リプレイ
ラウム・マルファス
宝をエネルギーに変換する装置自体も気になるけど、他の工場でも確保は進んでいるようだからネ。今回はマニュアルとか研究データを狙ってみたいナ。アイテムポケットに詰め込んで持って帰って、新宿島でLv10書物解読すれば、装置の理論や他の研究の情報も手に入るカモ。
まずは町で情報収集。市場のようなところがあったら仕切ってる人に許可をもらって、お店を出すヨ。軽食と薬品中心に、時代に違和感ないものをアイテムポケットも使って持ち込もウ。
怪我や疲労で休んでたり、時間交代制でまだ出勤してない工場労働者を探して声を掛けよウ。
「こっちに工場が多くできたって聞いてサ、出稼ぎにきたんダ。傷薬とか、栄養のある飲み物や食べ物、色々あるヨ。見てってくれないカイ?」
「実はボク研究者でサ。工場の研究にも協力しようカナって思ってテ。早く終わった方が、みんなも楽でショ?資料室とか研究室の場所とか、知らないカイ?研究データ取ってる場所でもいいヨ、何か偉そうな人が色々書いてる場所とかサ」
って感じで聞き出してみよウ。
市場の朝は早い。
とはいえ日が昇ったばかりのこの時間帯はまだそれほど人の行き来はなく、物品よりもちょっとした雑談の方が多く交わされていた。
「そこのお兄さん、ちょっと見て行かないカイ?」
そんな中、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が話しかけたのは出勤前と思しき作業服姿の男性だった。
「なんだ兄ちゃん? 見ない顔だな。新顔か?」
「ああ、こっちに工場が多くできたって聞いてサ、出稼ぎにきたんダ。これ許可証ネ。傷薬とか、栄養のある飲み物や食べ物、色々あるヨ。見てってくれないカイ?」
物珍しげに近づいてきた男性に、ラウムが砕けた調子で応じる。
「どれどれ……へえ、なかなか良さそうな品ぞろえじゃねえか」
「良かったら、お試しにどうゾ。お近づきの印だヨ」
ラウムが差し出したのはジュースとサンドイッチのセットだ。
「お、気が利くな兄ちゃん。でも、タダってわけじゃないんだろ?」
「話が早くて助かるヨ。さてはお兄さん、なかなかデキるネ? と言っても、ちょっと話が聞きたいだけなんだけド」
「なんだ、そんなことか。つっても、そんなたいしたこと知ってるわけじゃねえが」
「それじゃあ早速だけど、工場関係の資料室とか研究室の場所とか、知らないカイ? 研究データ取ってる場所でもいいヨ、何か偉そうな人が色々書いてる場所とかサ」
「そりゃまた妙なことが知りたいんだな。そんなの知ってどうするんだ?」
「実はボク研究者でもあってサ。工場の研究にも協力しようカナって思ってテ。早く終わった方が、みんなも楽でショ?」
「つっても、その辺りは基本的に公開されてるもんじゃないからなあ。それこそ工場の内部を探るくらいしか……ああ、でも、あそこなら資料やデータくらいはあるかもな」
「心当たりがあるなら是非とも聞きたいネ」
「工兵どもの詰め所だよ。連中、工場の建造とかもやるから図面とか資料とかは扱ってるはずだ。そういや、なんか新しく工場を造るって話もあったんだが……」
「何か気になることでモ?」
にわかに男性の歯切れが悪くなったのをラウムは見逃さず、すかさず尋ねた。
「ああ、建造のためには当然工具とかの器材が必要になるわけなんだが、それの出所が判らなくてな。どうにも西の方の郊外から運び込まれてるらしいんだが、あそこに工場なんてないはずだしなあ……おっと、もうこんな時間か」
しきりに首を傾げていた男性だったが長居をしていたことに気づき、慌ててサンドイッチをジュースで流し込んで踵を返す。
「ふむふむ、いい話を聞かせてもらったヨ。ありがとウ。良ければ今後ともご贔屓ニ」
「おう、たいした話じゃなくて悪かったな。また見かけたら寄らせてもらうよ」
そう言って手を振って去っていく男性を、ラウムはにこやかに見送った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
クローディア・ベネット
18世紀相応の排斥力の中で作業を円滑に進めるために、ハーゲンティの野郎も努力してるってことか
面白い。周到に練り上げられた計画ほど、滅茶苦茶にしてやる甲斐があるってもんだ
早速、隠された工場とやらの在り処を探り出してやろう
予知に出てきた作業員たちも、普段は工場の外で生活してるんだよな
だったらこの街には「時々、なぜか酷暑の中で働かされたみたいにゲッソリした奴が出て来る建物」があるはずだ
それに作業員の知人や家族が、見知った相手の今までと違う様子に違和感を感じてたりもするかもな
敵の監視に注意して極力目立たない道や人混みの中を選びつつ、サンパウロ市内の酒場に向かおう
【友達催眠】状態で相席した奴と話したり、周囲の話に耳を傾けて情報を集める
なぁあんた、最近ここらへんで様子が変な奴を見たことがないかい?
屋内から出てきたのに、まるで鉱山で働く奴隷みたいに汗だくで疲れてる奴だ
実は新しい働き口を見つけたっていう友人がそうなっててね
事情を聴いても答えてくれないから、どうにか仕事場を探り当てて一回見に行きたいのさ
路地裏の隙間を縫うような場所にその酒場はあった。
良く言えば隠れ家的な、悪く言えば場末の、いかにも常連客以外お断りの店だ。
しかし、店の前に立ったクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)は不敵な笑みを浮かべるや、躊躇うことなく扉戸を開け放つ。
「よう、あんたたち。今日もいい感じにできあがってるみたいだね」
こちらが手を挙げると、客は気安い笑みを浮かべたり、持っていたグラスを掲げたりして応えて来た。【友達催眠】の効きは上々のようだ。
そのままカウンター席に座り、酒とツマミを注文。すぐに目の前に置かれたラム酒で喉を潤し、続いて置かれた皿からナッツを拾い上げて殻を剥き始める。
「なぁあんた、最近ここらへんで様子が変な奴を見たことがないかい? 屋内から出てきたのに、まるで鉱山で働く奴隷みたいに汗だくで疲れてる奴とかさ」
殻を剥く間の暇つぶしといった体で、隣に座る赤ら顔の男に尋ねた。
「なんだ? 藪から棒に」
「実は新しい働き口を見つけたっていう友人がそうなっててね。事情を聴いても答えてくれないから、どうにか仕事場を探り当てて一回見に行きたいのさ」
「様子が変なヤツかあ。うーん……なんか知ってるヤツいるか?」
赤ら顔の男が周囲に問いかけるが、みな首を傾げるばかりである。
「あっ、ひょっとするとアレか? 目隠しして変なところで働かされるってヤツ」
そんな中、テーブル席に座っていた青年がそうこぼしたのを、クローディアは聞き逃さなかった。
「へえ、そいつは興味があるね。詳しく聞かせてくれないかい? マスター、ビールを」
『当たり』の感触だ。すかさずマスターから受け取ったビールを青年の前に置いて正面に座る。
「確か西の方の郊外だったかな。なんかの作業員の募集ってことで最初はだだっぴろい広場に集合だったんだけど、そこから目隠しされて荷車か馬車かでどっかに連れていかれて、よく判らない場所で働かされるらしいんだよ」
「ああ、アレか。気がつくと汗だくで結構な給金を持たされて元いた場所に戻ってきてるってヤツだな。どうにも働いたって記憶はあってもどこで何してたかってのがいまいち思い出せんって話だったか? 眉唾の噂話だと思ってたんだが」
「でもよお、あの辺って休耕地とか倉庫くらいしかなかったよな?」
「あれ? でもあそこの農地になんか変な作物が植わってるの見たぞ」
何人か心当たりがあったのか、そう言えばと話を切り出し、それまで雑然としていた会話が方向性を持って収束していく。
記憶が曖昧な労働者、西の郊外、何もないはずの休耕地と倉庫。おおよそ当たりがつけられそうな情報はこの辺りだろう。
「ありがとう。実に有意義な話だったよ。こいつは礼だ。皆で楽しんでくれ。では、良い夜を」
そう言って金貨が詰まった袋を置いていくと、皆の快哉を背にクローディアは酒場を後にしたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
クローディア・ベネット
西の郊外の休耕地に植わっている「変な作物」ねぇ
そいつが案内人の予知した妙な大天使の野郎と見て、まず間違いなさそうだ
種さえ割れちまえば、罠に引っ掛かる前に焼き払ってやるだけさ
連中が大事に守ってる工房ごとな!
さっき調べた情報に合致する、郊外の土地を探し出そう
現地に着いたら、屋内に入ったあと出口を塞がれないように、まずは外に植わってる大根野郎の始末からだな
草むらの中や植木・建物等の影に身を隠し敵に狙いをつける
【通信障害】で屋内の奴らへの連絡を封じた上で、『さまよえる悪霊の光』を放とう
バレバレだな、あんた達。そういうのをTOKYOじゃ「大根役者」って言うんだろ?
反撃には《聖遺の護符》の力を纏わせた《船長のサーベル》を構え、先端を受け流したり弾くことで耐えるよ
戸外の敵を始末したら倉庫の中へ
物音に注意し、見つからないようにしつつ作業室への入り口を探そう
藁や木箱を重ねて隠されてやしないか?
入り口を見つけたら、働かされてる皆を逃がすため敵の前に立ち塞がる
そして設備を攻撃に巻き込み、敵ごと焼き払ってやるよ
●サンパウロ郊外にて大根を狩る
西の郊外、休耕地と倉庫、変な作物。
聞き込みで入手した情報を元に、手近な林に身を潜ませながらクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)は該当する箇所を捜していた。
「見つけた」
捜索開始から程なくして、クローディアは条件に当てはまる場所を発見した。
一見すると只の畑だったが、植わっている作物がおかしい。
細長く伸びた葉に、土から僅か覗かせる白い根。この時代の南米にこんなものが生えているなど珍事も珍事だ。
「野郎ども、準備はいいかい?」
何もない空間に呼びかける。応える声はない。だが、気配は返ってきた。
いつでもいい、と。
「いい返事だ。行くよ」
言うが早いか、気配たちはクローディアを抜き去り、音なき鬨の声を上げる。
瞬間、幾つもの雷火が姿を現し、畑の作物へと襲い掛かった。
「ぎゃああああ!?」
飛び火するように次々と雷火に取り憑かれた作物たち――偽装し身を潜めていた清白隊が地獄のような悲鳴を上げる。
「て、敵襲だ! おい、急いで中にいる連中に連絡しろ」
「し、しております! ですがつながりません!」
辛うじて難を逃れた清白隊が仲間と連絡を取ろうとするが、叶わない。
「無駄だよ、大根役者。あんたらがどれだけが喚こうが叫ぼうが、声は外に届かない。すでに悪霊どもが騒いでるからね」
クローディアが林の中から悠然と姿を現す。彼女の背後にもまた揺らめく雷火の群れたちが浮かんでいた。
「悪霊、だと? 馬鹿な! 我々を惑わそうとしても無駄だ!」
なんとか態勢を立て直した清白隊たちが周囲に大根を出現させ、巧みに位置を入れ替え突撃を敢行する。
「ああ。悪党の魂は、時たま地獄にも愛想をつかされる。そういう連中は私が面倒を見てやるのさ」
次々と襲い掛かってくる清白隊たちの攻撃をサーベルで受け流しながらクローディア。
そして、全ての攻撃を凌ぎ切ると同時に背後の気配たちに呼びかける。
「悪霊の恐ろしさを、思い知るがいいさ」
再び雷火の群れが清白隊に襲い掛かり、今度はそのことごとくを燃やし尽くした
「ここだね」
外の清白隊を片づけたクローディアが倉庫の中へと足を踏み入れる。
一見すると放置された倉庫にしか見えない。
だが、クローディアは奥に積まれている木箱を見るやサーベルを抜き放ち、一思いに両断した。
「大当たり(ジャックポット)」
崩れ落ちた木箱の奥には天井裏へと上がる階段が隠されていた。
そのまま階段を昇り、そっと顔を覗かせると、
「貴様らもっとキビキビ働かんか!」
「無理ですよ……こうも暑くっちゃ。せめて窓くらいは開けさせて下さいよ」
清白隊と労働者の姿が見えた。部屋の中央には何やら大がかりな装置もある。
「大根野郎以外は逃げな! ここは戦場になるよ」
清白隊と労働者たちの間に割り込むようにしてクローディアが飛び込む。
「な、なんだ貴様は!?」
「ディアボロスって言えば、判るかい? ほら、あんたたちもさっさと逃げるんだ」
挑発的に言いながら清白隊の攻撃をサーベルで弾き、いなしている間に後ろの労働者たちに促す。
「あ、ああ、わかった」
目を白黒させながらも階段を降りて労働者たちは無事に逃げていった。
その様子を確認したクローディアは悪霊たちを召喚、
「野郎ども、派手に暴れてやりな!!」
球電と化した悪霊たちに命じ、装置もろとも清白隊を盛大に吹き飛ばした。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
「なんということだッ
……!!」
炎上し煙が上がる中、清白隊たちは歯噛みすることしかできなかった。
装置が破壊され、仲間の大半もやられてしまった。
これだけの不始末をやらかしてしまったからには大目玉は免れないだろう。
とはいえ、今更ディアボロスたちと交戦して挽回するには戦力が圧倒的に足りない。
「せめてあれくらいは持ち帰らねば申し訳もたたぬ
……!!」
そう言うや清白隊たちは装置の残骸に目を向け、こっそりと忍び寄るのだった。
ラウム・マルファス
工場の器材もミキサーで作ってるのカナ?
工兵の詰め所へ行ってみよウ
人通りが減ってきたら周辺を観察しつつ、目立たない物陰や屋根の上を通って向かうヨ
フライトドローンに乗った方が良さそうなら乗っていこウ
上手くたどりつけたら、まずは詰め所を観察
汎用ドローンを光学モードにするか、双眼鏡で中を確認するヨ
研究の主体はハーゲンティだから、資料はあっても本棚1つか2つくらいカナ
机の上とかに出しっぱなしのモノも可能な限りチェックすル
裏口の有無も確認しておこウ
コミカルなネコ型ドローンに爆薬搭載
爆発の加速で戦う近接戦タイプだヨ
工兵が資料から全員離れたタイミングを見計らって、資料に近い屋根か壁を壊して突入
爆発の煙に紛れてまずは資料をアイテムポケットに入れるヨ
全部確保出来たら本棚は爆破して破壊しよウ
資料の破棄が目的と見せることで、隠した資料を持ち出そうとするかもしれないからネ
近くの敵をネコ型ドローンで倒しつつ、動きを観察しておこウ
スクワットは嫌だけど、ドローンは自律機構で戦うからネ
戦闘は続けられるヨ
●クラッシュ・スクワッシュ
「この辺りがいいカナ? よっ……ト」」
工兵の詰め所の近くまで来ていたラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、手頃な街路樹の下で跳躍し、葉すら揺らすことなく枝へと着地した。
「ふむ、よく見えるネ」
街路樹の植生の中は葉が生い茂っており、向こうからは見えにくくこちらからは見えやすい理想的なロケーションだった。
ラウムは楽な態勢で幹を背に預けると双眼鏡を取り出し、詰め所の様子を仔細に観察する。
「おヤ?」
しばらくそうしていると、ラウムはふとあることに気づく。
工兵たちがしきりに窓のない部屋と廊下を行き来しているのだ。道具を持ち出している様子もないので倉庫という線もない。
「当たり、カナ?」
窓のない部屋が怪しいと睨んだラウムは即座に行動に移した。
「換装完了。さァ、行くヨ」
特別にチューンした猫型のドローンを伴ってフライトドローンに搭乗、窓のない部屋の屋根へ。
耳を澄ますと話し声が聞こえた。恐らく3体ほどだろう。
「スクワッシュ! 今回の建造で使う資料はこれだったでスクワッシュ?」
「スクワッシュ! その通りでスクワッシュ!! エンジン工場でスクワッシュ!!」
「スクワッシュ! あとD16とE09も忘れるなでスクワッシュ! 頭に叩き込むでスクワッシュ!!」
何とも暑苦しいことこの上ない会話だがやはりここが資料室のようだ。
しばらく待っていると扉が施錠される音が聞こえ、工兵たちの足音も遠ざかっていった。
「よし、じゃあ思いっきりやっちゃおうカ」
そう言って、ラウムが猫型ドローンの頭を撫でる。
瞬間、猫型ドローンが爆薬をばら撒き、耳をつんざく爆音とともに屋根にぽっかりと大穴を開けていた。
その穴からラウムはもうもうと煙が立ちこめる部屋の中へと降り立つ。
「これも、あれも……全部頂いちゃオウ」
広げられた図面と簡素な装丁で綴じられた書類がびっしりと詰め込まれた本棚に迎えられたラウムは、片端から目ぼしいものをアイテムポケットに詰め込んでいく。
「スクワッシュ! いまの音は何事だスクワッシュ!?」
「スクワッシュ! 資料室の方からでスクワッシュ!!」
「スクワッシュ! さっきはは何もなかったのにスクワッシュ!!」
どうやら先程の3体が戻ってきたようだ。
「それじゃア、よろしく頼むヨ」
自らはフライトドローンに乗って屋根の上まで上昇、代わりに猫型ドローンが部屋の中へと侵入。
時を同じくして工兵たちが鍵を開けて踏み込んできた。が、
「スクワッシュ! 何があっーー」
待ち構えていた猫型ドローンの爆撃に晒され、部屋の本棚や諸々の道具とともに跡形もなく消し飛ばされたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
「す、スクワッシュ! 敵襲だスクワッシュ!」
「スクワッシュ! とにかく消火と侵入者を探すでスクワッシュ!!」
資料室と仲間を吹き飛ばされて工兵たちは浮き足だっていた。
特に重要な資料室が破壊されたことは痛手である。
これで更に兵員や資材への被害が出れば早晩部隊は稼働できなくなることは目に見えて明らかだった。
ラウム・マルファス
フライトドローンに乗って、煙が上がっている付近に行くヨ。上からざっと状況を観察。装置の残骸を回収しようとしてる大根がいるのカナ?
縁が鋭い盾タイプのドローンを敵に飛ばして、千切りにしてあげよウ。装置の残骸に近づかせないよう盾で防衛ラインを作りつつ、降下するヨ。残った大根は少ないと思うケド、念のため不意打ちの連携に注意しよウ。
ドローンシールドで敵の攻撃を受け流しつつ、確実にトドメを刺していこウ。倒し終わったら、敵が回収しようとしていた装置の残骸をもらっちゃおウ。オイル漏れとか無くてアイテムポケットに空きがあれば、適当な箱にでも入れて資料と一緒に仕舞ウ。無理そうならフライトドローンに乗せて、安全な場所まで飛ばしておくヨ。あとで回収してから帰還すればオッケーサ。他にめぼしい機械や資料がありそうなら一緒に回収しておこウ。これでも機械知識はチョットあるから、クロノ・オブジェクト的な機械は観察すれば気づけるカモ。
後は手持ちの薬品で爆薬を仕掛けて、通常品の工場設備を爆破しておこウ。
●スライス・大根
「あの辺りカナ?」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)がフライトドローンで飛行していると、程なくしてもくもくと筋を引くような煙が何本も立ち上っているのが見えた。
「おい、ちゃんと持たんか!」
「わ、わかってますけど、こんなに熱いとどこを持っていいのやら……」
煙が上がっている建物のそばまで来ると、破れた外壁からそんな会話をしながらなにやら装置を運び出そうとしている大根の姿が窺えた。
「さァ、行っておいデ」
ラウムは縁が鋭いスライサー仕様のフライトドローンを装置付近にいた清白隊めがけて先行させ、自らも続いて建物の中へと突入する。
「ぐわああああぁ!?」
「な、なんだ!?」
「敵襲だ! 散開しろ!」
先に突入したスライサードローンが装置の間近にいた清白隊を切り裂くと、残った隊員たちは狙い撃ちを避けるため装置の周りから一斉に離れた。
「やあ、皆さん、ごきげんよウ」
そこへ悠然と降り立ったのはラウムだ。
「また貴様らか! ディアボロス!!」
「小癪な! これでも喰らえ!!」
襲撃者の正体を目の当たりにした清白隊たちは揃っていきり立ち、同じタイミングで高々と跳躍する。
ミサイルのように一斉にラウムめがけて降り注ぐ清白隊たち。しかし、
「おっと、危なイ」
「ぎゃあああ!?」
ラウムはドローンを割り込ませ、盾とすることで防御。更に返す刀でドローンを高速回転させ攻撃してきた清白隊たちを野菜でも切るかのように千切りに刻んだ。
「これで、終わりカナ?」
ラウムはしばし周囲を警戒していたが、何の動きも気配もないことを確認すると、工場内の捜索を開始した。
「ふむ、資料は詰め所にあったものとあまり変わらない感じだネ。まあ、いただいちゃうんだけド」
あらかた調べ終えたラウムは幾つかの収穫物をアイテムポケットに収納したあと、再び装置の残骸の前に立つ。
「あとめぼしそうなものは……やっぱりこれカナ?」」
工場内を観察し、精査してみたところクロノ・オブジェクトと思しきものはこの装置くらいだった。
工場の基幹部なだけあってそれなりのサイズである。ポケットに収納するにはいささか大きすぎた。
「どうやって持ち帰ろうかナ?」
しばしの思案の後、ラウムは装置の残骸をドローンに乗せて持ち帰ることにした。
そして、
「それじゃあ、最後は派手にいこうカ」
ラウムが言い放つや、ドローンから無数の爆薬がばらまかれ、工具工場は完全に爆破炎上したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
クローディア・ベネット
よし、いい具合に片付いてきてるな。どさくさ紛れの略奪にはいい頃合いだ
でかい装置は叩き壊すしかないが、工具の実物ぐらいなら回収できるだろうか
エルドラードの排斥力の影響を受けないよう工夫されたものなら、私達の工作や拠点設営にも使えるかもしれないよな
《ピストルセット》から二丁の拳銃を取り出し、『ルージュ・バラージ』を発動
襲撃に焦り、消火活動や索敵に勤しむ連中を、曲がり角や物陰から撃ち抜いてやろう
カボチャ野郎ども、ハロウィーンはもう少し先だぞ
まだ子供達に配る飴玉を買ってないんでね。鉛弾で我慢してくれよな!
相手が放つ熱と蒸気で息が詰まらないよう、敵がパラドクスの対象数より少ない時や、身を隠す意味がなくなった辺りで攻撃に建物の壁を巻き込んで穴を開けよう
窓がないんじゃ、こうでもしないと換気は難しいな
戦いつつ、めぼしい工具があればポーチに入れて持ち帰ろう
大量にってのは無理だろうし、種類ごとに一つずつサンプルを取る形になりそうだね
最終人類史の技術と比べてどれだけ役立つかは謎だが、ひとまず今回の稼ぎはこれだ
●ハロウィーンにはまだ早い
「スクワッシュ!! 敵はまだ見つからんのかスクワッシュ!」
「スクワッシュ!! は、はいでスクワッシュ!!」
「ぐむむむ……」
襲撃を受けた工兵たちの詰め所は、正に上を下への大騒ぎである。
「よし、いい具合に片付いてきてるな。どさくさ紛れの略奪にはいい頃合いだ」
そう言って、混乱に乗じて詰め所に侵入していたクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)は物陰に身を潜ませながら、2体の工兵が歩哨として立つ建物の様子を窺っていた。
そして、タイミングを見計らって二丁の拳銃を取り出し、
「ぎゃあ!?」
「グワッ!?」
同時に2体の工兵を撃ち抜く。同時に駆け出し、速やかに建物内へと侵入する。
この建物に当たりをつけたのは二つ理由がある。
一つは資料室がある建物以外で唯一窓がなかったため、もう一つは緊急事態においても歩哨が常に張り付いていたためだ。それらはおおよの場合、機密性と重要性の高さを意味する。
クローディアは建物内の部屋を幾つか精査した後、ある部屋で足を止めた。
「これは……」
その部屋には明らかに他の物品と比べて精度が高い工具が置かれていた。どうやら当たりのようだ。
クローディアはその中から一種類ずつピックアップし、ポーチへと収納する。
「ま、ひとまず今回の稼ぎはこのくらいかね」
扉の向こうから物々しい足音が聞こえてきていた。
「スクワッシュ! 敵はここ――ぎゃあ!?」
「カボチャ野郎ども、ハロウィーンはもう少し先だぞ」
とりあえず、扉を開けて不用意に飛び込んできたカボチャ頭に銃弾を叩き込んだ。もちろん一発で終わらせる気などなく、引き金を引き続け弾幕を形成する。
「スクワッシュ! き、貴様よくも仲間をスクワッシュ!」
「スクワッシュ! 我らの秘技を見せてやるでスクワッシュ!!」
言うや否や、カボチャたちは呼吸を合わせ、
「「「「スクワッシュ!! スクワット
!!」」」」
唱和する声と共に、全く同じ動きで猛烈なスピードでスクワットを開始し、真っ白な蒸気と熱気を発生させた。
「スクワッシュ!! ふははは、当たらなければどうということはないでスクワッシュ!!」
煙幕により弾幕を遮ったカボチャたちが身を低く屈めながら部屋へと突入、クローディアを包囲する。
「スクワッシュ! このまま押し潰してー-え?」
飛来する弾丸を避け、工兵たちが一斉攻撃に出ようとしたそのとき、変化が起こっていた。
急速に蒸気が雲散し、視界が晴れていくではないか!
「おいおい、そんな調子で本番のハロウィーンは大丈夫かい? お化けカボチャならもっと上手く化けられないとダメじゃないか」
銃を構えた態勢で、クローディアが不敵に笑う。彼女が銃口を向けた先、工兵たちのすぐ側の壁にぽっかりと大きな穴が開いていた。
そこから見る見るうちに蒸気が逃げ出し、工兵たちの姿が露わになる。
「まあ、こっちもまだ全然準備不足なんでね。まだ子供達に配る飴玉も買ってないんだ。代わりと言っちゃなんだけどー-鉛弾で我慢してくれよな!」
カチリとクローディアが撃鉄を上げ、引き金を引く。瞬間、
「「「「スクワッシャっあああああ
!?」」」」
赤く輝く弾丸の群れがカボチャたちを穿ち、呑み込み、容赦なく葬り去った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)と
今のところ、アヴァタールの姿は見えねぇか。すぐに出てくるだろうからな、まずは隠れて兄貴の合図を待つぜ。敵に裏をかかれるかもしれないから、隠れている間も油断せず周囲をうかがおう。
合図が来たら一息に飛び込んで、風を纏った大剣で斬りつけよう。反撃の突進は可能な限り大剣で受け流すか受け止め、放り投げようとするなら怪力無双で堪えつつ取り押さえる。無理なら追撃が来る前に、フライトドローンを足場にして体制を立て直そう。
兄貴の方へ向かうようなら、バリケードや工場を破壊した残骸を怪力無双で投げつけるぜ。大した痛手にもならんだろうが、足止めや気を逸らすことくらいはできるだろう。敵が優位な場を整えられる前に、可能な限り追い詰めておくとしよう。
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と
残るはこの辺の工場を仕切ってるアヴァタールだけカナ。油断せずに敵を探すヨ。これだけ壊せば、すぐに様子を見に出てくるだろウ。フライトドローンで上空から広域を観察。発見次第、ソラに合図を送ってからパラドクスを発動。帯電する網を上空から降らせて、攻撃しつつ足止めを狙うヨ。すぐに反撃してくるだろうからネ、網がソラの邪魔になることは無いだろウ。
反撃が来たらプールや水辺の方に逃げつつ、トラップ生成で足元に落とし穴を仕掛けるヨ。移動しながらの生成が難しいなら、薬品で煙を発生させつつフライトドローンを罠代わりに落として、簡易バリケードにしよウ。障害物を意に介さないなら、幻影だとわかるからネ。把握する前に飛んできた遠距離攻撃は、フライトドローンに乗ったまま致命傷だけ避けるよう動くヨ。
追い詰められると水場を使うようだからネ、ボクが水の近くにいるだけで、牽制にはなるだろウ。ついでにトラップ生成で土嚢を作って、簡単には壊せないようにしておくヨ。
陳・桂菓
遅ればせながら助太刀しよう。強敵が残っているようだし、人手はあるに越したことはあるまい?
使用武器は苗刀『飛竜』
シャチ海賊団はこちらに攻撃を仕掛けることができるからには、幻影とはいっても実体があるのだろう。であれば、こちらの仕掛ける攻撃で打ち払うことだってできるはずだ。
目一杯の力を注ぎ込んでリーチの長いオーラの刃を生み出し、【蚩尤猛掃逐】で一気に海賊団の群れを斬り払ってみせよう。幻影の強さがどれほどのものかは知れないが、斬って斬れないほど硬いとも思えないし。
で、こちらの弱点を狙うだけの狡猾さがあるらしいが、普通に考えれば敵の方が勝るのは手数と射程だから、マスケット銃の一団を利用した弾幕攻撃で対応してくるのが定石だろうと思うのだが。
そうなれば――正直、速度と突破力でゴリ押しして、一気に間合いを詰めて直接キャプテン・オルカを狙いに掛かるくらいしか、戦術が思い付かん。
多少の負傷は覚悟の上で、火力に全額ベットの短期決戦仕様で戦い抜くとしよう。
「豆鉄砲をいくら撃とうが、蚩尤の大剣は止められん!」
クローディア・ベネット
やぁ、シャチ君。家主不在で盛り上がっててすまないね
ここからは一緒に楽しもうじゃないか。サンパウロ工場の閉鎖記念パーティーをな!
仲間が待ち伏せしたいってんなら特に異論はない
まぁ、雑魚を片付けた直後には既にシャチ野郎が押し掛けてたってこともあるかもしれないが……
もしも待ち伏せする猶予があるなら、ここまで破壊してきた装置や建物の瓦礫の影にでも身を隠しておこう
真っ向勝負にしろ待ち伏せにしろ、攻撃の機が来たら一気に攻めていこう
――『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』
カトラスを手にした海賊の霊達を従え、自身も《船長のサーベル》を手に突撃
霊達に異なる方向から次々と斬りかからせて敵に隙を作った末に、サーベルで喉を掻き切ってやろう
あんたは真面目に仕事をこなしてただけかもしれないが、そのために大勢が奴隷同然の扱いを受けていたな
そうでもしなきゃ維持できない事業なんか、潰してやるのが世のためなのさ!
敵の突進の勢いは《聖遺の護符》の力で抑え、武器や拳は剣で打ち払って直撃を避けよう
私はアザラシほど簡単には捕まらないよ!
●陸に上がったシャチは海には帰れない
「今のところ、シャチの姿は見えねぇか……そっちはどうだ? 兄貴」
林の中に身を潜ませながら、通信機ごしにソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が問いかける。
「来たヨ、ソラ。かなり速いネ。多分、飛んでくるヨ」
問いかけに答えたのはソラスの兄であるラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)だ。
「なに? どういうことだ?」
ラウムの言葉の意味を図りかねていたソラスだったが、すぐに理解した。
水面を突き破る強烈な破裂音と柱のようにそそり立つ水飛沫。
それらが水路のある方向から突き上がり、巨大な影が空高く舞い上がる。
魚に近い流線型の身体に、人間のような手足がついた異形のシルエット。
「オルカだ。仕掛けるよ!」
敵の姿を認めたクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)がカトラスを携えた亡霊たちとともに剣を抜き放ち、身を潜めていた瓦礫の物陰から躍り出た。
「応よ!」
その呼びかけに応えたソラスも林を飛び出し、疾走する。
防御を取るのが最も難しい着地直前、そのタイミングに合わせ、二人が同時に攻撃を仕掛ける。
「キュカアアアアッ!!」
襲撃に気づいたオルカが咆哮を上げるが、遅い。
風を纏った大剣と亡霊たちのカトラスが一斉にオルカの身を切り裂き、血飛沫が舞った。
「待ち伏せか! やるじゃねえか、復讐者ども!! だが、攻撃直後ってのは誰でも隙ができるもんだぜ!」
結構な痛手であるにも関わらず、オルカはあえて防御も回避もせず、二人へと突撃を試みる。
「おっと、そうはさせないヨ」
しかし、その反撃に対応してラウムが上空のドローンから捕縛網を投下。オルカは気にせず引きちぎろうとしたが、
「グウっ!? つくづくやってくれるじゃねえか! これならどうだ!!」
網から発せられた高圧の電撃を浴び、一瞬オルカの動きが止まる。それでもオルカは即座に切り替え、周囲に残像のような影を召喚し、攻撃を命じた。
無数のシャチ海賊団の幻影たちが咆哮を上げ、一斉に手にした剣を振りかざす。
「幻影とはいっても実体があるのだろう。であれば――斬り払う!」
そこへ、一陣の風のごとく陳・桂菓(如蚩尤・g02534)が駆け抜けた。
直後、桂菓とすれ違った幻影のことごとくが何か巨大な刃で切り裂かれたかのような鋭利な断面を覗かせ、消滅する。
「キュカカカッ、火の手があがってるから見に来てみれば……全滅に全損。オマケに誰も殺れてねえな、こりゃ。まったく大根どもは大口叩いたわりには口ほどにもねえ。やっぱりさっさと喰っとくべきだったな」
幻影たちに攻防を任せている間に捕縛網から逃れたオルカが怒り半分あきれ半分といった様子で土を蹴り飛ばす。
「それはそれは、家主不在で盛り上がっててすまないね、シャチ君。なに、今からでも遅くはないさ。パーティはまだ始まったばかりだからね」
洒脱な身振りで髪をかき上げながら、挑発的な口振りで言い放ったのはクローディアだ。
「ククク、そりゃいい。野菜はもうねえが、肉ならまだたんまりとあるしな」
一斉に奇襲をかけた甲斐もあって、オルカの身体には浅くない傷がしっかりと刻み込まれていた。
だが、オルカは戦意をくじかれるどころかむしろ嬉々として傷口から流れ出た血を舐めとり、威圧するように酷薄な笑みを浮かべるばかりだ。
「同意してもらって何よりだ。それじゃあ、ここからは一緒に楽しもうじゃないか。サンパウロ工場の閉鎖記念パーティーをな! 『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』――私達の嵐で、あいつを呑み込んでやろうじゃないか!」
「ぬかせ! テメエらの葬式の間違いだろ!」
クローディアとオルカが動いたのはほぼ同時。亡霊と幻影の違いはあれど、奇しくも両者が選択したのは己の海賊団を召喚しての総攻撃だった。
結果、この世ならざる海賊たちが入り乱れ、衝突する。正に乱戦だ。
「キュカカカ……」
オルカは幻影たちに紛れ、密かにほくそ笑んでいた。彼はバカ正直に正面突破で戦う気などなかった。
狙うは女海賊の背中。巧妙に回り込み、すでに射程に捉えている。
(喰らえ!!)
声を上げることなくオルカは鋭く地を蹴り、一瞬でトップスピードに達する。獲物はもはや目前。獰猛に口の端を吊り上げる。だが、
「残念。私はアザラシほど簡単には捕まらないよ!」
「なに!?」
急速に突進の勢いが減衰したことにオルカが目を見開く。そして気づく。目の前に護符が浮かんでいることに。クローディアはその一瞬の隙を逃さなかった。
「真っ先にこっちの首を取りに来るってのは悪くない。私も同じ考えだったからね!」
振り向きざまに放たれたクローディアのサーベルが真一文字に閃く。
「キュワッ……!! どうにも陸じゃやりにくいぜ」
喉元を切り裂かれたオルカは苦悶に顔を歪め、跳び退る。先程までの攻勢から一転、逃げの一手とも言えるほど間合いを離し、ある方向へと疾走し始めた。
「おや、やはりこっちに来たネ」
オルカの進行方向の先で待ち構えていたのはラウムだ。彼の背後には農業用の溜め池があったが、その周囲には土嚢がみっちりと積まれていた。
「チッ、つくづく嫌らしい連中だ。だが、関係ねえ!!」
オルカが再び幻影の群れを召喚。シャッフルするように重なり、互いに位置を入れ替え自分の姿を紛れ込ませる。
「ご明察。嫌がらせは得意サ。なんてネ」
ラウムが人の悪い笑みを浮かべた直後、オルカと幻影の群れの目の前に大量の落とし穴が現れた。
「小細工を弄しやがって……クソっ!!」
オルカはラウムの意図に気づき歯噛みするが、遅い。自身は落とし穴を避ける挙動を取ったが幻影たちはそのまま通過してしまう。
「そこだヨ、ソラ」
「わかったぜ、兄貴!!」
ラウムが合図を出すと同時、ソラスが満身の力を込め巨大な瓦礫を投擲。高速で飛来した瓦礫は回避行動をとった直後のオルカ本体に直撃する。
「小癪な真似を
……!!」
ダメージこそないものの、怪力で投げつけられた瓦礫は猛スピードで走る巨体を強く押し、結果オルカは避けられたはずの落とし穴に片足を取られ、嵌りかける。
「こうなったら土嚢ごと吹き飛ばしてくれるわ!!」
態勢を崩したオルカはあえて立て直そうとせず、反対の足で強引に地を蹴ることでミサイルのごとくその巨体を発射させ、ラウムへと一直線に突撃する。
「やらせるかよ!」
素早く両者の間に割り込み、手にした大剣でオルカの突進を押しとどめたのはソラスだ。
「ええい、このまままとめて吹き飛ばしてくれるわ!!」
力と巨体に任せて再度突進を強行しようとするオルカ。対するソラスはじりじりと押し返されつつあったが、
「へへっ、俺たち相手に力押しだけでどうにかしようなんて、ちょっと虫がが良すぎるんじゃねえか、っと――風纏い、旋風!」
ソラスの大剣を中心に爆発的な旋風を巻き起こり、オルカの巨体を圧倒的な風の暴威が打ち据えた。
「キウウウッ!? おのれおのれおのれ!! 虚仮にしやがって貴様らァッ!!」
もはや満身創痍と言っていいオルカだったが戦意はいまだ衰えず、これまでにないほど大量の幻影を召喚。全周囲に対して一斉砲火を開始する。
「やはり、そう来るか。ならば押し通るまで!!」
耳を聾するほどの弾幕にひるむことなく、砲火の渦中へと飛び込んだの桂菓だ。
桂菓は愛刀である苗刀『飛竜』に渾身の力を込めてオーラの大剣を形成し、自らの身を省みることなくオルカへと接近する。
「豆鉄砲をいくら撃とうが、蚩尤の大剣は止められん!」
弾幕と幻影の群れの先、驚きに目を見開いたオルカの姿があった。
桂菓は銃弾を避けることすらせず最短距離でオルカに肉薄し、持てる力全てを賭して大剣を振り抜く。
「クハッ
……!?」
戦神の武威を宿した斬撃はオルカの身体に深々と食い込み、その身をばっさりと切り裂いていた。それでもオルカは何とか踏みとどまろうとしたが、
「キュウっ……まだ、だ!! これしきのことで――」
がくりと崩れ落ち、巨体を地面へと横たえたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
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