【個】真夜中の帰途
竜城・陸 2021年12月30日
何日ぶりになるのだったか。
否、何週間ぶり、と評したほうが早いかも知れないが。
避けていたわけではないが、学年もクラスも違えば顔を合わせることもほとんどなく。
何となく気まずくて、選んだのは真夜中のこんな時間なのだけれど――
場所:
かざはな寮・リビング
書き込み可能:
#ミーレ・ベルンシュタイン
#竜城・陸
1
竜城・陸 2021年12月30日
(――正直に言って、なんと言って顔を合わせたものかわからない)
(そんな気持ちがあったせいか。問題の先送りでしかないとはわかっていながら、いつもそうであったように真夜中、寮の扉を押し開ける)
……、ただいま。
(返る声はないと思っているのか、呟きはごく小さい)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
おかえりなさいませ~
(と)
(控えめな灯りの漏れるリビングから、当たり前のように返事があった)
竜城・陸 2021年12月30日
えっ。
(まったく予想だにしていなかった返事に一瞬思考が止まって)
…………はい。ただいま。
(数秒ののち、同じ言葉を繰り返した)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
こっちこっち。ホットミルクあったまってますけど、いります?
外、そろそろ寒かったでしょう。
(なんて。当然のように立ち上がって支度を始めるちっちゃい寮長だ)
竜城・陸 2021年12月30日
えっ。…………。
はい、それじゃあ、折角なので……。
(対し、初手で崩れたペースがいまいち戻ってこない年上の寮生である)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
……ふふっ(ちょっと得意げな顔が漏れた!)
はぁい、それじゃあ――(と。確かに準備をしていたのだろう、てきぱきとカップ二つにホットミルク――微かにスパイスの香りが漂っていた――を注いで、戻ってきてテーブルに置き)
竜城・陸 2021年12月30日
(そんな一連の動きを、無言で見守って)(テーブルに置かれたカップを見遣って)(ややあって荷物を傍らに置いて、座った)
(いつもみたいに、行儀よく尾を添わせて)
(カップを手に取って――)
…………。あの。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
はい?(両手でカップを持って、飲もうとした動きを止めて)
(なんでしょう、なんて無邪気に首を傾げてみせた)
竜城・陸 2021年12月30日
え、いや…………。
(なんといったものか。少し言葉に迷って)
いつも通りだな、と思って……。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
そっちでしたか。(くすっと、笑って)
別にかまいませんのよ? 連絡もくれてましたし――まあ、心配しなかったといえば嘘になりますけど、クリスタちゃんの時と違って、元気なのは分かってましたから。
お出かけしちゃいけない、なんて決まりはないし、帰れるようになったら、いつ帰ってきたっていい。おうちって、たぶん、そういうものじゃありません?
(想像ですけど、なんて、妙な一言を付け足して、小首をかしげてみせて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ちなみに今日あたりかなと思って待ち構えていたのは占いですわ! 星を見てたら、待ち人がきそうに思えたもので!(自白するどやみーれ)
竜城・陸 2021年12月30日
君、占星術も嗜むんだ?
(まあ、魔術の大家の領袖というのならば一通りおさめていてもおかしくはないのだが――)
いや、まあ、…………、心配かけてごめん。
この通り元気だし、問題ない――とは言えないけれど、それなりには元通り生活できるはず。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
(それから、視線を落として)
……そういうもの。
(なんて、両手で抱えたカップの水面を見ながら、呟いて)
そうか、家って、そういうものなんだ……。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
多少は、ですかね。世界を歪めるパラドクスというほどのこともない、本当に気休めの指針を世界に求める、ただの占いです。(くすりと、笑って)
いえいえ。なら、良かったです。本当に。
……何かありましたの? 言いたくなければかまいませんけど――(軽く、小首をかしげて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
分かりませんわ。わたくしも、よく知りませんので。(さらりと)(胸を張って、得意げですらある顔でそう返して)
……でも。分かりませんけど、わたくしは。そんな風に出来たら嬉しいなって、思ってますのよ。
竜城・陸 2021年12月30日
後世だとそんなくらいのものなんだな……。
古い世では星の動きひとつで一大事になることもあったらしいけれど。
(伝聞だ。そうあったとして、最期まで自分には関係のない話であったろう)
少し、自分の定義を見直していただけ。
その過程で外に切り離していたものを、裡に抱え込むようになった。
(才ある魔術師である彼女になら、示さずとも視えるかもしれない)
(それは、たとえるならば氷獄から臨む高く遠い空)(満ちているが空虚で、高く遠いようで深く昏く、寒々しくも焼け付くように熱い)(相反するふたつをむりやりにヒトのカタチにしたような)
固定するのに少し時間をかけてしまって。よほどのことがない限りもう大丈夫だけれどね。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
そう。…………それは素敵なことだと思うよ。
俺も、よくは知らないけれど……家族というのは、互いに思い合うものなのだろうから。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ああ、
……わたくしの時代は、この新宿島が元あった時ほどではないにせよ、もう神秘は世界の中心ではありませんでしたから。あくまで日陰に息づくもの。
神話の時代からすれば、確かにささやかなものかもしれません。
――――ふむ。(何か見えているのか、見えていないのか)
(じい、と、赤い瞳があおいりゅうを見つめて)
…………無理は、していません?
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふふ。陸くんにそう思ってもらえたら、嬉しいです。
――ですので。帰ってきただけで緊張したりしなくていいんですよ。(なんて。思い出すように、ちょっぴりおかしげにくすっと笑って)
竜城・陸 2021年12月30日
天の概念も少し違うものね。
俺のいた時代はまだ、星それ自体が動いているとされていたから……その分与える影響も大きいと考えられていたのだろうな。
…………、無理はしていない。ここまでの段階なら。
この先――統合しようとするとまあ、少し「無理」にはなるかもね。
いずれそこまで行かなければいけないのだけれど。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
俺に? ……悪いけれど、俺の家族観は余り当てにならないと思うよ?
だけれど、うん。
……そう言って貰えるのは、嬉しいよ。
(やっと、安堵したように眦を緩めて。カップに口を付けた)……美味しい。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
わたくしの頃は――、……割れ出してはいましたけれど。
そうですわね。皆が信じる世界が揺らげば、神秘の土台も薄れていくものなのでしょう。
――――(じいいいい)
…………。……言いたいことはないでもないですけれど……元は己の内にあって、あり方を見つめなおしただけ、というなら……そういうものなのでしょうね。
……何か、心境の変化が?
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
だからです、ということでもありますし。
陸くんだけではないですけどね、ということでもありますわ。
わたくし一人が思っていたって、しょうがないでしょう?(くすりと、笑って)
ふふ。わたくし特製です。あったまるでしょう?
竜城・陸 2021年12月30日
そうだね。
己の世界観にないものは行使できないものだから。
……力自体だけを受け入れればそれで終わりという話でもないものだから……まあ、無理にはなるんだよ。
(と、視線に押し負けたみたいに、ぽつりと呟いて)
……うん、まあ。
誰かが俺をどうしたいかと、俺がどうしたいかは違うんだってこととか。そういうのを、理解しただけ。
――尤も、昔は、ヒトでないものがその選択を許される道理はない、と思っていたのだけれど。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
……そうだね、確かに。
ここにいる皆が、そう思ってくれれば……ということか。
うん、……温かいね。
ずっとこういうの気にしなかったけれど、今はそう思う。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
むむむ。
――……まあ。出来る身体なのだから備わっていることは出来るはず、なんて言い方をしたのはわたくしもですし。聞く限り、睨むのもおかしいかもしれませんけれど(なんて。ちょっぴり苦笑して)
……成る、程?
ええ、その通りだと思います。
己の定義には、他者が形作る部分もありますけれど――最後に選ぶのは、自分がどう在りたいかですものね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ですです。
なので――、……嬉しいですわよ。ちゃんと帰ってきてくれて。
ふふ……だったら、作って良かった。
竜城・陸 2021年12月30日
簡単に言ってしまうと、こう……
刻逆を経る前と後、新宿島に漂着する前と後の自分の連続性……というか、そういうものがどうもうまくいっていなくて。
(力を切り離した影響だろうか)(過去のことを、“そういうことがあった”と語る事こそできても、それをどこか遠い、客観視したような意識で見ている)
(そこに在った感情を理解は出来ても、心の底からそれを想うことができていない)
だから、統合するときが少し大変かもしれないな、と。……予想だけだけどね。
そう、ただ、俺はそう在ることで、世界を決定的に変えてしまうと思っていた……んだけど。
そういう考え方が――世界と自分を隔てている一番大きな要素なんだな、ということに気が付いて。
(言われるまで気付いてなかったんだけどね、なんて苦笑ひとつ)
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
それは、勿論。
それこそここは、俺にとって帰りたい場所だからね。
毎日でも飲みたいくらいだよ、最近夜釣りは冷えてしまうから。
……いや、まあ、竜のほうだと寒さをあまり感じないのだけれどね。今はそうじゃないから。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
簡単というには随分観念的ですけれど――(そう言いながらも興味深げにくすりと、笑って)
成る程。それでいくと先のわたくしの理屈は片手落ちだった、ということでしょうか。「本来そうあった姿」と、「本来そうあったことになった姿」?
ふむ。己の在り方が世界を左右する、ですか。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふふ、ありがとうございます。
帰ってきてくださったら、いつでも作りますとも。……あと、冬樹くんが普及活動してくれるそうですわよ、これ。(なんて。くすりと笑って)
にしても、それも興味深いですわね? 今は氷の竜よりももう一つの属性に寄っている――ということでしょうか。意識的に己の在り方を切り替えている?
竜城・陸 2021年12月30日
いいや、多分器自体は……
“竜”に成った時点ではまあ変わったと言えるのだろうけれど、その時点と今の時点の俺とは変わっていないと思うんだ。
だからそれこそ君の言うので正しいんだよ。
俺がちゃんとそう“認識”できていないだけ、しようとしていなかっただけだと思う。
……そう思ってたんだ。そう成ってしまったと思ってた、という方が正しい。
実際には、何も変えたことなんてなかったくせにね。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
おや、では冬樹くんに言えばそちらでも作って貰えたりするのかな。
……とか言ってないで自分で教わればいい気もしてきたけど。
(とはいえ、)(どちらかというとここは、「甘えたい」部分かも知れない、とは思う)
もう片方にも寄せていないね。今の状態は両方を受け入れる為に作った器の状態。
……だけれどまあ、まだどちらも中に入れてはいないから、それこそ他の“自分”を引き出す時にはまだ、意識的に切り替える感じになるけれど。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
―――――成る程、ある程度理解できました(続く言葉も合わせて、納得したように頷いて)
それで連続性、ですのね。あくまでどちらも今の自分から見て自分の一側面ではある、と。
大きな力ですもの。言うことは、分からないでもありませんけれど。
じゃあ、……それを恐れないことにしましたのね。
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふふ、だと思いますわよ。わたくしはどちらも歓迎ですけれどね?(くすくすと、笑って)
――成る程、成る程。
聞く限り、貴方にとっても全く新しい形で、手探りの部分も強いんですのね。
竜城・陸 2021年12月30日
そう。……どちらも自分の中に在るもののはずで。
ただこう、まだ、どちらの“記憶”もどこか他人事みたいな感じで……刻逆の影響なのだろうけれど。
その辺りをきちんと、“自分”にできたら――多分、うまくいくんじゃないかな。
それを恐れない……というわけじゃないかな。
自分が取り返しのつかないことをしてしまうのは、いつだって怖いよ。
でも、……それを怖がっていたとしても。
俺が俺として生きる時に、仮に何かを違えてしまうとして――それを止めてくれる人がいることや。
そもそも、決定的に違えてしまう前にそれを律せる自分であること。
……俺がこの世界で、皆と同じ場所で生きていける……生きていこうと努力できることは……ちゃんと、信じようと思って。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
本当? なら毎日……と言いたいところだけれど。
毎日遅くまで起きていてもらうわけにもいかないからな、そのうち、教わろうかな。
そういうのも、家族っぽいのだろうし。
そうだね、全く新しい形で……完成形もまだ見えていないのだけど。
でもその分うまくいけば、今より出力も上げられるし、格段に精緻に制御もできるようになると思う。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
――――ふむ。(少しばかり、思案顔で、呟きだけを漏らして)
成る程。…………ふふ。
いいですね。そんな風に、思わせてくれるひとがいて。もしかして、一発いいのもらっちゃったりしましたか?(なんて、唐突な言葉と共にくすり、笑って)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふふ。陸くんはいっつも帰り遅いですものねえ。
そうですね、今度ぜひ。――でも、起きている時は、また作ってあげますわよ、いつでも。それも家族っぽい、ですものね(くすっと、笑って)
…………追いつきたい子にはうげーって顔されちゃいそうですけど。(やっぱり、くすくす)
でも、大事なことですわよね、特に制御……というのは。大きな力なればこそ、早く文字通りに自分のものにしないと。何か、力になれたらいいんですけれどね。
竜城・陸 2021年12月30日
……誰かひとりのお陰、というわけではないけれどね。
いや、切っ掛けを投じた誰かはいて、話を聞いてくれた誰かもいて、とはなるけれど。
けれど、多分――今の形を選べたのは「誰かひとり」とか「何か一つ」のお陰、ではなかったんだと思うから。
……だから、信じようと思えるようになった……のかな。
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
その節は大変申し訳ないと……夜釣りは静かだから落ち着くんだよね。
釣果としては、夕暮れとか薄明のほうが、なのだけれど。
でも、たまには早く帰ってこようかな。こういうの、けっこう嬉しいし。
(なんて、大事そうに両手でカップを包んで)
それはもう、誰も追いつかせるつもりはないからね。
……そうであっても背中を預けられるというのも、信じてみようと思うし。
ああ、ちょっとひとつ、制御の感覚を掴むためのあてがあって……それが済んだら、正式に。
君にも手を借りたいなと思ってる。その時は、是非。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
でしたか。
それは、尚更――素敵なことですわね。
(建前でなく。心からそう思い、笑顔で口にする)
(羨ましい、とは言うまい。違うところ、重なるところ。様々だけれど、もう自分にも、そうした心当たりはあったから)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふっふっふ。いーんですわよ、好きなように暮らして頂いて。そりゃあ、連絡を忘れてしまったら冷めたご飯が残っていることはあるかもしれませんけど〜(冗談めかして、くすくすと)
――はい。それは、ぜひ、ね。
……成る程、背中を……ですか。(一つ、ちょっぴり深く頷いて)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
あら。――ふふ、ええ、いつでもどうぞ。
…………なかなか、興味深い時間になりそうですわね?
(両手で、カップに残った熱を掬うようにしっかりと持ち直して)
(楽しげに、微笑んで)
竜城・陸 2021年12月30日
……うん。
それこそ、君のお陰、この場所のお陰という部分だってもちろんあるしね。
(その影響の大小はあれど)
(この新宿島へ来て経験した全てのことが糧になったことは、紛れもない事実だ)
(無効票)
竜城・陸 2021年12月30日
いや、勿論、好きなように暮らさせてもらうつもりではいる……というか。
それこそ、誰かと食卓を囲む時間……とか、こういう時間……とか。
……そういうのも、自分にとって好きなものではあるのだと……思うし。
うん。……同じ力を持っているから背中を預けられるとか、同じだけの強さがなければ隣に立てないとか、そういうことではないのだろうな、と、最近は、思って。
(、)
竜城・陸 2021年12月30日
……ありがとう。
まあ、少し、不格好な姿を見せることにはなるかも知れないけれど……その辺りはお目こぼしをいただければ。
(なんて言って、こちらは少しだけ苦笑して――)
……まあ、どうにかなるように算段はしておくけどね。
(なんて付け足して、カップに口を付け……る前に)そういえば、まだ時間あるかな。
しばらく離れてたから、寮の皆の様子とか、聞きたいかも。
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
(その言葉には)(ほんのちょっぴり、驚いた顔をしてから)
――……うふふ。はい、ありがとうございます、陸くん。
(なんて、本当に嬉しそうに笑って)
(無効票)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
うん、うん。一緒に食べるご飯はおいしいですからねっ。ぜひ、ぜひ。
――……成る程。それは、そう……なの、かも。
(、)
ミーレ・ベルンシュタイン 2021年12月30日
ふふふ、そうしたところで頼って頂いてこそですもの。(楽しみにしてます、なんて)
ええ、もちろん。色々ありますわよ。
そうですわねぇ、まずはアイちゃんが―――――
(なんて。あれこれと話しこんでいった、少しだけ前の出来事なのでした)