ドレーク海賊船団、迎撃指令
サルガッソー海域の戦いに勝利して沈没の危機を脱した『ディアボロスの海賊船』は、攻略旅団の方針に従い、サルガッソー海域から離脱、アフリカ方面に舵を切る事となりました。
攻略旅団の調査により、『海竜提督』フランシス・ドレークの海賊船団の進路を予測する事が出来たので、その進路上に向かい、敵海賊船団の迎撃を行ってください。
ですが、ディアボロスが大西洋で運用している船は、中型海賊船1隻しかありません。
まともにドレーク海賊船団とぶつかれば、あっという間に撃沈されてしまいます。
ディアボロスの船からかなり先行して哨戒活動を行ない、ドレーク海賊船団と接触、奇襲を仕掛けてください。
ドレーク海賊船団は、ディアボロスに海賊船を奪われる事を許さない為、海賊船に乗り込んで制圧すれば、周囲の海賊船の総攻撃によって、敵の手で海賊船を沈没させる事が可能です。
敵の手で海賊船を沈めさせていき、ドレークが搭乗する旗艦『ゴールデン・ハインド号』に肉薄できる段階まで、敵船を減らしてください。
『海竜提督』フランシス・ドレーク
帰還者達は欲求不満!?(作者 雷紋寺音弥)
#黄金海賊船エルドラード
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●困惑のサルガッソー
サルガッソー海。それは、史実においても海の難所とされ、時に船乗り達から忌避されて来た場所である。
そんな海域と同じ名を持つクロノヴェーダは、ディアボロス達に尖兵が蹴散らされたことにより、いよいよ緊張を高めていた。
「やっぱり雑魚は雑魚だね。こんな簡単な任務すら成し遂げられないなんて。でも、最低限の仕事は果たしたのだから、悪くは無いよね」
本当の戦いはここからだ。魔の海域の名は伊達ではないことを、その身に刻み込んでやろうと、サルガッソーは意気込んでいる。
「さぁ、ディアボロス。調子にのって、ボクのいる場所までやってくるがいい。このサルガッソー海域の怖さを、このボクが直々に教えてあげるよ」
にわか仕込みの海戦術と航海術で、果たしてどこまで通用するか。そちらが来るなら、こちらも遠慮なく船を海の藻屑にしてやろうと、サルガッソーはあれこれ作戦を考えていたのだが。
「あの……サルガッソー様、ディアボロスの海賊船が、海域から離脱して後退したそうです」
なんと、配下より伝えられたのは、ディアボロスが撤退したとの報であった。これには、さすがのサルガッソーも、しばし目を点にしたまま返事をすることができなかった。
「いや、まあ……確かに、ボクの海域を恐れて逃げたというのならば、それはそれで正しいと思うけれど……」
魔の海域に好きで踏み込む者など、そういない。戦術的に考えても、何の策も準備もなしに突撃して来るほど馬鹿ではなかったというのも、まあ分かる。
だが、それでもここまで状況が有利にありながら、堂々と撤退するのはやはり解せない。というか、それ以前にこちらが抜いた刃の居場所を、どうしてくれるのだという想いの方が強くなり。
「ディアボロスは、いったい、なにがしたいのさ!」
サルガッソーの叫び声が、虚しく海上の空へと響き渡った。
●ドレーク艦隊奇襲作戦
「サルガッソー海域の戦いに勝利した事で、我が方の海賊船はサルガッソー海域から離脱する事に成功した。勢いに乗り奥まで突き進むという選択も可能ではあったが、攻略旅団は安全策を選んだようだな」
それはそれで、犠牲を最小限に留めることができたのだから問題はない。だが、折角の勝利を丸ごと捨てて、敵に時間を与えるのも惜しいと蒼・勝峰(インセクティアの無双武人・g03511)はディアボロス達に語り。
「サルガッソー海域から離脱後はアフリカ方面に進路を取り、アフリカ西海岸から帰還するジェネラル級アビスローバー『海竜提督』フランシス・ドレークの海賊船団の迎撃に向かってもらいたい」
海賊島攻略中にドレークが海賊島に帰還する事があれば、敵に挟撃される恐れもある。故に、まずはドレークの海賊船団に対処するというのが、攻略旅団の戦略だ。
「攻略旅団の調査により、アフリカから帰還するドレーク艦隊の進路は予測できている。この進路上に向かった上で海上の哨戒を行い、敵海賊船団を発見し攻撃を仕掛けるというのが今回の作戦であるぞ」
もっとも、ディアボロスの海賊船は中型の船が1隻のみ。まともに艦隊と戦えば瞬く間に海の藻屑とされてしまうので、敵に発見されないよう注意しつつ、船団を発見した場合は海中などの死角から敵海賊船に乗り込んで制圧する流れとなる。
「海賊船の制圧に成功した場合、敵は貴殿らを船ごと沈めようとしてくるであろう。船を奪われるくらいなら、破壊してしまおうということなのであろうな」
そのため、残念ながらどれだけ頑張ったところで、相手の船を奪うことは不可能だ。しかし、海賊船団を構成する船を沈めるということは、そのまま敵戦力の削減にも繋がる。敵の船を敵の手で沈めさせることができれば、それだけで十分な戦果だろう。
「私が得た情報によれば、船団の中でも特に目立つ行動を取っている船があるという。どうやら、ゴンドワナで満足に戦えなかったことで、欲求不満に陥っている連中がいるようだな」
相手は常に苛立ち注意力が散漫な状態なので、近づいて攻撃を仕掛けるのであれば、そういった船の方が望ましい。腹立ち紛れに空砲を放ってストレスを発散しているようなので、その点も上手く利用して早期に敵の船を発見することは難しくはない。
「我が方の海賊船は、追撃してくる海賊船からは、その位置を把握されて攻撃を受けてきが……ドレークの海賊船団は、アフリカから帰還してくる最中である。故に、こちらの海賊船の情報も伝わってはいまい」
しっかりと距離を取って哨戒すれば、相手に悟られる心配もない。ドレークの艦隊を制圧するためにも、まずは周囲の船から切り崩して行くのが定石だ。
艦隊の戦力が大幅に減り、ドレークへの王手をかけられるようになった時が真の勝負。今は、そのための露払いをして欲しいと告げ、勝峰はパラドクストレインに乗り込むディアボロス達を見送った。
●こいつら全員中毒患者
アフリカ沖から海賊島を目指し、荒海を進むドレークの艦隊。船員の大半は様々な理由で欲求不満に陥っている者が多かったが、その中でも特段に不満を溜め込み、今にも爆発寸前な連中がいた。
「あぁぁぁぁ!! 戦いは……戦いはどこだぁ!」
「ゴンドワナでは全然戦えなかった! 海神様への生贄……生贄がぁ!!」
斧を片手に叫びまくる波の乙女達。彼女達は、遥か昔に北欧で栄えたバイキングを祖とする戦士である。冒険家から略奪者となったエルドラドの『パイレーツ』達とは異なり、同じ海賊でも海の戦士としての性質の方が強いのだ。
ゴンドワナで満足に戦えなかったことで、戦闘狂の彼女達は発狂寸前だった。荒ぶるバトルジャンキーの血が騒ぐ! このままでは、ともすれば同士討ちを始めかねない勢いであったが……それに輪をかけて欲求不満なのは、他でもない船長のクロノヴェーダであった。
「うがぁぁぁぁ!! さっきから喧しいぞ、貴様達! 私だって、ゴンドワナでは一回も砲撃ができなくて我慢の限界なのだからなぁぁぁぁ!」
船員も船員なら、船長も船長である。砲艦外交官の異名を持つペドロ・アルヴァレス・カブラルは、ついに自ら大砲の前に陣取ると、せめてもの慰みにと盛大に空砲をブッ放し始めた。
「ぬぉぉぉぉぉ!! 私に! 大砲を! 実弾を撃たせろぉぉぉぉ!!」
リプレイ
リゲル・アンティキティラ
敵を前にして引き返したこと、俺も正直、少しばかり「すまない」とは思っているよ?ほんの少しね!
戦いに飢えているのは何よりだ
こちらも結構、夏にかまけて楽しんでいたからね 望む所。
それでも…空砲を撃つというのはなあ それはもう、大変に目立ちそうだ!
余計なことも喋っていたと聞いたよ。海神様、生贄ねぇ…
まあそういうのは後で考えたらいい 哨戒を疎かにするわけにもいかないし
スタンダードに行こうか
遠距離の様子は双眼鏡で。派手にやってるみたいだし、耳も頼りに
障害物がないぶん、届く距離も結構なものだろう
…まことに、指揮官も部下もお元気で何よりだ…まさしくステレオタイプな海の荒くれ者だなあ!
本来の意味での海賊なら、もうちょっと落ち着いているんだけど
こいつらの場合、欲求不満でなくともアレだろうから、まったく期待できなさそうだ!
戦闘前の準備もしよう 向こうは既にやる気満々なわけだし。
【水面走行】と【ダメージアップ】を用意、しっかり後押しできるように
…派手にやりあうつもりなんだ きちんと迎え撃てるようにしておこう!
●見落とす方が難しい!?
敵に王手をかけながら、後一歩のところで仕掛けることなく撤退する。臆病風に吹かれたと言われても仕方がない行動だが、しかしそれが最善手であった場合、とやかく言われる筋合いはない。
まあ、それでも戦いを期待していた者からすれば、拍子抜けになったのは間違いないだろう。期待させて裏切ったのはディアボロスの側なので、そこは敵にも同情の余地はある。
(「敵を前にして引き返したこと、俺も正直、少しばかり『すまない』とは思っているよ? ほんの少しね!」)
リゲル・アンティキティラ(一つ星・g10843)も心の中で謝っていたが、それよりも今は目の前の敵である。サルガッソーのことは置いておき、ドレークの艦隊の戦力を削ることに尽力せねばなるまい。
聞くところによると、敵は戦いに飢えている者達が、欲求不満を爆発させているとのこと。自分も夏にかまけて楽しんでいたので、そろそろ戦いに戻ろうと気合を入れて双眼鏡を覗くリゲルだったが……特に探し回ることもなく、敵の船は容易に見つけることができた。
「戦い! 戦いはどこだぁ! 海神様に血を捧げさせろぉ!」
「うぉぉぉぉ!! 私に! 実弾を! 撃たせろぉぉぉぉ!!」
空砲をブッ放しながら叫ぶ船長と、己の信ずる神に戦士の血を捧げさせろと騒ぐバイキング達。あまりに悪目立ちし過ぎていて、見間違うのが難しいほど。
「……まことに、指揮官も部下もお元気で何よりだ……まさしくステレオタイプな海の荒くれ者だなあ! それにしても……海神様、生贄ねぇ……」
冒険者としての姿はまるで見えない連中に、リゲルは思わず溜息を吐いた。
本来、海賊というのは政府非公認の冒険家。しかし、同じ海賊でもパイレーツではなくバイキングと、砲撃ジャンキーな指揮官が一緒に集められているとなれば、そこにパイレーツらしさを期待するのは無理というもの。
唯一、気がかりだったのは、海神様という言葉である。もっとも、敵の兵士がバイキングであることを考えれば、これは単に個人的な信仰によるものだろう。バイキングをルーツに持つ『波の乙女達』にとっては、敵を殺して血を海に捧げることが、即ち自身の信じる神に供物を捧げることになるわけだ。
どちらにせよ、相手がやる気なのであれば、こちらも遠慮する必要はない。迎撃準備を整えるリゲルだったが、しかし残念なことに、今回はこちらが攻める側。
海上を走る術は容易していたが、そのまま走って近づけば、敵の船に辿り着く前に砲撃の餌食である。最悪の場合、ターゲットの船以外もこちらに砲撃を加えてくる可能性があり、そうなってしまうと歯が立たない。
やはり、相手に気取られず船に近づく方法を用意しておかなければ、これ以上の接近は悪手だろう。とりあえず、敵の位置を把握できたことは良しとして、リゲルは続く仲間に後を託したのであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
ジェーン・コーネリアス
せっかく拿捕しても他の船からの砲撃で破壊されるか……
けど、それは最後の一隻には使えない手だ
最後の一隻になるだろうドレークの旗艦……ゴールデンハインド号だっけか。欲しくなるね
ま、それもまずは今回の船を沈めてからだ
戦っても奪えるものなしってのは残念だけど、最後にお宝を手に入れるためさ
【水面走行】を借りてまずは海面を歩いて索敵
隠れるものはないし中型の船はそこそこ目立つ。それに空砲まで鳴らしてるんなら先に見つけるのはそう難しくないはずだ
見つけたら後は見つからずに接近するだけだね
やれやれ、派手にやってるね。規律も掟もあったもんじゃない
僕があの船の上に居たら馬鹿なことをしてる連中は全員海に叩き落してるところだ……ま、今からそうするんだけど
堂々と海上を歩いていったら流石に見つかるかもしれないし、そこからは【水中適応】で海中を泳いでいき、船の真下くらいで浮上して乗り込もう
残留効果は【ダメージアップ】を残しておこう
アイアイ、派手にやろうか
●水底から仕掛けろ!
敵の船を拿捕すると見せかけ、敵の砲撃によって沈めさせる。その繰り返しで戦力を削ぎ旗艦を丸裸にするという作戦だが、しかし使える船を沈めてしまうのは少しばかり勿体ないと思うのも事実である。
「せっかく拿捕しても他の船からの砲撃で破壊されるか……。けど、それは最後の一隻には使えない手だ」
海面を歩いて敵の位置を把握しながら、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は次なる一手を考えた。
今回の戦いでは、奪えるものはないに等しい。海賊として、それは少しばかり残念だが、より大きな獲物を得るためには時に我慢も必要だ。
最後の一隻になるだろうドレークの旗艦、ゴールデンハインド号。海賊船としても魅力的な船であり、お宝としての価値は十分だ。
だが、それも全ては今回の作戦を成功させてからの話である。幸い、標的は鬱憤晴らしに馬鹿騒ぎをしているので見つけることは容易だったが、問題なのは接近するための方法である。
「やれやれ、派手にやってるね。規律も掟もあったもんじゃない」
溜息交じりに呟きながら、ジェーンは自身の身を水中に潜めた。
規律を重視する彼女からすれば、カブラルを始めとした連中の行為は外道も外道。自分が管理する船の船員であれば躊躇うことなく海に叩き落としているところだが……どうせ、彼らも遠からず同じ運命を辿るのだから、大した違いはないだろう。
問題なのは、やはり船に接近するための方法である。相手は節操のないバトルジャンキー。だからこそ、堂々と近づけば獲物を見つけたとばかりに狂喜乱舞し、周囲の船にまでこちらの存在が発覚してしまう。
さすがに、ドレークの船団全てを相手にするには、戦力があまりにも少な過ぎた。今回の目標は、あくまでカブラルの指揮する船である。血気盛んな彼らの船に正面から取り付くのは難しいが、それを承知しているからこそ、ジェーンは水中を魚のごとく進んで行き、船の真下から一気に浮上して飛び上がった。
「……うわっ! な、なんだ!?」
「敵!? でも、船なんて近くになかったぞ!?」
困惑する『波の乙女達』を他所に、ジェーンは不敵な笑みを浮かべて剣を抜いた。甲板に取り付いた以上、ここから先は白兵戦だ。奇襲に成功し相手が浮足立っているからこそ、この機会を最大限に利用しなければ。
「……アイアイ、派手にやろうか!」
規律も守れず馬鹿騒ぎする者達には、少しばかり仕置が必要だ。戦いを求めるバイキング。そして、砲撃中毒の船長との戦いの膜が、ここに切って落とされた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
ジェーン・コーネリアス
これはあいさつ代わりだ!
あっちの狼狽えるのが収まる前に、カトラスとは逆の左手に持った「Nemain」から『炸華流星』をお見舞いしよう
AHOY!
血の気が有り余ってるみたいじゃないか
うちの船にはそんな奴らにお勧めの療法があってね
君たちにも勧めに来てあげたよ
なに、そんな難しいことじゃない
冷たい海底で頭を冷やしてもらうだけだよ!
「Nemain」から放つ『炸華流星』で波の乙女達を吹き飛ばし、撃破しては船から叩き落していくよ
【ダメージアップ】での火力増加も使って、相手が立ち直る前に倒しきりたいね
一応はこの船のキャプテンだし、カブラルが襲撃に対応させようと部下の波の乙女達に檄を飛ばすこともあるかな?
【通信障害】でカブラルからの伝達を封じて襲撃の混乱が長続きするようにしよう
散発的に反撃を行ってくる相手に対しては斧による攻撃を右手のカトラス「Macha」で受け止めて防御、深手を負わないようにしよう
馬鹿みたいに大砲を撃ってたら敵に見つかるのは当然だ
掟ってのは理由があって決まってるんだよ
自業自得と思うんだね
クローディア・ベネット
準備は万端だな、リゲル、ジェーン!お陰で後は暴れ回るだけだ!
ここからは私も加勢させてもらおうじゃないか
イングランドの血を引く者として、くそったれ共がヴァイキングのフリをしてるのはいい気分じゃないね
私達にとっちゃヴァイキングは祖先の国を脅かした宿敵か、もしくは戦いの末に故郷に溶け込んだ祖先そのもの
いずれにせよ、アビスローバー如きにくれてやるのは憚られる立ち位置さ
そういうわけで奴らには消えて貰おう!ご先祖様のためにね!
――『野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!』
号令一下、カトラスと銃を手に武装した海賊たちの霊を召喚
彼らと共に私自身も≪船長のサーベル≫を手に突撃し、奇襲に混乱している所に猛攻を仕掛けよう
1体の敵に対して常に2体以上の海賊をあてがって、多方向からの攻撃で腕の盾による護りを切り崩す
卑怯な戦い方だって? ははっ、海賊は騎士様じゃないんでね
反撃の斧は≪聖遺の護符≫の力を纏わせたサーベルで打ち合って防御
刃を弾いて斧の軌道を曲げ、薙ぎ払いで直接首を刈られたり、胴を深々と裂かれるのを避けよう
●戦闘狂の末路
満足に戦えなかった鬱憤を晴らすべく、空砲を撃ちまくっていた海賊達。彼らは敵さえ見つければ、我先に突撃せん程に戦いに飢えていた。
そんな者達の前に真正面から突っ込んで行けば、遠距離からパラドクスで狙い撃ちにされるのがオチである。だからこそ、ディアボロス達は敢えて海に潜行してから一気に奇襲する策を取った。さすがに、これは予測していなかったのか、船上で叫びまくっていた『波の乙女達』も、完全に出足を挫かれてしまった。
「えぇっ! なんで敵が、こんな近くに!?」
「ちょっと! 見張りは何をやってたのよ!!」
戦いを求めてはいたものの、奇襲を受ければ混乱するのは当たり前。それでも、中には鬱憤晴らしに最適だと後先考えずに突っ込んで来る者もいたが、それはそれで却って倒し易いというものだ。
「これはあいさつ代わりだ! 吹き飛びな!」
海中から飛び出すと同時に、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は眼下の海賊達に向けて銃弾を放った。それは波の乙女達に直撃こそしなかったものの、着弾地点で盛大に爆ぜたことで衝撃波を発生させ、周囲の敵を纏めて海へと吹き飛ばして行く。
「AHOY! 血の気が有り余ってるみたいじゃないか。うちの船にはそんな奴らにお勧めの療法があってね……君たちにも勧めに来てあげたよ」
着地と同時に顔を上げ、ジェーンは不敵な笑みを浮かべながら告げた。
熱した頭を冷やす方法として最適なのは、冷たい海底で頭を冷やすこと。みれば、既に海には何人か落下しており、必死に船に上がってこようとしていたが。
「おや? まだ頭を冷やしたりないのかい?」
非情にも、ジェーンは船に上がろうとしている相手に再び銃弾を放つ。今度は衝撃波の直撃を食らい、全身をズタズタにされながら、乙女達は海の底へと沈んで行く。
「うわ! こいつ、ヤバいやつだ!」
「者共、かかれ~! 私達の船から叩き出せ~!!」
ようやくジェーンの危険性に気づいた乙女達が一斉に反撃してくるも、流れは完全にディアボロス達の方へと向いている。確かに、大量の敵から反撃を食らえば、それを防ぐだけでも一苦労。現に、ジェーンは先程とは一転して敵の斧をカトラスで捌きながら防戦一方になっていたが……それでも、ここまで時間が稼げれば十分だ。
「準備は万端だな! ここからは私も加勢させてもらおうじゃないか!」
少しばかり遅れて海から飛び出して来たのはクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)だった。この状況で、彼女が加わったところで、一見して数の差を埋め合わせられるとは思えない。
だが、それでもクローディアには目の前の相手を許せない理由があった。英国出身の海賊であるクローディアからすれば、バイキングとは誇り高き海洋民族。時に祖国と戦い、時に祖国に先祖として溶け込んだ、民族単位で畏敬の念を抱く存在なのだ。
だが、目の前の女達は、果たしてどうだろうか。バイキングの勇猛さを獰猛さと勘違いし、血肉を海に捧げることしか考えていない戦闘狂。とてもではないが、海洋民族の誇りなど感じられない。
歴史が歪められ、アビスローバーに成り代わられてしまったことで、バイキングもまた存在自体が書き換えられてしまったのだろう。ならば、その雪辱はここで晴らす。彼女達を倒すことで、少しでも先祖への慰みになるのであれば、ここで見逃すという道理はない。
「敵が増えた? でも、一人だけか!」
「これなら勝てる! あいつらをバラバラにして、死体を海に放り込め!」
相変わらず、可愛い顔をして物騒なことを叫ぶ連中だ。もっとも、勇猛さと獰猛さを勘違いしているような脳筋では、この大海原を息抜く海賊としては二流である。
「さて、それはどうかな? 野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!」
クローディアがサーベルを掲げて号令をかければ、現れたのは武装した海賊達の霊だった。これで数の差は埋まったも同然。自ら先陣を切ってクローディアが飛び込めば、海賊の霊達もそれに続く。戦いは一気に混戦と化し、船の上ではあちこちでバイキングVSパイレーツという異種海賊戦が繰り広げられることになり。
「うわっ! こいつら、なんか固まって来るんだけど!?」
「ま、待ってよ! そんなにいっぺんに相手できな……ぎゃぁっ!」
何故か、乙女達だけが一方的にやられる展開となって行く。童話や映画のように、1対1での戦いをしないから当然だ。あれは、あくまでエンターテイメントだから成り立つ物。本当の殺し合いとなった場合、まず最優先されるのは勝利なのだから。
「卑怯な戦い方だって? ははっ、海賊は騎士様じゃないんでね」
「くっそー! それなら……お前を先に集中攻撃してやる!」
思うように戦えない乙女達をクローディアが嘲笑したところで、生き残りの海賊達が一斉に彼女を狙って動き出した。
そもそも、霊の召喚がパラドクスなのであれば、その攻撃に対する反撃は、呼び出した霊ではなくクローディア自身に向かうことになる。
かなりの数の敵を減らせてはいたものの、それでも討ち漏らした連中の攻撃は受けなければならない。咄嗟にサーベルで防ぐクローディアだったが、やはり数の差は覆せない。そのまま、徐々に押されて行くことになるのだが……彼女を襲っていた乙女達は、突如として謎の爆風に吹き飛ばされ、そのまま海へと落下して行った。
「ふん……僕を忘れてもらっちゃ困るんだよね」
残る海賊達を吹っ飛ばしたのは、他でもないジェーンだった。彼女の放った弾の直撃を受け、乙女達は全員が海の中。船上に戻る手段がない以上、彼女達は遠からず溺れて死ぬ運命しか待っていない。
「うぅ……酷いよぉ……」
「な、なんで、私達がこんな目に……」
満足に戦えなかったばかりか、ボコボコにやられた乙女達は、涙を浮かべながら海の底へ沈んで行った。だが、そんな彼女達に対し、ジェーンの態度は冷ややかだった。
「馬鹿みたいに大砲を撃ってたら、敵に見つかるのは当然だ。掟ってのは理由があって決まってるんだよ。自業自得と思うんだね」
自由奔放に思える海賊にも、最低限守らなければならないものがある。それを知らずに暴れるだけしか能がないのであれば、そんな者に海へと出る資格はないのだと。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
ジェーン・コーネリアス
ヤバいやつだなんて、全く言ってくれるじゃないか
部下の教育はどうなってるんだい?
ディヴィ・ジョーンズの監獄で部下に会ったら言っておくといい
「ヤバくない海賊なんていない、その程度のことをわざわざ確認するな」ってさ
引き続き右手にカトラス「Macha」、左手にピストル「Nemain」を持ち戦闘
なんだ、ドカドカと五月蠅い海賊だと思ったら軍人様だったのかい?
船の上で真実がどうたらと随分と行儀がいいようだ
わざわざ歓迎の準備をしてくれたんだ、正面から構築された陣地に乗り込んでやろう
砲撃を避け、「Macha」で切り裂いて乗り込み、乗員たちを切り伏せながらカブラルへと接近、『海嵐の極み』でカトラスとピストルの連撃を浴びせるよ
さっきも言ったろう?
「ヤバくない海賊なんかいない」ってさ
陸に待たせた家族より、船で大砲と寝泊まりしてる方が多いような奴らなんだ
大砲を今更恐れるはずがないだろう
クローディア・ベネット
思う存分に砲弾をぶっ放せるお楽しみの時間がやっと来たんだ、もっと喜んだらどうだい?
まさか、自分の船が奪われる恐れもなしに、一方的に撃ちまくりたいだけなんて言わないよな
何のリスクもない狩りなんざ、ちっとも面白くないだろ!
――『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』
再び幽霊の海賊達を呼び出し、彼らを率いて攻撃を仕掛けるよ
今度は戦力を分散させる必要はない。狙うはひとつ、大将首だ!
狭い船上で荒くれどもを四方から殺到させ、次々とカトラスの刃を叩きつける
私も先頭に立って《船長のサーベル》を振るい、血みどろの大暴れを楽しもうか!
もちろん無駄に長引かせることはせず、好機と見たら喉を裂くか、或いは鋭い切っ先で貫いて決着をつけにいくよ
ははっ、撃ってきやがったな!
敵の砲撃は船のマストを遮蔽物として着弾を減らしつつ、避けきれない弾やその破片は『聖遺の護符』で弾こう
完全に押し退けるのは無理にしても、悪い当たり所に入らないようにできりゃ万々歳だ
沈めさせるために船を奪うってのも妙な気分だな
まぁ、今回は大脱出を楽しませて貰おうか
九十九・静梨
※連携・アドリブ歓迎
欲求不満ならばどうぞこちらにお付き合い致しましょう
さあ我が筋肉が略奪の徒を蹂躙する時ですわ!
全身の肉体改造(トレーニング)で鍛え上げた筋肉を隆起させ戦闘態勢に
相手は通常砲撃でこちらを近寄らせないようにするでしょうが
我が筋肉の前には無意味な事!
黒角衝を発動
装備した『螺旋砕腕』と『魔晶刃腕』に黒角状のエネルギーを帯び
筋肉で床を強打しまっすぐに敵へ突進
突進の勢いと突き出した両腕からの角型エネルギーで砲撃をはね除けて敵本体へ吶喊
両腕で連打し【ダメージアップ】も加えて容赦なく敵本体の体を破壊しますわ!
これがわたくしの砲撃破りですわ!
反撃には肉弾戦の構えから砲撃に対し拳や蹴りで迎撃の強打を繰り出し
拳や蹴り自体やそれが起こす衝撃波で連続砲撃を吹き飛ばしたり軌道を逸らしたりする事でダメージ軽減や急所直撃回避を狙いますわ
機があれば再攻撃や反撃を狙いますわ
これだけ撃てば満足でしょう
御礼は勝手に頂きますのでご安心を
ドレイク船長への道を空けて頂く
これだけで十分でしてよ
それではご機嫌よう
アンネリーゼ・ゾンマーフェルト
砲撃の禁断症状って、何なのかしら……
よくわからないけれど、あれもまた機械の濫用の一形態であることは間違いないわね
大砲は人類が積み重ねてきた冶金技術の結晶。それを使って、下らない遊びなんて許さないわ
救援機動力と【水面走行】で戦闘中の船に到達
あとから追い付いたからまだ位置が割れていない利を活かして、甲板上の積み荷や段差に身を隠しながら敵を狙い撃ちましょう
相手が砲撃に没頭して悦に入っている所を撃ち抜いて、仲間がトドメを刺すのにちょうどいい隙を作れれば狙い通りね
『#荷電粒子砲 #狙撃形態 #射線に注意』を発動
《荷電粒子ビームライフル》に取り付けたスコープ越しに敵の姿を捉え、トリガーを引くわ
戦いの熱と轟く砲声に夢中になっている彼に、冷や水をかけてあげましょう
こんにには、砲撃狂さん。実弾もいいけど光学兵器も悪くないわよ?
あなた達の技術レベルじゃ実現できないでしょうけど
反撃が始まったら海に飛び込んで【水中適応】
船の下に潜って、降り注ぐ砲弾への盾にしましょう
どうせ壊すなら今損傷が増えても構わないわ
●彼はもう病気です
戦いを我慢するよう強いられていたのに、気が付けば船の上でディアボロスが好き放題に暴れている。そんな現状を知ったペドロ・アルヴァレス・カブラルは、今までの鬱憤を晴らすが如く盛大にブチ切れた。
「ぬがぁぁぁぁっ! 貴様らぁぁぁぁっ! 私の船で何をやっているかぁぁぁぁっ!!」
こんな至近距離では、戦いといっても白兵戦がメインだろう。それはつまり、砲撃の出番はないということである。砲撃中毒のカブラルにとって、これはなんとも耐え難い苦痛! いざ戦いが始まったと思えば、接近戦を強いられるなどあんまりだ。
「思う存分に砲弾をぶっ放せるお楽しみの時間がやっと来たんだ、もっと喜んだらどうだい? まさか、自分の船が奪われる恐れもなしに、一方的に撃ちまくりたいだけなんて言わないよな? 何のリスクもない狩りなんざ、ちっとも面白くないだろ!」
「ヤバいやつだなんて、全く言ってくれるじゃないか。部下の教育はどうなってるんだい? ディヴィ・ジョーンズの監獄で部下に会ったら言っておくといい……『ヤバくない海賊なんていない、その程度のことをわざわざ確認するな』ってさ!」
そんなカブラルのことを、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)とジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は執拗に煽った。半分以上は本音だが、これも作戦の内。相手が苛立って闇雲に砲撃してくれれば、それ自体がチャンスとなるわけで。
「えぇい、こうなったら船の上でも構わん! 全て砲撃で塵にしてくれる!」
案の定、勝手に頭へ血を昇らせたカブラルは、船の上の相手にも関係なしに砲撃をブチ込もうと叫ぶ始末。
いや、そんなことしたら、お前も船と一緒に海の藻屑になるだろう。誰ともなく突っ込みを入れたくなったが、それはそれ。逆説連鎖戦において距離の概念はあまり意味を成さないため、船の上でも白兵戦のみを強いられるというわけではない。わけではないのだが……。
「砲撃の禁断症状って、何なのかしら……?」
物陰から狙いを定めつつ、アンネリーゼ・ゾンマーフェルト(シュタールプロフェート・g06305)は呆れた様子で呟いた。トリガーハッピーという性格の者がいることは知っていたが、それにしてもあれは酷い。自分の命や戦いの勝利溶離も砲撃行為そのものを優先するとか、どう考えても病気である。
「欲求不満ならばどうぞこちらにお付き合い致しましょう。さあ、我が筋肉が略奪の徒を蹂躙する時ですわ!」
ブチ切れながら大砲を構えるカブラルに、鍛え上げた肉体を見せつけつつ九十九・静梨(魔闘筋嬢・g01741)が告げる。
お前の砲撃など怖くはない。そんなもの、全て筋肉で弾き返してやる。その言葉が引き金となり……カブラルは船の上であるにも関わらず、ディアボロス達目掛けて盛大に砲撃を開始した。
●砲撃中毒の果てに
「ぬぉぉぉぉぉっ! 貴様ら、全員まとめて消し炭にしてくれるわぁぁぁぁっ!!」
ディアボロス達の挑発にブチ切れたカブラルは、自分の船が砲撃で傷つくことも関係なしに、盛大に攻撃を仕掛けて来た。
もっとも、彼の使用するパラドクスは船の幻影を呼び出して艦砲射撃を行わせたり、あるいは船団員を呼び出して一斉砲撃をさせたりするというものだ。当然、そんなことをすれば、彼の船とて無事では済まない。案の定、傍から見ればカブラルの船が仲間から攻撃を受けているようにしか思えない光景になっており、その中で更に船員達が自分の船に向かって砲撃を行っているという、なんともカオスな情景であった。
「ははっ、撃ってきやがったな! 野郎ども、大騒ぎの時間だ!」
自身はマストの後ろに隠れつつ、クローディアは再び幽霊の海賊達を召喚した。そのまま彼らを突撃させれば、船の上は更に酷い乱戦と化して行く。
彼女の呼び出した海賊達は幽霊なので、物理攻撃はそこまで効果はない。それでも、砲撃の爆風で次々と吹き飛ばされて行くのだが、それもまた彼女の狙いである。戦場が混乱すればするほど、自分も含めた他の者達がカブラルに接近する機会が増えるのだから。
「なるほど……なかなか激しい攻撃ですわね。ですが……わたくしの肉体の前には無意味ですわ!」
そんな中、静梨は拳を構えると、身一つで砲撃が飛び交う最中へと飛び出して行く。当然、彼女は砲撃を正面から食らってしまうのだが……しかし、その程度では彼女の突進を止めることは困難だった。
「な、なにぃっ!? 私の砲撃を受けて、無事でいられるというのか!?」
驚愕するカブラルだったが、静梨は黒角状のオーラを爆風の盾にしつつ、一直線に突っ込んで来る。慌てて周囲の船に砲撃命令を下すも、それよりも静梨がカブラルに接近する方が早かった。
「これが! わたくしの砲撃破りですわ!」
「……ぐふっ!! ば、馬鹿な……この娘、自らの肉体が砲弾だとでもいうのか……!!」
文字通り、漆黒の砲弾と化した静梨の頭部がカブラルに突き刺さり、追い打ちをかけるようにして拳と蹴りのラッシュが襲い掛かる。ボコボコに殴られながらも、堪らず距離を取ったカブラルだったが、今度はそんな彼の脇腹を凄まじい威力の光線が貫いた。
「ぐはぁっ! こ、今度は何事だ!?」
辺りを見回すが、敵の姿はない。砲撃の軌跡を辿ることで、カブラルはようやくアンネリーゼの姿を発見するも、彼女が構えているのは大砲ではなく荷電粒子ビームライフル。
「こんにちは、砲撃狂さん。実弾もいいけど光学兵器も悪くないわよ? あなた達の技術レベルじゃ実現できないでしょうけど……」
大航海時代の技術では、再現不能な兵器である。はっきり言って、これは完全にオーパーツ。パラドクスの撃ち合いと考えれば実弾もビームも差異はないように思えるが、それでもこの状況ではカブラルの方が少しばかり分が悪い。
「くそっ! 妙な武器を使いおって!!」
間髪入れずに反撃体制に移るカブラルだったが、その砲弾が装填されるよりも先に、アンネリーゼは先んじて海へと飛び込んでしまった。パラドクスは距離を無視して攻撃できるとはいえ、これでは狙いが定まらない。大海原の中に潜ってしまった彼女の姿を、カブラルは視認することができないわけで。
「小癪な真似を! こうなったら、この海域を全て火の海に……っ!?」
もはや、他の仲間のことさえ考えていない行為に出ようとするカブラルだったが、そんな彼の背中をクローディアのサーベルが盛大に斬り裂いた。
「ほらほら、余所見している暇なんてあるのかい?」
戦いの中で敵の姿を見失うなど、戦士としてはあるまじき姿。これは仕置が必要だとばかりに、クローディアは海賊の幽霊達と共に、更にカブラルを斬り付けて行く。
「ひぃっ! や、やめてくれ! 私は砲撃が専門なんだ! 接近戦は、反則だ!」
ここに来て、まさかの愚劣な命乞い。もはや敬意に値するものなど欠片もない。這う這うの体で逃げ出そうとするカブラルの前に、今度はジェーンが立ちはだかり。
「なんだ、ドカドカと五月蠅い海賊だと思ったら軍人様だったのかい? 船の上で真実がどうたらと随分と行儀がいいようだ」
しかし、その軍人が私的な理由で武器を消耗し、あまつさえ自ら預かった船を傷つけ、負けそうになったら逃げ出すとは本末転倒。そんな者には、敢えてルールに則った戦いをしてやる必要もない。
「よ、よせ! 止めろ! 私はまだ、満足に大砲を撃ち尽くしていな……ぎゃぁぁぁぁっ!!」
逃げ出そうとしたカブラルの身体をジェーンがカトラスでズタズタに引き裂き、更に眉間へピストルの一撃を食らわせたところで勝負は決まった。バランスを崩したカブラルは、そのまま船の上から海の中へと落ちて行き、二度と再び上がっては来なかったのだ。
「さっきも言ったろう? 『ヤバくない海賊なんかいない』ってさ」
海の藻屑と消えたカブラルへ、戦場から海面を見下ろしつつ、ジェーンが告げる。
海賊とは、陸に待たせた家族より船で大砲と寝泊まりしている時間の方が長いような連中だ。そんな者達が、今さら大砲を恐れるはずもない。人々を恐怖のドン底に陥れたとされる砲撃使いも、船上で好き勝手に暴れる型破りな戦い方の前には、成す術もなく敗走するしかなかったのである。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV2が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【通信障害】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
アンネリーゼ・ゾンマーフェルト
これで後は船を沈めさせるだけね
海賊の癖に、自分たちが船を盗られると大慌てなんて情けない奴らだわ
お陰でこっちとしては、戦力を減らしやすくて助かるけど……
どこに行ってもこんな様子じゃ、船を鹵獲したい時はひと工夫がいるかも
船から海賊旗を引きずり降ろし、代わりに全く異なる勢力の旗を立てるわ
新宿島の存在を連想させるようなものじゃなければ何でもいいわよね?じゃあ、馴染み深いこれで……
黒・白・赤の三色旗に、ドイツ騎士団以来の伝統ある鉄十字をあしらった、ドイツ帝国海軍旗よ
旗を掲揚したら舵を取り、船を敵船団から逃れる方向に帆走させましょう
「船を奪って逃げる」つもりだと認識させた上で、敵に見えづらい所から【水中適応】状態で海に飛び込む
甲板上じゃどうしても目につくなら、一度船室に入ってからパラドクスで船に穴を開けて出ていこうかしら
船団の攻撃に晒される海賊船をよそに、密かに水中を泳ぎ進んでトレインへと帰投しましょう
もうそろそろドレーク艦隊の中枢が射程に収まりそうね
次の作戦に向けて、今は帰ってゆっくり休みましょう
●この船はもう限界です!
カブラルも倒された今、後は敵の砲撃によって敢えて船を沈めさせるのみだった。
もっとも、先の戦いで既に船はズタボロだ。放っておいても勝手に沈みそうな気がするし、こんな船なんぞ遺棄した方が良さそうな感じだが、それはそれ。
「これで後は船を沈めさせるだけね。海賊の癖に、自分たちが船を盗られると大慌てなんて情けない奴らだわ」
冷静に状況を見極めつつ、アンネリーゼ・ゾンマーフェルト(シュタールプロフェート・g06305)は船から海賊旗を引きずり下ろした。代わりに掲げるのは、全く異なる勢力の旗。とりあえず、新宿島の存在を悟られなければ何でも構わないため、アンネリーゼはドイツ帝国の海軍旗を代わりに掲げた。
「おい、あれはなんだ!?」
「船が奪われたのか! えぇい、さっさと沈めてしまえ!」
風にたなびく黒、白、赤の三色旗を見た周囲の海賊達は、一斉にカブラルの船であったものへ攻撃を仕掛けて来た。先の戦いで既に半壊状態だった船は、大砲の直撃を胴体にもらっただけで、大きく船体を傾けて大海原に倒れ伏した。
「まさか、一撃でおしまいとはね……。お陰でこっちとしては、戦力を減らしやすくて助かるけど……どこに行ってもこんな様子じゃ、船を鹵獲したい時はひと工夫がいるかも」
戦力を減らすことはできても、利用することは難しい。なんとも面倒な相手だと溜息を吐きつつ、アンネリーゼはドサクサに紛れて海の中へ飛び込んだ。
今回は、どちらにせよ敵が敵だっただけに、船の奪取は難しかったかもしれない。カブラルとの戦いが終わった時点で、この船は遠からず海の藻屑となる運命にあったのだから。
今は、とりあえず次の作戦に備えて身体を休めよう。海賊達の意識が沈んで行く船に集中している内に、アンネリーゼは悠々と海を泳ぎ、そのまま帰還するのであった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!