【邂逅/1:1】茜差す曼珠沙華
宇賀神・遥斗 2022年8月15日
あなたが掲げた切符はぱりん、と硝子が割れる様な音と共に散り散りとなった。
其処は森々、真っ白な曼珠沙華が咲き乱れる泉は水鏡の様。
揺らぐ水面に映る少女は、瞳孔の細い深紅の瞳が訪ねて来た者を捉えてこてり、頭を傾けた
赤が混じる黒髪が揺れる。
「こんにち、は?
あなたは誰?
後ろのそれはなぁに?」
その仕草、特徴的な瞳は何処か猫の様だな、と少年は感慨を抱いた。自分の後ろにある鉄蛇を知らぬのならば、異国からの旅人か。
幾らか低い目線に合わせ、膝を折って案内役の少年は笑う。
「ああ、1つずつ応えるぜ。だが、先ずは言わせてくれーーようこそ、アストラへ」
***
李・梦蝶(g06495)
宇賀神・遥斗(g01686)
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宇賀神・遥斗 2022年8月15日
(歓迎の言葉と共に、にっと唇を釣り上げて人懐こく少年は応える)先ずは……そうさな、名乗りからか。俺っちは宇賀神遥斗ってんだ、宜しくな。
で、後ろのアレが何かってェとな。電車っつってな、韋駄天の早さで動く電気仕掛けの乗り物さ。まァ今は錆び付いちまってとんと動きゃしねェぽんこつだがな、雨露を凌げる何かかってェ家だと思ってくれりゃあ良い。(後ろ手に拳でかつり、かつりと叩いて鳴らして)
……しかし、コレを知らんって事ァお嬢は違う時代から来たんだろうな。もの慣れねェ事ばかりだとは想うが、困った事があれば遠慮なく言ってくれ。俺っちに出来る事なら力になるぜ。
李・梦蝶 2022年8月15日
…ありがとう?(「アストラ?」と不思議そうにしたが彼の名を聞き、あっと小さく漏らした。姿勢を整えると綺麗にお辞儀をして)
我の名前は…梦蝶。李梦蝶よ。挨拶が遅くなってごめんなさい。遥斗、よろしくね?(「そう、呼んでも良い?」と首を傾げ)
でんしゃ…でんきの…乗り物。…こんな凄いものがあるんだ。…そう。頑張ってるのね、この仔。偉いな。(労わるように電車を見上げ)
違う時代?そう、なのかな。…実は我、名前以外憶えていないの。目が覚めてからずっと独りで此処に居たから。だから、貴方に逢えて嬉しい。こんな無知な我だけど頼りにしても良い?
宇賀神・遥斗 2022年8月15日
嗚呼、普段この辺りは海に程近い町外れなんだが……お客人が来ると、たまーに不思議な姿を見せるんだよなァ。そういう見せる顔が違うところがアストラ…星みてェだって事で名付けたと主が言っていたぜ。
……しかしまァ、見りゃ見るほど珍しいな(辺りに咲く白の曼珠沙華をしげしげと眺め)
おっと、丁寧にどうも!むしろ迎えに来るのが遅くなっちまってすまねェな。こちらこそ宜しく頼むぜ、梦蝶のお嬢(綺麗な所作のお返しに、と帽子を胸に当てて一礼。遠慮なく呼んでくれよ、と片目をぱちりと瞑って)
……お嬢は気持ちが優しいんだな。そうだな、何十年も働いてくれた先達だな、この乗り物は(今度は労るように、その錆の浮いた機体を撫で)
そうか、一人で……おう、こんな粗忽者で良ければどんどん頼ってくれな。俺っちも嫌って程に世話を焼かせて貰うからよ!……へへ、世話を焼かれる側だからかな、何か照れ臭いな(微かに朱が走る頬でふんわり微笑って)
李・梦蝶 2022年8月18日
海…?(また聞いた事のない言葉に首を傾けるがアストラの意味を知り、頷いた)そっか。この仔の名前ね。星の名前なんて素敵。
(傍に咲く曼珠沙華に触れてながら)このお花が珍しいの?曼珠沙華と云うのよ。とても綺麗よね。
(格好良い挨拶に拍手を送りながら)お迎え、なんて素敵な言葉ね。寧ろこっちがお礼を言わなきゃ。遥斗、我を迎えに来てくれてありがとう(ふわり笑って)
我より遥斗の方が優しいわ(首を緩く振って小さく笑った)何十年も…本当凄いのね。我もこの仔を撫でても良い?
嫌って程…ふふ!遥斗は面白い事を云うのね。じゃあ、我もお手上げになっちゃうくらい頼らせてもらうからね?…なんて。
(驚いたように手を自身の口元へ)そうなの?しっかりしているからそうは見えなかった。それじゃ我が初めてね?
宇賀神・遥斗 2022年8月22日
んー……あ、海のないところからきたのか。
おうよ、海!こーんなでっけェ塩っ辛い水溜まりでな、川とはまた違った魚や生き物が住んでるんだぜ!(最初はきょとりと同じ方向に首を傾げたが、合点がいき手をぽんと打って)
そうさな、曼珠沙華自体をあんま見ないのもあるが……大体赤が相場だからな、こんな雪の様に白いのは初めて見たぜ。(少女の触れる花に自ずと視線をやり)
はは、梦蝶のお嬢は謙虚だなァ。これがうちの姉貴だったら、にっこり笑って釘の一つでも刺してくるところだぜ(にっかり笑って帽子を頭に戻して)
そうかァ?俺は粗忽だの言われてばっかりだけどなァ……(優しい、に面食らった様に目を見開き)……おうよ、労る手は何本あったって構わないだろうよ。ああ、ただ赤錆には気を付けな。その綺麗な手が痛んじまう。
十を幾つか出たばかりだしな、世間的にゃ手を掛けられる方ってな……無論、お嬢もな。だから遠慮なんてホントすんな!(けら)
李・梦蝶 2022年8月24日
おっきい塩っ辛い水溜り…!あの泉よりも大きいってことね。それは凄いな。いつか、その海を見ることが出来るかしら(きらきら瞳を輝かせ)
赤……そっか。そっちの方が有名なのね。…白はね、「また会う日を楽しみに」「想うはあなたひとり」っていう花言葉があるのよ。素敵でしょう?(花から目線を上げ、ニコリ微笑み)
お姉さんがいるの?釘刺される…ふふ。お姉さんと仲が良いのね。
遥斗はとても優しいわ。粗忽なんて意外……あ!(驚いて眼を瞬かせたが閃いたように彼の手を握ろうと)そうしたら遥斗が危なそうな時は我が助けるわ!そうしたらおあいこになるもの。ね?良いでしょう?
ありがとう(壊れ物を扱うように機体に触れた。ざらりとした感触に柔らかく微笑み)大丈夫よ。傷はいつかは治るもの。心配してくれてありがとう。
……手をかけられる方、か。ここの大人は優しいのね。…うん!ありがとう。よろしくお願いします(嬉しそうに笑って)
宇賀神・遥斗 2022年9月21日
そうさなァ、端っこが見えないくらいにゃでかいから泉何個分かはありそうだなァ。その内いやって程見れるし、俺でよけりゃ何時だって案内するぜ(食い物も持ってこうな、と手でお弁当箱を作りながら)
(花言葉の多くを知らない少年は素直に目を瞪って)……へェ、すっげぇ趣深い花言葉を負ってるんだなぁ、白いお嬢さん達は。葉を持たねェしゅっとした出で立ちは、確かに脇目に反れない印象があるかもな(お嬢は物知りだな、とにかり)
(面映ゆそうに頬をぽりぽり)あー、まぁ仲は悪くねェんじゃねぇかな。多分な…(決まり悪げに戻した手にもふわりと重なる華奢な温もり。壊さぬように、そうと握り返して)…はは、お嬢は強いな。右も左も分からねェで、自分だって大変だろうに。ありがとな、そん時は思い切り頼らせて貰うぜ。
宇賀神・遥斗 2022年9月21日
……だな。人も花も、嵐に耐えて強くなるもんだよな(けどよ、と鞄を片手で探り、清潔な手巾を取り出して)……綺麗なものにゃ、なるべく苦労しねェで、そのままお日様みてェに幸せだけ降り注げば良いとも思っちまうんだよな。手前ェ勝手な感傷なんだがよ。
おうよ、変わった御仁は多いが気の良い大人ばかりだぜ。肩肘張らずに済むってのは有り難いところだ。(自分の肩をとんと叩いて)
李・梦蝶 2022年10月2日
泉が何個も…端の見えないなんて想像できないくらいに大きいのね!そんなに大きいなら泳いだら楽しそうね。生き物達も沢山いるのでしょう?
お弁当?(きらきらした瞳が一層輝いた)素敵な案ね。是非一緒に行きたいわ!遥斗は何が好き?
…確かに。なんでこの花のこと知ってるんだろう…?不思議ね。(きょとり。気にする素振りを見せたが、次にはふわりと笑って背伸びをして)こんなに真っ直ぐ伸びているのはすごいよね。こんな風に曲がらない綺麗な人になりたいわ。
李・梦蝶 2022年10月2日
(貴方の様子に小さく笑って)曖昧な言い方ね。でも、姉弟がいるのって良いね。羨ましいな。
(優しく握った手を嬉しそうに緩く振って)本当?約束ね!指切り…切っちゃいけないから、結びましょう?(片手を外し、小指を向けて)
うーん。我は強いと言うより楽観的なのよ、きっと。分からないことはこれから沢山学べばいいもの。
…そっか。遥斗の考えはとっても素敵ね。我は好きよ。少しでも多くのものがそんな風に過ごせたら良いよね。勿論この仔も。(ゆっくりと機体を撫でて)
変わった方々が多いの?それは凄く気になるわね。
でも。気兼ねなく関われるのなら…楽しみ。