を。
破壊できないなら、パラドクスで敵に攻撃を仕掛けるだけ。

攻撃対象はアンゼリカさんと合わせて重ねるように攻撃を。
狙う優先は、ダメージの大きそうな敵から狙っていくよ。

敵パラドクスは、剣で敵の攻撃を切払って防御の対策にするよ。
頭の防御は難しいけど、でも、前兆があるならまだ防ぎやすいからっ!!

さ、流石にきついっ…。
でも、先陣切るからにはそれくらいの覚悟はしているからっ!!

アンゼリカさん、まだまだいけるよねっ!
どんな辛くても笑顔は忘れず、だね。
さぁ、まだまだ行っちゃうよーっ!!


 行く手を阻むのは、巨大な壁だった。
 外敵の侵入を拒むように聳え立つ、高く分厚く、堅牢な城壁。下手な山など優に凌ぐ高さのそれが、無言の威圧と共に立ちはだかる。
 天正大戦国、小田原城。
 城主『北条氏政』の本丸を守る最後の難関に、復讐者たちは挑もうとしていた。

「うわぁ、凄い守り……」
 見上げる城壁の威容に、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)が思わず感嘆を洩らす。
 視界を埋め尽くして広がる壁の守りは、まさに圧巻の一言だ。その随所では雑賀衆の一団が防衛ラインを構築し、復讐者を迎撃せんと待ち構えている。
 堅牢な城、戦意旺盛な兵――防衛戦を得意とする氏政の性格が、そのまま表れたような戦場だった。
 一昨年の攻略開始より不落を保つ相模国だけあって、その守りも一筋縄ではないということだろう。
「ううん、骨が折れそう……でも、乗り越えてみせるっ!」
「難攻不落な城ほど、挑み甲斐も大きいしね。頑張ろう」
 揺るがぬ決意を抱くシルに、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が力強い笑みで応じる。
 困難な挑戦ほど戦意も増す、それが彼女という復讐者だ。手を拱く気など無い。雑賀衆の防衛ラインを前に見据えるのは、勝利の二文字のみであった。

 アンゼリカとシル、二人の復讐者が巨大な壁を登っていく。
 防衛ラインとの距離を着々と詰めつつ、先頭を進むのはアンゼリカだ。
 足場は城壁の僅かな凸凹のみだが、登攀に支障は無い。万が一戦闘中に足場を失っても、地面への落下は飛翔の効果で回避出来るだろう。
「余計な登攀で時間を割くのは面倒だしね。後続の仲間も、これで戦い易くなる筈だ」
「うんうん。後は壁歩きやエアライドがあれば、地上と同じ要領で戦えそうだね」
 アンゼリカの後ろで、シルが頷きを返す。
 雑賀衆の部隊は堅守かつ大群であり、一網打尽で全滅させることは難しい。この戦場で勝利を掴むには、一歩一歩を着実に進めることが肝要だ。
 飛翔の効果は、今後の戦いでも助けとなる筈。後は敵に攻撃を仕掛け、勝利の礎を築くのみ。
 間近に迫る防衛ラインを前に、アンゼリカの心臓が力強く鼓動する。彼女の闘志に、炎が灯された証だった。
「ディアボロスの一番槍、いただくよ。シルとなら勇気もめいっぱいで行けるさ!」
「それじゃ……行こう、アンゼリカさんっ!」
 相棒の呼びかけに、淀みなく応じるシル。
 ここを越えれば、『北条氏政』が籠る本丸は目前だ。
 鉄壁を誇る城壁を戦いの熱気が包む。復讐者と天魔武者の、逆説連鎖戦の開始を告げる瞬間であった。

 重々しい衝撃音が、城壁の一帯に響く。
 それは雑賀衆の長銃が弾丸を吐き出す一斉発射の響きだ。分厚く張り巡らされた防衛ラインから、パラドクスの光を帯びた弾が雨霰と復讐者に牙を剥く。
『本丸には行かせんぞ!』『落ちろ、ディアボロス!』
 雑賀衆の戦意は旺盛で、その攻撃は微塵も容赦がない。
 城壁を抜かれれば後が無いことは敵とて承知なのだろう。間断なく降り注ぐ弾丸を前に、アンゼリカは勇気を奮い立たせて光盾の力に変換。多少の傷を物ともせずに突き進んでいく。
「仕掛けるよ! 最前列から削って行こう、シル!」
「任せて! どんな障害も、これで吹き飛ばすっ!」
 同時、逆説連鎖戦が世界の理を書き換える。
 一対の光翼を広げたシルは世界樹の翼を手に、高速詠唱を発動。光と水と風、三属性の輝きを吹雪の力に変えて、雑賀衆へ竜雪光風撃を叩き込んだ。
「邪魔するなら容赦しない。蹴散らさせて貰うよっ!」
「さぁ、ここからが本番だ。行くぞーっ!」
 秘めたる決意は、未だ一分も揺らぐこと無く。
 属性魔法が齎す吹雪を嚆矢に、シルとアンゼリカは突破の道を切り拓いていく。

 防衛ラインの只中を、シルの放った吹雪が荒れ狂う。
 その火力は強烈で、並のトループスなら一撃で絶命しても不思議では無い程だ。
 だが、雑賀衆は小田原城を守る最精鋭。深手を負いながらも戦意を奮い立たせ、未だ防衛線を維持していた。
『ぐおぉ、耐えろ、耐え抜け!』
 周囲を暗闇に染めて、応戦する雑賀衆たち。
 対するシルは創世の光剣を振るい、碧色の刀身で弾丸を受け続けている。頭部を狙って放たれる銃撃は、未だ彼女に深手を負わせるには至っていない。
『ちっ、しぶとい奴め! さっさと――』
「させるかっ! 唸れ、Day Braek of Leoッ!」
 強固な抵抗を見せるシルに、追撃を浴びせんと長銃を構える雑賀衆。
 刹那、そこを狙ったように、彼の眼前に滑り込む影があった。輝く大剣を振り被るアンゼリカだった。
「連撃はこちらの方が得意だもの。集中砲火なんて受けないからっ!」
 秘めたる怒りを注ぎ込んだ大剣から、獅子のオーラが立ち上る。
 渾身の力を込めて叩きつけた『獅子剛剣波』は、唸りを上げる衝撃波となって戦場を荒れ狂い、手負いの雑賀衆たちを跡形も残さず粉砕するのだった。

 練度と頭数、更には高い士気を誇る雑賀衆たち。
 その彼らが構築する防衛ラインを、アンゼリカとシルは巧みな連携で着実に削り続けた。
 降り注ぐ攻撃は未だ熾烈。だがそれを前にして尚、二人の攻撃は止まることを知らない。
「さ、流石にきついっ……。でも、とっくに覚悟はしているからっ!!」
「続く仲間たちの為に! 私はまだ、止まれないっ!」
 アンゼリカが気合を込めて大剣を振るうたび、獅子の咆哮めいた衝撃波が縦横無尽に戦場を暴れ回る。
 一方の雑賀衆は深手を負いつつ果敢に銃撃を浴びせ返すが――復讐者のダメージは未だ軽い。グロリアスの力で負傷を回復している為だ。
 阿吽の呼吸と共に逆説連鎖戦を繰り広げ、粘り腰で戦い続けるアンゼリカとシル。
 二人の攻勢はゆっくりと、しかし着実に、雑賀衆の防衛ラインを削り取っていく。
「いい感じ……! アンゼリカさん、まだいけるよねっ!」
「勿論っ!」
 光翼を広げて戦い続けるシルに、輝く大剣を構えたアンゼリカが頷く。
 自分たちが敵を討てば、それだけ後続の仲間たちの有利に繋がる。その為なら、傷つくことなど厭いはしない。たとえ言葉に出さずとも、二人の心は一つだ。
「どんな辛くても笑顔は忘れず、だね。このまま突き進むよーっ!!」
「ディアボロスの本番はここからだ。さぁ、どんどん行こう!」
 未だ堅牢を誇る、小田原城の防衛ライン。
 そこを切り崩す嚆矢として後続の仲間たちを鼓舞しながら、二人の復讐者たちは尚も勇敢に戦い続けるのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!

野本・裕樹
征きましょう、《戴冠の戦》前にこの地を制圧する為に。
小田原城もまた難攻不落で知られる城、ですが大阪城が落ちた様に落ちぬ城などありません。

先行した方々の【飛翔】に加え【壁歩き】によって城壁の戦いにおける足元の不安を減らしましょう。
その上で確実に削り次へと繋げさせてもらいます。

使う刀は《妖刀『鐵喰』》、
使うパラドクスは《大地刃・昇藤》です。

パラドクスによって巨大化した『鐵喰』を盾に急所への攻撃を外しながら防衛ラインへ接近、出来るだけ近い距離で戦いを。
防衛ラインに穴をあけるべく近い敵から討ち取りを狙います。

もし乱戦になってもやる事に変わりはありません、戦いながら立ち位置を少しずつ変え逆に『雑賀衆』を遮蔽にして一度に相手する数を減らすくらいのつもりでいきましょう。
射手と侮るつもりはありませんが、接近したならばそれは私の距離です。
敵も決死の覚悟でしょう、しかし私も退く訳にはいきません。
巨大化した『鐵喰』の力で押し切らせてもらいます!


 復讐者の侵入を拒むように、城壁では熾烈な戦いが続いていた。
 雑賀衆の抵抗は未だ堅固だ。ここを死地に、彼らは最後の一兵まで持ち場を死守する気なのだろう。その覚悟を示す如く、長銃の銃弾は一層激しい。
 未だ健在を誇る、小田原城防衛ライン。本丸の盾を破る為、復讐者の死闘は更に続く――。

「征きましょう。《戴冠の戦》前に、この地を制圧する為に」
 断崖絶壁に等しい城壁を足場に、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は敵集団を見澄ました。
 発動した壁歩きの効果は上々だ。これで移動の労力は減り、戦いにも一層注力できるだろう。堅固を誇る防衛ラインを攻略すべく、彼女は敵の元へと進んでいく。
(「先行した方々の飛翔と併せれば、足元の不安は無いも同然。心強い限りです」)
 彼我の距離が縮まる中、裕樹の足取りに淀みは無い。
 雑賀衆は未だ多勢、激戦は必至。だが同時に、彼女はひとつの事実を理解している。
 難攻不落を誇った大阪城さえ、自分たちは攻め落した。いかに小田原城の城壁が、防衛ラインが堅かろうとも、破れぬ守りでは決して無いのだと。
「必ず突破して見せます。全ては『北条氏政』を討つ為に」
 胸に秘めるは、勝利の決意ただひとつ。
 抜き放った妖刀『鐵喰』が、パラドクスの光を帯びて輝いた。

 城壁の防衛ラインより、長銃の銃弾が降り注ぐ。
 その只中、裕樹の速度は尚も上げて、敵陣めがけて突き進んでいく。
 狙うは敵集団の先頭だ。対する雑賀衆も裕樹の意図を察したのか、一層熾烈な勢いで銃撃を開始した。
『叩き落としてくれる!』
 先頭から飛び出した雑賀衆が、短筒を手に一気に距離を詰める。
 続け様、繰り出すのは至近距離からの白兵戦だ。パラドクスを用いた機動が、物理法則を嘲笑う動きを伴って、裕樹の四方より牙を剥く。
 復讐者を落とす一撃必殺の銃撃。それを放たんとした刹那、雑賀衆のモノアイに驚愕の色が滲んだ。
『……っ!?』
「――大地の力をここに、昇藤」
 刹那である。裕樹の声に応え、鐵喰が俄かに大きさを増し始めた。
 地上より吸収した砂鉄を纏い、その刃は今や巨大な鉄塊の如く。刀身を盾に雑賀衆の銃撃を受け止め、『大地刃・昇藤』の一撃を叩きつける。
「逃がしはしません!」
 決意の刃はどこまでも鋭く、容赦なく。重厚な衝撃を号砲さながら、小田原城の城壁に響かせる。
 粉砕され、落下していく雑賀衆の残骸に一瞥もくれず、裕樹の目は新たな敵を捉えていた。

 昇藤の花言葉『貪欲』の名に恥じず、鐵喰が暴れ狂う。
 序盤を制した程度で、彼女の猛攻は終わらない。鉄塊へと変貌した鐵喰を振るう度、防衛ラインの前列を構成する雑賀衆が鉄屑と化して爆散していく。
 白兵戦を得手とする敵であろうと関係ない。ひとたび接近すれば、そこは裕樹の距離なのだ。
『ぐおぉ!』『まだまだ……! 押し返せ!』
「銃撃の勢いに衰えは見えない……やはり、敵の覚悟も生半可ではありませんね」
 銃弾の嵐を鐵喰で受け止めながら、裕樹は敵の戦意に舌を巻いた。
 防衛ラインは着実に削れつつある。残る雑賀衆は、開戦当初の半分といったところだ。しかし、その堅さは小田原城の守りに相応しく、今なお崩壊を許していない。
 命懸けなのは敵も同じ。それで尚、裕樹の太刀筋が曇ることは絶無である。
「退く訳にはいきません。押し切らせてもらいます!」
 この先に待つ氏政を討ち、小田原城を落とす為。
 裕樹が振るう鐵喰はどこまでも勇猛に、敵の防衛ラインを削り、穿ち続けていった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

先行組は順調な様子、此方もまた負けてはいられない。
キングゴンドワナとの戦いで負った傷も、ようやっと癒えたしね。
待たせてしまって申し訳ないけど、ここからは俺も全力で行かせて貰うよ。

しかし城壁に鉄砲隊とは、戦国の城らしい如何にもな布陣だね。
地の利を活かした堅い守りは流石だと言っておこう。
だがそれだけで俺達の勢いは止められない。

仲間と重ねる残留効果。
【飛翔】と【壁歩き】は既にあり、足場を失う心配がないのは有難い。
更に【エアライド】も組み合わせ、最適な移動経路を見出しながら、
城壁の不利を覆していこう。

『天翔風舞』のパラドクス使用。
【反撃アップ】で敵の発砲の動きを読み、
【エアライド】で最適な移動経路を見出して、
敵が急所を狙って放った弾丸を、雪月花の刀で弾き返しながら、
風に乗って舞うように軽やかに城壁を登って、
【ダメージアップ】の力を乗せた刀の一閃で、すれ違いざまに敵を薙ぎ払う。
可能な範囲で仲間と攻撃を合わせ、確実に敵数を減らしていこう。

どんな壁であろうとも、仲間と共に超えていく!


ルチルーク・フレンツェン
最終人類史の人々を非人道的に襲おうと準備していた北条。
そんな彼を守るならば、雑賀衆にも怒りが湧きます。
「絶対的な城壁の守りでも、挑ませていただきます」

先に戦って下さったディアボロスの方々が発動して下さった残留効果の
【壁歩き】で全速力で城壁沿いに駆け上げります。
敵からの反撃と大多数の雑賀衆の攻撃を少しでも軽減させるべく「ガードアップ」を発動させながら、
他のディアボロスの様方からのダメージを受けている敵から
連携して「ひえひえトルネード」で攻撃して、
少しでも敵の数を減らすよう努めます。
「ルシグーナも、今回は怒っております」
「もっきゅー!!」

銃撃は無理な回避は少なくして
「隠れ防護仕込みトルバドゥールスーツ」で手足の負傷を増やしても
頭や胴への弾丸の当たりを減らしていきます。
万が一胴に当たるとしても「ポイントガード式追加装甲」で受け止め、
城壁から落ちそうでもすぐに【飛翔】で城壁に脚を着き直して
負傷が多くなってもなるべく長く戦い続けていきます。
「アイテムを開発して下さった新宿島の為にも諦めません」


「戦況は上々のようだね。このまま突破を目指していこう」
 激戦が続く城壁を見遣り、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は表情を引き締めた。
 堅固な壁と鉄砲隊――復讐者を阻む布陣は、いかにも戦国の城に相応しい。難攻不落を誇る小田原城を活かした采配には、指揮官たる氏政の確かな手腕が伺える。
「……だが、それだけで俺たちの勢いは止められない」
 呟く声に確信を秘めて、雪人は言う。
 復讐者の攻勢で、雑賀衆は着々と頭数を減らしつつある。ここで撃破を重ねれば、防衛ラインの突破は目前だ。
 氏政に決戦を挑む為、狙うべきは早期の撃破。エアライドで見出した城壁の経路を雪人は壁歩きで進む。
「足場を失う心配がないのは有難いね。負ける気がしないよ」
「地形の不利は、既に無いも同然……状況は有利と当機も判断します」
 壁の彼方を見遣りながら、ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)が頷く。
 防衛ラインさえ抜ければ、本丸までは一直線だ。壁の彼方、未だ相まみえぬ氏政を凝視するように、ルチルークは歩む速度をじわりと上げ始めた。

 城壁の随所に展開し、抗戦を続ける雑賀衆たち。
 そんな彼らを前に雪人とルチルークの歩みは止まらない。戦闘準備を完了し、敵との距離を着々と詰めていく。
「キングゴンドワナとの戦いで負った傷も、ようやっと癒えた。ここからは俺も全力で行かせて貰うよ」
 双眸に戦意を充溢させ、雪人は言った。
 重傷から回復した今、戦いに支障は一切無い。仲間を待たせてしまった分は、これからの働きで挽回するとしよう。
 そんな彼の横では、ルチルークも旺盛な戦意で激戦に臨もうとしていた。
「絶対的な城壁の守りでも、挑ませていただきます。これ以上、北条を放置は出来ません」
 相模国は、非人道的な兵器で最終人類史を狙っていた国だ。
 その大名である氏政はもちろん、彼を守る雑賀衆もルチルークには明白な排除対象に他ならない。尽きぬ怒りを胸に秘め、彼女は雪人に視線を送った。
「戦闘を開始します。必ず勝利しましょう」
「ああ。力を合わせて、この戦いを乗り切ろう」
 最終人類史を守る為にも、敗北は許されない。
 小田原城の城壁を踏みしめて、ルチルークと雪人は攻撃を開始していった。

 進撃する復讐者たちの前方より、雷鳴に似た轟きが木霊する。
 それは雑賀衆の長銃が一斉に放つ、銃撃の調べであった。
『ちっ、しぶとい奴らめ……!』『撃て! ディアボロスを撃ち落とせ!』
 防衛ラインに展開した銃の列が、一糸乱れぬ動きで銃弾を放つ。
 数を減らして尚、雑賀衆は退く動きを微塵も見せない。復讐者にとって相容れない相手ではあるが、その忠誠は紛れも無い本物と言えた。
 だが、戦う理由があるのは復讐者とて同じ。雪人とルチルークは頷きを交わすと、肉薄の速度を一気に上げていく。
「敵は残り半分ほど……連携攻撃で一気に削り取ろう」
「異論ありません。当機とルシグーナが援護します」
 モーラット・コミュを召喚したルチルークが、応じるように城壁を駆け上がる。
 壁登りとエアライドで全速力を維持した彼女に合わせ、雪人は『天翔風舞』を発動。城壁を足場に披露する舞が、清らかな風を巻き起こす。
「――さあ、攻撃開始だ」

 パラドクスを帯びた一陣の風が、城壁を吹き抜けていく。
 何者にも阻み得ない、自由で奔放な力――それを足場に、雪人の体が宙を舞った。
「最前列の敵を狙う。このまま蹴散らしていくよ」
「了解しました。ディアボロスの力、雑賀衆に思い知らせてやりましょう」
 同時、ルチルークに先んじて、雪人が瞬時に加速する。
 雪月花の刀を構え、鴻毛のように軽やかな軌道で敵陣へ肉薄する雪人。その前方から襲い来るのは、多段撃ちによる迎撃の猛連射だ。
『奇怪な技を……! だが、撃ち落せば終わりだ!』
 急所を狙った弾丸の雨霰は、しかし深手を負わせるには至らない。
 弾丸を弾き返す雪月花、更には残留効果で上昇した防御。その二つが、雪人を敵の猛攻から守っているのだ。
「ガードアップを発動しました。このまま突撃しましょう」
「有難う、助かるよ」
 感謝を示しながら、雪人は雪月花を雑賀衆へと向ける。
 もはや阻むものは無い。加速によって繰り出す一閃は、最前列の敵群を切り裂いて、次々に絶命させていった。

 雪人の突撃が、防衛ラインを切り崩す。
 そうして生じた僅かな綻びへ、間髪入れずルチルークが喰らいついた。
 多段撃ちの弾幕は未だ脅威だが、今は攻めを優先すべき局面だ。豪華な装飾を施したトルバドゥールスーツで守りを固め、発動するは『ひえひえトルネード』の一撃である。
「ルシグーナも、今回は怒っております」
「もっきゅー!!」
 猛烈な弾幕を掻い潜り、ルシグーナが敵陣へと飛び込んだ。
 その突撃は白い砲弾さながら標的の雑賀衆を捉えると、毛並みに込めた冷気を一斉解放。小さな体を回転させて放つ猛吹雪めいた猛攻で、敵を次々に凍結させていく。
『か、体が……動かな……』
 雪人と息を合わせた連携攻撃が、雑賀衆の陣形を蹂躙する。
 雪月花の斬撃で深手を負った個体もろとも、敵は一機二機と討ち取られ、防衛ラインを削り取られていった。

 熾烈な逆説連鎖戦を繰り広げること暫し、それからも二人は雑賀衆を着実に撃破し続けた。
 雪人の刀が煌き、敵陣の守りを切り崩す。続け様、生じた間隙をこじ開けるのはルシグーナの追撃だ。
 斬撃と冷気、二つの猛攻は留まることを知らない。積み重ねた効果と、勝利への想い――それらの前には、どれほど強固な守りも無力だ。
「此処を抜ければ、いよいよ本丸……最後まで油断せず行くとしましょう」
 大きく数を減らした雑賀衆の一団を見澄まして、ルチルークが呟く。
 敵は確かに弱くは無い。だが、この程度の相手ならば今までに幾度も下して来た。最終人類史の脅威を除く為にも、敗れる訳には行かない。
「突破まであと一息ですね。新宿島の為にも諦めません、押し通らせて貰います」
「ああ。どんな壁であろうとも、仲間と共に超えていく――それが俺たちディアボロスだ!」
 ルチルークと雪人、二人の声が突撃の号砲さながら戦場に響く。
 防衛ラインの敵を減らした今、決着の時は近い。
 激戦が続く小田原城の城壁。かの地を巡る攻防が、いよいよ決着に向けて動き出す――。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

エレオノーラ・アーベントロート
近くに同盟国がいると戦略の幅が広がっていいですわねぇ。
わたくしたちの本拠地なんて、隣にあるのは相模国なんていう敵の地域だけですのに。
うふふ、せめて安心して眠れるように――滅ぼしておかないといけませんわね。

先発の方が残してくれた【壁歩き】やもしもの時の【飛翔】で地の利がないぶんはカバーして防衛ラインへと攻撃を仕掛けましょう。
城攻めに有効そうな効果はもう残してくれていますし、わたくしは攻撃用のものを選びましょうか。
【命中アップ】の残留効果を残し、これまでの【ダメージアップ】と合わせて攻撃的に攻めましょう。
前の方々が攻撃を仕掛けたところと同じ個所に攻撃を仕掛け、一点突破で固い防衛ラインを崩しますわ。
攻撃は電磁レールガン「フェアレーター」から放つ「第二の魔弾【崩壊】」で。撃ち込んだら突き刺さり、エネルギーとともに衝撃波を放つ弾丸で敵を吹き飛ばしていきましょう。
剣や銃での攻撃はフェアレーターを盾にして受けることで大きな傷は追わないように。

死に物狂いなのは好きですわよ、容赦はしませんけれど!


リューロボロス・リンドラゴ
くははははははは!
正面突破の力押し、我、大好きよ!
突破するのは壁面?
それもまた良し!
堅牢な城壁を超えてこそのドラゴンよ!
城攻めと行こうではないかー!

【壁歩き】で駆け上がりつつ、いざとなれば【飛翔】よ!
忍者気分で楽しいの!
幼子、忍者大好きよ!
ふん、決死の覚悟の。
士気は高いようだが……壁ほど硬くはないと見た。
先行する者たちとの戦いを見るに、死に物狂い。
余裕がない。
流石に焦っておるよなああ!
貴様らは援軍待ちのようだが……。
我らディアボロスもこうして、次から次へとやってくるぞ?
貴様らが必死な我らとて、ディアボロスの一角に過ぎぬ。
なあ、貴様ら。本当に、耐え切れると思うてか?

耐え切らせなどせぬがなあ!
少しでも心折れたら動揺は隙になる。
折れぬならそれも良し!
絶望は我がブレスにて齎そう。
――死を望め。不死をも殺すは竜である。
侵蝕溶解ブレスにて滅せよ!
背後を取られはせぬ……いや、むしろ取らせてやろうか?
我は竜ぞ?
尾も翼も角もある!
背も頭も無防備ではないわあ!
それもまた絶望になろう。
ドラゴンとはラスボスよ!


 聳え立つ城壁を舞台に、死闘を繰り広げること暫し。
 本丸を守る雑賀衆の防衛ラインを、復讐者たちは崩壊寸前に追い詰めつつあった。
 戦場に積み上がる天魔武者の残骸――それを山と築いて尚、復讐者は止まらない。その攻勢は激しさを増して、敵の部隊を尚も追い込んでいく。

「援軍待ちの籠城戦……うふふ、近くに同盟国がある国はいいですわねぇ。戦略の幅が広がって」
 激戦が続く戦場で、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)は皮肉交じりに呟いた。
 武田の甲斐、そして今川の駿河。名将たる天魔武者たちを同盟先に持つ相模国は、本拠地が敵地と隣接する復讐者にとって何とも羨ましい話だ。
 とはいえ、それも今となっては意味も無い。援軍など許さず相模国を制圧すると、エレオノーラは決めているからだ。
 以前の戦では兵器工廠でひと暴れしたが、それで満足する気は毛頭ない。ここは再び、派手に花火を上げるとしよう。
「うふふ、せめて安心して眠れるように――滅ぼしておかないといけませんわね」
 獰猛な笑みを浮かべて見澄ました先には、抵抗を続ける雑賀衆の姿があった。
 復讐者たちの度重なる攻撃に晒され続け、不落を誇った堅牢な守りはもはや見る影も無い。僅かな兵力をかき集め、決死の抗戦を試みる彼らの運命は、すでに風前の灯である。
「うふふ、健気なこと。その士気に免じて、派手に決めてあげますわ」
 簒奪者たるクロノヴェーダに慈悲は無用、為すべきは徹底的な殲滅のみ。
 死神めいた輝きを双眸に宿し、エレオノーラは雑賀衆に向かって告げた。

 先行した仲間たちの残留効果も手伝って、城壁の進軍は容易だった。
 険しい壁を足場に、防衛ラインに接近する復讐者たち。対する雑賀衆は戦意を奮わせ、懸命な銃撃を尚も続けていた。
 劣勢は明白、さりとて逃げる道は無い。尻に火が付いた彼らの猛攻は、まさしく死に物狂いの一言に相応しいものだ。
『戦え! 最後の一兵まで持ち場を死守せよ!』
「くははははははは! 突破するのは壁面? それもまた良し!」
 そんな彼らを前に、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)の哄笑はどこまでも無慈悲だった。
 堅牢な城壁も、精兵たちの抵抗も、彼女を脅かすには至らない。邪魔するものは例外なく叩き潰すのみ――それこそが、竜たるリューロボロスの流儀なのだ。
「正面突破の力押し、我、大好きよ! いざ、城攻めと行こうではないかー!」
「跡形も無く吹き飛ばして差し上げましょう。さあ、攻撃開始ですわ!」
 この死闘を制し、氏政の喉元に刃を突き付ける為に。
 クロノヴェーダへの怒りを胸に、二人の復讐者は戦いに身を投じていった。

 降り注ぐ銃撃を凌ぎながら、復讐者たちが城壁を突き進む。
 先頭を行くのはリューロボロスだ。壁歩きとエアライドを駆使した彼女は、地上と変わらぬ速度で壁を昇っていく。絶えず襲い来る頭部への狙撃も、残留効果で硬化した肉体には脅威とはならない。
「忍者気分で楽しいの! 幼子、忍者大好きよ!」
『くっ……攻撃を集中しろ!』
 余裕も露わなリューロボロスに、流石の雑賀衆にも焦燥が滲む。
 防衛ラインがすり減り続ける中、復讐者たちの攻勢は一向に衰えていないのだ。この状況で完全な平静を保つことは、流石の精兵と言えども困難だろう。
「ふ、流石に焦っておるよなああ!」
 そんな雑賀衆を前に、リューロボロスの戦意はいよいよ高い。
 敵の士気は見上げたものだが、その堅さは城壁には及ばぬらしい。彼我の距離を縮めながら、リューロボロスは揺さぶりをかけるように雑賀衆へ笑いかける。
「なあ、貴様ら。本当に、耐え切れると思うてか?」
『戯言を……!』『我等は最期まで戦い抜くのみ!』
「成程、最後まで心は折れぬか。――ならば良し、絶望は我がブレスにて齎そう!」
 その言葉を合図に、竜が吼えた。
 語る言葉は最早無い。此処から先は、力を以て叩き潰すのみだ。

 雑賀衆の銃弾が張り巡らせた弾幕の只中を、毒々しい色を帯びた輝きが席巻する。
 それはリューロボロスの『神撃の応報鏖殺波』が齎す、致死毒のブレスであった。
「――死を望め。不死をも殺すは竜である。侵蝕溶解ブレスにて滅せよ!」
 僅かでも触れれば、標的を死毒で侵す猛毒――その一撃が残留効果で火力を増して、防衛ラインを瞬時に覆い尽くす。
 全身にブレスを浴びた雑賀衆が、断末魔の絶叫を響かせながら絶命していく。そこへ追撃で襲い掛かるのは、エレオノーラの繰り出す砲撃だ。
『ぎゃあぁぁっ!』『くそ……! 応戦しろ、ディアボロスを通しては――』
「うふふ、遺言はそれで終わり?」
 電磁レールガン『フェアレーター』の投射する魔弾が、続け様に敵陣へと牙を剥く。
 猛攻に晒された雑賀衆の敵陣は、もはや組織的な抵抗もままならず、波を浴びた砂城のように崩壊を始めた。

 そうして始まったのは、徹底的な掃討だった。
 僅かに残った敵は戦線を維持せんと尚も奮戦するが、趨勢が覆ることは最早無い。散発的な抵抗を続ける中、二人の復讐者は更なる攻勢で次々に雑賀衆を撃破していく。
「天魔武者よ、絶望せよ! ドラゴンとはラスボスよ!」
 戦いの勝者を告げるように、リューロボロスの咆哮が轟く。
 その只中、彼女がブレスを浴びせた敵群を狙い定め、エレオノーラは『第二の魔弾【崩壊】』を発動した。
 激戦の最後を締め括る、強烈にして凶悪な一撃。残留効果が視界に齎す光を追って、必殺の魔弾が今、フェアレーターより投射される。
「死に物狂いなのは好きですわよ、容赦はしませんけれど!」
 パラドクスを帯びた弾丸が、敵陣の懐に突き刺さる。
 刹那、解放されたエネルギーの奔流は、僅かに残る雑賀衆を粉砕していく。
 それは、防衛ラインの突破を示す勝利の号砲。不落を誇る城壁の陥落を継げるように、魔弾の轟音と竜の咆哮はどこまでも高らかに木霊するのだった。

「うふふ、ざっとこんなものですわ。さあ、進みましょう!」
「うむ。後続の仲間たちの為、城門も開放しておかねばな!」
 かくしてエレオノーラとリューロボロスを先頭に、復讐者たちは城壁を越えることに成功した。
 堅固な城門も、裏側より攻めれば制圧は造作も無い。さしたる時間を要さず門を開け放ち、一行は本丸へ駆けて行く。
 小峰曲輪を制圧し、城壁を突破し、残るは氏政が籠る天守閣のみ。一昨年より開始された、相模国との攻防――長き戦いの終着点となる場所へ、復讐者たちは遂に辿り着こうとしていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【壁歩き】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!

 本丸へ突入を果たして程なく、復讐者たちは目立った抵抗を受けること無く天守閣へ到達した。
 小田原城の最上層に位置する、床張りの広大な一室。
 そこで待ち受けていたのは、小田原城の城主たる一機の天魔武者であった。

『まさか、こうも早く城壁が破られるとは。ディアボロスの力、侮った気は毛頭なかったが……』

 護衛のブシドーマルを従えながら、武者は無念を滲ませる声で呟く。
 分厚い装甲で身を固める、ジェネラル級天魔武者――彼こそ相模国の大名『北条氏政』に他ならない。
 撃破目標である氏政と対峙しながら、復讐者たちは静かな怒りを胸に戦闘態勢を取り始めた。

 相模国は近代兵器を利用し、非人道的な手段で最終人類史への攻撃を目論んだ勢力だ。
 危機の芽を確実に摘む為にも、ここで取り逃がす訳には行かない。
 そんな復讐者の意図を理解したように、得物を構えた氏政が重々しい声で告げる。

『敵ながら見事な手並みと言っておこう。だが、儂とて家康様より国を預かりし身……易々と討たれはせぬぞ!』

 護衛のブシドーマルに迎撃の指示を飛ばし、相模国の大名は猛然と身構えた。
 三国同盟の一角を為す相模国の大名『北条氏政』。小田原城を治める強敵との決戦が、今ここに幕を開ける――!
リューロボロス・リンドラゴ
ふん、成程の。
ここまで攻め込まれて尚、堂々と迎え撃つか。
外道ではあるが強敵なのは間違いなし、か。
護衛と連携されては面倒だ。
一気呵成、攻め込んだ勢いのまま、先に潰させてもらうぞ!
ルゥオオオオオオオオオオオオオオオ!!
堅実に攻めてくるというのなら、力尽くでねじ伏せるしか無いよなあ!
全力の頭突きだと?
良かろう、ブースターの全力稼働に対して、我も全力で羽撃こう!
目には目を、歯には歯を、頭には頭を、角には角を!
ブシドークラッシュにカウンターの登竜門をぶつけてやろうではないか!
――幼子よ、健やかに育て。未来護るは竜である。
頭突き対決よ!
自慢の石頭、我が捨て身の一撃で粉砕してくれるわあああああ!
次から次へと激突してくるブシドーマル達を【ガードアップ】で硬化した角と鱗、我が身を覆う翼で弾き飛ばしまくってくれようぞ!
くはははははははは!

我は龍、我こそはドラゴン、幼子達の守護者にして復讐者、リューロボロス・リンドラゴ也!
さあ、次は貴様だ、北条氏政!


エレオノーラ・アーベントロート
あら、北条氏政ともあろうものが、随分と――弱気ですわね。
易々と討たれはしないだなんて、じゃあ苦労すれば討たれてくれますの?
うふふ。もちろん、どういうつもりで戦おうと勝つのはわたくしたちですけれど――叩き返して功にするくらいの気概は見せて下さいませ!

電磁レールガン「フェアレーター」を手に「第二十三の魔弾【赫燿】」を投射。赤く輝くエネルギー波でブシドーマルを呑み込み、消し飛ばしましょう。
防衛ラインも突破しましたし、次は正面からの戦闘。
策を使うよりも他の復讐者と一緒に戦い、【ダメージアップ】を中心にここまで積み重ねた残留効果で優位に立っていきましょう

敵の熱を帯びた刀による攻撃はフェアレーターを盾にして受けましょう。
頑丈なのが機械化ドイツ製……とはいっても、あまり何度も受けたくはありませんわね。熱で銃身が歪んだら困ってしまいますもの。
受け止めた後すぐに反撃に転じ、鍔迫り合いの時間は可能な限り短くしますわ。


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

成程、家康様より国を預かりし身であると。
最前線で武功をあげる栄誉であるか、
都合のいい捨て駒にされたと取るか、
見方よって意見も大きく変わりそうな話だけども。
だが少なくとも、大役を担えるだけの強敵である事は間違いなさそうだ。

そしてブシドーマル達も。
これまで相模国内で戦ってきた配下達の中には、あからさまに不満そうな者も居たけれど、
最精鋭の護衛ともなれば、士気も練度も高そうだ。
勿論油断なく、気を引き締めて相対そう。

【パラドクス通信】も使って仲間と連携。
敵地のど真ん中、地の利のある敵に対して、
陣形を崩す事無くフォローし合って戦いたい。

前に出る仲間を援護するべく、敵味方の位置など、戦場の状況を素早く確認。
【反撃アップ】も使って敵の動きを先読みしながら、『幽玄の霧』のパラドクスを使用する。
有明月の竜笛を吹き鳴らし、生み出した幽玄の霧で敵を包み、パラドクスの幻で惑わせて、
頭部の体当たりの直撃を避けて【ガードアップ】で凌ぎつつ、
【命中アップ】の力とパラドクスの力を込めた雷撃の呪符を放つ。


 城壁の防衛ラインを突破し、本丸に突入を果たした復讐者たち。
 中枢である天守閣に到達した彼らは、敵将『北条氏政』の下へ遂に辿り着いた。
 難攻不落の守りを破った今、戦いの優勢は自明だ。後は氏政を討てば、相模国は天魔武者の圧政から解放されるだろう。
『氏政様をお守りせよ!』『我等、最後の一兵まで戦うのみ!』
 そんな復讐者たちの前に気勢を上げて立ちはだかるのは、護衛のブシドーマルたちだ。
 氏政との決戦に集中する為、彼らの排除は欠かせない。相模国との戦いに今こそ終止符を打つ為、復讐者たちは次なる戦いに向けて動き出す。

「正念場だね。この戦い、必ず勝ってみせよう」
 展開するブシドーマルの一団を前に、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)はそう告げた。
 敵は雑賀衆に比べ数こそ少ないが、氏政直属の護衛たちだ。決戦時の妨害を阻止する為にも、彼らはここで確実に撃破しておかねばなるまい。
「今回の敵は、士気も練度も高そうだ。相模国で戦って来た相手の中には、あからさまに不満そうな者も居たけれど……」
 雪人の言葉を裏付けるように、敵は早くも迎撃準備を終えようとしていた。
 ブースターを点火させ、一糸乱れぬ動きで浮上するブシドーマルたち。復讐者を阻止せんとする彼らと対峙しつつ、雪人はその視線を後方へと移す。護衛たちが身を挺して守る、敵将の氏政へと。
(「『家康様より国を預かりし身』……か。最前線で武功をあげる栄誉であるか、或いは都合よく捨て駒にされたと取るか、見方によって変わりそうな話だけども――」)
 いずれにせよ、氏政が強敵であることは疑いようも無い。である以上、此方も相応の覚悟で臨まねばならないだろう。
 雪人は改めて気を引き締めると、パラドクス通信を発動。その瞳に決意を宿し、共に戦う二人の仲間へ合図を送った。

「決戦は目前だ、頑張って行こう。俺は後方から援護するよ」
「うふふ、助かりますわ。お言葉に甘えて、派手に暴れると致しましょう!」
「うむ! 奴らの眼に、龍の力を焼き付けてやろうではないか!」
 雪人の呼びかけに、ふたつの声が頼もしい響きを帯びて返される。
 声の主は、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)。そして、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)だった。
 首魁である氏政を前に、二人の戦意は溢れんばかり。先頭に進み出たリューロボロスは、小さな体に似合わぬ尊大な態度を以て、撃破目標のブシドーマルたちを睨みつける。
「ここまで攻め込まれて尚、堂々と迎え撃つとはな。外道ではあるが強敵なのは間違いなし、か」
「そうですわね。此方も、堂々と叩き潰して差し上げましょう!」
 リューロボロスの後方で、エレオノーラが不敵に笑う。
 得物のフェアレーターはエネルギーの充填を終え、いつでも戦いに臨める状態だ。双眸に宿した好戦的な光を一層輝かせ、彼女は氏政に傲然と口を開く。
「氏政ともあろう者が随分と――弱気ですわね。易々と討たれはしないだなんて」
『元より、儂の得手は“守り”。一秒でも耐え、援軍到着の時間を稼ぐことのみよ』
 氏政の声は重く厳かで、そこに弱音の色は無い。
 長所である守備を以て戦い続け、甲斐・駿河の応援を待つ――それが、彼が狙う勝利の形なのだろう。
 尤も、どのような意思で臨もうとエレオノーラには関係なかった。勝つか負けるかではない、どのようにして勝つか。彼女にとって、今回の作戦はそういう戦いなのだ。
「その守りごと、ブチ抜いて差し上げますわ。護衛ともども欠片も残しませんわよ!」
 エレオノーラが言い終えると同時、雪人とリューロボロスも戦闘準備を完了する。
 《戴冠の戦》が刻々と迫る今、最終人類史の脅威を放置する訳には行かない。守りに長じた敵ならば、それすら上回る攻めを以て、全力で勝利を掴むのみだった。

 幕開けの瞬間は、一切の前触れなく訪れた。
 逆説連鎖戦の開始を告げるように、輝くパラドクスの粒子が天守閣を満たしていく。次の刹那、ブシドーマルの一団が強靭な頭部を武器に、ブースターで次々と加速。復讐者めがけ突撃を開始する。
『砕け散れ、ディアボロス!』
「護衛を残しては後々面倒だ、先に潰させてもらうぞ!」
 砲弾めいて迫り来る敵群を前に、先陣を切って突っ込むのはリューロボロスだ。
 勇壮な咆哮を響かせ、瞬時に加速した竜の少女が真正面から敵群と激突する。金剛石のごとく硬化した角が、翼が、そして鱗が、衝撃と共に火花を散らす。
「頭突き対決よ! ルゥオオオオオオオオオオオオオオオ!!」
『望むところだ、叩き潰してくれる!』
 対峙する少女と天魔武者はお互い一歩も譲ることなく、己が肉体を武器に凄まじい攻防を繰り広げ始めた。
 敵の攻撃は圧倒的だが、それを前に退くことは無い。
 一気呵成――その一言に相応しい勢いで、敵群を前に暴れ回るリューロボロス。戦いが激戦の様相を一層激しく呈する中、彼女を援護するように響くのは雪人が奏でる笛の音だ。
「やはり、そう簡単には敵も崩れないか。……それなら、力ずくでこじ開けるまでだ」
 笛の音色が優雅な響きを帯びるにつれ、戦場に朧な霧が立ち込めていく。
 有明月の竜笛によって生じた霧は、その濃さを次第に増して、リューロボロスが肉弾戦を仕掛けたブシドーマルたちを次々と幻影のパラドクスで絡め取っていった。

「ここはひとつ、楽の音などはいかがでしょう?」
『ぬ……これは……?』『視界が、歪む……!? くっ、隊列を維持しろ!』
 軽やかな笛の音が響く中、ブシドーマルの隊列は目に見えて足並みを乱し始めた。
 中には抵抗を試みる者もいたが、無駄な足掻きだ。雪人が発動する『幽玄の霧』は、標的へ強制的に幻覚を齎すパラドクスであり、回避や防御は意味を成さない。
 そして次の瞬間――敵群の意識の外側より、眩い光が降り注ぐ。
 雷撃の呪符より生じた、それは雷の一撃だ。視認はおろか知覚も叶わぬ攻撃はブシドーマルの脳天めがけ直撃し、その命を速やかに奪い去っていく。
『が……っ』
「……よし。いい感じだ」
 標的を残らず撃破した雪人は、流れるような動きで戦場へ俯瞰の視線を向ける。
 彼を始め、三人は陣形を維持しながら撃破を重ねていた。突撃したリューロボロスの肉弾攻撃と、続くエレオノーラが投射する魔弾。止まぬ猛攻は雪人の援護によって、勢いの衰えぬまま暴れ狂っている。
 全精力を注いで行う復讐者の攻勢――それは精兵である天魔武者たちの守りを削り、穿ち、叩き割り。鉄屑と化した敵の骸を戦場に築き上げていく。

 復讐者たちの迅速かつ果敢な攻撃は、敵群を瞬く間に追い詰め始めた。 
 パラドクスを行使する度、一機、また一機と撃破されていくブシドーマルたち。即座に繰り出される反撃は、もはや復讐者に深手を刻むには至らない。
『狼藉者め……! 氏政様の下へは行かせぬ!』
「頑丈なのが機械化ドイツ製……とはいっても、あまり何度も受けたくはありませんわね!」
 振り下ろされる紅蓮刃の斬撃を、盾代わりのフェアレーターで受けながらエレオノーラが言う。
 敵の火力は、実際並より上だ。だが復讐者たちにとって、それは既に対処可能な範囲に留まるもの。硬化した肉体と、栄光ある戦いの癒しを得ている今、溶断の刃は脅威たり得ない。
「ここは策より、力押し。押し切らせて貰いますわ!」
『ぐ……おぉぉぉっ!!』
 鍔迫り合いを凌ぎ切ると同時、フェアレーターが必殺の一撃を投射する。
 『第二十三の魔弾【赫燿】』。充填したエネルギー波で生成された破滅の光は、標的のブシドーマルたちを粉砕し、一機の例外も無く撃滅していく。
 敵隊列を突き崩す津波の如く、赤き奔流は尚も止まらない。
 心惑わす幻惑の霧と、全てを消し飛ばす破壊の光。雪人とエレオノーラ、二人のパラドクスが敵部隊を壊滅に追い込む中、更なる追撃を仕掛けたのはリューロボロスだった。
「くはははははははは! 自慢の石頭、我が捨て身の一撃で粉砕してくれるわあああああ!」
 度重なる肉弾戦を繰り返した少女の体は、未だ溢れんばかりの力に満ちていた。
 残留効果による強化も、理由の一つではある。だがそれ以上に、今の彼女を突き動かすのは龍たる者としての自負だ。
 ブースターの加速、堅い頭突き、更には不退転の決意――敵が武器とする諸々を、リューロボロスは意に介さない。その程度で、龍を止められるなどと思わぬことだ。
「――幼子よ、健やかに育て。未来護るは竜である!」
 発動した『登竜門』で硬化した肉体は、今や全身が凶器だった。
 迫り来る敵の頭突きを前に、リューロボロスは真正面から加速。破城槌めいた突進で最後の一体を粉砕すると、轟く雄叫びを天守閣に響き渡らせるのであった。

 かくして死闘が終われば、残ったのは鉄屑と化した天魔武者たちの亡骸だ。
 戦場のトループスたちは残らず片付けられ、もはや氏政を守る兵はいない。
「……よし、護衛は排除できた。皆、怪我は平気かな?」
「勿論ですわ。このまま、勝利まで一直線と参りましょう!」
 ブシドーマルの全滅を確認した雪人へ、エレオノーラは手元の通信機へそう返した。
 残留効果による回復もあり、負傷は軽微だ。これで残すは決戦のみ、それを制すれば相模国の制圧は完了する。
 全ての護衛を失い、いよいよ追い詰められた『北条氏政』。敵将である天魔武者と対峙しながら、復讐者たちは最後の戦いに向けて戦意を滾らせ始めた。
「我は龍、我こそはドラゴン。幼子たちの守護者にして復讐者、リューロボロス・リンドラゴ也!」
 戦場に散らばる護衛の残骸を、リューロボロスが翼の風圧で一掃する。
 城も、壁も、兵も、復讐者を阻むものは最早ない。後は全力を以て戦い、敵将たる天魔武者に引導を渡すのみだ。
 強敵を前に、熱く燃える血潮。復讐者としての怒りを胸に、少女は堂々たる声で告げた。
「さあ――次は貴様だ、北条氏政!」
 決戦の幕開けを告げる号砲めいて、竜の雄叫びが轟く。
 天正大戦国、相模国。かの地を巡る一大決戦が、いよいよ始まろうとしていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV2になった!

文月・雪人
戦いの前に少し話をしてみたい
氏政という人物を知ると共に
破壊兵器の話からエゼキエル勢の話に繋げ
反応見つつ氏政から見た奴らの動きと
可能なら相模国と安房国を行き来する術も聞く


相模国での戦いも愈々最後の決戦だ。
大名北条氏政よ、ここまで復讐者を誘き寄せ、足止め出来て満足かい?

大量破壊兵器による殺戮計画。
配下に兵器を埋め込み自爆までさせるとは、まるで悪魔の所業じゃないか。
或いは悪魔の助言もあっただろうか、実に厄介な話だよ。

だが難攻不落の小田原城も、内部にあれだけの火薬があればこそ、容易に突破出来たのは皮肉だな。
恐らくそれも分かった上でエゼキエル勢の連中は、
大量破壊兵器の完成品がこの城にある事を、俺達に教えたのだろう。

城ケ島にいた連中は『天魔武者のアークデーモン化の実験』をしていたけれど、
既にディビジョンの乗っ取り計画も進められているのだろうか。
何か心当たりでも?

相模国を囮に使い、海の向こうで何をしてるやら。
直接討ちに行けないのがもどかしい。
安房国に渡る術を知りたいけれど、可能なら教えて頂きたいよ。


 小田原城天守閣にて、遂に『北条氏政』を追い詰めた復讐者たち。
 その一人である文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、対峙する氏政の様子を油断なく見遣る。
 今や孤立無援となった敵将は、腹を括って決戦に臨む気らしい。出来るならば彼の為人と共に、敵側の情報を得ておきたいところだ――秘めたる思いを胸に、雪人は静かに口を開いた。

「愈々最後の決戦だ。『北条氏政』よ、ここまで俺たちを誘き寄せ、足止め出来て満足かい?」
 氏政との会話は、雪人の問いかけと共に始まった。
 油断なく身構えながら告げる雪人に、氏政の返答は無い。だが、問答無用で仕掛けて来ないところを見れば、会話に応じる意思はあるようだ。相手の沈黙に手応えを感じ取り、雪人の言葉は続く。
「大量破壊兵器を用いた殺戮計画に、配下に兵器を埋め込んだ自爆……まるで悪魔の所業じゃないか。或いは『悪魔』の助言もあっただろうか、実に厄介な話だよ」
『……!』
 悪魔という単語に、氏政の纏う空気が僅かに揺らぐ。
 その気配を感じ取った雪人は、氏政がTOKYOエゼキエル戦争の残党に関する情報を有している確信を一層深めた。
(「天魔武者勢の情報を易々と洩らすと思えない。けど、エゼキエル勢なら……そう判断して正解だったようだ」)
 これで会話の糸口は掴んだ。張り詰めた空気が漂う中、雪人は言葉を紡いでいく。

「難攻不落の小田原城も、内部にあれだけの火薬があればこそ容易に突破出来た。皮肉な話だが、恐らくそれも分かった上でエゼキエル勢は俺たちに情報を教えたのだろう」
 未だ沈黙を保つ氏政に、雪人はそう告げた。
 天魔武者にとってエゼキエル勢は獅子身中の虫、放置すれば禍を齎す。彼らが氏政を体よく利用したことの怒りを煽れば、情報を得られる可能性も上がる――そう考えたのだ。
「城ヶ島にいた連中は、天魔武者を使って実験を進めていた。天正大戦国の乗っ取りでも進めているのではないかな?」
『……腹に一物抱えた連中なのは、元より承知しておるわ。あのような者共を、何ゆえ家康様は重用なさるのか……』
 果たして、口を開いた氏政の声は苦渋に満ちたものだった。
 どうやらエゼキエル勢は、家康から相応の立場を任されているらしい――敵側の状況を頭に入れながら、雪人は更なる情報を得るべく話を続けた。

「成程、エゼキエル勢も上手く取り入ったものだね。彼らが拠点にしているのは安房国だったかな?」
 復讐者にとって既知の情報を用い、探りを入れる雪人。対する氏政が、僅かの間を置いて首肯を返す。
『既に奴等は、家康様から安房国を与えられておる。安土城の改造まで請け負い、何を企んでいるか判ったものでは無い』
「……!? あの天空城塞は今、安房国に?」
『いかにも。奴等の危険性は家康様も重々承知のようだが、それでも受け入れるべきでは無かった……』
 氏政より告げられた情報に、雪人は息を呑んだ。
 千葉県の南端にある安房国は、最終人類史の東京・横須賀からは目と鼻の先の場所だ。
 もしも安土城が破壊兵器を満載して《戴冠の戦》で攻めて来る事態が起これば――脳裏をよぎる憂慮をおくびにも出さず、雪人は最後の問いを氏政に投げる。
「状況は大体わかった。安房国に渡る術でもあれば、すぐにでも奴らを討ちに行けるのだけどね」
『行きたくば、上総国を抜けるのだな。だが、かの国を守るは徳川最強の本多忠勝殿……この儂を討てぬ者が辿り着くなど、到底叶うまいぞ!』
 話は終わりとばかり、氏政が身構える。
 ここから先は、刃を以て決着をつけようと言うのだろう。
 無論、それは復讐者にとっても望むところ。雪人は改めて得物を構え、仲間たちと共に決戦に臨むのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

ルチルーク・フレンツェン
関東の最終人類史を守る為。
相模国を解放する為。
北条から言われるとは考えていませんでしたが、次の令制国へ挑む為。
「全てを成し遂げる為に、目の前の強敵に挑ませて頂きます。」

当機のパラドクス「ロケットフィスト」を会心の一撃で当てる為に、
【壁歩き】で高い位置へ移動し、北条のパラドクス「獅子仔群牙撃」での
同型の幻影に加わる北条を見逃さず拳を射出させます。
怒りを込めて「ダメージアップ」を上乗せし、
残留効果の「命中アップ」での光の導きを信じて拳を北条本人の頭に叩き込みます。
「小さな手でも、理不尽で大きな不幸を打ち砕きます」

北条からの反撃には、致命傷にならない程度の多少の負傷を承知と覚悟の上で、
少しの剣技のヒットは「ガードアップ」で堅固にした体と
「隠れ防護仕込みトルバドゥールスーツ」で耐えつつ、
【壁歩き】と【エアライド】1回とほんのちょっとの【飛翔】で立体的に、
強引にでも天守閣内を移動して、多数の剣技を避ける様に努めます。
「恐るべき連携と剣技ですが、黙って切り伏せられる訳には、いきません」


 小田原城の天守閣にて、復讐者たちは遂に決戦の時を迎えた。
 敵は、相模国の大名『北条氏政』ただ一機。城壁も、護衛も、あらゆる守りを失った氏政は、まさしく『窮地』の二文字に相応しい状況だ。
 ここまで来たなら、後は決着をつけるのみ。
 決戦を制する闘志を燃やし、復讐者たちは氏政との戦いに臨む――。

「……とうとう、ここまで来ましたね」
 決戦の先陣を切るべく、戦場に駆け付けたルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)は、感慨を帯びた声で呟く。
 一昨年より復讐者たちが攻略を続けて来た相模国。その総決算となる戦いが、いま始まろうとしているのだ。
 関東の最終人類史を守る為、相模国を解放する為――ルチルークに、一切の迷いは無い。
「全てを成し遂げる為……挑ませて頂きます、『北条氏政』」
 横須賀の、そして東京の人々を害する天魔武者に慈悲は無用。
 クロノヴェーダたる氏政への怒りを胸に滾らせ、ルチルークは決戦の火蓋を切るのだった。

「目標『北条氏政』。攻撃開始します」
 天守閣に満ちるパラドクスの光が、輝きを増していく。
 逆説連鎖戦の開始と同時、瞬時に肉薄を果たすルチルーク。己が拳を得物とする彼女を迎え撃つのは、氏政が召喚した天魔武者の幻影たちだ。
 同型機の幻影を従え、氏政が抜刀する。天守閣は、たちまち熾烈な戦いの火花を散らし始めた。
『受けよ、獅子仔群牙撃!』
「ダメージレベル、問題なし。戦闘を続行します」
 幻影と氏政の斬撃が、阿吽の呼吸でルチルークへ牙を剥く。
 その攻めはジェネラルに相応しく、トルバドゥールスーツと残留効果の防御でもダメージを完全には殺し切れない。
 絶え間なく襲い来る、変幻自在の斬撃。次第に蓄積され始めた負傷を前に、しかしルチルークに焦燥は絶無である。

「恐るべき連携と剣技ですが……黙って切り伏せられる訳には、いきません」
 言い終えるや、ルチルークの動きが俄かに激しさを増す。
 エアライドと壁歩きを織り交ぜながら、披露するのは戦場全てを足場に変えた立体機動だ。
 空中と壁を自在に動き、低高度の飛翔も駆使した動きは変幻自在。対する氏政は、幻影を率いて応戦を続けるが――ほんの僅かな反応の遅れを、ルチルークは見逃さない。
「……目標を捕捉しました」
『なっ――上だと!?』
 瞬時に氏政の頭上を取ったルチルークの腕部が、パラドクスの輝きを宿す。
 発動するは『ロケットフィスト』の一撃だ。
 ドンッ、と空気を震わす衝撃と共に、怒りを秘めた鋼拳が砲弾さながら射出された。

 増幅する怒りを込めた必殺の一撃が、ロケット噴射で加速する。
 直撃を齎す光の軌跡に導かれるそれを、止めるものは何もない。最高速度に達した拳は、寸分違わず氏政の頭部を捉え、
「――これが、当機の怒りを載せて射出する拳です」
『……っ!!』
 先陣を飾る会心の一撃を、氏政の機体に刻み込む。
 重く、速く、そして熾烈。凄まじい振動が戦場を席巻する中、傷を負った氏政を前に、ルチルークは胸を張って告げた。
「小さな手でも、理不尽で大きな不幸を打ち砕きます」
 相模国の圧政は、今日限りで終わらせる。
 決意を胸に振るう拳は尚も激しさを増して、天守閣を戦いの熱気で包み込んでいった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

リューロボロス・リンドラゴ
真体降臨……機竜改臨……ッ!
メカにはメカを、ロボにはロボを!
機械竜としてのネメシスでいざ尋常に、勝負!

獅子の牙、何するものぞ!
竜に並ぶというのならせめて虎を持ってこい!
最も、甲斐の虎も貴様の後を追わせてやるがの!
剣を抜くというのなら、我もまた剣で相手をしてやろう。
神剣、抜刀!
――厳つ霊よ、刃となりて降り注げ。劔となりしは竜である。
幻影と言えど同型機との連携攻撃ともなれば複数のジェネラル級を相手にするようなもの。
隙がないと言うなら尚更厄介ではあるが!
ドラゴンとは一騎当千、数多の勇士をただ一匹で蹂躙してこそなれば!
本体狙いなぞという手堅い真似はせぬ。
堅実な氏政ならそういう常識的なやり口には対応しやすいであろうしの!
ドラゴンらしくド派手に力押しよ!
隙がないというのならこじ開けるまで!
我が八剱にて幻影共々薙ぎ払ってくれるわあああ!
ルゥオオオオオオオオオオオオオオオ!
ふん。個の筈の敵を群れと思うからこそ翻弄されるのだ。
であらば敵を多頭龍のような個と思えば良い!
まあ八岐大蛇は我の側だがの!


文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

そうだね、ここでお前を倒せない様じゃ、安房国どころか世界の奪還なんて夢のまた夢だ。
だが俺達も勿論負ける気など毛頭ない。
お前を打ち倒し、その先の未来を掴み取ってみせよう。

目を赤く染め、額に赤い二本の角を生やしてネメシス形態へ移行。
雪月花の刀を抜き放ち、改めて構える。
文月雪人、いざ参る!

可能なら【パラドクス通信】で仲間と連携しフォローし合って戦いたい。
北条氏政が強敵なのは間違いなく、勿論油断などしない。

『朱鉄ノ舞』のパラドクスを使用。
伏兵の動く前に【先行率アップ】で行動。
城の壁も天井も足場として、軽やかに戦場を駆け、
逐次投入される兵の攻撃を【ガードアップ】で凌ぎながら、
伏兵の頭上を一気に飛び超え氏政との距離を詰める。
狙うは仲間の付けた傷。
敵味方の状況を確と読み解きながら、
【命中アップ】【ダメージアップ】の力と共に刀を振るう。

お前がどれだけ有能な家族や配下を召喚しても、それはパラドクスの幻だ。
共に戦う仲間がここにいる、それがどれだけの追い風かお前はきっと知っている、違うかい?


エレオノーラ・アーベントロート
本田忠勝も懐かしい名前ですわねぇ。
七曜の戦、まだ徳川家康が断片の王でなかった頃に少しの交戦がありましたっけ。
どなたであろうと変わりありませんわ。
全員叩き潰していくだけですもの。
今日はあなたの番。それではやりましょうか!

機械竜の姿のネメシス形態に変身して戦闘
うふふ、お揃いですわね、リューロボロスちゃん!
電磁レールガン「フェアレーター」と一体化した翼から「第二十五の魔弾【惨劇】」を放ち戦いますわ。
うふふ、それじゃあ愉しく暴れましょうか!
連携を断つにはいくつか手段がありますけれど――単純な暴力もその一つですわ。あちらの連続攻撃を装甲で受け止めて無理やり隙を作り出していきましょう。
北条氏政が呼び出した幻たちにダメージアップで更に威力を高めた【惨劇】の魔弾を撃ち込んで迎撃、正面から打ち破り、北条氏政の元まで【惨劇】の魔弾を届かせ、装甲ごとブチ抜いて差し上げますわ。

こんなものじゃありませんでしょう?
うふふ、まだまだ愉しませてくださいませ。


 召喚した天魔武者を駆使し、氏政は抗戦の構えを見せ続けていた。
 手傷こそ負ったが、その戦意は未だ不動。勢いを増す復讐者たちを前に、彼の執念は未だ尽きることを知らない。
『まだまだ、勝負はここからよ……!』
 得物の刀を手に、不屈の闘志を秘めて氏政が吼える。
 たとえ勝機が薄かろうと諦める気は無い――そんな彼に、復讐者たちは更なる戦いを挑んでいく。

「……そうだね。ここでお前を倒せないようじゃ、世界の奪還なんて夢のまた夢だ」
 手負いの氏政を前に、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は静かな声で告げた。
 氏政が勝利を諦めていないことは、その熾烈な抵抗からも明白だ。
 とは言え、雪人とて負ける気は毛頭ない。相模国を制する為、目指すは完全勝利のみ――それは彼を始め、この戦場に集う復讐者の共有する想いでもあった。
「『本多忠勝』……ずいぶん懐かしい名前ですわねぇ」
 決戦前に氏政が告げた敵将の名に、エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)が不敵に笑う。
 話によれば、忠勝は上総国を治めているらしい。氏政の言葉が示したように、安房国を治めるエゼキエル勢を王である家康も警戒している証左なのだろう。
 いずれ奴とも、《七曜の戦》の決着を付けてやらねば。誓いを新たに、エレオノーラの燃える視線が再び氏政を捉える。
「けれど、今はあなたの番。それではやりましょうか!」
『ふん。儂とて大名の端くれ、易々と敗れはせぬ!』
 身構える氏政を前に、エレオノーラの戦意は一層高い。
 氏政も、忠勝も、そして家康も、天魔武者は残らず滅ぼして見せよう。
 そんな復讐者としての意思を映すように、彼女の肉体は機械の竜へと変身を始めた。

 戦況は復讐者の優勢だが、ジェネラル級を相手に油断する気は無い。故に、三人の復讐者たちは全員がネメシス形態で戦いに臨むことを決めていた。
「真体降臨……機竜改臨……ッ! メカにはメカを、ロボにはロボを!」
 エレオノーラに続き、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)も変身を遂げていく。
 少女の姿に似合わぬ猛々しい雄叫びを轟かせ、彼女が変身したのは機械の竜だ。硬く、そして強く――その身から滾る威圧感は、まさに竜に相応しい。
 そんな彼女の隣、変身を終えたエレオノーラは巨大な翼を背に広げていた。フェアレーターと一体化した翼に魔弾の装填を終えて、早くも戦いが待ちきれない様子である。
「うふふ、お揃いですわねリューロボロスちゃん! 派手に暴れますわよ!」
「うむ。氏政よ、いざ尋常に勝負!」
 変身を終えて頷くリューロボロスの後方では、雪人もまたネメシスの姿を取り終えていた。
 赤く染まった両眼、額に生えた二本の角。そうして彼は、雪月花の切先を氏政へ突き付ける。敵将たる彼を討ち、奪われた大地と歴史を取り戻し――その先に待つ、未来を掴む決意を胸に秘めて。
「今こそ、相模国を制する為に。……文月雪人、いざ参る!」
『よかろう。纏めて相手をしてくれる、ディアボロス!』
 雪月花の刃が、冷たい光を宿す。機械竜の咆哮が共鳴し、天守閣を揺さぶる。
 氏政への復讐心を燃え立たせ、三人の復讐者たちは攻撃を開始していった。

『いざ、ディアボロスを討ち取らん! かかれ、かかれ!』
 氏政の号令一下、天魔武者の幻影が復讐者に殺到する。
 氏政と同型である幻影たちの動きには、まさに一糸の乱れも無い。それを迎え撃つのは、翼を広げたエレオノーラだった。
 敵が攻めに出るならば、それを上回る火力を以て蹂躙するのみ。シンプルな結論を胸に、翼と一体化したフェアレーターの砲口が氏政を捉える。
「うふふ、それじゃあ愉しく暴れましょうか!」
 次の瞬間、投射された魔弾が、破壊の嵐を巻き起こした。
 立て続けに響く衝撃と轟音。その猛攻はネメシスの力に恥じず、並の敵なら跡形も残さぬ凄まじいものだ。その只中、氏政は幻影を引き連れ、負けじと猛烈に斬りかかる。
『そこだ!』
 裂帛の気合と迫る氏政の斬撃。それを浴びて、エレオノーラの装甲が甲高い音と共に切り裂かれた。
 残留効果の強化もあって、受けたダメージは深くない。五体が動くことを確かめたエレオノーラは直ちに態勢を立て直し、負けじと魔弾を投射していく。
 守りを得意とする氏政とは対照的に、エレオノーラは攻めを得意とする復讐者だ。その力はネメシス化によって一層強烈なものとなり、氏政をじわりと圧倒し始めた。
「うふふ、逃がしませんわよ。リューロボロスちゃん、今ですわ!」
「うむ。獅子の牙、何するものぞ! 神剣、抜刀!」
 そして――復讐者たちの猛攻は、リューロボロスの追撃によって更に熾烈さを増した。
 稲妻とオーラを纏う剣を得物に、少女が地響きを立てて突撃する。雷鳴の轟く中、剣戟の火花は一層熾烈に咲き乱れ、氏政を防戦に追い込んでいく。
「竜に並ぶというのならせめて虎を持ってこい! 尤も、甲斐の虎も貴様の後を追わせてやるがの!」
『たいそうな大口を……! それには及ばぬ!』
 復讐者たちの攻撃を凌ぎながら、堂々と言い返す氏政。
 その眼光は未だ鋭さを失わず、淡々と反攻の機を伺い続ける――。

 機械竜の二人が主体となって行う正面攻撃は、まさに圧倒的の一言に尽きた。
 投射する魔弾がまき散らす破壊の嵐。そこへ追撃で投擲される雷の剣。続け様、こじ開けたガードを狙うのは、戦場を自在に舞う雪人の繰り出す雪月花の斬撃だ。
 対する氏政は致命傷を避けながら抗戦を続けているが、三人の緻密な連携は、彼に付け入る隙を与えない。
『やりおる……ディアボロス、やはり一筋縄では行かぬか……!』
「うふふ。ここからが本番ですわよ!」
 着々と体力をすり減らす氏政を狙い、エレオノーラの翼が一際眩い輝きを帯びた。
 フェアレーターより投射する魔弾で標的を吹き飛ばす、『第二十五の魔弾【惨劇】』。その発動を告げる光が、幻影を引き連れた氏政を捉える。そして次の瞬間、
「装甲ごとブチ抜いて差し上げますわ。【惨劇】解放――」
 唸りを上げる砲口より、増幅した怒りを秘めた魔弾が放たれた。
 特殊な効果こそ持たない【惨劇】だが、その火力は数ある魔弾の中でも折り紙付きだ。破壊力と貫通力に秀でた弾が、電磁レールガンによって加速を果たし、氏政へと命中。馬鹿げたパワーの齎す衝撃を以て、真正面からガードを突き破った。
『ぐ、ぬぅ……これしきで!』
 装甲が吹き飛ぶのも構わず、しかし氏政の抵抗は未だ止まない。
 ここで足を止めれば最期だと言うことは、彼とて理解しているのだろう。紙一重で直撃を防いだのは、守備に長けた武将の意地と言うべきか。
「こんなものじゃありませんでしょう? うふふ、まだまだ愉しませてくださいませ!」
 だが、そのしぶとさは復讐者とて想定済みだ。
 仕掛ける時は、今。エレオノーラの魔弾を嚆矢に、復讐者たちの猛攻は未だ止まらない。

「ドラゴンとは一騎当千、数多の勇士をただ一匹で蹂躙してこそなれば!」
 魔弾が降り注ぐ只中、リューロボロスの咆哮が高らかに木霊する。
 幻影を従える氏政めがけ、繰り出すのは真正面からの力押しだ。半端な攻めなら押し返されるリスクを孕む戦法だが、彼女の火力はエレオノーラ同様に並ではない。
 本隊だろうが幻影だろうが、邪魔する者は蹂躙あるのみ。『奴重垣剣、八剣雷刃』で生成した八本の剣を振るい、八岐大蛇さながら氏政へと斬りかかる。
「我が八剱にて幻影共々薙ぎ払ってくれるわあああ! ルゥオオオオオオオオオオオオオオオ!」
『ふん……ならば迎え撃ってくれようぞ!』
 着々と余力が失われていく中、氏政が選んだのは正面からの迎撃だ。
 怒涛の連携攻撃を見舞わんと、幻影を率いて身構える氏政。そこへ雷の剣を構えたリューロボロスが突っ込んだのは、ほぼ同時であった。
 幻影を指示する存在は氏政だけであり、それは少女にとって多頭龍との戦いと大差ない。
 である以上、すべきことは至ってシンプル。竜として戦い、捻じふせ、叩き伏せるのみ。
「――厳つ霊よ、刃となりて降り注げ。劔となりしは竜である!」
 立て続けに轟く稲妻、そして衝撃。
 擲つ八本の剣が齎す斬撃は、何者にも止め得ぬ復讐者の勢いを示すように、鮮烈に戦場を覆い尽くしていった。

 魔弾と稲妻、二つのパラドクスが絶え間なく荒れ狂う。
 攻撃が命中する度、それは氏政が誇る鉄壁の守備を穿ち、削り、じわりと余力を奪っていく。
 だが、氏政とて死を甘受する気は無い。襲撃を命じる声を響かせると同時、天守閣に身を隠した天魔武者たちを手足代わりに、復讐者たちを狙い定める。
『貨幣を以て力を削る、これぞ多重仕掛之兵法なり!』
 窮地で攻めを焦ること無く、氏政が選んだのは着実に余力を削る戦法だ。
 だが、そんな彼を嘲笑うように。号令に先んじて戦場を吹き抜けたのは、一陣の風だった。
「生憎だけど、止めさせて貰うよ。――天を地を駆け朱鉄の舞」
 その源は、雪人が発動した『朱鉄ノ舞』だ。
 床、壁、天井――天守閣の悉くを足場へと変えた雪人の動きは、変幻自在そのもの。先手を取った彼は、伏兵たちの頭上を飛び越えて氏政へ肉薄すると、怜悧な光を帯びた雪月花を構える。
 パラドクスが齎した推理と直観は、氏政の装甲の破損個所を捉えていた。エレオノーラとリューロボロスの攻撃で穿たれ、大きく開いた傷口。そこを雪月花の切先で捉えながら、雪人は淡々とした声で告げた。
「共に戦う仲間がここにいる。それがどれだけの追い風か、お前はきっと知っている――違うかい?」
『……――っ!!』
 有能な家族や配下を呼ぼうと、所詮それらは幻と同じ。
 雪月花の一閃はどこまでも強烈に、氏政へ更なる傷を刻み込むのであった。

「よし、良い流れだ。油断せず氏政を追い込んで行こう」
「承知! この天守閣を、奴の墓場としてくれる!」
「うふふ。さあ、もっともっと派手に参りましょう!」
 熾烈な戦いを繰り広げながら、復讐者たちは頷きを交わし合う。
 氏政の身には、今も着実にダメージが蓄積されている。互いの連携で勝ち取った成功の只中、次第に近づく勝利の気配を、三人は確かに感じ取っていた。
 敵の劣勢は今や明白。後は最後まで、このまま全力で駆け抜けるのみだ。
「決着まで後少し。頑張ろう、皆!」
 雪人の檄に、復讐者たちの鯨波が呼応する。
 かくして小田原城の決戦は、佳境に向けて動き出そうとしていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【壁歩き】がLV3になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV5になった!

呉守・晶
連携アドリブ歓迎

相模国大名で北条氏の当主、北条氏政。その首を貰いに来たぜ
しかしなんだ、息子の北条氏直とは随分違うな
氏直に挑発で言った「小田原城に氏直がいると氏直の所為で小田原城が落ちかねないから玉縄城に遠ざけた」ってのはマジだったりするか?
まぁ馬鹿息子を持ったのは不幸だったな

魔晶剣アークイーターの封印を一部解除して巨大な牙と口のような異形の大剣に変異させて突っ込むぞ!
見事な連携だな。いや、統率できない烏合の衆を召喚した息子とは大違いだ
あぁそうそう氏直を討ち取ったのは俺だ。碌に時間稼ぎも出来ず、なにも決断できない無能の汚点息子を討ってやったことに感謝しろよ!

散々息子の氏直を馬鹿にしてトドメを刺したのは自分だと宣言して挑発して怒りを誘って連携に乱れを生じさせようとするぞ
息子をどう思ってたにせよ、此処まで云われた無視もできねぇだろ

挑発で連携が乱れればその隙を突いて、そうでなくとも味方と協力して全力の一撃で叩き斬ってやる!
覚悟しろ、これがテメェの息子を討ち取った一撃だ!
噛み砕け、アークイーター!


 死闘の熱気は、未だ留まることを知らなかった。
 激戦が続く天守閣には、後続の復讐者が続々と応援に現れている。追い詰められた氏政とは対照的に、援軍の勢いは留まることを知らない。
 鉄壁を誇った氏政の命運も、今や風前の灯。その首級を挙げるべく、復讐者が雪崩の如き猛攻で襲い掛かる――!

「北条氏政! 相模国大名にして北条家当主の首、貰いに来たぜ!」
 呉守・晶(TSデーモン・g04119)は堂々とした態度で告げると、氏政を睨みつけた。
 視線の先、敵将たる天魔武者には、既に数多の傷が刻まれている。その姿に、晶は今までの激戦と、未だ衰えぬ氏政の闘志をありありと感じ取った。
「最後まで諦める気は無い、って訳か。……息子の氏直とは随分違うな」
 かつて玉縄城の決戦において、晶たち復讐者が撃破した『北条氏直』。
 そんな彼の、史実では父だった氏政へ晶は問いを投げる。先の戦いで、彼女が氏直に向けた挑発のことだった。

「『無能な氏直がいたら小田原城が落ちかねない。だから玉縄城に遠ざけられた』……ってな。マジだったりするか?」
『……その問い、今更答えても意味は無かろう。だが――』
 晶の問いに、氏政が苦渋に満ちた溜息をつく。
 怒りも悲しみも、そこには無い。在るのは只、深い後悔だけだった。
『最初から氏直を見捨てておれば……このような結果は避けられたかも知れぬ』
「……そうかい。まぁ、馬鹿息子を持ったのは不幸だったな!」
 短い会話を終えると、晶は魔晶剣アークイーターの封印を解除した。
 かくして異形の顎を生じた剣を手に、彼女は突撃していく。この決戦を、復讐者の勝利で締め括る為に。

「コード捕食剣『貪リ喰ラウモノ』っ! 受けてみろ、氏政!」
『なんの、そう易々と敗れはせぬ!』
 魔晶剣を構えた晶が、矢の如き速度で疾駆する。それを迎え撃つのは抜刀した氏政と、召喚された幻影の群れだ。
 氏政の意思に統率され、怒涛の勢いで押し寄せる幻影たち。阿吽の呼吸で繰り出す連携攻撃に身を刻まれながら、晶は不敵な笑みを浮かべて言った。
「幻影の統率も見事なもんだな、氏直とは大違いだ」
 剣戟の火花を散らしながら、晶が更なる挑発を投げる。
「あぁ、そうそう――氏直を討ち取ったのは俺だ。無能の汚点息子を討ってやったことに感謝しろよ!」
『……無能か。確かにあれは、そう言われて当然の出来ではあったが……感謝する筋合いなど無い!』
 怒りに我を失うことなく、強かに攻撃を続ける氏政。
 だが、度重なる激戦は、彼から余裕の心を着実に奪っていた。晶はほんの僅かな動きの乱れを見出すと、それをこじ開けるように力ずくで斬り込んでいく。

 晶の『貪リ喰ラウモノ』で異形化したアークイーターが、唸りを上げて牙を剥く。
 幻影の間隙を縫って放つ一撃は、正に猛獣と評するに相応しい獰猛さで氏政へと食らいついた。
「これが、テメェの息子を討ち取った一撃だ! 噛み砕け、アークイーター!」
『ぬぅぅぅ……っ!』
 魔晶剣の牙が、甲高い音を立てて標的を食いちぎる。
 氏政が苦悶の呻きを洩らす中、晶の刃は鋭く、そして力強く。敵将たる天魔武者に、会心の一撃を叩き込むのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

シル・ウィンディア
アンゼリカさん(g02672)と共に立ち向かうよ。

大分ダメージも与えているけど、ここで気を抜くとひっくり返されちゃうから…。
だから、全力でっ!

ネメシスモード開放。
銀目銀髪の天使モードで挑ませてもらうよっ!


ここか確実に…。
わたし達の力を、全力をぶつけさせてもらうっ!

しっかり足を踏みしめて…。
機動戦はアンゼリカさんに任せて、わたしはこの場で気を惹くようにして砲撃を撃つだけっ!

使うは十芒星精霊収束砲っ!
わたしの砲撃、しっかり味わってっ!

撃った後もその場でいるよ。
敵の注意がアンゼリカさんに向いているなら、わたしからの砲撃を遠慮せずにぶち込むっ!

こっちに気が向いているなら、アンゼリカさんがきっと仕掛けてくれるから。
パラドクス通信が無くても、彼女ならきっと合わせてくれるっ!

敵攻撃は…。
士気の高い攻撃だけど、簡単には沈んであげないよっ!
ガードアップで防御力を増しつつ、六芒星精霊盾を体の前に展開させて防御を行うよ。

耐えたよ?

それじゃフィナーレに行きましょうかっ!
わたしの全力開、遠慮せずにもってけーっ!!


アンゼリカ・レンブラント
相棒のシル(g01415)と
戦乙女のネメシス形態となり
パワー全開で挑むっ!

【パラドクス通信】を駆使し、
戦場の仲間と攻撃の機を合わせて動き
【ダメージアップ】で強固になった神焔剣で斬りこむよ

反撃をしっかり盾で受け止め一撃離脱
相棒や仲間と挟み込む位置取りを狙い動き
固定砲台モードの相棒の攻撃に重ね、畳みかけるように剣を振るうね

氏政の幻影での連携攻撃には【ガードアップ】で
強固になった障壁を突き出すようにして防ぎ、
連携の合間に反撃を入れていくよぉ!

私に氏政の注意が向くなら気を惹くよう足を使い動きシルの攻撃の呼び水となる
シルに注意が行くなら、思い切りの攻撃をねじ込む!

貴方の駆使する同型の天魔武者も幻影にすぎず
頼みの同盟国の援軍も何時来るか分からないもの
私には頼もしい大切な友がここにいて常に私を鼓舞してくれる
いつ来る?じゃない、常にいるんだ!
それがどれほどの力となるか、勝利を掴み示してみせるっ

相手の消耗が分かれば、仲間のラッシュに合わせ
全力全開の《神焔収束斬》で仕留めるね
私達の心の光、最大まで輝けぇー!


「相模国の解放まで後少し! 行こう、シル!」
「うん。逆転なんて、絶対にさせないからっ!」
 新たに駆け付けた二人の復讐者が、天守閣で頷きを交わし合う。
 アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)と、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)。決戦の勝利に決意を燃やす、若き少女たちだ。
 敵将の氏政は、今や満身創痍。対するシルは油断を排するように深呼吸をひとつ、その視線を氏政へと向けた。
「……大分ダメージも与えているけど、気は抜けないね。生憎だけど、逆転のチャンスはあげないよ!」
『ぬぅ……っ!』
 傷だらけの体を軋ませ、氏政が呻き声を洩らす。
 だが、そんな窮地にあって尚、氏政の眼光が死んでいないことをシルは察知していた。僅かでも気を抜けば、敵はその隙を見逃さないだろう。
 である以上、ここは全力で臨むのみ。シルとアンゼリカの姿が、決戦に相応しい姿へ変貌を遂げ始めた。

「ネメシスモード開放。フルパワーで挑ませて貰うよっ!」
 決意の言葉を紡ぎ、シルが天使姿のネメシスへと変化する。
 銀髪を靡かせ、銀色の瞳に宿された眼光が氏政を射貫く。その前方、戦乙女姿のネメシスとなったアンゼリカは、神焔剣を手に戦闘態勢を取った。
「機動戦は引き受けるよ、シル! 攻撃、重ねて行こう!」
「分かった、任せるね。わたしは全力で撃たせて貰うっ!」
 相棒のシルに背中を任せ、アンゼリカは氏政と対峙する。
 彼女の心に恐れは無い。どんな強敵が相手でも、自分たちは必ず勝利を掴んで見せる――そう決意していた。
 相模国に圧政を敷き、非人道的な兵器を以て最終人類史に危害を加えんとした天魔武者。許し難い敵を前に燃え上がる怒りを滾らせながら、アンゼリカは堂々と告げる。
「出し惜しみはしないっ! 『北条氏政』、覚悟!」
『良かろう……来い、ディアボロス!』
 幻影の集団を従えた氏政もまた、衰えぬ戦意を露わに吼える。
 ここまで来た以上、互いに語ることは無い。
 アンゼリカとシルは滾る復讐心を胸に秘め、戦いの火蓋を切るのだった。

 決着の近い戦況にあって尚、氏政の抵抗は熾烈の一言に尽きた。
 彼が負ったダメージの深さは、戦いを繰り広げることで一層鮮明となった。切傷、銃創、鋭い噛傷――そんな中にあって、兄弟を模した幻影を率いる彼の猛攻は未だ衰える気配を見せない。
『相模国の大名たる儂に、敗北は許されぬ!』
「突撃するっ! シル、砲撃よろしく!」
「任せて! ここは確実に……。わたしたちの力を、全力をぶつけさせてもらうっ!」
 勝利を誓い、逆説連鎖戦を開始する復讐者たち。パラドクスの光が天守閣を照らし、世界の理へと介入する。
 最初に仕掛けたのはアンゼリカだった。彼女は機敏な動きを介し、氏政と幻影たちが繰り出す剣技を盾で捌きつつ、神焔剣の刃を叩き込んでいく。
 負けじと氏政も刀を振るうが、ネメシスとなったアンゼリカの力は大幅に上昇している。火力や防御を増強する残留効果もあって、その勢いは未だ健在だ。
「さあ、どんどん押して行こう!」
「準備完了。砲撃、開始するよっ!」
 同時、シルが構えた世界樹の翼より、魔法の砲撃が開始される。
 標的である氏政は今もアンゼリカの猛攻に晒され続けており、十分な注意をシルに割けていない。
 状況は、まさに理想的だ。シルの杖を介したパラドクスは豪快な砲撃に変じ、氏政を着々と追い詰めていく――。

 二人の攻撃は、それからも絶え間なく続いた。
 アンゼリカは俊敏な身のこなしで一撃離脱を繰り返しながら、神焔剣の斬撃を氏政に見舞う。幻影との剣戟でダメージこそ追っているが、受けた傷は浅い。
『ぬう、何という堅さ……!』
「そこだっ!」
 好機と見たアンゼリカの攻撃が、一気に勢いを増す。
 負けじと鍔迫り合いを演じる氏政。刹那、そこを狙って後方より殺到するのは、シルの追撃だった。
「わたしの砲撃、しっかり味わってっ!」
 氏政がアンゼリカに注意を向けた瞬間を逃すことなく、世界樹の翼がパラドクスの輝きを宿す。
 その間にも神焔剣の斬撃は途切れず、氏政を襲い続けていた。アンゼリカの剣とシルの砲撃、二人の猛攻が一心同体の刃となって、戦況を更なる優勢に傾けていく。
 そこに、多くの言葉は必要ない。互いに心の通じ合う、それは歴戦の戦士だからこそ為せる業だ。
『まだ、斃れる訳には……! 重臣たちよ、今こそ発奮し戦うのだ!』
 召喚した臣下の幻影を従え、氏政の小田原評定が響く。
 士気を鼓舞された重臣たちは刀を武器に、復讐者たちを押し返さんと怒涛の勢いで殺到を開始した。

「来たね……。士気の高い攻撃だけど、簡単には沈んであげないよっ!」
 全力で床を踏みしめたシルは、迫る重臣の群れに堂々と告げた。
 残留効果で硬化した肉体で六芒星精霊盾を構え、刀の雨を真正面から受け止める。
 刃で受けた傷は、未だ深くは無い。斬撃の嵐にも負けず、銀色の天使たるシルは尚も戦場に立ち続け、そして、
「……耐えたよ? それじゃフィナーレに行きましょうかっ!」
 重臣たちの斬撃を凌ぎ切ると同時、『十芒星精霊収束砲』を発動。背に広げた一対の光翼を羽ばたかせ、渾身の一撃を氏政へと叩き込んだ。
「わたしの全力、遠慮せずにもってけーっ!!」
『ぐ、うぅ……っ!』
 高速詠唱の完了と共に、世界樹の翼より魔力の奔流が溢れ出る。
 増幅と収束を経て発射した超出力のエネルギーは、氏政を逃さずに捉え、その身を破壊していった。高熱、凍結、電撃……属性魔法が齎す力に、頑丈な装甲が容赦なく削り取られていく。
 あと一押し――そう、誰もが確信した次の瞬間。復讐者の下へ転がり込んだ好機を、アンゼリカは逃がさなかった。
 シルの猛攻に合わせ、光の巨大剣を構築。神火を加えた必殺剣、『神焔収束斬』の一撃を氏政めがけ叩き込む。

「私たちの心の光と共に、輝け生命の焔よ! 絆を力とし、未来への道を拓けぇーっ!」
 輝くオーラを纏う一閃が、氏政へ牙を剥いた。
 雷鳴にも似た轟音が響き、天守閣が揺れる。幻影を率いる氏政の抗戦も、アンゼリカが浴びせる一撃には意味を為さない。縦横無尽に戦乙女の振るう剣筋は、どこまでも豪快だ。
『これ程の力……一体どこから……』
「貴方の駆使する同型の天魔武者は只の幻影。頼みの同盟国の援軍も、何時来るか分からない……」
 尚も大剣を振るいながら、アンゼリカは氏政に向かって告げる。
 この戦場で、お前は最早ただひとり。
 だが、自分は違う。頼もしい大切な友はここに居て、常に力を齎してくれるのだと。
「いつ来る? じゃない、常にいるんだ! それがどれほどの力となるか、勝利を掴み示してみせるっ!」
 目指す勝利は、もう目の前に。
 大剣を掲げて告げるアンゼリカの言葉を合図に、次なる復讐者たちが氏政へと殺到する。
 城壁を越え、配下の兵を退け、辿り着いた天守閣の決戦。アンゼリカと、シルと、多くの仲間たちが繰り広げた戦いが今、決着に向けて動き出そうとしていた――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【断末魔動画】がLV2になった!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

文月・雪人
※アドリブ連携歓迎

引き続きネメシス形態で、仲間と共に戦いたい。

氏政にとって頼みの綱の三国同盟も、援軍は既に絶ってある。
絶望的な状況だが、それでも怯みはしないのだろうね。
己を知り、役割を知り、負うべきリスクも知った上で命を賭ける。
思い返せば、国境に配置されていた破壊兵器内蔵型天魔武者達もそうであったか。
彼らもまた役割を担い、武者として戦い散る事への誇りと覚悟があった。
だからといってあの策を肯定する気はないけれど、
その在り方には感じるものもある。
そして何よりも、この諦めの悪さはディアボロスもまた同じなのだ。
故に此方もまた最後まで全力で挑みたい。

『光明一閃』のパラドクス使用。
強化した観察眼と洞察力で戦況を見極める。
逐次投入される兵に対して、後方に下がると見せかけ動きを誘導、
防衛陣に揺らぎを生じさせ、そこを突く形で一気に攻勢へ転じ、
仲間と重ねた残留効果の追い風を背に、
【エアライド】で駆け抜け、渾身の力で氏政を斬る!

彼の振るう刃を記憶に刻む。
乗り越えたその先にこそ、掴み取るべき未来があると信じて。


リューロボロス・リンドラゴ
機械竜のネメシスで最後まで征くぞ!

ふん。伏兵の逐次投入か。
先程の同型機に比べれば随分と劣る性能ではないか!
と高笑いしてやるが、連戦の消耗は馬鹿にならぬ。
だが、長引けば長引くほど残留効果により我らが有利になっておるのもまた事実よ!
我らが消耗し切るのが先か、積み重ねてきた力が氏政を断ち切るのが先か。
決着をつけようではないか!
我が神剣よ、奴重垣剣よ。
盛者必衰の理を示せ。
――貴様の番だ。失われしは……竜である。
本来ならば祇園精舍の鐘の声、と唄うべきなのだがな。
敢えてこう言おう。
吹きと吹く 風な恨みそ 花の春 紅葉も残る 秋あらばこそ
貴様のものではない。
最終人類史における北条氏政の辞世の歌よ。
北条氏政の死を取り戻すのだ。
これ以上に相応しき詠唱はなかろう!
意味合いも通ずる所があるしの、くははははは!
貴様を討ち滅ぼすは我らディアボロスであり、北条氏政の歌と知れ!
因果律操作の一撃にて!
風の前の塵ならぬ、風の前の花と散れ!

北条氏政を簒奪せしクロノヴェーダよ。
何者でもない空より来たりし者よ。
空へと、還れ!


野本・裕樹
最終人類史の為にも相模国は貴方達天魔武者に支配させ続ける訳にはいきません。
最後まで油断せず、今も戦われている方々の助けとなれるように私も刃を振るいましょう。
ここで『北条氏政』を討つ、その為に。

使う刀は《蛇腹刀『蛇花』》、
使うパラドクスは《螺旋刀・小町草》です。

【トラップ生成】で粘着する床を設置しましょう。
また一部には同様に【トラップ生成】で滑る床を設置し幻影の足並みを揃えさせないように。
こちらは低空を【飛翔】で移動し連携妨害を試みながら戦います。

『北条氏政』と幻影が互いの隙を補えないように『蛇花』を鞭の様に振るい、幻影との間を分断を。
隙と見れば『蛇花』の刃を連結して刀に戻し刃を回転させた刺突を繰り出しましょう。


 小田原城を攻める復讐者と、それを阻まんとする『北条氏政』。
 長き死闘の果て、両者の戦いは遂に決着を迎えようとしていた。
 この戦いに勝利し、相模国制圧を成し遂げる為。その先に待つ、次なる令制国への道を拓く為。氏政を打倒すべく、復讐者たちは最後の攻勢を開始する――!

「最後まで将として抗うか。敵ながら良い覚悟だ、氏政よ!」
 討つべき敵将を前に、リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)が咆哮を響かせる。
 先の戦いでネメシスとなった彼女は、今なお機械竜の体を維持していた。連戦による消耗は決して軽くないが、ここで足を止める選択肢など存在する訳もない。
 己が五体を叱咤し、神経を研ぎ澄ますリューロボロス。果たして彼女が感じ取ったのは、周囲に潜む伏兵の気配だった。
「ふん、伏兵の逐次投入か。先程の同型機に比べれば、随分と劣る性能のようではないか!」
『……出し惜しみなど愚の骨頂。切札は全て使うのみよ』
 疲労と負傷で掠れた声で、氏政が言い返す。
 幾度もの連戦を凌ぎ続けた彼の消耗は、リューロボロス以上であろう。傷だらけの体で戦い続けるその執念は、大名の名に恥じない見事なものだった。
 だが、それは同時に、彼ひとりの力に過ぎない。リューロボロスは、仲間たちと共に重ねた効果で力を増しながら、勇猛な雄叫びと共に氏政へ告げる。
「我らが消耗し切るのが先か、積み重ねてきた力が氏政を断ち切るのが先か。決着をつけようではないか!」
 決戦の勝者が何れになるか、結果は間もなく示されるだろう。
 そして、この戦いに敗れる気は、リューロボロスにも仲間たちにも存在しないのだった。

 天守閣を満たす熱気が、最高潮にまで高まっていく。
 身構える氏政を前に、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は戦いに精神を集中させ始めた。
 リューロボロス同様、彼もまたネメシスを継続しての参戦である。氏政がそうであるように、彼もまた持てる力を尽くして最後の決戦に臨んでいるのだ。
「いよいよ大詰めだね。必ず勝とう」
「ええ。相模国解放の為、私も加勢いたします」
 野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は雪人に頷きを返すと、その視線を敵へと向けた。
 相模国の大名『北条氏政』。彼を討てば、長きに渡る相模の圧政と、最終人類史を脅かす脅威の一つは終焉を迎える。彼らの支配に終止符を打つ為にも、決して負ける訳にはいかなかった。
「故に私も、刃を振るいましょう。皆さんの助けとなる為、ここで『北条氏政』を討つ、その為に」
 蛇腹刀『蛇花』を構え、裕樹が静かに告げる。
 氏政が未だ油断ならない強敵であろうと、恐怖は無い。
 雪人とリューロボロス、そして多くの仲間たち。皆の想いと共に、彼女は決戦への一歩を踏み出した。

 激戦の続く戦場で、先に仕掛けたのは氏政だった。
 同型機の幻影を引き連れ、彼が狙ったのは裕樹である。復讐者の中で唯一ネメシスではない彼女を優先して仕留め、活路を切り拓こうと言うのだろう。
『我が剣技、防げるか!』
「退きはしません。私たちにも、負けられない理由があるのですから」
 迫る氏政を迎え撃つように、裕樹は飛翔を発動。幻影の連携を妨害するように、低空の高速移動を交えながら剣戟の火花を散らし始めた。
 パラドクスの輝きが一層眩く戦場を満たす。これが最後の激戦であることを、戦場の誰もが理解していた。
 氏政の抵抗は未だ熾烈だ。それを突き崩すべく、雪人はリューロボロスと共に更なる追撃を仕掛けていく。
(「氏政にとって頼みの綱の三国同盟も、援軍は既に絶ってある。彼の命運は、既に尽きたも同然だけど……」)
 それで尚、怯む姿を見せない氏政に、雪人は内心で舌を巻いた。
 氏政は決して愚かではない。援軍が断たれたことも、恐らくは薄々察しているだろう。勝利を放棄すれば、その時点で全てが終わることを、あの敵将は理解しているに違いなかった。
(「己を知り、役割を知り、負うべきリスクも知った上で命を賭ける……思い返せば、国境に配置されていた天魔武者たちもそうだった」)
 かつて戦った氏政配下の敵部隊を、雪人はふと思い出す。
 武者として戦い、散ることへの誇りと覚悟を負った者たち――彼らの戦法を肯定する気は無いが、その在り方には雪人も感じるものがあった。
 そして、同時に思う。諦めの悪さにかけては復讐者も負けはしない。故に、此方も最後まで全力で挑むのみだと。

「行こう。今こそ氏政を討つ!」
「うむ! 全ては我らの勝利の為に!」
「幻影がいくら来ようと、恐れはしません。最期です、『北条氏政』」
 心を一つに、立ち向かう復讐者たち。蛇花を構えた裕樹が、先んじて氏政へと肉薄する。
 彼女が振るう剣は蛇の名に相応しく、鞭のような軌道を描いて氏政に食らいつき、幻影との連携を分断し始めた。
『ぐっ……怯むな、押し返すのだ!』
 対する氏政も負けてはいない。裕樹と剣戟を演じる只中、続けて迫る雪人とリューロボロスには伏兵を放ち、二人を後方に追い遣っていく。
 復讐者の連携を許せば、凌ぎ切る余力は最早ない。そんな氏政を更なる窮地へ追い込まんと、動いたのは裕樹だった。
「穿ち貫け、『蛇花』」
 連結された刃が『螺旋刀・小町草』の発動と同時、高速で回転を開始する。
 刹那、放った一撃はドリルのように鋭い刺突となって氏政を捉え、穿った装甲を内部から引き裂いていく。
『ぐ、おおおおおっ!』
「今です。――雪人さん、リューロボロスさん!」
 全身から火花を散らし、氏政が悶絶する。それは正に、蛇花の一撃が大きな隙を作り出した瞬間だった。
 裕樹の声に合わせ、雪人とリューロボロスが動く。戦いを締め括る一撃を、氏政へ叩き込む為に。

「……見えた、進むべき道はこの先に!」
「今こそ決着の時よ! 我が神剣よ、奴重垣剣よ。盛者必衰の理を示せ!」
 雪人とリューロボロスが、パラドクスを発動しながら氏政に迫る。
 逐次投入される兵を誘導し、裕樹が生んだ好機を逃さず、一気呵成に仕掛ける攻撃だ。
 『光明一閃』発動。強化された観察眼と洞察力が、伏兵の抵抗をものともせず、雪人を氏政の懐へと導く。力強い風に背を押され、エアライドで宙を跳躍。そして、
「――捉えた」
 競り合った刃の重みを記憶に刻み。
 乗り越えたその先に、掴み取るべき未来があると信じ。
 雪人の雪月花が、今――氏政めがけ一閃する。
「『北条氏政』。この勝負、俺たちの勝ちだ!」
 刹那、全身全霊の一撃は狙い違わず、氏政の頭蓋へと直撃した。
 ネメシスの力に増幅した怒りを載せた必殺の刃が、重々しい衝撃で天守閣を震わせる。いかなる困難にも立ち向かう決意を秘めた雪人の一撃に、しかし氏政は尚も倒れない。
『儂は……まだ、死ねぬ……!』
 もはや原形を失った体で、足を支えるのは執念の二文字のみ。だが――そんな決死の抵抗も、最早ここまでだった。

「吹きと吹く 風な恨みそ 花の春 紅葉も残る 秋あらばこそ――」
 その時、ふいに戦場に響いたのは朗々と歌を紡ぐ声だった。
 声の主はリューロボロスだ。『奴重垣剣、盛者必衰』を発動した彼女は、機械竜の巨躯に見劣りしない強大な神剣を手に、氏政を睥睨しながら告げる。
「貴様のものではない、これは最終人類史における北条氏政が詠んだ辞世の歌よ。本来ならば、祇園精舍の鐘の声……と唄うべきだがな、敢えてこう言おう」
 いかに懸命な抵抗を続けようとも、天魔武者たる氏政が偽物である事実は動かない。
 そんな敵に、リューロボロスが出来ることは只ひとつ。氏政の死を取り戻す為、この神剣を以て勝利を掴む――詠唱として歌った真なる氏政の歌は、何よりも雄弁な彼女の意思表示だ。
「くははははは! 貴様を討ち滅ぼすは我らディアボロスであり、北条氏政の歌と知れ!」
『ぬっ……ぐうぅぅっ!!』
 氏政が伏兵をけしかけるより早く、リューロボロスの神剣がパラドクスの輝きを放つ。
 長きに渡る圧政、そして氏政の生命。それらを今、彼女の一刀が容赦なく斬り伏せる。いかなる強者も、滅びの宿命からは逃れ得ない――その事実を突き付けるように。
「簒奪者よ。風の前の塵ならぬ、風の前の花と散れ! 何者でもない空より来たりし者として、空へと還るが良い!」
 咆哮と共に、神剣が一閃する。
 その刃は、因果の力で終焉を手繰り寄せ、氏政の命脈を一撃の下に断ち切った。
 力尽きた氏政は、全身を火花に包まれながら全身を崩壊させていく。同盟を組んだ大名たちへ、詫びの言葉だけを遺して。
『儂は、ここまでだ……信玄殿、義元殿、後は頼みますぞ……』
 その一言を最期に、『北条氏政』は全身を炎に包まれ、跡形も無く消滅した。
 後を追うように幻影と伏兵が消え去り、天守閣を静寂の空気が包む。それは復讐者が氏政に勝利した瞬間であり、相模国の攻略を達成した瞬間であった。

 かくして小田原城の制圧を終えると、復讐者たちは帰途に就いた。
 難攻不落の城は落ち、城主たる氏政は既に亡い。三国同盟の一角が崩れた今、天正大戦国を巡る戦いは次の局面に向かって動き出すことだろう。
 刻々と迫りつつある《戴冠の戦》の全貌は、未だ誰も知らない。
 だが、今回の勝利で最終人類史の脅威がひとつ除かれたことは、紛れもない事実だ。
 相模国を制した喜びと、まだ見ぬ令制国攻略への決意――二つの想いを胸に、復讐者たちは小田原城を後にするのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建物復元】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ドレイン】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV6になった!

最終結果:成功

完成日2025年04月06日
宿敵 『北条氏政』を撃破!