理容タソガレ

秋雨にしゃきしゃきと鋏

墨乃・しるし 2021年9月19日
 まとわりつくようで、それでいて流れていくように。
 はたと消えては、新たに生まれ。
 微睡む町の寝息にも似た、昼下がりの雨音。

 きっと、今日の鋏は気持ちよく歌うだろう。

 理容師は、なんとなくそう思った。


※驚きの1:1スレッドです。(20レス程度「目安」)
※散髪でも、ただの雨宿りでも、どなたでもご自由に(先着1名)
※我の返答後、一週間発言がない場合はトラックが突っ込んできておしまいになります。
※本スレッドでは、旅団説明にある「バリカン刑」は原則執行されません。(要望がある場合を除く)




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墨乃・しるし 2021年9月19日
雨が降ると湿度が上がり、湿度が上がると尾が膨らむ。はて、我は風船を従えたつもりはないのですが、ことこればかりはどうしようもないもので。
(待合用の長椅子に寝転がり、ブラッシングをしている)
(こればかりは人に任せるとくすぐったくていけない)

ま、恵みの雨には感謝をしましょう。享受する側として、うまく楽しめるようにしたいものです。しゃきしゃきと、この安らかな音に意志ある音を重ねて。
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日向・ブーケ 2021年9月20日
オウオウ毛量でお困りたァ羨ましい話ですねェ……(ビキッビキッ、って音を立てさせながら濡れた髪をブンブン振る)
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墨乃・しるし 2021年9月20日
(音のした方向へ首だけを向けて)
おや、秋雨に小娘。季節も変わってそろそろ髪は伸びましたか? 見たところ、今日はそういう用件でもなさそうですが、雨に降られても元気とはさすが子供。その熱量さえあればすぐ乾きそうなものですが、タオル要ります?

持つ者には持つ者の憂鬱があり、持たざる者には持たざる者の憂鬱がある。世の中は、そういう風にできているのですねえ。
(ブラシを置いてのんびりと立ち上がる)
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日向・ブーケ 2021年9月20日
切った後に興味の無い狐女さんは覚えてねーでしょうが、私はまあまあロングだったんですよォ。あと2ヶ月くれーですかね……不承不承ながら雨宿りさせて貰うですよ。
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日向・ブーケ 2021年9月20日
(タオルくれるならくれくれって手で)今日はやけに饒舌な事ですねえ。地元じゃそんな感じだったとか?
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墨乃・しるし 2021年9月21日
(洗髪用のタオルを放り投げる)
(顎に手を当てて考える)
不思議と貴様がロングだった時の記憶がないのですよね。今の髪型になってからの方が長いせいですかね……きっと。

まあ雨の日は、音にかき消されぬように多弁になる傾向があるかもしれません。地元では逆に無口でしたよ。大体向こうが参拝しては勝手に解釈してくれるんで。
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日向・ブーケ 2021年9月21日
(ぱし、がしがしふきふき)乾きがはえーのだけは感謝してやるですよ!!!記憶は一回ちゃんとお医者さんに見て貰う事をお勧めするです。
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日向・ブーケ 2021年9月21日
(うぃーってタオル首に巻いてソファーに座り)……あん?元は神仏の類ですか狐女。なら落ちぶれたもんですねえ!!!忘れられでもしたですか!!!(プププゥー)
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墨乃・しるし 2021年9月21日
(ガラガラと設置型ドライヤーを持ってくる)
丁度タソガレ印のドライヤーができたので試してみたかったんですけど……まあ感謝されたのでよしとしましょう。
(ガラガラと片付ける)

なんですか? 今まで知らずに話してたんですか、全く。そうですね、我は元々そういう類ですが……いわゆる白狐と呼ばれる不可視の妖狐ですね。
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墨乃・しるし 2021年9月21日
(高笑いに眉をぴくりとさせて)
仕方ないでしょう。信仰するものが突然消え去ったなら忘れられたも同じです。
信仰が無くなれば神格も失い、何の因果かこの身体。あれです。分霊という状態なのかもしれませんね。
(理容椅子にどっかりと座り直す)

貴様こそ、元はただの小娘でしょうに。キワモノでも喰らいましたか? あまり悪食はお勧めしませんよ?
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日向・ブーケ 2021年9月21日
何その超カッコいいドライヤー……ねえ何それ……(ふらふらと惹きつけられ、ハッと頭を振り)フウン、不可視の白狐ねえ随分と染まられた事で。
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日向・ブーケ 2021年9月21日
ああ、刻逆で土台ごと失ってですか。なるほどねえ……まあ、確かに?私としては好ましい事です。誰の目にも触れられぬ身から自身の足で人の間に交わるご感想は?『少し楽しい』、なんて過りは?(足元の影が、狐女の影を仰ぐように牙を向いて笑いかける)
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墨乃・しるし 2021年9月22日
さぁて、我は既に役目を失っている訳ですからね。後ろめたさなどは感じていませんよ。消失に対し何ができたわけでもなく、漠然とした楽しさと、虚しさと、人間並みの感想があるのみです。
(前髪の房を指で弄りながら)

ま、我の身を染めたのは信仰が転じた怨嗟なのかもしれません。大元が過っているのでしょう、きっと。
(狐は悠然と影に笑みを返す)
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日向・ブーケ 2021年9月22日
左様で。これだから神だ仏はつまらないです。一歩引いちゃってねえー(影が肩を落としつまらなそうに頭を振る、しかし何か思いついたように手を打ち。囁くように)
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日向・ブーケ 2021年9月22日
――怨嗟。「信じてたのにどうして救ってくれないんだ」って?……ヒヒ、勝手な話です。そんな信仰を取り戻して、また見守る立場になりたいですか?……そんなものの為に戦う価値が?
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墨乃・しるし 2021年9月22日
やれやれ、堕落させるのが悪魔の仕事でしたか。貴様のそれはキワモノではなく、種族としての性質か。

良い機会です。教えてあげましょう悪食。

社は無くなり、神格も失い、歴史は消し去られた。それは別に良いのです。我がここに有るのは取り戻すためではなく返済の為。人は消えれど、それまで捧げられた信仰を踏み倒すのは気に食いません。積立られた信仰分だけ、犯人にツケを払わせる。これは、我の矜持です。
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日向・ブーケ 2021年9月23日
……ああ、ああ、そうですか。神であったものがまるで徴税人のような事を仰る。随分と俗世に染まられた事で(頭を掻きむしり、尚も影は食い下がろうとしたかに思えたが。いつの間にか上がった雨が、窓から差し込む陽光がそれらを掻き消す)
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日向・ブーケ 2021年9月23日
(ひょいとソファーから降り、顔を向けずにドアの方へと向かって歩く)性質っつーか、性分なのはまあそうですけどお。……まあその、また不可視の白狐に戻ったら野球も出来ないなとか。ちらっと思っただけです。
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墨乃・しるし 2021年9月24日
さあて、俗世に染まったのか、あるいはそう有るように我が切り離されたのか。どちらにせよ、何の得にもならない話です。
(差し込む陽光に目を細めて)
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墨乃・しるし 2021年9月24日
……なるほど、他者のことを言えたものじゃないですが、貴様も中々に素直じゃないと。
安心なさい。そんなすぐに終わるほど、貸付は少なくありませんから。それに、多少の利息は懐に入れても怒られない。そうだとは思いませんか?
(見送るように立ち上がれば、その問いかけを挨拶の代わりに)
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日向・ブーケ 2021年9月24日
どっちにしたって義理堅い事ですよ!!!ケッ!!!全く、一文の得にだってなりゃしねーです!!!(ぶちぶち言ってドアノブに手を伸ばし)
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日向・ブーケ 2021年9月24日
……フーン。まあ、別に、私はどうでも良いですけど。働きの対価なら、それは正当な報酬じゃないんですかね。……じゃあ、また来るですよ。しるし(言って、ちらと振り返った横顔には年相応の笑みが見て取れたような。瞬きをする間に、カランカランと音を残して子供は外へと飛び出していく)
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墨乃・しるし 2021年9月24日
(喧騒が去り、雨音さえも消えた店内で一人。腕を組み、しばらくその姿勢のままで)
……貴様だって、そうやって他者の為に怒れるでしょうに。
存外、そういう不器用な者しか残っていないのではないですか、この島は。
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墨乃・しるし 2021年9月24日
それにしても、しるし、ですか。
様とは言わずとも、さんぐらい付けてもバチは当たらないと思いますよ、

ブーケ。
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墨乃・しるし 2021年9月24日
(了)
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